説明

撮像装置及びその制御方法、プログラム、並びに記憶媒体

【課題】被写体が寝ているか否かを判定し、寝ている被写体を起こさないように発光手段の発光量及び発光時間を適切に制御できる技術を実現する。
【解決手段】撮像装置は、撮影の際に被写体を照らす発光手段と、被写体の光学像を撮像して画像データを生成する撮像手段と、前記撮像手段によって生成された画像データから被写体の顔を検出する顔検出手段と、前記顔検出手段により検出された顔が目瞑り状態か否かを判定する目瞑り判定手段と、前記目瞑り判定手段により目瞑り状態と判定された被写体が一定時間以上目瞑り状態であると当該被写体が寝ていると判定する寝顔判定手段と、前記発光手段による発光を伴った画像撮影を行う際に、前記発光手段の発光制御を行う発光制御手段と、を有し、前記発光制御手段は、前記寝顔判定手段により寝ていると判定された被写体を撮影する場合、前記発光手段の通常時の発光強度に対して、発光強度が小さくなるように前記発光手段を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストロボ撮影における発光制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のカメラでは、暗い被写体を明るくするためにストロボ(キセノン(Xe)管)などの発光手段を使用して撮影を行っていた。キセノン管の特徴の一つとして瞬間的に強い光(大きい光量)が発光できることが挙げられる。一方で、被写体の顔検出を行って顔の露出が適正となるように発光手段の発光量を制御する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−081607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のストロボ発光制御では、瞬間的に強い光(大きい光量)が発光されるため、寝ている被写体を撮影したい場合(例えば、赤ちゃんやペットの寝顔を撮影したい場合)、被写体を起こしてしまう可能性がある。つまり、従来のストロボ発光制御は寝ている被写体の撮影には不適切な場合があり、寝ている被写体を撮影する際には、従来とは異なったストロボ発光制御が必要となる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、被写体が寝ているか否かを判定し、寝ている被写体を起こさないように発光手段の発光量及び発光時間を適切に制御できる技術を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の撮像装置は、撮影の際に被写体を照らす発光手段と、被写体の光学像を撮像して画像データを生成する撮像手段と、前記撮像手段によって生成された画像データから被写体の顔を検出する顔検出手段と、前記顔検出手段により検出された顔が目瞑り状態か否かを判定する目瞑り判定手段と、前記目瞑り判定手段により目瞑り状態と判定された被写体が一定時間以上目瞑り状態であると当該被写体が寝ていると判定する寝顔判定手段と、前記発光手段による発光を伴った画像撮影を行う際に、前記発光手段の発光制御を行う発光制御手段と、を有し、前記発光制御手段は、前記寝顔判定手段により寝ていると判定された被写体を撮影する場合、前記発光手段の通常時の発光強度に対して、発光強度が小さくなるように前記発光手段を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被写体が寝ているか否かを判定し、寝ている被写体を起こさないように発光手段の発光量及び発光時間を適切に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態の撮像装置による画像撮影動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、後述する各実施形態の一部を適宜組み合わせて構成しても良い。
【0010】
以下、本発明の撮像装置をデジタルスチルカメラに適用した例を説明するが、これに限られず、ストロボ撮影機能を備える他の電子機器に適用しても良い。
【0011】
<装置構成>まず、図1を参照して、本実施形態の撮像装置の主要な構成について説明する。
【0012】
図1において、本実施形態の撮像装置100はストロボ発光を伴う画像撮影に特徴を有する。10は撮影レンズである。12は絞り機能を備えるシャッターである。14は被写体の光学像を電気信号に変換する撮像素子である。16はA/D変換器であり、撮像素子14のアナログ信号出力をデジタル信号に変換する。
【0013】
18はタイミング発生回路であり、撮像素子14、A/D変換器16、D/A変換器26にクロック信号や制御信号を供給するもので、メモリ制御回路22及びシステム制御回路50により制御される。20は画像処理回路であり、A/D変換器16からのデータ或いはメモリ制御回路22からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。また、画像処理回路20では、撮像により生成された画像データを用いて所定の演算処理を行って、その演算結果をシステム制御回路50に供給する。
【0014】
システム制御回路50は、その演算結果に基づいて、露光制御部40、焦点調節部42を制御して、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理を実現する。さらに、画像処理回路20では、撮像により生成された画像データを用いてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行う。
【0015】
22はメモリ制御回路であり、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30、圧縮・伸長回路32を制御する。A/D変換器16から出力されるデータは、画像処理回路20を介してメモリ制御回路22に供給され、或いは直接メモリ制御回路22に供給され、これにより、画像表示メモリ24或いはメモリ30に書き込まれる。
【0016】
24は画像表示メモリである。26はD/A変換器である。28はTFT−LCD等からなる画像表示部である。画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器26を介して画像表示部28に供給され、これにより画像表示部28に画像が表示される。画像表示部28に撮像に係る画像を逐次表示することにより、電子ファインダ機能を実現することができる。また、画像表示部28を用いて、再生表示機能、各種表示機能を利用することができる。また、画像表示部28は、システム制御回路50の指示により任意に表示をオン/オフすることが可能であり、表示をオフにした場合は、撮像装置100の電力消費を大幅に低減することができる。
【0017】
30はメモリであり、撮影した静止画像や動画像を格納する。メモリ30は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶量を備えている。このメモリ30を利用することにより、複数枚の静止画像を連続して撮影する連写撮影やパノラマ撮影の場合においても、高速に大量の画像を保存することができる。また、メモリ30はシステム制御回路50の作業領域としても利用され得る。
【0018】
32は圧縮・伸長回路であり、適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮し又は伸長する。圧縮・伸長回路32では、メモリ30に格納された画像を読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えたデータをメモリ30に書き込む。
【0019】
40は絞り機能を備えるシャッター12を制御する露光制御部であり、ストロボ48と連携してフラッシュ調光を行うこともできる。42は撮影レンズ10のフォーカシングを制御する焦点調節部である。露光制御部40及び焦点調節部42は、撮像により生成された画像データを画像処理回路20が演算した演算結果に基づいて、システム制御回路50によって制御される。これにより、TTL方式の露光制御及び焦点調節が実現される。44は撮影レンズ10のズーミングを制御するズーム制御部である。
【0020】
46はバリア(保護部)102の動作を制御するバリア制御部である。
【0021】
ストロボ48は微小長秒発光及び微小発光が可能なLED光源を備え、システム制御回路50からの制御信号に応じた発光強度及び発光時間で発光する。また、ストロボ48は、本発光においては通常時の発光強度及び発光時間の閃光発光と、通常時より発光強度が小さくかつ発光時間が長い微小長秒発光とが制御可能であり、また本発光前のプリ発光時も同様に通常時の調光用発光と微小発光とが制御可能である。更に、ストロボ48は、被写体を明るく照らしてピントを合いやすくするためのAF補助光の投光機能を有する。なお、ストロボ48は、単一でもよいし、閃光発光用にキセノン管、微小長秒発光用にLEDなどのように光源を複数設け、本発光時にそれぞれを切り替えて制御してもよい。ここで、微小長秒発光及び微小発光とは、ストロボ発光を伴う画像撮影において、トータル発光量(積分量)は変化させずに発光時間を変える、つまり発光時間が長いときは発光強度の小さい(弱い)光、発光時間が短いときは発光強度の大きい(強い)光となるように発光量を制御する。これにより、発光時間が長くなる分、被写体には発光強度の小さい光が照らされるので、例えば、赤ちゃんやペットの寝顔を撮影したい場合に起こしてしまわないように画像の撮影ができる。
【0022】
50はシステム制御回路であり、撮像装置100全体を制御する。52はメモリであり、システム制御回路50の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶する。また、メモリ52はAEで用いるプログラム線図も格納している。プログラム線図は、露出値に対する絞り開口径とシャッター速度の制御値との関係を定義したテーブルである。
【0023】
54は液晶表示装置等の表示部であり、システム制御回路50によるプログラムの実行に応じて、文字、画像等を用いて動作状態やメッセージ等を表示する。表示部54は、撮像装置100の操作部近辺の視認し易い位置に単数或いは複数箇所設置され、例えばLCDやLED等の組み合わせにより構成されている。また、表示部54は、その一部が光学ファインダ104内に設置されている。
【0024】
表示部54の表示内容のうち、LCD等で表示するものとしては、シングルショット/連写撮影表示、セルフタイマー表示、圧縮率表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示、シャッタースピード表示、絞り値表示等がある。加えて、露出補正表示、フラッシュ表示、赤目緩和表示、マクロ撮影表示、ブザー設定表示、時計用電池残量表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、記録媒体200の着脱状態表示、通信I/F動作表示、日付・時刻表示等がある。また、表示部54の表示内容のうち、光学ファインダ104内に表示するものとしては、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示等がある。
【0025】
56は電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばEEPROM等で構成される。
【0026】
60、62、64、66は、ユーザがシステム制御回路50へ各種動作を指示するための操作部であり、例えばスイッチやダイヤル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成される。具体的に説明すると、60はモードダイヤルスイッチであり、電源オフ、プログラムAEモードなどの自動露出モード、全自動モード、マニュアル露出モード、寝顔撮影モード、パノラマ撮影モード、再生モード、マルチ画面再生・消去モード、PC接続モード等の各モードを切り替えることができる。
【0027】
62はシャッタースイッチSW1であり、不図示のシャッターボタンの操作途中でオンとなり、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作開始を指示する。
【0028】
64はシャッタースイッチSW2であり、前記シャッターボタンの操作完了でオンとなり、撮像素子14から読み出した信号をA/D変換器16、メモリ制御回路22を介してメモリ30に画像データを書き込む露光処理の動作を開始する。更に、画像処理回路20やメモリ制御回路22での演算を用いた現像処理、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮・伸長回路32で圧縮を行い、記録媒体200に画像データを書き込む記録処理という一連の処理の動作開始を指示する。
【0029】
66は各種ボタンやタッチパネル等からなる操作部である。操作部66には、メニューボタン、セットボタン、十字ボタンなどがある。
【0030】
80は電源制御部であり、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されている。電源制御部80は、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、検出結果及びシステム制御回路50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部へ供給する。82、84はコネクタである。86は電源であり、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。
【0031】
90及び94はメモリカードやハードディスク等の記録媒体とのインタフェースである。92及び96はメモリカードやハードディスク等の記録媒体と接続を行うコネクタである。98はコネクタ92及び或いは96に記録媒体200或いは210が装着されているか否かを検知する記録媒体着脱検知部である。
【0032】
なお、本実施形態では記録媒体を取り付けるインタフェース及びコネクタを2系統持つものとして説明している。もちろん、記録媒体を取り付けるインタフェース及びコネクタは、単数或いは複数、いずれの系統数を備える構成としても構わない。また、異なる規格のインタフェース及びコネクタを組み合わせて備える構成としても構わない。インタフェース及びコネクタとしては、PCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等の規格に準拠したものを用いて構成して構わない。
【0033】
さらに、インタフェース90及び94、そしてコネクタ92及び96をPCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ)カード等の規格に準拠したものを用いて構成した場合、LANカードやモデムカード、USBカード、IEEE1394カード、P1284カード、SCSIカード、PHS等の通信カード、等の各種通信カードを接続することにより、他のコンピュータやプリンタ等の周辺機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を転送し合うことが出来る。
【0034】
102は、撮像装置100の撮影レンズ10を含む撮像部を覆う事により、撮像部の汚れや破損を防止するバリアである保護手段である。
【0035】
104は光学ファインダであり、画像表示部28による電子ファインダ機能を使用すること無しに、光学ファインダのみを用いて撮影を行うことが可能である。また、光学ファインダ104内には、表示部54の一部の機能、例えば、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示などが設置されている。
【0036】
110は通信部で、RS232CやUSB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信、等の各種通信機能を有する。
112は通信部110により撮像装置100を他の機器と接続するコネクタ或いは無線通信の場合はアンテナである。
【0037】
200はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体200は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部202、撮像装置100とのインタフェース204、撮像装置100と接続を行うコネクタ206を備えている。
【0038】
210はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体210は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部212、撮像装置100とのインタフェース214、撮像装置100と接続を行うコネクタ216を備えている。
【0039】
<動作説明>図2を参照して、本実施形態の撮像装置による画像撮影動作について説明する。なお、図2の処理は、システム制御回路50が、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを、RAMなどの揮発性メモリ52のワークエリアに展開し、実行することで実現される。
【0040】
システム制御回路50は、モードダイヤル60が撮影可能なモードにおいて電源86がオンされると、各種撮影準備動作を行い、撮影準備が完了すると、画像表示部28へスルー画像の表示を開始する。ここで、スルー画像とは、静止画を撮影する前後に構図確認などのために表示させる、撮像素子14によって撮像された画像のことである。スルー画像表示状態においては、撮像素子14、A/D変換器16、画像処理回路20およびメモリ制御回路22を介して画像表示メモリ24に逐次書き込まれたデータは、メモリ制御回路22およびD/A変換器26を介して画像表示部28に逐次表示される。これにより、電子ビューファインダ(EVF)機能が実現する。
【0041】
次に、図2を参照して、スルー画像表示状態における画像撮影動作について説明する。
【0042】
図2において、入力された画像データ(例えばスルー画像)は、まず画像処理回路20において顔検出処理が行われる(S201)。顔検出処理については既知の方法でよい。例えば、入力された画像データから、鼻、口や目などの被写体の顔領域の構成要素に相当する形状を抽出し、両目の中間を通過する延長線上に鼻と口が存在する領域を検出する。そして、両目の大きさとそれらの距離から顔の大きさを推定し、鼻の中心に相当する位置を基準として、推定した大きさの領域で囲んだ領域を顔領域とする。
【0043】
ステップS201で顔が検出できた場合は、ステップS202に進み、画像処理回路20にて一定時間以上被写体が目瞑り状態であるか否かを判定する。複数の顔が検出された場合は、被写体の顔の大きさや位置などから画像処理回路20が主顔と判断した顔のみを対象にしてもよいし、検出された全ての顔を対象にしてもよい。目瞑り状態か否かを判定も既知の方法でよい。例えば、入力された画像データに対して2値化処理を行い、2値化した画像から瞳孔に相当する黒領域を抽出し、黒領域の縦方向の連続画素数に基づいて目の開閉状態を判定してもよい。また上瞼と下瞼のエッジを検出し、上下瞼エッジ間の距離から目の開閉状態を判定してもよい。また、予め目瞑り状態の顔の特徴データを寝顔登録手段として不揮発性メモリ56に登録しておき、画像処理回路20で検出された顔の特徴データと登録済みの目瞑り状態の顔の特徴データとを比較することにより個人の目瞑り状態の顔を特定してもよい。
【0044】
シャッタースイッチ(SW1)62が押されるまでの間に連続して一定時間以上目瞑り状態の同一被写体が検出されると被写体が寝ていると判定され、寝顔判定FLAGに1が代入される(ステップS203)。寝顔判定FLAGに1が代入されているとき、表示部54に被写体が寝ていることを示すメッセージ等を表示してもよい。一方、ステップS201で顔が検出できなかったり、ステップS202で一定時間以上被写体が目を瞑っていないと判定されたりした場合、システム制御回路50は寝顔判定FLAGに0を代入する(ステップS204)。
【0045】
次に、ステップS205では、システム制御回路50は、シャッタースイッチ(SW1)62が押されたか否かを判定し、押されている場合はステップS206に進むが、押されていなければステップS201に戻る。
【0046】
ステップS206では、システム制御回路50は、シャッタースイッチ(SW2)64が押されたか否かを判定し、押された場合はステップS207に進み、押されていない場合はステップS205に戻る。
【0047】
ステップS207では、システム制御回路50は、寝顔判定FLAGが1か否かを判定する。寝顔判定FLAGが1ではない場合(つまり、0の場合)、ストロボ48を通常通りに調光用発光(フラッシュプリ発光)するように制御し(S209)、続く本発光も通常通りの閃光発光で画像を撮像する(S211)。
【0048】
一方、S207で寝顔判定FLAGが1の場合、ストロボ48を調光用微小発光するように制御し(S208)、続く本発光では調光結果に基づいた微小長秒発光で画像を撮像する(S210)。ステップS210で微小長秒発光としたのは、ストロボ48がどのような発光強度であっても最終的なトータル発光量が等しくなればよく、露光時間中に連続して発光させることによって被写体が必要とする光量を補うためである。しかし、ここでもし調光用発光時の微小発光が被写体に届かなかった場合は本発光を非発光としてもよい。
【0049】
また、ステップS207で寝顔FLAGが1の場合、発音素子のシャッター音や部材操作音等をオフにしてもよい。さらに、システム制御回路50はシャッタースイッチ(SW1)62が押されているときにAF補助光を発光しないように制御してもよい。
【0050】
なお、本実施形態において、被写体は人物に限らず、人以外の動物でも同様の処理を行えるものである。
【0051】
以上説明したように、本実施形態によれば、寝顔を撮影する際、手間をかけずに適切な発光制御で、被写体を明るく撮影することが可能となる。
【0052】
<変形例>上述した実施形態では、ステップS207で寝顔FLAGが1の場合、ストロボ48を調光用微小発光するように制御し(S208)、続く本発光では調光結果に基づいた微小長秒発光で画像を撮像した(S210)。これに対して、調光用発光を行わず、本発光も発光せずに画像を撮像するように制御してもよい。このようにすれば、寝顔を撮影する際、手間をかけずに、上記実施形態よりもさらに被写体を起こす心配なく撮影することが可能となる。つまり、被写体を起こさないことを最優先とした撮影モードと言える。
【0053】
なお、上述した実施形態のようなストロボ発光制御を行うモードを寝顔撮影モードとし、ユーザが任意にモード設定できるように構成してもよい。この場合、寝顔撮影モードに設定されると、ユーザが識別可能に表示するように構成してもよい。また、撮影画角内に一人でも寝ている被写体が存在したら寝顔撮影モードにするように構成してもよい。
【0054】
また、プリ発光後やSW1のオン中に被写体が動いたり、目を開けた場合でも、寝顔撮影モードを維持するように構成してもよい。更に、微小発光時の発光強度を被写体との距離によって変化させ、被写体が所定の距離より遠い場合には寝顔撮影モードにならないように構成してもよい。
【0055】
また、微小長秒発光する場合に発光時間が長すぎると手振れや被写体の動き等の影響により良好な画像を撮像することができなくなってしまう。そのため、発光時間を長くする代わりに撮影感度を上げたり絞りを開いたりして、発光強度を小さくすることによる露出変化を補償しても構わない。この場合、少なくとも絞り及び撮影感度の一方を制御する構成であればよい。
【0056】
[他の実施形態]本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上記実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影の際に被写体を照らす発光手段と、
被写体の光学像を撮像して画像データを生成する撮像手段と、
前記撮像手段によって生成された画像データから被写体の顔を検出する顔検出手段と、
前記顔検出手段により検出された顔が目瞑り状態か否かを判定する目瞑り判定手段と、
前記目瞑り判定手段により目瞑り状態と判定された被写体が一定時間以上目瞑り状態であると当該被写体が寝ていると判定する寝顔判定手段と、
前記発光手段による発光を伴った画像撮影を行う際に、前記発光手段の発光制御を行う発光制御手段と、を有し、
前記発光制御手段は、前記寝顔判定手段により寝ていると判定された被写体を撮影する場合、前記発光手段の通常時の発光強度に対して、発光強度が小さくなるように前記発光手段を制御することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記発光制御手段は、前記寝顔判定手段により寝ていると判定された被写体を撮影する場合、前記発光手段を発光させないように制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記寝顔判定手段により寝ていると判定された被写体を撮影する場合に、前記発光制御手段が前記発光手段の通常時の発光強度に対して発光強度を小さくすることによる露出変化を補償するように、少なくとも絞り及び撮影感度の一方を制御する制御手段を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記発光制御手段は、前記寝顔判定手段により寝ていると判定された被写体を撮影する場合、前記発光手段の通常時の発光時間に対して、発光時間が長くなるように前記発光手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記発光手段は、本発光時においては通常時の発光強度及び発光時間の閃光発光と、通常時より発光強度が小さくかつ発光時間が長い微小長秒発光とが制御可能であり、本発光前のプリ発光時においては通常時の発光強度及び発光時間の調光用発光と、通常時より発光強度が小さくかつ発光時間が長い微小発光とが制御可能であることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記発光制御手段は、前記寝顔判定手段により寝ていると判定された被写体を撮影する場合、前記発光手段のプリ発光時の調光用発光を微小発光に切り替えることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記発光制御手段は、前記プリ発光時の微小発光が被写体に届かない場合は、本発光時の微小長秒発光を行わないように制御することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
予め寝顔の特徴データを登録しておく登録手段を更に有し、
前記発光制御手段は、前記顔検出手段により検出された顔の特徴データと前記登録手段に登録されている寝顔の特徴データとを比較することにより被写体が寝ているか判定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記顔検出手段により複数の顔が検出された場合、前記目瞑り判定手段は、前記複数の顔から主顔と判断した顔のみを対象に目瞑り状態か否かを判定することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記顔検出手段により複数の顔が検出された場合、前記目瞑り判定手段は、全ての顔について目瞑り状態か否かを判定することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項11】
被写体を明るく照らしてピントを合いやすくするためのAF補助光を投光する手段を更に有し、
前記発光制御手段は、前記寝顔判定手段により寝ていると判定された被写体を撮影する場合、前記AF補助光を投光させないように制御することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記被写体は、人以外の動物を含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項13】
撮影の際に被写体を照らす発光手段と、
被写体の光学像を撮像して画像データを生成する撮像手段と、を有する撮像装置の制御方法であって、
前記撮像手段によって生成された画像データから被写体の顔を検出する顔検出工程と、
前記顔検出工程により検出された顔が目瞑り状態か否かを判定する目瞑り判定工程と、
前記目瞑り判定工程により目瞑り状態と判定された被写体が一定時間以上目瞑り状態であると当該被写体が寝ていると判定する寝顔判定工程と、
前記発光手段による発光を伴った画像撮影を行う際に、前記発光手段の発光制御を行う発光制御工程と、を有し、
前記発光制御工程は、前記寝顔判定工程により寝ていると判定された被写体を撮影する場合、前記発光手段の通常時の発光強度に対して、発光強度が小さくなるように前記発光手段を制御することを特徴とする制御方法。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の撮像装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
コンピュータを、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の撮像装置の各手段として機能させるためのプログラムを記憶したコンピュータによる読み取りが可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−58865(P2013−58865A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195345(P2011−195345)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】