説明

携帯電話機、携帯電話機の発信方法及びプログラム

【課題】回転ダイヤル方式によって電話発信操作を行うことができる携帯電話機、携帯電話機の発信方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】操作者により所望の数字が指定された状態で所定方向に所定角度回転させられることにより、数字を入力する回転手段と、回転手段により入力された数字で構成される電話番号に基づいて、無線による電話発信を行う発信手段と、を有することにより、携帯電話機において、回転ダイヤル方式による電話の発信操作を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信により電話機能を実現する携帯電話機、携帯電話機の発信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在普及している携帯電話機は、プッシュボタン方式である。プッシュボタン方式の携帯電話機は、例えば特許文献1の図1に示されるように、筐体に複数の操作ボタンが設けられている。携帯電話機の操作者は、所望の操作ボタンを押下することにより、例えば電話発信の操作などを行う。
【特許文献1】特開2000−231371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したプッシュボタン方式に対し、かつて固定電話機で一般的に採用されていた回転ダイヤル方式がある。この回転ダイヤル方式は、所望の数字を指定して、筐体に設けられた回転体を所定方向(例えば時計回り)に回転させることにより、電話番号を入力する方式である。操作性の点から、プッシュボタン方式よりも回転ダイヤル方式を好む人々もいる。従って、回転ダイヤル方式を好む人々にとっては、携帯電話機に採用されているプッシュボタン方式の操作がしにくいという問題がある。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、回転ダイヤル方式によって電話発信操作を行うことができる携帯電話機、携帯電話機の発信方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するために、本発明の携帯電話機は、操作者により所望の数字が指定された状態で所定方向に所定角度回転させられることにより、数字を入力する回転手段と、回転手段により入力された数字で構成される電話番号に基づいて、無線による電話発信を行う発信手段と、を有することを特徴とする。
【0006】
また、本発明の携帯電話機において、回転手段により入力された数字を音声で通知する音声通知手段をさらに有することを特徴としてもよい。
【0007】
また、本発明の携帯電話機において、回転手段により入力された数字を表示する表示手段をさらに有することを特徴としてもよい。
【0008】
また、本発明の携帯電話機において、回転手段は、操作者により所望の文字を選択する操作が行われるとともに、操作者により選択された文字を入力する文字入力キーを有することを特徴としてもよい。
【0009】
また、本発明の携帯電話機において、文字入力キーが操作される場合に、回転手段が回転しないように制御する回転制御手段をさらに有することを特徴としてもよい。
【0010】
また、本発明の携帯電話機において、表示手段は、文字入力キーにより入力された文字を表示することを特徴としてもよい。
【0011】
本発明の携帯電話機の発信方法は、操作者により所望の数字が指定された状態で所定方向に所定角度回転させられる回転手段を有する携帯電話機の発信方法であって、回転手段の回転により、操作者に指定された数字を入力する数字入力ステップと、数字入力ステップにより入力された数字で構成される電話番号に基づいて、無線による電話発信を行う電話発信ステップと、を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の携帯電話機の発信方法において、数字入力ステップにより入力された数字を音声で通知する音声通知ステップをさらに有することを特徴としてもよい。
【0013】
また、本発明の携帯電話機の発信方法において、数字入力ステップにより入力された数字を表示する第1の表示ステップをさらに有することを特徴としてもよい。
【0014】
また、本発明の携帯電話機の発信方法において、回転手段に設けられた文字入力キーで操作者により所望の文字を選択する操作が行われた場合に、操作者により選択された文字を入力する文字入力ステップをさらに有することを特徴としてもよい。
【0015】
また、本発明の携帯電話機の発信方法において、文字入力キーの操作が行われる場合に、回転手段が回転しないように制御する回転制御ステップをさらに有することを特徴としてもよい。
【0016】
また、本発明の携帯電話機の発信方法において、文字入力ステップにより入力された文字を表示する第2の表示ステップをさらに有することを特徴としてもよい。
【0017】
本発明のプログラムは、本発明の携帯電話機の発信方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、携帯電話機において、回転ダイヤル方式による電話の発信操作を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の携帯電話機、携帯電話機の発信方法及びプログラムの実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態について説明する。まず、本実施形態の携帯電話機の外観について、図1を参照しながら説明する。図1(a)は本実施形態の携帯電話機の外観斜視図であり、図1(b)は本実施形態の携帯電話機の外観正面図である。図1に示すように、本実施形態の携帯電話機は、上側筐体1と、下側筐体2とがヒンジ7を介して開閉可能な折り畳み式携帯電話機である。なお、本実施形態では折り畳み式を例としたが、これに限定されず、その他の形状であってもよい。また、本実施形態では上側筐体1と下側筐体2の形状を略直方体としたが、各筐体の形状はこれに限定されず、例えば略円柱状や略多角柱状であってもよい。
【0021】
図1に示すように、本実施形態の携帯電話機は、上側筐体1にスピーカ6を有する。スピーカ6は、通話相手の音声が出力される受話部である。また、本実施形態の携帯電話機は、下側筐体2にマイク5を有する。マイク5は、通話相手に対する自分の音声を入力するための送話部である。
【0022】
本実施形態の携帯電話機は、回転ダイヤル方式での電話発信を実現するために、図1に示すように、下側筐体1の表面の中央部分に、回転体3及びストッパ4を有する。回転体3は、略円形状の板状部材であり、図示しない支持部材により下側筐体2の表面に取り付けられている。回転体3は、一般的に回転手段と呼ぶことができる。この回転体3は、例として、その表面に0〜9までの数字が表示されている。各数字の表示部分は、凹部(窪み)となっており、操作者が指等を引っ掛けやすくなっている。携帯電話機の操作者は、電話番号を入力して電話発信を行う場合、回転体3上の所望の数字に指を掛けたまま、例えば時計回り方向にストッパ4まで回す。操作者が、回転体3をストッパ4まで回し、掛けていた指を回転体3から離すと、回転体3は自動的に反時計回り方向に回転し、図1(b)に示す元の状態に戻る。このような回転操作(ダイヤル操作)により、操作者が指を掛けて指定した数字が入力される。操作者は、この回転操作を繰り返し、所望の電話番号を構成する数字を頭から順番に全て入力する。
【0023】
次に、本実施形態の携帯電話機のハードウェア構成について、図2(a)を参照しながら説明する。図2(a)は、本実施形態の携帯電話機のハードウェア構成を示すブロック図である。図2(a)に示すように、本実施形態の携帯電話機は、CPU10、ROM11、RAM12、通信部13、入力部14、バス15を内部構成として有している。なお、図2(a)に示す回転体3、スピーカ6及びマイク5は、図1に示すものと同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0024】
CPU(Central Processing Unit)10は、バス15を介して、携帯電話機内の各部に接続されており、読み込んだプログラムに従って、携帯電話機全体の動作を制御する。
【0025】
ROM(Read Only Memory)11は、各種制御用プログラム等の固定データを格納した記憶媒体である。CPU10は、ROM11からプログラムを読み出し、そのプログラムに従って携帯電話機の動作を制御する。
【0026】
RAM(Random Access Memory)12は、CPU10がROM11から読み込んだプログラムを実行する上で一時的に必要とされるデータを格納する作業用記憶媒体である。
【0027】
通信部13は、無線によって電話機能(電話の着信、発信、通話)を行う回路である。この通信部13には、基地局等を備える無線通信網を介した無線通信を可能とするためのアンテナを含むものとする。
【0028】
入力部14は、回転体3を回転させる操作によって入力される数字を検知する回路である。すなわち、入力部14は、回転体3がストッパ4まで回転させられることにより発生するダイヤルパルスによる数字情報を認識する。
【0029】
バス15は、図2(a)に示す各部間でやり取りされるデータ(例えば、各種情報や各種信号など)の経路である。
【0030】
次に、本実施形態の携帯電話機の動作(本発明の携帯電話機の発信方法の一実施形態)について、図2(b)を参照しながら説明する。図2(b)は、本実施形態の携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【0031】
上述したように、携帯電話機の操作者は、所望の電話番号を入力して電話発信を行う場合、電話番号を構成する数字毎に回転体3の回転操作を行う。この回転体3の回転操作により、操作者に指定された数字(数字情報)が入力部14に入力される(ステップS1)。操作者は、電話番号を構成する全ての数字の入力が終了するまで、回転体3の回転操作を繰り返す(ステップ2/NO)。入力部14に全ての数字が入力されると(ステップS2/YES)、CPU10は、入力された複数の数字で構成される電話番号に基づいて、通信部13を介して、無線による電話発信を行う(ステップS3)。
【0032】
このように、本実施形態において、CPU10及び通信部13は、入力された数字で構成される電話番号に基づいて、無線による電話発信を行う発信手段と呼ぶことができる。
【0033】
以上説明したように、本実施形態によれば、携帯電話機において、回転ダイヤル方式による電話の発信操作を実現することができる。よって、プッシュボタン方式よりも回転ダイヤル方式を好む人々が、携帯電話機の操作を容易に行うことができる。なお、回転ダイヤル方式を好む人々の例としては、例えば年配者や視覚障害者等が挙げられる。年配者にとっては、回転ダイヤル方式が馴染み深く、その操作に慣れているため、回転ダイヤル方式を好む傾向がある。また、視覚障害者等にとっては、均一的な形状のボタンが配置されているプッシュボタン方式よりも、回転ダイヤル方式の回転板の形状の方が手探りによって数字を認識しやすいため、回転ダイヤル方式を好む傾向がある。従って、本実施形態によれば、年配者や視覚障害者等に対し、携帯電話機の普及を促進することもできる。
【0034】
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態の携帯電話機の外観及びハードウェア構成は、上記第1の実施形態で説明した図1及び図2と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0035】
本実施形態の携帯電話機の動作(本発明の携帯電話機の発信方法の一実施形態)について、図3を参照しながら説明する。図3は、本実施形態の携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【0036】
上記第1の実施形態で説明した図2(b)のステップS1と同様に、携帯電話機の操作者は、所望の電話番号を入力して電話発信を行う場合、電話番号を構成する数字毎に回転体3の回転操作を行う。この回転体3を用いた回転操作により、操作者に指定された数字(数字情報)が入力部14に入力される(ステップS11)。
【0037】
CPU10は、入力部14に入力された数字を示す音声をスピーカ6から出力する(ステップS12)。なお、例えば、ROM11には、0〜9の各数字を示す数字情報と、各数字を示す音声データとが対応付けられて予め記憶されている。CPU10は、入力部14に入力された数字情報に対応する音声データをROM11から読み出し、読み出した音声データをスピーカ6から出力する。
【0038】
操作者は、電話番号を構成する全ての数字の入力が終了するまで、回転体3の回転操作を繰り返す(ステップ13/NO)。なお、回転操作毎に、CPU10は、入力された数字を示す音声をスピーカ6から出力する。
【0039】
入力部14に全ての数字が入力されると(ステップS13/YES)、CPU10は、入力された複数の数字で構成される電話番号に基づいて、通信部13を介して、無線による電話発信を行う(ステップS14)。
【0040】
このように、本実施形態において、CPU10及び通信部13は、入力された数字で構成される電話番号に基づいて、無線による電話発信を行う発信手段と呼ぶことができる。また、本実施形態において、CPU10、ROM11及びスピーカ6は、入力された数字を音声出力することで操作者に通知する音声通知手段と呼ぶことができる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態によれば、スピーカ6から入力数字を音声出力することで、操作者は、回転操作毎に、入力した数字を耳で確認することができる。
【0042】
〔第3の実施形態〕
本発明の第3の実施形態について説明する。まず、本実施形態の携帯電話機の外観について説明する。本実施形態の携帯電話機の外観は、例として、図1(a)及び(b)に示す上側筐体1の表面に表示部8を備える(例えば、後述する図5参照)。表示部8の例としては、液晶ディスプレイが挙げられる。
【0043】
次に、本実施形態の携帯電話機のハードウェア構成について、図4(a)を参照しながら説明する。図4(a)は、本実施形態の携帯電話機のハードウェア構成を示すブロック図である。図4(a)に示すように、本実施形態の携帯電話機は、CPU10、ROM11、RAM12、通信部13、入力部14、バス15、表示制御部16を内部構成として有している。なお、図4(a)に示す回転体3、スピーカ6及びマイク5は、図1に示すものと同じであるので、ここでの説明は省略する。また、表示部8は、上述した通り、上側筐体1の表面に備えられる液晶ディスプレイ等である。また、図4(a)において、図2(a)と同符号である各部については、上記第1の実施形態で説明したので、ここでの説明は省略する。
【0044】
表示制御部16は、表示部8の表示を制御する回路である。表示制御部16の制御により、表示部8には、例えば文字や画像などのデータが表示される。
【0045】
本実施形態の携帯電話機の動作(本発明の携帯電話機の発信方法の一実施形態)について、図4(b)を参照しながら説明する。図4(b)は、本実施形態の携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【0046】
図4(b)に示す各動作は、基本的には、上記第2の実施形態で説明した図3に示す各動作と同様である。すなわち、図4(a)のステップS21、S23、S24は、図3のステップS11、S13、S14と同様であるので、ここでの説明は省略し、図4(a)のステップS22についてのみ説明する。
【0047】
CPU10は、入力部14に入力された数字を示す音声をスピーカ6から出力するとともに、表示制御部16を介して、入力部14に入力された数字を表示部8に画面表示させる(ステップS22)。スピーカ6における音声出力の詳細は、上記第2の実施形態で説明した通りである。
【0048】
このように、本実施形態において、CPU10及び通信部13は、入力された数字で構成される電話番号に基づいて、無線による電話発信を行う発信手段と呼ぶことができる。また、本実施形態において、CPU10、ROM11及びスピーカ6は、入力された数字を音声出力することで操作者に通知する音声通知手段と呼ぶことができる。また、本実施形態において、CPU10、表示制御部16及び表示部8は、入力された数字を表示することで操作者に通知する表示手段と呼ぶことができる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態によれば、表示部8に入力数字を表示することで、操作者は、回転操作毎に、入力した数字を目で確認することができる。
【0050】
なお、上記図4(b)のステップS22の説明では、例として、入力された数字を音声と画面表示の両方で操作者に通知するようにしたが、画面表示のみを行うようにしてもよい。
【0051】
また、上記図4(b)のステップS22の説明では、例として、表示部8による画面表示について説明したが、入力された数字の表示方法はこれに限定されない。表示方法の一例として、発光体点灯方法を説明する。回転体3における各数字の表示部分に、ライトなどの発光体(表示部8の一例)を設ける。回転体3の回転操作により入力部14に所定の数字が入力される毎に、CPU10は、表示制御部16を介して、入力された数字に対応する発光体を一定時間点灯(あるいは点滅)させる。なお、この発光体点灯方法と、上記画面表示方法とを両方行うようにしてもよい。
【0052】
〔第4の実施形態〕
本発明の第4の実施形態について説明する。まず、本実施形態の携帯電話機の外観について説明する。図5は本実施形態の携帯電話機の外観正面図である。図5に示すように、本実施形態の携帯電話機は、上記第1の実施形態で説明した図1に示す外観と基本的に同じであるが、上側筐体1に表示部8を備え、かつ、下側筐体2に機能切替ボタン9を備える点が異なる。また、回転体3の各数字表示部分には数字とともに文字も表示されており、各数字表示部分が文字入力キー31として機能する点も異なる。
【0053】
表示部8は、上記第3の実施形態と同様に、例として液晶ディスプレイが挙げられる。
【0054】
機能切替ボタン9は、携帯電話機が有する複数の機能の中から、操作者が所望の機能に切り替えるためのボタンである。本実施形態の携帯電話機では、例として、電話機能の他に電子メール機能(電子メールの受信、送信、作成、閲覧、保存等)を有するものとする。よって、本実施形態では、操作者は、機能切替ボタン9を操作(例として、押下)することにより、電話機能と電子メール機能とを切り替えることができる。なお、以下の説明では、電子メール機能のうち、電子メール作成機能を例として説明する。電子メール作成機能は、文字入力機能の例の1つであり、文字入力機能のその他の例としては、テキストメモの作成機能や電話帳への登録機能などがある。本実施形態は、携帯電話機において、回転ダイヤル方式の電話発信を実現しつつ、これら文字入力機能を実現する。
【0055】
文字入力キー31は、回転体3上の0〜9の各数字表示部分に設けられるタッチ式センサースイッチである。図5では、例として「7 ま」の数字表示部分のみが文字入力キー31として示されているが、回転体3上の全ての数字表示部分が文字入力キー31として機能する。例えば「7 ま」の数字表示部分は、電子メール作成機能に切り替えられた場合、操作者が「ま行」の各文字や数字の「7」を文字入力するための文字入力キー31として使用される。例えば、操作者が「7 ま」の数字表示部分を指などで一回押下すると、ひらがな文字の「ま」が入力され、表示部8に表示される。このとき、操作者がもう一回数字表示部分を押下すると、「み」が入力され、表示されていた「ま」に代わって「み」が表示部8に表示される。このように、操作者は、文字入力キー31を操作(例として、押下または接触)することにより所望の文字を入力し、電子メールの作成を行う。なお、本実施形態では、文字入力キー31で入力できる文字の例として、ひらがな及び数字としたが、その他の文字(カタカナ、漢字、アルファベット等)、記号、絵文字等も入力できるようにしてもよい。
【0056】
次に、本実施形態の携帯電話機のハードウェア構成について、図6(a)を参照しながら説明する。図6(a)は、本実施形態の携帯電話機のハードウェア構成を示すブロック図である。図6(a)に示すように、本実施形態の携帯電話機は、上記第4の実施形態と同様に、CPU10、ROM11、RAM12、通信部13、入力部14、バス15、表示制御部16を内部構成として有している。なお、図6(a)に示す回転体3、スピーカ6、マイク5及び表示部8は、図4(a)に示すものと同じであるので、ここでの説明は省略する。また、機能切替ボタン9及び文字入力キー31は、上述した通りである。また、図6(a)において、図2(a)及び図4(a)と同符号である各部については、上記第1及び第4の実施形態で説明したので、ここでの説明は省略する。
【0057】
文字入力キー31の操作によって入力される文字、及び、機能切替ボタン9の操作によって切り替えられる機能は、入力部14で検知される。
【0058】
本実施形態の携帯電話機の動作(本発明の携帯電話機の発信方法の一実施形態)について、図6(b)を参照しながら説明する。図6(b)は、本実施形態の携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【0059】
操作者は、電話機能から電子メール作成機能に切り替えるため、機能切替ボタン9を押下する。入力部14が機能切替ボタン9の押下を検知すると、CPU10は、電子メール作成機能を実行するよう各部を制御する(ステップS31)。CPU10は、例えば、表示制御部16を介して、表示部8にメール作成画面を表示させる。メール作成画面は、操作者が文字等を入力して電子メールを作成するための画面である。
【0060】
また、CPU10は、例えば表示部8にメール作成画面を表示させると同時に、回転体3が回転しないようにロックする制御を行う(ステップS32)。CPU10は、入力部14を介して、回転体3の回転をロックするロック手段(図示せず)に制御信号を送る。ロック手段は、この制御信号を受けると、回転体3の回転操作が行われないように固定してロックする。この制御信号は、回転体3にも送信される。回転体3に設けられた各文字入力キー31は、この制御信号を受けると、操作者による文字入力操作を受け付けることができる状態となる。
【0061】
操作者は、上述したように、所望の文字入力キー31を押下して、所望の文字を選択、指定する操作を行う。この文字入力キー31を用いた文字入力操作により、操作者に選択、指定された文字(文字情報)が入力部14に入力される(ステップS33)。
【0062】
CPU10は、表示制御部16を介して、入力部14に入力された文字を表示部8に画面表示させる(ステップS34)。以上の操作を繰り返すことにより、操作者は、電子メールの文章等を作成することができる。作成された電子メールは、通信部13を介して、操作者により指定されたアドレス宛に送信される。
【0063】
このように、本実施形態において、CPU10及び図示しないロック手段は、文字入力キー31が操作される場合に、回転体3が回転しないように制御する回転制御手段と呼ぶことができる。また、本実施形態において、CPU10、表示制御部16及び表示部8は、文字入力キー31の操作により入力された文字を、表示することで操作者に通知する表示手段と呼ぶことができる。
【0064】
以上説明したように、本実施形態によれば、回転体3に文字入力キーを備えることで、操作者は、回転体3を使用して文字入力操作を行うことができる。また、文字入力操作が行われるときには回転体3を回転しないようにロックすることで、操作者は、容易に文字入力操作を行うことができる。また、表示部8に入力文字を表示することで、操作者は、入力した文字を目で確認することができる。
【0065】
なお、本実施形態において、文字入力キー31の表面に、該当する文字及び数字を示す点字を備えるようにしてもよい。これにより、視覚障害者の人にとって、回転体3上の各文字及び各数字が認識しやすくなる。
【0066】
また、本実施形態において、表示制御部16が、表示部8に表示する文字を拡大表示する機能や、表示部8に表示する文字列を1〜5行程度に制限する機能を備えるようにしてもよい。これにより、年配者の人にとって、表示部8の表示が見易くなる。
【0067】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。また、上記各実施形態の構成を任意に組み合わせて動作させることもできる。
【0068】
例えば、上述した各実施形態における動作(各フローチャートに示す動作)は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成によって実行することも可能である。
【0069】
ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させてもよい。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させてもよい。
【0070】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。
【0071】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送してもよい。または、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送してもよい。コンピュータでは、転送されてきたプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることが可能である。
【0072】
また、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、電話機能を有する移動体通信端末装置全般に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態である携帯電話機の外観を示す斜視図であり、(b)は本発明の第1の実施形態である携帯電話機の外観を示す正面図である。
【図2】(a)は、本発明の第1の実施形態である携帯電話機のハードウェア構成を示すブロック図であり、(b)は本発明の第1の実施形態である携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態である携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【図4】(a)は、本発明の第3の実施形態である携帯電話機のハードウェア構成を示すブロック図であり、(b)は本発明の第3の実施形態である携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第4の実施形態である携帯電話機の外観を示す正面図である。
【図6】(a)は、本発明の第4の実施形態である携帯電話機のハードウェア構成を示すブロック図であり、(b)は本発明の第4の実施形態である携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0075】
1 上側筐体
2 下側筐体
3 回転体
4 ストッパ
5 マイク
6 スピーカ
7 ヒンジ
8 表示部
9 機能切替ボタン
10 CPU
11 ROM
12 RAM
13 通信部
14 入力部
15 バス
16 表示制御部
31 文字入力キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者により所望の数字が指定された状態で所定方向に所定角度回転させられることにより、前記数字を入力する回転手段と、
前記回転手段により入力された数字で構成される電話番号に基づいて、無線による電話発信を行う発信手段と、
を有することを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
前記回転手段により入力された数字を音声で通知する音声通知手段をさらに有することを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。
【請求項3】
前記回転手段により入力された数字を表示する表示手段をさらに有することを特徴とする請求項1または2記載の携帯電話機。
【請求項4】
前記回転手段は、
前記操作者により所望の文字を選択する操作が行われるとともに、前記操作者により選択された文字を入力する文字入力キーを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯電話機。
【請求項5】
前記文字入力キーが操作される場合に、前記回転手段が回転しないように制御する回転制御手段をさらに有することを特徴とする請求項4記載の携帯電話機。
【請求項6】
前記表示手段は、
前記文字入力キーにより入力された文字を表示することを特徴とする請求項4または5記載の携帯電話機。
【請求項7】
操作者により所望の数字が指定された状態で所定方向に所定角度回転させられる回転手段を有する携帯電話機の発信方法であって、
前記回転手段の回転により、前記操作者に指定された数字を入力する数字入力ステップと、
前記数字入力ステップにより入力された数字で構成される電話番号に基づいて、無線による電話発信を行う電話発信ステップと、
を有することを特徴とする携帯電話機の発信方法。
【請求項8】
前記数字入力ステップにより入力された数字を音声で通知する音声通知ステップをさらに有することを特徴とする請求項7記載の携帯電話機の発信方法。
【請求項9】
前記数字入力ステップにより入力された数字を表示する第1の表示ステップをさらに有することを特徴とする請求項7または8記載の携帯電話機の発信方法。
【請求項10】
前記回転手段に設けられた文字入力キーで前記操作者により所望の文字を選択する操作が行われた場合に、前記操作者により選択された文字を入力する文字入力ステップをさらに有することを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の携帯電話機の発信方法。
【請求項11】
前記文字入力キーの操作が行われる場合に、前記回転手段が回転しないように制御する回転制御ステップをさらに有することを特徴とする請求項10記載の携帯電話機の発信方法。
【請求項12】
前記文字入力ステップにより入力された文字を表示する第2の表示ステップをさらに有することを特徴とする請求項10または11記載の携帯電話機の発信方法。
【請求項13】
請求項7から12のいずれか1項に記載の携帯電話機の発信方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−302913(P2009−302913A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−155219(P2008−155219)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】