説明

撮像装置、画像処理装置、画像処理方法

【課題】 従来の印刷効果の合成方法においては、ユーザは印刷装置で様々な設定を行う必要があり、手間がかかるという課題があった。本発明は特別な装置を用いることなく、かつ手間のかからない画像合成システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明に関する画像合成システムにおいては、撮影直前の撮像装置の動きに応じて自動で合成用画像を付加することによって、画像合成用の特別な操作をせずに画像合成を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システムに係り、特に撮像手段撮影画像に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ等で撮影した撮影画像をプリンタで印刷する場合において、ユーザの好みに応じて、画像に特殊な合成効果を付加して印刷する手段が提供されている。例えば、画像の輪郭を際立たせる「シャープネス」や輪郭をぼやかす「ソフトネス」、画像内の光源に対して擬似的にクロスフィルタを適用した効果を与える「クロスフィルタ」、星マークやふきだしなどの合成用の画像を画像内に貼り付ける「スタンプ」などがある。また、予め合成用のスタンプ画像等を用意しておき、撮影画像に合成することも可能である。
【0003】
印刷対象の撮影画像に合成効果を付加する場合、ユーザは操作ボタンやタッチペン等を使用し、合成効果モードの選択や、必要に応じて合成効果の度合い、大きさ、位置等の選択を行う。
【0004】
また特許文献1では、撮影時に光源位置を特定領域として検出することで、光源位置の領域に自動で合成用の画像を合成する手段が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−297754
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
印刷対象の画像に合成効果を付加するために、ユーザはプリンタを操作することで様々な設定を行う必要があり、手間がかかるという課題があった。
【0007】
また特許文献1によれば、自動で光源位置に合成用画像を合成するため、ユーザの操作の手間を減少させることは可能である。しかし、撮影時に予め光源を用意する必要がある。また、光源の位置は固定であるため、ユーザの所望する位置に合成用データを合成させることはできなかった。
【0008】
本発明では、光源等のような特別な装置を用いることなく、かつ手間をかけずにユーザの所望する位置に合成効果を付加できる撮像装置、画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するため、本発明の撮像装置は、画像を撮影する撮影手段を有する撮像装置であって、所定期間の撮像装置の動きに関する動き情報を取得する取得手段と、取得手段により取得した動き情報に基づいて、撮影手段により撮影した画像に合成用画像を合成する合成手段とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の画像処理装置は、撮影画像と、撮影画像が撮影された際の撮像装置の動きに関する動き情報とを取得する取得手段と、動き情報に基づいて、撮影画像に合成用画像を合成する合成手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、撮影時の所定期間の動きに応じて自動で合成効果を付加することができる。そのため、合成のための特別な操作をせずにユーザの所望する位置に合成効果を付加できる撮像装置、画像処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る撮像装置及び印刷装置の概要図である。
【図2】撮像装置の構成ブロック図である。
【図3】印刷装置の構成ブロック図である。
【図4】撮像装置での撮像処理のフローチャートを示す。
【図5】印刷装置での印刷処理のフローチャートを示す。
【図6】本発明のシステムを示す概略図である。
【図7】動き情報の構成を示す図である。
【図8】動き情報に基づく合成を説明するための概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0014】
<第1の実施形態>
<画像処理システムの構成>
図1は、班発明に係る撮像装置及び印刷装置の概要図である。本実施形態では、画像処理装置の一例として印刷装置で説明するが、画像表示装置、画像記録装置等を用いても良い。
100は被写体を撮影するデジタルカメラ等の撮像装置である。撮像装置100では、被写体の撮影及び被写体の動き情報の記録を行うことができる。
撮像装置100で記録された撮影画像データと動き情報データはメモリカード等の記録媒体200もしくはデータ通信媒体400を介して印刷装置300に転送される。データ通信媒体400は、物理的なケーブルとして有線通信を行ってもよいし、データ通信媒体400は電波として、無線通信を行ってもよい。
データを取得した印刷装置300は撮像装置100で記録した動き情報を取得して、動き情報に応じて撮影画像データに合成効果を付加して印刷する。
撮像装置側で動き情報に応じて撮影画像データに合成効果を付加し、その画像を印刷装置によって印刷するようにしても良い。
【0015】
<撮像装置の構成>
図2は撮像装置100の構成を示す図である。
100は撮像装置である。101は撮影レンズ、102は絞り機能を備えるシャッター、103は光学像を電気信号に変換する撮像素子、104は撮像素子103のアナログ信号出力をディジタル信号に変換するA/D変換器である。105は撮像素子103、A/D変換器104、D/A変換器106にクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生回路であり、メモリ制御回路107及びシステム制御回路108により制御される。109は画像処理回路であり、A/D変換器104からのデータ或いはメモリ制御回路107からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。また、画像処理回路109においては、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてシステム制御回路108が露光制御手段110、測距制御手段111に対して制御を行う。システム制御回路108や露光制御手段110、測距制御手段111では、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のオートフォーカス処理(AF処理)、自動露出処理(AE処理)、フラッシュプリ発光処理(EF)を行っている。さらに、画像処理回路109においては、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のオートホワイトバランス処理(AWB処理)も行っている。
【0016】
107はメモリ制御回路であり、A/D変換器104、タイミング発生回路105、画像処理回路109、画像表示メモリ112、D/A変換器106、メモリ113、圧縮・伸長回路114を制御する。A/D変換器104のデータが画像処理回路109、メモリ制御回路107を介して、或いはA/D変換器104のデータが直接メモリ制御回路107を介して、画像表示メモリ112或いはメモリ113に書き込まれる。
【0017】
115はTFT LCD等から成る画像表示部であり、画像表示メモリ112に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器106を介して画像表示部115により表示される。画像表示部115を用いて撮像した画像データを逐次表示すれば、電子ファインダー機能を実現することが可能である。また、画像表示部115は、システム制御回路108の指示により任意に表示をON/OFFすることが可能であり、表示をOFFにした場合には撮像装置100の電力消費を大幅に低減することができる。さらに、画像表示部115は、回転可能なヒンジ部によって撮像装置100本体と結合されており、自由な向き、角度を設定して電子ファインダー機能や再生表示機能、各種表示機能を使用することが可能である。また、画像表示部115の表示部分を撮像装置100に向けて格納することが可能であり、この場合は画像表示部開閉検知手段116により格納状態を検知することができる。ここで、格納状態にあると検知したならば画像表示部115の表示動作を停止して不要な電力消費を禁止することが可能である。
【0018】
117はD/A変換器106の出力を外部モニタに出力するコネクタである。外部出力コネクタ117にコネクタが挿されている場合は外部出力接続検知手段118によりシステム制御回路108は外部出力状態を知る事ができる。ここで、接続状態にあると検知したならば画像表示部115の代わりに外部モニタを表示装置として用いることが可能である。
【0019】
113は撮影した静止画像や動画像を格納するためのメモリであり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶量を備えている。これにより、複数枚の静止画像を連続して撮影する連写撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みをメモリ113に対して行うことが可能となる。また、メモリ113はシステム制御回路108の作業領域としても使用することが可能である。メモリ113は、記録媒体200の書き込みバッファとしても使われる。
【0020】
114は適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮伸長する圧縮・伸長回路であり、メモリ113に格納された画像を読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えたデータをメモリ113に書き込む。
110は絞り機能を備えるシャッター102を制御する露光制御手段であり、フラッシュ119と連携することによりフラッシュ調光機能も有するものである。
111は撮影レンズ101のフォーカシングを制御する測距制御手段、120は撮影レンズ101のズーミングを制御するズーム制御手段、121はバリアである保護手段122の動作を制御するバリア制御手段である。
119はフラッシュであり、AF補助光の投光機能、フラッシュ調光機能も有する。
【0021】
108は撮像装置100全体を制御するシステム制御回路、123はシステム制御回路108の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリである。システム制御回路は、メモリ123からプログラムを読み出して、読み出したプログラムに基づいて各部を制御し、後述する処理や動作を行う。
124はシステム制御回路108でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等を表示する液晶表示装置である。液晶表示装置124では、撮像装置100の操作部近辺の視認し易い位置に単数或いは複数個所設置され、例えばLCDやLED、発音素子等の組み合わせにより構成されている。
【0022】
125は光学ファインダであり、画像表示部115による電子ファインダー機能を使用すること無しに、光学ファインダのみを用いて撮影を行うことが可能である。
表示部124は、その一部の機能が光学ファインダー125内に設置されている。表示部124の表示内容のうち、LCD等に表示するものとしては、シングルショット/連写撮影表示、セルフタイマー表示、圧縮率表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示などがある。また、フラッシュ表示、赤目緩和表示、マクロ撮影表示、ブザー設定表示、時計用電池残量表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、記録媒体200の着脱状態表示、通信I/F動作表示、日付・時刻表示、等もある。また、表示部124の表示内容のうち、光学ファインダー125内に表示するものとしては、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、等がある。
126は電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばFlashROM等が用いられる。
【0023】
127、128、129及び130は、システム制御回路108の各種の動作指示を入力するための操作手段であり、スイッチやダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成される。
【0024】
ここで、これらの操作手段の具体的な説明を行う。
127はモードダイアルスイッチで、電源オフ、自動撮影モード、撮影モード(パノラマ撮影モード、動画撮影モード含む)、再生モード、マルチ画面再生・消去モード、PC接続モード等の各機能モードを切り替え設定することができる。
128はシャッタースイッチSW1で、不図示のシャッターボタンの操作途中(半押し)でONとなり、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作開始を指示する。
【0025】
129はシャッタースイッチSW2で、不図示のシャッターボタンの操作完了(完全押し)でONとなる。SW2がONとなると、撮像素子103から読み出した信号をA/D変換器104、メモリ制御回路107を介してメモリ113に画像データを書き込む露光処理を行う。さらに、メモリ制御回路107によりメモリ113から画像データを読み出し、読み出した画像データに画像処理回路109で現像処理を施し、その後、圧縮・伸長回路114で圧縮を行い、記録媒体200に画像データを書き込む記録処理を行う。この一連の撮影処理がSW2のONが入力されることにより実行される。
【0026】
130は各種ボタンやタッチパネル等からなる操作部で、メニューボタン、セットボタン、マクロボタン、マルチ画面再生改ページボタン、フラッシュ設定ボタン、単写/連写/セルフタイマー切り替えボタン、メニュー移動+(プラス)ボタン等がある。さらに、メニュー移動−(マイナス)ボタン、再生画像移動+(プラス)ボタン、再生画像−(マイナス)ボタン、撮影画質選択ボタン、露出補正ボタン、日付/時間設定ボタン等もある。
【0027】
131は電源制御手段で、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されている。ここでは、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、検出結果及びシステム制御回路108の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部へ供給する。
【0028】
132はコネクタ、133はコネクタ、134はアルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる電源手段である。
【0029】
135はメモリカードやハードディスク等の記録媒体とのインタフェース、136はメモリカードやハードディスク等の記録媒体と接続を行うコネクタ、137はコネクタ136に記録媒体200が装着されているか否かを検知する記録媒体着脱検知手段である。なお、本実施形態では記録媒体を取り付けるインターフェース及びコネクタを1系統持つものとして説明している。もちろん、記録媒体を取り付けるインターフェース及びコネクタは、単数或いは複数、いずれの系統数を備える構成としても構わない。また、異なる規格のインターフェース及びコネクタを組み合わせて備える構成としても構わない。インターフェース及びコネクタとしては、PCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等の規格に準拠したものを用いて構成して構わない。さらに、インタフェース135、そしてコネクタ136をPCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等の規格に準拠したものを用いて構成した場合、LANカードやモデムカード等の通信カードが装着できる。このような通信カードを接続することにより、他のコンピュータやプリンタ等の周辺機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を転送し合うことができる。
【0030】
200はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体200は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部201、撮像装置100とのインタフェース202、撮像装置100と接続を行うコネクタ203を備えている。また、この記録媒体200がPCMCIA規格のPC−CardやCFカード等の場合は、性能が記されている情報記憶回路を内蔵している事もある。
【0031】
138は加速度検出手段であり、撮像装置100の移動方向及び速度を検出することが可能である。なお、加速度検出手段138は、撮像装置100の姿勢を検知する手段であってもよい。
【0032】
139は通信手段で、RS232CやUSB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信、等の各種通信機能を有する。140は通信手段139により撮像装置100を他の機器と接続するコネクタ或いは無線通信の場合はアンテナである。
【0033】
141はマイクで、音声データ取得手段である。142はマイク141で得られた音声データをシステム制御回路108で取得するためにA/D変換するA/D変換器である。
【0034】
143はスピーカーで、音声データ再生手段である。144はシステム制御回路108から出力されるデジタル音声データをスピーカー143で再生するためにD/A変換するD/A変換器である。
【0035】
<印刷装置の構成>
図3は印刷装置300の構成を示す図である。
300は印刷装置である。305は、D/A変換器306にクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生回路であり、メモリ制御回路307及びシステム制御回路308により制御される。309は画像処理回路であり、メモリ制御回路307からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。307はメモリ制御回路であり、タイミング発生回路305、画像処理回路309、画像表示メモリ312、D/A変換器306、メモリ313、圧縮・伸長回路314を制御する。
【0036】
315はTFT LCD等から成る画像表示部であり、画像表示メモリ312に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器306を介して画像表示部315により表示される。メモリ313はシステム制御回路308の作業領域として使用することが可能である。メモリ313は、記録媒体200の書き込みバッファとしても使われる。
【0037】
314は適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮伸長する圧縮・伸長回路であり、メモリ313に格納された画像を読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えたデータをメモリ313に書き込む。
【0038】
308は印刷装置300全体を制御するシステム制御回路、323はシステム制御回路308の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリである。システム制御回路308は、メモリ323からプログラムを読み出して、読み出したプログラムに基づいて各部を制御し、後述する処理や動作を行う。
【0039】
324はシステム制御回路308でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等を表示する液晶表示装置である。液晶表示装置324は、印刷装置300の操作部近辺の視認し易い位置に単数或いは複数個所設置され、例えばLCDやLED、発音素子等の組み合わせにより構成されている。表示部324の表示内容のうち、LCD等に表示するものとしては、枚数表示、電池残量表示、エラー表示、記録媒体300の着脱状態表示、通信I/F動作表示、日付・時刻表示、印刷情報等がある。
【0040】
326は電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばFlashROM等が用いられる。ここには、撮影画像に合成するための合成用画像(スタンプやフレーム、吹きだし等)が複数種類記録されており、合成用画像を合成して印刷する歳には、この中から合成するものを選択して合成する。合成用画像の選択は、ユーザが行っても良いし、システム制御回路で自動的に行っても良い。330は各種ボタンやタッチパネル等からなる操作部ある。操作部として、メニューボタン、セットボタン、マルチ画面再生改ページボタン、印刷枚数+(プラス)ボタン、印刷枚数−(マイナス)ボタン、ズーム+(プラス)ボタン、ズーム−(マイナス)ボタン、印刷ボタン等がある。
【0041】
331は電源制御手段で、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されている。ここでは、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、検出結果及びシステム制御回路308の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部へ供給する。332はコネクタ、333はコネクタ、334はアルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる電源手段である。
【0042】
335はメモリカードやハードディスク等の記録媒体とのインタフェース、336はメモリカードやハードディスク等の記録媒体と接続を行うコネクタ、337はコネクタ336に記録媒体200が装着されているか否かを検知する記録媒体着脱検知手段である。なお、本実施形態では記録媒体を取り付けるインターフェース及びコネクタを1系統持つものとして説明している。もちろん、記録媒体を取り付けるインターフェース及びコネクタは、単数或いは複数、いずれの系統数を備える構成としても構わない。また、異なる規格のインターフェース及びコネクタを組み合わせて備える構成としても構わない。インターフェース及びコネクタとしては、PCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等の規格に準拠したものを用いて構成して構わない。さらに、インタフェース335、そしてコネクタ336をPCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等の規格に準拠したものを用いて構成した場合、LANカードやモデムカード等の通信カードを接続できる。このような通信カードを接続することにより、他のコンピュータやデジタルカメラ等の周辺機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を転送し合うことができる。
【0043】
200はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体200は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部201、印刷装置300とのインタフェース202、印刷装置300と接続を行うコネクタ203を備えている。また、この記録媒体200がPCMCIA規格のPC−CardやCFカード等の場合は、性能が記されている情報記憶回路を内蔵している事もある。
【0044】
339は通信手段で、RS232CやUSB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信、等の各種通信機能を有する。340は通信手段339により印刷装置300を他の機器と接続するコネクタ或いは無線通信の場合はアンテナである。350は記録紙搬送制御手段でシステム制御回路308からの指示に基づいて記録紙360を搬送する。351は印刷制御手段でシステム制御回路308からの指示に基づいてインクカセット361を制御し、記録紙搬送手段350によって搬送される記録用紙360に印刷をする。
【0045】
<画像処理システムの詳細な動作>
以下、図4〜図8を参照して、本発明に係る撮像装置および印刷装置の動作を説明する。
【0046】
まず図6において本実施形態の概略を示す。
S401において撮像装置100のシャッタースイッチSW1(128)がONになると、撮像装置の加速度検出手段138によって撮像装置100の動き情報の記憶を開始し、S402のようにSW1(がONの間は、所定時間毎に動き情報を蓄積していく。S403において撮像装置100のシャッタースイッチSW2(129)がONになると撮影処理を行う。撮影処理が終わると撮影画像とともに蓄積していた撮像装置100の動き情報501を記録媒体200に記録する。
【0047】
S404において記録媒体200もしくは撮像装置の通信手段139と印刷装置の通信手段339によって、撮影データとその撮影データに対応する撮像装置100の動き情報を印刷装置に転送する。S405において印刷装置300は撮像装置100の動き情報501を基に、撮影データに合成用画像を合成し、記録用紙に印刷して印刷物503を得ることができる。
【0048】
合成用画像を合成する際には、動きの方向に応じて、合成する画像の向きを変えて合成したり、また、動きの早さによって合成する数を変えたりすると良い、また、動きの向きや早さに応じて、合成する画像を印刷装置の不揮発性メモリ326に記録されている複数の合成用画像の中から、合成する合成用画像を印刷装置が自動的に選択してもよい。
【0049】
図4は本実施形態の撮像装置における撮像処理のフローチャートを示す。
撮像装置100が撮影モードを開始すると、S101においてシャッタースイッチSW1がON(シャッターボタンが半押し)であるかどうかを判定し、シャッタースイッチSW1がONでない場合はS101に戻る。シャッタースイッチSW1がONである場合は、S102において前述したAF、AE、AWB、EF処理等の撮影準備処理を行う。
【0050】
撮影準備処理が終わると、S103において周期的に撮像装置の動きを加速度検出手段138が検出し、検出した動き情報をメモリ113に記録して蓄積する。本実施形態では、撮影直前の撮像装置の動きに応じた様々な合成効果を自動で付加するために、一定時間、撮像装置の動き情報を記録する必要がある。そのため、動き情報を蓄積しておく。
【0051】
S104では、シャッタースイッチSW2がON(全押し)であるかどうかを判定し、シャッタースイッチSW2がONでない場合はS103に戻り、再度撮像装置の動き情報の蓄積を行う。蓄積する情報量についてはあらかじめ設定しておき、設定された量を超えた場合は、最も古い情報から順に消去または上書きして蓄積していく。また、情報を蓄積する時間間隔(周期)については、撮像装置の動きの解析を行う際に十分な情報量となるよう、あらかじめ設定しておく。
【0052】
S104においてシャッタースイッチSW2がON(シャッターボタンが全押しされた)の場合は、前述した撮影動作を行い、撮影動作で得られた撮影画像を記録媒体200に記録する(S105)。
【0053】
撮影処理が終わると、蓄積した動き情報を撮影直前の撮像装置の動き情報として記録媒体200に記録する(S106)。撮像装置の動き情報の記録については、撮影画像のExif情報等の管理情報に含めても良いし、別ファイルとして保存しても良い。また、撮影直前の撮像装置の動き情報と共に、撮影時の被写体の位置も記録しておく。
【0054】
本実施形態における動き情報の構造について、図7を参照して説明する。
【0055】
図7は撮像装置100で記録する動き情報データ600を示す図である。
動き情報データ600は<>でくくられたタグによって情報分けされており、例えば<Product>は撮像装置100の製品名が記述され、<Image>は同時に撮影された画像ファイル名が記述されている。<Size>には、画像データの縦横のサイズが記述されている。また撮影した際の合焦位置に合成用画像が重なってしまうのを避けるため<Focus>で合焦の位置を<Fsize>でオートフォーカス時の枠の大きさを記述する。合焦の位置には主被写体がある場合がおおいので、合焦の位置を記録したが、合焦の位置ではなく被写体の位置や大きさを記述してもよい。実際の撮像装置100の動きデータは<Data>に記述され、撮像装置の6つの自由度x,y,z,α,β,γの順にスペースで区切られて記述されている。x,y,zは、撮像装置がどの方向にどのくらい動いたかを表しており、α,β,γではm撮像装置をどのくらい回転させたかを表している。図7においては、ユーザはα方向に撮像装置100を回転させて動いたことが分かる。
【0056】
撮影画像と位置情報の記録が終わると、S107において撮影モードを終了するかどうかを判定し、撮影モードを終了しない場合はS101に戻る。
【0057】
図5は本実施形態の印刷装置における印刷処理のフローチャートを示す。
印刷装置300が印刷モードを開始すると、S201において撮影画像と撮影直前の撮像装置の動き情報、被写体の位置の情報を取得する。ここでは、記録媒体200から撮像装置で記録したデータを読み込むことで取得しても良いし、撮像装置100から通信手段139、339を用いて有線若しくは無線の通信によって取得しても良い。
【0058】
S202においては、S201で取得したデータを解析し、撮影前の撮影装置の動きや、撮影時の被写体の位置の解析を行う。撮像装置の移動方向や移動距離、移動速度を判定する。
【0059】
撮像装置の動きを解析した後、S203において、撮影画像に対して合成用画像を合成して画像表示部315に表示する。合成する画像の種類や数、位置については、S202において解析した被写体の動き情報に基づいて決定する。
【0060】
ここで、動き情報に基づく合成用画像の合成について、図8を参照して説明する。
図8は撮影画像に合成用画像を合成する際の概要図である。
撮影画像500とこの撮影画像に対応する動き情報501がある場合、まず合焦位置や被写体位置を確認する。また、動き情報データ501を解析し、撮像装置の動きの方向や速度を判定する。501では、<Data>タグにより撮像装置100は水平回転方向に動かされていることが分かる。そのため、撮像装置の動きに、星の合成用画像を合成している。合成する星の数は被写体の早さに合わせて調整する。また、所定値よりも動きが早い場合は彗星の合成用画像を選択する。合成する場合は、合焦位置や被写体位置、被写体の大きさの情報から、合成用画像が被写体や合焦位置にかぶらないように合成する。本実施形態では撮像装置が水平に動いているので星の合成用画像を合成したが、上下に動いている場合には、他の合成用画像を合成する。動きのパターンによって合成する画像を印刷装置が印刷装置の不揮発性メモリ326に記録されている複数の合成用画像の中から、合成する合成用画像を自動的に選択する。選択された合成用画像が、方向を持つ画像である場合には、動き情報から撮像装置が動いた移動方向を判定し、撮像装置の移動方向に合わせて合成用画像を反転したり回転してから撮影画像に合成しても良い。
【0061】
ここでの合成においては、実際に画像処理回路309によって撮影画像データに合成用画像を合成しても良いし、ユーザが合成されているように見えるように合成画像を重ねて画像表示部315に表示するだけでも良い。
【0062】
合成用画像を合成して表示した後は、S204において操作部330によるユーザ操作を受け付ける。ここでは、ユーザは合成する画像の種類及び位置を変更することが可能である。例えば、合成用画像の追加や削除、種類の変更、位置の調整などを行うことができる。合成用画像の変更を受け付けた場合はS207に遷移し、変更を反映させて画像表示部315に画像を表示させる。
【0063】
S204において合成用画像の変更ではなく、画像の合成が決定されて印刷処理の開始を指示された場合、S205において印刷処理を実行する。なお、S203において撮影画像データに合成用画像を撮影画像に実際に合成していない場合は、この印刷処理内で合成用画像を付加する処理を行ってから印刷を行う。
印刷終了後は、S206において印刷装置300が印刷モードを終了するかどうかを判定し、印刷モードを終了しない場合はS201に戻る。
【0064】
このようにして、ユーザは合成のための特別な操作を行わずに、撮影画像に合成用画像を合成することができる。
【0065】
<その他の実施形態>
以上、図1〜図8を用いて本発明の実施形態の説明を行った。
以上説明したように、本実施形態によれば、撮影時の所定期間の被写体の動きに応じて自動で合成効果を付加することができるため、合成のための特別な操作をせずにユーザの所望する位置に合成効果を付加できる撮像装置、画像処理装置を提供することができる。
【0066】
上述の実施形態では、動き情報の記録を撮像装置で、動き情報に基づく合成用画像の合成および合成結果の印刷を印刷装置で行ったが、動き情報に基づく合成用画像の合成を撮像装置で行っても良い。処理の方法は印刷での方法と同じであるため説明は省略する。また、撮像装置で合成する場合は、画像の撮影直後に、合成結果を表示して、ユーザに確認可能にすると良い。また、合成結果を記録媒体200に記録すると良い。
【0067】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【0068】
また、上述の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステム又は装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含む。従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮影する撮影手段を有する撮像装置であって、
所定期間の前記撮像装置の動きに関する動き情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した動き情報に基づいて、前記撮影手段により撮影した画像に合成用画像を合成する合成手段とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
複数の合成用画像を記憶する記憶手段を有し、
前記合成手段は、前記撮像装置の動きの尾パターンに応じて、前記複数の合成用画像の中から前記撮影画像に合成する合成用画像を選択して、前記撮影画像に合成することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記撮影手段により撮影した画像の合焦位置または被写体位置を取得し、
前記合成手段は、前記取得手段により取得した合焦位置または被写体位置を避けて合成用画像を合成することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮影手段による撮影画像の撮影を指示するためのシャッターボタンを有し、
前記所定期間は、前記シャッターボタンの半押しされてから、前記シャッターボタンが全押しされるまでの期間であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮影手段による撮影を指示するための操作部を有し、
前記所定期間は、前記操作部により撮影の準備が指示されてから、前記操作部により撮影が指示されるまでの期間であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記撮影の準備は、オートフォーカス処理、自動露出処理、オートホワイトバランス処理、フラッシュプリ発光処理のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記撮影手段による画像の撮影後に、前記合成手段により合成用画像を合成した画像を表示するための表示手段を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記動き情報を解析し、前記撮像装置の移動方向または移動速度を判定する判定手段を有し、
前記合成手段は、前記判定手段での判定結果に応じて、合成する合成用画像の数を決定することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記動き情報を解析し、前記撮像装置の移動方向を判定する判定手段を有し、
前記合成手段は、前記判定手段での判定結果に応じて、合成する合成用画像を反転または回転させ手合成することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
撮影画像と、撮影画像が撮影された際の撮像装置の動きに関する動き情報とを取得する取得手段と、
前記動き情報に基づいて、前記撮影画像に合成用画像を合成する合成手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項11】
撮影画像と、撮影画像が撮影された際の撮像装置の動きに関する動き情報とを取得する取得工程と、
前記動き情報に基づいて、前記撮影画像に合成用画像を合成する合成工程とを有することを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−130209(P2011−130209A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286904(P2009−286904)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】