説明

撮像装置およびレンズ鏡筒

【課題】撮影光学系に対する防振制御以外の駆動による影響を抑えて適切に防振制御すること。
【解決手段】撮像装置は、装置の振れを検出する振れ検出部と、撮影光学系1、2を介して結像された被写体像を撮像し、画像信号を出力する撮像部3と、振れ検出部による検出結果に基づいて、撮像部3に結像される像ぶれを抑制するための制御量を演算する演算部23a、23bと、制御量に応じて撮影光学系1、2または撮像部3を撮影光学系1、2の光軸Zと直交する向きに進退移動させる第1駆動部24a、24bと、撮影光学系1、2を光軸Zの向きに進退移動させる第2駆動部22と、第2駆動部22による駆動時と非駆動時とで制御量演算における演算パラメータを異ならせるように演算部23a、23bを制御する制御部12と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置およびレンズ鏡筒に関する。
【背景技術】
【0002】
手振れによって生じる像ぶれを抑える技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−68323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、手振れ(たとえば、周波数1〜3Hz)に起因する像ぶれを抑えるものであったため、防振制御以外の他の駆動、たとえば、焦点調節時におけるウォブリングと呼ばれる小刻みな駆動の場合に生じる周波数が異なる振動(たとえば、10Hz)に起因する像ぶれについては考慮がなされていないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明による撮像装置は、装置の振れを検出する振れ検出部と、撮影光学系を介して結像された被写体像を撮像し、画像信号を出力する撮像部と、振れ検出部による検出結果に基づいて、撮像部に結像される像ぶれを抑制するための制御量を演算する演算部と、制御量に応じて撮影光学系または撮影光学系の一部または撮像部を撮影光学系の光軸と直交する向きに進退移動させる第1駆動部と、撮影光学系または撮像光学系の一部を光軸の向きに進退移動させる第2駆動部と、第2駆動部による駆動時と非駆動時とで制御量演算における演算パラメータを異ならせるように演算部を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によるレンズ鏡筒は、撮像部に結像させる撮影光学系と、鏡筒の振れを検出する振れ検出部と、振れ検出部による検出結果に基づいて撮影光学系を介して撮像部に結像される像ぶれを抑制するための制御量を演算する演算部と、制御量に応じて撮影光学系または撮影光学系の一部を該撮影光学系の光軸と直交する向きに進退移動させる第1駆動部と、撮影光学系または撮影光学系の一部を光軸の向きに進退移動させる第2駆動部と、第2駆動部による駆動時と非駆動時とで制御量演算における演算パラメータを異ならせるように演算部を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、撮影光学系に対する防振制御以外の駆動による影響を抑えて適切に防振制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第一の実施形態による像ぶれ補正装置を搭載したカメラの構成を例示するブロック図である。
【図2】ぶれ補正レンズ制御部の基本構成を説明する図である。
【図3】PID位相補償部の構成を説明するブロック図である。
【図4】AF処理時にコントローラ部が実行する処理の流れを説明するフローチャートである。
【図5】PID位相補償部における各パラメータを例示する図である。
【図6】第二の実施形態によるぶれ補正レンズ制御部の基本構成を例示する図である。
【図7】PID位相補償部における各パラメータを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態による像ぶれ補正装置を搭載したカメラの構成を例示するブロック図である。図1において、撮影光学系はフォーカスレンズ1とぶれ補正レンズ2とを含む。フォーカスレンズ1は、フォーカスレンズ駆動部22によって光軸Z方向に進退駆動され、撮影光学系のフォーカス調節を行う。フォーカスレンズ駆動部22は不図示のモータおよびその駆動回路で構成される。フォーカス調節のためのフォーカスレンズ1の駆動方向および駆動量は、コントローラ部12から指示を受けたフォーカスレンズ制御部21によって演算され、それによりフォーカスレンズ1の位置を制御する。
【0009】
ぶれ補正レンズ2は、ぶれ補正レンズ駆動部24aおよび24bによって光軸Zに直交するXおよびY方向へ進退駆動され、撮像素子3の撮像面に結像される像位置を移動させる。ぶれ補正レンズ駆動部24aはモータおよびその駆動回路で構成され、Yaw方向のぶれを補正するためにぶれ補正レンズ2をX方向に駆動する。本説明では、撮像装置のぶれによって生じる像ぶれを光学系の位置を変化させて抑えることをぶれ補正と呼ぶ。ぶれ補正レンズ駆動部24bはモータおよびその駆動回路で構成され、Pitch方向のぶれを補正するためにぶれ補正レンズ2をY方向に駆動する。
【0010】
ぶれ補正のためのぶれ補正レンズ2の駆動方向および駆動量は、コントローラ部12からぶれ補正の実行指示を受けたぶれ補正レンズ制御部23aおよび24bによって演算され、それによりぶれ補正レンズ2の位置をそれぞれ制御する。ぶれ補正レンズ制御部23aは、Yaw方向のぶれ補正のための制御信号をぶれ補正レンズ駆動部24aへ送出し、ぶれ補正レンズ制御部23bは、Pitch方向のぶれ補正のための制御信号をぶれ補正レンズ駆動部24bへ送出する。
【0011】
撮像素子3は、CCD撮像素子やMOS型撮像素子などによって構成され、撮像面上に結像された被写体像の光強度に応じた電気信号(撮像信号)を出力する。アナログ信号処理部4は、たとえばCDS回路、AGC回路および色分離回路などを含む。アナログ信号処理部4は、撮像信号に対して各種アナログ信号処理を行い、アナログ処理後の撮像信号をA/D変換器5へ送出する。A/D変換器5は、アナログ信号からデジタル信号に変換する。A/D変換された撮像信号は、デジタル信号処理部6およびコントローラ部12にそれぞれ入力される。
【0012】
デジタル信号処理部6は、たとえばゲイン制御回路、輝度信号生成回路、および色差信号生成回路などの信号処理回路を含む。デジタル信号処理部6は、入力された撮像信号に対して輪郭強調やガンマ補正、ホワイトバランス調整などの種々の画像処理を行う。なお、デジタル信号処理部6に入力された撮像信号は一旦バッファメモリ11に記憶され、上述した各処理毎にバッファメモリ11から適宜読み出される。画像処理後の信号は、再びバッファメモリ11に格納される。なお、バッファメモリ11は、撮像素子3で撮像された複数フレーム分のデータを記憶することができるフレームメモリとして構成されている。
【0013】
Enc/Dec処理部9は、画像データを外部記憶媒体10に記録する際のデータエンコード処理、および外部記憶媒体10からエンコード処理済の画像データを読み込む際のデータデコード処理を行う。たとえば、画像データを外部記憶媒体10に記録する際には、デジタル信号処理回部6による一連の画像処理が施されてバッファメモリ11に格納されている画像データに対し、静止画記録の場合はJPEG方式、動画記録の場合にはMPEG2やH264/AVC等の形式でデータエンコード処理を行う。Enc/Dec処理部9には、外部記憶媒体10とデータ通信を行うためのインタフェースも含まれている。
【0014】
LCDモニタ8は、撮影時においてEVF(Electronic View Finder)として機能する。すなわち、撮像素子3によって所定時間間隔(たとえば30フレーム/毎秒)毎に撮像された撮像信号は、アナログ信号処理回路4およびA/D変換器5を経て、デジタル信号処理回路6により信号処理された後、バッファメモリ11に記憶されるとともにVRAM7にも逐次記憶される。これにより、VRAM7に記憶された画像データに基づくモニタ用の画像がLCDモニタ8に逐次表示される。このモニタ用画像は、スルー画像またはライブビュー画像と呼ばれる。
【0015】
また、LCDモニタ8は再生時には再生画像を表示する。すなわち、外部記憶媒体10に記憶された画像データを再生表示する再生モードの場合には、外部記憶媒体10から読み出された画像データがVRAM7に逐次記憶される。これにより、VRAM7に記憶された画像データに基づく再生表示画像がLCDモニタ8に表示される。
【0016】
操作部14は、レリーズボタンや動画記録開始ボタン、動画記録停止ボタンの他、各種設定等を行うための設定操作部材を含む。操作部14は、各種操作に応じた操作信号をコントローラ部12へ送出する。コントローラ部12は、カメラ全体の制御を行う。コントローラ部12は、合焦演算部13、不揮発性メモリ15、不図示のAE演算部、不図示のAWB演算部などを含む。合焦演算部13は、オートフォーカス(AF)調節時に焦点評価値を算出する。不揮発性メモリ15は、コントローラ部12が実行するプログラムなどを格納する。AE演算部は、A/D変換器5による変換後のデジタル撮像信号に基づき、被写体を適正露出で撮影するための自動露出演算を行う。AWB演算部は、上記デジタル撮像信号を構成するR,G,B色の信号成分に基づいて、ホワイトバランス調整用ゲインの設定を行う。
【0017】
(オートフォーカス調節(AF)処理)
AF処理の概要は以下の通りである。合焦演算部13は、予め設定されているAFエリア(不図示)内の画像データの空間周波数から所定の高周波成分を抽出し、抽出された高周波成分の絶対値を積算する。この積算値は焦点評価値と呼ばれ、AFエリアまたはAFエリアとして設定された特定被写体エリア内の画像のコントラストを表している。コントローラ部12は、合焦演算部13で算出される焦点評価値がピークに近づくように、フォーカスレンズ1の駆動方向および駆動量をフォーカスレンズ制御部21へ指示する。
【0018】
(ぶれ補正処理)
図2を参照してぶれ補正レンズ制御部23aおよび23bの詳細について説明する。ぶれ補正レンズ制御部23aおよび23bは、カメラのぶれ量に基づいて、そのぶれ量に起因する像ぶれを補正するためにぶれ補正レンズ2を駆動する際の目標位置を演算する。ぶれ補正レンズ制御部23aおよび23bはさらに、実際のぶれ補正レンズ2の位置をフィードバックして駆動用パルスを生成し、生成した駆動用パルスをぶれ補正レンズ駆動部24aおよび24bに対してそれぞれ出力する。このような構成により、ぶれ補正レンズ2を正確に目標位置へ駆動させる。なお、ぶれ補正レンズ制御部23aおよび23bは、制御方向がYaw方向であるかPitch方向であるかが相違するだけで、その基本構成は共通である。
【0019】
図2は、ぶれ補正レンズ制御部23a(23b)の基本構成を例示する図である。図2において、ぶれ検出部31は、ジャイロセンサ等の角速度センサによって構成される。ぶれ補正レンズ制御部23aにおけるぶれ検出部31はカメラのYaw方向のぶれを検出し、ぶれ補正レンズ制御部23bにおけるぶれ検出部31はカメラのPitch方向のぶれを検出する。
【0020】
前処理回路32は、増幅回路(Amp)および低域通過フィルタ(LPF)を含む。前処理回路32はぶれ検出信号を増幅し、増幅後の信号のうち所定周波数以下の成分の信号をA/D変換器33へ送出する。A/D変換器33は、アナログ信号からデジタル信号に変換する。A/D変換されたぶれ検出信号は、高域通過フィルタ(HPF)34を介して所定周波数以上の信号が目標位置演算部35へ送られる。目標位置演算部35は、高域通過フィルタ処理後のぶれ検出信号を積分することによってカメラのぶれ角度を求め、そのぶれ角度を補正するためのぶれ補正レンズ2の目標位置を演算する。ぶれ補正レンズ制御部23aにおける目標位置演算部35はX方向の目標位置を演算し、ぶれ補正レンズ制御部23bにおける目標位置演算部35はY方向の目標位置を演算する。目標位置を示す信号は、減算器36へ入力される。
【0021】
ぶれ補正レンズ位置センサ39は、光位置センサ(PSD)等によって構成される。ぶれ補正レンズ制御部23aにおけるぶれ補正レンズ位置センサ39は、ぶれ補正レンズ2のX方向の位置を検出し、ぶれ補正レンズ制御部23bにおけるぶれ補正レンズ位置センサ39は、ぶれ補正レンズ2のY方向の位置を検出する。前処理回路40は、増幅回路(Amp)および低域通過フィルタ(LPF)を含む。前処理回路40は位置検出信号を増幅し、増幅後の信号のうち所定周波数以下の成分の信号をA/D変換器41へ送出する。A/D変換器41は、アナログ信号からデジタル信号に変換する。A/D変換された位置検出信号は、減算器36へ入力される。
【0022】
減算器36は、入力された上記目標位置を示す信号から上記位置検出信号を減算する。この減算器36の出力は位置偏差となり、ウォブリング動作信号と共にPID位相補償部37へ入力される。ここで、ウォブリング動作とは、フォーカスレンズ1を光軸Z方向へ微小区間移動させて、上述した焦点評価値の変化(増加してピークに近づく、あるいは減少してピークから遠ざかる)を検出することをいう。ウォブリング動作信号は、コントローラ部12がフォーカスレンズ制御部21へウォブリング動作のためにフォーカスレンズ1の駆動を指示していることを示す信号である。コントローラ部12は、たとえば、ウォブリング駆動中にHレベルのウォブリング動作信号を出力し、ウォブリング非駆動中にLレベルのウォブリング動作信号を出力する。
【0023】
PID位相補償部37は、上記目標位置を示す信号と上記位置検出信号とに基づいて得られた位置偏差に対して公知のPID演算を行うことにより、ぶれ補正レンズ駆動部24aおよび24b内のそれぞれのモータを駆動するための操作量を決定する。PID位相補償部37がウォブリング動作信号を用いて行うPID制御の詳細については後述する。駆動パルス生成部38は、PID位相補償部37で決定した操作量に基づいてぶれ補正レンズ駆動部24aおよび24b内のモータ駆動回路へ供給するパルス信号を生成する。
【0024】
図3は、PID位相補償部37の構成を説明するブロック図である。PID位相補償部37は、フィードフォワード演算部372、比例演算部373、積分演算部374、および微分演算部375のそれぞれの出力を加算器378と加算器379とで加算し、加算値をレンズ駆動のための操作量として駆動パルス生成部38へ送出する。
【0025】
PID位相補償部37は、上述した減算器36による減算結果に対して比例演算部373で比例係数Kpを乗ずる。これは、PID制御における比例項(P)である。比例項(P)は、現在位置と目標位置との偏差に比例した出力を得たい場合に適している。PID位相補償部37はさらに、偏差を累積加算した結果、すなわち減算器36による減算結果と、1サンプリング前の偏差の累積加算値376とを加算器380で加算し、この加算結果に対して積分演算部374で積分係数Kiを乗ずる。これは、PID制御における積分項(I)である。なお、ZはZ変換を表し、Z−1は1サンプリング前の情報を表す。積分項(I)は、比例演算では取りきれない定常偏差をゼロに近づけたい場合に適している。
【0026】
また、PID位相補償部37は、減算器36による減算結果から、1サンプリング前の減算結果377を減算器381で減算し、この減算結果に対して微分演算部375で微分係数Kdを乗ずる。これが微分項(D)である。微分項(D)は、上記偏差の変化に応じた出力を得たい場合に適している。
【0027】
一方、フィードフォワード演算部372は、上記目標位置を示す信号に対してフィードフォワード係数Kffを乗ずる。これがフィードフォワード項(FF)である。フィードフォワード演算部372は、PIDによるフィードバック制御を補助する目的で設けられている。具体的には、例えば係数Kffの値を正の値とすることで、ぶれ補正レンズ2の位置により変化する向心力の影響を低減することができるため、低周波での制御特性を改善する効果がある。また負の値とすると、高周波域での制御特性を改善する効果がある。
【0028】
以上説明したP、I、D、FFの結果を全て加算した値がPID位相補償部37の出力となる。ぶれ補正パラメータ切換部371は、フォーカスレンズ駆動部22の駆動モータ(不図示)がウォブリング動作のためにフォーカスレンズ1を駆動しているか否か、すなわち、上述したウォブリング動作信号がHレベルかLレベルか否かに応じて、上記フィードフォワード演算部372、比例演算部373、積分演算部374、および微分演算部375のパラメータ(本例ではゲイン)を切換える。
【0029】
パラメータを切換える理由は、以下の通りである。通常、ぶれ補正は振動周波数が1Hz〜3Hzの手振れに起因する像ぶれを抑制対象とする。一方、フォーカス調節時におけるウォブリング動作のように、フォーカスレンズ1に対する小刻みな駆動と停止とを繰り返すことに起因する振動の周波数は約10Hzである。このため、1Hz〜3Hzの振動を対象に像ぶれ抑制する場合と、1Hz〜10Hzまでの振動を対象に像ぶれ抑制する場合とでパラメータ群を切換えることにより、それぞれの場合において適切なぶれ補正制御を行うようにする。
【0030】
図4は、AF処理時にコントローラ部12が実行する処理の流れを説明するフローチャートである。コントローラ部12は、AF処理の開始要求があった場合に図4による処理を起動する。AF処理の開始要求は、たとえば、静止画撮影の際に操作部14を構成する不図示のAFスイッチがオン操作された場合、静止画撮影の際に操作部14を構成する不図示のレリーズスイッチが半押し操作された場合、あるいは操作部14を構成する不図示の動画記録スイッチがオン操作された場合などが含まれる。なお、本説明では、静止画撮影の場合にフォーカス調節を繰り返し行う(コンティニュアスAFと呼ばれる)ように設定されているものとする。
【0031】
図4のステップS1において、コントローラ部12は、ぶれ補正レンズ制御部23aおよび23bに対して、ぶれ補正制御パラメータをウォブリング動作時のパラメータに変更するように指示してステップS2へ進む。具体的には、出力するウォブリング動作信号をLレベルからHレベルにする。これにより、ぶれ補正パラメータ切換部371は、上記ウォブリング動作信号に基づいてPID位相補償部37内の各演算部に対してそれぞれパラメータの切換を指示する信号を送出する。
【0032】
図5は、PID位相補償部37におけるフィードフォワード演算部372、比例演算部373、積分演算部374、および微分演算部375のパラメータを例示する図である。図5によれば、比例係数Kpの値をウォブリング「動作中」はKp2とし、ウォブリング「非動作中」はKp1とする。Kp1とKp2との間には、たとえばKp2>Kp1が成立する。
【0033】
また、微分係数Kdの値をウォブリング「動作中」はKd2とし、ウォブリング「非動作中」はKd1とする。Kd1とKd2との間には、たとえばKd2>Kd1が成立する。なお、ウォブリング「動作中」であるかウォブリング「非動作中」であるかにかかわらず、フィードフォワード係数Kffの値をKff1に、積分係数Kiの値をKi1に、それぞれ固定する。
【0034】
本実施形態では、制御対象とする周波数が高い場合は、比例項(P)および微分項(D)を大きくすることが有効である。そこで、比例係数Kpおよび微分係数Kdのそれぞれについて、ウォブリング「動作中」の値をウォブリング「非動作中」の値より大きない値へ変更するようにした。この代わりに、比例係数Kpおよび微分係数Kdのうち一方のみを変更してもよい。また、制御対象とする周波数に応じて他のパラメータ、すなわち、比例係数Kpや微分係数Kdに限らず、フィードフォワード係数Kffや積分係数Kiを含む全ての係数のうち、少なくとも1つを異ならせるようにしてもよい。
【0035】
ぶれ補正レンズ制御部23aおよび23bは、上記パラメータ変更指示を受けると変更後のぶれ補正制御パラメータを用いてぶれ補正制御を行う。図4のステップS2において、コントローラ部12は、フォーカスレンズ制御部21に対してウォブリング動作の開始を指示してステップS3へ進む。このとき、コントローラ部12はウォブリング動作の周期や振幅も同時に指示する。ウォブリング開始指示を受けたフォーカスレンズ制御部21は、指示された振幅、周期でウォブリング動作を実行するべく、フォーカスレンズ駆動部22に対して駆動パルスを出力する。
【0036】
ステップS3において、コントローラ部12は、合焦演算部13から合焦判定結果を取得する。コントローラ部12は、フォーカスレンズ1を至近側へ移動させた場合、および無限側へ移動させた場合におけるそれぞれの焦点評価値を合焦演算部13から取得して、その増減状態から合焦方向(フォーカスレンズ1の移動にともなって焦点評価値が増加する方向(いわゆる山登り方向))を判別してステップS4へ進む。
【0037】
ステップS4において、コントローラ部12は、フォーカスレンズ1が合焦近傍に位置するか否かを判定する。コントローラ部12は、たとえば、フォーカスレンズ1の移動にともなって増加中の焦点評価値がピークを越えたことを検出した場合は、ステップS4を肯定判定してステップS7へ進む。コントローラ部12は、増加中の焦点評価値がピークを越えたことを検出しない場合には、ステップS4を否定判定してステップS5へ進む。
【0038】
ステップS5において、コントローラ部12はフォーカスレンズ制御部21へ指示を送り、合焦方向(山登り方向)へフォーカスレンズ1を駆動するウォブリング動作を継続させてステップS6へ進む。ウォブリング動作により、フォーカスレンズ1が合焦方向に移動する。
【0039】
ステップS6において、コントローラ部12は、AF処理の終了要求の有無を判定する。コントローラ部12は、終了要求があった場合にステップS6を肯定判定して図4による処理を終了する。コントローラ部12は、終了要求がない場合にはステップS6を否定判定してステップS3へ戻る。AF処理の終了要求は、たとえば、上記レリーズスイッチの半押し操作が解除された場合、上記レリーズスイッチが全押し操作された場合、あるいは動画撮影終了指示が行われた場合などが含まれる。
【0040】
上述したステップS5を肯定判定して進むステップS7において、コントローラ部12は、合焦演算部13において合焦近傍であることを検出した場合にフォーカスレンズ制御部21へ指示を送り、フォーカスレンズ1を合焦位置(たとえば、焦点評価値のピークに対応する位置)へ移動させる。
【0041】
ステップS8において、コントローラ部12は、該合焦位置での焦点評価値を示す情報を図示しないメモリに一時保存する。ここで保存した焦点評価値情報は、ステップS12において合焦状態を維持しているか否かを判定する際に使用する。コントローラ部12は、焦点評価値情報をメモリに保存した後のステップS9において、フォーカスレンズ制御部21に対してウォブリング動作の停止を指示してステップS10へ進む。
【0042】
ステップS10において、コントローラ部12は、ぶれ補正制御パラメータをウォブリング非動作時のパラメータに変更するように指示してステップS11へ進む。具体的には、出力するウォブリング動作信号をHレベルからLレベルにする。
【0043】
ウォブリング動作信号のHレベルからLレベルへの変化を検出したぶれ補正パラメータ切換部371は、比例係数Kpの値をKp1へ戻し、微分係数Kdの値をKd1へ戻す。なお、上述したように、本実施形態の場合はフィードフォワード係数Kffの値をKff1に維持し、積分係数Kiの値をKi1に維持する。
【0044】
ぶれ補正レンズ制御部23aおよび23bは、上記指示を受けると変更後のぶれ補正制御パラメータを用いてぶれ補正制御を行う。ステップS11において、コントローラ部12は、合焦演算部13から合焦判定結果を取得する。コントローラ部12は、ウォブリング動作の停止後も定期的に焦点評価値を合焦演算部13から取得するように構成されている。
【0045】
ステップS12において、コントローラ部12は、合焦状態を維持しているか否かを判定する。コントローラ部12は、定期的に取得する合焦評価値をステップS8でメモリに保存した合焦評価値情報と逐次比較し、変化が所定値未満である場合にステップS12を肯定判定してステップS13へ進む。コントローラ部12は、変化が所定値以上である場合にはステップS12を否定判定してステップS1へ戻る。ステップS1へ戻る場合のコントローラ部12は、合焦状態から外れたので上述したフォーカス調節処理をやり直す。
【0046】
ステップS13へ進む場合は合焦状態を維持しているので、コントローラ部12は、AF処理の終了要求の有無を判定する。コントローラ部12は、終了要求があった場合にステップS13を肯定判定して図4による処理を終了する。コントローラ部12は、終了要求がない場合には、ステップS13を否定判定してステップS11へ戻る。AF処理の終了要求は、上述したように、操作部14を構成する不図示のレリーズスイッチの半押し操作が解除された場合、レリーズスイッチが全押し操作された場合、あるいは動画撮影終了指示が行われた場合などが含まれる。
【0047】
以上説明した第一の実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。
(1)カメラは、カメラの振れを検出するぶれ検出部31と、撮影光学系を介して結像された被写体像を撮像し、画像データを出力する撮像素子3と、ぶれ検出部31による検出結果に基づいて、撮像素子3に結像される像ぶれを抑制するための制御量を演算するぶれ補正レンズ制御部23a、23bと、制御量に応じて撮影光学系または撮像素子3を撮影光学系の光軸Zと直交するXY方向に進退移動させるぶれ補正レンズ駆動部24a、24bと、撮影光学系を光軸Zの向きに進退移動させるフォーカスレンズ駆動部22と、フォーカスレンズ駆動部22による駆動時と非駆動時とで制御量演算における演算パラメータを異ならせるようにぶれ補正レンズ制御部23a、23bを制御するコントローラ部12と、を備えるようにした。これにより、防振制御を行うぶれ補正レンズ駆動部24a、24b以外のフォーカスレンズ駆動部22による駆動の影響を抑えて、適切に防振制御することができる。
【0048】
(2)上記(1)のカメラにおいて、フォーカスレンズ駆動部22は、画像データから得られる焦点評価値に基づくフォーカス調節時に駆動を行う。このため、いわゆる山のぼり方式において小刻みなフォーカスレンズ1の駆動と停止とが繰り返される場合に、フォーカスレンズ駆動部22による駆動の影響を抑えて適切に防振制御することができる。
【0049】
(3)上記(1)、(2)のカメラにおいて、演算パラメータは位相補償演算パラメータを含むので、防振制御として位相補償制御を行う場合に好適である。
【0050】
(4)上記(1)のカメラにおいて、位相補償演算パラメータは比例項、積分項、および微分項を含み、コントローラ部12は、位相補償演算パラメータの少なくとも1つを異ならせるようにぶれ補正レンズ制御部23a、23bを制御するので、ぶれ補正レンズ駆動部24a、24b以外のフォーカスレンズ駆動部22による駆動の影響を抑えて適切に防振制御することができる。
【0051】
(変形例1)
以上の説明では、4つのぶれ補正制御パラメータKp、Ki、Kd、Kffのうち2つのパラメータ(比例係数Kpおよび微分係数Kd)をウォブリング「動作中」と「非動作中」とで異ならせ、フィードフォワード係数Kffおよび積分係数Kiの値はそれぞれウォブリング「動作中」と「非動作中」とで同じ値にした。ウォブリング「動作中」と「非動作中」とで異ならせるぶれ補正制御パラメータは必ずしも上述した2つでなくてもよい。たとえば、いずれか1つ、いずれか2つ、いずれか3つ、あるいは4つ全てをウォブリング「動作中」と「非動作中」とで異ならせるようにしてもよい。
【0052】
(第二の実施形態)
ウォブリング「動作中」かウォブリング「非動作中」かを判定するのみでなく、撮影モード(静止画記録か動画記録か)、およびカメラの支持状態(三脚固定か手持ちか)を判定し、これら判定結果に応じてぶれ補正制御パラメータの切換えを行うように構成してもよい。図6は、第二の実施形態によるぶれ補正レンズ制御部23a(23b)の基本構成を例示する図である。図6において、第一の実施形態における図2と同様の構成には共通の符号を付して説明を省略する。
【0053】
支持状態判定部60は、カメラが三脚に固定されているか否かを検出する。具体的には、前処理回路32から出力されたぶれ検出信号に基づいて、上述した1Hz〜3Hzの振動が検出される場合はカメラが三脚に固定されていない(すなわち「手持ち」)と判定し、上述した1Hz〜3Hzの振動が検出されない場合には、カメラが三脚に固定されている「三脚固定」と判定する。支持状態判定部60は、判定結果を示す信号をぶれ補正パラメータ切換部371Bへ送出する。
【0054】
また、第二の実施形態のコントローラ部12は、撮影モード(静止画記録時か動画記録時か)を示す信号をぶれ補正パラメータ切換部371Bへ送出する。たとえば、動画記録開始ボタンが操作されてから動画記録停止ボタンが操作されるまでを動画記録時(「動画」)とし、それ以外を静止画記録時(「静止画」)として判定する。コントローラ部12は、静止画記録時か動画記録時かを示す信号を撮影モード信号として出力する。
【0055】
フォーカスレンズ制御部21は、たとえば、カメラの支持状態(上記「三極固定」または「手持ち」)、撮影モード(上記「動画」または「静止画」)に応じて、フォーカスレンズ駆動部22による駆動周波数および振幅の少なくとも一方を異ならせる。
【0056】
第二の実施形態のぶれ補正パラメータ切換部371Bは、上記ウォブリング動作信号、上記撮影モード信号、および上記支持状態判定結果を示す信号に基づいて、高域通過フィルタ(HPF)34B、目標位置演算部35B、およびPID位相補償部37Bに対してそれぞれパラメータの切換を指示する信号を送出する。これにより、高域通過フィルタ(HPF)34Bは、その遮断周波数を切換える。目標位置演算部35Bは、目標位置の演算に用いるパラメータを切換える。PID位相補償部37Bは、図7に例示するように4つのぶれ補正制御パラメータを切換える。
【0057】
図7は、第二の実施形態のPID位相補償部37Bにおけるフィードフォワード演算部372、比例演算部373、積分演算部374、および微分演算部375のパラメータを例示する図である。
(フィードフォワード係数Kff)
図7によれば、カメラが「手持ち」かつウォブリング「非動作中」の場合のフィードフォワード係数Kffの値をKff1とし、カメラが「手持ち」かつウォブリング「動作中」の場合のフィードフォワード係数Kffの値をKff2とする。また、カメラが「三脚固定」かつウォブリング「非動作中」の場合のフィードフォワード係数Kffの値をKff3とし、カメラが「三脚固定」かつウォブリング「動作中」の場合のフィードフォワード係数Kffの値をKff4とする。例えば、Kff1>Kff2>0,Kff4<Kff3<0である。フィードフォワード係数Kffについては、上記「動画」の場合と上記「静止画」の場合とで区別をすることなく、共通の値を用いる。
【0058】
(比例係数Kp)
カメラが「手持ち」かつウォブリング「非動作中」であって「静止画」の場合の比例係数Kpの値をKp1とし、カメラが「手持ち」かつウォブリング「動作中」であって「静止画」の場合の比例係数Kpの値をKp2とする。また、カメラが「三脚固定」かつウォブリング「非動作中」であって「静止画」の場合の比例係数Kpの値をKp3とし、カメラが「三脚固定」かつウォブリング「動作中」であって「静止画」の場合の比例係数Kpの値をKp4とする。
【0059】
さらに、カメラが「手持ち」かつウォブリング「非動作中」であって「動画」の場合の比例係数Kpの値をKp5とし、カメラが「手持ち」かつウォブリング「動作中」であって「動画」の場合の比例係数Kpの値をKp6とする。また、カメラが「三脚固定」かつウォブリング「非動作中」であって「動画」の場合の比例係数Kpの値をKp7とし、カメラが「三脚固定」かつウォブリング「動作中」であって「動画」の場合の比例係数Kpの値をKp8とする。
【0060】
(微分係数Kd)
カメラがウォブリング「非動作中」であって「静止画」の場合の微分係数Kdの値をKd1とし、カメラがウォブリング「動作中」であって「静止画」の場合の微分係数Kdの値をKd2とする。カメラがウォブリング「非動作中」であって「動画」の場合の微分係数Kdの値をKd3とし、カメラがウォブリング「動作中」であって「動画」の場合の微分係数Kdの値をKd4とする。微分係数Kdについては、カメラが「手持ち」の場合と「三脚固定」の場合とで区別しない。
【0061】
(積分係数Ki)
積分係数Kiの値は、カメラがウォブリング「動作中」か「非動作中」か、カメラが「手持ち」か「三脚固定」か、および「動画」か「静止画」かにかかわらず、Ki1に固定する。
【0062】
以上説明した第二の実施形態によれば、カメラのコントローラ部12は、「動画」撮影または「静止画」撮影、もしくはカメラが「三脚固定」される場合または該カメラが「手持ち」される場合において、ぶれ補正制御パラメータの少なくとも1つをさらに異ならせるようにぶれ補正レンズ制御部23a、23bを制御するようにした。ぶれ補正制御パラメータの切替えを細分化することで、カメラの保持状態や撮影モードによらず、ぶれ補正レンズ駆動部24a、24b以外のフォーカスレンズ駆動部22による駆動の影響を抑えて、適切に防振制御することができる。
【0063】
(変形例2)
以上の説明では、ウォブリング動作時のフォーカスレンズ1の駆動周期や振幅を常に同一条件で行う場合を例に説明した。この代わりに、ウォブリング動作時のフォーカスレンズ1の駆動周期や振幅を、たとえばカメラが「手持ち」されているか「三脚固定」されているかに応じて異ならせてもよい。ウォブリング動作時のフォーカスレンズ1の駆動周期や振幅をカメラの保持状態に応じて変化させる場合には、該振幅や該周期の範囲毎にぶれ補正制御パラメータの値を変化させるように、ぶれ補正制御パラメータをさらに細分化するとよい。
【0064】
変形例2によれば、ウォブリング「非動作中」のぶれ補正制御パラメータを、たとえば、カメラが「三脚固定」される場合と該カメラが「手持ち」される場合とで異ならせる。ぶれ補正制御パラメータの切替えを細分化することで、カメラの保持状態によらず、ぶれ補正レンズ駆動部24a、24b以外のフォーカスレンズ駆動部22による駆動の影響を抑えて適切に防振制御することができる。なお、カメラの保持状態に限らず、「動画」撮影または「静止画」撮影される場合とで異ならせてもよい。この場合には、カメラの撮影モードによらず、ぶれ補正レンズ駆動部24a、24b以外のフォーカスレンズ駆動部22による駆動の影響を抑えて適切に防振制御することができる。
【0065】
(変形例3)
ぶれ検出部31をジャイロセンサ等の角速度センサによって構成する例を説明したが、撮像素子3によって取得される画像に基づいて電子的にぶれを検出するように構成してもよい。たとえば、所定時間間隔(30フレーム/毎秒)毎に撮像されたフレーム画像間の動きベクトルを検出し、この動きベクトルに基づいてぶれの有無を検出することもできる。
【0066】
(変形例4)
上記の説明では、撮影光学系の焦点距離についてとくに触れていないが、撮影光学系は単焦点レンズに限られず、ズームレンズによって構成してもよい。
【0067】
(変形例5)
上述した説明では、コントローラ部12が1つのCPUによって構成される例を説明した。本発明は、カメラ全体を制御するコントローラ部12を1つのCPUによって構成する場合の他に、複数のCPUによってコントローラ部12を構成する場合にも適用が可能である。すなわち、一眼レフカメラボディと交換レンズのように、カメラボディ側CPUとレンズ鏡筒側CPUとにコントローラ部12が分かれる構成であってもよい。
【0068】
(変形例6)
上記実施形態では、ぶれ補正のためにぶれ補正レンズ2を光軸Zと直交する向きに進退移動させる方式を説明したが、撮像素子3を光軸Zと直交する向きに進退移動させる方式にも本発明を適用してかまわない。
【0069】
以上の説明はあくまで一例であり、上記の実施形態の構成に何ら限定されるものではない。また、上述した実施形態および各変形例は、適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…フォーカスレンズ
2…ぶれ補正レンズ
3…撮像素子
12…コントローラ部
13…合焦演算部
21…フォーカスレンズ制御部
22…フォーカスレンズ駆動部
23a、23b…ぶれ補正レンズ制御部
24a、24b…ぶれ補正レンズ駆動部
31…ぶれ検出部
37、37B…PID位相補償部
372…フィードフォワード演算部
373…比例演算部
374…積分演算部
375…微分演算部
Z…光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の振れを検出する振れ検出部と、
撮影光学系を介して結像された被写体像を撮像し、画像信号を出力する撮像部と、
前記振れ検出部による検出結果に基づいて、前記撮像部に結像される像ぶれを抑制するための制御量を演算する演算部と、
前記制御量に応じて前記撮影光学系または撮影光学系の一部または前記撮像部を撮影光学系の光軸と直交する向きに進退移動させる第1駆動部と、
前記撮影光学系または撮影光学系の一部を前記光軸の向きに進退移動させる第2駆動部と、
前記第2駆動部による駆動時と非駆動時とで前記制御量演算における演算パラメータを異ならせるように前記演算部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記第2駆動部は、前記画像信号から得られる焦点評価値に基づく焦点調節時に前記駆動を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の撮像装置において、
前記演算パラメータは、位相補償演算パラメータを含むことを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項3に記載の撮像装置において、
前記位相補償演算パラメータは比例項、積分項、および微分項を含み、
前記制御部は、前記位相補償演算パラメータの少なくとも1つを異ならせるように前記演算部を制御することを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項4に記載の撮像装置において、
前記制御部は、動画撮影または静止画撮影、もしくは装置が三脚固定される場合または該装置が手持ちされる場合において、前記位相補償演算パラメータの少なくとも1つをさらに異ならせるように前記演算部を制御することを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
請求項4に記載の撮像装置において、
前記制御部は、前記第2駆動部による駆動周波数および振幅の少なくとも1つに応じて前記位相補償演算パラメータの少なくとも1つをさらに異ならせるように前記演算部を制御することを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
請求項5に記載の撮像装置において、
前記非駆動時の演算パラメータは、装置が三脚固定される場合と該装置が手持ちされる場合とで異なることを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
撮像部に結像させる撮影光学系と、
鏡筒の振れを検出する振れ検出部と、
前記振れ検出部による検出結果に基づいて前記撮影光学系を介して前記撮像部に結像される像ぶれを抑制するための制御量を演算する演算部と、
前記制御量に応じて前記撮影光学系または撮影光学系の一部を該撮影光学系の光軸と直交する向きに進退移動させる第1駆動部と、
前記撮影光学系または撮影光学系の一部を前記光軸の向きに進退移動させる第2駆動部と、
前記第2駆動部による駆動時と非駆動時とで前記制御量演算における演算パラメータを異ならせるように前記演算部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とするレンズ鏡筒。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−237770(P2012−237770A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104688(P2011−104688)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】