説明

操作パネルおよび操作パネルのパラメータの設定値を変更する方法

【課題】配置された種々の部品の種々のパラメータの設定値を容易に変更することができる操作パネルおよび方法を実現する。
【解決手段】パラメータが設定可能な入出力手段を有しホスト機器を操作する操作パネルであって、制御部と、パラメータの設定値に関する設定情報を記憶する第1の記憶部と、外部記憶媒体に接続するインタフェース部と、を有し、制御部は、外部記憶媒体がインタフェース部に接続されているか否かを判定し、外部記憶媒体がインタフェース部に接続されている場合、外部記憶媒体に保存されたユーザ所望のパラメータの設定値に関するユーザ設定情報をインタフェース部を介して外部記憶媒体から読み取り、読み取ったユーザ設定情報を設定情報として第1の記憶部に記憶するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作パネルおよび操作パネルのパラメータの設定値を変更する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療機器、計測器、制御装置もしくは音響機器などを操作するとき、発光素子を内蔵した発光スイッチやエンコーダなどの種々の部品を入出力手段として備えた操作パネルが使用される。これらの操作パネルに搭載された各部品に対して、例えば、発光素子の発光色および輝度、スイッチの出力コードならびにエンコーダのカウント値などの種々のパラメータが設定可能である。
【0003】
これらのパラメータの設定値は、操作パネルを製造する段階で、操作パネル内のROMもしくはEPROMなどの記憶装置にファームウェアなどの一部として固定的に記憶される。このため、操作パネルのユーザは、自分の好みや使い勝手に合わせてパラメータの設定値を変更するのにこのファームウェアを書き換えようとすると、各設定値がファームウェア中のどこにどのように記憶されているかを知る必要がある。さらに、ユーザがROMもしくはEPROMなどに記憶されたファームウェアを書き換えるには、ある程度の技術的知識や特殊なツールが必要になる。したがって、一般のユーザがファームウェアを更新して部品の設定値を自由に変更するには困難が伴う。
【0004】
また、一旦、ファームウェアを更新してしまうと、元のデフォルト設定値に戻したいとき、再度ファームウェアを書き換える作業が必要になって非常に手間が掛かる。さらに、操作パネルの使用状況が変わったり操作パネルを使用するユーザが入れ替わったりする場合、その都度ファームウェアを書き換えて設定値を変更するのは非常に困難である。
【0005】
例えば、特許文献1および2には、着脱可能な外部記憶装置に記憶されている画面レイアウト情報に基づいて、タッチパネルの画面レイアウトを変更することが記載されている。
【0006】
また、特許文献3には、ICカードなどの着脱可能な外部記憶装置からキーボード装置のキーコード変換テーブルおよびシフトロックのON/OFFフラグを読み込んで、キーボードのコードを変更することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−231627号公報
【特許文献2】特許第2680716号明細書
【特許文献3】特開平5−257588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、操作パネルのユーザが、ROMもしくはEPROMなどに記憶されたファームウェアを書き換えて、自分の好みや使い勝手に合わせて各部品のパラメータの設定値を変更するのは非常に困難である。
【0009】
さらに、操作パネルの使用状況やユーザごとに随時ファームウェアを書き換えて、その使用状況やユーザに合わせてパラメータの設定値を変更するには大変な困難が伴う。
【0010】
また、上記特許文献1に記載された発明は、タッチパネル上に表示されている仮想スイッチを対象とし、また、上記特許文献2に記載された発明は、液晶ディスプレイと透明電極スイッチシートによって構成されるスイッチを対象としている。したがって、これらの発明では、操作パネル上の機械式スイッチやダイヤルなどの種々のハードウェア部品に関するパラメータの設定値を変更することができない。
【0011】
また、上記特許文献3に記載された発明では、キーボードのコード設定が変更されても変更されたこと自体を表示することができない。このため、ユーザは、キーボードのコード設定が実際に変更されたか否かを確認することができないので、キーボードの操作ミスを起こしやすいという問題がある。
【0012】
以上を鑑みて、本発明は、配置された種々の部品の種々のパラメータの設定値を容易に変更することができる操作パネルおよび方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる課題を解決するための本発明の一つの実施形態によれば、パラメータが設定可能な入出力手段を有しホスト機器を操作する操作パネルが提供される。かかる操作パネルは、制御部と、パラメータの設定値に関する設定情報を記憶する第1の記憶部と、外部記憶媒体に接続するインタフェース部と、を有し、制御部は、外部記憶媒体がインタフェース部に接続されているか否かを判定し、外部記憶媒体がインタフェース部に接続されている場合、外部記憶媒体に保存されたユーザ所望のパラメータの設定値に関するユーザ設定情報をインタフェース部を介して外部記憶媒体から読み取り、読み取ったユーザ設定情報を設定情報として第1の記憶部に記憶する。
【0014】
かかる操作パネルにおいて、パラメータの推奨値に関するデフォルト設定情報を記憶した第2の記憶部をさらに有し、制御部は、外部記憶媒体がインタフェース部に接続されていない場合、デフォルト設定情報を第2の記憶部から読み取り、読み取ったデフォルト設定情報を設定情報として第1の記憶部に記憶することが好ましい。
【0015】
また、かかる操作パネルにおいて、制御部は、ユーザ設定情報またはデフォルト設定情報を第1の記憶部に記憶した後、入出力手段に入力されたユーザ指示を、ホスト機器に接続されたインタフェース部を介して、ホスト機器に送ることが好ましい。
【0016】
さらに、かかる操作パネルにおいて、入出力手段は、発光素子を内蔵した照光可能なスイッチを含み、入出力手段のパラメータは、発光素子の発光色および輝度とスイッチの押下時の出力コードとを含むことが好ましい。
【0017】
また、かかる操作パネルにおいて、入出力手段は、エンコーダを含み、入出力手段のパラメータは、エンコーダのカウント値を含むことが好ましい。
【0018】
さらに、かかる操作パネルにおいて、入出力手段は、ブザーを含み、入出力手段のパラメータは、ブザーの音量および鳴動時間を含むことが好ましい。
【0019】
また、かかる操作パネルにおいて、入出力手段は、スライドボリュームを含み、入出力手段のパラメータは、スライドボリュームの分解能を含むことが好ましい。
【0020】
さらに、かかる操作パネルにおいて、入出力手段は、トラックボールを含み、入出力手段のパラメータは、トラックボールの分解能を含むことが好ましい。
【0021】
本発明の他の実施形態によれば、パラメータが設定可能な入出力手段を有しホスト機器を操作する操作パネルのパラメータの設定値を変更する方法が提供される。かかる方法は、情報処理装置によって、ユーザ所望のパラメータの設定値に関するユーザ設定情報を外部記憶媒体に保存する保存ステップと、操作パネルの制御部が、外部記憶媒体が操作パネルのインタフェース部に接続されているか否かを判定する判定ステップと、制御部が、外部記憶媒体がインタフェース部に接続されている場合、ユーザ設定情報をインタフェース部を介して外部記憶媒体から読み取る第1の読取ステップと、制御部が、読み取ったユーザ設定情報をパラメータの設定値に関する設定情報として操作パネルの第1の記憶部に記憶する第1の記憶ステップと、を有する。
【0022】
かかる方法において、制御部が、外部記憶媒体がインタフェース部に接続されていない場合、パラメータの推奨値に関するデフォルト設定情報を操作パネルの第2の記憶部から読み取る第2の読取ステップと、制御部が、読み取ったデフォルト設定情報を設定情報として第1の記憶部に記憶する第2の記憶ステップと、をさらに有することが好ましい。
【0023】
また、かかる方法において、制御部が、第1の記憶ステップまたは第2の記憶ステップの後、入出力手段に入力されたユーザ指示を、ホスト機器に接続されたインタフェース部を介して、ホスト機器に送るステップをさらに有することが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、配置された種々の部品の種々のパラメータの設定値を容易に変更することができる操作パネルおよび方法を提供することができる。
【0025】
本発明において、操作パネルのユーザは、ユーザ設定情報が記憶された外部記憶媒体を操作パネルに接続させるだけで、自分の好みや使い勝手に合わせて各部品のパラメータの設定値を容易に変更することができる。したがって、ユーザは、各部品のパラメータの設定値を変更するのに、ROMもしくはEPROMなどに記憶されたファームウェアを書き換えるなどの煩雑な作業を行う必要がない。
【0026】
また、本発明では、ユーザが入出力手段のパラメータの設定値を変更するために対話型ユーザインタフェースのような高度な入出力インタフェースを必要としない。したがって、操作パネルのように限られたユーザインタフェースしか持たない装置であっても、外部記憶媒体読取インタフェース部さえあれば、容易に入出力手段に関する設定情報を変更することができる。
【0027】
さらに、操作パネルが外部記憶媒体読取インタフェース部と共通のインタフェース部を介してホスト機器と通信する場合は、入出力手段のパラメータの設定値を変更するために新たなインタフェースを追加する必要がない。
【0028】
また、本発明では、例えば、スイッチの出力コードとこのスイッチに対応する発光素子の発光色とを同時に変更することができるので、ユーザは、これらの設定情報が変更されたことを目で確認することができる。
【0029】
さらに、本発明では、ユーザは、複数セットのユーザ設定情報を用意することによって、操作パネルの使用状況やユーザごとに、その使用状況やユーザの好みに合わせて随時パラメータの設定値を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態に係る操作パネルの外観の一例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る操作パネルの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る操作パネルの構成を示すブロック図である。
【図4】入出力手段に関する設定情報を表形式で記憶する場合の表の一例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る操作パネルの制御部の構成を示すブロック図である。
【図6】本実施例における入出力手段に関する設定情報の設定処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係る入出力手段のユーザ設定情報を作成して外部記憶媒体に書き込むための情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図8】操作ガイドをディスプレイ上に表示した場合の操作画面の一例を示す図である。
【図9】本実施例におけるユーザ設定情報を作成して外部記憶媒体に保存する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明の一実施形態に係る操作パネルの外観の一例を示す図である。図1に示すように、操作パネル10には、スライドボリューム1、エンコーダ2、トラックボール3ならびに発光素子が内蔵され照光可能なラバースイッチ4などの種々の入出力手段が配置されている。ユーザは、これらの入出力手段を用いて、例えば、医療機器などのホスト機器を操作する。
【0032】
ここで、入力手段とは、ユーザが、操作パネル10上の入力手段を操作することによって、ホスト機器にどのような処理をどのように行うかを指示することができる種々の入力デバイスを示す。入力手段には、例えば、ジョイスティックおよびトラックボールなどのポインティングデバイス、トグルスイッチ、スライドスイッチおよび押ボタンスイッチなどのスイッチ類、スライドボリューム、ダイヤル、レバーならびにエンコーダなど、種々の部品が含まれる。
【0033】
例えば、ユーザは、ホスト機器に対して、特定のスイッチボタンの押下などによってこのボタンに対応する特定の機能を開始するよう指示したり、トラックボールの操作などによって処理を開始する位置などを指定したり、ダイヤルの回転などで使用する電圧もしくは周波数などの値を選択したりすることができる。
【0034】
一方、出力手段とは、ユーザが操作パネル10上で行った操作の確認やホスト機器がユーザの指示に従って行った処理の結果などを出力する種々の出力デバイスを示す。出力手段には、例えば、LEDなどのランプ、ブザー、スピーカおよびLCDなど、種々の部品が含まれる。
【0035】
例えば、ユーザは、スタートボタンを押したとき、ボタンに内蔵された発光素子が緑色に点灯することによって、操作パネル10がスタートボタンの押下を認識したことを確認し、発光素子の点滅によってホスト機器が動作中であることを知ることができる。また、ユーザは、この光が消えたとき、ホスト機器の処理が終了したことを確認することができる。さらに、ユーザは、赤いランプの点灯やブザーの音などによって、ホスト機器の動作中に何らかの異常が発生したことを知ることができる。
【0036】
ここでは、入力手段と出力手段とを合わせて入出力手段と呼ぶ。
【0037】
操作パネル10には、上記のような種々の入出力手段が様々な組み合わせで搭載される。ユーザは、これらの種々の入出力手段に対して、種々のパラメータを設定することができる。例えば、ボタンスイッチに対しては押下時に出力される出力コード、発光素子に対しては発光色および輝度、エンコーダに対してはカウンタ値および分解能、ブザーに対しては音量および鳴動時間など、入出力手段の種類に応じて種々のパラメータが設定可能である。各入出力手段および/もしくはホスト機器は、これらのパラメータに設定された設定値に従って動作する。
【0038】
図2および図3は、本発明の一実施形態に係る操作パネルの構成を示すブロック図である。図2は、外部記憶媒体40が外部記憶媒体読取装置30に装着されている状態を示し、図3は、外部記憶媒体40が外部記憶媒体読取装置30に装着されていない状態を示す。それぞれの図において、実線は制御の流れを示し点線はデータの流れを示す。また、太い点線は、入出力手段に関する設定情報が読み出される経路を示す。
【0039】
図2および図3に示すように、操作パネル10は、ホスト機器20および外部記憶媒体読取装置30と通信などを介して接続されている。
【0040】
ホスト機器20は、ユーザが操作パネル10の操作によって与える指示に従って、種々の機能を実行する機器である。ホスト機器20としては、例えば、医療機器、計測機器、音響機器、通信用機器、監視装置、あるいは、製造設備、給電設備もしくは運搬設備などの制御装置などがある。
【0041】
外部記憶媒体読取装置30は、外部記憶媒体40に記憶されている情報を読み取る装置である。外部記憶媒体読取装置30としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、DVD−R/Wなどの使用する外部記憶媒体40の種類に応じて、フレキシブルディスクドライブ、磁気ディスクドライブもしくはDVD−R/Wドライブなどの適切な読取装置を使用する。
【0042】
なお、フレキシブルディスクドライブ、DVDドライブなどの外部記憶媒体読取装置30は、操作パネルに内蔵されていることがある。また、ポータブルディスクなどのように、外部記憶媒体読取装置30と外部記憶媒体40とが一体になっていることがある。さらに、USBメモリ、SDカードなどのように、外部記憶媒体読取装置30が不要な場合がある。この場合、外部記憶媒体読取装置30は、外部記憶媒体40もしくは後述する外部記憶媒体読取インタフェース部130に含まれることがある。
【0043】
外部記憶媒体40は、各入出力手段の各パラメータに対してユーザが設定したい設定値に関するユーザ設定情報を記憶する記憶媒体である。ユーザは、各パラメータに自分が所望する設定値を用いたいとき、外部記憶媒体40を操作パネル10に装着して操作パネル10の電源を投入したりリセットボタンを押下したりする。外部記憶媒体40としては、フレキシブルディスクもしくはハードディスクなどの磁気記録媒体、CD−ROMもしくはDVD−R/Wなどの光学記録媒体、USBメモリ、あるいは、SDカードなどの種々の記憶媒体が使用可能である。外部記憶媒体40および外部記憶媒体読取装置30のうちの少なくともいずれか一方が、操作パネル10と着脱可能であればよい。
【0044】
外部記憶媒体40には、各入出力手段の各パラメータについてユーザの好みや使い勝手に合わせた設定値が、ユーザ設定情報として所定の位置に所定の形式で記憶されている。例えば、ユーザ設定情報は、所定のディレクトリに所定のファイル名で所定の形式のファイルとして外部記憶媒体40に記憶されることがある。また、ユーザ設定情報は、外部記憶媒体40の所定の物理アドレスにバイナリデータとして記憶されてもよい。
【0045】
図4は、各入出力手段の各パラメータに設定すべき設定値を指定する設定情報を表形式で記憶する場合の表の一例を示す図である。この表で示されるように、入出力手段に関する設定情報は、設定する入出力手段のID(識別情報)と、設定するパラメータの設定項目と、この項目への設定値とが対応付けられて記憶される。例えば、図4の表に示すように、入出力手段のIDが「スイッチ1」の設定項目「出力コード」に、設定値「0001」などの2バイトコードを設定することができる。同様に、入出力手段のIDが「発光素子1」の設定項目「発光色」には、設定値「赤」などの色の名前を設定することができる。さらに、設定項目「輝度」には、例えば、輝度を0〜255の1バイトの数値で表す場合、設定値「128」などの数値を設定することができる。
【0046】
このように、入出力手段に関するユーザ設定情報の形式は、入出力手段の識別情報と、パラメータの設定項目と、この項目にユーザが設定したい設定値とが対応付けられれば、テーブル形式もしくはリスト形式など、いかなる形式でもよい。
【0047】
なお、ユーザ設定情報を作成して外部記憶媒体40に保存する方法および装置については、後で詳述する。
【0048】
図2および図3に戻ると、操作パネル10は、MCU(Micro Controller Unit:マイクロコントローラユニット)110と、MCU110に接続された通信インタフェース部120と、外部記憶媒体読取インタフェース部130と、スイッチ4−1、発光素子4−2および/もしくはトラックボール3などの種々の入出力手段と、を有する。ここで、スイッチ4−1は、図4のラバースイッチ4のスイッチであり、発光素子4−2は、ラバースイッチ4に内蔵される発光素子である。さらに、MCU110は、制御部140と、揮発性メモリ部(RAM)150と、不揮発性メモリ部(ROM)160とを有する。ここでは、入出力手段を制御する入出力制御部(図示せず)は、制御部140に含まれるものとする。
【0049】
ここでは、入出力手段の例としてスイッチ4−1、発光素子4−2およびトラックボール3を示したが、本発明はこれらに限定されない。上述したように、操作パネル10には、種々の入出力手段を様々な組み合わせで配置することができることに留意されたい。
【0050】
通信インタフェース部120は、操作パネル10がホスト機器20と通信を行うためのインタフェースとして機能する。通信インタフェース部120は、操作パネル10とホスト機器20との間で使用する通信の種類に応じた接続口、通信インタフェース部120と制御部140との間の配線および/もしくは制御回路などで構成される。使用される通信は、RS232、LAN、USBなどの標準規格のケーブルもしくは専用ケーブルによる有線通信、あるいは、電波や赤外線などによる無線通信などのいずれでもよい。また、操作パネル10がホスト機器20と一体になっている場合など、通信インタフェース部120は、ホスト機器20と制御部140との間の内部配線および/もしくは制御回路などで構成されることがある。
【0051】
通信インタフェース部120は、ホスト機器20への指示やパラメータなどを制御部140から受け取り、ホスト機器20に送信する。また、通信インタフェース部120は、ホスト機器20から、処理結果などの情報を受け取り、制御部140に渡す。
【0052】
外部記憶媒体読取インタフェース部130は、操作パネル10が外部記憶媒体読取装置30と接続するためのインタフェースとして機能する。外部記憶媒体読取インタフェース部130は、使用する外部記憶媒体読取装置30に応じて、USBコネクタもしくはメモリスロットなどの接続口、外部記憶媒体読取インタフェース部130と制御部140との間の配線、ならびに/あるいは、制御回路などで構成される。
【0053】
例えば、外部記憶媒体読取インタフェース部130は、制御部140から外部記憶媒体40の所定の位置に所定の形式で記憶された情報を読み取るよう指示を受け取り、外部記憶媒体読取装置30に送る。そして、外部記憶媒体読取インタフェース部130は、外部記憶媒体読取装置30から、この指示に応じて外部記憶媒体読取装置30が外部記憶媒体40から読み取った情報を受け取り、制御部140に送る。
【0054】
また、外部記憶媒体読取インタフェース部130は、制御部140から、外部記憶媒体読取装置30が外部記憶媒体読取インタフェース部130に接続されているか否かを判定するよう指示を受け取り、判定した結果を制御部140に通知する。
【0055】
さらに、外部記憶媒体読取インタフェース部130は、制御部140から、外部記憶媒体読取装置30に外部記憶媒体40が装着されているか否かを判定するよう指示を受け取ると、外部記憶媒体読取装置30に外部記憶媒体40が装着されているか否かを問い合わせ、その結果を外部記憶媒体読取装置30から受け取り制御部140に送る。
【0056】
なお、上述したように、外部記憶媒体読取装置30が不要である場合、外部記憶媒体読取インタフェース部130は、制御部140から、外部記憶媒体40が外部記憶媒体読取インタフェース部130に接続されているか否かを判定するよう指示を受け取り、判定した結果を制御部140に通知することがある。
【0057】
揮発性メモリ部(RAM)150は、SRAMもしくはDRAMなどの読み書き可能なメモリで、データやプログラムを一時的に記憶するのに使用する。
【0058】
RAM150には、一般に、制御部140においてプログラムが実行される際に使用する作業データなどが記憶される。また、制御部140で実行されるプログラムが、磁気ディスクもしくは光学ディスクなどに保存されている場合、あるいは、通信を介してホスト機器もしくは他の装置から送信される場合などは、このプログラムがRAM150にロードされることがある。
【0059】
RAM150には、入出力手段3,4−1および4−2やホスト機器20が処理を行う際に使用する各入出力手段の各パラメータの設定値に関する設定情報が記憶される。制御部140は、ホスト機器20もしくは入出力手段3,4−1および4−2に処理の実行を指示するとき、RAM150に記憶されている設定情報から関連する入出力手段のパラメータに対する設定値を取り出し、取り出した設定値を指示と一緒に送ることができる。
【0060】
RAM150に記憶される設定情報は、上記の外部記憶媒体40に記憶されたユーザ設定情報と同様に、入出力手段の識別情報と、設定するパラメータの設定項目と、この項目に設定すべき設定値とが対応付けられるものであれば、いかなる形式でもよい。また、RAM150内の設定情報は、外部記憶媒体40上のユーザ設定情報と同じ形式でもよいし、異なる形式でもよい。
【0061】
不揮発性メモリ部(ROM)160は、電源を切っても記憶されているデータが消えないメモリであって、マスクROMなどのように書き換え不能でもよいし、EPROMもしくはフラッシュメモリなどのように書き換え可能でもよい。ROM160には、一般に、制御部140で実行されるプログラムおよび固定データなどが保存される。
【0062】
ROM160には、各入出力手段の各パラメータについて推奨値であるデフォルト値に関するデフォルト設定情報が所定の位置に所定の形式で記憶される。
【0063】
ROM160に記憶されるデフォルト設定情報は、上記の外部記憶媒体40上のユーザ設定情報および/もしくはRAM150内の使用中の設定情報と同様、入出力手段の識別情報と、設定するパラメータの設定項目と、この項目に対する推奨値とが対応付けられるものであれば、いかなる形式でもよい。また、ROM160内のデフォルト設定情報は、外部記憶媒体40のユーザ設定情報および/もしくはRAM150内の使用中の設定情報と同じ形式でもよいし、異なる形式でもよい。
【0064】
制御部140は、SH、MIPSもしくはARMなどのマイコン用プロセッサを有し、このプロセッサがRAM150および/もしくはROM160に記憶されたプログラムを実行することによって、操作パネルの動作を制御する。
【0065】
以下、図5および図6を参照しながら、本発明に係る制御部140の各手段とその動作について説明する。
【0066】
図5は、本発明の一実施形態に係る操作パネル10の制御部140の構成を示すブロック図である。図5に示すように、制御部140は、外部記憶媒体接続判定手段1401と、ユーザ設定情報読取手段1402と、デフォルト設定情報読取手段1403と、を有する。
【0067】
外部記憶媒体接続判定手段1401は、外部記憶媒体40が外部記憶媒体読取インタフェース部130に正しく接続されているか否かを判定する手段である。外部記憶媒体接続判定手段1401の処理の詳細については、後述の入出力手段に関する設定情報の設定処理において説明する。
【0068】
ユーザ設定情報読取手段1402は、外部記憶媒体40に記憶されている入出力手段に関するユーザ設定情報を読み取る手段である。
【0069】
ユーザ設定情報読取手段1402は、外部記憶媒体読取インタフェース部130に、外部記憶媒体40の所定の場所に所定の形式で記憶されている入出力手段に関するユーザ設定情報を読み取るよう指示を送る。また、ユーザ設定情報読取手段1402は、外部記憶媒体40から読み取ったユーザ設定情報を外部記憶媒体読取インタフェース部130から受け取る。
【0070】
デフォルト設定情報読取手段1403は、ROM160に記憶されている入出力手段に関するデフォルト設定情報を読み取る手段である。
【0071】
デフォルト設定情報読取手段1403は、ROM160の所定の場所に所定の形式で記憶されている入出力手段に関するデフォルト設定情報を読み取る。なお、ROM160内のデフォルト設定情報の形式とRAM150内の使用中の設定情報の形式とが同じ場合など、デフォルト設定情報読取手段1403は、ROM160に記憶されているデフォルト設定情報をRAM150の所定の位置にそのままコピーすることがある。
【0072】
図6は、本実施例における入出力手段に関する設定情報の設定処理を示すフローチャートである。以下、図6を参照しながら、制御部140によって実行される入出力手段に関する設定情報の設定処理について説明する。
【0073】
制御部140は、例えば、操作パネル10に電源が投入されたとき開始される操作パネル10の起動処理において、この設定処理を実行することができる。また、制御部140は、リセットボタンの押下などによって操作パネル10のリセット処理が行われる際に、この設定処理を実行してもよい。
【0074】
入出力手段に関する設定情報の設定処理が開始されると、制御部140は、外部記憶媒体接続判定手段1401によって、外部記憶媒体40が操作パネル10に正しく接続されているか否かを判定する(ステップS100)。
【0075】
外部記憶媒体接続判定手段1401は、まず、外部記憶媒体読取インタフェース部130に外部記憶媒体読取装置30が外部記憶媒体読取インタフェース部130に接続されているか否かを問い合わせ、外部記憶媒体読取インタフェース部130からその結果を受け取る。そして、外部記憶媒体読取装置30が外部記憶媒体読取インタフェース部130に接続されている場合、外部記憶媒体接続判定手段1401は、外部記憶媒体読取インタフェース部130に外部記憶媒体40が外部記憶媒体読取装置30に装着されているか否かを判定するよう指示を送り、その結果を外部記憶媒体読取インタフェース部130から受け取る。そして、外部記憶媒体接続判定手段1401は、外部記憶媒体読取インタフェース部130が、外部記憶媒体読取装置30が外部記憶媒体読取インタフェース部130に接続され、かつ、外部記憶媒体40が外部記憶媒体読取装置30に装着されていると判定した場合、外部記憶媒体40が外部記憶媒体読取インタフェース部130に正しく接続されていると判定する。そうでない場合、外部記憶媒体接続判定手段1401は、外部記憶媒体40が操作パネル10に正しく接続されていないと判定する。
【0076】
また、外部記憶媒体接続判定手段1401は、ホスト機器20との通信用ケーブルなど外部記憶媒体読取装置30もしくは外部記憶媒体40以外のものが外部記憶媒体読取インタフェース部130に接続している場合は、外部記憶媒体40が外部記憶媒体読取インタフェース部130に正しく接続されていないと判定する。
【0077】
なお、上述したように、外部記憶媒体読取装置30が操作パネル10に内蔵されている場合、外部記憶媒体接続判定手段1401は、外部記憶媒体読取インタフェース部130を介して外部記憶媒体40が外部記憶媒体読取装置30に装着されているか否かを判定することによって、外部記憶媒体40が操作パネル10に正しく接続されているか否かを判定することができる。また、外部記憶媒体読取装置30と外部記憶媒体40とが一体になっている場合、外部記憶媒体接続判定手段1401は、外部記憶媒体読取インタフェース部130を介して外部記憶媒体読取装置30が外部記憶媒体読取インタフェース部130に接続しているか否かを判定することによって、外部記憶媒体40が外部記憶媒体読取インタフェース部130に正しく接続されているか否かを判定してもよい。さらに、外部記憶媒体読取装置30が不要である場合、外部記憶媒体接続判定手段1401は、外部記憶媒体読取インタフェース部130を介して外部記憶媒体40が外部記憶媒体読取インタフェース部130に装着されているか否かを判定することによって、外部記憶媒体40が操作パネル10に正しく接続されているか否かを判定してもよい。
【0078】
外部記憶媒体接続判定手段1401によって外部記憶媒体40が外部記憶媒体読取インタフェース部130に正しく接続されていると判定された場合(ステップS100のYes)、制御部140は、ユーザ設定情報読取手段1402によって、外部記憶媒体40に記憶されている入出力手段に関するユーザ設定情報を読み取る(ステップS110)。そして、ユーザ設定情報読取手段1402がユーザ設定情報の読み出しに成功した場合(ステップS120のYes)、制御部140は、読み取ったユーザ設定情報をRAM150の所定の位置に所定の形式で記憶する(ステップS130)。(図2を参照)
【0079】
一方、外部記憶媒体40が外部記憶媒体読取インタフェース部130に正しく接続されていない場合(ステップS100のNo)、もしくは、ユーザ設定情報読取手段1402がユーザ設定情報の読み出しに失敗した場合(ステップS120のNo)、制御部140は、デフォルト設定情報読取手段1403によって入出力手段に関するデフォルト設定情報をROM160から読み取ってRAM150の所定の位置に所定の形式で記憶する(ステップS140)。(図3を参照)
【0080】
なお、入出力手段に関する設定情報の設定処理の流れの一例として図6のフローチャートを示したが、処理の主旨を変えない限り必ずしもこの順序で行う必要はない。例えば、制御部140は、設定情報の設定処理の開始時(ステップS100の前)に、デフォルト設定情報読取手段1403によってROM160のデフォルト設定情報を読み取り、RAM150内の使用中の設定情報を読み取ったデフォルト設定情報で初期化してもよい。この場合、ステップS140の処理はスキップすることができる。
【0081】
制御部140は、上記の設定処理によって入出力手段に関する設定情報をRAM150に記憶した後は、このRAM150に記憶された設定情報に含まれるパラメータの設定値を用いて、入出力手段3,4−1および4−2を制御したり、ホスト機器20に処理を指示したりする。また、制御部140は、必要に応じて、入出力手段3,4−1および4−2および/もしくはホスト機器20に、RAM150に記憶された設定情報中のパラメータの設定値を用いて初期化処理を行うよう指示してもよい。
【0082】
次に、ユーザが、入出力手段に関するユーザ設定情報を作成して、外部記憶媒体40に保存する方法について述べる。
【0083】
本発明の実施例におけるユーザ設定情報を作成して保存する方法には、操作パネル10の操作者が自分の好みや使い勝手に合わせてユーザ設定情報を作成して保存する場合と、操作パネル10の製造者もしくは販売者が予想される使用状況に基づいてユーザ設定情報を作成して保存する場合などがある。
【0084】
例えば、操作パネル10の操作者は、PCもしくはワークステーションなどの情報処理装置上で動作するユーザ設定情報の作成および保存用の専用アプリケーションプログラムなどを用いて、操作パネル10の各入出力手段に関する各パラメータに対して自分が設定したい値をユーザ設定情報として外部記憶媒体40に保存することができる。
【0085】
一方、操作パネル10の製造者もしくは販売者は、例えば、ワークステーションもしくは専用コンピュータなどの情報処理装置上で動作するユーザ設定情報の作成および保存用の専用アプリケーションプログラムなどを用いて、ホスト機器20および/もしくは操作パネルの使用状況を想定して操作パネル10の各入出力手段に関する各パラメータの設定値を選択し、ユーザ設定情報として外部記憶媒体40に保存することができる。
【0086】
以下では、操作パネル10の操作者、製造者および販売者を総称してユーザという。
【0087】
図7は、本発明の一実施形態に係る入出力手段に関するユーザ設定情報を作成して外部記憶媒体に保存するための情報処理装置の構成を示すブロック図である。図2および図3と同様に、図7において、実線の矢印は制御の流れを示し点線の矢印はデータの流れを示す。また、太い点線の矢印は、入出力手段に関する設定情報が外部記憶媒体40に保存されるときに送られる経路を示す。
【0088】
図7に示すように、情報処理装置50は、外部記憶媒体書込インタフェース部510と、制御部520と、記憶部530と、ユーザ入出力部540とを有する。また、情報処理装置50は、外部記憶媒体書込インタフェース部510を介して、外部記憶媒体書込装置31に接続されている。
【0089】
外部記憶媒体書込装置31は、外部記憶媒体40に情報を書き込むための装置である。上記の外部記憶媒体読取装置30と同様に、外部記憶媒体書込装置31としては、外部記憶媒体40に応じた適切な外部記憶媒体書込装置を使用する。また、外部記憶媒体書込装置31と外部記憶媒体40とが一体であったり、外部記憶媒体書込装置31が情報処理装置50に内蔵されていたりすることがある。さらに、外部記憶媒体書込装置31が不要な場合もある。この場合、外部記憶媒体書込装置31は、外部記憶媒体40もしくは後述する外部記憶媒体書込インタフェース部510に含まれることがある。
【0090】
外部記憶媒体書込インタフェース部510は、外部記憶媒体書込装置31と情報処理装置50との間のインタフェースとして機能する。外部記憶媒体書込インタフェース部510は、使用する外部記憶媒体書込装置31に応じて、USBコネクタもしくはメモリスロットなどの接続口、外部記憶媒体読取インタフェース部130と制御部520との間の配線、ならびに/あるいは、制御回路などで構成される。
【0091】
例えば、外部記憶媒体書込インタフェース部510は、制御部520から、外部記憶媒体40の所定の位置に所定の形式で情報を書き込むよう指示と書き込む情報を受け取り、受け取った指示および情報を外部記憶媒体書込装置31に送る。
【0092】
記憶部530は、制御部520で実行されるプログラムおよび制御部520が使用するデータなどを記憶する。例えば、記憶部530は、RAM、ROMもしくはEPROMなどの半導体メモリ、ハードディスクなどの磁気記録媒体、ならびに/あるいは、CD−ROMもしくはDVD−R/Wなどの光記録媒体などを用いて構成することができる。
【0093】
記憶部530は、制御部520が作成した入出力手段に関するユーザ設定情報を記憶する。
【0094】
ユーザ入出力部540は、ユーザが各入出力手段の各パラメータに対して設定したい値を入力するための操作ガイドを出力したり、ユーザが設定値を入力したりするためのユーザインタフェース部である。ユーザ入出力部540には、例えば、操作画面を表示するためのディスプレイ、音声ガイドを流すためのスピーカ、ユーザが設定値を入力するためのキーボード、マウスおよび/もしくはタッチパッドなどが含まれる。また、ユーザ入出力装置を兼ね備えたタッチパネルなどを使用してもよい。
【0095】
ユーザは、ユーザ入出力部540から出力された操作ガイドに従って、入出力手段に関するパラメータに設定したい値をユーザ入出力部540に入力する。すると、ユーザ入出力部540は、ユーザが入力したパラメータの設定値を制御部520に送る。
【0096】
制御部520は、1つまたは複数のプロセッサを有し、プロセッサが記憶部530に記憶されたプログラムを実行することによって、情報処理装置50の動作を制御する。
【0097】
図7に示すように、制御部520は、設定情報作成手段5201と、設定情報書込手段5202とを有する。
【0098】
設定情報作成手段5201は、ユーザがユーザ入出力部540から入力した入出力手段に関する設定値に基づいて、所定の形式の入出力手段に関するユーザ設定情報を作成して記憶部530に記憶する手段である。
【0099】
設定情報作成手段5201は、ユーザ入出力部540に、例えば、図8に示す操作画面のようなユーザがパラメータの設定値を入力するための操作ガイドを出力するよう指示する。このとき、設定情報作成手段5201は、デフォルト値を初期値として操作画面に表示するよう指示してもよいし、ユーザが変更したい設定値のみを入力できるように指示してもよい。それから、設定情報作成手段5201は、ユーザが操作ガイドに従って入力した設定値をユーザ入出力部540から受け取り、所定の形式のユーザ設定情報として記憶部530に記憶する。
【0100】
記憶部530に記憶されるユーザ設定情報の形式は、上述した操作パネル10における入出力手段に関する設定情報と同様、入出力手段の識別情報と、設定するパラメータの設定項目と、この項目への設定値とが対応付けられれば、いかなる形式でもよい。
【0101】
図8は、操作ガイドをディスプレイ上に表示した場合の操作画面の一例を示す図である。図8に示すように、ユーザは、操作画面上のボタンやメニューなどの種々の入力手段を使用して、操作パネルの各入出力手段に関する各パラメータに対して、自分が設定したい値を容易に入力することができる。
【0102】
ユーザは、例えば、図8の操作画面の一番上の行の左のプルダウンメニューによって、設定値を設定したいスイッチの識別情報「スイッチ1」を選択し、同じ行の次のプルダウンメニューを用いて「スイッチ1」が押下されたとき実行される機能を選択することによって、対応する出力コードを設定することができる。さらに、ユーザは、一番上の行の右側の2つのプルダウンメニューによって、「スイッチ1」に内蔵されている発光素子の発光色および輝度をそれぞれ選択することができる。
【0103】
同様に、ユーザは、図8の操作画面上のプルダウンメニューを用いて、エンコーダのカウント値、ブザーの音量および鳴動時間、スライドボリュームの分解能、ならびに、トラックボールの分解能などについても所望の設定値を容易に指定することができる。
【0104】
なお、図8の操作画面には、プルダウンメニューを利用する例が示されているが、本発明はこれに限定されない。入出力手段の設定値を入力するための操作画面には、種々のメニュー、トグルボタン、チェックボックスおよび/もしくはテキスト入力など、種々の入力形態を利用することができる。
【0105】
設定情報書込手段5202は、設定情報作成手段5201が記憶部530に記憶した所定の形式のユーザ設定情報を、外部記憶媒体40に書き込む手段である。
【0106】
設定情報書込手段5202は、記憶部530に記憶されている入出力手段に関するユーザ設定情報を読み出し、外部記憶媒体書込インタフェース部510に、読み出したユーザ設定情報を外部記憶媒体40の所定の位置に所定の形式で書き込むよう指示を送る。
【0107】
このとき、外部記憶媒体40に書き込まれるユーザ設定情報は、上述した操作パネル10の入出力手段に関する設定情報を設定する際に使用される外部記憶媒体40のユーザ設定情報と同じ位置に同じ形式で保存される。
【0108】
図9は、本実施例におけるユーザ設定情報を作成して外部記憶媒体40に保存する処理を示すフローチャートである。例えば、ユーザ設定情報を外部記憶媒体40に保存するための専用アプリケーションプログラムが起動されると、この処理が開始される。以下、図9を参照しながら、制御部520によって実行されるユーザ設定情報の保存処理について説明する。
【0109】
ユーザ設定情報の保存処理が開始されると、制御部520は、設定情報作成手段5201によって、ユーザがユーザ入出力部540から入力した入出力手段に関するパラメータの設定値についての情報に基づいて、所定の形式の入出力手段に関するユーザ設定情報を作成して記憶部530に記憶する(ステップS210)。
【0110】
そして、制御部520は、設定情報書込手段5202に、設定情報作成手段5201が記憶部530に記憶したユーザ設定情報を外部記憶媒体40の所定の位置に所定の形式で書き込むよう指示する(ステップS220)。これによって、入出力手段に関するユーザ設定情報が外部記憶媒体40の所定の位置に所定の形式で保存されるので、ユーザは、操作パネル10において入出力手段に関する設定情報を設定する際にこの外部記憶媒体40を使用することができる。
【0111】
なお、上述した実施例では、ユーザは、情報処理装置50上の専用アプリケーションプログラムを用いて、ユーザ設定情報を新たに作成して外部記憶媒体40に保存した。しかしながら、例えば、ユーザは、外部記憶媒体書込装置31の代わりに外部記憶媒体40の読取および書込が可能な外部記憶媒体読取書込装置(図示せず)が情報処理装置50に接続されている場合、外部記憶媒体40に既に保存されているユーザ設定情報を更新することもできる。
【0112】
この場合、制御部520は、外部記憶媒体読取書込インタフェース部(図示せず)を介して、外部記憶媒体40に既に保存されているユーザ設定情報を読み取り、記憶部530に記憶してもよい。そして、設定情報作成手段5201は、操作画面をユーザ入出力部540に表示するよう指示する際に、記憶部530に記憶されたユーザ設定情報に含まれる設定値を初期値として操作画面に表示するよう指示してもよい。こうすることによって、設定情報作成手段5201は、ユーザが操作画面上で変更した設定値に関する情報をユーザ入出力部540から受け取り、この情報に基づいて記憶部530に記憶されているユーザ設定情報を変更することができる。さらに、設定情報書込手段5202は、この変更されたユーザ設定情報を外部記憶媒体40に上書きすることによって、外部記憶媒体40に保存されていたユーザ設定情報を更新することができる。
【0113】
通常、1つの外部記憶媒体40には、1セットのユーザ設定情報が保存される。したがって、様々な使用状況に応じて複数セットのユーザ設定情報が必要であれば、複数の外部記憶媒体40のそれぞれに1セットずつ保存することができる。この場合、ユーザは、操作パネル10を使用する際に、そのときの使用状況に応じて複数の外部記憶媒体40から適切なユーザ設定情報が記憶されている外部記憶媒体40を選択して操作パネル10にセットしてもよい。こうすることによって、ユーザは、使用状況に応じたユーザ設定情報を用いて操作パネル10を使用することができる。
【0114】
なお、ユーザは、1つの外部記憶媒体40に複数セットのユーザ設定情報を保存することも可能である。この場合、図6に示した入出力手段に関する設定情報の設定処理において、制御部140は、ユーザ設定情報を読み取る際(S110)に、外部記憶媒体40に記憶された複数セットのユーザ設定情報のうちのどれを使用するかを選択する処理が必要になる。このとき、制御部140は、入出力手段のいずれかを介してユーザに使用するユーザ設定情報を選択させてもよい。また、制御部140は、例えば、操作パネル10がカレンダ機能を有する場合に日時や季節などに応じて使用するユーザ情報を選択するなど、自動的に判断して選択してもよい。
【0115】
上述したように、ユーザ設定情報を外部記憶媒体40に保存するために専用アプリケーションプログラムを使用したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ユーザは、テキストエディタ、ワードプロセッサ、スプレッドシートもしくはデータベース管理プログラムなどのようなPCもしくはワークステーションなどで一般に使用されているエディタを用いて、ユーザ設定情報をリストもしくは表形式などで作成し、所定のエディタ形式のファイルで外部記憶媒体40の所定のディレクトリに所定のファイル名で保存することができる。
【0116】
この場合、操作パネル10の入出力手段に関する設定情報の設定処理において、ユーザ設定情報読取手段1402は、外部記憶媒体読取インタフェース部130によって所定のエディタ形式のファイルを読み取り、制御部140は、読み取ったファイルのユーザ設定情報を所定の形式に変換してRAM150の所定の位置に記憶することができる。
【0117】
他の方法として、ユーザは、上記のエディタ形式のファイルに書かれた入出力手段に関するユーザ設定情報を、ユーザ設定情報読取手段1402が読み取ることができる形式に変換する専用アプリケーションプログラムを利用してもよい。
【0118】
図2および図3の操作パネルの構成例には、通信インタフェース部120と外部記憶媒体読取インタフェース部130とが別々に存在するように示されている。しかしながら、例えば、USBコネクタなどのように、ホスト機器20とも外部記憶媒体読取装置30もしくは外部記憶媒体40とも接続可能な接続口は、通信インタフェース部120および外部記憶媒体読取インタフェース部130の両方の役割を果たす共通の外部インタフェース部として利用することができる。
【0119】
この場合、ユーザは、操作パネル10の入出力手段のパラメータの設定値を変更したければ、例えば、ディスク装置もしくはUSBメモリなどの外部記憶媒体読取装置30もしくは外部記憶媒体40を操作パネル10のUSBコネクタなどに接続してから操作パネル10の電源を投入することができる。また、ユーザは、パラメータの設定値を変更する必要がなければ、例えば、ホスト機器20との通信用USBケーブルなどを操作パネル10のUSBコネクタなどに接続してから操作パネル10の電源を投入してもよい。
【0120】
ユーザが操作パネル10に電源を投入することによって、制御部140は、上述した入出力手段に関する設定情報の設定処理を実行する。そして、制御部140は、この設定処理によってUSBメモリなどからユーザ設定情報をRAMに正しくロードし終えた時、ホスト機器20との通信用ケーブルが外部インタフェースに接続されていない場合は、操作パネル10の出力手段などを介して設定情報の設定が終了したことをユーザに通知してもよい。これに応じて、ユーザは、操作パネル10のUSBコネクタなどからUSBメモリなどを切り離し、代わりに、ホスト機器20との通信用のUSBケーブルなどを差し込んでもよい。
【0121】
一方、操作パネル10の電源投入時、USBコネクタなどの共通の外部インタフェース部に外部記憶媒体読取装置30、外部記憶媒体40もしくはホスト機器20が接続されていない場合、制御部140は、外部記憶媒体読取装置30、外部記憶媒体40もしくはホスト機器20のいずれかが共通の外部インタフェース部に接続されるまで待つことができる。この際、制御部140は、操作パネル10の出力手段などを介して、ユーザに、外部記憶媒体読取装置30、外部記憶媒体40もしくはホスト機器20を共通の外部インタフェース部に接続するよう促してもよい。そして、外部記憶媒体読取装置30、外部記憶媒体40もしくはホスト機器20のいずれかが共通の外部インタフェース部に接続されたとき、制御部140は、上述したように入出力手段に関する設定情報の設定処理を実行してもよい。
【0122】
また、上記の実施例では、制御部140、揮発性メモリ部150、不揮発性メモリ部160および入出力制御部(図示せず)が一体になったワンチップマイコン(MCU)を使用しているが、制御部140、揮発性メモリ部150、不揮発性メモリ部160および/もしくは入出力制御部は、互いに分離して動作するものでもよい。この場合、不揮発性メモリ部160は、磁気記録媒体もしくは光学記録媒体などの記憶装置を含んでもよい。
【0123】
さらに、上記の実施例では、入出力手段に関する設定情報の設定処理において、制御部140は、使用中の設定情報をRAM150に記憶したが、制御部140によって書き換え可能であれば、EPROM、フラッシュメモリもしくはハードディスクなどの不揮発性記憶装置に記憶してもよい。この場合、ユーザは、入出力手段のパラメータの設定値を操作パネル10を前回使用したときから変更したいときのみ、外部記憶媒体40を操作パネル10に装着して電源を投入したりリセットボタンを押下したりすることができる。
【0124】
以上述べたように、本発明によって、操作パネル上に配置された種々の部品の種々のパラメータの設定値を外部記憶媒体を用いて容易に変更することができる。
【0125】
本発明では、入出力手段のユーザ設定情報は、着脱可能な外部記憶媒体から外部記憶媒体読取インタフェース部を介して読み取られる。このため、ユーザが入出力手段のパラメータの設定値を変更するために対話型ユーザインタフェースのような高度な入出力インタフェースを必要としない。したがって、操作パネルのように限られたユーザインタフェースしか持たない装置でも、容易に入出力手段に関する設定情報を変更することができる。
【0126】
さらに、上述したように、通信インタフェース部と外部記憶媒体読取インタフェース部とが共通の外部インタフェースである場合、入出力手段の設定情報を変更するために新たなインタフェースを追加する必要がない。
【0127】
また、本発明では、例えば、スイッチの出力コードとこのスイッチに対応する発光素子の発光色とを同時に変更することができるので、ユーザは、これらの設定情報が変更されたことを目で確認することができる。
【0128】
さらに、本発明では、ユーザは、複数の異なるユーザ設定情報が記憶された外部記憶媒体を用意することによって、自分の好みや使用状況に応じた設定値を用いて操作パネルを使用することができる。
【0129】
例えば、ユーザは、ホスト機器および操作パネルを使用する室内の明るさが季節や時間などによって変わる場合など、明るさの変化に応じて発光素子の輝度などを変更することができる。また、複数のユーザがホスト機器および操作パネルを使用する場合、ユーザごとに専用のユーザ設定情報が記憶された外部記憶媒体を用意し、操作パネルを使用する際に各自の外部記憶媒体を利用することによって、自分の好みや使い勝手に応じた操作を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本発明は、医療機器、計測機器、音響機器、通信用機器、監視装置、あるいは、製造設備、給電設備もしくは運搬設備などの制御装置などの装置を操作する操作パネルにおいて利用することができる。
【符号の説明】
【0131】
1 スライドボリューム
2 エンコーダ
3 トラックボール
4 ラバースイッチ
4−1 スイッチ
4−2 発光素子
10 操作パネル
20 ホスト機器
30 外部記憶媒体読取装置
31 外部記憶媒体書込装置
40 外部記憶媒体
50 情報処理装置
120 通信インタフェース部
130 外部記憶媒体読取インタフェース部
140 制御部
1401 外部記憶媒体接続判定手段
1402 ユーザ設定情報読取手段
1403 デフォルト設定情報読取手段
150 揮発性メモリ部
160 不揮発性メモリ部
510 外部記憶媒体書込インタフェース部
520 制御部
530 記憶部
540 ユーザ入出力部
5201 設定情報作成手段
5202 設定情報書込手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パラメータが設定可能な入出力手段を有しホスト機器を操作する操作パネルであって、
制御部と、
パラメータの設定値に関する設定情報を記憶する第1の記憶部と、
外部記憶媒体に接続するインタフェース部と、を有し、
前記制御部は、外部記憶媒体が前記インタフェース部に接続されているか否かを判定し、外部記憶媒体が前記インタフェース部に接続されている場合、外部記憶媒体に保存されたユーザ所望のパラメータの設定値に関するユーザ設定情報を前記インタフェース部を介して外部記憶媒体から読み取り、前記読み取ったユーザ設定情報を前記設定情報として前記第1の記憶部に記憶する、
ことを特徴とする操作パネル。
【請求項2】
パラメータの推奨値に関するデフォルト設定情報を記憶した第2の記憶部をさらに有し、
前記制御部は、外部記憶媒体が前記インタフェース部に接続されていない場合、前記デフォルト設定情報を前記第2の記憶部から読み取り、前記読み取ったデフォルト設定情報を前記設定情報として前記第1の記憶部に記憶する、請求項1に記載の操作パネル。
【請求項3】
前記制御部は、前記ユーザ設定情報または前記デフォルト設定情報を前記第1の記憶部に記憶した後、前記入出力手段に入力されたユーザ指示を、前記ホスト機器に接続された前記インタフェース部を介して、前記ホスト機器に送る、請求項2に記載の操作パネル。
【請求項4】
前記入出力手段は、発光素子を内蔵した照光可能なスイッチを含み、
前記入出力手段のパラメータは、前記発光素子の発光色および輝度と前記スイッチの押下時の出力コードとを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の操作パネル。
【請求項5】
前記入出力手段は、エンコーダを含み、
前記入出力手段のパラメータは、前記エンコーダのカウント値を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の操作パネル。
【請求項6】
前記入出力手段は、ブザーを含み、
前記入出力手段のパラメータは、前記ブザーの音量および鳴動時間を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の操作パネル。
【請求項7】
前記入出力手段は、スライドボリュームを含み、
前記入出力手段のパラメータは、前記スライドボリュームの分解能を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の操作パネル。
【請求項8】
前記入出力手段は、トラックボールを含み、
前記入出力手段のパラメータは、前記トラックボールの分解能を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の操作パネル。
【請求項9】
パラメータが設定可能な入出力手段を有しホスト機器を操作する操作パネルのパラメータの設定値を変更する方法であって、
情報処理装置によって、ユーザ所望のパラメータの設定値に関するユーザ設定情報を外部記憶媒体に保存する保存ステップと、
前記操作パネルの制御部が、前記外部記憶媒体が前記操作パネルのインタフェース部に接続されているか否かを判定する判定ステップと、
前記制御部が、前記外部記憶媒体が前記インタフェース部に接続されている場合、前記ユーザ設定情報を前記インタフェース部を介して前記外部記憶媒体から読み取る第1の読取ステップと、
前記制御部が、前記読み取ったユーザ設定情報をパラメータの設定値に関する設定情報として前記操作パネルの第1の記憶部に記憶する第1の記憶ステップと、を有する、
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記制御部が、前記外部記憶媒体が前記インタフェース部に接続されていない場合、パラメータの推奨値に関するデフォルト設定情報を前記操作パネルの第2の記憶部から読み取る第2の読取ステップと、
前記制御部が、前記読み取ったデフォルト設定情報を前記設定情報として前記第1の記憶部に記憶する第2の記憶ステップと、をさらに有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記制御部が、前記第1の記憶ステップまたは前記第2の記憶ステップの後、前記入出力手段に入力されたユーザ指示を、前記ホスト機器に接続された前記インタフェース部を介して、前記ホスト機器に送るステップをさらに有する、請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−108104(P2011−108104A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−264175(P2009−264175)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】