説明

支持用キャリア

【課題】 電子部品等の小型物品を支持用キャリアで支持したときに、物品との相対的位置が変化しにくい支持用キャリアを提供すること。
【解決手段】 基体6上に1以上の電子部品2を配置する支持用キャリア10であって、基体6は、電子部品2の下面を支持する支持領域面と、この支持領域面の周囲に電子部品2の水平方向の移動を拘束する拘束面を備えた複数の凸部とを有してなり、支持領域面と拘束面とは、平面どうしで隣り合っている支持用キャリア10とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の支持用キャリアは、電子部品、光電子部品、光部品およびこれらに用いられる基体などの小型の物品、特にLED(Light Emitting Diode)などの光電子部品およびそれに用いる基体などの物品を支持および/または搬送するために好適なキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
LEDなどの光電子部品は、サファイアなどの基体に対して電極形成、プラズマ処理、ワイヤボンディングおよび電極のトリミングを行い、さらに点灯検査などを経て製造される。これらの製造工程において、光電子部品を支持および固定するための治具としては、テープ状のキャリアが提案されている。例えば、特許文献1には、半導体ウエハを粘着シートに貼り付けた状態で半導体ウエハをダイシングにより分割後、粘着シートに貼り付いた状態の複数の素子を、大きな開口部を有する治具に固定し、治具上で開口部からプラズマ処理を行うための部品搬送用治具が記載されている。
【特許文献1】特開2006−66601号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示されている治具は、弾性のある粘着シートに素子が固定された構造を有している。このため、特許文献1の部品搬送用治具は、治具と素子の相対的位置が変化しやすいと考えられる。また、部品搬送用治具に機械的振動、温度変化が生じた場合、治具に対する素子の相対的位置が大きく変化しやすいと考えられる。相対的位置が変化すると、LED用の基体などに対して、高精度の電極形成およびワイヤボンディングなどができないおそれがあった。
【0004】
したがって、電子部品などの物品を支持するためのキャリア(支持用キャリア)は、治具との相対的位置が変化しないようにしながら物品を支持できることが必要である。
【0005】
本発明の目的は、このような課題に鑑み、電子部品等の物品を支持用キャリアで支持したときに、物品との相対的位置が変化しにくい支持用キャリアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の支持用キャリアは、基体上に1以上の物品を配置する支持用キャリアであって、前記基体は、前記物品の下面を支持する支持領域面と、該支持領域面の周囲に前記物品の水平方向の移動を拘束する拘束面を備えた複数の凸部とを有してなり、前記支持領域面と前記拘束面とは、平面どうしで隣り合っていることを特徴とする。
【0007】
また、上記構成において、前記支持領域面と前記拘束面とのなす角度が直角であることを特徴とする。
【0008】
また上記構成において、互いに隣り合う前記凸部の拘束面が同一平面上にあることを特徴とする。
【0009】
また上記構成において、前記凸部は互いに隣り合う拘束面を有し、これら拘束面同士のなす角度が直角であることを特徴とする。
【0010】
また上記構成において、前記支持領域面の幅が互いに隣り合う前記凸部同士の最短距離より広いことを特徴とする。
【0011】
また上記構成の互いに隣り合う凸部において、対向する拘束面同士が平行であることを特徴とする。
【0012】
さらに、上記構成において、前記基体がセラミックスからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の支持用キャリアによれば、物品の下面を前記支持領域面に接触させた状態で物品の水平方向の移動を拘束できるので、支持用キャリアと物品の相対的位置を変化させないで物品を支持できる。
【0014】
本発明の支持用キャリアによれば、前記拘束面が同一平面上にあるので、支持用キャリアと物品と相対的位置をさらに変化させないようにしながら物品を支持できる。
【0015】
本発明の支持用キャリアによれば、物品を拘束面全体で拘束することができるので、支持用キャリアと物品の相対的位置が特に変化し難くできる効果が期待できる。
【0016】
本発明の支持用キャリアによれば、物品が凸部から外れることなく、物品を支持面で支持でき、さらに、支持用キャリアと物品の相対的位置の変化を抑制することができる。
【0017】
本発明の支持用キャリアによれば、拘束面全体で物品を拘束することができるので、支持用キャリアと物品の相対的位置の変化を特に抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、本実施形態という)について、物品として電子部品を例にとり図面を参照しつつ詳細に説明する。
<支持用キャリアの構成I>
以下、図1〜図4を参照しながら説明する。図1および図2に示すように、支持用キャリア10には、基体6に1以上の電子部品2(全体の外観等については図4等を参照)が配置されている。図3に示すように、基体6は、電子部品2の下面4(一方主面)を支持する支持領域面8(平面視で四角形状)と、支持領域面8に平行な方向の移動(電子部品2の水平方向の移動)を拘束する拘束面12を備えた、複数の凸部14(平面視で太十字形状、もしくは四角形の角を切り欠いた12角形状の角柱状体)を有する。互いに隣り合う凸部(14aと14b、14cと14d、14eと14f、14gと14h)は、接合により一体的に形成されている。支持領域面8と拘束面12とは平面どうしが隣り合っており、これら面のなす角度P1は直角である。ここで、凸部は上記形状に限定されるものではなく、支持領域面8と拘束面12とは、平面どうしで隣り合っていればよく、支持領域面8と拘束面12とのなす角度が直角である形状であればよい。
【0019】
図4(a)〜(d)に示すように、電子部品2の形状は、外形が立方体または直方体等の四角柱などである。電子部品2は下面4(一方主面)が平面で、四隅に角があり、上面5(他方主面)には凹凸があってもよい。電子部品の下面4は支持領域面8に接し、下面4に垂直な電子部品の端面は拘束面12に接する。電子部品2はLED用の基体もしくはLEDまたはこれらの中間体からなる。LED用の基体としてはサファイアまたは窒化アルミニウムが好適に用いられる。
【0020】
基体6の材質は、金属またはセラミックスのいずれかからなるものとするとよいがこれらに限定されない。電子部品2と基体6が接触したときに、基体6が摩耗して電子部品2に基体6の摩耗痕が付かないようにするためには、基体6の材質はセラミックが好ましい。セラミックからなる基体6は、金属に比べて弾性変形し難く、温度変化に伴う寸法変化が少ないので、電子部品キャリア10と電子部品2の相対的位置が変化しないように、電子部品2を電子部品キャリア10によって拘束できる。
【0021】
基体6がセラミックからなる場合、基体6の主成分(「主成分」とは50質量%以上をいうものとし、以下同様とする。)はアルミナ、ジルコニア、窒化硅素、炭化珪素、フォルステライトおよびコーディエライトのうち1種以上から選択されることが好ましい。
【0022】
電子部品2の下面4は、支持領域面8に接する平面を有する。すなわち、電子部品2の下面4は、支持領域面8に接する。
【0023】
図3に示すように、支持領域面8は電子部品2の下面4に接することができる平面からなり、電子部品2を支持する。支持領域面8には、電子部品2の下面4が位置する箇所に貫通孔16を有することが好ましい。
【0024】
貫通孔16を有する支持用キャリア10は、電子部品2を支持領域面8に載せた状態で、貫通孔16側を真空ポンプ(不図示)などで負圧にすることにより、電子部品2を支持領域面8に真空吸着させることができる。真空吸着により、電子部品2が電子部品キャリア10上に強固に固定される。
【0025】
図3に示す角度P1は、支持領域面8と拘束面12とがなす角度である。角度P1は直角であるとよい。角度P1が直角であると、電子部品2の下面4と端面2aが直角の場合に、電子部品2の端面を拘束面12によりしっかりと拘束することができる。
【0026】
図3に示すように、拘束面12は支持領域面8との境界部Q1,Q2,Q3,Q4においても垂直であることが好ましい。境界部Q1,Q2,Q3,Q4において、拘束面12と支持領域面8が垂直であることにより、電子部品2の外形が立方体または直方体等の四角柱の場合であっても、電子部品2の下面4の全体(貫通孔16に対向する部分を除く。)を支持領域面8で支持しつつ、拘束面12で電子部品2の端面2aを拘束することができる。
【0027】
凸部14(14a,14b,14c,14d,14e,14f,14g,14h)は、電子部品2の端面2aを、支持領域面8に平行な方向に移動させないように拘束する。凸部14は、電子部品2の角部2bを拘束する。
【0028】
このように、支持用キャリア10は、電子部品2の下面4と支持領域面8の接触を保持しながら、電子部品2が支持領域面8に平行な方向(水平方向)に移動することを拘束面12で拘束するので、支持用キャリア10と電子部品2の相対的位置が変化し難い。したがって、電子部品2は、支持用キャリア10に対する相対的位置が変化しにくい状態で、支持用キャリア10によって支持される。
【0029】
支持用キャリア10は、上記の実施形態に限定されない。例えば、支持用キャリア10がセラミックからなる場合、凸部14は一の焼結体からなるものではなく、凸部14a,14d,14gおよび14h、または凸部14b,14c,14eおよび14f、のいずれか一方が基体6に接合されているものでもよい。
<支持用キャリアの構成II>
次に、支持用キャリアの他の実施形態について、図5〜図7を参照しながら説明する。図5〜図7に示すように、凸部14a,14d,14eおよび14hが、凸部14b,14c,14f,14gおよび基体6に接合されている支持用キャリア10の構造を示している。凸部14a,14d,14eおよび14hは、凸部14b,14c,14f,14gおよび基体6に、接合部材18が例えばガラス接合により接合された構造となっている。
【0030】
電子部品2は図2と同様であり、立方体または直方体等の四角柱に限定されるものではなく、電子部品2の外形を拘束する形状に、支持用キャリアの支持領域面8および拘束面12が構成されていればよい。
【0031】
以下に支持用キャリア10の好ましい実施形態について説明する。支持用キャリア10は、互いに隣り合う凸部(14aと14h、14bと14c、14dと14e、14fと14g)の拘束面が同一平面上にあることが好ましい。すなわち、拘束面12aと12h、12bと12c、12dと12e、12fと12gは、それぞれ互いに同一平面上にあることが好ましい。互いに隣り合う凸部が同一平面上にあると、電子部品2が拘束面14全体で拘束されやすくなるので、電子部品2が支持用キャリア10によって、より確実に拘束される。その結果、支持用キャリア10と電子部品2の間の相対的位置が特に変化し難くなる。
【0032】
凸部14は、互いに隣り合う拘束面を有し、拘束面同士のなす角度が直角であることが好ましい。すなわち、拘束面12aと12b、12cと12d、12eと12f、12gと12hは、それぞれ隣り合っており、角度P1〜P4は直角であることが好ましい。角度P1〜P4が直角であると、直角な角部2bを有する電子部品2を拘束面全体で拘束することができるので、支持用キャリア10と電子部品2の相対的位置が特に変化し難い。
【0033】
支持領域面8の幅が互いに隣り合う凸部(14aと14h、14bと14c、14dと14e、14fと14g)同士の最短距離よりも広いことが好ましい。すなわち、幅W1が幅W3よりも広いこと、または幅W4が幅W2よりも広いことの少なくとも一方を満たすことが好ましい。これにより、電子部品2が凸部14から外れることなく、電子部品2を支持領域面8で支持でき、さらに、支持用キャリア10と電子部品2の相対的位置の変化を抑制することができる。
【0034】
互いに隣り合う凸部において、対向する拘束面同士が平行であることが好ましい。すなわち、互いに隣り合う凸部(14aと14h、14bと14c、14dと14e、14fと14g)において、対向する拘束面12aと12d、12bと12g、12cと12f、12eと12hがそれぞれ平行であることが好ましい。これにより、拘束面12全体で電子部品2を拘束することができるので、支持用キャリア10と電子部品2の相対的位置の変化を抑制することができる。
<支持用キャリアの構成III>
上述した支持用キャリア10のさらに好ましい実施形態について説明する。
【0035】
支持領域面8に貫通孔16を形成し、電子部品2を支持領域面8に載せた状態で、貫通孔16側を真空ポンプ(不図示)などで減圧にすることによって、電子部品2が支持領域面8に真空吸着されると、振動が支持用キャリア10に付勢されても、支持用キャリア10と電子部品2の相対的位置の変化が著しく抑制される。
【0036】
貫通孔16を設けた場合は、支持領域面8の算術平均高さ(Ra)は1.6μm以下であることが好ましい。Raが1.6μm以下であると、電子部品2を十分な強さで真空吸着できるからである。RaはJIS B0601(2001年)またはISO 4287(1997年)に準拠して測定することができる。
【0037】
基体6は導電性セラミックスにて形成されていることが好ましい。基体6が導電性を有することによって、基体6を接地すれば静電気を除去することができるので、電子部品2に静電気が蓄積されることが抑制される。導電性セラミックスの材料の主成分は、例えば導電性アルミナ、導電性フォルステライト、導電性ジルコニア、導電性のアルミナ/炭化チタンおよび炭化珪素のいずれかから選択される。
<支持用キャリアの製造方法I>
支持用キャリア10の第1の製造方法について説明する。図1〜図3の支持用キャリア10の材質がアルミナの場合を例として説明する。
【0038】
工程a1:図1(a)に示す支持用キャリアを成形するための金型を準備する。原材料として、ポリビニルアルコールなどの有機結合剤を1〜10質量%含む成形用アルミナ粉末を準備する。アルミナ粉末は成形用助剤として、珪素、マグネシウムおよびカルシウムを含むものが好ましい。
【0039】
工程a2:成形用セラミック粉末を金型に充填し、支持用キャリアの生成形体を成形圧50〜200MPaで成形する。
【0040】
工程a3:生成形体を焼成して焼結体を作製する。
【0041】
工程a4:焼結体の両主面(支持用キャリアの底面22側と、電子部品を支持するための支持面側の凸部20)を平面状に研削することにより、底面22と凸部20の平行度を0.1mm以下とする。
【0042】
工程a5:支持領域面と凸部との直角度については、金型成形により形成されることになる。
<支持用キャリアの製造方法II>
支持用キャリア10の第2の製造方法について説明する。図5〜図7の支持用キャリアの製造方法について、支持用キャリア10の材質がアルミナの場合を例として説明する。
【0043】
工程b1:図8に示す基体6を成形するための金型を準備する。原材料の成形用アルミナ粉末は上記工程a1と同一とする。
【0044】
工程b2:成形用セラミック粉末を金型に充填し、支持用キャリアの生成形体を成形圧50〜200MPaで成形する。
【0045】
工程b3:生成形体を焼成して焼結体を作製する。
【0046】
工程b4:上記工程a4と同様に、底面22と凸部20の平行度を0.1mm以下にする。
【0047】
工程b5:支持領域面8全体を、砥石を用いた研削盤で研削することによって、支持領域面8の平坦度を0.1mm以下にする。ここで、砥石の幅は、図7に示す幅W3,W4の2種類を用い、W3の幅で研削後、W4の幅で研削する。かくして図8に示す基体6が得られる。
【0048】
工程b6:接合部材18を複数個準備する。この接合部材18は、支持用キャリア10と同材質の焼結体からなり、支持領域面8から凸部20までの高さと同じ高さを有する。
【0049】
工程b7:ガラス接合材を準備する。このガラス接合材の融点は600〜1200℃程度である。ガラス接合剤のペーストを、工程b5で得られた基体6に塗布し、ガラス接合材の融点付近まで加熱することによって、接合部材18を基体6に接合する。ここで、支持領域面8にはガラス接合材が突出しないようにする。また、ここで基体6に対する接合部材18の接合位置を高精度とするために、ガラス接合剤のペーストを塗布する方法は次の通りである。
【0050】
工程b8:図7(a)のW2の幅寸法より数μm小さめでかつW1の幅寸法より数μm小さめの治具を用意する。次にその治具を工程b5で研削した基体6の溝部の中央部に設置し、接合部材18を接合する箇所にガラス接合剤を少量塗布する。
【0051】
工程b9:工程b8で塗布したガラス接合剤の上に接合部材18を載せる。
【0052】
工程b10:全ての接合部材18を載せた状態で、上からおもりをのせ、基体6と接合部材18が密着するようにする。この後、工程b8で使用した治具をすみやかに取り除く。その後、工程b7のように、ガラス接合剤の融点付近まで加熱する。
【0053】
このようにして得られた支持用キャリア10は、第1の製造方法で作製された支持用キャリア10よりも、支持領域面8の平坦度が小さい。また、電子部品2を拘束するW1とW2の幅精度もよく、作製することができる。
【0054】
本発明に係る支持用キャリアは上記実施形態に限定されるものではなく、各種の電子部品、光部品または光電子部品等の部品または部品を構成する基体等の小型物品を支持および/または搬送できるものであればよい。
【実施例】
【0055】
図5〜図7に示す支持用キャリア10を上記第2の製造方法により作製した。ここで、支持用キャリア10の形状は次の通りとした。
外形長辺77mm、短辺66mm、総厚み(凸部20と底面22の最短距離)3mm、貫通孔16の直径2mm、支持領域面8と底面22の最短距離(厚み)2.5mm、W1=4.63mm、W2=3mm、W3=3mm、W4=5.43mm
電子部品2として、外辺4.6mm×5.4mm、厚み0.8mmのLED用基板を準備した。電子部品2を35個、支持用キャリア10の支持領域面8で支持した。この状態で、約400℃程度の熱を加えるようなダイボンド工程を繰り返し行った。その結果、本発明の支持用キャリアでボンディングした後のLEDパッケージについては、パッケージング後の位置精度もよく、かつ、キャリア自体も熱変形することなく繰り返し使用することがわかった。
【0056】
一方、参考例として、図9に示す支持用キャリアを作製して、実施例と同様に評価した。すなわち、凸部114(114a,114b,114c,114d,114e,114f,114g,114h)に曲面が形成されており、拘束面112(112a,112b,112c,112d,112e,112f,112g,112)、貫通孔116を有する支持用キャリアである。
【0057】
ここで、図9に示す支持用キャリアは次のようにして作製した。すなわち、アルミナ基板の外面の全てを加工用ツールを用いて、研削加工により作製する方法である。 その結果、図9のように、コーナー部Q5〜Q8には、使用した加工ツールの先端部の曲面形状が転写されていた。また、電子部品2の角部2bと接する部分に曲面R1〜R4が形成されていた。
【0058】
このため、電子部品2を支持面108で支持することができなかった。この理由は、コーナー部Q5〜Q8のみに電子部品4の下面4が接したためであった。さらに、コーナー部Q5〜Q8に接しないサイズの小さな電子部品を別途準備して、支持面108に載置した場合は、電子部品の端面を拘束面112と接触させることが困難であったため、拘束面112と電子部品の間に隙間ができた。これらの結果から明らかなように、図9に示す形状を有する支持用キャリアは、電子部品を精度よく保持できなかった。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の支持用キャリアの一実施形態を説明する図であり、(a)は支持用キャリアの斜視図、(b)は電子部品が(a)の支持用キャリアで拘束された状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の支持用キャリアの一実施形態を説明する図であり、(a)は支持用キャリアの平面図、(b)は支持領域面に垂直なB−B1面における断面図、(c)は右側面図、(d)は支持領域面に垂直なA−A1面における断面図、(e)は正面図,(f)は底面図である。左側面図は右側面図の(c)と同じであるため省略する。
【図3】本発明の支持用キャリアの一実施形態を説明する図であり、(a)はC部の拡大平面図、(b)はC部を右側面方向から見た拡大断面図、(c)はC部を正面方向から見た拡大断面図、(d)は(c)のQ1の部分の拡大断面図、(e)は(c)のQ2の部分の拡大断面図である
【図4】(a)は、電子部品を模式的に表した斜視図、(b)は(a)の上面図、(c)は(a)の正面図、(d)は(a)の底面図である。
【図5】本発明の支持用キャリアの他の実施形態を説明する図であり、(a)は支持用キャリアの斜視図、(b)は電子部品が(a)の支持用キャリアで拘束された状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の支持用キャリアの他の実施形態を説明する図であり、(a)は支持用キャリアの平面図、(b)は支持領域面に垂直なB−B1面における断面図、(c)は右側面図、(d)は支持領域面に垂直なA−A1面における断面図、(e)は正面図,(f)は底面図である。左側面図は右側面図の図6(c)と同じであるため省略する。
【図7】本発明の支持用キャリアの他の実施形態を説明する図であり、(a)はC部の拡大平面図、(b)はC部を右側面方向から見た拡大断面図、(c)はC部を正面方向から見た拡大断面図、(d)は(c)のQ1の部分の拡大断面図、(e)は(c)のQ2の部分の拡大断面図である。
【図8】基体を作製するための金型の斜視図である。
【図9】参考例の支持用キャリアを説明する図であり、(a)はC部の拡大平面図、(b)はC部を右側面方向から見た拡大断面図、(c)はC部を正面方向から見た拡大断面図、(d)は(c)のQ1の部分の拡大断面図、(e)は(c)のQ2の部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0060】
2:電子部品(物品)
2a:端面
2b角部
4:下面
5:上面
6:基体
8,108:支持領域面
10:支持用キャリア
12,12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g,12h,112,112a,112b,112c,112d,112e,112f,112g,112h
:拘束面
14,14a,14b,14c,14d,14e,14f,14g,14h,114,114a,114b,114c,114d,114e,114f,114g,114h
:凸部
16,116:貫通孔
18:接合部材
20:凸部
P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7,P8:角度
Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6,Q7,Q8:境界部
W1,W2,W3,W4,W5,W6,W7,W8:幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体上に1以上の物品を配置する支持用キャリアであって、前記基体は、前記物品の下面を支持する支持領域面と、該支持領域面の周囲に前記物品の水平方向の移動を拘束する拘束面を備えた複数の凸部とを有してなり、前記支持領域面と前記拘束面とは、平面どうしで隣り合っていることを特徴とする支持用キャリア。
【請求項2】
前記支持領域面と前記拘束面とは直角をなすことを特徴とする請求項1に記載の支持用キャリア。
【請求項3】
互いに隣り合う前記凸部の拘束面が同一平面上にあることを特徴とする請求項1または2に記載の支持用キャリア。
【請求項4】
前記凸部は互いに隣り合う拘束面を有し、これら拘束面同士のなす角度が直角であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の支持用キャリア。
【請求項5】
前記支持領域面の幅が互いに隣り合う前記凸部同士の最短距離より広いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の支持用キャリア。
【請求項6】
互いに隣り合う凸部において、対向する拘束面同士が平行であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の支持用キャリア。
【請求項7】
前記基体がセラミックスからなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の支持用キャリア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−238952(P2009−238952A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82053(P2008−82053)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】