説明

撮像装置

【課題】防塵のための部材を追加したり不必要な光量低下を生じさせたりすることなく、撮像レンズが取り外された状態で撮像装置の内部に塵埃が侵入して撮像素子に付着することを回避する。
【解決手段】撮像装置1は、撮像レンズ2が取り外し可能に装着される。該撮像装置は、撮像素子5と、遮光部材15,16を開閉方向に動作させて、撮像レンズから該撮像装置の開口部3cを通って撮像素子に入射する光を制御する光制御ユニット4とを有する。光制御ユニットは、撮像レンズが撮像装置から取り外された状態において、遮光部材を閉じて開口部を閉鎖する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像レンズが取り外し可能に装着され、光制御ユニットを備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置に搭載されるCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子はその画素数がますます多くなってきており、各画素のサイズはより小さくなってきている。このため、特に撮像レンズが取り外し可能にマウント部に装着される撮像装置では、撮像レンズが取り外された状態で、マウント部の開口を通って撮像装置の内部に侵入したわずかな塵埃が撮像素子の撮像面に付着することで、画質が低下する。
塵埃が撮像素子の撮像面に付着することを防止するために、特許文献1には、マウント部の開口を透明カバーで覆った撮像装置が開示されている。
また、特許文献2には、開閉可能で、かつ閉方向にばねにより付勢された防塵カバーを有し、撮像レンズが装着された状態では防塵カバーがばね力に抗して開き、撮像レンズが取り外された状態では防塵カバーがばね力によって閉じる撮像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−241869号公報
【特許文献2】実開平2−23170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にて開示された撮像装置のようにマウント部の開口を透明カバーで覆うと、撮像レンズが装着された状態で該撮像レンズからの光が透明カバーの表面で反射し、ゴーストやフレアが生じる可能性がある。また、透明カバーといっても透過率が完全に100%でない限り、不必要な光量の低下が生じる可能性が高い。
【0005】
また、特許文献2にて開示された撮像装置では、装置本体の外側にばね付勢された防塵カバーを配置するため、撮像装置全体が大型化する。しかも、撮像レンズを装着する場合には、使用者が防塵カバーをばね力に抗して開いておく必要があり、撮像レンズの装着を行いにくいという問題がある。
【0006】
さらに上記透明カバーも防塵カバーも、撮像装置の内部への塵埃の侵入を防止するためのみに設けられた部材であり、このような部材の追加は避けた方が好ましい。
本発明は、防塵のための部材を追加したり不必要な光量低下を生じさせたりすることなく、撮像レンズが取り外された状態で撮像装置の内部に塵埃が侵入して撮像素子に付着することを回避できるようにした撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の撮像装置は、撮像レンズが取り外し可能に装着される。該撮像装置は、撮像素子と、遮光部材を開閉方向に動作させて、撮像レンズから該撮像装置の開口部を通って撮像素子に入射する光を制御する光制御ユニットとを有する。そして、光制御ユニットは、撮像レンズが撮像装置から取り外された状態において、遮光部材を閉じて開口部を閉鎖することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撮像に必要な光制御ユニットの遮光部材を、撮像レンズが取り外された状態において閉じることにより、開口部を通して撮像装置の内部に塵埃が侵入することを阻止できる。したがって、防塵のための部材を新たに追加したり、撮像を行う際に不必要な光量低下を生じさせたりすることなく、撮像素子に塵埃が付着することを回避することができる。しかも、光制御ユニットを取り除いたり移動させたりすることなく撮像レンズを装着することが可能であるため、撮像レンズの装着を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例であるビデオカメラの分解斜視図。
【図2】実施例のビデオカメラに対する撮像レンズの装着を説明する斜視図。
【図3】実施例のビデオカメラに設けられた光制御ユニットの分解斜視図。
【図4】上記光制御ユニット(閉状態)の一部の部品を示す背面図。
【図5】図4に駆動リングを加えた背面図。
【図6】図5に遮光羽根を加えた背面図。
【図7】上記光制御ユニット(開状態)の地板を示す背面図。
【図8】上記光制御ユニット(開状態)の駆動リングを示す背面図。
【図9】上記光制御ユニット(開状態)の駆動リングを示す背面図。
【図10】上記光制御ユニット(開状態)の遮光羽根を示す背面図。
【図11】上記光制御ユニットの小絞り状態を示す背面図。
【図12】撮像素子の背面側から見た光制御ユニットの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0011】
図1には、本発明の実施例である撮像装置としてのビデオカメラ本体と該ビデオカメラ本体に取り外し可能に装着される撮像レンズとしての交換レンズとにより構成される撮像システムを示している。ビデオカメラ本体については、これを分解して示している。
図1において、1は動画撮影と静止画撮影が可能なビデオカメラ本体である。ビデオカメラ本体1の内部空間には、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子5が配置されている。また、ビデオカメラ本体1の前端には、撮像素子5が配置された内部空間につながる開口部1aが形成されている。
3は撮像レンズとしての交換レンズ2が取り外し可能に装着されるレンズマウント板(マウント部材)である。該レンズマウント板3は、上記開口部1aの内周に嵌め込まれるようにして固定される。レンズマウント板3の中央には、レンズマウント板3に装着された交換レンズ2からの光を通過させる開口部3cが形成されている。この開口部3cは、「撮像装置の開口部」に相当する。
4は光量調節(絞り)機能とシャッタ機能とを有する光制御ユニットとしての絞り/シャッタユニットである。該絞り/シャッタユニット4は、ビデオカメラ本体1に装着された交換レンズ2からレンズマウント板3の開口部3cを通って撮像素子5に入射する光の光量を調節したり(動画撮影時)、撮像素子5の露光量を制御したりする(静止画撮影時)。すなわち、交換レンズ2からの光を制御する。
また、絞り/シャッタユニット4は、交換レンズ2がビデオカメラ本体1から取り外された状態では、ビデオカメラ本体1の外部に存在する塵埃が、レンズマウント板3の開口部3cを通ってビデオカメラ本体1の上記内部空間に侵入するのを阻止する防塵ユニットとして機能する。
絞り/シャッタユニット4は、レンズマウント板3における撮像素子側の面に近接して配置されている。ここにいう「近接」とは、後述する交換レンズ2の取り付け爪2aがレンズマウント板3と絞り/シャッタユニット4との間に入り込むスペースを空けてという意味である。
【0012】
図2には、上記ビデオカメラ本体1に交換レンズ2を装着する様子を示している。絞り/シャッタユニット4に設けられた遮光羽根15,16は閉じている。
交換レンズ2の後端部には、3つの取り付け爪2aが形成されている。一方、ビデオカメラ本体1に固定されたレンズマウント板3の開口部3cの周囲には、3つの凹部3aが形成されている。取り付け爪2aを凹部3aに挿入して交換レンズ2を回転させることにより、取り付け爪2aがレンズマウント板3における凹部3aに隣接した部分3bに係合する。これにより、交換レンズ2がビデオカメラ本体1に装着される。
交換レンズ2をビデオカメラ本体1から取り外す際には、交換レンズ2を装着時とは反対方向に回転させて取り付け爪2aをレンズマウント板3の凹部3aから抜けばよい。
次に、図3を用いて絞り/シャッタユニット4の構成を説明する。10は絞り/シャッタユニット4のベース部材としての地板である。地板10における撮像素子5側とは反対側の面、すなわち前面に形成された軸部10aには、駆動アーム18が回転可能に取り付けられる。駆動アーム18には、マグネット17が取り付けられており、該マグネット17と駆動アーム18は、軸部10a回りで一体回転する。
19はコイルであり、その内側をヨーク20の2つの磁極部20a,20bのうち一方の磁極部20aが貫通した状態で地板10の前面に取り付けられる。磁極部20a,20bは、マグネット17に対してギャップをあけて配置される。マグネット17、コイル19及びヨーク20により、後述する遮光羽根を開閉方向に駆動する電磁アクチュエータが構成される。
コイル19の巻線の端は、コイル19の端子部に巻き付けられ、さらに地板10に形成された穴部を通して地板10の裏面側(撮像素子側)に延ばされ、フレキシブルプリント板23に接続される。該フレキシブルプリント板23は、ビデオカメラ本体1に設けられた不図示の駆動回路に接続される(図12参照)。
21は閉じアーム21であり、地板10の前面に形成された軸部10bに回転可能に取り付けられる。閉じアーム21には、閉じばね22の一端が掛けられる。閉じばね22の他端は、地板10に固定される(図4参照)。
11は地板10の前面側に配置された第1の押さえ板であり、駆動アーム18と閉じアーム21とをそれらが軸部10aと軸部10bから脱落しないように押さえる。
12は駆動リングであり、第1の押さえ板11と、該第1の押さえ板11の前面側に配置された仕切り板13との間に配置される。駆動リング12は、第1の押さえ板11の前面外周部に形成されたリング状のリブ部11aの内周に回転可能に組み込まれる。
駆動リング12に形成された長穴部12cには、閉じアーム21の駆動軸部21aが挿入される。駆動リング12の外周の一部には、該駆動リング12の周方向に連なってカム部12aと凹部12bとが形成されている。駆動アーム18の駆動軸部18aは、カム部12aに当接したり凹部12bの内周端面に対向したりする位置に配置される。
前述した2枚の遮光羽根(遮光部材)15,16は、仕切り板13と該仕切板13の前面側に配置された第2の押さえ板14との間に配置される。遮光羽根15に形成された穴部15aと遮光羽根16に形成された穴部16aにはそれぞれ、地板10の前面に形成された軸部10aと軸部10cが挿入される。また、遮光羽根15に形成された長穴部15bと遮光羽根16に形成された長穴部16bには、駆動アーム18の駆動軸部18aが挿入される。遮光羽根15,16は、上述した電磁アクチュエータによる駆動アーム18の回転により、軸部10a,10c回りで開閉方向に回転駆動される。
【0013】
第1の押さえ板11、仕切り板13及び第2の押さえ板14は、3本のビス25によって地板10に固定される。また、地板10、第1の押さえ板11、駆動リング12、仕切り板13及び第2の押さえ板14の中央には、交換レンズ2からの光を通過させるための光通過口が形成されている。
次に、絞り/シャッタユニット4の動作について説明する。まず、交換レンズ2がビデオカメラ本体1に装着されていない(ビデオカメラ本体1から取り外された)状態での絞り/シャッタユニット4の動作について、図4〜図6を用いて説明する。
図4には、地板10に取り付けられた駆動アーム18、ヨーク20、コイル19、閉じアーム21及び閉じばね22を示している。閉じアーム21は、閉じばね22が短くなる方向に引っ張られて、駆動軸部21aが図中の軸部10bの真下の位置から反時計回り方向に回転した位置にある。
図5には、図4に駆動リング12を加えて示している。駆動アーム18の駆動軸部18aは、駆動リング12に形成されたカム部12aに当接し、後に図8及び図9で示す凹部12bの内周端面に対向する位置に比べて、駆動リング12の中心(地板10の軸部10a)から遠い位置にある。
図6には、図5に遮光羽根15と遮光羽根16を加えて示している。前述したように、遮光羽根15の穴部15aと遮光羽根16の穴部16aにはそれぞれ、地板10の軸部10aと軸部10cが挿入され、遮光羽根15,16の長穴部15b,16bには、駆動アーム18の駆動軸部18aが挿入される。
この状態では、閉じばね22の引っ張り力(付勢力)によって駆動リング12が図中の時計回り方向に回転し、駆動リング12のカム部12aによって駆動アーム18の駆動軸部18aが駆動リング12の径方向の外側に押し出される。この結果、遮光羽根15,16は光通過口を閉じる閉位置に回転し、さらにカム部12aによって閉位置が保持される。
このようにして、交換レンズ2がビデオカメラ本体1に装着されていない状態では、遮光羽根15,16が、光通過口を閉鎖する。絞り/シャッタユニット4は、レンズマウント板3に近接して配置されており、しかも遮光羽根15,16が絞り/シャッタユニット4の中で電磁アクチュエータよりもレンズマウント板3に近い位置に配置されている。このため、遮光羽根15,16が光通過口を閉鎖することは、レンズマウント板3に形成された開口部3cを閉鎖することと等価である。したがって、ビデオカメラ本体1の外部から、レンズマウント板3の開口部3cを通って、撮像素子5が配置されたビデオカメラ本体1の内部空間に塵埃が侵入することを阻止することができる。したがって、撮像素子5の撮像面に塵埃が付着することを回避することができる。
なお、ここにいう「閉鎖」とは、完全な閉じきり状態でなくてもよく、ごくわずかな開口を残すような閉状態であってもよい。これにより、ビデオカメラ本体1の内部空間に塵埃が侵入することをほぼ阻止することができる。
次に、交換レンズ2がビデオカメラ本体1に装着された状態での絞り/シャッタユニット4の動作について、図7〜図10を用いて説明する。
図7には、地板10に取り付けられた駆動アーム18、ヨーク20、コイル19、閉じアーム21及び閉じばね22を示している。交換レンズ2がビデオカメラ本体1に装着されるときには、前述したように、交換レンズ2の取り付け爪2aがレンズマウント板3における凹部3aに隣接した部分3bに係合する方向に回転される。この際、取り付け爪2aは、閉じばね22の引っ張り力に抗して閉じアーム21を図中の反時計回り方向に回転させる。図7では、閉じアーム21が取り付け爪2aによって回転され、駆動軸部21aが図中の軸部10bの真下の位置から時計回り方向に回転した位置にある。
図8及び図9には、図7に駆動リング12を加えて示している。駆動アーム18の駆動軸部18aは、駆動リング12に形成された凹部12bの内周端面に対向する位置(該内周端面に当接しない位置)にある。凹部12bの内周端面は、駆動アーム18の駆動軸部18aの時計回り方向での回転許容端よりも、駆動リング12の径方向の内側に形成されている。したがって、凹部12bの内周端面は、駆動アーム18の回転を阻止しない。このため、駆動アーム18の回転位置は、図8に示す位置でも図9に示す位置でもよい。
図8に示す駆動アーム18の回転位置は、図6に示した駆動アーム18の回転位置と同じであり、このとき、遮光羽根15,16は光通過口が閉じる閉位置にある。
また、図9に示す回転位置に駆動アーム18が回転した状態では、遮光羽根15,16は図10に示すように、光通過口を開放する開位置にある。
このように、絞り/シャッタユニット4は、交換レンズ2がビデオカメラ本体1から取り外された状態において遮光羽根15,16を閉位置に保持し、かつビデオカメラ本体1に装着される際の交換レンズ2の動き(回転)によって(交換レンズ2の装着に応じて)、遮光羽根15,16の閉位置での保持を解除する機構を有する。
そして、遮光羽根15,16の閉位置での保持が解除された状態で、駆動回路によってコイル19が通電されると、マグネット17に回転力が発生して駆動アーム18が回転される。このときのコイル19への通電方向は、遮光羽根15,16によって光通過口を開く方向でも閉じる方向のいずれでもよい。
図10に示す状態で、ビデオカメラ本体1が動画撮影を行うときは、遮光羽根15,16はコイル19への通電が維持されることで開位置に保持される。また、被写体が高輝度であるような場合には、図11に示すように、遮光羽根15,16をその開閉方向の中間の絞り位置まで回転させて光通過口を絞る。これにより、光量調節動作が行われる。
一方、ビデオカメラ本体1が静止画撮影を行うときは、遮光羽根15,16はコイル19への通電方向の切り替えによって、開位置又は図11に示す絞り位置から一旦閉位置に回転され、開位置又は被写体輝度に応じた開口サイズを形成する位置に回転された後、再び閉位置に回転される。これにより、シャッタ動作が行われる。このようなシャッタ動作により、撮像素子5が画像信号を出力する間、撮像素子5への交換レンズ2からの光の入射が遮断されるため、画像信号の劣化が防止される。
図12には、絞り/シャッタユニット4と撮像素子5を撮像素子5の背面側から見て示している。
絞り/シャッタユニット4の地板10の上部には、図3等に示した閉じアーム21や閉じばね22等を内部に組み込むための凸部10Aが形成されている。この凸部10Aは、撮像素子5の上方に突出している。また、地板10の下部には、駆動アーム18、ヨーク20及びコイル19等を内部に組み込むための凸部10Bが形成されている。この凸部10Bは、撮像素子5の下方に突出している。
ここで、テレビやモニタ等の一般的な表示デバイスは、縦に短く、横に長い形状を有する。このため、撮像素子5も縦に短く、横に長い形状を有する。このため、本実施例では、撮像素子5の上方と下方に地板10の凸部10A,10Bが突出するようにし、撮像素子5の左右には地板10の凸部を設けないようにしている。これにより、地板10のサイズを小さくすることができる。
【0014】
また、交換レンズ2がビデオカメラ本体1から取り外された状態において、絞り/シャッタユニット4の遮光羽根15,16が光通過口(開口部3c)を閉鎖したとしても、まれに撮像素子5の撮像面に塵埃が付着する場合がある。このため、交換レンズ2がビデオカメラ本体1から取り外されている状態でも、ビデオカメラ本体1に設けられた不図示のスイッチが操作されるとコイル19に通電されて、遮光羽根15,16が開放されるようにしてもよい。このように遮光羽根15,16を開放させる機構を有することで、撮像素子5の撮像面を掃除することができる。
以上説明した実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、上記実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記実施例では、コイル19とマグネット17により構成される電磁アクチュエータによって遮光羽根15,16を駆動する場合について説明したが、本発明の光制御ユニットの構成はこれに限られない。例えば、ステッピングモータの駆動力によって遮光羽根を駆動するようにしてもよい。
また、上記実施例では、光制御ユニットが光量調節機能とシャッタ機能とを有する絞り/シャッタユニットである場合について説明したが、本発明における光制御ユニットは、光量調節機能とシャッタ機能のうち少なくとも一方を有すればよい。
また、閉じばね22と閉じアーム21の代わりに、駆動アーム18を駆動する電磁アクチュエータと同様な電磁アクチュエータを設けてもよい。この場合、交換レンズ2の着脱を電気的なセンサにより検出して電磁アクチュエータを作動させて駆動リング12を回転させ、遮光羽根15,16を開閉動作させてもよい。
また、駆動アーム18によって開閉動作される遮光羽根15,16とは別の遮光羽根を設け、これを閉じばね22と閉じアーム21の代わりに設けた別の電磁アクチュエータで開閉動作させるようにしてもよい。そして、これら2組の遮光羽根の動作の組み合わせによって、開口部3cを閉鎖したり、交換レンズ2からの光を制御したりしてもよい。
また、上記実施例では、遮光羽根15,16が回転する、いわゆるレンズシャッタタイプの光制御ユニットについて説明したが、遮光羽根が直進(平行)移動する、いわゆるフォーカルプレンシャッタタイプ又はギロチンタイプの光制御ユニットとしてもよい。
さらに、上記実施例で説明した光制御ユニット(絞り/シャッタユニット4)を備えたビデオカメラ本体1には、該光制御ユニットとは別の光制御ユニット(絞りユニット、シャッタユニット又は絞り/シャッタユニット)を備えた交換レンズを装着することも可能である。
この場合、交換レンズがビデオカメラ本体1に装着された状態で双方の光制御ユニットの動作を組み合わせて光量調節動作やシャッタ動作を行えばよい。例えば、双方の光制御ユニットのシャッタ動作によって二重遮光を行ったり、大口径の絞り開口を光制御ユニットにより形成し、小口径の絞り開口を交換レンズ側の光制御ユニットにより形成したりすることができる。これにより、防塵機能を有する光制御ユニットを備えたビデオカメラ本体1に、光制御ユニットを有していない専用の撮像レンズだけでなく、光制御ユニットを備えた汎用の撮像レンズを使用することが可能となる。
また、上記実施例ではビデオカメラについて説明したが、本発明は、デジタルスチルカメラ等の他の撮像装置にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0015】
撮像レンズが取り外された状態で撮像装置の内部に塵埃が侵入して撮像素子に付着することを回避できる撮像装置を実現可能である。
【符号の説明】
【0016】
1 ビデオカメラ本体
2 交換レンズ
3 レンズマウント板
5 撮像素子
10 地板
12 駆動リング
15,16 遮光羽根
17 マグネット
18 駆動アーム
19 コイル
20 ヨーク
21 閉じアーム
22 閉じばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像レンズが取り外し可能に装着される撮像装置であって、
撮像素子と、
遮光部材を開閉方向に動作させて、前記撮像レンズから該撮像装置の開口部を通って前記撮像素子に入射する光を制御する光制御ユニットとを有し、
前記光制御ユニットは、前記撮像レンズが前記撮像装置から取り外された状態において、前記遮光部材を閉じて前記開口部を閉鎖することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記開口部に、前記撮像レンズが取り外し可能に装着されるマウント部材が配置されており、
前記光制御ユニットは、前記マウント部材における撮像素子側の面に近接して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記光制御ユニットは、アクチュエータによって前記遮光部材を動作させ、
前記遮光部材は、前記アクチュエータよりも前記マウント部材に近い位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記光制御ユニットは、前記撮像レンズが該撮像装置から取り外された状態において前記遮光部材を閉位置に保持し、かつ前記撮像レンズが該撮像装置に装着されることに応じて前記遮光部材の前記閉位置での保持を解除する機構を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記光制御ユニットは、前記撮像素子に入射する光量を調節する機能と前記撮像素子の露光量を制御する機能のうち少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の撮像装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の撮像装置と、
該撮像装置に取り外し可能に装着される撮像レンズとを有することを特徴とする撮像システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−191282(P2010−191282A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36769(P2009−36769)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】