撮影装置及び撮影制御方法
【課題】 原稿を正面以外の方向から撮影した場合であっても、原稿に対するピント合わせを適切に行うことができ、原稿を撮影して得られた原稿画像の歪を補正したときに生じる画像の劣化を防止することが可能な撮影装置及び撮影制御方法を提供する。
【解決手段】 撮影装置10は、長方形の原稿100を撮影して得られた画像P100から原稿100が写っている原稿エリアA100を抽出する。撮影装置10は、原稿エリアA100に適切に合焦するようにAF及びAEを行った後、原稿100を撮影する。そして、撮影装置10は、AF後に撮影した画像から原稿エリアA100を抽出し、原稿エリアA100の歪みを補正して原稿100の形状を再現するとともに、原稿エリアA100の向きを補正し、出力用の原稿画像を作成する。プロジェクター200は、撮影装置10から原稿画像100′を受信してスクリーン300に投影する。
【解決手段】 撮影装置10は、長方形の原稿100を撮影して得られた画像P100から原稿100が写っている原稿エリアA100を抽出する。撮影装置10は、原稿エリアA100に適切に合焦するようにAF及びAEを行った後、原稿100を撮影する。そして、撮影装置10は、AF後に撮影した画像から原稿エリアA100を抽出し、原稿エリアA100の歪みを補正して原稿100の形状を再現するとともに、原稿エリアA100の向きを補正し、出力用の原稿画像を作成する。プロジェクター200は、撮影装置10から原稿画像100′を受信してスクリーン300に投影する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮影装置及び撮影制御方法に係り、特に原稿の画像を撮影して出力用の原稿画像を作成する撮影装置、撮影システム及び撮影制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、葉書の表裏面を撮影して葉書の画像の輪郭を取得し、撮影画像から葉書の表面画像と裏面画像を切り抜き、切り抜いた葉書の画像を射影変換して画像の歪みを補正する画像処理装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、回転ミラーの回転位置を原稿の読み取り位置に応じて制御しながら、回転ミラーからの光を1次元固体撮影素子に結像させて原稿を撮影する画像読み取り装置が開示されている。
【特許文献1】特開2007−180872号公報
【特許文献2】特開2007−82005号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、葉書を斜めから撮影した場合に、葉書全体にピントを合わせるのが難しい。また、斜めから撮影されて歪んだ画像を射影変換すると、ピントが合っていない部分(例えば、中抜けした部分)の画質が劣化する。
【0005】
特許文献2では、1次元固体撮影素子を用いるため原稿の画像を読み取りに時間がかかる。また、特許文献2は、専用の画像読み取り装置に関するものであり、装置が大がかりになりコストがかかる。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、原稿を正面以外の方向から撮影した場合であっても、原稿に対するピント合わせを適切に行うことができ、原稿を撮影して得られた原稿画像の歪を補正したときに生じる画像の劣化を防止することが可能な撮影装置及び撮影制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る撮影装置は、略長方形の原稿の画像を撮影する撮影手段と、前記原稿の画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識する原稿認識手段と、前記原稿エリアの中心位置を算出する中心位置算出手段と、前記撮影手段を制御して、前記中心位置にピントを合わせる合焦制御手段と、前記合焦制御手段によってピントを合わせた後に前記撮影手段によって撮影された画像から、前記原稿認識手段によって認識された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成する原稿画像補正手段とを備える。
【0008】
上記第1の態様によれば、長方形の原稿の中心位置にピントを合わせるようにしたので、原稿を正面以外の方向から撮影した場合にも、ピント合わせを適切に行うことができる。これにより、原稿が写っている原稿エリアの歪を補正したときに生じる画像の劣化を防止することができる。
【0009】
本発明の第2の態様に係る撮影装置は、上記第1の態様において、前記中心位置算出手段が、前記原稿エリアの4つの頂点の位置を検出し、前記4つの頂点を結んで得られる前記原稿エリアの対角線の交点を前記中心位置として算出するように構成したものである。
【0010】
本発明の第3の態様に係る撮影装置は、上記第1又は2の態様において、前記合焦制御手段が、前記原稿エリアを分割して得られた複数のエリアのうち前記中心位置を含む中心エリアにピントを合わせるように構成したものである。
【0011】
本発明の第4の態様に係る撮影装置は、上記第1から3の態様において、前記中心エリアにピントを合わせたときの焦点評価値を取得し、該焦点評価値に基づいてピント合わせの精度を評価する合焦精度評価手段を更に備え、前記合焦制御手段が、前記中心エリアのピント合わせの精度が低いと評価した場合に、前記中心エリアの近傍のエリアのうち、前記ピント合わせの精度が高いと評価されたエリアにピントを合わせるように構成したものである。
【0012】
本発明の第5の態様に係る撮影装置は、上記第4の態様において、前記合焦精度評価手段が、前記中心エリアのピント合わせの精度が低いと評価した場合に、前記中心エリアに対して前記原稿の画像の水平方向に隣接する隣接エリアのピント合わせの精度を評価し、前記合焦制御手段は、前記隣接エリアのピント合わせの精度が高いと評価した場合に、前記隣接エリアに対してピントを合わせるように構成したものである。
【0013】
本発明の第6の態様に係る撮影装置は、上記第5の態様において、前記合焦精度評価手段が、前記中心エリア及び前記隣接エリアのいずれもピント合わせの精度が低いと評価した場合に、前記中心エリアよりも前記撮影装置に近い手前側エリアのピント合わせの精度を評価し、前記合焦制御手段は、前記手前側エリアのピント合わせの精度が高いと評価した場合に、前記手前側エリアに対してピントを合わせるように構成したものである。
【0014】
本発明の第7の態様に係る撮影装置は、略長方形の原稿の画像を撮影する撮影手段と、前記撮影した画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識する原稿認識手段と、前記原稿エリアの4つの頂点の位置を検出する頂点検出手段と、前記撮影手段を制御して、前記原稿エリアの4つの頂点を含む頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動する合焦制御手段と、前記合焦制御手段によってピントを合わせた後に前記撮影手段によって撮影された画像から、前記原稿認識手段によって認識された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成する原稿画像補正手段とを備える。
【0015】
上記第7の態様によれば、原稿エリアの4頂点を含む分割エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカス位置を移動することにより、各頂点と撮影装置との間の距離が異なる状態で原稿を撮影した場合にも、ピント合わせを適切に行うことができる。
【0016】
本発明の第8の態様に係る撮影装置は、上記第7の態様において、前記平均フォーカス位置にピントを合わせた後、前記頂点エリアが被写界深度内に収まるように絞り値を調整する絞り値調整手段を更に備える。
【0017】
上記第8の態様によれば、絞り値を調整することにより、4頂点を含む分割エリアに対してピント合わせを適切に行うことができる。
【0018】
本発明の第9の態様に係る撮影装置は、略長方形の原稿の画像を撮影する撮影手段と、前記撮影した画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識する第1の原稿認識手段と、前記撮影手段を制御して、前記原稿エリアを分割した複数のエリアにズームして各エリアの画像を撮影する撮影制御手段と、前記撮影手段によって撮影された各エリアの画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識する第2の原稿認識手段と、前記各エリアの画像から検出された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成する原稿画像補正手段と、前記第2の原稿認識手段によって検出され、歪が補正された各エリアの画像を合成して前記原稿の全体の画像を作成する画像合成手段とを備える。
【0019】
上記第9の態様によれば、原稿エリアを分割して撮影することにより、原稿に対する合焦精度を高めることができる。
【0020】
本発明の第10の態様に係る撮影装置は、上記第9の態様において、前記第1の原稿認識手段によって検出された前記原稿エリアの4つの頂点の位置を検出する頂点検出手段と、前記第1の原稿認識手段によって検出された前記原稿エリアの中心位置を算出する中心位置算出手段とを備え、前記撮影制御手段が、前記4つの頂点のうち前記撮影装置に近い手前側の2つの頂点の前記原稿の画像の水平方向の間隔が前記撮影手段の視野の水平方向の幅と略一致するようにズーム制御を行って、前記原稿エリアの前記撮影装置に近い手前側エリアを撮影し、前記中心位置を通り、前記水平方向に伸びる前記原稿エリア内の線分の長さが前記撮影手段の視野の水平方向の幅と略一致するようにズーム制御を行って、前記原稿エリアのうち前記撮影装置から遠い奥側エリアを撮影するように構成したものである。
【0021】
本発明の第11の態様に係る撮影装置は、上記第10の態様において、前記原稿エリアを複数のエリアに分割し、前記撮影手段を制御してピント合わせを行う合焦制御手段であって、前記手前側エリアの撮影時に、前記手前側の2つの頂点を含む手前側頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記手前側頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動する一方、前記奥側エリアの撮影時に、前記撮影装置から遠い側の2つの頂点を含む奥側頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記奥側頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動する合焦制御手段を更に備える。
【0022】
本発明の第12の態様に係る撮影装置は、上記第1から11の態様において、前記撮影手段によって撮影された画像を2値化する画像処理手段を更に備え、前記原稿認識手段が、前記2値化された画像から前記原稿エリアを検出するように構成したものである。
【0023】
本発明の第13の態様に係る撮影装置は、上記第1から11の態様において、前記原稿の少なくとも4隅にプリントされたマーカを検出するマーカ検出手段を更に備え、前記原稿認識手段が、前記マーカを検出して前記原稿エリアを認識するように構成したものである。
【0024】
本発明の第14の態様に係る撮影装置は、上記第1から13の態様において、前記原稿上に形成されたマーカを検出するマーカ検出手段を更に備え、前記原稿画像補正手段が、前記マーカを検出し、前記マーカの形状に基づいて前記原稿の向きを検出するように構成したものである。
【0025】
本発明の第15の態様に係る撮影装置は、上記第1から14の態様において、前記原稿エリア内の画像に基づいて露出制御を行う露出制御手段を更に備える。
【0026】
上記第15の態様によれば、原稿エリアに対するピント合わせ及びAE制御を適切に行うことができる。
【0027】
本発明の第16の態様に係る撮影装置は、上記第15の態様において、前記露出制御手段が、前記原稿エリア内の画像に対して、平均測光、ピーク測光又はマルチパターン測光を行って、前記測光結果に基づいて露光制御を行うように構成したものである。
【0028】
本発明の第17の態様に係る撮影制御方法は、(1a)撮影手段により略長方形の原稿の画像を撮影し、(1b)前記原稿の画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識し、(1c)前記原稿エリアの中心位置を算出し、(1d)前記撮影手段を制御して、前記中心位置にピントを合わせ、(1e)前記中心位置にピントを合わせた後に前記撮影手段によって前記原稿を撮影し、(1f)前記(1e)において撮影された画像から前記原稿エリアを認識し、(1g)前記(1f)において認識された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成するように構成したものである。
【0029】
本発明の第18の態様に係る撮影制御方法は、前記(1d)において、前記中心エリアにピントを合わせたときの焦点評価値を取得し、該焦点評価値に基づいてピント合わせの精度を評価し、前記中心エリアのピント合わせの精度が低いと評価した場合に、前記中心エリアの近傍のエリアのうち、前記ピント合わせの精度が高いと評価されたエリアにピントを合わせるように構成したものである。
【0030】
本発明の第19の態様に係る撮影制御方法は、(2a)撮影手段により略長方形の原稿の画像を撮影し、(2b)前記撮影した画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識し、(2c)前記原稿エリアの4つの頂点の位置を検出し、(2d)前記撮影手段を制御して、前記原稿エリアの4つの頂点を含む頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動させ、(2e)前記(2d)においてピントを合わせた後に前記撮影手段によって前記原稿を撮影し、(2f)前記(2e)において撮影された画像から前記原稿エリアを認識し、(2g)前記(2f)において認識された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成するように構成したものである。
【0031】
本発明の第20の態様に係る撮影制御方法は、上記第19の態様において、前記平均フォーカス位置にピントを合わせた後、前記頂点エリアが被写界深度内に収まるように絞り値を調整するように構成したものである。
【0032】
本発明の第21の態様に係る撮影制御方法は、(3a)前記撮影手段により略長方形の原稿の画像を撮影し、(3b)前記撮影した画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識し、(3c)前記撮影手段を制御して、前記原稿エリアを分割した複数のエリアにズームして各エリアの画像を撮影し、(3d)前記(3c)において撮影された各エリアの画像から前記原稿が写っている原稿エリアを検出し、(3e)前記各エリアの画像から検出された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成し、(3f)前記(3e)において歪が補正された各エリアの画像を合成して前記原稿の全体の画像を作成するように構成したものである。
【0033】
本発明の第22の態様に係る撮影制御方法は、前記(3c)において、前記原稿エリアの4つの頂点の位置を検出し、前記原稿エリアの中心位置を算出し、前記4つの頂点のうち前記撮影手段に近い手前側の2つの頂点の前記原稿の画像の水平方向の間隔が前記撮影手段の視野の水平方向の幅と略一致するようにズーム制御を行って、前記原稿エリアの前記撮影装置に近い手前側エリアを撮影し、前記中心位置を通り、前記水平方向に伸びる前記原稿エリア内の線分の長さが前記撮影手段の視野の水平方向の幅と略一致するようにズーム制御を行って、前記原稿エリアのうち前記撮影装置から遠い奥側エリアを撮影するように構成したものである。
【0034】
本発明の第23の態様に係る撮影制御方法は、上記第22の態様において、前記手前側エリアの撮影時に、前記手前側の2つの頂点を含む手前側頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記手前側頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動し、前記奥側エリアの撮影時に、前記撮影装置から遠い側の2つの頂点を含む奥側頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記奥側頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動するように構成したものである。
【0035】
本発明の第24の態様に係る撮影制御方法は、上記第17から24の態様において、前記原稿エリア内の画像に基づいて露出制御を行うように構成したものである。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、原稿を正面以外の方向から撮影した場合にも、ピント合わせを適切に行うことができる。これにより、原稿が写っている原稿エリアの歪を補正したときに生じる画像の劣化を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、添付図面に従って本発明に係る撮影装置及び撮影制御方法の好ましい実施の形態について説明する。
【0038】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮影装置の動作を示す図である。また、図2は、撮影装置10によって撮影された原稿の画像を示す図である。
【0039】
図1に示すように、本実施形態に係る撮影装置10は、長方形の原稿100を撮影して得られた画像P100から原稿100が写っている原稿エリアA100を抽出する。撮影装置10は、原稿エリアA100の中心位置に合焦するように自動焦点調節(AF)を行った後、原稿100を撮影する。そして、撮影装置10は、AF後に撮影した画像から原稿エリアA100を抽出し、原稿エリアA100の歪みを補正して原稿100の形状を再現するとともに、原稿エリアA100の向きを補正し、出力用の原稿画像を作成する。
【0040】
プロジェクター200は、撮影装置10から原稿画像100′を受信してスクリーン300に投影する。
【0041】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る撮影装置を示すブロック図である。
【0042】
本実施形態に係る撮影装置10は、画像を撮影して電子データとして記録する電子カメラである。
【0043】
中央処理装置(CPU)12は、所定のプログラムに従って撮影装置10全体の動作を制御し、自動焦点調節(AF)演算、自動露出(AE)演算及びホワイトバランス(WB)調整演算を含む各種演算を実施する。
【0044】
電源部14は、バッテリ及び電源制御回路を含んでおり、撮影装置10内の各部に電力を供給する。
【0045】
操作部16は、ユーザからの操作入力を受け付ける操作部材であり、電源スイッチ及びシャッタースイッチを含んでいる。電源スイッチは、撮影装置10の電源のオン・オフを切り替えるための操作部材である。シャッタースイッチは、撮影開始の指示を入力する操作部材である。
【0046】
操作部16からの信号はCPU12に入力される。CPU12は、操作部16からの入力信号に基づいて撮影装置10の各回路を制御し、例えば、レンズ駆動制御、撮影動作制御、画像処理制御、画像データの記録/再生制御を行う。
【0047】
モード設定部18は、撮影装置10の動作モードの切り替え操作を受け付ける操作部材である。撮影装置10の動作モードは、モード設定部18からの操作入力に応じて、通常の撮影モード(静止画撮影モード及び動画撮影モード)、原稿撮影モード及び画像を再生する再生モードとの間で切り替わる。
【0048】
撮影部20は、フォーカスレンズ、ズームレンズ及び絞りを含むレンズ部22、レンズ部を駆動制御するレンズ制御部24及び撮像素子(CCD又はCMOS)を含んでいる。
【0049】
AF部26は、撮像素子から得られたG信号の高周波成分のみを通過させるハイパスフィルタ、ハイパスフィルタからの出力信号の絶対値をとる絶対値化処理部、画面内にあらかじめ設定されているフォーカス対象エリア(以下、AFエリアという)内の信号を切り出すAFエリア抽出部、及びAFエリア内の絶対値を積算して積算値(焦点評価値(AF評価値))を得る積算部を含んでいる。CPU12は、フォーカスレンズを移動させて複数のフォーカス位置におけるAF評価値を取得し、AF評価値が極大となるレンズ位置をピント位置として決定し、上記ピント位置にフォーカスレンズを移動させる。なお、AF評価値は、輝度信号(Y信号)から求めるようにしてもよい。
【0050】
AE部28は、撮像素子から出力された画像1画面を複数の分割エリア(例えば、8×8又は16×16)に分割し、分割エリアごとにR、G、B信号を積算する。CPU12は、AE部28から取得した積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。CPU12は、求めた露出値と所定のプログラム線図に従って、絞り値とシャッタースピードを決定し、撮像素子の電子シャッター機能及び絞りを制御して露光量を調節する。
【0051】
メモリー部30は、記録メディア(例えば、xDピクチャカード(登録商標)又はSDカード(登録商標))及び記録メディアを着脱自在に装着するソケットを含んでおり、撮影部20によって撮影された画像を所定の形式の画像ファイルとして記録メディアに記録する。
【0052】
通常の撮影モード時には、CPU12は、シャッタースイッチの半押しを検出すると、AF部26及びAE部28からそれぞれAF評価値及び積算値を取得して、AF制御及びAE制御を行う。CPU12は、シャッタースイッチの全押しを検出すると、画像の取り込みを行う。そして、CPU12は、取り込んだ画像を所定の形式の画像データファイルに変換してメモリー部30に出力する。
【0053】
[原稿撮影モード]
次に、原稿撮影モード時における撮影装置10の動作について説明する。
【0054】
原稿撮影モード時には、図1に示すように、撮影中に撮影装置10と原稿100の相対位置が変化しないように机400に置いて撮影を行う。
【0055】
CPU12は、原稿撮影モード時にシャッタースイッチの全押しを検出すると、撮影部20を制御して原稿100の撮影を実行する。なお、原稿撮影モード時には、原稿100の撮影は、シャッタースイッチの押下のタイミングで実行されるほか、所定の時間間隔で自動的に実行される。
【0056】
CPU12は、撮影部20の撮像素子から出力された画素ごとの画像信号を2値化して2値エッジ画像を生成する。
【0057】
原稿認識部32は、2値エッジ画像から原稿100の輪郭B100を検出し、輪郭B100に囲まれる原稿エリアA100を抽出する。
【0058】
原稿4隅認識部34は、輪郭B100から原稿100の4隅の頂点D1,D2,D3,D4を検出し、4頂点D1,D2,D3,D4の位置を示す座標を取得する。
【0059】
原稿中心算出部36は、原稿100の対向する頂点を結ぶ対角線D1D4及び,D2D3の交点DCの座標を原稿エリアA100の中心位置として算出する。なお、対角線の交点DCに代えて、例えば、原稿エリアA100の重心、内接円又は外接円の中心を原稿エリアA100の中心位置としてもよい。
【0060】
CPU12は、原稿エリアA100を所定の分割エリアに分割し、図4に示す交点DCを中心とするエリアACをAFエリアに設定する。そして、CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御して複数のフォーカス位置においてAFエリアACのAF評価値を取得し、AFエリアACにピントが合うようにAF制御を行う。
【0061】
CPU12は、AF制御の終了後、原稿100を再度撮影する。原稿認識部32は、再撮影された原稿の画像から輪郭B100を検出し、輪郭B100により囲まれる原稿エリアA100を切り取る。
【0062】
歪処理部38は、再撮影された画像から切り取られた原稿エリアA100に投影変換(射影変換(例えば、アフィン変換))を施して原稿エリアA100の歪を補正し、長方形の原稿画像を作成する。
【0063】
CPU12は、歪処理部38によって歪補正された原稿エリアA100の上下の向きを検出して補正し、出力用原稿画像100′を作成する。出力用原稿画像100′は、外部出力部40を介してプロジェクター200に出力され、図1に示すように、スクリーン300に投影される。
【0064】
本実施形態では、上下検出用のマーカUPが原稿100上に印刷されている。CPU12は、画像中の原稿エリアからこのマーカを検出することにより、原稿エリアA100の上下の向きを検出する。なお、原稿100上又は原稿100近傍にマーカUPが形成された部材を置くようにしてもよい。また、原稿エリアA100の上下の向きは、例えば、原稿100上にプリントされた文字又は画像を認識して検出するようにしてもよい。
【0065】
次に、本発明の第1の実施形態に係る撮影制御方法について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0066】
まず、動作モードが原稿撮影モードに切り替えられると(ステップS10のYes)、CPU12は、撮影部20を制御して所定の撮影タイミングで原稿100の画像を取り込む(ステップS14)。
【0067】
CPU12は、撮影部20の撮像素子から出力された画素ごとの画像信号を2値化して2値エッジ画像を生成する(ステップS16)。原稿認識部32は、原稿エリアA100を抽出する(ステップS18)。
【0068】
原稿4隅認識部34は、原稿100の4頂点D1,D2,D3,D4を検出し、4頂点D1,D2,D3,D4の座標を取得する(ステップS20)。
【0069】
原稿中心算出部36は、原稿100の対向する頂点を結ぶ対角線D1D4とD2D3の交点DCの座標を算出する(ステップS22)。
【0070】
CPU12は、交点DCを中心とするAFエリアACにピントが合うようにAF制御を行い(ステップS24、S26)、AF制御終了後に原稿の画像を再度取り込む(ステップS28)。
【0071】
次に、原稿認識部32は、再撮影された原稿の画像から原稿エリアA100を切り取る。歪処理部38は、原稿認識部32によって切り取られた原稿エリアA100に射影変換(例えば、アフィン変換)を施して原稿エリアA100の歪を補正し、長方形の原稿画像を作成する(ステップS30)。
【0072】
CPU12は、歪処理部38によって歪補正された原稿エリアA100の上下の向きを検出して補正して出力用原稿画像100′を作成し、プロジェクター200に出力する(ステップS32)。これにより、出力用原稿画像100′が外部出力部40を介してプロジェクター200に出力され、スクリーン300に投影される。
【0073】
本実施形態によれば、長方形の原稿100の対角線の交点DCを中心とするAFエリアACにピントを合わせるようにしたので、原稿100を正面以外の方向から撮影した場合にも、ピント合わせを適切に行うことができる。これにより、原稿100が写っている原稿エリアA100の歪を補正したときに生じる画像の劣化を防止することができる。
【0074】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、原稿エリアA100の対角線の交点AC付近にある分割エリアのうちAF評価値が高い分割エリアピントを合わせるようにしたものである。なお、撮影装置10の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
【0075】
図6は、本発明の第2の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャートである。
【0076】
まず、動作モードが原稿撮影モードに切り替えられると(ステップS40のYes)、CPU12は、撮影部20を制御して所定の撮影タイミングで原稿100の画像を取り込む(ステップS44)。
【0077】
CPU12は、撮影部20の撮像素子から出力された画素ごとの画像信号を2値化して2値エッジ画像を生成する(ステップS46)。原稿認識部32は、原稿エリアA100を抽出する(ステップS48)。
【0078】
原稿4隅認識部34は、原稿100の4頂点D1,D2,D3,D4を検出し、4頂点D1,D2,D3,D4の座標を取得する(ステップS50)。
【0079】
原稿中心算出部36は、原稿100の対向する頂点を結ぶ対角線D1D4とD2D3の交点DCの座標を算出する(ステップS52)。
【0080】
CPU12は、原稿エリアA100上の交点DC付近を分割し、AFサーチを実行して分割エリアごとにAF評価値を取得する(ステップS54)。そして、CPU12は、ピントが合ったときのAF評価値が高い分割エリアにピントが合うようにAF制御を行い(ステップS56)、AF制御終了後に原稿の画像を再度取り込む(ステップS58)。
【0081】
次に、原稿認識部32は、再撮影された原稿の画像から原稿エリアA100を切り取る。歪処理部38は、原稿認識部32によって切り取られた原稿エリアA100に射影変換(例えば、アフィン変換)を施して原稿エリアA100の歪を補正し、長方形の原稿画像を作成する(ステップS60)。
【0082】
CPU12は、歪処理部38によって歪補正された原稿エリアA100の上下の向きを検出して補正して出力用原稿画像100′を作成し、プロジェクター200に出力する(ステップS62)。これにより、出力用原稿画像100′が外部出力部40を介してプロジェクター200に出力され、スクリーン300に投影される。
【0083】
図7は、AF処理の流れを示すフローチャートである。
【0084】
まず、CPU12は、図8に示すように、原稿認識部32によって抽出された原稿エリアA100を分割する(ステップS70)。そして、CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御してAFサーチを実行し、各分割エリアA1A,A1B,…,A5EにおけるAF評価値を取得する(ステップS72)。
【0085】
次に、CPU12は、対角線D1D4とD2D3の交点DCを含む中心エリアA3Cにピントを合わせた場合のAF評価値が信頼できる値であるかどうか判定する(ステップS74)。本実施形態では、ピント合わせの精度(合焦精度)が十分に得られるようなAF評価値(極大値)の閾値があらかじめ定められている。ステップS74では、CPU12は、中心エリアA3CのAF評価値がこの閾値以上かどうかに基づいてAF評価値の信頼度を判定する。
【0086】
中心エリアA3CのAF評価値が信頼できると判定した場合(ステップS74のYes)、CPU12は、撮影部20を制御して中心エリアA3Cのピント位置(AF評価値が極大となるフォーカス位置)にフォーカス位置を移動させる(ステップS78)。
【0087】
一方、中心エリアA3CのAF評価値が信頼できないと判定した場合(ステップS74のNo)、CPU12は、中心エリアA3C近傍でAF評価値が最も大きい分割エリアを選択し(ステップS76)、選択した分割エリアのピント位置にフォーカス位置を移動させる(ステップS78)。
【0088】
図9は、AF処理の別の実施形態を示すフローチャートである。
【0089】
まず、CPU12は、原稿認識部32によって抽出された原稿エリアA100を分割する(ステップS80)。そして、CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御してAFサーチを実行し、各分割エリアA1A,A1B,…,A5EにおけるAF評価値を取得する(ステップS82)。
【0090】
次に、CPU12は、対角線D1D4とD2D3の交点DCを含む中心エリアA3Cにピントを合わせた場合のAF評価値が信頼できる値であるかどうか判定する(ステップS84)。
【0091】
中心エリアA3CのAF評価値が信頼できると判定した場合(ステップS84のYes)、CPU12は、撮影部20を制御して中心エリアA3Cのピント位置(AF評価値が極大となるフォーカス位置)にフォーカス位置を移動させる(ステップS90)。
【0092】
一方、中心エリアA3CのAF評価値が信頼できないと判定した場合(ステップS84のNo)、CPU12は、中心エリアA3Cの図8の横方向(撮影装置10の視野の水平方向)に隣接する分割エリアA3B及びA3DのAF評価値(極大値)を取得する(ステップS86)。そして、CPU12は、分割エリアA3B及びA3DのうちAF評価値(極大値)が大きい方の分割エリアのピント位置にフォーカス位置を移動させる(ステップS88、S90)。
【0093】
一方、分割エリアA3B及びA3DのAF評価値がともに閾値未満の場合には、分割エリアA3Cよりも撮影装置10に近い分割エリア(手前側の分割エリア)について、例えば、A4C,A4B,A4D,…の順にAF評価値を評価する。そして、上記いずれの分割エリアのAF評価値がいずれも閾値未満の場合には、分割エリアA3Cよりも撮影装置10に遠い分割エリア(奥側の分割エリア)について、例えば、A2C,A2B,A2D,…の順にAF評価値を評価する。
【0094】
本実施形態によれば、中心エリアA3CのAF評価値(極大値)が所定値以下の場合には、中心エリアA3Cの横方向に隣接し、撮影装置10からの距離が中心エリアA3Cに近い分割エリアに合わせてAF制御を行うようにしたので、ピント合わせをより適切に行うことができる。
【0095】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、4頂点を含む分割エリアのAF評価値に基づいてAF制御を行う。なお、撮影装置10の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
【0096】
図10は、本発明の第3の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャートである。
【0097】
まず、動作モードが原稿撮影モードに切り替えられると(ステップS100のYes)、CPU12は、撮影部20を制御して所定の撮影タイミングで原稿100の画像を取り込む(ステップS104)。
【0098】
CPU12は、撮影部20の撮像素子から出力された画素ごとの画像信号を2値化して2値エッジ画像を生成する(ステップS106)。原稿認識部32は、原稿エリアA100を抽出する(ステップS108)。
【0099】
原稿4隅認識部34は、原稿100の4頂点D1,D2,D3,D4を検出し、4頂点D1,D2,D3,D4の座標を取得する(ステップS110)。
【0100】
CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御してAFサーチを実行する(ステップS112)。そして、CPU12は、4頂点D1,D2,D3,D4を含む分割エリアA1A,A1E,A5A,A5Eのピント位置を検出する(ステップS114)。
【0101】
次に、CPU12は、分割エリアA1A,A1E,A5A,A5Eのピント位置の平均値(以下、平均フォーカス位置という。)を算出する(ステップS116)。そして、CPU12は、撮影部20を制御して、ステップS116において算出した平均フォーカス位置にフォーカスレンズを移動させ(ステップS118)、原稿の画像を再度取り込む(ステップS120)。
【0102】
次に、原稿認識部32は、再撮影された原稿の画像から原稿エリアA100を切り取る。歪処理部38は、原稿認識部32によって切り取られた原稿エリアA100に射影変換(例えば、アフィン変換)を施して原稿エリアA100の歪を補正し、長方形の原稿画像を作成する(ステップS122)。
【0103】
CPU12は、歪処理部38によって歪補正された原稿エリアA100の上下の向きを検出して補正して出力用原稿画像100′を作成し、プロジェクター200に出力する(ステップS124)。これにより、出力用原稿画像100′が外部出力部40を介してプロジェクター200に出力され、スクリーン300に投影される。
【0104】
図11は、本発明の第3の実施形態に係るAF制御の流れを示すフローチャートである。
【0105】
まず、CPU12は、図8に示すように、原稿エリアA100を分割する(ステップS130)。そして、CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御してAFサーチを実行し、4頂点D1,D2,D3,D4を含む分割エリアA1A,A1E,A5A,A5Eのピント位置を検出する(ステップS132)。
【0106】
次に、CPU12は、分割エリアA1A,A1E,A5A,A5Eのピント位置の平均フォーカス位置を算出し、撮影部20を制御して、ステップS116において算出した平均フォーカス位置にフォーカスレンズを移動させる(ステップS134)。
【0107】
本実施形態によれば、原稿エリアA100の4隅の分割エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカス位置を移動することにより、4頂点D1,D2,D3,D4と撮影装置10との間の距離が異なる状態で原稿100を撮影した場合にも、ピント合わせを適切に行うことができる。これにより、原稿100が写っている原稿エリアA100の歪を補正したときに生じる画像の劣化を防止することができる。
【0108】
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態は、4頂点を含む分割エリアのAF評価値に基づいてAF制御を行うとともに、焦点深度を制御して合焦精度を高めるようにしたものである。なお、撮影装置10の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
【0109】
図12は、本発明の第4の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャートである。
【0110】
まず、動作モードが原稿撮影モードに切り替えられると(ステップS140のYes)、CPU12は、撮影部20を制御して所定の撮影タイミングで原稿100の画像を取り込む(ステップS144)。
【0111】
CPU12は、撮影部20の撮像素子から出力された画素ごとの画像信号を2値化して2値エッジ画像を生成する(ステップS146)。原稿認識部32は、原稿エリアA100を抽出する(ステップS148)。
【0112】
原稿4隅認識部34は、原稿100の4頂点D1,D2,D3,D4を検出し、4頂点D1,D2,D3,D4の座標を取得する(ステップS150)。
【0113】
CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御してAFサーチを実行する(ステップS152)。そして、CPU12は、4頂点D1,D2,D3,D4を含む分割エリアA1A,A1E,A5A,A5Eのピント位置を検出する(ステップS154)。
【0114】
次に、CPU12は、分割エリアA1A,A1E,A5A,A5Eのピント位置の平均値(以下、平均フォーカス位置という。)を算出する(ステップS156)。そして、CPU12は、撮影部20を制御して、ステップS156において算出した平均フォーカス位置にフォーカスレンズを移動させる(ステップS158)。そして、CPU12は、分割エリアA1A,A1E,A5A,A5Eの焦点深度が被写界深度内に収まるように、撮影部20の絞り値を変更し(ステップS160)、原稿の画像を再度取り込む(ステップS162)。
【0115】
次に、原稿認識部32は、再撮影された原稿の画像から原稿エリアA100を切り取る。歪処理部38は、原稿認識部32によって切り取られた原稿エリアA100に射影変換(例えば、アフィン変換)を施して原稿エリアA100の歪を補正し、長方形の原稿画像を作成する(ステップS164)。
【0116】
CPU12は、歪処理部38によって歪補正された原稿エリアA100の上下の向きを検出して補正して出力用原稿画像100′を作成し、プロジェクター200に出力する(ステップS166)。これにより、出力用原稿画像100′が外部出力部40を介してプロジェクター200に出力され、スクリーン300に投影される。
【0117】
図13は、本発明の第4の実施形態に係るAF制御の流れを示すフローチャートである。
【0118】
まず、CPU12は、図8に示すように、原稿エリアA100を分割する(ステップS170)。そして、CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御してAFサーチを実行し、4頂点D1,D2,D3,D4を含む分割エリアA1A,A1E,A5A,A5Eのピント位置を検出する(ステップS172)。
【0119】
次に、CPU12は、分割エリアA1A,A1E,A5A,A5Eのピント位置の平均フォーカス位置を算出し、撮影部20を制御して、ステップS116において算出した平均フォーカス位置にフォーカスレンズを移動させる(ステップS174)。そして、CPU12は、分割エリアA1A,A1E,A5A,A5Eの焦点深度が被写界深度内に収まるように、撮影部20の絞り値を変更する(ステップS176)。
【0120】
本実施形態によれば、原稿エリアA100の4隅の分割エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカス位置を移動することにより、4頂点D1,D2,D3,D4と撮影装置10との間の距離が異なる状態で原稿100を撮影した場合にも、ピント合わせを適切に行うことができる。これにより、原稿100が写っている原稿エリアA100の歪を補正したときに生じる画像の劣化を防止することができる。
【0121】
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態は、原稿100が写っている原稿エリアA100に合わせて露出制御を行うようにしたものである。
【0122】
図14は、本発明の第5の実施形態に係る撮影装置を示すブロック図である。
【0123】
CPU12は、原稿撮影モード時に撮影部20の撮像素子から出力された画素ごとの画像信号を2値化して2値エッジ画像を生成する。
【0124】
原稿認識部32は、2値エッジ画像から原稿100の輪郭B100を検出し、輪郭B100に囲まれる原稿エリアA100を抽出する。
【0125】
原稿4隅認識部34は、輪郭B100から原稿100の4隅の頂点D1,D2,D3,D4を検出し、4頂点D1,D2,D3,D4の位置を示す座標を取得する。
【0126】
原稿中心算出部36は、原稿100の対向する頂点を結ぶ対角線D1D4及び,D2D3の交点DCの座標を算出する。
【0127】
CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御して、原稿エリアA100にピントが合うようにAF制御を行う。なお、AF制御の方法は、上記第1から第4の実施形態の方法を適用することができる。
【0128】
AE部28は、原稿エリアA100のR、G、B信号から、原稿エリアA100全体の平均測光値を算出する。CPU12は、AE部28から取得した積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。CPU12は、求めた露出値と所定のプログラム線図に従って、絞り値とシャッタースピードを決定し、撮像素子の電子シャッター機能及び絞りを制御して露光量を調節する。
【0129】
なお、測光値の算出方法は、上記の平均測光のほか、例えば、原稿エリアA100内の高輝度のエリアに合わせて測光値を算出するピーク測光、又は原稿エリアA100を複数の分割エリアに分割して分割エリアごとに測光値を算出するマルチパターン測光を適用することもできる。
【0130】
CPU12は、AF制御及びAE制御の終了後、原稿100を再度撮影する。原稿認識部32は、再撮影された原稿の画像から輪郭B100を検出し、輪郭B100により囲まれる原稿エリアA100を切り取る。
【0131】
歪処理部38は、再撮影された画像から切り取られた原稿エリアA100に投影変換(射影変換(例えば、アフィン変換))を施して原稿エリアA100の歪を補正し、長方形の原稿画像を作成する。
【0132】
CPU12は、歪処理部38によって歪補正された原稿エリアA100の上下の向きを検出して補正し、出力用原稿画像100′を作成する。出力用原稿画像100′は、外部出力部40を介してプロジェクター200に出力され、スクリーン300に投影される。
【0133】
図15は、本発明の第5の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャートである。
【0134】
まず、動作モードが原稿撮影モードに切り替えられると(ステップS180のYes)、CPU12は、撮影部20を制御して所定の撮影タイミングで原稿100の画像を取り込む(ステップS184)。
【0135】
CPU12は、撮影部20の撮像素子から出力された画素ごとの画像信号を2値化して2値エッジ画像を生成する(ステップS186)。原稿認識部32は、原稿エリアA100を抽出する(ステップS188)。
【0136】
原稿4隅認識部34は、原稿100の4頂点D1,D2,D3,D4を検出し、4頂点D1,D2,D3,D4の座標を取得する(ステップS190)。
【0137】
原稿中心算出部36は、原稿100の対向する頂点を結ぶ対角線D1D4とD2D3の交点DCの座標を算出する(ステップS192)。
【0138】
CPU12は、原稿エリアA100にピントが合うようにAF制御を行う(ステップS194)。
【0139】
AE部28は、原稿エリアA100から測光値を算出する。CPU12は、原稿エリアA100から算出された測光値から露出値を算出し、AE制御を行う(ステップS196)。
【0140】
次に、AF制御及びAE制御終了後に原稿の画像を再度取り込む(ステップS198)。原稿認識部32は、再撮影された原稿の画像から原稿エリアA100を切り取る。歪処理部38は、原稿認識部32によって切り取られた原稿エリアA100に射影変換(例えば、アフィン変換)を施して原稿エリアA100の歪を補正し、長方形の原稿画像を作成する(ステップS200)。
【0141】
CPU12は、歪処理部38によって歪補正された原稿エリアA100の上下の向きを検出して補正して出力用原稿画像100′を作成し、プロジェクター200に出力する(ステップS202)。これにより、出力用原稿画像100′が外部出力部40を介してプロジェクター200に出力され、スクリーン300に投影される。
【0142】
本実施形態によれば、原稿エリアA100に対してピント合わせ及びAE制御を適切に行うことができる。これにより、原稿100が写っている原稿エリアA100の歪を補正したときに生じる画像の劣化を防止することができる。
【0143】
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。本実施形態は、原稿100を撮影装置10からの距離が遠い部分と近い部分とに分けて撮影して、原稿全体の画像を得るようにしたものである。なお、撮影装置10の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
【0144】
図16は、本発明の第6の実施形態に係る撮影装置を示すブロック図であり、図17は、本実施形態に係る撮影制御の流れを説明するための図である。
【0145】
図16に示すように、本実施形態に係る撮影装置10は、画像合成部42を更に備えている。
【0146】
図17(a)に示すように、原稿100の4隅にはマーカM1,M2,M3,M4がプリントされている。
【0147】
CPU12は、撮影モード時に撮影された画素ごとの画像信号を2値化して2値画像を生成する。
【0148】
原稿認識部32は、マーカM1,M2,M3,M4の形状パターンを記憶しており、2値画像に対して、マーカM1,M2,M3,M4の形状パターンを用いてパターンマッチングを行う。そして、原稿認識部32は、マーカM1,M2,M3,M4によって囲まれる原稿エリアA100を抽出する(図17(a))。更に、原稿認識部32は、マーカの向きから原稿100の上下の向きを検出する。
【0149】
原稿4隅認識部34は、原稿100上のマーカM1,M2,M3,M4の位置を示す座標を取得する。
【0150】
原稿中心算出部36は、マーカM1,M2,M3,M4を結ぶ線分M1M4とM2M3の交点DCの座標を算出する。
【0151】
CPU12は、撮影部20を制御して、撮影装置10に近い側(以下、手前側という)の2つのマーカM3及びM4が撮影装置10の視野F10の幅Wと略一致するようにズームを行う(図17(b))。なお、図17(b)の工程では、CPU12は、原稿エリアA100(少なくとも原稿エリアA100の交点DCより下のエリアA1′)が視野F10内に収まるようにズーム及び画角を制御する。
【0152】
CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御してAFサーチを実行し、エリアA1′にピントが合うようにAF制御を行う。具体的には、CPU12は、原稿エリアA100を複数の分割エリアに分割し、手前側のマーカM3及びM4を含む分割エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、マーカM3及びM4を含む分割エリアのピント位置の中間(平均)のフォーカス位置にフォーカスレンズを移動させる。
【0153】
CPU12は、AF制御の終了後、原稿100を再度撮影する。原稿認識部32は、再撮影された原稿の画像を2値化してマーカM1,M2,M3,M4を検出し、マーカM1,M2,M3,M4に囲まれる原稿エリアA100を切り取る。
【0154】
歪処理部38は、再撮影された画像から切り取られた原稿エリアA100に投影変換(射影変換(例えば、アフィン変換))を施して原稿エリアA100の歪を補正し、長方形の原稿画像A100′を作成する(図17(c))。原稿画像A100′の交点DCより下のエリアA1はピントが合っているが、交点DCより上のエリアA2′はピントが粗い画像となる。
【0155】
また、CPU12は、撮影部20を制御して、交点DCを通り視野F10の横方向に伸びる直線と原稿エリアA100の輪郭(マーカM1,M2,M3,M4を結んで得られる4角形)との交点を結ぶ線分Lが撮影装置10の視野F10の幅Wと略一致するようにズームを行う(図17(d))。なお、図17(d)の工程では、CPU12は、原稿エリアA100の交点DCより上のエリアが視野F10内に収まるようにズーム及び画角を制御する。
【0156】
CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御してAFサーチを実行し、原稿エリアA100の交点DCより上のエリアにピントが合うようにAF制御を行う。具体的には、CPU12は、原稿エリアA100を複数の分割エリアに分割し、撮影装置10から遠い側(以下、奥側という)のマーカM1及びM2を含む分割エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、マーカM1及びM2を含む分割エリアのピント位置の中間(平均)のフォーカス位置にフォーカスレンズを移動させる。
【0157】
CPU12は、AF制御の終了後、原稿100を再度撮影する。原稿認識部32は、再撮影された原稿の画像を2値化してマーカM1,M2及び原稿エリアA100の輪郭を検出し、原稿エリアA100を切り取る。なお、原稿エリアA100の輪郭の検出については、AF制御の終了時点の原稿エリアA100の輪郭の位置情報を記憶しておき、この位置情報に基づいて原稿エリアA100を決定するようにしてもよい。
【0158】
歪処理部38は、再撮影された画像から切り取られた原稿エリアA100に投影変換(射影変換(例えば、アフィン変換))を施して原稿エリアA100の歪を補正し、長方形の原稿画像A100″を作成する(図17(e))。
【0159】
画像合成部42は、図17(c)の交点DCより下のエリアA1と図17(e)の交点DCより上のエリアA2を合成し、出力用原稿画像100′を作成する(図17(f))。出力用原稿画像100′は、外部出力部40を介してプロジェクター200に出力され、スクリーン300に投影される。
【0160】
図18は、本発明の第6の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャートである。
【0161】
まず、動作モードが原稿撮影モードに切り替えられると(ステップS210のYes)、CPU12は、撮影部20を制御して所定の撮影タイミングで原稿100の画像を取り込む(ステップS214)。
【0162】
CPU12は、撮影部20の撮像素子から出力された画素ごとの画像信号を2値化して2値画像を生成する(ステップS216)。原稿認識部32は、2値画像に対してテンプレートマッチングを実施して(ステップS218)、原稿100の4隅にプリントされたマーカM1,M2,M3,M4を検出し、原稿エリアA100を抽出する(ステップS220)。
【0163】
原稿認識部32は、4隅のマーカM1,M2,M3,M4の向きから原稿100の上下の向きを認識する(ステップS222)。
【0164】
原稿4隅認識部34は、4隅のマーカM1,M2,M3,M4の座標を取得する(ステップS224)。原稿中心算出部36は、原稿100の対向するマーカを結ぶ線分(対角線)M1M4とM2M3の交点DCの座標を算出する(ステップS226)。
【0165】
CPU12は、交点DCを中心とするAFエリアACにピントが合うようにAF制御を行い(ステップS228、S230)、AF制御終了後に原稿の画像を再度取り込む。
【0166】
CPU12は、撮影部20を制御して、手前側の2つのマーカM3及びM4が撮影装置10の視野F10の幅Wと略一致するようにズームを実施する(ステップS232)。
【0167】
次に、CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御してAFサーチを実行する(ステップS234)。CPU12は、原稿エリアA100を複数の分割エリアに分割し、手前側のマーカM3及びM4を含む分割エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、マーカM3及びM4を含む分割エリアのピント位置の中間(平均)のフォーカス位置にフォーカスレンズを移動させる(ステップS236)。
【0168】
CPU12は、ステップS236のAF制御及びAE制御終了後に原稿の画像を再度撮影する(ステップS238)。
【0169】
また、CPU12は、撮影部20を制御して、交点DCを通り視野F10の横方向に伸びる直線と原稿エリアA100の輪郭との交点を結ぶ線分Lが撮影装置10の視野F10の幅Wと略一致するようにズームを実施する(ステップS240)。
【0170】
次に、CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御してAFサーチを実行する(ステップS242)。CPU12は、原稿エリアA100を複数の分割エリアに分割し、奥側のマーカM1及びM2を含む分割エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、マーカM1及びM2を含む分割エリアのピント位置の中間(平均)のフォーカス位置にフォーカスレンズを移動させる(ステップS244)。
【0171】
CPU12は、ステップS244のAF制御及びAE制御終了後に原稿の画像を再度撮影する(ステップS246)。
【0172】
原稿認識部32は、ステップS238及びS246において撮影された画像から原稿エリアA100を切り取る。歪処理部38は、ステップS238及びS246において撮影された画像から切り取られた原稿エリアA100に投影変換(射影変換(例えば、アフィン変換))を施して原稿エリアA100の歪を補正する(ステップS248)。
【0173】
画像合成部42は、歪補正後のステップS238の画像A100′中の交点DCより下のエリアA1と、歪補正後のステップS246の画像A100″中の交点DCより上のエリアA2を合成し、出力用原稿画像100′を作成する(ステップS250)。出力用原稿画像100′は、外部出力部40を介してプロジェクター200に出力され、スクリーン300に投影される。
【0174】
本実施形態によれば、原稿エリアA100を手前側と奥側とに分割して撮影することにより、原稿100に対する合焦精度を高めることができる。これにより、原稿100が写っている原稿エリアA100の歪を補正したときに生じる画像の劣化を防止することができる。
【0175】
なお、原稿100上のマーカの形状及び配置は上記に限定されるものではない。例えば、マーカを原稿100の輪郭に沿ってプリントするようにしてもよい。
【0176】
また、原稿100を分割して撮影するときの分割の仕方は上記に限定されるものではない。例えば、原稿エリアA100を縦方向に3つ以上のエリアに分割して撮影して合成画像を作成してもよい。また、原稿エリアA100を縦横複数のエリアに分割して撮影するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る撮影装置の動作を示す図
【図2】撮影装置10によって撮影された原稿の画像を示す図
【図3】本発明の第1の実施形態に係る撮影装置を示すブロック図
【図4】原稿エリアA100及びAFエリアACを模式的に示す図
【図5】本発明の第1の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャート
【図6】本発明の第2の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャート
【図7】本発明の第2の実施形態に係るAF処理の流れを示すフローチャート
【図8】原稿エリアA100を分割した例を示す図
【図9】AF処理の別の実施形態を示すフローチャート
【図10】本発明の第3の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャート
【図11】本発明の第3の実施形態に係るAF制御の流れを示すフローチャート
【図12】本発明の第4の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャート
【図13】本発明の第4の実施形態に係るAF制御の流れを示すフローチャート
【図14】本発明の第5の実施形態に係る撮影装置を示すブロック図
【図15】本発明の第5の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャート
【図16】本発明の第6の実施形態に係る撮影装置を示すブロック図
【図17】本発明の第6の実施形態に係る撮影制御の流れを説明するための図
【図18】本発明の第6の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャート
【符号の説明】
【0178】
10…撮影装置、12…CPU、14…電源部、16…操作部、18…モード設定部、20…撮影部、22…レンズ部、24…レンズ制御部、26…AF部、28…AE部、30…メモリー部、32…原稿認識部、34…原稿4隅認識部、36…原稿中心算出部、38…歪処理部、40…外部出力部、42…画像合成部、100…原稿、200…プロジェクター
【技術分野】
【0001】
本発明は撮影装置及び撮影制御方法に係り、特に原稿の画像を撮影して出力用の原稿画像を作成する撮影装置、撮影システム及び撮影制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、葉書の表裏面を撮影して葉書の画像の輪郭を取得し、撮影画像から葉書の表面画像と裏面画像を切り抜き、切り抜いた葉書の画像を射影変換して画像の歪みを補正する画像処理装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、回転ミラーの回転位置を原稿の読み取り位置に応じて制御しながら、回転ミラーからの光を1次元固体撮影素子に結像させて原稿を撮影する画像読み取り装置が開示されている。
【特許文献1】特開2007−180872号公報
【特許文献2】特開2007−82005号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、葉書を斜めから撮影した場合に、葉書全体にピントを合わせるのが難しい。また、斜めから撮影されて歪んだ画像を射影変換すると、ピントが合っていない部分(例えば、中抜けした部分)の画質が劣化する。
【0005】
特許文献2では、1次元固体撮影素子を用いるため原稿の画像を読み取りに時間がかかる。また、特許文献2は、専用の画像読み取り装置に関するものであり、装置が大がかりになりコストがかかる。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、原稿を正面以外の方向から撮影した場合であっても、原稿に対するピント合わせを適切に行うことができ、原稿を撮影して得られた原稿画像の歪を補正したときに生じる画像の劣化を防止することが可能な撮影装置及び撮影制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る撮影装置は、略長方形の原稿の画像を撮影する撮影手段と、前記原稿の画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識する原稿認識手段と、前記原稿エリアの中心位置を算出する中心位置算出手段と、前記撮影手段を制御して、前記中心位置にピントを合わせる合焦制御手段と、前記合焦制御手段によってピントを合わせた後に前記撮影手段によって撮影された画像から、前記原稿認識手段によって認識された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成する原稿画像補正手段とを備える。
【0008】
上記第1の態様によれば、長方形の原稿の中心位置にピントを合わせるようにしたので、原稿を正面以外の方向から撮影した場合にも、ピント合わせを適切に行うことができる。これにより、原稿が写っている原稿エリアの歪を補正したときに生じる画像の劣化を防止することができる。
【0009】
本発明の第2の態様に係る撮影装置は、上記第1の態様において、前記中心位置算出手段が、前記原稿エリアの4つの頂点の位置を検出し、前記4つの頂点を結んで得られる前記原稿エリアの対角線の交点を前記中心位置として算出するように構成したものである。
【0010】
本発明の第3の態様に係る撮影装置は、上記第1又は2の態様において、前記合焦制御手段が、前記原稿エリアを分割して得られた複数のエリアのうち前記中心位置を含む中心エリアにピントを合わせるように構成したものである。
【0011】
本発明の第4の態様に係る撮影装置は、上記第1から3の態様において、前記中心エリアにピントを合わせたときの焦点評価値を取得し、該焦点評価値に基づいてピント合わせの精度を評価する合焦精度評価手段を更に備え、前記合焦制御手段が、前記中心エリアのピント合わせの精度が低いと評価した場合に、前記中心エリアの近傍のエリアのうち、前記ピント合わせの精度が高いと評価されたエリアにピントを合わせるように構成したものである。
【0012】
本発明の第5の態様に係る撮影装置は、上記第4の態様において、前記合焦精度評価手段が、前記中心エリアのピント合わせの精度が低いと評価した場合に、前記中心エリアに対して前記原稿の画像の水平方向に隣接する隣接エリアのピント合わせの精度を評価し、前記合焦制御手段は、前記隣接エリアのピント合わせの精度が高いと評価した場合に、前記隣接エリアに対してピントを合わせるように構成したものである。
【0013】
本発明の第6の態様に係る撮影装置は、上記第5の態様において、前記合焦精度評価手段が、前記中心エリア及び前記隣接エリアのいずれもピント合わせの精度が低いと評価した場合に、前記中心エリアよりも前記撮影装置に近い手前側エリアのピント合わせの精度を評価し、前記合焦制御手段は、前記手前側エリアのピント合わせの精度が高いと評価した場合に、前記手前側エリアに対してピントを合わせるように構成したものである。
【0014】
本発明の第7の態様に係る撮影装置は、略長方形の原稿の画像を撮影する撮影手段と、前記撮影した画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識する原稿認識手段と、前記原稿エリアの4つの頂点の位置を検出する頂点検出手段と、前記撮影手段を制御して、前記原稿エリアの4つの頂点を含む頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動する合焦制御手段と、前記合焦制御手段によってピントを合わせた後に前記撮影手段によって撮影された画像から、前記原稿認識手段によって認識された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成する原稿画像補正手段とを備える。
【0015】
上記第7の態様によれば、原稿エリアの4頂点を含む分割エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカス位置を移動することにより、各頂点と撮影装置との間の距離が異なる状態で原稿を撮影した場合にも、ピント合わせを適切に行うことができる。
【0016】
本発明の第8の態様に係る撮影装置は、上記第7の態様において、前記平均フォーカス位置にピントを合わせた後、前記頂点エリアが被写界深度内に収まるように絞り値を調整する絞り値調整手段を更に備える。
【0017】
上記第8の態様によれば、絞り値を調整することにより、4頂点を含む分割エリアに対してピント合わせを適切に行うことができる。
【0018】
本発明の第9の態様に係る撮影装置は、略長方形の原稿の画像を撮影する撮影手段と、前記撮影した画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識する第1の原稿認識手段と、前記撮影手段を制御して、前記原稿エリアを分割した複数のエリアにズームして各エリアの画像を撮影する撮影制御手段と、前記撮影手段によって撮影された各エリアの画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識する第2の原稿認識手段と、前記各エリアの画像から検出された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成する原稿画像補正手段と、前記第2の原稿認識手段によって検出され、歪が補正された各エリアの画像を合成して前記原稿の全体の画像を作成する画像合成手段とを備える。
【0019】
上記第9の態様によれば、原稿エリアを分割して撮影することにより、原稿に対する合焦精度を高めることができる。
【0020】
本発明の第10の態様に係る撮影装置は、上記第9の態様において、前記第1の原稿認識手段によって検出された前記原稿エリアの4つの頂点の位置を検出する頂点検出手段と、前記第1の原稿認識手段によって検出された前記原稿エリアの中心位置を算出する中心位置算出手段とを備え、前記撮影制御手段が、前記4つの頂点のうち前記撮影装置に近い手前側の2つの頂点の前記原稿の画像の水平方向の間隔が前記撮影手段の視野の水平方向の幅と略一致するようにズーム制御を行って、前記原稿エリアの前記撮影装置に近い手前側エリアを撮影し、前記中心位置を通り、前記水平方向に伸びる前記原稿エリア内の線分の長さが前記撮影手段の視野の水平方向の幅と略一致するようにズーム制御を行って、前記原稿エリアのうち前記撮影装置から遠い奥側エリアを撮影するように構成したものである。
【0021】
本発明の第11の態様に係る撮影装置は、上記第10の態様において、前記原稿エリアを複数のエリアに分割し、前記撮影手段を制御してピント合わせを行う合焦制御手段であって、前記手前側エリアの撮影時に、前記手前側の2つの頂点を含む手前側頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記手前側頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動する一方、前記奥側エリアの撮影時に、前記撮影装置から遠い側の2つの頂点を含む奥側頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記奥側頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動する合焦制御手段を更に備える。
【0022】
本発明の第12の態様に係る撮影装置は、上記第1から11の態様において、前記撮影手段によって撮影された画像を2値化する画像処理手段を更に備え、前記原稿認識手段が、前記2値化された画像から前記原稿エリアを検出するように構成したものである。
【0023】
本発明の第13の態様に係る撮影装置は、上記第1から11の態様において、前記原稿の少なくとも4隅にプリントされたマーカを検出するマーカ検出手段を更に備え、前記原稿認識手段が、前記マーカを検出して前記原稿エリアを認識するように構成したものである。
【0024】
本発明の第14の態様に係る撮影装置は、上記第1から13の態様において、前記原稿上に形成されたマーカを検出するマーカ検出手段を更に備え、前記原稿画像補正手段が、前記マーカを検出し、前記マーカの形状に基づいて前記原稿の向きを検出するように構成したものである。
【0025】
本発明の第15の態様に係る撮影装置は、上記第1から14の態様において、前記原稿エリア内の画像に基づいて露出制御を行う露出制御手段を更に備える。
【0026】
上記第15の態様によれば、原稿エリアに対するピント合わせ及びAE制御を適切に行うことができる。
【0027】
本発明の第16の態様に係る撮影装置は、上記第15の態様において、前記露出制御手段が、前記原稿エリア内の画像に対して、平均測光、ピーク測光又はマルチパターン測光を行って、前記測光結果に基づいて露光制御を行うように構成したものである。
【0028】
本発明の第17の態様に係る撮影制御方法は、(1a)撮影手段により略長方形の原稿の画像を撮影し、(1b)前記原稿の画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識し、(1c)前記原稿エリアの中心位置を算出し、(1d)前記撮影手段を制御して、前記中心位置にピントを合わせ、(1e)前記中心位置にピントを合わせた後に前記撮影手段によって前記原稿を撮影し、(1f)前記(1e)において撮影された画像から前記原稿エリアを認識し、(1g)前記(1f)において認識された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成するように構成したものである。
【0029】
本発明の第18の態様に係る撮影制御方法は、前記(1d)において、前記中心エリアにピントを合わせたときの焦点評価値を取得し、該焦点評価値に基づいてピント合わせの精度を評価し、前記中心エリアのピント合わせの精度が低いと評価した場合に、前記中心エリアの近傍のエリアのうち、前記ピント合わせの精度が高いと評価されたエリアにピントを合わせるように構成したものである。
【0030】
本発明の第19の態様に係る撮影制御方法は、(2a)撮影手段により略長方形の原稿の画像を撮影し、(2b)前記撮影した画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識し、(2c)前記原稿エリアの4つの頂点の位置を検出し、(2d)前記撮影手段を制御して、前記原稿エリアの4つの頂点を含む頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動させ、(2e)前記(2d)においてピントを合わせた後に前記撮影手段によって前記原稿を撮影し、(2f)前記(2e)において撮影された画像から前記原稿エリアを認識し、(2g)前記(2f)において認識された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成するように構成したものである。
【0031】
本発明の第20の態様に係る撮影制御方法は、上記第19の態様において、前記平均フォーカス位置にピントを合わせた後、前記頂点エリアが被写界深度内に収まるように絞り値を調整するように構成したものである。
【0032】
本発明の第21の態様に係る撮影制御方法は、(3a)前記撮影手段により略長方形の原稿の画像を撮影し、(3b)前記撮影した画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識し、(3c)前記撮影手段を制御して、前記原稿エリアを分割した複数のエリアにズームして各エリアの画像を撮影し、(3d)前記(3c)において撮影された各エリアの画像から前記原稿が写っている原稿エリアを検出し、(3e)前記各エリアの画像から検出された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成し、(3f)前記(3e)において歪が補正された各エリアの画像を合成して前記原稿の全体の画像を作成するように構成したものである。
【0033】
本発明の第22の態様に係る撮影制御方法は、前記(3c)において、前記原稿エリアの4つの頂点の位置を検出し、前記原稿エリアの中心位置を算出し、前記4つの頂点のうち前記撮影手段に近い手前側の2つの頂点の前記原稿の画像の水平方向の間隔が前記撮影手段の視野の水平方向の幅と略一致するようにズーム制御を行って、前記原稿エリアの前記撮影装置に近い手前側エリアを撮影し、前記中心位置を通り、前記水平方向に伸びる前記原稿エリア内の線分の長さが前記撮影手段の視野の水平方向の幅と略一致するようにズーム制御を行って、前記原稿エリアのうち前記撮影装置から遠い奥側エリアを撮影するように構成したものである。
【0034】
本発明の第23の態様に係る撮影制御方法は、上記第22の態様において、前記手前側エリアの撮影時に、前記手前側の2つの頂点を含む手前側頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記手前側頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動し、前記奥側エリアの撮影時に、前記撮影装置から遠い側の2つの頂点を含む奥側頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記奥側頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動するように構成したものである。
【0035】
本発明の第24の態様に係る撮影制御方法は、上記第17から24の態様において、前記原稿エリア内の画像に基づいて露出制御を行うように構成したものである。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、原稿を正面以外の方向から撮影した場合にも、ピント合わせを適切に行うことができる。これにより、原稿が写っている原稿エリアの歪を補正したときに生じる画像の劣化を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、添付図面に従って本発明に係る撮影装置及び撮影制御方法の好ましい実施の形態について説明する。
【0038】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮影装置の動作を示す図である。また、図2は、撮影装置10によって撮影された原稿の画像を示す図である。
【0039】
図1に示すように、本実施形態に係る撮影装置10は、長方形の原稿100を撮影して得られた画像P100から原稿100が写っている原稿エリアA100を抽出する。撮影装置10は、原稿エリアA100の中心位置に合焦するように自動焦点調節(AF)を行った後、原稿100を撮影する。そして、撮影装置10は、AF後に撮影した画像から原稿エリアA100を抽出し、原稿エリアA100の歪みを補正して原稿100の形状を再現するとともに、原稿エリアA100の向きを補正し、出力用の原稿画像を作成する。
【0040】
プロジェクター200は、撮影装置10から原稿画像100′を受信してスクリーン300に投影する。
【0041】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る撮影装置を示すブロック図である。
【0042】
本実施形態に係る撮影装置10は、画像を撮影して電子データとして記録する電子カメラである。
【0043】
中央処理装置(CPU)12は、所定のプログラムに従って撮影装置10全体の動作を制御し、自動焦点調節(AF)演算、自動露出(AE)演算及びホワイトバランス(WB)調整演算を含む各種演算を実施する。
【0044】
電源部14は、バッテリ及び電源制御回路を含んでおり、撮影装置10内の各部に電力を供給する。
【0045】
操作部16は、ユーザからの操作入力を受け付ける操作部材であり、電源スイッチ及びシャッタースイッチを含んでいる。電源スイッチは、撮影装置10の電源のオン・オフを切り替えるための操作部材である。シャッタースイッチは、撮影開始の指示を入力する操作部材である。
【0046】
操作部16からの信号はCPU12に入力される。CPU12は、操作部16からの入力信号に基づいて撮影装置10の各回路を制御し、例えば、レンズ駆動制御、撮影動作制御、画像処理制御、画像データの記録/再生制御を行う。
【0047】
モード設定部18は、撮影装置10の動作モードの切り替え操作を受け付ける操作部材である。撮影装置10の動作モードは、モード設定部18からの操作入力に応じて、通常の撮影モード(静止画撮影モード及び動画撮影モード)、原稿撮影モード及び画像を再生する再生モードとの間で切り替わる。
【0048】
撮影部20は、フォーカスレンズ、ズームレンズ及び絞りを含むレンズ部22、レンズ部を駆動制御するレンズ制御部24及び撮像素子(CCD又はCMOS)を含んでいる。
【0049】
AF部26は、撮像素子から得られたG信号の高周波成分のみを通過させるハイパスフィルタ、ハイパスフィルタからの出力信号の絶対値をとる絶対値化処理部、画面内にあらかじめ設定されているフォーカス対象エリア(以下、AFエリアという)内の信号を切り出すAFエリア抽出部、及びAFエリア内の絶対値を積算して積算値(焦点評価値(AF評価値))を得る積算部を含んでいる。CPU12は、フォーカスレンズを移動させて複数のフォーカス位置におけるAF評価値を取得し、AF評価値が極大となるレンズ位置をピント位置として決定し、上記ピント位置にフォーカスレンズを移動させる。なお、AF評価値は、輝度信号(Y信号)から求めるようにしてもよい。
【0050】
AE部28は、撮像素子から出力された画像1画面を複数の分割エリア(例えば、8×8又は16×16)に分割し、分割エリアごとにR、G、B信号を積算する。CPU12は、AE部28から取得した積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。CPU12は、求めた露出値と所定のプログラム線図に従って、絞り値とシャッタースピードを決定し、撮像素子の電子シャッター機能及び絞りを制御して露光量を調節する。
【0051】
メモリー部30は、記録メディア(例えば、xDピクチャカード(登録商標)又はSDカード(登録商標))及び記録メディアを着脱自在に装着するソケットを含んでおり、撮影部20によって撮影された画像を所定の形式の画像ファイルとして記録メディアに記録する。
【0052】
通常の撮影モード時には、CPU12は、シャッタースイッチの半押しを検出すると、AF部26及びAE部28からそれぞれAF評価値及び積算値を取得して、AF制御及びAE制御を行う。CPU12は、シャッタースイッチの全押しを検出すると、画像の取り込みを行う。そして、CPU12は、取り込んだ画像を所定の形式の画像データファイルに変換してメモリー部30に出力する。
【0053】
[原稿撮影モード]
次に、原稿撮影モード時における撮影装置10の動作について説明する。
【0054】
原稿撮影モード時には、図1に示すように、撮影中に撮影装置10と原稿100の相対位置が変化しないように机400に置いて撮影を行う。
【0055】
CPU12は、原稿撮影モード時にシャッタースイッチの全押しを検出すると、撮影部20を制御して原稿100の撮影を実行する。なお、原稿撮影モード時には、原稿100の撮影は、シャッタースイッチの押下のタイミングで実行されるほか、所定の時間間隔で自動的に実行される。
【0056】
CPU12は、撮影部20の撮像素子から出力された画素ごとの画像信号を2値化して2値エッジ画像を生成する。
【0057】
原稿認識部32は、2値エッジ画像から原稿100の輪郭B100を検出し、輪郭B100に囲まれる原稿エリアA100を抽出する。
【0058】
原稿4隅認識部34は、輪郭B100から原稿100の4隅の頂点D1,D2,D3,D4を検出し、4頂点D1,D2,D3,D4の位置を示す座標を取得する。
【0059】
原稿中心算出部36は、原稿100の対向する頂点を結ぶ対角線D1D4及び,D2D3の交点DCの座標を原稿エリアA100の中心位置として算出する。なお、対角線の交点DCに代えて、例えば、原稿エリアA100の重心、内接円又は外接円の中心を原稿エリアA100の中心位置としてもよい。
【0060】
CPU12は、原稿エリアA100を所定の分割エリアに分割し、図4に示す交点DCを中心とするエリアACをAFエリアに設定する。そして、CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御して複数のフォーカス位置においてAFエリアACのAF評価値を取得し、AFエリアACにピントが合うようにAF制御を行う。
【0061】
CPU12は、AF制御の終了後、原稿100を再度撮影する。原稿認識部32は、再撮影された原稿の画像から輪郭B100を検出し、輪郭B100により囲まれる原稿エリアA100を切り取る。
【0062】
歪処理部38は、再撮影された画像から切り取られた原稿エリアA100に投影変換(射影変換(例えば、アフィン変換))を施して原稿エリアA100の歪を補正し、長方形の原稿画像を作成する。
【0063】
CPU12は、歪処理部38によって歪補正された原稿エリアA100の上下の向きを検出して補正し、出力用原稿画像100′を作成する。出力用原稿画像100′は、外部出力部40を介してプロジェクター200に出力され、図1に示すように、スクリーン300に投影される。
【0064】
本実施形態では、上下検出用のマーカUPが原稿100上に印刷されている。CPU12は、画像中の原稿エリアからこのマーカを検出することにより、原稿エリアA100の上下の向きを検出する。なお、原稿100上又は原稿100近傍にマーカUPが形成された部材を置くようにしてもよい。また、原稿エリアA100の上下の向きは、例えば、原稿100上にプリントされた文字又は画像を認識して検出するようにしてもよい。
【0065】
次に、本発明の第1の実施形態に係る撮影制御方法について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0066】
まず、動作モードが原稿撮影モードに切り替えられると(ステップS10のYes)、CPU12は、撮影部20を制御して所定の撮影タイミングで原稿100の画像を取り込む(ステップS14)。
【0067】
CPU12は、撮影部20の撮像素子から出力された画素ごとの画像信号を2値化して2値エッジ画像を生成する(ステップS16)。原稿認識部32は、原稿エリアA100を抽出する(ステップS18)。
【0068】
原稿4隅認識部34は、原稿100の4頂点D1,D2,D3,D4を検出し、4頂点D1,D2,D3,D4の座標を取得する(ステップS20)。
【0069】
原稿中心算出部36は、原稿100の対向する頂点を結ぶ対角線D1D4とD2D3の交点DCの座標を算出する(ステップS22)。
【0070】
CPU12は、交点DCを中心とするAFエリアACにピントが合うようにAF制御を行い(ステップS24、S26)、AF制御終了後に原稿の画像を再度取り込む(ステップS28)。
【0071】
次に、原稿認識部32は、再撮影された原稿の画像から原稿エリアA100を切り取る。歪処理部38は、原稿認識部32によって切り取られた原稿エリアA100に射影変換(例えば、アフィン変換)を施して原稿エリアA100の歪を補正し、長方形の原稿画像を作成する(ステップS30)。
【0072】
CPU12は、歪処理部38によって歪補正された原稿エリアA100の上下の向きを検出して補正して出力用原稿画像100′を作成し、プロジェクター200に出力する(ステップS32)。これにより、出力用原稿画像100′が外部出力部40を介してプロジェクター200に出力され、スクリーン300に投影される。
【0073】
本実施形態によれば、長方形の原稿100の対角線の交点DCを中心とするAFエリアACにピントを合わせるようにしたので、原稿100を正面以外の方向から撮影した場合にも、ピント合わせを適切に行うことができる。これにより、原稿100が写っている原稿エリアA100の歪を補正したときに生じる画像の劣化を防止することができる。
【0074】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、原稿エリアA100の対角線の交点AC付近にある分割エリアのうちAF評価値が高い分割エリアピントを合わせるようにしたものである。なお、撮影装置10の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
【0075】
図6は、本発明の第2の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャートである。
【0076】
まず、動作モードが原稿撮影モードに切り替えられると(ステップS40のYes)、CPU12は、撮影部20を制御して所定の撮影タイミングで原稿100の画像を取り込む(ステップS44)。
【0077】
CPU12は、撮影部20の撮像素子から出力された画素ごとの画像信号を2値化して2値エッジ画像を生成する(ステップS46)。原稿認識部32は、原稿エリアA100を抽出する(ステップS48)。
【0078】
原稿4隅認識部34は、原稿100の4頂点D1,D2,D3,D4を検出し、4頂点D1,D2,D3,D4の座標を取得する(ステップS50)。
【0079】
原稿中心算出部36は、原稿100の対向する頂点を結ぶ対角線D1D4とD2D3の交点DCの座標を算出する(ステップS52)。
【0080】
CPU12は、原稿エリアA100上の交点DC付近を分割し、AFサーチを実行して分割エリアごとにAF評価値を取得する(ステップS54)。そして、CPU12は、ピントが合ったときのAF評価値が高い分割エリアにピントが合うようにAF制御を行い(ステップS56)、AF制御終了後に原稿の画像を再度取り込む(ステップS58)。
【0081】
次に、原稿認識部32は、再撮影された原稿の画像から原稿エリアA100を切り取る。歪処理部38は、原稿認識部32によって切り取られた原稿エリアA100に射影変換(例えば、アフィン変換)を施して原稿エリアA100の歪を補正し、長方形の原稿画像を作成する(ステップS60)。
【0082】
CPU12は、歪処理部38によって歪補正された原稿エリアA100の上下の向きを検出して補正して出力用原稿画像100′を作成し、プロジェクター200に出力する(ステップS62)。これにより、出力用原稿画像100′が外部出力部40を介してプロジェクター200に出力され、スクリーン300に投影される。
【0083】
図7は、AF処理の流れを示すフローチャートである。
【0084】
まず、CPU12は、図8に示すように、原稿認識部32によって抽出された原稿エリアA100を分割する(ステップS70)。そして、CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御してAFサーチを実行し、各分割エリアA1A,A1B,…,A5EにおけるAF評価値を取得する(ステップS72)。
【0085】
次に、CPU12は、対角線D1D4とD2D3の交点DCを含む中心エリアA3Cにピントを合わせた場合のAF評価値が信頼できる値であるかどうか判定する(ステップS74)。本実施形態では、ピント合わせの精度(合焦精度)が十分に得られるようなAF評価値(極大値)の閾値があらかじめ定められている。ステップS74では、CPU12は、中心エリアA3CのAF評価値がこの閾値以上かどうかに基づいてAF評価値の信頼度を判定する。
【0086】
中心エリアA3CのAF評価値が信頼できると判定した場合(ステップS74のYes)、CPU12は、撮影部20を制御して中心エリアA3Cのピント位置(AF評価値が極大となるフォーカス位置)にフォーカス位置を移動させる(ステップS78)。
【0087】
一方、中心エリアA3CのAF評価値が信頼できないと判定した場合(ステップS74のNo)、CPU12は、中心エリアA3C近傍でAF評価値が最も大きい分割エリアを選択し(ステップS76)、選択した分割エリアのピント位置にフォーカス位置を移動させる(ステップS78)。
【0088】
図9は、AF処理の別の実施形態を示すフローチャートである。
【0089】
まず、CPU12は、原稿認識部32によって抽出された原稿エリアA100を分割する(ステップS80)。そして、CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御してAFサーチを実行し、各分割エリアA1A,A1B,…,A5EにおけるAF評価値を取得する(ステップS82)。
【0090】
次に、CPU12は、対角線D1D4とD2D3の交点DCを含む中心エリアA3Cにピントを合わせた場合のAF評価値が信頼できる値であるかどうか判定する(ステップS84)。
【0091】
中心エリアA3CのAF評価値が信頼できると判定した場合(ステップS84のYes)、CPU12は、撮影部20を制御して中心エリアA3Cのピント位置(AF評価値が極大となるフォーカス位置)にフォーカス位置を移動させる(ステップS90)。
【0092】
一方、中心エリアA3CのAF評価値が信頼できないと判定した場合(ステップS84のNo)、CPU12は、中心エリアA3Cの図8の横方向(撮影装置10の視野の水平方向)に隣接する分割エリアA3B及びA3DのAF評価値(極大値)を取得する(ステップS86)。そして、CPU12は、分割エリアA3B及びA3DのうちAF評価値(極大値)が大きい方の分割エリアのピント位置にフォーカス位置を移動させる(ステップS88、S90)。
【0093】
一方、分割エリアA3B及びA3DのAF評価値がともに閾値未満の場合には、分割エリアA3Cよりも撮影装置10に近い分割エリア(手前側の分割エリア)について、例えば、A4C,A4B,A4D,…の順にAF評価値を評価する。そして、上記いずれの分割エリアのAF評価値がいずれも閾値未満の場合には、分割エリアA3Cよりも撮影装置10に遠い分割エリア(奥側の分割エリア)について、例えば、A2C,A2B,A2D,…の順にAF評価値を評価する。
【0094】
本実施形態によれば、中心エリアA3CのAF評価値(極大値)が所定値以下の場合には、中心エリアA3Cの横方向に隣接し、撮影装置10からの距離が中心エリアA3Cに近い分割エリアに合わせてAF制御を行うようにしたので、ピント合わせをより適切に行うことができる。
【0095】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、4頂点を含む分割エリアのAF評価値に基づいてAF制御を行う。なお、撮影装置10の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
【0096】
図10は、本発明の第3の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャートである。
【0097】
まず、動作モードが原稿撮影モードに切り替えられると(ステップS100のYes)、CPU12は、撮影部20を制御して所定の撮影タイミングで原稿100の画像を取り込む(ステップS104)。
【0098】
CPU12は、撮影部20の撮像素子から出力された画素ごとの画像信号を2値化して2値エッジ画像を生成する(ステップS106)。原稿認識部32は、原稿エリアA100を抽出する(ステップS108)。
【0099】
原稿4隅認識部34は、原稿100の4頂点D1,D2,D3,D4を検出し、4頂点D1,D2,D3,D4の座標を取得する(ステップS110)。
【0100】
CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御してAFサーチを実行する(ステップS112)。そして、CPU12は、4頂点D1,D2,D3,D4を含む分割エリアA1A,A1E,A5A,A5Eのピント位置を検出する(ステップS114)。
【0101】
次に、CPU12は、分割エリアA1A,A1E,A5A,A5Eのピント位置の平均値(以下、平均フォーカス位置という。)を算出する(ステップS116)。そして、CPU12は、撮影部20を制御して、ステップS116において算出した平均フォーカス位置にフォーカスレンズを移動させ(ステップS118)、原稿の画像を再度取り込む(ステップS120)。
【0102】
次に、原稿認識部32は、再撮影された原稿の画像から原稿エリアA100を切り取る。歪処理部38は、原稿認識部32によって切り取られた原稿エリアA100に射影変換(例えば、アフィン変換)を施して原稿エリアA100の歪を補正し、長方形の原稿画像を作成する(ステップS122)。
【0103】
CPU12は、歪処理部38によって歪補正された原稿エリアA100の上下の向きを検出して補正して出力用原稿画像100′を作成し、プロジェクター200に出力する(ステップS124)。これにより、出力用原稿画像100′が外部出力部40を介してプロジェクター200に出力され、スクリーン300に投影される。
【0104】
図11は、本発明の第3の実施形態に係るAF制御の流れを示すフローチャートである。
【0105】
まず、CPU12は、図8に示すように、原稿エリアA100を分割する(ステップS130)。そして、CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御してAFサーチを実行し、4頂点D1,D2,D3,D4を含む分割エリアA1A,A1E,A5A,A5Eのピント位置を検出する(ステップS132)。
【0106】
次に、CPU12は、分割エリアA1A,A1E,A5A,A5Eのピント位置の平均フォーカス位置を算出し、撮影部20を制御して、ステップS116において算出した平均フォーカス位置にフォーカスレンズを移動させる(ステップS134)。
【0107】
本実施形態によれば、原稿エリアA100の4隅の分割エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカス位置を移動することにより、4頂点D1,D2,D3,D4と撮影装置10との間の距離が異なる状態で原稿100を撮影した場合にも、ピント合わせを適切に行うことができる。これにより、原稿100が写っている原稿エリアA100の歪を補正したときに生じる画像の劣化を防止することができる。
【0108】
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態は、4頂点を含む分割エリアのAF評価値に基づいてAF制御を行うとともに、焦点深度を制御して合焦精度を高めるようにしたものである。なお、撮影装置10の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
【0109】
図12は、本発明の第4の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャートである。
【0110】
まず、動作モードが原稿撮影モードに切り替えられると(ステップS140のYes)、CPU12は、撮影部20を制御して所定の撮影タイミングで原稿100の画像を取り込む(ステップS144)。
【0111】
CPU12は、撮影部20の撮像素子から出力された画素ごとの画像信号を2値化して2値エッジ画像を生成する(ステップS146)。原稿認識部32は、原稿エリアA100を抽出する(ステップS148)。
【0112】
原稿4隅認識部34は、原稿100の4頂点D1,D2,D3,D4を検出し、4頂点D1,D2,D3,D4の座標を取得する(ステップS150)。
【0113】
CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御してAFサーチを実行する(ステップS152)。そして、CPU12は、4頂点D1,D2,D3,D4を含む分割エリアA1A,A1E,A5A,A5Eのピント位置を検出する(ステップS154)。
【0114】
次に、CPU12は、分割エリアA1A,A1E,A5A,A5Eのピント位置の平均値(以下、平均フォーカス位置という。)を算出する(ステップS156)。そして、CPU12は、撮影部20を制御して、ステップS156において算出した平均フォーカス位置にフォーカスレンズを移動させる(ステップS158)。そして、CPU12は、分割エリアA1A,A1E,A5A,A5Eの焦点深度が被写界深度内に収まるように、撮影部20の絞り値を変更し(ステップS160)、原稿の画像を再度取り込む(ステップS162)。
【0115】
次に、原稿認識部32は、再撮影された原稿の画像から原稿エリアA100を切り取る。歪処理部38は、原稿認識部32によって切り取られた原稿エリアA100に射影変換(例えば、アフィン変換)を施して原稿エリアA100の歪を補正し、長方形の原稿画像を作成する(ステップS164)。
【0116】
CPU12は、歪処理部38によって歪補正された原稿エリアA100の上下の向きを検出して補正して出力用原稿画像100′を作成し、プロジェクター200に出力する(ステップS166)。これにより、出力用原稿画像100′が外部出力部40を介してプロジェクター200に出力され、スクリーン300に投影される。
【0117】
図13は、本発明の第4の実施形態に係るAF制御の流れを示すフローチャートである。
【0118】
まず、CPU12は、図8に示すように、原稿エリアA100を分割する(ステップS170)。そして、CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御してAFサーチを実行し、4頂点D1,D2,D3,D4を含む分割エリアA1A,A1E,A5A,A5Eのピント位置を検出する(ステップS172)。
【0119】
次に、CPU12は、分割エリアA1A,A1E,A5A,A5Eのピント位置の平均フォーカス位置を算出し、撮影部20を制御して、ステップS116において算出した平均フォーカス位置にフォーカスレンズを移動させる(ステップS174)。そして、CPU12は、分割エリアA1A,A1E,A5A,A5Eの焦点深度が被写界深度内に収まるように、撮影部20の絞り値を変更する(ステップS176)。
【0120】
本実施形態によれば、原稿エリアA100の4隅の分割エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカス位置を移動することにより、4頂点D1,D2,D3,D4と撮影装置10との間の距離が異なる状態で原稿100を撮影した場合にも、ピント合わせを適切に行うことができる。これにより、原稿100が写っている原稿エリアA100の歪を補正したときに生じる画像の劣化を防止することができる。
【0121】
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態は、原稿100が写っている原稿エリアA100に合わせて露出制御を行うようにしたものである。
【0122】
図14は、本発明の第5の実施形態に係る撮影装置を示すブロック図である。
【0123】
CPU12は、原稿撮影モード時に撮影部20の撮像素子から出力された画素ごとの画像信号を2値化して2値エッジ画像を生成する。
【0124】
原稿認識部32は、2値エッジ画像から原稿100の輪郭B100を検出し、輪郭B100に囲まれる原稿エリアA100を抽出する。
【0125】
原稿4隅認識部34は、輪郭B100から原稿100の4隅の頂点D1,D2,D3,D4を検出し、4頂点D1,D2,D3,D4の位置を示す座標を取得する。
【0126】
原稿中心算出部36は、原稿100の対向する頂点を結ぶ対角線D1D4及び,D2D3の交点DCの座標を算出する。
【0127】
CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御して、原稿エリアA100にピントが合うようにAF制御を行う。なお、AF制御の方法は、上記第1から第4の実施形態の方法を適用することができる。
【0128】
AE部28は、原稿エリアA100のR、G、B信号から、原稿エリアA100全体の平均測光値を算出する。CPU12は、AE部28から取得した積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。CPU12は、求めた露出値と所定のプログラム線図に従って、絞り値とシャッタースピードを決定し、撮像素子の電子シャッター機能及び絞りを制御して露光量を調節する。
【0129】
なお、測光値の算出方法は、上記の平均測光のほか、例えば、原稿エリアA100内の高輝度のエリアに合わせて測光値を算出するピーク測光、又は原稿エリアA100を複数の分割エリアに分割して分割エリアごとに測光値を算出するマルチパターン測光を適用することもできる。
【0130】
CPU12は、AF制御及びAE制御の終了後、原稿100を再度撮影する。原稿認識部32は、再撮影された原稿の画像から輪郭B100を検出し、輪郭B100により囲まれる原稿エリアA100を切り取る。
【0131】
歪処理部38は、再撮影された画像から切り取られた原稿エリアA100に投影変換(射影変換(例えば、アフィン変換))を施して原稿エリアA100の歪を補正し、長方形の原稿画像を作成する。
【0132】
CPU12は、歪処理部38によって歪補正された原稿エリアA100の上下の向きを検出して補正し、出力用原稿画像100′を作成する。出力用原稿画像100′は、外部出力部40を介してプロジェクター200に出力され、スクリーン300に投影される。
【0133】
図15は、本発明の第5の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャートである。
【0134】
まず、動作モードが原稿撮影モードに切り替えられると(ステップS180のYes)、CPU12は、撮影部20を制御して所定の撮影タイミングで原稿100の画像を取り込む(ステップS184)。
【0135】
CPU12は、撮影部20の撮像素子から出力された画素ごとの画像信号を2値化して2値エッジ画像を生成する(ステップS186)。原稿認識部32は、原稿エリアA100を抽出する(ステップS188)。
【0136】
原稿4隅認識部34は、原稿100の4頂点D1,D2,D3,D4を検出し、4頂点D1,D2,D3,D4の座標を取得する(ステップS190)。
【0137】
原稿中心算出部36は、原稿100の対向する頂点を結ぶ対角線D1D4とD2D3の交点DCの座標を算出する(ステップS192)。
【0138】
CPU12は、原稿エリアA100にピントが合うようにAF制御を行う(ステップS194)。
【0139】
AE部28は、原稿エリアA100から測光値を算出する。CPU12は、原稿エリアA100から算出された測光値から露出値を算出し、AE制御を行う(ステップS196)。
【0140】
次に、AF制御及びAE制御終了後に原稿の画像を再度取り込む(ステップS198)。原稿認識部32は、再撮影された原稿の画像から原稿エリアA100を切り取る。歪処理部38は、原稿認識部32によって切り取られた原稿エリアA100に射影変換(例えば、アフィン変換)を施して原稿エリアA100の歪を補正し、長方形の原稿画像を作成する(ステップS200)。
【0141】
CPU12は、歪処理部38によって歪補正された原稿エリアA100の上下の向きを検出して補正して出力用原稿画像100′を作成し、プロジェクター200に出力する(ステップS202)。これにより、出力用原稿画像100′が外部出力部40を介してプロジェクター200に出力され、スクリーン300に投影される。
【0142】
本実施形態によれば、原稿エリアA100に対してピント合わせ及びAE制御を適切に行うことができる。これにより、原稿100が写っている原稿エリアA100の歪を補正したときに生じる画像の劣化を防止することができる。
【0143】
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。本実施形態は、原稿100を撮影装置10からの距離が遠い部分と近い部分とに分けて撮影して、原稿全体の画像を得るようにしたものである。なお、撮影装置10の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
【0144】
図16は、本発明の第6の実施形態に係る撮影装置を示すブロック図であり、図17は、本実施形態に係る撮影制御の流れを説明するための図である。
【0145】
図16に示すように、本実施形態に係る撮影装置10は、画像合成部42を更に備えている。
【0146】
図17(a)に示すように、原稿100の4隅にはマーカM1,M2,M3,M4がプリントされている。
【0147】
CPU12は、撮影モード時に撮影された画素ごとの画像信号を2値化して2値画像を生成する。
【0148】
原稿認識部32は、マーカM1,M2,M3,M4の形状パターンを記憶しており、2値画像に対して、マーカM1,M2,M3,M4の形状パターンを用いてパターンマッチングを行う。そして、原稿認識部32は、マーカM1,M2,M3,M4によって囲まれる原稿エリアA100を抽出する(図17(a))。更に、原稿認識部32は、マーカの向きから原稿100の上下の向きを検出する。
【0149】
原稿4隅認識部34は、原稿100上のマーカM1,M2,M3,M4の位置を示す座標を取得する。
【0150】
原稿中心算出部36は、マーカM1,M2,M3,M4を結ぶ線分M1M4とM2M3の交点DCの座標を算出する。
【0151】
CPU12は、撮影部20を制御して、撮影装置10に近い側(以下、手前側という)の2つのマーカM3及びM4が撮影装置10の視野F10の幅Wと略一致するようにズームを行う(図17(b))。なお、図17(b)の工程では、CPU12は、原稿エリアA100(少なくとも原稿エリアA100の交点DCより下のエリアA1′)が視野F10内に収まるようにズーム及び画角を制御する。
【0152】
CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御してAFサーチを実行し、エリアA1′にピントが合うようにAF制御を行う。具体的には、CPU12は、原稿エリアA100を複数の分割エリアに分割し、手前側のマーカM3及びM4を含む分割エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、マーカM3及びM4を含む分割エリアのピント位置の中間(平均)のフォーカス位置にフォーカスレンズを移動させる。
【0153】
CPU12は、AF制御の終了後、原稿100を再度撮影する。原稿認識部32は、再撮影された原稿の画像を2値化してマーカM1,M2,M3,M4を検出し、マーカM1,M2,M3,M4に囲まれる原稿エリアA100を切り取る。
【0154】
歪処理部38は、再撮影された画像から切り取られた原稿エリアA100に投影変換(射影変換(例えば、アフィン変換))を施して原稿エリアA100の歪を補正し、長方形の原稿画像A100′を作成する(図17(c))。原稿画像A100′の交点DCより下のエリアA1はピントが合っているが、交点DCより上のエリアA2′はピントが粗い画像となる。
【0155】
また、CPU12は、撮影部20を制御して、交点DCを通り視野F10の横方向に伸びる直線と原稿エリアA100の輪郭(マーカM1,M2,M3,M4を結んで得られる4角形)との交点を結ぶ線分Lが撮影装置10の視野F10の幅Wと略一致するようにズームを行う(図17(d))。なお、図17(d)の工程では、CPU12は、原稿エリアA100の交点DCより上のエリアが視野F10内に収まるようにズーム及び画角を制御する。
【0156】
CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御してAFサーチを実行し、原稿エリアA100の交点DCより上のエリアにピントが合うようにAF制御を行う。具体的には、CPU12は、原稿エリアA100を複数の分割エリアに分割し、撮影装置10から遠い側(以下、奥側という)のマーカM1及びM2を含む分割エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、マーカM1及びM2を含む分割エリアのピント位置の中間(平均)のフォーカス位置にフォーカスレンズを移動させる。
【0157】
CPU12は、AF制御の終了後、原稿100を再度撮影する。原稿認識部32は、再撮影された原稿の画像を2値化してマーカM1,M2及び原稿エリアA100の輪郭を検出し、原稿エリアA100を切り取る。なお、原稿エリアA100の輪郭の検出については、AF制御の終了時点の原稿エリアA100の輪郭の位置情報を記憶しておき、この位置情報に基づいて原稿エリアA100を決定するようにしてもよい。
【0158】
歪処理部38は、再撮影された画像から切り取られた原稿エリアA100に投影変換(射影変換(例えば、アフィン変換))を施して原稿エリアA100の歪を補正し、長方形の原稿画像A100″を作成する(図17(e))。
【0159】
画像合成部42は、図17(c)の交点DCより下のエリアA1と図17(e)の交点DCより上のエリアA2を合成し、出力用原稿画像100′を作成する(図17(f))。出力用原稿画像100′は、外部出力部40を介してプロジェクター200に出力され、スクリーン300に投影される。
【0160】
図18は、本発明の第6の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャートである。
【0161】
まず、動作モードが原稿撮影モードに切り替えられると(ステップS210のYes)、CPU12は、撮影部20を制御して所定の撮影タイミングで原稿100の画像を取り込む(ステップS214)。
【0162】
CPU12は、撮影部20の撮像素子から出力された画素ごとの画像信号を2値化して2値画像を生成する(ステップS216)。原稿認識部32は、2値画像に対してテンプレートマッチングを実施して(ステップS218)、原稿100の4隅にプリントされたマーカM1,M2,M3,M4を検出し、原稿エリアA100を抽出する(ステップS220)。
【0163】
原稿認識部32は、4隅のマーカM1,M2,M3,M4の向きから原稿100の上下の向きを認識する(ステップS222)。
【0164】
原稿4隅認識部34は、4隅のマーカM1,M2,M3,M4の座標を取得する(ステップS224)。原稿中心算出部36は、原稿100の対向するマーカを結ぶ線分(対角線)M1M4とM2M3の交点DCの座標を算出する(ステップS226)。
【0165】
CPU12は、交点DCを中心とするAFエリアACにピントが合うようにAF制御を行い(ステップS228、S230)、AF制御終了後に原稿の画像を再度取り込む。
【0166】
CPU12は、撮影部20を制御して、手前側の2つのマーカM3及びM4が撮影装置10の視野F10の幅Wと略一致するようにズームを実施する(ステップS232)。
【0167】
次に、CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御してAFサーチを実行する(ステップS234)。CPU12は、原稿エリアA100を複数の分割エリアに分割し、手前側のマーカM3及びM4を含む分割エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、マーカM3及びM4を含む分割エリアのピント位置の中間(平均)のフォーカス位置にフォーカスレンズを移動させる(ステップS236)。
【0168】
CPU12は、ステップS236のAF制御及びAE制御終了後に原稿の画像を再度撮影する(ステップS238)。
【0169】
また、CPU12は、撮影部20を制御して、交点DCを通り視野F10の横方向に伸びる直線と原稿エリアA100の輪郭との交点を結ぶ線分Lが撮影装置10の視野F10の幅Wと略一致するようにズームを実施する(ステップS240)。
【0170】
次に、CPU12は、撮影部20及びAF部26を制御してAFサーチを実行する(ステップS242)。CPU12は、原稿エリアA100を複数の分割エリアに分割し、奥側のマーカM1及びM2を含む分割エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、マーカM1及びM2を含む分割エリアのピント位置の中間(平均)のフォーカス位置にフォーカスレンズを移動させる(ステップS244)。
【0171】
CPU12は、ステップS244のAF制御及びAE制御終了後に原稿の画像を再度撮影する(ステップS246)。
【0172】
原稿認識部32は、ステップS238及びS246において撮影された画像から原稿エリアA100を切り取る。歪処理部38は、ステップS238及びS246において撮影された画像から切り取られた原稿エリアA100に投影変換(射影変換(例えば、アフィン変換))を施して原稿エリアA100の歪を補正する(ステップS248)。
【0173】
画像合成部42は、歪補正後のステップS238の画像A100′中の交点DCより下のエリアA1と、歪補正後のステップS246の画像A100″中の交点DCより上のエリアA2を合成し、出力用原稿画像100′を作成する(ステップS250)。出力用原稿画像100′は、外部出力部40を介してプロジェクター200に出力され、スクリーン300に投影される。
【0174】
本実施形態によれば、原稿エリアA100を手前側と奥側とに分割して撮影することにより、原稿100に対する合焦精度を高めることができる。これにより、原稿100が写っている原稿エリアA100の歪を補正したときに生じる画像の劣化を防止することができる。
【0175】
なお、原稿100上のマーカの形状及び配置は上記に限定されるものではない。例えば、マーカを原稿100の輪郭に沿ってプリントするようにしてもよい。
【0176】
また、原稿100を分割して撮影するときの分割の仕方は上記に限定されるものではない。例えば、原稿エリアA100を縦方向に3つ以上のエリアに分割して撮影して合成画像を作成してもよい。また、原稿エリアA100を縦横複数のエリアに分割して撮影するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る撮影装置の動作を示す図
【図2】撮影装置10によって撮影された原稿の画像を示す図
【図3】本発明の第1の実施形態に係る撮影装置を示すブロック図
【図4】原稿エリアA100及びAFエリアACを模式的に示す図
【図5】本発明の第1の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャート
【図6】本発明の第2の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャート
【図7】本発明の第2の実施形態に係るAF処理の流れを示すフローチャート
【図8】原稿エリアA100を分割した例を示す図
【図9】AF処理の別の実施形態を示すフローチャート
【図10】本発明の第3の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャート
【図11】本発明の第3の実施形態に係るAF制御の流れを示すフローチャート
【図12】本発明の第4の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャート
【図13】本発明の第4の実施形態に係るAF制御の流れを示すフローチャート
【図14】本発明の第5の実施形態に係る撮影装置を示すブロック図
【図15】本発明の第5の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャート
【図16】本発明の第6の実施形態に係る撮影装置を示すブロック図
【図17】本発明の第6の実施形態に係る撮影制御の流れを説明するための図
【図18】本発明の第6の実施形態に係る撮影制御方法を示すフローチャート
【符号の説明】
【0178】
10…撮影装置、12…CPU、14…電源部、16…操作部、18…モード設定部、20…撮影部、22…レンズ部、24…レンズ制御部、26…AF部、28…AE部、30…メモリー部、32…原稿認識部、34…原稿4隅認識部、36…原稿中心算出部、38…歪処理部、40…外部出力部、42…画像合成部、100…原稿、200…プロジェクター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略長方形の原稿の画像を撮影する撮影手段と、
前記原稿の画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識する原稿認識手段と、
前記原稿エリアの中心位置を算出する中心位置算出手段と、
前記撮影手段を制御して、前記中心位置にピントを合わせる合焦制御手段と、
前記合焦制御手段によってピントを合わせた後に前記撮影手段によって撮影された画像から、前記原稿認識手段によって認識された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成する原稿画像補正手段と、
を備える撮影装置。
【請求項2】
前記中心位置算出手段は、前記原稿エリアの4つの頂点の位置を検出し、前記4つの頂点を結んで得られる前記原稿エリアの対角線の交点を前記中心位置として算出する、請求項1記載の撮影装置。
【請求項3】
前記合焦制御手段は、前記原稿エリアを分割して得られた複数のエリアのうち前記中心位置を含む中心エリアにピントを合わせる、請求項1又は2記載の撮影装置。
【請求項4】
前記中心エリアにピントを合わせたときの焦点評価値を取得し、該焦点評価値に基づいてピント合わせの精度を評価する合焦精度評価手段を更に備え、
前記合焦制御手段は、前記中心エリアのピント合わせの精度が低いと評価した場合に、前記中心エリアの近傍のエリアのうち、前記ピント合わせの精度が高いと評価されたエリアにピントを合わせる、請求項1から3のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項5】
前記合焦精度評価手段は、前記中心エリアのピント合わせの精度が低いと評価した場合に、前記中心エリアに対して前記原稿の画像の水平方向に隣接する隣接エリアのピント合わせの精度を評価し、
前記合焦制御手段は、前記隣接エリアのピント合わせの精度が高いと評価した場合に、前記隣接エリアに対してピントを合わせる、請求項4記載の撮影装置。
【請求項6】
前記合焦精度評価手段は、前記中心エリア及び前記隣接エリアのいずれもピント合わせの精度が低いと評価した場合に、前記中心エリアよりも前記撮影装置に近い手前側エリアのピント合わせの精度を評価し、
前記合焦制御手段は、前記手前側エリアのピント合わせの精度が高いと評価した場合に、前記手前側エリアに対してピントを合わせる、請求項5記載の撮影装置。
【請求項7】
略長方形の原稿の画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影した画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識する原稿認識手段と、
前記原稿エリアの4つの頂点の位置を検出する頂点検出手段と、
前記撮影手段を制御して、前記原稿エリアの4つの頂点を含む頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動する合焦制御手段と、
前記合焦制御手段によってピントを合わせた後に前記撮影手段によって撮影された画像から、前記原稿認識手段によって認識された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成する原稿画像補正手段と、
を備える撮影装置。
【請求項8】
前記平均フォーカス位置にピントを合わせた後、前記頂点エリアが被写界深度内に収まるように絞り値を調整する絞り値調整手段を更に備える請求項7記載の撮影装置。
【請求項9】
略長方形の原稿の画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影した画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識する第1の原稿認識手段と、
前記撮影手段を制御して、前記原稿エリアを分割した複数のエリアにズームして各エリアの画像を撮影する撮影制御手段と、
前記撮影手段によって撮影された各エリアの画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識する第2の原稿認識手段と、
前記各エリアの画像から検出された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成する原稿画像補正手段と、
前記第2の原稿認識手段によって検出され、歪が補正された各エリアの画像を合成して前記原稿の全体の画像を作成する画像合成手段と、
を備える撮影装置。
【請求項10】
前記第1の原稿認識手段によって検出された前記原稿エリアの4つの頂点の位置を検出する頂点検出手段と、
前記第1の原稿認識手段によって検出された前記原稿エリアの中心位置を算出する中心位置算出手段とを備え、
前記撮影制御手段は、前記4つの頂点のうち前記撮影装置に近い手前側の2つの頂点の前記原稿の画像の水平方向の間隔が前記撮影手段の視野の水平方向の幅と略一致するようにズーム制御を行って、前記原稿エリアの前記撮影装置に近い手前側エリアを撮影し、前記中心位置を通り、前記水平方向に伸びる前記原稿エリア内の線分の長さが前記撮影手段の視野の水平方向の幅と略一致するようにズーム制御を行って、前記原稿エリアのうち前記撮影装置から遠い奥側エリアを撮影する、請求項9記載の撮影装置。
【請求項11】
前記原稿エリアを複数のエリアに分割し、前記撮影手段を制御してピント合わせを行う合焦制御手段であって、前記手前側エリアの撮影時に、前記手前側の2つの頂点を含む手前側頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記手前側頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動する一方、前記奥側エリアの撮影時に、前記撮影装置から遠い側の2つの頂点を含む奥側頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記奥側頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動する合焦制御手段を更に備える請求項10記載の撮影装置。
【請求項12】
前記撮影手段によって撮影された画像を2値化する画像処理手段を更に備え、
前記原稿認識手段は、前記2値化された画像から前記原稿エリアを検出する、請求項1から11のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項13】
前記原稿の少なくとも4隅にプリントされたマーカを検出するマーカ検出手段を更に備え、
前記原稿認識手段は、前記マーカを検出して前記原稿エリアを認識する、請求項1から11のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項14】
前記原稿上に形成されたマーカを検出するマーカ検出手段を更に備え、
前記原稿画像補正手段は、前記マーカを検出し、前記マーカの形状に基づいて前記原稿の向きを検出する、請求項1から13のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項15】
前記原稿エリア内の画像に基づいて露出制御を行う露出制御手段を更に備える請求項1から14のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項16】
前記露出制御手段は、前記原稿エリア内の画像に対して、平均測光、ピーク測光又はマルチパターン測光を行って、前記測光結果に基づいて露光制御を行う、請求項15記載の撮影装置。
【請求項17】
(1a) 撮影手段により略長方形の原稿の画像を撮影し、
(1b) 前記原稿の画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識し、
(1c) 前記原稿エリアの中心位置を算出し、
(1d) 前記撮影手段を制御して、前記中心位置にピントを合わせ、
(1e) 前記中心位置にピントを合わせた後に前記撮影手段によって前記原稿を撮影し、
(1f) 前記(1e)において撮影された画像から前記原稿エリアを認識し、
(1g) 前記(1f)において認識された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成する撮影制御方法。
【請求項18】
前記(1d)において、
前記中心エリアにピントを合わせたときの焦点評価値を取得し、該焦点評価値に基づいてピント合わせの精度を評価し、
前記中心エリアのピント合わせの精度が低いと評価した場合に、前記中心エリアの近傍のエリアのうち、前記ピント合わせの精度が高いと評価されたエリアにピントを合わせる請求項17記載の撮影制御方法。
【請求項19】
(2a) 撮影手段により略長方形の原稿の画像を撮影し、
(2b) 前記撮影した画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識し、
(2c) 前記原稿エリアの4つの頂点の位置を検出し、
(2d) 前記撮影手段を制御して、前記原稿エリアの4つの頂点を含む頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動させ、
(2e) 前記(2d)においてピントを合わせた後に前記撮影手段によって前記原稿を撮影し、
(2f) 前記(2e)において撮影された画像から前記原稿エリアを認識し、
(2g) 前記(2f)において認識された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成する撮影制御方法。
【請求項20】
前記平均フォーカス位置にピントを合わせた後、前記頂点エリアが被写界深度内に収まるように絞り値を調整する請求項19記載の撮影制御方法。
【請求項21】
(3a) 前記撮影手段により略長方形の原稿の画像を撮影し、
(3b) 前記撮影した画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識し、
(3c) 前記撮影手段を制御して、前記原稿エリアを分割した複数のエリアにズームして各エリアの画像を撮影し、
(3d) 前記(3c)において撮影された各エリアの画像から前記原稿が写っている原稿エリアを検出し、
(3e) 前記各エリアの画像から検出された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成し、
(3f) 前記(3e)において歪が補正された各エリアの画像を合成して前記原稿の全体の画像を作成する撮影制御方法。
【請求項22】
前記(3c)において、
前記原稿エリアの4つの頂点の位置を検出し、
前記原稿エリアの中心位置を算出し、
前記4つの頂点のうち前記撮影手段に近い手前側の2つの頂点の前記原稿の画像の水平方向の間隔が前記撮影手段の視野の水平方向の幅と略一致するようにズーム制御を行って、前記原稿エリアの前記撮影装置に近い手前側エリアを撮影し、
前記中心位置を通り、前記水平方向に伸びる前記原稿エリア内の線分の長さが前記撮影手段の視野の水平方向の幅と略一致するようにズーム制御を行って、前記原稿エリアのうち前記撮影装置から遠い奥側エリアを撮影する請求項21記載の撮影制御方法。
【請求項23】
前記手前側エリアの撮影時に、前記手前側の2つの頂点を含む手前側頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記手前側頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動し、
前記奥側エリアの撮影時に、前記撮影装置から遠い側の2つの頂点を含む奥側頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記奥側頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動する請求項22記載の撮影制御方法。
【請求項24】
前記原稿エリア内の画像に基づいて露出制御を行う請求項17から24のいずれか1項記載の撮影制御方法。
【請求項1】
略長方形の原稿の画像を撮影する撮影手段と、
前記原稿の画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識する原稿認識手段と、
前記原稿エリアの中心位置を算出する中心位置算出手段と、
前記撮影手段を制御して、前記中心位置にピントを合わせる合焦制御手段と、
前記合焦制御手段によってピントを合わせた後に前記撮影手段によって撮影された画像から、前記原稿認識手段によって認識された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成する原稿画像補正手段と、
を備える撮影装置。
【請求項2】
前記中心位置算出手段は、前記原稿エリアの4つの頂点の位置を検出し、前記4つの頂点を結んで得られる前記原稿エリアの対角線の交点を前記中心位置として算出する、請求項1記載の撮影装置。
【請求項3】
前記合焦制御手段は、前記原稿エリアを分割して得られた複数のエリアのうち前記中心位置を含む中心エリアにピントを合わせる、請求項1又は2記載の撮影装置。
【請求項4】
前記中心エリアにピントを合わせたときの焦点評価値を取得し、該焦点評価値に基づいてピント合わせの精度を評価する合焦精度評価手段を更に備え、
前記合焦制御手段は、前記中心エリアのピント合わせの精度が低いと評価した場合に、前記中心エリアの近傍のエリアのうち、前記ピント合わせの精度が高いと評価されたエリアにピントを合わせる、請求項1から3のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項5】
前記合焦精度評価手段は、前記中心エリアのピント合わせの精度が低いと評価した場合に、前記中心エリアに対して前記原稿の画像の水平方向に隣接する隣接エリアのピント合わせの精度を評価し、
前記合焦制御手段は、前記隣接エリアのピント合わせの精度が高いと評価した場合に、前記隣接エリアに対してピントを合わせる、請求項4記載の撮影装置。
【請求項6】
前記合焦精度評価手段は、前記中心エリア及び前記隣接エリアのいずれもピント合わせの精度が低いと評価した場合に、前記中心エリアよりも前記撮影装置に近い手前側エリアのピント合わせの精度を評価し、
前記合焦制御手段は、前記手前側エリアのピント合わせの精度が高いと評価した場合に、前記手前側エリアに対してピントを合わせる、請求項5記載の撮影装置。
【請求項7】
略長方形の原稿の画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影した画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識する原稿認識手段と、
前記原稿エリアの4つの頂点の位置を検出する頂点検出手段と、
前記撮影手段を制御して、前記原稿エリアの4つの頂点を含む頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動する合焦制御手段と、
前記合焦制御手段によってピントを合わせた後に前記撮影手段によって撮影された画像から、前記原稿認識手段によって認識された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成する原稿画像補正手段と、
を備える撮影装置。
【請求項8】
前記平均フォーカス位置にピントを合わせた後、前記頂点エリアが被写界深度内に収まるように絞り値を調整する絞り値調整手段を更に備える請求項7記載の撮影装置。
【請求項9】
略長方形の原稿の画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影した画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識する第1の原稿認識手段と、
前記撮影手段を制御して、前記原稿エリアを分割した複数のエリアにズームして各エリアの画像を撮影する撮影制御手段と、
前記撮影手段によって撮影された各エリアの画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識する第2の原稿認識手段と、
前記各エリアの画像から検出された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成する原稿画像補正手段と、
前記第2の原稿認識手段によって検出され、歪が補正された各エリアの画像を合成して前記原稿の全体の画像を作成する画像合成手段と、
を備える撮影装置。
【請求項10】
前記第1の原稿認識手段によって検出された前記原稿エリアの4つの頂点の位置を検出する頂点検出手段と、
前記第1の原稿認識手段によって検出された前記原稿エリアの中心位置を算出する中心位置算出手段とを備え、
前記撮影制御手段は、前記4つの頂点のうち前記撮影装置に近い手前側の2つの頂点の前記原稿の画像の水平方向の間隔が前記撮影手段の視野の水平方向の幅と略一致するようにズーム制御を行って、前記原稿エリアの前記撮影装置に近い手前側エリアを撮影し、前記中心位置を通り、前記水平方向に伸びる前記原稿エリア内の線分の長さが前記撮影手段の視野の水平方向の幅と略一致するようにズーム制御を行って、前記原稿エリアのうち前記撮影装置から遠い奥側エリアを撮影する、請求項9記載の撮影装置。
【請求項11】
前記原稿エリアを複数のエリアに分割し、前記撮影手段を制御してピント合わせを行う合焦制御手段であって、前記手前側エリアの撮影時に、前記手前側の2つの頂点を含む手前側頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記手前側頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動する一方、前記奥側エリアの撮影時に、前記撮影装置から遠い側の2つの頂点を含む奥側頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記奥側頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動する合焦制御手段を更に備える請求項10記載の撮影装置。
【請求項12】
前記撮影手段によって撮影された画像を2値化する画像処理手段を更に備え、
前記原稿認識手段は、前記2値化された画像から前記原稿エリアを検出する、請求項1から11のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項13】
前記原稿の少なくとも4隅にプリントされたマーカを検出するマーカ検出手段を更に備え、
前記原稿認識手段は、前記マーカを検出して前記原稿エリアを認識する、請求項1から11のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項14】
前記原稿上に形成されたマーカを検出するマーカ検出手段を更に備え、
前記原稿画像補正手段は、前記マーカを検出し、前記マーカの形状に基づいて前記原稿の向きを検出する、請求項1から13のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項15】
前記原稿エリア内の画像に基づいて露出制御を行う露出制御手段を更に備える請求項1から14のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項16】
前記露出制御手段は、前記原稿エリア内の画像に対して、平均測光、ピーク測光又はマルチパターン測光を行って、前記測光結果に基づいて露光制御を行う、請求項15記載の撮影装置。
【請求項17】
(1a) 撮影手段により略長方形の原稿の画像を撮影し、
(1b) 前記原稿の画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識し、
(1c) 前記原稿エリアの中心位置を算出し、
(1d) 前記撮影手段を制御して、前記中心位置にピントを合わせ、
(1e) 前記中心位置にピントを合わせた後に前記撮影手段によって前記原稿を撮影し、
(1f) 前記(1e)において撮影された画像から前記原稿エリアを認識し、
(1g) 前記(1f)において認識された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成する撮影制御方法。
【請求項18】
前記(1d)において、
前記中心エリアにピントを合わせたときの焦点評価値を取得し、該焦点評価値に基づいてピント合わせの精度を評価し、
前記中心エリアのピント合わせの精度が低いと評価した場合に、前記中心エリアの近傍のエリアのうち、前記ピント合わせの精度が高いと評価されたエリアにピントを合わせる請求項17記載の撮影制御方法。
【請求項19】
(2a) 撮影手段により略長方形の原稿の画像を撮影し、
(2b) 前記撮影した画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識し、
(2c) 前記原稿エリアの4つの頂点の位置を検出し、
(2d) 前記撮影手段を制御して、前記原稿エリアの4つの頂点を含む頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動させ、
(2e) 前記(2d)においてピントを合わせた後に前記撮影手段によって前記原稿を撮影し、
(2f) 前記(2e)において撮影された画像から前記原稿エリアを認識し、
(2g) 前記(2f)において認識された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成する撮影制御方法。
【請求項20】
前記平均フォーカス位置にピントを合わせた後、前記頂点エリアが被写界深度内に収まるように絞り値を調整する請求項19記載の撮影制御方法。
【請求項21】
(3a) 前記撮影手段により略長方形の原稿の画像を撮影し、
(3b) 前記撮影した画像から前記原稿が写っている原稿エリアを認識し、
(3c) 前記撮影手段を制御して、前記原稿エリアを分割した複数のエリアにズームして各エリアの画像を撮影し、
(3d) 前記(3c)において撮影された各エリアの画像から前記原稿が写っている原稿エリアを検出し、
(3e) 前記各エリアの画像から検出された前記原稿エリアの歪を補正した画像を作成し、
(3f) 前記(3e)において歪が補正された各エリアの画像を合成して前記原稿の全体の画像を作成する撮影制御方法。
【請求項22】
前記(3c)において、
前記原稿エリアの4つの頂点の位置を検出し、
前記原稿エリアの中心位置を算出し、
前記4つの頂点のうち前記撮影手段に近い手前側の2つの頂点の前記原稿の画像の水平方向の間隔が前記撮影手段の視野の水平方向の幅と略一致するようにズーム制御を行って、前記原稿エリアの前記撮影装置に近い手前側エリアを撮影し、
前記中心位置を通り、前記水平方向に伸びる前記原稿エリア内の線分の長さが前記撮影手段の視野の水平方向の幅と略一致するようにズーム制御を行って、前記原稿エリアのうち前記撮影装置から遠い奥側エリアを撮影する請求項21記載の撮影制御方法。
【請求項23】
前記手前側エリアの撮影時に、前記手前側の2つの頂点を含む手前側頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記手前側頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動し、
前記奥側エリアの撮影時に、前記撮影装置から遠い側の2つの頂点を含む奥側頂点エリアにピントを合わせた場合のピント位置を検出し、前記奥側頂点エリアのピント位置の平均フォーカス位置にフォーカスを移動する請求項22記載の撮影制御方法。
【請求項24】
前記原稿エリア内の画像に基づいて露出制御を行う請求項17から24のいずれか1項記載の撮影制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−41300(P2010−41300A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−200730(P2008−200730)
【出願日】平成20年8月4日(2008.8.4)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月4日(2008.8.4)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]