説明

携帯電話機および録音方法

【課題】 録音中であることをユーザに直感的に知らせること。
【解決手段】
携帯電話機は、自機の姿勢を検出する姿勢検出部(S01,S04,S10)と、外部から音が入力される集音部と、入力された音を記憶する録音部(S03)と、姿勢検出部により第1の姿勢が検出されることに応じて(S02でYES)、録音部による音の記憶を開始させ(S03)、姿勢検出部により第2の姿勢が検出されることに応じて(S05でYES)、録音部による音の記憶を終了させる(S06)音声制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は携帯電話機および録音方法に関し、音声を録音可能な携帯電話機および録音方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機は、文字などを入力する代わりに、音声を入力して録音する機能を有するものがある。携帯電話機に所定の操作、例えば音声の録音を開始するアプリケーションを起動させた後、録音の開始を示すボタンを指示する操作をすることによって、録音が開始される。一方、実際に音声が録音されているか否かは、録音された音声を再生しなければ確認することができない。このため、録音中にランプを発光させる技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかしながら、ランプの点灯が録音中を示すことをユーザは知らなければ、録音されていることを知ることができないといった問題がある。
【特許文献1】特開平09−0278407号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、録音中であることをユーザに直感的に知らせることが可能な携帯電話機を提供することである。
この発明の他の目的は、操作を簡便にした携帯電話機を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、録音中であることをユーザに直感的に知らせることが可能な録音方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、携帯電話機は、自機の姿勢を検出する検出手段と、外部から音が入力される集音手段と、入力された音を記憶する記憶手段と、検出手段により第1の姿勢が検出されることに応じて記憶手段による音の記憶を開始させ、検出手段により第2の姿勢が検出されることに応じて記憶手段による音の記憶を終了させる制御手段と、を備える。
【0007】
この局面に従えば、自機の姿勢が第1の姿勢になると音が記憶され、自機の姿勢が第2の姿勢になると音の記憶が終了される。このため、録音中であることをユーザに直感的に知らせることが可能な携帯電話機を提供することができる。
この発明の他の局面によれば、携帯電話機は、自機の姿勢を検出する検出手段と、外部から音が入力される集音手段と、入力された音を記憶する記憶手段と、記憶手段により記憶された音を再生する再生手段と、第1の姿勢により音を記憶している場合において、検出手段により第2の姿勢が検出されたときは、記憶手段による音の記憶を終了した後に、記憶手段に記憶された音を再生手段に再生させる制御手段と、を備える。
この局面に従えば、第1の姿勢で音を記憶させている場合に、第2の姿勢が検出されると、音の記憶が終了され、記憶された音が再生される。このため、ユーザは、携帯電話機の姿勢を変化させる簡単な操作で、音の記憶を終了させることができるとともに、記憶させた音を直ちに確認することができる。その結果、操作を簡便にした携帯電話機を提供することができる。
【0008】
好ましくは、第1筐体と、第1筐体と相対的に移動可能に連結された第2筐体と、を備え、検出手段は、第1筐体と第2筐体との相対的位置が第1相対位置にあるときに第1の姿勢を検出し、第1筐体と第2筐体との相対的位置が第2相対位置にあるときに第2の姿勢を検出する。
【0009】
この局面に従えば、第1筐体と第2筐体との相対的位置が第1相対位置にあるときに第1の姿勢が検出され、第1筐体と第2筐体との相対的位置が第2相対位置にあるときに第2の姿勢が検出される。このため、第1の筐体と第2の筐体との相対的な位置から音声を記憶中であるか否かをユーザに知らせることができる。
【0010】
好ましくは、加速度を検出する加速度検出手段をさらに備え、検出手段は、検出された加速度に基づいて、第1の姿勢と第2の姿勢とを検出する。
【0011】
この局面に従えば、検出された加速度に基づいて、第1の姿勢と第2の姿勢とが検出されるので、携帯電話機の向きから音声を記憶中であるか否かをユーザに知らせることができる。
【0012】
好ましくは、記憶された音を再生する再生手段をさらに備え、制御手段は、記憶手段による音の記憶を終了させた後に、再生手段に記憶された音を再生させる。
【0013】
この局面に従えば、音の記憶が終了すると、記憶された音が再生されるのでユーザは、記憶させた音を直ちに確認することができる。
【0014】
この発明の他の局面によれば、録音方法は、姿勢を検出するステップと、第1の姿勢が検出されることに応じて音の記憶を開始するステップと、第2の姿勢が検出されることに応じて音の記憶を終了させるステップと、を含む。
【0015】
この局面に従えば、録音中であることをユーザに直感的に知らせることが可能な録音方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品および部材には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける携帯電話機の外観を示す斜視図である。図1を参照して、携帯電話機1は、表示側部2と、操作側部3と、を含む。表示側部2は、その裏面が操作側部3の表面と向かい合うように、長手方向にスライド可能に取り付けられる。図1においては、表示側部2を操作側部3に対してスライドさせて、携帯電話機1が開いた状態を示している。携帯電話機1が閉じた状態に置いては、表示側部2の裏面は、操作側部3の表面と重なる。
【0018】
図2(A)は、携帯電話機1の閉じた状態(第2の姿勢)における平面図である。図2(B)は、携帯電話機の開いた状態(第1の姿勢)における平面図である。図2(A)および図2(B)を参照して、表示側部2の表面は、カメラ24と、液晶表示装置(LCD)16と、タッチパネル25Aと、通話キー14B、指示キー15、および通話終了キー14Cとを含む操作キー14と、レシーバとしての第1スピーカ11と、が配置される。タッチパネル25Aは、透明な部材からなり、LCD16の表示面の全体に渡ってそれに重畳して配置される。なお、ここでは携帯電話機1がLCD16を備える例を示すが、LCD16に代えて、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等を用いてもよい。
【0019】
携帯電話機1が開いた状態において、操作側部3の表面の一部が露出する。操作側部3は、表面の露出する部分に操作キー14の一部を構成するテンキー14Aと、マイクロホン13とが配置される。また、操作側部3の側面には、第2スピーカ12(図3参照)が配置される。したがって、携帯電話機1が開いた状態(第1の姿勢)において、マイクロホン13が露出するので携帯電話機1は音を集音するのに適した形態である。
【0020】
図3は、携帯電話機の機能の概要の一例を示す機能ブロック図である。図3を参照して、携帯電話機1は、携帯電話機1の全体を制御するための制御部21と、アンテナ22Aと接続された無線回路22と、音声データを処理するためのコーデック部28と、それぞれがコーデック部28に接続されたマイクロホン13および第1スピーカ11と、アンテナ23Aに接続されたチューナ23と、AVデコーダ29と、カメラ24と、ユーザの操作の入力を受付ける操作部25と、LCD16の表示を制御するための表示制御部30と、制御部21の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)31と、制御部21で実行するプログラム等を記憶するためのフラッシュROM(Flush Read Only Memory)32と、振動部26と、カードインターフェース(I/F)27と、開スイッチ34と、閉スイッチ35と、を含む。
【0021】
無線回路22は、アンテナ22Aにより受信された無線信号が入力され、無線信号を復調した音声信号をコーデック部28に出力する。また、無線回路22は、コーデック部28から音声信号が入力され、音声信号を変調した無線信号をアンテナ22Aに出力する。コーデック部28は、無線回路22から入力される音声信号を復号し、復号したデジタルの音声信号をアナログに変換し、増幅し、そして第1スピーカ11に出力する。また、コーデック部28は、マイクロホン13からアナログの音声信号が入力され、音声信号をデジタルに変換し、符号化し、そして符号化した音声信号を無線回路22に出力する。
【0022】
チューナ23は、アンテナ23Aに接続されており、アンテナ23Aにより受信された放送信号が入力される。放送信号は、映像データおよび音声データを含む高周波デジタル変調信号である。チューナ23は、アンテナ23Aから入力される高周波デジタル変調信号から特定の周波数の信号を取り出す。また、チューナ23は、逆インターリーブ回路、誤り訂正回路を備えており、取り出した特定の周波数の高周波デジタル変調信号を復調して符号データをAVデコーダ29に出力する。AVデコーダ29は、ビデオデコーダおよびオーディオデコーダを備えており、チューナ23から入力された符号データを復号して映像信号および音声信号を生成し、映像信号を表示制御部30に出力し、音声信号をD/A(デジタル/アナログ)変換して第2スピーカ12に与える。なお、ここでは、デジタルテレビジョン放送の放送電波を受信して再生する例を示したが、アナログテレビジョン放送の放送電波を受信して再生するようにしてもよい。また、テレビジョン放送に代えて、または、テレビジョン放送に加えて、ラジオ放送の放送電波を受信して再生するようにしてもよい。
【0023】
表示制御部30は、制御部21により制御され、制御部21から入力される指示に従ってLCD16を制御して、LCD16に画像を表示させる。LCD16に表示させる画像は、動画像と静止画像とを含む。
【0024】
カメラ24は、レンズおよびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の光電変換素子を備え、レンズで集光した光をCMOSセンサに結像し、CMOSセンサは受光した光を光電変換して画像データを制御部21に出力する。カメラ24は、制御部21により制御され、制御部21からの指示により撮像を開始して、得られる静止画データまたは動画データを制御部21に出力する。カメラ24は、光電変換した画像データの画質を向上させるための画像処理を実行する画像処理回路、画像データをアナログからデジタルに変換するA/D変換回路を備えている。制御部21は、カメラ24が出力する静止画データまたは動画データを表示制御部30に出力し、LCD16に表示させる。また、静止画データまたは動画データを符号化し、フラッシュROM32またはカードI/F27に装着されたメモリカード27Aに記憶することが可能である。また、カメラ24は、携帯電話機1がテレビ電話として機能する場合、動画データを予め定められた圧縮符号化方式で符号化して、制御部21に出力する。
【0025】
操作部25は、操作キー14と、タッチパネル25Aとを含む。操作キー14およびタッチパネル25Aは、ユーザによる操作の入力を受け付け、受付けた操作を制御部21に出力する。
【0026】
カードI/F27には、着脱可能なメモリカード27Aが装着される。メモリカード27Aは、例えば、CompactFlash、SmartMedia(登録商標)、SD(Secure Digital)/MiniSD/MicroSDメモリカード、メモリースティック、MMC(MultiMedia Card)、xDピクチャーカードなどである。
【0027】
制御部21は、カードI/F27を介して、メモリカード27Aにアクセスが可能である。ここでは制御部21で実行するためのプログラムをフラッシュROM32に記憶しておく例を説明するが、プログラムをメモリカード27Aに記憶しておき、メモリカード27Aからプログラムを読み出して、制御部21で実行するようにしてもよい。プログラムを記憶する記録媒体としては、メモリカード27Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc−ROM)/MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、光カード、マスクROM、EPROMなどの半導体メモリ等でもよい。また、携帯電話機1をインターネットに無線回路22を介して接続し、インターネットに接続されたコンピュータからプログラムをダウンロードして、制御部21で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、制御部21により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0028】
開スイッチ34は、携帯電話機1が開いた状態(第1の姿勢)のときにONとなり、開いた状態でないときにOFFとなる。閉スイッチ35は、携帯電話機1が閉じた状態(第2の姿勢)のときにONとなり、閉じた状態でないときにOFFとなる。開スイッチ34および閉スイッチ35は、CPU21に接続されており、CPU21は開スイッチ34および閉スイッチ35それぞれの状態を検出することにより、携帯電話機1の姿勢を検出する。
【0029】
図4は、制御部の機能の概要の一例を示す機能ブロック図である。図4を参照して、制御部21は、携帯電話機1の姿勢を検出する姿勢検出部51と、音を取得する集音部55と、音を録音する録音部57と、録音させた音声を再生する再生部59と、録音部57および再生部59を制御する音声制御部53と、を含む。
【0030】
姿勢検出部51は、開スイッチ34と閉スイッチ35それぞれの状態を検出し、携帯電話機1の姿勢を検出する。具体的には、開スイッチ34がONならば携帯電話機1が第2の姿勢であることを検出し、閉スイッチ35がONならば携帯電話機1が第1の姿勢であることを検出する。姿勢検出部51は、検出した姿勢を音声制御部53に出力する。
【0031】
集音部55は、マイクロホン13が出力する音データを取得し、取得した音データを録音部57に出力する。録音部57は、音声制御部53により制御され、音声制御部53からの録音開始指示が入力されると、マイクロホン13から取得した音データを、フラッシュROM32に記憶し、音声制御部53からの録音終了指示が入力されると、マイクロホン13から取得した音データのフラッシュROM32への記憶を終了する。なお、マイクロホン13から出力されるアナログの音は、コーデック部28において符号化されるので、録音部57は、符号化された音データをフラッシュROM32に記憶する。
【0032】
再生部59は、音声制御部53により制御され、音声制御部53からの再生開始指示が入力されると、フラッシュROM32に記憶された音データを読出し、第2スピーカ12に出力し、音声制御部53からの再生終了指示が入力されると、音データの第2スピーカ12への出力を終了する。なお、フラッシュROM32に記憶されている音データは符号化されているので、再生部59は、フラッシュROM32から読出した音データをAVデコーダ29に出力する。これにより、音データはAVデコーダ29により復号されて、第2スピーカ12に出力される。
【0033】
音声制御部53は、姿勢検出部51により第1の姿勢が検出されると、録音部57に録音開始指示を出力する。音声制御部53は、録音開始指示を出力した後に、姿勢検出部51により第2の姿勢が検出されると、録音部57に録音終了指示を出力するとともに、再生部59に再生開始指示を出力する。さらに、再生開始指示を出力した後に姿勢検出部51により第1の姿勢が検出されると、再生部59に再生終了指示を出力するとともに、録音部57に録音開始指示を出力する。録音部57は、録音開始指示が入力されると、フラッシュROM32に音データを記憶するが、フラッシュROM32に音データが既に記憶されている場合には、録音開始指示が入力されるごとに異なる音データとして記憶するようにしてもよいし、既に記憶されている音データに追加して記憶するようにしてもよいし、既に記憶されている音データを消去して、別の音データとして記憶するようにしてもよい。いずれの方法で記憶するかは、携帯電話機1に予め設定しておくようにしてもよいし、ユーザが音を録音させるためのアプリケーションプログラムを起動した時点で、ユーザが選択するようにしてもよい。
【0034】
図5は、音声制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。音声制御処理は、制御部21が録音プログラムを実行することにより、制御部21により実行される処理である。録音プログラムは、ユーザが録音プログラムを起動させる指示を携帯電話機1に入力することにより実行される。例えば、メニュー画面をLCD16に表示し、メニュー画面に表示されたメニューに含まれる録音プログラムを起動させるためのメニューをユーザが操作キー14を用いて指示すれば、録音プログラムを起動させる指示が携帯電話機1に入力される。
【0035】
図5を参照して、制御部21は、携帯電話機1の姿勢を検出する(ステップS01)。開スイッチ34と閉スイッチ35それぞれの状態を検出し、携帯電話機1の姿勢を検出す
る。そして、検出された姿勢が第1の姿勢か否かを判断する(ステップS02)。第1の姿勢ならば処理をステップS03に進め、そうでなければ処理をステップS01に戻す。ステップS03においては、録音を開始する。これにより、マイクロホン13により集音された音がフラッシュROM32に記憶される。
【0036】
録音プログラムが開始されてから、携帯電話機1が第1の姿勢になるまで待機状態となり、第1の姿勢になると録音が開始される。このため、ユーザは、携帯電話機1が第2の姿勢のときに録音プログラムを起動すれば、その後携帯電話機1を第2の姿勢から第1の姿勢に姿勢を変更する操作をすることにより、録音を開始させることができる。第1の姿勢は、マイクロホン13が露出するので、集音しやすい姿勢である。また、第1の姿勢は、携帯電話機1で通話するときの姿勢と同じなので、通話するのと同じ使用方法で、音を入力することができる。このため、携帯電話機1が録音することができる状態であることを直感的に知ることができる。
【0037】
ステップS04においては、ステップS01と同様に、携帯電話機1の姿勢を検出する。そして、検出された姿勢が第2の姿勢か否かを判断する(ステップS05)。第2の姿勢ならば処理をステップS06に進め、そうでなければ処理をステップS08に進める。ステップS06においては、録音を終了する。
【0038】
そして、再生を開始する(ステップS07)。これにより、フラッシュROM32に記憶された音データが再生され、第2スピーカ12から再生された音が出力される。ユーザは、携帯電話機1を第1の姿勢から第2の姿勢に変更する簡単な操作で、録音を終了することができる。このため、操作キー14を操作する必要がないので、録音を終了させるために操作キー14のうちから終了させるためのキーを捜す必要がない。また、携帯電話機1は、第1の姿勢から第2の姿勢になると、再生を開始するので、ユーザは、再生指示を入力するために操作キー14を操作する必要がない。さらに、第1の姿勢から第2の姿勢になると音が再生されるので、録音された音を直ちに確認することができる。
【0039】
一方、ステップS08においては、終了指示を受け付けたか否かを判断する。終了指示を受け付けたならば処理をステップS09に進め、そうでなければ処理をステップS04に戻す。終了指示は、録音プログラムの実行を終了させるための指示であり、例えば、操作キー14に予め割り当てられたキーが指示された場合に受け付けられる。ステップS09においては、録音を終了し、処理を終了する。
【0040】
ステップS10においては、ステップS01と同様に、携帯電話機1の姿勢を検出する。そして、検出された姿勢が第1の姿勢か否かを判断する(ステップS11)。第1の姿勢ならば処理をステップS12に進め、そうでなければ処理をステップS13に進める。ステップS12においては、再生を終了し、処理をステップS03に戻す。これにより、フラッシュROM32に記憶された音データの再生が終了され、再度録音が開始される(ステップS03)。この場合、フラッシュROM32に記憶された音データに追加して音データを記憶するようにしてもよいし、フラッシュROM32に記憶された音データとは別の音データとしてフラッシュROM32に記憶するようにしてもよいし、フラッシュROM32に記憶されている音データを削除し、新たな音データをフラッシュROM32に記憶するようにしてもよい。
【0041】
一方、ステップS13においては、ステップS08と同様に終了指示を受け付けたか否かを判断する。終了指示を受け付けたならば処理をステップS14に進め、そうでなければ処理をステップS10に戻す。ステップS14においては、音声の再生を終了し、処理を終了する。
【0042】
<変形例>
上述した実施の形態における携帯電話機1は、携帯電話機1が開いた状態と閉じた状態とを、それぞれ第1の姿勢と第2の姿勢としたが、変形例における携帯電話機1は、第1の姿勢と第2の姿勢とを、携帯電話機1のユーザに対する向きにより定めるようにしたものである。以下、上述した携帯電話機1と異なる点を主に説明する。
【0043】
図6は、変形例における携帯電話機の外観を示す斜視図である。図1(A)は、オープンスタイルにおける携帯電話機1Aの外観を示し、図1(B)はクローズスタイルにおける携帯電話機1Aの外観を示す。図1(A)および図1(B)を参照して、携帯電話機1Aは、操作側部3と、表示側部2とを含む。
【0044】
操作側部3は、電源キー14A、テンキーおよび通話キー等を含む操作キー14と、マイクロホン13とが内側面に配置される。表示側部2は、LCD16と、レシーバを構成する第1スピーカ11と、カメラ24とが内側面に配置され、第2スピーカ12が外側面に配置される。
【0045】
変形例における携帯電話機1Aは、ハンズフリーで音を録音することが可能である。変形例における携帯電話機1Aにおいて、第2スピーカ12でマイクロホン13により集音された音を出力する場合、ハウリングする場合がある。第2スピーカ12から出力される音声が再びマイクロホン13で集音されることによって正帰還回路が構成されるからである。このため、マイクロホン13の指向性を狭くすればよい。また、マイクロホン13とは別の指向性の広いマイクロホンをマイクロホン13と並べて配置するようにしてもよい。指向性の狭いマイクロホン13は、録音すべき音が比較的多く含まれ、指向性の広いマイクロホンが集音する音は、周囲雑音が比較的多く含まれる。この場合、両者の差分を求めることで、周囲雑音を取り出すことができ、ハウリングを防止することができる。
【0046】
操作側部3と表示側部2とは、ヒンジ機構で回転可能に連結され、操作側部3と表示側部2とは開閉自在である。携帯電話機1を折りたたんで、操作側部3と表示側部2とが閉状態にあるときの携帯電話機1Aの状態がクローズスタイルであり、携帯電話機1を開いて、操作側部3と表示側部2とが開状態にあるときの携帯電話機1の状態がオープンスタイルである。
【0047】
図7は、変形例における携帯電話機の機能の概要の一例を示す機能ブロック図である。図3に示した機能ブロック図と異なる点は、加速度センサ36が追加された点である。その他の機能は同じなのでここでは説明を繰り返さない。
【0048】
加速度センサ36は、加速度を検出し、検出した加速度を制御部21に出力する。制御部21の機能は、図4に示した機能ブロック図と姿勢検出部51を除いて同じである。変形例における制御部21が有する姿勢検出部51は、加速度センサ36から入力される加速度に基づいて携帯電話機1の姿勢を検出する。
【0049】
具体的には、姿勢検出部51は、開スイッチ34の状態がONであることが検出されているときに、操作キー14に操作が入力されたときの姿勢を第1の姿勢とする。このとき、携帯電話機1Aの表示側部2と、操作側部3とは、それぞれの内側面がユーザの方向を向き、マイクロホン13がユーザー側を向く。このため、第1の姿勢は音を集音するのに適した姿勢である。
【0050】
そして、携帯電話機1Aの表示側部2と、操作側部3とは、それぞれの内側面がユーザと反対方法を向くことが、加速度センサ36から入力される加速度により検出されると、第2の姿勢を検出する。携帯電話機1が第2の姿勢にあるとき、第2スピーカ12がユーザー側を向く。このため、第2の姿勢は第2スピーカ12から音を出力するのに適した姿勢である。
【0051】
変形例における携帯電話機1Aの制御部21で実行される音声制御処理は、図5に示したフローチャートで示される。従って、ここでは説明を繰り返さない。
【0052】
<姿勢の変形例>
図8は、変形例における携帯電話機1Aの姿勢の一例を示す第1の図である。図8に示す姿勢は、携帯電話機1Aを、机において使用する場合に適した第1の姿勢と第2の姿勢である。図8(A)は、変形例における携帯電話機1Aの第1の姿勢を示し、図8(B)は変形例における携帯電話機1Aの第2の姿勢を示す。図8(A)に示すように、携帯電話機1Aが第1の姿勢のとき、マイクロホン13が上側を向いているので音を集音するのに適した姿勢である。図8(B)に示すように、携帯電話機1Aが第2の姿勢のとき、第2スピーカ12が上側を向いているので出力された音を聞くのに適した姿勢である。
【0053】
図9は、変形例における携帯電話機1Aの姿勢の一例を示す第2の図である。図9に示し姿勢は、携帯電話機1Aを、ユーザが手に持って使用する場合に適した第1の姿勢と第2の姿勢である。図9(A)は、変形例における携帯電話機1Aの第1の姿勢を示し、図9(B)は変形例における携帯電話機1Aの第2の姿勢を示す。図9(A)に示すように、携帯電話機1Aが第1の姿勢のとき、マイクロホン13がユーザの側を向いているので音を集音するのに適した姿勢である。図9(B)に示すように、携帯電話機1Aが第2の姿勢のとき、第2スピーカ12がユーザの側を向いているので出力された音を聞くのに適した姿勢である。
【0054】
以上説明したように本実施の形態における携帯電話機1,1Aは、携帯電話機1,1Aが第1の姿勢になるとマイクロホン13により集音された音が記憶され、携帯電話機1,1Aが第2の姿勢になると音の記憶が終了される。このため、録音中であることをユーザに直感的に知らせることができる。
【0055】
携帯電話機1は、表示側部2(第1筐体)が操作側部3に相対的にスライド可能に連結されており、表示側部2が操作側部3に対して相対的に移動し、操作側部3の内側面の1部が露出する第1相対位置にあるときに第1の姿勢を検出し、表示側部2と操作側部3とが重なる第2の相対位置にあるときに第2の姿勢を検出する。このため、携帯電話機1を用いて通話する際の携帯電話機1の姿勢において音が録音されるので、音が録音されていることをユーザに携帯電話機1の形状で知らせることができる。また、携帯電話機1を閉じた第2の姿勢において記憶された音が再生されるので、ユーザは、音の記憶を終了した後に直ちに記憶された音を確認することができる。
【0056】
変形例における携帯電話機1Aは、加速度センサ36により検出された加速度に基づいて、第1の姿勢と第2の姿勢とを検出するので、携帯電話機1Aの向きから音声を記憶中であるか否かをユーザに知らせることができる。具体的には、マイクロホン13がユーザの側を向いているときに音が記憶され、第2スピーカ12がユーザーの側を向いているときに音の記憶が終了され、記憶された音が再生される。このため、ユーザは、音の記憶を終了した後に直ちに記憶された音を確認することができる。
【0057】
なお、本実施の形態においては、携帯電話機1を例に説明したが、図5に示した音声制御処理をコンピュータに実行させる録音方法、その録音方法をコンピュータに実行させるための録音プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでも
ない。
【0058】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態の1つにおける携帯電話機の外観を示す斜視図である。
【図2】携帯電話機の平面図である。
【図3】携帯電話機の機能の概要の一例を示す機能ブロック図である。
【図4】制御部の機能の概要の一例を示す機能ブロック図である。
【図5】音声制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】変形例における携帯電話機の外観を示す斜視図である。
【図7】変形例における携帯電話機の機能の概要の一例を示す機能ブロック図である。
【図8】変形例における携帯電話機1Aの姿勢の一例を示す第1の図である。
【図9】変形例における携帯電話機1Aの姿勢の一例を示す第2の図である。
【符号の説明】
【0060】
1,1A 携帯電話機、2 表示側部、3 操作側部、11 第1スピーカ、12 第2スピーカ、13 マイクロホン、14 操作キー、16 LCD、21 制御部、22 無線回路、22A アンテナ、23 チューナ、23A アンテナ、24 カメラ、25 操作部、25A タッチパネル、26 振動部、27 カードI/F、27A メモリカード、28 コーデック部、29 AVデコーダ、30 表示制御部、31 RAM、32 フラッシュROM32、34 開スイッチ、35 閉スイッチ、36 加速度センサ、51 姿勢検出部、53 音声制御部、55 集音部、57 録音部、59 再生部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自機の姿勢を検出する検出手段と、
外部から音が入力される集音手段と、
前記入力された音を記憶する記憶手段と、
前記検出手段により第1の姿勢が検出されることに応じて前記記憶手段による音の記憶を開始させ、前記検出手段により第2の姿勢が検出されることに応じて前記記憶手段による音の記憶を終了させる制御手段と、を備えた携帯電話機。
【請求項2】
自機の姿勢を検出する検出手段と、
外部から音が入力される集音手段と、
前記入力された音を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された音を再生する再生手段と、
第1の姿勢により音を記憶している場合において、前記検出手段により第2の姿勢が検出されたときは、前記記憶手段による音の記憶を終了した後に、前記記憶手段に記憶された音を前記再生手段に再生させる制御手段と、を備えた携帯電話機。
【請求項3】
第1筐体と、
前記第1筐体と相対的に移動可能に連結された第2筐体と、を備え、
前記検出手段は、前記第1筐体と前記第2筐体との相対的位置が第1相対位置にあるときに前記第1の姿勢を検出し、前記第1筐体と前記第2筐体との相対的位置が第2相対位置にあるときに前記第2の姿勢を検出する、請求項1または2に記載の携帯電話機。
【請求項4】
加速度を検出する加速度検出手段をさらに備え、
前記検出手段は、前記検出された加速度に基づいて、前記第1の姿勢と前記第2の姿勢とを検出する、請求項1または2に記載の携帯電話機。
【請求項5】
前記記憶された音を再生する再生手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記記憶手段による音の記憶を終了させた後に、前記再生手段に前記記憶された音を再生させる、請求項1、3および4のいずれかに記載の携帯電話機。
【請求項6】
姿勢を検出するステップと、
第1の姿勢が検出されることに応じて音の記憶を開始するステップと、
第2の姿勢が検出されることに応じて音の記憶を終了させるステップと、を含む録音方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−218750(P2009−218750A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−58761(P2008−58761)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.COMPACTFLASH
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】