説明

携帯電話機

【課題】本発明は、表示部にLCD を用いる携帯電話機において、受信感度を妨げるLCD バスからのノイズを低減させる構成を提供する。
【解決手段】本発明は、表示部にLCD を用いる携帯電話機において、CPU に接続されているアドレスデータバスをLCD 専用のものと、LCD 以外のものとに分離させるとともに、更にLCD 以外のアクセス時には、LCD 専用アドレスデータバスは、動作させないことを特徴とする携帯電話機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部にLCD を用いる携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
図3は、表示部にLCD を用いる携帯電話機の従来のアドレスデータバスの構成を示すブロック図である。
【0003】
図3において、内部の演算及び制御等の処理を行うCPU 1からアドレスを指定する情報が出力されると、データの書込み/読み出し可能な内部RAM 2、実行プログラム等を保存している内部ROM 3、ディジタル信号をアナログ信号に変換するDAC 4(D /A コンバータ)、時間の計時及び経過時間を計るタイマ5、無線の制御を行うRF制御部6、液晶表示部を制御するLCD 制御部7、不揮発性のSRAM8、FLASH _ROM 9等の全てに同じ情報が伝送される。
【0004】
つまり、CPU 1にバス10接続された上記いずれか一つのブロックを制御すると、前記CPU 1に接続されている全ての他のブロックに対しアドレスデータバス10を介して同じ情報が伝達される構成となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年の携帯電話機は小型・軽量・薄型化がより一層進み、それにともない端末の上部に位置するLCD がアンテナに対してより一層近づく構造になっている。
【0006】
図4に示すように、携帯電話機12に取り付けられるLCD 13が、アンテナ14に近い構成の場合、LCD 13に接続されているアドレスデータバスから発生するノイズによってアンテナ14の受信感度が低下するという問題が起こってくる。
【0007】
これは、小型化が進むにつれて、更にアンテナ14とLCD 13表示部との距離が短くなり、結果的にLCD 13へ接続されているアドレスデータバスからのノイズが伝わりやすい構造になっている為である。
【0008】
また、頻繁にバスラインの電圧を低減することにより、アドレスデータバスからのノイズを低減させることはが考えられるが、CPU 1にはアクセスタイミングが高速なブロックも接続されているため、頻繁にバスラインの電圧を低減することは不可能である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために請求項1記載の携帯電話機は、電話番号や文字等の情報を表示する表示手段を備えた携帯電話機において、制御手段及び記憶手段等の主要なICに接続されている第1アドレスデータバスと、前記第1アドレスデータバスとは別に前記制御手段と前記表示手段との間を接続する第2アドレスデータバスと、を備え、前記制御手段は、前記第2アドレスデータバスに接続された前記表示手段をホールドするように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上の構成により、本発明の携帯電話機を用いれば、LCD がアンテナ近傍に配置される携帯電話機においても、LCD 非アクセス時におけるアンテナの受信感度の低下を軽減させることが可能となる。
【0011】
また、LCD アクセス時においても、独立したLCD 専用アドレスデータバスをコントロールすることで、メモリ等に高速なアクセスを保ちつつ、LCD 専用アドレスデータバスラインのノイズを低減し、アンテナの受信感度の低下を軽減することが可能となり、無線性能を向上するという効果を得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施例に基づいて図を用いて説明する。
【0013】
尚、同一の構成を示す箇所は同一の符号を用いている。
【0014】
図1は携帯電話機において本発明の一実施例を示すアドレスデータバスの構成を示すブロック図である。
【0015】
図1は、内部の演算及び制御等の処理を行うCPU 1、データの書込み/読み出し可能な内部RAM 2、実行プログラム等を保存している内部ROM 3、ディジタル信号をアナログ信号に変換するDAC 4(D /A コンバータ)、時間の計時及び経過時間を計るタイマ5、無線の制御を行うRF制御部6、液晶表示部を制御するLCD 制御部7、不揮発性メモリのSRAM8、FLASH _ROM 9の各ブロックから構成され、本発明の特徴であるアドレス指定の情報を伝送するアドレスデータバスは、LCD 制御部7だけ他のブロックより独立させたLCD 専用アドレスデータバス11をCPU 1に接続し、他のブロックは共通に使用するアドレスデータバス10でCPU 1に接続されている。
【0016】
上記構成をとった場合、単独でLCD 制御部7へのアドレスデータバス11を動作させることが可能となり、LCD 専用アドレスデータバス11のみの電圧を下げて駆動能力を低下させることにより、LCD 専用アドレスデータバス11から発生するノイズを低減させることが可能となる。
【0017】
また、CPU 1がメモリ等への高速なアクセスを行った場合でも、LCD 制御部7へのアドレスデータバスは他のブロックが共通に使用するアドレスデータバス10に対して独立しているため、アンテナはメモリ等への高速なアクセスに対して影響を受けることはない。
【0018】
このように、LCD 制御部7だけ他のブロックとは独立したLCD 専用アドレスデータバス11を用いることにより、LCD 制御部7のみホールドしておくことが可能となり、非LCD 制御部7のアクセス時におけるアドレスデータバスからのノイズを最小限に食い止めることが可能となる。
【0019】
図2は、本発明の一実施例を示し、無線信号の送受信タイミングに合わせてLCD 専用アドレスデータバスを制御するタイミングチャートである。
【0020】
上から順に、無線信号の送受信タイミング、他のブロックが共通に使用するアドレスデータバスのアクセス制御、LCD 専用アドレスデータバスのアクセス制御のタイミングを示す。
【0021】
無線信号の受信時はLCD を制御する信号の伝送が影響を及ぼすため、図示したように無線信号を受信するタイミングはLCD に対してアクセスを停止するように制御している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施例を示すアドレスデータバスの構成を示すブロック図
【図2】本発明の一実施例を示すLCD 専用アドレスデータバスを制御するタイミングチャート
【図3】従来のアドレスデータバスの構成を示すブロック図
【図4】アンテナとLCD の位置関係を示した携帯電話機の図
【符号の説明】
【0023】
1: CPU
2:内部RAM
3:内部ROM
4:DAC
5:タイマ
6:RF制御部
7:LCD 制御部
8:SRAM
9:FLASH _ROM
10:アドレスデータバス
11:LCD 専用アドレスデータバス
12:携帯電話機
13:LCD
14:アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話番号や文字等の情報を表示する表示手段を備えた携帯電話機において、
制御手段及び記憶手段等の主要なICに接続されている第1アドレスデータバスと、
前記第1アドレスデータバスとは別に前記制御手段と前記表示手段との間を接続する第2アドレスデータバスと、を備え、
前記制御手段は、前記第2アドレスデータバスに接続された前記表示手段をホールドするように制御することを特徴とする携帯電話機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−270991(P2006−270991A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−138866(P2006−138866)
【出願日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【分割の表示】特願平11−209382の分割
【原出願日】平成11年7月23日(1999.7.23)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】