説明

携帯電話機

【課題】携帯端末においてプロジェクタ機能を実現する場合に、コストの削減ができ、各種部品の設置スペースを従来よりも確保できる携帯端末を提供する。
【解決手段】携帯端末は、第1の筐体と第2の筐体からなり、両筐体は、互いの相対位置関係が変化可能な可変型の端末である。第1の筐体には、従来から備わっているカメラと、カメラ用ライトとが同一の面に備えられており、第2の筐体には、投射する画像を表示するための透過型LCD182と、透過型LCD182に映し出された画像を拡大投射するためのプロジェクタレンズ181とが備えられている。そして、携帯端末は、カメラ用ライト172と、透過型ディスプレイ182とが対向する位置関係になるように変形可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタ機能を備えた携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機は様々な機能を備えるようになっている。その一環として、プロジェクタ機能を備える携帯電話機が考案されている。
携帯電話機におけるプロジェクタ機能を実現するために、光源を内蔵しており、携帯電話機にも搭載できるサイズの小型のプロジェクタ装置が開発されている。
また、特許文献1には、図12に示すように、透過型ディスプレイ23と、プロジェクタレンズ26とを、通常は寝かせておき、プロジェクタ機能を必要とする場合に、立つように変形可能にし、LED35を光源として画像をスクリーン41に投影できるように構成した携帯電話機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−267292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の小型のプロジェクタ装置の場合であっても、特許文献1の場合であっても、携帯電話機において、プロジェクタ用の光源が搭載されている。携帯電話機は小型の機器であり、その搭載スペースには限りがある。小型のプロジェクタ装置が開発され、その小型化が進められているとはいえ、携帯電話機のような小型の機器においては各種部品を搭載するためのスペースの確保のために、更なる小型化、設置スペースの縮小化に係る工夫が要求される。
【0005】
そこで、本発明においては、上述に示すようなプロジェクタ機能を備える携帯電話機において、従来よりもプロジェクタ機能を実現するにあたり必要とされる部品の搭載スペースを縮小できる携帯電話機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、第1筐体と第2筐体とが互いに相対位置関係が変化しうる状態で接続されてなる携帯端末であって、前記第1筐体は、撮像部と、前記撮像部にて撮像するときに用いる発光部とを備え、前記第2筐体は、開口部と、前記開口部に設けられた透過型ディスプレイと、投射用レンズとを備え、前記第1筐体と前記第2筐体とが互いに重なる特定の相対位置関係にあるときは、前記開口部は前記発光部の発光方向に位置し、前記透過型ディスプレイは前記投射用レンズと前記発光部との間に位置することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
上述のような構成によって、携帯端末において従来から備わっているカメラ用ライトを画像の投射用、即ちプロジェクタ用の光源として共用することで、プロジェクタ用の新たな光源を設けずともプロジェクタ機能を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(a)は、携帯電話機100の外観図であり、(b)は携帯電話機100のヒンジ及びその回転軸を説明するための図である。
【図2】(a)は、携帯電話機100の正面図であり、(b)は、その裏面を示す図である。
【図3】(a)は、携帯電話機100の透過型LCD182が配される位置の拡大図である。(b)は(a)におけるA−A´線で携帯電話機100を切断した場合の断面図である。
【図4】携帯電話機100の機能構成を示した機能ブロック図である。
【図5】携帯電話機100が(a)から(d)の順に形態が変化することを示す図である。
【図6】カメラ用ライトを点灯させる場合の携帯電話機における制御を示したフローチャートである。
【図7】(a)は、実施例2に係る携帯電話機の外観図であり、(b)は、実施例2に係る携帯電話機のヒンジ及びその回転軸を説明するための図である。
【図8】(a)は、実施例2に係る携帯電話機の正面図であり、(b)は、その裏面を示す図である。
【図9】携帯電話機700が(a)から(d)の順に形態が変化することを示す図である。
【図10】(a)は、スライド型携帯電話機1000の外観図であり、(b)は、スライド型携帯電話機1000の(a)に示した状態の裏側の外観図である。
【図11】スライド型携帯電話機1000の分解斜視図である。
【図12】従来におけるプロジェクタ機能を備えた携帯電話機の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態である携帯電話機について図面を用いて説明する。
<実施の形態1>
<構成>
図1(a)は、携帯電話機100の外観図である。図1(a)に示されるように携帯電話機100は上部筐体200と下部筐体300とがヒンジで接続されてなる折畳み型携帯電話機である。
【0010】
上部筐体200は、LCD141及び、透過型LCD182を同一の面に備える。
透過型LCD181は、プロジェクタ機能で投射する画像を表示するためのLCDである。
また、図1(b)は、携帯電話機100の回転軸を示す図であり、携帯電話機100の回転軸401と、回転軸402と、回転軸403の3本の回転軸を備えるヒンジ400により回動自在に変形する。なお、ヒンジ400は、2軸ヒンジを2つ接合させたような形状をしている。
【0011】
図2(a)は、図1に示す携帯電話機100のディスプレイ141のある第1面を示しており、図2(b)は、図2(a)に示した状態の裏面を示す図である。
図2(a)に示すように、携帯電話機100の上部筐体200の第1面には、LCD141と、透過型LCD182とを備える。そして、下部筐体300の第1面は、数字キーや、決定キーなどの諸キー群が配されている。
【0012】
また、図2(b)に示すように、携帯電話機100の上部筐体200の第2面には、サブディスプレイ142と、透過型LCD182が配される裏側に位置する場所にプロジェクタレンズ181とが設けられる。プロジェクタレンズ181は、画像を拡大して投射させるためのもので、一定の拡大率を有するレンズである。
図3は、透過型LCD182及びプロジェクタレンズ181が搭載される部分の携帯電話機100の拡大図であり、図3(a)を見れば分かるように、透過型LCD182の裏側に該当する位置にプロジェクタレンズ181が配されている。図3(b)は、図3(a)におけるA−A´線で携帯電話機を切断した場合の断面図であり、プロジェクタレンズ181と透過型LCD182の間は空洞になっている。なお、図3においては示していないが、通常プロジェクタレンズ181の外側には、プロジェクタレンズ181を保護するために透明な強化プラスチックなどのカバーが配される。
【0013】
図4は、携帯電話機100の機能構成を示した機能ブロック図である。
図4に示すように携帯電話機100は、通信部110と、操作部120と、音声処理部130と、表示部140と、記憶部150と、検出部160と、撮影部170と、投射部180と、制御部190とを含んで構成される。
通信部110は、通信用のアンテナ111から受け取った受信信号を受話音声信号及び受信データ信号に復調し、復調した受話音声信号や、受信データ信号を制御部190に出力する機能を有する。また、通信部110は、音声処理部130でA/D変換された送話音声信号、及び制御部190から与えられる電子メールなどの送信データ信号を変調し、アンテナ111から出力する機能を有する。
【0014】
操作部120は、テンキー群、オンフックキー、オフフックキー、方向キー、決定キー、メールキー、サイドキーなどを含み、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作内容を制御部190に出力する機能を有する。
音声処理部130は、通信部110から出力された受話音声信号をD/A変換してスピーカ132に出力する機能と、マイク131から取得した送話音声信号をA/D変換し、変換された信号を制御部190に出力する機能を有する。
【0015】
表示部140は、LCD(Liquid Crystal Display)などによって実現されるディスプレイを含み、制御部190の指示による画像をディスプレイに表示する機能を有する。
記憶部150は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を含んで構成され、小型ハードディスクや不揮発性メモリなどによって実現される。記憶部150は、携帯電話機100の動作上必要な各種データやプログラムの他、音楽データや画像データなどを記憶する機能を有する。
【0016】
検出部160は、ヒンジ400の各回転軸に備えられている回転角センサを用いて各回転軸401、402、403の角度値がプロジェクタ機能による画像を投射する時に形成すべき角度になっているかどうかを検出し、プロジェクタ投射が可能な場合にその旨を制御部190に伝達する機能を有する。プロジェクタ投射時になす角度については、製造段階で、プロジェクタ投射形態になっているときの各回転角センサが示す角度を計測して記憶しておく。
【0017】
撮影部170は、カメラレンズ171と、カメラ用ライト172とを含んで構成され、制御部190の指示に従い、撮影を実行する機能を有する。カメラ用ライト172はユーザからの指示に従い点灯、消灯が実行される。カメラ用ライト172は、カメラを用いて撮影を行う場合に、十分な光量が確保できない場合に、光量を確保するために点灯される。
【0018】
投射部180は、プロジェクタレンズ181と、透過型LCD182とを含んで構成され、プロジェクタとしての機能を有する。投射部180は、ユーザからのプロジェクタ起動の指示入力により起動され、検出部160が携帯電話機100が投射可能な形態になっていることを検出した場合に、カメラ用ライト172を投射に適した光量に設定して、透過型LCDに投射すべき画像を表示させて投射を実行する機能を有する。なお、投射に適した光量の設定は、事前に光量の設定値を順次変更していってユーザが投射される画像が見やすいと感じる設定値を予め決定して記憶しておき、プロジェクタ機能を実行する場合にカメラ用ライト172の光量をその設定値に設定する。
【0019】
制御部190は、例えばCPU(Central Processing Unit)などにより実現され、携帯電話機100の各部を制御する機能を有する。
<形態変化>
ここから、携帯電話機100におけるプロジェクタを使用する形態への形態変化について説明する。本発明に係る携帯電話機100は、図5(a)〜(d)の順にユーザの手によって変形が可能な折畳み型携帯電話機である。
【0020】
図5は、その携帯電話機100の形態変化を示す図である。まず、携帯電話機100が図5(a)に示されるように180度開いた状態になっているものとする。
その状態から回転軸402を中心に上部筐体200を180度回転させて、図5(b)の形態に変化させる。
次に、図5(b)に示す形態から、回転軸401と回転軸403とを回転させて、携帯電話機100を図5(c)に示すように折り曲げていく。
【0021】
そして、最終的に図5(d)に示すように、携帯電話機100を折り曲げた状態にすると、上部筐体200に設けられた透過型LCD182と、カメラ用ライト172とが正対する形状になっており、カメラ用ライト172を光源として、透過型LCD182に表示される画像をプロジェクタレンズ181で拡大して投射できる形態になる。
<動作>
ここから、実施の形態1において、カメラ用ライト172を使用する場合の携帯電話機100の制御部が実行する制御について説明する。
【0022】
図6は、カメラ用ライトを使用する際の携帯電話機の動作を示したフローチャートである。
携帯電話機100の検出部160は、ヒンジ400の各回転軸が所定の角度になっているかを検出して、画像の投射が可能な状態になっているか否かを検出する(ステップS601)。
【0023】
検出部160が携帯電話機100が、プロジェクタによる画像が投射可能な状態になっていると判定した場合であって、(ステップS601のYES)、携帯電話機100の操作部120からのユーザ入力によるプロジェクタの起動指示がなされた場合(ステップS602のYES)、制御部190は、投射部180を起動する。
そして、投射部180は、制御部190の指示になる画像を透過型LCD182に表示させるとともに、カメラ用ライト172を画像の投射に適した明るさに設定し、画像の投射を実行する(ステップS603)。なお、プロジェクタ機能が起動されない場合には(ステップS602のNO)、携帯電話機100は、プロジェクタに係る処理は実行しない。
【0024】
一方、検出部160が携帯電話機100が、画像を投射可能な形態になっていないと検出している場合であって(ステップS601のNO)、カメラ用ライト172の点灯を操作部120を介したユーザ入力により指示された場合に(ステップS604のYES)、撮影部170は、カメラ用ライト172を点灯させる。このとき、撮影部170は、携帯電話機100が画像を撮影する撮影モードになっているかどうかを判定する(ステップS605)。
【0025】
携帯電話機100が撮影モードにある場合には(ステップS605のYES)、撮影部170は、カメラ用ライト172を撮影に適した明るさに調整して、ユーザの指示に基づいて撮影を行う(ステップS606)。なお、カメラ用ライト172が点灯されていない場合(ステップS604のNO)には、そのまま処理を終了する。
以上が、カメラ用ライト172の調整に係る処理である。
【0026】
上述してきたように、本発明に係る携帯電話機100は、その形態を変化させることで、カメラ用ライト172を光源としての画像の投射を可能とする位置にプロジェクタレンズ181と、透過型LCD182とを配することにより、プロジェクタ専用の光源を設けることなく、画像の投射を実行することができる。これにより、プロジェクタ専用の光源を設けるためのコストの上昇、プロジェクタ専用の光源を設置することによりその他の部品設置スペースの縮小といった事態を回避できる。
<実施の形態2>
上記実施の形態1では、3軸の回転軸を有する携帯電話機を例に説明したが、ここでは、2軸の回転軸しかない場合でも所望の効果を得られる構成が実現できることを示す。
<構成>
実施の形態2に係る携帯電話機700は、図7(a)に示すように、上部筐体710と、下部筐体720とがヒンジを介して接続される折畳み型携帯電話機である。
【0027】
図7(a)に示されるように、上部筐体710は、その第1の主面に、表示用のディスプレイ141と、プロジェクタレンズ181を備える。
携帯電話機700は、図7(b)に示されるように、ヒンジ750aとヒンジ750bの二つのヒンジによって形成される回転軸751と、回転軸752とにより上部筐体710と下部筐体720が回動自在に変形させることができる。
【0028】
図8(a)は、携帯電話機700の第1の主面側を示す正面図であり、図8(b)は、図8(a)に示す携帯電話機700の裏面に当たる第2の主面側を示す正面図である。
実施の形態1に示した携帯電話機100の場合とは異なり、図8(a)に示すように携帯電話機700は表示用のディスプレイ141を備える第1の主面側にプロジェクタレンズ181を備え、図8(b)に示すように第1の主面の裏側にあたる第2の主面側に透過型LCD182を備えている。
<形態変化>
上述のように携帯電話機700を構成することにより、図9に示す形態変化を実現する。
【0029】
図9(a)に示すように携帯電話機700が、上部筐体710の表示用ディスプレイ141がある第1の主面と、下部筐体720のテンキー群が配された第1の主面とが対向する閉じられた形態にあるものとする。
ユーザは、携帯電話機700の二つのヒンジ750aと、ヒンジ750bとを回転させて、図9(a)に示す状態から、図9(b)、図9(c)のように形態を変化させていく。
【0030】
そして、ユーザは、上部筐体710を約360°回転させて、上部筐体710の第2の主面と、下部筐体720の第2の主面とが対向する図9(d)の形態になるまで変化させる。
図9(d)の形態になることで、下部筐体820の第2の主面にあるカメラ用ライト172と、上部筐体710のが第2の主面にある透過型LCD182とが対向するようになり、画像の投射が可能となる形態になる。
【0031】
このように携帯電話機700を構成しても、従来から備わっているカメラ用ライト172を使用して、画像の投射を実現できる。
<補足>
上記実施の形態において、本発明の実施の手法について説明してきたが、本発明の実施形態がこれに限られないことは勿論である。以下、上記実施形態以外に本発明として含まれる各種の変形例について説明する。
(1)上記実施の形態においては、携帯端末の一例として携帯電話機を例に説明したが、本発明に係る携帯端末は、これに限らず、形態変化が可能なように構成された携帯端末であればよく、例えばPDAなどであってもよい。
(2)上記実施の形態においては、携帯電話機がプロジェクタ投射可能な状態になっているかどうかをヒンジ400に備えられた回転角センサが所定の値を示しているか否かによって検出することとしたが、携帯電話機がプロジェクタ投射可能な状態になっているかが検出できれば、その他の構成を用いることとしてもよい。
【0032】
例えば、上部筐体200にマグネットを、そして下部筐体300にマグネットセンサを備えることとし、携帯電話機がプロジェクタ投射可能な状態(図5(d)の形態や、図9(d)の形態)になったときに、対向するように配置する。図5(d)の状態になるとマグネットセンサはマグネットの存在を検出(一定の磁場を検出)することで、制御部190は、携帯電話機100がプロジェクタ投射可能な状態になっていると判断してもよい。
(3)上記実施の形態においてはプロジェクタによる画像の投射が可能な形態にしてからプロジェクタを起動する構成としたが、プロジェクタを起動してから、携帯電話機100の形態をプロジェクタによる画像の投射が可能な形態に変形させることとしてもよい。この場合、携帯電話機100における形態の検出機構は搭載しなくともよい。
(4)上記実施の形態においては、折畳み型の携帯電話機を例に説明したが、形態変化が可能であるものであれば、その他のものでもよく、例えばスライド型の携帯電話機であってもよい。
【0033】
以下にスライド型の携帯電話機を用いる場合の各部品配置の一例について図10及び図11を用いて説明する。
図10(a)は、スライド型携帯電話機1000の外観図であり、図10(b)は、図10(a)に示した状態のスライド型携帯電話機1000の裏側の外観図である。また、図11は、スライド型携帯電話機1000の分解斜視図である。
【0034】
スライド型携帯電話機1000は、図11に示す上部筐体1001と下部筐体1002とが丁度重なり合うスライド型携帯電話機でいう閉じた状態と、図10(a)に示すテンキー群が露出する開いた状態との間で、スライドにより開閉自在に構成され、上部筐体1001と下部筐体1002との相対位置関係が変化するように構成されている。
図10(a)に示すようにスライド型携帯電話機1000は、上部筐体1001と下部筐体1002とが接続されてなる。上部筐体1001は、表示画面となるLCDを備え、下部筐体1002は、テンキー群を備える。
【0035】
図10(b)に示すように、上部筐体1001は、上部筐体1001のLCDが備えられている面とは反対側の面に、カメラレンズ171とカメラ用ライト172とを備える。
また、図12(b)に示すように下部筐体1002は、テンキー群が配されている面とは反対側の面にプロジェクタレンズ181を備える。そして、テンキー群が配されている面には、図11に示すように透過型LCD182が備えられており、プロジェクタレンズ181に対向する位置に配されている。
【0036】
図11は、上部筐体1001と下部筐体1002とが対向し重なり合うスライド型携帯電話機でいう閉じた状態における分解斜視図であり、この状態においては、カメラ用ライト172と透過型LCD182とが対向するように両部品が配されており、画像の投射が可能となる。
スライド型携帯電話機では、上述の構成にすることにより、カメラ用ライト172を画像の投射用の光源として使用することができる。
(5)上記実施の形態においては、プロジェクタレンズ181は、第2筐体に固定されるように構成したが、表示される画面のサイズや、ピント等を調整するために可動できるように構成するとしてもよい。この構成は従来からもプロジェクタ装置に備わっているものであるので、ここではその詳細は割愛する。
(6)上記実施の形態におけるステップS602の処理、即ちプロジェクタ起動を支持するユーザの入力のあるなしの検出は省いてもよい。即ち、携帯電話機100の撮影部180は、検出部160がプロジェクタによる画像の投射が可能な形態になったことを検出された場合に、自動的に投射部180が起動されることとしてもよい。そして、検出部160がプロジェクタによる画像の投射が不可能な形態になったことを検出した場合に、投射部180は自動的に画像の投射を停止、即ち、カメラ用ライト172を消灯させ、透過型LCD182への画像の表示を停止することとしてもよい。
(7)上記実施の形態において、携帯電話機100の形態変化及びプロジェクタレンズ181などの各部品の配置について説明した。ここでは、プロジェクタ機能を実行しているときの携帯電話機において実行されてもよい構成について説明する。
【0037】
例えば、携帯電話機は、プロジェクタ機能を実行しているときに、投射している画像を表示部140で表示することとしてもよい。また、操作部120に対するユーザの操作により、例えば、静止画を投射している場合には、方向キーの押下に基づき次の画像を表示したり、投射している画像が動画である場合には、再生(決定キーの押下)、巻き戻し(左方向キーの押下)、早送り(右方向キーの押下)、一時停止(上方向キーの押下)、停止(下方向キーの押下)等の操作ができてもよい。また、動画の再生停止操作が行われた場合には、プロジェクタ機能そのものを終了することとしてもよい。なお、ここで示したキーへの操作の割当は一例であり、テンキー群やサイドキーに再生、停止などの各機能を割り振ることとしてもよい。
【0038】
また、携帯電話機がワンセグ等の放送波を受信できる機能を有している場合には、受信した放送を投射することとしてもよい。これによって、ユーザは、携帯電話機の小さな表示画面ではなく、投射される大きな画像をみて放送を楽しむことができる。
また、携帯電話機は、プロジェクタの機能を実行しつつ、その他のプロジェクタ機能に関連しない処理を実行してもよく、例えば映像を投射しつつ、メールの作成が行われてもよい。
【0039】
その他にも、プロジェクタの機能を実行して、画像を投射している場合には、表示部のバックライトを消灯して、省電力を図ることとしてもよい。
また、画像の投射について、携帯電話機の形態如何にかかわらず、ユーザによる入力操作等により投射を中止できる構成にしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係る携帯電話機は、部品の搭載スペースが従来よりも多いプロジェクタ機能付き携帯電話機として活用することができる。
【符号の説明】
【0041】
100、700 携帯電話機
110 通信部
120 操作部
130 音声処理部
140 表示部
141 LCD
150 記憶部
160 検出部
170 撮影部
171 カメラレンズ
172 カメラ用ライト
180 投射部
181 プロジェクタレンズ
182 透過型LCD
190 制御部
200、710 上部筐体
300、720 下部筐体
400、750a、750b ヒンジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筐体と第2筐体とが互いに相対位置関係が変化しうる状態で接続されてなる携帯端末であって、
前記第1筐体は、
撮像部と、
前記撮像部にて撮像するときに用いる発光部とを備え、
前記第2筐体は、
開口部と、
前記開口部に設けられた透過型ディスプレイと、
投射用レンズとを備え、
前記第1筐体と前記第2筐体とが互いに重なる特定の相対位置関係にあるときは、前記開口部は前記発光部の発光方向に位置し、前記透過型ディスプレイは前記投射用レンズと前記発光部との間に位置する
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記携帯端末は前記第1筐体と、前記第2筐体とがヒンジにより回動自在に接続された折畳み型携帯端末であり、
前記撮像部と前記発光部とは、前記第1筐体の第1の主面側に設けられ、
前記透過型ディスプレイは、前記第2筐体の第1の主面側に設けられ、
前記投射用レンズは、前記第2筐体の第2の主面側に設けられ、
前記第1筐体と前記第2筐体は、前記携帯端末が画像を投射する際には、前記第1筐体の第1の主面と、前記第2筐体の第1の主面が対向する相対位置関係を有する
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−177879(P2010−177879A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16729(P2009−16729)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】