撮像システム
【課題】 従来、複数のNDフィルタの挿抜を必要としていた光量調整のためのフィルタ機能を、撮像装置に内蔵し小型で安価な撮像システムを提供する。
【解決手段】 撮像システムは、レンズ装置と、該レンズ装置が接続され、該レンズ装置からの被写体光を受光する撮像素子を含む撮像装置と、該レンズ装置と該撮像素子の間の光路上に配置された2枚の偏光フィルタと、前記2枚の偏光フィルタのうち少なくとも1枚の偏光フィルタを、光軸と平行な軸を中心として回転させることが可能な回転駆動手段と、を有する。
【解決手段】 撮像システムは、レンズ装置と、該レンズ装置が接続され、該レンズ装置からの被写体光を受光する撮像素子を含む撮像装置と、該レンズ装置と該撮像素子の間の光路上に配置された2枚の偏光フィルタと、前記2枚の偏光フィルタのうち少なくとも1枚の偏光フィルタを、光軸と平行な軸を中心として回転させることが可能な回転駆動手段と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ装置と撮像装置を含む撮像システムに関し、特に光学フィルタを内部に構成した撮像装置を含む撮像システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のテレビ放送用カメラ等の撮像装置において、撮影レンズから入射する光量を調整する場合は、複数のNDフィルタを収納したフィルターディスク装置より適宜NDフィルタを選択して、選択したフィルタを光路内に挿入することにより、段階的に光量調整を行うようにしたものが一般的であった。
【0003】
また、偏光方向を変えるには、一般的には撮影レンズの前玉側にオプションで取付けるPLフィルタを手で回すことで行っていた。
特許文献1は、2枚のグラデーションNDフィルタで構成したフィルターディスクを反対向きに配置して、2枚のフィルターディスクを回転させて連続的に光量調整を行う技術を開示している。特許文献2は、プロジェクタ光源の光量を効率よく透過させるために位相差板を回転可能な状態で構成し、偏光方向を調整する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−243928号公報
【特許文献2】特開2004−258063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、光量を連続的に変えることはできるが、PLフィルタを回転させて偏光方向を変えるためには新たにフィルタ回転機構を設ける必要があった。
特許文献2の従来技術は、プロジェクタ用光学系で、偏光板と回転可能な位相差板を組合せて光量調整を行う機構について述べているが、プロジェクタ光源の光量を効率よく透過させるための技術であり、撮影条件の補正をすることを目的としていない。
【0006】
一般的に、偏光方向を変えるには撮影レンズの前玉側にオプションで外付けするPLフィルタを手で回すことで行っていたが、最物体側のレンズの前面にPLフィルタを設けるため、フィルタ径を大きくする必要があり、装置が大型化し、経済的にも撮影者に負担がかかるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、撮影条件にあわせて必要とされる減光(ND)および偏光(PL)フィルタ機能を、機器に内蔵することにより小型の装置で実現するとともに、安価な撮像システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の撮像システムは、レンズ装置と、該レンズ装置が接続され、該レンズ装置からの被写体光を受光する撮像素子を含む撮像装置と、該レンズ装置と該撮像素子の間の光路上に配置された2枚の偏光フィルタと、前記2枚の偏光フィルタのうち少なくとも1枚の偏光フィルタを、光軸と平行な軸を中心として回転させることが可能な回転駆動手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撮像装置の内部に2枚の偏光フィルタを回転自在に構成したことにより、光軸上からフィルタを外すことなく、即ち撮像装置を大型化することなく、光量調整と偏光方向調整を選択可能な撮像システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】撮像システムの光学配置図
【図2】透過光量調整概念図
【図3】透過光量の可変状態を表すグラフ
【図4】偏光方向調整概念図
【図5】フィルタ切換え機構の構成図、(a)フィルタを光路内への挿入した時、(b)フィルタを光路から抜去した時
【図6】フィルタ切換え機構の要部断面拡大図
【図7】実施例1のブロック図
【図8】実施例1の操作フローチャート
【図9】図8の光量調整モード動作フロー詳細
【図10】図8の偏光方向調整モード動作フロー詳細
【図11】実施例2のフィルタ切換え機構、(a)側面図、(b)素通しフィルタを光路内に挿入した時、(c)偏光フィルタを光路内に挿入した時
【図12】偏光フィルタを光路内に挿入した時の実施例3のフィルタ切換え機構、(a)側面図、(b)正面図、(c)下面図
【図13】素通しフィルタを光路内に挿入した時の実施例3のフィルタ切換え機構、(a)側面図、(b)正面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる2枚の偏光フィルタを光軸上で回転自在に構成した撮像装置を含む撮像システムである。
【実施例1】
【0011】
以下、図1〜図10を参照して、本発明の第1の実施例による撮像システムの構成について説明する。
【0012】
図1は、テレビカメラ(撮像装置)1と撮影レンズ(レンズ装置)2から構成される撮像システムの光学基本配置を表す図である。本発明の撮像システムは、テレビカメラ1、撮影レンズ2から構成される。撮影レンズ2は、入射光量を調節する絞り機構3、テレビカメラ1と撮影レンズ2を機械的に結合するマウント4を含む。テレビカメラ1は、防塵硝子5、それぞれフィルム状の薄板の形状を有する
【0013】
第1の偏光フィルタ6a及び第2の偏光フィルタ6b、撮影に不要な高周波成分を除去するための光学ローパスフィルタ7、入射光を3色に分解するための色分解光学系である色分解プリズム8、色分解プリズム8により分解された各色光の被写体光を受光する撮像素子9a、9b、9c、操作部10を含む。操作部10は、絞り値調整つまみ11、フィルタ選択スイッチ12、モード選択スイッチ13、光量調整つまみ14、偏光方向調整つまみ15等を含む。
【0014】
偏光フィルタ6a、6bは、光軸方向に対して垂直な偏光方向を有し、各フィルタは、光軸を中心として回動可能に設置されている。図2は、図1に示すテレビカメラ1内に配置された2枚の偏光フィルタ6a、6bをそれぞれの偏光方向が回転角度差を有して配置されることにより透過光量を調整することを説明する概念図である。図2中の矢印6a1、6b1は、それぞれ偏光フィルタ6a、6bの偏光方向を表す。
【0015】
図3は、図2で示した2枚の偏光フィルタの偏光方向の回転角度差と、その状態において非偏光光の2枚の偏光フィルタを透過する透過光量比との関係を表すグラフである。回転角度差(横軸)が0度、すなわち、2枚の偏光フィルタ6a、6bの偏光方向が同じ方向である場合(図4)は、1枚の偏光フィルタを使用した場合と同様で、非偏光光は、偏光フィルタの偏光方向に偏光した偏光光となって透過する。その場合、透過光量は入射光量の50%となる。回転角度差が0度から増加すると、透過光量は回転角度差の余弦の二乗に従って低下し、回転角度差が90度になると透過光量は0となる。2枚の偏光フィルタの回転角度差が0度の時に最大透過光量50%を示す。従って、2枚の偏光フィルタ6a、6bを光路内に挿入した場合には、非偏光光に対して透過光量0〜50%の可変範囲を得ることができる。
【0016】
図5に、図1に含まれる2枚の偏光フィルタ6a、6bを有効光路に挿抜するための偏光フィルタ挿抜手段であるフィルタ切換えユニット機構の概略図を示す。フィルタ切換えユニット機構は、偏光フィルタ6aと6bを保持する偏光フィルタ枠16aと16b、偏光フィルタ枠16aと16bを回転自在に保持するための偏光フィルタホルダ17、偏光フィルタ枠16aと16bのスラスト方向寸法を規制するためのスペーサ18(18a、18b、18c、18d)を有する。
【0017】
偏光フィルタホルダ17は、モータA(19)によって光軸位置(光路内)へ挿抜するように駆動され、偏光フィルタホルダ17はスライドコマ20a、20b、20c、20d、20e、20fによってスライド自在に保持される。
【0018】
図6に、フィルタ切換えユニット機構の要部拡大断面図を示す。偏光フィルタ6aと6bを保持する偏光フィルタ枠16a、16bは、それぞれ回転駆動手段であるモータB(21a、21b)により、光軸上で回転させられ、互いの偏光方向の回転角度差を変更することができる。
【0019】
偏光フィルタ枠16a、16bの回転角度は、エンコーダ22a、22bにより検出される。光軸位置検出用スイッチ23は偏光フィルタホルダ17が光軸位置にあることを検出(図5(a)の状態)し、光軸退避位置検出スイッチ24は偏光フィルタホルダ17が有効光線範囲から退避したことを検出する(図5(b)の状態)。
【0020】
図7に、本実施例の電気的構成をブロック図で示す。図7のブロック図において、光量調整VR(14a)は、2枚の偏光フィルタの偏光方向の相対的な回転角度差を指示する角度差指示手段である、光量調整つまみ14に接続されたボリュウムであり、偏光方向調整VR(15a)は、偏光フィルタの回転角度(偏光方向)を指示する角度指示手段である偏光方向調整つまみ15に接続されたボリュウムである。CPU25は、フィルタ選択スイッチ12などの入力情報や、エンコーダ22aや22bから取得する現在位置情報を演算して、後述するモータ駆動回路27に駆動や停止の指令を与える機能を有する。ADコンバータ26は、光量調整つまみ14に接続された光量調整VR(14a)や、偏光方向調整つまみ15に接続された偏光方向調整VR(15a)の値を変換する機能を有する。モータ駆動回路27は、CPU25より受けた指令から、モータA(19)、モータB(22aと22b)に通電開始や停止の指令を送る機能を有する。
【0021】
次に図8のフローチャートを用いて、本発明の操作フローについて説明する。
【0022】
ステップS100で操作フローをスタートした後、ステップS101で偏光フィルタを使用するか否かを選択する。偏光フィルタの使用を選択する場合は、ステップ101からステップS102へ進み、光軸位置検出用スイッチ23の状態をチェックすることにより偏光フィルタが光軸位置にあるかどうかを判定する。偏光フィルタが光軸位置にあると判定された場合はステップS104へ進み、偏光フィルタ枠を移動するモータ19の駆動を停止する。偏光フィルタが光軸位置にないと判定された場合はステップS103へ進み、モータ19を駆動させて偏光フィルタ枠を光軸位置に移動させ、ステップS102に戻る。偏光フィルタが光軸位置にあると判定されるまで、ステップS102〜S103の処理を繰り返す。
ステップS104に続いてステップS105で、光量調整を行うか偏光方向調整を行うかの動作モードを選択する。
【0023】
モード選択スイッチ13によって、第1のモードである光量調整モードが選択された場合は、ステップS200のサブルーチンへ進み、第2のモードである偏光方向調整モードが選択された場合は、ステップS300のサブルーチンへ進む。
【0024】
また、ステップS101で偏光フィルタを使用することが選択されなかった場合は、ステップS106へ進み、偏光フィルタが光軸位置から退避位置に退避しているか否かを光軸退避位置検出スイッチ24でチェックする。光軸退避位置検出スイッチがONとなっていて偏光フィルタが光軸位置から退避位置に退避していることを確認した場合は、ステップS108へ進み、偏光フィルタ枠を移動するモータ19の駆動を停止する。光軸退避位置検出スイッチ24がOFFである場合は、ステップS107へ進み、偏光フィルタ枠を退避位置へ移動するためにモータ19を駆動させ、ステップ106に戻り、偏光フィルタ枠が退避位置まで移動するまで、ステップS106〜S107を繰り返す。
【0025】
次に図9のフローチャートを用いて、第1のモードである光量調整モードの動作フローについて説明する。
【0026】
ステップS200で光量調整モード動作フローをスタートした後、ステップS201で、オペレータによって操作された光量調整VR値を読み込み、偏光フィルタ1と偏光フィルタ2間の相対角度差を示す角度コントロールに変換する。続いてステップS202へ進み、回転角検出用エンコーダ22aによって検出された偏光フィルタ1の回転角に対して前記角度コントロールを加えた角度あるいは差し引いた角度を、偏光フィルタ2に対する角度コントロール値として設定する。次にステップS203で、偏光フィルタ2を位置サーボでコントロールの状態にするよう駆動する。次にステップS204へ進み、サブルーチンのフローを終了する。
【0027】
次に図10のフローチャートを用いて、第2のモードである偏光方向調整モードの動作フローについて説明する。
【0028】
ステップS300で偏光方向調整モード動作フローをスタートした後、ステップS301で、オペレータによって操作された偏光方向調整VR値を偏光フィルタ1と偏光フィルタ2の偏光方向の角度を示す角度コントロールに変換する。続いてステップS302へ進み、偏光フィルタ1に対するコントロールを前記角度コントロールに設定し、偏光フィルタ2に対するコントロールを前記角度コントロールに設定する。次にステップS303で偏光フィルタ1と偏光フィルタ2を位置サーボでコントロールの状態にする。次にステップS303へ進み、サブルーチンのフローを終了する。
【0029】
次に、上記構成において機構的な動作内容を説明する。
【0030】
被写体を撮影する場合、条件に合わせてテレビカメラ1に配置した操作部10から各種つまみやスイッチを操作する。例えば、晴天の日中屋外で撮影する場合は、撮影レンズから入射する光量を減らして撮影するのが一般的であるため、撮影レンズ2の絞り3を使うかテレビカメラ1側のフィルタ6a、6bを使うかの判断が必要になる。テレビカメラ1側のフィルタ6a、6bを使用すると判断したケースでは、まずステップS101において、フィルタ選択スイッチ12を偏光フィルタONに設定する。次にステップS102に進み、偏光フィルタホルダ17の光軸位置検出スイッチ23がOFFならステップS103に進み、モータA(19)に通電しモータの回転に合わせて偏光フィルタホルダ17を光軸位置へ向けて駆動させ、ステップS102に戻る。ステップS102で光軸位置検出スイッチ23がONであることが確認されたら、ステップS104に進み、モータA(19)に通電している場合は通電を停止する。
【0031】
次にステップS105へ進み、モード選択スイッチ13を操作して光量調整モードを選択する。処理は、ステップS200からS201に進む。ステップS201で光量調整つまみ14を操作すると、回転角検出用エンコーダ22aの値と回転角検出用エンコーダ22bの値を比較して偏光フィルタ1と偏光フィルタ2の現在の回転角度差を検出し、ステップS202及びステップS203で指令値との差分だけ偏光フィルタ2を回転させるようにモータB(21b)へ駆動指令を出力する。モータB(21b)を駆動すると第2の偏光フィルタ枠が回転する。これにより第1の偏光フィルタ枠6aとの回転角度差が生まれ、これによって透過光量を入射光量の50%以下の範囲で連続的に変更することができる。図3のグラフに示すように、第1の偏光フィルタ6aの偏光方向6a1と、第2の偏光フィルタ6bの偏光方向6b1が角度差0°であれば透過光量は50%、角度差が90°であれば透過光量は0%となり、この間は角度差に応じて連続的に透過光量が変化する。所望の条件に合ったらつまみの操作を停止し、停止指令に従い第2の偏光フィルタ枠6bは回転を停止する。
【0032】
また、晴天の日中屋外の撮影で水面が光って見えるような照り返しの撮影シーンがあった場合は、偏光方向を変えることで照り返しの光り具合を調整できるため、ステップS301よりモード選択スイッチ13を操作して偏光方向調整を選択する。
【0033】
次にステップS301へ行き、偏光方向調整つまみ15を操作すると、ステップS302及びS303よりモータ21aと21bを駆動して、第1の偏光フィルタ6aと第2の偏光フィルタ6bを同時に回転させる。そして水面の照り返しがなくなる位置まで偏光フィルタ6aと6bを同時に回転させて、所望の条件に合ったら偏光方向調整つまみの操作を停止し、モータ21a、21bの駆動を停止する。これにより、照り返しの光り具合については偏光フィルタの回転角度を帰ることによって調整でき、全体の入射光量については、レンズ装置側の絞りを用いて調整することができる。
【0034】
このように、撮像素子への入射光量を調整する手段として、一組の偏光フィルタと絞りを有しているため、撮影の要求に応じて、一方を固定して他方で光量を調整することができる。絞りを変更することによって光量とともに被写界深度が変わり、一組の偏光フィルタを操作することによって、光量の低減及び照り返し光を除去ができる。したがって、被写界深度等を考慮した撮影効果を優先する撮影の場合は、求められる撮影条件で絞りを決めて、光量を一組の偏光フィルタを用いて調整することができる(第1のモード)。また、反射光による照り返しを除去し白っぽい映像を避けコントラストを上げたい場合には、一組の偏光フィルタの偏光方向を合わせて反射光を除去する回転位置で固定し、絞りを用いて光量を調整することができる(第2のモード)。
【0035】
前記偏光フィルタを使用すると透過光量が最大でも50%に低下するため、50%より大きい透過光量を必要とする場合は、図5に示すように偏光フィルタ保持ユニットを光軸上から退避させればよい。
【0036】
具体的には、ステップS101でフィルタ選択スイッチ12を偏光フィルタOFFに設定すると、ステップS106へ行き、フィルタ光軸退避位置検出スイッチ24がONの位置まで、モータA(19)に通電して偏光フィルタホルダ17を移動させる。所望の位置に来たらステップS108でモータAの駆動を停止する。
なお、本発明では、2枚の偏光フィルタのうち少なくとも1枚を回転させることにより、2枚の偏光フィルタの透過軸がなす角度(光軸方向から見たときの2つの透過軸の角度)を変化させることにより光量を調整している。ここで、透過軸とは、偏光フィルタを透過することが可能な光の偏光方向と同意である。このように光量調整を行う上で、2枚の偏光フィルタを同時に逆方向に回転させても良いし、1枚の偏光フィルタのみを回転させても良いし、2枚の偏光フィルタを同時に同じ方向に、互いに異なる角度だけ回転させても良い。また、この偏光フィルタを回転させる際の回転中心は、レンズ装置の光軸であることが望ましいがこの限りではなく、その光軸と平行な軸、或いは光軸(又はそれに平行な軸)に対して若干傾いていても良い(但し10度未満)。また、各々の偏光フィルタの透過軸は、これらの偏光フィルタを光路上に挿入した状態において、光軸と略垂直である(少なくとも80度以上、より好ましくは89.5度以上)ことが望ましい。
【実施例2】
【0037】
以下、図11を参照して、本発明の第2の実施例による撮像システムについて説明する。
【0038】
図5に示した実施例1のフィルタ切換え機構の構成に対し、本実施例のフィルタ切換え機構は、偏光フィルタ6a、6bに加えてガラス板からなる素通しフィルタ28を有する点が異なる。ここで、素通しフィルタとは、屈折力を有さず、減光作用を有さない、偏光フィルタが光路に挿入された状態と抜去された状態で、空気換算長が変化しないようにするための、例えばガラス板等からなる、光学素子である。素通しフィルタ28は、2枚の偏光フィルタ6a、6bの空気換算長と略等しくなるような屈折率及び硝子厚を有する。素通しフィルタ28は素通しフィルタ枠29により保持され、偏光フィルタ枠16a、16bは偏光フィルタホルダ30により回転自在に保持されている。素通しフィルタ枠29と偏光フィルタホルダ30は、スライドコマ31a〜31fによってスライド自在に保持されている。
偏光フィルタホルダ30と素通しフィルタ枠29は、モータC(32)により駆動される。モータC(32)の出力軸に固定されたモータギア33には、モータC(32)の出力軸に対して対称位置に固定された駆動ピン34a、34bを有する。
駆動ピン34a、34bは、それぞれ、素通しフィルタ枠29と偏光フィルタホルダ30に設けられた長穴に係合している。
【0039】
上記構成において、光軸上に偏光フィルタが配置されている状態で偏光フィルタを必要としない撮影に移行する場合は、フィルタ選択スイッチ12を偏光フィルタOFFにセットする。この指令を受けてモータC(32)を時計回りに回転させると、モータギア33と駆動ピン34aを介して、偏光フィルタホルダ30がスライドコマ31a〜31fをスライドして、光軸上から退避する。これに合わせて素通しフィルタ枠29が駆動ピン34bを介してスライドコマ31a〜31fをスライドして、光軸上に配置される(図11(a)(b)の状態から(c)の状態に移行する)。
【0040】
これにより、偏光フィルタが必要な撮影の場合には、偏光フィルタが光路に配置され、偏光フィルタが不要な撮影の場合には偏光フィルタに代えて素通しフィルタが光路に配置される。いずれの配置においても、光路長を一定に保つことができ、偏光フィルタの使用有無に関わらず、光路長差に起因する光学性能の低下を防止することができる。
【実施例3】
【0041】
以下、図12、13を参照して、本発明の第3の実施例による撮像システムについて説明する。
【0042】
実施例2のフィルタ切換え機構では、フィルタ枠を光路に対して直線的に移動させていたが、本実施例のフィルタ切換え機構においては、回転方向に駆動させることが異なる。
【0043】
素通しフィルタ28は素通しフィルタ枠35によって保持され、偏光フィルタ枠16a、16bは偏光フィルタホルダ36によって回転自在に保持される。偏光フィルタホルダ36と素通しフィルタ枠35は、モータD(37)によって駆動される。モータD(37)の出力軸にはモータギア38が固定され、モータギア38はアイドラギア39と係合し、アイドラギア39は偏光フィルタホルダ36に構成されたギア36aと係合する。ギア38とギア36aは1:1のギア比としている。モータD(37)の回転方向が反時計回りである場合のギア36aの回転方向は、アイドラギア39を介しているので、同じ反時計回りの方向となる。モータD(37)の出力軸にはさらにギア40が固定され、ギア40は素通しフィルタ枠35に構成されたギア35aと係合している。ギア40とギア35aは1:1のギア比である。モータD(37)の回転方向が反時計回りである場合のギア35aの回転方向は時計回りの方向となる。すなわち、実施例3のフィルタ切換え機構の構成においては、モータD(37)が回転すると、それにギアを介して係合している素通しフィルタ枠35と偏光フィルタホルダ36は、互いに反対の回転方向に駆動される。従って、図12(a)、(b)、(c)に示す偏光フィルタホルダ36が光軸位置にある状態で、モータD(37)が反時計周りに回転すると、偏光フィルタホルダ36は反時計回りに回転して、光軸位置から退避位置に移動し、素通しフィルタ枠35は時計回りに回転して、退避位置から光軸位置に移動する(図12(b)の状態から図13(b)の状態に移動する)。
【0044】
光軸位置検出スイッチ41は、素通しフィルタ枠35が光軸位置にあることを検知するスイッチ、光軸位置検出スイッチ23は、偏光フィルタホルダ36が光軸位置にあることを検知するスイッチである。
【0045】
上記構成において、実施例2と同様に光軸上に偏光フィルタが配置されている状態で偏光フィルタを必要としない撮影に移行する場合は、フィルタ選択スイッチ12を偏光フィルタOFFにセットする。この指令を受けてモータD(37)を反時計回りに回転させると、ギア38とアイドラギア39を介して偏光フィルタホルダ36が反時計回りに回転して偏光フィルタホルダ36が光軸上から退避する。同時にギア40も反時計回りに回転するので、素通しフィルタ枠35が時計回り方向に回転移動して光軸位置まで移動し、位置検出スイッチ41が、素通しフィルタ枠35が光軸位置にあることを検知する。
【0046】
これにより、偏光フィルタが必要な撮影の場合には、偏光フィルタが光路に配置され、偏光フィルタが不要な撮影の場合には偏光フィルタに代えて素通しフィルタが光路に配置される。いずれの配置においても、光路長を一定に保つことができ、偏光フィルタの使用有無に関わらず、光路長差に起因する光学性能の低下を防止することができる。
【0047】
[その他の実施例]
偏光フィルタを使用すると、素通しフィルタを使用した場合に対する(非偏光光の)透過光量は最大でも50%に落ちるため、透過光量が50%を超える範囲は本構成では調整できない。しかし、素通しフィルタとカメラの不図示のゲイン調整を組合せることで、上記範囲の透過光量をカメラ感度で代用して調整することは可能である。即ち透過光量が50%以下の領域は偏光フィルタで光量調整が50%超の領域における撮影映像の明るさの調整は素通しフィルタとカメラのゲイン調整を組合せることで行うことができる。
【0048】
また、本発明の装置を用いれば、偏光方向の調整を行った後に光量調整を行うことや、逆に光量調整を行った後に偏光方向の調整を行うような操作が容易にできるようになる。
撮影レンズの絞りと2枚の偏光フィルタによる光量調整を組合せて、撮影シーンに合わせてプログラム化して記憶しておき、必要に応じてプログラムを呼び出すようにしてもよい。
また、2枚の偏光フィルタは撮影レンズの一部として、例えばエクステンダの場所に配置してもよい。
【0049】
更に、撮影レンズ側に偏光フィルタを1枚、撮像装置であるテレビカメラ側に偏光フィルタを1枚構成してそれらを連動制御しても、本発明の効果を得ることができる。
実施例1〜3ではフィルタ枠の移動機構の駆動源としてモータを使用した電動駆動を例示したが、これを手動で行う構成としてもよい。
また、レンズ装置が着脱可能で、レンズ装置からの被写体光を受光する撮像素子を備える撮像装置(カメラ装置)であって、レンズ装置と撮像素子の間の光路上に配置された2枚の偏光フィルタと、2枚の偏光フィルタのうち少なくとも1枚の偏光フィルタを、光軸と平行な軸を中心として回転させることが可能な回転駆動手段と、を有する撮像装置に適用することによって、本発明の効果を有する撮像装置を得ることができる。
【0050】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 テレビカメラ(撮像装置)
2 撮影レンズ(レンズ装置)
6a 第1の偏光フィルタ
6b 第2の偏光フィルタ
9 撮像素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ装置と撮像装置を含む撮像システムに関し、特に光学フィルタを内部に構成した撮像装置を含む撮像システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のテレビ放送用カメラ等の撮像装置において、撮影レンズから入射する光量を調整する場合は、複数のNDフィルタを収納したフィルターディスク装置より適宜NDフィルタを選択して、選択したフィルタを光路内に挿入することにより、段階的に光量調整を行うようにしたものが一般的であった。
【0003】
また、偏光方向を変えるには、一般的には撮影レンズの前玉側にオプションで取付けるPLフィルタを手で回すことで行っていた。
特許文献1は、2枚のグラデーションNDフィルタで構成したフィルターディスクを反対向きに配置して、2枚のフィルターディスクを回転させて連続的に光量調整を行う技術を開示している。特許文献2は、プロジェクタ光源の光量を効率よく透過させるために位相差板を回転可能な状態で構成し、偏光方向を調整する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−243928号公報
【特許文献2】特開2004−258063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、光量を連続的に変えることはできるが、PLフィルタを回転させて偏光方向を変えるためには新たにフィルタ回転機構を設ける必要があった。
特許文献2の従来技術は、プロジェクタ用光学系で、偏光板と回転可能な位相差板を組合せて光量調整を行う機構について述べているが、プロジェクタ光源の光量を効率よく透過させるための技術であり、撮影条件の補正をすることを目的としていない。
【0006】
一般的に、偏光方向を変えるには撮影レンズの前玉側にオプションで外付けするPLフィルタを手で回すことで行っていたが、最物体側のレンズの前面にPLフィルタを設けるため、フィルタ径を大きくする必要があり、装置が大型化し、経済的にも撮影者に負担がかかるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、撮影条件にあわせて必要とされる減光(ND)および偏光(PL)フィルタ機能を、機器に内蔵することにより小型の装置で実現するとともに、安価な撮像システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の撮像システムは、レンズ装置と、該レンズ装置が接続され、該レンズ装置からの被写体光を受光する撮像素子を含む撮像装置と、該レンズ装置と該撮像素子の間の光路上に配置された2枚の偏光フィルタと、前記2枚の偏光フィルタのうち少なくとも1枚の偏光フィルタを、光軸と平行な軸を中心として回転させることが可能な回転駆動手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撮像装置の内部に2枚の偏光フィルタを回転自在に構成したことにより、光軸上からフィルタを外すことなく、即ち撮像装置を大型化することなく、光量調整と偏光方向調整を選択可能な撮像システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】撮像システムの光学配置図
【図2】透過光量調整概念図
【図3】透過光量の可変状態を表すグラフ
【図4】偏光方向調整概念図
【図5】フィルタ切換え機構の構成図、(a)フィルタを光路内への挿入した時、(b)フィルタを光路から抜去した時
【図6】フィルタ切換え機構の要部断面拡大図
【図7】実施例1のブロック図
【図8】実施例1の操作フローチャート
【図9】図8の光量調整モード動作フロー詳細
【図10】図8の偏光方向調整モード動作フロー詳細
【図11】実施例2のフィルタ切換え機構、(a)側面図、(b)素通しフィルタを光路内に挿入した時、(c)偏光フィルタを光路内に挿入した時
【図12】偏光フィルタを光路内に挿入した時の実施例3のフィルタ切換え機構、(a)側面図、(b)正面図、(c)下面図
【図13】素通しフィルタを光路内に挿入した時の実施例3のフィルタ切換え機構、(a)側面図、(b)正面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる2枚の偏光フィルタを光軸上で回転自在に構成した撮像装置を含む撮像システムである。
【実施例1】
【0011】
以下、図1〜図10を参照して、本発明の第1の実施例による撮像システムの構成について説明する。
【0012】
図1は、テレビカメラ(撮像装置)1と撮影レンズ(レンズ装置)2から構成される撮像システムの光学基本配置を表す図である。本発明の撮像システムは、テレビカメラ1、撮影レンズ2から構成される。撮影レンズ2は、入射光量を調節する絞り機構3、テレビカメラ1と撮影レンズ2を機械的に結合するマウント4を含む。テレビカメラ1は、防塵硝子5、それぞれフィルム状の薄板の形状を有する
【0013】
第1の偏光フィルタ6a及び第2の偏光フィルタ6b、撮影に不要な高周波成分を除去するための光学ローパスフィルタ7、入射光を3色に分解するための色分解光学系である色分解プリズム8、色分解プリズム8により分解された各色光の被写体光を受光する撮像素子9a、9b、9c、操作部10を含む。操作部10は、絞り値調整つまみ11、フィルタ選択スイッチ12、モード選択スイッチ13、光量調整つまみ14、偏光方向調整つまみ15等を含む。
【0014】
偏光フィルタ6a、6bは、光軸方向に対して垂直な偏光方向を有し、各フィルタは、光軸を中心として回動可能に設置されている。図2は、図1に示すテレビカメラ1内に配置された2枚の偏光フィルタ6a、6bをそれぞれの偏光方向が回転角度差を有して配置されることにより透過光量を調整することを説明する概念図である。図2中の矢印6a1、6b1は、それぞれ偏光フィルタ6a、6bの偏光方向を表す。
【0015】
図3は、図2で示した2枚の偏光フィルタの偏光方向の回転角度差と、その状態において非偏光光の2枚の偏光フィルタを透過する透過光量比との関係を表すグラフである。回転角度差(横軸)が0度、すなわち、2枚の偏光フィルタ6a、6bの偏光方向が同じ方向である場合(図4)は、1枚の偏光フィルタを使用した場合と同様で、非偏光光は、偏光フィルタの偏光方向に偏光した偏光光となって透過する。その場合、透過光量は入射光量の50%となる。回転角度差が0度から増加すると、透過光量は回転角度差の余弦の二乗に従って低下し、回転角度差が90度になると透過光量は0となる。2枚の偏光フィルタの回転角度差が0度の時に最大透過光量50%を示す。従って、2枚の偏光フィルタ6a、6bを光路内に挿入した場合には、非偏光光に対して透過光量0〜50%の可変範囲を得ることができる。
【0016】
図5に、図1に含まれる2枚の偏光フィルタ6a、6bを有効光路に挿抜するための偏光フィルタ挿抜手段であるフィルタ切換えユニット機構の概略図を示す。フィルタ切換えユニット機構は、偏光フィルタ6aと6bを保持する偏光フィルタ枠16aと16b、偏光フィルタ枠16aと16bを回転自在に保持するための偏光フィルタホルダ17、偏光フィルタ枠16aと16bのスラスト方向寸法を規制するためのスペーサ18(18a、18b、18c、18d)を有する。
【0017】
偏光フィルタホルダ17は、モータA(19)によって光軸位置(光路内)へ挿抜するように駆動され、偏光フィルタホルダ17はスライドコマ20a、20b、20c、20d、20e、20fによってスライド自在に保持される。
【0018】
図6に、フィルタ切換えユニット機構の要部拡大断面図を示す。偏光フィルタ6aと6bを保持する偏光フィルタ枠16a、16bは、それぞれ回転駆動手段であるモータB(21a、21b)により、光軸上で回転させられ、互いの偏光方向の回転角度差を変更することができる。
【0019】
偏光フィルタ枠16a、16bの回転角度は、エンコーダ22a、22bにより検出される。光軸位置検出用スイッチ23は偏光フィルタホルダ17が光軸位置にあることを検出(図5(a)の状態)し、光軸退避位置検出スイッチ24は偏光フィルタホルダ17が有効光線範囲から退避したことを検出する(図5(b)の状態)。
【0020】
図7に、本実施例の電気的構成をブロック図で示す。図7のブロック図において、光量調整VR(14a)は、2枚の偏光フィルタの偏光方向の相対的な回転角度差を指示する角度差指示手段である、光量調整つまみ14に接続されたボリュウムであり、偏光方向調整VR(15a)は、偏光フィルタの回転角度(偏光方向)を指示する角度指示手段である偏光方向調整つまみ15に接続されたボリュウムである。CPU25は、フィルタ選択スイッチ12などの入力情報や、エンコーダ22aや22bから取得する現在位置情報を演算して、後述するモータ駆動回路27に駆動や停止の指令を与える機能を有する。ADコンバータ26は、光量調整つまみ14に接続された光量調整VR(14a)や、偏光方向調整つまみ15に接続された偏光方向調整VR(15a)の値を変換する機能を有する。モータ駆動回路27は、CPU25より受けた指令から、モータA(19)、モータB(22aと22b)に通電開始や停止の指令を送る機能を有する。
【0021】
次に図8のフローチャートを用いて、本発明の操作フローについて説明する。
【0022】
ステップS100で操作フローをスタートした後、ステップS101で偏光フィルタを使用するか否かを選択する。偏光フィルタの使用を選択する場合は、ステップ101からステップS102へ進み、光軸位置検出用スイッチ23の状態をチェックすることにより偏光フィルタが光軸位置にあるかどうかを判定する。偏光フィルタが光軸位置にあると判定された場合はステップS104へ進み、偏光フィルタ枠を移動するモータ19の駆動を停止する。偏光フィルタが光軸位置にないと判定された場合はステップS103へ進み、モータ19を駆動させて偏光フィルタ枠を光軸位置に移動させ、ステップS102に戻る。偏光フィルタが光軸位置にあると判定されるまで、ステップS102〜S103の処理を繰り返す。
ステップS104に続いてステップS105で、光量調整を行うか偏光方向調整を行うかの動作モードを選択する。
【0023】
モード選択スイッチ13によって、第1のモードである光量調整モードが選択された場合は、ステップS200のサブルーチンへ進み、第2のモードである偏光方向調整モードが選択された場合は、ステップS300のサブルーチンへ進む。
【0024】
また、ステップS101で偏光フィルタを使用することが選択されなかった場合は、ステップS106へ進み、偏光フィルタが光軸位置から退避位置に退避しているか否かを光軸退避位置検出スイッチ24でチェックする。光軸退避位置検出スイッチがONとなっていて偏光フィルタが光軸位置から退避位置に退避していることを確認した場合は、ステップS108へ進み、偏光フィルタ枠を移動するモータ19の駆動を停止する。光軸退避位置検出スイッチ24がOFFである場合は、ステップS107へ進み、偏光フィルタ枠を退避位置へ移動するためにモータ19を駆動させ、ステップ106に戻り、偏光フィルタ枠が退避位置まで移動するまで、ステップS106〜S107を繰り返す。
【0025】
次に図9のフローチャートを用いて、第1のモードである光量調整モードの動作フローについて説明する。
【0026】
ステップS200で光量調整モード動作フローをスタートした後、ステップS201で、オペレータによって操作された光量調整VR値を読み込み、偏光フィルタ1と偏光フィルタ2間の相対角度差を示す角度コントロールに変換する。続いてステップS202へ進み、回転角検出用エンコーダ22aによって検出された偏光フィルタ1の回転角に対して前記角度コントロールを加えた角度あるいは差し引いた角度を、偏光フィルタ2に対する角度コントロール値として設定する。次にステップS203で、偏光フィルタ2を位置サーボでコントロールの状態にするよう駆動する。次にステップS204へ進み、サブルーチンのフローを終了する。
【0027】
次に図10のフローチャートを用いて、第2のモードである偏光方向調整モードの動作フローについて説明する。
【0028】
ステップS300で偏光方向調整モード動作フローをスタートした後、ステップS301で、オペレータによって操作された偏光方向調整VR値を偏光フィルタ1と偏光フィルタ2の偏光方向の角度を示す角度コントロールに変換する。続いてステップS302へ進み、偏光フィルタ1に対するコントロールを前記角度コントロールに設定し、偏光フィルタ2に対するコントロールを前記角度コントロールに設定する。次にステップS303で偏光フィルタ1と偏光フィルタ2を位置サーボでコントロールの状態にする。次にステップS303へ進み、サブルーチンのフローを終了する。
【0029】
次に、上記構成において機構的な動作内容を説明する。
【0030】
被写体を撮影する場合、条件に合わせてテレビカメラ1に配置した操作部10から各種つまみやスイッチを操作する。例えば、晴天の日中屋外で撮影する場合は、撮影レンズから入射する光量を減らして撮影するのが一般的であるため、撮影レンズ2の絞り3を使うかテレビカメラ1側のフィルタ6a、6bを使うかの判断が必要になる。テレビカメラ1側のフィルタ6a、6bを使用すると判断したケースでは、まずステップS101において、フィルタ選択スイッチ12を偏光フィルタONに設定する。次にステップS102に進み、偏光フィルタホルダ17の光軸位置検出スイッチ23がOFFならステップS103に進み、モータA(19)に通電しモータの回転に合わせて偏光フィルタホルダ17を光軸位置へ向けて駆動させ、ステップS102に戻る。ステップS102で光軸位置検出スイッチ23がONであることが確認されたら、ステップS104に進み、モータA(19)に通電している場合は通電を停止する。
【0031】
次にステップS105へ進み、モード選択スイッチ13を操作して光量調整モードを選択する。処理は、ステップS200からS201に進む。ステップS201で光量調整つまみ14を操作すると、回転角検出用エンコーダ22aの値と回転角検出用エンコーダ22bの値を比較して偏光フィルタ1と偏光フィルタ2の現在の回転角度差を検出し、ステップS202及びステップS203で指令値との差分だけ偏光フィルタ2を回転させるようにモータB(21b)へ駆動指令を出力する。モータB(21b)を駆動すると第2の偏光フィルタ枠が回転する。これにより第1の偏光フィルタ枠6aとの回転角度差が生まれ、これによって透過光量を入射光量の50%以下の範囲で連続的に変更することができる。図3のグラフに示すように、第1の偏光フィルタ6aの偏光方向6a1と、第2の偏光フィルタ6bの偏光方向6b1が角度差0°であれば透過光量は50%、角度差が90°であれば透過光量は0%となり、この間は角度差に応じて連続的に透過光量が変化する。所望の条件に合ったらつまみの操作を停止し、停止指令に従い第2の偏光フィルタ枠6bは回転を停止する。
【0032】
また、晴天の日中屋外の撮影で水面が光って見えるような照り返しの撮影シーンがあった場合は、偏光方向を変えることで照り返しの光り具合を調整できるため、ステップS301よりモード選択スイッチ13を操作して偏光方向調整を選択する。
【0033】
次にステップS301へ行き、偏光方向調整つまみ15を操作すると、ステップS302及びS303よりモータ21aと21bを駆動して、第1の偏光フィルタ6aと第2の偏光フィルタ6bを同時に回転させる。そして水面の照り返しがなくなる位置まで偏光フィルタ6aと6bを同時に回転させて、所望の条件に合ったら偏光方向調整つまみの操作を停止し、モータ21a、21bの駆動を停止する。これにより、照り返しの光り具合については偏光フィルタの回転角度を帰ることによって調整でき、全体の入射光量については、レンズ装置側の絞りを用いて調整することができる。
【0034】
このように、撮像素子への入射光量を調整する手段として、一組の偏光フィルタと絞りを有しているため、撮影の要求に応じて、一方を固定して他方で光量を調整することができる。絞りを変更することによって光量とともに被写界深度が変わり、一組の偏光フィルタを操作することによって、光量の低減及び照り返し光を除去ができる。したがって、被写界深度等を考慮した撮影効果を優先する撮影の場合は、求められる撮影条件で絞りを決めて、光量を一組の偏光フィルタを用いて調整することができる(第1のモード)。また、反射光による照り返しを除去し白っぽい映像を避けコントラストを上げたい場合には、一組の偏光フィルタの偏光方向を合わせて反射光を除去する回転位置で固定し、絞りを用いて光量を調整することができる(第2のモード)。
【0035】
前記偏光フィルタを使用すると透過光量が最大でも50%に低下するため、50%より大きい透過光量を必要とする場合は、図5に示すように偏光フィルタ保持ユニットを光軸上から退避させればよい。
【0036】
具体的には、ステップS101でフィルタ選択スイッチ12を偏光フィルタOFFに設定すると、ステップS106へ行き、フィルタ光軸退避位置検出スイッチ24がONの位置まで、モータA(19)に通電して偏光フィルタホルダ17を移動させる。所望の位置に来たらステップS108でモータAの駆動を停止する。
なお、本発明では、2枚の偏光フィルタのうち少なくとも1枚を回転させることにより、2枚の偏光フィルタの透過軸がなす角度(光軸方向から見たときの2つの透過軸の角度)を変化させることにより光量を調整している。ここで、透過軸とは、偏光フィルタを透過することが可能な光の偏光方向と同意である。このように光量調整を行う上で、2枚の偏光フィルタを同時に逆方向に回転させても良いし、1枚の偏光フィルタのみを回転させても良いし、2枚の偏光フィルタを同時に同じ方向に、互いに異なる角度だけ回転させても良い。また、この偏光フィルタを回転させる際の回転中心は、レンズ装置の光軸であることが望ましいがこの限りではなく、その光軸と平行な軸、或いは光軸(又はそれに平行な軸)に対して若干傾いていても良い(但し10度未満)。また、各々の偏光フィルタの透過軸は、これらの偏光フィルタを光路上に挿入した状態において、光軸と略垂直である(少なくとも80度以上、より好ましくは89.5度以上)ことが望ましい。
【実施例2】
【0037】
以下、図11を参照して、本発明の第2の実施例による撮像システムについて説明する。
【0038】
図5に示した実施例1のフィルタ切換え機構の構成に対し、本実施例のフィルタ切換え機構は、偏光フィルタ6a、6bに加えてガラス板からなる素通しフィルタ28を有する点が異なる。ここで、素通しフィルタとは、屈折力を有さず、減光作用を有さない、偏光フィルタが光路に挿入された状態と抜去された状態で、空気換算長が変化しないようにするための、例えばガラス板等からなる、光学素子である。素通しフィルタ28は、2枚の偏光フィルタ6a、6bの空気換算長と略等しくなるような屈折率及び硝子厚を有する。素通しフィルタ28は素通しフィルタ枠29により保持され、偏光フィルタ枠16a、16bは偏光フィルタホルダ30により回転自在に保持されている。素通しフィルタ枠29と偏光フィルタホルダ30は、スライドコマ31a〜31fによってスライド自在に保持されている。
偏光フィルタホルダ30と素通しフィルタ枠29は、モータC(32)により駆動される。モータC(32)の出力軸に固定されたモータギア33には、モータC(32)の出力軸に対して対称位置に固定された駆動ピン34a、34bを有する。
駆動ピン34a、34bは、それぞれ、素通しフィルタ枠29と偏光フィルタホルダ30に設けられた長穴に係合している。
【0039】
上記構成において、光軸上に偏光フィルタが配置されている状態で偏光フィルタを必要としない撮影に移行する場合は、フィルタ選択スイッチ12を偏光フィルタOFFにセットする。この指令を受けてモータC(32)を時計回りに回転させると、モータギア33と駆動ピン34aを介して、偏光フィルタホルダ30がスライドコマ31a〜31fをスライドして、光軸上から退避する。これに合わせて素通しフィルタ枠29が駆動ピン34bを介してスライドコマ31a〜31fをスライドして、光軸上に配置される(図11(a)(b)の状態から(c)の状態に移行する)。
【0040】
これにより、偏光フィルタが必要な撮影の場合には、偏光フィルタが光路に配置され、偏光フィルタが不要な撮影の場合には偏光フィルタに代えて素通しフィルタが光路に配置される。いずれの配置においても、光路長を一定に保つことができ、偏光フィルタの使用有無に関わらず、光路長差に起因する光学性能の低下を防止することができる。
【実施例3】
【0041】
以下、図12、13を参照して、本発明の第3の実施例による撮像システムについて説明する。
【0042】
実施例2のフィルタ切換え機構では、フィルタ枠を光路に対して直線的に移動させていたが、本実施例のフィルタ切換え機構においては、回転方向に駆動させることが異なる。
【0043】
素通しフィルタ28は素通しフィルタ枠35によって保持され、偏光フィルタ枠16a、16bは偏光フィルタホルダ36によって回転自在に保持される。偏光フィルタホルダ36と素通しフィルタ枠35は、モータD(37)によって駆動される。モータD(37)の出力軸にはモータギア38が固定され、モータギア38はアイドラギア39と係合し、アイドラギア39は偏光フィルタホルダ36に構成されたギア36aと係合する。ギア38とギア36aは1:1のギア比としている。モータD(37)の回転方向が反時計回りである場合のギア36aの回転方向は、アイドラギア39を介しているので、同じ反時計回りの方向となる。モータD(37)の出力軸にはさらにギア40が固定され、ギア40は素通しフィルタ枠35に構成されたギア35aと係合している。ギア40とギア35aは1:1のギア比である。モータD(37)の回転方向が反時計回りである場合のギア35aの回転方向は時計回りの方向となる。すなわち、実施例3のフィルタ切換え機構の構成においては、モータD(37)が回転すると、それにギアを介して係合している素通しフィルタ枠35と偏光フィルタホルダ36は、互いに反対の回転方向に駆動される。従って、図12(a)、(b)、(c)に示す偏光フィルタホルダ36が光軸位置にある状態で、モータD(37)が反時計周りに回転すると、偏光フィルタホルダ36は反時計回りに回転して、光軸位置から退避位置に移動し、素通しフィルタ枠35は時計回りに回転して、退避位置から光軸位置に移動する(図12(b)の状態から図13(b)の状態に移動する)。
【0044】
光軸位置検出スイッチ41は、素通しフィルタ枠35が光軸位置にあることを検知するスイッチ、光軸位置検出スイッチ23は、偏光フィルタホルダ36が光軸位置にあることを検知するスイッチである。
【0045】
上記構成において、実施例2と同様に光軸上に偏光フィルタが配置されている状態で偏光フィルタを必要としない撮影に移行する場合は、フィルタ選択スイッチ12を偏光フィルタOFFにセットする。この指令を受けてモータD(37)を反時計回りに回転させると、ギア38とアイドラギア39を介して偏光フィルタホルダ36が反時計回りに回転して偏光フィルタホルダ36が光軸上から退避する。同時にギア40も反時計回りに回転するので、素通しフィルタ枠35が時計回り方向に回転移動して光軸位置まで移動し、位置検出スイッチ41が、素通しフィルタ枠35が光軸位置にあることを検知する。
【0046】
これにより、偏光フィルタが必要な撮影の場合には、偏光フィルタが光路に配置され、偏光フィルタが不要な撮影の場合には偏光フィルタに代えて素通しフィルタが光路に配置される。いずれの配置においても、光路長を一定に保つことができ、偏光フィルタの使用有無に関わらず、光路長差に起因する光学性能の低下を防止することができる。
【0047】
[その他の実施例]
偏光フィルタを使用すると、素通しフィルタを使用した場合に対する(非偏光光の)透過光量は最大でも50%に落ちるため、透過光量が50%を超える範囲は本構成では調整できない。しかし、素通しフィルタとカメラの不図示のゲイン調整を組合せることで、上記範囲の透過光量をカメラ感度で代用して調整することは可能である。即ち透過光量が50%以下の領域は偏光フィルタで光量調整が50%超の領域における撮影映像の明るさの調整は素通しフィルタとカメラのゲイン調整を組合せることで行うことができる。
【0048】
また、本発明の装置を用いれば、偏光方向の調整を行った後に光量調整を行うことや、逆に光量調整を行った後に偏光方向の調整を行うような操作が容易にできるようになる。
撮影レンズの絞りと2枚の偏光フィルタによる光量調整を組合せて、撮影シーンに合わせてプログラム化して記憶しておき、必要に応じてプログラムを呼び出すようにしてもよい。
また、2枚の偏光フィルタは撮影レンズの一部として、例えばエクステンダの場所に配置してもよい。
【0049】
更に、撮影レンズ側に偏光フィルタを1枚、撮像装置であるテレビカメラ側に偏光フィルタを1枚構成してそれらを連動制御しても、本発明の効果を得ることができる。
実施例1〜3ではフィルタ枠の移動機構の駆動源としてモータを使用した電動駆動を例示したが、これを手動で行う構成としてもよい。
また、レンズ装置が着脱可能で、レンズ装置からの被写体光を受光する撮像素子を備える撮像装置(カメラ装置)であって、レンズ装置と撮像素子の間の光路上に配置された2枚の偏光フィルタと、2枚の偏光フィルタのうち少なくとも1枚の偏光フィルタを、光軸と平行な軸を中心として回転させることが可能な回転駆動手段と、を有する撮像装置に適用することによって、本発明の効果を有する撮像装置を得ることができる。
【0050】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 テレビカメラ(撮像装置)
2 撮影レンズ(レンズ装置)
6a 第1の偏光フィルタ
6b 第2の偏光フィルタ
9 撮像素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ装置と、
該レンズ装置が接続され、該レンズ装置からの被写体光を受光する撮像素子を含む撮像装置と、
該レンズ装置と該撮像素子の間の光路上に配置された2枚の偏光フィルタと、
前記2枚の偏光フィルタのうち少なくとも1枚の偏光フィルタを、光軸と平行な軸を中心として回転させることが可能な回転駆動手段と、
を有することを特徴とする撮像システム。
【請求項2】
前記2枚の偏光フィルタは、前記レンズ装置と該撮像素子の間の光軸上に配置され、光軸を中心に互いに回転自在に保持され、
前記回転駆動手段は、前記2枚の偏光フィルタそれぞれを回転させることが可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記撮像装置は、前記撮影レンズからの被写体光を色光に分解する色分解光学系と、該色分解光学系へ入射する光の高周波成分を除去する光学ローパスフィルタと、を有し、
前記2枚の偏光フィルタは、該色分解光学系と該ローパスフィルタよりもレンズ装置側に配置される、
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記2枚の偏光フィルタそれぞれの回転角度を検出する検出手段と、
該2枚の偏光フィルタの回転角度差を指示する角度差指示手段と、
該2枚の偏光フィルタの回転角度を指示する角度指示手段と、
該検出手段によって検出された該2枚の偏光フィルタの回転角度及び該角度差指示手段又は該角度指示手段からの指示に基づいて、該2枚の偏光フィルタそれぞれの回転角度を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記レンズ装置は、絞り機構を有し、
該絞り機構の絞り値を変更せず、前記2枚の偏光フィルタの回転角度差を変更して光量を調整する第1のモード、または、該2枚の偏光フィルタの回転角度差がない状態で一の角度に設定し、該絞り機構の絞り値を変更して光量を調整する第2のモード、を選択するモード選択手段を有する、
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の撮像システム。
【請求項6】
前記撮像装置は、前記2枚の偏光フィルタを光軸位置に挿入及び抜去する偏光フィルタ挿抜手段を有し、
前記制御手段は、前記レンズ装置への入射光量の50%以下の範囲における撮影映像の明るさの調整を、該偏光フィルタ挿抜手段によって該2枚の偏光フィルタを光軸位置に配置し、前記回転駆動手段によって該2枚の偏光フィルタの回転角度差を変更して行い、前記レンズ装置への入射光量の50%超の領域における撮影映像の明るさの調整を、該偏光フィルタ挿抜手段によって該2枚の偏光フィルタを光軸位置から抜去し、前記撮像素子のゲインを調整することによって行う、
ことを特徴とする請求項4に記載の撮像システム。
【請求項7】
前記撮像装置は、前記2枚の偏光フィルタの光軸方向の空気換算長と同じ空気換算長を有し屈折力及び減光作用を持たない光学素子である素通しフィルタと、該素通しフィルタまたは該2枚の偏光フィルタのいずれか一方を光軸位置に移動するときに他方を光軸位置から退避位置へ移動するフィルタ切り替え機構と、を有することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の撮像システム。
【請求項8】
レンズ装置が着脱可能であり、該レンズ装置からの被写体光を受光する撮像素子を備える撮像装置であって、
該レンズ装置と該撮像素子の間の光路上に配置された2枚の偏光フィルタと、
前記2枚の偏光フィルタのうち少なくとも1枚の偏光フィルタを、光軸と平行な軸を中心として回転させることが可能な回転駆動手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項1】
レンズ装置と、
該レンズ装置が接続され、該レンズ装置からの被写体光を受光する撮像素子を含む撮像装置と、
該レンズ装置と該撮像素子の間の光路上に配置された2枚の偏光フィルタと、
前記2枚の偏光フィルタのうち少なくとも1枚の偏光フィルタを、光軸と平行な軸を中心として回転させることが可能な回転駆動手段と、
を有することを特徴とする撮像システム。
【請求項2】
前記2枚の偏光フィルタは、前記レンズ装置と該撮像素子の間の光軸上に配置され、光軸を中心に互いに回転自在に保持され、
前記回転駆動手段は、前記2枚の偏光フィルタそれぞれを回転させることが可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記撮像装置は、前記撮影レンズからの被写体光を色光に分解する色分解光学系と、該色分解光学系へ入射する光の高周波成分を除去する光学ローパスフィルタと、を有し、
前記2枚の偏光フィルタは、該色分解光学系と該ローパスフィルタよりもレンズ装置側に配置される、
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記2枚の偏光フィルタそれぞれの回転角度を検出する検出手段と、
該2枚の偏光フィルタの回転角度差を指示する角度差指示手段と、
該2枚の偏光フィルタの回転角度を指示する角度指示手段と、
該検出手段によって検出された該2枚の偏光フィルタの回転角度及び該角度差指示手段又は該角度指示手段からの指示に基づいて、該2枚の偏光フィルタそれぞれの回転角度を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記レンズ装置は、絞り機構を有し、
該絞り機構の絞り値を変更せず、前記2枚の偏光フィルタの回転角度差を変更して光量を調整する第1のモード、または、該2枚の偏光フィルタの回転角度差がない状態で一の角度に設定し、該絞り機構の絞り値を変更して光量を調整する第2のモード、を選択するモード選択手段を有する、
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の撮像システム。
【請求項6】
前記撮像装置は、前記2枚の偏光フィルタを光軸位置に挿入及び抜去する偏光フィルタ挿抜手段を有し、
前記制御手段は、前記レンズ装置への入射光量の50%以下の範囲における撮影映像の明るさの調整を、該偏光フィルタ挿抜手段によって該2枚の偏光フィルタを光軸位置に配置し、前記回転駆動手段によって該2枚の偏光フィルタの回転角度差を変更して行い、前記レンズ装置への入射光量の50%超の領域における撮影映像の明るさの調整を、該偏光フィルタ挿抜手段によって該2枚の偏光フィルタを光軸位置から抜去し、前記撮像素子のゲインを調整することによって行う、
ことを特徴とする請求項4に記載の撮像システム。
【請求項7】
前記撮像装置は、前記2枚の偏光フィルタの光軸方向の空気換算長と同じ空気換算長を有し屈折力及び減光作用を持たない光学素子である素通しフィルタと、該素通しフィルタまたは該2枚の偏光フィルタのいずれか一方を光軸位置に移動するときに他方を光軸位置から退避位置へ移動するフィルタ切り替え機構と、を有することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の撮像システム。
【請求項8】
レンズ装置が着脱可能であり、該レンズ装置からの被写体光を受光する撮像素子を備える撮像装置であって、
該レンズ装置と該撮像素子の間の光路上に配置された2枚の偏光フィルタと、
前記2枚の偏光フィルタのうち少なくとも1枚の偏光フィルタを、光軸と平行な軸を中心として回転させることが可能な回転駆動手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−109008(P2013−109008A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251453(P2011−251453)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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