操作パネル装置および画像形成装置
【課題】画像形成装置の多機能化を維持しながら、操作パネル面をコンパクトに構成するとともに、使用頻度の少なく操作キーについては必要時に自動的に露出させることで、ユーザによる操作パネル装置の簡便性の向上を図ることを可能とする、操作パネル装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】第1および第2のパネルの一方が画像形成装置に固定されている。第1および第2のパネルの少なくとも一方は、第1のパネルと第2のパネルとがいずれの相対位置にあっても露出する領域に配置された第1群のキーを含む。第1および第2のパネルの一方は、第1のパネルと第2のパネルとが重なっていないときに露出する領域に配置された第2群のキーとを含む。制御手段は、ユーザ操作によって所定のモードへ遷移したことに応答して、第2群のキーを露出させるように駆動機構を制御する。
【解決手段】第1および第2のパネルの一方が画像形成装置に固定されている。第1および第2のパネルの少なくとも一方は、第1のパネルと第2のパネルとがいずれの相対位置にあっても露出する領域に配置された第1群のキーを含む。第1および第2のパネルの一方は、第1のパネルと第2のパネルとが重なっていないときに露出する領域に配置された第2群のキーとを含む。制御手段は、ユーザ操作によって所定のモードへ遷移したことに応答して、第2群のキーを露出させるように駆動機構を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作パネル装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置の操作に用いられる操作パネル装置には、モードの切り替えキー、ワンタッチキー等の各種操作キーが設けられている。近年の多機能化に伴って、配置される操作キーの数量も多くなり、操作パネル装置が大型化する傾向にある。また、操作パネル装置の操作面における操作キーの配置も雑然となってきている。
【0003】
また、読取部と作像部との間に形成される空間部に、記録された用紙の排出機能を有する画像形成装置においては、撮像装置の高機能化により操作キーが多くなり、画像形成装置の前面(ユーザが操作する側)に、大型の操作パネル装置が形成される。この場合には、ユーザから見て、操作パネル装置に視線を遮られ上記空間部に排出される用紙を画像形成装置の上方から確認することができない。また、操作パネル装置自体の視認性の向上も強く要求されている。
【0004】
特許文献1(特開2001−337501号公報)には、ファクシミリ装置等に搭載される操作パネル装置が開示される。この操作パネル装置は、複数のキーを備え、本体に対して固定的に取り付けられる操作パネル装置と、複数のキーを備え、本体にから引き出し可能に取り付けられるワンタッチパネルとを有し、このワンタッチパネルは本体の一側面近傍に開閉可能に配設されている。
【0005】
特許文献2(特開平8−72624号公報)に開示される音響機器は、車載用操作パネルのキー部を使用頻度の高いキー領域部と使用頻度の低いキー領域部とに分離配列し、移動可能な表示部をスライドさせ、左方向に移動させたときに、使用頻度の高いキー領域部が操作可能となり、右方向へ移動させたときに使用頻度の低いキー領域部が操作可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−337501号公報
【特許文献2】特開平8−72624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
操作パネル装置の大型化を回避するために、操作パネル装置を単に小さくするだけでは、ある機能を有する操作キーを削除する必要が生じ、画像形成装置に要求される多機能化を妨げる結果となる。
【0008】
また、画像形成装置においては、操作パネル装置からの指示だけでなく、外部装置であるパソコンからの指示を受けて画像形成装置としての機能を実現させることが多くなってきている。たとえば、画像形成装置においては、パソコンからのプリント出力指示に基づき、記録された用紙を出力する。そのため、使用頻度の少ない操作キーについては、通常は収納しておきたいという要求がある。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明は、画像形成装置の多機能化を維持しながら、操作パネル面をコンパクトに構成するとともに、操作パネル自体の強度を高めた、操作パネル装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のある局面に従えば、画像形成装置に装着された操作パネル装置を提供する。操作パネル装置は、画像形成装置に対して固定された第1のパネルと、第1のパネルに対して画像形成装置が位置する側とは反対の側に配置され、表示面を提供する表示装置を有する第2のパネルと、表示装置を制御する制御手段とを含む。第2のパネルは、表示面と平行な面に沿ってスライド可能に構成されている。第1のパネルは、第1のパネルと第2のパネルとが重なっていないときに露出する領域に配置された複数のキーを含む。制御手段は、画像形成装置に対する指示を受付けるための画像を含む画面を表示する際に、使用頻度のより高い指示に関連付けられた画像ほど、表示面において、第2のパネルをスライドした状態において第1および第2のパネルの中央側により近い位置に表示する。
【0011】
本発明の別の局面に従えば、画像形成装置に装着された操作パネル装置を提供する。操作パネル装置は、画像形成装置に対して固定された第1のパネルと、第1のパネルに対して画像形成装置が位置する側とは反対の側に配置され、表示面を提供する表示装置を有する第2のパネルと、表示装置を制御する制御手段とを含む。第2のパネルは、表示面と平行な面に沿ってスライド可能に構成されている。第1のパネルは、第1のパネルと第2のパネルとが重なっていないときに露出する領域に配置された複数のキーを含む。制御手段は、画像形成装置に対する指示を受付けるための画像を含む画面を表示する際に、使用頻度のより高い指示に関連付けられた画像ほど、表示面において、第2のパネルのスライド方向とは逆方向の位置に表示する。
【0012】
好ましくは、制御手段は、使用頻度のより高い指示に関連付けられた画像が表示される側とは反対側には、画像形成装置のステータスを表示する画面を表示する。
【0013】
好ましくは、制御手段は、ユーザからの操作回数のより多い画像ほど使用頻度がより高い指示に関連付けられた画像とする。
【0014】
さらに好ましくは、制御手段は、画像形成装置に対する指示を受付けるための画像別の操作回数に応じて、それぞれの画像の表示位置を変更する。
【0015】
本発明の別の局面に従えば、上述したような操作パネル装置を含む画像形成装置を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、画像形成装置の多機能化を維持しながら、操作パネル装置をコンパクトに構成するとともに、操作パネル自体の強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置が搭載される画像形成装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に従う画像形成装置MFPの制御構造の示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置の基本構造を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のキーレイアウトの一例を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態に従う画像形成装置の制御構造を示す機能ブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のスライド形態(その1)を示す模式図である。
【図7】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のスライド形態(その2)を示す模式図である。
【図8】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のスライド形態(その3)を示す模式図である。
【図9】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のスライド形態(その4)を示す模式図である。
【図10】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のスライド形態(その5)を示す模式図である。
【図11】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置の表示面における表示内容の一例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置の表示面における表示内容の一例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置の表示面における表示内容の一例を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のテンキーの配置例を示す模式図である。
【図15】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のテンキーの配置例を示す模式図である。
【図16】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のテンキーの配置例を示す模式図である。
【図17】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のテンキーの配置例を示す模式図である。
【図18】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のテンキーを露出させるための構成を示す模式図である。
【図19】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置テンキーを露出させるための構成を示す模式図である。
【図20】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のテンキーを露出させるための構成を示す模式図である。
【図21】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のキーボードキーの配置例を示す模式図である。
【図22】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のキーボードキーの配置例を示す模式図である。
【図23】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のテンキーおよびキーボードキーの配置例を示す模式図である。
【図24】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のテンキーおよびキーボードキーの配置例を示す模式図である。
【図25】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のテンキーおよびキーボードキーの配置例を示す模式図である。
【図26】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のパネルの相対移動を実現するための構成例を示す模式図である。
【図27】図26に示すパネルの相対移動を実現するためのスライド機構を示す図である。
【図28】図26に示すパネルの相対移動を実現するためのスライド機構を示す図である。
【図29】図26に示すパネルの相対移動を実現するためのスライド機構を示す図である。
【図30】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のパネルの相対移動を実現するための別の構成例を示す模式図である。
【図31】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のパネルの複数方向への相対移動を実現するための構成例を示す模式図である。
【図32】図31(A)に示すスライド動作(1)〜(3)に対応したスライド操作をより具体的に示す模式図である。
【図33】パネルおよび操作キー群がいずれも相対移動可能な構成を示す模式図である。
【図34】本実施の形態に従う操作パネル装置を構成する上側のパネルの形状を示す模式図である。
【図35】ユーザからの押圧耐性を高めるための構造例を示す模式図である。
【図36】2つのパネル間の連結力を強化するための構造例を示す模式図である。
【図37】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置におけるパネル間の固定構造を示す模式図(その1)である。
【図38】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置におけるパネル間の固定構造を示す模式図(その2)である。
【図39】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置におけるパネル間の固定構造を示す模式図(その3)である。
【図40】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のある好ましい取り付け位置を説明するための図である。
【図41】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のある好ましいスライド方向を説明するための図である。
【図42】本発明の実施の形態に従うポップアップ構造を採用した操作パネル装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のそれぞれの実施の形態に従う操作パネル装置およびそれを搭載した画像形成装置について、以下、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
【0019】
また、各実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
【0020】
<A.画像形成装置の全体構成>
図1は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置が搭載される画像形成装置の全体構成を示す斜視図である。図1には、画像形成装置の典型例として、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能、ネットワーク機能、BOX機能といった複数の機能が搭載された複合機(MFP:Multi Function Peripheral)について例示する。
【0021】
本実施の形態に従う画像形成装置MFPは、原稿を光学的に読取って画像データを得るスキャナ部2と、画像データに基づいて用紙上に画像を印刷するプリントエンジン6とを含む。画像形成装置MFPの本体上面には、スキャナ部2に原稿を送るフィーダ4が配置され、下部には、プリントエンジン6に用紙を供給する複数の給紙部9が配置される。また、画像形成装置MFPの中央部には、プリントエンジン6によって画像を形成された用紙が排紙されるトレー8を有する。
【0022】
画像形成装置MFPの本体上面の前面側(ユーザが対向する側)には、表示面を有する操作パネル装置1が装着されている。操作パネル装置1は、画像形成装置MFPを操作するための装置である。後述するように、操作パネル装置1は、ユーザからの各種の指示、数字・文字・記号といった入力などの操作を受付けるための複数のキーと、表示装置とを含む。この表示装置としては、入力機能および表示機能が一体化されたタッチパネルが採用されることが好ましい。タッチパネルで構成された表示装置では、ユーザ操作に応答した各種情報および/または各種操作を受付けるためのメニュー画面などをユーザに対して表示するとともに、ユーザによりタッチ操作された位置を取得し、当該取得した位置に応じた入力情報を取得する。
【0023】
<B.画像形成装置の制御構造>
図2は、本発明の実施の形態に従う画像形成装置MFPの制御構造の示すブロック図である。
【0024】
図2を参照して、画像形成装置MFPは、システムコントローラ500と、通信インターフェイス(I/F)518と、ネットワークインターフェイス(I/F)520と、スキャナ部2と、画像処理部524と、プリントエンジン530と、給紙部9とを含む。
【0025】
システムコントローラ500は、画像形成装置MFPの全体処理を制御する統括コントローラである。システムコントローラ500は、主たる構成要素として、CPU512と、RAM514と、ROM516とを含む。
【0026】
CPU512は、ROM516に予め格納されているプログラムを読み出してタイミングをはかりながら各動作を統一的に制御し、たとえば、プリントエンジン530における印字ジョブの開始を通知するといった処理を実行させる。RAM514は、揮発性のメモリーであって、CPU512におけるプログラム実行時のワークエリアとして用いられる。
【0027】
通信インターフェイス58は、本実施の形態に従う操作パネル装置1との間で情報を遣り取りする。すなわち、通信インターフェイス58は、操作パネル装置1からのユーザ操作に応じた内部指令をシステムコントローラ500へ出力し、あるいは、システムコントローラ500からの情報を操作パネル装置1へ出力する。
【0028】
ネットワークインターフェイス520は、ネットワークを通じて図示しないパーソナルコンピュータなどと電気的に接続する。そして、ネットワークインターフェイス520は、パーソナルコンピュータなどから送信された印字ジョブなどを受信するとともに、当該受信した印字ジョブをシステムコントローラ500へ送る。
【0029】
スキャナ部2は、典型的には、原稿をセットするための戴荷台と、原稿台ガラスと、戴荷台にセットされた原稿を原稿台ガラスに自動的に1枚ずつ搬送する搬送部と、読取られた原稿を排出するための排出台とを含む。スキャナ部2は、原稿を照射する露光ランプ、原稿からの反射光の向きを変える反射ミラー、反射ミラーからの光路を変えるミラー、反射光を集光するレンズ、および、受光した反射光に応じて電気信号を発生する3列のCCD(Charge Coupled Device)などの光電変換素子を含むスキャナを含み、このスキャナが原稿台ガラスに置載された原稿から画像情報を読取る。この読取られた画像情報は、バス526を通じて、システムコントローラ500へ送られる。
【0030】
画像処理部524は、ネットワークインターフェイス520を介して受信した印字ジョブ、または、スキャナ部2によって原稿から読取られた画像情報に対して、プリント処理に必要な画像処理を実行する。この画像処理としては、ノイズ除去、色調補正、ディザ処理などが含まれる。この画像処理部24での画像処理の実行の結果得られた画像データがプリントエンジン530へ供給される。
【0031】
プリントエンジン530は、物理的に画像形成処理を実行する主体であり、主要な構成要素として、感光体ユニット540と、現像ユニット550と、定着器ユニット560と、搬送機構570とを含む。
【0032】
感光体ユニット540は、後述するように、その表面にトナー像が形成される像担持体である感光体と、像担持体の表面を帯電させる帯電部とを含む。この感光体を帯電した状態で、再現すべき画像に応じて露光することで、感光体の表面には静電潜像が形成される。そして、静電潜像は、現像ユニット550によりトナー像として現像される。定着器ユニット560は、現像されたトナー像が用紙に転写された後、加熱および加圧することで、用紙にトナー像を定着させる。搬送機構570は、トナー像の形成タイミングに合わせて、給紙部580に装填されている用紙を搬送する。
【0033】
給紙部9は、トナー像が転写される用紙を保持する。典型的には、給紙部9は、用紙サイズ別に画像形成装置MFPに装着されるトレー8、および、当該トレー8から用紙を取り出す搬送ローラなどからなる。
【0034】
<C.操作パネル装置の基本構造>
以下、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1の詳細構造について、図を参照しつつ様々な局面から説明する。
【0035】
まず、本実施の形態に従う操作パネル装置1の基本的な構造について説明する。図3は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1の基本構造を示す斜視図である。
【0036】
図3を参照して、本実施の形態に従う操作パネル装置1は、表示面と平行な面に沿って相対移動可能に構成された第1パネル100および第2パネル200からなる。後述するように、典型的には、第1パネル100および第2パネル200のうち一方が画像形成装置MFPに固定される。そして、画像形成装置MFPに固定されないパネルが固定されるパネルに対して移動(スライド)することで、図3(A)に示すような、第1パネル100および第2パネル200の投影面積が最小となっている状態、および、図3(B)に示すような、第1パネル100および第2パネル200の投影面積がより大きくなっている状態とを切り替えることができる。なお、図3(A)に示す状態を「閉じた状態」とも表現し、図3(B)に示す状態を「開いた状態」とも表現する。
【0037】
特に、本実施の形態に従う操作パネル装置1は、第1パネル100と第2パネル200との相対位置を変化させる駆動機構を有している。この駆動機構によって、ユーザが所定の操作を行うと、操作パネル装置1は開いた状態に遷移し、その後、所定の条件が満たされると、操作パネル装置1は閉じた状態に戻る。これらの開いた状態と閉じた状態との遷移に係る処理については後述する。
【0038】
図1には、第1パネル100および第2パネル200が、第1パネル100および第2パネル200の長手方向に沿ってスライドする構成を例示するが、短手方向に沿ってスライドしてもよい。さらに、複数の軸方向にスライドするように構成してもよい。
【0039】
操作パネル装置1においては、ユーザにより近い側に位置する、すなわち画像形成装置MFPからより離れた位置にあるパネルの表面に、タッチパネルからなる表示装置50が装着される。この表示装置50は、ユーザ操作を受付けるとともに、各種情報などをユーザに提示する。
【0040】
また、操作パネル装置1においては、第1パネル100と第2パネル200とがいずれの相対位置にあっても露出する、第1パネル100および/または第2パネル200の領域に第1群のキーが配置される。さらに、第1パネル100および第2パネル200の一方は、第1パネル100と第2パネル200とが重なっていないとき(すなわち、開いた状態)に露出する領域に第2群のキーが配置される。
【0041】
このように、本実施の形態に従う操作パネル装置1は、重なり合った2つのパネルで構成され、片側のパネルが画像形成装置MFPに固定されており、他方の固定されていないパネルが固定されているパネルより(操作パネル装置1に対面した場合に)突出する状態に移動することで、操作用のキーなどが露出することになる。
【0042】
本実施の形態に従う操作パネル装置1は、閉じた状態であっても操作できる位置に配置されたキーに割り当てる機能と、開いた状態になって初めて操作できる位置に配置されたキーに割り当てる機能とを異ならせることで、画像形成装置MFPの多機能化を維持しながら、操作パネル装置をコンパクトに構成する。より具体的には、第1群のキーは、画像形成装置MFPで実行可能な複数の処理にわたって共通に使用され、一方、第2群のキーは、画像形成装置MFPで実行可能な複数の処理のうち、第1群のキーが使用される処理の数より少ない数の処理に使用される。第1群および第2群のキーの典型例としては、画像形成装置MFPが提供する機能の開始などを指示するために共通に使用されるスタートキーは、第1群のキーに含めることが好ましい。これに対して、数字を入力するためのキー群(テンキー)については、コピー機能やファクシミリ機能といった数値の入力が必要な機能にのみ使用されるため、第2群のキーに含めることが好ましい。
【0043】
図3に示す例では、第1群のキーの典型例として、第1パネル100の表面に操作キー群10が配置されるとともに、第2パネル200の表面に操作キー群20が配置される。これらの操作キー群10および20が配置される領域は、図3(A)の閉じた状態および図3(B)の開いた状態のいずれであっても露出することになる。一方、第1パネル100の表面領域40は、開いた状態においてはじめて露出し、この表面領域40には操作キー群30が配置される。
【0044】
すなわち、図3(A)には、第2パネル200が第1パネル100の操作キー群30を覆う状態(閉じた状態)を示し、この状態では、第1パネル100の表面に配置された操作キー群10を除き、第1パネル100の表面全面が、第2パネル200により覆われることになる。これに対して、図3(B)には、第2パネル200が第1パネル100に対して、図示において左上方向にスライドした状態(開いた状態)を示し、この状態では、第1パネル100の表面に配置された操作キー群10に加えて、表面領域40に配置された操作キー群30が露出することになる。ユーザは、実質的に、操作パネル装置1が開いた状態である場合に限って、操作キー群30を操作できることになる。
【0045】
なお、操作キー群10,20,30は、いずれも少なくとも1つのキー(ハードキー)を含む。
【0046】
<D.操作パネル装置のキーレイアウト>
次に、本実施の形態に従う操作パネル装置1のキーレイアウトについて説明する。図4は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のキーレイアウトの一例を示す模式図である。
【0047】
図4を参照して、操作キー群10は、主として、画像形成装置MFPが提供する複数の機能にわたって共通に使用されるキーを含む。より具体的には、操作キー群10は、省エネ(Power Save)ボタン10aと、スタート(Start)ボタン10bと、ストップ(Stop)ボタン10cと、リセット(Reset)ボタン10dと、複数のカスタマイズ(Customize)ボタン10eとを含む。このように操作キー群10は、ユーザが常に使用するキーであるため、認識し易い場所に設置する必要がある。
【0048】
省エネボタン10aは、画像形成装置MFPをより消費電力の少ない状態へ切り替えるための操作を受付ける。スタートボタン10bは、画像形成装置MFPにおいて先に選択されている機能を開始するための操作を受付ける。ストップボタン10cは、スタートボタン10bの操作に応答して実行されている機能を停止するための操作を受付ける。リセットボタン10dは、先に行われた操作などによって何らかの設定がなされている状態を初期状態に戻すための操作を受付ける。カスタマイズボタン10eは、画像形成装置MFPを使用するユーザなどによって、予め設定された操作または状態への遷移を行うために用いられる。
【0049】
操作キー群20は、主として、画像形成装置MFPが提供する複数の機能を管理するために共通に使用されるキーを含む。より具体的には、操作キー群20は、メニュー(Menu)ボタン20aと、拡大(Enlarge Display)ボタン20bと、ガイダンス(Guidance)ボタン20cと、アクセス(Access)ボタン20dと、プレビュー(Preview)ボタン20eとを含む。このように操作キー群20は、表示装置50(典型的には、タッチパネル)の操作に関係するキーであるため、表示装置と同じパネルに配置する必要がある。
【0050】
メニューボタン20aは、メニュー画面(一例として、図4の表示装置50に表示される内容)を表示ための操作を受付ける。拡大ボタン20bは、表示装置50に表示される内容を拡大して表示するための操作を受付ける。ガイダンスボタン20cは、画像形成装置MFPが提供する機能および/または各種操作に関するガイダンスメニュー(ヘルプメニュー)を表示するための操作を受付ける。アクセスボタン20dは、画像形成装置MFPを使用できるユーザを制限するための操作を受付ける。たとえば、特定のパスワードを知らされているユーザのみが画像形成装置MFPを使用できるように設定されている場合などにおいて、アクセスボタン20dは、当該パスワードの入力状態にするための操作などに用いられる。プレビューボタン20eは、用紙への画像形成処理を行う前に、その仕上がりなどを表示装置50上で確認するための操作を受付ける。
【0051】
操作キー群30は、画像形成装置MFPで実行可能な複数の処理のうち、第1群のキーが使用される処理の数より少ない数の処理に使用される。すなわち、操作キー群30は、画像形成装置MFPが提供する特定の機能についての操作にのみ使用される。そのため、典型的には、操作キー群30の使用頻度は、操作キー群10および20に比較して少ないと想定されている。
【0052】
より具体的には、操作キー群30は、テンキー30aと、音声ガイド(Voice Guide)キー30bと、クリアキー30cと、割込みキー30dとを含む。テンキー30aは、数字を入力するためのキー群であり、典型的には、「0」から「9」までの10個のキーからなる。クリアキー30cは、先に行われたテンキー30aの操作などによって入力されている値をクリアするための操作を受付ける。割込みキー30dは、画像形成装置MFPが何らかのジョブを実行中に別のジョブを優先的に実行するための操作を受付ける。
【0053】
なお、図4に示すキーレイアウトは一例に過ぎず、画像形成装置MFPが提供する機能や対応するユーザインターフェイスなどに応じて、レイアウトについては適宜設計すればよい。
【0054】
<E.制御構造>
図5は、本発明の実施の形態に従う画像形成装置MFPの制御構造を示す機能ブロック図である。
【0055】
図5を参照して、画像形成装置MFPにおいて、操作パネル装置1は、システムコントローラ500と内部バスなどを介して接続されている。システムコントローラ500は、プリントエンジン6を制御する。
【0056】
操作パネル装置1は、主たる構成要素として、制御手段としてのCPU60と、RAM62と、ROM64と、表示装置50と、入力インターフェイス(I/F)66と、出力インターフェイス(I/F)68と、通信インターフェイス(I/F)70とを含む。なお、これらの各部は、バス72を介して互いに通信可能に接続されている。
【0057】
CPU60は、ROM64に予め格納されているプログラムを読み出して実行することで、操作パネル装置1における必要な動作を実行する。たとえば、CPU60は、ユーザ操作などに応答して、表示装置(タッチパネル)50にメニュー画面などの各種画面を表示させ、あるいは、ユーザ操作に従って各種の処理を実行するための内部コマンドを発生する。RAM62は、揮発性のメモリーであって、CPU12におけるプログラム実行時のワークエリアとして用いられる。
【0058】
入力インターフェイス66は、上述したように操作パネル装置1に配置されている操作キー群10,20,30からの入力を受付ける。すなわち、入力インターフェイス66は、操作キー群10,20,30のうちユーザがいずれかのキーを押下すると、その押下されたキーに対応する処理を実行するための内部コマンドを発生する。
【0059】
出力インターフェイス68は、典型的には、CPU60からの内部コマンドに従って、第1パネル100と第2パネル200との相対位置を変化させる駆動機構(ドライバ80およびモータ82)を制御するための指令を出力する。モータ82は、典型的にはステッピングモータといった現在の回転位置/回転角度を検出することが可能な回転機である。ドライバ80は、モータ82を回転させるために必要な電力を供給する。モータ82がステッピングモータである場合には、ドライバ80は、CPU60からの内部コマンドに従って、指定された数の電力パルスをモータ82へ供給する。これにより、モータ82は、指定された角度だけ回転する。このようにモータ82の回転位置/回転角度を制御することで、後述するように、操作パネル装置1を閉じた状態と開いた状態とに切り替えることができる。
【0060】
通信インターフェイス70は、システムコントローラ500と内部的にデータを遣り取りするための処理を仲介する。
【0061】
<F.操作パネル装置のスライド形態>
上述したように、本実施の形態に従う操作パネル装置1は、2つのパネル装置が所定の面に沿って相対移動可能に構成されていればよい。そのため、いずれのパネル装置を固定側(画像形成装置MFPに装着された側)としてもよく、また、スライド方向などについても適宜設計できる。以下では、典型的な4つのスライド形態を説明する。
【0062】
[f1:操作パネル装置のスライド形態(その1)]
図6は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のスライド形態(その1)を示す模式図である。図6に示す操作パネル装置1では、第1パネル100が画像形成装置MFPに装着される。図6(a)は、操作パネル装置1が閉じた状態を示し、図6(b)は、操作パネル装置1が開いた状態を示す。このように、第1パネル100が画像形成装置MFPに固定されており、第2パネル200が紙面左右方向にスライド可能となっている。
【0063】
すなわち、図6に示す操作パネルでは、第1パネル100が画像形成装置MFPに固定されており、第2パネル200は、第1パネル100に対して画像形成装置MFPが位置する側とは反対の側に配置される。そして、第2パネル200の表示面と平行な面に対する投影面積は、第1パネル100の投影面積より小さい。言い換えれば、第2パネル200の表面積は、第1パネル100の表面積より小さい。この表面積の違いによって、第1パネル100には、第2パネル200に対していずれの相対位置にあっても露出する領域が生じる。そして、このいずれの相対位置にあっても露出する領域には、操作キー群10が配置される。さらに、第1パネル100には、第1パネル100と第2パネル200とが重なっていないときに露出する領域に配置された操作キー群30が配置される。特に、この操作キー群30は、数字を入力するためのキー群であるテンキーを含む。
【0064】
また、第2パネル200には、第1パネル100に対していずれの相対位置にあっても露出する領域に操作キー群20が配置される。
【0065】
また、表示面を提供する表示装置50は、画像形成装置MFPに固定されているパネル(図6の場合には、第1パネル100)とは異なるパネルに装着されることになる。このように、移動するパネルに相対的に重量の軽い表示装置50を配置することで、強度設計上有利となる。
【0066】
[f2:操作パネル装置のスライド形態(その2)]
図7は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のスライド形態(その2)を示す模式図である。図7に示す操作パネル装置1では、第1パネル100が画像形成装置MFPに装着される。図7(a)は、操作パネル装置1が閉じた状態を示し、図7(b)は、操作パネル装置1が開いた状態を示す。このように、第1パネル100が画像形成装置MFPに固定されており、第2パネル200が紙面左右方向にスライド可能となっている。
【0067】
すなわち、図7に示す操作パネルでは、第1パネル100が画像形成装置MFPに固定されており、第2パネル200は、第1パネル100に対して画像形成装置MFPが位置する側とは反対の側に配置される。但し、第1パネル100および第2パネル200の表示面と平行な面に対する投影面積は、ほぼ等しい。そのため、図7に示す操作パネル装置1には、操作キー群10が第1パネル100ではなく、第2パネル200に配置される。すなわち、第2パネル200には、第1パネル100に対していずれの相対位置にあっても露出する領域に、操作キー群10および20が配置される。
【0068】
一方、第1パネル100には、第1パネル100と第2パネル200とが重なっていないときに露出する領域に配置された操作キー群30が配置される。特に、この操作キー群30は、数字を入力するためのキー群であるテンキーを含む。
【0069】
図7に示す形態においても、表示面を提供する表示装置50は、画像形成装置MFPに固定されているパネル(図7の場合には、第1パネル100)とは異なるパネルに装着されることになる。
【0070】
[f3:操作パネル装置のスライド形態(その3)]
図8は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のスライド形態(その3)を示す模式図である。図8に示す操作パネル装置1では、第2パネル200が画像形成装置MFPに装着される。図8(a)は、操作パネル装置1が閉じた状態を示し、図8(b)は、操作パネル装置1が開いた状態を示す。このように、第2パネル200が画像形成装置MFPに固定されており、第1パネル100が紙面左右方向にスライド可能となっている。
【0071】
すなわち、図8に示す操作パネルでは、第2パネル200が画像形成装置MFPに固定されており、第1パネル100は、第2パネル200に対してより画像形成装置MFPが位置する側に配置される。但し、第1パネル100および第2パネル200の表示面と平行な面に対する投影面積は、ほぼ等しい。そのため、図8に示す操作パネル装置1には、操作キー群10が第1パネル100ではなく、第2パネル200に配置される。すなわち、第2パネル200には、第1パネル100に対していずれの相対位置にあっても露出する領域に、操作キー群10および20が配置される。
【0072】
一方、第1パネル100には、第1パネル100と第2パネル200とが重なっていないときに露出する領域に配置された操作キー群30が配置される。特に、この操作キー群30は、数字を入力するためのキー群であるテンキーを含む。
【0073】
図8に示す形態においては、表示面を提供する表示装置50は、画像形成装置MFPに固定されているパネル(図8の場合には、第2パネル200)に装着されることになる。
【0074】
[f4:操作パネル装置のスライド形態(その4)]
図9は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のスライド形態(その4)を示す模式図である。図6に示す操作パネル装置1では、第2パネル200が画像形成装置MFPに装着される。図6(a)は、操作パネル装置1が閉じた状態を示し、図6(b)は、操作パネル装置1が開いた状態を示す。このように、第2パネル200が画像形成装置MFPに固定されており、第1パネル100が紙面左右方向にスライド可能となっている。
【0075】
すなわち、図9に示す操作パネルでは、第2パネル200が画像形成装置MFPに固定されており、第1パネル100は、第2パネル200に対してより画像形成装置MFPが位置する側に配置される。そして、第2パネル200の表示面と平行な面に対する投影面積は、第1パネル100の投影面積より小さい。言い換えれば、第2パネル200の表面積は、第1パネル100の表面積より小さい。この表面積の違いによって、第1パネル100には、第2パネル200に対していずれの相対位置にあっても露出する領域が生じる。このいずれの相対位置にあっても露出する領域には、操作キー群10が配置される。第1パネル100には、第1パネル100と第2パネル200とが重なっていないときに露出する領域に配置された操作キー群30が配置される。特に、この操作キー群30は、数字を入力するためのキー群であるテンキーを含む。
【0076】
また、第2パネル200には、第1パネル100に対していずれの相対位置にあっても露出する領域に操作キー群20が配置される。
【0077】
また、表示面を提供する表示装置50は、画像形成装置MFPに固定されているパネル(図9の場合には、第1パネル100)とは異なるパネルに装着されることになる。このように、移動するパネルに相対的に重量の軽い表示装置50を配置することで、強度設計上有利となる。
【0078】
[f5:操作パネル装置のスライド形態(その5)]
上述の図6〜図9においては、スライドによってテンキーを含む操作キー群30が紙面右側に突出する形態を示すが、この操作キー群30が突出する方向は紙面左側であってもよい。なお、図6〜図9に示すスライド形態に応じて、移動側のパネルの移動方向は、操作キー群30が露出する側と同じ側にスライドさせるもの(図8および図9)と、操作キー群30が露出する側とは反対の側にスライドさせるもの(図6および図7)とが存在する。
【0079】
図10は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のスライド形態(その5)を示す模式図である。図10(A)〜図10(C)は、操作パネル装置1を底面側から見た模式図を示す。
【0080】
図10(A)および図10(B)には、一例として、図6に示す操作パネル装置1の「閉じた状態」および「開いた状態」をそれぞれ模式的に示す。これらの例では、第2パネル200が紙面左側にスライドすることで、第1パネル100の紙面右側の領域に配置されたテンキーを含む操作キー群30が露出して、ユーザによる操作が可能となる。
【0081】
これに対して、図10(C)には、第1パネル100の紙面左側の領域にテンキーを含む操作キー群30が配置されており、第2パネル200が紙面右側にスライドすることで、ユーザによる操作が可能となる。
【0082】
一般的には、右利きのユーザから見れば、テンキーを含む操作キー群30が向かって右側に露出されることが操作性を向上させる観点からは好ましいが、左利きのユーザから見れば、テンキーを含む操作キー群30が向かって左側に露出されることが好ましい。そのため、たとえば、ユーザの利き手に応じて、テンキーを含む操作キー群30を任意の側に露出可能に構成することが好ましい。
【0083】
[f6:まとめ]
図6〜図10に示すように、各々が1つ以上のハードキーからなる操作キー群10,20,30は、(1)固定側パネルの常時露出している領域、(2)移動側パネルの常時露出している領域、(3)固定側パネルの開いた状態で露出する領域、(4)移動側パネルの開いた状態で露出する領域に対して、適宜配置することができる。このように、画像形成装置MFPの多機能化に伴って増え続けるハードキーを分散してレイアウトすることができる。これにより、操作パネル装置のパネル面(操作面)が整理され、操作パネル装置がむやみに大型化されることを防止できる。
【0084】
より具体的には、ハードキーからなる操作キー群は、(i)画像形成装置MFPの本体に対して固定された位置に配置されるもの、(ii)表示装置に対して固定された位置に配置されるもの(但し、表示装置を含むパネルが移動する場合には、その移動に伴って移動する)、(iii)テンキーに対して固定された位置に配置されるもの(但し、テンキーを含むパネルが移動する場合には、その移動に伴って移動する)、というように、用途などに応じて適切にレイアウトできる。
【0085】
上述のように、下側(画像形成装置MFP寄り)に位置するパネルに対して、上側(ユーザ寄り)に位置するパネルが移動してはじめて露出される領域(通常は、隠れている領域)に、テンキーなどのハードキーを含む操作キー群を配置することで、ユーザが常には使用しない操作キーを隠しておくことができる。すなわち、比較的使用頻度の低い操作キーを隠しておくことで、操作パネル装置の省スペース化ができる。この場合でも、パネルをスライドさせて、これらの操作キー群を露出させることで、ユーザは操作可能となる。
【0086】
<G.強度を確保するための表示態様>
[g1:概要]
上述したようなスライド形式の操作パネル装置1を採用した場合には、上側のパネルをスライドした状態で、当該上側のパネルをユーザが操作(押下)した場合には、その押下位置によっては、上側のパネルと下側のパネルとを連結する部分に過度の負荷(加重)がかかるおそれがある。たとえば、図6に示す操作パネル装置1では、上側に位置する第2パネル200に表示装置50が装着されるので、この表示装置50の表示面に表示される選択キー(アイコンなどの指示を受付けるための画像)が第1パネル100とは重なっていない部分に表示され、それをユーザが押下すると、第2パネル200に対して第1パネル100側へ加重がかかり、特に、両パネルの連結機構を中心とするモーメント力となって生じる場合には、このような力を考慮して連結機構を設計する必要がある。
【0087】
一方で、ユーザが操作し得る位置を適切に設計することで、過度の加重がかかることを防止し、これに伴って、第2パネル200および第2パネル200と第1パネル100との連結部にそれぞれ生じる負荷を軽減できる。それによって、連結機構の耐強度性を過度に高める必要がなくなり、経済的な設計を行うこともできる。
【0088】
以下、このように、上側に配置されたパネルに対して、ユーザが操作し得る領域を適切に設計することで、破損の可能性を低減するとともに、経済的な設計を実現するための方法について説明する。
【0089】
[g2:表示例]
図11〜図13は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1の表示面における表示内容の一例を示す図である。図11および図12には、図6に示す操作パネル装置1に対応した構造において表示される画面例を示す。
【0090】
図11および図12に示す操作パネル装置1は、画像形成装置MFPに対して固定された第1パネル100の上側に第2パネル200が設けられている。この第2パネル200は、第1パネル100に対してスライド可能になっている。なお、図11には、第2パネル200が紙面左側にスライドする構成を示し、図12には、第2パネル200が紙面右側にスライドする構成を示す。この第2パネル200は、第1パネル100に対して画像形成装置MFPが位置する側とは反対の側(ユーザ寄り)に配置されるとともに、表示装置50が実装されて表示面を提供する。
【0091】
ここで、図11に示すように、第2パネル200が紙面左側にスライドする場合には、表示装置50の表示面において、ユーザの使用頻度の高いタッチキー(アイコン)エリア610は、第2パネル200のスライド方向とは反対の側(紙面右側)に表示される。
【0092】
一方、図12に示すように、第2パネル200が紙面右側にスライドする場合には、表示装置50の表示面において、ユーザの使用頻度の高いタッチキー(アイコン)エリア610は、第2パネル200のスライド方向とは反対の側(紙面左側)に表示される。
【0093】
すなわち、タッチキーエリア610は、たとえば、原稿の読み取りモードを設定するためのキー、用紙のサイズ/向きを設定するためのキー、印字倍率を設定するためのキー、印字モードを設定するためのキーなどからなり、これらのキーは、いずれもユーザが通常に操作するものであり、使用頻度が相対的に高いと考えられる。
【0094】
一方、ジョブリストといったユーザがタッチできない/タッチする頻度が相対的に低いと考えられるタッチキー(アイコン)からなるステータスエリア620が、タッチキー(アイコン)エリア610と並んで表示される。このステータスエリア620は、ステータスエリア620の表示される向きと相補の位置に表示される。
【0095】
このステータスエリア620は、たとえば、「Language Selection」キー、「原稿指定」キー、「応用設定」キーといった相対的に使用頻度の低いと考えられるタッチキー(アイコン)などからなる。そして、図11に示すように、第2パネル200が紙面左側にスライドする場合には、表示装置50の表示面において、ユーザの使用頻度の高いタッチキー(アイコン)エリア610が第2パネル200のスライド方向とは反対の側(紙面右側)に表示されるので、ステータスエリア620は、そのスライド方向の側(紙面左側)に表示される。一方、図12に示すように、第2パネル200が紙面右側にスライドする場合には、表示装置50の表示面において、ユーザの使用頻度の高いタッチキー(アイコン)エリア610が第2パネル200のスライド方向とは反対の側(紙面左側)に表示されるので、ステータスエリア620は、そのスライド方向の側(紙面右側)に表示される。
【0096】
このように、本実施の形態に従う操作パネル装置1においては、使用頻度のより高い指示に関連付けられた画像(タッチキー(アイコン)エリア610)が表示される側とは反対側には、画像形成装置のステータスを表示する画面(ステータスエリア620)が表示される。
【0097】
なお、図13(A)に示すように、ステータスエリア620にも、「Language Selection」キー、「原稿指定」キー、「応用設定」キーといった相対的に使用頻度が低いながらも、ユーザ操作を受付けるタッチキー(アイコン)630が含まれる。このような場合には、図13(B)に示すように、これらのタッチキー(アイコン)をタッチキー(アイコン)エリア610に移動させ、ステータスエリア620には、ユーザの操作を受付けるためのタッチキー(アイコン)を割当てないようにする方法を採用してもよい。
【0098】
すなわち、図13(B)に示す例では、ステータスエリア620には、「コピーできます」表示、「部数」表示、「機械状態」表示、「トナー残量残量」表示、「日付/時間」表示、「メモリー残量」表示といった情報を表示するためだけの画面が表示される。このように、ユーザが操作する対象のタッチキー(アイコン)をスライド方向とは反対側に集中的に配置することで、ユーザが表示装置50に対してタッチ操作した場合であっても、そのタッチ位置が第1パネル100と第2パネル200とが重なっている部分となる。そのため、ユーザのタッチ操作によって生じた応力は、第2パネル200から第1パネル100へ直接的に伝達され、第1パネル100の固定先である画像形成装置MFPに伝わる。そのため、第1パネル100と第2パネル200との接合部に過大な過重が生じることを回避できる。
【0099】
さらに、画像形成装置MFPに対する指示を受付けるためのタッチキー(アイコン)別の操作回数に応じて、それぞれの画像の表示位置を変更するようにしてもよい。すなわち、複数のタッチキー(アイコン)を並列的に表示する必要がある場合には、そのタッチ履歴(選択履歴)などを予め取得しておき、そのタッチ頻度(使用頻度)に従って、より使用頻度の高いものほど、スライド方向とは反対側の位置に動的に配置するようにしてもよい。
【0100】
このように、ユーザからの操作回数のより多いタッチキー(アイコン)ほど使用頻度がより高い指示に関連付けられた画像とされる。
【0101】
[g3:まとめ]
上述のように、本実施の形態に従う操作パネル装置1では、画像形成装置MFPに対する指示を受付けるための画像(タッチキー/アイコン)を含む画面を表示する際に、使用頻度のより高い指示に関連付けられた画像ほど、表示面において、第2パネル200をスライドした状態において第1パネル100および第2パネル200の中央側により近い位置に表示される。
【0102】
言い換えれば、画像形成装置MFPに対する指示を受付けるための画像を含む画面を表示する際に、使用頻度のより高い指示に関連付けられた画像(タッチキー/アイコン)ほど、表示面において、第2パネル200のスライド方向とは逆方向の位置に表示される。
【0103】
このように表示装置50におけるタッチキー(アイコン)の表示位置を適正化することで、操作パネル装置1がスライドした状態(開いた状態)において、ユーザが表示装置50に対してタッチ操作を行ったとしても、そのタッチ操作は、下側に位置する第1パネル100に対してなされた操作と実質的に同一となる。その結果、表示装置50を含む第2パネル200をスライドした状態(開いた状態)でも、ユーザ操作に伴うパネルへのストレスを軽減でき、これによって、操作パネル装置1の破損の可能性を低くすることができる。また、パネル間の強度を容易に確保することができ、経済的な設計を実現できる。
【0104】
<H.操作パネル装置におけるテンキーの使用頻度>
複数の機能を搭載した複合機の使用形態としては、ユーザが操作パネル装置を直接操作して紙原稿をコピー(複写)するといった従来の形態から、パソコンなどで作成した電子ドキュメントを印刷するといった形態が主流となりつつある。すなわち、多くのオフィスなどでは、画像形成装置MFPをパソコンの出力先である「プリンタ」として使用する頻度が高くなっている。このように、パソコンからのプリント先としての使用が主流となってきていることに伴って、ユーザが画像形成装置MFPの操作パネル装置1に設けられているテンキーを使用する頻度が低下していると推測される。しかしながら、従来の紙原稿からのコピーという用途も依然として残っているため、テンキーを全く無くすことはできない。また、ユニバーサルデザインの観点からも、テンキーは必要である。
【0105】
そこで、下側(画像形成装置MFP寄り)に位置するパネルに対して、上側(ユーザ寄り)に位置するパネルが移動してはじめて露出される領域(通常は、隠れている領域)に、テンキーを配置することで、従来からのユーザ操作に対処するとともに、操作パネル装置1の省スペース化を実現することができる。
【0106】
図14〜図17は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のテンキーの配置例を示す模式図である。図14には、図6に示す操作パネル装置1に対応したテンキーの配置例を示す。すなわち、図14(A)には、第1パネル100の紙面右側にテンキー30aを含む操作キー群30が配置されている例を示す。この場合、図14(B)に示すように、テンキー30aは、第1パネル100に埋込まれた状態で配置される。
【0107】
図14に示すように、下側(画像形成装置MFP寄り)に位置するパネルにおいて、テンキー30aを縦配列(紙面上下方向に広げて配置)した場合には、図15に示すように、上側(ユーザ寄り)に位置するパネルのスライド方向は、操作パネル装置1の正面に対して左右方向とすることが好ましい。なお、ユニバーサルデザインに従ってテンキー30aの配列順が規定されているので、テンキー30aの存在する位置を容易に特定できる。
【0108】
一方、図16に示すように、下側(画像形成装置MFP寄り)に位置するパネルにおいて、テンキー30aを横配列(紙面左右方向に広げて配置)することもできる。この場合には、図16に示すように、上側に位置するパネルのスライド方向は、操作パネル装置1の正面に対して上下方向とすることが好ましい。このように、下側に位置するパネルにおいて、テンキー30aを横配列した場合には、上側に位置するパネルのスライド量(移動量)をより少なくできる効果がある。
【0109】
図15に示すように、テンキー30aを所定規則で配列した場合などには、音声ガイドキー30bおよび/または割込みキー30dをテンキー30aに近接して配置することが好ましい。すなわち、図17に示すように、第1パネル100に配置される操作キー群30は、数字を入力するためのキー群であるテンキー30aに近接して配置された、音声ガイドキー30bおよび割込みキー30dを含む。
【0110】
このように、通常は、隠れている領域に配置されたテンキー30aの近傍に音声ガイドキー30bおよび/または割込みキー30dを配置することで、ハードキー配列の集中度が高まり、ユーザの操作性が向上する。
【0111】
<I.操作パネル装置におけるテンキーとユーザの利き手>
次に、第1パネル100と第2パネル200とが重なっていないときに露出する領域にテンキー30aが配置される場合に、よりユーザの操作性を高めるために、ユーザの利き手に応じて形態を変化させるようにしてもよい。このような例について、以下説明する。
【0112】
(f1:利き手対応(その1))
図18は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のテンキーを露出させるための構成を示す模式図である。図18に示す操作パネル装置1では、第1パネル100の通常は隠れている領域に、テンキーを含む操作キー群30が配置されている例を示す。なお、テンキーは、縦配列(紙面上下方向に広げて配置)されているものとする。
【0113】
このような構成において、上側に位置する第1パネル100のスライド量(移動量)を利き手に応じて異ならせることが好ましい。すなわち、第1パネル100に配置されたテンキーの表面と第2パネル200の表面との間には、高さの相違(ギャップ)が存在しており、このギャップがテンキーに近いとユーザの手が第2パネル200(の端面など)と干渉して、操作性が低下する。そのため、ユーザの利き手に応じて、テンキーの周辺のマージン(空間)を変更することが好ましい。
【0114】
より具体的には、図18に示すような第2パネル200を紙面左方向にスライドする形態の場合には、右利きユーザに対しては、上側に位置する第2パネル200のスライド量(移動量)をAに設定し、左利きのユーザに対しては、上側に位置する第2パネル200のスライド量(移動量)をB(>A)に設定する。利き手が右のユーザは、紙面右側から手で操作キー群30を操作するので第2パネル200と干渉しない。そのため、操作キー群30が十分に露出されるまでスライドさせれば十分である。これに対して、利き手が左のユーザは、紙面左側から手で操作キー群30を操作するので第2パネル200と干渉し易い。そのため、ユーザが手を動かすスペースを確保できるまで、操作キー群30が十分に露出されるまでスライドさせる必要がある。
【0115】
上述のようなスライド量を変化させる機構としては、予めユーザの利き手を設定しておき、使用するユーザを認証して対応する移動量だけ自動的にスライドするような構成を採用してもよい。あるいは、それぞれの位置で第2パネル200が固定されるように、ラッチ機構などを設けておき、自動的またはユーザによる手動で、自身の利き手に応じた位置までスライドさせるようにしてもよい。
【0116】
なお、第2パネル200が紙面右方向にスライドする形態の場合には、このスライド量の大小関係は、逆になる。
【0117】
上述のように、図18に示す操作パネル装置1は、第1パネル100と第2パネル200とを相対移動可能にする機構は、第2パネル200の操作キー群30が配置される領域の露出量を複数に異ならせるように構成される。このような構成を採用することで、テンキーに対するユーザの操作性を向上できるとともに、ユーザがいずれの利き手であっても対応できる。
【0118】
(f2:利き手対応(その2))
次に、上述の図10を用いて説明したように、ユーザの利き手に応じたそれぞれ異なる領域が露出されるように構成された操作パネル装置1について説明する。
【0119】
図19は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のテンキーを露出させるための構成を示す模式図である。図19を参照して、操作パネル装置1は、下側(画像形成装置MFP寄り)に位置する第1パネル100の紙面左側および紙面右側のそれぞれにテンキーを含む操作キー群30が配置される構成を示す。図19(A)には、第2パネル200が紙面右側にスライドすることで、第1パネル100の紙面左側に配置された操作キー群30が露出する状態を示す。また、図19(A)には、第2パネル200が紙面右側にスライドすることで、第1パネル100の紙面左側に配置された操作キー群30が露出する状態を示す。
【0120】
このように、ユーザは、自身の利き手に応じて、第2パネル200のスライド方向を任意に選択することができる。すなわち、利き手が左であるユーザは、図19(A)のように第2パネル200をスライドさせて、より利き手に近い左側の操作キー群30を露出させ、利き手が右であるユーザは、図19(B)のように第2パネル200をスライドさせて、より利き手に近い右側の操作キー群30を露出させる。
【0121】
上述のように、図19に示す操作パネル装置1では、第1パネル100と第2パネル200とは、紙面右向きおよび紙面左向きのいずれにも相対移動可能であり、第2パネル200は、紙面右向きに相対移動したときに露出する領域(紙面左側)に配置された操作キー群30と、紙面左向きに相対移動したときに露出する領域(紙面右側)に配置された操作キー群30とを含む。
【0122】
このような構成を採用することで、テンキーに対するユーザの操作性を向上できるとともに、ユーザがいずれの利き手であっても対応できる。
【0123】
(f3:利き手対応(その3))
次に、上側(ユーザ寄り)に位置する第2パネル200をユーザの利き手に応じた向きにスライドさせて、下側(画像形成装置MFP寄り)に配置されたテンキーを含む共通の操作キー群を露出させる構成について説明する。
【0124】
図20は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のテンキーを露出させるための構成を示す模式図である。図20(A)〜図20(C)については、操作パネル装置1の底面側から見た断面図を示す。
【0125】
図20(A)を参照して、操作パネル装置1は、テンキーを含む操作キー群30が中央部に配置された第1パネル100が下側(画像形成装置MFP寄り)に存在し、第1パネル100に対して第2パネル200を紙面左向きおよび紙面右向きのいずれにもスライド可能となっている。右利きのユーザは、図20(B)に示すように、第2パネル200を紙面左側にスライドさせることで、手が第2パネル200と干渉しない状態で、操作キー群30を操作できる。一方、左利きのユーザは、図20(C)に示すように、第2パネル200を紙面右側にスライドさせることで、手が第2パネル200と干渉しない状態で、操作キー群30を操作できる。
【0126】
上述のように、図20に示す操作パネル装置1では、第1パネル100と第2パネル200とは、紙面左向きおよび紙面右向きのいずれにも相対移動可能に構成される。第1パネル100は、紙面左向きに相対移動したときに露出し、かつ、紙面右向きに相対移動したときにも露出する領域に配置された操作キー群30を含む。
【0127】
このような構成を採用することで、テンキーに対するユーザの操作性を向上できるとともに、ユーザがいずれの利き手であっても対応できる。
【0128】
<J.操作パネル装置におけるキーボードキー>
次に、文字を入力するためのキー群であるキーボードキーを搭載した操作パネル装置について説明する。このようなキーボードキーは、典型的には、ひらがな、カタカナ、アルファベットなどの操作を受付ける。たとえば、画像形成装置MFPにブラウザ機能が搭載されており、アクセス先のURL(Uniform Resource Locator)などをユーザが入力するといった操作に使用される。
【0129】
図21および図22は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のキーボードキーの配置例を示す模式図である。図21には、図6に示す操作パネル装置1に対応したキーボードキーの配置例を示す。すなわち、図21(A)には、第1パネル100の紙面下側にキーボードキー30eが配置されている例を示す。この場合、図21(B)に示すように、キーボードキー30eは、第1パネル100に埋込まれた状態で配置される。
【0130】
図22に示すように、下側(画像形成装置MFP寄り)に位置するパネルにおいて、キーボードキー30eを横長配列(紙面左右方向に広げて配置)した場合には、図22に示すように、上側(ユーザ寄り)に位置するパネルのスライド方向は、操作パネル装置1の正面に対して上下方向とすることが好ましい。
【0131】
なお、キーボードキー30eは、テンキー30aに比較してより多くのキーで構成されるため、キーボードキー30eは横長配列とすることが好ましい。
【0132】
このように、下側に位置するパネルの通常は隠れている領域にキーボードキー30eを配列することで、従来は、操作面とは別にキーボードキーの収納スペースが必要であったが、キーボードキー30eを一体化することにより、全体的な省スペース化を図ることができる。
【0133】
<K.操作パネル装置におけるテンキーとキーボードキーとの共配置>
次に、数字を入力するためのキー群であるテンキーおよび文字を入力するためのキー群であるキーボードキーを共に搭載した操作パネル装置について説明する。
【0134】
図23〜図25は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のテンキーおよびキーボードキーの配置例を示す模式図である。図23には、図6に示す操作パネル装置1に対応したテンキーおよびキーボードキーの配置例を示す。すなわち、図23(A)には、第1パネル100の紙面右側にテンキー30aが配置されるとともに、紙面下側にキーボードキー30eが配置されている例を示す。図23(B)に示すように、これらのテンキー30aおよびキーボードキー30eを覆うように第1パネル100が設けられる。
【0135】
図23に示す例では、テンキー30aは縦配列(紙面上下方向に広げて配置)され、キーボードキー30eは横長配列(紙面左右方向に広げて配置)される。図24(A)〜図24(D)に示すように、テンキー30aおよびキーボードキー30eのうち使用すべきキーに応じて、上側(ユーザ寄り)に位置するパネルを必要な方向にスライドさせる。すなわち、図23に示すようなレイアウトを採用した場合、上側(ユーザ寄り)に位置するパネルのスライド方向は、操作パネル装置1の正面に対して左右方向および上下方向の両方とすることが好ましい。
【0136】
より具体的には、図24(A)に示すように、テンキー30aおよびキーボードキー30eのいずれも使用しない場合には、第2パネル200は、テンキー30aおよびキーボードキー30eを覆うデフォルト位置に存在する。続いて、テンキー30aを操作しようとするユーザは、図24(B)に示すように、第2パネル200を紙面左側にスライドさせて、テンキー30aを露出させる。また、キーボードキー30eを操作しようとするユーザは、図24(C)に示すように、第2パネル200を紙面上側にスライドさせて、キーボードキー30eを露出させる。テンキー30aおよびキーボードキー30eの両方を操作しようとするユーザは、図24(D)に示すように、第2パネル200を紙面左上側にスライドさせて、テンキー30aおよびキーボードキー30eを露出させる。
【0137】
このように、下側に位置するパネルの通常は隠れている領域にテンキー30aおよびキーボードキー30eを配列することで、従来は、操作面とは別にキーボードキーの収納スペースが必要であったが、キーボードキー30eを一体化することにより、全体的な省スペース化を図ることができる。
【0138】
また、操作すべきキーに応じて、上側に位置するパネルをスライドする方向を任意に選択できるので、テンキー30aおよびキーボードキー30eの操作性を向上させることができる。
【0139】
<L.パネルの相対移動に係る構成>
次に、操作パネル装置1を構成するパネル間の相対移動を実現するための構成について説明する。
【0140】
[l1:一方向へのスライド動作]
図26は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のパネルの相対移動を実現するための構成例を示す模式図である。図26には、図6に示す操作パネル装置1に対応したスライド機構の例を示す。図26を参照して、下側(画像形成装置MFP寄り)に位置する第1パネル100の第2パネル200と対向する面には、第2パネル200をスライドさせるためのレール111および112がスライド方向に沿って配置される。第2パネル200は、このレール111および112と紙面左右方向に移動可能な状態で係合する。
【0141】
図27〜図29は、図26に示すパネルの相対移動を実現するためのスライド機構110を示す図である。図27(A)を参照して、スライド機構110は、上側可動片121と下側可動片122とを含む。図27(B)に示すように、上側可動片121と下側可動片122とは、紙面上下方向に設けられているレール111および112に沿って相対移動する。このレール111および112は、スライド方向以外への上側可動片121の移動、すなわち、図27(B)における紙面左右方向および紙面上下方向への移動を規制する一方で、スライド方向への上側可動片121と下側可動片122との相対移動を滑らかに行う。
【0142】
上側可動片121と下側可動片122との間は、駆動機構によってその間の相対距離を可変にできるように構成されている。この駆動機構の一例として、図27〜図29には、いわゆるラック&ピニオンの構成を採用する。より具体的には、下側可動片122と機械的に連結された直線状のラック140がモータ82によって回転駆動されるピニオン142と噛み合っている。そのため、モータ82が回転することでピニオン142も回転し、ピニオン142とラック140との間の相対的な位置関係を変化させる。このとき、モータ82(および、ピニオン142)は、上側可動片121に対して固定された位置にあるとする。
【0143】
図27は、操作パネル装置1が閉じた状態に対応するスライド機構110の状態を示し、図29は、操作パネル装置1が開いた状態に対応するスライド機構110の状態を示す。また、図28には、操作パネル装置1が閉じた状態から開いた状態への遷移中の状態を示す。このスライド動作中において、上側可動片121と下側可動片122との間の距離が変化するに伴って、ピニオン142が接触するラック140の位置が変化する。すなわち、図27に示すように、操作パネル装置1が開いた状態では、ラック140が最も紙面右側に位置した状態になっており、図29に示すように、操作パネル装置1が開いた状態では、ラック140が最も紙面左側に位置した状態になっている。
【0144】
上側可動片121は第2パネル200と機械的に結合され、下側可動片122は第1パネル100と機械的に結合される。図27〜図29に示すような機構動作によって、操作パネル装置1におけるパネル間のスライド動作を実現できる。
【0145】
図26〜図29については、紙面左右方向にスライドする構成について例示したが、紙面上下方向にスライドする構成についても同様に構成することができる。
【0146】
図30は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のパネルの相対移動を実現するための別の構成例を示す模式図である。図30を示すように、紙面上下方向にスライドさせる場合には、第2パネル200をスライドさせるためのレール113および114を紙面上下方向に沿って配置する。これによって、上述したようなスライド機構110を用いて、スライド動作を実現できる。
【0147】
[l2:複数方向へのスライド動作]
図26〜図30においては、一方向のスライド動作について説明したが、上述のようなスライド機構を利用することで、複数方向へのスライド動作を実現できる。
【0148】
図31は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のパネルの複数方向への相対移動を実現するための構成例を示す模式図である。図31(A)には、図6に示す操作パネル装置1に対応して第1パネル100および第2パネル200を紙面左右方向および紙面上下方向にそれぞれ独立してスライドさせる場合の例を示す。すなわち、図23に示すように異なる複数の領域にそれぞれ操作キー群は配置されている場合には、(1)紙面左側へのスライド動作の後、紙面上側へのスライド動作、(2)紙面上側へのスライド動作の後、紙面左側へのスライド動作、および、(3)紙面左上側へのスライド動作、といった操作が行われる。
【0149】
このようなスライド操作を実現する典型例としては、図31(B)に示すように、第1パネル100と第2パネル200との間に、第2パネル200を紙面左右方向にスライドさせるためのレール111および112と、第2パネル200を紙面上下方向にスライドさせるためのレール113および114とが異なる層に設けられる。より具体的には、図27〜図29に示すようなスライド機構110を2個用いて実現することができる。
【0150】
このような複数のスライド機構110を用いることで、複数方向へのスライド動作を実現する。図32は、図31(A)に示すスライド動作(1)〜(3)に対応したスライド操作をより具体的に示す模式図である。
【0151】
図32(A)には、第2パネル200が上側(ユーザ寄り)に配置され、第1パネル100が下側(画像形成装置MFP寄り)に配置されているとする。この例では、まず、第2パネル200が紙面左側にスライドされ、続いて、第2パネル200が紙面上側にスライドされる。
【0152】
図32(B)には、第2パネル200が上側(ユーザ寄り)に配置され、第1パネル100が下側(画像形成装置MFP寄り)に配置されているとする。この例では、まず、第2パネル200が紙面上側にスライドされ、続いて、第2パネル200が紙面左側にスライドされる。
【0153】
図32(C)には、第2パネル200が上側(ユーザ寄り)に配置され、第1パネル100が下側(画像形成装置MFP寄り)に配置されているとする。この例では、第2パネル200が所定量だけ紙面左上側にスライドされる。
【0154】
このようなスライド操作によって、異なる複数の領域に操作キー群が配置されている場合であっても、ユーザは必要な操作キー群のみを選択的に露出させて使用することができる。
【0155】
<M.パネルおよび操作キー群がいずれも相対移動する構成>
上述の説明においては、テンキーを含む操作キー群は、いずれかのパネルに固定されている形態について例示した。これに加えて、操作キー群を独立してスライド動作可能に構成してもよい。
【0156】
図33は、パネルおよび操作キー群がいずれも相対移動可能な構成を示す模式図である。図33(A)〜図33(C)は、操作パネル装置1を底面側から見た模式図を示す。
【0157】
図33(A)に示すように、操作パネル装置1の第1パネル100には、テンキーを含む操作キー群30が中央部に配置される。そして、操作キー群30は、紙面左右方向にスライド可能に構成される。そして、第2パネル200および操作キー群30がそれぞれ、ユーザの利き手に応じて相対移動する。
【0158】
より具体的には、図33(B)に示すように、利き手が右のユーザは、第2パネル200を紙面左側へスライドするとともに、第1パネル100に内接配置された操作キー群30を紙面右側へスライドする。これにより、操作パネル装置1の紙面右側の領域に操作キー群30が露出し、右利きのユーザには操作性が良くなる。一方、図33(C)に示すように、利き手が左のユーザが使用する場合には、第2パネル200を紙面右側へスライドされるとともに、第1パネル100に内接配置された操作キー群30が紙面左側へスライドする。これにより、操作パネル装置1の紙面左側の領域に操作キー群30が露出し、左利きのユーザには操作性が良くなる。
【0159】
なお、操作キー群30のスライド動作と、第2パネル200のスライド動作とを連係させてもよい。この場合には、ユーザが第2パネル200をスライド操作することで、それに連動して操作キー群30が適切な位置に移動することになる。このように、第2パネル200をスライドさせることで、第1パネル100の通常は隠れている領域に位置されていた操作キー群30が第2パネル200の連動して反対方向に移動して露出する。
【0160】
すなわち、図33に示す操作パネル装置1においては、第1パネル100は、操作キー群30が配置された可動部を含み。そして、第1パネル100と第2パネル200とが紙面右向きに相対移動することに応答して、操作キー群30が配置された可動部は、第1パネル100において紙面右向きとは反対向きに相対移動する。また、第1パネル100と第2パネル200とが紙面左向きに相対移動した場合にも、操作キー群30が配置された可動部は反対向きに相対移動する。
【0161】
このような構成を採用することで、テンキーに対するユーザの操作性を向上できるとともに、ユーザがいずれの利き手であっても対応できる。
【0162】
<N.操作パネル装置の構造上の工夫>
以下、操作パネル装置1の構造上の工夫について説明する。
【0163】
[n1:上側パネルの稜線部の構造]
本実施の形態に従う操作パネル装置1においては、一方のパネルをスライドさせることで、他方のパネルの表面に形成されたテンキーなどを含む操作キー群を露出させる。この際、露出面と近接する上側のパネルの稜線部については、ユーザの視認性および操作性を高める観点から、サイドを滑らかな形状にすることが好ましい。
【0164】
図34は、本実施の形態に従う操作パネル装置1を構成する上側のパネルの形状を示す模式図である。なお、図34は、操作パネル装置1を底面側から見た模式図を示す。
【0165】
図34に示すように、第1パネル100と第2パネル200とが重なっていないときに露出する領域に操作キー群30が配置されており、この操作キー群30に隣接する、第2パネル200の稜線部210(操作キー群30のサイド)が滑らかな形状に加工されている。より具体的には、稜線部210を傾斜させたり、あるいは、所定の曲率で面取りしたりする。すなわち、図34に示す操作パネル装置1では、第1パネル100と第2パネル200とが相対移動することで露出する領域に対応する、第2パネル200稜線部210は、非直角の形状に構成される。このように、上側のパネルの操作キー群30に隣接した第2パネルの稜線部を滑らかな形状に構成することで、操作キー群30に対する視認性および操作性を向上させることができる。
【0166】
[n2:ユーザからの押圧耐性を高める構造]
上述したように、上側(ユーザ寄り)に位置するパネルに対しても操作キー群(複数のハードキー)が配置されるので、ユーザがこれらのキーを操作(押下)した場合に発生する応力に抗する構造を採用することが好ましい。
【0167】
図35は、ユーザからの押圧耐性を高めるための構造例を示す模式図である。図35には、図6に示す操作パネル装置1と同様に、上側(ユーザ寄り)に第2パネル200が配置され、下側(画像形成装置MFP寄り)に第1パネル100が配置されている構成例を示す。上側に配置された第2パネル200には表示装置50が配置されており、さらに、表示装置50に隣接して1つ以上のキーからなる操作キー群20が配置される。また、第2パネル200は、紙面左側にスライドするように構成される。
【0168】
このように、上側に位置する第2パネル200において、第2パネル200の移動方向(図35の例では、紙面左側)と同じ側に表示装置50(タッチパネル)を配置し、第2パネル200の移動方向とは反対側に操作キー群20を配置する。このように構成することで、第2パネルが紙面左側に移動して突出した状態(開いた状態)においても、操作キー群20が配置された領域は、第1パネル100と重なっている状態を維持するので、ユーザが操作キー群を押下することで生じる過度な荷重にも耐えることができる。
【0169】
すなわち、図35に示す操作パネル装置1においては、上側に位置する第2パネル200において、第2パネル200移動向きと同じ側に表示装置50が配置されるとともに、当該移動向きとは反対側に操作キー群20が配置される。このような構成を採用することで、操作パネル装置1の強度を確保できる。
【0170】
[n3:パネル間の連結力を強化する構造]
次に、2つのパネル間の連結力を強化する構成について例示する。
【0171】
図36は、2つのパネル間の連結力を強化するための構造例を示す模式図である。図36には、図6に示す操作パネル装置1と同様に、上側(ユーザ寄り)に第2パネル200が配置され、下側(画像形成装置MFP寄り)に第1パネル100が配置されている構成例を示す。
【0172】
より具体的には、図36に示す操作パネル装置1は、下側に位置する第1パネル100がL字状の断面形状を有する。このように下側のパネルの断面形状をL字にすることで、上側に位置する第2パネル200を保持する耐力の一部を担わせることができる。
【0173】
より具体的には、図36(A)に示すように、上側に位置する第2パネル200の投影面積を下側に位置する第1パネル100の投影面積に比較して小さく設計しておく。さらに、図36(B)に示すように、下側に位置する第1パネル100と上側に位置する第2パネル200とが重ならない下部形状を第2パネル200の表面と同じ高さまで突出させた、断面L字状の形状を採用する。このとき、第2パネル200の表面は、第1パネル100の表面より高くならないように構成する。
【0174】
すなわち、図35に示す操作パネル装置1においては、第1パネル100は、画像形成装置MFPの側に配置されており、第2パネル200は、第1パネル100に対して画像形成装置MFPが位置する側とは反対の側に配置されている。第2パネル200の表示面と平行な面に対する投影面積は、第1パネル100の投影面積より小さい。そして、第1パネル100のいずれの相対位置にあっても露出する領域の、表示面に対して垂直線上にある位置は、第2パネル200の露出面の位置と実質的に一致している。
【0175】
このような構成を採用することで、上側に位置する第2パネル200を保持する耐力の一部を下側に位置する第1パネル100に担わせることができる。その結果、図36(C)に示すように、第1パネル100および第2パネル200とをほぼ同様の断面形状を有するように構成した場合に比較して、パネル間の連結力を高めることができる。さらに、万が一、第2パネル200のスライドに伴って、第1パネル100との間の連結が外れた場合であっても、第2パネル200をその位置に保持することができる。
【0176】
<O.パネル間の固定構造>
本実施の形態に従う操作パネル装置1では、2つのパネルが自動的に相対移動されることで、通常は隠れている領域に配置されている操作キー群を露出させる。上述した図27〜図29に示すスライド機構110においては、所定の機構によって付勢される場合もある。
【0177】
一方で、ユーザの使用形態によっては、開いた状態を維持したいというニーズも存在する。このような場合には、パネル間の相対的な位置関係を固定するための固定構造を採用することが好ましい。
【0178】
すなわち、上側に位置するパネルが下側に位置するパネルから突出した状態で固定する機能を提供する。このような機能を用いることで、通常は隠れる位置に配置される操作キー群をユーザに対して常時露出しておきたいというニーズに対応することができる。また、通常は隠れる位置に配置される操作キー群を固定しておくことで、ユーザによる操作時に安定度の向上させ、あるいは、パネルの破損などの可能性を低減できる。
【0179】
そこで、以下では、このようなパネル間を固定する構造について説明する。
[o1:ネジ止め構造]
図37は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1におけるパネル間の固定構造を示す模式図(その1)である。図37には、図6に示す操作パネル装置1と同様に、上側(ユーザ寄り)に第2パネル200が配置され、下側(画像形成装置MFP寄り)に第1パネル100が配置されている構成例を示す。
【0180】
図37(A)に示す構成例では、第1パネル100の一部に表示面と垂直な方向に貫通する貫通孔120を設けるとともに、第2パネル200に第1パネル100が位置する側に開口した係合孔220を設ける。図37(B)に示すように、第1パネル100の貫通孔120は、第2パネル200の係合孔220とは、操作パネル装置1が開いた状態にある場合に、表示面と垂直な方向に整列されるように形成されている。すなわち、図37(B)に示すように、第1パネル100の画像形成装置MFP側の裏面からネジ410を、貫通孔120および係合孔220に貫通させることで、第1パネル100と第2パネル200との間の相対関係を位置決めする。
【0181】
このように、図37に示す構成例では、パネル間の固定方法は、下側に位置する第1パネル100の裏側からのネジ止め機構が採用される。なお、このようなパネル間の固定は、解除が容易なロック形状となる。
【0182】
すなわち、図37に示す操作パネル装置1は、第1パネル100と第2パネル200とが重なっていない状態を固定するための固定機構を含む。この固定機構は、表示面が存在する側とは反対の側から第1パネル100および第2パネル200を貫通するストッパであるネジ410である。
【0183】
[o2:爪状のロック構造]
図38は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1におけるパネル間の固定構造を示す模式図(その2)である。図38には、図4に示す操作パネル装置1と同様に、上側(ユーザ寄り)に第2パネル200が配置され、下側(画像形成装置MFP寄り)に第1パネル100が配置されている構成例を示す。
【0184】
図38に示す構成例では、図37に示す構成例において、ネジ410に代えて、貫通バー422および貫通バー422を付勢するばね420が設けられている。そのため、図38(B)に示すように、操作パネル装置1が開いた状態にある場合には、第1パネル100の貫通孔120は、第2パネル200の係合孔220とは表示面と垂直な方向に整列され、この整列によって生じた貫通孔にばね420により付勢された貫通バー422が貫通する。これにより、第1パネル100と第2パネル200との間の相対関係を位置決めする。なお、第1パネル100と第2パネル200との間の相対関係を変更する場合には、ユーザがばね420の付勢力を解除する。
【0185】
このように、図38に示す構成例では、パネル間の固定方法は、下側に位置する第1パネル100の裏側からの爪形状によるロック機構が採用される。なお、このようなパネル間の固定は、解除が容易なロック形状となる。
【0186】
すなわち、図38に示す操作パネル装置1は、第1パネル100と第2パネル200とが重なっていない状態を固定するための固定機構を含む。この固定機構は、表示面が存在する側とは反対の側から第1パネル100および第2パネル200を貫通する棒状のストッパである貫通バー422である。さらに、棒状のストッパ(貫通バー422)を付勢するばね420がさらに設けられている。
【0187】
[o3:別部品によるロック構造]
図39は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1におけるパネル間の固定構造を示す模式図(その3)である。
【0188】
図39に示す構成例では、図37に示す構成例において、ネジ410に代えて、操作パネル装置1用にカスタマイズされた固定部品440が装着される。この固定部品440は、変形T字形状の部材であり、図39(B)に示すように、操作パネル装置1が開いた状態にある場合には、第1パネル100の貫通孔120は、第2パネル200の係合孔220とは表示面と垂直な方向に整列され、この整列によって生じた貫通孔に固定部品440の一部が貫通する。これにより、第1パネル100と第2パネル200との間の相対関係を位置決めする。
【0189】
また、第1パネル100には、係合孔130が設けられている。係合孔220は、固定部品440を操作パネル装置1の裏面から装着するための孔である。すなわち、固定部品440は、固定部品440に設けられた貫通孔と第1パネル100の裏面に設けられた係合孔130とを貫通するネジ450によって、裏面側から操作パネル装置1に固定される。
【0190】
このように、図39に示す構成例では、パネル間の固定方法は、下側に位置する第1パネル100の裏側からの別部品によるロック機構が採用される。なお、このようなパネル間の固定は、解除が容易なロック形状となる。
【0191】
すなわち、図39に示す操作パネル装置1は、第1パネル100と第2パネル200とが重なっていない状態を固定するための固定機構を含む。この固定機構は、表示面が存在する側とは反対の側から第1パネル100および第2パネル200を貫通するストッパである固定部品440である。
【0192】
<P.操作パネル装置と排紙方向との関係>
本実施の形態に従う操作パネル装置1は、画像形成装置MFPに装着されるので、ユーザによる画像形成装置MFPの操作との関係で、より適切な配置位置およびスライド方向を設計することが好ましい。以下では、画像形成装置MFPから排出される用紙の排紙方向との関係で、より好ましい操作パネル装置1の位置およびスライド方向について説明する。
【0193】
[p1:取り付け位置]
図40は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のある好ましい取り付け位置を説明するための図である。図40にでは、操作パネル装置1は、画像形成装置MFPの排紙方向とは反対側に取り付けられている例を示す。このとき、操作パネル装置1は、画像形成装置MFPの本体側面から突出しない位置に取り付けることが好ましい。すなわち、操作パネル装置1の側面(図40の例では、紙面右側側面)の位置が、画像形成装置MFPの対応する側面(図40の例では、紙面右側側面)の位置と同一、または、内側に存在するように、操作パネル装置1を取り付ける。
【0194】
すなわち、操作パネル装置1は、画像形成装置MFPの排紙向きと反対側で、かつ、画像形成装置MFPの側面から突出しない位置に配置される。このような取り付け位置を採用することで、操作パネル装置1の存在で用紙が排紙されるトレーに対するユーザの視認性が阻害される可能性を低減できる。
【0195】
[p2:スライド方向(その1)]
図41は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のある好ましいスライド方向を説明するための図である。図41(a)に示す操作パネル装置1では、移動する側のパネルのスライド方向は、画像形成装置MFPにおける排紙方向と同じ方向に設計されている。すなわち、操作パネル装置1において、露出する領域を生じるために第1パネル100または第2パネル200を移動させる向きは、画像形成装置MFPの排紙向きと同じ向きである。
【0196】
このようなスライドの向きを設定することで、画像形成装置MFPにおける排紙方向と同一方向にパネルが変移することで、画像形成装置MFP本体からパネルが突出することによる、ユーザの接触や操作パネルの破損の可能性を低減できる。
【0197】
[p3:スライド方向(その2)]
一方、図41(b)に示す操作パネル装置1では、移動する側のパネルのスライド方向は、画像形成装置MFPにおける排紙方向とは反対方向に設計されている。すなわち、操作パネル装置1において、露出する領域を生じるために第1パネル100または第2パネル200を移動させる向きは、画像形成装置MFPの排紙向きとは反対の向きである。
【0198】
このようなスライドの向きを設定することで、操作パネル装置1の移動するパネルが排紙方向とは反対側に移動することで、操作パネル装置1の存在で用紙が排紙されるトレーに対するユーザの視認性が阻害される可能性を低減できる。
【0199】
<Q.ポップアップ構造>
上述の図8に示す操作パネル装置1のように、表示装置50(タッチパネル)を含む2パネルが画像形成装置MFPに固定されている場合には、以下のようなポップアップ構造を採用することもできる。このポップアップ構造について、図42を参照して説明する。
【0200】
図42は、本発明の実施の形態に従うポップアップ構造を採用した操作パネル装置1を示す模式図である。図8および図42を参照して、操作キー群20は、第1パネル100に設けられており、この第1パネル100が画像形成装置MFPに固定された第2パネル200に対して相対移動することになる。ここで、第2パネル200を上部筐体200−1および下部筐体200−2で構成し、下部筐体200−2を画像形成装置MFPに固定する。この上部筐体200−1と下部筐体200−2とをその断面が略C字形状となるように構成する。すなわち、上部筐体200−1と下部筐体200−2との間には、第1パネル100が挿入可能なスペースが形成される。このスペースに第1パネル100を外側に付勢する機構を含めて配置することで、ユーザが所定の操作を行うと、図42(B)のように、第2パネル200(上部筐体200−1および下部筐体200−2)から第1パネル100が飛び出す(ポップアップする)ように相対移動される。
【0201】
すなわち、図42に示す操作パネル装置1は、表示面を提供する表示装置50を有しており、この表示装置50は、画像形成装置MFPに固定されている第2パネル200に装着される。一方、画像形成装置MFPに固定されている第2パネル200とは異なる第1パネル100には、数字を入力するためのキー群であるテンキーが配置される。そして、ユーザがテンキーを使用する場合には、第2パネル200がポップアップする。
【0202】
このように、比較的使用頻度の低い操作キーを隠しておくことで、操作パネル装置の省スペース化ができる。この場合でも、パネルをスライドさせて、これらの操作キー群を露出させることで、ユーザは操作可能となる。
【0203】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0204】
1 操作パネル装置、2 スキャナ、4 フィーダ、6 プリントエンジン、8 トレー、9 給紙部、10,20,30 操作キー群、10a 省エネボタン、10b スタートボタン、10c ストップボタン、10d リセットボタン、10e カスタマイズボタン、20a メニューボタン、20b 拡大ボタン、20c ガイダンスボタン、20d ボタン、20d アクセスボタン、20e プレビューボタン、20e ボタン、30a テンキー、30b 音声ガイドキー、30c クリアキー、30d 割込みキー、30e キーボードキー、40 表面領域、50 表示装置、100 第1パネル、110 スライド機構、111,112,113, レール、120 貫通孔、121 上側可動片、122 下側可動片、123 コイルバネ、124 段ネジ、130,220 係合孔、200 第2パネル、200−1 上部筐体、200−2 下部筐体、210 稜線部、410,450 ネジ、420 ばね、422 貫通バー、440 固定部品、500 システムコントローラ、520 ネットワークインターフェイス、540 感光体ユニット、550 現像ユニット、560 定着器ユニット、570 搬送機構、MFP 画像形成装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作パネル装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置の操作に用いられる操作パネル装置には、モードの切り替えキー、ワンタッチキー等の各種操作キーが設けられている。近年の多機能化に伴って、配置される操作キーの数量も多くなり、操作パネル装置が大型化する傾向にある。また、操作パネル装置の操作面における操作キーの配置も雑然となってきている。
【0003】
また、読取部と作像部との間に形成される空間部に、記録された用紙の排出機能を有する画像形成装置においては、撮像装置の高機能化により操作キーが多くなり、画像形成装置の前面(ユーザが操作する側)に、大型の操作パネル装置が形成される。この場合には、ユーザから見て、操作パネル装置に視線を遮られ上記空間部に排出される用紙を画像形成装置の上方から確認することができない。また、操作パネル装置自体の視認性の向上も強く要求されている。
【0004】
特許文献1(特開2001−337501号公報)には、ファクシミリ装置等に搭載される操作パネル装置が開示される。この操作パネル装置は、複数のキーを備え、本体に対して固定的に取り付けられる操作パネル装置と、複数のキーを備え、本体にから引き出し可能に取り付けられるワンタッチパネルとを有し、このワンタッチパネルは本体の一側面近傍に開閉可能に配設されている。
【0005】
特許文献2(特開平8−72624号公報)に開示される音響機器は、車載用操作パネルのキー部を使用頻度の高いキー領域部と使用頻度の低いキー領域部とに分離配列し、移動可能な表示部をスライドさせ、左方向に移動させたときに、使用頻度の高いキー領域部が操作可能となり、右方向へ移動させたときに使用頻度の低いキー領域部が操作可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−337501号公報
【特許文献2】特開平8−72624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
操作パネル装置の大型化を回避するために、操作パネル装置を単に小さくするだけでは、ある機能を有する操作キーを削除する必要が生じ、画像形成装置に要求される多機能化を妨げる結果となる。
【0008】
また、画像形成装置においては、操作パネル装置からの指示だけでなく、外部装置であるパソコンからの指示を受けて画像形成装置としての機能を実現させることが多くなってきている。たとえば、画像形成装置においては、パソコンからのプリント出力指示に基づき、記録された用紙を出力する。そのため、使用頻度の少ない操作キーについては、通常は収納しておきたいという要求がある。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明は、画像形成装置の多機能化を維持しながら、操作パネル面をコンパクトに構成するとともに、操作パネル自体の強度を高めた、操作パネル装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のある局面に従えば、画像形成装置に装着された操作パネル装置を提供する。操作パネル装置は、画像形成装置に対して固定された第1のパネルと、第1のパネルに対して画像形成装置が位置する側とは反対の側に配置され、表示面を提供する表示装置を有する第2のパネルと、表示装置を制御する制御手段とを含む。第2のパネルは、表示面と平行な面に沿ってスライド可能に構成されている。第1のパネルは、第1のパネルと第2のパネルとが重なっていないときに露出する領域に配置された複数のキーを含む。制御手段は、画像形成装置に対する指示を受付けるための画像を含む画面を表示する際に、使用頻度のより高い指示に関連付けられた画像ほど、表示面において、第2のパネルをスライドした状態において第1および第2のパネルの中央側により近い位置に表示する。
【0011】
本発明の別の局面に従えば、画像形成装置に装着された操作パネル装置を提供する。操作パネル装置は、画像形成装置に対して固定された第1のパネルと、第1のパネルに対して画像形成装置が位置する側とは反対の側に配置され、表示面を提供する表示装置を有する第2のパネルと、表示装置を制御する制御手段とを含む。第2のパネルは、表示面と平行な面に沿ってスライド可能に構成されている。第1のパネルは、第1のパネルと第2のパネルとが重なっていないときに露出する領域に配置された複数のキーを含む。制御手段は、画像形成装置に対する指示を受付けるための画像を含む画面を表示する際に、使用頻度のより高い指示に関連付けられた画像ほど、表示面において、第2のパネルのスライド方向とは逆方向の位置に表示する。
【0012】
好ましくは、制御手段は、使用頻度のより高い指示に関連付けられた画像が表示される側とは反対側には、画像形成装置のステータスを表示する画面を表示する。
【0013】
好ましくは、制御手段は、ユーザからの操作回数のより多い画像ほど使用頻度がより高い指示に関連付けられた画像とする。
【0014】
さらに好ましくは、制御手段は、画像形成装置に対する指示を受付けるための画像別の操作回数に応じて、それぞれの画像の表示位置を変更する。
【0015】
本発明の別の局面に従えば、上述したような操作パネル装置を含む画像形成装置を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、画像形成装置の多機能化を維持しながら、操作パネル装置をコンパクトに構成するとともに、操作パネル自体の強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置が搭載される画像形成装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に従う画像形成装置MFPの制御構造の示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置の基本構造を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のキーレイアウトの一例を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態に従う画像形成装置の制御構造を示す機能ブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のスライド形態(その1)を示す模式図である。
【図7】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のスライド形態(その2)を示す模式図である。
【図8】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のスライド形態(その3)を示す模式図である。
【図9】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のスライド形態(その4)を示す模式図である。
【図10】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のスライド形態(その5)を示す模式図である。
【図11】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置の表示面における表示内容の一例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置の表示面における表示内容の一例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置の表示面における表示内容の一例を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のテンキーの配置例を示す模式図である。
【図15】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のテンキーの配置例を示す模式図である。
【図16】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のテンキーの配置例を示す模式図である。
【図17】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のテンキーの配置例を示す模式図である。
【図18】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のテンキーを露出させるための構成を示す模式図である。
【図19】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置テンキーを露出させるための構成を示す模式図である。
【図20】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のテンキーを露出させるための構成を示す模式図である。
【図21】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のキーボードキーの配置例を示す模式図である。
【図22】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のキーボードキーの配置例を示す模式図である。
【図23】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のテンキーおよびキーボードキーの配置例を示す模式図である。
【図24】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のテンキーおよびキーボードキーの配置例を示す模式図である。
【図25】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のテンキーおよびキーボードキーの配置例を示す模式図である。
【図26】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のパネルの相対移動を実現するための構成例を示す模式図である。
【図27】図26に示すパネルの相対移動を実現するためのスライド機構を示す図である。
【図28】図26に示すパネルの相対移動を実現するためのスライド機構を示す図である。
【図29】図26に示すパネルの相対移動を実現するためのスライド機構を示す図である。
【図30】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のパネルの相対移動を実現するための別の構成例を示す模式図である。
【図31】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のパネルの複数方向への相対移動を実現するための構成例を示す模式図である。
【図32】図31(A)に示すスライド動作(1)〜(3)に対応したスライド操作をより具体的に示す模式図である。
【図33】パネルおよび操作キー群がいずれも相対移動可能な構成を示す模式図である。
【図34】本実施の形態に従う操作パネル装置を構成する上側のパネルの形状を示す模式図である。
【図35】ユーザからの押圧耐性を高めるための構造例を示す模式図である。
【図36】2つのパネル間の連結力を強化するための構造例を示す模式図である。
【図37】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置におけるパネル間の固定構造を示す模式図(その1)である。
【図38】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置におけるパネル間の固定構造を示す模式図(その2)である。
【図39】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置におけるパネル間の固定構造を示す模式図(その3)である。
【図40】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のある好ましい取り付け位置を説明するための図である。
【図41】本発明の実施の形態に従う操作パネル装置のある好ましいスライド方向を説明するための図である。
【図42】本発明の実施の形態に従うポップアップ構造を採用した操作パネル装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のそれぞれの実施の形態に従う操作パネル装置およびそれを搭載した画像形成装置について、以下、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
【0019】
また、各実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
【0020】
<A.画像形成装置の全体構成>
図1は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置が搭載される画像形成装置の全体構成を示す斜視図である。図1には、画像形成装置の典型例として、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能、ネットワーク機能、BOX機能といった複数の機能が搭載された複合機(MFP:Multi Function Peripheral)について例示する。
【0021】
本実施の形態に従う画像形成装置MFPは、原稿を光学的に読取って画像データを得るスキャナ部2と、画像データに基づいて用紙上に画像を印刷するプリントエンジン6とを含む。画像形成装置MFPの本体上面には、スキャナ部2に原稿を送るフィーダ4が配置され、下部には、プリントエンジン6に用紙を供給する複数の給紙部9が配置される。また、画像形成装置MFPの中央部には、プリントエンジン6によって画像を形成された用紙が排紙されるトレー8を有する。
【0022】
画像形成装置MFPの本体上面の前面側(ユーザが対向する側)には、表示面を有する操作パネル装置1が装着されている。操作パネル装置1は、画像形成装置MFPを操作するための装置である。後述するように、操作パネル装置1は、ユーザからの各種の指示、数字・文字・記号といった入力などの操作を受付けるための複数のキーと、表示装置とを含む。この表示装置としては、入力機能および表示機能が一体化されたタッチパネルが採用されることが好ましい。タッチパネルで構成された表示装置では、ユーザ操作に応答した各種情報および/または各種操作を受付けるためのメニュー画面などをユーザに対して表示するとともに、ユーザによりタッチ操作された位置を取得し、当該取得した位置に応じた入力情報を取得する。
【0023】
<B.画像形成装置の制御構造>
図2は、本発明の実施の形態に従う画像形成装置MFPの制御構造の示すブロック図である。
【0024】
図2を参照して、画像形成装置MFPは、システムコントローラ500と、通信インターフェイス(I/F)518と、ネットワークインターフェイス(I/F)520と、スキャナ部2と、画像処理部524と、プリントエンジン530と、給紙部9とを含む。
【0025】
システムコントローラ500は、画像形成装置MFPの全体処理を制御する統括コントローラである。システムコントローラ500は、主たる構成要素として、CPU512と、RAM514と、ROM516とを含む。
【0026】
CPU512は、ROM516に予め格納されているプログラムを読み出してタイミングをはかりながら各動作を統一的に制御し、たとえば、プリントエンジン530における印字ジョブの開始を通知するといった処理を実行させる。RAM514は、揮発性のメモリーであって、CPU512におけるプログラム実行時のワークエリアとして用いられる。
【0027】
通信インターフェイス58は、本実施の形態に従う操作パネル装置1との間で情報を遣り取りする。すなわち、通信インターフェイス58は、操作パネル装置1からのユーザ操作に応じた内部指令をシステムコントローラ500へ出力し、あるいは、システムコントローラ500からの情報を操作パネル装置1へ出力する。
【0028】
ネットワークインターフェイス520は、ネットワークを通じて図示しないパーソナルコンピュータなどと電気的に接続する。そして、ネットワークインターフェイス520は、パーソナルコンピュータなどから送信された印字ジョブなどを受信するとともに、当該受信した印字ジョブをシステムコントローラ500へ送る。
【0029】
スキャナ部2は、典型的には、原稿をセットするための戴荷台と、原稿台ガラスと、戴荷台にセットされた原稿を原稿台ガラスに自動的に1枚ずつ搬送する搬送部と、読取られた原稿を排出するための排出台とを含む。スキャナ部2は、原稿を照射する露光ランプ、原稿からの反射光の向きを変える反射ミラー、反射ミラーからの光路を変えるミラー、反射光を集光するレンズ、および、受光した反射光に応じて電気信号を発生する3列のCCD(Charge Coupled Device)などの光電変換素子を含むスキャナを含み、このスキャナが原稿台ガラスに置載された原稿から画像情報を読取る。この読取られた画像情報は、バス526を通じて、システムコントローラ500へ送られる。
【0030】
画像処理部524は、ネットワークインターフェイス520を介して受信した印字ジョブ、または、スキャナ部2によって原稿から読取られた画像情報に対して、プリント処理に必要な画像処理を実行する。この画像処理としては、ノイズ除去、色調補正、ディザ処理などが含まれる。この画像処理部24での画像処理の実行の結果得られた画像データがプリントエンジン530へ供給される。
【0031】
プリントエンジン530は、物理的に画像形成処理を実行する主体であり、主要な構成要素として、感光体ユニット540と、現像ユニット550と、定着器ユニット560と、搬送機構570とを含む。
【0032】
感光体ユニット540は、後述するように、その表面にトナー像が形成される像担持体である感光体と、像担持体の表面を帯電させる帯電部とを含む。この感光体を帯電した状態で、再現すべき画像に応じて露光することで、感光体の表面には静電潜像が形成される。そして、静電潜像は、現像ユニット550によりトナー像として現像される。定着器ユニット560は、現像されたトナー像が用紙に転写された後、加熱および加圧することで、用紙にトナー像を定着させる。搬送機構570は、トナー像の形成タイミングに合わせて、給紙部580に装填されている用紙を搬送する。
【0033】
給紙部9は、トナー像が転写される用紙を保持する。典型的には、給紙部9は、用紙サイズ別に画像形成装置MFPに装着されるトレー8、および、当該トレー8から用紙を取り出す搬送ローラなどからなる。
【0034】
<C.操作パネル装置の基本構造>
以下、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1の詳細構造について、図を参照しつつ様々な局面から説明する。
【0035】
まず、本実施の形態に従う操作パネル装置1の基本的な構造について説明する。図3は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1の基本構造を示す斜視図である。
【0036】
図3を参照して、本実施の形態に従う操作パネル装置1は、表示面と平行な面に沿って相対移動可能に構成された第1パネル100および第2パネル200からなる。後述するように、典型的には、第1パネル100および第2パネル200のうち一方が画像形成装置MFPに固定される。そして、画像形成装置MFPに固定されないパネルが固定されるパネルに対して移動(スライド)することで、図3(A)に示すような、第1パネル100および第2パネル200の投影面積が最小となっている状態、および、図3(B)に示すような、第1パネル100および第2パネル200の投影面積がより大きくなっている状態とを切り替えることができる。なお、図3(A)に示す状態を「閉じた状態」とも表現し、図3(B)に示す状態を「開いた状態」とも表現する。
【0037】
特に、本実施の形態に従う操作パネル装置1は、第1パネル100と第2パネル200との相対位置を変化させる駆動機構を有している。この駆動機構によって、ユーザが所定の操作を行うと、操作パネル装置1は開いた状態に遷移し、その後、所定の条件が満たされると、操作パネル装置1は閉じた状態に戻る。これらの開いた状態と閉じた状態との遷移に係る処理については後述する。
【0038】
図1には、第1パネル100および第2パネル200が、第1パネル100および第2パネル200の長手方向に沿ってスライドする構成を例示するが、短手方向に沿ってスライドしてもよい。さらに、複数の軸方向にスライドするように構成してもよい。
【0039】
操作パネル装置1においては、ユーザにより近い側に位置する、すなわち画像形成装置MFPからより離れた位置にあるパネルの表面に、タッチパネルからなる表示装置50が装着される。この表示装置50は、ユーザ操作を受付けるとともに、各種情報などをユーザに提示する。
【0040】
また、操作パネル装置1においては、第1パネル100と第2パネル200とがいずれの相対位置にあっても露出する、第1パネル100および/または第2パネル200の領域に第1群のキーが配置される。さらに、第1パネル100および第2パネル200の一方は、第1パネル100と第2パネル200とが重なっていないとき(すなわち、開いた状態)に露出する領域に第2群のキーが配置される。
【0041】
このように、本実施の形態に従う操作パネル装置1は、重なり合った2つのパネルで構成され、片側のパネルが画像形成装置MFPに固定されており、他方の固定されていないパネルが固定されているパネルより(操作パネル装置1に対面した場合に)突出する状態に移動することで、操作用のキーなどが露出することになる。
【0042】
本実施の形態に従う操作パネル装置1は、閉じた状態であっても操作できる位置に配置されたキーに割り当てる機能と、開いた状態になって初めて操作できる位置に配置されたキーに割り当てる機能とを異ならせることで、画像形成装置MFPの多機能化を維持しながら、操作パネル装置をコンパクトに構成する。より具体的には、第1群のキーは、画像形成装置MFPで実行可能な複数の処理にわたって共通に使用され、一方、第2群のキーは、画像形成装置MFPで実行可能な複数の処理のうち、第1群のキーが使用される処理の数より少ない数の処理に使用される。第1群および第2群のキーの典型例としては、画像形成装置MFPが提供する機能の開始などを指示するために共通に使用されるスタートキーは、第1群のキーに含めることが好ましい。これに対して、数字を入力するためのキー群(テンキー)については、コピー機能やファクシミリ機能といった数値の入力が必要な機能にのみ使用されるため、第2群のキーに含めることが好ましい。
【0043】
図3に示す例では、第1群のキーの典型例として、第1パネル100の表面に操作キー群10が配置されるとともに、第2パネル200の表面に操作キー群20が配置される。これらの操作キー群10および20が配置される領域は、図3(A)の閉じた状態および図3(B)の開いた状態のいずれであっても露出することになる。一方、第1パネル100の表面領域40は、開いた状態においてはじめて露出し、この表面領域40には操作キー群30が配置される。
【0044】
すなわち、図3(A)には、第2パネル200が第1パネル100の操作キー群30を覆う状態(閉じた状態)を示し、この状態では、第1パネル100の表面に配置された操作キー群10を除き、第1パネル100の表面全面が、第2パネル200により覆われることになる。これに対して、図3(B)には、第2パネル200が第1パネル100に対して、図示において左上方向にスライドした状態(開いた状態)を示し、この状態では、第1パネル100の表面に配置された操作キー群10に加えて、表面領域40に配置された操作キー群30が露出することになる。ユーザは、実質的に、操作パネル装置1が開いた状態である場合に限って、操作キー群30を操作できることになる。
【0045】
なお、操作キー群10,20,30は、いずれも少なくとも1つのキー(ハードキー)を含む。
【0046】
<D.操作パネル装置のキーレイアウト>
次に、本実施の形態に従う操作パネル装置1のキーレイアウトについて説明する。図4は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のキーレイアウトの一例を示す模式図である。
【0047】
図4を参照して、操作キー群10は、主として、画像形成装置MFPが提供する複数の機能にわたって共通に使用されるキーを含む。より具体的には、操作キー群10は、省エネ(Power Save)ボタン10aと、スタート(Start)ボタン10bと、ストップ(Stop)ボタン10cと、リセット(Reset)ボタン10dと、複数のカスタマイズ(Customize)ボタン10eとを含む。このように操作キー群10は、ユーザが常に使用するキーであるため、認識し易い場所に設置する必要がある。
【0048】
省エネボタン10aは、画像形成装置MFPをより消費電力の少ない状態へ切り替えるための操作を受付ける。スタートボタン10bは、画像形成装置MFPにおいて先に選択されている機能を開始するための操作を受付ける。ストップボタン10cは、スタートボタン10bの操作に応答して実行されている機能を停止するための操作を受付ける。リセットボタン10dは、先に行われた操作などによって何らかの設定がなされている状態を初期状態に戻すための操作を受付ける。カスタマイズボタン10eは、画像形成装置MFPを使用するユーザなどによって、予め設定された操作または状態への遷移を行うために用いられる。
【0049】
操作キー群20は、主として、画像形成装置MFPが提供する複数の機能を管理するために共通に使用されるキーを含む。より具体的には、操作キー群20は、メニュー(Menu)ボタン20aと、拡大(Enlarge Display)ボタン20bと、ガイダンス(Guidance)ボタン20cと、アクセス(Access)ボタン20dと、プレビュー(Preview)ボタン20eとを含む。このように操作キー群20は、表示装置50(典型的には、タッチパネル)の操作に関係するキーであるため、表示装置と同じパネルに配置する必要がある。
【0050】
メニューボタン20aは、メニュー画面(一例として、図4の表示装置50に表示される内容)を表示ための操作を受付ける。拡大ボタン20bは、表示装置50に表示される内容を拡大して表示するための操作を受付ける。ガイダンスボタン20cは、画像形成装置MFPが提供する機能および/または各種操作に関するガイダンスメニュー(ヘルプメニュー)を表示するための操作を受付ける。アクセスボタン20dは、画像形成装置MFPを使用できるユーザを制限するための操作を受付ける。たとえば、特定のパスワードを知らされているユーザのみが画像形成装置MFPを使用できるように設定されている場合などにおいて、アクセスボタン20dは、当該パスワードの入力状態にするための操作などに用いられる。プレビューボタン20eは、用紙への画像形成処理を行う前に、その仕上がりなどを表示装置50上で確認するための操作を受付ける。
【0051】
操作キー群30は、画像形成装置MFPで実行可能な複数の処理のうち、第1群のキーが使用される処理の数より少ない数の処理に使用される。すなわち、操作キー群30は、画像形成装置MFPが提供する特定の機能についての操作にのみ使用される。そのため、典型的には、操作キー群30の使用頻度は、操作キー群10および20に比較して少ないと想定されている。
【0052】
より具体的には、操作キー群30は、テンキー30aと、音声ガイド(Voice Guide)キー30bと、クリアキー30cと、割込みキー30dとを含む。テンキー30aは、数字を入力するためのキー群であり、典型的には、「0」から「9」までの10個のキーからなる。クリアキー30cは、先に行われたテンキー30aの操作などによって入力されている値をクリアするための操作を受付ける。割込みキー30dは、画像形成装置MFPが何らかのジョブを実行中に別のジョブを優先的に実行するための操作を受付ける。
【0053】
なお、図4に示すキーレイアウトは一例に過ぎず、画像形成装置MFPが提供する機能や対応するユーザインターフェイスなどに応じて、レイアウトについては適宜設計すればよい。
【0054】
<E.制御構造>
図5は、本発明の実施の形態に従う画像形成装置MFPの制御構造を示す機能ブロック図である。
【0055】
図5を参照して、画像形成装置MFPにおいて、操作パネル装置1は、システムコントローラ500と内部バスなどを介して接続されている。システムコントローラ500は、プリントエンジン6を制御する。
【0056】
操作パネル装置1は、主たる構成要素として、制御手段としてのCPU60と、RAM62と、ROM64と、表示装置50と、入力インターフェイス(I/F)66と、出力インターフェイス(I/F)68と、通信インターフェイス(I/F)70とを含む。なお、これらの各部は、バス72を介して互いに通信可能に接続されている。
【0057】
CPU60は、ROM64に予め格納されているプログラムを読み出して実行することで、操作パネル装置1における必要な動作を実行する。たとえば、CPU60は、ユーザ操作などに応答して、表示装置(タッチパネル)50にメニュー画面などの各種画面を表示させ、あるいは、ユーザ操作に従って各種の処理を実行するための内部コマンドを発生する。RAM62は、揮発性のメモリーであって、CPU12におけるプログラム実行時のワークエリアとして用いられる。
【0058】
入力インターフェイス66は、上述したように操作パネル装置1に配置されている操作キー群10,20,30からの入力を受付ける。すなわち、入力インターフェイス66は、操作キー群10,20,30のうちユーザがいずれかのキーを押下すると、その押下されたキーに対応する処理を実行するための内部コマンドを発生する。
【0059】
出力インターフェイス68は、典型的には、CPU60からの内部コマンドに従って、第1パネル100と第2パネル200との相対位置を変化させる駆動機構(ドライバ80およびモータ82)を制御するための指令を出力する。モータ82は、典型的にはステッピングモータといった現在の回転位置/回転角度を検出することが可能な回転機である。ドライバ80は、モータ82を回転させるために必要な電力を供給する。モータ82がステッピングモータである場合には、ドライバ80は、CPU60からの内部コマンドに従って、指定された数の電力パルスをモータ82へ供給する。これにより、モータ82は、指定された角度だけ回転する。このようにモータ82の回転位置/回転角度を制御することで、後述するように、操作パネル装置1を閉じた状態と開いた状態とに切り替えることができる。
【0060】
通信インターフェイス70は、システムコントローラ500と内部的にデータを遣り取りするための処理を仲介する。
【0061】
<F.操作パネル装置のスライド形態>
上述したように、本実施の形態に従う操作パネル装置1は、2つのパネル装置が所定の面に沿って相対移動可能に構成されていればよい。そのため、いずれのパネル装置を固定側(画像形成装置MFPに装着された側)としてもよく、また、スライド方向などについても適宜設計できる。以下では、典型的な4つのスライド形態を説明する。
【0062】
[f1:操作パネル装置のスライド形態(その1)]
図6は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のスライド形態(その1)を示す模式図である。図6に示す操作パネル装置1では、第1パネル100が画像形成装置MFPに装着される。図6(a)は、操作パネル装置1が閉じた状態を示し、図6(b)は、操作パネル装置1が開いた状態を示す。このように、第1パネル100が画像形成装置MFPに固定されており、第2パネル200が紙面左右方向にスライド可能となっている。
【0063】
すなわち、図6に示す操作パネルでは、第1パネル100が画像形成装置MFPに固定されており、第2パネル200は、第1パネル100に対して画像形成装置MFPが位置する側とは反対の側に配置される。そして、第2パネル200の表示面と平行な面に対する投影面積は、第1パネル100の投影面積より小さい。言い換えれば、第2パネル200の表面積は、第1パネル100の表面積より小さい。この表面積の違いによって、第1パネル100には、第2パネル200に対していずれの相対位置にあっても露出する領域が生じる。そして、このいずれの相対位置にあっても露出する領域には、操作キー群10が配置される。さらに、第1パネル100には、第1パネル100と第2パネル200とが重なっていないときに露出する領域に配置された操作キー群30が配置される。特に、この操作キー群30は、数字を入力するためのキー群であるテンキーを含む。
【0064】
また、第2パネル200には、第1パネル100に対していずれの相対位置にあっても露出する領域に操作キー群20が配置される。
【0065】
また、表示面を提供する表示装置50は、画像形成装置MFPに固定されているパネル(図6の場合には、第1パネル100)とは異なるパネルに装着されることになる。このように、移動するパネルに相対的に重量の軽い表示装置50を配置することで、強度設計上有利となる。
【0066】
[f2:操作パネル装置のスライド形態(その2)]
図7は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のスライド形態(その2)を示す模式図である。図7に示す操作パネル装置1では、第1パネル100が画像形成装置MFPに装着される。図7(a)は、操作パネル装置1が閉じた状態を示し、図7(b)は、操作パネル装置1が開いた状態を示す。このように、第1パネル100が画像形成装置MFPに固定されており、第2パネル200が紙面左右方向にスライド可能となっている。
【0067】
すなわち、図7に示す操作パネルでは、第1パネル100が画像形成装置MFPに固定されており、第2パネル200は、第1パネル100に対して画像形成装置MFPが位置する側とは反対の側に配置される。但し、第1パネル100および第2パネル200の表示面と平行な面に対する投影面積は、ほぼ等しい。そのため、図7に示す操作パネル装置1には、操作キー群10が第1パネル100ではなく、第2パネル200に配置される。すなわち、第2パネル200には、第1パネル100に対していずれの相対位置にあっても露出する領域に、操作キー群10および20が配置される。
【0068】
一方、第1パネル100には、第1パネル100と第2パネル200とが重なっていないときに露出する領域に配置された操作キー群30が配置される。特に、この操作キー群30は、数字を入力するためのキー群であるテンキーを含む。
【0069】
図7に示す形態においても、表示面を提供する表示装置50は、画像形成装置MFPに固定されているパネル(図7の場合には、第1パネル100)とは異なるパネルに装着されることになる。
【0070】
[f3:操作パネル装置のスライド形態(その3)]
図8は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のスライド形態(その3)を示す模式図である。図8に示す操作パネル装置1では、第2パネル200が画像形成装置MFPに装着される。図8(a)は、操作パネル装置1が閉じた状態を示し、図8(b)は、操作パネル装置1が開いた状態を示す。このように、第2パネル200が画像形成装置MFPに固定されており、第1パネル100が紙面左右方向にスライド可能となっている。
【0071】
すなわち、図8に示す操作パネルでは、第2パネル200が画像形成装置MFPに固定されており、第1パネル100は、第2パネル200に対してより画像形成装置MFPが位置する側に配置される。但し、第1パネル100および第2パネル200の表示面と平行な面に対する投影面積は、ほぼ等しい。そのため、図8に示す操作パネル装置1には、操作キー群10が第1パネル100ではなく、第2パネル200に配置される。すなわち、第2パネル200には、第1パネル100に対していずれの相対位置にあっても露出する領域に、操作キー群10および20が配置される。
【0072】
一方、第1パネル100には、第1パネル100と第2パネル200とが重なっていないときに露出する領域に配置された操作キー群30が配置される。特に、この操作キー群30は、数字を入力するためのキー群であるテンキーを含む。
【0073】
図8に示す形態においては、表示面を提供する表示装置50は、画像形成装置MFPに固定されているパネル(図8の場合には、第2パネル200)に装着されることになる。
【0074】
[f4:操作パネル装置のスライド形態(その4)]
図9は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のスライド形態(その4)を示す模式図である。図6に示す操作パネル装置1では、第2パネル200が画像形成装置MFPに装着される。図6(a)は、操作パネル装置1が閉じた状態を示し、図6(b)は、操作パネル装置1が開いた状態を示す。このように、第2パネル200が画像形成装置MFPに固定されており、第1パネル100が紙面左右方向にスライド可能となっている。
【0075】
すなわち、図9に示す操作パネルでは、第2パネル200が画像形成装置MFPに固定されており、第1パネル100は、第2パネル200に対してより画像形成装置MFPが位置する側に配置される。そして、第2パネル200の表示面と平行な面に対する投影面積は、第1パネル100の投影面積より小さい。言い換えれば、第2パネル200の表面積は、第1パネル100の表面積より小さい。この表面積の違いによって、第1パネル100には、第2パネル200に対していずれの相対位置にあっても露出する領域が生じる。このいずれの相対位置にあっても露出する領域には、操作キー群10が配置される。第1パネル100には、第1パネル100と第2パネル200とが重なっていないときに露出する領域に配置された操作キー群30が配置される。特に、この操作キー群30は、数字を入力するためのキー群であるテンキーを含む。
【0076】
また、第2パネル200には、第1パネル100に対していずれの相対位置にあっても露出する領域に操作キー群20が配置される。
【0077】
また、表示面を提供する表示装置50は、画像形成装置MFPに固定されているパネル(図9の場合には、第1パネル100)とは異なるパネルに装着されることになる。このように、移動するパネルに相対的に重量の軽い表示装置50を配置することで、強度設計上有利となる。
【0078】
[f5:操作パネル装置のスライド形態(その5)]
上述の図6〜図9においては、スライドによってテンキーを含む操作キー群30が紙面右側に突出する形態を示すが、この操作キー群30が突出する方向は紙面左側であってもよい。なお、図6〜図9に示すスライド形態に応じて、移動側のパネルの移動方向は、操作キー群30が露出する側と同じ側にスライドさせるもの(図8および図9)と、操作キー群30が露出する側とは反対の側にスライドさせるもの(図6および図7)とが存在する。
【0079】
図10は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のスライド形態(その5)を示す模式図である。図10(A)〜図10(C)は、操作パネル装置1を底面側から見た模式図を示す。
【0080】
図10(A)および図10(B)には、一例として、図6に示す操作パネル装置1の「閉じた状態」および「開いた状態」をそれぞれ模式的に示す。これらの例では、第2パネル200が紙面左側にスライドすることで、第1パネル100の紙面右側の領域に配置されたテンキーを含む操作キー群30が露出して、ユーザによる操作が可能となる。
【0081】
これに対して、図10(C)には、第1パネル100の紙面左側の領域にテンキーを含む操作キー群30が配置されており、第2パネル200が紙面右側にスライドすることで、ユーザによる操作が可能となる。
【0082】
一般的には、右利きのユーザから見れば、テンキーを含む操作キー群30が向かって右側に露出されることが操作性を向上させる観点からは好ましいが、左利きのユーザから見れば、テンキーを含む操作キー群30が向かって左側に露出されることが好ましい。そのため、たとえば、ユーザの利き手に応じて、テンキーを含む操作キー群30を任意の側に露出可能に構成することが好ましい。
【0083】
[f6:まとめ]
図6〜図10に示すように、各々が1つ以上のハードキーからなる操作キー群10,20,30は、(1)固定側パネルの常時露出している領域、(2)移動側パネルの常時露出している領域、(3)固定側パネルの開いた状態で露出する領域、(4)移動側パネルの開いた状態で露出する領域に対して、適宜配置することができる。このように、画像形成装置MFPの多機能化に伴って増え続けるハードキーを分散してレイアウトすることができる。これにより、操作パネル装置のパネル面(操作面)が整理され、操作パネル装置がむやみに大型化されることを防止できる。
【0084】
より具体的には、ハードキーからなる操作キー群は、(i)画像形成装置MFPの本体に対して固定された位置に配置されるもの、(ii)表示装置に対して固定された位置に配置されるもの(但し、表示装置を含むパネルが移動する場合には、その移動に伴って移動する)、(iii)テンキーに対して固定された位置に配置されるもの(但し、テンキーを含むパネルが移動する場合には、その移動に伴って移動する)、というように、用途などに応じて適切にレイアウトできる。
【0085】
上述のように、下側(画像形成装置MFP寄り)に位置するパネルに対して、上側(ユーザ寄り)に位置するパネルが移動してはじめて露出される領域(通常は、隠れている領域)に、テンキーなどのハードキーを含む操作キー群を配置することで、ユーザが常には使用しない操作キーを隠しておくことができる。すなわち、比較的使用頻度の低い操作キーを隠しておくことで、操作パネル装置の省スペース化ができる。この場合でも、パネルをスライドさせて、これらの操作キー群を露出させることで、ユーザは操作可能となる。
【0086】
<G.強度を確保するための表示態様>
[g1:概要]
上述したようなスライド形式の操作パネル装置1を採用した場合には、上側のパネルをスライドした状態で、当該上側のパネルをユーザが操作(押下)した場合には、その押下位置によっては、上側のパネルと下側のパネルとを連結する部分に過度の負荷(加重)がかかるおそれがある。たとえば、図6に示す操作パネル装置1では、上側に位置する第2パネル200に表示装置50が装着されるので、この表示装置50の表示面に表示される選択キー(アイコンなどの指示を受付けるための画像)が第1パネル100とは重なっていない部分に表示され、それをユーザが押下すると、第2パネル200に対して第1パネル100側へ加重がかかり、特に、両パネルの連結機構を中心とするモーメント力となって生じる場合には、このような力を考慮して連結機構を設計する必要がある。
【0087】
一方で、ユーザが操作し得る位置を適切に設計することで、過度の加重がかかることを防止し、これに伴って、第2パネル200および第2パネル200と第1パネル100との連結部にそれぞれ生じる負荷を軽減できる。それによって、連結機構の耐強度性を過度に高める必要がなくなり、経済的な設計を行うこともできる。
【0088】
以下、このように、上側に配置されたパネルに対して、ユーザが操作し得る領域を適切に設計することで、破損の可能性を低減するとともに、経済的な設計を実現するための方法について説明する。
【0089】
[g2:表示例]
図11〜図13は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1の表示面における表示内容の一例を示す図である。図11および図12には、図6に示す操作パネル装置1に対応した構造において表示される画面例を示す。
【0090】
図11および図12に示す操作パネル装置1は、画像形成装置MFPに対して固定された第1パネル100の上側に第2パネル200が設けられている。この第2パネル200は、第1パネル100に対してスライド可能になっている。なお、図11には、第2パネル200が紙面左側にスライドする構成を示し、図12には、第2パネル200が紙面右側にスライドする構成を示す。この第2パネル200は、第1パネル100に対して画像形成装置MFPが位置する側とは反対の側(ユーザ寄り)に配置されるとともに、表示装置50が実装されて表示面を提供する。
【0091】
ここで、図11に示すように、第2パネル200が紙面左側にスライドする場合には、表示装置50の表示面において、ユーザの使用頻度の高いタッチキー(アイコン)エリア610は、第2パネル200のスライド方向とは反対の側(紙面右側)に表示される。
【0092】
一方、図12に示すように、第2パネル200が紙面右側にスライドする場合には、表示装置50の表示面において、ユーザの使用頻度の高いタッチキー(アイコン)エリア610は、第2パネル200のスライド方向とは反対の側(紙面左側)に表示される。
【0093】
すなわち、タッチキーエリア610は、たとえば、原稿の読み取りモードを設定するためのキー、用紙のサイズ/向きを設定するためのキー、印字倍率を設定するためのキー、印字モードを設定するためのキーなどからなり、これらのキーは、いずれもユーザが通常に操作するものであり、使用頻度が相対的に高いと考えられる。
【0094】
一方、ジョブリストといったユーザがタッチできない/タッチする頻度が相対的に低いと考えられるタッチキー(アイコン)からなるステータスエリア620が、タッチキー(アイコン)エリア610と並んで表示される。このステータスエリア620は、ステータスエリア620の表示される向きと相補の位置に表示される。
【0095】
このステータスエリア620は、たとえば、「Language Selection」キー、「原稿指定」キー、「応用設定」キーといった相対的に使用頻度の低いと考えられるタッチキー(アイコン)などからなる。そして、図11に示すように、第2パネル200が紙面左側にスライドする場合には、表示装置50の表示面において、ユーザの使用頻度の高いタッチキー(アイコン)エリア610が第2パネル200のスライド方向とは反対の側(紙面右側)に表示されるので、ステータスエリア620は、そのスライド方向の側(紙面左側)に表示される。一方、図12に示すように、第2パネル200が紙面右側にスライドする場合には、表示装置50の表示面において、ユーザの使用頻度の高いタッチキー(アイコン)エリア610が第2パネル200のスライド方向とは反対の側(紙面左側)に表示されるので、ステータスエリア620は、そのスライド方向の側(紙面右側)に表示される。
【0096】
このように、本実施の形態に従う操作パネル装置1においては、使用頻度のより高い指示に関連付けられた画像(タッチキー(アイコン)エリア610)が表示される側とは反対側には、画像形成装置のステータスを表示する画面(ステータスエリア620)が表示される。
【0097】
なお、図13(A)に示すように、ステータスエリア620にも、「Language Selection」キー、「原稿指定」キー、「応用設定」キーといった相対的に使用頻度が低いながらも、ユーザ操作を受付けるタッチキー(アイコン)630が含まれる。このような場合には、図13(B)に示すように、これらのタッチキー(アイコン)をタッチキー(アイコン)エリア610に移動させ、ステータスエリア620には、ユーザの操作を受付けるためのタッチキー(アイコン)を割当てないようにする方法を採用してもよい。
【0098】
すなわち、図13(B)に示す例では、ステータスエリア620には、「コピーできます」表示、「部数」表示、「機械状態」表示、「トナー残量残量」表示、「日付/時間」表示、「メモリー残量」表示といった情報を表示するためだけの画面が表示される。このように、ユーザが操作する対象のタッチキー(アイコン)をスライド方向とは反対側に集中的に配置することで、ユーザが表示装置50に対してタッチ操作した場合であっても、そのタッチ位置が第1パネル100と第2パネル200とが重なっている部分となる。そのため、ユーザのタッチ操作によって生じた応力は、第2パネル200から第1パネル100へ直接的に伝達され、第1パネル100の固定先である画像形成装置MFPに伝わる。そのため、第1パネル100と第2パネル200との接合部に過大な過重が生じることを回避できる。
【0099】
さらに、画像形成装置MFPに対する指示を受付けるためのタッチキー(アイコン)別の操作回数に応じて、それぞれの画像の表示位置を変更するようにしてもよい。すなわち、複数のタッチキー(アイコン)を並列的に表示する必要がある場合には、そのタッチ履歴(選択履歴)などを予め取得しておき、そのタッチ頻度(使用頻度)に従って、より使用頻度の高いものほど、スライド方向とは反対側の位置に動的に配置するようにしてもよい。
【0100】
このように、ユーザからの操作回数のより多いタッチキー(アイコン)ほど使用頻度がより高い指示に関連付けられた画像とされる。
【0101】
[g3:まとめ]
上述のように、本実施の形態に従う操作パネル装置1では、画像形成装置MFPに対する指示を受付けるための画像(タッチキー/アイコン)を含む画面を表示する際に、使用頻度のより高い指示に関連付けられた画像ほど、表示面において、第2パネル200をスライドした状態において第1パネル100および第2パネル200の中央側により近い位置に表示される。
【0102】
言い換えれば、画像形成装置MFPに対する指示を受付けるための画像を含む画面を表示する際に、使用頻度のより高い指示に関連付けられた画像(タッチキー/アイコン)ほど、表示面において、第2パネル200のスライド方向とは逆方向の位置に表示される。
【0103】
このように表示装置50におけるタッチキー(アイコン)の表示位置を適正化することで、操作パネル装置1がスライドした状態(開いた状態)において、ユーザが表示装置50に対してタッチ操作を行ったとしても、そのタッチ操作は、下側に位置する第1パネル100に対してなされた操作と実質的に同一となる。その結果、表示装置50を含む第2パネル200をスライドした状態(開いた状態)でも、ユーザ操作に伴うパネルへのストレスを軽減でき、これによって、操作パネル装置1の破損の可能性を低くすることができる。また、パネル間の強度を容易に確保することができ、経済的な設計を実現できる。
【0104】
<H.操作パネル装置におけるテンキーの使用頻度>
複数の機能を搭載した複合機の使用形態としては、ユーザが操作パネル装置を直接操作して紙原稿をコピー(複写)するといった従来の形態から、パソコンなどで作成した電子ドキュメントを印刷するといった形態が主流となりつつある。すなわち、多くのオフィスなどでは、画像形成装置MFPをパソコンの出力先である「プリンタ」として使用する頻度が高くなっている。このように、パソコンからのプリント先としての使用が主流となってきていることに伴って、ユーザが画像形成装置MFPの操作パネル装置1に設けられているテンキーを使用する頻度が低下していると推測される。しかしながら、従来の紙原稿からのコピーという用途も依然として残っているため、テンキーを全く無くすことはできない。また、ユニバーサルデザインの観点からも、テンキーは必要である。
【0105】
そこで、下側(画像形成装置MFP寄り)に位置するパネルに対して、上側(ユーザ寄り)に位置するパネルが移動してはじめて露出される領域(通常は、隠れている領域)に、テンキーを配置することで、従来からのユーザ操作に対処するとともに、操作パネル装置1の省スペース化を実現することができる。
【0106】
図14〜図17は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のテンキーの配置例を示す模式図である。図14には、図6に示す操作パネル装置1に対応したテンキーの配置例を示す。すなわち、図14(A)には、第1パネル100の紙面右側にテンキー30aを含む操作キー群30が配置されている例を示す。この場合、図14(B)に示すように、テンキー30aは、第1パネル100に埋込まれた状態で配置される。
【0107】
図14に示すように、下側(画像形成装置MFP寄り)に位置するパネルにおいて、テンキー30aを縦配列(紙面上下方向に広げて配置)した場合には、図15に示すように、上側(ユーザ寄り)に位置するパネルのスライド方向は、操作パネル装置1の正面に対して左右方向とすることが好ましい。なお、ユニバーサルデザインに従ってテンキー30aの配列順が規定されているので、テンキー30aの存在する位置を容易に特定できる。
【0108】
一方、図16に示すように、下側(画像形成装置MFP寄り)に位置するパネルにおいて、テンキー30aを横配列(紙面左右方向に広げて配置)することもできる。この場合には、図16に示すように、上側に位置するパネルのスライド方向は、操作パネル装置1の正面に対して上下方向とすることが好ましい。このように、下側に位置するパネルにおいて、テンキー30aを横配列した場合には、上側に位置するパネルのスライド量(移動量)をより少なくできる効果がある。
【0109】
図15に示すように、テンキー30aを所定規則で配列した場合などには、音声ガイドキー30bおよび/または割込みキー30dをテンキー30aに近接して配置することが好ましい。すなわち、図17に示すように、第1パネル100に配置される操作キー群30は、数字を入力するためのキー群であるテンキー30aに近接して配置された、音声ガイドキー30bおよび割込みキー30dを含む。
【0110】
このように、通常は、隠れている領域に配置されたテンキー30aの近傍に音声ガイドキー30bおよび/または割込みキー30dを配置することで、ハードキー配列の集中度が高まり、ユーザの操作性が向上する。
【0111】
<I.操作パネル装置におけるテンキーとユーザの利き手>
次に、第1パネル100と第2パネル200とが重なっていないときに露出する領域にテンキー30aが配置される場合に、よりユーザの操作性を高めるために、ユーザの利き手に応じて形態を変化させるようにしてもよい。このような例について、以下説明する。
【0112】
(f1:利き手対応(その1))
図18は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のテンキーを露出させるための構成を示す模式図である。図18に示す操作パネル装置1では、第1パネル100の通常は隠れている領域に、テンキーを含む操作キー群30が配置されている例を示す。なお、テンキーは、縦配列(紙面上下方向に広げて配置)されているものとする。
【0113】
このような構成において、上側に位置する第1パネル100のスライド量(移動量)を利き手に応じて異ならせることが好ましい。すなわち、第1パネル100に配置されたテンキーの表面と第2パネル200の表面との間には、高さの相違(ギャップ)が存在しており、このギャップがテンキーに近いとユーザの手が第2パネル200(の端面など)と干渉して、操作性が低下する。そのため、ユーザの利き手に応じて、テンキーの周辺のマージン(空間)を変更することが好ましい。
【0114】
より具体的には、図18に示すような第2パネル200を紙面左方向にスライドする形態の場合には、右利きユーザに対しては、上側に位置する第2パネル200のスライド量(移動量)をAに設定し、左利きのユーザに対しては、上側に位置する第2パネル200のスライド量(移動量)をB(>A)に設定する。利き手が右のユーザは、紙面右側から手で操作キー群30を操作するので第2パネル200と干渉しない。そのため、操作キー群30が十分に露出されるまでスライドさせれば十分である。これに対して、利き手が左のユーザは、紙面左側から手で操作キー群30を操作するので第2パネル200と干渉し易い。そのため、ユーザが手を動かすスペースを確保できるまで、操作キー群30が十分に露出されるまでスライドさせる必要がある。
【0115】
上述のようなスライド量を変化させる機構としては、予めユーザの利き手を設定しておき、使用するユーザを認証して対応する移動量だけ自動的にスライドするような構成を採用してもよい。あるいは、それぞれの位置で第2パネル200が固定されるように、ラッチ機構などを設けておき、自動的またはユーザによる手動で、自身の利き手に応じた位置までスライドさせるようにしてもよい。
【0116】
なお、第2パネル200が紙面右方向にスライドする形態の場合には、このスライド量の大小関係は、逆になる。
【0117】
上述のように、図18に示す操作パネル装置1は、第1パネル100と第2パネル200とを相対移動可能にする機構は、第2パネル200の操作キー群30が配置される領域の露出量を複数に異ならせるように構成される。このような構成を採用することで、テンキーに対するユーザの操作性を向上できるとともに、ユーザがいずれの利き手であっても対応できる。
【0118】
(f2:利き手対応(その2))
次に、上述の図10を用いて説明したように、ユーザの利き手に応じたそれぞれ異なる領域が露出されるように構成された操作パネル装置1について説明する。
【0119】
図19は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のテンキーを露出させるための構成を示す模式図である。図19を参照して、操作パネル装置1は、下側(画像形成装置MFP寄り)に位置する第1パネル100の紙面左側および紙面右側のそれぞれにテンキーを含む操作キー群30が配置される構成を示す。図19(A)には、第2パネル200が紙面右側にスライドすることで、第1パネル100の紙面左側に配置された操作キー群30が露出する状態を示す。また、図19(A)には、第2パネル200が紙面右側にスライドすることで、第1パネル100の紙面左側に配置された操作キー群30が露出する状態を示す。
【0120】
このように、ユーザは、自身の利き手に応じて、第2パネル200のスライド方向を任意に選択することができる。すなわち、利き手が左であるユーザは、図19(A)のように第2パネル200をスライドさせて、より利き手に近い左側の操作キー群30を露出させ、利き手が右であるユーザは、図19(B)のように第2パネル200をスライドさせて、より利き手に近い右側の操作キー群30を露出させる。
【0121】
上述のように、図19に示す操作パネル装置1では、第1パネル100と第2パネル200とは、紙面右向きおよび紙面左向きのいずれにも相対移動可能であり、第2パネル200は、紙面右向きに相対移動したときに露出する領域(紙面左側)に配置された操作キー群30と、紙面左向きに相対移動したときに露出する領域(紙面右側)に配置された操作キー群30とを含む。
【0122】
このような構成を採用することで、テンキーに対するユーザの操作性を向上できるとともに、ユーザがいずれの利き手であっても対応できる。
【0123】
(f3:利き手対応(その3))
次に、上側(ユーザ寄り)に位置する第2パネル200をユーザの利き手に応じた向きにスライドさせて、下側(画像形成装置MFP寄り)に配置されたテンキーを含む共通の操作キー群を露出させる構成について説明する。
【0124】
図20は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のテンキーを露出させるための構成を示す模式図である。図20(A)〜図20(C)については、操作パネル装置1の底面側から見た断面図を示す。
【0125】
図20(A)を参照して、操作パネル装置1は、テンキーを含む操作キー群30が中央部に配置された第1パネル100が下側(画像形成装置MFP寄り)に存在し、第1パネル100に対して第2パネル200を紙面左向きおよび紙面右向きのいずれにもスライド可能となっている。右利きのユーザは、図20(B)に示すように、第2パネル200を紙面左側にスライドさせることで、手が第2パネル200と干渉しない状態で、操作キー群30を操作できる。一方、左利きのユーザは、図20(C)に示すように、第2パネル200を紙面右側にスライドさせることで、手が第2パネル200と干渉しない状態で、操作キー群30を操作できる。
【0126】
上述のように、図20に示す操作パネル装置1では、第1パネル100と第2パネル200とは、紙面左向きおよび紙面右向きのいずれにも相対移動可能に構成される。第1パネル100は、紙面左向きに相対移動したときに露出し、かつ、紙面右向きに相対移動したときにも露出する領域に配置された操作キー群30を含む。
【0127】
このような構成を採用することで、テンキーに対するユーザの操作性を向上できるとともに、ユーザがいずれの利き手であっても対応できる。
【0128】
<J.操作パネル装置におけるキーボードキー>
次に、文字を入力するためのキー群であるキーボードキーを搭載した操作パネル装置について説明する。このようなキーボードキーは、典型的には、ひらがな、カタカナ、アルファベットなどの操作を受付ける。たとえば、画像形成装置MFPにブラウザ機能が搭載されており、アクセス先のURL(Uniform Resource Locator)などをユーザが入力するといった操作に使用される。
【0129】
図21および図22は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のキーボードキーの配置例を示す模式図である。図21には、図6に示す操作パネル装置1に対応したキーボードキーの配置例を示す。すなわち、図21(A)には、第1パネル100の紙面下側にキーボードキー30eが配置されている例を示す。この場合、図21(B)に示すように、キーボードキー30eは、第1パネル100に埋込まれた状態で配置される。
【0130】
図22に示すように、下側(画像形成装置MFP寄り)に位置するパネルにおいて、キーボードキー30eを横長配列(紙面左右方向に広げて配置)した場合には、図22に示すように、上側(ユーザ寄り)に位置するパネルのスライド方向は、操作パネル装置1の正面に対して上下方向とすることが好ましい。
【0131】
なお、キーボードキー30eは、テンキー30aに比較してより多くのキーで構成されるため、キーボードキー30eは横長配列とすることが好ましい。
【0132】
このように、下側に位置するパネルの通常は隠れている領域にキーボードキー30eを配列することで、従来は、操作面とは別にキーボードキーの収納スペースが必要であったが、キーボードキー30eを一体化することにより、全体的な省スペース化を図ることができる。
【0133】
<K.操作パネル装置におけるテンキーとキーボードキーとの共配置>
次に、数字を入力するためのキー群であるテンキーおよび文字を入力するためのキー群であるキーボードキーを共に搭載した操作パネル装置について説明する。
【0134】
図23〜図25は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のテンキーおよびキーボードキーの配置例を示す模式図である。図23には、図6に示す操作パネル装置1に対応したテンキーおよびキーボードキーの配置例を示す。すなわち、図23(A)には、第1パネル100の紙面右側にテンキー30aが配置されるとともに、紙面下側にキーボードキー30eが配置されている例を示す。図23(B)に示すように、これらのテンキー30aおよびキーボードキー30eを覆うように第1パネル100が設けられる。
【0135】
図23に示す例では、テンキー30aは縦配列(紙面上下方向に広げて配置)され、キーボードキー30eは横長配列(紙面左右方向に広げて配置)される。図24(A)〜図24(D)に示すように、テンキー30aおよびキーボードキー30eのうち使用すべきキーに応じて、上側(ユーザ寄り)に位置するパネルを必要な方向にスライドさせる。すなわち、図23に示すようなレイアウトを採用した場合、上側(ユーザ寄り)に位置するパネルのスライド方向は、操作パネル装置1の正面に対して左右方向および上下方向の両方とすることが好ましい。
【0136】
より具体的には、図24(A)に示すように、テンキー30aおよびキーボードキー30eのいずれも使用しない場合には、第2パネル200は、テンキー30aおよびキーボードキー30eを覆うデフォルト位置に存在する。続いて、テンキー30aを操作しようとするユーザは、図24(B)に示すように、第2パネル200を紙面左側にスライドさせて、テンキー30aを露出させる。また、キーボードキー30eを操作しようとするユーザは、図24(C)に示すように、第2パネル200を紙面上側にスライドさせて、キーボードキー30eを露出させる。テンキー30aおよびキーボードキー30eの両方を操作しようとするユーザは、図24(D)に示すように、第2パネル200を紙面左上側にスライドさせて、テンキー30aおよびキーボードキー30eを露出させる。
【0137】
このように、下側に位置するパネルの通常は隠れている領域にテンキー30aおよびキーボードキー30eを配列することで、従来は、操作面とは別にキーボードキーの収納スペースが必要であったが、キーボードキー30eを一体化することにより、全体的な省スペース化を図ることができる。
【0138】
また、操作すべきキーに応じて、上側に位置するパネルをスライドする方向を任意に選択できるので、テンキー30aおよびキーボードキー30eの操作性を向上させることができる。
【0139】
<L.パネルの相対移動に係る構成>
次に、操作パネル装置1を構成するパネル間の相対移動を実現するための構成について説明する。
【0140】
[l1:一方向へのスライド動作]
図26は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のパネルの相対移動を実現するための構成例を示す模式図である。図26には、図6に示す操作パネル装置1に対応したスライド機構の例を示す。図26を参照して、下側(画像形成装置MFP寄り)に位置する第1パネル100の第2パネル200と対向する面には、第2パネル200をスライドさせるためのレール111および112がスライド方向に沿って配置される。第2パネル200は、このレール111および112と紙面左右方向に移動可能な状態で係合する。
【0141】
図27〜図29は、図26に示すパネルの相対移動を実現するためのスライド機構110を示す図である。図27(A)を参照して、スライド機構110は、上側可動片121と下側可動片122とを含む。図27(B)に示すように、上側可動片121と下側可動片122とは、紙面上下方向に設けられているレール111および112に沿って相対移動する。このレール111および112は、スライド方向以外への上側可動片121の移動、すなわち、図27(B)における紙面左右方向および紙面上下方向への移動を規制する一方で、スライド方向への上側可動片121と下側可動片122との相対移動を滑らかに行う。
【0142】
上側可動片121と下側可動片122との間は、駆動機構によってその間の相対距離を可変にできるように構成されている。この駆動機構の一例として、図27〜図29には、いわゆるラック&ピニオンの構成を採用する。より具体的には、下側可動片122と機械的に連結された直線状のラック140がモータ82によって回転駆動されるピニオン142と噛み合っている。そのため、モータ82が回転することでピニオン142も回転し、ピニオン142とラック140との間の相対的な位置関係を変化させる。このとき、モータ82(および、ピニオン142)は、上側可動片121に対して固定された位置にあるとする。
【0143】
図27は、操作パネル装置1が閉じた状態に対応するスライド機構110の状態を示し、図29は、操作パネル装置1が開いた状態に対応するスライド機構110の状態を示す。また、図28には、操作パネル装置1が閉じた状態から開いた状態への遷移中の状態を示す。このスライド動作中において、上側可動片121と下側可動片122との間の距離が変化するに伴って、ピニオン142が接触するラック140の位置が変化する。すなわち、図27に示すように、操作パネル装置1が開いた状態では、ラック140が最も紙面右側に位置した状態になっており、図29に示すように、操作パネル装置1が開いた状態では、ラック140が最も紙面左側に位置した状態になっている。
【0144】
上側可動片121は第2パネル200と機械的に結合され、下側可動片122は第1パネル100と機械的に結合される。図27〜図29に示すような機構動作によって、操作パネル装置1におけるパネル間のスライド動作を実現できる。
【0145】
図26〜図29については、紙面左右方向にスライドする構成について例示したが、紙面上下方向にスライドする構成についても同様に構成することができる。
【0146】
図30は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のパネルの相対移動を実現するための別の構成例を示す模式図である。図30を示すように、紙面上下方向にスライドさせる場合には、第2パネル200をスライドさせるためのレール113および114を紙面上下方向に沿って配置する。これによって、上述したようなスライド機構110を用いて、スライド動作を実現できる。
【0147】
[l2:複数方向へのスライド動作]
図26〜図30においては、一方向のスライド動作について説明したが、上述のようなスライド機構を利用することで、複数方向へのスライド動作を実現できる。
【0148】
図31は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のパネルの複数方向への相対移動を実現するための構成例を示す模式図である。図31(A)には、図6に示す操作パネル装置1に対応して第1パネル100および第2パネル200を紙面左右方向および紙面上下方向にそれぞれ独立してスライドさせる場合の例を示す。すなわち、図23に示すように異なる複数の領域にそれぞれ操作キー群は配置されている場合には、(1)紙面左側へのスライド動作の後、紙面上側へのスライド動作、(2)紙面上側へのスライド動作の後、紙面左側へのスライド動作、および、(3)紙面左上側へのスライド動作、といった操作が行われる。
【0149】
このようなスライド操作を実現する典型例としては、図31(B)に示すように、第1パネル100と第2パネル200との間に、第2パネル200を紙面左右方向にスライドさせるためのレール111および112と、第2パネル200を紙面上下方向にスライドさせるためのレール113および114とが異なる層に設けられる。より具体的には、図27〜図29に示すようなスライド機構110を2個用いて実現することができる。
【0150】
このような複数のスライド機構110を用いることで、複数方向へのスライド動作を実現する。図32は、図31(A)に示すスライド動作(1)〜(3)に対応したスライド操作をより具体的に示す模式図である。
【0151】
図32(A)には、第2パネル200が上側(ユーザ寄り)に配置され、第1パネル100が下側(画像形成装置MFP寄り)に配置されているとする。この例では、まず、第2パネル200が紙面左側にスライドされ、続いて、第2パネル200が紙面上側にスライドされる。
【0152】
図32(B)には、第2パネル200が上側(ユーザ寄り)に配置され、第1パネル100が下側(画像形成装置MFP寄り)に配置されているとする。この例では、まず、第2パネル200が紙面上側にスライドされ、続いて、第2パネル200が紙面左側にスライドされる。
【0153】
図32(C)には、第2パネル200が上側(ユーザ寄り)に配置され、第1パネル100が下側(画像形成装置MFP寄り)に配置されているとする。この例では、第2パネル200が所定量だけ紙面左上側にスライドされる。
【0154】
このようなスライド操作によって、異なる複数の領域に操作キー群が配置されている場合であっても、ユーザは必要な操作キー群のみを選択的に露出させて使用することができる。
【0155】
<M.パネルおよび操作キー群がいずれも相対移動する構成>
上述の説明においては、テンキーを含む操作キー群は、いずれかのパネルに固定されている形態について例示した。これに加えて、操作キー群を独立してスライド動作可能に構成してもよい。
【0156】
図33は、パネルおよび操作キー群がいずれも相対移動可能な構成を示す模式図である。図33(A)〜図33(C)は、操作パネル装置1を底面側から見た模式図を示す。
【0157】
図33(A)に示すように、操作パネル装置1の第1パネル100には、テンキーを含む操作キー群30が中央部に配置される。そして、操作キー群30は、紙面左右方向にスライド可能に構成される。そして、第2パネル200および操作キー群30がそれぞれ、ユーザの利き手に応じて相対移動する。
【0158】
より具体的には、図33(B)に示すように、利き手が右のユーザは、第2パネル200を紙面左側へスライドするとともに、第1パネル100に内接配置された操作キー群30を紙面右側へスライドする。これにより、操作パネル装置1の紙面右側の領域に操作キー群30が露出し、右利きのユーザには操作性が良くなる。一方、図33(C)に示すように、利き手が左のユーザが使用する場合には、第2パネル200を紙面右側へスライドされるとともに、第1パネル100に内接配置された操作キー群30が紙面左側へスライドする。これにより、操作パネル装置1の紙面左側の領域に操作キー群30が露出し、左利きのユーザには操作性が良くなる。
【0159】
なお、操作キー群30のスライド動作と、第2パネル200のスライド動作とを連係させてもよい。この場合には、ユーザが第2パネル200をスライド操作することで、それに連動して操作キー群30が適切な位置に移動することになる。このように、第2パネル200をスライドさせることで、第1パネル100の通常は隠れている領域に位置されていた操作キー群30が第2パネル200の連動して反対方向に移動して露出する。
【0160】
すなわち、図33に示す操作パネル装置1においては、第1パネル100は、操作キー群30が配置された可動部を含み。そして、第1パネル100と第2パネル200とが紙面右向きに相対移動することに応答して、操作キー群30が配置された可動部は、第1パネル100において紙面右向きとは反対向きに相対移動する。また、第1パネル100と第2パネル200とが紙面左向きに相対移動した場合にも、操作キー群30が配置された可動部は反対向きに相対移動する。
【0161】
このような構成を採用することで、テンキーに対するユーザの操作性を向上できるとともに、ユーザがいずれの利き手であっても対応できる。
【0162】
<N.操作パネル装置の構造上の工夫>
以下、操作パネル装置1の構造上の工夫について説明する。
【0163】
[n1:上側パネルの稜線部の構造]
本実施の形態に従う操作パネル装置1においては、一方のパネルをスライドさせることで、他方のパネルの表面に形成されたテンキーなどを含む操作キー群を露出させる。この際、露出面と近接する上側のパネルの稜線部については、ユーザの視認性および操作性を高める観点から、サイドを滑らかな形状にすることが好ましい。
【0164】
図34は、本実施の形態に従う操作パネル装置1を構成する上側のパネルの形状を示す模式図である。なお、図34は、操作パネル装置1を底面側から見た模式図を示す。
【0165】
図34に示すように、第1パネル100と第2パネル200とが重なっていないときに露出する領域に操作キー群30が配置されており、この操作キー群30に隣接する、第2パネル200の稜線部210(操作キー群30のサイド)が滑らかな形状に加工されている。より具体的には、稜線部210を傾斜させたり、あるいは、所定の曲率で面取りしたりする。すなわち、図34に示す操作パネル装置1では、第1パネル100と第2パネル200とが相対移動することで露出する領域に対応する、第2パネル200稜線部210は、非直角の形状に構成される。このように、上側のパネルの操作キー群30に隣接した第2パネルの稜線部を滑らかな形状に構成することで、操作キー群30に対する視認性および操作性を向上させることができる。
【0166】
[n2:ユーザからの押圧耐性を高める構造]
上述したように、上側(ユーザ寄り)に位置するパネルに対しても操作キー群(複数のハードキー)が配置されるので、ユーザがこれらのキーを操作(押下)した場合に発生する応力に抗する構造を採用することが好ましい。
【0167】
図35は、ユーザからの押圧耐性を高めるための構造例を示す模式図である。図35には、図6に示す操作パネル装置1と同様に、上側(ユーザ寄り)に第2パネル200が配置され、下側(画像形成装置MFP寄り)に第1パネル100が配置されている構成例を示す。上側に配置された第2パネル200には表示装置50が配置されており、さらに、表示装置50に隣接して1つ以上のキーからなる操作キー群20が配置される。また、第2パネル200は、紙面左側にスライドするように構成される。
【0168】
このように、上側に位置する第2パネル200において、第2パネル200の移動方向(図35の例では、紙面左側)と同じ側に表示装置50(タッチパネル)を配置し、第2パネル200の移動方向とは反対側に操作キー群20を配置する。このように構成することで、第2パネルが紙面左側に移動して突出した状態(開いた状態)においても、操作キー群20が配置された領域は、第1パネル100と重なっている状態を維持するので、ユーザが操作キー群を押下することで生じる過度な荷重にも耐えることができる。
【0169】
すなわち、図35に示す操作パネル装置1においては、上側に位置する第2パネル200において、第2パネル200移動向きと同じ側に表示装置50が配置されるとともに、当該移動向きとは反対側に操作キー群20が配置される。このような構成を採用することで、操作パネル装置1の強度を確保できる。
【0170】
[n3:パネル間の連結力を強化する構造]
次に、2つのパネル間の連結力を強化する構成について例示する。
【0171】
図36は、2つのパネル間の連結力を強化するための構造例を示す模式図である。図36には、図6に示す操作パネル装置1と同様に、上側(ユーザ寄り)に第2パネル200が配置され、下側(画像形成装置MFP寄り)に第1パネル100が配置されている構成例を示す。
【0172】
より具体的には、図36に示す操作パネル装置1は、下側に位置する第1パネル100がL字状の断面形状を有する。このように下側のパネルの断面形状をL字にすることで、上側に位置する第2パネル200を保持する耐力の一部を担わせることができる。
【0173】
より具体的には、図36(A)に示すように、上側に位置する第2パネル200の投影面積を下側に位置する第1パネル100の投影面積に比較して小さく設計しておく。さらに、図36(B)に示すように、下側に位置する第1パネル100と上側に位置する第2パネル200とが重ならない下部形状を第2パネル200の表面と同じ高さまで突出させた、断面L字状の形状を採用する。このとき、第2パネル200の表面は、第1パネル100の表面より高くならないように構成する。
【0174】
すなわち、図35に示す操作パネル装置1においては、第1パネル100は、画像形成装置MFPの側に配置されており、第2パネル200は、第1パネル100に対して画像形成装置MFPが位置する側とは反対の側に配置されている。第2パネル200の表示面と平行な面に対する投影面積は、第1パネル100の投影面積より小さい。そして、第1パネル100のいずれの相対位置にあっても露出する領域の、表示面に対して垂直線上にある位置は、第2パネル200の露出面の位置と実質的に一致している。
【0175】
このような構成を採用することで、上側に位置する第2パネル200を保持する耐力の一部を下側に位置する第1パネル100に担わせることができる。その結果、図36(C)に示すように、第1パネル100および第2パネル200とをほぼ同様の断面形状を有するように構成した場合に比較して、パネル間の連結力を高めることができる。さらに、万が一、第2パネル200のスライドに伴って、第1パネル100との間の連結が外れた場合であっても、第2パネル200をその位置に保持することができる。
【0176】
<O.パネル間の固定構造>
本実施の形態に従う操作パネル装置1では、2つのパネルが自動的に相対移動されることで、通常は隠れている領域に配置されている操作キー群を露出させる。上述した図27〜図29に示すスライド機構110においては、所定の機構によって付勢される場合もある。
【0177】
一方で、ユーザの使用形態によっては、開いた状態を維持したいというニーズも存在する。このような場合には、パネル間の相対的な位置関係を固定するための固定構造を採用することが好ましい。
【0178】
すなわち、上側に位置するパネルが下側に位置するパネルから突出した状態で固定する機能を提供する。このような機能を用いることで、通常は隠れる位置に配置される操作キー群をユーザに対して常時露出しておきたいというニーズに対応することができる。また、通常は隠れる位置に配置される操作キー群を固定しておくことで、ユーザによる操作時に安定度の向上させ、あるいは、パネルの破損などの可能性を低減できる。
【0179】
そこで、以下では、このようなパネル間を固定する構造について説明する。
[o1:ネジ止め構造]
図37は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1におけるパネル間の固定構造を示す模式図(その1)である。図37には、図6に示す操作パネル装置1と同様に、上側(ユーザ寄り)に第2パネル200が配置され、下側(画像形成装置MFP寄り)に第1パネル100が配置されている構成例を示す。
【0180】
図37(A)に示す構成例では、第1パネル100の一部に表示面と垂直な方向に貫通する貫通孔120を設けるとともに、第2パネル200に第1パネル100が位置する側に開口した係合孔220を設ける。図37(B)に示すように、第1パネル100の貫通孔120は、第2パネル200の係合孔220とは、操作パネル装置1が開いた状態にある場合に、表示面と垂直な方向に整列されるように形成されている。すなわち、図37(B)に示すように、第1パネル100の画像形成装置MFP側の裏面からネジ410を、貫通孔120および係合孔220に貫通させることで、第1パネル100と第2パネル200との間の相対関係を位置決めする。
【0181】
このように、図37に示す構成例では、パネル間の固定方法は、下側に位置する第1パネル100の裏側からのネジ止め機構が採用される。なお、このようなパネル間の固定は、解除が容易なロック形状となる。
【0182】
すなわち、図37に示す操作パネル装置1は、第1パネル100と第2パネル200とが重なっていない状態を固定するための固定機構を含む。この固定機構は、表示面が存在する側とは反対の側から第1パネル100および第2パネル200を貫通するストッパであるネジ410である。
【0183】
[o2:爪状のロック構造]
図38は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1におけるパネル間の固定構造を示す模式図(その2)である。図38には、図4に示す操作パネル装置1と同様に、上側(ユーザ寄り)に第2パネル200が配置され、下側(画像形成装置MFP寄り)に第1パネル100が配置されている構成例を示す。
【0184】
図38に示す構成例では、図37に示す構成例において、ネジ410に代えて、貫通バー422および貫通バー422を付勢するばね420が設けられている。そのため、図38(B)に示すように、操作パネル装置1が開いた状態にある場合には、第1パネル100の貫通孔120は、第2パネル200の係合孔220とは表示面と垂直な方向に整列され、この整列によって生じた貫通孔にばね420により付勢された貫通バー422が貫通する。これにより、第1パネル100と第2パネル200との間の相対関係を位置決めする。なお、第1パネル100と第2パネル200との間の相対関係を変更する場合には、ユーザがばね420の付勢力を解除する。
【0185】
このように、図38に示す構成例では、パネル間の固定方法は、下側に位置する第1パネル100の裏側からの爪形状によるロック機構が採用される。なお、このようなパネル間の固定は、解除が容易なロック形状となる。
【0186】
すなわち、図38に示す操作パネル装置1は、第1パネル100と第2パネル200とが重なっていない状態を固定するための固定機構を含む。この固定機構は、表示面が存在する側とは反対の側から第1パネル100および第2パネル200を貫通する棒状のストッパである貫通バー422である。さらに、棒状のストッパ(貫通バー422)を付勢するばね420がさらに設けられている。
【0187】
[o3:別部品によるロック構造]
図39は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1におけるパネル間の固定構造を示す模式図(その3)である。
【0188】
図39に示す構成例では、図37に示す構成例において、ネジ410に代えて、操作パネル装置1用にカスタマイズされた固定部品440が装着される。この固定部品440は、変形T字形状の部材であり、図39(B)に示すように、操作パネル装置1が開いた状態にある場合には、第1パネル100の貫通孔120は、第2パネル200の係合孔220とは表示面と垂直な方向に整列され、この整列によって生じた貫通孔に固定部品440の一部が貫通する。これにより、第1パネル100と第2パネル200との間の相対関係を位置決めする。
【0189】
また、第1パネル100には、係合孔130が設けられている。係合孔220は、固定部品440を操作パネル装置1の裏面から装着するための孔である。すなわち、固定部品440は、固定部品440に設けられた貫通孔と第1パネル100の裏面に設けられた係合孔130とを貫通するネジ450によって、裏面側から操作パネル装置1に固定される。
【0190】
このように、図39に示す構成例では、パネル間の固定方法は、下側に位置する第1パネル100の裏側からの別部品によるロック機構が採用される。なお、このようなパネル間の固定は、解除が容易なロック形状となる。
【0191】
すなわち、図39に示す操作パネル装置1は、第1パネル100と第2パネル200とが重なっていない状態を固定するための固定機構を含む。この固定機構は、表示面が存在する側とは反対の側から第1パネル100および第2パネル200を貫通するストッパである固定部品440である。
【0192】
<P.操作パネル装置と排紙方向との関係>
本実施の形態に従う操作パネル装置1は、画像形成装置MFPに装着されるので、ユーザによる画像形成装置MFPの操作との関係で、より適切な配置位置およびスライド方向を設計することが好ましい。以下では、画像形成装置MFPから排出される用紙の排紙方向との関係で、より好ましい操作パネル装置1の位置およびスライド方向について説明する。
【0193】
[p1:取り付け位置]
図40は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のある好ましい取り付け位置を説明するための図である。図40にでは、操作パネル装置1は、画像形成装置MFPの排紙方向とは反対側に取り付けられている例を示す。このとき、操作パネル装置1は、画像形成装置MFPの本体側面から突出しない位置に取り付けることが好ましい。すなわち、操作パネル装置1の側面(図40の例では、紙面右側側面)の位置が、画像形成装置MFPの対応する側面(図40の例では、紙面右側側面)の位置と同一、または、内側に存在するように、操作パネル装置1を取り付ける。
【0194】
すなわち、操作パネル装置1は、画像形成装置MFPの排紙向きと反対側で、かつ、画像形成装置MFPの側面から突出しない位置に配置される。このような取り付け位置を採用することで、操作パネル装置1の存在で用紙が排紙されるトレーに対するユーザの視認性が阻害される可能性を低減できる。
【0195】
[p2:スライド方向(その1)]
図41は、本発明の実施の形態に従う操作パネル装置1のある好ましいスライド方向を説明するための図である。図41(a)に示す操作パネル装置1では、移動する側のパネルのスライド方向は、画像形成装置MFPにおける排紙方向と同じ方向に設計されている。すなわち、操作パネル装置1において、露出する領域を生じるために第1パネル100または第2パネル200を移動させる向きは、画像形成装置MFPの排紙向きと同じ向きである。
【0196】
このようなスライドの向きを設定することで、画像形成装置MFPにおける排紙方向と同一方向にパネルが変移することで、画像形成装置MFP本体からパネルが突出することによる、ユーザの接触や操作パネルの破損の可能性を低減できる。
【0197】
[p3:スライド方向(その2)]
一方、図41(b)に示す操作パネル装置1では、移動する側のパネルのスライド方向は、画像形成装置MFPにおける排紙方向とは反対方向に設計されている。すなわち、操作パネル装置1において、露出する領域を生じるために第1パネル100または第2パネル200を移動させる向きは、画像形成装置MFPの排紙向きとは反対の向きである。
【0198】
このようなスライドの向きを設定することで、操作パネル装置1の移動するパネルが排紙方向とは反対側に移動することで、操作パネル装置1の存在で用紙が排紙されるトレーに対するユーザの視認性が阻害される可能性を低減できる。
【0199】
<Q.ポップアップ構造>
上述の図8に示す操作パネル装置1のように、表示装置50(タッチパネル)を含む2パネルが画像形成装置MFPに固定されている場合には、以下のようなポップアップ構造を採用することもできる。このポップアップ構造について、図42を参照して説明する。
【0200】
図42は、本発明の実施の形態に従うポップアップ構造を採用した操作パネル装置1を示す模式図である。図8および図42を参照して、操作キー群20は、第1パネル100に設けられており、この第1パネル100が画像形成装置MFPに固定された第2パネル200に対して相対移動することになる。ここで、第2パネル200を上部筐体200−1および下部筐体200−2で構成し、下部筐体200−2を画像形成装置MFPに固定する。この上部筐体200−1と下部筐体200−2とをその断面が略C字形状となるように構成する。すなわち、上部筐体200−1と下部筐体200−2との間には、第1パネル100が挿入可能なスペースが形成される。このスペースに第1パネル100を外側に付勢する機構を含めて配置することで、ユーザが所定の操作を行うと、図42(B)のように、第2パネル200(上部筐体200−1および下部筐体200−2)から第1パネル100が飛び出す(ポップアップする)ように相対移動される。
【0201】
すなわち、図42に示す操作パネル装置1は、表示面を提供する表示装置50を有しており、この表示装置50は、画像形成装置MFPに固定されている第2パネル200に装着される。一方、画像形成装置MFPに固定されている第2パネル200とは異なる第1パネル100には、数字を入力するためのキー群であるテンキーが配置される。そして、ユーザがテンキーを使用する場合には、第2パネル200がポップアップする。
【0202】
このように、比較的使用頻度の低い操作キーを隠しておくことで、操作パネル装置の省スペース化ができる。この場合でも、パネルをスライドさせて、これらの操作キー群を露出させることで、ユーザは操作可能となる。
【0203】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0204】
1 操作パネル装置、2 スキャナ、4 フィーダ、6 プリントエンジン、8 トレー、9 給紙部、10,20,30 操作キー群、10a 省エネボタン、10b スタートボタン、10c ストップボタン、10d リセットボタン、10e カスタマイズボタン、20a メニューボタン、20b 拡大ボタン、20c ガイダンスボタン、20d ボタン、20d アクセスボタン、20e プレビューボタン、20e ボタン、30a テンキー、30b 音声ガイドキー、30c クリアキー、30d 割込みキー、30e キーボードキー、40 表面領域、50 表示装置、100 第1パネル、110 スライド機構、111,112,113, レール、120 貫通孔、121 上側可動片、122 下側可動片、123 コイルバネ、124 段ネジ、130,220 係合孔、200 第2パネル、200−1 上部筐体、200−2 下部筐体、210 稜線部、410,450 ネジ、420 ばね、422 貫通バー、440 固定部品、500 システムコントローラ、520 ネットワークインターフェイス、540 感光体ユニット、550 現像ユニット、560 定着器ユニット、570 搬送機構、MFP 画像形成装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に装着された操作パネル装置であって、
前記画像形成装置に対して固定された第1のパネルと、
前記第1のパネルに対して前記画像形成装置が位置する側とは反対の側に配置され、表示面を提供する表示装置を有する第2のパネルと、
前記表示装置を制御する制御手段とを備え、
前記第2のパネルは、前記表示面と平行な面に沿ってスライド可能に構成されており、
前記第1のパネルは、前記第1のパネルと前記第2のパネルとが重なっていないときに露出する領域に配置された複数のキーを含み、
前記制御手段は、前記画像形成装置に対する指示を受付けるための画像を含む画面を表示する際に、使用頻度のより高い指示に関連付けられた画像ほど、前記表示面において、前記第2のパネルをスライドした状態において前記第1および第2のパネルの中央側により近い位置に表示する、操作パネル装置。
【請求項2】
画像形成装置に装着された操作パネル装置であって、
前記画像形成装置に対して固定された第1のパネルと、
前記第1のパネルに対して前記画像形成装置が位置する側とは反対の側に配置され、表示面を提供する表示装置を有する第2のパネルと、
前記表示装置を制御する制御手段とを備え、
前記第2のパネルは、前記表示面と平行な面に沿ってスライド可能に構成されており、
前記第1のパネルは、前記第1のパネルと前記第2のパネルとが重なっていないときに露出する領域に配置された複数のキーを含み、
前記制御手段は、前記画像形成装置に対する指示を受付けるための画像を含む画面を表示する際に、使用頻度のより高い指示に関連付けられた画像ほど、前記表示面において、前記第2のパネルのスライド方向とは逆方向の位置に表示する、操作パネル装置。
【請求項3】
前記制御手段は、使用頻度のより高い指示に関連付けられた画像が表示される側とは反対側には、画像形成装置のステータスを表示する画面を表示する、請求項1または2に記載の操作パネル装置。
【請求項4】
前記制御手段は、ユーザからの操作回数のより多い画像ほど使用頻度がより高い指示に関連付けられた画像とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の操作パネル装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記画像形成装置に対する指示を受付けるための画像別の操作回数に応じて、それぞれの画像の表示位置を変更する、請求項4に記載の操作パネル装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の操作パネル装置を含む画像形成装置。
【請求項1】
画像形成装置に装着された操作パネル装置であって、
前記画像形成装置に対して固定された第1のパネルと、
前記第1のパネルに対して前記画像形成装置が位置する側とは反対の側に配置され、表示面を提供する表示装置を有する第2のパネルと、
前記表示装置を制御する制御手段とを備え、
前記第2のパネルは、前記表示面と平行な面に沿ってスライド可能に構成されており、
前記第1のパネルは、前記第1のパネルと前記第2のパネルとが重なっていないときに露出する領域に配置された複数のキーを含み、
前記制御手段は、前記画像形成装置に対する指示を受付けるための画像を含む画面を表示する際に、使用頻度のより高い指示に関連付けられた画像ほど、前記表示面において、前記第2のパネルをスライドした状態において前記第1および第2のパネルの中央側により近い位置に表示する、操作パネル装置。
【請求項2】
画像形成装置に装着された操作パネル装置であって、
前記画像形成装置に対して固定された第1のパネルと、
前記第1のパネルに対して前記画像形成装置が位置する側とは反対の側に配置され、表示面を提供する表示装置を有する第2のパネルと、
前記表示装置を制御する制御手段とを備え、
前記第2のパネルは、前記表示面と平行な面に沿ってスライド可能に構成されており、
前記第1のパネルは、前記第1のパネルと前記第2のパネルとが重なっていないときに露出する領域に配置された複数のキーを含み、
前記制御手段は、前記画像形成装置に対する指示を受付けるための画像を含む画面を表示する際に、使用頻度のより高い指示に関連付けられた画像ほど、前記表示面において、前記第2のパネルのスライド方向とは逆方向の位置に表示する、操作パネル装置。
【請求項3】
前記制御手段は、使用頻度のより高い指示に関連付けられた画像が表示される側とは反対側には、画像形成装置のステータスを表示する画面を表示する、請求項1または2に記載の操作パネル装置。
【請求項4】
前記制御手段は、ユーザからの操作回数のより多い画像ほど使用頻度がより高い指示に関連付けられた画像とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の操作パネル装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記画像形成装置に対する指示を受付けるための画像別の操作回数に応じて、それぞれの画像の表示位置を変更する、請求項4に記載の操作パネル装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の操作パネル装置を含む画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【公開番号】特開2012−156579(P2012−156579A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11121(P2011−11121)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]