操作つまみ、電気機器及び検出センサ
【課題】必要に応じて被操作部に抜け止め状態としたり、取り外しや取り付けが可能な状態とすることが可能な操作つまみ、当該操作つまみを備えた電気機器及び検出センサを提供する。
【解決手段】被操作部40に係止されない非ロック状態と、被操作部40からの抜けが生じない方向に係止されるロック状態とに移動可能なロック部材60を備え、ロック部材60をロック状態とすることによりロック挟持部62,62が被操作部40により挟持されるから、操作つまみ70のがたつきを防止することができる。一方、ロック部材60が非ロック状態であれば、操作が不要なときには、操作つまみ70を取り外し、必要になったときに、操作つまみ70を取り付けることができる。
【解決手段】被操作部40に係止されない非ロック状態と、被操作部40からの抜けが生じない方向に係止されるロック状態とに移動可能なロック部材60を備え、ロック部材60をロック状態とすることによりロック挟持部62,62が被操作部40により挟持されるから、操作つまみ70のがたつきを防止することができる。一方、ロック部材60が非ロック状態であれば、操作が不要なときには、操作つまみ70を取り外し、必要になったときに、操作つまみ70を取り付けることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作つまみ、電気機器及び検出センサに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電気機器のパネルに固定された可変抵抗器に接続されて該可変抵抗器を回転操作する操作つまみの取付構造が知られている。この取付構造においては、操作つまみは、可変抵抗器の回転軸に嵌合され、当該操作つまみの突起を、パネルに設けられたヒンジ部をたわませて押し込み、復元したヒンジ部の裏面に係止させてパネルに取り付けられる。
【0003】
また、この取付構造においては、操作つまみの突起を通過させることができる溝部をパネルに設けており、操作つまみは、突起を溝部と一致するように回転させることにより、当該突起を溝部を通過させてパネルから抜き取ることができる。
【特許文献1】特開平5−240972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、操作つまみは、使用する頻度が低い場合には、可変抵抗器を操作する必要があるときのみ電気機器のパネルに取り付け、操作する必要がないときには抜き取ることができるようにすることが望ましい。一方、使用する頻度が高い場合には、パネルに抜け止めされた状態で常時取り付けておくことが望ましい。
【0005】
しかしながら、上記の操作つまみは、突起をヒンジ部をたわませてパネルに押し込まなければならないこと、当該突起を溝部と一致させるために回転させなければならないことから、被操作部に抜け止め状態としたり、取り外しや取り付けが可能な状態とすることができるものであるとは言い難かった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑み提案されたものであって、必要に応じて被操作部に抜け止め状態としたり、取り外しや取り付けが可能な状態とすることが可能な操作つまみ、当該操作つまみを備えた電気機器及び検出センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、電気機器の被操作部に連結して回転操作することにより当該被操作部を回転させる操作つまみであって、
前記被操作部に係止されない非ロック状態と、前記被操作部からの抜けが生じない方向に係止(挿入方向とは反対側の移動が規制)されるロック状態とに移動可能なロック部材を備え、
前記被操作部は、前記非ロック状態から前記ロック状態への移動の際に前記ロック挟持部に当接して当該ロック挟持部を弾性変形させる当接部と、前記弾性変形したロック挟持部を前記当接部とは反対側から係止する係止部と、を備えており、
前記ロック部材は、前記ロック状態のときに前記被操作部の前記当接部と前記係止部との間に挟持されるロック挟持部を有するところに特徴を有する。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記操作つまみは、前記ロック部材と、前記ロック部材によりロックされる操作つまみ本体と、からなるものであって、
前記操作つまみ本体には、前記ロック部材が挿入される通し孔が設けられており、前記ロック部材は、前記通し孔内における前記非ロック状態から前記被操作部側に押圧されることにより、前記ロック状態に移動するところに特徴を有する。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記ロック部材は、前記非ロック状態にあるときに、前記操作つまみ本体の前記被操作部側とは異なる端部から一部が外部に突出しているところに特徴を有する。
【0010】
請求項4の発明は、電気機器本体を覆うケースと、
前記ケースの外方から請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の操作つまみを連結可能な被操作部と、を備えた電気機器であって、
前記被操作部は、前記ケースの表面から突出しないように配されているところに特徴を有する。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4に記載の電気機器は、
所定の条件に基づいて被検出物を検出する検出手段と、前記所定の条件を設定可能な設定手段と、を備える検出センサであって、
前記設定手段は、前記操作つまみと前記被操作部とによって構成されているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0012】
<請求項1の発明>
本構成によれば、ロック部材をロック状態とすることにより、ロック部材が被操作部からの抜けが生じない方向に係止されて操作つまみの抜け止めが図られるだけでなく、ロック部材のロック挟持部は、ロック状態のときに被操作部により挟持されるから、操作つまみのがたつきを防止することができる。一方、ロック部材が非ロック状態であれば、操作が不要なときには、操作つまみを取り外し、必要になったときに、操作つまみを取り付けることができる。
【0013】
<請求項2の発明>
本構成によれば、簡易な操作でロック部材をロック状態とすることができる。
【0014】
<請求項3の発明>
本構成によれば、ロック部材のうち、操作つまみ本体の被操作部側とは異なる端部から外部に突出する部分を押圧することにより、ロック部材をロック状態まで移動することが可能になる。
【0015】
<請求項4の発明>
本構成によれば、被操作部がケースの表面から突出しないから、操作つまみが連結されないときに、ケース表面から被操作部が突出して邪魔になることがない。
また、操作つまみが連結されないときに、被操作部に触れて電気機器が誤って操作されることを防止することができる。
【0016】
<請求項5の発明>
本構成によれば、被操作部に連結された操作つまみを回転させることにより、検出センサの設定を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図17を参照しつつ説明する。
1.検出センサの構成
本実施形態のファイバセンサ1(検出センサ)は、投光した光のうち受光した光の受光量(レベル)を閾値と比較することにより、被検出物Wの有無を検出するものである。このファイバセンサ1は、直方体に形成された本体ケース10を備え、CPU(図示しない)等が当該ケース10内に設けられている。なお、図示しないが、投光用及び受光用の光ファイバの差込孔が本体ケース10の前面に形成され、電線が本体ケース10の裏面から引き出されている。
【0018】
図1に示すように、本体ケース10の上面10Aには、L/Dスイッチ11、モード切替スイッチ12、被操作部40、デジタル表示器20が設けられている。
【0019】
L/Dスイッチ11は、左右にスライド可能となるように設けられており、一方にスライドさせると、閾値よりも大きい受光量が検出されたときに被検出物Wを検出したと判定するように設定し、他方にスライドさせると、閾値よりも小さい受光量が検出されたときに被検出物Wを検出したと判定するように設定する。
【0020】
モード切替スイッチ12は、押すごとに、被検出物Wの検出を行う「検出モード」、閾値を設定する「ティーチングモード」、投光素子(図示しない)からの投光量を調整する「投光量設定モード」などの各種モードの切り替えが順番に行われるようになっている。
【0021】
検出モードは、被検出物Wの検出動作が可能となるモードである。デジタル表示器20は、検出モードのときに、受光量(レベル)と、当該受光量(レベル)を比較するための閾値(基準値)を表示する。この閾値(所定の条件)は被操作部40を(操作つまみ70によって)回転させることにより変更され、これにより検出感度が調整(設定)される(即ち、被操作部40と操作つまみ70とが検出感度の設定手段を構成する)。そして、CPU(本発明の「検出手段」に相当)は、設定された閾値と受光した光の受光量(レベル)とを比較し、この比較結果に応じて被検出物Wの有無の検出を行う。
【0022】
他のモード(被検出物Wの検出動作を行わないモード)のときに被操作部40を操作つまみ70によって回転させると、当該モードに応じた設定値の設定変更が行われる。例えば、「投光量設定モード」では、被操作部40の回転により、投光素子から投光される光の投光周期が予めメモリ(図示しない)に記憶された3種類の周期のうちから順次変更される。
【0023】
被操作部40は、本体ケース10の上面10Aに設けられる略円形の開口部10Bを介して後述する操作つまみ70を取り付けられる(連結させる)ようになっている。この被操作部40の上端は、図2に示すように、本体ケース10の上面10Aよりも下方に位置する(上面10Aから突出しない)ようになっている。
【0024】
これにより、ユーザは、操作つまみ70を被操作部40に取り付け、当該操作つまみ70を回転させると、被操作部40も回転して検出感度の調整等が行われるようになっており、操作つまみ70が取り付けられていないときには、誤って操作されないようになっている。なお、操作つまみ70により被操作部40を回転させるための具体的構成については、後述する。
【0025】
また、被操作部40は、連結軸部42が下方(本体ケース10の内部)に延出されており、この連結軸部42は、ロータリーエンコーダ(以下、「エンコーダ17」という。)に接続されている。エンコーダ17は、被操作部40の回転に応じて、位相の異なる2種類のパルス信号をCPUに出力する。CPUは、受信したパルス信号のトリガの数から被操作部40の回転速度(操作速度)を検出し、検出した回転速度に応じた変化量で閾値(検出感度)等を変更する。
【0026】
デジタル表示器20は、図1に図示するように、本体ケース10の上面10Aに設けられており、第一表示部21と第二表示部22とを有する。第一及び第二表示部21,22は、4桁の7セグメントLEDによって構成される。なお、例えば、検出モードのときには、第一表示部21に閾値が表示されるともに、第二表示部22に受光量の大きさ(レベル)を表示する。なお、第一表示部21と第二表示部22とでは、表示する文字の色が異なるようになっており、例えば、第一表示部21は緑色(緑色LED)の文字、第二表示部22は赤色(赤色LED)の文字をそれぞれ表示する。
【0027】
また、本体ケース10の上面10Aの左端部(図1のデジタル表示器20の左方)には、動作表示灯34及び安定動作表示灯35が設けられている。動作表示灯34は、被検出物Wを検出したときに点灯し、被検出物Wを検出しないときは点灯しない。
【0028】
安定動作表示灯35は、被検出物Wが安定して検出されたときに点灯する。具体的には、被検出物Wの検出が安定した精度で行うことができる安定レベルに閾値をシフトさせるシフトレベルがメモリ(図示しない)に記憶されており、CPUは、受光量(レベル)が安定レベルよりも大きいときに、被検出物Wを高い精度で検出していると判断して安定動作表示灯35を点灯させる。
【0029】
2.操作つまみにより被操作部を回転させるための構成
(1)被操作部の構成
被操作部40は、図2に示すように、操作つまみ70と嵌合可能な略円柱形状の操作受け部41と、操作受け部41の背面側の中心部から延出されて操作受け部41の回転をエンコーダ17に伝達する連結軸部42と、から構成されている。
【0030】
操作受け部41の上部には、図3に示すように、上面部41Aを横切る2本の嵌合溝部43,44が、中心部にて十字状に交差して形成されている。
【0031】
嵌合溝部43,44の端部45(周面と連続する部分)における深さは、被操作部40と操作つまみ本体50とが嵌合したときに、操作つまみ本体50の係合突部55の先端面が突き立てられる(対向する)深さで形成されている(図15参照)。
【0032】
一方の嵌合溝部43の底面は、図6に示すように、端部45から離れる(嵌合溝部43,44の交差部分に近づく)につれてテーパ状に深くなるガイド部46とされており、後述するロック部材60が挿入された際には、このガイド部46がロック挟持部62,62を案内するようになっている。
【0033】
このガイド部46は、操作受け部41の略中央部に達する深さまで形成されており、このガイド部46の終端にて外方側に向けて(水平に)切り欠かれることにより、後述するロック挟持部62,62を係止する係止角部47が形成されている。このように嵌合溝部43が形成されることで、嵌合溝部43,44の内部と操作受け部41の外部の空間とが連通するようになっている。
【0034】
他方の嵌合溝部44は、両端部45,45を除く部分が一段深く窪み形成された窪み部44Aとされており、この窪み部44Aの略中央部(嵌合溝部43と交差する部分)は、窪み部44Aを残して両側(嵌合溝部43側)が下方に向けて段差状に切欠されており、これにより窪み部44Aから下方(窪み部44Aから連結軸部42に達するまでの間)が壁部48を構成している。即ち、嵌合溝部44の底面が壁部48の上面を構成(壁部48の壁面はガイド部46と対向するように構成)している。なお、この壁部48の下端は、連結軸部42に接続されており、壁部48の上面(窪み部44Aの底面)には、角部が切り欠かれてなるテーパ部48A,48Aが形成されている。そして、ロック部材60が挿入された際には、ロック挟持部62,62の先端部が壁部48のテーパ部48A,48Aと当接し、一対のロック挟持部62,62が拡開する方向に撓み変形するようになっている。
【0035】
なお、図4に示すように、操作受け部41の下端部の外周は、全周に亘って環状溝部49が形成されており、図2に示すように、環状溝部49が本体ケース10に係止されることで、被操作部40の位置決めがされるようになっている。
【0036】
(2)操作つまみの構成
操作つまみ70は、図15に示すように、ユーザが掴んで回転操作を行うための操作つまみ本体50と、操作つまみ70を被操作部40にロック状態で係止させるためのロック部材60とから構成されている。
【0037】
<操作つまみ本体>
操作つまみ本体50は、図7に示すように、ユーザが回転させるときに掴む部分である略円柱状の掴み部51と、掴み部51から幅方向に張出して形成され底面側(被操作部40と係合する側の端面)に設けられる嵌合凹部53が被操作部40の上部を包むように嵌合するフード部52と、から構成されている。
【0038】
掴み部51の中心部(軸中心部)には、後述するロック部材60が挿通される通し孔54がフード部52の嵌合凹部53と連通するように貫通形成されている。この通し孔54は、ロック部材60よりわずかに大きい略正方形状とされている。
【0039】
掴み部51の周面の上部には、左右一対(対称な)のロック係止孔56が設けられており、ロック時には、このロック係止孔56にロック部材60のロック係止突部63が係止(図17参照)されることにより、操作つまみ本体50に対するロック部材60の抜けが防止されるようなっている。
【0040】
フード部52の嵌合凹部53は、通し孔54から段差状に大きくなる略円形状をなし、被操作部40の嵌合溝部43,44と係合する係合突部55が略90度おきに4つ設けられており、操作つまみ70の回転時における連結部分の滑りが防止されるようになっている。
【0041】
<ロック部材>
ロック部材60は、弾性変形する樹脂等の部材で全体が構成されており、図11に示すように、角柱状をなすロック本体部61と、ロック本体部61の一端側(下端側)の端面から突出し、ロック時に被操作部40に挟持される一対のロック挟持部62,62がと、から構成されている。
ロック本体部61の他端側(上端側)の側面には、ロック時に操作つまみ本体50のロック係止孔56に係止されるロック係止突部63が左右一対設けられている。
【0042】
ロック係止突部63は、上端側に段差部63Aが形成されるとともに、下端側に向けて下り勾配となるテーパ面63Bが形成されている。このテーパ面63Bは、非ロック状態からロック状態へのロック部材60の移動を容易にするとともに、ロック時には、段差部63Aが操作つまみ本体50のロック係止孔56に係止されることにより、操作つまみ本体50に対するロック部材60の抜けが防止されるようになっている。
【0043】
ロック挟持部62,62は、ロック本体部61の下端側の端面のうちの、ロック係止突部63を結ぶ方向と同じ方向に、左右対称に一対設けられている。
この一対のロック挟持部62,62の先端部には、外方側に向けてやや突出する係止爪部64が設けられている。
【0044】
また、ロック挟持部62,62の内方側の面には、ロック部材60の挿入時に被操作部40の壁部48に当接する凸部65が内方側に向けて突出形成されている。
【0045】
凸部65は、半円形状に膨らんでおり、ロック部材60の挿入時には、この凸部65が被操作部40の壁部48に当接することにより、ロック挟持部62,62が外方側に押されて弾性変形(拡開)するようになっている。
【0046】
3.操作つまみの使用方法
まず、ユーザの使用に先立って、図14に示すように、予め操作つまみ本体50の通し孔54にロック部材60が挿入される。
操作つまみ70は、ユーザの使用時には、ロック部材60が上端部を残して操作つまみ本体50の通し孔54に挿入された状態となっており(図15参照)、このとき、ロック部材60のロック係止突部63がロック本体部61の上端に係止され、ロック部材60の上端部がロック本体部61の上端から突出している。
【0047】
閾値等の設定値を調整したいユーザは、操作つまみ本体50とロック部材60とからなる操作つまみ70を本体ケース10の上方から、操作つまみ本体50のフード部52が、被操作部40の操作受け部41と嵌合するように被操作部40に取り付ける(係合させる)。
これにより、操作つまみ70を回転させると、被操作部40も一体的に回転するから、設定値の調整が可能になる。
【0048】
ここで、頻繁に設定値の調整を行わないユーザについては、この状態(図15の非ロック状態)で設定値の調整等を行い、設定値の調整等を行わないときには、操作つまみ70を取り外す。
【0049】
一方、頻繁に設定値の調整を行うユーザは、操作つまみ70を被操作部40に取り付けた(図15の非ロック状態)後に、図16に示すように、操作つまみ本体50の上方から突出するロック部材60を、通し孔54内にロック部材60が入り込むまで押し込む。
【0050】
すると、ロック挟持部62,62の凸部65,65が、壁部48のテーパ部48Aに当接することで、ロック挟持部62,62が拡開する方向に撓み変形しつつ、ロック挟持部62,62の係止爪部64側がガイド部46に案内されて、係止爪部64が被操作部40の係止角部47の下方に位置する。また、このとき、ロック部材60のロック係止突部63が操作つまみ70のロック係止孔56で係止されることにより、操作つまみ本体50に対するロック部材60の抜けが防止される。
さらに、ロック部材60を押す力により、操作つまみ本体50の先端面(下端面)が、被操作部40の上面に当接するとともに、ロック挟持部62,62が被操作部40の壁部48のテーパ部48Aに当接して外方(広がる方向)に撓み変形した状態となっている。
【0051】
このとき、ユーザが操作つまみ70を放すと、ロック挟持部62,62の弾性復元力により、ロック部材60と、ロック部材60に係止されている操作つまみ本体50と、が一体となってわずかに上方に移動する。
【0052】
これにより、図17に示すように、ロック挟持部62,62の外方に突出する係止爪部64が、被操作部40の係止角部47に係止され、操作つまみ70の上方への移動が止まる(図17に示すロック状態で抜け止めされる)。このとき、ロック挟持部62,62は、被操作部40の壁部48と係止角部47との間に挟持された(挟み込まれた)状態となっているから、操作つまみ70にはがたつきが生じないようになっている。
【0053】
4.本実施形態の効果
(1)本実施形態によれば、ロック部材60をロック状態とすることにより、ロック部材60が被操作部40からの抜けが生じない方向に係止されて操作つまみ本体50の抜け止めが図られるだけでなく、ロック部材60のロック挟持部62,62は、ロック状態のときに被操作部40により挟持されるから、操作つまみ本体50のがたつきを防止することができる。一方、ロック部材60が非ロック状態であれば、操作が不要なときには、操作つまみ本体50を取り外し、必要になったときに、操作つまみ本体50を取り付けることができる。
【0054】
(2)被操作部40は、非ロック状態からロック状態への移動の際にロック挟持部62,62に当接して当該ロック挟持部62,62を弾性変形させる壁部48(当接部)と、弾性変形したロック挟持部62,62を壁部48(当接部)とは反対側から係止する係止角部47(係止部)と、を備え、ロック挟持部62,62は、ロック状態のときに壁部48(当接部)と係止角部47(係止部)との間に挟持されるから、より確実に操作つまみ本体50のがたつきを防止することができる。
【0055】
(3)操作つまみ本体50には、ロック部材60が挿入される通し孔54が設けられており、ロック部材60は、通し孔54内における非ロック状態から被操作部40側に押圧されることにより、ロック状態に移動するから、簡易な操作でロック部材60をロック状態とすることができる。
【0056】
(4)ロック部材60は、非ロック状態にあるときに、操作つまみ本体50の被操作部40側とは異なる端部から一部が外部に突出している。したがって、ロック部材60のうち、操作つまみ本体50の被操作部40側とは異なる端部から外部に突出する部分を押圧することにより、ロック部材60をロック状態まで移動することが可能になる。
【0057】
(5)被操作部40は、本体ケース10(ケース)の上面10A(表面)から突出しないように配されているから、被操作部40が本体ケース10の上面10Aから突出しないから、操作つまみ本体50が連結されないときに、本体ケース10の上面10Aから被操作部40が突出して邪魔になることがない。また、操作つまみ本体50が連結されないときに、被操作部40に触れて電気機器が誤って操作されることを防止することができる。
【0058】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0059】
(1)上記実施形態では、本発明の操作つまみ70をファイバセンサに適用した例を示したが、例えば、光電センサ、近接センサ、超音波センサ等の他の検出センサに本発明を適用してもよい。また、電気機器の一形態としての検出センサに限らず、検出センサ以外の他の電気機器の操作つまみについて本発明を適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態1に係るファイバセンサの上面図
【図2】ファィバセンサの一部の側断面図
【図3】被操作部の斜視図
【図4】被操作部の側面図
【図5】被操作部の上面図
【図6】図5のA−A側断面図
【図7】操作つまみ本体の斜視図
【図8】操作つまみ本体の側面図
【図9】図8のB−B断面図
【図10】操作つまみ本体の底面図
【図11】ロック部材の斜視図
【図12】ロック部材の側面図
【図13】ロック部材の上面図
【図14】被操作部に操作つまみを取り付ける様子を説明する図
【図15】操作つまみが非ロック状態で被操作部に取り付けられた状態を示す図
【図16】ロック部材を押し込んだ図
【図17】操作つまみがロック状態で被操作部に取り付けられた状態を示す図
【符号の説明】
【0061】
1…ファイバセンサ(検出センサ)
10…本体ケース
40…被操作部
47…係止角部(係止部)
48…壁部(当接部)
50…操作つまみ本体
54…通し孔
60…ロック部材
62…ロック挟持部
65…凸部
70…操作つまみ
W…被検出物
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作つまみ、電気機器及び検出センサに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電気機器のパネルに固定された可変抵抗器に接続されて該可変抵抗器を回転操作する操作つまみの取付構造が知られている。この取付構造においては、操作つまみは、可変抵抗器の回転軸に嵌合され、当該操作つまみの突起を、パネルに設けられたヒンジ部をたわませて押し込み、復元したヒンジ部の裏面に係止させてパネルに取り付けられる。
【0003】
また、この取付構造においては、操作つまみの突起を通過させることができる溝部をパネルに設けており、操作つまみは、突起を溝部と一致するように回転させることにより、当該突起を溝部を通過させてパネルから抜き取ることができる。
【特許文献1】特開平5−240972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、操作つまみは、使用する頻度が低い場合には、可変抵抗器を操作する必要があるときのみ電気機器のパネルに取り付け、操作する必要がないときには抜き取ることができるようにすることが望ましい。一方、使用する頻度が高い場合には、パネルに抜け止めされた状態で常時取り付けておくことが望ましい。
【0005】
しかしながら、上記の操作つまみは、突起をヒンジ部をたわませてパネルに押し込まなければならないこと、当該突起を溝部と一致させるために回転させなければならないことから、被操作部に抜け止め状態としたり、取り外しや取り付けが可能な状態とすることができるものであるとは言い難かった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑み提案されたものであって、必要に応じて被操作部に抜け止め状態としたり、取り外しや取り付けが可能な状態とすることが可能な操作つまみ、当該操作つまみを備えた電気機器及び検出センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、電気機器の被操作部に連結して回転操作することにより当該被操作部を回転させる操作つまみであって、
前記被操作部に係止されない非ロック状態と、前記被操作部からの抜けが生じない方向に係止(挿入方向とは反対側の移動が規制)されるロック状態とに移動可能なロック部材を備え、
前記被操作部は、前記非ロック状態から前記ロック状態への移動の際に前記ロック挟持部に当接して当該ロック挟持部を弾性変形させる当接部と、前記弾性変形したロック挟持部を前記当接部とは反対側から係止する係止部と、を備えており、
前記ロック部材は、前記ロック状態のときに前記被操作部の前記当接部と前記係止部との間に挟持されるロック挟持部を有するところに特徴を有する。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記操作つまみは、前記ロック部材と、前記ロック部材によりロックされる操作つまみ本体と、からなるものであって、
前記操作つまみ本体には、前記ロック部材が挿入される通し孔が設けられており、前記ロック部材は、前記通し孔内における前記非ロック状態から前記被操作部側に押圧されることにより、前記ロック状態に移動するところに特徴を有する。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記ロック部材は、前記非ロック状態にあるときに、前記操作つまみ本体の前記被操作部側とは異なる端部から一部が外部に突出しているところに特徴を有する。
【0010】
請求項4の発明は、電気機器本体を覆うケースと、
前記ケースの外方から請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の操作つまみを連結可能な被操作部と、を備えた電気機器であって、
前記被操作部は、前記ケースの表面から突出しないように配されているところに特徴を有する。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4に記載の電気機器は、
所定の条件に基づいて被検出物を検出する検出手段と、前記所定の条件を設定可能な設定手段と、を備える検出センサであって、
前記設定手段は、前記操作つまみと前記被操作部とによって構成されているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0012】
<請求項1の発明>
本構成によれば、ロック部材をロック状態とすることにより、ロック部材が被操作部からの抜けが生じない方向に係止されて操作つまみの抜け止めが図られるだけでなく、ロック部材のロック挟持部は、ロック状態のときに被操作部により挟持されるから、操作つまみのがたつきを防止することができる。一方、ロック部材が非ロック状態であれば、操作が不要なときには、操作つまみを取り外し、必要になったときに、操作つまみを取り付けることができる。
【0013】
<請求項2の発明>
本構成によれば、簡易な操作でロック部材をロック状態とすることができる。
【0014】
<請求項3の発明>
本構成によれば、ロック部材のうち、操作つまみ本体の被操作部側とは異なる端部から外部に突出する部分を押圧することにより、ロック部材をロック状態まで移動することが可能になる。
【0015】
<請求項4の発明>
本構成によれば、被操作部がケースの表面から突出しないから、操作つまみが連結されないときに、ケース表面から被操作部が突出して邪魔になることがない。
また、操作つまみが連結されないときに、被操作部に触れて電気機器が誤って操作されることを防止することができる。
【0016】
<請求項5の発明>
本構成によれば、被操作部に連結された操作つまみを回転させることにより、検出センサの設定を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図17を参照しつつ説明する。
1.検出センサの構成
本実施形態のファイバセンサ1(検出センサ)は、投光した光のうち受光した光の受光量(レベル)を閾値と比較することにより、被検出物Wの有無を検出するものである。このファイバセンサ1は、直方体に形成された本体ケース10を備え、CPU(図示しない)等が当該ケース10内に設けられている。なお、図示しないが、投光用及び受光用の光ファイバの差込孔が本体ケース10の前面に形成され、電線が本体ケース10の裏面から引き出されている。
【0018】
図1に示すように、本体ケース10の上面10Aには、L/Dスイッチ11、モード切替スイッチ12、被操作部40、デジタル表示器20が設けられている。
【0019】
L/Dスイッチ11は、左右にスライド可能となるように設けられており、一方にスライドさせると、閾値よりも大きい受光量が検出されたときに被検出物Wを検出したと判定するように設定し、他方にスライドさせると、閾値よりも小さい受光量が検出されたときに被検出物Wを検出したと判定するように設定する。
【0020】
モード切替スイッチ12は、押すごとに、被検出物Wの検出を行う「検出モード」、閾値を設定する「ティーチングモード」、投光素子(図示しない)からの投光量を調整する「投光量設定モード」などの各種モードの切り替えが順番に行われるようになっている。
【0021】
検出モードは、被検出物Wの検出動作が可能となるモードである。デジタル表示器20は、検出モードのときに、受光量(レベル)と、当該受光量(レベル)を比較するための閾値(基準値)を表示する。この閾値(所定の条件)は被操作部40を(操作つまみ70によって)回転させることにより変更され、これにより検出感度が調整(設定)される(即ち、被操作部40と操作つまみ70とが検出感度の設定手段を構成する)。そして、CPU(本発明の「検出手段」に相当)は、設定された閾値と受光した光の受光量(レベル)とを比較し、この比較結果に応じて被検出物Wの有無の検出を行う。
【0022】
他のモード(被検出物Wの検出動作を行わないモード)のときに被操作部40を操作つまみ70によって回転させると、当該モードに応じた設定値の設定変更が行われる。例えば、「投光量設定モード」では、被操作部40の回転により、投光素子から投光される光の投光周期が予めメモリ(図示しない)に記憶された3種類の周期のうちから順次変更される。
【0023】
被操作部40は、本体ケース10の上面10Aに設けられる略円形の開口部10Bを介して後述する操作つまみ70を取り付けられる(連結させる)ようになっている。この被操作部40の上端は、図2に示すように、本体ケース10の上面10Aよりも下方に位置する(上面10Aから突出しない)ようになっている。
【0024】
これにより、ユーザは、操作つまみ70を被操作部40に取り付け、当該操作つまみ70を回転させると、被操作部40も回転して検出感度の調整等が行われるようになっており、操作つまみ70が取り付けられていないときには、誤って操作されないようになっている。なお、操作つまみ70により被操作部40を回転させるための具体的構成については、後述する。
【0025】
また、被操作部40は、連結軸部42が下方(本体ケース10の内部)に延出されており、この連結軸部42は、ロータリーエンコーダ(以下、「エンコーダ17」という。)に接続されている。エンコーダ17は、被操作部40の回転に応じて、位相の異なる2種類のパルス信号をCPUに出力する。CPUは、受信したパルス信号のトリガの数から被操作部40の回転速度(操作速度)を検出し、検出した回転速度に応じた変化量で閾値(検出感度)等を変更する。
【0026】
デジタル表示器20は、図1に図示するように、本体ケース10の上面10Aに設けられており、第一表示部21と第二表示部22とを有する。第一及び第二表示部21,22は、4桁の7セグメントLEDによって構成される。なお、例えば、検出モードのときには、第一表示部21に閾値が表示されるともに、第二表示部22に受光量の大きさ(レベル)を表示する。なお、第一表示部21と第二表示部22とでは、表示する文字の色が異なるようになっており、例えば、第一表示部21は緑色(緑色LED)の文字、第二表示部22は赤色(赤色LED)の文字をそれぞれ表示する。
【0027】
また、本体ケース10の上面10Aの左端部(図1のデジタル表示器20の左方)には、動作表示灯34及び安定動作表示灯35が設けられている。動作表示灯34は、被検出物Wを検出したときに点灯し、被検出物Wを検出しないときは点灯しない。
【0028】
安定動作表示灯35は、被検出物Wが安定して検出されたときに点灯する。具体的には、被検出物Wの検出が安定した精度で行うことができる安定レベルに閾値をシフトさせるシフトレベルがメモリ(図示しない)に記憶されており、CPUは、受光量(レベル)が安定レベルよりも大きいときに、被検出物Wを高い精度で検出していると判断して安定動作表示灯35を点灯させる。
【0029】
2.操作つまみにより被操作部を回転させるための構成
(1)被操作部の構成
被操作部40は、図2に示すように、操作つまみ70と嵌合可能な略円柱形状の操作受け部41と、操作受け部41の背面側の中心部から延出されて操作受け部41の回転をエンコーダ17に伝達する連結軸部42と、から構成されている。
【0030】
操作受け部41の上部には、図3に示すように、上面部41Aを横切る2本の嵌合溝部43,44が、中心部にて十字状に交差して形成されている。
【0031】
嵌合溝部43,44の端部45(周面と連続する部分)における深さは、被操作部40と操作つまみ本体50とが嵌合したときに、操作つまみ本体50の係合突部55の先端面が突き立てられる(対向する)深さで形成されている(図15参照)。
【0032】
一方の嵌合溝部43の底面は、図6に示すように、端部45から離れる(嵌合溝部43,44の交差部分に近づく)につれてテーパ状に深くなるガイド部46とされており、後述するロック部材60が挿入された際には、このガイド部46がロック挟持部62,62を案内するようになっている。
【0033】
このガイド部46は、操作受け部41の略中央部に達する深さまで形成されており、このガイド部46の終端にて外方側に向けて(水平に)切り欠かれることにより、後述するロック挟持部62,62を係止する係止角部47が形成されている。このように嵌合溝部43が形成されることで、嵌合溝部43,44の内部と操作受け部41の外部の空間とが連通するようになっている。
【0034】
他方の嵌合溝部44は、両端部45,45を除く部分が一段深く窪み形成された窪み部44Aとされており、この窪み部44Aの略中央部(嵌合溝部43と交差する部分)は、窪み部44Aを残して両側(嵌合溝部43側)が下方に向けて段差状に切欠されており、これにより窪み部44Aから下方(窪み部44Aから連結軸部42に達するまでの間)が壁部48を構成している。即ち、嵌合溝部44の底面が壁部48の上面を構成(壁部48の壁面はガイド部46と対向するように構成)している。なお、この壁部48の下端は、連結軸部42に接続されており、壁部48の上面(窪み部44Aの底面)には、角部が切り欠かれてなるテーパ部48A,48Aが形成されている。そして、ロック部材60が挿入された際には、ロック挟持部62,62の先端部が壁部48のテーパ部48A,48Aと当接し、一対のロック挟持部62,62が拡開する方向に撓み変形するようになっている。
【0035】
なお、図4に示すように、操作受け部41の下端部の外周は、全周に亘って環状溝部49が形成されており、図2に示すように、環状溝部49が本体ケース10に係止されることで、被操作部40の位置決めがされるようになっている。
【0036】
(2)操作つまみの構成
操作つまみ70は、図15に示すように、ユーザが掴んで回転操作を行うための操作つまみ本体50と、操作つまみ70を被操作部40にロック状態で係止させるためのロック部材60とから構成されている。
【0037】
<操作つまみ本体>
操作つまみ本体50は、図7に示すように、ユーザが回転させるときに掴む部分である略円柱状の掴み部51と、掴み部51から幅方向に張出して形成され底面側(被操作部40と係合する側の端面)に設けられる嵌合凹部53が被操作部40の上部を包むように嵌合するフード部52と、から構成されている。
【0038】
掴み部51の中心部(軸中心部)には、後述するロック部材60が挿通される通し孔54がフード部52の嵌合凹部53と連通するように貫通形成されている。この通し孔54は、ロック部材60よりわずかに大きい略正方形状とされている。
【0039】
掴み部51の周面の上部には、左右一対(対称な)のロック係止孔56が設けられており、ロック時には、このロック係止孔56にロック部材60のロック係止突部63が係止(図17参照)されることにより、操作つまみ本体50に対するロック部材60の抜けが防止されるようなっている。
【0040】
フード部52の嵌合凹部53は、通し孔54から段差状に大きくなる略円形状をなし、被操作部40の嵌合溝部43,44と係合する係合突部55が略90度おきに4つ設けられており、操作つまみ70の回転時における連結部分の滑りが防止されるようになっている。
【0041】
<ロック部材>
ロック部材60は、弾性変形する樹脂等の部材で全体が構成されており、図11に示すように、角柱状をなすロック本体部61と、ロック本体部61の一端側(下端側)の端面から突出し、ロック時に被操作部40に挟持される一対のロック挟持部62,62がと、から構成されている。
ロック本体部61の他端側(上端側)の側面には、ロック時に操作つまみ本体50のロック係止孔56に係止されるロック係止突部63が左右一対設けられている。
【0042】
ロック係止突部63は、上端側に段差部63Aが形成されるとともに、下端側に向けて下り勾配となるテーパ面63Bが形成されている。このテーパ面63Bは、非ロック状態からロック状態へのロック部材60の移動を容易にするとともに、ロック時には、段差部63Aが操作つまみ本体50のロック係止孔56に係止されることにより、操作つまみ本体50に対するロック部材60の抜けが防止されるようになっている。
【0043】
ロック挟持部62,62は、ロック本体部61の下端側の端面のうちの、ロック係止突部63を結ぶ方向と同じ方向に、左右対称に一対設けられている。
この一対のロック挟持部62,62の先端部には、外方側に向けてやや突出する係止爪部64が設けられている。
【0044】
また、ロック挟持部62,62の内方側の面には、ロック部材60の挿入時に被操作部40の壁部48に当接する凸部65が内方側に向けて突出形成されている。
【0045】
凸部65は、半円形状に膨らんでおり、ロック部材60の挿入時には、この凸部65が被操作部40の壁部48に当接することにより、ロック挟持部62,62が外方側に押されて弾性変形(拡開)するようになっている。
【0046】
3.操作つまみの使用方法
まず、ユーザの使用に先立って、図14に示すように、予め操作つまみ本体50の通し孔54にロック部材60が挿入される。
操作つまみ70は、ユーザの使用時には、ロック部材60が上端部を残して操作つまみ本体50の通し孔54に挿入された状態となっており(図15参照)、このとき、ロック部材60のロック係止突部63がロック本体部61の上端に係止され、ロック部材60の上端部がロック本体部61の上端から突出している。
【0047】
閾値等の設定値を調整したいユーザは、操作つまみ本体50とロック部材60とからなる操作つまみ70を本体ケース10の上方から、操作つまみ本体50のフード部52が、被操作部40の操作受け部41と嵌合するように被操作部40に取り付ける(係合させる)。
これにより、操作つまみ70を回転させると、被操作部40も一体的に回転するから、設定値の調整が可能になる。
【0048】
ここで、頻繁に設定値の調整を行わないユーザについては、この状態(図15の非ロック状態)で設定値の調整等を行い、設定値の調整等を行わないときには、操作つまみ70を取り外す。
【0049】
一方、頻繁に設定値の調整を行うユーザは、操作つまみ70を被操作部40に取り付けた(図15の非ロック状態)後に、図16に示すように、操作つまみ本体50の上方から突出するロック部材60を、通し孔54内にロック部材60が入り込むまで押し込む。
【0050】
すると、ロック挟持部62,62の凸部65,65が、壁部48のテーパ部48Aに当接することで、ロック挟持部62,62が拡開する方向に撓み変形しつつ、ロック挟持部62,62の係止爪部64側がガイド部46に案内されて、係止爪部64が被操作部40の係止角部47の下方に位置する。また、このとき、ロック部材60のロック係止突部63が操作つまみ70のロック係止孔56で係止されることにより、操作つまみ本体50に対するロック部材60の抜けが防止される。
さらに、ロック部材60を押す力により、操作つまみ本体50の先端面(下端面)が、被操作部40の上面に当接するとともに、ロック挟持部62,62が被操作部40の壁部48のテーパ部48Aに当接して外方(広がる方向)に撓み変形した状態となっている。
【0051】
このとき、ユーザが操作つまみ70を放すと、ロック挟持部62,62の弾性復元力により、ロック部材60と、ロック部材60に係止されている操作つまみ本体50と、が一体となってわずかに上方に移動する。
【0052】
これにより、図17に示すように、ロック挟持部62,62の外方に突出する係止爪部64が、被操作部40の係止角部47に係止され、操作つまみ70の上方への移動が止まる(図17に示すロック状態で抜け止めされる)。このとき、ロック挟持部62,62は、被操作部40の壁部48と係止角部47との間に挟持された(挟み込まれた)状態となっているから、操作つまみ70にはがたつきが生じないようになっている。
【0053】
4.本実施形態の効果
(1)本実施形態によれば、ロック部材60をロック状態とすることにより、ロック部材60が被操作部40からの抜けが生じない方向に係止されて操作つまみ本体50の抜け止めが図られるだけでなく、ロック部材60のロック挟持部62,62は、ロック状態のときに被操作部40により挟持されるから、操作つまみ本体50のがたつきを防止することができる。一方、ロック部材60が非ロック状態であれば、操作が不要なときには、操作つまみ本体50を取り外し、必要になったときに、操作つまみ本体50を取り付けることができる。
【0054】
(2)被操作部40は、非ロック状態からロック状態への移動の際にロック挟持部62,62に当接して当該ロック挟持部62,62を弾性変形させる壁部48(当接部)と、弾性変形したロック挟持部62,62を壁部48(当接部)とは反対側から係止する係止角部47(係止部)と、を備え、ロック挟持部62,62は、ロック状態のときに壁部48(当接部)と係止角部47(係止部)との間に挟持されるから、より確実に操作つまみ本体50のがたつきを防止することができる。
【0055】
(3)操作つまみ本体50には、ロック部材60が挿入される通し孔54が設けられており、ロック部材60は、通し孔54内における非ロック状態から被操作部40側に押圧されることにより、ロック状態に移動するから、簡易な操作でロック部材60をロック状態とすることができる。
【0056】
(4)ロック部材60は、非ロック状態にあるときに、操作つまみ本体50の被操作部40側とは異なる端部から一部が外部に突出している。したがって、ロック部材60のうち、操作つまみ本体50の被操作部40側とは異なる端部から外部に突出する部分を押圧することにより、ロック部材60をロック状態まで移動することが可能になる。
【0057】
(5)被操作部40は、本体ケース10(ケース)の上面10A(表面)から突出しないように配されているから、被操作部40が本体ケース10の上面10Aから突出しないから、操作つまみ本体50が連結されないときに、本体ケース10の上面10Aから被操作部40が突出して邪魔になることがない。また、操作つまみ本体50が連結されないときに、被操作部40に触れて電気機器が誤って操作されることを防止することができる。
【0058】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0059】
(1)上記実施形態では、本発明の操作つまみ70をファイバセンサに適用した例を示したが、例えば、光電センサ、近接センサ、超音波センサ等の他の検出センサに本発明を適用してもよい。また、電気機器の一形態としての検出センサに限らず、検出センサ以外の他の電気機器の操作つまみについて本発明を適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態1に係るファイバセンサの上面図
【図2】ファィバセンサの一部の側断面図
【図3】被操作部の斜視図
【図4】被操作部の側面図
【図5】被操作部の上面図
【図6】図5のA−A側断面図
【図7】操作つまみ本体の斜視図
【図8】操作つまみ本体の側面図
【図9】図8のB−B断面図
【図10】操作つまみ本体の底面図
【図11】ロック部材の斜視図
【図12】ロック部材の側面図
【図13】ロック部材の上面図
【図14】被操作部に操作つまみを取り付ける様子を説明する図
【図15】操作つまみが非ロック状態で被操作部に取り付けられた状態を示す図
【図16】ロック部材を押し込んだ図
【図17】操作つまみがロック状態で被操作部に取り付けられた状態を示す図
【符号の説明】
【0061】
1…ファイバセンサ(検出センサ)
10…本体ケース
40…被操作部
47…係止角部(係止部)
48…壁部(当接部)
50…操作つまみ本体
54…通し孔
60…ロック部材
62…ロック挟持部
65…凸部
70…操作つまみ
W…被検出物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器の被操作部に連結して回転操作することにより当該被操作部を回転させる操作つまみであって、
前記被操作部に係止されない非ロック状態と、前記被操作部からの抜けが生じない方向に係止されるロック状態とに移動可能なロック部材を備え、
前記被操作部は、前記非ロック状態から前記ロック状態への移動の際に前記ロック挟持部に当接して当該ロック挟持部を弾性変形させる当接部と、前記弾性変形したロック挟持部を前記当接部とは反対側から係止する係止部と、を備えており、
前記ロック部材は、前記ロック状態のときに前記被操作部の前記当接部と前記係止部との間に挟持されるロック挟持部を有することを特徴とする操作つまみ。
【請求項2】
前記操作つまみは、前記ロック部材と、前記ロック部材によりロックされる操作つまみ本体と、からなるものであって、
前記操作つまみ本体には、前記ロック部材が挿入される通し孔が設けられており、前記ロック部材は、前記通し孔内における前記非ロック状態から前記被操作部側に押圧されることにより、前記ロック状態に移動することを特徴とする請求項1記載の操作つまみ。
【請求項3】
前記ロック部材は、前記非ロック状態にあるときに、前記操作つまみ本体の前記被操作部側とは異なる端部から一部が外部に突出していることを特徴とする請求項2に記載の操作つまみ。
【請求項4】
電気機器本体を覆うケースと、
前記ケースの外方から請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の操作つまみを連結可能な被操作部と、を備えた電気機器であって、
前記被操作部は、前記ケースの表面から突出しないように配されていることを特徴とする電気機器。
【請求項5】
請求項4に記載の電気機器は、
所定の条件に基づいて被検出物を検出する検出手段と、前記所定の条件を設定可能な設定手段と、を備える検出センサであって、
前記設定手段は、前記操作つまみと前記被操作部とによって構成されていることを特徴とする検出センサ。
【請求項1】
電気機器の被操作部に連結して回転操作することにより当該被操作部を回転させる操作つまみであって、
前記被操作部に係止されない非ロック状態と、前記被操作部からの抜けが生じない方向に係止されるロック状態とに移動可能なロック部材を備え、
前記被操作部は、前記非ロック状態から前記ロック状態への移動の際に前記ロック挟持部に当接して当該ロック挟持部を弾性変形させる当接部と、前記弾性変形したロック挟持部を前記当接部とは反対側から係止する係止部と、を備えており、
前記ロック部材は、前記ロック状態のときに前記被操作部の前記当接部と前記係止部との間に挟持されるロック挟持部を有することを特徴とする操作つまみ。
【請求項2】
前記操作つまみは、前記ロック部材と、前記ロック部材によりロックされる操作つまみ本体と、からなるものであって、
前記操作つまみ本体には、前記ロック部材が挿入される通し孔が設けられており、前記ロック部材は、前記通し孔内における前記非ロック状態から前記被操作部側に押圧されることにより、前記ロック状態に移動することを特徴とする請求項1記載の操作つまみ。
【請求項3】
前記ロック部材は、前記非ロック状態にあるときに、前記操作つまみ本体の前記被操作部側とは異なる端部から一部が外部に突出していることを特徴とする請求項2に記載の操作つまみ。
【請求項4】
電気機器本体を覆うケースと、
前記ケースの外方から請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の操作つまみを連結可能な被操作部と、を備えた電気機器であって、
前記被操作部は、前記ケースの表面から突出しないように配されていることを特徴とする電気機器。
【請求項5】
請求項4に記載の電気機器は、
所定の条件に基づいて被検出物を検出する検出手段と、前記所定の条件を設定可能な設定手段と、を備える検出センサであって、
前記設定手段は、前記操作つまみと前記被操作部とによって構成されていることを特徴とする検出センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−180405(P2007−180405A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−379256(P2005−379256)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000106221)サンクス株式会社 (578)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000106221)サンクス株式会社 (578)
【Fターム(参考)】
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