説明

撮像装置、表示装置、表示装置の表示制御方法

【課題】オプチカルビューファインダーとエレクトリカルビューファインダーとを併用することで撮影画像を含み様々な情報報知機能の向上を図り、かつ、オプチカルビュー画像の状態に基づき、利便性を高める。
【解決手段】ユーザーは撮影時に、接眼部18を覗き込みながら構図を決める。対物レンズ20にユーザーの指が接近し、指掛かりを発生させる。そこで、対物レンズ20(すなわち、OVF)に指が掛かることを利用し、指掛かり対応モード(情報表示モード、補間警告モード、簡易警告モード)を選択可能とした。例えば、情報表示モードでは、対物レンズ20の下半分が指によって遮蔽されると、EVFLCD44には、各種設定のメニュー画像が表示される。ユーザーが、このメニュー表示の中から、さらに、「感度」を選択すると、感度設定制御が立ち上がる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも撮像範囲を特定して表示するファインダーであって、光学的に入力されるオプチカルビュー画像を表示するオプチカルビューファインダー(OVF)、並びに前記撮像素子によって撮像したエレクトリカルビュー画像を再生して表示するエレクトリカルビューファインダー(EVF)モードを備えた撮像装置、表示装置、並びに表示装置の表示制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、光学式(或いは枠式)ビューファインダー(OVF)に入射した光像と、電子ビューファインダー(EVF)によって表示された表示画像とをそれぞれハーフミラーを介して撮影者の肉眼に導く光学系を備えたファインダーが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1では、OVF及びEVFの長所をそれぞれ生かすことができ、鮮明なファインダー像を得ると共に撮影範囲等の情報を知ることができる。特に、ハイブリッドモードでは、OVF及びEVFが併用されることが記載されている。
【0004】
上記特許文献1において、OVF及びEVFを兼用するハイブリッドモードは、予め定められた情報を同時に表示する、所謂出力デバイスとしての機能に特化されたものである。
【0005】
また、特許文献2には、撮影レンズを介して入射される被写体からの入射光の光路を分割し、一方をファインダーで観察するための接眼レンズへ導き、他方をCCD等の撮像素子へ導く構成において、分割されて接眼レンズへと至る光路上に液晶シャッターで構成されたアイピースシャッタ(焦点板を兼用)を配置することで、選択的に接眼レンズへ画像を導くと共に、液晶シャッターを例えば情報表示デバイスとして利用して、画像と共に接眼レンズへ導くことが記載されている。
【0006】
特許文献2は、接眼レンズを覗くと、被写体画像と情報とを同時に見ることができるものの、液晶シャッターがEVFとして機能することは記載されていない。
【0007】
また、参考として、特許文献3には、レンズを通して見える被写体をユーザーが直接見えるようにするスルーレンズファインダーであって、ユーザーが該ビューファインダーを通して見るときを常に判断するための近接感知器、およびユーザーにカメラ状態情報を提供するための状態インジケータを含むビューファインダーと、ユーザーが前記ビューファインダーを通して見ているという指示に応答して、前記状態インジケータの照度を制御する制御アルゴリズムと、を備えることが記載されている。すなわち、特許文献3では、要約すると、ビューファインダー兼用インジケータがあること、並びにセンサ(近接感知器)の出力によって表示制御を行っている。
【0008】
次に、引用文献4には、撮像装置の背面側が設けられ、撮影画像を表示する第1表示部と、撮影画像に関する情報である関連情報を表示する第2の表示部を備え、第2表示部の遮蔽状態により第2表示部に表示される関連情報の表示態様を制御する表示制御部とを備えることが記載されている。すなわち、特許文献4では、要約すると、画像表示と、情報表示を情報表示部の遮蔽状態を検出して表示変更している。
【0009】
また、引用文献5には、レンズ鏡筒の被写体側の底面の周縁部にタッチセンサが設けられ、撮影時、撮影者の指等がタッチセンサに接触していると、システムコントロール回路により警告音が発せられるとともにレリーズスイッチがロックされ、指等が誤って撮影されるのを防止することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平3−292067号公報
【特許文献2】特開2002−258352号公報
【特許文献3】特開2002−199255号公報
【特許文献4】特開2010−35245号公報
【特許文献3】特開平9−297336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記背景技術(特に、特許文献1〜5)では、OVFと、EVFや液晶シャッターとを併用したり、センサを設けて撮影光路上に障害物があるときに警告等をすることは可能であるが、OVFと、EVFや液晶シャッターとがそれぞれ独立した形態となっている。すなわち、例えば、OVFは光学的に撮影被写体の覗く機能であり、EVFは必要に応じてOVFの撮影被写体にオーバラップさせて表示する機能であり、相互の機能を補うような構成にはなっていない。
【0012】
本発明は上記事実を考慮し、オプチカルビューファインダーとエレクトリカルビューファインダーとを併用することで撮影画像を含み様々な情報報知機能の向上を図り、かつ、オプチカルビュー画像の状態に基づき、利便性を高めることができる撮像装置、表示装置、表示装置の表示方法を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の発明は、少なくとも撮像素子で被写体を撮像した画像を含むエレクトリカルビュー画像を表示する表示部と、前記表示部に表示されるエレクトリカルビュー画像を接眼部へ案内する光路、並びに光学的に入力される被写体のオプチカルビュー画像の何れかの単独画像を接眼部へ案内する光路を備え、何れか一方の単独画像、或いは双方の合成画像を接眼部へ案内する画像案内手段と、を備えたファインダー部と、前記撮像素子で撮像している動画像を前記表示部に表示しながら、撮像指示操作に基づいて当該撮像素子で撮像し、当該撮像した画像をデジタル画像データとして記録する撮像モード、並びに前記撮像モードによって記録した画像を再生表示する再生モードを選択的に切り替えるモード切替手段と、前記表示部へ、前記撮像モード中における撮像に関する撮像情報、前記再生モード中における再生に関する再生情報を表示する情報表示制御手段と、前記オプチカルビュー画像の光路上の遮蔽状態を検出する遮蔽状態検出手段と、前記遮蔽状態検出手段で検出される遮蔽状態に基づいて、予め定めた複数の遮蔽パターンの内、何れかの遮蔽パターンに属するか認識する認識手段と、前記認識手段で認識され得る遮蔽パターン毎に、情報が対応付けられて記憶された記憶手段と、前記認識された遮蔽パターンに基づいて、前記記憶手段から対応する情報を読み出し、当該情報に基づく処理を実行する処理実行制御手段と、を有している。
【0014】
また、第2の発明は、少なくとも撮像素子で被写体を撮像した画像を含むエレクトリカルビュー画像を表示する表示部と、前記表示部に表示されるエレクトリカルビュー画像を接眼部へ案内する光路、並びに光学的に入力される被写体のオプチカルビュー画像の何れかの単独画像を接眼部へ案内する光路を備え、何れか一方の単独画像、或いは双方の合成画像を接眼部へ案内する画像案内手段と、を備えたファインダー部と、前記撮像素子で撮像している動画像を前記表示部に表示しながら、撮像指示操作に基づいて当該撮像素子で撮像し、当該撮像した画像をデジタル画像データとして記録する撮像モード、並びに前記撮像モードによって記録した画像を再生表示する再生モードを選択的に切り替えるモード切替手段と、前記表示部へ、前記撮像モード中における撮像に関する撮像情報、前記再生モード中における再生に関する再生情報を表示する情報表示制御手段と、前記オプチカルビュー画像の光路上の遮蔽状態を検出する遮蔽状態検出手段と、前記遮蔽状態検出手段で検出される遮蔽状態に基づいて、予め定めた複数の遮蔽パターンの内、何れかの遮蔽パターンに属するか認識する認識手段と、前記認識手段で認識された基本遮蔽パターン毎に、前記表示部に表示する前記撮像情報又は前記再生情報が対応付けられて記憶された記憶手段と、前記認識され得る遮蔽パターンに基づいて、前記記憶手段から対応する前記撮像情報又は前記再生情報を読み出し、前記表示部に表示する項目表示制御手段と、を有している。
【0015】
第1及び第2の発明において、前記表示部が、前記接眼部からのみ見ることができるように、前記ファインダー部の構成部品として組み込まれていることを特徴としている。
【0016】
第1又は第2の発明において、前記オプチカルビュー画像が前記結像部へ至る光路上に配置され、前記接眼部へ至る光を遮る遮光手段をさらに有し、前記認識手段で認識された遮蔽パターンに基づいて、前記遮光手段の遮光領域を制御し、前記オプチカルビュー画像が前記結像部へ至る光路領域を制限することを特徴としている。
【0017】
また、第1又は第2の発明において、前記遮蔽状態検出手段が、前記オプチカルビュー画像の光路の入力面に設けられたタッチセンサであることを特徴としている。
【0018】
さらに、第1又は第2の発明において、前記記憶手段には、前記撮像モードにおける撮像に不適切な状態を示す警告遮蔽パターンが記憶され、当該警告遮蔽パターンに対応付けて、撮像不適警告情報を記憶しておき、前記認識手段で、前記警告遮蔽パターンを認識した場合には、前記撮像不適警告情報に基づく報知を実行することを特徴としている。
【0019】
また、第1又は第2の発明において、前記記憶手段には、前記撮像モードにおける撮像に不適切な状態を示す補間遮蔽パターンが記憶され、当該補間遮蔽パターンに対応付けて、撮像補間情報を記憶しておき、前記認識手段で、前記補間遮蔽パターンを認識した場合には、前記撮像補間情報に基づいて、前記表示部の表示状態を補間することを特徴としている。
【0020】
さらに、第1又は第2の発明において、前記記憶手段に記憶する遮蔽パターンとして、前記遮蔽パターン、前記警告遮蔽パターン、前記補間遮蔽パターンの何れを有効とするかを選択する選択手段をさらに有している。
【0021】
第3の発明は、少なくとも撮像素子で被写体を撮像した画像を含むエレクトリカルビュー画像を表示する表示部と、前記表示部に表示されるエレクトリカルビュー画像を接眼部へ案内する光路、並びに光学的に入力される被写体のオプチカルビュー画像の何れかの単独画像を接眼部へ案内する光路を備え、何れか一方の単独画像、或いは双方の合成画像を接眼部へ案内する画像案内手段と、前記オプチカルビュー画像の光路上の遮蔽状態を検出する遮蔽状態検出手段と、前記遮蔽状態検出手段で検出される遮蔽状態に基づいて、予め定めた複数の遮蔽パターンの内、何れかの遮蔽パターンに属するか認識する認識手段と、前記認識手段で認識され得る遮蔽パターン毎に、前記表示部に表示する情報が対応付けられて記憶された記憶手段と、前記認識された遮蔽パターンに基づいて、前記記憶手段から対応する情報を読み出し、前記表示部に表示する表示制御手段と、を有している。
【0022】
第3の発明において、前記オプチカルビュー画像が前記接眼部へ至る光路上に配置され、前記接眼部へ至る光を遮る遮光手段をさらに有し、前記認識手段で認識された遮蔽パターンに基づいて、前記遮光手段の遮光領域を制御し、前記オプチカルビュー画像が前記接眼部へ至る光路領域を制限することを特徴としている。
【0023】
また、第3の発明において、前記遮蔽状態検出手段が、前記オプチカルビュー画像の光路の入力面に設けられたタッチセンサであることを特徴としている。
【0024】
第4の発明は、少なくとも撮像素子で被写体を撮像した画像を含むエレクトリカルビュー画像を表示する表示部と、前記表示部に表示されるエレクトリカルビュー画像を接眼部へ案内する光路、並びに光学的に入力される被写体のオプチカルビュー画像の何れかの単独画像を接眼部へ案内する光路を備え、何れか一方の単独画像、或いは双方の合成画像を接眼部へ案内する画像案内手段と、を備えた表示装置における画像表示制御方法であって、前記オプチカルビュー画像の光路上の遮蔽状態を検出し、前記検出される遮蔽状態に基づいて、予め定めた複数の遮蔽パターンの内、何れかの遮蔽パターンに属するか認識し、前記認識された遮蔽パターン毎に対応付けて予め記憶されている情報を読み出し、前記読み出した情報を前記表示部に表示することを特徴としている。
【0025】
第1の発明によれば、表示部と、撮像素子で撮像している動画像を表示部に表示しながら、撮像指示操作に基づいて当該撮像素子で撮像し、当該撮像した画像をデジタル画像データとして記録する撮像モード、並びに撮像モードによって記録した画像を再生表示する再生モードを選択的に切り替えるモード切替手段を備えた撮像装置である。
【0026】
記憶手段には、認識手段で認識され得る遮蔽パターン毎に、情報が対応付けられて記憶され、処理実行制御手段では、前記認識された遮蔽パターンに基づいて、前記記憶手段から対応する情報を読み出し、当該情報に基づく処理を実行する。
【0027】
第2の発明によれば、表示部と、撮像素子で撮像している動画像を表示部に表示しながら、撮像指示操作に基づいて当該撮像素子で撮像し、当該撮像した画像をデジタル画像データとして記録する撮像モード、並びに撮像モードによって記録した画像を再生表示する再生モードを選択的に切り替えるモード切替手段を備えた撮像装置である。
【0028】
記憶手段には、認識手段で認識され得る遮蔽パターン毎に、前記表示部に表示する情報が対応付けられて記憶され、表示制御手段では、前記認識された遮蔽パターンに基づいて、前記記憶手段から対応する情報を読み出し、前記表示部に表示する。
【0029】
撮像装置のおける撮像情報、再生情報としては、感度設定、画像サイズ設定、画質モード設定、Dレンジ設定等がある。また、撮像装置においては、撮影(撮像)が主体であるため、撮像情報として、撮像モードにおける撮像に不適切な状態を示す警告遮蔽パターンに対応付けて、撮像不適警告情報を記憶しておき、警告遮蔽パターンを認識した場合には、撮像不適警告情報に基づく報知を実行するようにしてもよい。
【0030】
また、撮像モードにおける撮像に不適切な状態を示す補間遮蔽パターンに対応付けて、撮像補間情報を記憶しておき、表示部の表示状態を補間するようにしてもよい。
【0031】
さらに、基本となる遮蔽パターン、警告遮蔽パターン、補間遮蔽パターンのそれぞれを独立して有効/無効とすることができるようにしてもよい。
【0032】
第3の発明によれば、接眼部を覗くと、表示部に表示されるエレクトリカルビュー画像(EVF画像)と、光学的に入力されるオプチカルビュー画像(OVF)の両方(或いは何れか一方)の画像を見ることができる。
【0033】
ここで、オプチカルビュー画像の光路が遮蔽されると、これを遮蔽状態検出手段で検出する。光路の遮蔽は、例えば、ユーザーの指掛かりが主となる。
【0034】
遮蔽状態検出手段で、前記オプチカルビュー画像の光路の遮蔽が検出されると、認識手段では、遮蔽状態に基づいて、予め定めた複数の遮蔽パターンの内、何れかの遮蔽パターンを認識する。すなわち、例えば、無数に起こり得る遮蔽領域の外形をいくつかの形状群に分類する。
【0035】
一方、記憶手段には、遮蔽パターン毎に、前記表示部に表示する情報が対応付けられて記憶されており、項目表示制御手段では、認識された遮蔽パターンに基づいて、前記記憶手段から対応する情報を読み出し、前記表示部に表示する。
【0036】
なお、情報表示を行うとき、認識手段で認識された遮蔽パターンに基づいて、遮光手段の遮光領域を制御し、オプチカルビュー画像が結像部へ至る光路領域を制限することで、重なるOVF画像が黒くなり、項目表示が見易くなる。
【0037】
第4の発明によれば、表示装置の画像表示制御方法であり、オプチカルビュー画像の光路上の遮蔽状態を検出し、検出される遮蔽状態に基づいて、予め定めた複数の遮蔽パターンの内、何れかの遮蔽パターンを認識し、認識された遮蔽パターン毎に対応付けて予め記憶されている情報を読み出し、読み出した情報を表示部に表示する。
【0038】
これにより、EVF画像とOVF画像とが互いにその機能を充分発揮し、かつ互いを補うことができ、の利便性を高めることができる。
【発明の効果】
【0039】
以上説明した如く本発明では、オプチカルビューファインダーとエレクトリカルビューファインダーとを併用することで撮影画像を含み様々な情報報知機能の向上を図り、かつ、オプチカルビュー画像の状態に基づき、利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】(A)は第1の実施の形態に係るデジタルカメラの正面図、(B)は背面図である。
【図2】第1の実施の形態に係るデジタルカメラの内部構成を示す概略ブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係るデジタルカメラにおける撮像制御系を主体として制御ブロック図である。
【図4】第1の実施の形態に係り、メインコントローラで実行される指掛かりを検出するための制御を示した機能ブロック図である。
【図5】第1の実施の形態に係るOVF指掛かり対応モード選択制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態に係る撮影モード時の指掛かり対応制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図7】第1の実施の形態に係る図6のステップ200に示す情報表示モード制御サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図8】図7のフローチャートによる情報表示モードの表示形態を示す遷移図である。
【図9】第1の実施の形態に係る図6のステップ208に示す補間警告モード制御サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図10】図9のフローチャートによる補間警告モードの表示形態を示す遷移図である。
【図11】メカニカルシャッター仕様での補間警告モードの表示形態の変形例を示す遷移図である。
【図12】第1の実施の形態に係る図6のステップ210に示す簡易警告モード制御サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図13】図12のフローチャートによる簡易警告モードの表示形態を示す遷移移図である。
【図14】変形例1に係り、(A)は対物レンズの指掛かりを光量差により検出する構成が設けられたデジタルカメラの内部構成を示す概略ブロック図、(B)は光量差を判別する回路図である。
【図15】変形例2に係り、(A)はハイスペックな一眼レフデジタルカメラの正面図、(B)は背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
(第1の実施の形態)
図1(A)に示される如く、撮像装置としてのデジタルカメラ10の正面には、被写体像を結像させるためのレンズ12Lを備えた鏡筒12が備えられており、上面には、撮像(撮影)を実行する際にユーザーによって押圧操作されるレリーズボタン(所謂シャッター)14と、電源スイッチ16と、が備えられている。
【0042】
なお、第1の実施の形態に係るレリーズボタン14は、中間位置まで押下される状態(以下、「半押し状態」という。)と、当該中間位置を超えた最終押下位置まで押下される状態(以下、「全押し状態」という。)と、の2段階の押圧操作が検出可能に構成されている。
【0043】
第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10では、レリーズボタン14を前記半押し状態にすることによりAE(Automatic Exposure、自動露出)機能が働いて露出状態(シャッタースピード、絞りの状態)が設定された後、AF(Auto Focus、自動合焦)機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き、前記全押し状態にすると撮影(撮像)が行われる。
【0044】
一方、図1(B)に示される如く、デジタルカメラ10の背面には、オプチカルビューファインダー(以下、[OVF」という)と、エレクトリカルビューファインダー(以下、「EVF」という)とが併用された接眼部18が設けられている。EVFとOVFについての詳細は後述する。なお、接眼部18に対向するように、デジタルカメラ10の正面(図1(A)参照)には、対物レンズ20が設けられている。
【0045】
また、デジタルカメラ10の背面には、撮影によって得られたデジタル画像データにより示される被写体像や各種メニュー画面、メッセージ等を表示するための背面LCD22と、撮影を行うモードである撮影モード及び撮影によって得られたデジタル画像データにより示される被写体像を背面LCD22に表示(再生)するモードである再生モードの何れかのモードに設定するために操作されるモード切替スイッチ24と、背面LCD22の表示領域における上下左右の4方向の移動方向を示す4つの矢印キー及び当該4つの矢印キーの中央部に位置された決定キーの合計5つのキーを含んで構成された十字カーソルボタン26と、が備えられている。なお、入力操作系は、前記モード切替スイッチ24、十字カーソルボタン26に限定されるものではなく、背面LCD22にタッチパネル22TP(図2参照)機能を持たせるようにしてもよい。従って、必要に応じて全ての入力操作系を総称する場合、「操作部28(図2参照)」という場合がある。
【0046】
図2には、デジタルカメラ10における内部の光路構成と、撮像画像の処理を行う制御のハード資源である制御ブロック図とが示されている。
【0047】
前記鏡筒12のレンズ12Lから入射した光は、撮像素子(第1の実施の形態ではCCD30であるが、CMOS等でもよい)で受光され、電気信号に変換されるようになっている。入射光に応じた電気信号は、メインコントローラ32に入力され、各種処理が実行される。メインコントローラ32には、鏡筒駆動ドライバ34が接続されており、鏡筒12を光軸方向に移動させ、撮影倍率や焦点距離を変更するようになっている。
【0048】
また、メインコントローラ32には、LCDI/F36を介して、前記背面LCD22が接続されると共に、モード切替スイッチ24や十字カーソルボタン26を含む操作部28が接続されている(背面LCD22がタッチパネル機能を備える場合は、このタッチパネル22TPも含むものとする)。
【0049】
さらに、メインコントローラ32には、外部メモリI/F38(リーダ/ライタ兼用)が接続され、この外部メモリI/F38に装填されるメモリカード40へ画像データを記録したり、メモリカード40から画像データを取得する。
【0050】
ここで、第1の実施の形態では、メインコントローラ32に、EVF/OVFの併用ファインダー(ハイブリッドファインダー)を実現するために、LCDI/F42を介して表示部としてEVFLCD44が接続されると共に、遮光手段としての液晶シャッター46が接続されている。
【0051】
すなわち、図2に示される如く、デジタルカメラ10の内部において、接眼部18には、光学的に被写体画像(オプチカルビュー画像)を案内する光路48と、表示部としてのEVFLCD44に表示された画像(エレクトリカルビュー画像)を案内する光路50とが設けられ、双方の光路48、50は、前記接眼部18の手前でハーフミラー52によって一致される(同軸)ようになっている。このため、ユーザーが接眼部18を覗くと、オプチカルビュー画像とエレクトリカルビュー画像の双方を見ることが可能となっている。なお、第1の実施の形態では、デフォルト設定として、EVFLCD44の表示はオフとし、OVF画像のみで撮影するようになっている。
【0052】
また、第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10では、EVFLCD44として発光ダイオード式バックライト(以下、「LED式バックライト」という。)を備えたLCDが適用され、前記背面LCD22として光電管式バックライトを備えたLCDが適用されているが、これに限定されるものではない。
【0053】
上記接眼部18、対物レンズ20、EVFLCD44、ハーフミラー52(並びに、光路48,50)は、第1の実施の形態のデジタルカメラ10のファインダー部構成し、撮影時に、ユーザーが接眼部を覗くことで、被写体を確認することができるようになっている。すなわち、EVFLCD44は、背面LCD22とは異なり、ファインダー部の一構成部品として機能する。
【0054】
図3には、第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10における、主として撮像処理制御系の構成を説明する。
【0055】
デジタルカメラ10は、前述のレンズ12Lを含んで構成され、鏡筒駆動ドライバ34によって光軸方向へ移動する鏡筒12と、鏡筒12の光軸後方に配設されたCCD30と、相関二重サンプリング回路(以下、「CDS」という。)を含んで構成されたアナログ信号処理部54と、入力されたアナログ信号をデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換器(以下、「ADC」という。)56と、所定容量のラインバッファを内蔵し、かつ入力されたデジタル画像データを後述するメモリ58の所定領域に直接記憶させる制御を行うと共に、デジタル画像データに対して各種の画像処理を行うデジタル信号処理部60と、を含んで構成されている。
【0056】
ここで、アナログ信号処理部54のCDSによる相関二重サンプリング処理は、固体撮像素子の出力信号に含まれるノイズ(特に熱雑音)等を軽減することを目的として、固体撮像素子の1画素毎の出力信号に含まれるフィードスルー成分レベルと画素信号成分レベルとの差をとることにより正確な画素データを得る処理である。
【0057】
一方、デジタルカメラ10は、デジタル画像データにより示される画像やメニュー画面等を背面LCD22に表示させるための信号を生成して背面LCD22に供給するLCDI/F62と、デジタル画像データにより示される画像やメニュー画面等をEVFLCD44に表示させるための信号を生成してEVFLCD44に供給するLCDI/F64と、デジタルカメラ10全体の動作を司るCPU(中央処理装置)66と、主として撮影により得られたデジタル画像データを記憶するVRAM(Video RAM)により構成されたメモリ58と、スマートメディア(Smart Media(登録商標))により構成されたメモリカード40をデジタルカメラ10でアクセス可能とするための外部メモリI/F38と、所定の圧縮形式でデジタル画像データに対して圧縮処理を施す一方、圧縮処理されたデジタル画像データに対して圧縮形式に応じた伸張処理を施す圧縮・伸張処理回路68と、を含んで構成されている。
【0058】
デジタル信号処理部60、LCDI/F62、64、CPU66、外部メモリI/F38、及び圧縮・伸張処理回路34はシステムバス70を介して相互に接続されている。従って、CPU66は、デジタル信号処理部60及び圧縮・伸張処理回路68の作動の制御、背面LCD22及びEVFLCD44に対する各種情報の表示、メモリ58及びメモリカード40へのアクセスを行うことができる。
【0059】
一方、デジタルカメラ10には、主としてCCD30を駆動させるためのタイミング信号を生成してCCD30に供給するタイミングジェネレータ72が備えられており、CCD30の駆動はCPU66によりタイミングジェネレータ66を介して制御される。
【0060】
CPU66は、CCD30による撮像によって得られた画像のコントラスト値が最大となるように合焦制御を行う(TTL「Through The Lens」方式)。
【0061】
ここで、第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10においては、デフォルトがOVFであり、撮影(撮像)時に接眼部18を覗きながら、撮像画角を決める(構図を決めるとき)。このとき、撮影者の手(指)は、前記接眼部18と対向してデジタルカメラ10の前面に設けられている対物レンズ20の近傍を把持することが多い(一例として、図10〜図13参照、詳細後述)。
【0062】
そこで、第1の実施の形態では、対物レンズ20への指掛かりに対する対応モードとして、情報表示指示モードと警告モードを選択可能としている。
【0063】
この対応モードは、例えば、前記十字カーソルボタン26の操作による初期設定等によって予め何れかを選択(両方非選択も含む)されるようになっている(図5のフローチャート参照、詳細後述)。
【0064】
情報表示指示モードは、対物レンズ20の指掛かりを積極的に利用するモードであり、警告モードは、指掛かりがあることをユーザーに報知するモードである。
【0065】
上記何れの対応モードであっても、対物レンズ20への指掛かりによる遮蔽状態を検出する手段が必須であり、第1の実施の形態では、対物レンズ20の表面にタッチパネルセンサ74(図2参照)を設けている。
【0066】
なお、遮蔽状態を検出する手段としては、タッチパネルセンサ74に限られるものではなく、対物レンズ20の表面温度変化、EVFLCDに表示される画像との光量差等を用いて検出する構成であってもよい。
【0067】
さらに、第1の実施の形態では、対物レンズ20の裏面側(デジタルカメラ10の内部側)に、遮光手段として液晶シャッター46が配置されている。なお、遮光手段は、必要最小限の機能として、OVFにより入射する光を遮光する役目を有していればよく、メカニカルなシャッター膜等を用いてもよいが、遮光する領域を画素単位で設定可能な液晶シャッター46が最適である。
【0068】
(情報表示指示モード)
この情報表示指示モードでは、対物レンズ20を指等で遮蔽する領域の形状(遮蔽パターン)と、表示項目とを予め対応付けて記憶しておき、ユーザーが意図的に対物レンズ20に指をかざすことで、操作部28の操作に代えて、EVFLCD44(背面LCD22の併用可)上に撮像モード中における撮像に関する撮像情報や、再生モード中における再生に関する再生情報(以下、「情報画像」という)を表示するようにしている。
【0069】
情報画像は、さらに細分化されて項目情報(感度設定、画像サイズ変更、画質モード変更、Dレンジ調整、次頁等)が表示されるようになっており、その細分化された領域をさらに遮蔽することで、遮蔽された項目が実行される。
【0070】
(警告モード)
警告モードには、(1)簡易警告モードと、(2)補間警告モードとが設定されている。
(1)簡易警告モードでは、指掛かりがあると、その指掛かりによって暗くなった領域に対応するEVFLCD44の表示領域に、文字等を用いて、指掛かりがある旨を表示を実行する。この表示は、OVFの画像と合成された状態でユーザーの目に入ることになる。
(2)補間警告モードでは、指掛かりがあると、その指掛かりによって暗くなった領域に対応するEVFLCD44の表示領域に、CCD30で撮像した動画像(スルー画)を表示する。すなわち、指掛かりでOVFでは見えなくなった領域をEVFで補間するものである。
【0071】
図4は、メインコントローラ32を中心とした、対物レンズ20への指掛かり対応のための各種モードの実行制御のための機能ブロック図である。なお、この図4のブロックは、機能別に分類したものであり、ハード構成を限定するものではない。例えば、ソフトプログラムによって処理が実行されることを含む。
【0072】
タッチパネルセンサ74は、指掛かり領域認識部100に接続されている。指掛かり領域認識部100では、タッチパネル74で検出した指掛かり領域に基づいて、例えば、予め設定しておいた複数の遮蔽パターンの中の何れに属するかを判定し、特定の遮蔽パターンを認識する。
【0073】
指掛かり領域認識部100は、現モード判別部102及び照合部104に接続されている。
【0074】
現モード判別部102は、遮蔽パターン認識モード登録部106に接続されており、前記指掛かり領域認識部100から信号を受けると、予め操作部28の操作によって設定登録された遮蔽パターン認識モードを読み出し、現在設定されているモードを判別する。現モード判別部102において、判別した結果は、前記照合部104とモード別読出部108へ送出する。
【0075】
また、照合部104では、指掛かり領域認識部100から入力される遮蔽パターンが、前記判別されたモードにおいて、なにを意味するものかを照合する。
【0076】
例えば、設定モードが情報表示モードである場合は、照合部104では、前記モード別読出部108を介して、記憶部110に記憶された情報表示モード用テーブル110Aを読み出し、遮蔽パターン毎に設定された項目種情報に対応するかを照合する。
【0077】
なお、第1の実施の形態では、指掛かりによる遮蔽領域(遮蔽パターン)と、表示されるメニュー画像との関係が、以下の表1に基づいてテーブル化されて情報表示モード用テーブル110Aとして記憶されている。
【0078】
【表1】

【0079】
なお、上記表1は一例であり、デジタルカメラ10が持つ機能の何れを、遮蔽パターンに対応させてもよい。また、操作部22の代りである必要もなく、遮蔽パターン専用の項目種情報を設けてもよい。
【0080】
前記照合部104で遮蔽パターンに対応し項目種情報が照合されると、当該項目種情報は、処理実行制御部112へ送出される。
【0081】
次に、設定モードが警告モード(簡易警告モード)である場合は、照合部104では、遮蔽された領域を認識する。また、前記記憶部110には、警告メッセージデータメモリ部110Bが構築されており、複数の警告メッセージデータが記憶されている。
【0082】
前記照合部104で遮蔽パターンを認識すると、前記モード別読出部108を制御して、当該遮蔽パターン領域内に収容可能な警告メッセージを、前記記憶部110から読み出し、処理実行制御部112へ送出する。
【0083】
さらに、設定モードが警告モード(補間警告モード)である場合は、照合部104では、指掛かり領域認識部100で認識した遮蔽パターン情報に、EVF表示指示情報を付加して、処理実行制御部112へ送出する。これにより、処理実行制御部112では、CCD30で撮像した動画像の内、遮蔽パターンとほぼ同一領域分だけを抽出して、EVFLCD44に表示するように制御する(補間画像表示制御)。
【0084】
処理実行制御部112には、指定項目実行指示部114が接続され、前記情報表示モードにおいて、特定された項目情報に基づいて、実行指示を出力する。
【0085】
また、処理実行制御部112には、液晶シャッター46が接続されており、指掛かり発生時に指掛かり領域が中途半端な漏れ光とならないように、当該遮蔽パターンに応じて液晶シャッター46を駆動して完全に遮光するようになっている。なお、液晶シャッター46は必須ではないが、この液晶シャッター46による遮光によって、例えば、警告メッセージの表示時、或いは、補間画像表示時の画像が見易くなる。また、液晶シャッター46に代えて、メカニカルな膜状のシャッター(上下のみ移動、或いは左右のみ移動するメカニカルシャッター)であってもよい。
【0086】
さらに、処理実行制御部112には、LCDI/F42を介してEVFLCD44が接続されている。なお、処理実行制御部112には、必要に応じて、LCDI/F36を介して背面LCD22が接続されている(図2の鎖線ブロック図参照)。
【0087】
次に、第1の実施の形態に係る作用を説明する。
【0088】
(通常の撮像/再生動作)
デジタルカメラ10が、撮像モードに切り替えられている場合、鏡筒12内のレンズ12Lを介した撮像によってCCD30から出力された被写体像を示す信号は順次アナログ信号処理部54に入力されて相関二重サンプリング処理等のアナログ信号処理が施された後にADC56に入力され、ADC56は、アナログ信号処理部54から入力されたR(赤)、G(緑)、B(青)の信号を各々8〜12ビットのR、G、B信号(デジタル画像データ)に変換してデジタル信号処理部30に出力する。
【0089】
デジタル信号処理部60は、ラインバッファにADC56から順次入力されるデジタル画像データを蓄積して一旦メモリ58の所定領域に格納する。
【0090】
メモリ58の所定領域に格納されたデジタル画像データは、CPU66による制御下でデジタル信号処理部60によって読み出され、これらに所定の物理量に応じたデジタルゲインをかけることでホワイトバランス調整を行なうと共に、ガンマ処理及びシャープネス処理を行なって8ビットのデジタル画像データを生成し、更にYC信号処理を施して輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cb(以下、「YC信号」という。)を生成し、YC信号をメモリ58の上記所定領域とは異なる領域に格納する。
【0091】
なお、第1の実施の形態に係る背面LCD22は、CCD30による連続的な撮像によって得られた動画像(所謂「スルー画像」)を表示してファインダーとして使用することができるものとして構成されているが、このように背面LCD22をファインダーとして使用する場合には、生成したYC信号(映像信号)を、LCDI/F62を介して順次背面LCD22に出力する。これによって背面LCD22にスルー画像が表示されることになる。これは、EVFLCD44においても同様である。
【0092】
ここで、レリーズボタン14がユーザーによって半押し状態とされた場合、前述のようにAE機能が働いて露出状態が設定された後、AF機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態とされた場合、この時点でメモリ58に格納されているYC信号を、圧縮・伸張処理回路68によって所定の圧縮形式(第1の実施の形態では、JPEG形式)で圧縮した後に外部メモリI/F38を介してメモリカード40に記録することによって撮影が行われる。
【0093】
一方、メモリカード40(又はメモリ66)に記憶された画像データは、背面LCD22(又は、EVFLCD44)に表示させることができる。すなわち、デジタルカメラ11を、撮像モードから再生モードに切り替えると、背面LCD22(EVFLCD44)は、前述のようなスルー画像ではなく、既にメモリカード40(又はメモリ66)に記憶された画像データを読み出して表示する。この表示は背面LCD22(EVFLCD44)の表示領域に1枚分の画像を表示することを基準として、2枚以上、或いは1枚の画像のトリミング画像を操作部28の操作によって表示させることができる。
(OVF/EVF兼用ファインダーを利用した表示制御)
ここで、第1の実施の形態では、基本的(デフォルト)にはOVF仕様であるため、ユーザーは撮影時に、接眼部18を覗き込みながら構図を決めるようになっている。
【0094】
このとき、デジタルカメラ10を把持すると、接眼部18に対向して設けられた対物レンズ20にユーザーの指が接近し、場合によっては指掛かりを発生させることになる。
【0095】
そこで、第1の実施の形態では、対物レンズ20(すなわち、OVF)に指が掛かることを想定し(利用し)、指掛かり対応モードを設定した。
【0096】
以下に指掛かり対応モードについて、フローチャート(図5〜図7、図9、図12、図14)、並びに遷移図(図8、図10、図11、図13)に基づいて説明する。
【0097】
図5は、操作部28の操作によって、ツリー構造のメニューからOVF指掛かり対応モードの選択の項目が指定された場合に実行される、OVF指掛かり対応モードの選択制御ルーチンを示すフローチャートである。なお、出荷段階(デフォルト)で何れのモードに設定しておくかは、特に限定されるものではない。また、この図5において設定したモードは、電源オフでは消滅せず、電池切れ等でデフォルトに戻るようにしてもよい。
【0098】
(モード登録制御)
図5のステップ150では、まず、モード項目が表示され、次いでステップ152へ移行して現在されているモードを強調表示する。
【0099】
次のステップ154では、操作部28の操作等により選択操作があったか否かが判断される。このステップ154で肯定判定されると、ステップ156へ移行して選択されたモードへ強調表示を切り替えて、ステップ158へ移行する。なお、ステップ154で否定判定された場合は、ステップ162へ移行する。
【0100】
前記ステップ158では、操作部28等の操作によって、現在選択されているモードを決定する操作があったか否かが判断される。このステップ158で肯定判定されると、ステップ160へ移行して、選択されたモードを登録し、ステップ162へ移行する。なお、ステップ158で否定判定された場合は、ステップ162へ移行する。
【0101】
ステップ162では、操作部28の操作等によって、上位メニューへの移行操作があったか否かが判断される。このステップ162で否定判定された場合は、ステップ154へ戻り、上記工程を繰り返す。また、ステップ162で肯定判定された場合は、ステップ164へ移行して、上位メニュー表示に遷移させ、このルーチンは終了する。
【0102】
(指掛かり対応制御メインルーチン)
次に、図6は、撮影モード時に実行される、指掛かり対応制御のメインルーチンであり、ステップ200では、指掛かりを検出したか否か(第1の実施の形態では、タッチパネルセンサ74の検出に基づく。)が判断される。このステップ200で否定判定された場合は、このルーチンは終了する。
【0103】
また、ステップ200で肯定判定されると、ステップ202へ移行して、登録されている指掛かりモードを読み出し、次いでステップ204へ移行して登録モードに基づいて、モード制御を判定する。
【0104】
すなわち、ステップ204で登録モードが情報表示モードと判定された場合は、ステップ206へ移行して、後述する図7のフローチャートに基づいて、情報表示モード制御を実行する。
【0105】
また、ステップ204で登録モードが補間警告モードと判定された場合は、ステップ208へ移行して、後述する図9のフローチャートに基づいて、補間警告モード制御を実行する。
【0106】
さらに、ステップ204で登録モードが簡易警告モードと判定された場合は、ステップ210へ移行して、後述する図12のフローチャートに基づいて、簡易警告モード制御を実行する。
【0107】
(情報表示モード制御サブルーチン)
図7は、前記図6のステップ206で実行される情報表示モード制御サブルーチンを示すフローチャートである。
【0108】
ステップ250では、指掛かり領域を特定し、次いでステップ252へ移行して液晶シャッター46により、指掛かり領域の遮光処理を実行する。次のステップ254では、予め設定した複数の遮蔽パターンの中から、前記指掛かり領域に近似する遮蔽パターンを認識し、次いでステップ256へ移行して記憶部110から情報表示モードテーブル110Aを読み出し、ステップ258へ移行する。
【0109】
ステップ258では、情報表示モードテーブル110Aに基づいて、前記認識された遮蔽パターンに対応する情報項目種を特定する。すなわち、前記表1に示される如く、大分類として、全て遮蔽、一部遮蔽、遮蔽領域の変化に分類され、遮蔽パターンに対応して、初期設定、或いはユーザー設定等によって登録され、情報表示モードテーブル110Aとして記憶されることで特定される。
【0110】
次のステップ260では、EVFLCD44に情報表示項目を表示し、必要に応じて背面LCD22にも表示して(ステップ262)、ステップ264へ移行する。
【0111】
ステップ264では、指掛かり領域変化があったか否か判断される。このステップ264で肯定判定されると、ステップ266へ移行して指掛かりを検出しなくなったか(未検出か)否かが判断される。ステップ266で否定判定されると、指掛かりが継続され、かつ指掛かり領域が変化したと判断し、ステップ250へ戻り上記工程を繰り返す。指掛かり領域の変化は、別の情報項目に変化する場合もあるし、一連の動作として認識して情報項目が特定される場合もある。
【0112】
前記ステップ264で否定判定(指掛かり領域に変化なし)された場合は、ステップ268へ移行して、情報項目を選択する指掛かりがあったか否か判断される。このステップ268で肯定判定された場合は、表示されている情報項目の実行を指示するものと判断し、ステップ270へ移行して選択された情報項目の実行ルーチンへ移行して、このルーチンは終了する。また、ステップ268で否定判定された場合は、ステップ264へ戻る。さらに、ステップ266で肯定判定(指掛かりを検出しなくなった)された場合は、ステップ272へ移行して、通常表示へ復帰し、このルーチンは終了する。
【0113】
なお、指掛かりの一連の動作には、一旦(一瞬)、指を対物レンズ74から離す場合もあるので、適宜タイマ処理等を実行する、或いは、所謂ダブルクリック等の特別な動作(ENTER処理)を別途定めておく等して、それぞれの判断を行うようにすることが好ましい。
【0114】
図8は、情報表示モードでの、OVF画像とEVF画像の複合画像(接眼部18から見える画像)の遷移を示したものである。
【0115】
図8(A)は、指掛かりが無い状態(通常状態)であり、接眼部18には、OVF画像が見える。
【0116】
図8(B)は、対物レンズ20の下半分が指によって遮蔽された状態であり、この状態では、接眼部18は、下半分が暗く(見えなく)なっている。この状態を検出(第1の実施の形態では、タッチパネルセンサ74により検出)すると、EVFLCD44には、各種設定(感度、画像サイズ、画質モード、Dレンジ、次頁等)のメニュー画像が表示される。なお、このとき、EVFLCD44におけるOVF画像が見ている領域に対応する領域は、黒表示とすることが好ましい。
【0117】
ユーザーは、このメニュー表示の中から、「感度」を選択する場合は、「感度」と表示されている領域を、所定時間遮蔽する、或いはダブルクリックすることで、感度設定制御が立ち上がる。
【0118】
図8(C)は、対物レンズ20の全領域が指によって遮蔽された状態であり、この状態では、接眼部18は、全てが暗く(何も見えなく)なっている。この状態を検出(第1の実施の形態では、タッチパネルセンサ74により検出)すると、再生モードへの切替指示であると判断し、EVFLCD44には、再生画像が表示される。なお、このとき、EVFLCD44の一部には、次頁指示並びに再生画像特定番号が表示され、ユーザーは、EVFLCD44の見ながら(接眼部18を覗きながら)、再生画像を順次見ることができる。
【0119】
図8(D)は、対物レンズ20の一部(OVF画像の中の特定の画像(ここでは人物))の領域が指によって遮蔽された状態であり、この状態では、接眼部18は、特定の人物が暗く(見えなく)なっている。この状態を検出(第1の実施の形態では、タッチパネルセンサ74により検出)すると、AF位置の特定であると判断し、OVF画像からEVF画像(EVFLCD44の表示画像)に切り替わり、かつ、AFポイントが枠等で表示される。なお、このAF動作が終了した時点で、EVFLCD44の表示を終了し、OVF画像のみとしてもよいし、撮影が終了するまで、EVFLCD44の表示を継続してもよい。また、顔認識等の画像の状態を認識することを併用すれば、より効果的である。
【0120】
(補間警告モード制御サブルーチン)
図9は、前記図6のステップ208で実行される補間警告モード制御サブルーチンを示すフローチャートである。
【0121】
ステップ300では、指掛かり領域を特定し、次いでステップ302へ移行して液晶シャッター46により、指掛かり領域の遮光処理を実行する。次のステップ304では、CCD30で撮像した動画像(スルー画)を読み出し、次いでステップ306へ移行してEVFLCD44へ指掛かり領域のみスルー画を表示する。なお、このとき、スルー画を表示しない領域は黒表示が好ましい。
【0122】
次のステップ308では、指掛かり領域変化があったか否か判断される。このステップ308で否定判定された場合は、現状の表示形態を継続する。また、ステップ308で肯定判定されると、ステップ310へ移行して指掛かりを検出しなくなったか(未検出か)否かが判断される。ステップ310で否定判定されると、指掛かりが継続、かつ指掛かり領域が変化したと判断し、ステップ300へ戻り、上記工程を繰り返す。すなわち、指掛かり領域の変化により、EVFLCD44に表示するスルー画の表示領域を変更する必要があるためである。
【0123】
また、ステップ310で肯定判定(指掛かりがなくなった)された場合は、ステップ312へ移行して、通常表示へ復帰し、このルーチンは終了する。
【0124】
図10は、第1の実施の形態に係る補間警告モードでの、OVF画像とEVF画像の複合画像(接眼部18から見える画像)の遷移を示したものである。
【0125】
図10(A)は、対物レンズ20の下半分が指によって遮蔽された状態であり、この状態では、接眼部18は、下半分が暗く(見えなく)なっている。この状態を検出(第1の実施の形態では、タッチパネルセンサ74により検出)すると、EVFLCD44には、遮蔽された領域のスルー画を表示する。この結果、OVF画像とEVF画像とが合成され、全ての画像領域を見ることができる。
【0126】
図10(B)は、対物レンズ20に向かって左半分が指によって遮蔽された状態であり、この状態では、接眼部18では、向かって右半分が暗く(見えなく)なっている。この状態を検出(第1の実施の形態では、タッチパネルセンサ74により検出)すると、EVFLCD44には、遮蔽された領域のスルー画を表示する。この結果、OVF画像とEVF画像とが合成され、全ての画像領域を見ることができる。
【0127】
図10(C)は、対物レンズ20に向かって右半分が指によって遮蔽された状態であり、この状態では、接眼部18では、向かって左半分が暗く(見えなく)なっている。この状態を検出(第1の実施の形態では、タッチパネルセンサ74により検出)すると、EVFLCD44には、遮蔽された領域のスルー画を表示する。この結果、OVF画像とEVF画像とが合成され、全ての画像領域を見ることができる。
【0128】
なお、当然、指掛かり領域が変化すれば、EVFLCD44の表示領域も変化する。より簡易的には、指掛かりが検出された時点で、EVFLCD44を全領域でスルー画を表示しておいてもよいが、基本的には、OVF画像のメリット(応答性等)が薄れるため、指掛かり領域のみの表示が好ましい。
【0129】
(補間警告モードの変形例「メカニカルシャッター仕様」)
図11は、第1の実施の形態の補間警告モードの変形例であり、液晶シャッター46の代わりにメカニカルシャッタ(左右動作)46Mを用いた場合での、OVF画像とEVF画像の複合画像(接眼部18から見える画像)の遷移を示したものである。この図11(A)において、遮蔽パターンは、前記図10(C)に対応している。
【0130】
すなわち、図11(A)に示される如く、対物レンズ20に向かって右半分が指によって遮蔽されると、接眼部18では、向かって左半分が暗く(見えなく)なる(図11(B)参照)。
【0131】
そこで、図11(C)に示される如く、メカニカルシャッター46Mを動作させて、指掛かり領域を隠す。このメカニカルシャッターによって隠した領域に対応して、EVFLCD44には、遮蔽された領域のスルー画を表示する(図11(D)参照)。この結果、図11(E)に示される如く、OVF画像とEVF画像とが合成され、全ての画像領域を見ることができる。
【0132】
なお、この変形例では、左から徐々に遮蔽する動作をするメカニカルシャッター46Mのみとしたが、右から動作するもの、上から動作するもの、下から動作するもの、絞り機構のように周囲から中心に向けて動作するもの、筋状に配列されたブラインドが独立して動作するもの等、別の動作をするメカニカルシャッターでもよいし、複数を併用してもよい。
【0133】
(簡易警告モード制御)
図12は、前記図6のステップ210で実行される簡易警告モード制御サブルーチンを示すフローチャートである。
【0134】
ステップ350では、指掛かり領域を特定し、次いでステップ352へ移行して液晶シャッター46により、指掛かり領域の遮光処理を実行する。次のステップ354では、指掛かり領域内に入るように、警告メッセージを作成し、次いでステップ356へ移行してEVFLCD44へ指掛かり領域に警告メッセージを表示する。なお、このとき、警告メッセージは、白文字(或いは相対的に明るい色の文字)、背景は黒表示(相対的に暗い色)が好ましい。
【0135】
次のステップ358では、指掛かり領域変化があったか否か判断される。このステップ358で否定判定された場合は、現状の表示形態を継続する。また、ステップ358で肯定判定されると、ステップ360へ移行して指掛かりを検出しなくなったか(未検出か)否かが判断される。ステップ360で否定判定されると、指掛かりが継続、かつ指掛かり領域が変化したと判断し、ステップ350へ戻り上記工程を繰り返す。すなわち、指掛かり領域の変化により、EVFLCD44に表示する警告メッセージの表示領域や大きさを変更する必要があるためである。
【0136】
また、ステップ360で肯定判定(指掛かりがなくなった)された場合は、ステップ362へ移行して、通常表示へ復帰し、このルーチンは終了する。
【0137】
図13は、簡易警告モードでの、OVF画像とEVF画像の複合画像(接眼部18から見える画像)の遷移を示したものである。
【0138】
図13(A)は、指掛かりが無い状態(通常状態)であり、接眼部18には、OVF画像が見える。
【0139】
図13(B)は、対物レンズ20の下半分が指によって遮蔽された状態であり、この状態では、接眼部18は、下半分が暗く(見えなく)なっている。この状態を検出(第1の実施の形態では、タッチパネルセンサ74により検出)すると、EVFLCD44には、指掛かりがあることを示す警告メッセージをEVFLCD44の下半分に表示される。なお、このとき、EVFLCD44におけるOVF画像が見ている領域に対応する領域は、黒表示とすることが好ましい。
【0140】
図13(C)は、対物レンズ20の全領域が指によって遮蔽された状態であり、この状態では、接眼部18は、全てが暗く(何も見えなく)なっている。この状態を検出(第1の実施の形態では、タッチパネルセンサ74により検出)すると、EVFLCD44には、指掛かりがあることを示す警告メッセージをEVFLCD44の全領域に表示される。
【0141】
図13(D)は、対物レンズ20の一部の領域が指によって遮蔽された状態であり、この状態では、接眼部18は、当該一部の領域が暗く(見えなく)なっている。この状態を検出(第1の実施の形態では、タッチパネルセンサ74により検出)すると、EVFLCD44には、指掛かりがあることを示す警告メッセージをEVFLCD44の下半分に表示される。なお、このとき、EVFLCD44におけるOVF画像が見ている領域に対応する領域は、黒表示とすることが好ましい。
【0142】
なお、第1の実施の形態では、指掛かり対応モードとして、情報表示モード、補間警告モード、簡易警告モードの3種類を選択的に適用可能としたが、何れか1つのモードを固定的に使用してもよい。
【0143】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、図5に示すモード登録制御において、登録するモードを、図6に示す、情報表示モード、補間警告モード、簡易警告モードとしたが、登録するモードとしては、上記モード種に限定されるものではない。
【0144】
そこで、第2の実施の形態では、モード種撮として、撮影アシストモードを設定した。撮影アシストモードは、指掛かりの検出によって、レリーズボタン14の操作と同等の機能を持たせるものである。
【0145】
撮影は、基本的には、前記レリーズボタン14の全押し(半押しでのピント調整を含む)によって実行される。しかしながら、所謂シャッターチャンスを逃さずに、迅速に撮影する場合に半押し状態で一旦止めずに全押ししたとしても、レリーズボタン14の押圧ストローク、並びに押圧力等により、撮影時期が遅延する場合がある。
【0146】
そこで、シャッターチャンスを重視するような撮影状況のとき、前記指掛かり対応モードとして、撮影アシストモードを登録する。
【0147】
この撮影アシストモードの基本的の操作としては、以下の手順で実行される。
(手順1) 図8(D)に示すように、フォーカス領域を特定するための指掛かり動作を行い(EVFLCD44によるフォーカス枠表示)、AF動作を実行する。これは、表1に示す分類2に相当するものである。
(手順2) その後、例えば、対物レンズ20の上から下への一連の指掛かり動作を検出したら、撮影する。これは、表1に示す分類3に相当するものであり、表1では、記載を省略したが、撮影アシストモードにおいて、例えば、上から下への動作が「フォーカス後撮影実行」に対応させておけばよい。
【0148】
この第2の実施の形態によれば、ユーザーは、手順1→手順2に従った操作を、接眼部18を覗きながら、対物レンズ20への指タッチで行うことができるため、特に、動きの早い被写体に対して、迅速にフォーカス領域を定め、かつ迅速に撮影することが必要な状況に有用となる。
【0149】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態は、前記第2の実施の形態で示した撮影アシストモードの簡易版であり、フォーカスは固定(例えば、絞り機構を絞っておき、焦点深度を深くしておいてもよい)で、とにかくシャッターチャンスの逃さないための操作を追加してもよい。
【0150】
手順としては、例えば、対物レンズ20の左右の動作を検出したら、撮影する。これは、表1に示す分類3に相当するものであり、表1では、記載を省略したが、撮影アシストモードにおいて、例えば、左右の動作が「即撮影実行」に対応させておけばよい。
【0151】
この第3の実施の形態によれば、ユーザーは、接眼部18を覗きながら、対物レンズ20への指タッチで行うことができるため、特に、一瞬の動作が重要な被写体に対して、迅速に撮影することができる。
【0152】
なお、第2の実施の形態、第3の実施の形態における、指掛かりのパターンと、動作との対応は上記に限定されるものではなく、所謂クリック、ダブルクリック操作等別の指掛かり動作に基づいて撮影等を行うようにしてもよい。
【0153】
また、レリーズボタン14の操作(押圧操作)に準じるように、圧力センサを内蔵(併用)してもよい。圧力センサであれば、押圧ストロークが不要である分、シャッターチャンスを逃さず、迅速に撮影が可能となる。
【0154】
(変形例1)
第1〜第3の実施の形態では、対物レンズ20の指掛かりを、タッチパネルセンサ74(状態検出手段)によって検出するようにしたが、状態検出手段としては、タッチパネルセンサ74に限られるものではない。例えば、指の静電気を検出する静電センサ等であてもよいし、図14に示される如く、OVF画像がハーフミラー48を透過するときの一部の光(a%)を反射させて、一部の反射光をCCDやCMOS等のエリアセンサ74A等で検出し、EVFLCD44の出力される光量のa%分との差分を各エリア毎にコンパレータ74Bで比較して、その差が基準値74C以上となったときに指掛かりがあっか否かをH/L信号によって判別するようにしてもよい。
【0155】
(変形例2)
第1〜第3の実施の形態では、所謂コンパクトデジタルカメラ10を適用して説明したが、図15に示される、ハイスペックデジタルカメラ(一眼レフデジタルカメラ)10Hにも適用可能である。なお、デジタルカメラ10と同一部品名については、符号の末尾に「H」を付して、その構成の説明を省略する。この一眼レフデジタルカメラ10Hでは、OVF表示が撮像レンズ12Lを介して実行されることになる。このため、指掛かりも、この撮像レンズ12Lが対象となる。
【0156】
しかしながら、撮像レンズ12Lへの指掛かりは撮像そのものに影響を及ぼすため、一眼レフデジタルカメラ10Hにおいて、本願発明を適用する場合、別途、指掛かり操作部74Hを設けるようにしてもよい。この指掛かり操作部74は、タッチパネルセンサで構成され、接触した領域が電子的に認識され、EVF画像に付加すればよい。これにより、ユーザーは、ファインダー(接眼部18H)を覗きながら、指掛かり操作部28Hの操作によって、様々な項目情報の選択実行が可能となる。
【符号の説明】
【0157】
10 デジタルカメラ(撮像装置)
12L レンズ
12 鏡筒
14 レリーズボタン
16 電源スイッチ
18 接眼部(ファインダー部)
20 対物レンズ(ファインダー部)
22 背面LCD
24 モード切替スイッチ
26 十字カーソルボタン
22TP タッチパネル
28 操作部
30 CCD
32 メインコントローラ
34 鏡筒駆動ドライバ
36 LCDI/F
38 外部メモリI/F
40 メモリカード
42 LCDI/F
44 EVFLCD(表示部、ファインダー部)
46 液晶シャッター(遮光手段)
48 光路(画像案内手段、ファインダー部)
50 光路(画像案内手段、ファインダー部)
52 ハーフミラー(画像案内手段、ファインダー部)
54 アナログ信号処理部
56 アナログ/デジタル変換器(ADC)
58 メモリ
60 デジタル信号処理部
62 LCDI/F
64 LCDI/F
66 CPU
68 圧縮・伸張処理回路
70 システムバス
72 タイミングジェネレータ
74 タッチパネルセンサ(遮蔽状態検出手段)
100 指掛かり領域認識部(認識手段)
102 現モード判別部
104 照合部(認識手段)
106 遮蔽パターン認識モード登録部
108 モード別読出部
110 記憶部(記憶手段)
110A 情報表示モード用テーブル
110B 警告メッセージデータメモリ部
112 処理実行制御部(表示制御手段)
114 指定項目実行指示部(表示制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも撮像素子で被写体を撮像した画像を含むエレクトリカルビュー画像を表示する表示部と、
前記表示部に表示されるエレクトリカルビュー画像を接眼部へ案内する光路、並びに光学的に入力される被写体のオプチカルビュー画像の何れかの単独画像を接眼部へ案内する光路を備え、何れか一方の単独画像、或いは双方の合成画像を接眼部へ案内する画像案内手段と、を備えたファインダー部と、
前記撮像素子で撮像している動画像を前記表示部に表示しながら、撮像指示操作に基づいて当該撮像素子で撮像し、当該撮像した画像をデジタル画像データとして記録する撮像モード、並びに前記撮像モードによって記録した画像を再生表示する再生モードを選択的に切り替えるモード切替手段と、
前記表示部へ、前記撮像モード中における撮像に関する撮像情報、前記再生モード中における再生に関する再生情報を表示する情報表示制御手段と、
前記オプチカルビュー画像の光路上の遮蔽状態を検出する遮蔽状態検出手段と、
前記遮蔽状態検出手段で検出される遮蔽状態に基づいて、予め定めた複数の遮蔽パターンの内、何れかの遮蔽パターンに属するか認識する認識手段と、
前記認識手段で認識され得る遮蔽パターン毎に、情報が対応付けられて記憶された記憶手段と、
前記認識された遮蔽パターンに基づいて、前記記憶手段から対応する情報を読み出し、当該情報に基づく処理を実行する処理実行制御手段と、
を有する撮像装置。
【請求項2】
少なくとも撮像素子で被写体を撮像した画像を含むエレクトリカルビュー画像を表示する表示部と、
前記表示部に表示されるエレクトリカルビュー画像を接眼部へ案内する光路、並びに光学的に入力される被写体のオプチカルビュー画像の何れかの単独画像を接眼部へ案内する光路を備え、何れか一方の単独画像、或いは双方の合成画像を接眼部へ案内する画像案内手段と、を備えたファインダー部と、
前記撮像素子で撮像している動画像を前記表示部に表示しながら、撮像指示操作に基づいて当該撮像素子で撮像し、当該撮像した画像をデジタル画像データとして記録する撮像モード、並びに前記撮像モードによって記録した画像を再生表示する再生モードを選択的に切り替えるモード切替手段と、
前記表示部へ、前記撮像モード中における撮像に関する撮像情報、前記再生モード中における再生に関する再生情報を表示する情報表示制御手段と、
前記オプチカルビュー画像の光路上の遮蔽状態を検出する遮蔽状態検出手段と、
前記遮蔽状態検出手段で検出される遮蔽状態に基づいて、予め定めた複数の遮蔽パターンの内、何れかの遮蔽パターンに属するか認識する認識手段と、
前記認識手段で認識された基本遮蔽パターン毎に、前記表示部に表示する前記撮像情報又は前記再生情報が対応付けられて記憶された記憶手段と、
前記認識され得る遮蔽パターンに基づいて、前記記憶手段から対応する前記撮像情報又は前記再生情報を読み出し、前記表示部に表示する項目表示制御手段と、
を有する撮像装置。
【請求項3】
前記表示部が、前記接眼部からのみ見ることができるように、前記ファインダー部の構成部品として組み込まれていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記オプチカルビュー画像が前記結像部へ至る光路上に配置され、前記接眼部へ至る光を遮る遮光手段をさらに有し、
前記認識手段で認識された遮蔽パターンに基づいて、前記遮光手段の遮光領域を制御し、前記オプチカルビュー画像が前記結像部へ至る光路領域を制限することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項記載の撮像装置。
【請求項5】
前記遮蔽状態検出手段が、前記オプチカルビュー画像の光路の入力面に設けられたタッチセンサであることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項記載の撮像装置。
【請求項6】
前記記憶手段には、前記撮像モードにおける撮像に不適切な状態を示す警告遮蔽パターンが記憶され、当該警告遮蔽パターンに対応付けて、撮像不適警告情報を記憶しておき、
前記認識手段で、前記警告遮蔽パターンを認識した場合には、前記撮像不適警告情報に基づく報知を実行することを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項記載の撮像装置。
【請求項7】
前記記憶手段には、前記撮像モードにおける撮像に不適切な状態を示す補間遮蔽パターンが記憶され、当該補間遮蔽パターンに対応付けて、撮像補間情報を記憶しておき、
前記認識手段で、前記補間遮蔽パターンを認識した場合には、前記撮像補間情報に基づいて、前記表示部の表示状態を補間することを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項記載の撮像装置。
【請求項8】
前記記憶手段に記憶する遮蔽パターンとして、前記遮蔽パターン、前記警告遮蔽パターン、前記補間遮蔽パターンの何れを有効とするかを選択する選択手段をさらに有する請求項7記載の撮像装置。
【請求項9】
少なくとも撮像素子で被写体を撮像した画像を含むエレクトリカルビュー画像を表示する表示部と、
前記表示部に表示されるエレクトリカルビュー画像を接眼部へ案内する光路、並びに光学的に入力される被写体のオプチカルビュー画像の何れかの単独画像を接眼部へ案内する光路を備え、何れか一方の単独画像、或いは双方の合成画像を接眼部へ案内する画像案内手段と、
前記オプチカルビュー画像の光路上の遮蔽状態を検出する遮蔽状態検出手段と、
前記遮蔽状態検出手段で検出される遮蔽状態に基づいて、予め定めた複数の遮蔽パターンの内、何れかの遮蔽パターンに属するか認識する認識手段と、
前記認識手段で認識され得る遮蔽パターン毎に、前記表示部に表示する情報が対応付けられて記憶された記憶手段と、
前記認識された遮蔽パターンに基づいて、前記記憶手段から対応する情報を読み出し、前記表示部に表示する表示制御手段と、
を有する表示装置。
【請求項10】
前記オプチカルビュー画像が前記接眼部へ至る光路上に配置され、前記接眼部へ至る光を遮る遮光手段をさらに有し、
前記認識手段で認識された遮蔽パターンに基づいて、前記遮光手段の遮光領域を制御し、前記オプチカルビュー画像が前記接眼部へ至る光路領域を制限することを特徴とする請求項9記載の表示装置。
【請求項11】
前記遮蔽状態検出手段が、前記オプチカルビュー画像の光路の入力面に設けられたタッチセンサであることを特徴とする請求項9又は請求項10記載の表示装置。
【請求項12】
少なくとも撮像素子で被写体を撮像した画像を含むエレクトリカルビュー画像を表示する表示部と、前記表示部に表示されるエレクトリカルビュー画像を接眼部へ案内する光路、並びに光学的に入力される被写体のオプチカルビュー画像の何れかの単独画像を接眼部へ案内する光路を備え、何れか一方の単独画像、或いは双方の合成画像を接眼部へ案内する画像案内手段と、を備えた表示装置における画像表示制御方法であって、
前記オプチカルビュー画像の光路上の遮蔽状態を検出し、
前記検出される遮蔽状態に基づいて、予め定めた複数の遮蔽パターンの内、何れかの遮蔽パターンに属するか認識し、
前記認識された遮蔽パターン毎に対応付けて予め記憶されている情報を読み出し、
前記読み出した情報を前記表示部に表示することを特徴とする表示装置の画像表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−65283(P2012−65283A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209970(P2010−209970)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】