説明

操作装置

【課題】持ちやすく使いやすい形状で、操作性が向上するハンディターミナル等の操作装置を実現することである。
【解決手段】筐体1と、筐体1の背面の先端から後端までの中央付近に設けられ、指を掛けるための引っ掛かり部9と、引っ掛かり部9の位置に対応して筐体1の正面に設けられるセンタトリガキー31と、筐体1の背面の引っ掛かり部9より後端側に設けられ、指を掛けるための引っ掛かり部10と、引っ掛かり部9の位置に対応して筐体1の正面に設けられるテンキー33と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品に付されるバーコードを光学的に読み取ったり、各種情報をキー入力可能な店舗支援用の操作装置としてのハンディターミナルが広く使われている。
【0003】
また、ハンディターミナルの操作性を向上する構成が考えられている。例えば、バーコードの情報読み取り機能と顧客の非接触ICカードに記録された情報を電磁誘導により読み取る機能とを有するハンディターミナルにおいて、バーコード読み取り方向とカード読み取り方向とを一致させる構成が考えられている(例えば、特許文献1参照)。この構成によれば、ユーザは、バーコード読み取りとカード読み取りとでハンディターミナルを同じ向きにして読み取り操作が可能である。
【特許文献1】特開2000−163529号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のハンディターミナル等の操作装置において、操作装置を片手で持ちながら走査装置のレーザトリガキーやテンキーなどを操作しなければならず、持ちやすさや使いやすさにおいてさらなる操作性の向上が要求されている。
【0005】
本発明の課題は、持ちやすく使いやすい形状で、操作性が向上するハンディターミナル等の操作装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明の操作装置は、筐体と、前記筐体の背面の先端から後端までの中央付近に設けられ、指を掛けるための第1の凹部と、前記第1の凹部の位置に対応して前記筐体の正面に設けられる第1の操作キー部と、前記筐体の背面の前記第1の凹部より後端側に設けられ、指を掛けるための第2の凹部と、前記第2の凹部の位置に対応して前記筐体の正面に設けられる第2の操作キー部と、を備える。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の操作装置において、前記筐体の背面に設けられ、把持の際の手の形状に対応する卵形状の凸部を備え、前記第1の凹部及び前記第2の凹部の全部又は一部は、前記凸部上に設けられる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の操作装置において、前記第1の凹部又は前記第2の凹部に中指を掛けた場合の人差し指の位置に対応して前記筐体の側面に設けられる第3の操作キー部を備える。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の操作装置において、前記筐体の背面の前記第1の凹部より先端側に第3の凹部を備える。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の操作装置において、前記筐体の背面に蓋部を備え、前記第1の凹部及び前記第2の凹部の少なくとも一方の一部又は全部は、前記蓋部上に設けられる。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の操作装置において、前記筐体の正面の前記第1の操作キー部よりも先端側に表示部を備える。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の操作装置において、前記第2の操作キー部は、複数の操作キーを有し、当該複数の操作キーが階段状に配列される。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の操作装置において、前記中央付近の構成部品の密度が高い。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1の凹部に指を引っ掛けて操作機器を安定して把持でき、その状態で第1の操作キーを容易に操作でき、第2の凹部に指を引っ掛けて第2の操作キーを容易に操作でき、持ちやすく使いやすい形状で、操作性が向上するハンディターミナル等の操作装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明に係る好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0016】
図1〜図5を参照して、本実施の形態のハンディターミナル100の構成を説明する。先ず、図1〜図3を参照して、ハンディターミナル100の外観構成を説明する。図1に、本実施の形態のハンディターミナル100の正面の構成を示す。図2に、ハンディターミナル100の側面の構成を示す。図3に、ハンディターミナル100の背面の構成を示す。
【0017】
本実施の形態のハンディターミナル100は、キー操作入力機能及びバーコード読み取り機能を有し、コンビニエンスストア等の店舗支援のための操作入力端末装置である。ハンディターミナル100は、店舗の店員等のユーザの操作入力により、商品会計時、棚卸時(在庫管理、発注)における商品のバーコード読み取りや、各種数量(在庫数量、発注数量等)のキー入力を行う。
【0018】
図1に示すように、ハンディターミナル100は、筐体1を備える。ハンディターミナル100は、筐体1の正面に、表示部2と、操作部3と、スピーカ部4と、点灯部5と、電源キー6と、マイク部41と、を備えて構成される。
【0019】
以下、ハンディターミナル100の長手方向のスピーカ部4側の端部を先端とし、逆側(マイク部41側)の端部を後端として説明する。
【0020】
筐体1は、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂等の材料で形成される。表示部2は、LCD(Liquid Crystal Display)であり、各種情報を表示する。表示部2としては、ELD(ElectroLuminescent Display)等、他の表示部としてもよい。
【0021】
操作部3は、各種操作キーを備え、ユーザのキー入力を受け付ける。操作部3は、第1の操作キー部としてのセンタトリガキー31、カーソルキー31A、第3の操作キー部としてのサイドトリガキー32A,32B、第2の操作キー部としてのテンキー33、エンターキー34、入力キー35、ファンクションキー36と、キーとキーの間を仕切るリブ37とを有する。
【0022】
センタトリガキー31、サイドトリガキー32A,32Bは、ユーザの押下により、後述するスキャナ部7のバーコード読み取りの実行を入力するためのキーである。センタトリガキー31は、筐体1の正面の中心付近に設けられる。カーソルキー31Aは、筐体1の正面のセンタトリガキー31の左右に設けられる。カーソルキー31Aは、上下移動を入力するためのキーである。サイドトリガキー32Aは、筐体1の右側面でセンタトリガキー31より先端側の位置に設けられる。サイドトリガキー32Bは、筐体1の左側面でセンタトリガキー31より先端側の位置に設けられる。
【0023】
テンキー33は、ユーザの押下により0〜9の各種数字、文字を入力するためのキーである。テンキー33は、筐体1の正面のセンタトリガキー31より後端側に設けられる。
【0024】
エンターキー34は、ユーザの押下により確定を入力するためのキーである。入力キー35は、シフトキー、ユーザの押下により小数点を入力するためのキー、ユーザの押下により削除を入力するためのクリアキーを含む。ファンクションキー36は、ユーザの押下により各種ファンクションの実行を入力するためのキーである。
【0025】
スピーカ部4は、筐体1の正面の表示部2より先端側に設けられ、各種の音を出力する。点灯部5は、筐体1の正面のスピーカ部4の左側に設けられる。点灯部5は、LED(Light Emitting Diode)等の発光部を有し、その発光部の点灯を行う。例えば、後述するスキャナ部7によるバーコード読み取り時、バーコードの読み取りが成功した際に、スピーカ部4による音出力と、点灯部5による点灯により、聴覚的及び視覚的にユーザに成功の旨を知らしめる。
【0026】
電源キー6は、筐体1の正面のスピーカ部4の右側に設けられ、ユーザの電源オン/オフの押下入力を受け付ける。マイク部41は、筐体1の正面の後端の中央付近に設けられ、ユーザのメッセージ等の音声入力を受付ける。また、スピーカ部4、点灯部5、電源キー6、マイク部41の位置は、上記の位置に限定されるものではない。
リブ37は、隣接するキーを仕切るように、テンキー33、入力キー35、ファンクションキー36に配置される。リブ37を有することにより、ユーザが誤って隣り合ったキーの同時押しを避けることができる。そのため小さい筐体1にでも、ユーザが押し易い大きなキーを配置することが可能である。なお、キーが隣接しない場合、例えばテンキー33の1、2、3の数値キーと、4、5、6の数値キーとの間には空間があるので、このような空間がある個所にはリブ37を配置しなくてもよい。
【0027】
図2に示すように、ハンディターミナル100は、さらに、スキャナ部7と、アタッチメント固定凹部7Aと、凸部8と、第1の凹部としての引っ掛かり部9と、第2の凹部としての引っ掛かり部10と、第3の凹部としての凹部11と、突起部12と、ロック部19と、を備える。
【0028】
スキャナ部7は、筐体1の先端面に設けられ、商品に付されたバーコード等を光学的に読み取る。スキャナ部7は、バーコード等に照射する光の発光部と、発光部から発光されてバーコード等で反射される反射光を受光して電気信号に変換する受光部とを備える。スキャナ部7は、センタトリガキー31、サイドトリガキー32A又は32Bの押下に応じて、光照射及び情報の読み取りの動作が行われる。
【0029】
筐体1のスキャナ部7部分は、背面側に曲げられた筐体1内に設けられ、筐体1の先端面の法線の延長線上に読み取るべきバーコードが位置するので、ユーザがハンディターミナル100を把持して筐体1の先端面に沿ってバーコードに狙いをつけ易くなる。
また筐体1のアタッチメント固定凹部7A部分は、図示しないアタッチメントを取り付ける係合部分である。アタッチメントを取り付け、このアタッチメントの先端を読み取るべきバーコードの位置に接触させることで、バーコードに狙いをさらにつけ易くなり、操作に慣れていない初心者であってもバーコードを簡単に読み取ることができる。
【0030】
凸部8が無くても、ハンディターミナル100の把持時にフィット感を十分得ることができるが、筐体1が後端側に向けて徐々にすぼまっているため、すっぽ抜けるおそれもある。このため、ハンディターミナル100に凸部8が設けられている。
【0031】
凸部8は、筐体1の一部であり、筐体1の背面の後端側で、操作部3の裏側に設けられる。凸部8は、半卵形状(略半楕円球)を有する。つまり、正面の操作部3からその裏側(背面の引っ掛かり部9,10)に行くにつれて稜線が大きくなる。ユーザが裏面からハンディターミナル100を把持した場合に、ユーザの手の平全体に凸部8がフィットし、把持したときの安心感が増大する。また、半卵形状は、外力に対する強度が大きい。すなわち落下時にも応力の集中が無く、衝撃が分散されるという効果により落下衝撃耐性を実現できる。このため、凸部8がない構成に比べて、凸部8(及び筐体1)の肉厚を薄くすることができ、軽量化が実現できる。
【0032】
引っ掛かり部9,10は、筐体1の背面の凸部8上に設けられ、ユーザの指を引っ掛けるための凹部である。引っ掛かり部9は、ハンディターミナル100の重心位置G内に配置され、センタトリガキー31の裏側付近に位置する。また、側面から見た場合に、引っ掛かり部9の中心は、センタトリガキー31の裏側付近で、その中心よりも先端側に位置することが好ましい。
【0033】
引っ掛かり部10は、テンキー33の裏側に対応する位置に配置される。また、サイドトリガキー32A,32Bは、後述するように筐体1を正面から把持し引っ掛かり部10に中指を引っ掛けた状態での人差し指の位置に配置される。
【0034】
筐体1のスキャナ部7の形状と、凸部8とにより、筐体1に凹部11が形成される。凹部11により、ハンディターミナル100を、その背面を下にするように机上等に載置した場合に、ユーザが凹部11に指を入れてハンディターミナル100を容易に掴んで持ち上げることができる。
【0035】
突起部12は、筐体1の両側面で、操作部3の側方の位置に配置されて設けられる。突起部12は、ディンプル加工が施され、複数の突起からなり、ユーザがハンディターミナル100を把持する際に、各突起が滑り止めの効果を有する。また、筐体1の操作部3の位置付近の角部(端部)は、面取りがなされている。このため、ユーザの中指、薬指、小指等の手当たり感をよくでき、グリップ性が向上され、把持するユーザに安心感を与えることができる。
【0036】
ロック部19は、電池蓋8Bを開けるために後述する係止部19Cのロックを解除する際にスライド操作される。
【0037】
また、図2にしめすテンキー33、エンターキー34、入力キー35の各キーは、側方から見ると、後端側から先端側へ上昇する階段形状をしている。このため、テンキー33を小さくしても、ユーザがテンキー33、エンターキー34、入力キー35の各キーを容易に押下操作できる。なおこの階段形状については図4にて詳細に説明する。
【0038】
図3に示すように、ハンディターミナル100は、さらに、通信端子14を備える。通信端子14は、背面の後端に設けられ、外部との通信を介するための接続端子である。ハンディターミナル100は、図示しないクレードルに載置可能である。クレードルは、商用電源と外部機器の通信ケーブルとに接続される。ハンディターミナル100をクレードルに載置した状態で、そのクレードルの充電端子と充電端子13とが接続され、またクレードルの通信端子と通信端子14とが接続される。このクレードルとの接続状態において、充電端子13を介しハンディターミナル100に充電が行われ、通信端子14を介して外部機器とハンディターミナル100との通信が行われる。
【0039】
次いで、図4を参照して、ハンディターミナル100の内部構成を説明する。図4に、図1のハンディターミナル100のIV−IV線における断面構成を示す。
【0040】
図4に示すように、ハンディターミナル100は、内部に、表示部2、スピーカ部4、スキャナ部7、通信端子14、基板15、メインバッテリー16、サブバッテリー17、バイブレータ18、マイク部41等を備えて構成される。スキャナ部7の光照射方向a(情報読み取り方向)は筐体1の先端面の法線bとの交点cが焦点になるように光を照射する。このため、スキャナ部7の光照射方向は、ユーザがハンディターミナル100を把持して筐体1の先端面に沿ってバーコードに狙いをつけ易くなる。
【0041】
基板15は、表示部2及び操作部3の位置に対応し筐体1の内部に設けられ、PCB(Printed Circuit Board)で構成され、ハンディターミナル100の各電子部品に接続される。メインバッテリー16は、操作部3の位置に対応し、筐体1の内部に設けられる。メインバッテリー16は、着脱可能で充放電可能な2次電池であり、例えば、リチウム電池である。
【0042】
サブバッテリー17は、引っ掛かり部9の後端側の位置に対応し筐体1の内部に設けられる。サブバッテリー17は、固定的に設けられた充放電可能な2次電池であり、メインバッテリー16の供給電力がなくなると、その代わりに電力を供給する。メインバッテリー16及びサブバッテリー17は、充電端子13を介して充電される。
【0043】
バイブレータ18は、サブバッテリー17の後端側の位置に対応し筐体1の内部に設けられ、振動を行う。例えば、後述するスキャナ部7によるバーコード読み取り時、バーコードの読み取りが成功した際に、バイブレータ18により振動出力がなされ、触覚的にユーザに成功の旨を知らしめる。
【0044】
また、凸部8の内部には、中空部8Aを有する。中空部8Aにより、凸部8の形状を確保するとともに、ハンディターミナル100の軽量化が図れる。テンキー33、エンターキー34、入力キー35の個々のキーの形状は後端側が先端側より若干高くなるように形成され、テンキー33、エンターキー34、入力キー35の各キーは後端側から先端側へ上昇して設けられているキーボード基板38上に配置され、その結果、各キーは後端側から先端側へ上昇する階段状に配列される。後述する図7の状態で、ユーザがハンディターミナル100を把持したまま、テンキー33、エンターキー34、入力キー35を親指201で押下操作する際に、各キーは後端側から先端側へ上昇する階段状に配列されているので、親指201を動かして各キーを操作する場合に各キーへの親指201の掛かりが良くなり操作性を向上させることが可能になる。
【0045】
また、ハンディターミナル100は、筐体1の先端から後端までの中央付近にその重心が位置するように、引っ掛かり部9付近の筐体1内部に重量が比較的大きい部品を密度が高くなるように配置されている。
【0046】
次いで、図5を参照して、凸部8の蓋部としての電池蓋8Bの構成を説明する。図5に、電池蓋8Bを外したハンディターミナル100の背面における斜視構成を示す。
【0047】
図5に示すように、凸部8は、メインバッテリー16の電池蓋8Bとして機能し、ロック部19A及び19Bをスライド操作して、係止部19C、8Dのロックを解除し、電池蓋8Bを開ける。例えば、ユーザの手の大きさ、把持時の手の形状等に応じて、形状が異なる凸部8(電池蓋8B)を用意しておき、使用中の凸部8(電池蓋8B)を、次に使用するユーザに応じた適切な形状の凸部8(電池蓋8B)に交換することにより、異なるユーザそれぞれに対して、ハンディターミナル100把持時の手を凸部8にフィットさせることもできる。また、メインバッテリー16を大容量バッテリーにした場合など、その大きさに合わせて形状が異なる凸部8(電池蓋8B)を用意することもできる。なお接触検出部8Cは電池蓋8Bの接触を検出する接触検出部である。
【0048】
次に、図6〜図9を参照して、ハンディターミナル100をユーザが把持及び操作する動作状態を説明する。図6に、左手200でハンディターミナル100を把持しセンタトリガキー31を操作する状態を示す。図7に、左手200でハンディターミナル100を把持しテンキー33を操作する状態の側面構成を示す。図8に、右手300でハンディターミナル100を把持しサイドトリガキー32Aを操作する状態の側面構成を示す。図9に、左手200でハンディターミナル100を把持しサイドトリガキー32Bを操作する状態の斜視構成を示す。
【0049】
図6に示すように、ハンディターミナル100のセンタトリガキー31を操作する場合に、ユーザは例えば左手200でハンディターミナル100を背面側から把持する。より具体的には、左手200の人差し指202を引っ掛かり部9に引っ掛けて把持する。すると、自然に無理なく、左手200が凸部8にフィットし、中指203が引っ掛かり部10に引っ掛かり、薬指204及び小指205が筐体1の右側面に位置され、親指201がセンタトリガキー31上に位置する。また、中指203、薬指204及び小指205の指先位置に、突起部12が位置する。
【0050】
図6の状態で、ユーザがハンディターミナル100を把持したまま、センタトリガキー31を親指201で押下操作する。特に、ハンディターミナル100のスキャナ部7の光照射方向をバーコードに容易に向けることができ、その姿勢でセンタトリガキー31を押下して容易にバーコードの読み取りを行うことができる。スキャン操作(センタトリガキー31押下)時に、腕に余計な負担を掛けることなく快適なスキャン操作が可能となる。また、図6の把持の位置関係は、スキャン操作時において、ハンディターミナル100が不安定になることを防止できる。また、中指203を引っ掛かり部9に引っ掛けて把持することとしてもよい。ハンディターミナル100を右手300で把持してセンタトリガキー31を操作する場合も同様である。
【0051】
また、引っ掛かり部9が重心位置G内にあるため、ユーザがハンディターミナル100を把持したときの腕の緊張を緩和できる。人差し指202を重心位置G内の引っ掛かり部9に引っ掛けると、筐体1の重量バランスがとれ、ハンディターミナル100をより確実に把持でき、ハンディターミナル100の落下を防ぐことができ、長時間の操作においてユーザの疲労を軽減できる。特に、ハンディターミナル100を持つ位置が決まらないことと、指が安定しないことと、ハンディターミナル100の重量を感じ続けることで腕の筋に余計な負担がかかり、疲労を感じるが、図6に示したハンディターミナル100の把持により、ユーザにおける重量感を軽減することができる。
【0052】
図7に示すように、ハンディターミナル100のテンキー33を操作する場合に、ユーザは例えば左手200でハンディターミナル100を背面側から把持する。より具体的には、左手200の人差し指202を引っ掛かり部10に引っ掛けて把持する。すると、自然に無理なく、左手200が凸部8にフィットし、中指203及び薬指204が筐体1の右側面に位置され、親指201がテンキー33上に位置する。また、中指203及び薬指204の指先位置に、突起部12が位置する。
【0053】
図7の状態で、ユーザがハンディターミナル100を把持したまま、テンキー33を親指201で押下操作する。テンキー操作(テンキー33押下)時に、腕に余計な負担を掛けることなく快適なテンキー操作が可能となる。また、図7の把持の位置関係は、テンキー操作時において、ハンディターミナル100が不安定になることを防止できる。また、中指203を引っ掛かり部10に引っ掛けて把持することとしてもよい。ハンディターミナル100を右手300で把持してテンキー33を操作する場合も同様である。
【0054】
ユーザがハンディターミナル100のサイドトリガキー32Aを操作する場合に、図8に示すように、ユーザは例えば右手300でハンディターミナル100を正面側から把持する。より具体的には、右手300の中指303を引っ掛かり部10に引っ掛けて把持する。すると、自然に無理なく、薬指304及び小指305が凸部8にフィットし、人差し指302がサイドトリガキー32Aに位置する。
【0055】
図8の状態で、ユーザがハンディターミナル100を把持したまま、サイドトリガキー32Aを人差し指302で押下操作する。特に、ハンディターミナル100のスキャナ部7の光照射方向をバーコードに容易に向けることができ、その姿勢でサイドトリガキー32Aを押下して容易にバーコードの読み取りを行うことができる。特に、凸部8により、正面の操作部3から裏面(背面)に行くにつれて稜線が大きくなるので、図8の把持状態でのユーザの違和感を除去できる。
【0056】
図9に示すように、ハンディターミナル100を左手200で把持してサイドトリガキー32Bを操作する場合も、同様である。また、サイドトリガキー32A又は32Bを操作する際、左手200又は右手300により表示部2が隠れることがないため、ユーザが表示部2を確実に視認しつつ、サイドトリガキー32A又は32Bを操作できる。
【0057】
以上、本実施の形態によれば、引っ掛かり部9を筐体1の背面の重心位置Gである中心付近に設け、対応する筐体1の正面の位置にセンタトリガキー31を設けた。このため、引っ掛かり部9に人差し指を引っ掛けてハンディターミナル100をユーザが安定して確実に把持できるとともに重量感を軽減でき、その状態でセンタトリガキー31を親指で容易に押下操作できる。
【0058】
また、引っ掛かり部10を筐体1の背面の引っ掛かり部9より後端側に設け、対応する筐体1の正面の位置にテンキー33を設けた。このため、引っ掛かり部10に人差し指を引っ掛けてハンディターミナル100をユーザが確実に把持でき、その状態でテンキー33を親指で容易に押下操作できる。従って、持ちやすく使いやすい形状で、操作性が向上するハンディターミナル100を実現できる。
【0059】
また、略半楕円球状の凸部8を筐体1の背面に設けた。このため、凸部8が手にフィットしハンディターミナル100をユーザが確実に把持でき、手にしっくりなじむ親和感をユーザに与えることができる。また、凸部8により、ハンディターミナル100の強度を上げることができ、よって凸部8の肉厚を薄くして軽量にできる。
【0060】
また、サイドトリガキー32A,32Bを、ハンディターミナル100を正面から把持し引っ掛かり部10に中指を引っ掛けた状態で人差し指が位置する筐体1の両側面に設けた。このため、引っ掛かり部9に中指を引っ掛けた状態でサイドトリガキー32A又は32Bを容易に押下操作できる。
【0061】
また、筐体1の背面に凹部11を設けた。このため、背面を下にしてハンディターミナル100が机上等に載置された状態から、ユーザが凹部11に指を入れて容易且つ確実にハンディターミナル100を掴んで持ち上げることができる。
【0062】
また、凸部8が着脱可能な電池蓋8Bとして機能する。このため、凸部8の交換を容易にでき、例えば、使用中の凸部8を次に使用するユーザの手の形状に対応する凸部8に交換でき、さらに操作性を向上できる。また、メインバッテリー16の形状に応じて、その形状に応じた凸部8に交換できる。
【0063】
また、筐体1の正面のセンタトリガキー31より先端側に表示部2を備える。このため、筐体1を正面から把持し中指を引っ掛かり部10に引っ掛けた状態でも、手により表示部2が隠れることなく、ユーザが表示部2を確実に視認できる。
【0064】
また、テンキー33、エンターキー34、入力キー35は、各キーが後端側から先端側へ上昇する階段状に配列される。このため、テンキー33、エンターキー34、入力キー35が小さくてもキーを押下しやすく、操作性を向上できる。よって、テンキー33、エンターキー34、入力キー35を小さくしてハンディターミナル100を小型化できる。
【0065】
また、重心位置である引っ掛かり部9付近でハンディターミナル100の構成部品の密度が高い。このため、引っ掛かり部9に指を引っ掛けてハンディターミナル100を把持する際に、ハンディターミナル100の重量バランスを良くし、姿勢を安定にできる。
【0066】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る操作装置の一例であり、これに限定されるものではない。
【0067】
上記実施の形態では、操作装置としてハンディターミナルを用いる構成としたが、PDA(Personal Digital Assistant)、電化製品のリモートコントローラ等、他の操作装置としてもよい。
【0068】
また、上記実施の形態では、筐体1の側面に突起部12を設けたが、これに限定されるものではない。例えば、引っ掛かり部9,10の少なくとも一方に滑り止めのための突起部等を設ける構成としてもよい。
【0069】
また、上記実施の形態では、筐体1を正面から把持し引っ掛かり部10に中指を引っ掛けた状態での人差し指の位置にサイドトリガキー32A,32Bを配置したが、これに限定されるものではない。例えば、筐体1を正面から把持し引っ掛かり部9に中指を引っ掛けた状態での人差し指の位置にサイドトリガキー32A,32Bを配置する構成としてもよい。
【0070】
また、上記実施の形態では、センタトリガキー31、サイドトリガキー32A,32B、テンキー33、エンターキー34、入力キー35、ファンクションキー36を、押下式のキーとしたが、これに限定されるものではない。例えば、センタトリガキー31、サイドトリガキー32A,32B、テンキー33、エンターキー34、入力キー35、ファンクションキー36を、スライド式、ジョグダイヤル式等、他の方式のキーとすることとしてもよく、また、それぞれ、他の操作入力のための操作キーとしてもよい。
【0071】
また、引っ掛かり部9,10の少なくとも一つが凸部8上に設けられる構成としてもよい。また、引っ掛かり部9,10の少なくとも一つの一部又は全部が蓋として交換可能な構成としてもよい。
【0072】
また、上記実施の形態におけるハンディターミナル100の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明に係る実施の形態のハンディターミナルの正面図である。
【図2】ハンディターミナルの側面図である。
【図3】ハンディターミナルの背面図である。
【図4】図1のハンディターミナルのIV−IV線における断面図である。
【図5】凸部を外したハンディターミナルの背面における斜視図である。
【図6】左手でハンディターミナルを把持しセンタトリガキーを操作する状態を示す側面図である。
【図7】左手でハンディターミナルを把持しテンキーを操作する状態を示す側面図である。
【図8】右手でハンディターミナルを把持しサイドトリガキーを操作する状態を示す側面図である。
【図9】左手でハンディターミナルを把持しサイドトリガキーを操作する状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0074】
100 ハンディターミナル
1 筐体
2 表示部
3 操作部
31 センタトリガキー
32A,32B サイドトリガキー
33 テンキー
34 エンターキー
35 入力キー
36 ファンクションキー
37 リブ
38 キーボード基板
4 スピーカ部
41 マイク部
5 点灯部
6 電源キー
7 スキャナ部
7A アタッチメント固定凹部
8 凸部
8A 中空部
8B 電池蓋
8C 接触検出部
8D 凸部
9 引っ掛かり部
10 引っ掛かり部
11 凹部
12 突起部
13 充電端子
14 通信端子
15 基板
16 メインバッテリー
17 サブバッテリー
18 バイブレータ
19 ロック部
19A,19B ロック部
19C 係止部
200 左手
300 右手
201 親指
202,302 人差し指
203,303 中指
204,304 薬指
205,305 小指
a 光照射方向
b 法線
c 交点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の背面の先端から後端までの中央付近に設けられ、指を掛けるための第1の凹部と、
前記第1の凹部の位置に対応して前記筐体の正面に設けられる第1の操作キー部と、
前記筐体の背面の前記第1の凹部より後端側に設けられ、指を掛けるための第2の凹部と、
前記第2の凹部の位置に対応して前記筐体の正面に設けられる第2の操作キー部と、
を備える操作装置。
【請求項2】
前記筐体の背面に設けられ、把持の際の手の形状に対応する卵形状の凸部を備え、
前記第1の凹部及び前記第2の凹部の全部又は一部は、前記凸部上に設けられる請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記第1の凹部又は前記第2の凹部に中指を掛けた場合の人差し指の位置に対応して前記筐体の側面に設けられる第3の操作キー部を備える請求項1又は2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記筐体の背面の前記第1の凹部より先端側に第3の凹部を備える請求項1から3のいずれか一項に記載の操作装置。
【請求項5】
前記筐体の背面に蓋部を備え、
前記第1の凹部及び前記第2の凹部の少なくとも一方の一部又は全部は、前記蓋部上に設けられる請求項1から4のいずれか一項に記載の操作装置。
【請求項6】
前記筐体の正面の前記第1の操作キー部よりも先端側に表示部を備える請求項1から5のいずれか一項に記載の操作装置。
【請求項7】
前記第2の操作キー部は、複数の操作キーを有し、当該複数の操作キーが階段状に配列される請求項1から6のいずれか一項に記載の操作装置。
【請求項8】
前記中央付近の構成部品の密度が高い請求項1から7のいずれか一項に記載の操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−9196(P2009−9196A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−167343(P2007−167343)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】