操作スイッチ
【課題】操作スイッチ内のセンサ回路基板に搭載された電子部品に対する耐静電気性能を向上させる。
【解決手段】操作体103が、押圧操作される円盤状の操作ボタン111と、操作ボタン111と同軸に、かつ、円盤状の中心位置を軸として回転可能な状態で連結されて、押圧操作に対応して進退する円筒状のガイド112とから構成されることにより、操作ボタンと基板に搭載されたセンサ回路の電子部品までの沿面距離を長くすることができる。このため、操作ボタン111の材質が金属の場合であっても、操作ボタン111から進入した静電気がセンサ回路の電子部品へ到達することを防ぐことができる。本発明は、スロットマシンの操作スイッチに適用することができる。
【解決手段】操作体103が、押圧操作される円盤状の操作ボタン111と、操作ボタン111と同軸に、かつ、円盤状の中心位置を軸として回転可能な状態で連結されて、押圧操作に対応して進退する円筒状のガイド112とから構成されることにより、操作ボタンと基板に搭載されたセンサ回路の電子部品までの沿面距離を長くすることができる。このため、操作ボタン111の材質が金属の場合であっても、操作ボタン111から進入した静電気がセンサ回路の電子部品へ到達することを防ぐことができる。本発明は、スロットマシンの操作スイッチに適用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作スイッチに関し、特に、娯楽性を高めつつも、操作スイッチ内のセンサ回路基板上に搭載された電子部品に対する耐静電気性能を向上させるようにした操作スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機に利用される操作スイッチ構造の一例として、回転可能な操作ボタンを進退運動することでセンサを検知させる方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のスイッチ構造の場合、遊技者が操作スイッチを操作すると、基体に取付られている棒状の感応棒が、スプリングが装着された操作体の進退運動によって、光センサを遮光する構造となっており、光センサが遮光される状態となったか否かが検知されることにより、スイッチの操作状態の情報として制御部に伝達される構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平7−42456公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の構造では操作体とセンサ回路基板上の部品までの沿面距離が短く、仮に操作体の材質が金属の場合、静電気が感応棒先端へ到達し、センサ回路基板上の部品破壊へつながる恐れがあった。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、特に、操作ボタンについて、娯楽性を高めつつも、操作スイッチ内のセンサ回路基板上に搭載された電子部品に対する耐静電気性能を向上させるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面の操作スイッチは、押圧操作される操作体と、前記操作体を押圧方向に進退自在に支持するスイッチケースと、前記スイッチケースに支持され、前記操作体が押圧される押圧力に抗して付勢し、付勢力に抗して押圧される前記操作体を元の押圧待機位置へと復帰させる復帰バネと、前記操作体が押圧されたと検知する検知手段と、前記スイッチケースに支持され、前記検知手段とスイッチ制御部品を搭載する回路基板とを備えた操作スイッチであって、前記操作体は、押圧操作される円盤状の金属製部材からなる
操作ボタンと、前記操作ボタンと同軸に、かつ、前記円盤状の中心位置を軸として回転可能な状態で連結されて、押圧操作に対応して進退する円筒状の樹脂製の動作体とから構成され、前記スイッチケースに、前記操作ボタンの側面を、前記操作ボタンの進退方向、および前記操作ボタンの回転方向に摺動する操作ボタン摺動部と、前記動作体を、前記動作体の進退方向に摺動する動作体摺動部とから構成されてなる。
【0008】
前記操作ボタンには、操作面を有する円盤状の第1の円盤部と、前記第1の円盤部の前記操作面の背面側に、前記第1の円盤部と平行で、かつ、同軸に設けられた第2の円盤部と、前記第1の円盤部と前記第2の円盤部とを同軸に接続する軸とを含ませるようにすることができ、前記動作体には、一方の端部に、前記操作ボタンの前記第1の円盤部を前記動作体と略同軸に配設すると共に、前記第2の円盤部を、前記動作体の摺動方向に対して垂直に、前記円筒状の側方から内挿する内挿部と、前記内挿部に、前記第2の円盤部が内挿されるとき、前記操作ボタンの前記軸を前記円筒状の側方から通す切込部とを含ませるようにすることができ、前記操作ボタンと前記動作体とは、前記第2の円盤部が前記内挿部に内挿されることにより連結されるようにすることができる。
【0009】
前記動作体における進退方向であって、前記動作体の他方の端部に設けられた、前記操作ボタン、および前記動作体と同軸の摺動軸と、前記スイッチケースに、前記摺動軸を前記動作体の進退方向に摺動する摺動軸摺動部とをさらに含ませるようにすることができる。
【0010】
前記動作体の前記他方の端部であって、前記動作体の前記摺動軸を挟んで設けられた一対の係合爪と、前記係合爪を挿通して係合する一対の係合穴と、前記係合爪が前記係合穴に挿通された状態で、前記係合爪の動作を規制する係合爪規制部とをさらに含ませるようにすることができる。
【0011】
前記動作体の前記他方の端部に設けられ、前記動作体の進退状態に対応して、所定の光路を遮光する遮光部と、前記遮光部が、前記動作体の進退状態に対応して所定の光路の光を遮光するか否かにより前記動作体の動作の有無を検出させるセンサと、前記センサと、前記操作ボタンとの間に設けられた静電気防止プレートとをさらに含ませるようにすることができる。
【0012】
本発明の一側面の操作スイッチにおいては、前記操作体により押圧操作され、前記スイッチケースにより前記操作体が押圧方向に進退自在に支持され、前記復帰バネにより前記スイッチケースに支持され、前記操作体が押圧される押圧力に抗して付勢され、付勢力に抗して押圧される前記操作体が元の押圧待機位置へと復帰され、前記操作体が押圧されたと検知され、前記スイッチケースに支持された状態で、前記回路基板に前記操作体の押圧を検知する部品およびスイッチ制御部品が搭載され、前記操作体の、円盤状の金属製部材からなる操作ボタンにより押圧操作され、前記操作ボタンと同軸に、かつ、前記円盤状の中心位置を軸として回転可能な状態で連結されて、押圧操作に対応して進退する円筒状の樹脂製の動作体とから構成される前記操作ボタン摺動部により、前記スイッチケースにおいて、前記操作ボタンの側面が、前記操作ボタンの進退方向、および前記操作ボタンの回転方向に摺動され、前記動作体摺動部により、前記動作体が、前記動作体の進退方向に摺動される。
【0013】
本発明の一側面の操作スイッチにおける、押圧操作される円盤状の金属製部材からなる操作ボタンとは、例えば、スロットマシンの操作ボタンであり、前記操作ボタンと同軸に、かつ、前記円盤状の中心位置を軸として回転可能な状態で連結されて、押圧操作に対応して進退する円筒状の動作体とは、例えば、ガイドであり、前記操作ボタンの側面を、前記操作ボタンの進退方向、および前記操作ボタンの回転方向に摺動する操作ボタン摺動部とは、スロットマシンの操作ボタンを摺動させる操作ボタン摺動部であり、前記動作体を、前記動作体の進退方向に摺動する動作体摺動部とは、例えば、ガイド摺動部である。
【0014】
すなわち、押圧操作される円盤状の操作ボタンと、操作ボタンと同軸に、かつ、前記円盤状の中心位置を軸として回転可能な状態で連結されて、押圧操作に対応して進退する円筒状のガイドとから構成されることにより、操作ボタンと基板に搭載されたセンサ回路の電子部品までの沿面距離を長くすることができる。
【0015】
このため、金属製部材からなる操作ボタンであっても、操作ボタンから進入した静電気がセンサ回路の電子部品へ到達することを防ぐことができ、センサ回路の電子部品を電気的に保護することが可能となり、操作スイッチに装着される電子部品に対する耐静電気性能を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、娯楽性を高めつつも、操作スイッチ内のセンサ回路基板に搭載された電子部品に対する耐静電気性能を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に掛かる操作スイッチを利用したスロットマシンを示す図である。
【図2】図1の操作スイッチを説明する図である。
【図3】図1の操作スイッチの分解斜視図である。
【図4】図3のカバーの背面図である。
【図5】図3の操作ボタンを説明する図である。
【図6】図3のガイドを説明する図である。
【図7】操作ボタンとガイドとの連結を説明する図である。
【図8】図1の操作スイッチの断面図である。
【図9】図3のレンズを説明する図である。
【図10】図1の操作スイッチのその他の断面図である。
【図11】図1の操作スイッチのその他の断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0019】
すなわち、本発明の一側面の操作スイッチは、押圧操作される操作体(例えば、図10の操作体111)と、前記操作体を押圧方向に進退自在に支持するスイッチケース(例えば、図10のスイッチケ−ス106)と、前記スイッチケースに支持され、前記操作体が押圧される押圧力に抗して付勢し、付勢力に抗して押圧される前記操作体を元の押圧待機位置へと復帰させる復帰バネ(例えば、図10のバネ104)と、前記操作体が押圧されたと検知する検知手段(例えば、図10のセンサ132)と、前記スイッチケースに支持され、前記検知手段とスイッチ制御部品を搭載する回路基板(例えば、図10の基板107)と、を備えた操作スイッチであって、前記操作体(例えば、図10の操作体103)は、押圧操作される円盤状の金属製部材からなる操作ボタン(例えば、図10の操作ボタン111)と、前記操作ボタンと同軸に、かつ、前記円盤状の中心位置を軸として回転可能な状態で連結されて、押圧操作に対応して進退する円筒状の樹脂製の動作体(例えば、図10のガイド112)とから構成され、前記スイッチケースに、前記操作ボタンの側面を、前記操作ボタンの進退方向、および前記操作ボタンの回転方向に摺動する操作ボタン摺動部(例えば、図10の操作ボタン摺動部252)と、前記動作体を、前記動作体の進退方向に摺動する動作体摺動部(例えば、図10のガイド摺動部253)とが構成されてなる。
【0020】
前記操作ボタン(例えば、図5の操作ボタン111)には、操作面を有する円盤状の第1の円盤部(例えば、図5の大円盤部201)と、前記第1の円盤部の前記操作面の背面側に、前記第1の円盤部と平行で、かつ、同軸に設けられた第2の円盤部(例えば、図5の小円盤部202)と、前記第1の円盤部と前記第2の円盤部とを同軸に接続する軸(例えば、図5の軸203)とを含ませるようにすることができ、前記動作体(例えば、図6のガイド112)には、一方の端部に、前記操作ボタンの前記第1の円盤部を前記動作体と略同軸に配設すると共に、前記第2の円盤部を、前記動作体の摺動方向に対して垂直に、前記円筒状の側方から内挿する内挿部と、前記内挿部(例えば、図6の内挿部223)に、前記第2の円盤部が内挿されるとき、前記操作ボタンの前記軸を重力方向に対向する方向から通す切込部(例えば、図6の切込部228)とを含ませるようにすることができ、前記操作ボタンと前記動作体とは、前記第2の円盤部が前記内挿部に内挿されることにより連結されるようにすることができる。
【0021】
前記動作体における進退方向であって、前記動作体の他方の方向の端部に設けられた、前記操作ボタン、および前記動作体と同軸の摺動軸(例えば、図10の摺動軸224)と、前記スイッチケースに、前記摺動軸を前記動作体の進退方向に摺動する摺動軸摺動部(例えば、図10の摺動穴121)とをさらに含ませるようにすることができる。
【0022】
前記動作体の前記他方の端部であって、前記動作体の前記摺動軸を挟んで設けられた一対の係合爪(例えば、図6の係合爪225−1,225−2)と、前記係合爪を挿通して係合する一対の係合穴(例えば、図3の係合穴107b,107c)と、前記係合爪が前記係合穴に挿通された状態で、前記係合爪の動作を規制する係合爪規制部(例えば、図3の隙間用リブ141)とをさらに含ませるようにすることができる。
【0023】
前記動作体の前記他方の端部に設けられ、前記動作体の進退状態に対応して、所定の光路を遮光する遮光部(例えば、図6の遮光片221)と、前記遮光部が、前記動作体の進退状態に対応して所定の光路の光を遮光するか否かにより前記動作体の動作の有無を検出させるセンサ(例えば、図3のセンサ132)と、前記センサと、前記操作ボタンとの間に設けられた静電気防止プレート(例えば、図3の静電気防止プレート102)とをさらに含ませるようにすることができる。
【0024】
[操作スイッチの一実施の形態の構成例]
図1は、本発明に係る操作スイッチを利用したスロットマシンを示す図である。
【0025】
この操作スイッチ11は、例えば、図1のスロットマシン(回胴式遊技機)1の正面部に設けられており、図2で示されるように、同一平面に水平方向に配設された3個の操作ボタン111−1乃至111−3からなるスイッチであり、3つの回転しているリール毎に回転を停止させるとき操作される。
【0026】
尚、図2は、操作スイッチ11がスロットマシン1より取り出されたときの外観斜視図である。また、ボタン111−1乃至111−3は、同一の構造であるので、これらを特に区別する必要がない場合、単に操作ボタン111と称するものとし、その他の構成についても同様に称するものとする。
【0027】
[操作スイッチの分解斜視図]
次に、図3の操作スイッチ11の分解斜視図を参照して、操作スイッチ11の構成を詳細に説明する。
【0028】
カバー101は、図1で示されるようにスロットマシン1の操作面の一部を構成するものである。カバー101は、図4で示されるように、その内部にボス171−1,171−2が設けられており、それぞれ静電気防止プレートの孔部102a−1,102a−2、およびスイッチケース106の孔部106a−1,106a−2に挿通され、基板107の孔部107a−1,107a−2、およびベース108の孔部142−1,142−2に挿通されるビス109−1,109−2により螺合される。
【0029】
静電気防止プレート102は、操作ボタン111−1乃至111−3、およびカバー101より進入する静電気を遮断し、基板107上のセンサ132−1乃至132−3を電気的に保護する。
【0030】
操作体103−1乃至103−3は、それぞれ操作ボタン111−1乃至111−3およびガイド112−1乃至112−3より構成されている。
【0031】
操作ボタン111は、図5で示されるように、大円盤部201、および小円盤部202のそれぞれの中央部が、同軸に軸203により接合された形状により構成されている。
【0032】
また、ガイド112は、図6で示されるように、円筒状の側面部からなる進退摺動部222と、図3における図中の下方向に、円筒状のガイド112と同心状に設けられた摺動軸224、進退摺動部222の摺動面の一部が共用される係合爪225−1,225−2、および基板7に設けられたセンサ132の光軸を遮光するための遮光片221より構成される。
【0033】
尚、図5は、上段が操作ボタン111の断面を含む上面方向からの斜視図であり、中段が図3における底面方向からの斜視図であり、下段が上面方向からの斜視図である。また、図6は、上段がガイド112の底面方向からの斜視図であり、下段が上面方向からの斜視図である。
【0034】
ガイド112は、進退摺動部222の摺動面の一部に、操作ボタン111の小円盤部202を操作ボタン111の進退方向に対して垂直に、内挿可能な内挿部223が設けられている。さらに、ガイド112には、操作ボタン111の小円盤部202を内挿部223に内挿させる際、軸203と略同幅の切込部228が設けられ、切込部228の端部は、軸203が当接することにより、軸203の軸受け227として機能する。また、この切込部228は、スイッチケース106の凹部106b−1乃至106b−3に挿入されて組み込まれる際、操作面に対して重力の方向(垂直下方向(図6における図中の下方向))に位置するように構成されている。
【0035】
すなわち、図7の上段で示されるように、操作ボタン111は、その小円盤部202が内挿部223に内挿され、併せて、軸203が切込部228に挿入されると、軸203が軸受け227に当接することにより、図7の下段で示されるように、操作ボタン111の軸203が軸受け227において回転可能な状態で、操作ボタン111と進退摺動部222が連結される。軸受け227は、軸203が当接すると、操作ボタン111の大円盤部201の中心が、円筒状のガイド112の略中心位置となるように構成されている。
【0036】
このように操作ボタン111は、ガイド112と同軸であって、かつ、軸203を中心として、回転可能な構成とされている。したがって、操作ボタン111の大円盤部201の操作面の裏側である背面部201aと、ガイド112の、図6の下段における図中の右方向の底面部226とは、相互に対向した状態で当接し、それぞれが操作ボタン111の回転方向に摺動することにより摺動面が形成される。また、切込部228が、操作面に対して下方向(図6における図中の下方向)に設けられているので、例えば、進退方向に対して垂直下方向に操作ボタン111が操作されるようなことがあっても、操作ボタン111の操作に基づいて発生した進退方向の力は軸203には伝達されるが、下方向に切込部228が構成されているため、進退方向と異なる下方向の力は軸203からガイド112には伝達されない。
【0037】
このため、操作ボタン111は、操作方法に応じて、進退方向のみではなく、様々な方向に対して応力が掛けられる可能性があるが、切込部228により進退方向以外の方向のうち、特に大きな力が掛けられる可能性の高い下方向の応力を除外することになるので、ガイド112に対して特にダメージが大きくなる下方向の応力を遮断し、それ以外の方向からの力を、進退方向のみの動きに変換させることが可能となる。
【0038】
操作体103が、操作ボタン111およびガイド112の2部品で構成されることにより、操作ボタン111は金属性材質からなるものであるが、操作ボタン111と基板107に搭載されたセンサ回路の電子部品までの沿面距離を長くすることで、操作ボタン111から進入した静電気の到達を防ぐことができ、センサ回路の電子部品を電気的に保護することが可能となる。尚、操作ボタン111は、金属製部材以外のものから構成されてもよく、例えば、芯材を樹脂材とし、表面に金属メッキを施すような構成としてもよい。
【0039】
また、ガイド112は、樹脂製の部材で形成されており、操作ボタン111から進入してきた静電気が基板107に搭載されたセンサ回路の電子部品へ到達することを防ぐことが可能となる。
【0040】
さらに仮に操作ボタン111およびガイド112の材質が樹脂の場合であっても、操作ボタン111と後述するレンズ105との隙間から進入してきた静電気が基板107に搭載されたセンサ回路の電子部品へ到達することを防ぐことが可能となる。
【0041】
このように操作ボタン111の小円盤部202を内挿部223に内挿させ、切込部228から挿入させて、操作ボタン111と進退摺動部222が連結させる構造とすることにより、組み立て易い構成とすることができ、組み立て工数を低減することが可能となる。
【0042】
また、操作体103が、操作ボタン111およびガイド112の2部品で構成することにより、部品間相互にクリアランスが生じるので、操作ボタン111の回転に伴う抵抗が小さくなり、回転し易い構造となっている。
【0043】
レンズ105−1乃至105−3は、透明の樹脂状のもので構成されており、それぞれスイッチケース106の凹部106b−1乃至106b−3に挿入されている。また、図8の最上段で示されるように、スイッチケース106の背面に配設された基板107上のLED(Light Emitting Diode)133−1乃至133−9が、スイッチケース106に設けられた小穴より突出した状態で構成されているので、図9で示されるレンズ105の凹部251−1乃至251−3は、LED133−1乃至133−9により発せられる光を、図10の点線で示されるように反射させながら発光面254より発する。レンズ105は、筒状のものであり、筒内に操作体103が挿入される。
【0044】
ここで、図8においては、最上段が、図8の最下段におけるAB−AB断面であり、2段目が最下段におけるAA−AA断面である。また、図9は、上段がレンズ部105の図3における底面方向からの斜視図であり、下段がレンズ部105の上面方向からの斜視図である。さらに、図10は、図8の最下段におけるAC−AC断面である。
【0045】
図9で示されるように、レンズ105は、上から順に口径が小さくなるように2段の筒状の構造となっており、径の小さな小口径部は、ガイド112の進退摺動部222と略同径であり、大口径部は、操作ボタン111の大円盤部201と略同径とされており、その深さは、大円盤部201の厚さと略同じ深さである。また、小口径部には、ガイド112の係合爪225−1,225−2をそれぞれガイドするための溝255−1,255−2が設けられている。
【0046】
これにより、操作ボタン111とガイド112とが連結された状態でレンズ105に挿通されると進退摺動部222が、小口径部の内面に設けられた略凸状のガイド摺動部253と当接すると共に、操作ボタン111の大円盤部201の側面の摺動部201bが、大口径部の内面に設けられた略凸状の操作ボタン摺動部252と当接する構成となっている。
【0047】
すなわち、進退摺動部222と、レンズ105のガイド摺動部253とは当接されており、進退方向に摺動可能な構成となっており、さらに、操作ボタン111の大円盤部201の摺動部201bは、レンズ105の操作ボタン摺動部252と当接して進退方向に摺動することにより進退動作が可能となっている他、進退摺動部222に対して回転可能な状態で連結されているので、回転方向に対して摺動可能となっている。
【0048】
スイッチケース106の凹部106b−1乃至106b−3には、底部の略中央に筒状で、かつ、ガイド112の摺動軸224の径と略同径の摺動穴121−1乃至121−3が設けられており、図8の中段で示されるように、それぞれ摺動軸224が略同径のバネ104−1乃至104−3に挿通された状態で、摺動穴121−1乃至121−3に嵌合される。
【0049】
このため、操作ボタン111が図3における図中の下方向に押圧されると、摺動軸224が挿通されているバネ104が、ガイド112の摺動軸224の根元の面により押圧されて圧縮され、摺動軸224が摺動穴121内を摺動しながら嵌合される。
【0050】
基板107には、LED133−1乃至133−9、センサ132−1乃至132−3、およびコネクタ131が設けられている。また、基板107には、6箇所の係合穴107b−1乃至107b−3,107c−1乃至107c−3が設けられている。係合穴107b−1,107c−1が、操作体103−1に、係合穴107b−2,107c−2が、操作体103−2に、係合穴107b−3,107c−3が、操作体103−3に、それぞれ対応して対になっており、ガイド112の係合爪225−1,225−2を挿通する。係合爪225−1,225−2は、その端部が、相互に逆方向に突出している楔状の凸部を構成しており、さらに、上述した1対の係合穴107b,107cの端部の間隔よりも広く設定されているため、係合爪225−1,225−2の凸部が、一対の係合穴107b,107cの端部によりガイド112の円筒部中心方向に対して押圧されることにより、係合爪225−1,225−2が摘まれる様に、たわみながら係合穴107b,107cを挿通し、係合爪225−1,225−2の凸部が、一対の係合穴107b,107cの端部を通過した後は、係合爪225−1,225−2の凸部が一対の係合穴107b,107cの端部からの押圧から開放されることにより、係合爪225−1,225−2のそれぞれの復元力により、係合穴107b,107cに挿通された状態で元の形状に戻り、係合爪225−1,225−2が、それぞれ係合穴107b、107cに係合される。
【0051】
このため、操作ボタン111が操作され、連結されたガイド112がバネ104の反発力に打ち勝って、図3の下方向に押し込まれると、摺動軸224の端部が、摺動穴121内で摺動しながら操作ボタン111の大円盤部201の操作面の裏側である背面部201aが、レンズ105に当接するまで動作することができる。逆に、操作ボタン111が操作されない場合、ガイド112が、バネ104の反発力により、図3の上方向に押し返されるが、係合爪225の端部の楔状の凸部により基板107の係合穴107b,107cに係合される。
【0052】
ベース108には、隙間用リブ141−1乃至141−3が設けられている。隙間用リブ141は、図8の中段で示されるように、係合爪225−1,225−2の内側に対向して設けられた略曲面状の壁面であり、これにより係合爪225−1,225−2を内側にたわませても、係合爪225−1,225−2が隙間用リブ141に当接することになる。。このため、カバー101のボス171−1,171−2に螺合されたビス142−1,142−2を外して、ベース108を分解しない限り、係合爪225−1,225−2を内側にたわませることができないので、係合穴107b,107cに係合された状態を維持することができ、不正に基板107をスイッチケース106から外すことができないので、センサ132の検出結果に基づいて判断される操作ボタン111の操作の有無の結果を不正に改変できないようにすることができる。
【0053】
[操作スイッチの動作説明]
次に、図10,図11を参照して、操作スイッチの動作について説明する。尚、図10,図11は、図8の下段におけるAC−AC断面図であり、図10,図11中の上下関係については、図8の最下段における上下関係と対応しており、図10,図11の左右は、左方向が図8の正面方向であり、右方向が図8の背面方向である。
【0054】
すなわち、操作ボタン111が、押圧操作されると、操作ボタン111の大円盤部201の側面の摺動部201bと、レンズ105の操作ボタン摺動部252とが摺動面を形成し、図中の右方向に摺動する。このとき、大円盤部201に押圧された力が、軸203を介して、小円盤部202に伝達される。さらに、小円盤部202は、内挿部223に内挿されており、これによりガイド112に連結されているので、受けた力をガイド112に伝達する。また、切込部228は、進退方向(操作ボタン111の操作方向)に対して垂直下方向に切り込まれており、かつ、内挿部223も同様に下方向に開口しているので、操作ボタン111が、雑に操作されて、小円盤部202、および軸203により生じる進退方向以外の方向の力のうち、最も大きな力となりうる下方向の応力をガイド112に伝達しない。このため、操作ボタン111が押圧操作される際、進退方向に発生する力が、効率よくガイド112に伝達され、それ以外の方向の力が低減される。
【0055】
ガイド112は、進退方向に受けた力により、図中の右方向に押圧されるので、ガイド112の進退摺動部222と、レンズ105のガイド摺動部253とが摺動面を形成し、図中の右方向に摺動する。
【0056】
このとき、ガイド112の摺動軸224に挿通されているバネ104は、その両端部が、摺動穴121の外周部と摺動軸224の根元に当接している。このため、ガイド112が、図中の右方向に対して摺動するとき、バネ104による反発力が生じる。このため、操作ボタン111を介して伝達されるガイド112の押圧力が、バネ104の反発力に打ち勝つように掛けられると、図11で示されるように、操作体103(操作ボタン111、およびガイド112)が一体となって図中の右方向に摺動する。
【0057】
この操作体103の摺動に伴って、ガイド112の遮光片221が、図11で示されるように、センサ132の光軸SAを遮光することにより、センサ132は、操作ボタン111が押圧されたことを検出する。
【0058】
このため、操作ボタン111の大円盤部201の側面の摺動部201bと、レンズ105の操作ボタン摺動部252とにより形成される摺動面、および、ガイド112の進退摺動部222と、レンズ105のガイド摺動部253とにより形成される摺動面とが、独立して形成され、それぞれが操作ボタン111の進退方向に対して摺動する。さらに、切込部228、および内挿部223が、いずれも進退方向に対して下方向に開口するように設けられているので、操作ボタン111により発生される応力のうち、特に、摺動軸224の破損に影響の大きな下方向の応力をガイド112に伝達しないようにすると共に、それ以外の力を進退方向の力として伝達する。
【0059】
結果として、操作ボタン111の大円盤部201の中央位置で押圧されることにより、進退方向に対して平行して押圧されるだけでなく、中央位置から外れた位置で押圧され、進退方向に対して平行ではない角度から応力が加えられても、それぞれ独立して形成される2箇所の摺動面により操作体103全体を進退方向に規制して摺動させることが可能になると共に、切込部228、および内挿部223により、ガイド112に進退方向以外の力のうち、垂直下方向の力を低減することができるので、摺動軸224に進退方向以外の方向に対してかかる応力を小さくすることができ、摺動穴121内で摺動軸224が折れるといった破損を抑制することが可能となる。
【0060】
また、操作ボタン111の大円盤部201の側面の摺動部201bと、レンズ105の摺動部252とにより形成される摺動面、および、操作ボタン111の大円盤部201の背面部201aと、ガイド112の底面部226とにより形成される摺動面とが独立して摺動面を構成することにより、操作ボタン111は、ガイド112の軸受け227により軸203を中心として回転可能であるので、遊技者は自由に操作ボタン111を回転させることができ、遊技の娯楽性を向上させることが可能となる。
【0061】
さらに、操作体103は、操作ボタン111およびガイド112の2部品で構成されている。このため、操作ボタン111の材質が金属の場合であっても、操作ボタン111と基板107に搭載されたセンサ回路の電子部品までの沿面距離を長くすることができるので、操作ボタン111から進入した静電気の到達を防ぐことができ、センサ回路の電子部品を電気的に保護することが可能となる。
【0062】
また、ガイド112の材質を樹脂で形成すれば、操作ボタン111から進入してきた静電気が基板107に搭載されたセンサ回路の電子部品へ到達することを、さらに防ぐことが可能となる。
【0063】
さらに仮に操作ボタン111およびガイド112の材質が樹脂の場合であっても、操作ボタン111とレンズ105との隙間から進入してきた静電気が基板107に搭載されたセンサ回路の電子部品へ到達することを防ぐことが可能となる。
【0064】
すなわち、操作ボタン111およびガイド112として様々な材質を利用するようにしても、耐静電気性能を向上させることができる。
【0065】
また、操作ボタン111の小円盤部202を内挿部223に内挿させ、切込部228から挿入させて、操作ボタン111と進退摺動部222が連結させる構造とすることにより、組み立て易い構成とすることができ、部品点数や組み立て工数を低減することが可能となる。
【0066】
なお、本発明の実施の形態では、操作ボタン111の軸203を切込部228へ通す際、重力方向に対向する方向から通すように説明したが、重力方向から通すようにしても良い。
【符号の説明】
【0067】
11 操作スイッチ
101 カバー
102 静電気防止プレート
103,103−1乃至103−3 操作体
104,104−1乃至104−3 バネ
105,105−1乃至105−3 レンズ
106 スイッチケース
107 基板
108 ベース
111 操作ボタン
112 ガイド
132,132−1乃至132−3 センサ
133,133−1乃至133−9 LED
141,141−1乃至141−3 隙間用リブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作スイッチに関し、特に、娯楽性を高めつつも、操作スイッチ内のセンサ回路基板上に搭載された電子部品に対する耐静電気性能を向上させるようにした操作スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機に利用される操作スイッチ構造の一例として、回転可能な操作ボタンを進退運動することでセンサを検知させる方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のスイッチ構造の場合、遊技者が操作スイッチを操作すると、基体に取付られている棒状の感応棒が、スプリングが装着された操作体の進退運動によって、光センサを遮光する構造となっており、光センサが遮光される状態となったか否かが検知されることにより、スイッチの操作状態の情報として制御部に伝達される構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平7−42456公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の構造では操作体とセンサ回路基板上の部品までの沿面距離が短く、仮に操作体の材質が金属の場合、静電気が感応棒先端へ到達し、センサ回路基板上の部品破壊へつながる恐れがあった。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、特に、操作ボタンについて、娯楽性を高めつつも、操作スイッチ内のセンサ回路基板上に搭載された電子部品に対する耐静電気性能を向上させるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面の操作スイッチは、押圧操作される操作体と、前記操作体を押圧方向に進退自在に支持するスイッチケースと、前記スイッチケースに支持され、前記操作体が押圧される押圧力に抗して付勢し、付勢力に抗して押圧される前記操作体を元の押圧待機位置へと復帰させる復帰バネと、前記操作体が押圧されたと検知する検知手段と、前記スイッチケースに支持され、前記検知手段とスイッチ制御部品を搭載する回路基板とを備えた操作スイッチであって、前記操作体は、押圧操作される円盤状の金属製部材からなる
操作ボタンと、前記操作ボタンと同軸に、かつ、前記円盤状の中心位置を軸として回転可能な状態で連結されて、押圧操作に対応して進退する円筒状の樹脂製の動作体とから構成され、前記スイッチケースに、前記操作ボタンの側面を、前記操作ボタンの進退方向、および前記操作ボタンの回転方向に摺動する操作ボタン摺動部と、前記動作体を、前記動作体の進退方向に摺動する動作体摺動部とから構成されてなる。
【0008】
前記操作ボタンには、操作面を有する円盤状の第1の円盤部と、前記第1の円盤部の前記操作面の背面側に、前記第1の円盤部と平行で、かつ、同軸に設けられた第2の円盤部と、前記第1の円盤部と前記第2の円盤部とを同軸に接続する軸とを含ませるようにすることができ、前記動作体には、一方の端部に、前記操作ボタンの前記第1の円盤部を前記動作体と略同軸に配設すると共に、前記第2の円盤部を、前記動作体の摺動方向に対して垂直に、前記円筒状の側方から内挿する内挿部と、前記内挿部に、前記第2の円盤部が内挿されるとき、前記操作ボタンの前記軸を前記円筒状の側方から通す切込部とを含ませるようにすることができ、前記操作ボタンと前記動作体とは、前記第2の円盤部が前記内挿部に内挿されることにより連結されるようにすることができる。
【0009】
前記動作体における進退方向であって、前記動作体の他方の端部に設けられた、前記操作ボタン、および前記動作体と同軸の摺動軸と、前記スイッチケースに、前記摺動軸を前記動作体の進退方向に摺動する摺動軸摺動部とをさらに含ませるようにすることができる。
【0010】
前記動作体の前記他方の端部であって、前記動作体の前記摺動軸を挟んで設けられた一対の係合爪と、前記係合爪を挿通して係合する一対の係合穴と、前記係合爪が前記係合穴に挿通された状態で、前記係合爪の動作を規制する係合爪規制部とをさらに含ませるようにすることができる。
【0011】
前記動作体の前記他方の端部に設けられ、前記動作体の進退状態に対応して、所定の光路を遮光する遮光部と、前記遮光部が、前記動作体の進退状態に対応して所定の光路の光を遮光するか否かにより前記動作体の動作の有無を検出させるセンサと、前記センサと、前記操作ボタンとの間に設けられた静電気防止プレートとをさらに含ませるようにすることができる。
【0012】
本発明の一側面の操作スイッチにおいては、前記操作体により押圧操作され、前記スイッチケースにより前記操作体が押圧方向に進退自在に支持され、前記復帰バネにより前記スイッチケースに支持され、前記操作体が押圧される押圧力に抗して付勢され、付勢力に抗して押圧される前記操作体が元の押圧待機位置へと復帰され、前記操作体が押圧されたと検知され、前記スイッチケースに支持された状態で、前記回路基板に前記操作体の押圧を検知する部品およびスイッチ制御部品が搭載され、前記操作体の、円盤状の金属製部材からなる操作ボタンにより押圧操作され、前記操作ボタンと同軸に、かつ、前記円盤状の中心位置を軸として回転可能な状態で連結されて、押圧操作に対応して進退する円筒状の樹脂製の動作体とから構成される前記操作ボタン摺動部により、前記スイッチケースにおいて、前記操作ボタンの側面が、前記操作ボタンの進退方向、および前記操作ボタンの回転方向に摺動され、前記動作体摺動部により、前記動作体が、前記動作体の進退方向に摺動される。
【0013】
本発明の一側面の操作スイッチにおける、押圧操作される円盤状の金属製部材からなる操作ボタンとは、例えば、スロットマシンの操作ボタンであり、前記操作ボタンと同軸に、かつ、前記円盤状の中心位置を軸として回転可能な状態で連結されて、押圧操作に対応して進退する円筒状の動作体とは、例えば、ガイドであり、前記操作ボタンの側面を、前記操作ボタンの進退方向、および前記操作ボタンの回転方向に摺動する操作ボタン摺動部とは、スロットマシンの操作ボタンを摺動させる操作ボタン摺動部であり、前記動作体を、前記動作体の進退方向に摺動する動作体摺動部とは、例えば、ガイド摺動部である。
【0014】
すなわち、押圧操作される円盤状の操作ボタンと、操作ボタンと同軸に、かつ、前記円盤状の中心位置を軸として回転可能な状態で連結されて、押圧操作に対応して進退する円筒状のガイドとから構成されることにより、操作ボタンと基板に搭載されたセンサ回路の電子部品までの沿面距離を長くすることができる。
【0015】
このため、金属製部材からなる操作ボタンであっても、操作ボタンから進入した静電気がセンサ回路の電子部品へ到達することを防ぐことができ、センサ回路の電子部品を電気的に保護することが可能となり、操作スイッチに装着される電子部品に対する耐静電気性能を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、娯楽性を高めつつも、操作スイッチ内のセンサ回路基板に搭載された電子部品に対する耐静電気性能を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に掛かる操作スイッチを利用したスロットマシンを示す図である。
【図2】図1の操作スイッチを説明する図である。
【図3】図1の操作スイッチの分解斜視図である。
【図4】図3のカバーの背面図である。
【図5】図3の操作ボタンを説明する図である。
【図6】図3のガイドを説明する図である。
【図7】操作ボタンとガイドとの連結を説明する図である。
【図8】図1の操作スイッチの断面図である。
【図9】図3のレンズを説明する図である。
【図10】図1の操作スイッチのその他の断面図である。
【図11】図1の操作スイッチのその他の断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0019】
すなわち、本発明の一側面の操作スイッチは、押圧操作される操作体(例えば、図10の操作体111)と、前記操作体を押圧方向に進退自在に支持するスイッチケース(例えば、図10のスイッチケ−ス106)と、前記スイッチケースに支持され、前記操作体が押圧される押圧力に抗して付勢し、付勢力に抗して押圧される前記操作体を元の押圧待機位置へと復帰させる復帰バネ(例えば、図10のバネ104)と、前記操作体が押圧されたと検知する検知手段(例えば、図10のセンサ132)と、前記スイッチケースに支持され、前記検知手段とスイッチ制御部品を搭載する回路基板(例えば、図10の基板107)と、を備えた操作スイッチであって、前記操作体(例えば、図10の操作体103)は、押圧操作される円盤状の金属製部材からなる操作ボタン(例えば、図10の操作ボタン111)と、前記操作ボタンと同軸に、かつ、前記円盤状の中心位置を軸として回転可能な状態で連結されて、押圧操作に対応して進退する円筒状の樹脂製の動作体(例えば、図10のガイド112)とから構成され、前記スイッチケースに、前記操作ボタンの側面を、前記操作ボタンの進退方向、および前記操作ボタンの回転方向に摺動する操作ボタン摺動部(例えば、図10の操作ボタン摺動部252)と、前記動作体を、前記動作体の進退方向に摺動する動作体摺動部(例えば、図10のガイド摺動部253)とが構成されてなる。
【0020】
前記操作ボタン(例えば、図5の操作ボタン111)には、操作面を有する円盤状の第1の円盤部(例えば、図5の大円盤部201)と、前記第1の円盤部の前記操作面の背面側に、前記第1の円盤部と平行で、かつ、同軸に設けられた第2の円盤部(例えば、図5の小円盤部202)と、前記第1の円盤部と前記第2の円盤部とを同軸に接続する軸(例えば、図5の軸203)とを含ませるようにすることができ、前記動作体(例えば、図6のガイド112)には、一方の端部に、前記操作ボタンの前記第1の円盤部を前記動作体と略同軸に配設すると共に、前記第2の円盤部を、前記動作体の摺動方向に対して垂直に、前記円筒状の側方から内挿する内挿部と、前記内挿部(例えば、図6の内挿部223)に、前記第2の円盤部が内挿されるとき、前記操作ボタンの前記軸を重力方向に対向する方向から通す切込部(例えば、図6の切込部228)とを含ませるようにすることができ、前記操作ボタンと前記動作体とは、前記第2の円盤部が前記内挿部に内挿されることにより連結されるようにすることができる。
【0021】
前記動作体における進退方向であって、前記動作体の他方の方向の端部に設けられた、前記操作ボタン、および前記動作体と同軸の摺動軸(例えば、図10の摺動軸224)と、前記スイッチケースに、前記摺動軸を前記動作体の進退方向に摺動する摺動軸摺動部(例えば、図10の摺動穴121)とをさらに含ませるようにすることができる。
【0022】
前記動作体の前記他方の端部であって、前記動作体の前記摺動軸を挟んで設けられた一対の係合爪(例えば、図6の係合爪225−1,225−2)と、前記係合爪を挿通して係合する一対の係合穴(例えば、図3の係合穴107b,107c)と、前記係合爪が前記係合穴に挿通された状態で、前記係合爪の動作を規制する係合爪規制部(例えば、図3の隙間用リブ141)とをさらに含ませるようにすることができる。
【0023】
前記動作体の前記他方の端部に設けられ、前記動作体の進退状態に対応して、所定の光路を遮光する遮光部(例えば、図6の遮光片221)と、前記遮光部が、前記動作体の進退状態に対応して所定の光路の光を遮光するか否かにより前記動作体の動作の有無を検出させるセンサ(例えば、図3のセンサ132)と、前記センサと、前記操作ボタンとの間に設けられた静電気防止プレート(例えば、図3の静電気防止プレート102)とをさらに含ませるようにすることができる。
【0024】
[操作スイッチの一実施の形態の構成例]
図1は、本発明に係る操作スイッチを利用したスロットマシンを示す図である。
【0025】
この操作スイッチ11は、例えば、図1のスロットマシン(回胴式遊技機)1の正面部に設けられており、図2で示されるように、同一平面に水平方向に配設された3個の操作ボタン111−1乃至111−3からなるスイッチであり、3つの回転しているリール毎に回転を停止させるとき操作される。
【0026】
尚、図2は、操作スイッチ11がスロットマシン1より取り出されたときの外観斜視図である。また、ボタン111−1乃至111−3は、同一の構造であるので、これらを特に区別する必要がない場合、単に操作ボタン111と称するものとし、その他の構成についても同様に称するものとする。
【0027】
[操作スイッチの分解斜視図]
次に、図3の操作スイッチ11の分解斜視図を参照して、操作スイッチ11の構成を詳細に説明する。
【0028】
カバー101は、図1で示されるようにスロットマシン1の操作面の一部を構成するものである。カバー101は、図4で示されるように、その内部にボス171−1,171−2が設けられており、それぞれ静電気防止プレートの孔部102a−1,102a−2、およびスイッチケース106の孔部106a−1,106a−2に挿通され、基板107の孔部107a−1,107a−2、およびベース108の孔部142−1,142−2に挿通されるビス109−1,109−2により螺合される。
【0029】
静電気防止プレート102は、操作ボタン111−1乃至111−3、およびカバー101より進入する静電気を遮断し、基板107上のセンサ132−1乃至132−3を電気的に保護する。
【0030】
操作体103−1乃至103−3は、それぞれ操作ボタン111−1乃至111−3およびガイド112−1乃至112−3より構成されている。
【0031】
操作ボタン111は、図5で示されるように、大円盤部201、および小円盤部202のそれぞれの中央部が、同軸に軸203により接合された形状により構成されている。
【0032】
また、ガイド112は、図6で示されるように、円筒状の側面部からなる進退摺動部222と、図3における図中の下方向に、円筒状のガイド112と同心状に設けられた摺動軸224、進退摺動部222の摺動面の一部が共用される係合爪225−1,225−2、および基板7に設けられたセンサ132の光軸を遮光するための遮光片221より構成される。
【0033】
尚、図5は、上段が操作ボタン111の断面を含む上面方向からの斜視図であり、中段が図3における底面方向からの斜視図であり、下段が上面方向からの斜視図である。また、図6は、上段がガイド112の底面方向からの斜視図であり、下段が上面方向からの斜視図である。
【0034】
ガイド112は、進退摺動部222の摺動面の一部に、操作ボタン111の小円盤部202を操作ボタン111の進退方向に対して垂直に、内挿可能な内挿部223が設けられている。さらに、ガイド112には、操作ボタン111の小円盤部202を内挿部223に内挿させる際、軸203と略同幅の切込部228が設けられ、切込部228の端部は、軸203が当接することにより、軸203の軸受け227として機能する。また、この切込部228は、スイッチケース106の凹部106b−1乃至106b−3に挿入されて組み込まれる際、操作面に対して重力の方向(垂直下方向(図6における図中の下方向))に位置するように構成されている。
【0035】
すなわち、図7の上段で示されるように、操作ボタン111は、その小円盤部202が内挿部223に内挿され、併せて、軸203が切込部228に挿入されると、軸203が軸受け227に当接することにより、図7の下段で示されるように、操作ボタン111の軸203が軸受け227において回転可能な状態で、操作ボタン111と進退摺動部222が連結される。軸受け227は、軸203が当接すると、操作ボタン111の大円盤部201の中心が、円筒状のガイド112の略中心位置となるように構成されている。
【0036】
このように操作ボタン111は、ガイド112と同軸であって、かつ、軸203を中心として、回転可能な構成とされている。したがって、操作ボタン111の大円盤部201の操作面の裏側である背面部201aと、ガイド112の、図6の下段における図中の右方向の底面部226とは、相互に対向した状態で当接し、それぞれが操作ボタン111の回転方向に摺動することにより摺動面が形成される。また、切込部228が、操作面に対して下方向(図6における図中の下方向)に設けられているので、例えば、進退方向に対して垂直下方向に操作ボタン111が操作されるようなことがあっても、操作ボタン111の操作に基づいて発生した進退方向の力は軸203には伝達されるが、下方向に切込部228が構成されているため、進退方向と異なる下方向の力は軸203からガイド112には伝達されない。
【0037】
このため、操作ボタン111は、操作方法に応じて、進退方向のみではなく、様々な方向に対して応力が掛けられる可能性があるが、切込部228により進退方向以外の方向のうち、特に大きな力が掛けられる可能性の高い下方向の応力を除外することになるので、ガイド112に対して特にダメージが大きくなる下方向の応力を遮断し、それ以外の方向からの力を、進退方向のみの動きに変換させることが可能となる。
【0038】
操作体103が、操作ボタン111およびガイド112の2部品で構成されることにより、操作ボタン111は金属性材質からなるものであるが、操作ボタン111と基板107に搭載されたセンサ回路の電子部品までの沿面距離を長くすることで、操作ボタン111から進入した静電気の到達を防ぐことができ、センサ回路の電子部品を電気的に保護することが可能となる。尚、操作ボタン111は、金属製部材以外のものから構成されてもよく、例えば、芯材を樹脂材とし、表面に金属メッキを施すような構成としてもよい。
【0039】
また、ガイド112は、樹脂製の部材で形成されており、操作ボタン111から進入してきた静電気が基板107に搭載されたセンサ回路の電子部品へ到達することを防ぐことが可能となる。
【0040】
さらに仮に操作ボタン111およびガイド112の材質が樹脂の場合であっても、操作ボタン111と後述するレンズ105との隙間から進入してきた静電気が基板107に搭載されたセンサ回路の電子部品へ到達することを防ぐことが可能となる。
【0041】
このように操作ボタン111の小円盤部202を内挿部223に内挿させ、切込部228から挿入させて、操作ボタン111と進退摺動部222が連結させる構造とすることにより、組み立て易い構成とすることができ、組み立て工数を低減することが可能となる。
【0042】
また、操作体103が、操作ボタン111およびガイド112の2部品で構成することにより、部品間相互にクリアランスが生じるので、操作ボタン111の回転に伴う抵抗が小さくなり、回転し易い構造となっている。
【0043】
レンズ105−1乃至105−3は、透明の樹脂状のもので構成されており、それぞれスイッチケース106の凹部106b−1乃至106b−3に挿入されている。また、図8の最上段で示されるように、スイッチケース106の背面に配設された基板107上のLED(Light Emitting Diode)133−1乃至133−9が、スイッチケース106に設けられた小穴より突出した状態で構成されているので、図9で示されるレンズ105の凹部251−1乃至251−3は、LED133−1乃至133−9により発せられる光を、図10の点線で示されるように反射させながら発光面254より発する。レンズ105は、筒状のものであり、筒内に操作体103が挿入される。
【0044】
ここで、図8においては、最上段が、図8の最下段におけるAB−AB断面であり、2段目が最下段におけるAA−AA断面である。また、図9は、上段がレンズ部105の図3における底面方向からの斜視図であり、下段がレンズ部105の上面方向からの斜視図である。さらに、図10は、図8の最下段におけるAC−AC断面である。
【0045】
図9で示されるように、レンズ105は、上から順に口径が小さくなるように2段の筒状の構造となっており、径の小さな小口径部は、ガイド112の進退摺動部222と略同径であり、大口径部は、操作ボタン111の大円盤部201と略同径とされており、その深さは、大円盤部201の厚さと略同じ深さである。また、小口径部には、ガイド112の係合爪225−1,225−2をそれぞれガイドするための溝255−1,255−2が設けられている。
【0046】
これにより、操作ボタン111とガイド112とが連結された状態でレンズ105に挿通されると進退摺動部222が、小口径部の内面に設けられた略凸状のガイド摺動部253と当接すると共に、操作ボタン111の大円盤部201の側面の摺動部201bが、大口径部の内面に設けられた略凸状の操作ボタン摺動部252と当接する構成となっている。
【0047】
すなわち、進退摺動部222と、レンズ105のガイド摺動部253とは当接されており、進退方向に摺動可能な構成となっており、さらに、操作ボタン111の大円盤部201の摺動部201bは、レンズ105の操作ボタン摺動部252と当接して進退方向に摺動することにより進退動作が可能となっている他、進退摺動部222に対して回転可能な状態で連結されているので、回転方向に対して摺動可能となっている。
【0048】
スイッチケース106の凹部106b−1乃至106b−3には、底部の略中央に筒状で、かつ、ガイド112の摺動軸224の径と略同径の摺動穴121−1乃至121−3が設けられており、図8の中段で示されるように、それぞれ摺動軸224が略同径のバネ104−1乃至104−3に挿通された状態で、摺動穴121−1乃至121−3に嵌合される。
【0049】
このため、操作ボタン111が図3における図中の下方向に押圧されると、摺動軸224が挿通されているバネ104が、ガイド112の摺動軸224の根元の面により押圧されて圧縮され、摺動軸224が摺動穴121内を摺動しながら嵌合される。
【0050】
基板107には、LED133−1乃至133−9、センサ132−1乃至132−3、およびコネクタ131が設けられている。また、基板107には、6箇所の係合穴107b−1乃至107b−3,107c−1乃至107c−3が設けられている。係合穴107b−1,107c−1が、操作体103−1に、係合穴107b−2,107c−2が、操作体103−2に、係合穴107b−3,107c−3が、操作体103−3に、それぞれ対応して対になっており、ガイド112の係合爪225−1,225−2を挿通する。係合爪225−1,225−2は、その端部が、相互に逆方向に突出している楔状の凸部を構成しており、さらに、上述した1対の係合穴107b,107cの端部の間隔よりも広く設定されているため、係合爪225−1,225−2の凸部が、一対の係合穴107b,107cの端部によりガイド112の円筒部中心方向に対して押圧されることにより、係合爪225−1,225−2が摘まれる様に、たわみながら係合穴107b,107cを挿通し、係合爪225−1,225−2の凸部が、一対の係合穴107b,107cの端部を通過した後は、係合爪225−1,225−2の凸部が一対の係合穴107b,107cの端部からの押圧から開放されることにより、係合爪225−1,225−2のそれぞれの復元力により、係合穴107b,107cに挿通された状態で元の形状に戻り、係合爪225−1,225−2が、それぞれ係合穴107b、107cに係合される。
【0051】
このため、操作ボタン111が操作され、連結されたガイド112がバネ104の反発力に打ち勝って、図3の下方向に押し込まれると、摺動軸224の端部が、摺動穴121内で摺動しながら操作ボタン111の大円盤部201の操作面の裏側である背面部201aが、レンズ105に当接するまで動作することができる。逆に、操作ボタン111が操作されない場合、ガイド112が、バネ104の反発力により、図3の上方向に押し返されるが、係合爪225の端部の楔状の凸部により基板107の係合穴107b,107cに係合される。
【0052】
ベース108には、隙間用リブ141−1乃至141−3が設けられている。隙間用リブ141は、図8の中段で示されるように、係合爪225−1,225−2の内側に対向して設けられた略曲面状の壁面であり、これにより係合爪225−1,225−2を内側にたわませても、係合爪225−1,225−2が隙間用リブ141に当接することになる。。このため、カバー101のボス171−1,171−2に螺合されたビス142−1,142−2を外して、ベース108を分解しない限り、係合爪225−1,225−2を内側にたわませることができないので、係合穴107b,107cに係合された状態を維持することができ、不正に基板107をスイッチケース106から外すことができないので、センサ132の検出結果に基づいて判断される操作ボタン111の操作の有無の結果を不正に改変できないようにすることができる。
【0053】
[操作スイッチの動作説明]
次に、図10,図11を参照して、操作スイッチの動作について説明する。尚、図10,図11は、図8の下段におけるAC−AC断面図であり、図10,図11中の上下関係については、図8の最下段における上下関係と対応しており、図10,図11の左右は、左方向が図8の正面方向であり、右方向が図8の背面方向である。
【0054】
すなわち、操作ボタン111が、押圧操作されると、操作ボタン111の大円盤部201の側面の摺動部201bと、レンズ105の操作ボタン摺動部252とが摺動面を形成し、図中の右方向に摺動する。このとき、大円盤部201に押圧された力が、軸203を介して、小円盤部202に伝達される。さらに、小円盤部202は、内挿部223に内挿されており、これによりガイド112に連結されているので、受けた力をガイド112に伝達する。また、切込部228は、進退方向(操作ボタン111の操作方向)に対して垂直下方向に切り込まれており、かつ、内挿部223も同様に下方向に開口しているので、操作ボタン111が、雑に操作されて、小円盤部202、および軸203により生じる進退方向以外の方向の力のうち、最も大きな力となりうる下方向の応力をガイド112に伝達しない。このため、操作ボタン111が押圧操作される際、進退方向に発生する力が、効率よくガイド112に伝達され、それ以外の方向の力が低減される。
【0055】
ガイド112は、進退方向に受けた力により、図中の右方向に押圧されるので、ガイド112の進退摺動部222と、レンズ105のガイド摺動部253とが摺動面を形成し、図中の右方向に摺動する。
【0056】
このとき、ガイド112の摺動軸224に挿通されているバネ104は、その両端部が、摺動穴121の外周部と摺動軸224の根元に当接している。このため、ガイド112が、図中の右方向に対して摺動するとき、バネ104による反発力が生じる。このため、操作ボタン111を介して伝達されるガイド112の押圧力が、バネ104の反発力に打ち勝つように掛けられると、図11で示されるように、操作体103(操作ボタン111、およびガイド112)が一体となって図中の右方向に摺動する。
【0057】
この操作体103の摺動に伴って、ガイド112の遮光片221が、図11で示されるように、センサ132の光軸SAを遮光することにより、センサ132は、操作ボタン111が押圧されたことを検出する。
【0058】
このため、操作ボタン111の大円盤部201の側面の摺動部201bと、レンズ105の操作ボタン摺動部252とにより形成される摺動面、および、ガイド112の進退摺動部222と、レンズ105のガイド摺動部253とにより形成される摺動面とが、独立して形成され、それぞれが操作ボタン111の進退方向に対して摺動する。さらに、切込部228、および内挿部223が、いずれも進退方向に対して下方向に開口するように設けられているので、操作ボタン111により発生される応力のうち、特に、摺動軸224の破損に影響の大きな下方向の応力をガイド112に伝達しないようにすると共に、それ以外の力を進退方向の力として伝達する。
【0059】
結果として、操作ボタン111の大円盤部201の中央位置で押圧されることにより、進退方向に対して平行して押圧されるだけでなく、中央位置から外れた位置で押圧され、進退方向に対して平行ではない角度から応力が加えられても、それぞれ独立して形成される2箇所の摺動面により操作体103全体を進退方向に規制して摺動させることが可能になると共に、切込部228、および内挿部223により、ガイド112に進退方向以外の力のうち、垂直下方向の力を低減することができるので、摺動軸224に進退方向以外の方向に対してかかる応力を小さくすることができ、摺動穴121内で摺動軸224が折れるといった破損を抑制することが可能となる。
【0060】
また、操作ボタン111の大円盤部201の側面の摺動部201bと、レンズ105の摺動部252とにより形成される摺動面、および、操作ボタン111の大円盤部201の背面部201aと、ガイド112の底面部226とにより形成される摺動面とが独立して摺動面を構成することにより、操作ボタン111は、ガイド112の軸受け227により軸203を中心として回転可能であるので、遊技者は自由に操作ボタン111を回転させることができ、遊技の娯楽性を向上させることが可能となる。
【0061】
さらに、操作体103は、操作ボタン111およびガイド112の2部品で構成されている。このため、操作ボタン111の材質が金属の場合であっても、操作ボタン111と基板107に搭載されたセンサ回路の電子部品までの沿面距離を長くすることができるので、操作ボタン111から進入した静電気の到達を防ぐことができ、センサ回路の電子部品を電気的に保護することが可能となる。
【0062】
また、ガイド112の材質を樹脂で形成すれば、操作ボタン111から進入してきた静電気が基板107に搭載されたセンサ回路の電子部品へ到達することを、さらに防ぐことが可能となる。
【0063】
さらに仮に操作ボタン111およびガイド112の材質が樹脂の場合であっても、操作ボタン111とレンズ105との隙間から進入してきた静電気が基板107に搭載されたセンサ回路の電子部品へ到達することを防ぐことが可能となる。
【0064】
すなわち、操作ボタン111およびガイド112として様々な材質を利用するようにしても、耐静電気性能を向上させることができる。
【0065】
また、操作ボタン111の小円盤部202を内挿部223に内挿させ、切込部228から挿入させて、操作ボタン111と進退摺動部222が連結させる構造とすることにより、組み立て易い構成とすることができ、部品点数や組み立て工数を低減することが可能となる。
【0066】
なお、本発明の実施の形態では、操作ボタン111の軸203を切込部228へ通す際、重力方向に対向する方向から通すように説明したが、重力方向から通すようにしても良い。
【符号の説明】
【0067】
11 操作スイッチ
101 カバー
102 静電気防止プレート
103,103−1乃至103−3 操作体
104,104−1乃至104−3 バネ
105,105−1乃至105−3 レンズ
106 スイッチケース
107 基板
108 ベース
111 操作ボタン
112 ガイド
132,132−1乃至132−3 センサ
133,133−1乃至133−9 LED
141,141−1乃至141−3 隙間用リブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押圧操作される操作体と、
前記操作体を押圧方向に進退自在に支持するスイッチケースと、
前記スイッチケースに支持され、前記操作体が押圧される押圧力に抗して付勢し、付勢力に抗して押圧される前記操作体を元の押圧待機位置へと復帰させる復帰バネと、
前記操作体が押圧されたと検知する検知手段と、
前記スイッチケースに支持され、前記検知手段とスイッチ制御部品を搭載する回路基板と
を備えた操作スイッチであって、
前記操作体は、
押圧操作される円盤状の金属製部材からなる
操作ボタンと、
前記操作ボタンと同軸に、かつ、前記円盤状の中心位置を軸として回転可能な状態で連結されて、押圧操作に対応して進退する円筒状の樹脂製の動作体とから構成され、
前記スイッチケースに、
前記操作ボタンの側面を、前記操作ボタンの進退方向、および前記操作ボタンの回転方向に摺動する操作ボタン摺動部と、
前記動作体を、前記動作体の進退方向に摺動する動作体摺動部と
が構成されてなる操作スイッチ。
【請求項2】
前記操作ボタンは、
操作面を有する円盤状の第1の円盤部と、
前記第1の円盤部の前記操作面の背面側に、前記第1の円盤部と平行で、かつ、同軸に設けられた第2の円盤部と、
前記第1の円盤部と前記第2の円盤部とを同軸に接続する軸とを含み、
前記動作体は、
一方の端部に、前記操作ボタンの前記第1の円盤部を前記動作体と略同軸に配設すると共に、前記第2の円盤部を、前記動作体の摺動方向に対して垂直に、前記円筒状の側方から内挿する内挿部と、
前記内挿部に、前記第2の円盤部が内挿されるとき、前記操作ボタンの前記軸を前記円筒状の側方から通す切込部とを含み、
前記操作ボタンと前記動作体とは、前記第2の円盤部が前記内挿部に内挿されることにより連結される
請求項1に記載の操作スイッチ。
【請求項3】
前記動作体における進退方向であって、前記動作体の他方の端部に設けられた、前記操作ボタン、および前記動作体と同軸の摺動軸と、
前記スイッチケースに、
前記摺動軸を前記動作体の進退方向に摺動する摺動軸摺動部とをさらに含む
請求項1,2のいずれかに記載の操作スイッチ。
【請求項4】
前記動作体の前記他方の端部であって、前記動作体の前記摺動軸を挟んで設けられた一対の係合爪と、
前記係合爪を挿通して係合する一対の係合穴と、
前記係合爪が前記係合穴に挿通された状態で、前記係合爪の動作を規制する係合爪規制部とをさらに含む
請求項1乃至3のいずれかに記載の操作スイッチ。
【請求項5】
前記動作体の前記他方の端部に設けられ、前記動作体の進退状態に対応して、所定の光路を遮光する遮光部と、
前記遮光部が、前記動作体の進退状態に対応して所定の光路の光を遮光するか否かにより前記動作体の動作の有無を検出させるセンサと、
前記センサと、前記操作ボタンとの間に設けられた静電気防止プレートとをさらに含む
請求項1乃至4のいずれかに記載の操作スイッチ。
【請求項1】
押圧操作される操作体と、
前記操作体を押圧方向に進退自在に支持するスイッチケースと、
前記スイッチケースに支持され、前記操作体が押圧される押圧力に抗して付勢し、付勢力に抗して押圧される前記操作体を元の押圧待機位置へと復帰させる復帰バネと、
前記操作体が押圧されたと検知する検知手段と、
前記スイッチケースに支持され、前記検知手段とスイッチ制御部品を搭載する回路基板と
を備えた操作スイッチであって、
前記操作体は、
押圧操作される円盤状の金属製部材からなる
操作ボタンと、
前記操作ボタンと同軸に、かつ、前記円盤状の中心位置を軸として回転可能な状態で連結されて、押圧操作に対応して進退する円筒状の樹脂製の動作体とから構成され、
前記スイッチケースに、
前記操作ボタンの側面を、前記操作ボタンの進退方向、および前記操作ボタンの回転方向に摺動する操作ボタン摺動部と、
前記動作体を、前記動作体の進退方向に摺動する動作体摺動部と
が構成されてなる操作スイッチ。
【請求項2】
前記操作ボタンは、
操作面を有する円盤状の第1の円盤部と、
前記第1の円盤部の前記操作面の背面側に、前記第1の円盤部と平行で、かつ、同軸に設けられた第2の円盤部と、
前記第1の円盤部と前記第2の円盤部とを同軸に接続する軸とを含み、
前記動作体は、
一方の端部に、前記操作ボタンの前記第1の円盤部を前記動作体と略同軸に配設すると共に、前記第2の円盤部を、前記動作体の摺動方向に対して垂直に、前記円筒状の側方から内挿する内挿部と、
前記内挿部に、前記第2の円盤部が内挿されるとき、前記操作ボタンの前記軸を前記円筒状の側方から通す切込部とを含み、
前記操作ボタンと前記動作体とは、前記第2の円盤部が前記内挿部に内挿されることにより連結される
請求項1に記載の操作スイッチ。
【請求項3】
前記動作体における進退方向であって、前記動作体の他方の端部に設けられた、前記操作ボタン、および前記動作体と同軸の摺動軸と、
前記スイッチケースに、
前記摺動軸を前記動作体の進退方向に摺動する摺動軸摺動部とをさらに含む
請求項1,2のいずれかに記載の操作スイッチ。
【請求項4】
前記動作体の前記他方の端部であって、前記動作体の前記摺動軸を挟んで設けられた一対の係合爪と、
前記係合爪を挿通して係合する一対の係合穴と、
前記係合爪が前記係合穴に挿通された状態で、前記係合爪の動作を規制する係合爪規制部とをさらに含む
請求項1乃至3のいずれかに記載の操作スイッチ。
【請求項5】
前記動作体の前記他方の端部に設けられ、前記動作体の進退状態に対応して、所定の光路を遮光する遮光部と、
前記遮光部が、前記動作体の進退状態に対応して所定の光路の光を遮光するか否かにより前記動作体の動作の有無を検出させるセンサと、
前記センサと、前記操作ボタンとの間に設けられた静電気防止プレートとをさらに含む
請求項1乃至4のいずれかに記載の操作スイッチ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−232010(P2010−232010A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−78250(P2009−78250)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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