説明

撮像装置

【課題】撮像レンズの種類によらず、省スペースかつ低コストで撮像レンズの検出が可能である、撮像レンズ交換式の撮像装置を提供すること。
【解決手段】撮像装置に着脱自在な撮像レンズを介して、入射した被写体像をデジタルデータとして取得する撮像手段と、前記撮像レンズと前記撮像手段との間に配置された開閉可能なシャッタ機構と、前記被写体像のデジタルデータからエッジ情報を検出するエッジ検出手段と、前記エッジ情報から評価値を算出する演算手段と、前記評価値に基づいて前記撮像レンズの着脱を検知する撮像レンズ検知手段と、該撮像レンズ検知手段が前記撮像レンズを未検出であると判定した場合に、前記シャッタ機構を停止する制御手段、及び/または、使用者に前記撮像レンズが未検出であることを通知する通知手段と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関し、詳しくは、撮像光学系を交換のために外すことが可能な撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、マイクロフォーサーズシステムや小型一眼レフデジタルカメラの登場など、レンズ交換式デジタルカメラの注目が高まっている。
【0003】
このレンズ交換式デジタルカメラでは、レンズの検出手段としてハード的な検出機構が設けられたレンズ検出手段を有するものが知られている。
しかしながら、従来のレンズ交換式デジタルカメラにおいては、レンズの検出にハード的な検出機構を設けることでコストアップしてしまうという問題や、スペースを要する構成になってしまうという問題、検出できるレンズが限られてしまうという問題があった。
【0004】
また、ハード的なレンズの検出機構を備えていないレンズ交換式デジタルカメラであっても、フォーカルプレーンシャッタを有している場合においては、さらに別の問題を有している。この場合には、レンズがついていない状態でユーザーが撮像面のクリーニングを行う際などに誤ってシャッタを切ることでユーザーが怪我をしてしまったり、ゴミが入り易い状態でのフォーカルプレーンシャッタ動作により、フォーカルプレーンシャッタを故障させてしまったりするという問題があった。
【0005】
このようなレンズ交換式デジタルカメラに関して、例えば特許文献1(特開2010−101931号公報)には、交換レンズが外された場合であっても、容易にシャッタ幕が破損しないようにしたデジタルカメラおよびデジタルカメラの制御方法が開示されている。この特許文献1には、レンズ装置とカメラボディとを電気的に接続する接続端子と、該接続端子を介して電気的に接続されたことを検出し、得られた検出結果に基づいて、レンズ装置への電源をストップするという構成が開示されている。
しかしながら特許文献1に記載の構成では、レンズを装着するための接合面にレンズの装着を検出する検出手段を用いていることから、スペースを要する構成になってしまうという問題や、コスト高となってしまうという問題がある。また特許文献1に記載の構成では、検出手段の構成によってはレンズ側にも検出できるような仕組みが必要となり検出可能なレンズが限られてくる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、撮像レンズの種類によらず、省スペースかつ低いコストで撮像レンズの検出が可能である、撮像レンズ交換式の撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、撮像レンズ交換式の撮像装置において、撮像レンズの検出をハード的な検出手段を用いることなく、画像情報から検出することで上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
しかして、上記課題を解決するために本発明に係る撮像装置は、撮像装置に着脱自在な撮像レンズを介して、入射した被写体像をデジタルデータとして取得する撮像手段と、前記撮像レンズと前記撮像手段との間に配置された開閉可能なシャッタ機構と、前記被写体像のデジタルデータからエッジ情報を検出するエッジ検出手段と、前記エッジ情報から評価値を算出する演算手段と、前記評価値に基づいて前記撮像レンズの着脱を検知する撮像レンズ検知手段と、該撮像レンズ検知手段が前記撮像レンズを未検出であると判定した場合に、前記シャッタ機構を停止する制御手段、及び/または、使用者に前記撮像レンズが未検出であることを通知する通知手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、撮像レンズの種類によらず、省スペースかつ低コストで撮像レンズの検出が可能である、撮像レンズ交換式の撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る撮像装置の一実施の形態における構成を示す概略ブロック図である。
【図2】本発明に係る撮像装置の第1の実施の形態における撮像レンズ検出処理フローを示す図である。
【図3】水平方向の画素位置に対する濃度値およびその微分した値を示すグラフである。
【図4】周波数及び頻度の関係についてレンズが装着されている状態とレンズが装着されていない状態との差が極端な一例を示すグラフである。
【図5】本発明に係る撮像装置の第2の実施の形態における撮像レンズ検出処理フローを示す図である。
【図6】撮像レンズの装着の有無をユーザーが選択操作する画面の一例を示す図である。
【図7】本発明に係る撮像装置の第4の実施の形態における撮像レンズ検出処理フローを示す図である。
【図8】本発明に係る撮像装置の第5の実施の形態における撮像レンズ検出処理フローを示す図である。
【図9】撮影レンズの有無の違いによる姿勢検出とエッジ特性のヒストグラムの一例を示す図である。
【図10】本発明に係る撮像装置の第6の実施の形態における撮像レンズ検出処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る撮像装置は、撮像装置に着脱自在な撮像レンズを介して、入射した被写体像をデジタルデータとして取得する撮像手段と、前記撮像レンズと前記撮像手段との間に配置された開閉可能なシャッタ機構と、前記被写体像のデジタルデータからエッジ情報を検出するエッジ検出手段と、前記エッジ情報から評価値を算出する演算手段と、前記評価値に基づいて前記撮像レンズの着脱を検知する撮像レンズ検知手段と、該撮像レンズ検知手段が前記撮像レンズを未検出であると判定した場合に、前記シャッタ機構を停止する制御手段、及び/または、使用者に前記撮像レンズが未検出であることを通知する通知手段と、備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る撮像装置では、レンズ交換式デジタルカメラにおいて、撮像レンズ(以下、単にレンズとも称する。)の検出をハード的な検出手段を用いることなく、画像情報(デジタルデータ)から検出することで、省スペースかつ低コストで、撮像レンズの種類によらないレンズ検出が可能である。
また特に本発明に係る撮像装置では、レンズ交換式デジタルカメラにおいて、フォーカルプレーンシャッタを有している場合であっても、安全性に優れ、故障の発生を防ぐことができ、撮像レンズの種類によらず省スペースかつ低コストで撮像レンズの検出が可能である。
【0013】
本発明についてより詳しくは、レンズ交換式デジタルカメラのレンズ検出に際して、レンズの検出をハード的な検出手段を用いず、レンズの着脱の違いにより生じるスルー画像の画像情報からレンズの着脱を判断している。ここで、レンズの着脱の違いにより画像情報として明確な差が生じるのはエッジである。
レンズが装着されていない状態では、被写体からの光束を結像する手段がないため、エッジはほとんど観測されない。撮像素子のすぐ近くに被写体があった場合は、像が写りこむが、レンズが装着されている場合に比べて、非常にぼけた状態でありエッジの幅は大きくなると推測される。
一方、レンズが装着されている状態ではフォーカスが合っていない状態でも、レンズが装着されていないときと比べるとエッジ情報での差はある。
このレンズの着脱による画像のエッジ情報からの差異によってレンズの着脱を検出することが本発明の特徴になっている。
【0014】
次に、本発明に係る撮像装置についてさらに詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0015】
<デジタルカメラの構成>
図1は本発明に係る撮像装置の一実施の形態における構成を示す概略ブロック図である。
図1に示す撮像装置としての電子カメラ(デジタルカメラ)は、主制御部100、撮像手段としての撮像素子300、A/D変換回路400、液晶表示装置(LCD)500、光学系駆動回路600、記憶領域700、外部I/F800、姿勢検出手段である加速度センサ900からなり、さらに、着脱可能に備えられた光学系200が装着されてなる。
ただし、図1に示す撮像装置の例は光学系200を装着した状態であって、本発明に係る撮像装置はこの光学系200を備えるものではない。即ち、本発明に係る撮像装置は、撮像レンズとしての光学系200を着脱可能に備えられるような構造を有するものであって、撮像レンズとしての光学系200を装着することで撮像の用に供されるものではあるが、撮像レンズとしての光学系200を備えることを要するものではない。
【0016】
ここで、主制御装置100はCPUとその周辺回路を有しており、この電子カメラにおける各種動作に係る機械的駆動制御、電気的駆動制御及び、各種画像処理、液晶表示コントロール、メモリコントール、外部との通信などの各種制御を行っている。
【0017】
光学系200は被写界画像を撮像素子300上に結像させ、撮像素子300が結像された画像を電気信号に変換を行う。さらに、光学系200と撮像阻止300との間に不図示の開閉可能なシャッタ機構を有している。このシャッタ機構は周知慣用のものを用いることができるが、フォーカルプレーンシャッタが好ましい。
【0018】
A/D変換回路400は撮像素子300から出力されるアナログ電気信号からなる被写界画像信号を、デジタル電気信号からなる被写界画像信号に変換を行う。
【0019】
主制御部100はA/D変換回路400より入力されるデジタルの被写界画像信号に対して、所定の画像処理を施し、必要に応じてLCD500に表示をさせる。
【0020】
光学系駆動回路600は主制御部100により制御され、光学系200を光軸方向に沿って駆動して合焦調整、すなわちフォーカス調整を行う。
また、この電子カメラは撮像素子300より入力される被写界画像データに基づき、コントラスト解析等により合焦状態を検出する機能も有している。
【0021】
記憶回路700はRAM及びROMからなり、撮像素子300より入力されて主制御部100で処理された画像データや、主制御部の動作及び制御処理に係る中間データを含む処理データ等を格納する。
また、撮影され取り込まれた画像データを可能することも可能である。
【0022】
また、主制御部100には外部記憶装置に対するメモリコントローラも含まれており、外部I/F800を介して外部メモリに対しても書込みおよび読み出しが可能である。
主制御部100は、撮影に際しては、光学系200、撮像素子300、A/D変換回路400を介して与えられる被写界画像を、液晶表示装置500に表示させる。
なお、明確には図示されていないが、撮像素子300、A/D変換回路400、液晶表示装置500もその動作は主制御部100により制御される。
【0023】
また、主制御部100は、入力される画像情報を用いて、コントラスト解析等によるコントラストAF方式によるオートフォーカス機能を実現して、随時光学系駆動回路600を制御してフォーカシングする。
また、主制御部100は、常時、適当な周期でフォーカス動作を行なうが、シャッタレリーズボタン(図示していない)を2段ステップ動作のシャッタレリーズボタンとし、該レリーズボタンの第1段目の操作、いわゆる半押し、で、新たにフォーカシング制御を実行し、且つそのフォーカス結果を、シャッタレリーズボタンの第1段目の操作、いわゆる半押し状態が継続される間維持する。
この状態でシャッタレリーズボタンを解放すれば、主制御部100は、適宜周期でのフォーカシング動作制御に戻る。
また、レリーズボタンの第1段目の操作、いわゆる半押し状態からさらにレリーズボタンを押し込みレリーズボタンが第2段目、つまり全押し状態とすれば、主制御部100は、記憶回路700へ画像データを格納する。そしてその後に、LCD500への画像確認画面等の表示を行なうなどしてから外部I/F800を介して外部メモリに対して書き込み転送を行う。
【0024】
また、主制御部100は加速度センサ900からの逐次出力データを用いて、カメラの姿勢状態の認識を可能とする。
【0025】
次に、本発明における特徴である撮像レンズ検出処理について、図面を参照しながらさらに詳細に説明する。
【0026】
<撮像レンズ検出処理の第1の実施の形態>
図2は、本発明に係る撮像装置の第1の実施の形態における撮像レンズ検出処理フローを示す図である。
【0027】
(S1−1)〜(S1−3):電源ON、スルー画像取得、エッジ強調処理
先ず、撮像装置としてのデジタルカメラの電源がONされ(S1−1)、スルー画像(被写体像のデジタルデータ)を取得する(S1−2)。
取得したスルー画像に対して、エッジ強調処理を行う(S1−3)。エッジ強調処理の種類は問わないが、一般的なHPF(ハイパスフィルタ)などでよい。
【0028】
(S1−4):エッジ特性のヒストグラム作成;エッジ検出手段
次に、画像中に含まれる濃淡の成分から空間周波数特性を求め、周波数に対する頻度のヒストグラムを作成する。ヒストグラムの作成方法の例としては、エッジ強調処理をしたスルー画像に対して、画像を水平方向に対して左から右へ見ていった場合に、図3のように横軸を画素の座標、縦軸を濃度値としエッジ情報の検出を実行する。図3は水平方向の画素位置に対する濃度値およびその微分した値のグラフを示す。理想的なエッジ(レンズありでフォーカスが合っている状態)は画素間の濃度変化が大きく、濃度変化に対する空間周波数は高周波となる。一方、ぼけたエッジ(レンズなしでぼけが非常に大きい状態)では、画素間の濃度変化が少なく、空間周波数としては低周波となる。
【0029】
このヒストグラムを作成すると、レンズが装着されている状態と、レンズが装着されていない状態で評価値に差が生じる。図4に周波数及び頻度の関係についてレンズが装着されている状態とレンズが装着されていない状態との差が極端な一例を示している。一般的なシーンの場合、レンズが装着されている場合には、フォーカスが合っていない状態であっても、エッジ検出がされ、高周波成分がある程度多い分布をもったヒストグラムが作成される。しかし、レンズが装着されていない場合には、エッジ検出がほとんどされないと推測される。エッジ検出されるとすれば、撮像素子のすぐ近くに被写体があった場合であるが、この場合ぼけが非常に大きいエッジであるため、低周波成分に少し分布をもった程度のヒストグラムとなる。これが図4に示しているレンズが装着されていない状態の周波数及び頻度の関係の例である。
【0030】
換言すると、エッジ検出手段は、エッジ強調処理を行った後、画素位置に対する濃度変化からエッジ情報を検出する。なお、本発明におけるエッジ情報とはこのエッジ検出方法に限定されるものではなく、画像の明るさなどが鋭敏に(より形式的に言えば不連続に)変化している箇所を特定する、アルゴリズムにより得られる情報等、周知慣用のエッジ検出により得られる情報を含むものである。
【0031】
(S1−5)〜(S1−12):評価値算出;演算手段、レンズ検出/未検出判定;撮像レンズ検知手段
上記S1−4で作成されたヒストグラムから評価値を算出し(S1−5)、この評価値とあらかじめ決められた閾値とを比較する(S1−6)。ここで閾値とは、高周波a〜bの範囲の程度がc以上というように、評価値に対してあらかじめ決められた値であり、この閾値をデジタルカメラ内部に保持している。
【0032】
換言すると、評価値を算出する演算手段は、エッジ検出手段により検出された濃度変化に対する周波数特性と頻度とのヒストグラムを作成し、該ヒストグラムから評価値を求める。
【0033】
そして、評価値が閾値以上の場合にはレンズが装着されていると判断し(S1−7)、通常撮影モードに移行する(S1−8)。一方、評価値が閾値未満の場合には、レンズが装着されていないと判断し(S1−9)、制御手段によりシャッタ動作を停止し(S1−10)、レンズが装着されていないとユーザーに通知し(S1−11)、再生モードに移行する(S1−12)。
通知手段としては、警告音を発する、及び/またはライブビュー表示可能なLCDに警告文の表示をする。
【0034】
閾値の決め方としては、カメラ生産時の調整工程において、レンズの付いていない状態で決められた条件(被写体、距離、明るさなど)のもと、前述したエッジ特性のヒストグラムを作成する。作成したヒストグラムからある高周波a〜bの範囲の程度cを算出する。算出したcを閾値としてデジタルカメラ内部のメモリに格納しておく。
【0035】
制御手段は、撮像レンズ検出手段に連動して制御方法を設定し、撮像レンズが検出された場合はカメラのシャッタスイッチと連動してシャッタ開閉を行い、撮像レンズが検出されなかった場合はシャッタを開または閉に固定することが好ましい。
【0036】
<撮像レンズ検出処理の第2の実施の形態>
上述した第1の実施の形態で問題なのが、特殊なシーンの場合である。例えば、輝度が均一な被写体のみをシーン対象としている場合(均一シーン)には、レンズの着脱にかかわらず、エッジ検出は行われない。また、低照度下においてはエッジの検出が難しくなる。これらの場合には、レンズの着脱にかかわらず、上記第1の実施の形態に記載の閾値未満となり、レンズ未検出のフローとなる。これでは均一シーンや低照度下での撮影をしたい場合に撮影できなくなる。
【0037】
そこで本実施の形態では、図5のようなフローとする。
図5は、本発明に係る撮像装置の第2の実施の形態における撮像レンズ検出処理フローを示す図である。本実施の形態における、S2−1〜S2−11は上述した第1の実施の形態におけるS1−1〜S1−11と同一であるため説明を省略する。
【0038】
(S2−12)〜(S2−13):通常撮影モード移行選択、再生モード、通常撮影モード
図6は、撮像レンズの装着の有無をユーザーが選択操作する画面の一例を示す図である。図6に示すように、レンズ未検出の通知後、ユーザーがボタン操作により通常撮影モードに移行するか否かを選択できるようにする(S2−12)。そして、ユーザーの選択に従い再生モードに移行(S2−13)または通常撮影モードに移行(S2−8)する。
【0039】
<撮像レンズ検出処理の第3の実施の形態>
上記第1または第2の実施の形態において、レンズ未検出の場合には、メカシャッタ動作を停止するが、電子シャッタによる撮影はできるようにしても良い。
ユーザーが撮像面のクリーニングを行う際などに誤ってシャッタを切ることでユーザーが怪我をしてしまったり、ゴミの入りやすい状態でのフォーカルプレーンシャッタ動作により、フォーカルプレーンシャッタを故障させてしまったりするということの対策として有効である。ただし、撮影レンズが付いていない状態での撮影であるため、実用的な撮像が行わない可能性もある。
【0040】
<撮像レンズ検出処理の第4の実施の形態>
図7は、本発明に係る撮像装置の第3の実施の形態における撮像レンズ検出処理フローを示す図である。本実施の形態における、S4−1〜S4−13は、S4−8を除き上述した第2の実施の形態におけるS2−1〜S2−13と同一であるため説明を省略する。
【0041】
(S4−8):通常撮影モード
本実施の形態では、S4−8の通常撮影モードにおいて一定間隔でスルー画像情報からレンズの着脱を監視する。通常撮影モード時の途中でレンズが外された場合には、エッジ特性のヒストグラムから得られる評価値が急激に変化すると予想されるため、評価値が急激に変化した場合にはシャッタ動作を停止し、レンズが外された(可能性がある)と警告を通知する。この場合も光源が急に消されたなど急に低照度下になった場合には対応できないため、上記第2の実施の形態に記載したように警告を通知した後に、ユーザーがボタン操作により判断できるようにする。
【0042】
<撮像レンズ検出処理の第5の実施の形態>
近年のデジタルカメラにはカメラの傾きを検出する為に姿勢検出用のセンサが付いている場合が多い。例えば、加速度センサなどがその例である。
そこで本実施の形態では、上述の撮影レンズの着脱による画像のエッジ情報(から算出された評価値)と姿勢検出手段である加速度センサからのカメラの姿勢の変化の情報とを用いて、レンズ装着の検出精度を向上させる。
レンズ検出を実施する場合は、画像情報から求めたエッジ情報とカメラの姿勢状態の変化を常に加速度センサからのセンサ出力より、検知しておき、カメラの姿勢変化が検出された時に、エッジ情報も同時に変化していた場合はレンズが装着されていると判断する。
一方。もしもカメラの姿勢変化が検出されているにもかかわらず、画像からのエッジ情報の変化量がすくない時はレンズが装着されていないとして、レンズの着脱検出することが特徴になっている。
【0043】
上述したような第1の実施の形態と同様のエッジ評価値と、カメラ姿勢情報とを用いてレンズの着脱の検出を行う。
図8は、本発明に係る撮像装置の第5の実施の形態における撮像レンズ検出処理フローを示す図である。本実施の形態における、S5−1〜S4−5は、上述した第1の実施の形態におけるS1−1〜S1−5と同一であるため説明を省略する。
なお、図8に示すフロー図において、nは所定のタイミングを表し、n−1は前記nよりも前のタイミングを表す。
【0044】
(S5−6)〜(S5−7):水準器情報取得、姿勢変化判定;姿勢検出手段
本実施の形態では姿勢検出手段としての水準器の情報(加速度センサ900の情報)を取得し、カメラの姿勢情報を得る(S5−6)。
次いで、図9に示すようにn−1→nのタイミングで、n−1のタイミングにおける水準器の情報とnのタイミングにおける水準器の情報とを比較し、カメラの姿勢の変化を検出する(S5−7)。
図9は撮影レンズの有無の違いによる姿勢検出とエッジ特性のヒストグラムの一例を示す図である。
【0045】
(S5−8)〜(S5−15):レンズ検出/未検出判定;撮像レンズ検知手段
カメラが自身の姿勢の変化を検出した際に、n−1のタイミングで算出したエッジ評価値と、nのタイミングで算出したエッジ評価値との差分を比較する(S5−8)。
エッジ評価値の差分を比較し、エッジ情報が所定量変化していた場合はレンズが装着されていると判断し(S5−9)、通常撮影モードに移行する(S5−10)。一方、エッジ評価値の差分を比較し、エッジ情報の変化が所定量未満である場合はレンズが装着されていないと判断し(S5−11)、シャッタ動作を停止し(S5−12)、レンズが装着されていないとユーザーに通知し(S5−13)、再生モードに移行する(S5−14)。
カメラにレンズが装着されている場合には画像が結像されているので、エッジ情報の差に変化が発生するが、レンズが装着されていない場合には、エッジ情報の変化は少ない。
本実施の形態ではこの二つの情報を用いてレンズの着脱を検出する。
【0046】
また、上記S5−7においてカメラの姿勢の変化が検出されなかった場合、上述した第1の実施の形態におけるS1−6の評価値によるレンズ装着の判断と同様に判断する(S5−15)。このときレンズが装着されていると判断した場合は(S5−9)〜(S5−10)のフローを辿り、レンズが装着されていないと判断した場合は(S5−11)〜(S5−14)のフローを辿る。
【0047】
なお、(S5−9)〜(S5−10)は上述した第1の実施の形態における(S1−7)〜(S1−8)と同様、(S5−11)〜(S5−14)は上述した第1の実施の形態における(S1−9)〜(S1−12)と同様である。
【0048】
<撮像レンズ検出処理の第6の実施の形態>
上述した第5の実施の形態で問題なのが、特殊なシーンの場合である。例えば、輝度が均一な被写体のみをシーン対象としている場合(均一シーン)には、レンズの着脱にかかわらず、エッジ検出は行われない。また、低照度下においてはエッジの検出が難しくなる。これらの場合には、レンズの着脱にかかわらず、上記第5の実施の形態に記載の閾値未満となり、レンズ未検出のフローとなる。これでは均一シーンや低照度下での撮影をしたい場合に撮影できなくなる。
【0049】
そこで本実施の形態では、図10のようなフローとする。
図10は、本発明に係る撮像装置の第6の実施の形態における撮像レンズ検出処理フローを示す図である。本実施の形態における、S6−1〜S6−15は、S6−13’がS6−13の後に加わったことを除き、上述した第5の実施の形態におけるS5−1〜S5−15と同一であるため説明を省略する。
【0050】
図6は、撮像レンズの装着の有無をユーザーが選択操作する画面を示す。図6に示すように、レンズ未検出の通知後、ユーザーがボタン操作により通常撮影モードに移行するかどうか選択できるようにする(S6−13’)。そして、ユーザーの選択に従い再生モードに移行(S6−14)または通常撮影モードに移行(S6−10)する。
【0051】
<撮像レンズ検出処理の第7の実施の形態>
上記第5または第6の実施の形態において、レンズ未検出の場合には、メカシャッタ動作を停止するが、電子シャッタによる撮影はできるようにしても良い。
ユーザーが撮像面のクリーニングを行う際などに誤ってシャッタを切ることでユーザーが怪我をしてしまったり、ゴミの入りやすい状態でのフォーカルプレーンシャッタ動作により、フォーカルプレーンシャッタを故障させてしまったりするということの対策として有効である。ただし、撮影レンズが付いていない状態での撮影であるため、実用的な撮像が行わない可能性もある。
【0052】
<撮像レンズ検出処理の第8の実施の形態>
本実施の形態では、通常撮影モードにおいて一定間隔でスルー画像情報からレンズの着脱を監視する。通常撮影モード時の途中でレンズが外された場合には、エッジ特性のヒストグラムから得られる評価値が急激に変化すると予想されるため、評価値が急激に変化した場合にはシャッタ動作を停止し、レンズが外された(可能性がある)と警告を通知する。この場合も光源が急に消されたなど急に低照度下になった場合には対応できないため、上記第6の実施の形態に記載したように警告を通知した後に、ユーザーがボタン操作により判断できるようにする。
本実施の形態では、この点を除き上記第6の実施の形態と同一であるため説明を省略する。
【0053】
以上の第1〜第6の実施の形態によれば、撮像レンズの種類によらず、省スペースかつ低コストで撮像レンズの検出が可能である、撮像レンズ交換式の撮像装置を提供することができることがわかった。
【符号の説明】
【0054】
100 主制御部
200 光学系
300 撮像素子
400 A/D変換回路
500 液晶表示装置(LCD)
600 光学系駆動回路
700 記憶領域
800 外部I/F
900 加速度センサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】
【特許文献1】特開2010−101931号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置に着脱自在な撮像レンズを介して、入射した被写体像をデジタルデータとして取得する撮像手段と、
前記撮像レンズと前記撮像手段との間に配置された開閉可能なシャッタ機構と、
前記被写体像のデジタルデータからエッジ情報を検出するエッジ検出手段と、
前記エッジ情報から評価値を算出する演算手段と、
前記評価値に基づいて前記撮像レンズの着脱を検知する撮像レンズ検知手段と、
該撮像レンズ検知手段が前記撮像レンズを未検出であると判定した場合に、前記シャッタ機構を停止する制御手段、及び/または、使用者に前記撮像レンズが未検出であることを通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
撮像装置の姿勢を検出する姿勢検出手段を備え、
前記撮像レンズ検知手段は、前記評価値と、前記姿勢検出手段が検出する姿勢の変化の情報と、に基づいて前記撮像レンズの着脱を検知することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記エッジ検出手段は、エッジ強調処理を行った後、画素位置に対する濃度変化からエッジ情報を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記評価値を算出する演算手段は、前記エッジ検出手段により検出された濃度変化に対する周波数特性と頻度とのヒストグラムを作成し、該ヒストグラムから評価値を求めることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記撮像レンズ検出手段に連動して前記シャッタ機構を停止する制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記通知手段は、ライブビュー表示に表示して及び/または警告音を発して通知することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記撮像レンズ検知手段が前記撮像レンズを未検出であると判定した場合に、そのまま撮影を続けるか否かを選択する選択手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記シャッタ機構は、フォーカルプレーンシャッタであることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−41211(P2013−41211A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179682(P2011−179682)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】