説明

撮像装置

【課題】 パン回転可能なカメラユニットを備える撮像装置であって、当該装置にファンやヒーターを設けることなく且つ当該装置を大型化させることもなく、電子部品の温度を適切な範囲に保つことができる撮像装置を提供する。
【解決手段】 外装筐体と、カメラユニット4と、カメラユニット4をパン回転可能に支持するメインユニット6と、メインユニット6に固定される電子基板7と、電子基板7の底面側に実装される電子部品8と、電子部品8と底面との間に形成された隙間と、この隙間に設けられ、ドームカメラ100の温度が所定温度以下である場合には、電子部品8と外装筐体とを熱的に分離させるb位置に移動し、ドームカメラ100の温度が所定温度以下でない場合には、電子部品8と外装筐体とを熱的に接触させるa位置に移動する金属円盤9と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関し、より詳細には、パン方向に回転可能なカメラユニットを備える撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、監視カメラは、様々な環境下に設置されるため、幅広い環境温度に対応する必要があった。しかし、従来の監視カメラは、低温環境下(特に、環境温度が−10℃以下の環境下)に設置された場合、監視カメラ内部の温度が下がり過ぎてしまうことがあった。
【0003】
ここで、このような従来の監視カメラについて、図6および図7を用い、より詳細に説明する。図6は、ドームを有する監視カメラの外観斜視図である。図6において、1001は、透明のドームであり、半球形状に形成されている。また、1002は上ケースであり、1003は下ケースである。
【0004】
続いて、図7は、従来の監視カメラの断面図である。図7において、1004は、従来の監視カメラ内部に設けられたカメラユニットで、ドーム1001の内部から外界を撮影する。1005は、カメラユニット1004をチルト回転可能に支える支持部である。1006は、メインユニットであり、その内部には電子基板1007が固定されている。
【0005】
電子基板1007には、発熱体である電子部品1008が2つ実装されている。下ケース1003には、熱伝導シートからなる突起1009が2箇所に設けられており、これら2箇所の突起1009それぞれは、電子部品1008と接触するように設けられている。
【0006】
このように、従来の監視カメラでは、突起1009と電子部品1008とが接触する接触部を介して電子部品1008の熱が監視カメラ外部へと放熱されることにより、環境温度が0℃〜50℃程度であれば、監視カメラ内部の温度を適正な温度に保つことができた。
【0007】
しかし、従来の監視カメラが−10℃以下の極低温の環境下に設置された場合には、上述の接触部を介して電子部品1008の熱を監視カメラ外部へ放熱すると、監視カメラ内部の温度が下がり過ぎてしまうことがあった。この結果、電子部品1008やメカ機構が正常に動作できなくなることがあった。
【0008】
このため、近年、ドームとパン回転及びチルト回転が可能なビデオカメラとを有し、ヒーター及びファンを装備した監視カメラが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−135723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1の監視カメラのようにヒーター及びファンといった装備を付加することは、装置の省電力化、小型化、そしてコストの面で不利であった。
【0011】
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものである。すなわち、パン回転可能なカメラユニットを備える撮像装置であって、当該装置にファンやヒーターを設けることなく且つ当該装置を大型化させることもなく、電子部品の温度を適切な範囲に保つことができる撮像装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、外装筐体と、被写体を撮像して撮像信号を生成するカメラユニットと、前記外装筐体の内部に設けられ、前記カメラユニットをパン方向に回転可能に支持するパンベースと、前記パンベースに固定され、前記外装筐体の底面に沿うように固定される電子基板と、前記電子基板の前記底面側に実装される電子部品と、を備えた撮像装置であって、前記電子部品と前記外装筐体の底面との間に形成された隙間と、前記隙間に設けられた熱伝導手段であって、前記撮像装置の温度が所定の温度以下である場合には、前記電子部品と前記外装筐体とを熱的に分離させる第1の位置に移動し、前記撮像装置の温度が前記所定の温度以下でない場合には、前記電子部品と前記外装筐体とを熱的に接触させる第2の位置に移動する熱伝導手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、パン回転可能なカメラユニットを備える撮像装置であって、当該装置にファンやヒーターを設けることなく且つ当該装置を大型化させることもなく、電子部品の温度を適切な範囲に保つことができる撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る、放熱モードにおけるドームカメラ100の断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る、蓄熱モードにおけるドームカメラ100の断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る、金属円盤9の回転動作を説明するための斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る、蓄熱モードと放熱モードとを切り換えるための構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る、蓄熱モードと放熱モードとを切り換えるための制御処理を示すフローチャートである。
【図6】従来の監視カメラの外観斜視図である。
【図7】従来の監視カメラの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施例について説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置としてのドームカメラ100の断面図であり、より詳細には、後述の放熱モードにおけるドームカメラ100の断面図である。
【0017】
図1において、1は、透明または半透明のプラスチック製のドームであり、半球形状に形成されている。また、2は、上ケースであり、例えば、耐衝撃性を高めるために金属製、より詳細には、アルミニウム合金製の外装部品である。
【0018】
3は、高い熱伝導性を有する下ケースであり、後述する金属円盤9などが取り付けられる外装部品である。したがって、本実施形態では、上ケース2および下ケース3が外装筐体を構成することになる。
【0019】
なお、下ケース3の下面3a(外面)には、天井などの設置場所(設置面)に対する取り付け構造が備えられている。したがって、本実施形態における下面3aは、設置面に対向する面である。
【0020】
ドームカメラ100の内部には、カメラユニット4が装備されている。このカメラユニット4は、レンズ(不図示)や撮像素子(不図示)などからなり、ドーム1の内部から外界(被写体)を撮像して撮像信号を生成するものである。そして、5は、カメラユニット4をチルト回転可能に支える(支持する)支持部である。
【0021】
6は、支持部5を介してカメラユニット4をパン回転可能に支える(支持する)メインユニット(パンベース)であり、中空の円筒形状をしている。また、メインユニット6の内部には、下ケース3の底面3b(内面)に沿うように電子基板7が固定されており、この電子基板7には、発熱体である電子部品8と、電子部品8よりも高さのあるケミカルコンデンサ17が実装されている。
【0022】
なお、本実施形態における電子部品8は、第1の電子部品に相当し、本実施形態におけるケミカルコンデンサ17は、第2の電子部品に相当するものとする。また、本実施形態における底面3bは、下面3aとは反対側の面である。
【0023】
より具体的には、電子部品8およびケミカルコンデンサ17は、電子基板7の下ケース3の下面3a側に実装されている。(換言すれば、電子部品8およびケミカルコンデンサ17は、電子基板7の下ケース3の底面3b側(底面側)に実装されている。)また、このケミカルコンデンサ17の高さは、電子基板7と金属円盤9との間に設けられた隙間よりも高い。
【0024】
なお、本実施形態では、電子基板7に実装されている電子部品8の個数を2個とし、カメラユニット4がパン方向に回転する軸を挟んだ略反対の位置にそれぞれ実装されているものとする。また、本実施形態における2個の電子部品8のうち1個は、カメラユニット4から出力された撮像信号を処理する撮像信号処理回路であるものとする。
【0025】
9は、高い熱伝導性を有する金属製、且つ、円盤形状の金属円盤である。この金属円盤9は、下ケース3の底面3bに常に接触しながら、ビス10の軸回りに摺動回転することができるように、ビス10によって固定されている。そして、金属円盤9は、モーター11により、ビス10の軸芯を回転中心として電動で回転駆動され、図3を用いて後述するa位置(第2の位置)又はb位置(第1の位置)に停止することができる。
【0026】
さらに、金属円盤9には、金属円盤9がa位置に停止した状態において、電子部品8と対応する位置に突起12が設けられており、この突起12は、電子基板7に向けて突出しており、金属円盤9に2個設けられている。
【0027】
より詳細には、突起12の一方は、金属円盤9がa位置に停止した状態で、電子部品8の一方と、互いに対向することができ且つ互いに接触することができる位置に設けられている。同様に、突起12の他方は、金属円盤9がa位置に停止した状態で、電子部品8の他方と、互いに対向することができ且つ互いに接触することができる位置に設けられている。
【0028】
ここで、電子部品8と突起12とが接触する接触部および金属円盤9と下ケース3とが接触する接触部を介して、電子部品8の熱をドームカメラ100の外部へ放熱することができるので、金属円盤9がa位置に停止した状態を放熱モードと称することにする。
【0029】
続いて、図2は、本実施形態に係る、後述の蓄熱モードにおけるドームカメラ100の断面図である。
【0030】
図2における金属円盤9は、モーター11により、所定の角度だけ回転するように駆動され、金属円盤9上の2個の突起12と発熱体である電子部品8とは、分離された状態、すなわち、非接触の状態になっている。ここで、電子部品8と突起12とが分離された状態では、電子部品8の熱をドームカメラ100の外部へ放熱することが十分にできないので、この状態を蓄熱モードと称することにする。
【0031】
続いて、図3は、本実施形態に係る、金属円盤9の回転動作を説明するための斜視図である。なお、図3では、電子部品8およびケミカルコンデンサ17を透過的に示している。まず、図3に示すように、下ケース3の底面3bは、円形形状をしている。また、金属円盤9は、下ケース3の底面3bおよびメインユニット6それぞれよりも半径が小さな円盤形状をしている。
【0032】
この金属円盤9の外周部には、ギヤ(不図示)が形成されており、このギヤは、モーター11に接続されている出力ギヤと噛み合っている。つまり、出力ギヤ及び金属円盤9に形成されたギヤを介してモーター11の駆動力が金属円盤9に伝達されることにより、金属円盤9は、ビス10の軸回りに回転するものである。
【0033】
また、金属円盤9には、モーター11により回転駆動される際に、電子基板7に実装されているケミカルコンデンサ17と金属円盤9とが干渉するのを避けるための切り欠き部16が設けられている。なお、本実施形態における切り欠き部16の形状は、金属円盤9の回転軸中心と略同心の円弧状に形成されているものとする。
【0034】
そして、後述の制御駆動回路14がモーター11を駆動させた結果、金属円盤9の突起12の位置がa位置からb位置になった場合は、蓄熱モードとなり、金属円盤9の突起12の位置がb位置からa位置になった場合は、放熱モードとなる。
【0035】
続いて、図4は、温度センサ13により検知された温度に応じ、蓄熱モードと放熱モードとを切り換えるための構成を示すブロック図である。
【0036】
モーター11は、後述の制御駆動回路14の指示を受け、金属円盤9を回転させる。なお、本実施形態では、モーター11としてステッピングモーターを用いているが、これに限るものではない。
【0037】
温度検出手段としての温度センサ13は、ドームカメラ100の内部の温度を検出する。具体的には、カメラユニット4に含まれるレンズの温度を検出する。このレンズの温度は、ドームカメラ100の外界の温度と相関が高く、ドームカメラ100が設置された環境の温度を検出するのに有効である。
【0038】
位置制御手段としての制御駆動回路14は、CPUなどで構成されており、温度センサ13により検出された温度に応じ、モーター11を制御する。
【0039】
より詳細には、制御駆動回路14は、温度センサ13により検出された温度が所定の温度(例えば、電子部品8の定格温度範囲の下限近傍である−10℃)よりも低い場合には、金属円盤9の突起12の位置がb位置になるようにモーター11を駆動させる。一方、制御駆動回路14は、温度センサ13により検出された温度が所定の温度よりも高い場合には、金属円盤9の突起12の位置がa位置になるようにモーター11を駆動させる。
【0040】
メモリ15は、制御駆動回路14から入力されたモード情報を記憶する。このモード情報は、蓄熱モード及び放熱モードのいずれか一方を示す情報である。
【0041】
続いて、温度センサ13により検知された温度に応じ、蓄熱モードと放熱モードとを切り換えるための制御処理について、図5を参照して説明する。なお、この制御処理は、制御駆動回路14によって実行される。
【0042】
ステップS101では、制御駆動回路14は、温度センサ13により検出された温度を取得する。
【0043】
ステップS102では、制御駆動回路14は、温度センサ13により検出された温度が所定の温度(例えば、−10℃)よりも低いか否かを判定する。そして、制御駆動回路14は、ステップS101で取得された温度が所定の温度よりも低いと判定した場合には、ステップS103に処理を進める。一方、制御駆動回路14は、ステップS101で取得された温度が所定の温度よりも低くないと判定した場合には、ステップS105に処理を進める。
【0044】
ステップS103では、制御駆動回路14は、メモリ15からモード情報を読み出し、ドームカメラ100が放熱モードであるか否かを判定する。具体的には、制御駆動回路14は、読み出したモード情報が放熱モードを示している場合には、ドームカメラ100が放熱モードであると判定し、読み出したモード情報が蓄熱モードを示している場合には、ドームカメラ100が放熱モードではないと判定する。
【0045】
そして、制御駆動回路14は、ドームカメラ100が放熱モードであると判定した場合には、ステップS104に処理を進める。一方、制御駆動回路14は、ドームカメラ100が放熱モードではないと判定した場合には、ステップS101に処理を戻す。
【0046】
ステップS104では、制御駆動回路14は、ドームカメラ100を蓄熱モードに切り換える。より詳細には、制御駆動回路14は、モーター11を駆動させることにより、電子部品8と突起12とが互いに接触しなくなるように金属円盤9を所定の角度だけ回転させる。さらに、制御駆動回路14は、蓄熱モードを示すモード情報をメモリ15に入力し、記憶させる。
【0047】
ステップS105では、制御駆動回路14は、メモリ15からモード情報を読み出し、ドームカメラ100が蓄熱モードであるか否かを判定する。具体的には、制御駆動回路14は、読み出したモード情報が蓄熱モードを示している場合には、ドームカメラ100が蓄熱モードであると判定し、読み出したモード情報が放熱モードを示している場合には、ドームカメラ100が蓄熱モードではないと判定する。
【0048】
そして、制御駆動回路14は、ドームカメラ100が蓄熱モードであると判定した場合には、ステップS106に処理を進める。一方、制御駆動回路14は、ドームカメラ100が蓄熱モードではないと判定した場合には、ステップS101に処理を戻す。
【0049】
ステップS106では、制御駆動回路14は、ドームカメラ100を蓄熱モードに切り換える。より詳細には、制御駆動回路14は、モーター11を駆動させることにより、電子部品8と突起12とが互いに接触するように金属円盤9を所定の角度だけ、ステップS104とは逆方向に回転させる。さらに、制御駆動回路14は、放熱モードを示すモード情報をメモリ15に入力し、記憶させる。
【0050】
以上のように本実施形態のドームカメラ100では、金属円盤9は、ドームカメラ100の温度が所定の温度以下である場合には、電子部品8と下ケース3とを熱的に分離させることができるように、b位置に移動する。これにより、ファンやヒーターを設けることなく、電子部品8およびドームカメラ100のメカ機構の温度が下がり過ぎてしまうことを防止できる。
【0051】
なおかつ、この金属円盤9は、ドームカメラ100の温度が所定の温度以下でない場合には、電子部品8と下ケース3とを熱的に接触させることができるように、a位置に移動する。これにより、ファンやヒーターを設けることなく、電子部品8およびメカ機構の温度を適切な範囲に保つことができる。
【0052】
その上、カメラユニット4をパン回転可能に支持するメインユニット6の内部には、電子基板7が固定されており、金属円盤9は、この電子基板7に実装された電子部品8と下ケース3の底面3bとの隙間に設けられている。これにより、この隙間、すなわち、高さのあるケミカルコンデンサ17を電子基板7の下ケース3の底面3b側に実装するための空間を、金属円盤9を配置するための空間としても兼用できる。この結果、メインユニット6の内部空間を有効活用できるので、ドームカメラ100を大型化させることがない。
【0053】
なお、本実施形態では、金属円盤9を用いたが、これに限るものではない。熱伝導性の高い材料であれば、他の材料で形成された円盤でも良い。
【0054】
また、本実施形態では、電子部品8の個数を2個としたが、これに限るものではない。例えば、電子基板7に実装されている電子部品8の個数を3個以上としても良い。
【0055】
また、本実施形態では、金属円盤9に設けられている突起の数を2個としたが、電子部品8の個数に対応していれば良く、これに限るものではない。例えば、電子部品8の個数が3個であれば、突起の個数を3個とすれば良い。
【0056】
また、本実施形態では、温度センサ13は、カメラユニット4に含まれるレンズの温度を検出するものとしたが、これに限るものではない。例えば、温度センサ13が電子部品8の温度を検出するように構成しても良い。
【0057】
また、本実施形態では、温度センサ13により検知された温度に応じて蓄熱モードと放熱モードとが切り換わるよう、金属円盤9の回転動作を制御するように構成したが、これに限るものではない。例えば、金属円盤9の替わりにバイメタルを用いて構成することも考えられる。
【0058】
具体的には、高い熱伝導性を有するバイメタルを、下ケース3の底面3bと接触するように、電子部品8と下ケース3の底面3bとの間に設ける。さらに、このバイメタルは、ドームカメラ100の温度が所定の温度(例えば、−10℃)以下である場合には、電子部品8と下ケース3の底面3bとが熱的に分離されるように移動(変形)する。なおかつ、このバイメタルは、ドームカメラ100の温度が所定の温度以下でない場合には、電子部品8と下ケース3の底面3bとが熱的に接触するように移動(変形)する。
【0059】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の
実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発
明に含まれる。また、上述した実施形態の一部を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0060】
2 上ケース
3 下ケース
4 カメラユニット
5 支持部
6 メインユニット
7 電子基板
8 電子部品
9 金属円盤
100 ドームカメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装筐体と、
被写体を撮像して撮像信号を生成するカメラユニットと、
前記外装筐体の内部に設けられ、前記カメラユニットをパン方向に回転可能に支持するパンベースと、
前記パンベースに固定され、前記外装筐体の底面に沿うように固定される電子基板と、
前記電子基板の前記底面側に実装される電子部品と、
を備えた撮像装置であって、
前記電子部品と前記外装筐体の底面との間に形成された隙間と、
前記隙間に設けられた熱伝導手段であって、前記撮像装置の温度が所定の温度以下である場合には、前記電子部品と前記外装筐体とを熱的に分離させる第1の位置に移動し、前記撮像装置の温度が前記所定の温度以下でない場合には、前記電子部品と前記外装筐体とを熱的に接触させる第2の位置に移動する熱伝導手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記熱伝導手段は、前記底面と接触しており、前記底面と摺動回転することで前記第1の位置又は前記第2の位置に位置することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記電子基板には、前記電子部品よりも高さのあるコンデンサが実装されており、
前記熱伝導手段には、前記熱伝導手段が摺動回転する際に、前記熱伝導手段が前記コンデンサと干渉するのを避けるための切り欠き部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記底面は、円形形状であり、
前記パンベースは、中空の円筒形状であり、
前記電子基板は、前記パンベースの内部に固定され、
前記熱伝導手段は、前記底面及び前記パンベースそれぞれよりも半径が小さな円盤形状であることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記熱伝導手段が摺動回転する軸は、前記パン方向の回転中心であることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記熱伝導手段は、前記電子基板に向けて突出する突起を有し、
前記突起は、前記熱伝導手段が前記第1の位置に位置する場合に、前記電子部品と分離し、前記熱伝導手段が前記第2の位置に位置する場合に、前記電子部品と接触することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記撮像装置の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段により検出された温度が所定の温度以下でない場合に、前記熱伝導手段を前記第1の位置に位置させるように制御し、前記温度検出手段により検出された温度が所定の温度以下である場合に、前記熱伝導手段を前記第2の位置に位置させるように制御する位置制御手段と、
を更に有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記電子部品は、前記カメラユニットから出力された撮像信号を処理する撮像信号処理回路であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記外装筐体に取り付けられ、半球形状に形成されたドームを更に有し、
前記カメラユニットは、前記ドームに覆われていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記熱伝導手段は、バイメタルであることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−237949(P2012−237949A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108567(P2011−108567)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】