説明

撮像装置及び撮像装置の電源制御方法

【課題】ケーブル長さを短縮して車両の軽量化を図りつつ、外部装置ではなくカメラ自身がカメラの電源オフ制御をすることができ、バッテリーの負荷を低減することが可能な撮像装置及び撮像装置の電源制御方法を提供する。
【解決手段】被写体からの光を受けて光を電気信号に変換する撮像素子118と、電気信号に基づいて生成された映像信号を信号処理する映像信号処理回路116と、映像信号処理回路に電力を供給する電源回路114と、車両の後部に設置されるバックランプ70からバックランプの点灯又は消灯を示すバックランプ信号を受ける信号検出部112と、バックランプ信号に基づいて、バックランプの点灯時に電力の供給をオンとして、バックランプの消灯後、予め設定された時間は電力の供給をオンとし、予め設定された時間が経過した後に電力の供給をオフとするように電源回路を制御する電源制御部112とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及び撮像装置の電源制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の後部に自動車後方を撮影するバックカメラ(Backup Camera)が設置され、車内に設置された画面で運転者が自動車後方を確認できるカメラシステムがある。バックカメラが撮影した映像は、自動車が後進しているとき、カーナビゲーション装置のディスプレイに表示されたり、バックミラーの位置に設置されるディスプレイに表示されたりする。
【0003】
図7に示す例は、自動車後方を撮影するカメラ50がカーナビゲーション装置20に接続されたカメラシステム1である。図7は、従来のカメラシステム1を示すブロック図である。カメラ50は、カメラ電源回路54と、映像信号処理回路(DSP)56と、CCDイメージセンサー58と、ビデオドライバ59などを有する。カーナビゲーション装置20は、制御部22と、ディスプレイ24などを有する。カメラシステム1では、リアギア検出部12がギア10の状態を検出してギア10がリア状態にあるか否かを示すリアギアオン信号を出力し、カーナビゲーション装置20の制御部22が、リアギアオン信号に基づいて、カメラ50の電源のオンオフを制御する。また、同時にカーナビゲーション装置20の制御部22が、ディスプレイ24の表示又は非表示を制御する。
【0004】
図8に示す例は、車両がカーナビゲーション装置を搭載しておらず、カメラ50とディスプレイ40が接続されたカメラシステム2である。図8は、従来のカメラシステム2を示すブロック図である。カメラシステム2では、カメラ50は、バッテリー30と接続され、常時通電される。ディスプレイ40の表示又は非表示は、ディスプレイ40がリアギアオン信号に基づいて車両のギアの状態を検出することで、制御される。
【0005】
特許文献1では、リアギア又はバックアップランプ等の信号を検出して、表示装置がカメラからの映像とその他の外部映像の表示の切り替えを行うことが開示されている。
【0006】
また、特許文献2では、図9に示すように、カメラ50が電源制御部52(=リレー回路)と、カメラ電源回路54と、映像信号処理回路56と、CCDイメージセンサー58等を有するカメラシステム3が開示されている。図9は、従来のカメラシステム3を示すブロック図である。カメラ電源回路54は、リアギアオン信号の入力によって、カメラ50に駆動用電力を供給する。カメラ50とディスプレイ40は映像信号を伝送する接続ケーブルで接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−55656号公報
【特許文献2】特開平7−236134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、図7に示す例では、カメラ50の電源オンオフ制御は、カーナビゲーション装置20に依存しており、カメラ50にはカメラ50自身の電源オンオフ制御に関する機能が備わっていない。そのため、カメラ50の電源オンオフ制御を行うためには、カーナビゲーション装置20において、カメラ50の電源オンオフ制御に関する機能を持たせる必要があった。
【0009】
また、図8に示す例では、カメラ50が常時通電で使用されるため、消費電流によるバッテリー30の負担を無くすことができない。また、カメラ50自体の発熱による内部温度上昇が発生する。更に、自動車後方の映像の表示が不要な間であって、カメラ50が撮像装置として使用されていないにもかかわらず通電されているため、通電時間が増加して製品寿命に影響が及ぶ。
【0010】
引用文献2では、カメラ50の駆動用電力の供給は、リアギアオン信号の入力に基づいている。しかし、リアギアオン信号をカメラ50に入力するためには、ギア10から自動車の後部に設置されたカメラ50まで信号用ケーブルを配線する必要があり、ケーブル長さが長くなるという問題がある。
【0011】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ケーブル長さを短縮して車両の軽量化を図りつつ、外部装置ではなくカメラ自身がカメラの電源オンオフ制御をすることができ、バッテリーの負荷を低減することが可能な、新規かつ改良された撮像装置及び撮像装置の電源制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、被写体からの光を受けて光を電気信号に変換する撮像素子と、電気信号に基づいて生成された映像信号を信号処理する映像信号処理回路と、映像信号処理回路に電力を供給する電源回路と、車両の後部に設置されるバックランプからバックランプの点灯又は消灯を示すバックランプ信号を受ける信号検出部と、バックランプ信号に基づいて、バックランプの点灯時に電力の供給をオンとして、バックランプの消灯後、予め設定された時間は電力の供給をオンとし、予め設定された時間が経過した後に電力の供給をオフとするように電源回路を制御する電源制御部とを備える撮像装置が提供される。
【0013】
上記バックランプ信号に基づいてバックランプの消灯後の経過時間を計測し、予め設定された時間が経過したことを示す時間経過信号を電源制御部に出力するタイマーを更に備え、電源制御部は、時間経過信号に基づいて電源回路を制御してもよい。
【0014】
上記タイマーは、映像信号処理回路に設けられてもよい。
また、上記タイマーにおいてバックランプの消灯後電力の供給をオンとする時間が設定されてもよい。
【0015】
上記電源回路は、外部のバッテリーに接続されて配置され、電力の供給をオンとするとき出力電圧をオンし、電力の供給をオフとするとき出力電圧をオフする。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、信号検出部が、車両の後部に設置されるバックランプからバックランプの点灯又は消灯を示すバックランプ信号を受けるステップと、バックランプ信号に基づいて、バックランプの点灯時に、撮像素子が被写体からの光を受けて変換した電気信号に基づいて生成された映像信号を信号処理する映像信号処理回路に対して、電源回路が電力の供給をオンとするステップと、電源回路が、バックランプの消灯後、予め設定された時間は映像信号処理回路に対して電力の供給をオンとするステップと、電源回路が、予め設定された時間が経過した後に、映像信号処理回路に対して電力の供給をオフとするステップとを備える、撮像装置の電源制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、ケーブル長さを短縮して車両の軽量化を図りつつ、外部装置ではなくカメラ自身がカメラの電源オンオフ制御をすることができ、バッテリーの負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】自動車100の後部を示す外観図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るカメラ110及びカメラ110を含むカメラシステムを示すブロック図である。
【図3】同実施形態に係るカメラ110の電源制御部112を示すブロック図である。
【図4】同実施形態に係るカメラ110の電源制御部112の回路例を示す回路図である。
【図5】同実施形態に係るカメラ110の電源オンオフ制御に関する動作を示すフローチャートである。
【図6】同実施形態に係るカメラ110の電源オンオフ制御に関する動作を示すタイミングチャートである。
【図7】従来のカメラシステム1を示すブロック図である。
【図8】従来のカメラシステム2を示すブロック図である。
【図9】従来のカメラシステム3を示すブロック図である。
【図10】従来のカメラシステム4を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.一実施形態の構成
2.一実施形態の動作
【0021】
<1.一実施形態の構成>
[カメラ110の外観例]
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係るカメラ110の外観例について説明する。図1は、自動車100の後部を示す外観図である。
【0022】
自動車100の後部には、図1に示すようにカメラ110やバックランプ70が設けられる。
【0023】
カメラ110は、バックカメラ(Backup Camera又はRear View Camera)であり、自動車100の後方を撮影する。カメラ110によって撮影された映像は、自動車100が後進する時、車内に設置されたディスプレイに表示され、運転手に対して自動車100後方の被写体像を提供し、後進運転をサポートする。
【0024】
バックランプ70(Reversing lamp又はBackup light)は、自動車100が後進する時、自動車100の後方に光を発光して、自動車100の後方にいる他の運転手や歩行者などに自動車100が後進していることを知らせる。
【0025】
カメラ110とバックランプ70は、バックランプ70の点灯又は消灯を示す信号をバックランプ70からカメラ110に送る信号用ケーブルで接続される。カメラ110とバックランプ70は、両者とも自動車100の後部に設置されることから、カメラ110とバックランプ70を接続するケーブルは、カメラ110とギアを接続する信号用ケーブルに比べて短くてよい。
【0026】
[カメラ110の構成]
次に、図2を参照して、本実施形態に係るカメラ110及びカメラ110を含むカメラシステムの構成について説明する。図2は、本実施形態に係るカメラ110及びカメラ110を含むカメラシステムを示すブロック図である。
【0027】
自動車100には、図2に示すように、ギア10と、リアギア検出部12と、バックランプ70と、ノイズフィルタ72と、ディスプレイ40と、カメラ110が設置され、カメラシステムを構成する。
【0028】
リアギア検出部12は、ギア10がリア以外の状態からリア(後進)に切り替えられたこと、又はギア10がリアの状態からリア以外に切り替えられたことを検出する。リアギア検出部12は、ギア10の状態に応じて、ギア10がリアの状態を示すリアギア信号を出力する。
【0029】
バックランプ70は、リアギア検出部12からリアギア信号を受けて、ギア10がリア状態の時、点灯し、ギア10がリア以外の状態の時、消灯する。また、バックランプ70は、バックランプ70の点灯又は消灯を示すバックランプ信号を出力する。バックランプ信号は、ノイズフィルタ72を介して、カメラ110に出力される。ノイズフィルタ72は、バックランプ信号にノイズが侵入したり、外部にノイズが漏洩したりすることを防止する。
【0030】
バッテリー30は、自動車100に搭載された電源であり、カメラ110など電力を必要とする自動車の各構成要素に電力を供給する。本実施形態では、バッテリー30とカメラ110は、ディスプレイ40やカーナビゲーション装置等の外部装置を介さずに、直接接続され、バッテリー30からカメラ110に電力が直接供給される。これにより、カメラ110自体がカメラ110の電源のオンオフを制御でき、ディスプレイ40やカーナビゲーション装置等の外部装置がカメラ110の電源オンオフを制御する必要がない。
【0031】
ディスプレイ40は、カメラ110から映像信号を受けて、カメラ110が撮影した被写体像を表示する。カメラ110の電源がオンの状態で、カメラ110は映像信号をディスプレイ40に映像信号を出力し、ディスプレイ40はカメラ110からの映像を表示する。一方、カメラ110の電源がオフの状態では、カメラ110は映像信号を出力しないため、ディスプレイ40はカメラ110からの映像を表示しない。このように、ディスプレイ40におけるカメラ110からの映像の表示又は非表示は、カメラ110の電源のオンオフによって制御される。
【0032】
カメラ110は、図2に示すように、例えば電源制御部112と、カメラ電源回路114と、映像信号処理回路116と、CCDイメージセンサー118と、ビデオドライバ122などからなる。
【0033】
電源制御部112は、バックランプ信号に基づいて、カメラ電源回路114を制御する。電源制御部112は、バックランプ70の点灯時に電力の供給をオンとするようにカメラ電源回路114を制御する。また、電源制御部112は、バックランプ70の消灯後、予め設定された時間は電力の供給をオンとし、予め設定された時間が経過した後に電力の供給をオフとするようにカメラ電源回路114を制御する。予め設定される時間は、例えば数秒から十数秒の期間である。
【0034】
カメラ電源回路114は、バッテリー30と接続され、映像信号処理回路116などのカメラ110の各構成要素に電力を供給する。カメラ電源回路114による電力の供給のオンオフは、電源制御部112の制御に基づいて行われる。カメラ電源回路114は、外部のバッテリー30に接続されて配置される。カメラ電源回路114は、電力の供給が必要で電力の供給をオンとするときカメラ電源回路114をオンし、電力の供給が必要なく電力の供給をオフとするときカメラ電源回路114をオフする。カメラ電源回路114は、オンによってカメラ電源回路114から電圧を出力し、オフによってカメラ電源回路114から電圧を出力しない。本実施形態は、バッテリー30とカメラ電源回路114の間で接続又は切断するのではなく、カメラ電源回路114を制御して、電圧出力をオンオフ制御する。
【0035】
映像信号処理回路116は、CCDイメージセンサー118において生成された電気信号に基づく映像信号に対して各種信号処理を施す。映像信号処理回路116における信号処理は、通常の技術を適用でき、本明細書では詳細な説明は省略する。映像信号処理回路116は、例えばマイクロコンピューターであり、タイマー117を有する。タイマー117は、バックランプ信号に基づいてバックランプ70の消灯後の経過時間を計測し、予め設定された時間が経過したことを示す時間経過信号を電源制御部112に出力する。タイマー117において、バックランプ70の消灯後、電力の供給をオンとする時間が設定される。
【0036】
CCDイメージセンサー118は、撮像素子の一例であり、被写体から光を受けて、被写体から受けた光を電気信号に変換する。そして、CCDイメージセンサー118は、生成した電気信号を映像信号処理回路116などに出力する。
【0037】
ビデオドライバ122は、映像信号処理回路116から映像信号を受けて、ディスプレイ40で映像を表示するための表示信号を生成する。ビデオドライバ122は、生成した表示信号をディスプレイ40に出力する。
【0038】
[電源制御部112]
次に、図3を参照して、本実施形態に係るカメラ110の電源制御部112について説明する。図3は、本実施形態に係るカメラ110の電源制御部112を示すブロック図である。
【0039】
電源制御部112は、例えば電源回路制御信号検出回路132と、NOR回路134と、電源回路制御回路136と、タイマースタートタイミング検出回路138などからなる。
【0040】
電源回路制御信号検出回路132は、バックランプ信号を受けて、バックランプ70がオンであるか、又はバックランプ70がオフであるかを検出する。電源回路制御信号検出回路132は、検出結果をNOR回路134に出力する。電源回路制御信号検出回路132は、バックランプ70がオンであるとき、Trueを出力し、バックランプ70がオフであるとき、Falseを出力する。
【0041】
タイマースタートタイミング検出回路138は、信号検出部の一例であり、バックランプ信号を受けて、バックランプ70がオンであるか、又はバックランプ70がオフであるかを検出する。タイマースタートタイミング検出回路138は、バックランプ70がオフになったとき開始信号を映像信号処理回路116に出力する。タイマースタートタイミング検出回路138から出力された開始信号に基づいて、映像信号処理回路116のタイマー117は、経過時間の計測を開始する。
【0042】
そして、映像信号処理回路116のタイマー117は、バックランプ70がオンし経過時間の計測が停止しているとき、Trueを出力する。また、タイマー117は、経過時間の計測が開始し、予め設定された時間が経過する前はTrueを出力し、予め設定された時間が経過した後はFalseを出力する。
【0043】
NOR回路134は、論理和の否定を実現する回路である。NOR回路134は、二つの入力がFalseであるときだけTrueを出力する。NOR回路134には、電源回路制御信号検出回路132からの信号と、映像信号処理回路116からの信号が入力される。
【0044】
バックランプ70がオンでありタイマー117が停止しているときは、電源回路制御信号検出回路132からTrueが入力され、タイマー117からもTrueが入力されるため、NOR回路134は、Falseを出力する。バックランプ70がオフとなり、タイマー117の計測が開始し、予め設定された時間が経過する前は、電源回路制御信号検出回路132からFalseが出力され、タイマー117からTrueが入力されるため、NOR回路134は、Falseを出力する。バックランプ70がオフとなり、タイマー117の計測が開始し、予め設定された時間が経過した後は、電源回路制御信号検出回路132からFalseが出力され、タイマー117からFalseが入力されるため、NOR回路134は、Trueを出力する。
【0045】
電源回路制御回路136は、NOR回路134からの信号を受けて、カメラ電源回路114による電力の供給をオンとする制御信号と、カメラ電源回路114による電力の供給をオフとする制御信号を生成する。
【0046】
バックランプ70がオンでありタイマー117が停止しているとき、及びバックランプ70がオフとなり、タイマー117の計測が開始し、予め設定された時間が経過する前は、電源回路制御回路136は、NOR回路134からFalseを受ける。従って、電源回路制御回路136は、電力の供給をオンとする制御信号を生成する。バックランプ70がオフとなり、タイマー117の計測が開始し、予め設定された時間が経過した後は、電源回路制御回路136は、NOR回路134からTrueを受ける。従って、電源回路制御回路136は、電力の供給をオフとする制御信号を生成する。電源回路制御回路136は、制御信号をカメラ電源回路114に出力する。
【0047】
[カメラ110の回路例]
次に、図4を参照して、本実施形態に係るカメラ110の電源制御部112の回路例について説明する。図4は、本実施形態に係るカメラ110の電源制御部112の回路例を示す回路図である。
【0048】
カメラ電源回路114と、映像信号処理回路116は、例えばIC(集積回路)である。カメラ電源回路114は、例えばINPUT端子と、OUTPUT端子と、Enable端子と、GND端子を有する。映像信号処理回路116は、例えばVcc端子と、GND端子と、INPUT端子と、OUTPUT端子を有する。
【0049】
また、電源制御部112は、抵抗R503、R504、R505、R506、R507、R508、R509と、コンデンサC502と、デジタルトランジスタQ502、Q503、Q504、Q505等からなる。
【0050】
カメラ電源回路114において、INPUT端子はバッテリー30からの電源入力に接続される。OUTPUT端子は、映像信号処理回路116のVcc端子と抵抗R507の出力端に接続される。Enable端子は、抵抗R504の入力端と、抵抗R503の出力端及びデジタルトランジスタQ502のコレクタ端子の間に接続される。GND端子は、GND接続される。
【0051】
映像信号処理回路116において、Vcc端子は、カメラ電源回路114のOUTPUT端子に接続される。GND端子は、GND接続される。INPUT端子は、抵抗R507の入力端及びデジタルトランジスタQ505のコレクタ端子の間に接続される。OUTPUT端子は、抵抗R506の入力端と、デジタルトランジスタQ503のベース端子に接続される。
【0052】
電源制御部112において、抵抗R503は、入力端がバッテリー30からの電源入力に接続され、出力端が抵抗R504の入力端と、デジタルトランジスタQ502のコレクタ端子に接続される。抵抗R504は、入力端がカメラ電源回路114のEnable端子に接続され、出力端がGND接続される。抵抗R505は、入力端がバッテリー30からの電源入力に接続され、出力端がデジタルトランジスタQ502のベース端子と、デジタルトランジスタQ503のコレクタ端子と、デジタルトランジスタQ504のコレクタ端子に接続される。抵抗R506は、入力端が映像信号処理回路116のOUTPUT端子と、デジタルトランジスタQ503のベース端子に接続され、出力端がGND接続される。
【0053】
抵抗R507は、入力端が映像信号処理回路116のINPUT端子に接続され、出力端がカメラ電源回路114のOUTPUT端子に接続される。抵抗R508は、入力端が抵抗R509の出力端及びデジタルトランジスタQ504のベース端子、デジタルトランジスタQ505のベース端子、コンデンサC502の入力端の間に接続され、出力端がGND接続される。抵抗R509は、入力端がバックランプ信号の入力に接続され、出力端が抵抗R508の入力端、デジタルトランジスタQ504のベース端子、デジタルトランジスタQ505のベース端子、コンデンサC502の入力端に接続される。コンデンサC502は、入力端が抵抗R509の出力端に接続され、出力端がGND接続される。
【0054】
デジタルトランジスタQ502は、ベース端子が抵抗R505の出力端と接続され、コレクタ端子が抵抗R503の出力端と、カメラ電源回路114のEnable端子及び抵抗R504の入力端の間に接続される。デジタルトランジスタQ503は、ベース端子が映像信号処理回路116のOUTPUT端子と抵抗R506の入力端に接続され、コレクタ端子が抵抗R505の出力端と、デジタルトランジスタQ502のベース端子と、デジタルトランジスタQ504のコレクタ端子に接続される。デジタルトランジスタQ504は、ベース端子が抵抗R509の出力端と接続され、コレクタ端子が抵抗R505の出力端と、デジタルトランジスタQ502のベース端子と、デジタルトランジスタQ503のコレクタ端子に接続される。デジタルトランジスタQ505は、ベース端子が抵抗R509の出力端と接続され、コレクタ端子が抵抗R507の入力端と、映像信号処理回路116のINPUT端子に接続される。デジタルトランジスタQ502、Q503、Q504、Q505のエミッタ端子は、いずれもGND接続される。
【0055】
<2.一実施形態の動作>
次に、図5及び図6を参照して、カメラ110の動作について説明する。図5は、本実施形態に係るカメラ110の電源オンオフ制御に関する動作を示すフローチャートである。図6は、本実施形態に係るカメラ110の電源オンオフ制御に関する動作を示すタイミングチャートである。なお、図6において、デジタルトランジスタQにおける「−B」は、ベース端子を示し、「−C」はコレクタ端子を示す。また、図6において、「DSP」は映像信号処理回路116を示し、「IC502」はカメラ電源回路114を示す。
【0056】
まず、バッテリー30のセルスタートから説明する。セルスタートするとカメラ110にバッテリー30の電圧が印加される(ステップS1)。このとき、デジタルトランジスタQ502がONになる(ステップS2)。なお、デジタルトランジスタQ503,Q504はオフしている。そして、カメラ電源回路114のEnableはLowになり、カメラ電源回路114の出力電圧はオフとする(ステップS3)。
【0057】
次に、カメラ110は、バックランプ70の状態を検出し(ステップS4)、バックランプ70が消灯している間はバックランプ70の状態を検出し続ける。一方、バックランプ70の点灯が検出されると、デジタルトランジスタQ504がオンになる(ステップS5)。この時、デジタルトランジスタQ505は動作していない。そして、デジタルトランジスタQ502がオフになる(ステップS6)。続いて、カメラ電源回路114のEnableがHighになり、カメラ電源回路114の出力電圧はオンとなる(ステップS7)。この結果、カメラ110の各構成要素に電源電圧(Vcc)が印加され、電力が供給される。
【0058】
次に、映像信号処理回路116が動作を開始し、カメラ110が駆動を開始する。また、電源電圧(Vcc)が印加されると同時に、デジタルトランジスタQ505が動作状態(オン)になる(ステップS8)。その結果、映像信号処理回路116のINPUT端子はLowの状態のままとなり、映像信号処理回路116がこの状態を検出して、OUTPUT端子をHighにする(ステップS9)。これにより、デジタルトランジスタQ503がオンになる(ステップS10)。
【0059】
カメラ110は、バックランプ70の状態を検出し(ステップS11)、バックランプ70が点灯している間はバックランプ70の状態を検出し続ける。一方、バックランプ70の消灯が検出されると、デジタルトランジスタQ504,Q505がオフになる(ステップS12)。このとき、デジタルトランジスタQ503はオンであるため、カメラ電源回路114のEnableはHighの状態のままであり、カメラ電源回路114は電力を供給し続ける。
【0060】
そして、デジタルトランジスタQ505がオフになると、映像信号処理回路116のINPUT端子がHighになり、映像信号処理回路116に内蔵されたタイマー117が経過時間の計測を開始する(ステップS13)。タイマー117は、予め設定された時間が経過したか否かを確認する(ステップS14)。予め設定された時間が経過するまでは、ステップS14を繰り返す。
【0061】
一方、予め設定された時間が経過した後は、映像信号処理回路116のOUTPUT端子がLowに設定され(ステップS15)、デジタルトランジスタQ503がオフになる(ステップS16)。そして、デジタルトランジスタQ502がオンになる(ステップS17)。続いて、カメラ電源回路114のEnableがLowになり、カメラ電源回路114の出力電圧はオフとなる(ステップS17)。この結果、カメラ110の各構成要素に印加されていた電源電圧(Vcc)がオフし、電力の供給がストップする。
【0062】
以上、本実施形態は、カメラ110内部にバックランプ70の点灯又は消灯を検出する回路と、映像信号処理回路(DSP)116のマイクロコンピューターが有する機能を組み合わせて、カメラ110内蔵の電源をオンオフできる機能を実現できる。バックランプ70が点灯すると、カメラ110が自身の電源をオンし、その結果、映像信号が出力されて、ディスプレイ40に映像が表示される。また、バックランプ70が消灯すると、カメラ110が自身の電源を、設定した時間が経過した後にオフする。バックランプ70が消灯したのち、例えば数秒〜十数秒の間、カメラ110を動作させ、ディスプレイ40に映像が表示されることで、運転手は、自動車100の後進を停止した後もしばらくの間、カメラ110が撮影した映像で自動車100の後方を確認できる。バックランプ70消灯後にカメラ110がオフするまでの時間は、例えば、映像信号処理回路(DSP)116のマイクロコンピューター内蔵のタイマー117によって、自由に時間設定できる。
【0063】
そして、本実施形態によれば、カメラ110の電源制御部112のみが常時通電となり、カメラ電源回路114は、図8に示したような従来例と異なり、常時通電しない。その結果、省エネルギー化を図ることができ、バッテリー30への負担を軽減する。また、通電時間が短縮するため、カメラ110自身の長寿命化につながる。更に、カメラ110内部の温度上昇を抑制できるため、カメラ110の信頼性を向上させることができる。
【0064】
また更に、上述したカメラ110及びカメラ110を含むカメラシステムは、カーナビゲーション装置等の外部装置が不要であり、カーナビゲーション装置を搭載しない自動車にも、カメラ110を設置して、カメラ110の電源オンオフ制御を容易に行うことができる。
【0065】
また、本実施形態は、自動車100内における信号用ケーブルの配線を考慮して、バックランプ70からの信号をトリガーとしてカメラ110の電源をオンオフする。即ち、本実施形態は、ギアのリアギアを検出してカメラの電源をオンオフする場合に比べて、信号用ケーブルのケーブル長さを短縮することができる。
【0066】
更に、本実施形態のカメラ110の電源は、バックランプ70と共有することなく、例えばバッテリー30から電力が直接供給される。図10に、本実施形態と異なり、バックランプ70とカメラ110の電源を共有化する場合のカメラシステム4を示す。図10は、従来のカメラシステム4を示すブロック図である。
【0067】
カメラシステム4では、リアギアオン信号に基づいて、制御部60がバックランプ70のオンオフ制御と、カメラ50の電源のオンオフ制御を行う。このような図10に示す例では、カメラ50が、バックランプ70の点灯、非点灯制御に影響を与える可能性があり、安全性の確保に問題がある。一方、本実施形態では、カメラ110の電源は、バックランプ70と共有することなく、バッテリー30から電力が直接供給されることから、安全性の問題を回避できる。
【0068】
また、図10に示す例では、バックランプ70のオンオフとカメラ50のオンオフは、同時に制御される。そのため、本実施形態のように、バックランプ70が消灯して予め設定した時間が経過した後に、カメラ50をオフにするという制御は不可能である。一方、本実施形態によれば、バックランプ70のオンオフと独立して、カメラ110のオンオフを制御できる。
【0069】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0070】
1,2,3,4 カメラシステム
10 ギア
12 リアギア検出部
20 カーナビゲーション装置
22,60 制御部
24,40 ディスプレイ
30 バッテリー
50,110 カメラ
52,112 電源制御部
54,114 カメラ電源回路
56,116 映像信号処理回路
58,118 CCDイメージセンサー
59,122 ビデオドライバ
70 バックランプ
72 ノイズフィルタ
100 自動車
117 タイマー
132 電源回路制御信号検出回路
134 NOR回路
136 電源回路制御回路
138 タイマースタートタイミング検出回路
R503、R504、R505、R506、R507、R508、R509 抵抗
C502 コンデンサ
Q502、Q503、Q504、Q505 デジタルトランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体からの光を受けて前記光を電気信号に変換する撮像素子と、
前記電気信号に基づいて生成された映像信号を信号処理する映像信号処理回路と、
前記映像信号処理回路に電力を供給する電源回路と、
車両の後部に設置されるバックランプから前記バックランプの点灯又は消灯を示すバックランプ信号を受ける信号検出部と、
前記バックランプ信号に基づいて、前記バックランプの点灯時に前記電力の供給をオンとして、前記バックランプの消灯後、予め設定された時間は前記電力の供給をオンとし、前記予め設定された時間が経過した後に前記電力の供給をオフとするように前記電源回路を制御する電源制御部と
を備える、撮像装置。
【請求項2】
前記バックランプ信号に基づいて前記バックランプの消灯後の経過時間を計測し、前記予め設定された時間が経過したことを示す時間経過信号を前記電源制御部に出力するタイマーを更に備え、
前記電源制御部は、前記時間経過信号に基づいて前記電源回路を制御する、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記タイマーは、前記映像信号処理回路に設けられている、請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記タイマーにおいて前記バックランプの消灯後前記電力の供給をオンとする時間が設定される、請求項2又は3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記電源回路は、外部のバッテリーに接続されて配置され、前記電力の供給をオンとするとき出力電圧をオンし、前記電力の供給をオフとするとき出力電圧をオフする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
信号検出部が、車両の後部に設置されるバックランプから前記バックランプの点灯又は消灯を示すバックランプ信号を受けるステップと、
前記バックランプ信号に基づいて、前記バックランプの点灯時に、撮像素子が被写体からの光を受けて変換した電気信号に基づいて生成された映像信号を信号処理する映像信号処理回路に対して、電源回路が電力の供給をオンとするステップと、
前記電源回路が、前記バックランプの消灯後、予め設定された時間は前記映像信号処理回路に対して前記電力の供給をオンとするステップと、
前記電源回路が、前記予め設定された時間が経過した後に、前記映像信号処理回路に対して前記電力の供給をオフとするステップと
を備える、撮像装置の電源制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−166490(P2011−166490A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27580(P2010−27580)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】