説明

撮像装置

【課題】 光触媒が配設された表示装置を有する撮像装置において、消費電力を抑えながら効果的に光触媒を活性化し、かつユーザーが任意のタイミングで撮像装置を使用すること妨げないようにする。
【解決手段】 光学像を電気信号に変換する撮像素子と、収納状態と使用状態の間を移動可能な表示部と、表示部に設けられたタッチパネルと、タッチパネル上に設けられた光触媒層と、光触媒層を活性化するための光源と、タッチ操作の履歴を記憶する記憶手段とを有し、前記記憶手段に記憶されたタッチ操作履歴に応じて光源の点灯制御を変える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチパネル機能を有する表示装置を備えた撮像装置に関し、特にタッチパネル上に配置された光触媒層によって、タッチパネルに付着した汚れを除去する機能を有する物に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置に表示される文字やアイコンを触る事によって、機器の操作を行うタッチパネル機能付きの電子機器が広く普及している。こうした機器ではユーザーの操作回数が増える程、表示装置表面に付着する汚れが増えていくことが問題となっていた。
【0003】
物体の表面に付着した汚れを分解する技術として、光触媒が知られている。光触媒は光が照射されると強力な酸化作用を発揮し、光触媒上に付着している有機物などを分解することが出来る。
【0004】
以下に示す特許文献1では、タッチパネルを有する表示装置においてタイマーや人の近接の有無で光触媒を活性化するための光源の駆動を制御する提案がなされている。
【0005】
また特許文献2では、ユーザーがタッチした座標に選択的に光を照射する、表示装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-118747号公報
【特許文献2】特開2007-310826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された従来技術では、表示装置の一部しか汚れていない場合でも表示装置全体の光触媒を活性化させるように光源を点灯させるため、使用される電力が増加してしまう。また、タイマーを用いて光触媒を活性化させる場合、ユーザーが望まないタイミングで光源を点灯してしまい、ユーザーの機器使用を阻害する恐れがる。さらには所定の時間になるまで汚れが付着したままとなるので、時間の経過と共に汚れが固着して除去しづらくなってしまう可能性がある。
【0008】
また特許文献2に開示された技術ではユーザーがタッチした箇所のみに光を照射するため、光触媒を活性化している間は、表示に明るさのムラが発生してしまい、表示の内容を視認することが困難となってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は光学像を電気信号に変換する撮像素子と、収納状態と使用状態の間を移動可能な表示部と、表示部に設けられたタッチパネルと、タッチパネル上に設けられた光触媒層と、光触媒層を活性化するための光源と、タッチ操作の履歴を記憶する記憶手段とを有し、前記記憶手段に記憶されたタッチ操作履歴に応じて光源の点灯制御を変えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば光触媒が配設された表示装置を有する撮像装置において、消費電力を抑えながら効果的に光触媒を活性化し、かつユーザーが任意のタイミングで撮像装置を使用すること妨げない事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態を示したデジタルカメラの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態を示した表示ユニットの断面図である。
【図3】本発明の実施形態を示したデジタルカメラのブロック線図である。
【図4】本発明の実施形態を示した表示装置の点灯状態を表す図である。
【図5】本発明の実施形態を示したフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態を示した表示装置の点灯状態を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0013】
[実施例]
(第1の実施例)
図1から図を用いて、本発明の撮像装置の一実施形態である回動可能な表示装置を用いたデジタルカメラを説明する。
【0014】
図1(a)は本実施例のデジタルカメラを前方(被写体側)から見た斜視図である。図1(b)は本実施例のデジタルカメラを後方(撮影者側)底面方向から見た斜視図である。図1(c)は本実施例のデジタルカメラの表示装置を開いた状態を後方(撮影者側)から見た斜視図である。
【0015】
図1(a)から図1(c)において、1はデジタルカメラ本体であり、2は撮影画像等を確認可能な表示装置ユニットである。表示装置ユニット2は、例えば3.0インチ程度の有機ELパネルなどから構成されている。ここで、表示装置ユニット2は、撮影画像等が表示される表示面21と背面22を有している。また、表示装置ユニット2は、撮影時ビューファインダーとしても利用可能となっている。
【0016】
表示面21はタッチパネル機能を有しており、ユーザーが表示面21に触れることでカメラの撮影動作や設定変更などの指示を行う事が可能である。また、後述するように表示面21には光触媒層が設けられており、ユーザーのタッチ操作によって付着した汚れを除去することが可能となっている。
【0017】
23は外光センサーであり、撮像装置が置かれている周辺の光量を測定する。その結果に基づき、表示面21の表示の明るさを調整することで、様々な明るさの場所においても最適な明るさの表示を得ることが可能である。
【0018】
3はヒンジ機構であり、表示装置ユニット2はヒンジ機構3により回転し、デジタルカメラ本体1に対して開閉可能に結合されている。ヒンジ機構3の第1の回転中心軸Aにより回転し、表示装置ユニット2が開いている状態で、さらにヒンジ機構3の第2の回転中心軸Bにより回転をさせることで、撮影者はより自由なアングルにて撮影を行うことができる。なお、ヒンジ機構3には不図示の開閉回転検知SW31が含まれており、表示装置ユニット2の開閉、回転状態を判別することが可能である。
【0019】
40は表示装置ユニット収納部であり、図1(b)に示すように表示装置ユニット2を収納することが可能である。
【0020】
41は再生ボタンであり、操作することでカメラ内に記録されている撮影画像を閲覧する再生モードにカメラが移行する。
【0021】
42はライブビューボタンであり、操作することで、撮像素子からの出力をリアルタイムで表示装置ユニット2に表示して、撮影を行うライブビューモードにカメラが移行する。
【0022】
5はメインSWでありデジタルカメラ本体1の電源をON/OFFすることが可能である。
【0023】
図2は、表示装置ユニット2の断面図である。表示面21の最表面には光触媒層211が設けられている。光触媒層211は可視領域の光(波長360〜830nm程度)で活性化し、表面に付着している汚れ等の有機物を分解することが可能である。212は保護ガラスであり、後述する表示モジュールを保護する。213はタッチパネルモジュールであり、ユーザーの表示面21への接触操作を検知する。214は表示装置モジュールであり、カメラで撮影した画像や設定情報などを表示する事が出来る。表示装置モジュール214からは情報表示の際に可視光線が矢印Cの向きに放出される。これにより光触媒層211を活性化させることが可能である。本実施例における表示装置214は有機ELパネルであり、任意の箇所を部分的に発光させることが可能である。よって、任意の箇所の光触媒のみを活性化する事が出来る。
【0024】
221は表示層ユニット2の背面ケースである。
【0025】
図3は本実施例のデジタルカメラの主要な電気的構成を示すブロック図である。
【0026】
タッチパネルモジュール213からの信号はマイクロコンピュータ11に入力される。マイクロコンピュータ11はユーザーがタッチ操作した座標及び回数をメモリ12に記録する。
【0027】
外光センサー23からの信号はマイクロコンピュータ11で処理され、表示装置駆動回路14に最適な明るさで表示装置214を点灯するように指示が出される。また外光センサの測定値はメモリ12に保存される。
【0028】
メインSW5の信号はマイクロコンピュータ11に入力され、カメラの電源のON/OFFを行う。
【0029】
開閉回転検知SW31の信号はマイクロコンピュータ11に入力され、表示装置ユニットの開閉状態および回転状態が判別される。
【0030】
時刻時計回路13は所定のタイミングで時刻情報をマイクロコンピュータ11に提供する。
【0031】
次に図4及び図5を用いて、本実施例のデジタルカメラにおける光触媒層211を用いた汚れを除去する動作について説明する。
【0032】
図4は後述する図4のフローチャート中のステップS204,S205,S303における表示装置モジュールの光源の駆動パターンを表している図である。
【0033】
図5は光触媒層211を活性化させ表示面21の汚れを除去する動作のフローチャートである。
【0034】
まず、図4を用いて、光触媒層211を駆動するモードについて説明する。図4(a)は全面駆動モードを示している。Dはユーザーの操作によって光触媒層211表面に付着した汚れである。211aで示されている範囲は光触媒層であり、全面が均一に点灯している。この時211aの範囲の有機EL素子は図4(d)に示すように一定の値の直流で点灯される。従って、全面均一な明るさで発光するため、ライブビューモードや再生モードにおいても表示される画像に一切影響を与えずに、光触媒を活性化することが可能となる。なお全面駆動モードでは表示内容の視認性を優先するため、ユーザーが設定している明るさに応じた電流値で有機ELを点灯させる。
【0035】
図4(b)は場所によって表示装置モジュールの点灯制御を変えるパルス駆動モードを示している。ユーザーが操作して汚れが付着している箇所Dを含む範囲211cとそれ以外の光触媒層211bでは有機ELの点灯制御が異なっている。図4(e)に示すように211cの範囲では直流の電流で点灯させるのに対して、211bの範囲ではピーク値が211cの範囲より若干低いパルス駆動によって点灯制御を行う。人間の視覚の特性として、フラッシュのような一瞬の閃光を繰り返し受けると、実際の明るさよりも数倍明るく感じるという現象がBroca-sulzer効果として知られている。
【0036】
図4(e)に示す211cの駆動電流はBroca-sulzer効果が起こるような周波数、かつ見かけ上211cの範囲と明るさの差がないようにユーザーが感じるように、ピーク値が設定されている。つまり上記のような点灯制御を行うことで、211bの範囲では実際の輝度は211cの範囲より低いもののユーザーには211cと211bの範囲の差は認識しづらい。また、211c範囲の電流値を、211bとの境界領域に向かって徐々に変化させるようにしても良い。こうすることで、211bと211cの明るさの差はより認識しづらくすることが出来る。
【0037】
上記211cの範囲の電流値を全面駆動モードの211aの範囲の電流値と等しくした場合、つまりユーザーによる表示面21の明るさ設定が等しいばあい、211bの範囲の電流値は低く抑えられることになる。
【0038】
これにより、全面駆動モードに比べて、異物除去能力は維持したまま消費電力を抑える事が可能となる。また、駆動方法による表示装置モジュールの明るさの差は感じづらくなっている。ただしBroca-sulzer効果には個人差があるため、表示面21の明るさの厳密な均一性が求められるライブビューモードや再生モードでの使用には適していない。
【0039】
図4(c)は特定の箇所のみ表示装置モジュール214を点灯させる部分駆動モードを示す。ユーザーが操作して汚れが付着している箇所Dを含む範囲211eは有機ELが点灯しているが、それ以外の箇所211dは十分に消灯されている状態である。
【0040】
図4(f)に示すように、211eの範囲は直流で駆動され、211dの範囲は駆動されていない状態である。ユーザーのタッチ操作や外光センサ−23の積算値によって、211eの範囲の電流値は決定される。
【0041】
このモードでは汚れが付着した箇所のみ光触媒層211を活性化させるため、消費電力は最も低く抑えることが可能となるが、特定の箇所だけ表示装置モジュールを点灯するため、情報の表示には適さない。
【0042】
次に図5のフローチャートを用いて、上記3つのモードで表示面21に付着した汚れを除去する動作について説明する。
【0043】
まず、ユーザーがタッチパネルを操作するとタッチした箇所と時刻時計回路13による時刻情報をメモリ12に記憶する(ステップS100)。次にステップS101においてメインSW5の電源がOFFになっているか確認する。メインSW5がOFFである場合は、後述するステップS301の処理を行う。
【0044】
メインSW5がOFFでない場合は、カメラ本体1がオートパワーOFFであるかの判定を行う。オートパワーOFFであると判断された場合は、後述するステップS301の処理を行う。
【0045】
オートパワーOFF状態ではないと判断された場合は、ステップS103においてメモリ12に記録されているタッチ操作から所定の時間が経過しているか判定する。所定の時刻が経過していると判断された場合は、後述するステップS201の処理を行う。
【0046】
所定の時間が経過していないと判断された場合は、メモリ12に記録されている情報から、タッチ操作が所定の回数を超えたかどうか判断する。タッチ操作回数が所定の回数を超えたと判断された場合は、後述するステップS202の処理を行う。
【0047】
タッチ操作回数が所定の回数を超えていないと判断された場合はステップS105において、外光センサ23を用いてカメラ本体1が置かれている環境の光量を測定し、メモリ12に記録する。その後ステップS100に戻る。
【0048】
したがってステップS101,S102,S103,S104の判定結果が否定的である場合、メモリ12にはタッチ操作した箇所と時刻の情報と、周辺の明るさの情報が蓄積され続けることになる。
【0049】
次にステップS104においてタッチ操作回数が所定回数を超えたと判断された場合の動作を説明する。S104においてタッチ操作回数が所定回数を超えたと判断された場合、ステップS202において、カメラ本体1がライブビューモードであるか判定する。前述したように、カメラ本体1に設けられたライブビューボタン42を押すことでライブビューモードに移行する事が出来る。ライブビューモードであると判断された場合は、後述するステップS204の処理を行う。ライブビューモードではないと判断された場合には、ステップS203において、カメラが再生モードであるか判定する。前述したように再生ボタン41を押すことで、カメラに記録されている撮影した画像を閲覧する再生モードに移行することが可能である。
【0050】
再生モードであると判断された場合はステップS204において、表示装置モジュール214を全面均一に点灯して、光触媒層211を活性化する全面駆動モードによる点灯制御を行う。このように、表示面21全面の均一な明るさが求められるライブビューモードおよび再生モードでは全面駆動を行うことで、表示の質を維持したまま、光触媒を活性化することが可能となる。
【0051】
また、ステップS203において、再生モードではないと判断された場合には場所によって表示装置モジュールの点灯制御を変えるパルス駆動モードで光触媒層211を活性化させる。この際メモリ12に記録されている情報から、ユーザーがタッチ操作を行って、汚れていると判断される領域は図4(b)の211cで示す直流駆動を行い、それ以外の領域は211bで示すパルス駆動を行う。
【0052】
ステップS203の判定結果が否定的であるということは、表示装置ユニット2には表示がなされているものの、ライブビューモードや再生モードではない状態、つまりメニュー画面、カメラの設定内容を示す画面、などが表示されている状態だと考えられる。この様な画面では、表示面全体の明るさの均一性はそれ程重要ではないので、パルス駆動を行うことによって、明るさの差を感じにくくしながら、消費電力を抑え、汚れている箇所のみ重点的に光触媒を活性化することが可能となる。
【0053】
次にステップS103において、タッチ操作から所定時間が経過したと判断された際の動作を説明する。この場合、ステップS201においてヒンジ機構3の開閉回転検知SW31の信号から表示装置ユニット2が収納状態かどうかの判定を行う。収納状態とは表示装置ユニット2の表示面21がカメラ本体側を向いて閉じている状態である。
【0054】
収納状態でないと判断された場合は前述のステップS202に進む。
【0055】
このように、タッチ操作から所定の時間が経過した場合、また前述したステップS104でのように所定の回数タッチ操作が行われた場合は、いずれかのモードで異物除去動作が行われることになる。これによって、時間の経過と共に、異物が表示面21に固着して除去しづらくなってしまう事を防ぐ事が可能である。
【0056】
ステップS201において、収納状態であると判断され場合は、ステップS301に進む。この場合は、表示装置ユニットが閉じられているため、ユーザーにカメラの操作をする意思がないとみなす事が出来る。
【0057】
また、ステップS101,S102において肯定的な判断がなされた場合もステップS301に進む。この場合は、カメラの電源が落ちている状態であるので、同様にユーザーにはカメラを操作する意思がないと判断する事が出来る。
【0058】
ステップS301ではメモリ12に記録された外光センサ23の積算光量が所定の値より大きいか否かを判断する。外光センサ23の積算光量が所定の値より大きい場合は、カメラ本体1の置かれた環境の光によって、光触媒層211が十分に活性化され汚れが除去されていると判断して、電源OFFのステップに進む。なお、ここでいう所定の値とはユーザーのタッチ操作の履歴に応じて設定される。
【0059】
外光センサ23の積算光量が所定の値より小さい場合は、ステップS302に進み、ユーザーのタッチ操作の履歴および外光センサ23の積算光量の値に基づいて表示装置モジュール214を駆動する時間を算出する。つまり、閾値には届かないもののある程度の積算光量がある場合には、異物の除去は進んでいると見なせるので、表示装置モジュール214の点灯時間を短く設定できる。反対に積算光量が少ない場合には、異物の除去はほとんどなされていないと考えられるので、光源の駆動時間は長く設定される。
【0060】
ステップS303ではステップS302で設定された時間で光触媒層211を活性化させるため、表示装置モジュールの点灯を行う。なお、この際メモリ12に記録されたユーザーのタッチ操作履歴から、ユーザーがタッチ層を行った部分のみ表示装置モジュールを点灯させる。この場合は、カメラの電源が落ちている、もしくは表示装置ユニットが収納されている状態なので、表示面21の一部分だけが点灯してもユーザーが不利益を被る懸念はない。
【0061】
このように、外光センサ23の積算光量とメモリ12に記録されたユーザーのタッチ操作履歴によって表示装置の点灯制御を行うことで、必要最小限の電力で光触媒層211を活性化させることが可能である。
【0062】
以上述べてきたように、本発明ではカメラの電源の状態、タッチ操作の履歴、表示装置の収納状態、ライブビューなどのカメラのモード、外光センサの積算値に応じて、光触媒層211を活性化させるための表示装置モジュール214の点灯を制御する。
【0063】
これによって、ユーザーのカメラ操作を妨げることなく、かつ異物除去能力を維持しながら省電力を図ることが可能である。
【0064】
なお、本実施例おける表示装置モジュールとして有機ELパネルを用いた説明を行ったが、本発明の効果はこれに限定されるものではなく、表示装置モジュールの任意の箇所を点灯する事が可能なデバイスで置き換え可能である。例えば、表示面21の背後にLED光源を敷き詰めた液晶パネルを採用しても良い。
【0065】
(第2の実施例)
次に本発明の第2の実施形態について説明を行う。なお第1の実施形態と同様の構成には同様の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0066】
本実施形態において、第1の実施例と異なる点は、表示装置モジュール214にエッジライト方式の液晶パネルを使用している点である。
【0067】
本実施例における光触媒層211を活性化させるための表示装置モジュールを駆動するパターンを図6に示す。図中214a、b、c、d、eで示されているのが、LEDを用いた表示装置モジュールのエッジライトである。エッジライト214a、b、c、d、eが発光した光はモジュール内で矢印Eで示される方向に入射し、表示装置モジュール214内に設けられた反射板によって、表示面21に垂直な方向に反射し、光触媒層211を活性化させる。
【0068】
図6(a)は本実施例における全面駆動の様子を示す図である。エッジライト214は全て直流で駆動されており全面を均一な明るさになるように照射されている。図6(d)は各エッジライトを駆動する電流値を示すグラフである。よって本実施例における全面駆動でも画面全体の明るさに差を生じさせることなく光触媒層211の活性化を行う事が可能である。
【0069】
図6(b)、(e)は本実施例におけるパルス駆動の様子を示す図である。ユーザーが操作して汚れが付着している箇所Dを含む範囲211cとそれ以外の光触媒層211bではエッジライト214a、b、c、d、eの点灯制御が異なっている。図6(e)に示すようにエッジライト214dは直流の電流で点灯させるのに対して、214a、b、c、eではピーク値が214dより若干低いパルス駆動によって点灯制御を行う。第1の実施例と同様にエッジライト214a、b、c、eはBroca-sulzer効果を起こすような条件で駆動されているため、211bと211cの明るさの違いは人間には認識しづらい。よって本実施例におけるパルス駆動でも、ユーザーが認識する表示面21の明るさの違いを最小限に抑えながら、ユーザーがタッチして汚れた箇所を重点的に汚れ除去動作を行い、消費電力を抑えることが可能となる。
【0070】
図6(c)、(f)は本実施例における部分駆動の様子を示す図である。ユーザーが操作して汚れが付着している箇所Dを含む範囲211eを照らすエッジライト214dのみを点灯し、それ以外のエッジライト214a、b、c、eは消灯している。本実施例においても、このモードでは汚れが付着した箇所のみ光触媒層211を活性化させるため、消費電力は最も低く抑えることが可能となるが、特定の箇所だけ表示装置モジュールを点灯するため、情報の表示には適さない。
【0071】
以上に説明した、3つのモードを用いて表示面21に付着した汚れを除去するための動作は、実施例1で説明した図5に示すフローチャートと同じであるので、ここでは説明を割愛する。本実施例においても、カメラの電源の状態、タッチ操作の履歴、表示装置の収納状態、ライブビューなどのカメラのモード、外光センサの積算値に応じて、光触媒層211を活性化させるための表示装置モジュール214の点灯を制御するため、ユーザーのカメラ操作を妨げることなく、かつ異物除去能力を維持しながら省電力を図ることが可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 デジタルカメラ本体
2 表示装置ユニット
21 表示面
211 光触媒層
214 表示装置モジュール
3 ヒンジ機構


【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納状態と使用状態の間を移動可能な表示部(2)と、
表示部(2)に設けられたタッチパネル(213)と、
タッチパネル(213)上に設けられた光触媒層(211)と、
光触媒層(211)を活性化するための光源(214)と、
タッチ操作の履歴を記憶する記憶手段(12)とを有し、
前記記憶手段(12)に記憶されたタッチ操作履歴に応じて光源(214)の点灯制御を変えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記タッチ操作履歴は、
タッチ操作された表示部(2)の座標と、
タッチされた回数からなることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記光源(214)は表示部(2)を点灯させるための光源であり、
前記光触媒層(211)は可視光領域で活性化することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記光源(214)を点灯するための制御方法を前記表示部(2)の状態に応じて異ならせることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
表示部(2)の周辺の光量を測定する外光センサ(23)を有し、
電源の状態と、
前記表示部(2)に表示されている表示内容と、
前記外光センサ(23)の積算光量に応じて、前記光源(214)の点灯制御を変更することを特徴とした請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記点灯制御は、
前記表示部における点灯位置と、
点灯駆動モードを変更することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記光源(214)は有機ELパネルであることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記光源(214)は液晶パネルの複数のバックライトであることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−54473(P2013−54473A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191176(P2011−191176)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】