撮影システム、照明装置及びカメラ
【課題】被写体の色あいを調整可能な撮影システム、照明装置及びカメラを提供する。
【解決手段】本発明の撮影システム1は、外部から送信された色相情報を受信可能な受信部23、被写体に照射されるとともに色相が可変な照明光を発生する照明部21、及び該受信部23が受信した前記色相情報に基づいて前記照明部21が発生する前記照明光の色相を調整可能な色相調整部22、を有する照明装置20Aと、前記照明装置20Aが発生する照明光の色相を決定する色相決定部200、該色相決定部200により決定された前記照明装置20Aの色相情報を前記照明装置20Aに送信する送信部180、を有するカメラ10と、を備えることを特徴とする。
【解決手段】本発明の撮影システム1は、外部から送信された色相情報を受信可能な受信部23、被写体に照射されるとともに色相が可変な照明光を発生する照明部21、及び該受信部23が受信した前記色相情報に基づいて前記照明部21が発生する前記照明光の色相を調整可能な色相調整部22、を有する照明装置20Aと、前記照明装置20Aが発生する照明光の色相を決定する色相決定部200、該色相決定部200により決定された前記照明装置20Aの色相情報を前記照明装置20Aに送信する送信部180、を有するカメラ10と、を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影システム、照明装置及びカメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、室内のLED照明のオン/オフ切り換えや照度の調整を、無線通信等を介して中央制御装置から行うネットワーク対応型の照明システムがある(例えば、特許文献1参照)。また、LED照明にカメラを埋め込み、防犯を目的として撮影データを中央管理装置に送信することも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−80139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の照明の調節は撮影を目的として行われるものではなく、照明の色あいまで考慮したものではない。
本発明の課題は、被写体の色あいを調整可能な撮影システム、照明装置及びカメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0006】
請求項1に記載の発明は、外部から送信された色相情報を受信可能な受信部(23)、被写体に照射されるとともに色相が可変な照明光を発生する照明部(21)、及び該受信部(23)が受信した前記色相情報に基づいて前記照明部(21)が発生する前記照明光の色相を調整可能な色相調整部(22)、を有する照明装置(20A)と、前記照明装置(20A)が発生する照明光の色相を決定する色相決定部(200)、該色相決定部(200)により決定された前記照明装置(20A)の色相情報を前記照明装置(20A)に送信する送信部(180)、を有するカメラ(10)と、を備える撮影システム(1)である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の撮影システム(1)であって、前記カメラ(10)は、色相選択部(160)をさらに備え、前記色相決定部(200)は、前記色相選択部(160)により現在の色相と異なる色相が選択された場合に、選択された色相を新たな色相として決定すること、を特徴とする撮影システム(1)である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の撮影システム(1)であって、前記カメラ(10)は、被写体光を受光する受光部(130)と、前記受光部(130)により受光されている被写体像を表示する像表示部(170)と、前記像表示部(170)に表示されている前記被写体像の一部分を選択可能な選択部(31)と、色相帯(32)、及び、前記選択部により選択された部分の色相が前記色相帯上のどの部分に存在するか示す指示部(33)を表示する色相表示部(30)と、をさらに備え、前記色相選択部(160)は、前記色相表示部(30)における前記指示部(33)の位置を変更することにより、前記新たな色相を選択すること、を特徴とする撮影システム(1)である。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の撮影システム(1)であって、前記色相表示部(30)に表示される前記色相帯(32)の長さは、前記選択部(31)によって選択されている部分における、前記照明装置(20A)により変更可能な色相範囲に応じて変更されること、を特徴とする撮影システム(1)である。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の撮影システム(1)であって、前記照明装置は、LED照明装置(20A)であること、を特徴とする撮影システム(1)である。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項記載の撮影システム(1)であって、前記照明装置(20A)は、複数であること、を特徴とする撮影システム(1)である。
請求項7に記載の発明は、外部から送信された色相情報を受信可能な受信部(23)、被写体に照射されるとともに色相が可変な照明光を発生する照明部(21)、及び該受信部(23)が受信した前記色相情報に基づいて前記照明部(21)が発生する前記照明光の色相を調整可能な色相調整部(22)、を有する照明装置(20A)である。
請求項8に記載の発明は、照明装置(20A)が発生する照明光の色相を決定する色相決定部(200)、該色相決定部(200)により決定された前記照明装置(20A)の色相情報を前記照明装置(20A)に送信する送信部(180)、を有するカメラ(10)である。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被写体の色あいを調整可能な撮影システム、照明装置及びカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る撮影システムの全体構成を示す説明図である。
【図2】カメラの背面拡大図である。
【図3】カメラのブロック構成図である。
【図4】カメラにおけるカメラ制御部の機能ブロック構成図である。
【図5】撮影システムの撮影時における全体フローチャートである。
【図6】照明装置調色処理の全体フローチャートである。
【図7】目標色設定処理のフローチャートである。
【図8】調色対象照明装置の選択処理のフローチャートである。
【図9】照明装置の調色処理のフローチャートである。
【図10】調色用評価値算出処理のフローチャートである。
【図11】第2実施形態における照明装置調色処理の全体フローチャートである。
【図12】目標色設定可能範囲算出処理のフローチャートである。
【図13】第2実施形態における目標色設定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係る撮影システム1の全体構成を示す説明図である。図2は、カメラ10の背面拡大図である。図3はカメラ10のブロック構成図である。図4は、カメラ10におけるカメラ制御部200の機能ブロック構成図である。
撮影システム1は、カメラ10と、照明システム20と、によって構成されている。
【0010】
図3に示すように、カメラ10は、レンズ部110と、レンズ制御部120と、撮影部130と、記憶部140と、電源部150と、操作部160と、表示部170と、カメラ通信部180と、カメラ制御部200と、を備えている。
レンズ部110は、結像光学系を構成する複数のレンズ群111と、絞り112と、シャッタ113と、を有する。
レンズ群111は、AF(合焦)レンズ111Aと、ズーミングレンズ111Bと、を含む。AFレンズ111Aは、光軸方向に移動駆動されて、結像位置を変化させる。ズーミングレンズ111Bは、光軸方向に移動駆動されて、焦点距離を変化させる。
【0011】
レンズ制御部120は、AFレンズ制御部121と、メカシャッタ制御部122と、絞り制御部123と、ズームレンズ制御部124と、を有する。
AFレンズ制御部121は、合焦状態とすべくAFレンズ111Aを移動制御する。
メカシャッタ制御部122は、シャッタ113を駆動制御して露光時間を規定する。
絞り制御部123は、露光量を調整する絞りを駆動制御する。
ズームレンズ制御部124は、焦点距離を変化させるべくズーミングレンズ111Bを移動制御する。
【0012】
撮影部130は、撮像センサ131と、AFE回路132と、タイミングジェネレータ133と、を有する。
撮像センサ131は、たとえばCCDやCMOS等の光電変換素子であって、レンズ部110のレンズ群111によってその撮像面に結像された画像を電気信号に変換して出力する。
AFE回路132は、撮像センサ131から入力されたアナログ画像信号に対するゲイン調整と、アナログ処理後の画像信号のデジタル画像情報への変換とを行う。
タイミングジェネレータ133は、撮像センサ131からの画像データ読み出しの信号を撮像センサに入力する。
【0013】
記憶部140は、当該カメラ10に内蔵されたFLASHメモリ141およびSDRAM142と、当該カメラ10に着脱可能なSDカード等の記録媒体143と、を有する。
電源部150は、当該カメラ10に着脱可能な電池からの電力供給を制御する。
操作部160は、操作ボタン161や十字キー162、および、図示しないレリーズボタンや各種スイッチボタンを含み、使用者がそれらを操作することによってレリーズ操作や後述する表示部170に表示された各種機能の選択乃至解除等を行う。
【0014】
表示部170は、TFT液晶画面171と、バックライト172とにより構成されて、カメラ10のボディ背面に設けられている。表示部170は、撮影部130の撮像センサ131が撮影中のリアルタイムの画像(スルー画像)や、撮影済みの画像を表示する。また、表示部170は、再生条件、撮影条件、カメラの基本設定等の設定が可能なメニュー画面等を表示することができるようになっている。
【0015】
さらに、表示部170は、後述する調色制御における調色設定画面を表示する。
調色設定画面は、図2に示すように、調色領域選択フレーム31と、選色バー32と、選色フレーム33とを、スルー画像30に重ねて表示する。
調色領域選択フレーム31は、矩形の枠状に表示され、操作部160における操作ボタン161や十字キー162等の操作によって、その位置を移動させて調色領域を選択するようになっている。調色領域選択フレーム31は、その大きさを変更可能としても良い。なお、調色領域選択フレーム31の形状は矩形に限らず、たとえば円形等であっても良い。また、調色領域選択フレーム31の移動は、タッチパネルによって行う構成としても良い。
【0016】
選色バー32は、本実施形態では、所定幅の帯状であって、表示部170における表示画面の下辺に沿って表示される。選色バー32は、たとえば、図2中左端を短波長端(紫色)、右端を長波長端(赤色)として、その間で連続的に波長(色相)が変化する表示となっている。
選色フレーム33は、矩形の枠状であって、選色バー32に重ねて表示され、操作部160における操作ボタン161や十字キー162またはタッチパネル等の操作によって選色バー32に沿って移動することで、選色バー32に表示された色あいを選択できるようになっている。選色フレーム33は、初期状態では、調色領域選択フレーム31が位置する画像領域における色あいを示す選色バー32の位置に表示される。
【0017】
図3に戻り、カメラ通信部180は、無線通信の送受信装置であって、通信モジュール181と、通信制御部182と、を有する。カメラ通信部180は、後述するカメラ制御部200の制御信号を当該カメラ10から外部(照明システム20)に発信し、また、当該カメラ10の外部(照明システム20)から発信された情報信号を受信してカメラ制御部200に入力する。
【0018】
カメラ制御部200は、CPUを有して構成され、当該カメラ10における前述した各構成要素を統括的に制御する。
カメラ制御部200は、図4に示す各機能部によって構成されている。
すなわち、機能部は、撮像センサデータ受信部201、AE・AWB・AF評価値演算部202、AE・AWB・AF演算部203、画像処理演算部204、画像コーデック部205、調色評価値演算部206、表示データ出力部207、スイッチ検出部208、FLASHメモリコントローラ209、通信制御部210、SDカードIF制御部211、調色演算部212、SDRAMコントローラ213等である。
【0019】
AE・AWB・AF評価値演算部202は、撮影部130の撮像センサ131による撮影データから、AE(自動露出)、AWB(自動ホワイトバランス)、AF(オートフォーカス)に係る評価値を演算する。
調色評価値演算部206は、後述する調色制御における調色評価値の演算を行う。
調色演算部212は、後述する調色制御を行う。
【0020】
そして、カメラ10は、カメラ制御部200によって統括的に制御される。操作部160における図示しないレリーズボタンが押圧操作(レリーズ操作)されると、撮像センサ131がその撮像面に結像された被写体像光を電気信号に変換し出力する。制御部200は、出力された電気信号に基づいて画処理を行うことで画像データを生成し、画像データを図示しない記録媒体143に記録(すなわち撮影)する。
また、カメラ10(カメラ制御部200)は、カメラ通信部180を介して後述する照明システム20を制御(照明制御)する。この照明制御については、後に詳述する。
【0021】
照明システム20は、図1に示すように、複数の単位照明装置20A(以下、単に照明装置20Aと記す)により構成されている。
照明装置20Aは、照明部21と、照明制御部22と、照明通信部23と、を有している。なお、図1において、右端に示す照明装置20Aのみにこれらの構成を示すが、他の照明装置20Aも同様に構成されている。また、複数の照明部21をグループとして構成しても良い。
【0022】
照明部21は、LED等の発光体を有して構成され、電源20Bから照明制御部22を介して供給される電力によって発光する。照明部21は、その発光の色あい(換言すれば色温度)を変えることができるように構成されている。つまり、照明部21は、照光のスペクトルにおける光量分布のピーク波長を変えることができるようになっている。なお、色あいを変化させる構成は、RGBのLEDを備えてその発光バランスを変化させるもの、1つのLEDに対して供給電力の電圧を変化させることで色あいを変化させるもの、の何れの構成であっても良い。
【0023】
照明制御部22は、CPUおよびメモリ等を有して構成されており、照明通信部23を介して外部(カメラ10)から入力される制御指令に基づいて、照明部21のON/OFFや照明部21に供給する電流・電圧等を制御して光量調整や色あいを変化させる調整(以下、色調整)を行う。また、照明制御部22は、当該照明装置20Aにおける情報(複数の中から識別するための個体識別番号[ID]や定格出力等)をメモリに保持しており、これらの情報やその時点における光量や色温度等の状態情報を、照明通信部23を介して外部(カメラ10)に出力する。
【0024】
照明通信部23は、無線通信の送受信装置であって、外部(カメラ10)から発信された当該照明装置20Aに係る制御情報を受信し、照明制御部22に入力する。また、照明通信部23は、当該照明システム20の情報(ID、定格出力、色温度、状態情報等)を外部(カメラ10)に発信する。
【0025】
上記構成の照明システム20では、各々の照明装置20Aは、外部(カメラ10)から照明通信部23を介して入力された制御情報に基づいて、照明制御部22によって制御され、照明部21のON/OFFや光量調整および色調整が可能となっている。なお、カメラ10からだけでなく、たとえば、照明通信部23と接続されたインターネット等のネットワーク、また、リモコン等の外部機器等から照明装置20A(照明部21)のON/OFFや光量調整および色調整を行うこともできる。
【0026】
つぎに、前述したカメラ10(カメラ制御部200)による照明システム20の照明制御を、図5〜図10に示すフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明中および図中においては「ステップ」を「S」とも略記する。
【0027】
はじめに、図5に示す撮影システム1の撮影時におけるフローチャートに従って、カメラ10による撮影制御の全体の流れを説明する。
操作部160の操作によってカメラ10が起動されると、設定された撮影モードを参照し(S501)、設定に従って、AE制御(S502)、AWB制御(S503)、AF制御(S504)を設定する。
ついで、照明装置調色モードか否かを判定する(S505)。
ステップ505において照明装置調色モードに設定されていると判定(YES)された場合には、ステップ506の照明装置調色処理に進む。この照明装置調色処理については、後に詳述する。
一方、ステップ505において照明装置調色モードに設定されていないと判定(NO)された場合には、ステップ506の照明装置調色処理を跳ばしてステップ507に進む。
【0028】
ステップ507では、レリーズスイッチが半押しされているか否かを判定する。
ステップ507においてレリーズスイッチが半押しされていると判定(YES)された場合には、つぎにレリーズスイッチが全押し操作されたか否かを判定する(S508)。
ステップ508においてレリーズスイッチが全押し操作されたと判定(YES)された場合には、撮影を実行し(S509)、画像データを記録する(S510)。なお、ここでの撮影とは静止画撮影、または動画撮影のことをいう。
ステップ508においてレリーズスイッチが全押し操作されていないと判定(NO)された場合には、レリーズスイッチの半押しを判定する(S511)。
ステップ511においてレリーズスイッチが半押しされていると判定(YES)された場合には、ステップ508のレリーズスイッチ全押し操作の判定に戻り、以後、これを繰り返す。また、ステップ511においてレリーズスイッチが半押しされていないと判定(NO)された場合には、ステップ501に戻る。
【0029】
一方、ステップ507においてレリーズスイッチが半押しされていないと判定(NO)された場合には、つぎに、電源が入っているか否かを判定する(S512)。
ステップ512において電源が入っていると判定(YES)された場合には、ステップ501に戻る。
ステップ512において電源が入っていないと判定(NO)された場合には、制御対象の照明装置20Aの調色を初期状態に戻し(S513)、電源をOFFとして(S514)、制御を終了する。
【0030】
つぎに、全体フローチャートにおけるステップ505の照明装置調色処理について説明する。図6は、照明装置調色処理のフローチャートである。
照明装置調色処理では、まず、制御可能な照明装置20Aの検出を行い、制御可能な照明装置20Aの有無を判定する(S601)。
【0031】
ステップ601において制御可能な照明装置20Aがないと判定(NO)された場合には、当該調色処理を終了する。
一方、ステップ601において制御可能な照明装置20Aが1つ以上あると判定(YES)された場合、カメラ10は検出した1つ以上の照明装置20Aと通信接続を行う(S602)。
制御可能な照明装置20Aと通信接続が確立されると、その個数および個々の照明装置20AのIDおよびそれぞれ各々のその時点における状態(光量および色温度等)の情報を取得し、それを制御前状態情報として記憶する(S602´)。
前述したように、カメラ10と照明装置20Aは、互いにカメラ通信部15と照明通信部23とを介して通信接続を行い、状態情報または制御信号の受発信を行う。
【0032】
つぎに、目標色の設定(S603)、調色対象照明装置の選択(S604)、照明装置の調色(S605)の各処理を行う。これら各処理については、以下に順次詳述する。
【0033】
つぎに、上述した照明装置調色処理のフローチャートにおけるステップ603の目標色設定処理について説明する。図7は、目標色設定処理のフローチャートである。これは、操作部160を介して撮影者が行う設定処理であり、カメラ制御部200にはその設定情報が入力される。
目標色設定処理は、まず、調色したい被写体2の領域を、表示部170における画面上で選択する(S701)。
ついで、ステップ701で選択した領域をどのような色に調色したいかを入力する(702)。
【0034】
ここで、調色したい被写体2の領域の選択および調色希望色の入力は、前述したように、図2に示す表示部170における調色設定画面において行う。すなわち、被写体2の領域の選択は、スルー画像30に重ねて表示された調色領域選択フレーム31によって行い、調色希望色の入力は、選色バー32に重ねて表示された選色フレーム33を任意の色相の位置に移動させることで行うものである。
なお、選色フレーム33を選色バー32における任意の色相の位置に移動させた際に、スルー画像30における調色領域を画像処理によって当該色相に変化させるように構成しても良い。
【0035】
つぎに、調色処理のフローチャートにおけるステップ604の調色対象照明装置の選択処理について説明する。図8は、調色対象照明装置の選択処理のフローチャートである。
この調色対象照明装置の選択処理では、照明装置20Aの色あいを変化させてその変化による被写体2の色あいの変化の度合い(影響)を調べ、影響の大きなものを選択する。
【0036】
すなわち、調色対象照明装置の選択処理は、まず、調色用評価値を算出し(S801)、その評価値を基本値として記憶する(S802)。なお、調色用評価値の算出については、後に詳述する。
ついで、色を変化させていない照明装置20Aを1つ選択し(S803)、選択した照明装置20Aの色あいを変化させて(S804)、再度調色用評価値を算出する(S805)。
そして、ステップ802において記憶した調色用評価値の基本値と、ステップS805で算出した調色用評価値とを比較して、その差分を算出する(S806)。
【0037】
つづいて、ステップS806において算出された評価値の差分を定められた閾値と比較する(S807)。このステップS807において差分が閾値以上であると判定(YES)された場合には、調色対象照明装置として選択する(S808)。一方、ステップS807において評価値の差分が閾値未満であると判定(NO)された場合には、ステップ808を跳ばしてステップ809に進む。
【0038】
ステップ809では、未判定の照明装置20Aの有無を判定し、未判定の照明装置20Aがあると判定(YES)された場合には、ステップ803に戻る。ステップ809において未判定の照明装置20Aが無いと判定(NO)された場合には、処理を終了する。このようにして、全ての対象照明装置20Aを判定する。
【0039】
つぎに、調色処理のフローチャートにおけるステップ605の照明装置の調色処理について説明する。図9は、照明装置の調色処理のフローチャートである。
この調色処理では、照明装置20Aの照光を、調光可能な波長範囲において最も短波長側から長波長側に所定波長間隔で順番に変化させ、その都度評価値を取得して目標値と比較し、目標値に最も近い照光波長を探査する。そして、照明装置20Aの照光を、目標値に最も近い照光波長に制御するものである。なお、本実施形態は、1つの照明装置20Aが調色対象として選択されている場合の例である。ただし、複数の照明装置20Aが一括して調色制御される場合にも適用可能である。
【0040】
すなわち、照明装置の調色処理は、まず、照明装置20Aの照光を当該照明装置20Aにおける最も短波長側に設定する(S901)。
ついで、調色用評価値を算出し(S902)、その調色対象被写体2のある領域の評価値と、目標色の差分を算出する(S903)。
【0041】
そして、ステップ903において算出した評価値の差分が、今までで最も小さいか否かを判定する(S904)。このステップ904において評価値の差分が最も小さいと判定(YES)された場合には、当該照明装置20Aの設定内容を記憶して(S905)、ステップ906に進む。つまり、このフローの一巡目では、その評価値の差分は比較対象がないために最も小さいものとして記憶され、この差分が次の差分の比較対象となる。
【0042】
ステップ904において評価値の差分が最も小さいものではないと判定(NO)された場合には、ステップ905を跳ばしてステップ906に進む。
ステップ906では、照明装置20Aの照光波長を長波長側にシフト可能か否かを判定する。
ステップ906において照明装置20Aの照光波長が長波長側にシフト可能と判定(YES)された場合には、照明装置20Aの照光波長を長波長側に所定量変化させて(S907)、ステップ902に戻る。
【0043】
一方、ステップ906において照明装置20Aの照光波長が長波長側にシフト不能と判定(NO)された場合には、調光可能な波長範囲の探査が終了したとして、ステップ905において記憶された評価値の差分が最も小さい設定内容(照光波長)に照明装置20Aを制御して、処理を終了する。
【0044】
つぎに、前述した調色対象照明装置の選択処理のフローチャートにおけるステップ801およびステップ805と、照明装置の調色処理のフローチャートにおけるステップS902の調色用評価値算出処理について説明する。図10は、調色用評価値算出処理のフローチャートである。
調色用評価値算出処理は、前述した目標色設定処理における設定に基づいて評価値領域を指定し(S1001)、当該評価値領域における画像センサのRGBデータから、R/GとB/Gとを算出する(S1002)。
そして、評価値領域毎にR/GとB/Gの平均を算出し(S1003)、ついで、評価値領域毎にスルー画用のCbCrデータの平均を算出する(S1004)。これらの算出値を調色用評価値とするものである。
なお、調色用評価値は、この例に限らず、RGBのゲインの積算データ等を用いても良い。また、AE・AWB・AF評価値演算部202(図4参照)においてホワイトバランス設定の際に算出したデータを利用してもよい。
【0045】
[第2実施形態]
つぎに、図11〜図13にフローチャートを示す本発明の第2実施形態を説明する。
上記第1実施形態では、調色制御において調色設定画面に表示される選色バー32は、照明装置20Aにおける調光範囲の全波長域と対応するように表示される。その結果、調色領域選択フレーム31によって選択された領域において調光によって設定不能な波長領域も表示されることがある。
本第2実施形態は、選色バー32の表示範囲を、調色領域選択フレーム31によって選択された領域において設定可能な範囲に規制するように構成したものである。
【0046】
本第2実施形態は、照明装置調色処理と、目標色設定処理とが、前述した第1実施形態とは異なる。撮影システム1の全体構成および他の処理(すなわち、照明装置調色処理、調色対象照明装置の選択処理、調色処理および調色用評価値算出処理)は、第1実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0047】
はじめに、照明装置調色処理について説明する。図11は、本第2実施形態における照明装置調色処理の全体フローチャートである。
この照明装置調色処理では、まず、制御可能な照明装置20Aの検出を行い、制御可能な照明装置20Aの有無を判定する(S1101)。
【0048】
ステップ1101において制御可能な照明装置20Aがないと判定(NO)された場合には、当該調色処理を終了する。
一方、ステップ1101において制御可能な照明装置が1つ以上あると判定(YES)された場合、カメラ10は検出した1つ以上の照明装置20Aと通信接続を行う(S1102)。
制御可能な照明装置20Aと通信接続が確立されると、その個数および個々の照明装置20AのIDおよびそれぞれ各々のその時点における状態(光量および色温度等)の情報を取得し、それを制御前状態情報として記憶する(S1102´)。
目標色設定可能範囲の算出を行い(S1103)、ついで、目標色の設定(S1104)、調色対象照明装置の選択(S1105)、照明装置の調色(S1106)の各処理を行う。
つまり、前述した図6に示す第1実施形態の照明装置調色処理のフローチャートにおける、ステップ602とステップ603の間に、目標色設定可能範囲算出処理のステップが挿入されているものである。
【0049】
つぎに、目標色設定可能範囲算出処理について説明する。図12は、目標色設定可能範囲算出処理のフローチャートである。
目標色設定可能範囲算出処理は、照明装置20Aの照光を、調光可能な波長範囲において最も短波長側から長波長側に所定波長間隔で順番に変化させ、その都度、各領域毎の評価値を取得して記憶し、各エリアの色の設定可能範囲を算出する。この算出結果に基づいて、選色バー32を調色領域選択フレーム31によって選択された領域において設定可能な範囲で表示することができる。
【0050】
すなわち、目標色設定可能範囲算出処理では、まず、照明装置20Aの照光を当該照明装置における最も短波長側に設定する(S1201)。
ついで、各エリアの調色用評価値を算出し(S1202)、それを記憶する(S1203)。
そして、照明装置20Aの照光波長を長波長側にシフト可能か否かを判定する(S1204)。
ステップ1204において照明装置20Aの照光波長が長波長側にシフト可能と判定(YES)された場合には、照明装置20Aの照光波長を長波長側に所定量変化させて(S1205)、ステップ1202に戻る。
【0051】
一方、ステップ1204において照明装置20Aの照光波長が長波長側にシフト不能と判定(NO)された場合には、調光可能な波長範囲の探査が終了したとして、各エリアの色の設定可能範囲を算出する(S1206)。
そして、照明装置20Aの照光色を初期状態に戻して(S1207)、処理を終了する。
【0052】
つぎに、図13にフローチャートを示す本第2実施形態における目標色設定処理について説明する。
この目標色設定処理では、調色したい被写体2の領域が、表示部170における画面上で選択される(S1301)と、選色バー32が調色可能範囲を表示する(S1302)。
【0053】
ここで、選色バー32による調色可能範囲の表示は、図2に示す全波長域の表示から調色可能範囲のみを部分的に表示する、選択不能域を暗転させて表示する、表示は全波長域のままで選択不能とする、等適宜設定可能なものである。
そして、ステップ1301で選択された領域における調色設定が入力される(1303)。
【0054】
以上、本実施形態によると、以下の効果を有する。
(1)上記実施形態によれば、カメラ10における表示部170に表示されたスルー画像30に重ねて表示された調色領域選択フレーム31によって被写体2に係る調色領域を選択すると共に、表示部170に表示された選色バー32における所望の色あいを選色フレーム33によって選択することで、その調色領域と色あいの情報をカメラ通信部180から照明システム20における各照明装置20Aの照明通信部23に送信し、被写体2の選択部位が任意の色あいとなるように照明装置20Aの照明光を変化させることができる。
これにより、被写体2の所望部位が所望の色あいとなるように、照明装置20Aの照明光を容易に色調整して撮影することができる。その結果、被写体の色あいを照明光によって調整できるので、画像処理によって色あいを調整した画像に比べて発色が良くノイズも少ない、所望の色あいの画像を得ることができる。
(2)調色対象照明装置の選択処理によって被写体2に対して影響の大きな照明装置20Aを選択し、その照明装置20Aに対して調色制御を行うことで、合理的な調色制御が可能となると共に、周囲全体に対する影響を抑えることができる。
【0055】
(変形形態)
以上、説明した実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態では、照明システム20における照明装置20Aの照明部21をLEDによるものとして説明した。照明部21は単色発光のLED、多色発光のLEDのどちらでもよい。なお、照明部21はLEDに限らず色あいの制御が可能なものであれば利用可能なものである。
【0056】
(2)上記実施形態では、照明システム20の照明装置20Aは、被写体の上側から照明するものを例示したが、照明装置20Aは上側に限らず側方や下側に配置したものであっても良いものである。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0057】
1:撮影システム、2:被写体、10:カメラ、130:撮影部、170:表示部、180:通信部、200:カメラ制御部、206:調色評価値演算部、212:調色演算部、20:照明システム、20A:単位照明装置、21:照明部、22:照明制御部、23照明通信部、30:スルー画像、31:調色領域選択フレーム、32:選色バー32、33:選色フレーム
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影システム、照明装置及びカメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、室内のLED照明のオン/オフ切り換えや照度の調整を、無線通信等を介して中央制御装置から行うネットワーク対応型の照明システムがある(例えば、特許文献1参照)。また、LED照明にカメラを埋め込み、防犯を目的として撮影データを中央管理装置に送信することも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−80139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の照明の調節は撮影を目的として行われるものではなく、照明の色あいまで考慮したものではない。
本発明の課題は、被写体の色あいを調整可能な撮影システム、照明装置及びカメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0006】
請求項1に記載の発明は、外部から送信された色相情報を受信可能な受信部(23)、被写体に照射されるとともに色相が可変な照明光を発生する照明部(21)、及び該受信部(23)が受信した前記色相情報に基づいて前記照明部(21)が発生する前記照明光の色相を調整可能な色相調整部(22)、を有する照明装置(20A)と、前記照明装置(20A)が発生する照明光の色相を決定する色相決定部(200)、該色相決定部(200)により決定された前記照明装置(20A)の色相情報を前記照明装置(20A)に送信する送信部(180)、を有するカメラ(10)と、を備える撮影システム(1)である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の撮影システム(1)であって、前記カメラ(10)は、色相選択部(160)をさらに備え、前記色相決定部(200)は、前記色相選択部(160)により現在の色相と異なる色相が選択された場合に、選択された色相を新たな色相として決定すること、を特徴とする撮影システム(1)である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の撮影システム(1)であって、前記カメラ(10)は、被写体光を受光する受光部(130)と、前記受光部(130)により受光されている被写体像を表示する像表示部(170)と、前記像表示部(170)に表示されている前記被写体像の一部分を選択可能な選択部(31)と、色相帯(32)、及び、前記選択部により選択された部分の色相が前記色相帯上のどの部分に存在するか示す指示部(33)を表示する色相表示部(30)と、をさらに備え、前記色相選択部(160)は、前記色相表示部(30)における前記指示部(33)の位置を変更することにより、前記新たな色相を選択すること、を特徴とする撮影システム(1)である。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の撮影システム(1)であって、前記色相表示部(30)に表示される前記色相帯(32)の長さは、前記選択部(31)によって選択されている部分における、前記照明装置(20A)により変更可能な色相範囲に応じて変更されること、を特徴とする撮影システム(1)である。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の撮影システム(1)であって、前記照明装置は、LED照明装置(20A)であること、を特徴とする撮影システム(1)である。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項記載の撮影システム(1)であって、前記照明装置(20A)は、複数であること、を特徴とする撮影システム(1)である。
請求項7に記載の発明は、外部から送信された色相情報を受信可能な受信部(23)、被写体に照射されるとともに色相が可変な照明光を発生する照明部(21)、及び該受信部(23)が受信した前記色相情報に基づいて前記照明部(21)が発生する前記照明光の色相を調整可能な色相調整部(22)、を有する照明装置(20A)である。
請求項8に記載の発明は、照明装置(20A)が発生する照明光の色相を決定する色相決定部(200)、該色相決定部(200)により決定された前記照明装置(20A)の色相情報を前記照明装置(20A)に送信する送信部(180)、を有するカメラ(10)である。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被写体の色あいを調整可能な撮影システム、照明装置及びカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る撮影システムの全体構成を示す説明図である。
【図2】カメラの背面拡大図である。
【図3】カメラのブロック構成図である。
【図4】カメラにおけるカメラ制御部の機能ブロック構成図である。
【図5】撮影システムの撮影時における全体フローチャートである。
【図6】照明装置調色処理の全体フローチャートである。
【図7】目標色設定処理のフローチャートである。
【図8】調色対象照明装置の選択処理のフローチャートである。
【図9】照明装置の調色処理のフローチャートである。
【図10】調色用評価値算出処理のフローチャートである。
【図11】第2実施形態における照明装置調色処理の全体フローチャートである。
【図12】目標色設定可能範囲算出処理のフローチャートである。
【図13】第2実施形態における目標色設定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係る撮影システム1の全体構成を示す説明図である。図2は、カメラ10の背面拡大図である。図3はカメラ10のブロック構成図である。図4は、カメラ10におけるカメラ制御部200の機能ブロック構成図である。
撮影システム1は、カメラ10と、照明システム20と、によって構成されている。
【0010】
図3に示すように、カメラ10は、レンズ部110と、レンズ制御部120と、撮影部130と、記憶部140と、電源部150と、操作部160と、表示部170と、カメラ通信部180と、カメラ制御部200と、を備えている。
レンズ部110は、結像光学系を構成する複数のレンズ群111と、絞り112と、シャッタ113と、を有する。
レンズ群111は、AF(合焦)レンズ111Aと、ズーミングレンズ111Bと、を含む。AFレンズ111Aは、光軸方向に移動駆動されて、結像位置を変化させる。ズーミングレンズ111Bは、光軸方向に移動駆動されて、焦点距離を変化させる。
【0011】
レンズ制御部120は、AFレンズ制御部121と、メカシャッタ制御部122と、絞り制御部123と、ズームレンズ制御部124と、を有する。
AFレンズ制御部121は、合焦状態とすべくAFレンズ111Aを移動制御する。
メカシャッタ制御部122は、シャッタ113を駆動制御して露光時間を規定する。
絞り制御部123は、露光量を調整する絞りを駆動制御する。
ズームレンズ制御部124は、焦点距離を変化させるべくズーミングレンズ111Bを移動制御する。
【0012】
撮影部130は、撮像センサ131と、AFE回路132と、タイミングジェネレータ133と、を有する。
撮像センサ131は、たとえばCCDやCMOS等の光電変換素子であって、レンズ部110のレンズ群111によってその撮像面に結像された画像を電気信号に変換して出力する。
AFE回路132は、撮像センサ131から入力されたアナログ画像信号に対するゲイン調整と、アナログ処理後の画像信号のデジタル画像情報への変換とを行う。
タイミングジェネレータ133は、撮像センサ131からの画像データ読み出しの信号を撮像センサに入力する。
【0013】
記憶部140は、当該カメラ10に内蔵されたFLASHメモリ141およびSDRAM142と、当該カメラ10に着脱可能なSDカード等の記録媒体143と、を有する。
電源部150は、当該カメラ10に着脱可能な電池からの電力供給を制御する。
操作部160は、操作ボタン161や十字キー162、および、図示しないレリーズボタンや各種スイッチボタンを含み、使用者がそれらを操作することによってレリーズ操作や後述する表示部170に表示された各種機能の選択乃至解除等を行う。
【0014】
表示部170は、TFT液晶画面171と、バックライト172とにより構成されて、カメラ10のボディ背面に設けられている。表示部170は、撮影部130の撮像センサ131が撮影中のリアルタイムの画像(スルー画像)や、撮影済みの画像を表示する。また、表示部170は、再生条件、撮影条件、カメラの基本設定等の設定が可能なメニュー画面等を表示することができるようになっている。
【0015】
さらに、表示部170は、後述する調色制御における調色設定画面を表示する。
調色設定画面は、図2に示すように、調色領域選択フレーム31と、選色バー32と、選色フレーム33とを、スルー画像30に重ねて表示する。
調色領域選択フレーム31は、矩形の枠状に表示され、操作部160における操作ボタン161や十字キー162等の操作によって、その位置を移動させて調色領域を選択するようになっている。調色領域選択フレーム31は、その大きさを変更可能としても良い。なお、調色領域選択フレーム31の形状は矩形に限らず、たとえば円形等であっても良い。また、調色領域選択フレーム31の移動は、タッチパネルによって行う構成としても良い。
【0016】
選色バー32は、本実施形態では、所定幅の帯状であって、表示部170における表示画面の下辺に沿って表示される。選色バー32は、たとえば、図2中左端を短波長端(紫色)、右端を長波長端(赤色)として、その間で連続的に波長(色相)が変化する表示となっている。
選色フレーム33は、矩形の枠状であって、選色バー32に重ねて表示され、操作部160における操作ボタン161や十字キー162またはタッチパネル等の操作によって選色バー32に沿って移動することで、選色バー32に表示された色あいを選択できるようになっている。選色フレーム33は、初期状態では、調色領域選択フレーム31が位置する画像領域における色あいを示す選色バー32の位置に表示される。
【0017】
図3に戻り、カメラ通信部180は、無線通信の送受信装置であって、通信モジュール181と、通信制御部182と、を有する。カメラ通信部180は、後述するカメラ制御部200の制御信号を当該カメラ10から外部(照明システム20)に発信し、また、当該カメラ10の外部(照明システム20)から発信された情報信号を受信してカメラ制御部200に入力する。
【0018】
カメラ制御部200は、CPUを有して構成され、当該カメラ10における前述した各構成要素を統括的に制御する。
カメラ制御部200は、図4に示す各機能部によって構成されている。
すなわち、機能部は、撮像センサデータ受信部201、AE・AWB・AF評価値演算部202、AE・AWB・AF演算部203、画像処理演算部204、画像コーデック部205、調色評価値演算部206、表示データ出力部207、スイッチ検出部208、FLASHメモリコントローラ209、通信制御部210、SDカードIF制御部211、調色演算部212、SDRAMコントローラ213等である。
【0019】
AE・AWB・AF評価値演算部202は、撮影部130の撮像センサ131による撮影データから、AE(自動露出)、AWB(自動ホワイトバランス)、AF(オートフォーカス)に係る評価値を演算する。
調色評価値演算部206は、後述する調色制御における調色評価値の演算を行う。
調色演算部212は、後述する調色制御を行う。
【0020】
そして、カメラ10は、カメラ制御部200によって統括的に制御される。操作部160における図示しないレリーズボタンが押圧操作(レリーズ操作)されると、撮像センサ131がその撮像面に結像された被写体像光を電気信号に変換し出力する。制御部200は、出力された電気信号に基づいて画処理を行うことで画像データを生成し、画像データを図示しない記録媒体143に記録(すなわち撮影)する。
また、カメラ10(カメラ制御部200)は、カメラ通信部180を介して後述する照明システム20を制御(照明制御)する。この照明制御については、後に詳述する。
【0021】
照明システム20は、図1に示すように、複数の単位照明装置20A(以下、単に照明装置20Aと記す)により構成されている。
照明装置20Aは、照明部21と、照明制御部22と、照明通信部23と、を有している。なお、図1において、右端に示す照明装置20Aのみにこれらの構成を示すが、他の照明装置20Aも同様に構成されている。また、複数の照明部21をグループとして構成しても良い。
【0022】
照明部21は、LED等の発光体を有して構成され、電源20Bから照明制御部22を介して供給される電力によって発光する。照明部21は、その発光の色あい(換言すれば色温度)を変えることができるように構成されている。つまり、照明部21は、照光のスペクトルにおける光量分布のピーク波長を変えることができるようになっている。なお、色あいを変化させる構成は、RGBのLEDを備えてその発光バランスを変化させるもの、1つのLEDに対して供給電力の電圧を変化させることで色あいを変化させるもの、の何れの構成であっても良い。
【0023】
照明制御部22は、CPUおよびメモリ等を有して構成されており、照明通信部23を介して外部(カメラ10)から入力される制御指令に基づいて、照明部21のON/OFFや照明部21に供給する電流・電圧等を制御して光量調整や色あいを変化させる調整(以下、色調整)を行う。また、照明制御部22は、当該照明装置20Aにおける情報(複数の中から識別するための個体識別番号[ID]や定格出力等)をメモリに保持しており、これらの情報やその時点における光量や色温度等の状態情報を、照明通信部23を介して外部(カメラ10)に出力する。
【0024】
照明通信部23は、無線通信の送受信装置であって、外部(カメラ10)から発信された当該照明装置20Aに係る制御情報を受信し、照明制御部22に入力する。また、照明通信部23は、当該照明システム20の情報(ID、定格出力、色温度、状態情報等)を外部(カメラ10)に発信する。
【0025】
上記構成の照明システム20では、各々の照明装置20Aは、外部(カメラ10)から照明通信部23を介して入力された制御情報に基づいて、照明制御部22によって制御され、照明部21のON/OFFや光量調整および色調整が可能となっている。なお、カメラ10からだけでなく、たとえば、照明通信部23と接続されたインターネット等のネットワーク、また、リモコン等の外部機器等から照明装置20A(照明部21)のON/OFFや光量調整および色調整を行うこともできる。
【0026】
つぎに、前述したカメラ10(カメラ制御部200)による照明システム20の照明制御を、図5〜図10に示すフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明中および図中においては「ステップ」を「S」とも略記する。
【0027】
はじめに、図5に示す撮影システム1の撮影時におけるフローチャートに従って、カメラ10による撮影制御の全体の流れを説明する。
操作部160の操作によってカメラ10が起動されると、設定された撮影モードを参照し(S501)、設定に従って、AE制御(S502)、AWB制御(S503)、AF制御(S504)を設定する。
ついで、照明装置調色モードか否かを判定する(S505)。
ステップ505において照明装置調色モードに設定されていると判定(YES)された場合には、ステップ506の照明装置調色処理に進む。この照明装置調色処理については、後に詳述する。
一方、ステップ505において照明装置調色モードに設定されていないと判定(NO)された場合には、ステップ506の照明装置調色処理を跳ばしてステップ507に進む。
【0028】
ステップ507では、レリーズスイッチが半押しされているか否かを判定する。
ステップ507においてレリーズスイッチが半押しされていると判定(YES)された場合には、つぎにレリーズスイッチが全押し操作されたか否かを判定する(S508)。
ステップ508においてレリーズスイッチが全押し操作されたと判定(YES)された場合には、撮影を実行し(S509)、画像データを記録する(S510)。なお、ここでの撮影とは静止画撮影、または動画撮影のことをいう。
ステップ508においてレリーズスイッチが全押し操作されていないと判定(NO)された場合には、レリーズスイッチの半押しを判定する(S511)。
ステップ511においてレリーズスイッチが半押しされていると判定(YES)された場合には、ステップ508のレリーズスイッチ全押し操作の判定に戻り、以後、これを繰り返す。また、ステップ511においてレリーズスイッチが半押しされていないと判定(NO)された場合には、ステップ501に戻る。
【0029】
一方、ステップ507においてレリーズスイッチが半押しされていないと判定(NO)された場合には、つぎに、電源が入っているか否かを判定する(S512)。
ステップ512において電源が入っていると判定(YES)された場合には、ステップ501に戻る。
ステップ512において電源が入っていないと判定(NO)された場合には、制御対象の照明装置20Aの調色を初期状態に戻し(S513)、電源をOFFとして(S514)、制御を終了する。
【0030】
つぎに、全体フローチャートにおけるステップ505の照明装置調色処理について説明する。図6は、照明装置調色処理のフローチャートである。
照明装置調色処理では、まず、制御可能な照明装置20Aの検出を行い、制御可能な照明装置20Aの有無を判定する(S601)。
【0031】
ステップ601において制御可能な照明装置20Aがないと判定(NO)された場合には、当該調色処理を終了する。
一方、ステップ601において制御可能な照明装置20Aが1つ以上あると判定(YES)された場合、カメラ10は検出した1つ以上の照明装置20Aと通信接続を行う(S602)。
制御可能な照明装置20Aと通信接続が確立されると、その個数および個々の照明装置20AのIDおよびそれぞれ各々のその時点における状態(光量および色温度等)の情報を取得し、それを制御前状態情報として記憶する(S602´)。
前述したように、カメラ10と照明装置20Aは、互いにカメラ通信部15と照明通信部23とを介して通信接続を行い、状態情報または制御信号の受発信を行う。
【0032】
つぎに、目標色の設定(S603)、調色対象照明装置の選択(S604)、照明装置の調色(S605)の各処理を行う。これら各処理については、以下に順次詳述する。
【0033】
つぎに、上述した照明装置調色処理のフローチャートにおけるステップ603の目標色設定処理について説明する。図7は、目標色設定処理のフローチャートである。これは、操作部160を介して撮影者が行う設定処理であり、カメラ制御部200にはその設定情報が入力される。
目標色設定処理は、まず、調色したい被写体2の領域を、表示部170における画面上で選択する(S701)。
ついで、ステップ701で選択した領域をどのような色に調色したいかを入力する(702)。
【0034】
ここで、調色したい被写体2の領域の選択および調色希望色の入力は、前述したように、図2に示す表示部170における調色設定画面において行う。すなわち、被写体2の領域の選択は、スルー画像30に重ねて表示された調色領域選択フレーム31によって行い、調色希望色の入力は、選色バー32に重ねて表示された選色フレーム33を任意の色相の位置に移動させることで行うものである。
なお、選色フレーム33を選色バー32における任意の色相の位置に移動させた際に、スルー画像30における調色領域を画像処理によって当該色相に変化させるように構成しても良い。
【0035】
つぎに、調色処理のフローチャートにおけるステップ604の調色対象照明装置の選択処理について説明する。図8は、調色対象照明装置の選択処理のフローチャートである。
この調色対象照明装置の選択処理では、照明装置20Aの色あいを変化させてその変化による被写体2の色あいの変化の度合い(影響)を調べ、影響の大きなものを選択する。
【0036】
すなわち、調色対象照明装置の選択処理は、まず、調色用評価値を算出し(S801)、その評価値を基本値として記憶する(S802)。なお、調色用評価値の算出については、後に詳述する。
ついで、色を変化させていない照明装置20Aを1つ選択し(S803)、選択した照明装置20Aの色あいを変化させて(S804)、再度調色用評価値を算出する(S805)。
そして、ステップ802において記憶した調色用評価値の基本値と、ステップS805で算出した調色用評価値とを比較して、その差分を算出する(S806)。
【0037】
つづいて、ステップS806において算出された評価値の差分を定められた閾値と比較する(S807)。このステップS807において差分が閾値以上であると判定(YES)された場合には、調色対象照明装置として選択する(S808)。一方、ステップS807において評価値の差分が閾値未満であると判定(NO)された場合には、ステップ808を跳ばしてステップ809に進む。
【0038】
ステップ809では、未判定の照明装置20Aの有無を判定し、未判定の照明装置20Aがあると判定(YES)された場合には、ステップ803に戻る。ステップ809において未判定の照明装置20Aが無いと判定(NO)された場合には、処理を終了する。このようにして、全ての対象照明装置20Aを判定する。
【0039】
つぎに、調色処理のフローチャートにおけるステップ605の照明装置の調色処理について説明する。図9は、照明装置の調色処理のフローチャートである。
この調色処理では、照明装置20Aの照光を、調光可能な波長範囲において最も短波長側から長波長側に所定波長間隔で順番に変化させ、その都度評価値を取得して目標値と比較し、目標値に最も近い照光波長を探査する。そして、照明装置20Aの照光を、目標値に最も近い照光波長に制御するものである。なお、本実施形態は、1つの照明装置20Aが調色対象として選択されている場合の例である。ただし、複数の照明装置20Aが一括して調色制御される場合にも適用可能である。
【0040】
すなわち、照明装置の調色処理は、まず、照明装置20Aの照光を当該照明装置20Aにおける最も短波長側に設定する(S901)。
ついで、調色用評価値を算出し(S902)、その調色対象被写体2のある領域の評価値と、目標色の差分を算出する(S903)。
【0041】
そして、ステップ903において算出した評価値の差分が、今までで最も小さいか否かを判定する(S904)。このステップ904において評価値の差分が最も小さいと判定(YES)された場合には、当該照明装置20Aの設定内容を記憶して(S905)、ステップ906に進む。つまり、このフローの一巡目では、その評価値の差分は比較対象がないために最も小さいものとして記憶され、この差分が次の差分の比較対象となる。
【0042】
ステップ904において評価値の差分が最も小さいものではないと判定(NO)された場合には、ステップ905を跳ばしてステップ906に進む。
ステップ906では、照明装置20Aの照光波長を長波長側にシフト可能か否かを判定する。
ステップ906において照明装置20Aの照光波長が長波長側にシフト可能と判定(YES)された場合には、照明装置20Aの照光波長を長波長側に所定量変化させて(S907)、ステップ902に戻る。
【0043】
一方、ステップ906において照明装置20Aの照光波長が長波長側にシフト不能と判定(NO)された場合には、調光可能な波長範囲の探査が終了したとして、ステップ905において記憶された評価値の差分が最も小さい設定内容(照光波長)に照明装置20Aを制御して、処理を終了する。
【0044】
つぎに、前述した調色対象照明装置の選択処理のフローチャートにおけるステップ801およびステップ805と、照明装置の調色処理のフローチャートにおけるステップS902の調色用評価値算出処理について説明する。図10は、調色用評価値算出処理のフローチャートである。
調色用評価値算出処理は、前述した目標色設定処理における設定に基づいて評価値領域を指定し(S1001)、当該評価値領域における画像センサのRGBデータから、R/GとB/Gとを算出する(S1002)。
そして、評価値領域毎にR/GとB/Gの平均を算出し(S1003)、ついで、評価値領域毎にスルー画用のCbCrデータの平均を算出する(S1004)。これらの算出値を調色用評価値とするものである。
なお、調色用評価値は、この例に限らず、RGBのゲインの積算データ等を用いても良い。また、AE・AWB・AF評価値演算部202(図4参照)においてホワイトバランス設定の際に算出したデータを利用してもよい。
【0045】
[第2実施形態]
つぎに、図11〜図13にフローチャートを示す本発明の第2実施形態を説明する。
上記第1実施形態では、調色制御において調色設定画面に表示される選色バー32は、照明装置20Aにおける調光範囲の全波長域と対応するように表示される。その結果、調色領域選択フレーム31によって選択された領域において調光によって設定不能な波長領域も表示されることがある。
本第2実施形態は、選色バー32の表示範囲を、調色領域選択フレーム31によって選択された領域において設定可能な範囲に規制するように構成したものである。
【0046】
本第2実施形態は、照明装置調色処理と、目標色設定処理とが、前述した第1実施形態とは異なる。撮影システム1の全体構成および他の処理(すなわち、照明装置調色処理、調色対象照明装置の選択処理、調色処理および調色用評価値算出処理)は、第1実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0047】
はじめに、照明装置調色処理について説明する。図11は、本第2実施形態における照明装置調色処理の全体フローチャートである。
この照明装置調色処理では、まず、制御可能な照明装置20Aの検出を行い、制御可能な照明装置20Aの有無を判定する(S1101)。
【0048】
ステップ1101において制御可能な照明装置20Aがないと判定(NO)された場合には、当該調色処理を終了する。
一方、ステップ1101において制御可能な照明装置が1つ以上あると判定(YES)された場合、カメラ10は検出した1つ以上の照明装置20Aと通信接続を行う(S1102)。
制御可能な照明装置20Aと通信接続が確立されると、その個数および個々の照明装置20AのIDおよびそれぞれ各々のその時点における状態(光量および色温度等)の情報を取得し、それを制御前状態情報として記憶する(S1102´)。
目標色設定可能範囲の算出を行い(S1103)、ついで、目標色の設定(S1104)、調色対象照明装置の選択(S1105)、照明装置の調色(S1106)の各処理を行う。
つまり、前述した図6に示す第1実施形態の照明装置調色処理のフローチャートにおける、ステップ602とステップ603の間に、目標色設定可能範囲算出処理のステップが挿入されているものである。
【0049】
つぎに、目標色設定可能範囲算出処理について説明する。図12は、目標色設定可能範囲算出処理のフローチャートである。
目標色設定可能範囲算出処理は、照明装置20Aの照光を、調光可能な波長範囲において最も短波長側から長波長側に所定波長間隔で順番に変化させ、その都度、各領域毎の評価値を取得して記憶し、各エリアの色の設定可能範囲を算出する。この算出結果に基づいて、選色バー32を調色領域選択フレーム31によって選択された領域において設定可能な範囲で表示することができる。
【0050】
すなわち、目標色設定可能範囲算出処理では、まず、照明装置20Aの照光を当該照明装置における最も短波長側に設定する(S1201)。
ついで、各エリアの調色用評価値を算出し(S1202)、それを記憶する(S1203)。
そして、照明装置20Aの照光波長を長波長側にシフト可能か否かを判定する(S1204)。
ステップ1204において照明装置20Aの照光波長が長波長側にシフト可能と判定(YES)された場合には、照明装置20Aの照光波長を長波長側に所定量変化させて(S1205)、ステップ1202に戻る。
【0051】
一方、ステップ1204において照明装置20Aの照光波長が長波長側にシフト不能と判定(NO)された場合には、調光可能な波長範囲の探査が終了したとして、各エリアの色の設定可能範囲を算出する(S1206)。
そして、照明装置20Aの照光色を初期状態に戻して(S1207)、処理を終了する。
【0052】
つぎに、図13にフローチャートを示す本第2実施形態における目標色設定処理について説明する。
この目標色設定処理では、調色したい被写体2の領域が、表示部170における画面上で選択される(S1301)と、選色バー32が調色可能範囲を表示する(S1302)。
【0053】
ここで、選色バー32による調色可能範囲の表示は、図2に示す全波長域の表示から調色可能範囲のみを部分的に表示する、選択不能域を暗転させて表示する、表示は全波長域のままで選択不能とする、等適宜設定可能なものである。
そして、ステップ1301で選択された領域における調色設定が入力される(1303)。
【0054】
以上、本実施形態によると、以下の効果を有する。
(1)上記実施形態によれば、カメラ10における表示部170に表示されたスルー画像30に重ねて表示された調色領域選択フレーム31によって被写体2に係る調色領域を選択すると共に、表示部170に表示された選色バー32における所望の色あいを選色フレーム33によって選択することで、その調色領域と色あいの情報をカメラ通信部180から照明システム20における各照明装置20Aの照明通信部23に送信し、被写体2の選択部位が任意の色あいとなるように照明装置20Aの照明光を変化させることができる。
これにより、被写体2の所望部位が所望の色あいとなるように、照明装置20Aの照明光を容易に色調整して撮影することができる。その結果、被写体の色あいを照明光によって調整できるので、画像処理によって色あいを調整した画像に比べて発色が良くノイズも少ない、所望の色あいの画像を得ることができる。
(2)調色対象照明装置の選択処理によって被写体2に対して影響の大きな照明装置20Aを選択し、その照明装置20Aに対して調色制御を行うことで、合理的な調色制御が可能となると共に、周囲全体に対する影響を抑えることができる。
【0055】
(変形形態)
以上、説明した実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態では、照明システム20における照明装置20Aの照明部21をLEDによるものとして説明した。照明部21は単色発光のLED、多色発光のLEDのどちらでもよい。なお、照明部21はLEDに限らず色あいの制御が可能なものであれば利用可能なものである。
【0056】
(2)上記実施形態では、照明システム20の照明装置20Aは、被写体の上側から照明するものを例示したが、照明装置20Aは上側に限らず側方や下側に配置したものであっても良いものである。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0057】
1:撮影システム、2:被写体、10:カメラ、130:撮影部、170:表示部、180:通信部、200:カメラ制御部、206:調色評価値演算部、212:調色演算部、20:照明システム、20A:単位照明装置、21:照明部、22:照明制御部、23照明通信部、30:スルー画像、31:調色領域選択フレーム、32:選色バー32、33:選色フレーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から送信された色相情報を受信可能な受信部、被写体に照射されるとともに色相が可変な照明光を発生する照明部、及び該受信部が受信した前記色相情報に基づいて前記照明部が発生する前記照明光の色相を調整可能な色相調整部、を有する照明装置と、
前記照明装置が発生する照明光の色相を決定する色相決定部、該色相決定部により決定された前記照明装置の色相情報を前記照明装置に送信する送信部、を有するカメラと、
を備える撮影システム。
【請求項2】
請求項1に記載の撮影システムであって、
前記カメラは、色相選択部をさらに備え、
前記色相決定部は、前記色相選択部により現在の色相と異なる色相が選択された場合に、選択された色相を新たな色相として決定すること、
を特徴とする撮影システム。
【請求項3】
請求項2に記載の撮影システムであって、
前記カメラは、
被写体光を受光する受光部と、
前記受光部により受光されている被写体像を表示する像表示部と、
前記像表示部に表示されている前記被写体像の一部分を選択可能な選択部と、
色相帯、及び、前記選択部により選択された部分の色相が前記色相帯上のどの部分に存在するか示す指示部を表示する色相表示部と、
をさらに備え、
前記色相選択部は、前記色相表示部における前記指示部の位置を変更することにより、前記新たな色相を選択すること、
を特徴とする撮影システム。
【請求項4】
請求項3に記載の撮影システムであって、
前記色相表示部に表示される前記色相帯の長さは、前記選択部によって選択されている部分における、前記照明装置により変更可能な色相範囲に応じて変更されること、
を特徴とする撮影システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の撮影システムであって、
前記照明装置は、LED照明装置であること、
を特徴とする撮影システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項記載の撮影システムであって、
前記照明装置は、複数であること、
を特徴とする撮影システム。
【請求項7】
外部から送信された色相情報を受信可能な受信部、被写体に照射されるとともに色相が可変な照明光を発生する照明部、及び該受信部が受信した前記色相情報に基づいて前記照明部が発生する前記照明光の色相を調整可能な色相調整部、を有する照明装置。
【請求項8】
照明装置が発生する照明光の色相を決定する色相決定部、該色相決定部により決定された前記照明装置の色相情報を前記照明装置に送信する送信部、を有するカメラ。
【請求項1】
外部から送信された色相情報を受信可能な受信部、被写体に照射されるとともに色相が可変な照明光を発生する照明部、及び該受信部が受信した前記色相情報に基づいて前記照明部が発生する前記照明光の色相を調整可能な色相調整部、を有する照明装置と、
前記照明装置が発生する照明光の色相を決定する色相決定部、該色相決定部により決定された前記照明装置の色相情報を前記照明装置に送信する送信部、を有するカメラと、
を備える撮影システム。
【請求項2】
請求項1に記載の撮影システムであって、
前記カメラは、色相選択部をさらに備え、
前記色相決定部は、前記色相選択部により現在の色相と異なる色相が選択された場合に、選択された色相を新たな色相として決定すること、
を特徴とする撮影システム。
【請求項3】
請求項2に記載の撮影システムであって、
前記カメラは、
被写体光を受光する受光部と、
前記受光部により受光されている被写体像を表示する像表示部と、
前記像表示部に表示されている前記被写体像の一部分を選択可能な選択部と、
色相帯、及び、前記選択部により選択された部分の色相が前記色相帯上のどの部分に存在するか示す指示部を表示する色相表示部と、
をさらに備え、
前記色相選択部は、前記色相表示部における前記指示部の位置を変更することにより、前記新たな色相を選択すること、
を特徴とする撮影システム。
【請求項4】
請求項3に記載の撮影システムであって、
前記色相表示部に表示される前記色相帯の長さは、前記選択部によって選択されている部分における、前記照明装置により変更可能な色相範囲に応じて変更されること、
を特徴とする撮影システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の撮影システムであって、
前記照明装置は、LED照明装置であること、
を特徴とする撮影システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項記載の撮影システムであって、
前記照明装置は、複数であること、
を特徴とする撮影システム。
【請求項7】
外部から送信された色相情報を受信可能な受信部、被写体に照射されるとともに色相が可変な照明光を発生する照明部、及び該受信部が受信した前記色相情報に基づいて前記照明部が発生する前記照明光の色相を調整可能な色相調整部、を有する照明装置。
【請求項8】
照明装置が発生する照明光の色相を決定する色相決定部、該色相決定部により決定された前記照明装置の色相情報を前記照明装置に送信する送信部、を有するカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−204954(P2012−204954A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65790(P2011−65790)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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