説明

撮像装置

【課題】 撮影情報を表示している表示部を消灯したときに、撮影者が不用意にシャッター秒時や絞り値などの設定値を変更するボタンやダイヤルに触れてしまうと、しかも設定値が変更されていることに気付かない。
【解決手段】 画像表示部28およびファインダー内表示部54に撮影条件を表示しないとき、ファインダーに接眼することなく、撮影条件が変更される場合には、画像表示部28に撮影条件を表示し、ファインダーに接眼して、撮影条件が変更される場合には、ファインダー内表示部54に撮影条件を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置に関し、詳しくは撮影情報を表示するための表示部を有する撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラの普及に伴い、バックライトを備えた撮像データや撮影情報を表示するための液晶表示部がカメラ背面に設けられるのが一般的になってきている。ただし一眼レフカメラにおいては、ミラー機構などの関係で撮像データ表示用の液晶表示部に加えて従来からある光学ファインダー機構も必要となる。
【0003】
液晶表示部と光学ファインダー双方を備えたカメラにおいては、撮影者が液晶表示部を必要としない場合も想定されるため、液晶表示部の表示を点灯、消灯させるための操作部材を設けることで、省電力化を可能にしたり、また光学ファインダーを覗く際に液晶表示部のバックライトが邪魔になるのを防ぐことを可能にしているものも数多く存在する。
【0004】
また、光学ファインダーを使用していることを検出するための接眼検知機構を設け、接眼検知時には液晶表示部のバックライトを消灯するデジタルカメラが提案されている。(特許文献1参照)
一方、従来は撮像データを表示するための液晶表示部とは別に、カメラのシャッター秒時や絞り値などの撮影情報を表示するための液晶表示部を備えているカメラが一般的であったが、最近では、カメラ本体の小型化やコスト削減などのために、撮像データを表示するための液晶表示部に撮影情報も表示させてしまうことで、液晶表示部を一つにまとめている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−165705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、撮像データを表示するための液晶表示部に撮影情報も表示させてしまうと、省電力などの目的で液晶表示部を消灯した場合は、シャッター秒時や絞り値などの設定値を含む撮影情報はどこにも表示されなくなってしまう。したがって、撮影情報を表示している液晶表示部を消灯したときに、撮影者が不用意にシャッター秒時や絞り値などの設定値を変更するボタンやダイヤルに触れてしまうことが考えられる。この場合には、意図せずシャッター秒時や絞り値などの設定値が変更されてしまい、しかも設定値が変更されていることに気付かない可能性が高い。
【0007】
本発明は、撮影情報を表示している表示部を消灯したときに、撮影者が不用意にシャッター秒時や絞り値などの設定値を変更するボタンやダイヤルに触れたとしても、撮影条件が変更されることがない撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成させるために、本発明の撮像装置は、撮影者がファインダーに接近したことを検知する接近検知部と、操作部材の操作によって撮影条件を設定する撮影条件設定部と、前記撮影条件設定部によって設定された撮影条件を表示する表示部と、前記表示部に前記撮影条件の表示を行うかどうかを制御する第1の表示制御部と、前記撮影条件設定部によって設定された撮影条件を表示する前記ファインダー内に表示するファインダー内表示部と、前記ファインダー内表示部に前記撮影条件の表示を行うかどうかを制御する第2の表示制御部とを有し、前記第1の表示制御部が前記表示部に前記撮影条件の表示を行わないように制御するとともに、前記第2の表示制御部が前記ファインダー内表示部に前記撮影条件の表示を行わないように制御するときに、前記操作部材が操作され、かつ前記接近検知部が前記撮影者の前記ファインダーへの接近を検知しない場合には、前記第1の表示制御部が前記表示部に前記撮影条件の表示を行うように制御するとともに、前記第2の表示制御部が前記ファインダー内表示部に前記撮影条件の表示を行わないように制御し、前記第1の表示制御部が前記表示部に前記撮影条件の表示を行わないように制御するとともに、前記第2の表示制御部が前記ファインダー内表示部に前記撮影条件の表示を行わないように制御するときに、前記操作部材が操作され、かつ前記接近検知部が前記撮影者の前記ファインダーへの接近を検知する場合には、前記第1の表示制御部が前記表示部に前記撮影条件の表示を行わないように制御するとともに、前記第2の表示制御部が前記ファインダー内表示部に前記撮影条件の表示を行うように制御することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の撮像装置は、撮影者がファインダーに接近したことを検知する接近検知部と、操作部材の操作によって撮影条件を設定する撮影条件設定部と、前記撮影条件設定部によって設定された撮影条件を表示する表示部と、前記表示部を点灯または消灯制御する第1の表示制御部と、前記撮影条件設定部によって設定された撮影条件を表示する前記ファインダー内に表示するファインダー内表示部と、前記ファインダー内表示部を点灯または消灯制御する第2の表示制御部とを有し、前記第1の表示制御部が前記表示部を消灯制御するとともに、前記第2の表示制御部が前記ファインダー内表示部を消灯制御するときに、前記操作部材が操作され、かつ前記接近検知部が前記撮影者の前記ファインダーへの接近を検知しない場合には、前記第1の表示制御部が前記表示部を点灯制御するとともに、前記第2の表示制御部が前記ファインダー内表示部を消灯制御し、前記第1の表示制御部が前記表示部を消灯制御するとともに、前記第2の表示制御部が前記ファインダー内表示部を消灯制御するときに、前記操作部材が操作され、かつ前記接近検知部が前記撮影者の前記ファインダーへの接近を検知する場合には、前記第1の表示制御部が前記表示部を消灯制御するとともに、前記第2の表示制御部が前記ファインダー内表示部を点灯制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によって、撮影者が確認することができない状態で撮影条件が変更されることがないので、使い勝手の良い撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一眼レフデジタルカメラのブロック図である。
【図2】画像表示部28およびファインダー内表示部54の表示を説明する図である。
【図3】画像表示部28の表示状態遷移を説明する図である。
【図4】画像表示部28およびファインダー内表示部54の表示状態と設定操作の受付を説明する表である。
【図5】設定値変更操作に関するフローチャートである。
【図6】ファインダー内情報表示に関するフローチャートである。
【図7】設定値変更操作時の表示操作に関するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態である一眼レフデジタルカメラを説明する。
【0013】
図1において、100はカメラボディである。
【0014】
12は撮像素子13への露光量を制御するためのシャッター、13は光学像を電気信号に変換する撮像素子である。レンズ310に入射した光線は、一眼レフ方式によって、絞り312、レンズマウント306及び106、ミラー130、シャッター12を介して導き、光学像として撮像素子13上に結像することが出来る。
【0015】
16は撮像素子13のアナログ信号出力をデジタル信号に変換するA/D変換器である。18は撮像素子13、A/D変換器16、D/A変換器26にクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生回路であり、メモリ制御回路22及びシステム制御回路50により制御される。20は画像処理回路であり、A/D変換器16からのデータ或いはメモリ制御回路22からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。
【0016】
また、画像処理回路20においては、必要に応じて、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてシステム制御回路50がシャッター制御手段40、測距制御手段42に対して制御を行う、TTL(Through The Lens)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュ調光)処理を行うことが出来る。
【0017】
さらに、画像処理回路20においては、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
【0018】
なお、本実施例においては、測距手段42及び測光手段46を専用に備える構成としたため、測距手段42及び測光手段46を用いてAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行い、上記画像処理回路20を用いたAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行わない構成としても良い。或いは、測距手段42及び測光手段46を用いてAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行い、さらに、上記画像処理回路20を用いたAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行う構成としても良い。
【0019】
22はメモリ制御回路であり、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30、圧縮・伸長回路32を制御する。A/D変換器16のデータが画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、或いはA/D変換器16のデータが直接メモリ制御回路22を介して、画像表示メモリ24或いはメモリ30に書き込まれる。
【0020】
24は画像表示メモリ、26はD/A変換器、28はTFT、LCD等から成る画像表示部であり、画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器26を介して画像表示部28により表示される。
【0021】
30は撮影した静止画像を格納するためのメモリであり、所定枚数の静止画像を格納するのに十分な記憶量を備えている。これにより、複数枚の静止画像を連続して撮影する連写撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みをメモリ30に対して行うことが可能となる。また、メモリ30はシステム制御回路50の作業領域としても使用することが可能である。
【0022】
32は適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮伸長する圧縮・伸長回路であり、メモリ30に格納された画像を読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えたデータをメモリ30に書き込む。
【0023】
40は測光手段46からの測光情報に基づいて、絞り312を制御する絞り制御手段340と連携しながら、シャッター12を制御するシャッター制御手段である。
【0024】
42はAF処理を行うための測距手段であり、レンズ310に入射した光線を、一眼レフ方式によって、絞り312、レンズマウント306及び106、ミラー130そして不図示の測距用サブミラーを介して、測距手段42に入射させることにより、光学像として結像された画像の合焦状態を測定することが出来る。
【0025】
46はAE処理を行うための測光手段であり、レンズ310に入射した光線を、一眼レフ方式によって、絞り312、レンズマウント306及び106、ミラー130及び132そして不図示の測光用レンズを介して、測光手段46に入射させることにより、光学像として結像された画像の露出状態を測定することが出来る。また、測光手段46は、フラッシュ48と連携することによりEF処理機能も有するものである。
【0026】
48はフラッシュであり、AF補助光の投光機能、フラッシュ調光機能も有する。さらに、測距手段42による測定結果と、撮像素子13によって撮像した画像データを画像処理回路20によって演算した演算結果とを共に用いてAF制御を行っても構わない。そして、測光手段46による測定結果と、撮像素子13によって撮像した画像データを画像処理回路20によって演算した演算結果とを共に用いて露出制御を行っても構わない。
【0027】
47は光学ファインダー104の接眼レンズ近傍に配置される接眼検知ユニットであり、接眼状態にあるかどうか、つまり、撮影者が光学ファインダー104を使用しているかどうかを検知する検知手段として機能するものである。一対の発光素子と受光素子を備え、発光素子の出力するパルス光を撮影者の眼、もしくは顔で反射させ、受光素子で受光することで接眼状態を検知する構成などが考えられるが、具体的な回路構成を限定するものではない。また検出方法に関しても特に限定するものではない。
【0028】
50は画像処理装置100全体を制御するシステム制御回路、52はシステム制御回路50の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリである。システム制御回路50はプログラムの実行に応じて、文字、画像等を用いて動作状態やメッセージ等を画像表示部28や光学ファインダー104内に設置されているファインダー内表示部54に表示する。
【0029】
画像表示部28に表示するものとしては、例えば、単写/連写撮影表示、セルフタイマー表示、圧縮率表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、調光補正表示、外部ストロボ発光量表示、赤目緩和表示、ブザー設定表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、記録媒体200及び210の着脱状態表示、レンズユニット300の着脱状態表示、通信I/F動作表示、日付・時刻表示、外部コンピュータとの接続状態を示す表示、等がある。
【0030】
また、光学ファインダー104内のファインダー内表示部54に表示するものとしては、例えば、合焦表示、撮影準備完了表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、フラッシュ充電完了表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、記録媒体書き込み動作表示、等がある。
【0031】
56は電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。60、62、64、66、68及び70は、システム制御回路50の各種の動作指示を入力するための操作手段であり、スイッチやダイアル等の単数或いは複数の組み合わせで構成される。
【0032】
ここで、これらの操作手段の具体的な説明を行う。60はモードダイアルスイッチで、自動撮影モード、プログラム撮影モード、シャッター速度優先撮影モード、絞り優先撮影モード、マニュアル撮影モード、焦点深度優先(DEP)撮影モード、ポートレート撮影モード、風景撮影モード、接写撮影モード、スポーツ撮影モード、夜景撮影モード等の各機能撮影モードを切り替え設定することが出来る。
【0033】
62はシャッタースイッチSW1で、不図示のシャッターボタンの操作途中でONとなり、AF処理、AE処理、AWB処理、EF処理等の動作開始を指示する。64はシャッタースイッチSW2で、不図示のシャッターボタンの操作完了でONとなり、撮像素子13から読み出した信号をA/D変換器16、メモリ制御回路22を介してメモリ30に画像データを書き込む露光処理、画像処理回路20やメモリ制御回路22での演算を用いた現像処理、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮・伸長回路32で圧縮を行い、記録媒体200或いは210に画像データを書き込む記録処理という一連の処理の動作開始を指示する。
【0034】
66は再生スイッチで、撮影モード状態において、撮影した画像をメモリ30或いは記録媒体200或いは210から読み出して画像表示部28によって表示する再生動作の開始を指示する。
【0035】
68は画像表示部28を点灯するか消灯するかの設定を行う表示制御スイッチである。
【0036】
70は各種ボタンやタッチパネル等からなる操作部で、メニューボタン、セットボタン、マルチ画面再生改ページボタン、フラッシュ設定ボタン、単写/連写/セルフタイマー切り替えボタン、メニュー移動+(プラス)ボタン、メニュー移動−(マイナス)ボタン、再生画像移動+(プラス)ボタン、再生画像−(マイナス)ボタン、撮影画質選択ボタン、露出補正ボタン、調光補正ボタン、外部ストロボ発光量設定ボタン、日付/時間設定ボタン、撮影直後に撮影した画像データを自動再生するクイックレビュー機能を設定するクイックレビューON/OFFスイッチ、画像のJ圧縮率を選択するための圧縮モードスイッチ、再生モード、マルチ画面再生・消去モード、PC接続モード等の各機能モードを設定することが出来る再生スイッチ、AFモード設定スイッチ等がある。また、上記プラスボタン及びマイナスボタンの各機能は、回転ダイアルスイッチを備えることによって、より軽快に数値や機能を選択することが可能となる。
【0037】
72は電源スイッチで、画像処理装置100の電源オン、電源オフの各モードを切り替え設定することが出来る。また、画像処理装置100に接続されたレンズユニット300、外部ストロボ、記録媒体200、210等の各種付属装置の電源オン、電源オフの設定も合わせて切り替え設定することが出来る。
【0038】
80は電源制御手段で、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されており、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、検出結果及びシステム制御回路50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部へ供給する。
【0039】
82はコネクタ、86はアルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる電源手段である。
【0040】
90及び94はメモリカードやハードディスク等の記録媒体とのインタフェース、92及び96はメモリカードやハードディスク等の記録媒体と接続を行うコネクタ、98はコネクタ92及び或いは96に記録媒体200或いは210が装着されているか否かを検知する記録媒体着脱検知手段である。
【0041】
なお、本実施例では記録媒体を取り付けるインターフェース及びコネクタを2系統持つものとして説明している。もちろん、記録媒体を取り付けるインターフェース及びコネクタは、単数或いは複数、いずれの系統数を備える構成としても構わない。また、異なる規格のインターフェース及びコネクタを組み合わせて備える構成としても構わない。インターフェース及びコネクタとしては、PCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等の規格に準拠したものを用いて構成して構わない。
【0042】
さらに、インターフェース90及び94、そしてコネクタ92及び96をPCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等の規格に準拠したものを用いて構成した場合、LANカードやモデムカード、USBカード、IEEE1394カード、等の各種通信カードを接続することにより、他のコンピュータやプリンタ等の周辺機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を転送し合うことが出来る。
【0043】
104は光学ファインダであり、レンズ310に入射した光線を、一眼レフ方式によって、絞り312、レンズマウント306及び106、ミラー130及び132を介して導き、光学像として結像表示することが出来る。これにより、画像表示部28による電子ファインダー機能を使用すること無しに、光学ファインダ104のみを用いて撮影を行うことが可能である。また、光学ファインダー104内には、ファインダー内表示部54が配置される。したがって、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示などを光学ファインダー内に表示することができる。
【0044】
112は、アクセサリシュー110を介して装着される、外部ストロボ装置である。
【0045】
120は、レンズマウント106内において、画像処理装置100をレンズユニット300と接続するためのインターフェース、122は画像処理装置100をレンズユニット300と電気的に接続するコネクタ、124はレンズマウント106及び或いはコネクタ122にレンズユニット300が装着されているか否かを検知するレンズ着脱検知手段である。
【0046】
コネクタ122は、画像処理装置100とレンズユニット300との間で制御信号、状態信号、データ信号等を伝え合うと共に、各種電圧の電流を供給する機能も備えている。また、コネクタ122は電気通信のみならず、光通信、音声通信等を伝達する構成としても良い。
【0047】
130、132はミラーで、レンズ310に入射した光線を、一眼レフ方式によって光学ファインダ104に導くことが出来る。なお、ミラー132は、クイックリターンミラーの構成としても、ハーフミラーの構成としても、どちらでも構わない。
【0048】
200はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体200は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部202、画像処理装置100とのインタフェース204、画像処理装置100と接続を行うコネクタ206を備えている。
【0049】
210はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体210は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部212、画像処理装置100とのインタフェース214、画像処理装置100と接続を行うコネクタ216を備えている。
【0050】
300は交換レンズタイプのレンズユニットである。306は、レンズユニット300を画像処理装置100と機械的に結合するレンズマウントである。レンズマウント306内には、レンズユニット300を画像処理装置100と電気的に接続する各種機能が含まれている。310は撮影レンズ、312は絞りである。320は、レンズマウント306内において、レンズユニット300を画像処理装置100と接続するためのインタフェース、322はレンズユニット300を画像処理装置100と電気的に接続するコネクタである。
【0051】
コネクタ322は、画像処理装置100とレンズユニット300との間で制御信号、状態信号、データ信号等を伝え合うと共に、各種電圧の電流を供給される或いは供給する機能も備えている。また、コネクタ322は電気通信のみならず、光通信、音声通信等を伝達する構成としても良い。
【0052】
340は測光手段46からの測光情報に基づいて、シャッター12を制御するシャッター制御手段40と連携しながら、絞り312を制御する絞り制御手段である。
【0053】
342は撮影レンズ310のフォーカシングを制御する測距制御手段、344は撮影レンズ310のズーミングを制御するズーム制御手段である。
【0054】
350はレンズユニット300全体を制御するレンズシステム制御回路である。レンズシステム制御回路350は、動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリやレンズユニット300固有の番号等の識別情報、管理情報、開放絞り値や最小絞り値、焦点距離等の機能情報、現在や過去の各設定値などを保持する不揮発メモリの機能も備えている。
【0055】
ここで、画像表示部28およびファインダー内表示部54の表示内容と、接眼検知ユニット47および表示制御スイッチ68の状態との関係について説明する。画像表示部28およびファインダー内表示部54の設定情報表示の表示例を図2に示す。また、図3は、接眼検知ユニット47の状態、表示制御スイッチ68の操作、再生スイッチ66の操作による画像表示部28の表示状態遷移を説明する図である。前述のように画像表示部28には撮影画像や各種情報表示が表示可能になっている。通常の撮影待機状態では画像表示部28にはシャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示などの設定値情報が表示されている。この状態で再生スイッチ66が操作された場合には、画像表示部28は設定情報表示を取りやめて記録画像を表示する。画像表示部28に記録画像が表示されている状態で、再び再生スイッチ66が操作されると、もとの設定情報表示にもどる。
【0056】
一方、撮影レスポンスを落とすことなく、電力消費を抑えたい場合など、電源スイッチ72で画像処理装置の電源を切ることなく、画像表示部28の設定情報表示を消灯したい場合は、表示制御スイッチ68を操作することで画像表示部28の設定情報表示を消灯することが出来る。消灯している状態で再び表示制御スイッチ68を操作すると、画像表示部28が点灯して、もとの設定情報表示に戻る。
【0057】
また、画像表示部28に設定情報を表示している場合に、撮影者が光学ファインダー104を覗いていることを接眼検知ユニット47が接眼を検出した場合には、撮影の邪魔にならぬよう画像表示部28の表示を消灯する。撮影者が光学ファインダー104を覗くのをやめると、接眼検知ユニット47が接眼を検出しなくなり、画像表示部28の表示を点灯する。ここでは画像表示部28を消灯する例を説明しているが、画像表示部28にバックライトが備えられている場合には、バックライトのみを消灯もしくは輝度を落とすよう制御しても良い。
【0058】
また、62のシャッタースイッチSW1が操作され測光が開始されると、画像表示部28の設定情報表示に測光結果が反映される。このとき光学ファインダー104内のファインダー内表示部54にも測光結果の情報が表示される。通常、測光していない場合はファインダー内表示部54は消灯している。
【0059】
図4は、表示制御スイッチ68、接眼検知47、測光の各種状態と、画像表示部28およびファインダー内表示部54の表示状態、シャッタースピード、絞り値、露出補正値などに代表される各種設定操作の受付状態を示す表である。
【0060】
操作部70によりシャッタースピード、絞り値、露出補正値の変更操作がなされた場合に、表示制御スイッチ68により画像表示部28が消灯されている場合のみ、設定変更操作を受け付けないよう動作する。
【0061】
この動作を示すフローチャートを図5に示す。ステップS500で設定操作を受け付けるとステップS501に進み、表示制御スイッチ68により画像表示部28が消灯されているかどうかを判断する。ステップS501で表示制御スイッチ68により画像表示部28が消灯されていないと判断されれば、ステップS502で設定値の変更をおこなう。
【0062】
ステップS501で表示制御スイッチ68により画像表示部28が消灯されていると判断されれば、ステップS503へ進みファインダー内表示部54が点灯されているか否かの判定を行う。ステップS503でファインダー内表示部54が点灯中であると判断されればステップS502へ進み設定値の変更をおこなう。ステップS503で点灯中でないと判断されれば設定値の変更はおこなわない。
【0063】
図6はファインダー内表示部54の表示制御を表すフローチャートである。ステップS600で62のシャッタースイッチSW1操作を検出するとステップS601へ進む。
【0064】
ステップS601では測光、測距動作を開始する。ステップS602ではファインダー内表示部54を点灯し、測光中の表示を開始する。ステップS603へ進みシャッタースイッチSW2を検出するとステップS604へ進みファインダー内表示部54を消灯し、ステップS605のレリーズ処理に移る。
【0065】
ステップS603でシャッタースイッチSW2を検出しなかった場合はステップS606に進みシャッタースイッチSW1のオフを判定する。ステップS606でシャッタースイッチSW1のオフを判定した場合はステップS607で測距動作を停止する。ステップS608へ進み測光タイマの計測を開始する。
【0066】
ステップ606でシャッタースイッチSW1のオフを検出しなかった場合はステップ603へもどる。ステップ608で測光タイマの計測を開始した後は、ステップ609で測光タイマの計測が完了するか、ステップ610で再びシャッタースイッチSW1オンが検出されるまでステップ609から610を繰り返す。
【0067】
ステップ609で測光タイマの計測が完了した場合にはステップ611へ進みファインダー内表示部54を消灯し、ステップ612で測光動作を終了する。ステップ610で再びシャッタースイッチSW1オンされた場合にはステップ601へ戻る。
【0068】
以上の動作により測光中はファインダー内表示部54に設定情報および測光情報が表示され、測光停止時にはファインダー内表示部54が消灯される。
【0069】
このように動作させることにより、撮影者が意図して行った設定値変更操作は受け付けるようにし、意図せず行ったと思われる設定値変更操作は受け付けないようにし、誤操作を防止することが出来る。
【0070】
本実施形態では表示制御スイッチもしくは接眼検知によって設定情報表示を消灯する例を示したが、消灯条件に関しては特に限定するものではない。表示部が点灯していても設定情報表示がされていなければ、従来の問題を解決していることにはならない。したがって、表示部そのもののは点灯消灯ではなく、設定情報表示を表示しているかどうかであっても同様である。
【0071】
また条件は2つに限定されるものでもなく複数の条件により設定情報表示が消灯する構成で、その条件の組み合わせにより設定変更操作の受付可否を判定するよう構成しても構わない。また、設定変更操作の対象はシャッタースピード、絞り値、露出補正値に限定されるものではない。
【0072】
本実施形態のカメラは、各種設定値などの撮影情報や撮像データを表示する液晶表示部を操作部材の操作によって消灯する場合と、カメラが状態を判断して消灯する場合がある。そして、操作部材の操作によって消灯された場合には撮影条件などの設定変更を禁止している。これによって、撮影者の不用意な操作による設定値変更を防止している。例えば、接眼検知によりカメラ背面の液晶表示部を消灯した場合にはシャッター秒時、絞り値、露出補正値などの設定変更操作の受付は許可し続ける。しかし、背面液晶表示消灯のための操作部材の操作により背面液晶表示を消灯している場合はシャッター秒時、絞り値、露出補正値などの設定変更操作の受付を禁止する。これにより、撮影者が意図して行った設定値変更操作は受け付けるようにし、意図せず行ったと思われる設定値変更操作は受け付けないようにし、誤操作を防止することが出来る。
【0073】
なお、接眼検知ユニット47が機能していない場合には、画像表示部28の状態に関係なく、ファインダー内表示部54にて情報表示がなされている場合にのみ、前記設定操作の受付を許可するよう構成しても良い。
【0074】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態である一眼レフデジタルカメラについて説明する。全体の構成は図1にて説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0075】
図7は画像表示部28が消灯状態である場合に、設定変更操作がおこなわれた場合のフローチャートである。
【0076】
ステップS701で操作部70によりシャッタースピード、絞り値、露出補正値の変更操作が検出されるとステップS702へ進み接眼検知結果を確認する。ステップS702で撮影者がファインダーを覗いていることが確認されるとステップS703へ進み、ファインダー内表示部54の表示状態を判定する。
【0077】
ステップS703でファインダー内表示部54が既に点灯状態であればステップS709へ進み、消灯状態であればステップS704へ進みファインダー内表示部54を点灯し設定操作による設定値変更結果を表示するための準備をおこなう。
【0078】
その後ステップS705へ進み表示消灯タイマを開始する。ステップS702で撮影者がファインダーを覗いていないと判断した場合は、ステップS706へ進み、表示制御スイッチ68により画像表示部28が消灯されているかどうか判定する。表示制御スイッチ68により画像表示部28が消灯されている場合にはステップS707へ進み画像表示部28を点灯し、設定操作による設定値変更結果を表示するための準備をおこなう。
【0079】
その後ステップS708へ進み表示消灯タイマを開始する。ステップS706で画像表示部28が既に点灯していた場合にはそのままステップS709へ進む。ステップS709ではステップS701で検出した設定値変更操作を確定し、設定値の変更をおこなう。
【0080】
ステップS710では表示消灯タイマが開始されていればステップS711へ進み、ステップS711ではタイマ終了を待って、ステップS704もしくはステップS707で点灯した表示部を消灯する。
【0081】
以上の動作により、撮影者が省電力のため画像表示部の表示もしくはバックライトを消灯していたり、撮影者が光学ファインダーを覗いているために画像処理装置背面の画像表示部の表示もしくはバックライトが邪魔にならないよう自動的に消灯しているような場合に、省電力設定を無効にしたり、突然背面表示部の表示が点灯して撮影者の邪魔になることなく、設定操作の操作性を向上することが出来る。また、不用意な操作による誤設定がなされた場合にも、撮影者が誤操作に気付くことができる。
【0082】
本実施形態では、接眼検知もしくは表示制御スイッチにより画像表示部が消灯している場合の例を示したが、画像表示部の消灯条件や条件の数に関しては特に限定するものではなく、第3、第4の消灯条件を設けて、設定操作がなされた場合にそれぞれの消灯条件に応じて画像表示部を点灯させるかどうか判断すればよい。
【0083】
本実施形態のカメラは、シャッター秒時、絞り値、露出補正値などの設定操作を受け付けると、撮影者が接眼してるかどうかを検知する。このとき撮影者が接眼している場合には、ファインダー内表示部54を所定時間表示し、撮影者が接眼していない場合には、画像表示部28を所定時間表示する。これにより、もし誤って操作した場合に、撮影者自らがご操作に気付くことが出来る。
【符号の説明】
【0084】
28 画像表示部
47 接眼検知ユニット
50 システム制御部
54 ファインダー内表示部
68 表示制御スイッチ
70 操作部
104 光学ファインダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影者がファインダーに接近したことを検知する接近検知部と、
操作部材の操作によって撮影条件を設定する撮影条件設定部と、
前記撮影条件設定部によって設定された撮影条件を表示する表示部と、
前記表示部に前記撮影条件の表示を行うかどうかを制御する第1の表示制御部と、
前記撮影条件設定部によって設定された撮影条件を表示する前記ファインダー内に表示するファインダー内表示部と、
前記ファインダー内表示部に前記撮影条件の表示を行うかどうかを制御する第2の表示制御部とを有し、
前記第1の表示制御部が前記表示部に前記撮影条件の表示を行わないように制御するとともに、前記第2の表示制御部が前記ファインダー内表示部に前記撮影条件の表示を行わないように制御するときに、前記操作部材が操作され、かつ前記接近検知部が前記撮影者の前記ファインダーへの接近を検知しない場合には、前記第1の表示制御部が前記表示部に前記撮影条件の表示を行うように制御するとともに、前記第2の表示制御部が前記ファインダー内表示部に前記撮影条件の表示を行わないように制御し、
前記第1の表示制御部が前記表示部に前記撮影条件の表示を行わないように制御するとともに、前記第2の表示制御部が前記ファインダー内表示部に前記撮影条件の表示を行わないように制御するときに、前記操作部材が操作され、かつ前記接近検知部が前記撮影者の前記ファインダーへの接近を検知する場合には、前記第1の表示制御部が前記表示部に前記撮影条件の表示を行わないように制御するとともに、前記第2の表示制御部が前記ファインダー内表示部に前記撮影条件の表示を行うように制御することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
撮影者がファインダーに接近したことを検知する接近検知部と、
操作部材の操作によって撮影条件を設定する撮影条件設定部と、
前記撮影条件設定部によって設定された撮影条件を表示する表示部と、
前記表示部を点灯または消灯制御する第1の表示制御部と、
前記撮影条件設定部によって設定された撮影条件を表示する前記ファインダー内に表示するファインダー内表示部と、
前記ファインダー内表示部を点灯または消灯制御する第2の表示制御部とを有し、
前記第1の表示制御部が前記表示部を消灯制御するとともに、前記第2の表示制御部が前記ファインダー内表示部を消灯制御するときに、前記操作部材が操作され、かつ前記接近検知部が前記撮影者の前記ファインダーへの接近を検知しない場合には、前記第1の表示制御部が前記表示部を点灯制御するとともに、前記第2の表示制御部が前記ファインダー内表示部を消灯制御し、
前記第1の表示制御部が前記表示部を消灯制御するとともに、前記第2の表示制御部が前記ファインダー内表示部を消灯制御するときに、前記操作部材が操作され、かつ前記接近検知部が前記撮影者の前記ファインダーへの接近を検知する場合には、前記第1の表示制御部が前記表示部を消灯制御するとともに、前記第2の表示制御部が前記ファインダー内表示部を点灯制御することを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−159846(P2012−159846A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−54673(P2012−54673)
【出願日】平成24年3月12日(2012.3.12)
【分割の表示】特願2006−219847(P2006−219847)の分割
【原出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】