携帯電話機
【課題】画像を合成する機能を有した携帯電話機において、合成処理に際しての演算処理装置の処理負担を低減した携帯電話機を提供する。
【解決手段】上側筐体1および下側筐体2には、それぞれ上側表示部11および下側表示部12が収められ、上側表示部11は、透明ディスプレイであり、表示面11aは、上側筐体1の第1の面1aから露出し、表示面11bは、上側筐体1の第2の面1bから露出している。携帯電話機100を閉じた状態で撮像を行い、メイン表示面12aに表示された撮像画像を透明ディスプレイ11を通して視認しながら、透明ディスプレイ11から文字や記号や図形等の上書き画像を入力することで、撮像画像と上書き画像とを擬似的に合成した状態が得られる。
【解決手段】上側筐体1および下側筐体2には、それぞれ上側表示部11および下側表示部12が収められ、上側表示部11は、透明ディスプレイであり、表示面11aは、上側筐体1の第1の面1aから露出し、表示面11bは、上側筐体1の第2の面1bから露出している。携帯電話機100を閉じた状態で撮像を行い、メイン表示面12aに表示された撮像画像を透明ディスプレイ11を通して視認しながら、透明ディスプレイ11から文字や記号や図形等の上書き画像を入力することで、撮像画像と上書き画像とを擬似的に合成した状態が得られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの表示部を有する携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の携帯電話機においては、通信機能や写真撮影機能だけでなく、様々な機能が盛り込まれている。例えば、画面上に表示された装飾画像と、被写体のリアルタイムの撮像画像とを合成して撮影する機能が知られている。
【0003】
このような機能は、例えば特許文献1に開示のように、取得した撮像画像と、手書き文字や図形などの入力画像とを合成する技術や、特許文献2に開示のように、文字情報を含む文字プレーンと画像情報を含む画像プレーンとを合成して表示する技術により実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−200727号公報
【特許文献2】特開平5−28241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上説明したように、画像を合成する機能を有した従来の携帯電話機においては、例えば、撮像画像のプレーンと絵画のプレーンとを合成する場合には、刻々と更新される撮像画像のプレーンに対して、更新の都度に絵画のプレーンとの間での合成処理が必要となる。このため、例えば、撮像画像と装飾画像のような静止画像を合成する場合には、撮像画像のフレーム単位でプレーン合成が必要となるため、演算処理装置の処理負担が増える。これは、静止画像のプレーンが更新される場合でも同様である。
【0006】
また、撮像画像の上に、ユーザによる手書き入力を行うような場合には、手書き入力が行われている間も、手書きが進行するごとに合成処理が必要となるため、演算処理装置の処理負担が増えることとなる。
【0007】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたものであり、画像を合成する機能を有した携帯電話機において、合成処理に際しての演算処理装置の処理負担を低減した携帯電話機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る携帯電話機は、1の面から表示面が露出するように第1の表示部が収められた第1の筐体と、第1の面およびそれと反対側の第2の面を有し、前記第2の面を前記第1の筐体側に向けて前記第1の表示部上をスライド可能であって、透明な第2の表示部が収められた第2の筐体と、前記第1および第2の表示部の表示を制御する制御部と、少なくとも前記第2の表示部に付加されたタッチパネル機能と、動画像および静止画像を撮像可能なカメラシステムを含む撮像部と、を備え、前記第1および第2の筐体は、前記第2の筐体が前記第1の表示部上をスライドすることによって、前記第1の筐体が前記第2の筐体で覆われながらも、前記第2の表示部を介して前記第1の表示部を視認可能な閉じた状態と、前記第2の筐体が前記第1の表示部に重ならず、前記第1の表示部を視認可能な開放した状態とを呈し、前記制御部は、前記第1および第2の筐体を閉じた状態で、前記撮像部で撮像された被写体の撮像画像を前記第1の表示部に表示するとともに、前記第2の表示部の前記タッチパネル機能を介して入力された、前記撮像画像と合成すべき上書き画像を前記第2の表示部に表示し、前記第1および第2の筐体を開放するタイミングで前記撮像画像と前記上書き画像との画像合成処理を実行する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る携帯電話機によれば、画像合成処理のための演算処理の回数を削減して、演算処理装置での処理負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る実施の形態の携帯電話機の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る実施の形態の携帯電話機の外観を示す平面図である。
【図3】本発明に係る実施の形態の携帯電話機の外観を示す平面図である。
【図4】本発明に係る実施の形態の携帯電話機の外観を示す平面図である。
【図5】本発明に係る実施の形態の携帯電話機の電気的な構成を示す図である。
【図6】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像表示の一例を示す図である。
【図7】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像表示の一例を示す図である。
【図8】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第1の使用形態を説明するフローチャートである。
【図9】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第1の使用形態を説明するための画像表示の一例を示す図である。
【図10】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第1の使用形態を説明するための画像表示の一例を示す図である。
【図11】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第2の使用形態を説明するフローチャートである。
【図12】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第3の使用形態を説明するフローチャートである。
【図13】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第3の使用形態を説明するための画像表示の一例を示す図である。
【図14】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第3の使用形態を説明するための画像表示の一例を示す図である。
【図15】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第3の使用形態を説明するための画像表示の一例を示す図である。
【図16】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第4の使用形態を説明するフローチャートである。
【図17】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第5の使用形態を説明するフローチャートである。
【図18】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第6の使用形態を説明するフローチャートである。
【図19】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第6の使用形態を説明するための画像表示の一例を示す図である。
【図20】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第6の使用形態を説明するための画像表示の一例を示す図である。
【図21】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第6の使用形態を説明するための画像表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<携帯電話機の外観>
図1は本発明の実施の形態に係る携帯電話機100の外観を示す斜視図である。図1に示されるように、本実施の形態に係る携帯電話機100は、図示しない連結機構によって互いに連結された下側筐体2(第1の筐体)と上側筐体1(第2も筐体)とを備えている。
【0012】
上側筐体1は、平面視で略長方形の板状をなしており、互いに対向する第1の面1aおよび第2の面1bを有している。同様に、下側筐体2は、平面視で略長方形の板状をなしており、互いに対向する第1の面2aおよび第2の面2bを有している。
【0013】
そして、携帯電話機100では、上側筐体1が、第2の面1bを下側筐体2側にして、下側筐体2の下側表示面12a上をX軸方向に沿って矢印ARのようにスライドさせることが可能な機構(図示せず)を有しており、上側筐体1で下側筐体2を覆うことができる構成となっている。
【0014】
下側筐体2にはタッチパネル機能を有する下側表示部12(第1の表示部)が収められ、上側筐体1にはタッチパネル機能を有する上側表示部11(第2の表示部)が収められている。なお、下側筐体2の第2の面2bからはカメラのレンズ部(図示せず)が露出するように設けられている。
【0015】
上側表示部11は、例えば透過型の液晶パネルによって構成され、液晶パネルに対面する部分にバックライトや反射材などを有さない液晶表示装置であり、信号を入力しない状態では透明な状態を維持し、透明ディスプレイと呼称する。上側表示部11の、長方形の表示面11aは、上側筐体1の第1の面1aから露出し、表示面11aと反対側の表示面11bは、上側筐体1の第2の面1bから露出している。
【0016】
下側表示部12は、例えば透過型の液晶パネルによって構成され、液晶パネルの背面あるいは側面に配置したバックライトによって供給される光の透過、不透過によって表示を行う液晶表示装置であり、長方形の表示面12aは、下側筐体2の第1の面2aから露出している。以後、上側表示部11を「透明ディスプレイ11」と呼称し、その表示面11aを「表側透過面11a」と呼称し、表示面11bを「裏側透過面11b」と呼称する場合もある。また、下側表示部12を「メインディスプレイ12」と呼称し、その表示面12aを「メイン表示面12a」と呼称する場合もある。
【0017】
また、以下では、図1に示されるように、上側筐体1および下側筐体2の短手方向および長手方向をそれぞれX軸方向およびY軸方向とし、上側筐体1および下側筐体2の厚み方向をZ軸方向として説明する。
【0018】
下側筐体2には図示されない音声出力部および音声入力部が収納されており、音声出力部はスピーカ20を有しており、音声入力部はマイク21を有している。スピーカ20は、下側筐体2の第1の面2aにおけるY方向の一方の端部において露出しており、音声入力部のマイク21は、下側筐体2の第1の面2aにおけるY方向の他方の端部から露出している。
【0019】
なお、上側筐体1の第2の面1bにおけるY方向の両端部には、上側筐体1をスライドさせて下側筐体2を覆った状態で、スピーカ20およびマイク21の上部に対応することになる部分に凹部RP(図1では、マイク21の上部に対応することになる凹部RPのみを示している)を有している。
【0020】
何れの凹部RPも、第2の面1bだけでなく側面にも及ぶように設けられ、下側筐体2が上側筐体1に覆われた状態でも、スピーカ20およびマイク21を介しての通話が可能な構成となっている。なお、音声出力部および音声入力部は下側筐体1に収納しても良く、その場合は、スピーカ20およびマイク21は、上側筐体1の第1の面1aにおいて露出することとなる。また、スピーカ20およびマイク21の配設位置は、上記以外の場所でも良い。
【0021】
なお、下側筐体2には、さらに電源コネクタや複数のハードキーで構成される操作部等も設けられるが、本発明とは関係が薄いので、説明および図示は省略する。
【0022】
携帯電話機100は、図示しないスライド機構によって、上側筐体1が下側表示部12に重ならず、下側表示部12を視認可能となるような図1に示す上側筐体1と下側筐体2の位置関係および、上側筐体1によって下側筐体2が覆われてはいるが、下側表示部12が上側筐体1の透明ディスプレイ11を介して視認可能な、図2に示す上側筐体1と下側筐体2の位置関係を呈することができる。
【0023】
以後、携帯電話機100において、上側筐体1が下側表示部12に重ならない状態を「開放した状態」と呼称し、上側筐体1によって下側筐体2が覆われた状態を「閉じた状態」と呼称する。
【0024】
図2および図3は、それぞれ携帯電話機100の閉じた状態および開放した状態を示す平面図である。
【0025】
図2に示されるように、閉じた状態においては上側筐体1と下側筐体2とが重なっているが、上側表示部11は透明であるので、上側表示部11を介して下側表示部12のメイン表示面12aが視認可能となっている。なお、カメラのシャッターボタンBTが上側筐体1の上側端面に設けられる構成となっているが、シャッターボタンBTの位置はこれに限定されるものではなく、また、下側筐体2に設けても良い。
【0026】
また、図3に示されるように、開放した状態においては上側筐体1が下側表示部12に重ならず、下側表示部12を直に視認可能となっている。
【0027】
また、図4には携帯電話機100の開放した状態の他の例として、上側筐体1と下側筐体2とが重なる部分が皆無となるように構成された例を示す。すなわち、図4に示すように、上側筐体1をX方向にスライドさせると上側筐体1の短手方向(X方向)の端部が、下側筐体2の短手方向の端部から一旦離れた後、上側筐体1の短手方向の端部と、下側筐体2の短手方向の端部とが重ならないように上側筐体1と下側筐体2との位置関係を定めるスライド機構の採用も可能である。これにより、上側筐体1の第1の面1aと下側筐体2の第1の面2aとが同一平面となる。
【0028】
<携帯電話機の電気的構成>
図5は本実施の形態に係る携帯電話機100の電気的な構成を示すブロック図である。図5に示されるように、携帯電話機100は、制御部30と、無線通信部31と、上側表示部11、下側表示部12、音声出力部(スピーカ)20、音声入力部(マイク)21、上側タッチパネル23、下側タッチパネル24および動画像や静止画像などを撮像可能なカメラシステムを含む撮像部25とを備えている。なお、制御部30および無線通信部31は、例えば下側筐体2内に収められている。
【0029】
制御部30は、CPU30aおよび記憶部30b等を備えており、携帯電話機100の他の構成要素を制御することによって、携帯電話機100の動作を統括的に管理する。記憶部30bは、ROMおよびRAM等で構成されている。制御部30の各種機能は、CPU30aが記憶部30b内の各種プログラムを実行することによって実現される。
【0030】
無線通信部31は、携帯電話機100とは別の携帯電話機や、インターネットに接続されたWebサーバ等の通信装置からの無線信号をアンテナ31aで受信し、受信信号に対して増幅処理やダウンコンバートを行って制御部30に出力する。また無線通信部31は、制御部30で生成された送信信号に対してアップコンバートや増幅処理を行って、処理後の送信信号をアンテナ31aを通じて、携帯電話機100とは別の携帯電話機や、インターネットに接続された通信装置に対して無線送信する。
【0031】
音声出力部20は、制御部30からの音声データを音声に変換して外部に出力する。音声入力部21は、外部から入力される音声を音声データに変換して制御部30に出力する。
【0032】
上側表示部11は、制御部30によって制御されることによって、文字、記号、図形などの各種情報を上側表示面11aに表示する。また、上側タッチパネル23および下側タッチパネル24は、それぞれ上側表示部11および下側表示部12のタッチパネル機能を実現するための構成を表している。上側表示部11は、上側タッチパネル23を表側透過面11aに有しており、上側タッチパネル23によるタッチパネル機能を介して、ユーザの指等の指示体による操作を検出して制御部30に出力する。下側表示部12は、下側タッチパネル24をメイン表示面12aに有しており、下側タッチパネル24によるタッチパネル機能を介して、ユーザの指等の指示体による操作を検出して制御部30に出力する。
【0033】
また、上側表示部11および下側表示部12は、撮像部25によって撮像された動画像や静止画像を、制御部30の制御によって表示するが、そのための画像データを記憶する表示用メモリ111および121をそれぞれ備えている。表示用メモリ111および121は、VRAM(Video RAM)などのメモリで構成することができる。
【0034】
上側表示部11は、先に説明したように、液晶パネルに対面する部分にバックライトや反射材などを有さないので、遮るものがなく、透明な状態を保っているが、所定の電気信号により所定の画素を光が不透過な状態にすることで、画像等の表示が可能となる。なお、バックライトの代わりに、上側表示部11の側面に対応する部分の上側筐体1内にLEDなどの光源を置いて上側表示部11を側面から照らすようにすることで、携帯電話機100を開放した状態でも、上側表示部11単独での画像表示が可能となる。
【0035】
なお、上側表示部11および下側表示部12を、液晶表示装置以外の非自発光型表示装置で構成しても良い。
【0036】
<携帯電話機での画像表示例>
次に、図6および図7を用いて、携帯電話機100における上側表示部11および下側表示部12での画像表示例について説明する。
【0037】
図6は、閉じた状態の携帯電話機100において、上側表示部11を透過して、下側表示部12の画像が見えている状態を示している。すなわち、携帯電話機100を閉じた状態で、写真(あるいは動画)の撮像機能を用いて被写体を撮像した場合、撮像画像は下側表示部12のメイン表示面12aに表示されるが、上側表示部11は透明であるので、上側表示部11側から見た場合、下側表示部12のメイン表示面12aに表示された撮像画像は、上側表示部11を透過して視認することができる。
【0038】
例えば、このとき、メイン表示面12aには被写体像OJの一部しか表示されていないとすると、携帯電話機100を開放することにより表示領域が広がることで、図7に示すように、被写体像OJの全体を、上側表示部11および下側表示部12で合わせて表示することができる。
【0039】
すなわち、図7においては、上側表示部11には、被写体像OJの上半分が表示され、下側表示部12には被写体像OJの下半分を表示されることで、被写体像OJの全体を表示することも可能となる。
【0040】
<画像合成機能の使用形態>
以下、上述した携帯電話機100における画像合成機能の使用形態について、図8〜図21を用いて説明する。
【0041】
<第1の使用形態>
図8は、第1の使用形態を説明するフローチャートであり、画像合成機能の基本的な使用形態を示している。
【0042】
携帯電話機100を閉じた状態でカメラ機能のスイッチを入れ、撮像動作を開始すると、メインディスプレイ12のメイン表示面12aに撮像画像が表示される(ステップS1)。この場合、携帯電話機100は閉じているが、メイン表示面12aに表示された撮像画像は、透明ディスプレイ11を透過して視認することができる。
【0043】
この状態で、ユーザがタッチパネル機能を有する透明ディスプレイ11に、指等の指示体によって文字や記号、あるいは図形などを手書きで入力したり、あるいはテンプレート等の電子画像をパネル操作で読み出して入力する。すなわち、ユーザがメイン表示面12aに表示された撮像画像上に上書きするように文字や図形等を透明ディスプレイ11上に入力する(ステップS2)。
【0044】
この状態を図9に模式的に示す。図9に示すように、透明ディスプレイ11を透過して視認される被写体像OJの上に、透明ディスプレイ11上で入力された上書き画像OWが重ねられている。この状態では、被写体像OJと上書き画像OWとは画像合成処理されていないが、上側表示部11側から見ると、被写体像OJと上書き画像OWとが1つの画面上に合成された合成画像のように見える。このような状態を、以後、「擬似的に合成した状態」と呼称する。
【0045】
次に、レイアウトが確定し、携帯電話機100を開放すると(ステップS3)、そのときの被写体像OJと上書き画像OWとが制御部30(図5)によって画像合成処理され、合成画像が透明ディスプレイ11上に表示される(ステップS4)。なお、携帯電話機100を開放しない場合は、被写体像OJ、上書き画像OWは確定していない。このため、携帯電話機100を開放した状態とする動作は、被写体像OJおよび上書き画像OWを確定して合成するという意味で、シャッター動作に相当する。
【0046】
この状態を図10に模式的に示す。図10に示すように、透明ディスプレイ11上には、画像合成処理された被写体像OJおよび上書き画像OWが表示され、メインディスプレイ12のメイン表示面12aには、リアルタイムの被写体像OJが表示されている。
【0047】
次に、ユーザによる、透明ディスプレイ11およびメインディスプレイ12からのタッチ入力による保存指示、あるいは上側筐体1または下側筐体2に設けられたハードキーなどで構成される操作部からの入力による保存指示に基づいて、制御部30は、透明ディスプレイ11上に表示された合成画像を所定のメモリ等に保存する(ステップS5)。その後は、ステップS6で、携帯電話機100を閉じた状態とするまで合成画像の表示を維持し、携帯電話機100を閉じることで透明ディスプレイ11上の合成画像が消去され(ステップS7)、ステップS1の状態に戻る。
【0048】
このように、第1の使用形態においては、ユーザが携帯電話機100を閉じた状態で撮像を行い、メイン表示面12aに表示された撮像画像を透明ディスプレイ11を介して視認しながら、透明ディスプレイ11から文字や記号や図形等の上書き画像を入力する。これにより、撮像画像と上書き画像とを擬似的に合成した状態とする。この段階では画像合成処理は行わないので、撮像画像が刻々と更新される場合でも、その都度に画像合成処理を行う必要がなく、画像合成処理のための演算処理の回数を削減できる。これにより、制御部30のCPU30a(図5)での処理負担を軽減できる。これは、上書き画像が刻々と変化する場合でも同様である。
【0049】
<第2の使用形態>
図11は、第2の使用形態を説明するフローチャートであり、画像合成機能の変形例的な使用形態を示している。
【0050】
携帯電話機100を閉じた状態でカメラ機能のスイッチを入れ、撮像動作を開始すると、メインディスプレイ12のメイン表示面12aに撮像画像が表示される(ステップS11)。この場合、携帯電話機100は閉じているが、メイン表示面12aに表示された撮像画像は、透明ディスプレイ11を透過して視認することができる。
【0051】
この状態で、ユーザが、タッチパネル機能を有する透明ディスプレイ11に、指等の指示体によって文字や記号、あるいは図形などを手書きで入力、あるいはテンプレート等の電子画像をパネル操作で読み出して入力する。すなわち、ユーザがメイン表示面12aに表示された撮像画像上に上書きするように文字や図形等を透明ディスプレイ11上に入力する(ステップS12)。この状態は、第1の使用形態で説明した図9の状態である。
【0052】
次に、レイアウトが確定し、携帯電話機100を開放すると(ステップS13)、そのときの被写体像OJと上書き画像OWとが制御部30(図5)によって画像合成処理され、合成画像が透明ディスプレイ11上に表示される(ステップS14)。なお、携帯電話機100を開放しない場合は、被写体像OJおよび上書き画像OWは確定していない。このため、携帯電話機100を開放した状態とする動作は、被写体像OJおよび上書き画像OWを確定して合成するという意味で、シャッター動作に相当する。この状態は、第1の使用形態で説明した図10の状態である。
【0053】
この段階で、携帯電話機100を閉じると(ステップS15)、制御部30は、透明ディスプレイ11上に表示された合成画像を保存するか否かの判断をユーザに求め(ステップS16)、ユーザが合成画像の保存を選択した場合には、合成画像を所定のメモリ等に保存した後、透明ディスプレイ11上の合成画像を消去し(ステップS17)、ステップS1の状態に戻る。
【0054】
一方、ステップS16において、ユーザが合成画像を保存しないことを選択した場合には、次に、制御部30は、ユーザに、透明ディスプレイ11上の合成画像を消去するか否かの判断を求め(ステップS18)、ユーザが消去を選択する場合はステップS17に進み、ユーザが消去しないことを選択した場合は、制御部30は、透明ディスプレイ11上から撮像画像(被写体像OJ)を消去し、上書き画像OWのみを残して継続入力可能な状態とし、ステップS11の状態に戻る。
【0055】
このように、第2の使用形態においては、ユーザが携帯電話機100を閉じた状態で撮像を行い、メイン表示面12aに表示された撮像画像を透明ディスプレイ11を通して視認しながら、透明ディスプレイ11から文字や記号や図形等の上書き画像を入力することで、撮像画像と上書き画像とを擬似的に合成した状態とする。この段階では、画像合成処理は行わないという点では第1の使用形態と同じであるが、合成画像を保存せずに携帯電話機100を閉じるという選択が可能である。
【0056】
すなわち、携帯電話機100の開放により画像合成処理を行った後、上書き画像OWや被写体像OJを変更したいと思ったユーザは、再び携帯電話機100を閉じ、合成画像を保存せずにステップS11の動作に戻ることができる。
【0057】
従って、得られた合成画像がユーザの気に入らないような場合は、その画像を保存しない選択をすることで、不要な画像でメモリを消費するということを防止できる。また、合成画像を保存しない場合、透明ディスプレイ11上から撮像画像(被写体像OJ)を消去し、上書き画像OWのみを残して継続入力可能な状態とすることもできるので、上書き画像OWの追加や変更が可能であるとともに、上書き画像OWはそのままで、撮像画像のみ変更するという操作も可能となる。
【0058】
<第3の使用形態>
図12は、第3の使用形態を説明するフローチャートであり、第1の使用形態で説明した基本的な使用形態とは異なる使用形態を示している。
【0059】
携帯電話機100を閉じた状態でカメラ機能のスイッチを入れ、撮像動作を開始すると、メインディスプレイ12のメイン表示面12aに撮像画像が表示される(ステップS21)。この場合、携帯電話機100は閉じているが、メイン表示面12aに表示された撮像画像は、透明ディスプレイ11を透過して視認することができる。
【0060】
この状態を図13に模式的に示す。図13に示すように、透明ディスプレイ11を透過して被写体像OJが視認される。
【0061】
この状態から携帯電話機100を開放すると(ステップS22)、制御部30(図5)によってメイン表示面12aに表示された撮像画像が透明ディスプレイ11にも表示される(ステップS23)。なお、携帯電話機100が閉じた状態のままだと、ステップS21の状態を維持する。
【0062】
この状態を図14に模式的に示す。図14に示すように、メイン表示面12aに表示された被写体像OJと同じものが、表側透過面11aにも表示される。この場合、何れの被写体像OJもリアルタイムの映像である。
【0063】
この状態で、ユーザがタッチパネル機能を有する透明ディスプレイ11に、指等の指示体によって文字や記号、あるいは図形などを手書きで入力、あるいはテンプレート等の電子画像をパネル操作で読み出して入力する(ステップS24)。
【0064】
この状態を図15に模式的に示す。図15に示すように、透明ディスプレイ11上には、リアルタイムの被写体像OJおよび上書き画像OWが合成画像として表示され、メインディスプレイ12のメイン表示面12aには、リアルタイムの被写体像OJのみが表示されている。
【0065】
次に、レイアウトが確定し、ユーザがシャッターボタンBTを押すと(ステップS25)、そのときの被写体像OJと上書き画像OWとの合成画像が確定し、確定した合成画像が制御部30によって透明ディスプレイ11上に表示される(ステップS26)。
【0066】
次に、ユーザによる、透明ディスプレイ11およびメインディスプレイ12からのタッチ入力による保存指示、あるいは上側筐体1または下側筐体2に設けられたハードキーなどで構成される操作部からの入力による保存指示に基づいて、制御部30は、透明ディスプレイ11上に表示された合成画像を所定のメモリ等に保存する(ステップS27)。その後は、ステップS28で、携帯電話機100を閉じた状態とするまで合成画像の表示を維持し、携帯電話機100を閉じることで透明ディスプレイ11上の合成画像が消去され(ステップS29)、ステップS21の状態に戻る。
【0067】
このように、第3の使用形態においては、携帯電話機100を開放した状態で透明ディスプレイ11上にリアルタイムの被写体像OJを表示し、ユーザがそれを見ながら透明ディスプレイ11上において文字や記号や図形等の上書き画像を入力する構成を採っている。これにより、例えば、透明ディスプレイ11上では被写体像OJが確認できないほど上書き画像が入力されていても、ユーザは、メインディスプレイ12上の被写体像OJを見ながら上書き画像を入力することができるので、ユーザにとっての使い勝手が良くなる。
【0068】
<第4の使用形態>
図16は、第4の使用形態を説明するフローチャートであり、第3の使用形態の変形例的な使用形態を示している。
【0069】
携帯電話機100を閉じた状態でカメラ機能のスイッチを入れ、撮像動作を開始すると、メインディスプレイ12のメイン表示面12aに撮像画像が表示される(ステップS31)。この場合、携帯電話機100は閉じているが、メイン表示面12aに表示された撮像画像は、透明ディスプレイ11を透過して視認することができる。この状態は、第3の使用形態で説明した図13の状態である。
【0070】
この状態から携帯電話機100を開放すると(ステップS32)、制御部30(図5)によってメイン表示面12aに表示された撮像画像が透明ディスプレイ11にも表示される(ステップS33)。この状態は、第3の使用形態で説明した図14の状態である。なお、携帯電話機100が閉じた状態のままだと、ステップS31の状態を維持する。
【0071】
この状態で、ユーザがタッチパネル機能を有する透明ディスプレイ11に、指等の指示体によって文字や記号、あるいは図形などを手書きで入力、あるいはテンプレート等の電子画像をパネル操作で読み出して入力する(ステップS34)。この状態は、第3の使用形態で説明した図15の状態である。
【0072】
次に、レイアウトが確定し、ユーザがシャッターボタンBTを押すと(ステップS35)、そのときの被写体像OJと上書き画像OWとの合成画像が確定し、確定した合成画像が制御部30によって透明ディスプレイ11上に表示される(ステップS36)。
【0073】
次に、ユーザによる、透明ディスプレイ11およびメインディスプレイ12からのタッチ入力による保存指示、あるいは上側筐体1または下側筐体2に設けられたハードキーなどで構成される操作部からの入力による保存指示に基づいて、制御部30は、透明ディスプレイ11上に表示された合成画像を所定のメモリ等に保存する(ステップS37)。その後に、ユーザが保存された合成画像を再確認したところ、ユーザの気に入らない箇所が見つかったような場合には、ユーザの消去指示に基づいて保存した合成画像をキャンセル(消去)する(ステップS38)。
【0074】
この状態では、メイン表示面12aに表示された撮像画像が透明ディスプレイ11にも表示されているが、この撮像画像は、先にキャンセルした合成画像の被写体像OJに近い撮影条件での撮像画像であるので、早急に確定して取り込みたい画像の可能性が高い。
【0075】
このような場合、シャッターボタンBTを押して撮像画像を所定のメモリ等に取り込むと(ステップS39)、取り込んだ撮像画像は、制御部30によって読み出され透明ディスプレイ11上に表示される(ステップS40)。
【0076】
この状態で、ユーザがタッチパネル機能を有する透明ディスプレイ11に、指等の指示体によって文字や記号、あるいは図形などを手書きで入力、あるいはテンプレート等の電子画像をパネル操作で読み出して入力することで、透明ディスプレイ11上には、取り込んだ画像の被写体像OJおよび上書き画像OWが合成画像として表示される(ステップS41)。なお、メインディスプレイ12のメイン表示面12aには、リアルタイムの被写体像OJが表示されている。
【0077】
次に、ユーザによる、透明ディスプレイ11およびメインディスプレイ12からのタッチ入力による保存指示、あるいは上側筐体1または下側筐体2に設けられたハードキーなどで構成される操作部からの入力による保存指示に基づいて、制御部30は、透明ディスプレイ11上に表示された合成画像を所定のメモリ等に保存する(ステップS42)。その後は、ステップS43で、携帯電話機100を閉じた状態とするまで合成画像の表示を維持し、携帯電話機100を閉じることで透明ディスプレイ11上の合成画像が消去され(ステップS44)、ステップS31の状態に戻る。
【0078】
このように、第4の使用形態においては、携帯電話機100を開放した状態で透明ディスプレイ11上にリアルタイムの被写体像OJを表示し、ユーザがそれを見ながら透明ディスプレイ11から文字や記号や図形等の上書き画像を入力するという点では第3の使用形態と同じである。これに加えて、一旦保存した合成画像をキャンセルし、連続して合成画像を作成したい場合には、シャッターボタンBTを押して撮像画像を取り込むことで、取り込んだ撮像画像を透明ディスプレイ11に表示し、当該撮像画像に対して上書きを行う構成としている。従って、上書き中に撮像画像は変化しないので、上書き画像との画像合成処理のための制御部30のCPU30a(図5)での演算処理の負担を軽減することができる。
【0079】
<第5の使用形態>
図17は、第5の使用形態を説明するフローチャートであり、第1の使用形態で説明した基本的な使用形態とは異なる使用形態を示している。
【0080】
携帯電話機100を閉じた状態でカメラ機能のスイッチを入れ、撮像動作を開始すると、メインディスプレイ12のメイン表示面12aに撮像画像が表示される(ステップS51)。この場合、携帯電話機100は閉じているが、メイン表示面12aに表示された撮像画像は、透明ディスプレイ11を透過して視認することができる。この状態は、第3の使用形態で説明した図13の状態である。
【0081】
この状態でシャッターボタンBTを押して、撮像画像を所定のメモリ等に取り込むと(ステップS52)、取り込んだ撮像画像は、制御部30によって読み出され透明ディスプレイ11上に表示される(ステップS3)。
【0082】
この状態で、ユーザがタッチパネル機能を有する透明ディスプレイ11に、指等の指示体によって文字や記号、あるいは図形などを手書きで入力、あるいはテンプレート等の電子画像をパネル操作で読み出して入力する(ステップS54)。
【0083】
すなわち、透明ディスプレイ11に表示された撮像画像上に上書きするように文字や図形等を入力することで、透明ディスプレイ11上には、取り込んだ画像の被写体像OJおよび上書き画像OWが合成画像として表示される。
【0084】
この状態から携帯電話機100を開放すると(ステップS55)、その合成画像が透明ディスプレイ11上に表示される(ステップS56)。なお、携帯電話機100を開放しない場合は、上書き画像OWの変更、追加が可能な状態を維持する。
【0085】
次に、ユーザによる、透明ディスプレイ11およびメインディスプレイ12からのタッチ入力による保存指示、あるいは上側筐体1または下側筐体2に設けられたハードキーなどで構成される操作部からの入力による保存指示に基づいて、制御部30は、透明ディスプレイ11上に表示された合成画像を所定のメモリ等に保存する(ステップS57)。その後は、ステップS58で、携帯電話機100を閉じた状態とするまで合成画像の表示を維持し、携帯電話機100を閉じることで透明ディスプレイ11上の合成画像が消去され(ステップS59)、ステップS51の状態に戻る。
【0086】
このように、第5の使用形態においては、携帯電話機100を閉じた状態で撮像を行い、シャッター動作により撮像画像を取り込むとともに、取り込んだ撮像画像を透明ディスプレイ11上に表示し、当該撮像画像に対して上書きを行う構成としている。このため、上書き中に撮像画像は変化しないので、上書き画像との画像合成処理のための制御部30のCPU30a(図5)での演算処理の負担を軽減することができる。
【0087】
<第6の使用形態>
図18は、第6の使用形態を説明するフローチャートであり、第1の使用形態で説明した基本的な使用形態とは異なる使用形態を示している。
【0088】
携帯電話機100を開放した状態でカメラ機能のスイッチを入れ、撮像動作を開始すると、メインディスプレイ12のメイン表示面12aに撮像画像が表示される(ステップS61)。この場合、撮像画像は透明ディスプレイ11には表示されない。
【0089】
この状態を図19に模式的に示す。図19に示すように、メインディスプレイ12のメイン表示面12aにはリアルタイムの被写体像OJが表示され、透明ディスプレイ11上には何も表示されていない。この場合、透明ディスプレイ11の裏側透過面11bおよび表側透過面11aを透過して被写体が視認できるが、図示は省略している。
【0090】
この状態で、ユーザがタッチパネル機能を有する透明ディスプレイ11に、指等の指示体によって文字や記号、あるいは図形などを手書きで入力、あるいはテンプレート等の電子画像をパネル操作で読み出して入力する(ステップS62)。
【0091】
すなわち、メイン表示面12aに表示された撮像画像を見ながら上書き画像を入力すると、透明ディスプレイ11には上書き画像のみが表示される。
【0092】
この状態を図20に模式的に示す。図20に示すように、透明ディスプレイ11の表側透過面11aには、上書き画像OWのみが表示され、メインディスプレイ12のメイン表示面12aにはリアルタイムの被写体像OJのみが表示されている。
【0093】
次に、レイアウトが確定し、ユーザがシャッターボタンBTを押すと(ステップS63)、そのときの被写体像OJと上書き画像OWとが合成され、その合成画像が制御部30によって透明ディスプレイ11上に表示される(ステップS64)。この状態を図21に模式的に示す。
【0094】
次に、ユーザによる、透明ディスプレイ11およびメインディスプレイ12からのタッチ入力による保存指示、あるいは上側筐体1または下側筐体2に設けられたハードキーなどで構成される操作部からの入力による保存指示に基づいて、制御部30は、透明ディスプレイ11上に表示された合成画像を所定のメモリ等に保存する(ステップS65)。その後は、ステップS66で、携帯電話機100を閉じた状態とするまで合成画像の表示を維持し、携帯電話機100を閉じることで透明ディスプレイ11上の合成画像が消去される(ステップS67)。
【0095】
その後、携帯電話機100を再び開放することで(ステップS68)、ステップS61の状態に戻る。
【0096】
このように、第6の使用形態においては、携帯電話機100を開いた状態で撮像を行うが、この段階では透明ディスプレイ11には表示されず、メイン表示面12aに表示された撮像画像を見ながら上書き画像OWを入力する構成となっている。そして、レイアウトが確定した段階で、シャッターボタンBTを押すことで、そのときの被写体像OJと上書き画像OWとの画像合成処理を行い、その合成画像を透明ディスプレイ11上に表示する構成としている。このため、刻々と更新される撮像画像に対しても。更新の都度に画像合成処理を行う必要がなく、画像合成処理のための演算処理が不要となり、制御部30のCPU30a(図5)での処理負担を軽減できる。これは、上書き画像が変化する場合でも同様である。
【0097】
なお、以上説明した携帯電話機100において使用した、透明ディスプレイ11は、ノーマリホワイトモードの透過型の液晶パネルで構成しても良い。
【0098】
<変形例>
以上説明した、第3および第4の使用形態では、携帯電話機100を開放することで、メイン表示面12aに表示された撮像画像が透明ディスプレイ11にも表示される構成を示した。しかし、携帯電話機100を開放した時点では透明ディスプレイ11には撮像画像は表示されない構成としても良い。この場合、メイン表示面12aに表示された撮像画像を見ながら透明ディスプレイ11に上書き画像OWを入力する構成を採ることができる。そして、レイアウトが確定した段階で、シャッターボタンBTを押すなどのタイミングで、そのときの被写体像OJと上書き画像OWとの画像合成処理を行い、得られた合成画像を透明ディスプレイ11上に表示する構成としても良い。
【符号の説明】
【0099】
1 上側筐体
2 下側筐体
11 透明ディスプレイ
11a 表側透過面
11b 裏側透過面
12 メインディスプレイ
12a メイン表示面
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの表示部を有する携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の携帯電話機においては、通信機能や写真撮影機能だけでなく、様々な機能が盛り込まれている。例えば、画面上に表示された装飾画像と、被写体のリアルタイムの撮像画像とを合成して撮影する機能が知られている。
【0003】
このような機能は、例えば特許文献1に開示のように、取得した撮像画像と、手書き文字や図形などの入力画像とを合成する技術や、特許文献2に開示のように、文字情報を含む文字プレーンと画像情報を含む画像プレーンとを合成して表示する技術により実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−200727号公報
【特許文献2】特開平5−28241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上説明したように、画像を合成する機能を有した従来の携帯電話機においては、例えば、撮像画像のプレーンと絵画のプレーンとを合成する場合には、刻々と更新される撮像画像のプレーンに対して、更新の都度に絵画のプレーンとの間での合成処理が必要となる。このため、例えば、撮像画像と装飾画像のような静止画像を合成する場合には、撮像画像のフレーム単位でプレーン合成が必要となるため、演算処理装置の処理負担が増える。これは、静止画像のプレーンが更新される場合でも同様である。
【0006】
また、撮像画像の上に、ユーザによる手書き入力を行うような場合には、手書き入力が行われている間も、手書きが進行するごとに合成処理が必要となるため、演算処理装置の処理負担が増えることとなる。
【0007】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたものであり、画像を合成する機能を有した携帯電話機において、合成処理に際しての演算処理装置の処理負担を低減した携帯電話機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る携帯電話機は、1の面から表示面が露出するように第1の表示部が収められた第1の筐体と、第1の面およびそれと反対側の第2の面を有し、前記第2の面を前記第1の筐体側に向けて前記第1の表示部上をスライド可能であって、透明な第2の表示部が収められた第2の筐体と、前記第1および第2の表示部の表示を制御する制御部と、少なくとも前記第2の表示部に付加されたタッチパネル機能と、動画像および静止画像を撮像可能なカメラシステムを含む撮像部と、を備え、前記第1および第2の筐体は、前記第2の筐体が前記第1の表示部上をスライドすることによって、前記第1の筐体が前記第2の筐体で覆われながらも、前記第2の表示部を介して前記第1の表示部を視認可能な閉じた状態と、前記第2の筐体が前記第1の表示部に重ならず、前記第1の表示部を視認可能な開放した状態とを呈し、前記制御部は、前記第1および第2の筐体を閉じた状態で、前記撮像部で撮像された被写体の撮像画像を前記第1の表示部に表示するとともに、前記第2の表示部の前記タッチパネル機能を介して入力された、前記撮像画像と合成すべき上書き画像を前記第2の表示部に表示し、前記第1および第2の筐体を開放するタイミングで前記撮像画像と前記上書き画像との画像合成処理を実行する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る携帯電話機によれば、画像合成処理のための演算処理の回数を削減して、演算処理装置での処理負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る実施の形態の携帯電話機の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る実施の形態の携帯電話機の外観を示す平面図である。
【図3】本発明に係る実施の形態の携帯電話機の外観を示す平面図である。
【図4】本発明に係る実施の形態の携帯電話機の外観を示す平面図である。
【図5】本発明に係る実施の形態の携帯電話機の電気的な構成を示す図である。
【図6】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像表示の一例を示す図である。
【図7】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像表示の一例を示す図である。
【図8】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第1の使用形態を説明するフローチャートである。
【図9】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第1の使用形態を説明するための画像表示の一例を示す図である。
【図10】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第1の使用形態を説明するための画像表示の一例を示す図である。
【図11】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第2の使用形態を説明するフローチャートである。
【図12】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第3の使用形態を説明するフローチャートである。
【図13】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第3の使用形態を説明するための画像表示の一例を示す図である。
【図14】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第3の使用形態を説明するための画像表示の一例を示す図である。
【図15】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第3の使用形態を説明するための画像表示の一例を示す図である。
【図16】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第4の使用形態を説明するフローチャートである。
【図17】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第5の使用形態を説明するフローチャートである。
【図18】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第6の使用形態を説明するフローチャートである。
【図19】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第6の使用形態を説明するための画像表示の一例を示す図である。
【図20】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第6の使用形態を説明するための画像表示の一例を示す図である。
【図21】本発明に係る実施の形態の携帯電話機における画像合成機能の第6の使用形態を説明するための画像表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<携帯電話機の外観>
図1は本発明の実施の形態に係る携帯電話機100の外観を示す斜視図である。図1に示されるように、本実施の形態に係る携帯電話機100は、図示しない連結機構によって互いに連結された下側筐体2(第1の筐体)と上側筐体1(第2も筐体)とを備えている。
【0012】
上側筐体1は、平面視で略長方形の板状をなしており、互いに対向する第1の面1aおよび第2の面1bを有している。同様に、下側筐体2は、平面視で略長方形の板状をなしており、互いに対向する第1の面2aおよび第2の面2bを有している。
【0013】
そして、携帯電話機100では、上側筐体1が、第2の面1bを下側筐体2側にして、下側筐体2の下側表示面12a上をX軸方向に沿って矢印ARのようにスライドさせることが可能な機構(図示せず)を有しており、上側筐体1で下側筐体2を覆うことができる構成となっている。
【0014】
下側筐体2にはタッチパネル機能を有する下側表示部12(第1の表示部)が収められ、上側筐体1にはタッチパネル機能を有する上側表示部11(第2の表示部)が収められている。なお、下側筐体2の第2の面2bからはカメラのレンズ部(図示せず)が露出するように設けられている。
【0015】
上側表示部11は、例えば透過型の液晶パネルによって構成され、液晶パネルに対面する部分にバックライトや反射材などを有さない液晶表示装置であり、信号を入力しない状態では透明な状態を維持し、透明ディスプレイと呼称する。上側表示部11の、長方形の表示面11aは、上側筐体1の第1の面1aから露出し、表示面11aと反対側の表示面11bは、上側筐体1の第2の面1bから露出している。
【0016】
下側表示部12は、例えば透過型の液晶パネルによって構成され、液晶パネルの背面あるいは側面に配置したバックライトによって供給される光の透過、不透過によって表示を行う液晶表示装置であり、長方形の表示面12aは、下側筐体2の第1の面2aから露出している。以後、上側表示部11を「透明ディスプレイ11」と呼称し、その表示面11aを「表側透過面11a」と呼称し、表示面11bを「裏側透過面11b」と呼称する場合もある。また、下側表示部12を「メインディスプレイ12」と呼称し、その表示面12aを「メイン表示面12a」と呼称する場合もある。
【0017】
また、以下では、図1に示されるように、上側筐体1および下側筐体2の短手方向および長手方向をそれぞれX軸方向およびY軸方向とし、上側筐体1および下側筐体2の厚み方向をZ軸方向として説明する。
【0018】
下側筐体2には図示されない音声出力部および音声入力部が収納されており、音声出力部はスピーカ20を有しており、音声入力部はマイク21を有している。スピーカ20は、下側筐体2の第1の面2aにおけるY方向の一方の端部において露出しており、音声入力部のマイク21は、下側筐体2の第1の面2aにおけるY方向の他方の端部から露出している。
【0019】
なお、上側筐体1の第2の面1bにおけるY方向の両端部には、上側筐体1をスライドさせて下側筐体2を覆った状態で、スピーカ20およびマイク21の上部に対応することになる部分に凹部RP(図1では、マイク21の上部に対応することになる凹部RPのみを示している)を有している。
【0020】
何れの凹部RPも、第2の面1bだけでなく側面にも及ぶように設けられ、下側筐体2が上側筐体1に覆われた状態でも、スピーカ20およびマイク21を介しての通話が可能な構成となっている。なお、音声出力部および音声入力部は下側筐体1に収納しても良く、その場合は、スピーカ20およびマイク21は、上側筐体1の第1の面1aにおいて露出することとなる。また、スピーカ20およびマイク21の配設位置は、上記以外の場所でも良い。
【0021】
なお、下側筐体2には、さらに電源コネクタや複数のハードキーで構成される操作部等も設けられるが、本発明とは関係が薄いので、説明および図示は省略する。
【0022】
携帯電話機100は、図示しないスライド機構によって、上側筐体1が下側表示部12に重ならず、下側表示部12を視認可能となるような図1に示す上側筐体1と下側筐体2の位置関係および、上側筐体1によって下側筐体2が覆われてはいるが、下側表示部12が上側筐体1の透明ディスプレイ11を介して視認可能な、図2に示す上側筐体1と下側筐体2の位置関係を呈することができる。
【0023】
以後、携帯電話機100において、上側筐体1が下側表示部12に重ならない状態を「開放した状態」と呼称し、上側筐体1によって下側筐体2が覆われた状態を「閉じた状態」と呼称する。
【0024】
図2および図3は、それぞれ携帯電話機100の閉じた状態および開放した状態を示す平面図である。
【0025】
図2に示されるように、閉じた状態においては上側筐体1と下側筐体2とが重なっているが、上側表示部11は透明であるので、上側表示部11を介して下側表示部12のメイン表示面12aが視認可能となっている。なお、カメラのシャッターボタンBTが上側筐体1の上側端面に設けられる構成となっているが、シャッターボタンBTの位置はこれに限定されるものではなく、また、下側筐体2に設けても良い。
【0026】
また、図3に示されるように、開放した状態においては上側筐体1が下側表示部12に重ならず、下側表示部12を直に視認可能となっている。
【0027】
また、図4には携帯電話機100の開放した状態の他の例として、上側筐体1と下側筐体2とが重なる部分が皆無となるように構成された例を示す。すなわち、図4に示すように、上側筐体1をX方向にスライドさせると上側筐体1の短手方向(X方向)の端部が、下側筐体2の短手方向の端部から一旦離れた後、上側筐体1の短手方向の端部と、下側筐体2の短手方向の端部とが重ならないように上側筐体1と下側筐体2との位置関係を定めるスライド機構の採用も可能である。これにより、上側筐体1の第1の面1aと下側筐体2の第1の面2aとが同一平面となる。
【0028】
<携帯電話機の電気的構成>
図5は本実施の形態に係る携帯電話機100の電気的な構成を示すブロック図である。図5に示されるように、携帯電話機100は、制御部30と、無線通信部31と、上側表示部11、下側表示部12、音声出力部(スピーカ)20、音声入力部(マイク)21、上側タッチパネル23、下側タッチパネル24および動画像や静止画像などを撮像可能なカメラシステムを含む撮像部25とを備えている。なお、制御部30および無線通信部31は、例えば下側筐体2内に収められている。
【0029】
制御部30は、CPU30aおよび記憶部30b等を備えており、携帯電話機100の他の構成要素を制御することによって、携帯電話機100の動作を統括的に管理する。記憶部30bは、ROMおよびRAM等で構成されている。制御部30の各種機能は、CPU30aが記憶部30b内の各種プログラムを実行することによって実現される。
【0030】
無線通信部31は、携帯電話機100とは別の携帯電話機や、インターネットに接続されたWebサーバ等の通信装置からの無線信号をアンテナ31aで受信し、受信信号に対して増幅処理やダウンコンバートを行って制御部30に出力する。また無線通信部31は、制御部30で生成された送信信号に対してアップコンバートや増幅処理を行って、処理後の送信信号をアンテナ31aを通じて、携帯電話機100とは別の携帯電話機や、インターネットに接続された通信装置に対して無線送信する。
【0031】
音声出力部20は、制御部30からの音声データを音声に変換して外部に出力する。音声入力部21は、外部から入力される音声を音声データに変換して制御部30に出力する。
【0032】
上側表示部11は、制御部30によって制御されることによって、文字、記号、図形などの各種情報を上側表示面11aに表示する。また、上側タッチパネル23および下側タッチパネル24は、それぞれ上側表示部11および下側表示部12のタッチパネル機能を実現するための構成を表している。上側表示部11は、上側タッチパネル23を表側透過面11aに有しており、上側タッチパネル23によるタッチパネル機能を介して、ユーザの指等の指示体による操作を検出して制御部30に出力する。下側表示部12は、下側タッチパネル24をメイン表示面12aに有しており、下側タッチパネル24によるタッチパネル機能を介して、ユーザの指等の指示体による操作を検出して制御部30に出力する。
【0033】
また、上側表示部11および下側表示部12は、撮像部25によって撮像された動画像や静止画像を、制御部30の制御によって表示するが、そのための画像データを記憶する表示用メモリ111および121をそれぞれ備えている。表示用メモリ111および121は、VRAM(Video RAM)などのメモリで構成することができる。
【0034】
上側表示部11は、先に説明したように、液晶パネルに対面する部分にバックライトや反射材などを有さないので、遮るものがなく、透明な状態を保っているが、所定の電気信号により所定の画素を光が不透過な状態にすることで、画像等の表示が可能となる。なお、バックライトの代わりに、上側表示部11の側面に対応する部分の上側筐体1内にLEDなどの光源を置いて上側表示部11を側面から照らすようにすることで、携帯電話機100を開放した状態でも、上側表示部11単独での画像表示が可能となる。
【0035】
なお、上側表示部11および下側表示部12を、液晶表示装置以外の非自発光型表示装置で構成しても良い。
【0036】
<携帯電話機での画像表示例>
次に、図6および図7を用いて、携帯電話機100における上側表示部11および下側表示部12での画像表示例について説明する。
【0037】
図6は、閉じた状態の携帯電話機100において、上側表示部11を透過して、下側表示部12の画像が見えている状態を示している。すなわち、携帯電話機100を閉じた状態で、写真(あるいは動画)の撮像機能を用いて被写体を撮像した場合、撮像画像は下側表示部12のメイン表示面12aに表示されるが、上側表示部11は透明であるので、上側表示部11側から見た場合、下側表示部12のメイン表示面12aに表示された撮像画像は、上側表示部11を透過して視認することができる。
【0038】
例えば、このとき、メイン表示面12aには被写体像OJの一部しか表示されていないとすると、携帯電話機100を開放することにより表示領域が広がることで、図7に示すように、被写体像OJの全体を、上側表示部11および下側表示部12で合わせて表示することができる。
【0039】
すなわち、図7においては、上側表示部11には、被写体像OJの上半分が表示され、下側表示部12には被写体像OJの下半分を表示されることで、被写体像OJの全体を表示することも可能となる。
【0040】
<画像合成機能の使用形態>
以下、上述した携帯電話機100における画像合成機能の使用形態について、図8〜図21を用いて説明する。
【0041】
<第1の使用形態>
図8は、第1の使用形態を説明するフローチャートであり、画像合成機能の基本的な使用形態を示している。
【0042】
携帯電話機100を閉じた状態でカメラ機能のスイッチを入れ、撮像動作を開始すると、メインディスプレイ12のメイン表示面12aに撮像画像が表示される(ステップS1)。この場合、携帯電話機100は閉じているが、メイン表示面12aに表示された撮像画像は、透明ディスプレイ11を透過して視認することができる。
【0043】
この状態で、ユーザがタッチパネル機能を有する透明ディスプレイ11に、指等の指示体によって文字や記号、あるいは図形などを手書きで入力したり、あるいはテンプレート等の電子画像をパネル操作で読み出して入力する。すなわち、ユーザがメイン表示面12aに表示された撮像画像上に上書きするように文字や図形等を透明ディスプレイ11上に入力する(ステップS2)。
【0044】
この状態を図9に模式的に示す。図9に示すように、透明ディスプレイ11を透過して視認される被写体像OJの上に、透明ディスプレイ11上で入力された上書き画像OWが重ねられている。この状態では、被写体像OJと上書き画像OWとは画像合成処理されていないが、上側表示部11側から見ると、被写体像OJと上書き画像OWとが1つの画面上に合成された合成画像のように見える。このような状態を、以後、「擬似的に合成した状態」と呼称する。
【0045】
次に、レイアウトが確定し、携帯電話機100を開放すると(ステップS3)、そのときの被写体像OJと上書き画像OWとが制御部30(図5)によって画像合成処理され、合成画像が透明ディスプレイ11上に表示される(ステップS4)。なお、携帯電話機100を開放しない場合は、被写体像OJ、上書き画像OWは確定していない。このため、携帯電話機100を開放した状態とする動作は、被写体像OJおよび上書き画像OWを確定して合成するという意味で、シャッター動作に相当する。
【0046】
この状態を図10に模式的に示す。図10に示すように、透明ディスプレイ11上には、画像合成処理された被写体像OJおよび上書き画像OWが表示され、メインディスプレイ12のメイン表示面12aには、リアルタイムの被写体像OJが表示されている。
【0047】
次に、ユーザによる、透明ディスプレイ11およびメインディスプレイ12からのタッチ入力による保存指示、あるいは上側筐体1または下側筐体2に設けられたハードキーなどで構成される操作部からの入力による保存指示に基づいて、制御部30は、透明ディスプレイ11上に表示された合成画像を所定のメモリ等に保存する(ステップS5)。その後は、ステップS6で、携帯電話機100を閉じた状態とするまで合成画像の表示を維持し、携帯電話機100を閉じることで透明ディスプレイ11上の合成画像が消去され(ステップS7)、ステップS1の状態に戻る。
【0048】
このように、第1の使用形態においては、ユーザが携帯電話機100を閉じた状態で撮像を行い、メイン表示面12aに表示された撮像画像を透明ディスプレイ11を介して視認しながら、透明ディスプレイ11から文字や記号や図形等の上書き画像を入力する。これにより、撮像画像と上書き画像とを擬似的に合成した状態とする。この段階では画像合成処理は行わないので、撮像画像が刻々と更新される場合でも、その都度に画像合成処理を行う必要がなく、画像合成処理のための演算処理の回数を削減できる。これにより、制御部30のCPU30a(図5)での処理負担を軽減できる。これは、上書き画像が刻々と変化する場合でも同様である。
【0049】
<第2の使用形態>
図11は、第2の使用形態を説明するフローチャートであり、画像合成機能の変形例的な使用形態を示している。
【0050】
携帯電話機100を閉じた状態でカメラ機能のスイッチを入れ、撮像動作を開始すると、メインディスプレイ12のメイン表示面12aに撮像画像が表示される(ステップS11)。この場合、携帯電話機100は閉じているが、メイン表示面12aに表示された撮像画像は、透明ディスプレイ11を透過して視認することができる。
【0051】
この状態で、ユーザが、タッチパネル機能を有する透明ディスプレイ11に、指等の指示体によって文字や記号、あるいは図形などを手書きで入力、あるいはテンプレート等の電子画像をパネル操作で読み出して入力する。すなわち、ユーザがメイン表示面12aに表示された撮像画像上に上書きするように文字や図形等を透明ディスプレイ11上に入力する(ステップS12)。この状態は、第1の使用形態で説明した図9の状態である。
【0052】
次に、レイアウトが確定し、携帯電話機100を開放すると(ステップS13)、そのときの被写体像OJと上書き画像OWとが制御部30(図5)によって画像合成処理され、合成画像が透明ディスプレイ11上に表示される(ステップS14)。なお、携帯電話機100を開放しない場合は、被写体像OJおよび上書き画像OWは確定していない。このため、携帯電話機100を開放した状態とする動作は、被写体像OJおよび上書き画像OWを確定して合成するという意味で、シャッター動作に相当する。この状態は、第1の使用形態で説明した図10の状態である。
【0053】
この段階で、携帯電話機100を閉じると(ステップS15)、制御部30は、透明ディスプレイ11上に表示された合成画像を保存するか否かの判断をユーザに求め(ステップS16)、ユーザが合成画像の保存を選択した場合には、合成画像を所定のメモリ等に保存した後、透明ディスプレイ11上の合成画像を消去し(ステップS17)、ステップS1の状態に戻る。
【0054】
一方、ステップS16において、ユーザが合成画像を保存しないことを選択した場合には、次に、制御部30は、ユーザに、透明ディスプレイ11上の合成画像を消去するか否かの判断を求め(ステップS18)、ユーザが消去を選択する場合はステップS17に進み、ユーザが消去しないことを選択した場合は、制御部30は、透明ディスプレイ11上から撮像画像(被写体像OJ)を消去し、上書き画像OWのみを残して継続入力可能な状態とし、ステップS11の状態に戻る。
【0055】
このように、第2の使用形態においては、ユーザが携帯電話機100を閉じた状態で撮像を行い、メイン表示面12aに表示された撮像画像を透明ディスプレイ11を通して視認しながら、透明ディスプレイ11から文字や記号や図形等の上書き画像を入力することで、撮像画像と上書き画像とを擬似的に合成した状態とする。この段階では、画像合成処理は行わないという点では第1の使用形態と同じであるが、合成画像を保存せずに携帯電話機100を閉じるという選択が可能である。
【0056】
すなわち、携帯電話機100の開放により画像合成処理を行った後、上書き画像OWや被写体像OJを変更したいと思ったユーザは、再び携帯電話機100を閉じ、合成画像を保存せずにステップS11の動作に戻ることができる。
【0057】
従って、得られた合成画像がユーザの気に入らないような場合は、その画像を保存しない選択をすることで、不要な画像でメモリを消費するということを防止できる。また、合成画像を保存しない場合、透明ディスプレイ11上から撮像画像(被写体像OJ)を消去し、上書き画像OWのみを残して継続入力可能な状態とすることもできるので、上書き画像OWの追加や変更が可能であるとともに、上書き画像OWはそのままで、撮像画像のみ変更するという操作も可能となる。
【0058】
<第3の使用形態>
図12は、第3の使用形態を説明するフローチャートであり、第1の使用形態で説明した基本的な使用形態とは異なる使用形態を示している。
【0059】
携帯電話機100を閉じた状態でカメラ機能のスイッチを入れ、撮像動作を開始すると、メインディスプレイ12のメイン表示面12aに撮像画像が表示される(ステップS21)。この場合、携帯電話機100は閉じているが、メイン表示面12aに表示された撮像画像は、透明ディスプレイ11を透過して視認することができる。
【0060】
この状態を図13に模式的に示す。図13に示すように、透明ディスプレイ11を透過して被写体像OJが視認される。
【0061】
この状態から携帯電話機100を開放すると(ステップS22)、制御部30(図5)によってメイン表示面12aに表示された撮像画像が透明ディスプレイ11にも表示される(ステップS23)。なお、携帯電話機100が閉じた状態のままだと、ステップS21の状態を維持する。
【0062】
この状態を図14に模式的に示す。図14に示すように、メイン表示面12aに表示された被写体像OJと同じものが、表側透過面11aにも表示される。この場合、何れの被写体像OJもリアルタイムの映像である。
【0063】
この状態で、ユーザがタッチパネル機能を有する透明ディスプレイ11に、指等の指示体によって文字や記号、あるいは図形などを手書きで入力、あるいはテンプレート等の電子画像をパネル操作で読み出して入力する(ステップS24)。
【0064】
この状態を図15に模式的に示す。図15に示すように、透明ディスプレイ11上には、リアルタイムの被写体像OJおよび上書き画像OWが合成画像として表示され、メインディスプレイ12のメイン表示面12aには、リアルタイムの被写体像OJのみが表示されている。
【0065】
次に、レイアウトが確定し、ユーザがシャッターボタンBTを押すと(ステップS25)、そのときの被写体像OJと上書き画像OWとの合成画像が確定し、確定した合成画像が制御部30によって透明ディスプレイ11上に表示される(ステップS26)。
【0066】
次に、ユーザによる、透明ディスプレイ11およびメインディスプレイ12からのタッチ入力による保存指示、あるいは上側筐体1または下側筐体2に設けられたハードキーなどで構成される操作部からの入力による保存指示に基づいて、制御部30は、透明ディスプレイ11上に表示された合成画像を所定のメモリ等に保存する(ステップS27)。その後は、ステップS28で、携帯電話機100を閉じた状態とするまで合成画像の表示を維持し、携帯電話機100を閉じることで透明ディスプレイ11上の合成画像が消去され(ステップS29)、ステップS21の状態に戻る。
【0067】
このように、第3の使用形態においては、携帯電話機100を開放した状態で透明ディスプレイ11上にリアルタイムの被写体像OJを表示し、ユーザがそれを見ながら透明ディスプレイ11上において文字や記号や図形等の上書き画像を入力する構成を採っている。これにより、例えば、透明ディスプレイ11上では被写体像OJが確認できないほど上書き画像が入力されていても、ユーザは、メインディスプレイ12上の被写体像OJを見ながら上書き画像を入力することができるので、ユーザにとっての使い勝手が良くなる。
【0068】
<第4の使用形態>
図16は、第4の使用形態を説明するフローチャートであり、第3の使用形態の変形例的な使用形態を示している。
【0069】
携帯電話機100を閉じた状態でカメラ機能のスイッチを入れ、撮像動作を開始すると、メインディスプレイ12のメイン表示面12aに撮像画像が表示される(ステップS31)。この場合、携帯電話機100は閉じているが、メイン表示面12aに表示された撮像画像は、透明ディスプレイ11を透過して視認することができる。この状態は、第3の使用形態で説明した図13の状態である。
【0070】
この状態から携帯電話機100を開放すると(ステップS32)、制御部30(図5)によってメイン表示面12aに表示された撮像画像が透明ディスプレイ11にも表示される(ステップS33)。この状態は、第3の使用形態で説明した図14の状態である。なお、携帯電話機100が閉じた状態のままだと、ステップS31の状態を維持する。
【0071】
この状態で、ユーザがタッチパネル機能を有する透明ディスプレイ11に、指等の指示体によって文字や記号、あるいは図形などを手書きで入力、あるいはテンプレート等の電子画像をパネル操作で読み出して入力する(ステップS34)。この状態は、第3の使用形態で説明した図15の状態である。
【0072】
次に、レイアウトが確定し、ユーザがシャッターボタンBTを押すと(ステップS35)、そのときの被写体像OJと上書き画像OWとの合成画像が確定し、確定した合成画像が制御部30によって透明ディスプレイ11上に表示される(ステップS36)。
【0073】
次に、ユーザによる、透明ディスプレイ11およびメインディスプレイ12からのタッチ入力による保存指示、あるいは上側筐体1または下側筐体2に設けられたハードキーなどで構成される操作部からの入力による保存指示に基づいて、制御部30は、透明ディスプレイ11上に表示された合成画像を所定のメモリ等に保存する(ステップS37)。その後に、ユーザが保存された合成画像を再確認したところ、ユーザの気に入らない箇所が見つかったような場合には、ユーザの消去指示に基づいて保存した合成画像をキャンセル(消去)する(ステップS38)。
【0074】
この状態では、メイン表示面12aに表示された撮像画像が透明ディスプレイ11にも表示されているが、この撮像画像は、先にキャンセルした合成画像の被写体像OJに近い撮影条件での撮像画像であるので、早急に確定して取り込みたい画像の可能性が高い。
【0075】
このような場合、シャッターボタンBTを押して撮像画像を所定のメモリ等に取り込むと(ステップS39)、取り込んだ撮像画像は、制御部30によって読み出され透明ディスプレイ11上に表示される(ステップS40)。
【0076】
この状態で、ユーザがタッチパネル機能を有する透明ディスプレイ11に、指等の指示体によって文字や記号、あるいは図形などを手書きで入力、あるいはテンプレート等の電子画像をパネル操作で読み出して入力することで、透明ディスプレイ11上には、取り込んだ画像の被写体像OJおよび上書き画像OWが合成画像として表示される(ステップS41)。なお、メインディスプレイ12のメイン表示面12aには、リアルタイムの被写体像OJが表示されている。
【0077】
次に、ユーザによる、透明ディスプレイ11およびメインディスプレイ12からのタッチ入力による保存指示、あるいは上側筐体1または下側筐体2に設けられたハードキーなどで構成される操作部からの入力による保存指示に基づいて、制御部30は、透明ディスプレイ11上に表示された合成画像を所定のメモリ等に保存する(ステップS42)。その後は、ステップS43で、携帯電話機100を閉じた状態とするまで合成画像の表示を維持し、携帯電話機100を閉じることで透明ディスプレイ11上の合成画像が消去され(ステップS44)、ステップS31の状態に戻る。
【0078】
このように、第4の使用形態においては、携帯電話機100を開放した状態で透明ディスプレイ11上にリアルタイムの被写体像OJを表示し、ユーザがそれを見ながら透明ディスプレイ11から文字や記号や図形等の上書き画像を入力するという点では第3の使用形態と同じである。これに加えて、一旦保存した合成画像をキャンセルし、連続して合成画像を作成したい場合には、シャッターボタンBTを押して撮像画像を取り込むことで、取り込んだ撮像画像を透明ディスプレイ11に表示し、当該撮像画像に対して上書きを行う構成としている。従って、上書き中に撮像画像は変化しないので、上書き画像との画像合成処理のための制御部30のCPU30a(図5)での演算処理の負担を軽減することができる。
【0079】
<第5の使用形態>
図17は、第5の使用形態を説明するフローチャートであり、第1の使用形態で説明した基本的な使用形態とは異なる使用形態を示している。
【0080】
携帯電話機100を閉じた状態でカメラ機能のスイッチを入れ、撮像動作を開始すると、メインディスプレイ12のメイン表示面12aに撮像画像が表示される(ステップS51)。この場合、携帯電話機100は閉じているが、メイン表示面12aに表示された撮像画像は、透明ディスプレイ11を透過して視認することができる。この状態は、第3の使用形態で説明した図13の状態である。
【0081】
この状態でシャッターボタンBTを押して、撮像画像を所定のメモリ等に取り込むと(ステップS52)、取り込んだ撮像画像は、制御部30によって読み出され透明ディスプレイ11上に表示される(ステップS3)。
【0082】
この状態で、ユーザがタッチパネル機能を有する透明ディスプレイ11に、指等の指示体によって文字や記号、あるいは図形などを手書きで入力、あるいはテンプレート等の電子画像をパネル操作で読み出して入力する(ステップS54)。
【0083】
すなわち、透明ディスプレイ11に表示された撮像画像上に上書きするように文字や図形等を入力することで、透明ディスプレイ11上には、取り込んだ画像の被写体像OJおよび上書き画像OWが合成画像として表示される。
【0084】
この状態から携帯電話機100を開放すると(ステップS55)、その合成画像が透明ディスプレイ11上に表示される(ステップS56)。なお、携帯電話機100を開放しない場合は、上書き画像OWの変更、追加が可能な状態を維持する。
【0085】
次に、ユーザによる、透明ディスプレイ11およびメインディスプレイ12からのタッチ入力による保存指示、あるいは上側筐体1または下側筐体2に設けられたハードキーなどで構成される操作部からの入力による保存指示に基づいて、制御部30は、透明ディスプレイ11上に表示された合成画像を所定のメモリ等に保存する(ステップS57)。その後は、ステップS58で、携帯電話機100を閉じた状態とするまで合成画像の表示を維持し、携帯電話機100を閉じることで透明ディスプレイ11上の合成画像が消去され(ステップS59)、ステップS51の状態に戻る。
【0086】
このように、第5の使用形態においては、携帯電話機100を閉じた状態で撮像を行い、シャッター動作により撮像画像を取り込むとともに、取り込んだ撮像画像を透明ディスプレイ11上に表示し、当該撮像画像に対して上書きを行う構成としている。このため、上書き中に撮像画像は変化しないので、上書き画像との画像合成処理のための制御部30のCPU30a(図5)での演算処理の負担を軽減することができる。
【0087】
<第6の使用形態>
図18は、第6の使用形態を説明するフローチャートであり、第1の使用形態で説明した基本的な使用形態とは異なる使用形態を示している。
【0088】
携帯電話機100を開放した状態でカメラ機能のスイッチを入れ、撮像動作を開始すると、メインディスプレイ12のメイン表示面12aに撮像画像が表示される(ステップS61)。この場合、撮像画像は透明ディスプレイ11には表示されない。
【0089】
この状態を図19に模式的に示す。図19に示すように、メインディスプレイ12のメイン表示面12aにはリアルタイムの被写体像OJが表示され、透明ディスプレイ11上には何も表示されていない。この場合、透明ディスプレイ11の裏側透過面11bおよび表側透過面11aを透過して被写体が視認できるが、図示は省略している。
【0090】
この状態で、ユーザがタッチパネル機能を有する透明ディスプレイ11に、指等の指示体によって文字や記号、あるいは図形などを手書きで入力、あるいはテンプレート等の電子画像をパネル操作で読み出して入力する(ステップS62)。
【0091】
すなわち、メイン表示面12aに表示された撮像画像を見ながら上書き画像を入力すると、透明ディスプレイ11には上書き画像のみが表示される。
【0092】
この状態を図20に模式的に示す。図20に示すように、透明ディスプレイ11の表側透過面11aには、上書き画像OWのみが表示され、メインディスプレイ12のメイン表示面12aにはリアルタイムの被写体像OJのみが表示されている。
【0093】
次に、レイアウトが確定し、ユーザがシャッターボタンBTを押すと(ステップS63)、そのときの被写体像OJと上書き画像OWとが合成され、その合成画像が制御部30によって透明ディスプレイ11上に表示される(ステップS64)。この状態を図21に模式的に示す。
【0094】
次に、ユーザによる、透明ディスプレイ11およびメインディスプレイ12からのタッチ入力による保存指示、あるいは上側筐体1または下側筐体2に設けられたハードキーなどで構成される操作部からの入力による保存指示に基づいて、制御部30は、透明ディスプレイ11上に表示された合成画像を所定のメモリ等に保存する(ステップS65)。その後は、ステップS66で、携帯電話機100を閉じた状態とするまで合成画像の表示を維持し、携帯電話機100を閉じることで透明ディスプレイ11上の合成画像が消去される(ステップS67)。
【0095】
その後、携帯電話機100を再び開放することで(ステップS68)、ステップS61の状態に戻る。
【0096】
このように、第6の使用形態においては、携帯電話機100を開いた状態で撮像を行うが、この段階では透明ディスプレイ11には表示されず、メイン表示面12aに表示された撮像画像を見ながら上書き画像OWを入力する構成となっている。そして、レイアウトが確定した段階で、シャッターボタンBTを押すことで、そのときの被写体像OJと上書き画像OWとの画像合成処理を行い、その合成画像を透明ディスプレイ11上に表示する構成としている。このため、刻々と更新される撮像画像に対しても。更新の都度に画像合成処理を行う必要がなく、画像合成処理のための演算処理が不要となり、制御部30のCPU30a(図5)での処理負担を軽減できる。これは、上書き画像が変化する場合でも同様である。
【0097】
なお、以上説明した携帯電話機100において使用した、透明ディスプレイ11は、ノーマリホワイトモードの透過型の液晶パネルで構成しても良い。
【0098】
<変形例>
以上説明した、第3および第4の使用形態では、携帯電話機100を開放することで、メイン表示面12aに表示された撮像画像が透明ディスプレイ11にも表示される構成を示した。しかし、携帯電話機100を開放した時点では透明ディスプレイ11には撮像画像は表示されない構成としても良い。この場合、メイン表示面12aに表示された撮像画像を見ながら透明ディスプレイ11に上書き画像OWを入力する構成を採ることができる。そして、レイアウトが確定した段階で、シャッターボタンBTを押すなどのタイミングで、そのときの被写体像OJと上書き画像OWとの画像合成処理を行い、得られた合成画像を透明ディスプレイ11上に表示する構成としても良い。
【符号の説明】
【0099】
1 上側筐体
2 下側筐体
11 透明ディスプレイ
11a 表側透過面
11b 裏側透過面
12 メインディスプレイ
12a メイン表示面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1の面から表示面が露出するように第1の表示部が収められた第1の筐体と、
第1の面およびそれと反対側の第2の面を有し、前記第2の面を前記第1の筐体側に向けて前記第1の表示部上をスライド可能であって、透明な第2の表示部が収められた第2の筐体と、
前記第1および第2の表示部の表示を制御する制御部と、
少なくとも前記第2の表示部に付加されたタッチパネル機能と、
動画像および静止画像を撮像可能なカメラシステムを含む撮像部と、を備え、
前記第1および第2の筐体は、
前記第2の筐体が前記第1の表示部上をスライドすることによって、
前記第1の筐体が前記第2の筐体で覆われながらも、前記第2の表示部を介して前記第1の表示部を視認可能な閉じた状態と、
前記第2の筐体が前記第1の表示部に重ならず、前記第1の表示部を視認可能な開放した状態とを呈し、
前記制御部は、
前記第1および第2の筐体を閉じた状態で、前記撮像部で撮像された被写体の撮像画像を前記第1の表示部に表示するとともに、前記第2の表示部の前記タッチパネル機能を介して入力された、前記撮像画像と合成すべき上書き画像を前記第2の表示部に表示し、前記第1および第2の筐体を開放するタイミングで前記撮像画像と前記上書き画像との画像合成処理を実行する、携帯電話機。
【請求項2】
前記撮像画像は、
シャッター動作により確定した撮像画像である、請求項1記載の携帯電話機。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1および第2の筐体を開放した状態で、前記撮像画像と前記上書き画像との合成画像を前記第2の表示部に表示する、請求項1または請求項2記載の携帯電話機。
【請求項4】
前記制御部は、
保存指示を受けた場合に、前記第2の表示部に表示された前記合成画像を所定の記憶部に保存する、請求項3記載の携帯電話機。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1および第2の筐体を閉じることで、前記第2の表示部に表示された前記合成画像を消去する、請求項3記載の携帯電話機。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1および第2の筐体を閉じた後、前記第2の表示部に表示された前記合成画像の消去の指示を受けてから前記合成画像を消去する、請求項5記載の携帯電話機。
【請求項7】
前記制御部は、
前記第2の表示部に表示された前記合成画像を消去しない指示を受けた場合、前記合成画像から前記撮像画像を消去して、前記上書き画像のみを前記第2の表示部に表示する、請求項6記載の携帯電話機。
【請求項1】
1の面から表示面が露出するように第1の表示部が収められた第1の筐体と、
第1の面およびそれと反対側の第2の面を有し、前記第2の面を前記第1の筐体側に向けて前記第1の表示部上をスライド可能であって、透明な第2の表示部が収められた第2の筐体と、
前記第1および第2の表示部の表示を制御する制御部と、
少なくとも前記第2の表示部に付加されたタッチパネル機能と、
動画像および静止画像を撮像可能なカメラシステムを含む撮像部と、を備え、
前記第1および第2の筐体は、
前記第2の筐体が前記第1の表示部上をスライドすることによって、
前記第1の筐体が前記第2の筐体で覆われながらも、前記第2の表示部を介して前記第1の表示部を視認可能な閉じた状態と、
前記第2の筐体が前記第1の表示部に重ならず、前記第1の表示部を視認可能な開放した状態とを呈し、
前記制御部は、
前記第1および第2の筐体を閉じた状態で、前記撮像部で撮像された被写体の撮像画像を前記第1の表示部に表示するとともに、前記第2の表示部の前記タッチパネル機能を介して入力された、前記撮像画像と合成すべき上書き画像を前記第2の表示部に表示し、前記第1および第2の筐体を開放するタイミングで前記撮像画像と前記上書き画像との画像合成処理を実行する、携帯電話機。
【請求項2】
前記撮像画像は、
シャッター動作により確定した撮像画像である、請求項1記載の携帯電話機。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1および第2の筐体を開放した状態で、前記撮像画像と前記上書き画像との合成画像を前記第2の表示部に表示する、請求項1または請求項2記載の携帯電話機。
【請求項4】
前記制御部は、
保存指示を受けた場合に、前記第2の表示部に表示された前記合成画像を所定の記憶部に保存する、請求項3記載の携帯電話機。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1および第2の筐体を閉じることで、前記第2の表示部に表示された前記合成画像を消去する、請求項3記載の携帯電話機。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1および第2の筐体を閉じた後、前記第2の表示部に表示された前記合成画像の消去の指示を受けてから前記合成画像を消去する、請求項5記載の携帯電話機。
【請求項7】
前記制御部は、
前記第2の表示部に表示された前記合成画像を消去しない指示を受けた場合、前記合成画像から前記撮像画像を消去して、前記上書き画像のみを前記第2の表示部に表示する、請求項6記載の携帯電話機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2011−250165(P2011−250165A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121647(P2010−121647)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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