説明

携帯電話装置

【課題】簡単な操作で音声のミュートオン、オフを制御することが可能な携帯電話装置を提供する。
【解決手段】 制御部は、接触検出部が指の接触を検出し(ステップS1)、通話中であると判定すると(ステップS2)、マイクから入力された音声にミュートをかけるように制御し(ステップS3)、続いて接触検出部から指が離れたと判定すると(ステップS4)、マイクから入力された音声のミュートを解除するように制御する(ステップS5)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話装置に関する技術が数多く提案されているが、例えば特許文献1には、携帯電話筐体の裏面側にミュートボタンを搭載し、ミュートボタンを押下することにより音声をミュートする技術が記載されている。
(下記特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−207963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記特許文献1記載の技術では、筐体裏面側にボタンを搭載している為に操作が非常に困難である。又、表面側にミュートボタンを搭載した場合でもとっさにボタンを押下しようとしてもボタンを捜すのに時間がかかり、即座に音声をミュートすることができない。ミュートを解除する際にも同様にボタンを捜すのに時間がかかりなかなかミュートを解除することができない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はこのような課題を解決するものであり、簡単な操作で即座に送話信号にミュートをかけることが可能であり、更に、簡単な操作で即座にミュートを解除することが可能な携帯電話装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の携帯電話装置は、指の接触を検出する接触検出部と、マイクと、該マイクと接続されたミュート回路と、前記接触検出部が指の接触を検出したと判定すると、前記マイクから入力された音声にミュートをかけるように前記ミュート回路を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
請求項2記載の携帯電話装置は、指の接触を検出する接触検出部と、マイクと、該マイクと接続されたミュート回路と、前記接触検出部が指の接触の検出に基づいて、前記マイクから入力された音声にミュートをかける又は解除するように前記ミュート回路を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
請求項3記載の携帯電話装置は、指の接触を検出する接触検出部と、マイクと、該マイクと接続されたミュート回路と、前記接触検出部が指の接触を検出したと判定している間は、前記マイクから入力された音声にミュートをかけ、前記接触検出部が指の接触を検出しなくなると、音声のミュートを解除するように前記ミュート回路を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
請求項4記載の携帯電話装置は、キー操作部と、指の接触を検出する接触検出部と、マイクと、該マイクと接続されたミュート回路と、前記接触検出部が指の接触を検出したと判定すると、前記マイクから入力された音声にミュートをかけるように前記ミュート回路を制御し、音声のミュート中に前記キー操作部からの操作があると判定すると、音声のミュートを解除するように前記ミュート回路を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
請求項5記載の携帯電話装置は、請求項1〜4記載の携帯電話装置であり、前記接触検出部は、複数の、指の接触を検出する部位から構成され、前記制御部は、前記複数の部位全てに指が接触したと判定すると、前記マイクから入力された音声にミュートをかけるように前記ミュート回路を制御することを特徴とする。
請求項6記載の携帯電話装置は、請求項1〜5記載の携帯電話装置であり、前記接触検出部は、ユーザが前記マイクに指で触れた際に、指が接触する位置に配置されていることを特徴とする。
請求項7記載の携帯電話装置は、請求項6記載の携帯電話装置であり、前記接触検出部は、前記マイクと一体形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、簡単な操作で即座に送話信号にミュートをかけることが可能であり、更に、簡単な操作で即座にミュートを解除することが可能である。
又、請求項1記載の発明によれば、ユーザが接触検出部に指で触れるだけで簡単にマイクから入力した音声にミュートをかけることが可能である。この為、例えば通話中にマイクが拾った音声を相手側に聞かれたくないときに即座に相手側に聞こえないようにすることが可能である。
請求項2記載の発明によれば、ユーザが接触検出部に指で触れるだけで、マイクから入力された音声にミュートをかけることや、解除することの指示をすることができる為、簡単な操作でミュートのオン、オフ操作を行うことが可能である。
請求項3記載の発明によれば、ユーザが接触検出部から指を離すだけで簡単に音声ミュートを解除することが可能である。この為、例えばユーザが即座に通話を開始したい場合には指を離すだけで通話を開始することができ、ユーザにとって非常に使いやすい。
請求項4記載の発明によれば、ユーザが接触検出部に指で触れてからキー操作があるまで音声ミュートを継続している。換言すれば、ユーザが接触検出部に指で触れて一旦ミュートがかかった状態となるとユーザの指が接触検出部から指を離してもミュートがかかった状態を継続し、ユーザがキー操作を行うって初めてミュートを解除するものであり、簡単な操作でミュートをかけることが可能であり、更に、ミュートを解除する際には、簡単なキー操作で解除をすることが可能である。
請求項5記載の発明によれば、簡単な操作でミュートをかけることが可能であるだけでなく、誤ってミュートがかかることを回避することが可能である。
請求項6及び7記載の発明によれば、ユーザがマイクに触れるだけで簡単にマイクから入力された音声にミュートをかけることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、本発明の一実施形態に係る携帯電話装置について、図面を参照して説明する。
【0007】
図1に示すように、携帯電話装置10は、アンテナ16と接続された電話通信部12を備えている。この電話通信部12は、後述のベースバンド部14からの信号をアンテナ16を介して基地局へ発信し、あるいはアンテナ16を介して基地局からの電波を受信する。
【0008】
また、電話通信部12は、ベースバンド部14と接続されている。ベースバンド部14は、CDMA処理回路18と、音声コーデック20と、を有している。ここで、CDMA処理回路18は、符号分割多元接続、スクランブル、誤り制御、タイミング検出を行う。また、音声コーデック20は、音声を圧縮(符号化)、伸張(復号化)したり、アナログとデジタルの変換を行ったり、内部の増幅回路(図示省略)により受話音量やマイクロホンの感度を変更する。又、音声コーデック20は、制御回路36からの指示に基づいてマイク30から入力された音声信号のミュートをかけることが可能である。
【0009】
また、ベースバンド部14には、切替回路22が接続されている。この切替回路22には、増幅回路24を介して第1スピーカ26が接続されている。この第1スピーカ26は、増幅回路24で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第1スピーカ26は、ユーザの耳にあてて通話に使用される。
【0010】
また、切替回路22には、増幅回路28を介してマイクロホン30が接続されている。このマイクロホン30は、通話に使用され、音声を電気信号に変換する。マイクロホン30により出力された電気信号は、増幅回路28で増幅されてベースバンド部14に出力される。
【0011】
また、切替回路22には、増幅回路32を介して第2スピーカ34が接続されている。この第2スピーカ34は、増幅回路32で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第2スピーカ34は、受話音を周囲の人にも聞かせるための拡声用のスピーカである。また、第2スピーカ34は、着信報知の鳴動も行う。なお、これらの3つの増幅回路24、28、32は、ゲインを固定しており、第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度を変更することはできないようになっている。
【0012】
この切替回路22は、ベースバンド部14との接続を、第1スピーカ26用の増幅回路24とマイクロホン30用の増幅回路28側にするか、あるいは拡声用の第2スピーカ34用の増幅回路32とマイクロホン30用の増幅回路28側にするかを切り替える。
【0013】
また、電話通信部12、ベースバンド部14、切替回路22には、制御回路(制御部)36がそれぞれ接続されている。この制御回路36の制御により上述した切替回路22による切り替えが行われる。また、制御回路36によりベースバンド部14の音声コーデック20が制御され、音声コーデック20により第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度が変更される。制御回路36は、ROM38と接続されており、ROM38に格納されているシステムプログラムに基づき各部を制御する。また、制御回路36は、制御回路36の動作に必要な所定の情報が記憶されているRAM40と接続されている。ここで、RAM40には、例えば電話帳データやメールデータ等が格納されている。
【0014】
また、制御回路36には、例えば液晶表示装置からなるディスプレイ41が接続されている。更に、制御回路36には、通話キーや終話キーやテンキー等からなる入力部42が接続されている。
【0015】
接触検出部43は、指が接触したか否かを検出するものであり、図2に示すようにマイク30の上下に2つの接触検出部43を搭載している。制御回路36は、例えば図3に示すように、2つの接触検出部43に指が触れたことを検出すると、送話音声にミュートをかける。
【0016】
図2の接触検出部43近傍の断面図を図4に示す。図4において、マイク30は、アンプ28及び切替回路22を介して制御回路36に接続されており、2つの接触検出部43は制御回路36に接続されている。前記2つの接触検出部43は、通常、制御回路36から電流が流れており、所謂ハイレベルの状態である。ユーザが2つの接触検出部43に触れることにより、接触検出部43が接地され、所謂ローレベルの状態になる。制御回路36は、2つの接触検出部43が共にハイレベルからローレベルに電位が変わったことを検出すると、接触検出部43に指が触れたと判定し、マイク30から入力された音声を電話通信部12を介して相手側に送信しないように、ベースバンド部14を制御することによりマイク30から入力された音声信号にミュートをかける。尚、ユーザが2つの接触検出部43のうち片方だけ接触してもミュートをかけることができない。
【0017】
次に図5のフロー図に基づいて本実施例装置の動作を制御回路36の制御に基づいて説明する。
【0018】
図5のS1ステップにおいて、制御回路36は、2つの接触検出部43が接地した(ユーザが触れた)と判定すると、S2ステップへ処理を進める。
【0019】
S2ステップでは、制御回路36は、通話中であると判定するとS3ステップへ処理を進め、そうでなければ、処理を終了する。即ち、通話中でなければ接触検出部43に指が触れても音声ミュートがかからない。
【0020】
S3ステップでは、制御回路36は、ベースバンド部14を制御することにより、マイク30から入力された音声にミュートをかける。この為、マイク30から入力された音声は相手側には送信されない。
【0021】
続くS4ステップでは、制御回路36は、1つ或いは両方の接触検出部43と、指との接触が解除されたと判定すると、S5ステップへ処理を進める。
【0022】
S5ステップでは、制御回路36は、ベースバンド部14を制御することにより、マイク30から入力された音声のミュートを解除する。これにより、マイク30から入力された音声は、電話通信部12を介して相手側に送信される。
【0023】
このように、本実施例装置では、ユーザがマイク30近傍に配された接触検出部43に触れるだけで簡単にマイク30から入力された音声にミュートをかけることが可能であり、更に、ユーザが接触検出部43から指を離すとミュートを解除する為、簡単な操作でミュートをかけることと解除を行うことが可能である。
【0024】
尚、以下のような実施形態としてもよい。先ず、ユーザが接触検出部43に触れるとマイク30から入力される音声にミュートをかける動作を開始し、続いてユーザの指が接触検出部43から離れても音声ミュートを継続させ、ユーザが再度接触検出部43に触れると音声ミュートを解除する構成としても良い。このような構成としても、同様に簡単な操作でミュートをかけることと解除を行うことが可能である。
【0025】
又、以下のような実施形態としてもよい。先ず、ユーザが接触検出部43に触れるとマイク30から入力される音声にミュートをかける動作を開始し、続いてユーザの指が接触検出部43から離れても音声ミュートを継続させ、ユーザが例えば通話キー等のキーを操作することによって音声ミュートを解除させる構成としても良い。このような構成としても、同様に簡単な操作でミュートをかけることが可能である。又、音声ミュートの解除はキー操作により行われるため、誤ってユーザが接触検出部43に触れて不所望な音声ミュート解除が行われることを回避することが可能である。
【0026】
尚、接触検出部43の配置位置は、例えばユーザが図3に示すようにマイク30を指でふさいだ際に同時に指が触れる位置に配置されることが好ましい。このような構成とすることによって、ユーザは単にマイク30を指でふさいだだけで音声ミュートをかけることが可能である。大抵、ユーザが通話中に相手に話声や周囲の音を聞かれたくないと思ったときには、とっさにマイク30を指で塞ぐものである。本実施例装置はこのとっさの行動を行った時に、ユーザが操作を行ったという意識をするまでもなく音声ミュートをかけられるものである。又、マイク30と接触検出部43を一体的な部品として形成しても良い。このような構成としても同様な効果を奏することが可能である。
【0027】
又、本実施例では、2つの接触検出部43を搭載したが、図6に示すように1つの接触検出部を搭載した構成としても良いし、マイク30の周囲を囲むような形状の接触検出部43を搭載しても良い。
【0028】
更に、本実施例では携帯電話について実施したが、コードレス電話機の子機等の無線通信装置においても同様に実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明を適用してなる実施例装置である、携帯電話装置のブロック図である。
【図2】本実施例装置の斜視図である。
【図3】本実施例装置の使用形態を示す図である。
【図4】接触検出部43周辺の断面図である。
【図5】本実施例装置の動作を示すフロー図である。
【図6】本実施例装置の他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
10 携帯電話装置
12 電話送信部
14 ベースバンド部
20 音声コーデック
22 切替回路
28 アンプ
30 マイク
36 制御回路(制御部)
43 接触検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指の接触を検出する接触検出部と、マイクと、該マイクと接続されたミュート回路と、前記接触検出部が指の接触を検出したと判定すると、前記マイクから入力された音声にミュートをかけるように前記ミュート回路を制御する制御部と、を有することを特徴とする携帯電話装置。
【請求項2】
指の接触を検出する接触検出部と、マイクと、該マイクと接続されたミュート回路と、前記接触検出部が指の接触の検出に基づいて、前記マイクから入力された音声にミュートをかける又は解除するように前記ミュート回路を制御する制御部と、を有することを特徴とする携帯電話装置。
【請求項3】
指の接触を検出する接触検出部と、マイクと、該マイクと接続されたミュート回路と、
前記接触検出部が指の接触を検出したと判定している間は、前記マイクから入力された音声にミュートをかけ、前記接触検出部が指の接触を検出しなくなると、音声のミュートを解除するように前記ミュート回路を制御する制御部と、を有することを特徴とする携帯電話装置。
【請求項4】
キー操作部と、指の接触を検出する接触検出部と、マイクと、該マイクと接続されたミュート回路と、前記接触検出部が指の接触を検出したと判定すると、前記マイクから入力された音声にミュートをかけるように前記ミュート回路を制御し、音声のミュート中に前記キー操作部からの操作があると判定すると、音声のミュートを解除するように前記ミュート回路を制御する制御部と、を有することを特徴とする携帯電話装置。
【請求項5】
請求項1〜4記載の携帯電話装置であり、前記接触検出部は、複数の、指の接触を検出する部位から構成され、前記制御部は、前記複数の部位全てに指が接触したと判定すると、前記マイクから入力された音声にミュートをかけるように前記ミュート回路を制御することを特徴とする携帯電話装置。
【請求項6】
請求項1〜5記載の携帯電話装置であり、前記接触検出部は、ユーザが前記マイクに指で触れた際に、指が接触する位置に配置されていることを特徴とする携帯電話装置。
【請求項7】
請求項6記載の携帯電話装置であり、前記接触検出部は、前記マイクと一体形成されていることを特徴とする携帯電話装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−81460(P2007−81460A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−262719(P2005−262719)
【出願日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】