説明

擁壁構造用連結具、係合工具、擁壁構造、および擁壁の構築方法

【課題】連結具の取り付けが容易で、短時間で形成することができる擁壁構造を提供する。
【解決手段】金属製の網11A〜Fと網を内側に保持する金属製の枠12A〜Fとを有する複数の網パネル4A〜Fと;隣り合う網パネルの枠同士を連結し、内部に空間を有する網パネル構造体2を形成する、金属製の連結具19と;網パネル構造体の内部に充填された充填材21とを備え;連結具は網パネルとは別体であり、両端に係合部20を有し、環の一部をなす形状に形成され、両端の係合部を係合させた状態で枠同士を連結するよう構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、河川、海岸、湖沼、山腹、谷間、渓谷、道路などに構築され、法面を保護する護岸あるいは堰堤を構成する擁壁構造、擁壁構造を構成する網パネルを連結する擁壁構造用連結具、擁壁構造用連結具を取り扱う係合工具、および擁壁の構築方法、特に自然環境の保全を目的とする、擁壁構造、擁壁構造を構成する網パネルを連結する擁壁構造用連結具、擁壁構造用連結具を取り扱う係合工具、および擁壁の構築方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、擁壁構造は、網パネル構造体から構成される。網パネル構造体は、底面を形成する網パネルと、側面を形成する網パネルと、蓋を形成する網パネルとから箱状に構成されていた。網パネルは、外枠を有し、隣合う網パネルの外枠の一辺同士が、その外枠の一辺とほぼ同じ長さを有する一本の螺旋状の連結具により連結され、立体的な網パネル構造体を形成していた。この網パネル構造体は、内部に詰め石が充填され、護岸等に設置されるものである。複数の外枠同士が、連結具の螺旋の内側に収まるよう、連結具を回転させながら移動させ、螺旋状の連結具を複数の外枠に係合させていた(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平10−331130(図5、図6、図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、隣り合う網パネルの外枠同士を連結具で連結する際に、一方の網パネルが、すでに詰め石が充填された網パネル構造体の一部である場合、連結具を網パネルの外枠に係合させるときに、詰め石にぶつかることがあり、この場合、ぶつかった詰め石を移動させるか、詰め石のぶつかる箇所を破砕して取り除く必要があり、網パネル構造体の形成、すなわち擁壁構造の形成に多くの時間を要していた。
そこで、本発明は、取り付けが容易で、擁壁構造を短時間で形成することができる擁壁構造用連結具、連結具を容易に取り扱うことのできる係合工具、連結具の取り付けが容易で、短時間で形成することができる擁壁構造、擁壁の構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明による擁壁構造用連結具33は、例えば図1から図3、図14に示すように、金属製の網11A〜Fと網11A〜Fを保持する金属製の枠12A〜Fとを有する複数の網パネル4A〜Fを連結する金属製の擁壁構造用連結具33であって;一端に第1の係合部36を、他端に第2の係合部37を有し;さらに、環形状に形成された連結具環部24であって、第1の係合部36と第2の係合部37と一体に形成された連結具環部24を有し;第1の係合部36と第2の係合部37とを互いに係合させることにより、隣り合う網パネル4A〜Fの枠12A〜F同士を結合して、内部に空間を形成し前記空間に充填材21が充填される網パネル構造体2、2’、2”を形成する。
【0005】
このように構成すると、第1の係合部と第2の係合部とを互いに係合させることにより、環形状に形成された連結具環部であって、第1の係合部と第2の係合部と一体に形成された連結具環部を有する擁壁構造用連結具(以下、適宜連結具)により網パネルの枠同士を連結し、網パネル構造体を形成することができ、連結具の取付位置を調整することができるので、充填材と連結具との干渉を避け、連結具を容易に枠に取り付けることができ、短時間で擁壁構造を形成することができる。また、連結具が、一端に第1の係合部を、他端に第2の係合部を有し、第1の係合部と第2の係合部とを互いに係合させた状態で枠同士を連結するよう構成されるので、短時間で枠同士を連結することができ、擁壁構造を短時間で形成することができる。連結具は、網パネルとは別体とするとよい。連結具を別体とすると、連結具の取り扱いが容易となり、網パネルの連結がより容易となる。網パネルは金属製の網と当該網を内側に保持する金属製の枠とを有するものであってもよい。金属製の枠が網を内側に保持するようにすると、強度が増した網パネルとすることができる。環形状は部分環形状を含む概念であり、連結具環部は、部分環形状に形成された連結具部分環部であってもよい。このようにすると擁壁構造用連結具を簡易な構造とすることができる。部分環とは一巻き未満に形成された環をいう。
【0006】
なお、擁壁とは、河川、海岸、湖沼、山腹、谷間、渓谷、道路、造成地などに構築されるものであり、法面を保護する護岸、堰堤、堤防、砂防ダムを含む概念とする。
【0007】
請求項2に係る発明による擁壁構造用連結具33は、例えば図14に示すように、請求項1に記載の擁壁構造用連結具において、第1の係合部36と第2の係合部37は、部分環形状に形成された部分環部をそれぞれ有し;第1の係合部36または第2の係合部37の少なくとも一方が、隙間をもって形成され;他方の部分環部が、前記隙間を通過して前記一方の部分環部の内周部に移動して、前記係合した状態となるよう構成される。
【0008】
このように構成すると、第1の係合部と第2の係合部とは、部分環形状に形成された部分環部をそれぞれ有するので、安定し強固な係合状態を形成することができる。第1の係合部または第2の係合部の少なくとも一方が、隙間をもって形成され、他方の部分環部が、隙間を通過して一方の部分環部の内周部に移動して、係合した状態となるよう構成されるので、容易に係合状態を形成することができる。
【0009】
請求項3に係る発明による擁壁構造用連結具33は、例えば図14に示すように、請求項2に記載の擁壁構造用連結具において、連結具環部24の第1の係合部36との近傍と、第1の係合部36とが第1の平面上に形成され;第1の係合部36が、前記第1の平面上で連結具環部24の径方向内側に形成される。
【0010】
このように構成すると、第1の係合部が、擁壁構造用連結具を取り扱う者を傷つけることを防止することができる。
【0011】
請求項4に係る発明による擁壁構造用連結具33は、例えば図14に示すように、請求項3に記載の擁壁構造用連結具において、第2の係合部37が前記第1の平面と交差する第2の平面上に形成され;第2の係合部37の先端部29が、連結具環部24に略沿う方向を向いて形成される。
【0012】
このように構成すると、第2の係合部の先端部が、擁壁構造用連結具を取り扱う者を傷つけることを防止することができる。
【0013】
請求項5に係る発明による擁壁構造用連結具33は、例えば図14に示すように、請求項4に記載の擁壁構造用連結具において、前記第1の平面と、前記第2の平面とが、直角に交差するように構成される。
【0014】
このように構成すると、第1の係合部と第2の係合部の係合を容易なものとすることができる。
【0015】
請求項6に係る発明による擁壁構造用連結具33は、例えば図14に示すように、請求項2乃至請求項請求項5に記載の擁壁構造用連結具において、第1の係合部36または第2の係合部37のどちらか一方に対して、他方に近づく方向に力を作用させることにより、前記一方と前記他方が互いに当接し、さらに前記一方と前記他方が互いに押しのけ合い、前記一方が所定の距離移動した後、前記押しのけ合いが解消し、前記係合した状態となるよう構成される。
【0016】
このように構成すると、第1の係合部または第2の係合部のどちらか一方に対して、他方に近づく方向に力を作用させ、前記一方と前記他方が互いに当接し、さらに前記一方と前記他方が互いに押しのけ合い、一方を所定の距離移動させ、前記押しのけ合いが解消し、第1の係合部と第2の係合部を係合させることができる。
【0017】
上記目的を達成するため、請求項7に係る発明による擁壁構造用連結具17は、例えば図1から図3、図9に示すように、金属製の網11A〜Fと網11A〜Fを内側に保持する金属製の枠12A〜Fとを有する複数の網パネル4A〜Fを連結する金属製の擁壁構造用連結具であって、1巻きより多く3巻きより少ない螺旋状に形成され、隣り合う網パネル4A〜Fの枠12A〜F同士を結合して、内部に空間を形成し前記空間に充填材21が充填される網パネル構造体2、2’、2”を形成する。
【0018】
このように構成すると、1巻きより多く3巻きより少ない螺旋状に形成された連結具により網パネルの枠同士を結合し、網パネル構造体を形成することができ、連結具の取付位置を調整することができるので、充填材と連結具との干渉を避け、連結具を容易に枠に取り付けることができ、擁壁構造が短時間で形成される。
【0019】
上記目的を達成するため、請求項8に係る係合工具41は、例えば図14、図15に示すように、請求項6に記載する擁壁構造用連結具33を保持する保持部44、45と;前記一方に対して力を作用させる作用部44、45とを備え;作用部44、45は、前記一方が前記他方に近づく方向に力を作用させることにより、前記一方と前記他方が互いに当接し、さらに前記一方と前記他方が互いに押しのけ合い、前記一方が所定の距離移動した後、前記押しのけ合いが解消し、擁壁構造用連結具33が前記係合した状態となるよう構成される。
【0020】
このように構成すると、保持部で連結具を保持し、作用部によって、一方に対して、一方が前記他方に近づく方向に力を作用させることにより、一方と他方が互いに当接し、さらに一方と他方が互いに押しのけ合い、一方が所定の距離移動した後、押しのけ合いが解消し、一方と他方が係合した状態とすることができる。
【0021】
上記目的を達成するため、請求項9に係る係合工具41は、例えば図14、図15に示すように、手の第1の指を掛けて把持する第1の把持部44と、請求項6に記載の擁壁構造用連結具33の第1の係合部36または第2の係合部37を保持する第1の保持部45とを有する第1の部品42と;前記手の前記第1の指以外の第2の指を掛けて把持する第2の把持部48と、請求項6に記載の擁壁構造用連結具33の第1の係合部36または第2の係合部37のうち、第1の保持部45で保持されていない方を保持する第2の保持部49とを有する第2の部品43と;第1の部品42と第2の部品43とを連結する連結部品57とを備え;第1の部品42と第2の部品43とが連結部品57を支点として、前記手の力によって、互いに回動可能に構成され;第1の把持部44と第2の把持部48とを近づけるように前記回動を行うことによって、前記力を作用させることが可能に構成される。
【0022】
このように構成すると、第1の部品の第1の把持部に第1の指を掛けて第1の把持部を把持し、第2の部品の第2の把持部に第1の指以外の第2の指を掛けて第2の把持部を把持し、第1の部品の第1の保持部によって、擁壁構造用連結具の第1の係合部または第2の係合部を保持し、第2の部品の第2の保持部によって、第1の係合部または第2の係合部のうち、第1の保持部で保持されていない方を保持し、片手にて第1の把持部44と第2の把持部48とを近づけるように、第1の部品と第2の部品とを回動させ、前記力を作用させ、擁壁構造用連結具の第1の係合部と第2の係合部とを容易に係合させることができ、擁壁構造用連結具を容易に取り扱うことができる。
【0023】
請求項10に係る係合工具41は、例えば図14、図15に示すように、請求項9に記載の係合工具において、第1の保持部45または第2の保持部49のどちらか一方が、第1の係合部36の先端34Aに接触する第1の接触部64と、連結具環部24の内周部24Bに接触する第2の接触部55Bと、連結具環部24の第1の側周部24Dに接触する第3の接触部45Aとを有し;他方が、第1の係合部36の部分環部32の、第1の側周部24Dとは反対側の第2の側周部32Cに接触する第4の接触部63Aと、第2の係合部37の部分環部28の側周部28Cまたは内周部28Bに接触する第5の接触部61Aを有する。
【0024】
このように構成すると、係合工具の第1の保持部または第2の保持部のどちらか一方が有する第1の接触部に、第1の係合部の先端を接触させ、どちらか一方が有する第2の接触部に、連結具環部の内周部を接触させ、どちらか一方が有する第3の接触部に、連結具環部の第1の側周部を接触させ、係合工具の第1の保持部または第2の保持部の他方が有する第4の接触部に、第1の係合部の部分環部の、第1の側周部とは反対側の第2の側周部を接触させ、前記他方が有する第5の接触部に、第2の係合部の部分環部の側周部または内周部を接触させ、係合工具によって連結具を脱落することなく保持することができる。接触部とは接触面を有する部分をいう。反対側とは、擁壁構造用連結具の中心軸線方向反対側をいう。
【0025】
上記目的を達成するため、請求項11に係る発明による擁壁構造1は、例えば図1から図3、図10、図14に示すように、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の擁壁構造用連結具19と;擁壁構造用連結具19、33により連結される複数の網パネル4A〜Fと;充填材21とを備える。
【0026】
このように構成すると、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の擁壁構造用連結具により網パネルの枠同士を結合し、網パネル構造体を形成するので、連結具の取付位置を調整することができ、充填材と連結具との干渉を避け、連結具を容易に枠に取り付けることができるので、短時間で擁壁構造を形成することができる。また、連結具が、一端に第1の係合部を、他端に第2の係合部を有し、第1の係合部と第2の係合部とを互いに係合させることにより、隣り合う網パネルの枠同士を結合するよう構成されるので、短時間で枠同士を連結することができ、擁壁構造を短時間で形成することができる。
【0027】
上記目的を達成するため、請求項12に係る発明による擁壁構造1は、例えば図1〜図3、図9に示すように、請求項7に記載の擁壁構造用連結具17、18と;擁壁構造用連結具17、18により連結される前記複数の網パネル4A〜Fと;充填材21とを備える。
【0028】
このように構成すると、請求項7に記載の擁壁構造用連結具(以下、適宜連結具)により網パネルの枠同士を結合し、網パネルを連結し、網パネル構造体を形成するので、連結具の取付位置を調整することができ、充填材と連結具との干渉を避け、連結具を容易に枠に取り付けることができるので、擁壁構造を短時間で形成することができる。
【0029】
請求項13に係る擁壁構造1は、請求項12に記載の擁壁構造において、例えば図1、図11に示すように、擁壁構造用連結具17が、前記螺旋の進行方向に外周面同士が接触して形成される。このように構成すると、連結具がより外れにくい構造とすることができる。
【0030】
上記目的を達成するため、請求項14に係る発明による擁壁の構築方法は、例えば図1〜図3、図10、図14に示すように、金属製の網11A〜Fと網11A〜Fを保持する金属製の枠12A〜Fとを有する複数の網パネル4A〜Fを擁壁に敷設する工程と;複数の網パネル4A〜Fを組み立て、内部に空間を形成する網パネル構造体2、2’、2”を形成する形成工程と;隣り合う網パネル4A〜Fの枠12A〜F同士に、環の一部なす型状に形成した、金属製の連結具19、33を、回転させながら係合させ、さらに連結具19、33の両端の係合部20を係合させ、隣り合う網パネル4A〜Fを連結する連結工程と;網パネル構造体2、2’、2”の前記空間に充填材21を充填する充填工程とを備える。連結具19、33の枠12A〜Fへの係合に際しての回転は、典型的には180°である。
【0031】
上記目的を達成するため、請求項15に係る発明による擁壁構造は、例えば図1〜図3、図9に示すように、金属製の網11A〜Fと網11A〜Fを保持する金属製の枠12A〜Fとを有する複数の網パネル4A〜Fを擁壁に敷設する工程と;複数の網パネル4A〜Fを組み立て、内部に空間を形成する網パネル構造体2、2’、2”を形成する形成工程と;隣り合う網パネル4A〜Fの枠12A〜F同士に、1巻きより多く3巻きより少ない螺旋状に形成した、金属製の連結具17を、回転させながら係合させ、隣り合う網パネル4A〜Fを連結する連結工程と;網パネル構造体2、2’、2”の前記空間に充填材21を充填する充填工程とを備える。連結具17の枠12A〜Fへの係合に際しての回転は、連結具17の巻き数以上必要である。
【0032】
擁壁構造用連結具19は、例えば図1から図3、図10に示すように、金属製の網11A〜Fと網11A〜Fを内側に保持する金属製の枠12A〜Fとを有する複数の網パネル4A〜Fと別体に形成され、両端に係合部20を有し、環の一部をなす形状に形成された金属製の擁壁構造用連結具19であって、両端の係合部20を係合させた状態で、隣り合う網パネル4A〜Fの枠12A〜F同士を連結して、内部に空間を有し前記内部に充填材21が充填される網パネル構造体2、2’、2”を形成するものであってもよい。
【0033】
このようにすると、環の一部をなす形状に形成された連結具により網パネルの枠同士を連結し、網パネル構造体を形成することができ、連結具の取付位置を調整することができるので、充填材と連結具との干渉を避け、連結具を容易に枠に取り付けることができ、短時間で擁壁構造を形成することができる。また、連結具が、両端に係合部を有し、両端の係合部を係合させた状態で枠同士を連結するよう構成されるので、短時間で枠同士を連結することができ、擁壁構造が短時間で形成される。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、本発明の擁壁構造用連結具によれば、第1の係合部と第2の係合部とを互いに係合させることにより、環形状に形成された連結具環部であって、第1の係合部と第2の係合部と一体に形成された連結具環部を有する擁壁構造用連結具により網パネルの枠同士を連結し、網パネル構造体を形成することができ、連結具の取付位置を調整することができるので、充填材と連結具との干渉を避け、連結具を容易に枠に取り付けることができ、短時間で擁壁構造を形成することができる。また、連結具が、一端に第1の係合部を、他端に第2の係合部を有し、第1の係合部と第2の係合部とを互いに係合させた状態で枠同士を連結するよう構成されるので、短時間で枠同士を連結することができ、擁壁構造を短時間で形成することができる。
【0035】
また、以上説明したように、本発明の擁壁構造用連結具によれば、1巻きより多く3巻きより少ない螺旋状に形成された連結具により網パネルの枠同士を連結し、網パネル構造体を形成することができ、連結具の取付位置を調整することができるので、充填材と連結具との干渉を避け、連結具を容易に枠に取り付けることができ、擁壁構造が短時間で形成される。
【0036】
以上説明したように、本発明の係合工具によれば、第1の部品の第1の把持部に第1の指を掛けて第1の把持部を把持し、第2の部品の第2の把持部に第1の指以外の第2の指を掛けて第2の把持部を把持し、第1の部品の第1の保持部によって、擁壁構造用連結具の第1の係合部または第2の係合部を保持し、第2の部品の第2の保持部によって、第1の係合部または第2の係合部のうち、第1の保持部で保持されていない方を保持し、片手にて第1の把持部と第2の把持部とを近づけるように、第1の部品と第2の部品とを回動させ、前記力を作用させ、擁壁構造用連結具の第1の係合部と第2の係合部とを容易に係合させることができ、擁壁構造用連結具を容易に取り扱うことができる。
【0037】
以上説明したように、本発明の擁壁構造によれば、環の一部をなす形状に形成された連結具により網パネルの枠同士を連結し、網パネル構造体を形成するので、連結具の取付位置を調整することができ、充填材と連結具との干渉を避け、連結具を容易に枠に取り付けることができるので、短時間で擁壁構造を形成することができる。また、連結具が、両端に係合部を有し、両端の係合部を係合させた状態で枠同士を連結するよう構成されるので、短時間で枠同士を連結することができ、擁壁構造を短時間で形成することができる。
【0038】
以上説明したように、本発明の擁壁構造によれば、1巻きより多く3巻きより少ない螺旋状に形成された連結具により網パネルの枠同士を連結し、網パネル構造体を形成するので、連結具の取付位置を調整することができ、充填材と連結具との干渉を避け、連結具を容易に枠に取り付けることができるので、擁壁構造を短時間で形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0040】
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる擁壁構造としての護岸構造1(図3)を構成する網パネル構造体2の構成の一部を示す模式図である。図2は、網パネル構造体2を後述の各網パネル4A〜Fに分解した模式図である。図2中、後述の、蓋網パネル4Bは省略してある。以下、図1、図2を参照して説明する。
【0041】
網パネル構造体2は、底を形成する底網パネル4Aと、蓋を形成する蓋網パネル4Bと、図中、前方の壁を形成する前壁網パネル4Cと、図中、後方の壁を形成する後壁網パネル4Dと、図中前方から見て左側の左側壁網パネル4E、図中前方から見て右側の右側壁網パネル4Fを含んで構成され、これらの網パネル4A〜Fを組み立てることにより形成される。網パネル構造体2は、直方体構造であり、各網パネル4A〜Fは、長方形に形成されている。
【0042】
各網パネル4A〜Fは、網11A〜Fと、網11A〜Fを内側に保持する枠としての外枠12A〜Fとを有する。底網パネル4A、蓋網パネル4Bは、長手方向の中心線に一致させて設置した枠としての中枠13A、13Bと、幅方向に設置した枠としての二本の中枠14−1A、14−2A、14−1B、14−2Bとを有する。前壁網パネル4C、後壁網パネル4Dは、幅方向に設置した枠としての二本の中枠15−1C、15−2C、15−1D、15−2D、とを有する。左側壁網パネル4E、右側壁網パネル4Fは、幅方向の中心線に一致させて設置した枠としての中枠16E、16Fを有する。中枠13A、13B、14−1A、14−2A、14−1B、14−2B、15−1C、15−2C、15−1D、15−2D、16E、16Fは、枠として、網パネル構造体2を連結するために使用することができ、網パネル4A〜Fの強度を補強する役割も有する。
【0043】
図1、図2において、網パネル4A〜Fは、外枠12A〜Fに囲まれる内側にすべて網11A〜Fが張られている構造であるが、図中、一部網11A〜Fの記載が省略されている。網パネル4A〜Fは、網11A〜Fの代わりにエッキスパンドメタル(不図示)を用いた構造としてもよい。
【0044】
網パネルは、本実施の形態では上述のように長方形であるが、正方形、正六角形、半正六角形(対向する頂点で結んだ線で正六角形を半分に分割した六角形)等の他の形状であってもよい。これらの網パネルを用いて、網パネル構造体を立方体形状、正六角柱形状、半正六角柱形状とすることができる。
【0045】
図3は、網パネル構造体(以下、適宜、構造体)2を用いて構成した護岸構造1の斜視図であり、図4は、当該護岸構造1の側面図である。図3、図4を参照して、護岸構造1について説明する。
【0046】
構造体2は、充填材としての詰め石21が内部全体に充填され(図中、一部の構造体2にのみ詰め石21を記載し、他は記載を省略)、護岸構造1の法面部25、天端部26、たれ部27からなる護岸に敷設される。天端部26、たれ部27に敷設される構造体2は前述のように直方体形状である。充填材は、細石をコンクリートで固めてブロックとしたもの、コンクリートブロックとしてもよい。
【0047】
次に、図5を参照し、法面部25(図3)に敷設され、天端部26(図3)及びたれ部27(図3)に敷設された構造体2(図3)と法面部25の傾き方向に隣り合う構造体2’、2”について説明する。
【0048】
構造体2’、2”は、構造体2と同様に構成され、底網パネル4A’、4A”、蓋網パネル4B’、4B”、前壁網パネル4C’、4C”、後壁網パネル4D’、4D”、左側壁網パネル4E’、4E”、右側壁網パネル4F’、4F”を含んで構成される。構造体2’、2”は、全体形状が直方体ではない点、左側壁網パネル4E’、4E”、右側壁網パネル4F’、4F”が長方形でなく台形形状である点で、構造体2(図1)と相違する。
【0049】
前述のように左側壁網パネル4E’、4E”、右側壁網パネル4F’、4F”を、台形形状としたのは、天端部26(図3)及びたれ部27(図3)が水平であるにもかかわらず法面部25(斜面を形成)が傾いているためであり、隙間を生じることなく構造体2、2’、2”を敷設するためである。法面部25の水平からの傾きがαの場合(図3)、前壁網パネル4C’、後壁網パネル4D”が、底網パネル4A’、4A”を水平に配置した場合、図中、鉛直面からαだけ傾くように、構造体2’、2”を構成する。
【0050】
構造体2、2’、2”と構造体2、2’、2”との境目の網パネルは一枚で形成されている。したがって、構造体2、2’、2”と構造体2、2’、2”との境目の網パネルは、隣り合う構造体の一方の左側壁網パネル4E、4E’、4E”であるとすれば、これは、同時に他方の構造体の右側壁網パネル4F、4F’、4F”である。同様に境目の網パネルは、隣り合う構造体の一方の前壁網パネル4C、4C’、4C”であるとすれば、これは、同時に他方の構造体の後壁網パネル4D、4D’、4D”である。
【0051】
次に、護岸構造1(図3)が備える、網パネル4A〜F(図1)とは別体に形成された、擁壁構造用連結具としての連結具17について説明する。
【0052】
図6に示すように、連結具17は、隣り合う網パネル4A〜F(図1)の外枠12(構造体2、2’、2”の外枠であるとする)同士を、外枠12と外枠12、外枠12と連結具17との間に遊びを設けて連結する。連結具17は、網パネル4A〜F(図1)を連結することにより、護岸に敷設される構造体2、2’、2”(図3)を形成する。連結具17が外枠12を連結することにより、外枠12は、連結具17の内側に位置することになる。図に示すように、連結具17は、外枠12を二本連結する場合(A)と、外枠12を三本連結する場合(B)と、外枠12を四本結合する場合(C)とがある。なお、図中、外枠12は、鉛直に設置されているように描かれているが、外枠12は、水平に設置されている場合、鉛直、あるいは水平から傾いて設置されている場合がある。
【0053】
図7(A)を参照し、連結具17が、外枠12を二本連結する場合を説明する。この場合は、例えば、図3の、たれ部27の図中、一番手前、一番左側の構造体2Aに存在する。
すなわち、この場合には、(1)底網パネル4Aの外枠12Aの水平部と、前壁網パネル4Cの外枠12Cの水平部を連結する場合、(2)底網パネル4Aの外枠12Aの水平部と、左側壁網パネル4Eの外枠12Eの水平部を結合する場合、(3)前壁網パネル4Cの外枠12Cの鉛直部と、左側壁網パネル4Eの外枠12Eの鉛直部を結合する場合等がある。
【0054】
図7(B)を参照し、連結具17が、外枠12を三本連結する場合を説明する。この場合は、例えば、図3の、たれ部27の、図中、一番手前一番左側の構造体2Aと、一番手前真ん中の構造体2Bとの境目に存在する。
すなわち、この場合には、(1)図中、左側の構造体2Aの底網パネル4Aの外枠12Aの水平部、右側の構造体2Bの底網パネル4Aの外枠12Aの水平部、図中、左側の構造体2Aの右側網パネル4Fの外枠12Fの水平部(同時に、図中、右側の構造体2Bの左側網パネル4Eの外枠12Eの水平部でもある。)を連結する場合、(2)図中、左側の構造体2Aの前壁網パネル4Cの外枠12Cの鉛直部、右側の構造体2Bの前壁底網パネル4Cの外枠12Cの鉛直部、図中、左側の構造体2Aの右側網パネル4Fの外枠12Fの鉛直部(同時に、図中、右側の構造体2Bの左側網パネル4Eの外枠12Eの鉛直部でも
ある。)を連結する場合等がある。
【0055】
図7(C)を参照し、外枠12を四本連結する場合を説明する。この場合は、例えば、図3の、たれ部27の、図中、一番手前(一列目)一番左側の構造体2A、一番手前(一列目)真ん中の構造体2B、二列目一番左側の構造体2C、二列目真ん中の構造体2Dの境目に存在する。
すなわち、この場合には、構造体2Aの後壁網パネル4Dの外枠12D(構造体2Cの前壁網パネル4Cの外枠12C)の鉛直部、構造体2Bの後壁網パネル4Dの外枠12D(構造体2Dの前壁網パネル4Cの外枠12C)の鉛直部、構造体2Aの右側壁網パネル4Fの外枠12F(構造体2Bの左側壁網パネル4Eの外枠12E)の鉛直部、構造体2Cの右側壁網パネル4Fの外枠12F(構造体2Dの左側壁網パネル4Eの外枠12E)の鉛直部を連結する場合等がある。
【0056】
連結具17が連結する外枠12の本数が多くなるに従い、螺旋の径を大きくすれば、外枠12の本数が4本の場合で螺旋の径を設定し、外枠12の本数が少ない場合に、外枠12と連結具17の間の遊びが過大になる事態を避けることができる。
【0057】
図8を参照して、連結具17の外枠12への連結について説明する。連結具17は、一定の間隔kを置いて外枠12に係合されて、外枠12を連結する。網11を構成する糸22は、外枠12に一定の間隔pで45°の角度で取り付けられている。連結具17の、外枠12の長手方向への移動は、網11により拘束される。一定の間隔pは、例えば、65mmから100mmとするとよい。網は、外枠12に平行に縦横に配置した構造であってもよい。また、網は、網目の細かい網と網目の粗い網とが二重になった構造でもよい。このようにすると詰め石21をより確実に構造体2(図3)内に保持することができる。一定の間隔kは、例えば、200mmから500mmとするとよい。
【0058】
図9(A)を参照して、連結具17の形状について説明する。図の連結具17は、3巻きよりわずかに少ない螺旋状に形成さてれる。連結具17は、線材から1巻きより多く3巻きより少ない螺旋状に形成されるのが望ましい。1巻き半より多く2巻き半より少ない螺旋状に形成されてもよい。このようにすると外枠12(図7)への取り付けがより容易になりより短時間で構造体2(図3)を形成することができる。螺旋の一巻きにより中心軸線方向への螺旋の移動ピッチをp2とし、連結具全体の中心軸線方向の長さをp1とすると、p2<p1<3×p2である。1.5×p2<p1<2.5×p2であってもよい。
【0059】
連結具17の中心軸線方向の長さをこのように構成したので、構造体2(図3)の内部全体に詰め石21(図3)を充填した後に、連結具17を外枠12に一定の間隔k(図8)で取り付ける場合、連結具17が詰め石21と干渉し、連結具17が外枠12に取り付かない場合は、連結具17の取り付け位置を詰め石21との干渉が発生しない場所に変更することができ、連結具17の取り付けが容易となり、短時間で連結具17を取り付けることができ、短時間で護岸構造1(図3)を形成することができる。
また、螺旋を何巻きにも巻いた長い連結具(例えば、外枠12の一辺とほぼ同じ長さ)と比較して、ピッチp2が同じであるとすると、軽量、小型であるので、現場で取り扱いやすく、作業性を改善することができる。また、連結具17の長さを一定に加工して、長さの異なる外枠12の一辺に一律に使用することができるので、経済性、作業性を向上させることができる。
【0060】
連結具17を形成する線材の直径d1は、例えば3.2mmである。連結具17の材質は、例えば、ステンレス鋼(例えば、オーステナイトステンレス、SUS304(JIS G 4309))である。連結具17は、亜鉛メッキ鉄線(JIS G 3547)、着色塗装亜鉛メッキ鉄線(JIS G 3547)、高強度塩化ビニール被服亜鉛メッキ鉄線(JIS G 3543)であってもよい。また、軟鉄線材(JIS G 3505)を用いた、溶融アルミニウムめっき鉄線(JIS G 3544)、亜鉛・アルミ合金めっき鉄線、亜鉛・アルミ・マグネシウム合金めっき鉄線から形成してもよい。また、めっき鉄線は、粗面めっき鉄線であってもよいし、滑面めっき鉄線であってもよい。連結具17は、網11あるいは外枠12と同じ素材で形成してもよいし、異なった素材で形成してもよい。網11は、エッキッスパンドメタル製とし、材質を、ステンレス鋼(例えば、SUS436L)とすることができる。ステンレス鋼にすると耐腐食性を強くすることができる。
網11を構成する糸22(図8)の直径は、連結具17と同じ、3.2mmとしてもよい。
【0061】
図9(B)に示すように、連結具17は、両端部に係合部18を有する構造としてもよい。連結具17を外枠12(図8)に連結した後に、係合部18を互いに係合させるようにしてもよい。このようにすると、連結具17がより外れにくくすることができる。
【0062】
図10に示すように、護岸構造用連結具としての連結具19を螺旋形状ではなく、C字状の環の一部をなす形状に形成された金属製の部材から形成し、両端部に係合部20を設けた構造としてもよい。両端部に係合部20を設けているので、一方の端部の係合部20が第1の係合部とすれば、他方の端部にある係合部20が第2の係合部である。連結具19は、C字状の環の一部をなす形状に形成された部材から形成しているので、部分環形状に形成された部分環部を有するといえる。連結具19は、手を用いて力を込めれば容易に変形し、係合部20が係合する変形しやすい構成とすることが望ましい。連結具19により、網パネル4A〜F(図1)の外枠12(図6)同士を設けて連結し、構造体2(図1)を形成することができる。連結具19を外枠12に係合した後に、係合部20を係合することにより連結具19がより外れにくくなる。連結具19の係合部20が係合した状態での直径d2を十分に大きく取り、連結具19を外枠12に取り付けたとき、外枠12と外枠12との間、連結具19と外枠12の間に遊びが生じるようにするとよい。このようにすると、連結具19を外枠12にスムーズに取り付けることができる。本連結具19によれば、一定の間隔で外枠に取り付けることができ、必要に応じ連結具19の取付位置を調整することができ、充填材である詰め石21(図3)と連結具19との干渉を避け、連結具19を容易に取り付けることができるので、短時間で構造体2(図3)を形成することができ、短時間で護岸構造1(図3)を形成することができる。また、螺旋を何巻きにも巻いた長い連結具と比較して、軽量、小型であるので、現場で取り扱いやすく、作業性を改善することができる。また、長さの異なる外枠の一辺に一律に使用することができるので、経済性、作業性を向上させることができる。また、本連結具19は、取り付けに際し、詰め石21との干渉を避けるため、容易に姿勢を傾けることができ、取り付けが容易である。
【0063】
図11に示すように、連結具17を螺旋構造とした上で、螺旋の進行方向に外周面同士が接触する構造としてもよい。具体的には、(A)に示すように、螺旋の径方向に螺旋が進行する構造としてもよいし、(C)に示すように、螺旋の中心軸線方向に螺旋が進行する構成としてもよい。このようにすると、同じ線径で強度の高い連結具とすることができる。(B)に(A)のX1−X1断面を、(D)に(C)の中心軸線方向の断面を示す。ここで外周面とは、外部に露出している面全体であって、切断された端面を除く面をいう。
【0064】
次に、図1〜図3を参照し、護岸構造の構築方法について説明する。
底網パネル4Aを護岸に横たえた姿勢で敷設する。前壁網パネル4C、左側壁網パネル4E、右側壁網パネル4F、後壁網パネル4Dを護岸に垂直の姿勢で敷設し、敷設した網パネルにより、上部に開口部を有する箱状の、構造体2の一段手前の予備構造体を形成する。次に、予備構造体の隣に別の底網パネル4Aを敷設する。次に、底網パネル4Aの設置位置により、図中、左隣に底網パネル4Aを設置する場合は、前壁網パネル4Cと後壁網パネル4Dと右側壁網パネル4Fをさらに敷設し、当該別の底網パネル4Aに連結具17で連結するか、あるいは、図中、後ろ隣に底網パネル4Aを設置する場合は、左側壁網パネル4Eと右側壁網パネル4Fと後壁網パネル4Dをさらに敷設する。隣り合う外枠12が全て揃った箇所から、隣り合う外枠12同士の連結具17による連結を行う。隣り合う外枠12同士が全て揃ていない箇所は、後の作業工程で、隣り合う外枠12同士が全て揃った段階で連結具17で連結する。
【0065】
連結具17を外枠12に連結させるとき、連結具17を回転させながら外枠12に、一定間隔で係合させる。連結具17は巻き数以上回転させることにより、外枠12全てを連結具17の内側に配置させることができる。蓋網パネル4B以外の網パネルを全て設置した後、各予備構造体の内部に詰め石21を充填する。詰め石は、予備構造体の内部全体に充満させ、開口部から盛り上がって、開口部から外に突きでないようにする。次に、蓋網パネル4Bを、敷設する。この際、同様に、隣り合う外枠4A〜F同士を連結具17にて連結し、蓋網パネル4Bを、底網パネル4A以外の網パネルに連結し、最終的に構造体2を完成させる。連結具17を、外枠12に一定間隔で取り付ける。但し、連結具17が詰め石21と干渉して、一定間隔での取り付けができないときは、連結具17を、干渉を避けることができる位置にずらして取り付けることができ、連結具17を容易に取り付けることができるので、短時間で護岸構造1を形成することができる。
【0066】
本護岸構造の構築方法において、連結具17(図9)の代わりに連結具19(図10)を用いてもよい。連結具19を外枠12に連結させるとき、連結具19を回転させながら外枠12に一定間隔で係合させる。連結具19を外枠12に係合させた直後に、係合部20同士を係合させる。連結具19も、外枠12に一定間隔で取り付ける。連結具19の連結具17と同様に、詰め石21と干渉して一定間隔で取り付けができないときは、連結具19を、干渉を避けることができる位置にずらして取り付けることができ、連結具19を容易に取り付けることができるので、短時間で護岸構造1を形成することができる。
【0067】
底網パネル4A、前壁網パネル4C、左側壁網パネル4E、右側壁網パネル4F、後壁網パネル4Dから、前述の予備構造体を形成する場合に、外枠12の一辺の長さにほぼ等しい螺旋を何巻にもまいた長い連結具を用い、予備構造体の内部に詰め石21を充填した後に、蓋網パネルを連結して、構造体2を完成する段階で、連結具17あるいは連結具19を用いるようにしてもよい。
【0068】
護岸構造1は、網パネル4A〜Fから構成し、詰め石21を充填にした構造体2から構成されるので、土砂の移動の抑制効果を有するとともに流水の緩衝効果、消波効果、浄化効果を有し、さらに通水性を有するので、自然環境を保全することができる。
【0069】
図12は、図1に示した網パネル構造体2を水平に階段状に積み重ねて構成した、本発明の第2の実施の形態にかかる擁壁構造としての護岸構造31の構成を示す模式図である。
【0070】
構造体2には、充填材としての詰め石21が充填される(図中、一部の構造体2にのみ詰め石21を記載し、他は記載を省略)。構造体2は、隣り合う外枠(図12に不図示)同士を、連結具(図12に不図示)にて連結して構成されている。
【0071】
図13は、下の構造体2Lと、下の構造体2Lの上に積層される上の構造体2Mとの位置関係を説明する模式図である。図において、説明上、上の構造体2Mを下の構造体2Lから鉛直上方(図中、z方向)に浮かして描いてある。図に示すとおり、上の構造体2Mは、幅方向(x方向)に構造体の幅の半分だけずらして敷設され、長さ方向(y方向)は、ずれを生じることなく重ねて敷設されている。
【0072】
図中、幅方向の外枠12の重なり具合を説明する(A1部詳細)。下の構造体2Lの蓋網パネル4BLの外枠12BLと、左側壁網パネル4ELの外枠12ELと、上の構造体2Mの底網パネル4AMの外枠12AMと、左側壁網パネル4EMの外枠12EMとが、互いに隣り合う外枠であり、連結具17がこれら4本の外枠を連結する。
【0073】
図中、長さ方向の外枠の重なり具合を説明する(A2部詳細)。下の構造体2Lの中枠13BLと、上の構造体2Mの底網パネル4AMの外枠12AMと、前壁網パネル4CMの外枠12CMとが、互いに隣り合う外枠であり、連結具17がこれら3本の外枠を連結する。さらに、別の長さ方向の外枠の重なり具合を説明する(A3部詳細)。下の構造体2Lの蓋網パネル4BLの外枠12BLと、後壁網パネル4DLの外枠12DLと、上の構造体2Mの底網パネル4AMの中枠13AMが、互いに隣り合う外枠であり、連結具17がこれら3本の外枠を連結する。
【0074】
次に、図12,図13を参照し、護岸構造の構築方法について説明する。
底網パネル4Aを護岸に横たえた姿勢で敷設する。前壁網パネル4C、左側壁網パネル4E、後壁網パネル4Dを護岸に垂直の姿勢で敷設し、敷設した網パネルにより上部に開口部を有する箱状の構造体2の最下段の予備構造体(この段階では右側壁網パネル4Fはない)を形成する。このとき、隣り合う外枠12(図6)同士が全て揃った箇所を、連結具17にて連結し、網パネル4C〜Eを底網パネル4Aに連結する。隣り合う外枠12同士が全て揃ていない箇所は、後の作業工程で、隣り合う外枠12同士が全て揃った段階で連結具17で連結する。連結具17は、外枠の中心線に平行な軸(不図示)の回りに回転させながら、外枠12に係合させる。
【0075】
次に、予備構造体の、図中、右隣に別の予備構造体を形成するために、別の底網パネル4Aを敷設する。そして、前壁網パネル4Cと後壁網パネル4Dと左側壁網パネル4E(左隣の予備構造体の右側壁網パネル4F)を敷設し、当該別の底網パネル4Aに、網パネル4C〜Eを連結具17で連結する。これを繰り返し、一番下の段の予備構造体を形成し、その後、各予備構造体に詰め石21を充填する。詰め石21は、予備構造体の内部全体に充満させ、開口部から盛り上がって、開口部から外に突きでないようにする。
【0076】
次に、各予備構造体に蓋網パネル4Bを連結する。この際、同様に、隣り合う外枠同士を連結具17にて連結することにより、蓋網パネル4Bを、底網パネル4A以外の網パネルに連結し、最終的に最下段の構造体2を完成させる。同様の工程を繰り返し、下から2段目以降の構造体2を完成させる。前述のように、上段の構造体2は、幅方向に構造体2の幅の半分だけ、下段の構造体2からずらして敷設され、かつ、上段の構造体2は、長さ方向は、下段の構造体2からずれを生じることなく重ねて敷設される。
【0077】
連結具17は、一定間隔で外枠12に取り付ける。但し、連結具17が詰め石21と干渉して一定間隔で取り付けができないときは、連結具17を干渉を避けることができる位置にずらして取り付けることができ、連結具17を容易に取り付けることができるので、短時間で構造体2を形成し短時間で護岸構造31を形成することができる。
【0078】
図14(A)〜(E)に示すような構造を有する連結具33を、連結具19(図10)の代わりに、使用することができる。図14(A)は、連結具33の正面図、図14(B)は、図14(A)におけるA矢視である。図14(C)は、図14(A)における後述の部分環部24のQ1−Q1断面である。図14(D)は、図14(A)における後述の第1の係合部36のQ2−Q2断面である。図14(E)は、図14(B)における後述の第2の係合部37のQ3−Q3断面である。
連結具33は、直径が50mm、ピッチが6mmのコイル状に形成された線材(JIS G 4314(バネ用ステンレス鋼線) SUS304-WPB 直径3mm)を切断して曲げ加工を施し製造される。
【0079】
連結具33は、一端にある、略半円の円弧形状を含む第1の係合部36と、他端にある、略半円の円弧形状を含む第2の係合部37と、長円(部分環形状)(図中、縦幅が50±2mm、横幅が約55±2mm)の一部が欠けた形状である、連結具環部としての部分環部24とからなる。連結具33がコイル状の線材を切断して曲げ加工により製造されているので、第1の係合部36、第2の係合部37、部分環部24は一体に形成されている。連結具33は、片手で持つことができる大きさ、重さのものとするとよい。例えば、寸法が、縦幅が30mm、横幅が35mmのものから、縦幅が100mm、横幅が105mmの長円の一部を含む形状とすることが望ましい。
【0080】
第1の係合部36は、部分環形状としての半円環形状の部分環部としての半円環部32と、長さが約3mmの直線形状の短線部34とからなる。半円環部32は、内側の内周部32Bにおける半径R1が5mmに形成されている。半円環部32の一端は、部分環部24に結合され、他端は短線部34に結合されている。短線部34の、先端としての自由端34Aと、部分環部24の内周部24Bの間に隙間が形成されており、この隙間の幅は、半円環部32の内周部24Bにおける直径10mmより短く形成されている。よって、短線部34は、部分環部24の内周部24Bに近づく方向に向いて形成されている。このため、第1の係合部36と、第2の係合部37が係合した場合に、係合が外れにくい。
【0081】
部分環部24の第1の係合部36との近傍と、第1の係合部36とが第1の平面としての一平面上に形成されている。半円環部32は、部分環部24との結合部35から部分環部24の中心Cに向かう方向に折れ曲がっており、すなわち、半円環部32は、当該一平面上で部分環部24の径方向内側に形成され、部分環部24の略中心軸線L1(中心Cを通る)方向に飛び出さないよう構成されている。第1の係合部36がこのように構成されているので、自由端34Aが連結具33を取り扱う者を傷つけることを防止することができる。
【0082】
第2の係合部37は、部分環形状としての半円環形状の部分環部としての半円環部28と、長さが約3mmの直線形状の、先端部としての短線部29とからなる。半円環部28は、内側の内周部28Bにおける半径R2が5mmに形成されている。半円環部28の一端は、部分環部24に結合され、他端は短線部29に結合されている。短線部29の自由端29Aと部分環部24の内周部24Bの間に隙間が形成されており、この隙間の幅は、半円環部28の内周部28Bにおける直径10mmより短く形成されている。よって、短線部29は、部分環部24の側周部24Cに近づく方向に向いて形成されている。このため、第1の係合部36と、第2の係合部37が係合した場合に、係合が外れにくい。
【0083】
半円環部28は、部分環部24との結合部30から部分環部24の中心軸線L1に平行な方向に折れ曲がっており、部分環部24の径方向(中心軸線L1に直角な方向)に大きく飛び出さないように構成されている。また、第2の係合部37の先端部である短線部29は、部分環部24に略沿う方向に形成されている。第2の係合部37がこのように構成されているので、短線部29の自由端29Aが連結具33を取り扱う者を傷つけることを防止することができる。
【0084】
第2の係合部37は、中心軸線L1にほぼ平行な第2の平面としての一平面上に形成され、第1の平面としての前述の一平面と第2の平面としての当該一平面とは互いに直角に交差する。よって、第1の係合部36と第2の係合部37の係合が容易なものとなる。なお、連結具は上述の部分環部の代わりに、例えば、1巻きを超える螺旋形状、2巻きの螺旋形状、2巻きより大きく3巻き未満の螺旋形状に形成された環部を有し、上述の第1の係合部と第2の係合部とを有するものであってもよい。
【0085】
図15、図16に、図14に示した連結具33を連結させる係合工具41を示す。図15(A)は、係合工具41の正面図、同(B)が、同(A)のX矢視(後述の第1の部品42のみ示す)、同(C)が、同(A)のY矢視(後述の第2の部品43のみ示す)である。図16は、係合工具41の裏面図である。
【0086】
以下、図15、図16を参照して、係合工具41の構成を説明する。係合工具41は、連結具33を係合させる専用工具として開発されたものである。
係合工具41は、第1の部品42および第2の部品43を含んで構成される。第1の部品42は、第1の部品本体42Aと、支持部品55と、当て板部品54と、側板65からなる。第2の部品43は第2の部品本体43Aからなる。第1の部品本体42Aは、細長い板状の素材を加工して製造され、手の指を通す通し孔46が加工された第1の把持部44と、連結具33を係合させるための、第1の保持部としての、先端部45とを有し、中心より若干先端部45よりに貫通孔47が形成されている。第2の部品本体43Aも同様に、細長い板状の素材を加工して製造され、手の指を通す通し孔50が加工された第2の把持部48が形成され、さらに連結具33を係合させるための、第2の保持部としての先端部49とを有する。第2の部品本体43Aには、中心より若干先端部49よりに貫通孔51が形成されている。
【0087】
第1の部品本体42Aの、第2の部品本体43A側の側面53には、板状の当て板部品54と板状の支持部品55とが貼り付けられている。支持部品55は、第1の部品本体42Aと板状の側板65により挟まれて配置される。支持部品の55の厚さは、連結具の素材の直径に等しい。当て板部品54には、貫通孔47と一緒に共あけされた貫通孔56が形成されている。当て板部品54の厚さは連結具の素材の直径に等しく、あて板部品54は、第1の部品本体42Aと第2の部品本体43Aとの間に連結具33が配置されうる隙間を確保するよう構成されている。第1の部品42と第2の部品43は、連結部品としての止め軸57により、止め軸57を中心に回動可能に結合されている。止め軸57は、貫通孔47、貫通孔56、貫通孔51を貫通する。このように構成されているので、係合工具41は、通し孔46に例えば第1の指としての人差し指および第1の指としての中指を通し、通し孔50に第2の指としての親指を通し、通した指を動かすことにより、止め軸57を中心に、第1の部品42と第2の部品43とを回動させ、第1の部品42と第2の部品43に鋏に類似する動きをさせることができる。支持部品55は、連結具33の部分環部24の内周部24Bの円弧形状と同じ円弧形状に形成された部分を含む円弧形状部55Aを有し、円弧形状部55Aの端部に部分円環状の溝55Bが形成されている。支持部品55は、さらに後述の端面58と面一に形成された、端面64を有する。第1の部品42と第2の部品43との回動の角度は、最も開いたときの角度が後述のように制限され、最も閉じたときの角度が、通し孔46と通し孔50に同時に指を入れることができる角度に制限されている。
【0088】
第1の部品本体42Aの先端部45には、図中第2の部品本体43Aと対向する側に端面58が形成されている。第2の部品本体43Aの先端部49の、図中第1の部品本体42Aと対向する側の端面60に食い込んで、U溝61が形成され、U溝61が形成されることにより先端部49に、第1の突起部62と、第2の突起部63が形成されている。U溝61の表面を第5の接触部としてのU溝面61Aとする。第1の突起部62は、貫通孔51から遠い方であり、第2の突起部63は、貫通孔51に近い方である。
【0089】
第1の部品本体42A、および第2の部品本体43Aの厚さは、連結具33の線材の直径より大きくすることが望ましく、支持部品55の厚さは、当て板部品54と同様に、連結具33の線材の直径と同じとするよい。このようにすると、連結具を第1の部品本体と、側板により挟むことができ、係合工具41による連結具33の保持を確実とすることができる。
【0090】
次に、連結具33を係合工具41を用いて係合させる方法について説明する。
図15において、第1の部品本体42Aの第1の把持部44の通し孔46に、一方の手、例えば、右手の人差し指と中指を通し、第2の部品本体43Aの第2の把持部48の通し孔50に右手の親指を通して、第1の部品42と第2の部品43が最大角度で開くよう、人指し指/中指と親指とを広げ、連結具33を左手で取り上げ、以下のように係合工具41に取り付ける。第1の部品42と第2の部品43が最大角度は、以下のように、連結具33を取り付けることができる角度に制限されている。
連結具33の第1の係合部36を、第1の部品本体42Aの先端部45に取り付ける。このとき、連結具33の自由端34Aが、係合工具41の端面64(第1の接触部)に接触し、さらに連結具33の部分環部24の内周部24Bが係合工具41の指示部品55の溝55B(第2の接触部)に落ち込んで接触し、部分環部24の側周部24Cが、側板65の側面65Aに接触し(第6の接触部)、部分環部24の、第1の側周部としての側周部24Dが先端部45の側面45A(第3の接触部)(第2の部品本体43A側の側面45A)に接触するようにし、部分環部24が、側板65と先端部45に挟まれるように、連結具33を取り付ける。部分環部24が、側板65と先端部45に挟まれて、連結具33が取り付けられるので、連結具33の係合工具41への取り付けがスムーズに行え、係合工具41によって連結具33を、より確実に保持できる。
さらに、第1の部品42と第2の部品43とが、回動により最も開いたときの角度は、連結具33の第1の係合部36の半円環部32の第2の側周部としての側周部32Cが、第2の突起部63の側面63A(第1の部品本体42A側の側面)(第4の接触部)に接触するよう制限されている。側周部32Cは、側周部24Dに対して連結具33の中心軸線L1(図14)方向反対側にある。側周部24Dは、側周部24Cに対して連結具33の中心軸線L1方向反対側にある。
【0091】
連結具33の第2の係合部37を、第2の部品本体43Aの先端部49に取り付ける。連結具33の半円環部28が、第2の部品本体43Aの先端部49のU溝61に入り込み、半円環部28の側周部28CがU溝面61A(第5の接触部)に接触するように、連結具33が取り付けられる。このように取り付けると、連結具33と係合工具41とがほぼ一平面をなすように配置することができる。
以上のように、(1)係合工具41の第2の部品43(先端部49の第2の突起部63の側面63A)を、連結具33の第1の係合部36(半円環部32の側周部32C)に接触させ、係合工具41が連結具33の、連結具33の中心軸線L1(図14(B))の方向の動きを拘束し、(2)係合工具41の第1の部品42(支持部品55の溝55B)を、連結具33の部分環部24(内周部24B)に接触させ、係合工具41の第1の部品42と第2の部品43のなす角度が小さくなるよう回動トルクを作用させ、係合工具41が連結具33を、中心軸線L1に直角な面に沿う方向に押圧するようにし、(3)係合工具41の第1の部品42(先端部45の側面45A)を、連結具33の部分円環部24(側周部24D)に接触させ、係合工具41が連結具33の、(1)で述べた中心軸線L1方向とは反対の中心軸線L1方向の動きを拘束し、係合工具の側板65(側面65A)を、連結具33の部分円環部24(側周部24C)に接触させ、係合工具41が連結具33の、(1)で述べた中心軸線L1方向と同じ中心軸線L1方向の動きを拘束し、(4)係合工具41の第2の部品43(先端部49のU溝61のU溝面61A)を、連結具33の第2の係合部37(半円環部28の側周部28C)に接触させ、同様に回動トルクを作用させ、係合工具41が連結具33を、中心軸線L1に直角な面に沿う方向に押圧するようにし、係合工具41によって連結具33を保持することができる。さらに、(5)係合工具41の第1の部品42(支持部品55の端面64)を、連結具33の第1の係合部36(先端部43の自由端43A)に接触させ、係合工具41が連結具33の、中心軸線L1に直角な面に沿う方向の動きを拘束し、係合工具41によって連結具33を保持することができる。なお、係合工具に回動トルクを作用させるのは別々の動作ではなく一つの動作として行う。
係合工具41の第2の部品43(先端部49のU溝61のU溝面61A)を、連結具33の第2の係合部37(半円環部28の内周部28B)に接触させ、同様に回動トルクを作用させ、係合工具41が連結具33を、中心軸線L1に直角な面に沿う方向に押圧する構造の組み合わせとしてもよい。
以上のように、第1の部品本体42Aの先端部45と、第2の部品本体43Aの先端部49とに、連結具33を取り付けることができるので、連結具33が係合工具41に確実に保持され、連結具33が係合工具41から容易に脱落しないようにすることができる。
【0092】
次に、第1の部品42と第2の部品43とを、第1の部品42と第2の部品43とがなす角度が減少するようにゆっくり回動させる。このとき、通し孔46、50に指を入れた手によって、当該角度が減少する方向に回動トルクが与えられる。さらに、回動させると、第1の係合部36の半円環部32の外周部32Aと、第2の係合部37の半円環部28の外周部28Aが互いに近づき、両方が当接する。
【0093】
さらに、回動トルクを増加させて、回動させると、半円環部32の外周部32Aが半円環部28の外周部28A上を、短線部29に向かう方向に滑るように動く。このとき、第1の係合部36と第2の係合部37が互いに押しのけ合い、連結具33が弾性変形を起こしている。このとき、第1の係合部36の半円環部32の側周部32Cが、第2の突起部63の側面63Aから離れ、第1の係合部36の自由端34Aが、端面64から端面58(端面64と面一)に滑って移動する。さらに回動させて、半円環部32が短線部29の自由端29Aに到達すると、自由端29Aと部分環部24の内周部24Bの間の隙間を部分円環部32が通過する。この部分円環部32の通過により、第1の係合部36と第2の係合部37への係合工具41による力の作用が停止し、連結具33の弾性変形が部分的に解除され、第1の係合部36と第2の係合部37との押しのけ合いが解除されて、半円環部32が、一方の半円環部28の内側である内周部28Bに移動して接触し、第1の係合部36と第2の係合部37とが係合する。
【0094】
なお、この場合、前述のように、第1の係合部36の半円環部32の外周部32Aと、第2の係合部37の半円環部28の外周部28Aが互いに近づき、両方が当接した位置から、短線部29の自由端29Aまでの距離、すなわち第1の係合部36が第2の係合部37と当接してから第2の係合部37上を当接が外れるまで移動する距離が本願発明の所定の距離である。
【0095】
図17(A)、(B)に、連結具33の第1の係合部36と第2の係合部37とが係合した状態を示す。図17(A)は、図14(A)に対応し、図17(B)は、図17(A)を反対側(図面の奥)から見た裏面図である。連結具33の弾性変形が一部解除する過程で、半円環部32の内周部32Bと半円環部28の内周部28Bとが接触した状態になる。この状態の連結具33は、図14に示す連結具33の状態から弾性変形した状態にあり、第1の係合部36と第2の係合部37との係合を容易に外れない強固なものとしている。
【0096】
係合工具14(図15)は、止め軸57から第1の把持部46の通し孔46の中心までの長さが、止め軸57から先端部45までの長さの約倍となっており、さらに、止め軸57から第2の把持部48の通し孔47の中心までの長さが、止め軸57から先端部45までの長さの約倍となっている。したがって、把持部44、48に加えられた力を倍増させて、先端部45、49(作用部)から連結具33に力をかけ、連結具33を弾性変形させ、第1の係合部36と第2の係合部37とを係合させることができるので、把持部44、48に片手によって力を加えることにより当該係合が可能となる。このため、片方の手を連結具33を掴み、もう一方の手で係合工具41を取り扱うことができるので、現場での連結具33の係合作業が容易になる。また、止め軸57から把持部44、48の通し孔46、50の中心までの長さをより長くすることにより、より小さな力で、第1の係合部36と第2の係合部37とを係合させることができる。
【0097】
図18および図19を参照し、連結具33によって2枚の網パネル4(図2)を連結したときの連結強度を、従来型の螺旋状の連結具71によって2枚の網パネル4を連結したときの連結強度と、比較して説明する。ここで連結強度とは、網パネル4の一部を構成する試験網パネル72、73を2個、一鉛直平面上に配置し、連結具33、71を取り付けた試験網パネル72、73の外枠74、75を互いに離すように下側の試験網パネル73に下方向の荷重をかけ、連結具33による連結が破壊される状態に至ったときの荷重の大きさをいう。
【0098】
図18に、連結強度試験設備を表す。本設備において、従来の螺旋状の連結具71によって網パネル4(図2)の一部を構成する試験網パネル72、73が2個、鉛直方向上下に連結されている。連結具71は、直径5mmの線材(JIS G 3547)を直径(D1)50mm、巻き間隔(P1)80mm、約6.5巻きのコイルとして形成されている(コイル全体の中心軸線方向の長さは約500mm)。試験設備は、上側に配置された試験網パネル72を保持し、水平に配置された上側保持枠78と、下側に配置された試験網パネル73を保持し、水平に配置された下側保持枠79を含んで構成される。上側保持枠78は地面に対して固定され、下側保持枠は荷重を鉛直方向下側にかけることができ、同方向に移動することことができるよう構成されている。下側保持枠79は、荷重がかけられている場合にも、水平の姿勢を維持する。
【0099】
図中、上側に配置された試験網パネル72は、試験外枠74と試験網76とから構成され、下側に配置された試験網パネル73は、試験外枠75と試験網77とを含んで構成される。試験外枠74、75は、直径4mm、長さが約650mmの直線の線材である。試験外枠74、75間の上下方向距離(L3)は、試験開始前、すなわち荷重をかける前は、30mmに設定されている。試験網76、77は、直径4mm、トラス間隔(P2)99mm、斜部長さ(L2)65mmの波形の線材である(全体の中心軸線方向の長さは約650mm)。
【0100】
試験網76は上側格部76A(格部とは格点を有する部分をいう。)と下側格部76Bを一つおきに有し、試験網77は上側格部77Aと下側格部77Bを一つおきに有する。上側格部と下側格部は試験網の配置によって決まり、試験網を水平中心軸線回り180度回転させると、呼び名が入れ替わる。
【0101】
連結強度試験設備の上側保持枠78の底部78Bには、貫通孔82が形成された保持板80が底部78Bに対して垂直に取り付けられている。貫通孔82の間隔は、試験網76のトラス間隔(P2)に等しく設定されており、数値は99mmである。貫通孔82の直径は、試験網76の直径より大きく形成されている。試験網76は、上側格部76Aにおいて貫通孔82を貫通し、下側格部76Bにおいて試験外枠74を抱える。ここで、試験網76が、下側格部76Bにおいて試験外枠74を抱えるとは、試験外枠74が、下側格部76Bの内周部に接触し(接触せずに僅かに離れている場合を含む)、図中、試験網76が試験外枠74の手前側から、試験外枠74の向こう側に、巻き付くように延びることを言う。
【0102】
連結強度試験設備の下側保持枠79の上部79Aには、貫通孔83が形成された保持板81が上部79Aに対して垂直に取り付けられている。貫通孔83の間隔は、試験網77のトラス間隔(P2)に等しく設定されている。貫通孔82の直径も、試験網77の直径より大きく形成されている。試験網77は、下側格部77Bにおいて貫通孔83を貫通し、上側格部77Aにおいて試験外枠75を抱える。ここで、試験網77が、上側格部77Aにおいて試験外枠75を抱えるとは、試験外枠75が、上側格部77Aの内周部に接触し(接触せずに僅かに離れている場合を含む)、図中、試験網77が試験外枠75の向こう側から、試験外枠75の手前側に、巻き付くように延びることをいう。
【0103】
連結具71の巻き間隔(P1(80mm))と、試験網76、77のトラス間隔(P2(99mm))が相違するので、連結具71の試験外枠74への巻き付きが生じている箇所(連結具71が試験外枠74の近傍を通過する箇所)と、試験網76、77の試験外枠74、75への巻き付きが生じている箇所(連結具71が試験外枠74の近傍を通過する箇所)が一致する箇所は2箇所程度である。
【0104】
下側保持枠79に、静的荷重を加えると、連結具71が試験外枠74、75および試験網76、77により上下方向に引っ張られ、連結具71の巻きの直径が増大し、巻きの直径が50mmから100mmに増加したとき荷重は6KNであった。このとき連結具71の巻きの数は、連結具71の巻き戻しにより減少し、中心軸線方向の長さが減少し、また試験外枠75は、直線を維持できず、曲がりが生じ、試験網パネル72と試験網パネル73の連結を実質的に維持できなくなっている。
【0105】
図19は、連結具33を取り付けた連結強度試験設備を示す。図18との相違点は、取り付けた連結具が図14に示す連結具33であること、試験開始前の試験外枠74、75間の上下方向距離(L4)が40mmであることである。
【0106】
試験網76の試験外枠74への巻き付きが生じている箇所と、試験網77の試験外枠75への巻き付きが生じている箇所は、水平方向位置が一致するように配置されている(図18も同様)。当該一致する箇所に一つおきに、連結具33が合計3個取り付けられている。連結具33は、第1の係合部36(図14)と、第2の係合部37(図14)とが係合している。なお、連結具33を当該一致する箇所すべてに取り付けることも可能である。このようにすると連結強度を増大させることができる。
【0107】
下側保持枠79に、静的荷重を加えると、連結具33が試験外枠74、75により上下方向に引っ張られ、試験外枠74、75間の間隔が増大し、連結具33の形状が略円形から略楕円形に変化し、何れかの連結具33の、第1の係合部36(図14)と、第2の係合部37(図14)との係合が外れたときの荷重が11KNであった。
【0108】
したがって、本実施の形態の連結具33は、従来の螺旋状の連結具71(図18)と比較して、連結強度において遜色がなく、同等以上の連結強度を有することが分かった。
連結具33は、試験網76の試験外枠74への巻き付きが生じている箇所と、試験網77の試験外枠75への巻き付きが生じている箇所が一致する箇所すべてに取り付けることができ、このように取り付けることにより連結強度をさらに上げることができる。
また、本実施の形態の連結具33は、種々のトラス間隔の網を有する網パネルに使用し、外枠と網の巻き付きが生じている箇所に選択的に取り付けることができ、網パネルの連結強度の高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る護岸構造を構成する、網パネル構造体の構成を示す模式図である。
【図2】図1の網パネル構造体を各網パネルに分解した模式図である。
【図3】図1の網パネル構造体を用いて構成した護岸構造の斜視図である。
【図4】図3の護岸構造の側面図である。
【図5】図1の護岸構造を構成する他の網パネル構造体を説明する模式図である。
【図6】外枠と連結具の係合を説明する図である。(A)は、外枠を二本連結する連結具であり、(B)は、外枠を三本連結する連結具であり、(C)は、外枠を四本連結する連結具である。
【図7】連結具により連結される外枠を説明する図である。(A)は、外枠を二本連結する場合であり、(B)は、外枠を三本連結する場合であり、(C)は、外枠を四本連結する場合である。
【図8】連結具の外枠への連結について説明する図である。
【図9】螺旋状の連結具を説明する図である。
【図10】環の一部をなす形状に形成された連結具を説明する図である。
【図11】他の形状を有する螺旋状の連結具を説明する図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る、階段状に形成された護岸構造の斜視図である。
【図13】下の構造体と、下の構造体の上に積層される上の構造体との位置関係を説明する模式図である。
【図14】(A)は、連結具の正面図である。(B)は、(A)のA矢視である。(C)は、(A)の部分環部のQ1−Q1断面である。(D)は、(A)の第1の係合部のQ2−Q2断面である。(E)は、(B)の第2の係合部のQ3−Q3断面である。
【図15】(A)は、連結具を取り付けた係合工具の正面図である。(B)は、(A)のX矢視である。(C)は、(A)のY矢視である。
【図16】図15の、連結具を取り付けた係合工具の裏面図である。
【図17】(A)は、第1の係合部と第2の係合部が係合した連結具の正面図である。(B)は、(A)の連結具の裏面図である。
【図18】従来の螺旋形状の連結具により連結された試験網パネルの連結強度を試験する連結強度試験設備を表す正面図である。
【図19】図14の連結具により連結された試験網パネルの連結強度を試験する連結強度試験設備を表す正面図である。
【符号の説明】
【0110】
1、31 護岸構造(擁壁構造)
2、2’、2” 網パネル構造体
4A 底網パネル
4B 蓋網パネル
4C 前壁網パネル
4D 後壁網パネル
4E 左側壁網パネル
4F 右側壁網パネル
11A〜F 網
12A〜F 外枠
13A、13B 中枠
14−1A、14−2A、14−1B、14−2B 中枠
15−1C、15−2C、15−1D、15−2D 中枠
16E、16F 中枠
17、19、33 連結具(擁壁構造用連結具)
18、20 係合部
21 詰め石(充填材)
22 糸
24 部分環部(連結具環部)
24B 内周部
24C 側周部
24D 側周部(第1の側周部)
25 法面部
26 天端部
27 たれ部
28 半円環部(部分環部)
28A 外周部
28B 内周部
29 短線部(先端部)
29A 自由端
30、35 結合部
31 護岸構造
32 半円環部(部分環部)
32A 外周部
32B 内周部
32C 側周部(第2の側周部)
34 短線部(先端部)
34A 自由端(先端)
36 第1の係合部
37 第2の係合部
41 係合工具
42 第1の部品
42A 第1の部品本体
43 第2の部品
43A 第2の部品本体
44 把持部(第1の把持部)
45 先端部(第1の保持部)
45A 側面(第3の接触部)
46、50 通し孔
47、51、56 貫通孔
48 把持部(第2の把持部)
49 先端部(第2の保持部)
53 側面
54 当て板部品
55 支持部品
55A 円弧形状部
55B 溝(第2の接触部)
57 止め軸(連結部品)
58 端面
60 端面
61 U溝
61A U溝面(第5の接触部)
62 第1の突起部
63 第2の突起部
63A 側面(第4の接触部)
64 端面(第1の接触部)
65 側板
65A 側面(第6の接触部)
71 連結具
72、73 試験網パネル
74、75 試験外枠
76、77 試験網
76A、77A 上側格部
76B、77B 下側格部
78 上側保持枠
78B 底部
79 下側保持枠
79A 上部
82、83 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の網と前記網を保持する金属製の枠とを有する複数の網パネルを連結する金属製の擁壁構造用連結具であって;
一端に第1の係合部を、他端に第2の係合部を有し;
さらに、環形状に形成された連結具環部であって、前記第1の係合部と前記第2の係合部と一体に形成された連結具環部を有し;
前記第1の係合部と前記第2の係合部とを互いに係合させることにより、隣り合う前記網パネルの前記枠同士を結合して、内部に空間を形成し前記空間に充填材が充填される網パネル構造体を形成する;
擁壁構造用連結具。
【請求項2】
前記第1の係合部と前記第2の係合部は、部分環形状に形成された部分環部をそれぞれ有し;
前記第1の係合部または前記第2の係合部の少なくとも一方が、隙間をもって形成され;
他方の部分環部が、前記隙間を通過して前記一方の部分環部の内周部に移動して、前記係合した状態となるよう構成された;
請求項1に記載の擁壁構造用連結具。
【請求項3】
前記連結具環部の前記第1の係合部との近傍と、前記第1の係合部とが第1の平面上に形成され;
前記第1の係合部が、前記第1の平面上で前記連結具環部の径方向内側に形成された;
請求項2に記載の擁壁構造用連結具。
【請求項4】
前記第2の係合部が前記第1の平面と交差する第2の平面上に形成され;
前記第2の係合部の先端部が、前記連結具環部に略沿う方向を向いて形成された;
請求項3に記載の擁壁構造用連結具。
【請求項5】
前記第1の平面と、前記第2の平面とが、直角に交差するように構成された;
請求項4に記載の擁壁構造用連結具。
【請求項6】
前記第1の係合部または前記第2の係合部のどちらか一方に対して、他方に近づく方向に力を作用させることにより、前記一方と前記他方が互いに当接し、さらに前記一方と前記他方が互いに押しのけ合い、前記一方が所定の距離移動した後、前記押しのけ合いが解消し、前記係合した状態となるよう構成された;
請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の擁壁構造用連結具。
【請求項7】
金属製の網と前記網を保持する金属製の枠とを有する複数の網パネルを連結する金属製の擁壁構造用連結具であって、1巻きより多く3巻きより少ない螺旋状に形成され、隣り合う前記網パネルの前記枠同士を結合して、内部に空間を形成し前記空間に充填材が充填される網パネル構造体を形成する、擁壁構造用連結具。
【請求項8】
請求項6に記載する擁壁構造用連結具を保持する保持部と;
前記一方に対して力を作用させる作用部とを備え;
前記作用部は、前記一方が前記他方に近づく方向に力を作用させることにより、前記一方と前記他方が互いに当接し、さらに前記一方と前記他方が互いに押しのけ合い、前記一方が所定の距離移動した後、前記押しのけ合いが解消し、前記一方と前記他方が前記係合した状態となるよう構成された;
係合工具。
【請求項9】
手の第1の指を掛けて把持する第1の把持部と、請求項6に記載の擁壁構造用連結具の第1の係合部または第2の係合部を保持する第1の保持部とを有する第1の部品と;
前記手の前記第1の指以外の第2の指を掛けて把持する第2の把持部と、請求項6に記載の擁壁構造用連結具の第1の係合部または第2の係合部のうち、前記第1の保持部で保持されていない方を保持する第2の保持部とを有する第2の部品と;
前記第1の部品と前記第2の部品とを連結する連結部品とを備え;
前記第1の部品と前記第2の部品とが前記連結部品を支点として、前記手の力によって、互いに回動可能に構成され;
前記第1の把持部と前記第2の把持部とを近づけるように前記回動を行うことによって、前記力を作用させることが可能に構成された;
係合工具。
【請求項10】
前記第1の保持部または前記2の保持部のどちらか一方が、前記第1の係合部の先端に接触する第1の接触部と、前記連結具環部の内周部に接触する第2の接触部と、前記連結具環部の第1の側周部に接触する第3の接触部とを有し;
他方が、前記第1の係合部の部分環部の、前記第1の側周部とは反対側の第2の側周部に接触する第4の接触部と、前記第2の係合部の部分環部の側周部または内周部に接触する第5の接触部とを有する;
請求項9に記載の係合工具。
【請求項11】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の擁壁構造用連結具と;
前記擁壁構造用連結具により連結される前記複数の網パネルと;
前記充填材とを備える;
擁壁構造。
【請求項12】
請求項7に記載の擁壁構造用連結具と;
前記擁壁構造用連結具により連結される前記複数の網パネルと;
前記充填材とを備える;
擁壁構造。
【請求項13】
前記擁壁構造用連結具が、前記螺旋の進行方向に外周面同士が接触して形成された;
請求項12に記載の擁壁構造。
【請求項14】
金属製の網と前記網を保持する金属製の枠とを有する複数の網パネルを擁壁に敷設する工程と;
前記複数の網パネルを組み立て、内部に空間を形成する網パネル構造体を形成する形成工程と;
隣り合う前記網パネルの枠同士に、環の一部を含む形状に形成した、金属製の連結具を回転させながら係合させ、さらに前記連結具の両端の係合部を係合させ、前記隣り合う前記網パネルを連結する連結工程と;
前記網パネル構造体の前記空間に充填材を充填する充填工程とを備える;
擁壁の構築方法。
【請求項15】
金属製の網と前記網を保持する金属製の枠とを有する複数の網パネルを擁壁に敷設する工程と;
前記複数の網パネルを組み立て、内部に空間を形成する網パネル構造体を形成する形成工程と;
隣り合う前記網パネルの枠同士に、1巻きより多く3巻きより少ない螺旋状に形成した、金属製の連結具を、回転させながら係合させ、前記隣り合う前記網パネルを連結する連結工程と;
前記網パネル構造体の前記空間に充填材を充填する充填工程とを備える;
擁壁の構築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−309090(P2007−309090A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−110957(P2007−110957)
【出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(506137125)株式会社活充企画 (1)
【Fターム(参考)】