撮影装置、撮影システム、及び撮影プログラム
【課題】記憶手段に記憶される画像に影響を与えることなく、多くの被写体の中から特定の被写体を探索する。
【解決手段】レンズ20と可視光及び赤外光に感度を有するCCD24との間に、赤外光カットフィルタ22を、CCD24に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する第1の位置と、CD24に可視光及び赤外光を入射させる第2の位置とで移動可能に設ける。赤外光発光装置50を取り付けた特定の被写体70を撮影する際は、サーチボタンを押下して(102)、赤外光カットフィルタ22を第2の位置へ移動させ、撮影された画像から赤外光発光装置50の発光パターンを識別して(110)、識別された特定の被写体70の位置をLCD上に表示する(114)。撮影した画像データをメモリ38へ記憶する際には、赤外光カットフィルタ22を第1の位置へ移動し(118)、記憶される画像に赤外光が映り込まないように赤外光をカットする。
【解決手段】レンズ20と可視光及び赤外光に感度を有するCCD24との間に、赤外光カットフィルタ22を、CCD24に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する第1の位置と、CD24に可視光及び赤外光を入射させる第2の位置とで移動可能に設ける。赤外光発光装置50を取り付けた特定の被写体70を撮影する際は、サーチボタンを押下して(102)、赤外光カットフィルタ22を第2の位置へ移動させ、撮影された画像から赤外光発光装置50の発光パターンを識別して(110)、識別された特定の被写体70の位置をLCD上に表示する(114)。撮影した画像データをメモリ38へ記憶する際には、赤外光カットフィルタ22を第1の位置へ移動し(118)、記憶される画像に赤外光が映り込まないように赤外光をカットする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置、撮影システム、及び撮影プログラムに係り、特定の被写体を撮影するための撮影装置、撮影システム、及び撮影プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、識別が困難な多くの被写体の中から特定の被写体を探索して撮影する際に、被写体に赤外光発光装置等を携帯させ、この赤外光発光装置が発光する赤外光を受光手段により受光して、被写体の位置を特定して撮影することが行われている。
【0003】
例えば、特定の被写体に赤外光発信器を取り付け、ビデオカメラに撮影部とは別に赤外光発信器からの赤外光を受光するセンサ部を設け、センサ部で受光した信号から被写体の位置を検出して位置検出出力信号を出力して、この位置検出出力信号を画像信号に変換して、撮影部で撮影した画像と合成してファインダに表示することにより、特定被写体の位置を撮影者に報知する撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、マイクロホンに取り付けたLEDの光をカメラによって撮像して得られる画像から、光の位置である発光位置、すなわちマイクロホンの位置を検出するテレビ会議装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)
【0005】
また、撮像光学系を介して入射される撮像光による画像を固体イメージセンサにより撮像する固体撮像装置において、撮像光の光路に対して出し入れ自在に赤外光カットフィルタを設けて、入射光の光量に応じて赤外光カットフィルタの出し入れを制御する固体撮像装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−74504号公報
【特許文献2】特開2008−259000号公報
【特許文献3】特開平6−141247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1記載の撮像装置では、赤外光発信器の発光を受光するために撮影部とは別にセンサ部を設ける必要があるため、装置構成が複雑となり、さらに、センサ部で受光した信号から検出した発光位置を、撮影部で撮影した画像信号に合成する必要があり、処理も煩雑となる、という問題がある。
【0008】
また、上記特許文献2記載のテレビ会議装置では、撮影した画像から発光位置を検出しているが、撮影した画像を記憶手段へ記憶することが考慮されておらず、記憶手段へ記憶された画像にLEDの光が映り込んでしまう、という問題がある。
【0009】
また、上記特許文献3記載の固体撮像装置では、赤外光カットフィルタの移動を制御することにより、赤外光をカットした画像、及び赤外光をカットしない画像を撮影することができるが、赤外光カットフィルタの移動を入射光の光量により制御しているため、特定の被写体をファインダ等でとらえる際、または録画の際において、赤外光カットフィルタの移動を制御することは考慮されておらず、赤外光発光手段を取り付けた被写体を撮影し、撮影した画像を記憶手段に記憶する場合には、特許文献2記載の技術同様、赤外光発光手段の光が映り込んでしまう、という問題がある。
【0010】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、記憶手段に記憶される画像に影響を与えることなく、多くの被写体の中から特定の被写体を探索することができる撮影装置、撮影システム、及び撮影プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の撮影装置は、可視光及び赤外光に感度を有する撮像素子を備え、赤外光を発光する発光手段を取り付けた特定の被写体を含む対象領域を撮影する撮影手段と、前記撮影手段で撮影された画像を表示する表示手段と、前記撮像素子に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する第1の位置と、前記撮像素子に可視光及び赤外光を入射させる第2の位置とで移動可能に設けられた赤外光カットフィルタと、前記撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶することなく前記表示手段に表示させる際には、前記第2の位置に前記赤外光カットフィルタを移動させ、前記撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶する際には、前記第1の位置に前記赤外光カットフィルタを移動させるように制御する制御手段とを含んで構成されている。
【0012】
また、本発明の撮影プログラムは、コンピュータを、可視光及び赤外光に感度を有する撮像素子を備え、赤外光を発光する発光手段を取り付けた特定の被写体を含む対象領域を撮影する撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶することなく表示手段に表示させる際には、前記撮像素子に可視光及び赤外光を入射させる第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させ、前記撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶する際には、前記撮像素子に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する第1の位置に前記赤外光カットフィルタを移動させるように制御する制御手段として機能させるためのプログラムである。
【0013】
本発明の撮影装置及びプログラムによれば、可視光及び赤外光に感度を有する撮像素子を備えた撮影手段が、赤外光を発光する発光手段を取り付けた特定の被写体を含む対象領域を撮影し、表示手段が、撮影手段で撮影された画像を表示する。また、赤外光カットフィルタが、撮像素子に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する第1の位置と、撮像素子に可視光及び赤外光を入射させる第2の位置とで移動可能に設けられており、制御手段が、撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶することなく表示手段に表示させる際には、第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させ、撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶する際には、第1の位置に赤外光カットフィルタを移動させるように制御する。
【0014】
このように、撮影された画像を記憶手段に記憶することなく表示手段に表示する際には、赤外光カットフィルタを第2の位置に移動して、撮像素子に可視光及び赤外光が入射されるため、表示手段に表示される画像には、特定の被写体に取り付けられた発光手段が発光する赤外光も含まれる。また、撮影された画像を記憶手段に記憶する際には、赤外光カットフィルタを第1の位置に移動して、撮像素子に可視光が入射され、かつ赤外光が遮光されるため、記憶手段に記憶される画像には、赤外光が含まれない。従って、記憶手段に記憶される画像に影響を与えることなく、多くの被写体の中から特定の被写体を探索することができる。
【0015】
また、本発明の撮影装置は、前記制御手段により前記第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させた状態で前記撮影手段により撮影された画像から、識別情報を示す発光パターンで発光する前記発光手段を検出し、検出された前記発光手段の発光パターンが示す前記識別情報を識別する識別手段と、前記識別手段で識別された識別情報と予め定めた識別情報とが一致する場合に、前記識別手段で検出された発光手段の位置を示す表示を、前記撮影手段で撮影された画像に重畳して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段とを含んで構成することができる。
【0016】
また、本発明の撮影プログラムは、コンピュータを、可視光及び赤外光に感度を有する撮像素子を備え、赤外光を発光する発光手段を取り付けた特定の被写体を含む対象領域を撮影する撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶することなく表示手段に表示させる際には、前記撮像素子に可視光及び赤外光を入射させる第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させ、前記撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶する際には、前記撮像素子に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する第1の位置に前記赤外光カットフィルタを移動させるように制御する制御手段と、前記制御手段により前記第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させた状態で前記撮影手段により撮影された画像から、識別情報を示す発光パターンで発光する前記発光手段を検出し、検出された前記発光手段の発光パターンが示す前記識別情報を識別する識別手段と、前記識別手段で識別された識別情報と予め定めた識別情報とが一致する場合に、前記識別手段で検出された発光手段の位置を示す表示を、前記撮影手段で撮影された画像に重畳して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段として機能させるためのプログラムである。
【0017】
本発明の撮影装置及びプログラムによれば、識別手段が、制御手段により第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させた状態で撮影手段により撮影された画像から、識別情報を示す発光パターンで発光する発光手段を検出し、検出された発光手段の発光パターンが示す識別情報を識別し、表示制御手段が、識別手段で識別された識別情報と予め定めた識別情報とが一致する場合に、識別手段で検出された発光手段の位置を示す表示を、撮影手段で撮影された画像に重畳して表示手段に表示するように制御する。これにより、対象領域に複数の発光手段が存在する場合でも、発光手段の発光パターンが示す識別情報が予め定めた識別情報と一致するか否かによって、特定の被写体を容易に識別することができる。
【0018】
また、本発明の撮影装置は、前記制御手段により前記第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させた状態で前記撮影手段により撮影された画像から前記発光手段を検出し、検出された前記発光手段、及び該発光手段が取り付けられた被写体の形状を認識し、認識した形状から前記発光手段が前記被写体に取り付けられた部位を識別する識別手段と、前記識別手段で識別された部位と予め記憶しておいた部位とが一致する場合に、前記識別手段で検出された発光手段の位置を示す表示を、前記撮影手段で撮影された画像に重畳して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段とを含んで構成することができる。
【0019】
また、本発明の撮影プログラムは、コンピュータを、可視光及び赤外光に感度を有する撮像素子を備え、赤外光を発光する発光手段を取り付けた特定の被写体を含む対象領域を撮影する撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶することなく表示手段に表示させる際には、前記撮像素子に可視光及び赤外光を入射させる第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させ、前記撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶する際には、前記撮像素子に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する第1の位置に前記赤外光カットフィルタを移動させるように制御する制御手段と、前記制御手段により前記第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させた状態で前記撮影手段により撮影された画像から前記発光手段を検出し、検出された前記発光手段、及び該発光手段が取り付けられた被写体の形状を認識し、認識した形状から前記発光手段が前記被写体に取り付けられた部位を識別する識別手段と、前記識別手段で識別された部位と予め記憶しておいた部位とが一致する場合に、前記識別手段で検出された発光手段の位置を示す表示を、前記撮影手段で撮影された画像に重畳して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段として機能させるためのプログラムである。
【0020】
本発明の撮影装置及びプログラムによれば、識別手段が、制御手段により第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させた状態で撮影手段により撮影された画像から発光手段を検出し、検出された発光手段、及び該発光手段が取り付けられた被写体の形状を認識し、認識した形状から発光手段が被写体に取り付けられた部位を識別し、表示制御手段が、識別手段で識別された部位と予め記憶しておいた部位とが一致する場合に、識別手段で検出された発光手段の位置を示す表示を、撮影手段で撮影された画像に重畳して表示手段に表示するように制御する。これにより、対象領域に複数の発光手段が存在する場合でも、予め記憶しておいた特定の被写体に対する発光手段の取付部位と撮影された画像から識別された取付部位とが一致するか否かによって、特定の被写体を容易に識別することができる。
【0021】
また、本発明の撮影システムは、特定の被写体に取り付けられ、赤外光を発光する発光手段と、上記の撮影装置とを含んで構成されている。また、前記発光手段は、識別情報を示す発光パターンで発光するように構成することができる。これにより、対象領域に複数の発光手段が存在する場合でも、発光手段の発光パターンが示す識別情報が予め定めた識別情報と一致するか否かによって、特定の被写体を容易に識別することができる。また、前記発光手段により発光される赤外光は指向性を有するようにすることができる。これにより、対象領域に複数の発光手段が存在する場合でも、撮影手段で撮影される発光手段を制限することができ、特定の被写体の識別がより容易になる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明の撮影装置、撮影システム、及び撮影プログラムによれば、記憶手段に記憶される画像に影響を与えることなく、多くの被写体の中から特定の被写体を探索することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施の形態の撮影システムの概略を示す斜視図である。
【図2】第1及び第2の実施の形態のビデオカメラの概略を示すブロック図である。
【図3】第1〜第3の実施の形態の赤外光発光装置の概略を示すブロック図である。
【図4】発光パターンを説明するための図である。
【図5】第1の実施の形態の撮影システムのビデオカメラにおける撮影処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】特定の被写体の位置を示す表示の一例である。
【図7】第1の実施の形態の撮影システムの赤外光発光装置における発光処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】ビデオカメラの撮影間隔と赤外光発光装置の発光間隔とが異なる場合について説明するための図である。
【図9】ビデオカメラの撮影タイミングと赤外光発光装置の発光タイミングとが異なる場合について説明するための図である。
【図10】第2の実施の形態の撮影システムのビデオカメラにおける取付部位記憶処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態の撮影システムのビデオカメラにおける撮影処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図12】第3の実施の形態のビデオカメラの概略を示すブロック図である。
【図13】第3の実施の形態の撮影システムのビデオカメラにおける同期補正処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図14】同期補正処理において、(A)誤差が生じていない場合、(B)誤差T1が生じている場合、及び(C)誤差T2が生じている場合を説明するための図である。
【図15】第3の実施の形態の撮影システムの赤外光発光装置における同期補正処理ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0025】
図1に示すように、第1の実施の形態に係る撮影システム1は、特定の被写体を含む対象領域を撮影するためのビデオカメラ10と、特定の被写体70に取り付けられ、赤外光を発光する赤外光発光装置50とで構成されている。
【0026】
ビデオカメラ10は、被写体像を結像させるためのレンズ20、撮影した画像やメニュー画面等を表示するための液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)18、赤外光発光装置50の発光を指示する際に押圧操作されるサーチボタン12、撮影した画像のメモリ38への記憶を指示する際に押圧操作される録画ボタン14、及びビデオカメラ10の動作モードを選択する際に回転操作されるモード選択ボタン16を備えている。
【0027】
また、ビデオカメラ10は、図2に示すように、レンズ20の光軸後方に配置され、可視光及び赤外光の波長領域に感度を有する電荷結合素子(CCD:Charge Coupled Devices)24、レンズ20とCCD24との間に、CCD24に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する位置(以下、「第1の位置」という)とCCD24に可視光及び赤外光を入射させる位置(以下、「第2の位置」という)とで移動可能に配置された赤外光カットフィルタ22を含んで構成されている。レンズ20により結像した被写体象は、CCD24でアナログ画像データに変換されて出力される。
【0028】
また、ビデオカメラ10は、ビデオカメラ10全体の制御を司るCPU32、後述する撮影処理プログラム等を記憶した記憶媒体としてのROM34、ワークエリアとしてデータを一時格納するRAM36、撮影した画像を示すデジタル画像データ等の各種情報を記憶するための記憶手段としてのメモリ38、駆動回路によりCCD24を駆動して、CCD24から出力されたアナログ画像データに所定のアナログ信号処理を施した後にデジタル画像データに変換し、変換されたデジタル画像データに所定のデジタル信号処理を施して出力する信号処理部28、赤外光カットフィルタ22を駆動させるための駆動部30、及び赤外光発光装置50との間で赤外光、FM波、Bluetooth等の手段により無線通信を行うための通信部40を含んで構成されており、これらはバス26を介して相互に接続されている。
【0029】
また、バス26には、サーチボタン12、録画ボタン14、モード選択ボタン16、及びLCD18も接続されており、サーチボタン12、録画ボタン14、及びモード選択ボタン16を操作することにより入力された信号に応じた処理や、撮影された画像をLCD18に表示する処理等がCPU32の制御により実行される。
【0030】
サーチボタン12が押下されると、通信部40を介して、赤外光発光装置50に後述する発光情報が送信される。
【0031】
モード選択ボタン16が回転操作されると、ビデオカメラ10の動作モードである撮影モード、及び再生モードが選択される。撮影モードでは、信号処理部28から出力されたデジタル画像データに基づく画像をLCD18にスルー画像として表示する。この際、赤外光カットフィルタ22は第2の位置にあり、LCD18には可視光及び赤外光の波長領域の画像が表示される。
【0032】
録画ボタン14が押下されると、押下されている間に信号処理部28から出力されたデジタル画像データをメモリ38へ記憶する。なお、デジタル画像データを記憶するための記憶手段は、ビデオカメラ10に内蔵されたメモリ38に限らず、外部メモリインターフェースを介して接続された可搬性メモリ等の外部メモリであってもよい。録画ボタン14が押下された際には、赤外光カットフィルタ22を第1の位置へ移動し、赤外光を遮光することにより、メモリ38へ記憶されるデジタル画像データに基づく画像に、赤外光発光装置50の光が映り込まないようにする。
【0033】
赤外光発光装置50は、図3に示すように、赤外光発光装置50全体の制御を司るCPU52、後述する発光処理プログラム等を記憶した記憶媒体としてのROM54、ワークエリアとしてデータを一時格納するRAM56、ビデオカメラ10から送信された発光情報等の各種情報を記憶するための記憶手段としてのメモリ58、ビデオカメラ10との間で赤外光、FM波、Bluetooth等の手段により無線通信を行うための通信部60、赤外光を発光するLED62、及びバッテリ64を含んで構成されており、これらはバス66を介して相互に接続されている。
【0034】
発光情報は、ビデオカメラ10と赤外光発光装置50とを1対1で対応付けるための識別情報に応じた発光パターン、ビデオカメラ10のフレーム周期(フレーム/1秒)情報、及びビデオカメラ10の撮影間隔と赤外光発光装置50の発光間隔とを同期させるための時間情報が含まれる。発光パターンは、開始信号、及び識別情報を示す信号を組み合わせたもので、例えば、図4に示すように、開始信号として、0.1秒間(フレーム周期60フレーム/1秒の場合の6フレーム分)継続点灯させることを示す信号「1−1−1−1−1−1」の後に、識別情報「20」を示す信号「0−0−0−1−0−1−0−0」を組み合わせた「1−1−1−1−1−1−0−0−0−1−0−1−0−0」とすることができる。この信号に対応して、「1」のときにはLED62を発光させ、「0」のときには消灯することで、識別情報を示す発光パターンで発光させることができる。赤外光発光装置50は、発光パターンを繰り返し発光する。なお、上記発光パターンは一例であり、LED62の点滅により識別情報を示す信号を表すことができるものであればよい。
【0035】
次に、図5を参照して、第1の実施の形態の撮影システム1のビデオカメラ10における撮影処理ルーチンについて説明する。本ルーチンは、モード選択ボタン16が操作されて撮影モードが選択された場合に、ROM34に記憶された撮影プログラムをCPU32が実行することにより開始する。
【0036】
ステップ100で、信号処理部28から出力されたデジタル画像データに基づく画像をLCD18にスルー画像として表示する。本実施の形態のビデオカメラ10では、1秒間に60フレームを撮影可能で、撮影された1フレーム毎の画像をLCD18に順次表示することにより、動画像であるスルー画像を表示することができる。
【0037】
次に、ステップ102で、サーチボタン12が押下されたか否かを判断する。押下された場合には、ステップ104へ進み、押下されない場合には、押下されるまで本ステップの判断を繰り返す。
【0038】
ステップ104で、赤外光カットフィルタ22を第2の位置に移動させて、スルー画像に赤外光の波長領域の画像も表示されるようにする。次に、ステップ106で、発光情報を赤外光発光装置50へ送信する。ビデオカメラ10から発光情報が送信されると、赤外光発光装置50側で、後述する発光処理が実行される。
【0039】
次に、ステップ108で、赤外光発光装置50が発光する赤外光を検出したか否かを判断する。この判断は、信号処理部28から出力されたデジタル画像データの各画素の輝度値が所定値以上か否か、または隣接する所定個の画素からなる画素群に含まれる画素の輝度値の平均値が所定値以上か否かを判断することにより行う。さらに順次取得されるデジタル画像データの数フレーム分を参照して、輝度値の高い画素部分が点滅していることが確認される場合に、赤外光を検出したと判断するようにしてもよい。赤外光が検出された場合には、ステップ110へ進み、検出されない場合には、ビデオカメラ10のアングルが変わったり、被写体自体が移動して撮影領域内に入ったりすることにより、取得されるデジタル画像データから赤外光が検出されるまで本ステップの判断を繰り返す。
【0040】
ステップ110で、検出された赤外光の発光パターンを識別する。まず、検出された赤外光を、開始信号を示す発光が確認されるまで数フレーム分追跡し、開始信号が終了した次のフレームから識別情報を示す信号分のフレームを更に追跡して、発光パターンを識別する。なお、検出された赤外光の追跡は、フレーム間の差分情報や動きベクトルを用いた周知の技術を用いる。
【0041】
次に、ステップ112で、識別した発光パターンが示す識別情報が、予めROM34等に記憶した識別情報と一致するか否かを判断する。一致する場合には、ステップ114へ進み、一致しない場合には、ステップ108に戻って、引き続き赤外光の検出を行う。撮影された画像に複数の赤外光が存在する場合は、順次検出される赤外光の発光パターンを識別し、識別情報が一致する赤外光が検出されるまでステップ108〜ステップ112の処理を繰り返す。
【0042】
ステップ114で、検出された赤外光の発光パターンが示す識別情報が一致した画素または画素群の位置に、特定の被写体が存在することを示す表示を撮影された画像に重畳してLCD18に表示する。特定の被写体が存在することを示す表示は、矢印マークを表示したり、該当箇所を丸枠や四角枠などの枠で囲んだり、該当箇所の色味を変更したりすることにより行う。例えば、図6に示すように、赤外光発光装置50を取り付けた被写体が多数撮影されている場合でも、発光パターンが示す識別情報が一致する赤外光の部分には矢印マーク72が表示されるため、特定の被写体70の探索が容易となる。
【0043】
次に、ステップ116で、録画ボタン14が押下されたか否かを判断する。押下された場合には、ステップ118へ進み、押下されない場合には、本ステップの判断を繰り返す。なお、この間、赤外光の追跡、及び特定の被写体が存在することを示す表示の重畳表示を継続する。
【0044】
ステップ118で、赤外光カットフィルタ22を第1の位置へ移動させることにより、CCD24に入射される赤外光をカットする。次に、ステップ120で、録画ボタン14が押下されている間に取得されたデジタル画像データをメモリ38に記憶する。
【0045】
次に、ステップ122で、録画ボタン14の押下が解放されたか否かを判断する。解放された場合には、ステップ124へ進み、スルー画像を表示させた状態で、デジタル画像データのメモリ38への記憶を終了する。解放されない場合には、本ステップの判断を繰り返すと共に、デジタル画像データのメモリ38への記憶を継続する。なお、ここでは、録画ボタン14が押下されている間、デジタル画像データをメモリ38へ記憶(録画)することとしているが、録画ボタン14を1度押下することで録画を開始し、録画中に再度録画ボタン14を押下することで録画を停止するようにしてもよい。
【0046】
次に、ステップ126で、撮影モードを終了するか否かを判断する。ビデオカメラ10の電源がオフされたり、モード選択ボタン16が操作されて再生モードに切り替えられたりした場合には、撮影モードを終了する。終了しない場合には、ステップ102へ戻る。終了する場合には、ステップ128へ進んで、赤外光発光装置50へ処理を終了することを通知する終了信号を送信して、電源をオフする処理または再生モードへ移行する処理を行って、終了する。
【0047】
次に、図7を参照して、第1の実施の形態の撮影システム1の赤外光発光装置50における発光処理ルーチンについて説明する。本ルーチンは、ROM54に記憶された発光プログラムをCPU52が実行することにより行う。
【0048】
ステップ200で、ビデオカメラ10から発光情報を受信したか否かを判断する。受信した場合には、ステップ202へ進み、受信しない場合には、本ステップの判断を繰り返す。
【0049】
ステップ202で、受信した発光情報をROM54等に記憶し、発光情報に含まれる時間情報を赤外光発光装置50の時間情報として設定して、ビデオカメラ10との同期をとる。また、発光情報に含まれるフレーム周期情報に基づいて、LED62の発光間隔を設定する。例えば、図8に示すように、フレーム周期が60フレーム/1秒(撮影間隔1/60秒)、及び発光間隔1/120秒の場合では、LED62の発光のONとOFFとが切り替えられている1コマ目及び3コマ目も、実際に撮影された画像では常時点灯しているように見え、発光パターンを識別することができない。そこで、例えば、フレーム周期情報に基づいて、撮影間隔が1/60秒の場合には、発光間隔も1/60秒とする。なお、発光間隔と撮影間隔とは同一でなくても、発光間隔が撮影間隔の整数倍であればよい。
【0050】
次に、ステップ204で、LED62を発光させるタイミングとなったか否かを判断する。例えば、図9に示すように、発光開始タイミングがずれると、消灯している時間があるにもかかわらず、実際に撮影された画像では常時点灯しているように見え、発光パターンを識別することができない。そこで、設定した時間情報、及びフレーム周期情報とから得られる1フレーム毎の撮影タイミングに同期させて発光を開始する必要がある。発光開始タイミングとなった場合には、ステップ206へ進み、発光情報に含まれる発光パターンに従って、LED62の発光を開始する。発光タイミングではない場合には、発光タイミングとなるまで本ステップの判断を繰り返す。
【0051】
次に、ステップ208で、ビデオカメラ10から終了信号を受信したか否かを判断する。受信しない場合には、本ステップの判断を繰り返すと共に、繰り返し発光パターンに従ったLED62の発光を継続する。受信した場合には、ステップ210へ進んで、LED62の発光を停止して、処理を終了する。
【0052】
以上説明したように、第1の実施の形態の撮影システムによれば、特定の被写体に取り付けられた赤外光発光装置を予め定めた識別情報を示す発光パターンに従って発光させ、特定の被写体を探索する際には、赤外光カットフィルタを第2の位置へ移動させて、取得される画像データに赤外光も含まれるようにすることで、撮影された画像から赤外光発光装置が発光する赤外光を検出し、その発光パターンを識別することで、赤外光発光装置を取り付けた被写体が多く存在する場合でも、容易に特定の被写体を探索することができる。また、録画ボタンを押下することにより、赤外光カットフィルタが第1の位置へ移動して、赤外光をカットするため、赤外光の影響がない画像データをメモリに記憶することができる。
【0053】
次に、第2の実施の形態の撮影システム2について説明する。第2の実施の形態は、赤外光発光装置を取り付けた部位をパターン認識することにより、特定の被写体を識別する点が第1の実施の形態と異なっている。なお、第1の実施の形態の撮影システム1と同一の構成及び処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
第2の実施の形態では、動作モードとして、取付部位記憶モードが用意されており、撮影処理を開始する前に、予め赤外光発光装置50を取り付けた特定の被写体70を撮影して、記憶しておく。取付部位記憶モードにおいて、録画ボタン14は、静止画像撮影用のシャッタボタンとして機能する。
【0055】
図10を参照して、第2の実施の形態の撮影システム2のビデオカメラ10における取付部位記憶処理ルーチンについて説明する。本ルーチンは、モード選択ボタン16が操作されて取付部位記憶モードが選択された場合に、ROM34に記憶された取付部位記憶プログラムをCPU32が実行することにより開始する。
【0056】
ステップ300で、信号処理部28から出力されたデジタル画像データに基づく画像をLCD18にスルー画像として表示する。本実施の形態のビデオカメラ10では、1秒間に60フレームを撮影可能で、撮影された1フレーム毎の画像をLCD18に順次表示することにより、動画像であるスルー画像を表示することができる。
【0057】
次に、ステップ302で、サーチボタン12が押下されたか否かを判断する。押下された場合には、ステップ304へ進み、押下されない場合には、押下されるまで本ステップの判断を繰り返す。
【0058】
ステップ304で、赤外光カットフィルタ22を第2の位置に移動させて、スルー画像に赤外光の波長領域の画像も表示されるようにする。次に、ステップ306で、赤外光の発光を指示する発光指示信号を赤外光発光装置50へ送信する。ビデオカメラ10から発光指示信号が送信されると、赤外光発光装置50側では、LED62を発光させる。
【0059】
次に、ステップ308で、赤外光発光装置50が発光する赤外光を検出したか否かを判断する。赤外光が検出された場合には、ステップ310へ進み、検出されない場合には、取得されるデジタル画像データから赤外光が検出されるまで本ステップの判断を繰り返す。
【0060】
ステップ310で、撮影された画像上で検出された赤外光の位置に、特定の被写体70が存在することを示す表示を重畳してLCD18に表示する。特定の被写体70が存在することを示す表示としては、矢印マークを表示したり、該当箇所を丸枠や四角枠などの枠で囲んだり、該当箇所の色味を変更したりすることができる。
【0061】
次に、ステップ312で、録画ボタン14が押下されたか否かを判断する。押下された場合には、ステップ314へ進み、押下されない場合には、本ステップの判断を繰り返す。この間、検出された赤外光を追跡し、特定の被写体が存在することを示す表示を重畳表示する処理を継続する。次に、ステップ314で、録画ボタン14が押下された際に取得されたデジタル画像データをROM34に静止画像として記憶し、処理を終了する。
【0062】
なお、上記では、赤外光発光装置50を取り付けた特定の被写体70の画像を1フレーム分記憶する場合について説明したが、正面、左右側面、背面等複数の画像を記憶するようにしてもよい。
【0063】
次に、図11を参照して、第2の実施の形態の撮影システム2のビデオカメラ10における撮影処理ルーチンについて説明する。本ルーチンは、モード選択ボタン16が操作されて撮影モードが選択された場合に、ROM34に記憶された撮影プログラムをCPU32が実行することにより開始する。
【0064】
ステップ100で、LCD18にスルー画像を表示し、次に、ステップ102で、サーチボタン12が押下されたか否かを判断する。押下された場合には、ステップ104へ進んで、赤外光カットフィルタ22を第2の位置に移動させ、押下されない場合には、押下されるまで本ステップの判断を繰り返す。
【0065】
次に、ステップ400で、赤外光の発光を指示する発光指示信号を赤外光発光装置50へ送信する。ビデオカメラ10から発光指示信号が送信されると、赤外光発光装置50側では、LED62を発光させる。
【0066】
次に、ステップ108で、赤外光発光装置50が発光する赤外光を検出したか否かを判断する。この判断は、信号処理部28から出力されたデジタル画像データの各画素の輝度値が所定値以上か否か、または隣接する所定個の画素からなる画素群に含まれる画素の輝度値の平均値が所定値以上か否かを判断することにより行う。赤外光が検出された場合には、ステップ402へ進み、検出されない場合には、ビデオカメラ10のアングルが変わったり、被写体自体が移動して撮影領域内に入ったりすることにより、取得されるデジタル画像データから赤外光が検出されるまで本ステップの判断を繰り返す。
【0067】
ステップ402で、検出された赤外光に基づいて、赤外光発光装置50が取り付けられている被写体の形状を画像認識技術により認識し、被写体のどの部位に赤外光発光装置50が取り付けられているかを識別する。
【0068】
次に、ステップ404で、上記ステップ402で被写体の形状を認識した際の画像と取付部位記憶処理(図10)でROM34に記憶した画像とをパターンマッチング等の手法により比較し、識別された赤外光発光装置50の取付部位が、取付部位記憶処理でROM34に記憶した画像から識別される取付部位と一致するか否かを判断する。一致する場合には、ステップ114へ進み、一致しない場合には、ステップ108に戻って、引き続き赤外光の検出を行う。撮影された画像に複数の赤外光が存在する場合は、順次検出される赤外光について取付部位を識別し、取付部位が一致する赤外光が検出されるまでステップ108、ステップ402、及びステップ404の処理を繰り返す。以下、第1の実施の形態と同様に、ステップ114〜ステップ128の処理を行う。
【0069】
以上説明したように、第2の実施の形態の撮影システムによれば、赤外光発光装置を取り付けた特定の被写体の画像を予め記憶しておき、特定の被写体を探索する際には、赤外光カットフィルタを第2の位置へ移動させて、取得される画像データに赤外光も含まれるようにすることで、撮影された画像から赤外光発光装置が発光する赤外光を検出し、赤外光発光装置の被写体に対する取付部位を識別して、予め記憶しておいた取付部位と一致する場合に、特定の被写体であると判断することで、赤外光発光装置を取り付けた被写体が多く存在する場合でも、取付部位を工夫することにより容易に特定の被写体を探索することができる。また、録画ボタンを押下することにより、赤外光カットフィルタが第1の位置へ移動して、赤外光をカットするため、赤外光の影響がない画像データをメモリに記憶することができる。
【0070】
なお、第2の実施の形態では、取付部位記憶処理で、特定の被写体に赤外光発光装置を取り付けたときの画像を記憶する場合について説明したが、取付部位記憶処理で撮影した画像から赤外光発光装置が取り付けられた被写体の形状を画像認識して、予め被写体の形状と部位名とを対応付けて記憶したテーブル等を参照して、識別された取付部位の部位名を記憶しておくようにしてもよい。この場合、撮影処理においても、上記テーブル等を参照して、識別した取付部位の部位名を取得し、予め記憶しておいた部位名と一致するか否かを判断するようにしてもよい。これにより、取付部位を記憶するためのメモリ容量を削減することができる。
【0071】
また、取付部位が一致するか否かで判別することに加え、第1の実施の形態のように、赤外光発光装置を発光パターンに従って発光させ、発光パターンから識別される識別情報もあわせて利用するようにしてもよい。これにより、特定の被写体の識別精度が向上する。
【0072】
次に、第3の実施の形態の撮影システムについて説明する。第3の実施の形態は、ビデオカメラと赤外光発光装置との同期をとるために、同期補正の処理を行う点が第1の実施の形態と異なっている。なお、第1の実施の形態の撮影システム1と同一の構成及び処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
第3の実施の形態の撮影システム3のビデオカメラ510は、図12に示すように、第1の実施の形態の撮影システム1のビデオカメラ10の構成に加えて、CCD24とは別に、赤外光を受光する赤外光受光部74を備えている。
【0074】
第3の実施の形態の撮影システム3においても、第1の実施の形態の場合と同様に、ビデオカメラ510から赤外光発光装置50へ時間情報及びフレーム周期情報を送信し、赤外光発光装置50側で、時間情報及びフレーム周期情報に基づいて発光間隔を設定して、ビデオカメラ10との同期をとる。しかし、上記のように同期をとったとしても、ビデオカメラ510及び赤外光発光装置50の内部時計や回路部品の個体差によって、動作タイミングの遅れやずれが生じる場合がある。
【0075】
そこで、第3の実施の形態では、赤外光受光部74で赤外光を受光したときの情報と赤外光が検出された画像の情報とに基づいて補正を行う。
【0076】
図13を参照して、第3の実施の形態の撮影システム3のビデオカメラ510における同期補正処理ルーチンについて説明する。本ルーチンは、第1の実施の形態の撮影処理(図5)のステップ102で、サーチボタン12が押下された後、かつ赤外光発光装置50へ発光情報を送信する前に、ROM34に記憶された同期補正プログラムをCPU32が実行することにより開始する。また、同期補正処理のメニューを設けて、このメニューを選択することにより撮影処理とは別処理として実行するようにしてもよい。
【0077】
ステップ600で、赤外光発光装置50へ、同期補正用発光情報を送信する。同期補正用発光情報は、発光パターンを除いて第1の実施の形態の撮影処理時の発光情報と同様である。同期補正情報の発光パターンは、例えば、ビデオカメラ510の撮影間隔と赤外光発光装置50の発光間隔とが同じ場合で、撮影される画像の3フレーム分に対応させた同期補正信号「1−1−1」とすることができる。この同期補正信号に対応して、発光間隔の3間隔分LED62を発光させることで、同期補正信号を示す発光パターンで発光させることができる。
【0078】
次に、ステップ602で、赤外光発光装置50が発光する赤外光を赤外光受光部74で受光したか否か、及び信号処理部28から出力されたデジタル画像データから赤外光が検出されたか否かを判断する。肯定される場合には、ステップ604へ進み、赤外光受光部で赤外光を受光した受光時間t1をカウントする。否定される場合には、赤外光が受光及び検出されるまで本ステップの判断を繰り返す。
【0079】
次に、ステップ606で、誤差T1を算出する。誤差T1は、上記ステップ604でカウントした受光時間t1と、同期補正信号に対応したフレーム数にフレーム周期に基づいて定まる撮影間隔を乗算した値との差とする。例えば、フレーム周期が60フレーム/1秒の場合には、撮影間隔は1フレーム0.16秒となり、上記の例のように同期補正信号を3フレーム分に対応させた場合には、0.16秒×3フレーム=0.48秒と受光時間t1との差が誤差T1となる。
【0080】
次に、ステップ608で、誤差T2を算出する。誤差T2は、赤外光受光部74で赤外光を受光開始した時刻と、赤外光が検出されたデジタル画像データの1コマ目のフレームの撮影開始時刻との差とする。
【0081】
次に、ステップ610で、誤差T1及びT2のいずれもが”0”であるか否かを判断する。誤差T1及びT2のいずれも生じていない場合には、図14(A)に示すように、同期補正信号に対応した3フレーム分の画像から赤外光が検出され、ビデオカメラ510と赤外光発光装置50との同期はとれているため、補正の必要はない。誤差T1が生じている場合、例えば、赤外光発光装置50の発光間隔がビデオカメラ510の撮影間隔よりも長い場合には、同図(B)に示すように、赤外光が検出されないはずの4コマ目のフレームからも赤外光が検出されてしまい、ビデオカメラ510と赤外光発光装置50との同期がとれていないため、補正の必要がある。赤外光発光装置50の発光間隔がビデオカメラ510の撮影間隔よりも短い場合には、赤外光が検出されるはずの3コマ目のフレームから赤外光が検出されない場合があり、同様に補正の必要がある。また、誤差T2が生じている場合には、同図(C)に示すように、赤外光が検出されないはずの4コマ目のフレームからも赤外光が検出されてしまい、ビデオカメラ510と赤外光発光装置50との同期がとれていないため、補正の必要がある。
【0082】
誤差T1及びT2のいずれか一方、または両方が生じている場合には、ステップ612へ進み、赤外光発光装置50へ、誤差T1及びT2のいずれか一方、または両方の情報を送信して、ステップ602へ戻る。誤差T1及びT2のいずれか一方、または両方の情報を受信した赤外光発光装置50では、後述する同期補正処理を行って、再度同期補正信号を発光する。以降ステップ602〜ステップ610の処理を繰り返して、ステップ610で、誤差T1及びT2のいずれも生じていないと判断された場合には、ステップ614へ進み、赤外光発光装置50へ、同期補正処理が終了したことを示す同期補正処理終了信号を送信して、処理を終了する。
【0083】
次に、図15を参照して、第3の実施の形態の撮影システム3の赤外光発光装置50における同期補正処理ルーチンについて説明する。本ルーチンは、ROM54に記憶された発光プログラムをCPU52が実行することにより行う。
【0084】
ステップ700で、ビデオカメラ510から同期補正用発光情報を受信したか否かを判断する。受信した場合には、ステップ702へ進み、受信しない場合には、本ステップの判断を繰り返す。
【0085】
ステップ702で、受信した同期補正用発光情報をROM54等に記憶し、同期補正用発光情報に含まれる時間情報を赤外光発光装置50の時間情報として設定して、ビデオカメラ510との同期をとる。また、同期補正用発光情報に含まれるフレーム周期情報に基づいて、LED62の発光間隔を設定する。そして、設定した発光間隔で、同期補正信号を示す発光パターンに従ってLED62を発光させる。
【0086】
次に、ステップ704で、ビデオカメラ510から誤差T1及びT2のいずれか一方、または両方の情報を受信したか否かを判断する。受信した場合には、ステップ708へ進み、誤差T1を受信した場合には、誤差T1に基づいて発光間隔を補正する。図14(B)の例の場合、3フレーム分で誤差T1が生じているので、発光間隔をT1/3秒短くするように補正する。また、誤差T2を受信した場合には、誤差T2に基づいて、時間情報の補正パラメータを設定する。具体的には、発光処理において、ビデオカメラ510から受信した発光情報に含まれる時間情報を設定し、この時間情報に基づいて発光開始する際に、設定した時間情報よりもT2秒早く動作するように補正パラメータを設定する。これらの補正が終了したら、ステップ702へ戻って、補正した状態で再度同期補正信号を発光させる。
【0087】
誤差T1及びT2のいずれの情報も受信しない場合には、ステップ706へ進んで、ビデオカメラ510から同期補正処理終了信号を受信したか否かを判断する。受信しない場合は、ステップ704へ戻り、受信した場合は、処理を終了する。
【0088】
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、ビデオカメラに赤外光受光部を設けることにより、ビデオカメラ及び赤外光発光装置の個体差による同期のズレを補正して、撮影した画像から正確に赤外光を検出及び識別することができる。
【0089】
なお、第3の実施の形態では、同期補正情報の発光パターンを、撮影される画像の3フレーム分に対応させた同期補正信号を示す発光パターンとした場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、2フレーム分としたり、4フレーム以上のフレーム数分としたりすることができる。また、1フレーム分に対応させた同期補正信号とした場合には、赤外光発光装置の発光間隔にランダムに誤差が生じている場合(例えば、発光間隔が0.16秒→0.15秒→0.17秒のような場合)にも、正確に同期誤差を検出及び補正することができる。
【0090】
また、上記第1〜第3の実施の形態では、撮影した画像、及び特定の被写体の位置を示す表示をLCDに表示する場合について説明したが、ファインダに表示するようにしてもよい。
【0091】
また、赤外光発光装置が発光する赤外光を指向性を有する赤外光とすることができる。これにより、対象領域に赤外光発光装置を取り付けた被写体が大勢いる場合でも、ビデオカメラで撮影される画像から検出される赤外光を制限することができるため、特定の被写体の識別がより容易になる。
【0092】
また、上記第1〜第3の実施の形態では、録画ボタンを押下することにより録画を開始する場合について説明したが、特定の被写体を識別できた時点で録画を開始するようにしてもよい。なお、この場合も録画ボタンが押下された場合と同様に、撮影された画像データをメモリへ記録する処理へ移行する前に赤外光カットフィルタを第1の位置へ移動させるようにする。
【符号の説明】
【0093】
1、2、3 撮影システム
10、510 ビデオカメラ
12 サーチボタン
14 録画ボタン
16 モード選択ボタン
22 赤外光カットフィルタ
24 CCD
30 駆動部
38 メモリ
40 通信部
50 赤外光発光装置
70 特定の被写体
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置、撮影システム、及び撮影プログラムに係り、特定の被写体を撮影するための撮影装置、撮影システム、及び撮影プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、識別が困難な多くの被写体の中から特定の被写体を探索して撮影する際に、被写体に赤外光発光装置等を携帯させ、この赤外光発光装置が発光する赤外光を受光手段により受光して、被写体の位置を特定して撮影することが行われている。
【0003】
例えば、特定の被写体に赤外光発信器を取り付け、ビデオカメラに撮影部とは別に赤外光発信器からの赤外光を受光するセンサ部を設け、センサ部で受光した信号から被写体の位置を検出して位置検出出力信号を出力して、この位置検出出力信号を画像信号に変換して、撮影部で撮影した画像と合成してファインダに表示することにより、特定被写体の位置を撮影者に報知する撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、マイクロホンに取り付けたLEDの光をカメラによって撮像して得られる画像から、光の位置である発光位置、すなわちマイクロホンの位置を検出するテレビ会議装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)
【0005】
また、撮像光学系を介して入射される撮像光による画像を固体イメージセンサにより撮像する固体撮像装置において、撮像光の光路に対して出し入れ自在に赤外光カットフィルタを設けて、入射光の光量に応じて赤外光カットフィルタの出し入れを制御する固体撮像装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−74504号公報
【特許文献2】特開2008−259000号公報
【特許文献3】特開平6−141247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1記載の撮像装置では、赤外光発信器の発光を受光するために撮影部とは別にセンサ部を設ける必要があるため、装置構成が複雑となり、さらに、センサ部で受光した信号から検出した発光位置を、撮影部で撮影した画像信号に合成する必要があり、処理も煩雑となる、という問題がある。
【0008】
また、上記特許文献2記載のテレビ会議装置では、撮影した画像から発光位置を検出しているが、撮影した画像を記憶手段へ記憶することが考慮されておらず、記憶手段へ記憶された画像にLEDの光が映り込んでしまう、という問題がある。
【0009】
また、上記特許文献3記載の固体撮像装置では、赤外光カットフィルタの移動を制御することにより、赤外光をカットした画像、及び赤外光をカットしない画像を撮影することができるが、赤外光カットフィルタの移動を入射光の光量により制御しているため、特定の被写体をファインダ等でとらえる際、または録画の際において、赤外光カットフィルタの移動を制御することは考慮されておらず、赤外光発光手段を取り付けた被写体を撮影し、撮影した画像を記憶手段に記憶する場合には、特許文献2記載の技術同様、赤外光発光手段の光が映り込んでしまう、という問題がある。
【0010】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、記憶手段に記憶される画像に影響を与えることなく、多くの被写体の中から特定の被写体を探索することができる撮影装置、撮影システム、及び撮影プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の撮影装置は、可視光及び赤外光に感度を有する撮像素子を備え、赤外光を発光する発光手段を取り付けた特定の被写体を含む対象領域を撮影する撮影手段と、前記撮影手段で撮影された画像を表示する表示手段と、前記撮像素子に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する第1の位置と、前記撮像素子に可視光及び赤外光を入射させる第2の位置とで移動可能に設けられた赤外光カットフィルタと、前記撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶することなく前記表示手段に表示させる際には、前記第2の位置に前記赤外光カットフィルタを移動させ、前記撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶する際には、前記第1の位置に前記赤外光カットフィルタを移動させるように制御する制御手段とを含んで構成されている。
【0012】
また、本発明の撮影プログラムは、コンピュータを、可視光及び赤外光に感度を有する撮像素子を備え、赤外光を発光する発光手段を取り付けた特定の被写体を含む対象領域を撮影する撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶することなく表示手段に表示させる際には、前記撮像素子に可視光及び赤外光を入射させる第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させ、前記撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶する際には、前記撮像素子に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する第1の位置に前記赤外光カットフィルタを移動させるように制御する制御手段として機能させるためのプログラムである。
【0013】
本発明の撮影装置及びプログラムによれば、可視光及び赤外光に感度を有する撮像素子を備えた撮影手段が、赤外光を発光する発光手段を取り付けた特定の被写体を含む対象領域を撮影し、表示手段が、撮影手段で撮影された画像を表示する。また、赤外光カットフィルタが、撮像素子に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する第1の位置と、撮像素子に可視光及び赤外光を入射させる第2の位置とで移動可能に設けられており、制御手段が、撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶することなく表示手段に表示させる際には、第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させ、撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶する際には、第1の位置に赤外光カットフィルタを移動させるように制御する。
【0014】
このように、撮影された画像を記憶手段に記憶することなく表示手段に表示する際には、赤外光カットフィルタを第2の位置に移動して、撮像素子に可視光及び赤外光が入射されるため、表示手段に表示される画像には、特定の被写体に取り付けられた発光手段が発光する赤外光も含まれる。また、撮影された画像を記憶手段に記憶する際には、赤外光カットフィルタを第1の位置に移動して、撮像素子に可視光が入射され、かつ赤外光が遮光されるため、記憶手段に記憶される画像には、赤外光が含まれない。従って、記憶手段に記憶される画像に影響を与えることなく、多くの被写体の中から特定の被写体を探索することができる。
【0015】
また、本発明の撮影装置は、前記制御手段により前記第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させた状態で前記撮影手段により撮影された画像から、識別情報を示す発光パターンで発光する前記発光手段を検出し、検出された前記発光手段の発光パターンが示す前記識別情報を識別する識別手段と、前記識別手段で識別された識別情報と予め定めた識別情報とが一致する場合に、前記識別手段で検出された発光手段の位置を示す表示を、前記撮影手段で撮影された画像に重畳して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段とを含んで構成することができる。
【0016】
また、本発明の撮影プログラムは、コンピュータを、可視光及び赤外光に感度を有する撮像素子を備え、赤外光を発光する発光手段を取り付けた特定の被写体を含む対象領域を撮影する撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶することなく表示手段に表示させる際には、前記撮像素子に可視光及び赤外光を入射させる第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させ、前記撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶する際には、前記撮像素子に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する第1の位置に前記赤外光カットフィルタを移動させるように制御する制御手段と、前記制御手段により前記第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させた状態で前記撮影手段により撮影された画像から、識別情報を示す発光パターンで発光する前記発光手段を検出し、検出された前記発光手段の発光パターンが示す前記識別情報を識別する識別手段と、前記識別手段で識別された識別情報と予め定めた識別情報とが一致する場合に、前記識別手段で検出された発光手段の位置を示す表示を、前記撮影手段で撮影された画像に重畳して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段として機能させるためのプログラムである。
【0017】
本発明の撮影装置及びプログラムによれば、識別手段が、制御手段により第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させた状態で撮影手段により撮影された画像から、識別情報を示す発光パターンで発光する発光手段を検出し、検出された発光手段の発光パターンが示す識別情報を識別し、表示制御手段が、識別手段で識別された識別情報と予め定めた識別情報とが一致する場合に、識別手段で検出された発光手段の位置を示す表示を、撮影手段で撮影された画像に重畳して表示手段に表示するように制御する。これにより、対象領域に複数の発光手段が存在する場合でも、発光手段の発光パターンが示す識別情報が予め定めた識別情報と一致するか否かによって、特定の被写体を容易に識別することができる。
【0018】
また、本発明の撮影装置は、前記制御手段により前記第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させた状態で前記撮影手段により撮影された画像から前記発光手段を検出し、検出された前記発光手段、及び該発光手段が取り付けられた被写体の形状を認識し、認識した形状から前記発光手段が前記被写体に取り付けられた部位を識別する識別手段と、前記識別手段で識別された部位と予め記憶しておいた部位とが一致する場合に、前記識別手段で検出された発光手段の位置を示す表示を、前記撮影手段で撮影された画像に重畳して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段とを含んで構成することができる。
【0019】
また、本発明の撮影プログラムは、コンピュータを、可視光及び赤外光に感度を有する撮像素子を備え、赤外光を発光する発光手段を取り付けた特定の被写体を含む対象領域を撮影する撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶することなく表示手段に表示させる際には、前記撮像素子に可視光及び赤外光を入射させる第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させ、前記撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶する際には、前記撮像素子に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する第1の位置に前記赤外光カットフィルタを移動させるように制御する制御手段と、前記制御手段により前記第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させた状態で前記撮影手段により撮影された画像から前記発光手段を検出し、検出された前記発光手段、及び該発光手段が取り付けられた被写体の形状を認識し、認識した形状から前記発光手段が前記被写体に取り付けられた部位を識別する識別手段と、前記識別手段で識別された部位と予め記憶しておいた部位とが一致する場合に、前記識別手段で検出された発光手段の位置を示す表示を、前記撮影手段で撮影された画像に重畳して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段として機能させるためのプログラムである。
【0020】
本発明の撮影装置及びプログラムによれば、識別手段が、制御手段により第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させた状態で撮影手段により撮影された画像から発光手段を検出し、検出された発光手段、及び該発光手段が取り付けられた被写体の形状を認識し、認識した形状から発光手段が被写体に取り付けられた部位を識別し、表示制御手段が、識別手段で識別された部位と予め記憶しておいた部位とが一致する場合に、識別手段で検出された発光手段の位置を示す表示を、撮影手段で撮影された画像に重畳して表示手段に表示するように制御する。これにより、対象領域に複数の発光手段が存在する場合でも、予め記憶しておいた特定の被写体に対する発光手段の取付部位と撮影された画像から識別された取付部位とが一致するか否かによって、特定の被写体を容易に識別することができる。
【0021】
また、本発明の撮影システムは、特定の被写体に取り付けられ、赤外光を発光する発光手段と、上記の撮影装置とを含んで構成されている。また、前記発光手段は、識別情報を示す発光パターンで発光するように構成することができる。これにより、対象領域に複数の発光手段が存在する場合でも、発光手段の発光パターンが示す識別情報が予め定めた識別情報と一致するか否かによって、特定の被写体を容易に識別することができる。また、前記発光手段により発光される赤外光は指向性を有するようにすることができる。これにより、対象領域に複数の発光手段が存在する場合でも、撮影手段で撮影される発光手段を制限することができ、特定の被写体の識別がより容易になる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明の撮影装置、撮影システム、及び撮影プログラムによれば、記憶手段に記憶される画像に影響を与えることなく、多くの被写体の中から特定の被写体を探索することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施の形態の撮影システムの概略を示す斜視図である。
【図2】第1及び第2の実施の形態のビデオカメラの概略を示すブロック図である。
【図3】第1〜第3の実施の形態の赤外光発光装置の概略を示すブロック図である。
【図4】発光パターンを説明するための図である。
【図5】第1の実施の形態の撮影システムのビデオカメラにおける撮影処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】特定の被写体の位置を示す表示の一例である。
【図7】第1の実施の形態の撮影システムの赤外光発光装置における発光処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】ビデオカメラの撮影間隔と赤外光発光装置の発光間隔とが異なる場合について説明するための図である。
【図9】ビデオカメラの撮影タイミングと赤外光発光装置の発光タイミングとが異なる場合について説明するための図である。
【図10】第2の実施の形態の撮影システムのビデオカメラにおける取付部位記憶処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態の撮影システムのビデオカメラにおける撮影処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図12】第3の実施の形態のビデオカメラの概略を示すブロック図である。
【図13】第3の実施の形態の撮影システムのビデオカメラにおける同期補正処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図14】同期補正処理において、(A)誤差が生じていない場合、(B)誤差T1が生じている場合、及び(C)誤差T2が生じている場合を説明するための図である。
【図15】第3の実施の形態の撮影システムの赤外光発光装置における同期補正処理ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0025】
図1に示すように、第1の実施の形態に係る撮影システム1は、特定の被写体を含む対象領域を撮影するためのビデオカメラ10と、特定の被写体70に取り付けられ、赤外光を発光する赤外光発光装置50とで構成されている。
【0026】
ビデオカメラ10は、被写体像を結像させるためのレンズ20、撮影した画像やメニュー画面等を表示するための液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)18、赤外光発光装置50の発光を指示する際に押圧操作されるサーチボタン12、撮影した画像のメモリ38への記憶を指示する際に押圧操作される録画ボタン14、及びビデオカメラ10の動作モードを選択する際に回転操作されるモード選択ボタン16を備えている。
【0027】
また、ビデオカメラ10は、図2に示すように、レンズ20の光軸後方に配置され、可視光及び赤外光の波長領域に感度を有する電荷結合素子(CCD:Charge Coupled Devices)24、レンズ20とCCD24との間に、CCD24に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する位置(以下、「第1の位置」という)とCCD24に可視光及び赤外光を入射させる位置(以下、「第2の位置」という)とで移動可能に配置された赤外光カットフィルタ22を含んで構成されている。レンズ20により結像した被写体象は、CCD24でアナログ画像データに変換されて出力される。
【0028】
また、ビデオカメラ10は、ビデオカメラ10全体の制御を司るCPU32、後述する撮影処理プログラム等を記憶した記憶媒体としてのROM34、ワークエリアとしてデータを一時格納するRAM36、撮影した画像を示すデジタル画像データ等の各種情報を記憶するための記憶手段としてのメモリ38、駆動回路によりCCD24を駆動して、CCD24から出力されたアナログ画像データに所定のアナログ信号処理を施した後にデジタル画像データに変換し、変換されたデジタル画像データに所定のデジタル信号処理を施して出力する信号処理部28、赤外光カットフィルタ22を駆動させるための駆動部30、及び赤外光発光装置50との間で赤外光、FM波、Bluetooth等の手段により無線通信を行うための通信部40を含んで構成されており、これらはバス26を介して相互に接続されている。
【0029】
また、バス26には、サーチボタン12、録画ボタン14、モード選択ボタン16、及びLCD18も接続されており、サーチボタン12、録画ボタン14、及びモード選択ボタン16を操作することにより入力された信号に応じた処理や、撮影された画像をLCD18に表示する処理等がCPU32の制御により実行される。
【0030】
サーチボタン12が押下されると、通信部40を介して、赤外光発光装置50に後述する発光情報が送信される。
【0031】
モード選択ボタン16が回転操作されると、ビデオカメラ10の動作モードである撮影モード、及び再生モードが選択される。撮影モードでは、信号処理部28から出力されたデジタル画像データに基づく画像をLCD18にスルー画像として表示する。この際、赤外光カットフィルタ22は第2の位置にあり、LCD18には可視光及び赤外光の波長領域の画像が表示される。
【0032】
録画ボタン14が押下されると、押下されている間に信号処理部28から出力されたデジタル画像データをメモリ38へ記憶する。なお、デジタル画像データを記憶するための記憶手段は、ビデオカメラ10に内蔵されたメモリ38に限らず、外部メモリインターフェースを介して接続された可搬性メモリ等の外部メモリであってもよい。録画ボタン14が押下された際には、赤外光カットフィルタ22を第1の位置へ移動し、赤外光を遮光することにより、メモリ38へ記憶されるデジタル画像データに基づく画像に、赤外光発光装置50の光が映り込まないようにする。
【0033】
赤外光発光装置50は、図3に示すように、赤外光発光装置50全体の制御を司るCPU52、後述する発光処理プログラム等を記憶した記憶媒体としてのROM54、ワークエリアとしてデータを一時格納するRAM56、ビデオカメラ10から送信された発光情報等の各種情報を記憶するための記憶手段としてのメモリ58、ビデオカメラ10との間で赤外光、FM波、Bluetooth等の手段により無線通信を行うための通信部60、赤外光を発光するLED62、及びバッテリ64を含んで構成されており、これらはバス66を介して相互に接続されている。
【0034】
発光情報は、ビデオカメラ10と赤外光発光装置50とを1対1で対応付けるための識別情報に応じた発光パターン、ビデオカメラ10のフレーム周期(フレーム/1秒)情報、及びビデオカメラ10の撮影間隔と赤外光発光装置50の発光間隔とを同期させるための時間情報が含まれる。発光パターンは、開始信号、及び識別情報を示す信号を組み合わせたもので、例えば、図4に示すように、開始信号として、0.1秒間(フレーム周期60フレーム/1秒の場合の6フレーム分)継続点灯させることを示す信号「1−1−1−1−1−1」の後に、識別情報「20」を示す信号「0−0−0−1−0−1−0−0」を組み合わせた「1−1−1−1−1−1−0−0−0−1−0−1−0−0」とすることができる。この信号に対応して、「1」のときにはLED62を発光させ、「0」のときには消灯することで、識別情報を示す発光パターンで発光させることができる。赤外光発光装置50は、発光パターンを繰り返し発光する。なお、上記発光パターンは一例であり、LED62の点滅により識別情報を示す信号を表すことができるものであればよい。
【0035】
次に、図5を参照して、第1の実施の形態の撮影システム1のビデオカメラ10における撮影処理ルーチンについて説明する。本ルーチンは、モード選択ボタン16が操作されて撮影モードが選択された場合に、ROM34に記憶された撮影プログラムをCPU32が実行することにより開始する。
【0036】
ステップ100で、信号処理部28から出力されたデジタル画像データに基づく画像をLCD18にスルー画像として表示する。本実施の形態のビデオカメラ10では、1秒間に60フレームを撮影可能で、撮影された1フレーム毎の画像をLCD18に順次表示することにより、動画像であるスルー画像を表示することができる。
【0037】
次に、ステップ102で、サーチボタン12が押下されたか否かを判断する。押下された場合には、ステップ104へ進み、押下されない場合には、押下されるまで本ステップの判断を繰り返す。
【0038】
ステップ104で、赤外光カットフィルタ22を第2の位置に移動させて、スルー画像に赤外光の波長領域の画像も表示されるようにする。次に、ステップ106で、発光情報を赤外光発光装置50へ送信する。ビデオカメラ10から発光情報が送信されると、赤外光発光装置50側で、後述する発光処理が実行される。
【0039】
次に、ステップ108で、赤外光発光装置50が発光する赤外光を検出したか否かを判断する。この判断は、信号処理部28から出力されたデジタル画像データの各画素の輝度値が所定値以上か否か、または隣接する所定個の画素からなる画素群に含まれる画素の輝度値の平均値が所定値以上か否かを判断することにより行う。さらに順次取得されるデジタル画像データの数フレーム分を参照して、輝度値の高い画素部分が点滅していることが確認される場合に、赤外光を検出したと判断するようにしてもよい。赤外光が検出された場合には、ステップ110へ進み、検出されない場合には、ビデオカメラ10のアングルが変わったり、被写体自体が移動して撮影領域内に入ったりすることにより、取得されるデジタル画像データから赤外光が検出されるまで本ステップの判断を繰り返す。
【0040】
ステップ110で、検出された赤外光の発光パターンを識別する。まず、検出された赤外光を、開始信号を示す発光が確認されるまで数フレーム分追跡し、開始信号が終了した次のフレームから識別情報を示す信号分のフレームを更に追跡して、発光パターンを識別する。なお、検出された赤外光の追跡は、フレーム間の差分情報や動きベクトルを用いた周知の技術を用いる。
【0041】
次に、ステップ112で、識別した発光パターンが示す識別情報が、予めROM34等に記憶した識別情報と一致するか否かを判断する。一致する場合には、ステップ114へ進み、一致しない場合には、ステップ108に戻って、引き続き赤外光の検出を行う。撮影された画像に複数の赤外光が存在する場合は、順次検出される赤外光の発光パターンを識別し、識別情報が一致する赤外光が検出されるまでステップ108〜ステップ112の処理を繰り返す。
【0042】
ステップ114で、検出された赤外光の発光パターンが示す識別情報が一致した画素または画素群の位置に、特定の被写体が存在することを示す表示を撮影された画像に重畳してLCD18に表示する。特定の被写体が存在することを示す表示は、矢印マークを表示したり、該当箇所を丸枠や四角枠などの枠で囲んだり、該当箇所の色味を変更したりすることにより行う。例えば、図6に示すように、赤外光発光装置50を取り付けた被写体が多数撮影されている場合でも、発光パターンが示す識別情報が一致する赤外光の部分には矢印マーク72が表示されるため、特定の被写体70の探索が容易となる。
【0043】
次に、ステップ116で、録画ボタン14が押下されたか否かを判断する。押下された場合には、ステップ118へ進み、押下されない場合には、本ステップの判断を繰り返す。なお、この間、赤外光の追跡、及び特定の被写体が存在することを示す表示の重畳表示を継続する。
【0044】
ステップ118で、赤外光カットフィルタ22を第1の位置へ移動させることにより、CCD24に入射される赤外光をカットする。次に、ステップ120で、録画ボタン14が押下されている間に取得されたデジタル画像データをメモリ38に記憶する。
【0045】
次に、ステップ122で、録画ボタン14の押下が解放されたか否かを判断する。解放された場合には、ステップ124へ進み、スルー画像を表示させた状態で、デジタル画像データのメモリ38への記憶を終了する。解放されない場合には、本ステップの判断を繰り返すと共に、デジタル画像データのメモリ38への記憶を継続する。なお、ここでは、録画ボタン14が押下されている間、デジタル画像データをメモリ38へ記憶(録画)することとしているが、録画ボタン14を1度押下することで録画を開始し、録画中に再度録画ボタン14を押下することで録画を停止するようにしてもよい。
【0046】
次に、ステップ126で、撮影モードを終了するか否かを判断する。ビデオカメラ10の電源がオフされたり、モード選択ボタン16が操作されて再生モードに切り替えられたりした場合には、撮影モードを終了する。終了しない場合には、ステップ102へ戻る。終了する場合には、ステップ128へ進んで、赤外光発光装置50へ処理を終了することを通知する終了信号を送信して、電源をオフする処理または再生モードへ移行する処理を行って、終了する。
【0047】
次に、図7を参照して、第1の実施の形態の撮影システム1の赤外光発光装置50における発光処理ルーチンについて説明する。本ルーチンは、ROM54に記憶された発光プログラムをCPU52が実行することにより行う。
【0048】
ステップ200で、ビデオカメラ10から発光情報を受信したか否かを判断する。受信した場合には、ステップ202へ進み、受信しない場合には、本ステップの判断を繰り返す。
【0049】
ステップ202で、受信した発光情報をROM54等に記憶し、発光情報に含まれる時間情報を赤外光発光装置50の時間情報として設定して、ビデオカメラ10との同期をとる。また、発光情報に含まれるフレーム周期情報に基づいて、LED62の発光間隔を設定する。例えば、図8に示すように、フレーム周期が60フレーム/1秒(撮影間隔1/60秒)、及び発光間隔1/120秒の場合では、LED62の発光のONとOFFとが切り替えられている1コマ目及び3コマ目も、実際に撮影された画像では常時点灯しているように見え、発光パターンを識別することができない。そこで、例えば、フレーム周期情報に基づいて、撮影間隔が1/60秒の場合には、発光間隔も1/60秒とする。なお、発光間隔と撮影間隔とは同一でなくても、発光間隔が撮影間隔の整数倍であればよい。
【0050】
次に、ステップ204で、LED62を発光させるタイミングとなったか否かを判断する。例えば、図9に示すように、発光開始タイミングがずれると、消灯している時間があるにもかかわらず、実際に撮影された画像では常時点灯しているように見え、発光パターンを識別することができない。そこで、設定した時間情報、及びフレーム周期情報とから得られる1フレーム毎の撮影タイミングに同期させて発光を開始する必要がある。発光開始タイミングとなった場合には、ステップ206へ進み、発光情報に含まれる発光パターンに従って、LED62の発光を開始する。発光タイミングではない場合には、発光タイミングとなるまで本ステップの判断を繰り返す。
【0051】
次に、ステップ208で、ビデオカメラ10から終了信号を受信したか否かを判断する。受信しない場合には、本ステップの判断を繰り返すと共に、繰り返し発光パターンに従ったLED62の発光を継続する。受信した場合には、ステップ210へ進んで、LED62の発光を停止して、処理を終了する。
【0052】
以上説明したように、第1の実施の形態の撮影システムによれば、特定の被写体に取り付けられた赤外光発光装置を予め定めた識別情報を示す発光パターンに従って発光させ、特定の被写体を探索する際には、赤外光カットフィルタを第2の位置へ移動させて、取得される画像データに赤外光も含まれるようにすることで、撮影された画像から赤外光発光装置が発光する赤外光を検出し、その発光パターンを識別することで、赤外光発光装置を取り付けた被写体が多く存在する場合でも、容易に特定の被写体を探索することができる。また、録画ボタンを押下することにより、赤外光カットフィルタが第1の位置へ移動して、赤外光をカットするため、赤外光の影響がない画像データをメモリに記憶することができる。
【0053】
次に、第2の実施の形態の撮影システム2について説明する。第2の実施の形態は、赤外光発光装置を取り付けた部位をパターン認識することにより、特定の被写体を識別する点が第1の実施の形態と異なっている。なお、第1の実施の形態の撮影システム1と同一の構成及び処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
第2の実施の形態では、動作モードとして、取付部位記憶モードが用意されており、撮影処理を開始する前に、予め赤外光発光装置50を取り付けた特定の被写体70を撮影して、記憶しておく。取付部位記憶モードにおいて、録画ボタン14は、静止画像撮影用のシャッタボタンとして機能する。
【0055】
図10を参照して、第2の実施の形態の撮影システム2のビデオカメラ10における取付部位記憶処理ルーチンについて説明する。本ルーチンは、モード選択ボタン16が操作されて取付部位記憶モードが選択された場合に、ROM34に記憶された取付部位記憶プログラムをCPU32が実行することにより開始する。
【0056】
ステップ300で、信号処理部28から出力されたデジタル画像データに基づく画像をLCD18にスルー画像として表示する。本実施の形態のビデオカメラ10では、1秒間に60フレームを撮影可能で、撮影された1フレーム毎の画像をLCD18に順次表示することにより、動画像であるスルー画像を表示することができる。
【0057】
次に、ステップ302で、サーチボタン12が押下されたか否かを判断する。押下された場合には、ステップ304へ進み、押下されない場合には、押下されるまで本ステップの判断を繰り返す。
【0058】
ステップ304で、赤外光カットフィルタ22を第2の位置に移動させて、スルー画像に赤外光の波長領域の画像も表示されるようにする。次に、ステップ306で、赤外光の発光を指示する発光指示信号を赤外光発光装置50へ送信する。ビデオカメラ10から発光指示信号が送信されると、赤外光発光装置50側では、LED62を発光させる。
【0059】
次に、ステップ308で、赤外光発光装置50が発光する赤外光を検出したか否かを判断する。赤外光が検出された場合には、ステップ310へ進み、検出されない場合には、取得されるデジタル画像データから赤外光が検出されるまで本ステップの判断を繰り返す。
【0060】
ステップ310で、撮影された画像上で検出された赤外光の位置に、特定の被写体70が存在することを示す表示を重畳してLCD18に表示する。特定の被写体70が存在することを示す表示としては、矢印マークを表示したり、該当箇所を丸枠や四角枠などの枠で囲んだり、該当箇所の色味を変更したりすることができる。
【0061】
次に、ステップ312で、録画ボタン14が押下されたか否かを判断する。押下された場合には、ステップ314へ進み、押下されない場合には、本ステップの判断を繰り返す。この間、検出された赤外光を追跡し、特定の被写体が存在することを示す表示を重畳表示する処理を継続する。次に、ステップ314で、録画ボタン14が押下された際に取得されたデジタル画像データをROM34に静止画像として記憶し、処理を終了する。
【0062】
なお、上記では、赤外光発光装置50を取り付けた特定の被写体70の画像を1フレーム分記憶する場合について説明したが、正面、左右側面、背面等複数の画像を記憶するようにしてもよい。
【0063】
次に、図11を参照して、第2の実施の形態の撮影システム2のビデオカメラ10における撮影処理ルーチンについて説明する。本ルーチンは、モード選択ボタン16が操作されて撮影モードが選択された場合に、ROM34に記憶された撮影プログラムをCPU32が実行することにより開始する。
【0064】
ステップ100で、LCD18にスルー画像を表示し、次に、ステップ102で、サーチボタン12が押下されたか否かを判断する。押下された場合には、ステップ104へ進んで、赤外光カットフィルタ22を第2の位置に移動させ、押下されない場合には、押下されるまで本ステップの判断を繰り返す。
【0065】
次に、ステップ400で、赤外光の発光を指示する発光指示信号を赤外光発光装置50へ送信する。ビデオカメラ10から発光指示信号が送信されると、赤外光発光装置50側では、LED62を発光させる。
【0066】
次に、ステップ108で、赤外光発光装置50が発光する赤外光を検出したか否かを判断する。この判断は、信号処理部28から出力されたデジタル画像データの各画素の輝度値が所定値以上か否か、または隣接する所定個の画素からなる画素群に含まれる画素の輝度値の平均値が所定値以上か否かを判断することにより行う。赤外光が検出された場合には、ステップ402へ進み、検出されない場合には、ビデオカメラ10のアングルが変わったり、被写体自体が移動して撮影領域内に入ったりすることにより、取得されるデジタル画像データから赤外光が検出されるまで本ステップの判断を繰り返す。
【0067】
ステップ402で、検出された赤外光に基づいて、赤外光発光装置50が取り付けられている被写体の形状を画像認識技術により認識し、被写体のどの部位に赤外光発光装置50が取り付けられているかを識別する。
【0068】
次に、ステップ404で、上記ステップ402で被写体の形状を認識した際の画像と取付部位記憶処理(図10)でROM34に記憶した画像とをパターンマッチング等の手法により比較し、識別された赤外光発光装置50の取付部位が、取付部位記憶処理でROM34に記憶した画像から識別される取付部位と一致するか否かを判断する。一致する場合には、ステップ114へ進み、一致しない場合には、ステップ108に戻って、引き続き赤外光の検出を行う。撮影された画像に複数の赤外光が存在する場合は、順次検出される赤外光について取付部位を識別し、取付部位が一致する赤外光が検出されるまでステップ108、ステップ402、及びステップ404の処理を繰り返す。以下、第1の実施の形態と同様に、ステップ114〜ステップ128の処理を行う。
【0069】
以上説明したように、第2の実施の形態の撮影システムによれば、赤外光発光装置を取り付けた特定の被写体の画像を予め記憶しておき、特定の被写体を探索する際には、赤外光カットフィルタを第2の位置へ移動させて、取得される画像データに赤外光も含まれるようにすることで、撮影された画像から赤外光発光装置が発光する赤外光を検出し、赤外光発光装置の被写体に対する取付部位を識別して、予め記憶しておいた取付部位と一致する場合に、特定の被写体であると判断することで、赤外光発光装置を取り付けた被写体が多く存在する場合でも、取付部位を工夫することにより容易に特定の被写体を探索することができる。また、録画ボタンを押下することにより、赤外光カットフィルタが第1の位置へ移動して、赤外光をカットするため、赤外光の影響がない画像データをメモリに記憶することができる。
【0070】
なお、第2の実施の形態では、取付部位記憶処理で、特定の被写体に赤外光発光装置を取り付けたときの画像を記憶する場合について説明したが、取付部位記憶処理で撮影した画像から赤外光発光装置が取り付けられた被写体の形状を画像認識して、予め被写体の形状と部位名とを対応付けて記憶したテーブル等を参照して、識別された取付部位の部位名を記憶しておくようにしてもよい。この場合、撮影処理においても、上記テーブル等を参照して、識別した取付部位の部位名を取得し、予め記憶しておいた部位名と一致するか否かを判断するようにしてもよい。これにより、取付部位を記憶するためのメモリ容量を削減することができる。
【0071】
また、取付部位が一致するか否かで判別することに加え、第1の実施の形態のように、赤外光発光装置を発光パターンに従って発光させ、発光パターンから識別される識別情報もあわせて利用するようにしてもよい。これにより、特定の被写体の識別精度が向上する。
【0072】
次に、第3の実施の形態の撮影システムについて説明する。第3の実施の形態は、ビデオカメラと赤外光発光装置との同期をとるために、同期補正の処理を行う点が第1の実施の形態と異なっている。なお、第1の実施の形態の撮影システム1と同一の構成及び処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
第3の実施の形態の撮影システム3のビデオカメラ510は、図12に示すように、第1の実施の形態の撮影システム1のビデオカメラ10の構成に加えて、CCD24とは別に、赤外光を受光する赤外光受光部74を備えている。
【0074】
第3の実施の形態の撮影システム3においても、第1の実施の形態の場合と同様に、ビデオカメラ510から赤外光発光装置50へ時間情報及びフレーム周期情報を送信し、赤外光発光装置50側で、時間情報及びフレーム周期情報に基づいて発光間隔を設定して、ビデオカメラ10との同期をとる。しかし、上記のように同期をとったとしても、ビデオカメラ510及び赤外光発光装置50の内部時計や回路部品の個体差によって、動作タイミングの遅れやずれが生じる場合がある。
【0075】
そこで、第3の実施の形態では、赤外光受光部74で赤外光を受光したときの情報と赤外光が検出された画像の情報とに基づいて補正を行う。
【0076】
図13を参照して、第3の実施の形態の撮影システム3のビデオカメラ510における同期補正処理ルーチンについて説明する。本ルーチンは、第1の実施の形態の撮影処理(図5)のステップ102で、サーチボタン12が押下された後、かつ赤外光発光装置50へ発光情報を送信する前に、ROM34に記憶された同期補正プログラムをCPU32が実行することにより開始する。また、同期補正処理のメニューを設けて、このメニューを選択することにより撮影処理とは別処理として実行するようにしてもよい。
【0077】
ステップ600で、赤外光発光装置50へ、同期補正用発光情報を送信する。同期補正用発光情報は、発光パターンを除いて第1の実施の形態の撮影処理時の発光情報と同様である。同期補正情報の発光パターンは、例えば、ビデオカメラ510の撮影間隔と赤外光発光装置50の発光間隔とが同じ場合で、撮影される画像の3フレーム分に対応させた同期補正信号「1−1−1」とすることができる。この同期補正信号に対応して、発光間隔の3間隔分LED62を発光させることで、同期補正信号を示す発光パターンで発光させることができる。
【0078】
次に、ステップ602で、赤外光発光装置50が発光する赤外光を赤外光受光部74で受光したか否か、及び信号処理部28から出力されたデジタル画像データから赤外光が検出されたか否かを判断する。肯定される場合には、ステップ604へ進み、赤外光受光部で赤外光を受光した受光時間t1をカウントする。否定される場合には、赤外光が受光及び検出されるまで本ステップの判断を繰り返す。
【0079】
次に、ステップ606で、誤差T1を算出する。誤差T1は、上記ステップ604でカウントした受光時間t1と、同期補正信号に対応したフレーム数にフレーム周期に基づいて定まる撮影間隔を乗算した値との差とする。例えば、フレーム周期が60フレーム/1秒の場合には、撮影間隔は1フレーム0.16秒となり、上記の例のように同期補正信号を3フレーム分に対応させた場合には、0.16秒×3フレーム=0.48秒と受光時間t1との差が誤差T1となる。
【0080】
次に、ステップ608で、誤差T2を算出する。誤差T2は、赤外光受光部74で赤外光を受光開始した時刻と、赤外光が検出されたデジタル画像データの1コマ目のフレームの撮影開始時刻との差とする。
【0081】
次に、ステップ610で、誤差T1及びT2のいずれもが”0”であるか否かを判断する。誤差T1及びT2のいずれも生じていない場合には、図14(A)に示すように、同期補正信号に対応した3フレーム分の画像から赤外光が検出され、ビデオカメラ510と赤外光発光装置50との同期はとれているため、補正の必要はない。誤差T1が生じている場合、例えば、赤外光発光装置50の発光間隔がビデオカメラ510の撮影間隔よりも長い場合には、同図(B)に示すように、赤外光が検出されないはずの4コマ目のフレームからも赤外光が検出されてしまい、ビデオカメラ510と赤外光発光装置50との同期がとれていないため、補正の必要がある。赤外光発光装置50の発光間隔がビデオカメラ510の撮影間隔よりも短い場合には、赤外光が検出されるはずの3コマ目のフレームから赤外光が検出されない場合があり、同様に補正の必要がある。また、誤差T2が生じている場合には、同図(C)に示すように、赤外光が検出されないはずの4コマ目のフレームからも赤外光が検出されてしまい、ビデオカメラ510と赤外光発光装置50との同期がとれていないため、補正の必要がある。
【0082】
誤差T1及びT2のいずれか一方、または両方が生じている場合には、ステップ612へ進み、赤外光発光装置50へ、誤差T1及びT2のいずれか一方、または両方の情報を送信して、ステップ602へ戻る。誤差T1及びT2のいずれか一方、または両方の情報を受信した赤外光発光装置50では、後述する同期補正処理を行って、再度同期補正信号を発光する。以降ステップ602〜ステップ610の処理を繰り返して、ステップ610で、誤差T1及びT2のいずれも生じていないと判断された場合には、ステップ614へ進み、赤外光発光装置50へ、同期補正処理が終了したことを示す同期補正処理終了信号を送信して、処理を終了する。
【0083】
次に、図15を参照して、第3の実施の形態の撮影システム3の赤外光発光装置50における同期補正処理ルーチンについて説明する。本ルーチンは、ROM54に記憶された発光プログラムをCPU52が実行することにより行う。
【0084】
ステップ700で、ビデオカメラ510から同期補正用発光情報を受信したか否かを判断する。受信した場合には、ステップ702へ進み、受信しない場合には、本ステップの判断を繰り返す。
【0085】
ステップ702で、受信した同期補正用発光情報をROM54等に記憶し、同期補正用発光情報に含まれる時間情報を赤外光発光装置50の時間情報として設定して、ビデオカメラ510との同期をとる。また、同期補正用発光情報に含まれるフレーム周期情報に基づいて、LED62の発光間隔を設定する。そして、設定した発光間隔で、同期補正信号を示す発光パターンに従ってLED62を発光させる。
【0086】
次に、ステップ704で、ビデオカメラ510から誤差T1及びT2のいずれか一方、または両方の情報を受信したか否かを判断する。受信した場合には、ステップ708へ進み、誤差T1を受信した場合には、誤差T1に基づいて発光間隔を補正する。図14(B)の例の場合、3フレーム分で誤差T1が生じているので、発光間隔をT1/3秒短くするように補正する。また、誤差T2を受信した場合には、誤差T2に基づいて、時間情報の補正パラメータを設定する。具体的には、発光処理において、ビデオカメラ510から受信した発光情報に含まれる時間情報を設定し、この時間情報に基づいて発光開始する際に、設定した時間情報よりもT2秒早く動作するように補正パラメータを設定する。これらの補正が終了したら、ステップ702へ戻って、補正した状態で再度同期補正信号を発光させる。
【0087】
誤差T1及びT2のいずれの情報も受信しない場合には、ステップ706へ進んで、ビデオカメラ510から同期補正処理終了信号を受信したか否かを判断する。受信しない場合は、ステップ704へ戻り、受信した場合は、処理を終了する。
【0088】
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、ビデオカメラに赤外光受光部を設けることにより、ビデオカメラ及び赤外光発光装置の個体差による同期のズレを補正して、撮影した画像から正確に赤外光を検出及び識別することができる。
【0089】
なお、第3の実施の形態では、同期補正情報の発光パターンを、撮影される画像の3フレーム分に対応させた同期補正信号を示す発光パターンとした場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、2フレーム分としたり、4フレーム以上のフレーム数分としたりすることができる。また、1フレーム分に対応させた同期補正信号とした場合には、赤外光発光装置の発光間隔にランダムに誤差が生じている場合(例えば、発光間隔が0.16秒→0.15秒→0.17秒のような場合)にも、正確に同期誤差を検出及び補正することができる。
【0090】
また、上記第1〜第3の実施の形態では、撮影した画像、及び特定の被写体の位置を示す表示をLCDに表示する場合について説明したが、ファインダに表示するようにしてもよい。
【0091】
また、赤外光発光装置が発光する赤外光を指向性を有する赤外光とすることができる。これにより、対象領域に赤外光発光装置を取り付けた被写体が大勢いる場合でも、ビデオカメラで撮影される画像から検出される赤外光を制限することができるため、特定の被写体の識別がより容易になる。
【0092】
また、上記第1〜第3の実施の形態では、録画ボタンを押下することにより録画を開始する場合について説明したが、特定の被写体を識別できた時点で録画を開始するようにしてもよい。なお、この場合も録画ボタンが押下された場合と同様に、撮影された画像データをメモリへ記録する処理へ移行する前に赤外光カットフィルタを第1の位置へ移動させるようにする。
【符号の説明】
【0093】
1、2、3 撮影システム
10、510 ビデオカメラ
12 サーチボタン
14 録画ボタン
16 モード選択ボタン
22 赤外光カットフィルタ
24 CCD
30 駆動部
38 メモリ
40 通信部
50 赤外光発光装置
70 特定の被写体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視光及び赤外光に感度を有する撮像素子を備え、赤外光を発光する発光手段を取り付けた特定の被写体を含む対象領域を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影された画像を表示する表示手段と、
前記撮像素子に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する第1の位置と、前記撮像素子に可視光及び赤外光を入射させる第2の位置とで移動可能に設けられた赤外光カットフィルタと、
前記撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶することなく前記表示手段に表示させる際には、前記第2の位置に前記赤外光カットフィルタを移動させ、前記撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶する際には、前記第1の位置に前記赤外光カットフィルタを移動させるように制御する制御手段と、
を含む撮影装置。
【請求項2】
前記制御手段により前記第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させた状態で前記撮影手段により撮影された画像から、識別情報を示す発光パターンで発光する前記発光手段を検出し、検出された前記発光手段の発光パターンが示す前記識別情報を識別する識別手段と、
前記識別手段で識別された識別情報と予め定めた識別情報とが一致する場合に、前記識別手段で検出された発光手段の位置を示す表示を、前記撮影手段で撮影された画像に重畳して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、
を含む請求項1記載の撮影装置。
【請求項3】
前記制御手段により前記第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させた状態で前記撮影手段により撮影された画像から前記発光手段を検出し、検出された前記発光手段、及び該発光手段が取り付けられた被写体の形状を認識し、認識した形状から前記発光手段が前記被写体に取り付けられた部位を識別する識別手段と、
前記識別手段で識別された部位と予め記憶しておいた部位とが一致する場合に、前記識別手段で検出された発光手段の位置を示す表示を、前記撮影手段で撮影された画像に重畳して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、
を含む請求項1記載の撮影装置。
【請求項4】
特定の被写体に取り付けられ、赤外光を発光する発光手段と、
請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の撮影装置と、
を含む撮影システム。
【請求項5】
前記発光手段は、識別情報を示す発光パターンで発光する請求項4記載の撮影システム。
【請求項6】
前記発光手段により発光される赤外光は指向性を有する請求項4または請求項5記載の撮影システム。
【請求項7】
コンピュータを、
可視光及び赤外光に感度を有する撮像素子を備え、赤外光を発光する発光手段を取り付けた特定の被写体を含む対象領域を撮影する撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶することなく表示手段に表示させる際には、前記撮像素子に可視光及び赤外光を入射させる第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させ、前記撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶する際には、前記撮像素子に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する第1の位置に前記赤外光カットフィルタを移動させるように制御する制御手段と、
して機能させるための撮影プログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
可視光及び赤外光に感度を有する撮像素子を備え、赤外光を発光する発光手段を取り付けた特定の被写体を含む対象領域を撮影する撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶することなく表示手段に表示させる際には、前記撮像素子に可視光及び赤外光を入射させる第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させ、前記撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶する際には、前記撮像素子に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する第1の位置に前記赤外光カットフィルタを移動させるように制御する制御手段と、
前記制御手段により前記第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させた状態で前記撮影手段により撮影された画像から、識別情報を示す発光パターンで発光する前記発光手段を検出し、検出された前記発光手段の発光パターンが示す前記識別情報を識別する識別手段と、
前記識別手段で識別された識別情報と予め定めた識別情報とが一致する場合に、前記識別手段で検出された発光手段の位置を示す表示を、前記撮影手段で撮影された画像に重畳して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、
して機能させるための撮影プログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
可視光及び赤外光に感度を有する撮像素子を備え、赤外光を発光する発光手段を取り付けた特定の被写体を含む対象領域を撮影する撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶することなく表示手段に表示させる際には、前記撮像素子に可視光及び赤外光を入射させる第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させ、前記撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶する際には、前記撮像素子に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する第1の位置に前記赤外光カットフィルタを移動させるように制御する制御手段と、
前記制御手段により前記第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させた状態で前記撮影手段により撮影された画像から前記発光手段を検出し、検出された前記発光手段、及び該発光手段が取り付けられた被写体の形状を認識し、認識した形状から前記発光手段が前記被写体に取り付けられた部位を識別する識別手段と、
前記識別手段で識別された部位と予め記憶しておいた部位とが一致する場合に、前記識別手段で検出された発光手段の位置を示す表示を、前記撮影手段で撮影された画像に重畳して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、
して機能させるための撮影プログラム。
【請求項1】
可視光及び赤外光に感度を有する撮像素子を備え、赤外光を発光する発光手段を取り付けた特定の被写体を含む対象領域を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影された画像を表示する表示手段と、
前記撮像素子に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する第1の位置と、前記撮像素子に可視光及び赤外光を入射させる第2の位置とで移動可能に設けられた赤外光カットフィルタと、
前記撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶することなく前記表示手段に表示させる際には、前記第2の位置に前記赤外光カットフィルタを移動させ、前記撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶する際には、前記第1の位置に前記赤外光カットフィルタを移動させるように制御する制御手段と、
を含む撮影装置。
【請求項2】
前記制御手段により前記第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させた状態で前記撮影手段により撮影された画像から、識別情報を示す発光パターンで発光する前記発光手段を検出し、検出された前記発光手段の発光パターンが示す前記識別情報を識別する識別手段と、
前記識別手段で識別された識別情報と予め定めた識別情報とが一致する場合に、前記識別手段で検出された発光手段の位置を示す表示を、前記撮影手段で撮影された画像に重畳して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、
を含む請求項1記載の撮影装置。
【請求項3】
前記制御手段により前記第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させた状態で前記撮影手段により撮影された画像から前記発光手段を検出し、検出された前記発光手段、及び該発光手段が取り付けられた被写体の形状を認識し、認識した形状から前記発光手段が前記被写体に取り付けられた部位を識別する識別手段と、
前記識別手段で識別された部位と予め記憶しておいた部位とが一致する場合に、前記識別手段で検出された発光手段の位置を示す表示を、前記撮影手段で撮影された画像に重畳して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、
を含む請求項1記載の撮影装置。
【請求項4】
特定の被写体に取り付けられ、赤外光を発光する発光手段と、
請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の撮影装置と、
を含む撮影システム。
【請求項5】
前記発光手段は、識別情報を示す発光パターンで発光する請求項4記載の撮影システム。
【請求項6】
前記発光手段により発光される赤外光は指向性を有する請求項4または請求項5記載の撮影システム。
【請求項7】
コンピュータを、
可視光及び赤外光に感度を有する撮像素子を備え、赤外光を発光する発光手段を取り付けた特定の被写体を含む対象領域を撮影する撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶することなく表示手段に表示させる際には、前記撮像素子に可視光及び赤外光を入射させる第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させ、前記撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶する際には、前記撮像素子に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する第1の位置に前記赤外光カットフィルタを移動させるように制御する制御手段と、
して機能させるための撮影プログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
可視光及び赤外光に感度を有する撮像素子を備え、赤外光を発光する発光手段を取り付けた特定の被写体を含む対象領域を撮影する撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶することなく表示手段に表示させる際には、前記撮像素子に可視光及び赤外光を入射させる第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させ、前記撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶する際には、前記撮像素子に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する第1の位置に前記赤外光カットフィルタを移動させるように制御する制御手段と、
前記制御手段により前記第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させた状態で前記撮影手段により撮影された画像から、識別情報を示す発光パターンで発光する前記発光手段を検出し、検出された前記発光手段の発光パターンが示す前記識別情報を識別する識別手段と、
前記識別手段で識別された識別情報と予め定めた識別情報とが一致する場合に、前記識別手段で検出された発光手段の位置を示す表示を、前記撮影手段で撮影された画像に重畳して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、
して機能させるための撮影プログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
可視光及び赤外光に感度を有する撮像素子を備え、赤外光を発光する発光手段を取り付けた特定の被写体を含む対象領域を撮影する撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶することなく表示手段に表示させる際には、前記撮像素子に可視光及び赤外光を入射させる第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させ、前記撮影手段で撮影された画像を記憶手段に記憶する際には、前記撮像素子に可視光を入射させ、かつ赤外光を遮光する第1の位置に前記赤外光カットフィルタを移動させるように制御する制御手段と、
前記制御手段により前記第2の位置に赤外光カットフィルタを移動させた状態で前記撮影手段により撮影された画像から前記発光手段を検出し、検出された前記発光手段、及び該発光手段が取り付けられた被写体の形状を認識し、認識した形状から前記発光手段が前記被写体に取り付けられた部位を識別する識別手段と、
前記識別手段で識別された部位と予め記憶しておいた部位とが一致する場合に、前記識別手段で検出された発光手段の位置を示す表示を、前記撮影手段で撮影された画像に重畳して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、
して機能させるための撮影プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図8】
【図9】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図8】
【図9】
【図14】
【公開番号】特開2010−161541(P2010−161541A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−1524(P2009−1524)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(507207214)REVSONIC株式会社 (11)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(507207214)REVSONIC株式会社 (11)
【Fターム(参考)】
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