説明

撮像装置及び撮像装置の制御方法

【課題】警告による撮影の邪魔を抑えながら異常が継続している警告をユーザに確実に通知できるようにする。
【解決手段】映像を記録する映像記録手段と、撮像装置で発生した異常を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段が異常を検出したことを通知する警告表示を行う警告表示手段と、前記警告表示手段により前記異常に対する警告表示を行ったか否かを判定する警告表示判定手段と、撮像装置全体の動作を制御する制御手段とを有し、前記異常検出手段により撮像装置で異常が発生していることを検出したときに、前記警告表示判定手段により前記異常に対する警告表示を行ったか否かを判定し、警告表示を行っていないと判定したときは、映像を記録中か否かによらず警告表示を行い、警告表示を行ったと判定したときは、映像の記録が停止したときに警告表示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置及び撮像装置の制御方法に関し、特に、撮像装置において行う警告の表示制御に用いて好適な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルビデオカメラのような撮像装置は、高機能化、多機能化が進んでおり、それに伴って多種多様な場面で装置の異常を検出する必要性が高まっている。異常を検出したときの通知方法としては、液晶パネルに代表される表示装置を使って警告表示を行うものが一般的である。
【0003】
装置の異常を検出したときは、できるだけ早く警告を通知するために表示を行うことが求められる。また、特に装置を正常に操作できなくなるような異常や、装置の破損につながるような異常が検出されている場合は、継続してユーザに異常を通知していくことも重要になってくる。
【0004】
そのような観点から、警告表示を行うタイミングを装置の動作の変化点をきっかけにして制御することを特徴とした先行例が提案されている(特許文献1)。特許文献1では、電源のオン・オフ時や、電池交換時や、モード変更時などのタイミングで特別な情報表示を行うことによって、装置の状態を的確に把握、確認できるようになることが期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−236702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、撮像装置の場合は、撮影している映像を表示する表示装置とユーザに異常を通知するための表示装置が同一であることが多いため、特に映像を記録している最中に警告表示を行うと視界が遮られて煩わしいという特有の制限がある。
【0007】
そのため、異常が検出されたときには素早く警告を表示することと、異常が継続しているときは継続して警告を通知することと、映像を記録しているタイミングを避けて警告を表示することを満たす警告表示が求められている。
本発明は前述の問題点に鑑み、警告による撮影の邪魔を最小限に抑えながら異常が継続している警告をユーザに確実に通知できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の撮像装置は、映像を記録する映像記録手段と、撮像装置で発生した異常を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段が異常を検出したことを通知する警告表示を行う警告表示手段と、前記警告表示手段により該異常に対する警告表示を行ったか否かを判定する警告表示判定手段と、撮像装置全体の動作を制御する制御手段とを有し、前記異常検出手段により撮像装置で異常が発生していることを検出したときに、前記警告表示判定手段により該異常に対する警告表示を行ったか否かを判定し、前記制御手段は、警告表示を行っていないと判定したときは、映像を記録中か否かによらず警告表示を行い、警告表示を行ったと判定したときは、映像の記録が停止したときに警告表示を行うよう前記警告表示手段を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、警告による撮影の邪魔を抑えながら異常が継続している警告をユーザに確実に通知できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】デジタルビデオカメラのシステム構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施形態の撮像装置の動作を表すシーケンス図である。
【図4】第1の実施形態における警告表示例を示す図である。
【図5】第2の実施形態の撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態の撮像装置の動作を表すシーケンス図である。
【図7】第2の実施形態における第2の警告表示例を示す図である。
【図8】第3の実施形態の撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【図9】第3の実施形態の撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態における第3の警告表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明を適用した撮像装置としてのデジタルビデオカメラの構成例を示すブロック図である。
図1において、撮像部1は光学系レンズ、CMOSセンサー等の撮像素子、オートフォーカス機構、ズーム機構等からなる。撮像部1は、カメラ制御部3の指示に従い、被写界に対して焦点や光量等を調整し、レンズを通して結像された被写界の光学像を映像信号に変換し、カメラ信号処理部2に送出する。カメラ信号処理部2は、カメラ制御部3の指示に従い、撮像部1から入力された映像信号に所定の信号処理を施して、記録系信号処理部6に送出する。
【0012】
操作部12の一部は、カメラ系に関する各種スイッチ、ダイヤル(AFオン/オフ、AEオート/ロック、プログラムAE等)類から構成され、操作者からの指示をシステム制御部4を介してカメラ制御部3に送出する。カメラ制御部3は、マイクロコンピュータ等により構成され、システム制御部4、操作部12の指示等に従ってカメラ系全体を制御する。
【0013】
信号処理部5は、記録系信号処理部6と再生系信号処理部7とから構成され、システム制御部4の指示により、記録・再生の信号処理を行う。記録系信号処理部6は、カメラ信号処理部2から出力された信号に対して、所定の信号処理を施して映像信号を生成し、この映像信号をシステム制御部4を介して記録媒体9に送出し、記録媒体9に記録されるようにする。
【0014】
記録媒体9は、ハードディスク、DVD、フラッシュメモリなどからなり、システム制御部4からの制御により映像信号が記録される。記録された映像信号は、操作部12を操作することによって再生するときに読み出され、システム制御部4、再生系信号処理部7を経由して、液晶パネル8に表示される。
【0015】
システム制御部4は、前述した、デジタルビデオカメラの各種機能を総合的に制御するマイクロコンピュータ4a、制御プログラムを格納した不揮発性メモリ4b、一時的に使用するデータを保管する揮発性メモリ4c等から構成される。このように構成されたシステム制御部4は撮像装置全体の動作を制御する。
【0016】
操作部12の一部は、VTR系、及び装置全体に関する各種スイッチである。本実施形態においては、([↑]、[→]、[↓]、[←]、[SET]、[END]、[PRINT]、[MENU]、[PLAY]、[FF/REW]、[STOP]、[START/STOP])等を備えている。これらの各種スイッチが操作者により操作されることにより、操作者の指示がシステム制御部4に送出される。操作部12の一部を構成する電源モードスイッチは、本体の電源モード(カメラ/切/VTR)を選択するためのスイッチで、その状態をシステム制御部4に送出する。
【0017】
液晶パネル8は、信号処理部5で処理された映像信号を映し出すと共に、文字や記号による本体の各種情報の表示や各種画面を映像に重畳して表示する。
ファン11は、撮像部1などで発熱した際のカメラの温度上昇を緩和するための冷却機構である。システム制御部4により、回転の制御が行われる。また、ファン11にはファンの回転を検出してパルス状の信号を出力するファン回転検出部10が接続されている。
【0018】
ファン回転検出部10から出力されたパルス状の信号は、システム制御部4で監視される。ここでは、予め定められた所定の時間内にパルスの検出が行われなかった場合や、単位時間当たりのパルス数に異常が見られた場合にファン11の異常と判定して異常検出する。異常が検出されると、システム制御部4は液晶パネル8上にビットマップ表示として警告を表すメッセージを表示する。
第1の実施形態では、ファンの異常を検出したときに、最初は映像記録中であっても警告を表示し、それ以降は映像記録を停止したときに警告を表示する例について説明する。
【0019】
図2は、第1の実施形態の動作を表すフローチャートであり、ファンの回転が低下した異常をファン回転検出部10からの信号に基づいてシステム制御部4が検出して警告を表示する制御処理の流れを表している。この処理は、不揮発性メモリ4bに記録されたプログラムを、ワークメモリとして機能する揮発性メモリ4cに展開してシステム制御部4が実行することで実現する。
最初に、S201ではファンの回転数の異常を表す警告が一度でも表示されたか否かを判定するために使用する、警告表示済みフラグ(揮発性メモリ4cに保持)の状態をOFFに初期化する。
【0020】
次に、S202では、ファン回転検出部10から出力されたパルス信号に基づいてカウントした所定時間内のファンの回転数を取得する。取得したファンの回転数を、あらかじめ定められた異常と判断する閾値N(不揮発性メモリ4bに格納されており、プログラム実行時は揮発性メモリ4cに読み出して保持)と比較する(S203)。ファンの回転数がNよりも大きければファンは正常に動作ししているものとして警告の表示処理は行わない。一方、S203においてファンの回転数が閾値N以下であった場合は、ファンの回転数が異常であると判断して、警告を表示するためのS204の処理へ進む。
【0021】
S204では、ファンの回転数の異常を表す警告が一度でも表示されたか否かを判定する警告表示判定を行うために、警告表示済みフラグの状態を確認する。警告表示済みフラグがOFFのときは、まだ警告が表示されていないので、S205に進んで警告表示を行い、その後、警告表示が行われたことを示す警告表示フラグをONにする(S206)。
【0022】
一方、S204において警告表示フラグがONのときは、既に警告が表示された形跡があり、さらにその異常が検出されている状態が継続していることを示すので、S208の条件分岐への処理に進む。S208では、動画記録中から動画記録停止へとデジタルビデオカメラの映像記録の状態が遷移したか否かを確認し、状態遷移が行われたときであればS205へと進んで警告表示を行う。その次はS206の警告表示フラグを立てる処理となっているが、S208からS205に進んだ場合には行わなくてもよい。S208において状態遷移が行われていないとき、すなわち動画記録が継続しているか、動画記録を行っていないときには、警告表示を行う条件から外れるため、S211へ進む。
【0023】
S211では、表示中の警告を非表示にするための操作(例えば、後述のOKボタンの押下)をユーザが行ったか否かを判定する。ユーザが非表示にするための操作を行った場合は、S212に進んで警告表示を解除する。S211で操作を行っていないと判定した場合は、S207に進む。
【0024】
S207においてファンの異常を検出する処理が終了する条件を満たしていれば、S213に進み、警告表示を解除し、S210で警告表示済みフラグをOFFにリセットした後に本シーケンスは終了する。
【0025】
一方、S207において、終了条件を満たしていない場合は、継続して処理が行われるため、S207からS202へと進む。S207の終了条件としては、デジタルビデオカメラの電源をOFFにした場合や、撮影を行うカメラモードから記録した映像を再生する再生モードに切り替えた場合などが該当する。本実施形態の撮像装置は、カメラモードおよび再生モードの他に、複数の動作モードが存在するものとする。
【0026】
一方、S203のファン回転数の確認処理において、ファンの回転数が閾値Nよりも多かった場合、システム制御部4の処理はS214へと進み、警告表示を解除した上で、S209で警告表示済みフラグをOFFにする。警告表示済みフラグをOFFにすることで、再びファンの異常を検出したときに、これまでに述べた処理を最初から行うことができる。
【0027】
図2の制御フローに従って警告を検出する処理を、実際のデジタルビデオカメラの記録タイミングと合わせて図3を参照しながら説明する。
図3(A)は、横軸を時間軸として、デジタルビデオカメラで記録を行っているか否かの状態を時系列で表現したものである。「記録中」と表記している部分が映像を記録している状態を表し、それ以外は記録待機中の状態を表している。
【0028】
図3(B)は、ファンが異常か否かの状態を時系列で表現したものである。「ファン異常」と表記している部分はファンに異常があった状態を表しており、それ以外はファンが正常であったことを表している。
【0029】
図3(C)は、警告表示をしているか否かを時系列で表現したものである。「警告表示」と表記している期間が警告を液晶パネル8に表示している状態を表しており、それ以外は警告表示を行っていない状態を表している。
【0030】
図3(D)は、それぞれのファン異常に対するファン異常警告表示済みフラグの状態を表している。「ファン異常警告表示済みフラグON」と表記してある期間が、それぞれの警告を表示したことを表すフラグがONになっている状態であり、それ以外は同フラグはOFFになっている。
【0031】
図3において、T1の時点は(B)にあるファン異常1を検出した時点である。このとき、(A)においてデジタルビデオカメラは記録中でなく、まだ警告表示済みフラグが立っていないため、直ちにファン異常1を通知する警告(C)の警告表示(1−1回目)を表示する。ここでは、警告表示は図4のような画面であるものとし、ユーザが操作することでT2の時点で解除される場合の動作を記している。
【0032】
図4では、撮影中の映像に重畳してファンエラーが発生していることを示す警告メッセージと、警告を消去するためのOKボタン(ソフトキー)が表示されている。操作部12に含まれるスイッチ、ボタン類のうち、OKボタン(ソフトキー)に対応したものを押下することによって、図4の警告を消去することができる。この警告表示により、ファン異常1に対する警告表示済みフラグは一旦ON状態になるが、その後T3でファン異常1が解消されているため、そのタイミングで同フラグはOFFへと状態変化する。
【0033】
図3のT5の時点は、図3(B)にあるファン異常2を検出した時点である。このとき、図3(A)においてデジタルビデオカメラはT4の時点から映像記録中になっているが、まだ警告表示済みフラグが立っていないため、直ちにファン異常2を通知する警告図3(C)の警告表示(2-1回目)を表示する。この警告表示により、ファン異常2に対する警告表示フラグはONとなる。T6で警告表示をユーザが解除してもファン異常2の状態は継続しているため、図3(A)のT7において映像記録を終了すると、今度はT7の時点でファン異常2に対する2回目の警告表示(2−2回目)が行われる。
【0034】
T8で再び映像記録を開始して、T9の警告解除後にT10で映像記録を終了すると、T10の時点で3回目の警告表示(2−3回目)が行われる。警告表示をT11で解除した後も、ファン異常2の警告表示済みフラグはファン異常2が継続している間はONで保持されるが、ファン異常2が解消した時点T13で同フラグはOFFになる。T12で記録を開始した映像記録を、同フラグがOFFになった後のT14で停止しても、そのタイミングでは警告表示は行われない。
これ以降、以上に説明した流れのようにして、次のファン異常が検出される毎に同じ動作が繰り返される。
【0035】
また本実施形態では、警告表示はユーザの手によって解除される方式について説明したが、ユーザが解除することは必須ではなく、例えば一定の期間が経過すると表示が解除されるような形態でも同様の効果が得られる。
【0036】
なお、前述した実施形態では動画撮影の例で説明したが、本発明は動画撮影以外にも適用することができる。例えば、ある程度の期間継続した撮影動作を行う場合、途中で警告が出過ぎると撮影の邪魔になる問題点を解消することができる。具体的には、静止画の連写撮影中、静止画の長秒時露光中などに適用することができる。
本実施形態によれば、最初に撮像装置の異常を検出したときは、撮像装置が映像を記録しているか否かに関わらずユーザに異常を通知することができるので、いち早く注意を喚起することができる。また、一度異常を通知した後は、異常が検出され続けている限り、映像を記録しているときを避けてユーザに異常を通知することができるので、継続して注意を喚起することができる。すなわち、警告による撮影の邪魔を抑えながら異常が継続している警告をユーザに確実に通知できる。
【0037】
<第2の実施形態>
第2の実施形態は、第1の実施形態で表示した図1のシステム構成で、第1の警告表示の動作に加えて、第1の警告表示を解除した後にファンの異常が継続している間、表示形態の異なる第2の警告表示を出す例を説明する。第2の警告表示を出すことで、ファンの異常を常に通知することを特徴としたものである。第2の警告は、例えばアイコンの形態になっており、そのために液晶パネル8に占める表示の割合が低く、第1の警告表示よりも目立たないものの、表示しても邪魔にならないという特徴を持つものとする。
【0038】
図5は、第2の実施形態の動作を表すフローチャートである。この処理は、不揮発性メモリ4bに記録されたプログラムを、ワークメモリとして機能する揮発性メモリ4cに展開してシステム制御部4が実行することで実現する。図5において、S201からS214までは、個々の役割が図2におけるS201からS214までと同じであるため、ここでは同一のステップ番号を付して細かい説明は省略する。
【0039】
S205において警告の表示を行った後、S211で警告表示を解除する条件が整った場合、第1の実施形態と同様にS212において警告表示が解除される。このタイミングで、本実施形態では警告表示に代わる第2の警告表示である警告アイコンを表示する(S515)。ここで表示する警告アイコンは、図7にあるようなアイコン表示に代表される警告表示であり、デジタルビデオカメラで映像を記録している最中であっても邪魔にならない程度の大きさで表示されるものである。
その後、表示した警告アイコンは次のタイミングで非表示に代わる。
【0040】
1つ目は、映像の記録を行って記録を停止したタイミング(S208でYes)である。このときは、S518で警告アイコンを消去し、その後、再び第1の警告が表示される(S205)。
2つ目は、S203でファンの回転数が閾値N以上であると判定され、S214で警告を表示する条件が解除された後で、S516で警告アイコンを消去したときである。
3つ目は、ファンの警告のシーケンスが終了したとS207で判定された場合である。この場合、S213で警告表示を解除し、その後、S517で警告アイコンを消去する。
【0041】
図6を用いて同様に説明する。
図6において、(A)、(B)、(C)は図3と同様であり、(E)は図3の(D)と同様である。図6の(D)は、第2の警告を表示するタイミングを表している。
ファン異常1に対する警告表示((C)の1−1回目)の表示が終わると、T2のタイミングで(D)のように警告アイコンの表示が開始される。その後、ファン異常1が解消されると、T3のタイミングで警告アイコンの表示は終了する。
【0042】
次に、ファン異常2が発生したときは、警告表示(2−1回目)の表示が行われた後、T6のタイミングで警告アイコンが表示される。T7で警告表示(2−2回目)が表示されると、そのタイミングで警告アイコンは非表示に変わる。このように、ファン異常2が継続している間は、第1の警告表示である2−1回目から2−3回目の警告表示が行われている以外の期間は、第2の警告である警告アイコンが表示される。ファン異常2が解消されるT13のタイミングで、警告アイコンは非表示へと変わる。
【0043】
本実施形態では、ファンの異常を例に警告の表示方法について述べてきたが、電源の異常や本体の熱の異常を警告として通知する場合など、異常の内容についてはファンに限定するのものではない。
また、本実施形態では第2の警告であるアイコン表示は、第1の警告表示と同時には表示しないものとして説明を行ったが、ファン異常が継続している間は常時表示する形態であっても、同様の効果が得られる。
【0044】
<第3の実施形態>
第3の実施形態では、デジタルビデオカメラの電源供給を行うバッテリの電圧が低下したときに警告表示を行う例について説明する。なお、本実施形態で説明するデジタルビデオカメラでは、電源電圧としてバッテリの他にCA(コンパクトパワーアダプタ)が接続できるものとし、警告を表示するのはバッテリだけを電源として使用している場合としている。
【0045】
図8は、本実施形態のデジタルビデオカメラのシステム構成の一例である。1〜9、及び12は図1と同じであるため、ここでは説明を省略する。
図8において、電源制御部81は、システム制御部4からの制御に従ってデジタルビデオカメラの各ブロックで使用するICなどへの電源を供給するための制御を行うなど、電源に関する制御を行う機能ブロックである。
【0046】
バッテリ82は、本体から着脱可能なバッテリである。CAコネクタ83は、コンパクトパワーアダプタ(CA)からデジタルビデオカメラに電源を供給する際に、コンパクトパワーアダプタとの接続口となるコネクタである。CAコネクタ83にコンパクトパワーアダプタが接続されているときは、バッテリ82からは電源供給されず、コンパクトパワーアダプタからのみ電源供給が行われる。逆に、コンパクトパワーアダプタが接続されていない場合は、バッテリ82からのみ電源供給が行われる。この排他制御は、電源制御部81によって行われる。また、電源制御部81では、主電源となるバッテリまたはコンパクトパワーアダプタからの電源電圧を監視し、システム制御部4に通知するという機能も有している。
【0047】
図9は、本実施形態における撮像装置の動作のフローチャートである。この処理は、不揮発性メモリ4bに記録されたプログラムを、ワークメモリとして機能する揮発性メモリ4cに展開してシステム制御部4が実行することで実現する。図9において、S201、S205からS214までは、図2におけるS201、S205からS214までと対応しており、内容も同じであるため、同一のステップ番号を付してここでは説明を最低限にとどめる。以下の処理は、システム制御部4が撮像装置の各部を制御することにより実行される。
【0048】
図9において、最初にS201で警告表示済みフラグの状態をOFFにし、続いて電源制御部81からバッテリ82の電圧を取得する(S902)。得られたバッテリの電圧が、あらかじめ定められた異常と判断する閾値と比較し(S903)、バッテリの電圧が閾値よりも高ければ正常と判断し警告表示の処理は行わない。
【0049】
一方、S903において電源電圧が閾値以下と判定した場合は、バッテリ82の電圧が異常であると判断して、コンパクトパワーアダプタ(CA)を接続しているか否かを確認する処理S915に進む。コンパクトパワーアダプタを使用している場合は警告の表示を行わず、警告が表示されている場合には表示を解除するため、S214へと進む。
【0050】
コンパクトパワーアダプタを使用していない場合は、警告の表示を行うためにS204へと進む。この先の警告の処理は第1の実施形態と同じである。警告表示済みフラグが立っていなければ(S204)、警告表示を行い(S205)、警告表示済みフラグが立っている場合にはS208の動画記録中から動画記録停止に遷移したときに警告表示を行うという処理へと進む。本実施形態で表示する警告は、図10のようなものである。
【0051】
バッテリの電圧が閾値よりも低くなって警告を表示している状態から、一転してバッテリの電圧が閾値よりも高くなったと判定することがS903であった場合には、警告表示は継続してS211に進むことで、警告表示が出たり消えたりすることを防ぐ。S211で警告表示解除条件を満たした場合は、バッテリの電圧が閾値よりも高くなった場合でも警告表示は解除する。
【0052】
次に、警告を表示している状態からS915の判定でコンパクトパワーアダプタを使用していると判定した場合は、異常な状態が解除されたものとするため、S214にて警告表示を解除して、警告表示済みフラグをOFFに戻す(S209)。
【0053】
なお、システム制御部4の制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、前述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0054】
また、前述した実施形態においては、本発明をビデオカメラに適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず、液晶パネル8のような表示部を備え、ある程度の期間を有する継続した撮影動作を行う撮像装置であれば適用可能である。例えば、静止画の連写撮影や静止画の長秒露光撮影やバルブ撮影を行える撮像装置にも適用可能である。すなわち、本発明の撮像装置は、カメラ付きのパーソナルコンピュータやPDA、カメラ付きの携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、カメラ付きのディスプレイを備えるプリンタ装置などに適用可能である。また、カメラ付きの音楽プレーヤー、カメラ付きのゲーム機、カメラ付きの電子ブックリーダーなどにも適用可能である。
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワーク又は各種のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0055】
撮像部、2 カメラ信号処理部、3 カメラ制御部、4 システム制御部、4a マイクロコンピュータ、4b 不揮発性メモリ、4c 揮発性メモリ、5 信号処理部、6 記録系信号処理部、7 再生系信号処理部、8 液晶パネル、9 記録媒体、10 ファン回転検出部、11 ファン、12 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を記録する映像記録手段と、
撮像装置で発生した異常を検出する異常検出手段と、
前記異常検出手段が異常を検出したことを通知する警告表示を行う警告表示手段と、
前記警告表示手段により該異常に対する警告表示を行ったか否かを判定する警告表示判定手段と、
撮像装置全体の動作を制御する制御手段とを有し、
前記異常検出手段により撮像装置で異常が発生していることを検出したときに、前記警告表示判定手段により該異常に対する警告表示を行ったか否かを判定し、
前記制御手段は、警告表示を行っていないと判定したときは、映像を記録中か否かによらず警告表示を行い、警告表示を行ったと判定したときは、映像の記録が停止したときに警告表示を行うよう前記警告表示手段を制御することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記異常に対する警告表示を行ったか否かを記憶媒体に記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、該異常に対する警告表示を行ったときに警告表示を行ったこと表す情報を前記記憶媒体に記憶するよう前記記憶手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、発生していた異常が解消したときに、前記記憶媒体に記憶されている該異常に対する警告表示を行ったことを表す情報を消去するよう前記記憶手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御手段は、複数の動作モードが存在するときに、前記動作モードが他の動作モードに切り替わると、前記記憶媒体に記憶されている該異常に対する警告表示を行ったことを表す情報を前記記憶媒体から消去するよう前記記憶手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記警告表示判定手段は、前記記憶媒体に警告表示を行ったことを表す情報が記憶されているときは警告表示を行ったと判定し、前記記憶媒体に警告表示を行ったことを表す情報が記憶されていないときは警告表示を行っていないと判定することを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
映像を記録する映像記録工程と、
撮像装置で発生した異常を検出する異常検出工程と、
前記異常検出工程が異常を検出したことを通知する警告表示を行う警告表示工程と、
前記警告表示工程により該異常に対する警告表示を行ったか否かを判定する警告表示判定工程と、
撮像装置全体の動作を制御する制御工程とを有し、
前記異常検出工程により撮像装置で異常が発生していることを検出したときに、前記警告表示判定工程により該異常に対する警告表示を行ったか否かを判定し、
前記制御工程は、警告表示を行っていないと判定したときは、映像を記録中か否かによらず警告表示を行い、警告表示を行ったと判定したときは、映像の記録が停止したときに警告表示を行うよう前記警告表示工程を制御することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項7】
映像を記録する映像記録工程と、
撮像装置で発生した異常を検出する異常検出工程と、
前記異常検出工程が異常を検出したことを通知する警告表示を行う警告表示工程と、
前記警告表示工程により該異常に対する警告表示を行ったか否かを判定する警告表示判定工程と、
撮像装置全体の動作を制御する制御工程とをコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記異常検出工程により撮像装置で異常が発生していることを検出したときに、前記警告表示判定工程により該異常に対する警告表示を行ったか否かを判定し、
前記制御工程は、警告表示を行っていないと判定したときは、映像を記録中か否かによらず警告表示を行い、警告表示を行ったと判定したときは、映像の記録が停止したときに警告表示を行うよう前記警告表示工程を制御することをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−98648(P2013−98648A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237764(P2011−237764)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】