説明

操作装置

【課題】簡単な構成で操作部材の回転量とその回転方向とを判別することが可能な操作装置を提供する。
【解決手段】操作部材10と一体に回転可能な操作側ギヤ16と、操作側ギヤ16とかみ合い回転可能な逆回転側ギヤ26と、操作部材10またはこれと同期して同方向に回転する部材の所定の箇所がその回転に伴って所定の場所を通過する毎に所定の信号を出力する正回転出力手段と、逆回転側ギヤ26の所定の箇所がその回転に伴って所定の場所を通過する毎に所定の信号を出力する逆回転出力手段とを備え、逆回転側ギヤ保持部40に、逆回転側ギヤ26を、操作側ギヤ16とかみ合うかみ合い可能位置とこのかみ合い可能位置から離間して操作側ギヤ16とのかみ合いが解除される退避位置との間で案内する逆回転側案内部44を設けることを特徴とする操作装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転操作される操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のインストゥルメントパネル等には、エアコン等の各種制御装置を操作するための操作装置が設けられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、回転操作を受けて回転する操作部材を備えた操作装置が開示されている。この操作装置は、操作部材と一体に回転する大ギヤと、この大ギヤとかみ合って回転する小ギヤと、この小ギヤに連結される可変抵抗器とを有している。可変抵抗器は、円弧状の抵抗体と、この抵抗体に接触する端子と、前記小ギヤと一体に回転して前記端子にこの小ギヤの回転を伝達する回転軸とを有している。この可変抵抗器では、前記操作部材の回転に伴い大ギヤ、小ギヤおよび回転軸が回転することで前記端子が前記抵抗体上を移動して抵抗体の一端と端子との間の抵抗値が変化し、この抵抗値に応じた電圧が出力される。前記端子の位置と操作部材の絶対角度位置とは一対一に対応しており、可変抵抗器からは操作部材の絶対角度位置に対応した信号が出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−268283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の装置では、操作部材の絶対角度位置に応じた信号を出力するために可変抵抗器が用いられている。この可変抵抗器は、円弧状の抵抗体や端子等多数の部品を含み構造が複雑であり比較的高価である。そのため、操作装置全体としてコスト面で不利になるという問題がある。ここで、操作手段の回転角度に応じた信号を出力するための安価なものとしては、操作部材の所定の箇所がその回転に伴って特定の場所を通過する毎に所定のパルス信号を出力するスイッチ素子を用い、その信号をカウントすることで回転角度を算出するものが挙げられる。しかしながら、この構成では、操作部材が正逆いずれの方向に回転しても同じパルス信号を出力するので、操作部材の回転方向が判別できない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑み、簡単な構成で操作部材の回転量とその回転方向とを判別することが可能な操作装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決する手段として、本発明は、特定方向に延びる操作回転軸を中心に回転操作される操作部材と、前記操作部材に連結されて当該操作部材と一体に回転可能な操作側ギヤと、前記操作側ギヤとかみ合い前記操作回転軸と平行に延びる逆回転側ギヤ回転軸を中心に回転可能な逆回転側ギヤと、前記逆回転側ギヤを保持する逆回転側ギヤ保持部と、前記操作部材またはこれと同期して同方向に回転する部材の所定の箇所がその回転に伴って所定の場所を通過する毎に所定の信号を出力する正回転出力手段と、前記逆回転側ギヤの所定の箇所がその回転に伴って所定の場所を通過する毎に所定の信号を出力する逆回転出力手段とを備え、前記逆回転側ギヤ保持部は、前記逆回転側ギヤを、前記操作側ギヤの接線方向と略平行な方向に沿って、当該逆回転側ギヤが前記操作側ギヤとかみ合ってこの操作側ギヤの回転に伴い回転可能となるかみ合い可能位置と、このかみ合い可能位置から離間して前記逆回転側ギヤと前記操作側ギヤとのかみ合いが解除される退避位置と、の間で案内する逆回転側案内部を有するとともに、前記退避位置から前記かみ合い可能位置に向って付勢するように前記逆回転側ギヤを保持し、前記逆回転側ギヤは、前記操作側ギヤが正回転した場合には、この逆回転側ギヤに付与される付勢力および前記操作側ギヤからの回転力を受けて前記逆回転側案内部により前記かみ合い可能位置に案内されて当該かみ合い可能位置で前記操作側ギヤの回転に伴い回転する一方、前記操作側ギヤが逆回転した場合には、当該操作側ギヤからの回転力を受けて前記逆回転側案内部によりこの逆回転側ギヤに付与される付勢力に抗して前記退避位置に案内されることを特徴とする操作装置を提供する。
【0008】
この操作装置によれば、簡単な構成で、操作部材の回転量に加えて回転方向を判別することができる。
【0009】
すなわち、この操作装置では、前記操作部材の逆回転操作により操作側ギヤが逆回転した場合には、この操作側ギヤの回転力と付勢力とにより前記逆回転側ギヤが前記操作側ギヤとかみ合うかみ合い可能位置に保持され、この位置で逆回転側ギヤが操作側ギヤとかみ合いながら回転する。そのため、この操作部材が逆回転した場合には、逆回転出力手段からこの逆回転側ギヤひいては操作部材の回転量に応じた信号が出力される。一方、操作部材が正回転した場合には、逆回転側ギヤは、操作側ギヤの回転力によって前記かみ合い可能位置から付勢力に抗して退避位置に退避させられ、これにより操作側ギヤとのかみ合いが解除される。そのため、この操作部材が正回転した場合には、逆回転側ギヤは回転せず、前記逆回転出力手段から信号は出力されず、正回転出力手段からのみ信号が出力される。このように、この操作装置では、操作部材の回転方向によって信号が出力される出力手段が異なるため、どの出力手段から信号が出力されているかによって操作部材の回転方向を判別することができる。
【0010】
しかも、この操作装置では、逆回転側ギヤ保持部に、逆回転側ギヤを、操作側ギヤの接線方向と略平行な方向に沿って、かみ合い可能位置とこのかみ合い可能位置から離間して前記逆回転側ギヤと前記操作側ギヤとのかみ合いが解除される退避位置との間で案内する逆回転側案内部を設けるとともに、この逆回転側ギヤ保持部により前記退避位置から前記かみ合い可能位置に向って付勢するように前記逆回転側ギヤを保持させるという簡単な構成で、逆回転側ギヤのかみ合い可能位置と退避位置との間での移動を実現しており、操作部材の回転方向を判別可能としつつ装置全体の構成を簡素化することができる。
【0011】
また、本発明において、前記逆回転側ギヤ保持部には、前記操作側ギヤの接線方向と略平行な方向に沿って延びて前記逆回転側案内部として機能する逆回転側案内溝が形成されており、前記逆回転側ギヤは、この逆回転側ギヤに付与される前記付勢力および前記操作側ギヤからの回転力により前記逆回転側案内溝の一方の端部に押し付けられることで当該端部において前記操作側ギヤとかみ合い当該操作側ギヤの回転に伴い回転するのが好ましい。
【0012】
このようにすれば、逆回転側ギヤ保持部に逆回転側案内溝を形成するという簡単な構成で前記逆回転側ギヤをかみ合い可能位置と退避位置との間で案内することができるとともに、逆回転側案内溝の端部に逆回転側ギヤを押し付けることでこの逆回転側ギヤを安定してかみ合い可能位置に保持することができる。
【0013】
また、本発明において、前記正回転出力手段は、前記操作側ギヤとかみ合い前記操作回転軸と平行に延びる正回転側ギヤ回転軸を中心に回転可能な正回転側ギヤと、この正回転側ギヤを保持する正回転側ギヤ保持部と、この正回転側ギヤの所定の箇所がその回転に伴って所定の場所を通過する毎に所定の信号を出力する正回転側ギヤ出力手段とを有し、前記正回転側ギヤ保持部は、前記正回転側ギヤを、前記操作側ギヤの接線方向と略平行な方向に沿って、当該正回転側ギヤが前記操作側ギヤとかみ合ってこの操作側ギヤの回転に伴い回転可能となる正回転側かみ合い可能位置と、この正回転側かみ合い可能位置から離間して前記正回転側ギヤと前記操作側ギヤとのかみ合いが解除される正回転側退避位置と、の間で案内する正回転側案内部を有するとともに、前記正回転側退避位置から前記正回転側かみ合い可能位置に向って付勢するように前記正回転側ギヤを保持し、前記正回転側ギヤは、前記操作側ギヤが逆回転した場合には、この正回転側ギヤに付与される付勢力および前記操作側ギヤからの回転力を受けて前記正回転側案内部により前記正回転側かみ合い可能位置に案内されて当該正回転側かみ合い可能位置で前記操作側ギヤの回転に伴い回転する一方、前記操作側ギヤが正回転した場合には、当該操作側ギヤからの回転力を受けて前記正回転側案内部によりこの正回転側ギヤに付与される前記付勢力に抗して前記正回転側退避位置に案内されるのが好ましい。
【0014】
この構成では、前記操作部材の正回転操作により操作側ギヤが正回転した場合には、この操作側ギヤの回転力と付勢力とにより前記正回転側ギヤが前記操作側ギヤとかみ合う正回転側かみ合い可能位置に保持され、この位置で正回転側ギヤが操作側ギヤとかみ合いながら回転し、正回転出力手段からこの正回転側ギヤひいては操作部材の回転量に応じた信号が出力される。このとき、逆回転出力手段からは信号は出力されておらず、正回転出力手段のみから信号が出力される。一方、操作部材が逆回転した場合には、正回転側ギヤが前記正回転側かみ合い可能位置から前記正回転側退避位置に付勢力に抗して退避させられることで、正回転出力手段からは信号が出力されず逆回転側出力手段からのみ信号が出力される。このように、この構成では、操作部材の回転方向によって逆回転側出力手段と正回転側ギヤ出力手段とのいずれか一方のみから信号が出力されるため、操作部材の回転方向を容易に判別することができる。
【0015】
前記構成において、前記正回転側ギヤ保持部には、前記操作側ギヤの接線方向と略平行な方向に沿って延びて前記正回転側案内部として機能する正回転側案内溝が形成されており、前記正回転側ギヤは、この正回転側ギヤに付与される前記付勢力および前記操作側ギヤからの回転力により前記正回転側案内溝の一方の端部に押し付けられることで当該端部において前記操作側ギヤとかみ合い当該操作側ギヤの回転に伴い回転するのが好ましい。
【0016】
このようにすれば、正回転側ギヤ保持部に正回転側案内溝を形成するという簡単な構成で前記正回転側ギヤを正回転側かみ合い可能位置と正回転側退避位置との間で案内することができるとともに、正回転側案内溝の端部に正回転側ギヤを押し付けることでこの正回転側ギヤを安定して正回転側かみ合い可能位置に保持することができる。
【0017】
また、本発明において、前記逆回転側ギヤは、複数のかみ合い歯が形成された逆回転側ギヤ本体部と、前記逆回転側ギヤ回転軸を中心とする円周上に互いに等間隔に並ぶ複数の逆回転側スイッチ素子操作部とを有し、前記逆回転出力手段は、前記逆回転側スイッチ素子操作部と接触可能な位置に設けられて操作力を受けることで出力信号が変化する逆回転側スイッチ素子を有し、前記逆回転側ギヤの回転に伴って前記逆回転側スイッチ素子操作部が前記逆回転側スイッチ素子を操作する毎に所定の信号を出力し、前記正回転側ギヤは、複数のかみ合い歯が形成された正回転側ギヤ本体部と、この正回転側ギヤ本体部に設けられて前記正回転側ギヤ回転軸を中心とする円周上に互いに等間隔に並ぶ複数の正回転側スイッチ素子操作部とを有し、前記正回転側ギヤ出力手段は、前記正回転側スイッチ素子操作部と接触可能な位置に設けられて操作力を受けることで出力信号が変化する正回転側スイッチ素子を有し、前記正回転側ギヤの回転に伴って前記正回転側スイッチ素子操作部が前記正回転側スイッチ素子を操作する毎に所定の信号を出力するのが好ましい。
【0018】
この構成では、操作部材の逆回転に伴う逆回転側ギヤの回転に伴って逆回転側スイッチ素子に操作力が加えられこの逆回転側スイッチ素子の出力信号が変化する一方、操作部材の正回転に伴う正回転側ギヤの回転に伴って正回転側スイッチ素子に操作力が加えられこの正回転側スイッチ素子の出力信号が変化しており、逆回転側スイッチ素子の出力信号の変化回数および正回転側スイッチ素子の出力信号の変化回数により、操作部材の逆回転方向および正回転方向の回転量をそれぞれ容易に判別することができる。
【0019】
例えば、前記逆回転側ギヤ本体部は、前記特定方向と垂直な方向に延びる逆回転側ギヤ裏側面を有し、前記正回転側ギヤ本体部は、前記特定方向と垂直な方向に延びる正回転側ギヤ裏側面を有し、前記逆回転側スイッチ素子は、前記逆回転側ギヤ裏側面から前記特定方向に離間した位置に設けられて押圧操作を受ける逆回転側被操作部を有し、前記正回転側スイッチ素子は、前記正回転側ギヤ裏側面から前記特定方向に離間した位置に設けられて押圧操作を受ける正回転側被操作部を有し、前記逆回転側スイッチ素子操作部は、前記逆回転側ギヤ裏側面から前記特定方向に沿って前記逆回転側スイッチ素子側に突出する形状を有し、前記正回転側スイッチ素子操作部は、前記正回転側ギヤ裏側面から前記特定方向に沿って前記正回転側スイッチ素子側に突出する形状を有し、前記逆回転側被操作部と前記逆回転側ギヤの裏側面との間に介在して、前記逆回転側スイッチ素子操作部と当接可能な逆回転側当接部と前記逆回転側被操作部を押圧操作可能な逆回転側押圧部とを有する逆回転側押圧部材と、前記逆回転側押圧部材の逆回転側当接部と前記逆回転側スイッチ素子操作部との当接に伴って当該逆回転側押圧部材を前記特定方向に沿って前記逆回転側被操作部に近接して前記逆回転側押圧部がこの逆回転側被操作部を押圧操作する位置に案内するとともに、前記逆回転側押圧部材の逆回転側当接部と前記逆回転側スイッチ素子操作部との当接が解除されるのに伴って当該逆回転側押圧部材を前記特定方向に沿って前記逆回転側被操作部から離間する方向に案内する逆回転側押圧部材案内手段と、前記正回転側被操作部と前記正回転側ギヤの裏側面との間に介在して、前記正回転側スイッチ素子操作部と当接可能な正回転側当接部と前記正回転側被操作部を押圧操作可能な正回転側押圧部とを有する正回転側押圧部材と、前記正回転側押圧部材の正回転側当接部と前記正回転側スイッチ素子操作部との当接に伴って当該第2押圧伝達手段を前記正回転側被操作部に近接して前記正回転側押圧部がこの正回転側被操作部を押圧操作する位置に案内するとともに、前記正回転側押圧部材の正回転側当接部と前記正回転側スイッチ素子操作部との当接が解除されるのに伴って当該正回転側押圧部材を前記正回転側被操作部から離間する方向に案内する正回転側押圧部材案内手段と、備え、正回転側ギヤあるいは逆回転側ギヤの回転に伴って正回転側押圧部材あるいは逆回転側押圧部材がそれぞれ正回転側スイッチ素子の正回転側被操作部あるいは逆回転側スイッチ素子の逆回転側被操作部と接離してこれら正回転側被操作部あるいは逆回転側被操作を操作することで、操作部材の回転方向に応じて正回転側スイッチ素子あるいは逆回転側スイッチ素子から信号が出力されるような装置が挙げられる。
【0020】
また、本発明において、前記かみ合い可能位置は前記退避位置よりも鉛直方向下側に設定されており、前記正回転側かみ合い可能位置は前記正回転側退避位置よりも鉛直方向下側に設定されており、前記逆回転側ギヤは、前記退避位置から前記かみ合い可能位置に向かってその自重により付勢されるように前記逆回転側ギヤ保持部に保持されており、前記正回転側ギヤは、前記正回転側退避位置から前記正回転側かみ合い可能位置に向かってその自重により付勢されるように前記正回転側ギヤ保持部に保持されているのが好ましい。
【0021】
このようにすれば、前記退避位置にある逆回転側ギヤにその自重が下方すなわち前記かみ合い可能位置側への付勢力として働くため、別途付勢手段を設けることなく、逆回転側ギヤをより確実にかみ合い可能位置に移動させることができる。同様に、前記正回転側退避位置にある正回転側ギヤにその自重が下方すなわち前記正回転側かみ合い可能位置側への付勢力として働くため、別途付勢手段を設けることなく、正回転側ギヤをより確実に正回転側かみ合い可能位置に移動させることができる。
【0022】
また、本発明において、前記逆回転側ギヤは、複数のかみ合い歯が形成された逆回転側ギヤ本体部と、前記逆回転側ギヤ回転軸を中心とする円周上に互いに等間隔に並ぶ複数の逆回転側スイッチ素子操作部を有し、前記逆回転出力手段は、前記逆回転側スイッチ素子操作部と接触可能な位置に設けられて操作力を受けることで出力信号が変化する逆回転側スイッチ素子を有し、前記逆回転側ギヤの回転に伴って前記逆回転側スイッチ素子操作部が前記逆回転側スイッチ素子を操作する毎に所定の信号を出力し、前記操作側ギヤは、複数のかみ合い歯が形成された操作側ギヤ本体部と、前記操作側ギヤの回転軸を中心とする円周上に互いに等間隔に並ぶ複数の操作側スイッチ素子操作部を有し、前記正回転側ギヤは、複数のかみ合い歯が形成された正回転側ギヤ本体部と、この正回転側ギヤ本体部に設けられて前記正回転側ギヤ回転軸を中心とする円周上に互いに等間隔に並ぶ複数の正回転側スイッチ素子操作部とを有し、前記正回転側ギヤ出力手段は、前記正回転側スイッチ素子操作部と接触可能な位置に設けられて操作力を受けることで出力信号が変化する正回転側スイッチ素子を有し、前記正回転側ギヤの回転に伴って前記正回転側スイッチ素子操作部が前記正回転側スイッチ素子を操作する毎に所定の信号を出力するのが好ましい。
【0023】
このようにすれば、操作部材の逆回転に伴う逆回転側ギヤの回転に伴って逆回転側スイッチ素子の出力信号が変化し、操作部材の正回転に伴う操作側ギヤの回転に伴って正回転側スイッチ素子の出力信号が変化しており、この逆回転側スイッチの出力信号の変化回数および正回転側スイッチ素子の出力信号の変化回数により、操作部材の逆回転方向および正回転方向の回転量をそれぞれ容易に判別することができる。
【0024】
例えば、前記逆回転側ギヤ本体部は、前記特定方向と垂直な方向に延びる逆回転側ギヤ裏側面を有し、前記操作側ギヤ本体部は、前記特定方向と垂直な方向に延びる操作側ギヤ裏側面を有し、前記逆回転側スイッチ素子は、前記逆回転側ギヤ裏側面から前記特定方向に離間した位置に設けられて押圧操作を受ける逆回転側被操作部を有し、前記正回転側スイッチ素子は、前記操作側ギヤ裏側面から前記特定方向に離間した位置に設けられて押圧操作を受ける正回転側被操作部を有し、前記逆回転側スイッチ素子操作部は、前記逆回転側ギヤ裏側面から前記特定方向に沿って前記逆回転側スイッチ素子側に突出する形状を有し、前記操作側スイッチ素子操作部は、前記操作側ギヤ裏側面から前記特定方向に沿って前記正回転側スイッチ素子側に突出する形状を有し、前記逆回転側被操作部と前記逆回転側ギヤの裏側面との間に介在して、前記逆回転側スイッチ素子操作部と当接可能な逆回転側当接部と前記逆回転側被操作部を押圧操作可能な逆回転側押圧部とを有する逆回転側押圧部材と、前記逆回転側押圧部材の逆回転側当接部に前記逆回転側スイッチ素子操作部が当接するのに伴って当該第1押圧伝達手段を前記逆回転側被操作部に近接して前記逆回転側押圧部がこの逆回転側被操作部を押圧操作する位置に案内するとともに、前記逆回転側押圧部材の逆回転側当接部と前記逆回転側スイッチ素子操作部との当接が解除されるのに伴って当該逆回転側押圧部材を前記逆回転側被操作部から離間する方向に案内する逆回転側押圧部材案内手段と、前記正回転側被操作部と前記操作側ギヤの裏側面との間に介在して、前記操作側スイッチ素子操作部と当接可能な正回転側当接部と前記正回転側被操作部を押圧操作可能な正回転側押圧部とを有する正回転側押圧部材と、前記正回転側押圧部材の正回転側当接部に前記操作側スイッチ素子操作部が当接するのに伴って当該正回転側押圧部材を前記正回転側被操作部に近接して前記正回転側押圧部がこの正回転側被操作部を押圧操作する位置に案内するとともに、前記正回転側押圧部材の正回転側当接部と前記操作側スイッチ素子操作部との当接が解除されるのに伴って当該正回転側押圧部材を前記正回転側被操作部から離間する方向に案内する正回転側押圧部材案内手段と、備えるものが挙げられる。
【0025】
また、前記構成において前記かみ合い可能位置は前記退避位置よりも鉛直方向下側に設定されており、前記逆回転側ギヤは、前記退避位置から前記かみ合い可能位置に向かってその自重により付勢されるように前記逆回転側ギヤ保持部に保持されているのが好ましい。
【0026】
このようにすれば、退避位置にある逆回転側ギヤにその自重が下方すなわち前記かみ合い可能位置側への付勢力として働くため、別途付勢手段を設けることなく、逆回転側ギヤをより確実にかみ合い可能位置に移動させることができる。
【発明の効果】
【0027】
以上のように、本発明によれば、簡単な構成で操作部材の回転方向および回転量を判別可能な信号を出力することができる操作装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る操作装置の概略分解図である。
【図2】ダイアルノブの概略斜視図である。
【図3】(a)プッシングプレートを押圧していない状態でのジョイントギヤの概略斜視図である。(b)プッシングプレートを押圧している状態でのジョイントギヤの概略斜視図である。
【図4】(a)ダイアルノブが正回転している状態での各ギヤの位置を示す概略構成図である。(b)ダイアルノブが逆回転している状態での各ギヤの位置を示す概略構成図である。
【図5】(a)第1ジョイントギヤが第1プッシングプレートを押圧していない状態での操作装置の概略断面図である。(b)第1ジョイントギヤが第1プッシングプレートを押圧している状態での操作装置の概略断面図である。
【図6】(a)ジョイントギヤによるプッシングプレートの押圧操作を説明するための図である。(b)ジョイントギヤによるプッシングプレートの押圧操作を説明するための図である。
【図7】他の実施形態に係る操作装置の概略構成図である。
【図8】(a)信号出力構成の他の形態を説明するための第1ジョイントギヤ周辺の概略側面図である。(b)信号出力構成の他の形態を説明するための第1ジョイントギヤ周辺の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0030】
ここでは、本発明に係る操作装置が車両のインストゥルメントパネルに取付けられる場合について説明する。
【0031】
図1は、操作装置1の概略分解図である。この操作装置1は、ダイアルノブ(操作部材)10と、ダイアルギヤ(操作側ギヤ)16と、第1ジョイントギヤ(逆回転側ギヤ)20と、第2ジョイントギヤ(正回転側ギヤ)30と、ベース(逆回転側ギヤ保持部、正回転側ギヤ保持部)40と、第1プッシングプレート(逆回転側押圧部材)60と、第2プッシングプレート(正回転側押圧部材)70と、第1ラバースイッチ(逆回転側スイッチ素子)80と、第2ラバースイッチ(正回転側スイッチ素子)90と、ノブ支持部100と、回路基板120とを有している。回路基板120は、インストゥルメントパネルの裏側に固定される板状のプリント基板である。第1ラバースイッチ80と第2ラバースイッチ90とベース40とノブ支持部100とは、この回路基板120上に固定されている。この操作装置1は、前記回路基板120が鉛直方向に延びるようにインストゥルメントパネルに取付けられている。以下、この回路基板120の垂直方向を前後方向とし、回路基板120の表側を前側、回路基板120の裏側を後側として説明する。
【0032】
前記ダイアルノブ10は、運転者等により回転操作される部分である。このダイアルノブ10は、前記ノブ支持部100により、前後方向に延びる操作回転軸を中心に回転可能に支持されている。
【0033】
このダイアルノブ10は、図2に示すように、インストゥルメントパネルの表側に突出して運転者から操作を受ける表側部分12と、この表側部分12の後端の鍔部12aから後方に延びる裏側部分14とを有している。これら表側部分12および裏側部分14はそれぞれ略円筒状を有しており、互いに一体に形成されている。
【0034】
前記ダイアルギヤ16は、前記ダイアルノブ10に加えられた回転操作力を前記第1ジョイントギヤ20および第2ジョイントギヤ30に伝達するためのものである。このダイアルギヤ16は、前記ダイアルノブ10の裏側部分14の外周壁14aに設けられている。このダイアルギヤ16は前記ダイアルノブ10の裏側部分14の外周壁14aから外側に突出する基部16bを有しており、この基部16bの外周面には周方向に沿って並ぶ複数の歯16aが設けられている。このダイアルギヤ16は、前記操作回転軸を中心としてダイアルノブ10と一体に回転する。本実施形態では、ダイアルギヤ16とダイアルノブ10とは互いに一体に形成されている。
【0035】
前記ノブ支持部100は、前記ダイアルノブ10を支持するためのものである。このノブ支持部100は、有底の略円筒状を有している。このノブ支持部100の後端は、前記回路基板120に固定されている。前記ダイアルノブ10は、その裏側部分14の内側にこのノブ支持部100の前端が挿入されることで、このノブ支持部100に、このノブ支持部100の外周面に沿って回転可能に固定されている。
【0036】
前記第1ジョイントギヤ20および第2ジョイントギヤ30は、前記ダイアルノブ10と一体に回転するダイアルギヤ16とかみ合いこのダイアルギヤ16の回転に伴って回転して、前記第1ラバースイッチ80および第2ラバースイッチ90をそれぞれ操作するためのものである。前記第1ジョイントギヤ20は、前記ダイアルギヤ16の左側に前記操作回転軸と平行に前後方向に延びる第1回転軸(逆回転側ギヤ回転軸)を中心に回転可能に支持されている。前記第2ジョイントギヤ30は、前記ダイアルギヤ16の右側に前記操作回転軸と平行に延びる第2回転軸(正回転側ギヤ回転軸)を中心に回転可能に支持されている。後述するように、前記第1ジョイントギヤ20は、前記ダイアルノブ10が逆回転(反時計回り)した場合に回転し、第2ジョイントギヤ30は前記ダイアルノブ10が正回転(時計回り)した場合に回転する。
【0037】
前記第1ジョイントギヤ20は、図3(a)に示すように、第1本体部(逆回転側ギヤ本体部)23と、第1カム部(逆回転側スイッチ素子操作部)28と、第1軸柱22とを有している。
【0038】
前記第1本体部23は、第1ギヤ部26と、鍔部24とを有している。前記第1ギヤ部26は、前記ダイアルギヤ16とかみ合う部分である。この第1ギヤ部26は、前記第1回転軸を中心とする略円板状の基部26bを有する。この基部26bの外周面には前記ダイアルギヤ16の歯16aとかみ合う歯26aが周方向に沿って複数設けられている。これらダイアルギヤ16の歯16aと第1ギヤ部26の歯26aとがかみ合うことで、この第1ジョイントギヤ20はダイアルギヤ16の回転に伴いこのダイアルギヤ16とかみ合いながら回転する。前記鍔部24は、前記第1ギヤ部26の後端に接続された円板状の部材であって前記第1ギヤ部26よりも径方向外側に延びており、その後面(逆回転側ギヤ裏側面)は第1回転軸と垂直な方向に延びている。
【0039】
前記第1カム部28は、前記第1プッシングプレート60を押圧操作し、この第1プッシングプレート60を介して前記第1ラバースイッチ80を操作するための部分である。この第1カム部28は、前記第1回転軸周りに設けられた第1中央部分28aと、この第1中央部分28aから径方向外側に突出する複数の第1突出部28bとを有している。これらの第1突出部28b同士の間には、第1回転軸に向って円弧状に凹む第1案内面28cが形成されている。この第1カム部28は、全体として前記第1本体部23の鍔部24の後面から後方に突出する形状を有している。
【0040】
前記第1突出部28bは、第1回転軸を中心とする円周上に周方向に互いに等間隔に並んでいる。本実施形態では、8個の第1突出部28bが等間隔に設けられている。前記第1案内面28cは、前記第1プッシングプレート60の前端の後述する逆回転側当接部62の外周面に沿う形状を有している。
【0041】
前記第1プッシングプレート60は、後述するように前後方向に延びる円柱状部材である。この第1プッシングプレート60は、前記第1ジョイントギヤ20が後述するかみ合い位置にある状態で、前記第1突出部28bが設けられた円周上にその前端部分である逆回転側当接部62が位置するように保持されている。前記第1カム部28が回転すると、前記逆回転側当接部62と対向する位置には、前記第1突出部28bと前記第1案内面28cで囲まれた部分とが交互に配置される。これにより、前記逆回転側当接部62は断続的にこの第1突出部28bにより後方へ押圧される。すなわち、第1プッシングプレート60は、図3(a)および図6(a)に示すように、前記逆回転側当接部62と対向する位置に前記第1案内面28cで囲まれた部分が配置されている状態では、この第1プッシングプレート60の後方に配置された前記第1ラバースイッチ80の後述する第1ラバーコンタクト82により前方に付勢されることで、前記逆回転側当接部62が前記鍔部24に密着した状態にある。一方、図3(b)および図6(b)に示すように、第1カム部28の回転に伴って前記逆回転側当接部62と対向する位置に前記第1突出部28bが配置されると、この第1突出部28bにより前記第1ラバーコンタクト82の弾発力に抗して後方へ押圧される。これにより、第1ラバースイッチ80が押圧操作される。第1カム部28がさらに回転し逆回転側当接部62と対向する位置に再び前記第1案内面28cで囲まれた部分が配置されると、第1プッシングプレート60は第1ラバーコンタクト82の弾発力により前方に移動し、前記逆回転側当接部62は再び鍔部24の後端面に密着する。図6(a)および図6(b)は、第1突出部28bを通る円周に沿った概略断面図である。
【0042】
前記第1軸柱22は、前記第1カム部28の後端面から後方に延びるとともに前記第1回転軸を中心とする円柱部材である。この第1軸柱22が前記ベース40の後述する第1ギヤ軸挿入溝44内に挿入されることで、第1ジョイントギヤ20は、前記第1本体部23および第1カム部28が前記ベース40の前方に位置した状態でこのベース40に第1回転軸を中心に回転可能に支持されている。
【0043】
前記第2ジョイントギヤ30は、第2本体部(正回転側ギヤ本体部)33と、第2カム部(正回転側スイッチ素子操作部)38と、第2軸柱32とを有している。前記第2本体部33は、前記ダイアルギヤ16とかみ合う複数の歯36aと基部36bとを備えた第2ギヤ部36と、後面(正回転側ギヤ裏側面)が第2回転軸と垂直な方向に延びる鍔部34とを有している。前記第2カム部38は、第2中央部分38aと、第2突出部38bとを有しており、この第2突出部38bにより前記第2プッシングプレート70を断続的に押圧して、第2プッシングプレート70を介して前記第2ラバースイッチ90を押圧操作する。各要素については、前記第1ジョイントギヤ20と同様の構造を有しており、その詳細についての説明は省略する。この第2ジョイントギヤ30は、前記第2軸柱32が前記ベース40の後述する第2ギヤ軸挿入孔45内に挿入されることで、前記第2本体部33および第2カム部38が前記ベース40の前方に位置した状態でこのベース40に回転可能に支持されている。
【0044】
前記第1プッシングプレート60は、前記第1ジョイントギヤ20の第1突出部28bから受けた押圧操作力を前記第1ラバースイッチ80に伝達して、この第1ラバースイッチ80を押圧操作するためのものである。前記第2プッシングプレート70は、前記第2ジョイントギヤ30の第2突出部38bから受けた押圧操作力を前記第2ラバースイッチ90に伝達して、この第2ラバースイッチ90を押圧操作するためのものである。
【0045】
前記第1プッシングプレート60は、前記ダイアルノブ10の操作回転軸と平行な軸を中心として前後方向に延びる略円柱状を有している。この第1プッシングプレート60には、その前端に前記第1ジョイントギヤ20の鍔部24と平行に延びる逆回転側当接部62が設けられており、その後端に前記第1ラバースイッチ80の後述する逆回転側被操作部82aと平行に延びる逆回転側押圧部64が設けられている。
【0046】
この第1プッシングプレート60は、その逆回転側当接部62と前記第1ジョイントギヤ20の第1突出部28bとが当接可能な位置に前後方向に移動可能に保持されている。この第1プッシングプレート60は、その逆回転側当接部62に前記第1突出部28bが当接してこの第1突出部28bにより後方への押圧力が加えられると後方に移動して、前記逆回転側押圧部64により前記第1ラバースイッチ80の逆回転側被操作部82aを押圧操作する。
【0047】
前記第2プッシングプレート70は、前記第1プッシングプレート60と同様の構造を有している。すなわち、この第2プッシングプレート70には、前記第2ジョイントギヤ30の鍔部34と平行に延びる正回転側当接部72と、第2ラバースイッチ90の正回転側被操作部92aと平行に延びる正回転側押圧部74とが設けられており、この第2プッシングプレート70は、前記正回転側当接部72に前記第2突出部38bが当接することで後方に移動して前記正回転側押圧部74により前記第2ラバースイッチ90の正回転側被操作部92aを押圧操作する。
【0048】
前記第1ラバースイッチ80は、前記第1プッシングプレート60により押圧操作されることで信号を出力するものである。前記第2ラバースイッチ90は、前記第2プッシングプレート70により押圧操作されることで信号を出力するためのものである。
【0049】
前記第1ラバースイッチ80は、第1ラバーコンタクト82と、前記回路基板120に実装された第1対向電極84とを有している。前記第1ラバーコンタクト82は、回路基板120から前方に突出する形状を有している。この第1ラバーコンタクト82の前端には、前記第1対向電極84に対向する位置に、回路基板120と平行に延びる逆回転側被操作部82aが設けられている。この逆回転側被操作部82aの裏面には第1接点82bが貼着されている。この第1接点82bは、第1対向電極84と接触して第1対向電極84を導通させるためのものである。この第1ラバースイッチ80は、前記第1ラバーコンタクト82の逆回転側被操作部82aが前記第1プッシングプレート60の逆回転側押圧部64と接触した状態でこの第1プッシングプレート60の後方に配置されている。
【0050】
前記第1ラバーコンタクト82は弾性変形可能な部材からなる。この第1ラバーコンタクト82は、外部から所定値以上の押圧力が加えられていない状態では前記逆回転側被操作部82aが前記回路基板120から離間する形状を維持しており、前記第1接点82bと前記第1対向電極84とは非接触状態にある。一方、この第1ラバーコンタクト82は、前記第1プッシングプレート60が前記第1突出部28bにより押圧され後方に移動することによりこの第1ラバーコンタクト82にその弾発力に抗する後方への押圧力が加えられると、弾性変形する。これに伴って前記逆回転側被操作部82aは回路基板120側に移動し、前記接点52bと前記対向電極54とが接触する結果信号が出力される。前記第1プッシングプレート60からの押圧力が解除されると、第1ラバーコンタクト82はその弾発力で第1プッシングプレート60を前方に押し戻し、前記第1接点82bと前記第1対向電極84とは再び非接触状態となる。
【0051】
前記第2ラバースイッチ90は、前記第1ラバースイッチ80と同様の構造を有している。すなわち、この第2ラバースイッチ90は、第2接点92bが貼着された正回転側被操作部92aが設けられた弾性変形可能な第2ラバーコンタクト92と、第2対向電極94とを有している。そして、この第2ラバースイッチ90は、第2プッシングプレート70の後方に配置されており、この第2プッシングプレート70により押圧力が加えられることで信号を出力する。
【0052】
前記ベース40は、前記第1ジョイントギヤ20および第2ジョイントギヤ30を保持するためのものである。このベース40は、前後方向に延びる略三角柱状を有している。このベース40は、その後端が前記回路基板120に固定されており、回路基板120から前方に突出している。
【0053】
このベース40には、このベース40をそれぞれ前後方向に貫通する、ノブ支持部挿通孔42と、第1ギヤ軸挿入溝(逆回転側案内溝)44と、第2ギヤ軸挿入孔(正回転側案内溝)45と、第1プッシングプレート案内孔(逆回転側押圧部材案内手段)46と、第2プッシングプレート案内孔(正回転側押圧部材案内手段)47とが形成されている。前記ノブ支持部挿通孔42はベース40の左右中央に形成されており、前記第1ギヤ軸挿入溝44はノブ支持部挿通孔42の左側に、前記第2ギヤ軸挿入孔45はノブ支持部挿通孔42の右側にそれぞれ形成されている。
【0054】
前記ノブ支持部挿通孔42は、前記ノブ支持部100が挿通される丸孔である。前記ノブ支持部100は、その外周面がこのノブ支持部挿通孔42の内周面に沿った状態でこのノブ支持部挿通孔42の内側に挿通されている。
【0055】
前記第1ギヤ軸挿入溝44は、前記第1ジョイントギヤ20の第1軸柱22が挿入される部分である。この第1ギヤ軸挿入溝44は、図4の(a)に示すように、前記ダイアルノブ10の操作回転軸よりも左上の下端位置から上下方向に延びる第1ギヤ変位方向x1に沿って上方に延びる長孔である。前記第1ジョイントギヤ20は、前記第1軸柱22がこの第1ギヤ軸挿入溝44内に挿入されることで、第1回転軸を中心に回転可能に、かつ、前記第1ギヤ変位方向x1に沿って上下方向すなわち鉛直方向に移動可能に保持されている。
【0056】
この第1ギヤ軸挿入溝44の下端位置は、この位置に前記第1軸柱22が配置された状態で、第1ジョイントギヤ20と前記ダイアルギヤ16とがかみ合う位置(かみ合い可能位置)である。一方、この第1ギヤ軸挿入溝44の上端位置は、この位置に前記第1軸柱22が配置された状態で、第1ジョイントギヤ20の第1ギヤ部26の歯26aと前記ダイアルギヤ16の歯16aとが互いに接触はするがかみ合わない位置(退避位置)である。そして、前記第1ギヤ変位方向x1は、この方向に沿って前記第1ジョイントギヤ20が前記かみ合い可能位置と前記退避位置との間を移動した際に、この第1ジョイントギヤ20の第1ギヤ部26の歯26aと前記ダイアルギヤ16の歯16aとの接触が維持される方向である。より詳細には、この第1ギヤ変位方向x1は、前記第1ジョイントギヤ20がかみ合い可能位置にあるときのこの第1ジョイントギヤ20とダイアルギヤ16とのかみ合い点P1(図4(b)参照)を通るダイアルギヤ16の接線方向と略平行な線であり、上方に向うほど右側に傾斜している。この第1ギヤ軸挿入溝44の幅は、前記第1軸柱22の直径とほぼ同じに設定されており、この第1軸柱22が幅方向に移動できないようになっている。
【0057】
前記第1ジョイントギヤ20が前記かみ合い可能位置にある状態でダイアルギヤ16が逆回転すると、ダイアルギヤ16の回転力を受けて第1ジョイントギヤ20にはかみ合い点P1において下方向の力が働く。ここで、第1ジョイントギヤ20がこのかみ合い可能位置にある状態では前記第1軸柱22は前記第1ギヤ軸挿入溝44の下端位置にあり、第1ジョイントギヤ20の下方向への移動は規制されている。従って、第1ジョイントギヤ20は、この第1ジョイントギヤ20に作用する重力による付勢力とダイアルギヤ16からの力とによりこのかみ合い可能位置にhジョイされ、このダイアルギヤ16の回転に伴いこのダイアルギヤ16とかみ合いながら回転する。
【0058】
一方、このかみ合い可能位置にある状態でダイアルギヤ16が正回転した場合には、第1ジョイントギヤ20はこのダイアルギヤ16から上方向の力を受けることで上方の退避位置に移動し、第1ジョイントギヤ20とダイアルギヤ16とのかみ合いは解除される。ここで、第1ジョイントギヤ20には、その自重によって下方向へ付勢されているが、前記ダイアルギヤ16からはこの自重に抗した力が加えられ、第1ジョイントギヤ20は上方へ移動する。前記ダイアルギヤ16が正回転して第1ジョイントギヤ20に上方向の力が加えられている間は、前記第1ジョイントギヤ20はその自重による付勢力に抗して前記退避位置に維持される。
【0059】
前記退避位置にある状態でダイアルギヤ16が逆回転すると、第1ジョイントギヤ20には自重に加えてダイアルギヤ16の回転力の下方向成分の力が働く結果、第1ジョイントギヤ20は下方の前記かみ合い可能位置に移動して、ダイアルギヤ16の回転に伴いこのダイアルギヤ16とかみ合いながら回転する。
【0060】
前記第2ギヤ軸挿入孔45は、前記第2ジョイントギヤ30の第2軸柱32が挿入される部分である。この第2ギヤ軸挿入孔45は、図4(a)に示すように、前記ダイアルノブ10の操作回転軸よりも右上の下端位置から上下方向に延びる第2ギヤ変位方向x2に沿って上方に延びる長孔である。前記第2ジョイントギヤ30は、前記第2軸柱32がこの第2ギヤ軸挿入孔45内に挿入されることで、第2回転軸を中心に回転可能に、かつ、前記第2ギヤ変位方向x2に沿って上下方向すなわち鉛直方向に移動可能に保持されている。
【0061】
この第2ギヤ軸挿入孔45の下端位置は、この位置に前記第2軸柱32が配置された状態で、第2ジョイントギヤ30と前記ダイアルギヤ16とがかみ合う位置(正回転側かみ合い可能位置)である。一方、この第2ギヤ軸挿入孔45の上端位置は、この位置に前記第2軸柱32が配置された状態で、第2ジョイントギヤ30の第2ギヤ部36の歯36aと前記ダイアルギヤ16の歯16aとが互いに接触はするがかみ合わない位置(正回転側退避位置)である。そして、前記第2ギヤ変位方向x2は、この方向に沿って前記第2ジョイントギヤ30が前記正回転側かみ合い可能位置と前記正回転側退避位置との間を移動した際に、この第2ジョイントギヤ30の第2ギヤ部36の歯36aと前記ダイアルギヤ16の歯16aとの接触が維持される方向である。より詳細には、この第2ギヤ変位方向x2は、前記第2ジョイントギヤ30が正回転側かみ合い可能位置にあるときのこの第2ジョイントギヤ30とダイアルギヤ16とのかみ合い点P2(図4(a)参照)を通るダイアルギヤ16の接線方向と略平行な線であり、上方に向うほど左側に傾斜している。この第2ギヤ軸挿入孔45の幅は、前記第2軸柱32の直径とほぼ同じに設定されており、この第2軸柱32が幅方向に移動できないようになっている。
【0062】
前記第1プッシングプレート案内孔46は、前記第1プッシングプレート60が挿入される丸孔である。この第1プッシングプレート60は、この第1プッシングプレート案内孔46内に挿入されることで、この第1プッシングプレート案内孔46の内周面に沿って前後方向に移動可能に保持されている。
【0063】
前記第1プッシングプレート案内孔46は、前記第1ジョイントギヤ20が前記かみ合い位置にある状態でこの第1プッシングプレート案内孔46に挿入された前記第1プッシングプレート60の逆回転側当接部62が前記第1ジョイントギヤ20の第1突出部28bと当接可能となり、かつ、前記第1ジョイントギヤ20が前記退避位置にある状態で前記逆回転側当接部62が前記第1ジョイントギヤ20の第1突出部28bから径方向外側に離間する位置に形成されている。これにより、前記第1プッシングプレート60は、前記第1ジョイントギヤ20が前記かみ合い位置にある状態で回転すると前記第1突出部28bにより断続的に押圧される。一方、前記第1ジョイントギヤ20が前記退避位置にある状態では、第1プッシングプレート60は押圧操作を受けない。
【0064】
前記第1プッシングプレート案内孔46には、前記第1プッシングプレート60の後方に、前記第1ラバースイッチ80が収容されている。この第1プッシングプレート案内孔46内において、第1プッシングプレート60の逆回転側押圧部64と第1ラバースイッチ80の逆回転側被操作部82aとは当接しており、前記第1プッシングプレート60は、この第1ラバースイッチ80のラバーコンタクト82の弾発力により前方へ付勢されている。
【0065】
前記第2プッシングプレート案内孔47は、前記第2プッシングプレート70が挿入される丸孔である。第2プッシングプレート60は、前後方向に延びるこの第2プッシングプレート案内孔46内に挿入されることで、この第2プッシングプレート案内孔46の内周面に沿って前後方向に移動可能に保持されている。
【0066】
前記第2プッシングプレート案内孔47は、前記第2ジョイントギヤ30が前記正回転側かみ合い位置にある状態でこの第2プッシングプレート案内孔47に挿入された前記第2プッシングプレート70の逆回転側当接部72が前記第2ジョイントギヤ30の第2突出部38bと当接可能となり、かつ、前記第2ジョイントギヤ30が前記正回転側退避位置にある状態で前記正回転側当接部72が前記第2ジョイントギヤ30の第2突出部38bから径方向外側に離間する位置に形成されている。これにより、前記第2プッシングプレート70は、前記第2ジョイントギヤ30が前記正回転側かみ合い位置にある状態で回転すると前記第2突出部38bにより断続的に押圧される。一方、前記第2ジョイントギヤ30が前記正回転側退避位置にある状態では、第2プッシングプレート70は押圧操作を受けない。
【0067】
前記第2プッシングプレート案内孔47には、前記第2プッシングプレート70の後方に、前記第2ラバースイッチ90が収容されている。この第2プッシングプレート案内孔47内において、第2プッシングプレート70の正回転側押圧部74と第2ラバースイッチ90の正回転側被操作部92aとは当接しており、前記第2プッシングプレート70は、この第2ラバースイッチ90のラバーコンタクト92の弾発力により前方へ付勢されている。
【0068】
以上のように構成された操作装置1の動作を説明する。
【0069】
まず、前記ダイアルノブ10が回転操作されていない状態では、前記第1ジョイントギヤ20および第2ジョイントギヤ30は、その自重により下方に下がっており、それぞれ前記かみ合い可能位置、正回転側かみ合い可能位置に配置されている。そして、前記第1プッシングプレート60および第2プッシングプレート70は前記第1突出部28bおよび第2突出部38bと当接可能な位置にある。しかしながら、ダイアルノブ10が回転しておらず前記第1ジョイントギヤ20および第2ジョイントギヤ30にはダイアルノブ10から回転力が加えられていない。そのため、第1ジョイントギヤ20および第2ジョイントギヤ30はいずれも回転せず、前記第1プッシングプレート60および第2プッシングプレート70による前記第1ラバースイッチ80および第2ラバースイッチ90の押圧操作はなされず、これら第1ラバースイッチ80および第2ラバースイッチ90からはいずれも信号は出力されていない。
【0070】
この状態から、前記ダイアルノブ10が正回転方向すなわち右回りに回転操作されると、ダイアルノブ10の右側に設けられた前記第2ジョイントギヤ30には下方向の力が働く。これにより、図4の(a)に示すように、第2ジョイントギヤ30は前記正回転側かみ合い可能位置においてこのダイアルギヤ16とかみ合い、ダイアルノブ10の回転に伴い回転する。この第2ジョイントギヤ30の回転に伴い、前記第2カム部38の第2突出部38bは前記第2プッシングプレート70を断続的に押圧し、この第2プッシングプレート70は前記第2ラバースイッチ90を押圧操作する。これにより、第2ラバースイッチ90からは、第2ジョイントギヤ30ひいては前記ダイアルノブ10の回転に伴ってパルス信号が出力される。本実施形態では、第2突出部38bが8個設けられており、第2ジョイントギヤ30が45度回転する毎に第2ラバースイッチ90から信号が出力される。
【0071】
一方、ダイアルノブ10の左側に設けられた前記第1ジョイントギヤ20には上方向の力が働く。これにより、第1ジョイントギヤ20はその自重に抗して前記かみ合い可能位置から前記退避位置に移動する。これに伴い、前記第1プッシングプレート60は前記第1突出部28bから離間する。この退避位置では、前記第1ジョイントギヤ20は回転せず、また、第1プッシングプレート60が前記第1突出部28bから離間していることで、第1ラバースイッチ80からは信号が出力されない。このようにして、ダイアルノブ10が正回転した場合には、前記第2ラバースイッチ90からのみその回転に伴ってパルス信号が出力される。このパルス信号のパルス数をカウントすることでダイアルノブ10の回転量が把握される。
【0072】
ここで、前記ダイアルノブ10が正回転方向に回転操作されている間、前記ダイアルノブ10はその自重により下方向に移動しようとするが、ダイアルノブ10から加えられる上方向の力に加えて、前記第1プッシングプレート60が前記第1ラバースイッチ80の弾発力により前記第1ジョイントギヤ20の鍔部24に密着していることで、その下方向への移動が規制され前記退避位置に保持される。
【0073】
次に、前記ダイアルノブ10が正回転している状態から、前記ダイアルノブ10が逆回転方向すなわち左回りに回転操作されると、図4の(b)に示すように、前記第1ジョイントギヤ20は、ダイアルノブ10から加えられた下方向の力と自重とにより前記退避位置から前記かみ合い可能位置に向って下方に移動する。そして、この第1ジョイントギヤ20は、かみ合い可能位置において前記ダイアルギヤ16とかみ合い、ダイアルノブ10の回転に伴い回転する。第1ジョイントギヤ20がかみ合い可能位置にある状態では、前記第1プッシングプレート60は、前記第1突出部28bと当接可能な位置に配置されている、従って、第1ジョイントギヤ20の回転に伴い第1突出部38bにより第1プッシングプレート60が断続的に押圧されて、この第1プッシングプレート60により前記第1ラバースイッチ80が断続的に押圧操作される。これにより、この第1ラバースイッチ80からは、第1ジョイントギヤ20ひいては前記ダイアルノブ10の回転に伴ってパルス信号が出力される。本実施形態では、第1突出部28bは8個設けられており、第1ジョイントギヤ20が45度回転する毎に第1ラバースイッチ80から信号が出力される。
【0074】
一方、前記ダイアルノブ10が逆回転方向すなわち左回りに回転操作されると、ダイアルノブ10の右側に設けられた前記第2ジョイントギヤ30には上方向の力が働く。これにより、第2ジョイントギヤ30はその自重に抗して前記かみ合い可能位置から前記退避位置に移動し、前記第2プッシングプレート70は前記第2突出部38bから離間する。この退避位置では、前記第2ジョイントギヤ30は回転せず、また、第2プッシングプレート70が前記第2突出部38bから離間していることで、第2ラバースイッチ90からは信号が出力されない。このようにして、ダイアルノブ10が逆回転した場合には、前記第1ラバースイッチ80からのみその回転に伴ってパルス信号が出力される。このパルス信号のパルス数をカウントすることでダイアルノブ10の回転量が把握される。
【0075】
以上のように、本操作装置1によれば、ダイアルノブ10の回転方向によって、信号の出力元が第1ラバースイッチ80と第2ラバースイッチ90とで切り換えられており、ダイアルノブ10の回転方向を判別することができる。そして、各スイッチ80,90からダイアルノブ10の回転量に応じて信号が出力されており、ダイアルノブ10の回転方向に加えてその回転量を判別することができる。
【0076】
ここで、前記第1ジョイントギヤ20あるいは第2ジョイントギヤ30のいずれか一方を省略してもよい。この場合には、図7に示すように、ダイアルギヤ216自身に前記第1カム部28および第2カム部38と同様の構造を有するカム部218を設け、第1プッシングプレート60(あるいは第2プッシングプレート70)をこのカム部218と当接する位置に配置するとともに第1ラバースイッチ80(あるいは第2ラバースイッチ90)をこの第1プッシングプレート60の後方に配置して、ダイアルギヤ216の回転に伴ってこのダイアルギヤ216自身が第1プッシングプレート60を介して第1ラバースイッチ80を押圧操作するようにする。この構成では、ダイアルギヤ216により押圧操作される第1ラバースイッチ80からは回転方向によらず一定量回転する毎に信号が出力されるが、第2ジョイントギヤ30(あるいは第1ジョイントギヤ20)から信号が出力されているかどうかによって回転方向を判別することができ、構成をより簡素化しつつダイアルノブ10の回転方向および回転量を判別することができる。
【0077】
また、前記第1ジョイントギヤ20等の回転に伴って信号を出力する構成は前記に限らない。例えば、図8(a)、図8(b)に示すように、第1ジョイントギヤ520の第1ギヤ部526に径方向外側に突出する操作リブ528を周方向に等間隔に設けるとともに、この操作リブ528と接触可能な位置にこの操作リブ528により起倒操作されることでその出力が変化するスイッチ580を設けるようにしてもよい。この場合には、前記第1ジョイントギヤ520の回転に伴って、一定間隔で前記操作リブ528が前記スイッチ580に接触しこれを倒すことで、第1ジョイントギヤ520の回転量に応じた信号が出力される。
【0078】
また、前記第1ジョイントギヤ20および第2ジョイントギヤ30の移動方向すなわちそのかみ合い可能位置と退避位置の具体的な位置は前記上下方向に限らない。ただし、前記退避位置をかみ合い可能位置の鉛直方向上方に設定して各ジョイントギヤ20,30が上下方向に移動するようにすれば、各ジョイントギヤ20,30の自重をこれらジョイントギヤ20、30を退避位置側からかみ合い可能位置側に付勢する付勢力として作用させることができ、別途付勢手段を設ける必要がなく構成が簡素化される。
【0079】
なお、前記正回転方向および逆回転方向の具体的な方向は前記に限らない。
【符号の説明】
【0080】
1 操作装置
10 ダイアルノブ(操作部材)
16 ダイアルギヤ(操作側ギヤ)
20 第1ジョイントギヤ(逆回転側ギヤ)
30 第2ジョイントギヤ(正回転側ギヤ)
40 ベース(逆回転側ギヤ保持部、正回転側ギヤ保持部)
44 第1ギヤ軸挿入溝(逆回転側案内溝)
45 第2ギヤ軸挿入孔(正回転側案内溝)
46 第1プッシングプレート案内孔(逆回転側押圧部材案内手段)
47 第2プッシングプレート案内孔(正回転側押圧部材案内手段)
60 第1プッシングプレート(逆回転側押圧部材)
70 第2プッシングプレート(正回転側押圧部材)
80 第1ラバースイッチ(逆回転側スイッチ素子)
90 第2ラバースイッチ(正回転側スイッチ素子)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定方向に延びる操作回転軸を中心に回転操作される操作部材と、
前記操作部材に連結されて当該操作部材と一体に回転可能な操作側ギヤと、
前記操作側ギヤとかみ合い前記操作回転軸と平行に延びる逆回転側ギヤ回転軸を中心に回転可能な逆回転側ギヤと、
前記逆回転側ギヤを保持する逆回転側ギヤ保持部と、
前記操作部材またはこれと同期して同方向に回転する部材の所定の箇所がその回転に伴って所定の場所を通過する毎に所定の信号を出力する正回転出力手段と、
前記逆回転側ギヤの所定の箇所がその回転に伴って所定の場所を通過する毎に所定の信号を出力する逆回転出力手段とを備え、
前記逆回転側ギヤ保持部は、前記逆回転側ギヤを、前記操作側ギヤの接線方向と略平行な方向に沿って、当該逆回転側ギヤが前記操作側ギヤとかみ合ってこの操作側ギヤの回転に伴い回転可能となるかみ合い可能位置と、このかみ合い可能位置から離間して前記逆回転側ギヤと前記操作側ギヤとのかみ合いが解除される退避位置と、の間で案内する逆回転側案内部を有するとともに、前記退避位置から前記かみ合い可能位置に向って付勢するように前記逆回転側ギヤを保持し、
前記逆回転側ギヤは、前記操作側ギヤが正回転した場合には、この逆回転側ギヤに付与される付勢力および前記操作側ギヤからの回転力を受けて前記逆回転側案内部により前記かみ合い可能位置に案内されて当該かみ合い可能位置で前記操作側ギヤの回転に伴って回転する一方、前記操作側ギヤが逆回転した場合には、当該操作側ギヤからの回転力を受けて前記逆回転側案内部によりこの逆回転側ギヤに付与される付勢力に抗して前記退避位置に案内されることを特徴とする操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の操作装置において、
前記逆回転側ギヤ保持部には、前記操作側ギヤの接線方向と略平行な方向に沿って延びて前記逆回転側案内部として機能する逆回転側案内溝が形成されており、
前記逆回転側ギヤは、この逆回転側ギヤに付与される前記付勢力および前記操作側ギヤからの回転力により前記逆回転側案内溝の一方の端部に押し付けられることで当該端部において前記操作側ギヤとかみ合い当該操作側ギヤの回転に伴って回転することを特徴とする操作装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の操作装置において、
前記正回転出力手段は、前記操作側ギヤとかみ合い前記操作回転軸と平行に延びる正回転側ギヤ回転軸を中心に回転可能な正回転側ギヤと、この正回転側ギヤを保持する正回転側ギヤ保持部と、この正回転側ギヤの所定の箇所がその回転に伴って所定の場所を通過する毎に所定の信号を出力する正回転側ギヤ出力手段とを有し、
前記正回転側ギヤ保持部は、前記正回転側ギヤを、前記操作側ギヤの接線方向と略平行な方向に沿って、当該正回転側ギヤが前記操作側ギヤとかみ合ってこの操作側ギヤの回転に伴い回転可能となる正回転側かみ合い可能位置と、この正回転側かみ合い可能位置から離間して前記正回転側ギヤと前記操作側ギヤとのかみ合いが解除される正回転側退避位置と、の間で案内する正回転側案内部を有するとともに、前記正回転側退避位置から前記正回転側かみ合い可能位置に向って付勢するように前記正回転側ギヤを保持し、
前記正回転側ギヤは、前記操作側ギヤが逆回転した場合には、この正回転側ギヤに付与される付勢力および前記操作側ギヤからの回転力を受けて前記正回転側案内部により前記正回転側かみ合い可能位置に案内されて当該正回転側かみ合い可能位置で前記操作側ギヤの回転に伴い回転する一方、前記操作側ギヤが正回転した場合には、当該操作側ギヤからの回転力を受けて前記正回転側案内部によりこの正回転側ギヤに付与される前記付勢力に抗して前記正回転側退避位置に案内されることを特徴とする操作装置。
【請求項4】
請求項3に記載の操作装置において、
前記正回転側ギヤ保持部には、前記操作側ギヤの接線方向と略平行な方向に沿って延びて前記正回転側案内部として機能する正回転側案内溝が形成されており、
前記正回転側ギヤは、この正回転側ギヤに付与される前記付勢力および前記操作側ギヤからの回転力により前記正回転側案内溝の一方の端部に押し付けられることで当該端部において前記操作側ギヤとかみ合い当該操作側ギヤの回転に伴い回転することを特徴とする操作装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の操作装置において、
前記逆回転側ギヤは、複数のかみ合い歯が形成された逆回転側ギヤ本体部と、前記逆回転側ギヤ回転軸を中心とする円周上に互いに等間隔に並ぶ複数の逆回転側スイッチ素子操作部とを有し、
前記逆回転出力手段は、前記逆回転側スイッチ素子操作部と接触可能な位置に設けられて操作力を受けることで出力信号が変化する逆回転側スイッチ素子を有し、前記逆回転側ギヤの回転に伴って前記逆回転側スイッチ素子操作部が前記逆回転側スイッチ素子を操作する毎に所定の信号を出力し、
前記正回転側ギヤは、複数のかみ合い歯が形成された正回転側ギヤ本体部と、この正回転側ギヤ本体部に設けられて前記正回転側ギヤ回転軸を中心とする円周上に互いに等間隔に並ぶ複数の正回転側スイッチ素子操作部とを有し、
前記正回転側ギヤ出力手段は、前記正回転側スイッチ素子操作部と接触可能な位置に設けられて操作力を受けることで出力信号が変化する正回転側スイッチ素子を有し、前記正回転側ギヤの回転に伴って前記正回転側スイッチ素子操作部が前記正回転側スイッチ素子を操作する毎に所定の信号を出力することを特徴とする操作装置。
【請求項6】
請求項5に記載の操作装置において、
前記逆回転側ギヤ本体部は、前記特定方向と垂直な方向に延びる逆回転側ギヤ裏側面を有し、
前記正回転側ギヤ本体部は、前記特定方向と垂直な方向に延びる正回転側ギヤ裏側面を有し、
前記逆回転側スイッチ素子は、前記逆回転側ギヤ裏側面から前記特定方向に離間した位置に設けられて押圧操作を受ける逆回転側被操作部を有し、
前記正回転側スイッチ素子は、前記正回転側ギヤ裏側面から前記特定方向に離間した位置に設けられて押圧操作を受ける正回転側被操作部を有し、
前記逆回転側スイッチ素子操作部は、前記逆回転側ギヤ裏側面から前記特定方向に沿って前記逆回転側スイッチ素子側に突出する形状を有し、
前記正回転側スイッチ素子操作部は、前記正回転側ギヤ裏側面から前記特定方向に沿って前記正回転側スイッチ素子側に突出する形状を有し、
前記逆回転側被操作部と前記逆回転側ギヤの裏側面との間に介在して、前記逆回転側スイッチ素子操作部と当接可能な逆回転側当接部と前記逆回転側被操作部を押圧操作可能な逆回転側押圧部とを有する逆回転側押圧部材と、
前記逆回転側押圧部材の逆回転側当接部と前記逆回転側スイッチ素子操作部との当接に伴って当該逆回転側押圧部材を前記特定方向に沿って前記逆回転側被操作部に近接して前記逆回転側押圧部がこの逆回転側被操作部を押圧操作する位置に案内するとともに、前記逆回転側押圧部材の逆回転側当接部と前記逆回転側スイッチ素子操作部との当接が解除されるのに伴って当該逆回転側押圧部材を前記特定方向に沿って前記逆回転側被操作部から離間する方向に案内する逆回転側押圧部材案内手段と、
前記正回転側被操作部と前記正回転側ギヤの裏側面との間に介在して、前記正回転側スイッチ素子操作部と当接可能な正回転側当接部と前記正回転側被操作部を押圧操作可能な正回転側押圧部とを有する正回転側押圧部材と、
前記正回転側押圧部材の正回転側当接部と前記正回転側スイッチ素子操作部との当接に伴って当該第2押圧伝達手段を前記正回転側被操作部に近接して前記正回転側押圧部がこの正回転側被操作部を押圧操作する位置に案内するとともに、前記正回転側押圧部材の正回転側当接部と前記正回転側スイッチ素子操作部との当接が解除されるのに伴って当該正回転側押圧部材を前記正回転側被操作部から離間する方向に案内する正回転側押圧部材案内手段と、備えることを特徴とする操作装置。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれかに記載の操作装置において、
前記かみ合い可能位置は前記退避位置よりも鉛直方向下側に設定されており、
前記正回転側かみ合い可能位置は前記正回転側退避位置よりも鉛直方向下側に設定されており、
前記逆回転側ギヤは、前記退避位置から前記かみ合い可能位置に向かってその自重により付勢されるように前記逆回転側ギヤ保持部に保持されており、
前記正回転側ギヤは、前記正回転側退避位置から前記正回転側かみ合い可能位置に向かってその自重により付勢されるように前記正回転側ギヤ保持部に保持されていることを特徴とする操作装置。
【請求項8】
請求項1または2に記載の操作装置において、
前記逆回転側ギヤは、複数のかみ合い歯が形成された逆回転側ギヤ本体部と、前記逆回転側ギヤ回転軸を中心とする円周上に互いに等間隔に並ぶ複数の逆回転側スイッチ素子操作部を有し、
前記逆回転出力手段は、前記逆回転側スイッチ素子操作部と接触可能な位置に設けられて操作力を受けることで出力信号が変化する逆回転側スイッチ素子を有し、前記逆回転側ギヤの回転に伴って前記逆回転側スイッチ素子操作部が前記逆回転側スイッチ素子を操作する毎に所定の信号を出力し、
前記操作側ギヤは、複数のかみ合い歯が形成された操作側ギヤ本体部と、前記操作側ギヤの回転軸を中心とする円周上に互いに等間隔に並ぶ複数の操作側スイッチ素子操作部を有し、
前記正回転側ギヤは、複数のかみ合い歯が形成された正回転側ギヤ本体部と、この正回転側ギヤ本体部に設けられて前記正回転側ギヤ回転軸を中心とする円周上に互いに等間隔に並ぶ複数の正回転側スイッチ素子操作部とを有し、
前記正回転側ギヤ出力手段は、前記正回転側スイッチ素子操作部と接触可能な位置に設けられて操作力を受けることで出力信号が変化する正回転側スイッチ素子を有し、前記正回転側ギヤの回転に伴って前記正回転側スイッチ素子操作部が前記正回転側スイッチ素子を操作する毎に所定の信号を出力することを特徴とする操作装置。
【請求項9】
請求項8に記載の操作装置において、
前記逆回転側ギヤ本体部は、前記特定方向と垂直な方向に延びる逆回転側ギヤ裏側面を有し、
前記操作側ギヤ本体部は、前記特定方向と垂直な方向に延びる操作側ギヤ裏側面を有し、
前記逆回転側スイッチ素子は、前記逆回転側ギヤ裏側面から前記特定方向に離間した位置に設けられて押圧操作を受ける逆回転側被操作部を有し、
前記正回転側スイッチ素子は、前記操作側ギヤ裏側面から前記特定方向に離間した位置に設けられて押圧操作を受ける正回転側被操作部を有し、
前記逆回転側スイッチ素子操作部は、前記逆回転側ギヤ裏側面から前記特定方向に沿って前記逆回転側スイッチ素子側に突出する形状を有し、
前記操作側スイッチ素子操作部は、前記操作側ギヤ裏側面から前記特定方向に沿って前記正回転側スイッチ素子側に突出する形状を有し、
前記逆回転側被操作部と前記逆回転側ギヤの裏側面との間に介在して、前記逆回転側スイッチ素子操作部と当接可能な逆回転側当接部と前記逆回転側被操作部を押圧操作可能な逆回転側押圧部とを有する逆回転側押圧部材と、
前記逆回転側押圧部材の逆回転側当接部に前記逆回転側スイッチ素子操作部が当接するのに伴って当該第1押圧伝達手段を前記逆回転側被操作部に近接して前記逆回転側押圧部がこの逆回転側被操作部を押圧操作する位置に案内するとともに、前記逆回転側押圧部材の逆回転側当接部と前記逆回転側スイッチ素子操作部との当接が解除されるのに伴って当該逆回転側押圧部材を前記逆回転側被操作部から離間する方向に案内する逆回転側押圧部材案内手段と、
前記正回転側被操作部と前記操作側ギヤの裏側面との間に介在して、前記操作側スイッチ素子操作部と当接可能な正回転側当接部と前記正回転側被操作部を押圧操作可能な正回転側押圧部とを有する正回転側押圧部材と、
前記正回転側押圧部材の正回転側当接部に前記操作側スイッチ素子操作部が当接するのに伴って当該正回転側押圧部材を前記正回転側被操作部に近接して前記正回転側押圧部がこの正回転側被操作部を押圧操作する位置に案内するとともに、前記正回転側押圧部材の正回転側当接部と前記操作側スイッチ素子操作部との当接が解除されるのに伴って当該正回転側押圧部材を前記正回転側被操作部から離間する方向に案内する正回転側押圧部材案内手段と、備えることを特徴とする操作装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の操作装置において、
前記かみ合い可能位置は前記退避位置よりも鉛直方向下側に設定されており、
前記逆回転側ギヤは、前記退避位置から前記かみ合い可能位置に向かってその自重により付勢されるように前記逆回転側ギヤ保持部に保持されていることを特徴とする操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−9153(P2011−9153A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−153744(P2009−153744)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】