説明

改善された嗅ぎたばこ組成物

対象の口腔への適用後にニコチン作用の急速な発生を達成する嗅ぎたばこ組成物の製造のためのニコチン-セルロース組合せの使用。ここで、当該組成物は、インビトロ溶解試験に供したとき、30分以内に総含量の約45%又はそれより多くのニコチンが放出されるような高い放出速度を有する。更に、本発明は、口腔への適用のための改善された嗅ぎたばこ組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、対象の口腔への適用後にニコチン作用の急速な発生を達成する嗅ぎたばこ組成物(snuff composition)の製造のためのニコチン-セルロース組合せの使用に関する。ここで、該組成物は、インビトロ溶解試験に供したとき、30分以内に総含量の約45%又はそれより多くのニコチンが放出されるような高い放出速度を有する。更に、本発明は、口腔への適用のための改善された嗅ぎたばこ組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ウェットタイプ嗅ぎたばこ(wet snuff)は、米国及びスカンジナビア(特に、スウェーデン)で主に見られるニコチン添加の異形であり、これらの国では、約20%の男性が毎日この異形を使用している。
【0003】
ウェットタイプ嗅ぎたばこは、喫煙により引き起こされる心血管疾患及び肺疾患の罹患率及び致死率に関与しないが、ニトロソアミンの含有は、幾らかのガン疾患に関して潜在的な危険をもたらす。したがって、この潜在的危険を最小化しつつ、嗅ぎたばこ様製品を消費者に利用可能にすることは、興味の対象である。
【0004】
投与経路における脈管領域及び嗅ぎたばこが長期間にわたって固定されるという事実により、粘膜上のニコチンの急速で徹底的な取込みの機会が生じる。類似のニコチン効果を有するがタバコ(tobacco)に由来する発ガンリスクを有さない新たな薬用嗅ぎたばこバッグ−嗅ぎたばこ類似物(Snuff Similar)−を開発することが、このプロジェクトの目的であった。欧州及び世界中の他の国に広げるためには、外見がよりクリーンでより社会的に受け入れ可能である製品を有することが1つのアプローチであった。白色セルロース複合体を使用することにより、このことを達成できた。より社会的に受け入れ可能な代替品は、(特に女性の間での)使用を増加させる可能性がある。
【0005】
緩慢な湿潤化、それによるニコチンの緩慢な放出、移動及び吸収に起因して、嗅ぎたばこバッグからのニコチン放出は、インビボで不完全である。現在市販されている異形嗅ぎたばこは「General white」(Swedish Match AB)であり、嗅ぎたばこバッグあたり8.0mgのニコチン搭載量を有し、30分間にわたって約1.4mgのインビトロ放出を有する。結果的に、インビボでの放出は20%未満である。これは、主に、ニコチンを溶解するために利用可能な唾液が低量であること、及び嗅ぎたばこバッグが投与期間にわたって所定位置に維持されるという事実に起因する。したがって、できる限り少量のニコチンを搭載するためには、ニコチンの総放出がより高い嗅ぎたばこバッグ組成物に対する必要性が存在する。これはまた、このような嗅ぎたばこ組成物の製造方法では、より少ないニコチンが使用されることを意味し、このこともまた、経済及び環境の観点から有益である。
【0006】
上記では、下記の発明の詳細な説明をより良く理解できるように、本発明の特徴及び技術的利点を大まかに概説した。本発明の請求主題を形成する本発明の更なる特徴及び利点は、下記で説明する。開示された着想及び具体的実施形態が、本発明の同じ目的を遂行するための他の構成への改変又は設計の基礎として容易に利用され得ることを当業者は理解すべきである。また、このような等価な構成物が添付の特許請求の範囲に示された本発明の精神及び範囲を逸脱しないことも当業者は理解すべきである。本発明に特有であると考えられる新規な特徴は、添付の図面を併せて考慮すれば、その構造及び操作方法の両方に関して、更なる目的及び利点と併せて、以下の説明から十分に理解される。しかし、図面の各々が本発明の説明及び例示のためのみに提供され、本発明の限界の定義として意図するものではないことを明確に理解すべきである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の詳細な説明
本発明は、対象の口腔への適用後にニコチン作用の急速な発生を達成する嗅ぎたばこ組成物の製造のためのニコチン-セルロース組合せの使用に関する。この組成物は、インビトロ溶解試験に供したとき、30分以内に総含量の約45%又はそれより多くのニコチンが放出されるような高い放出速度を有する。
【0008】
一般に、ニコチン効果の発生は、対象の唇と歯との間への組成物の適用後、例えば4分以内、3分以内、2分以内又は1.5分以内のような、5分以内である
【0009】
本発明に関して、用語「ニコチン-セルロース組合せ」は、例えばセルロース内の空隙又は孔の中に、十分に規定された量のニコチン(遊離塩基として又は医薬的に許容され得る塩、複合体若しくは溶媒和物としてのいずれでも)を吸収・吸着(sorb)(吸着及び/又は吸収)しているセルロースから構成される固体材料を示すものとして意図される。用語「ニコチン-セルロース付加物」及び「ニコチン-セルロースキャリア複合体」は、本明細書中で使用する場合、用語「ニコチン-セルロース組合せ」と同義を有するものとして意図される。本明細書中で使用する場合、セルロースはキャリアの例である。
【0010】
(同一出願人の)WO 2004/056363には、ニコチン放出のためのニコチン-セルロース組合せが記載されている。しかし、口腔における使用のための嗅ぎたばこ組成物の製造のための当該材料の使用については開示がない。
【0011】
更に、本発明者らは、このニコチン-セルロース組合せの使用が、嗅ぎたばこ組成物における使用、例えば、一方でニコチンを比較的急速に放出しそのことによりニコチン効果の急速な発生を可能にし、他方で口腔内適用後に嗅ぎたばこ組成物中のニコチン内容物を完全に又はほぼ完全に放出させることが可能な嗅ぎたばこ組成物における使用に特に適切であることを見出した。完全な又はほぼ完全な放出はまた、適切なバッグ、ポーチ又は膜に嗅ぎたばこ組成物を包み込んだ後にも見られる。バッグ又はポーチは、任意の適切な材料、例えば織布又は不織布(例えば、コットン、フリースなど)、熱シール性不織セルロース又は他のポリマー材料、例えば本明細書中に記載のような合成、半合成又は天然のポリマー材料であり得る。使用に適切な材料は、粉末又は組成物が使用の間にバッグ又はポーチから出ていくことを防止するために、半透膜層を提供しなければならない。適切な材料はまた、組成物からのニコチンの放出に顕著に影響しないものである。本発明者らが知る限りでは、今日市場で入手可能なニコチン/タバコ嗅ぎたばこ製品(nicotine/tobacco snuff product)は、嗅ぎたばこ製品に含有されるニコチンの一部を放出するにすぎない(本明細書中の実施例を参照)。
【0012】
嗅ぎたばこは、通常、(例えば、唇と歯との間に挿入すべき)頬投与に適切なバッグ又はポーチの形態であり、バッグ又はポーチは、ニコチンをニコチン-セルロース組合せの形態で含んでなる。特に興味深い実施形態では、セルロースは、約180μmの平均粒子サイズを有する微結晶性セルロースである。適切な品質の例は、例えばAvicel PH-200である。
【0013】
本発明による嗅ぎたばこ組成物はまた、頬投与に適切な1又はそれより多くの医薬的に許容され得る賦形剤又は添加剤を含んでなり得る。そのような剤としては、充填剤、結合剤、湿潤剤、安定化剤、着色剤、表面活性剤、pH調整剤、吸収増強剤、味覚マスキング剤、矯味矯臭剤、質感改善剤(texture-improving agent)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
上記のように、本発明の具体的実施形態では、ニコチン-セルロース組合せ(通常、1又はそれより多くの医薬的に許容され得る賦形剤又は添加剤と共に)が膜材料に封入される。膜は、天然、合成、半合成の親水性又は疎水性の膜であり得る。これは、1又はそれより多くの生体適合性で生理学的に許容され得るポリマー材料から作製され得る。適切な膜材料の例は、酢酸セルロース及びその誘導体、カルボキシメチルセルロース、ポリセルロースエステル、他のセルロース誘導体(エチルセルロース、プロピルセルロースを含む)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、メタクリレートとアクリレートとのポリマー、天然ゴム、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアミド及びナイロンである。他の適切な材料は、本明細書中で前記したものである。
【0015】
積年の特許法慣習を踏まえて、本明細書中で使用する場合、語「a」及び「an」は、本明細書(特許請求の範囲を含む)中で用語「含んでなる」と併せて使用する場合、 「1又はそれより多く」を示す。本明細書中で使用する場合、「別の」は、少なくとも第2の又はそれより多くを意味し得る。本発明の幾つかの実施形態は、本発明の要素、方法の工程及び/又は方法の1又はそれより多くからなってもよいし、或いは本発明の要素、方法の工程及び/又は方法の1又はそれより多くから本質的になってもよい。本明細書に記載の任意の方法又は組成物は、本明細書に記載の任意の他の方法又は組成物に関して実施することができると企図される。
【0016】
1つの観点では、本発明は、頬と顎との間又は唇の下の頬袋での頬投与用の嗅ぎたばこ組成物に関する。組成物はタバコを含み得る。
【0017】
タバコの使用は、世界の人口の大部分で深く根付いている。スカンジナビア諸国、特にスウェーデンでは、湿性嗅ぎたばこ(moist snuff)(スヌース(snus))の使用が喫煙の代替として非常に一般的である。嗅ぎたばこは、比較的大量の水含有(40〜60% w/w)を有する、発酵させ製粉/粉砕したタバコであり、通常、ヒトの前上唇(front upper lip)の下で使用する。
【0018】
タバコ自体は、天然起源のためニコチン含量が幾らか変化する。湿性嗅ぎたばこ中のニコチン放出を調節するため、種々の緩衝剤系(例えば炭酸塩)を加え得る。湿性嗅ぎたばこは、箱にバルク(bulk)としてバラで又は小さな不織バッグに単回用量としてのいずれかで包装される。次いで、或る数の充填・密封されたバッグが箱に包装される。
【0019】
単回用量としての湿性嗅ぎたばこは、バルク製品と比較して使用の容易性のために大衆化してきている。湿性嗅ぎたばこの大衆化は、薬理学的なニコチン吸収プロフィールによるところが最も大きいであろう。ニコチンの用量及び吸収スピードは、ブランド間で変わり得るが、10分間にわたって約10ng/mlである。湿性嗅ぎたばこ消費の1日後の血漿ニコチン濃度の測定値もまた、紙巻きたばこ(cigarette)の使用と類似レベルを得た。動力学は、例えば紙巻きたばこ及び葉巻(cigar)のようなタバコ喫煙時の動力学と比較して僅かに緩慢である;しかし、吸収されるニコチンの全体量は、嗅ぎたばこの使用時がより高い。
【0020】
本発明による嗅ぎたばこ組成物は、ニコチン又はその医薬的に許容され得る塩、溶媒和物、複合体、付加物若しくは誘導体を含んでなり、本明細書中に記載のようなインビトロ溶解試験に供したとき、30分間で、総含量の約30%又はそれより多くのニコチンが放出される。インビトロ放出に関するこの要件により、確実に、十分な量のニコチンが口腔粘膜を通じての吸収に迅速に利用可能となる。特定の実施形態では、例えば総含量の約40%又はそれより多く、約42%又はそれより多く、約45%又はそれより多く、約50%又はそれより多くのような、総含量の約35%又はそれより多くのニコチンが放出される。特に興味深い実施形態では、ニコチンの放出は、30分以内に、(インビトロ試験で)ニコチンの総含量の約45%又はそれより多くである。とりわけ、この時間内での放出は、嗅ぎたばこ組成物中のニコチンの総含量の、例えば約60%又はそれより多く、約70%又はそれより多く又は約75%又はそれより多くのような、約50%又はそれより多くである。同じことが、本明細書中に記載されたようなポリマー性膜に包み込まれた嗅ぎたばこ組成物にも当てはまる。
【0021】
本発明の1つの重要な特徴は、嗅ぎたばこ組成物が血漿中へのニコチンの迅速な出現を導くことである。したがって、一般に、頬投与後30分のニコチンのインビボ取り込みは、嗅ぎたばこ中のニコチンの総含量の少なくとも約30%に相当する。本明細書中の実施例から理解されるように、嗅ぎたばこ組成物は、頬投与後30分のニコチンのインビボ放出がより高い、すなわち、嗅ぎたばこ中のニコチン総含量の、例えば少なくとも約40%、少なくとも約42%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%又は少なくとも約75%のような、少なくとも約35%に相当するように、処方することができる。
【0022】
具体的実施形態では、本発明による嗅ぎたばこ組成物は、内部間隙を含んでなるキャリアを含んでなる。このような間隙は、少なくとも一部ニコチンを含んでなり得る。キャリアは、代表的には、水に不溶性であるか、又は水に対する低溶解度を有する。よって、キャリアは、代表的には、室温で、1% w/w未満の水に対する溶解度を有する。
【0023】
本発明の嗅ぎたばこ組成物における使用に特に適切なキャリアは、セルロース、例えば微結晶性セルロース(「mcc」)である。セルロースは、合成セルロースであってもよいし、半合成セルロースであってもよく、或いは天然セルロースから誘導してもよい。これは、通常、結晶(例えば微結晶)である。或る具体的実施形態はまた、mccに加えて又はmccを含む他の形態のキャリア、例えば(これらに限定されない)、繊維状材料、又はセルロース(ヘミセルロース、異なる結晶化度及び構造(例えば種々の構造(固体繊維及び蜘蛛の巣様(web-like)構造及び/又は他の構造のような多様な構造の繊維などを付加又は含有)を有するセルロース(天然に存在するセルロース(Cladophora sp.藻類セルロース)を含む)などを含む)、デキストラン、アガロース、寒天、ペクチン、アルギナート、キサン、キトサン、デンプン(ポテトデンプン、ガジュツ(shoti)デンプンを含む)など又はこれらの混合物を含む炭水化物を使用してもよい。理論により拘束されることを意図しないが、本出願時点では、ニコチンは、キャリア中への吸収及び/又はキャリア表面への吸着によって、キャリア(例えば、mcc又は他の適切なキャリア(他のセルロースキャリアを含む))と相互作用し得ると考えられている。このような相互作用は、完全に又はほとんど完全に可逆的である。
【0024】
微結晶性セルロースは、AVICEL(登録商標)グレードPH-100、PH-102、PH-103、PH-105、PH-112、PH-113、PH-200、PH-300、PH-302、VIVACEL(登録商標)グレード101、102、12、20、EMOCEL(登録商標)グレード50M及び90Mなど並びにそれらの混合物からなる群より選択され得る。
【0025】
適切なキャリアはまた、WO 2004/064811(これは参照により本明細書に組み込まれる)に開示されたものであり得る。
【0026】
より具体的には、比較的高い表面積が使用に適切なキャリアにとって重要であると考えられる。したがって、適切なキャリアの比表面積は、通常、例えば1m2/gのような、少なくとも0.7m2/gである。或る種の使用では、比表面積は、約0.7m2/gと少なくとも約100m2/gとの間の範囲であり得、及び/又はこの範囲内のいずれでもあり得、及び/又はこの範囲内のサイズの任意の組合せであり得る。例えば、或る実施形態では、比表面積は、約0.7m2/g、約1m2/g、約1.5m2/g、約2.0m2/g、約3.0m2/g、約5m2/g、約7m2/g、約10m2/g、約15m2/g、約20m2/g、約25m2/g、約35m2/g、約45m2/g、約50m2/g、約75m2/g、約100m2/g及び約100m2/gを上回る値又はそれらの組合せであり得る。このような適切な表面積を有するキャリアとしては、mcc、繊維状材料、又はセルロース(ヘミセルロース、異なる結晶化度及び構造(例えば種々の構造(固体繊維及び蜘蛛の巣様構造及び/又は他の構造のような多様な構造の繊維などの付加又は含有)を有するセルロース(天然に存在するセルロース(Cladophora sp.藻類セルロース)を含む)などを含む)、デキストラン、アガロース、寒天、ペクチン、アルギナート、キサン、キトサン、デンプン(ポテトデンプン、ガジュツデンプンを含む)など及び/又はそれらの混合物を挙げ得るが、これらに限定されない。
【0027】
具体的実施形態では、ニコチンは、微結晶性セルロースに吸収・吸着されている。
【0028】
一般に、キャリア(例えば、微結晶性セルロース)の平均粒子サイズは、例えば最大限約500μm、最大限約450μm、最大限約300μm若しくは最大限約200μm、又は約5〜約500μm、10〜約500μm、15〜約500μm、約20〜約500μm、約30〜約500μm、約40〜約500μm、約10〜約400μm、約20〜約400μm、約30〜約400μm、約40〜約400μm、約30〜約300μm、約40〜約300μm、約50〜約250μm、約50〜約200μm若しくは約75〜約200μmのように、低すぎず高すぎないサイズである。具体的実施形態では、使用した粒子サイズは、約100μmであった。好ましい観点では、平均粒子サイズは、約15〜約250μmの範囲、例えば約20〜約200μmの範囲にある。本明細書中の実施例では、180μmの平均粒子サイズを有する微結晶性セルロースの品質が、本目的に十分に適切であることが判っている。
【0029】
好ましい実施形態では、本発明による嗅ぎたばこ組成物は、ニコチンをニコチン-微結晶性セルロースキャリア複合体として含有し、該複合体中でニコチンは少なくとも一部微結晶性セルロース上に吸収・吸着され、及び/又は少なくとも一部キャリア中に吸収され、及び/又は少なくとも一部キャリア(例えばmcc)上に吸着され、又はそれらが組み合わされている。このような相互作用は完全に又はほとんど完全に可逆的である。
【0030】
よって、或る具体的実施形態では、ニコチンは、微結晶性セルロースに吸収・吸着され、mcc中に吸収され、及び/又はmcc上に吸着され、及び/又はそれらが組み合わされている。
【0031】
本発明の実施形態では、キャリア(例えば、mcc及び/又は他の天然に存在するセルロース(これらに限定されない))は少なくとも部分的に多孔性である。この多孔性は、例えばキャリアの構造(これに限定されない)に起因し得、例えば分枝状、繊維状又は蜘蛛の巣様の構造が孔を有し得る。孔サイズの範囲としては、約0.01cm3/gの孔容積が挙げられるがこれに限定されず、約0.003cm3/g又はそれ未満〜約0.025cm3/g、更には約0.60cm3/gまで又はそれより大きい孔容積範囲が挙げられるが必ずしもこれらに限定されない。
【0032】
一般に、ニコチンキャリア複合体又はニコチンキャリア付加物は、本発明の嗅ぎたばこ組成物中に、約2% w/w〜約98% w/w、約2%〜約96% w/w、約2% w/w〜約95% w/w、約3% w/w〜約90% w/w、約4% w/w〜約85% w/w、約5% w/w〜約80% w/w、約5% w/w〜約75% w/w、約5% w/w〜約70% w/w又は約7.5% w/w〜約65% w/wの範囲のような、少なくとも約2% w/wの濃度で存在する。
【0033】
或る実施形態では、吸収・吸着されるニコチンの量(例えばキャリア中に吸収され及び/又はキャリア上に吸着されるニコチンの量)は、当該組成物の総重量の50%まで又はそれより多くであり得る。本発明におけるキャリア上に吸収・吸着されるニコチンの量の範囲は、当該組成物の総重量の約1%未満〜該組成物の約50%より多い範囲である(この範囲内の全ての量を含む)。本願出願人は本発明を理論より拘束することを意図しないが、本出願を準備している時点では、キャリア上及び/又はキャリア中に吸収・吸着され得るニコチンの最大量(これにより、量、例えば、全組成物の重量基準のパーセントニコチン(例えば、最大パーセンテージ)が影響を受ける)は、キャリアの特性(キャリアの構造、キャリアの多孔度及びキャリアの表面積を含むがこれらに限定されない)により影響されると考えられる。
【0034】
或る実施形態では、本発明の組成物中のニコチンキャリア複合体又はニコチンキャリア付加物の濃度は、例えば約85% w/w〜約98% w/wのような、約90% w/w〜約98% w/w、約92% w/w〜約98% w/w、約93% w/w〜約97% w/w又は約94% w/w〜約96% w/wのような、例えば約80% w/w〜約98% w/wのような濃度で存在する。
【0035】
代替の実施形態では、キャリア化合物は、例えばキャリア化合物がイオン交換化合物(polacrilexを含む)である場合に、ニコチンと複合体を形成することができる。
【0036】
ニコチンの濃度及び量
上記のように、ニコチンは任意の適切な形態で存在し得る。通常、ニコチンは、ニコチン塩基、ニコチン塩酸塩、ニコチン二塩酸塩、ニコチンモノ酒石酸塩、ニコチン重酒石酸塩、ニコチン硫酸塩、ニコチン塩化亜鉛(例えば、ニコチン塩化亜鉛一水和物)及びニコチンサリチル酸塩からなる群より選択される。好ましい観点では、ニコチンは、容易にセルロースに吸収・吸着して微結晶性セルロース-ニコチンキャリア複合体又はキャリア付加物を形成することができる遊離塩基形態である。
【0037】
通常、ニコチン化合物(遊離塩基として計算)は、少なくとも約0.1% w/wの濃度、例えば約0.5% w/w〜約45% w/w、約1.0% w/w〜約40% w/w、約1.5% w/w〜約35% w/w、約2% w/w〜約30% w/w、約2.5% w/w〜約25% w/w、約2.5% w/w〜約20% w/w、約3% w/w〜約15% w/wのような、例えば約0.1% w/w〜約50% w/wの範囲の濃度で存在する。
【0038】
しかし、より興味深い実施形態では、本発明による嗅ぎたばこ組成物は、ニコチンを、遊離塩基として計算して、例えば約0.1% w/w〜約8% w/w、約0.1% w/w〜約6% w/w、約0.1% w/w〜約4% w/w、約0.1% w/w〜約2% w/w、約0.1% w/w〜約1.5% w/w、約0.2% w/w〜約1.0% w/w又は約0.2% w/w〜約0.8% w/wのような、約0.1% w/w〜約10% w/wの濃度で含有する。
【0039】
本発明の嗅ぎたばこ組成物では、ニコチンは、代表的には、遊離塩基として計算して、例えば約0.1% w/w〜約4% w/w、約0.1% w/w〜約3% w/w、約0.1% w/w〜約2% w/w、約0.1% w/w〜約1% w/w、約0.1% w/w〜約0.75% w/w、約0.2% w/w〜約0.5% w/w又は約0.2% w/w〜約0.4% w/wのような、約0.1% w/w〜約5% w/wの濃度で存在する。
【0040】
上記のように、ニコチンは、ニコチン-セルロース組合せの形態で存在する。一般に、この組合せは、例えば約10〜約100%、約5%〜約50%、或いは約45%〜約100%のような、約5%〜約100%の濃度で存在する。適切な濃度の選択は、ニコチン-セルロース組合せ中のニコチンの搭載量及び単一ポーチ又はバッグ中のニコチンの投薬量に依存する。搭載量が比較的高い場合、この組合せの濃度は、搭載量が比較的低い場合より低くあり得、逆も同様である。例えばAvicel(登録商標)又は類似のセルロース品質を用いる具体的実施形態では、この組合せの濃度は、一般に、例えば約85% w/w〜約98% w/w、約90% w/w〜約98% w/w、約92% w/w〜約98% w/w、約93% w/w〜約97% w/w又は約94% w/w〜約96% w/wのような、約80% w/w〜約98% w/wである。
【0041】
当該組合せ中のニコチン(又はその医薬的に許容され得る塩、複合体若しくは溶媒和物)の濃度は、例えば最大限60% w/w、最大限50% w/w、最大限45% w/wのような、最大限70% w/wである。ニコチンの含量は、当該組合せ(粉体の形態である)が「湿気を帯び」、その結果ニコチンが脱着、蒸発又はその他の方法で該組合せからなくなるように非常に高くてはならない。したがって、組合せ中のニコチンの搭載量は、用いる特定のセルロースに依存する。セルロース材料の表面積が比較的高い場合、その中に、より大量のニコチンを適切な期間適切な様式で含有させることができる。一方、より小さな表面積を有するセルロースは、通常、安定性に関して適切な様式でニコチンを搭載する能力がより低い。
【0042】
ほとんどのセルロース品質に関して、ニコチン-セルロース組合せ中のニコチンの濃度は、例えば最大限約40% w/w、最大限約35% w/w、最大限約30% w/w、最大限約25% w/w、最大限約20% w/w、最大限約15% w/w、最大限約12.5% w/w、最大限約10% w/w、最大限約9.5% w/w、最大限約9% w/w、最大限約8.5% w/w又は最大限約8% w/wのような、最大限約45% w/wである(濃度はニコチン塩基として計算する)。
【0043】
具体的実施形態では、本発明による粒子状材料は、例えば最大限約7% w/w、最大限約6.5% w/w、最大限約6% w/w、最大限約5.5% w/w、最大限約5% w/w、最大限約4.5% w/w、最大限約4% w/w、最大限約3% w/w、最大限約2% w/w又は最大限約1% w/wのような、最大限約7.5% w/wのニコチン又はその医薬的に許容され得る塩、複合体若しくは溶媒和物の濃度を有する(濃度はニコチン塩基として算出)。
【0044】
本発明の組成物中のニコチン化合物の量(遊離塩基として計算)は、一般に、例えば約1mg〜約8mg、約1.5mg〜約7.5mg、約2mg〜約5mg、約2.5mg〜約5mg、約3〜約10mg、約3〜約7.5mg又は約3mg〜約5mg(例えば、約1.5mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約5mg又は約6mg)のような、約0.5mg〜約10mgである(遊離ニコチン塩基として計算したとき)。詳細には、2mg、3mg、4mg及び6mgの投薬量が商業的に興味深い。
【0045】
緩衝化剤
本発明による組成物はまた、1又はそれより多くの緩衝化剤を含有し得る。口腔での微かなアルカリ反応(7〜8)がニコチンの吸収を増強することは、広く知られている。したがって、微かなアルカリ反応が提供されるように組成物中に緩衝剤物質を組み込むことが有利であり得る。特に、口腔中へのニコチン放出用組成物(すなわち、嗅ぎたばこ組成物のような組成物)は、緩衝剤物質を有利に含有し得る。
【0046】
適切な緩衝化剤は、代表的には、酢酸塩、グリシン酸塩、リン酸塩、グリセロリン酸塩、クエン酸塩(例えば、アルカリ金属のクエン酸塩)、炭酸塩、炭酸水素塩及びホウ酸塩並びにそれらの混合物からなる群より選択されるものである。特には、炭酸塩、炭酸水素塩又はリン酸塩(三リン酸塩を含む)が緩衝剤として適切である。
【0047】
存在する場合、1又はそれより多くの緩衝化剤は、例えば約0.75% w/w〜約4%、w/w、約0.75% w/w〜約3%、w/w又は約1% w/w〜約2% w/wのような、約0.5% w/w〜約5% w/wの濃度で存在する。
【0048】
具体的実施形態では、1又はそれより多くの緩衝化剤の濃度は、例えば約0.2% w/w〜約4% w/w、約0.3% w/w〜約4% w/w、約0.4% w/w〜約3% w/w、約0.5% w/w〜約2% w/w、約0.6% w/w〜約1% w/w又は約0.7% w/w〜約0.9% w/w(例えば、約0.8% w/w)のような、約0.1% w/w〜約5% w/wである。
【0049】
甘味料−矯味矯臭剤
本発明による組成物の感覚特性を改善するために、1又はそれより多くの甘味料又は質感改善剤、例えば、糖アルコール(キシリトール、ソルビトール、マルチトール及び/又はイソマルトを含む)又は例えばアスパルテーム、アセスルファム若しくはサッカリンのような人工甘味料を添加してもよい。
【0050】
1又はそれより多くの甘味料の濃度は、存在する場合、通常、例えば約0.075% w/w〜約5% w/w又は約5%〜約35% w/w(例えば約10% w/w〜約35% w/w、約15% w/w〜約35% w/w又は約20% w/w〜約30% w/w)のような、少なくとも約0.05%である。興味深い実施形態では、1又はそれより多くの甘味料が、例えば、約0.01% w/w〜約0.15% w/w、約0.02% w/w〜約0.12% w/w、約0.03% w/w〜約0.11% w/w、約0.04% w/w〜約0.1% w/w、約0.05% w/w〜約0.1% w/w、約0.06% w/w〜約0.1% w/w又は約0.07% w/w〜約0.09% w/w(例えば、約0.08% w/w)のような、約0.01% w/w〜約0.2% w/wの濃度で存在する。本明細書中の実施例で示したように、濃度約0.08%の1又はそれより多くの人工甘味料は良好な感覚受容を与える。
【0051】
本発明による組成物の官能特性を改善するために、組成物は、通常約0.5% w/w〜約12% w/w、約1% w/w〜約10% w/w、約1.5% w/w〜約9% w/w又は約2% w/w〜約8% w/wの濃度(矯味矯臭剤の合計濃度)で存在する1又はそれより多くの矯味矯臭剤(例えば、メントールフレバー、ユーカリ、ミントフレバー及び/又はL-メントール)を含み得る。
【0052】
特定の実施形態では、香料はミントフレバーであり、1又はそれより多くの矯味矯臭剤の濃度は、例えば約1% w/w〜約10% w/w、約1.5% w/w〜約8% w/w、約2% w/w〜約6% w/w又は約3% w/w〜約5% w/w(例えば、約4% w/w)のような、約1% w/w〜約15% w/wである。具体的実施形態では、1又はそれより多くの矯味矯臭剤の濃度は約4% w/wである。
【0053】
ニコチンが酸化を受けることは周知である。したがって、本発明による組成物中に1又はそれより多くの抗酸化剤(例えば、パルミチン酸アスコルビル及び/又はアスコルビン酸ナトリウム)を組み込むことは有利であり得る。
【0054】
1又はそれより多くの抗酸化剤は、例えば、約0.5% w/w〜約2.2% w/w、約0.6% w/w〜約2% w/w、約0.7% w/w〜約1.8% w/w又は約0.8% w/w〜約1.6% w/wのような、約0.4% w/w〜約2.4% w/wの濃度で存在し得る。
【0055】
具体的実施形態
具体的実施形態では、本発明は以下に関する:
i) キャリアと、
ii) ニコチン又はその医薬的に許容され得る塩、溶媒和物、複合体若しくは誘導体とを含んでなり、インビトロ溶解試験に供したとき、総含量の少なくとも約30% w/wのニコチンが30分以内に放出される、嗅ぎたばこ組成物。
【0056】
i)ニコチン-セルロース組合せと、
ii)1又はそれより多くの医薬的に許容され得る賦形剤又は添加剤
とを含んでなり、バッグ、ポーチ又は膜材料に包み込まれた嗅ぎたばこ組成物。
【0057】
i)約0.5〜約10mgのニコチンを含有するニコチン-セルロース組合せ
ii)矯味矯臭剤
iii)甘味料
を含んでなり、バッグ、ポーチ又は膜材料に包み込まれた嗅ぎたばこ組成物。
【0058】
i)約0.5〜約10mgのニコチンを含有するニコチン-セルロース組合せ
ii)矯味矯臭剤
iii)甘味料
iv)抗酸化剤
を含んでなり、バッグ、ポーチ又は膜材料中に包み込まれた嗅ぎたばこ組成物。
【0059】
ニコチン又はその医薬的に許容され得る塩、溶媒和物、複合体若しくは誘導体と組み合わされたキャリアを含んでなり、インビトロ溶解試験に供したとき、総含量の少なくとも約30% w/wのニコチンが30分以内に放出される、嗅ぎたばこ組成物を送達する工程
を含んでなる、高い放出速度を有する嗅ぎたばこ組成物を投与する方法。
【0060】
高い放出速度を有する嗅ぎたばこ組成物を製造する方法であって、
ニコチン又はその医薬的に許容され得る塩、溶媒和物、複合体若しくは誘導体を、キャリアと組み合せる工程
を含んでなり、該組成物をインビトロ溶解試験に供したとき、総含量の少なくとも約30% w/wのニコチンが30分以内に放出される、方法。
【0061】
主要な観点に関連する上記の全ての細目及び詳細は、一般に、必要な変更を加えてではあるが、上記の具体的実施形態に当てはまる。
【0062】
以下の図面及び非限定的実施例において本発明を更に説明する。
【0063】
図面の説明
図1は、透析膜のシリコーンホースへの組み立てを示す。このアセンブリは、嗅ぎたばこ組成物を試験するための溶解試験装置の一部である。
【0064】
図2は、嗅ぎたばこ組成物の溶解試験におけるチューブ経路の概観を示す。
【0065】
図3は、嗅ぎたばこ組成物の溶解試験のためのサンプルチューブを示す。
【0066】
図4及び5は、実施例2に記載した嗅ぎたばこ組成物のインビトロ放出プロフィールを示す。
【0067】
図6及び7は、実施例3に記載した嗅ぎたばこ組成物からのニコチンのインビボ取り込みを示す。
【0068】
図8は、Nicorette(登録商標)チューインガム(4mg)と5mgのニコチンを含有する本発明の嗅ぎたばこ組成物とを比較した実施例5に記載の実験に関する、血漿濃度 対 時間を示す。
【0069】
方法
インビトロ溶解試験
本発明による嗅ぎたばこ組成物は、通常、ニコチンのインビトロ放出に関して特定の要件を充足させるために試験する。適切なインビトロ試験は問題の具体的組成物に依存する。一般に、当業者は、具体的組成物に関する該当する溶解試験を選択する方法に関するガイダンスを公式専門書(例えば、欧州薬局方)に見出す。下記に、嗅ぎたばこ組成物の場合の適切な溶解試験を説明する。
【0070】
嗅ぎたばこ
以下の、嗅ぎたばこ組成物からのニコチン放出を試験するための溶解法を使用した。
【0071】
この方法は、UV検出を用いる嗅ぎたばこからのニコチンのインビトロ放出を記述する。放出されたニコチンは、透析膜を通って、調整された(tempered)リン酸緩衝剤の流れ中へ拡散する。
【0072】
装置
UV分光光度計 HP 8453又は同等品
吸引器(Sipper) HP 蠕動ポンプ又は同等品
二次ポンプ Flexicon PF5又は同等品
マグネチックスターラー Labasco又は同等品
ウォーターバス Gant W14又は同等品
【0073】
装置の設定
UV分光光度計 波長 244.259及び274nm
フローセル 1.000cm
ウォーターバス 温度 37℃
二次ポンプ ポンプ流 30rpm
マグネチックスターラー 回転 穏やかな撹拌
【0074】
材料
透析膜、Spectra/Por(登録商標)、MWCO 500、
シリコン管、内径6mm
サンプルチューブ
250mlビーカー
【0075】
試薬
化学品及び溶媒:
精製水、H2O
水酸化ナトリウム、最低限98%、NaOH
リン酸二水素ナトリウム一水和物、最低限98 %、NaH2PO4・H2O
【0076】
参照材料:
ニコチン酒石酸水素塩二水和物、標準
【0077】
溶液:
5M水酸化ナトリウム
リン酸緩衝剤、pH6.8
【0078】
手順
装置の組み立て
2片(長さ150cm及び長さ35cm)のシリコンホースを切り取る。この2本の「血管」の一方の端部に、支持のために長さ3cmの硬質プラスチックホース(外径7mm)を挿入する。透析膜の小片を切り取り、製造業者に従って前処理する。この膜を、長さ2.5cmの2つのシリコンホース片(内径6mm)に通す(thread)。血管の支持端部を膜中に約3cm挿入し、2つの小さなシリコンリングで留める(図1を参照)。
【0079】
250mlのリン酸緩衝剤[6]を250mlビーカーに加え、マグネチックバーを加える。これをウォーターバス内に配置し、加温及び回転を開始する。シリコーンホースを二次ポンプに接続し、最も長い部分をビーカー内に配置する。圧絞り器(pressure restrictor)として働くように、短いほうの端部にピペットチップ(1ml)を配置する。背圧を調節するために、チップの穴を広げてもよい。チューブを緩衝剤でプライム(prime)する。
【0080】
フローセルからの2つのチューブをビーカー内に配置し(図2を参照)、ブランク測定値を得る。
【0081】
フローを止め、膜を真ん中で折り畳む。紙片を使用して膜をサンプルチューブ中にできる限り遠くへスライドさせる。ポンプを始動させ、膜の間のサンプルチューブの中ほどに嗅ぎたばこバッグを注意深く挿入する(図3を参照)。サンプルが覆われるに十分なリン酸緩衝剤[2]をチューブに加える。サンプルチューブをウォーターバス内に配置し、分析を開始する。
【0082】
サンプリング
ブランク:膜をサンプルチューブ中に配置する前にブランクを測定する。
サンプリング:吸引器を用いて30分間5分毎にオンラインでサンプルを抜き取る。吸光度を244、259及び274nmで測定する。
標準:サンプリングシーケンスの後、S1〜S3をフローセルに汲み入れる。吸光度を244、259及び274nmで測定する。
【0083】
評価
サンプル中のニコチン濃度を算出する。
代替法として、USPバスケット法(錠剤のインビトロ溶解)を、溶解媒体として500mlの水を用いて使用することができる。
【実施例】
【0084】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すために含まれている。下記の実施例の開示の技術が、本発明者らにより本発明の実施において十分に機能すると見出された技術の代表であり、よって本発明の実施のための好ましい態様を構成するものであると考えられ得ることを、当業者は理解すべきである。しかし、当業者は、本開示を考慮すれば、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、開示されている具体的実施形態において多くの変更をなすことが可能であり、依然として同様な結果を得られることができることを理解すべきである。
【0085】
実施例
実施例1
嗅ぎたばこバッグ組成物E、F、G、H、I及びJ
WO 2004/056363に記載されているように微結晶性セルロース(MCC)にニコチン吸収・吸着させた。したがって、本実施例では、2.40mlのニコチンを25mlのエタノール(99.5%)中に溶解した。47.6gのタイプPH-102のMCCを高速混合機に充填し、ニコチンをゆっくりと加えた。得られた湿った塊を真空乾燥させた後、微細粒状白色粉体のニコチン-微結晶性セルロースキャリア複合体が得られた。
【0086】
基本的に上記のようにして、ニコチンを微結晶性セルロース(MCC)に吸収・吸着させ、ニコチン-微結晶性セルロースキャリア複合体を得た。得られたニコチン-微結晶性セルロースキャリア複合体を残りの成分と混合して、下記の表に記載の組成物E、F、G、H、I及びJを得た:
【0087】
【表1】

【0088】
ニコチンはSiegfried(スイス、バッチ番号0338I006)から購入し、微結晶性セルロースはFMC(ベルギー、バッチ番号M301C)から購入し、ペパーミント粉フレバーはFirmenich(スイス、バッチ番号JP05040527)から購入し、アセスルファムカリウムはL&P Food Ingredient(中国、バッチ番号ZD02035)から購入し、アスパルテーム粉はNutraSweet(スイス、バッチ番号C000220)から購入し、炭酸ナトリウムはAldrich(ドイツ、バッチ番号A008729PI)から購入し、炭酸水素ナトリウムはMerck(ドイツ、バッチ番号K28409723047)から購入し、三リン酸ナトリウムはSigma(米国)(Swedish Match(スウェーデン)からの供給)から購入した。
【0089】
150mgの組成物E〜Jをそれぞれ、Swedish Match(スウェーデン)から入手した嗅ぎたばこバッグ材料(バッチ番号W-NR00217、RL-NR6)から作製した嗅ぎたばこバッグ中に充填した。使用した嗅ぎたばこバッグのサイズは、現在市販されているドライタイプ嗅ぎたばこ(dry snuff)バッグ(すなわち「Catch(登録商標)dry」)と同様である。
【0090】
実施例2
嗅ぎたばこバッグ組成物E、F、G、H、I及びJからのインビトロ放出
嗅ぎたばこバッグからのニコチンのインビトロ放出速度の測定は、Swedish Match(ストックホルム)で開発されたインビトロ溶解試験を使用し、分光光度計による260nmでのUV検出と組み合せてチューブ内のプラスチックフローチャンバを緩衝剤溶液と共に利用して行った。詳細は、「インビトロ溶解試験」との見出しで上記している。
【0091】
組成物E〜Jからのニコチンのインビトロ放出(ニコチンの総含量に対する百分率)を下記の表に記載する:
【0092】
【表2】

【0093】
更に、本発明による嗅ぎたばこ組成物を含有する嗅ぎたばこバッグ及び既に市販されている嗅ぎたばこバッグからのニコチンのインビトロ放出プロフィールの比較研究を行った。図4において、上記インビトロ放出法の第1を使用して、組成物F及びHからのニコチンのインビトロ放出プロフィールを、現在市販されているドライタイプ嗅ぎたばこバッグ「Catch(登録商標)dry」及び「general white」からのニコチンのインビトロ放出プロフィールと比較した。図4は、「Catch(登録商標)dry」及び「general white」の両方と比較して、本発明による嗅ぎたばこ組成物からのニコチンの改善されたインビトロ放出を説明する:6mgのニコチンを含有する嗅ぎたばこ組成物Fは、既に市販されている製品「Catch(登録商標)dry」及び「general white」より顕著に多いニコチンを放出する。市販製品は天然品であるので、ニコチンの正確な含量の情報は入手できないが、重量は1グラム又はそれ未満、ニコチン含量は5〜11mg、pHは7.3〜8.5、緩衝剤含量は1.5〜3.5%であると開示されている。
【0094】
図5において、6mgのニコチンを含有する嗅ぎたばこ組成物E、F及びG、並びに4mgのニコチンを含有する嗅ぎたばこ組成物H及びIからのニコチンのインビトロ放出速度を、「General」組成物1、2及び3からのニコチンのインビトロ放出速度と比較した。再度、本発明による嗅ぎたばこ組成物は、組成物/製品中のニコチン総含量に対するより良好な放出を示す。
【0095】
実施例3
組成物を含有する嗅ぎたばこバッグからのニコチンのインビボ取り込み
嗅ぎたばこ製品「General」、4mg Nicorette(登録商標)チューインガム及び組成物Jを含んでなる嗅ぎたばこバッグからのニコチンのインビボ取り込みの比較研究を行った。組成物Jは0.8%の炭酸水素ナトリウム及び0.8%の炭酸ナトリウムを含んでいた。適用後0、5、10、15、20、30及び40分で血液サンプルを採取した。ニコチンの血漿濃度は、ABS laboratories(ロンドン、英国)で決定した。水酸化ナトリウムの添加後、血漿サンプルをジクロロエタンで抽出し、窒素/リン検出器を用いるガスクロマトグラフィーによりニコチンを定量決定した。5-メチルコチニンを使用して、手順を内部標準化した。定量限界は0.5ng/mlである。
【0096】
結果を図6に示す。比較のために、嗅ぎたばこ製品「General」からのニコチンのインビボ取り込みを6mgのニコチン含量に対して規格化した。図6は、30分間の期間にわたって、組成物Jを含有する嗅ぎたばこバッグは、「General」及びNicorette(登録商標)4mgニコチンチューインガムの両方の血漿ニコチンレベルを超えるレベルを提供することを示す。
【0097】
更に、嗅ぎたばこ組成物G、J及びIからのニコチンのインビボ取り込みを、Nicorette(登録商標)4mgチューインガムからのインビボ取り込みと比較したパイロット薬物動態研究(n=4)を行った。図7に示す結果は、これら嗅ぎたばこ組成物の各々からのニコチンのインビボ取り込みが、Nicorette(登録商標)4mgチューインガムからのニコチンのインビボ取り込みより顕著に良好であることを説明する。
【0098】
実施例4
嗅ぎたばこ組成物 G、I及びJを含んでなる嗅ぎたばこバッグ中のニコチンの残留量 − インビトロ 対 インビボ
嗅ぎたばこ組成物 G、I又はJを含んでなる嗅ぎたばこバッグを、30分で、USPバスケット装置を用いる上記のインビトロ溶解試験又は上記のパイロット薬物動態アッセイに供した。続いて、分光光度計による260nmでのUV検出と組み合せた溶解バスを使用して、嗅ぎたばこバッグ中の残留ニコチン含量を調べた。溶解は、錠剤についての溶解法USP(バスケット)に従って、溶解媒体として500mlの水を用いて37℃の温度で決定した。結果を下記の表に示す:
【0099】
【表3】

【0100】
上記表中の数値から、インビトロ溶解試験の30分後の嗅ぎたばこバッグ中のニコチン残留量は、最初のニコチン含量の50%〜57%であること、すなわちニコチンの43%〜50%がインビトロ溶解試験中に放出されたことが判る。更に、インビボ薬物動態研究の30分後の嗅ぎたばこバッグ中のニコチン残留量は、最初のニコチン含量の45%〜50%であること、すなわちニコチンの45%〜50%が血流に吸収されたことが判る。
【0101】
実施例5
Nicorette 4mgガムと5mgのニコチンを有するMCC-ニコチン含有嗅ぎたばこ組成物との比較
4人の被検者において単回投薬の薬物動態をNicorette 4mgガムとの比較で研究した(図8)。図8は、経口投与後にNicorette(登録商標)4mgチューインガムと5mgのニコチンに相当するMCC-ニコチンを含有する嗅ぎたばこ組成物とを比較した、4人の被検者における単回投薬の薬物動態研究の結果を示す。
【0102】
ニコチン嗅ぎたばこ組成物からのニコチンのバイオアベイラビリティーは、投薬量が異なることを考慮しても、Nicorette(登録商標)組成物に関して観察されたバイオアベイラビリティーより高いようである。
【0103】
参考文献
本明細書中で言及する全ての特許及び刊行物は、本発明が属する分野の通常の知識を有する者のレベルを示すものである。全ての特許及び刊行物は、参照により、あたかも個々の刊行物の各々が具体的及び個別的に参照により組み込まれると示されているのと同程度に、本明細書中に組み込まれる。
【0104】
本発明及びその利点を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲に規定する本発明の思想及び範囲を逸脱することなく、本明細書において種々の変更、置換及び改変をなすことができることを理解すべきである。更に、本出願の範囲は、本明細書に記載の特定の実施形態のプロセス、機器、製品、組成物、手段、方法及び工程に制限されることを意図していない。当業者は、本発明の開示から、形態と実質的に同じ機能を実行するか又は実質的に同じ結果を達成する、現在存在する又は将来開発されるプロセス、機器、製品、組成物、手段、方法又は工程が本発明に従って利用され得ることを容易に理解する。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのようなプロセス、機器、製品、組成物、手段、方法又は工程をその範囲内に含むと意図される。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】透析膜のシリコーンホースへの組み立てを示す。
【図2】嗅ぎたばこ組成物の溶解試験におけるチューブ経路の概観を示す。
【図3】嗅ぎたばこ組成物の溶解試験のためのサンプルチューブを示す。
【図4】実施例2に記載した嗅ぎたばこ組成物のインビトロ放出プロフィールを示す。
【図5】実施例2に記載した嗅ぎたばこ組成物のインビトロ放出プロフィールを示す。
【図6】実施例3に記載した嗅ぎたばこ組成物からのニコチンのインビボ取り込みを示す。
【図7】実施例3に記載した嗅ぎたばこ組成物からのニコチンのインビボ取り込みを示す。
【図8】Nicorette(登録商標)チューインガム(4mg)と5mgのニコチンを含有する本発明の嗅ぎたばこ組成物とを比較した実施例5に記載の実験に関する、血漿濃度 対 時間を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の口腔への適用後にニコチン作用の急速な発生を達成する嗅ぎたばこ組成物の製造のためのニコチン-セルロース組合せの使用。
【請求項2】
前記組成物が、インビトロ溶解試験に供したとき、30分以内に総含量の約45%又はそれより多くのニコチンが放出されるような高い放出速度を有する、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記発生が、対象の唇と歯との間への組成物の適用後、例えば4分以内、3分以内、2分以内又は1.5分以内のような、5分以内である、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記ニコチン-セルロース組合せが膜材料中に封入されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
前記膜が、天然、合成、半合成の親水性又は疎水性の膜である、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
前記膜が、1又はそれより多くの生体適合性で生理学的に許容され得るポリマー材料から作られている、請求項4又は5に記載の使用。
【請求項7】
前記膜材料が、酢酸セルロース及びその誘導体、カルボキシメチルセルロース、ポリセルロースエステル、エチルセルロース及びプロピルセルロースを含む他のセルロース誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、メタクリレートとアクリレートとのポリマー、天然ゴム、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアミド及びナイロンからなる群より選択される、請求項4〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
前記ニコチンが、ニコチン(遊離塩基)又はその医薬的に許容され得る塩、溶媒和物、複合体若しくは誘導体である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
前記組成物をインビトロ溶解試験に供したとき、例えば総含量の約60%又はそれより多く、約70%又はそれより多く或いは約75%又はそれより多くのような、総含量の約50%又はそれより多くのニコチンが30分以内に放出される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
前記組成物が、インビトロ溶解試験に供したとき、20分以内に、例えば50%又はそれより多くのような、約45%又はそれより多くを放出する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
前記組成物が、インビトロ溶解試験に供したとき、10分以内に、例えば約25%又はそれより多くのような、約20%又はそれより多くを放出する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
頬投与のための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
頬投与後30分のニコチンのインビボ放出が、前記嗅ぎたばこ中のニコチン総含量の少なくとも約30%に相当する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の使用。
【請求項14】
頬投与後30分のニコチンのインビボ放出が、前記嗅ぎたばこ中のニコチン総含量の例えば少なくとも約40%、少なくとも約42%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%又は少なくとも約75% w/wのような、ニコチン総含量の少なくとも約35%に相当する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の使用。
【請求項15】
ニコチン-セルロース組合せのセルロースが、内部の空隙及び/又は孔を含んでなる、請求項1〜14のいずれか1項に記載の使用。
【請求項16】
前記空隙及び/又は孔が、少なくとも一部前記ニコチンを含んでなる、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
前記セルロースが、植物、藻類、細菌、真菌又はそれらの組合せに由来するセルロースである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の使用。
【請求項18】
前記セルロースが少なくとも0.7m2/gの表面積を有する、請求項1〜17のいずれか1項に記載の使用。
【請求項19】
前記セルロースが微結晶性セルロースを含む結晶性セルロースである、請求項1〜18のいずれか1項に記載の使用。
【請求項20】
前記セルロースが微結晶性セルロースであり、該微結晶性セルロースが、AVICEL(登録商標)グレードPH-100、PH-102、PH-103、PH-105、PH-112、PH-113、PH-200、PH-300、PH-302、VIVACEL(登録商標)グレード101、102、12、20、EMOCEL(登録商標)グレード50M及び90Mなど並びにそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1〜19のいずれか1項に記載の使用。
【請求項21】
前記微結晶性セルロースが、合成若しくは半合成のセルロースであるか又は天然セルロースに由来する、請求項19又は20に記載の使用。
【請求項22】
前記セルロースの平均粒子サイズが約15〜約250μmの範囲にある、請求項1〜21のいずれか1項に記載の使用。
【請求項23】
ニコチンが少なくとも一部前記セルロースに吸収・吸着されている、請求項1〜22のいずれか1項に記載の使用。
【請求項24】
前記ニコチンが、前記組成物中に、遊離塩基として計算して、例えば約0.1% w/w〜約8% w/w、約0.1% w/w〜約6% w/w、約0.1% w/w〜約4% w/w、約0.1% w/w〜約2% w/w、約0.1% w/w〜約1.5% w/w、約0.2% w/w〜約1.0% w/w又は約0.2% w/w〜約0.8% w/wのような、約0.1% w/w〜約10% w/wの濃度で存在する、請求項1〜23のいずれか1項に記載の使用。
【請求項25】
前記ニコチン-セルロース組合せが、例えば約85% w/w〜約98% w/w、約90% w/w〜約98% w/w、約92% w/w〜約98% w/w、約93% w/w〜約97% w/w又は約94% w/w〜約96% w/wのような、約80% w/w〜約98% w/wの濃度で存在する、請求項1〜24のいずれか1項に記載の使用。
【請求項26】
前記組成物が、1又はそれより多くの甘味料を、例えば約0.01% w/w〜約0.15% w/w、約0.02% w/w〜約0.12% w/w、約0.03% w/w〜約0.11% w/w、約0.04% w/w〜約0.1% w/w、約0.05% w/w〜約0.1% w/w、約0.06% w/w〜約0.1% w/w又は約0.07% w/w〜約0.09% w/wのような、約0.01% w/w〜約0.2% w/wの濃度で更に含んでなる、請求項1〜25のいずれか1項に記載の使用。
【請求項27】
前記組成物中の1又はそれより多くの甘味料の濃度が約0.08% w/wである、請求項26に記載の使用。
【請求項28】
前記組成物が、1又はそれより多くの、例えばミントフレバーのような矯味矯臭剤を更に含んでなる、請求項1〜27のいずれか1項に記載の使用。
【請求項29】
前記組成物中の1又はそれより多くの矯味矯臭剤の濃度が、例えば約1% w/w〜約10% w/w、約1.5% w/w〜約8% w/w、約2% w/w〜約6% w/w又は約3% w/w〜約5% w/wのような、約1% w/w〜約15% w/wである、請求項28に記載の使用。
【請求項30】
前記組成物中の1又はそれより多くの矯味矯臭剤の濃度が約4% w/wである、請求項29に記載の使用。
【請求項31】
前記組成物が、1又はそれより多くの、例えば炭酸塩、炭酸水素塩又は三リン酸塩を含むリン酸塩のような緩衝化剤を更に含んでなる、請求項1〜30のいずれか1項に記載の使用。
【請求項32】
前記組成物中の1又はそれより多くの緩衝化剤の濃度が、例えば約0.2% w/w〜約4% w/w、約0.3% w/w〜約4% w/w、約0.4% w/w〜約3% w/w、約0.5% w/w〜約2% w/w、約0.6% w/w〜約1% w/w又は約0.7% w/w〜約0.9% w/wのような、約0.1% w/w〜約5% w/wである、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
前記組成物中の1又はそれより多くの緩衝化剤の濃度が約0.8% w/wである、請求項32に記載の使用。
【請求項34】
前記組成物が、1又はそれより多くの抗酸化剤を、例えば約0.5% w/w〜約2.2% w/w、約0.6% w/w〜約2% w/w、約0.7% w/w〜約1.8% w/w又は約0.8% w/w〜約1.6% w/wのような、約0.4% w/w〜約2.4% w/wの濃度で更に含んでなる、請求項1〜33のいずれか1項に記載の使用。
【請求項35】
ニコチン-セルロース組合せと、1又はそれより多くの許容され得る賦形剤とを含んでなり、該ニコチンがニコチン又はその医薬的に許容され得る塩、溶媒和物、複合体若しくは誘導体であり、本明細書に記載のインビトロ溶解試験に供したとき、30分間で総含量の約45%又はそれより多くのニコチンが放出される、嗅ぎたばこ組成物
【請求項36】
前記ニコチン-セルロース組合せが膜材料中に封入されている、請求項35に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項37】
前記膜が、天然、合成、半合成の親水性又は疎水性の膜である、請求項36に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項38】
前記膜が、1又はそれより多くの生体適合性で生理学的に許容され得るポリマー材料から作られている、請求項36又は37に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項39】
前記膜材料が、酢酸セルロース及びその誘導体、カルボキシメチルセルロース、ポリセルロースエステル、エチルセルロース及びプロピルセルロースを含む他のセルロース誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、メタクリレートとアクリレートとのポリマー、天然ゴム、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアミド及びナイロンからなる群より選択される、請求項36〜38のいずれか1項に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項40】
前記ニコチンが、ニコチン(遊離塩基)又はその医薬的に許容され得る塩、溶媒和物、複合体若しくは誘導体である、請求項35〜39のいずれか1項に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項41】
インビトロ溶解試験に供したとき、例えば総含量の約60%又はそれより多く、約70%又はそれより多く或いは約75%又はそれより多くのような、総含量の約50%又はそれより多くのニコチンが30分以内に放出される、請求項35〜40のいずれか1項に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項42】
インビトロ溶解試験に供したとき、20分以内に、例えば50%又はそれより多くのような、約45%又はそれより多くを放出する、請求項35〜41のいずれか1項に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項43】
インビトロ溶解試験に供したとき、10分以内に、例えば約25%又はそれより多くのような、約20%又はそれより多くを放出する、請求項35〜42のいずれか1項に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項44】
頬投与用の請求項35〜43のいずれか1項に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項45】
頬投与後30分のニコチンのインビボ放出が、前記嗅ぎたばこ中のニコチン総含量の少なくとも約30%に相当する、請求項35〜44のいずれか1項に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項46】
頬投与後30分のニコチンのインビボ放出が、前記嗅ぎたばこ中のニコチン総含量の例えば少なくとも約40%、少なくとも約42%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%又は少なくとも約75% w/wのような、少なくとも約35%に相当する、請求項35〜45のいずれか1項に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項47】
ニコチン-セルロース組合せのセルロースが、内部の空隙及び/又は孔を含んでなる、請求項35〜46のいずれか1項に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項48】
前記空隙及び/又は孔が、少なくとも一部前記ニコチンを含んでなる、請求項47に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項49】
前記セルロースが、植物、藻類、細菌、真菌又はそれらの組合せに由来するセルロースである、請求項35〜48のいずれか1項に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項50】
前記セルロースが少なくとも0.7m2/gの表面積を有する、請求項35〜49のいずれか1項に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項51】
前記セルロースが微結晶性セルロースを含む結晶性セルロースである、請求項35〜50のいずれか1項に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項52】
前記セルロースが微結晶性セルロースであり、該微結晶性セルロースが、AVICEL(登録商標)グレードPH-100、PH-102、PH-103、PH-105、PH-112、PH-113、PH-200、PH-300、PH-302、VIVACEL(登録商標)グレード101、102、12、20、EMOCEL(登録商標)グレード50M及び90Mなど並びにそれらの混合物からなる群より選択される、請求項35〜51のいずれか1項に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項53】
前記微結晶性セルロースが、合成若しくは半合成のセルロースであるか又は天然セルロースに由来する、請求項51又は52に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項54】
前記セルロースの平均粒子サイズが約15〜約250μmの範囲にある、請求項35〜53のいずれか1項に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項55】
前記ニコチンが少なくとも一部前記セルロースに吸収・吸着されている、請求項35〜54のいずれか1項に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項56】
前記ニコチンが、前記組成物中に、遊離塩基として計算して、例えば約0.1% w/w〜約8% w/w、約0.1% w/w〜約6% w/w、約0.1% w/w〜約4% w/w、約0.1% w/w〜約2% w/w、約0.1% w/w〜約1.5% w/w、約0.2% w/w〜約1.0% w/w又は約0.2% w/w〜約0.8% w/wのような、約0.1% w/w〜約10% w/wの濃度で存在する、請求項35〜55のいずれか1項に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項57】
前記ニコチン-セルロース組合せが、例えば約85% w/w〜約98% w/w、約90% w/w〜約98% w/w、約92% w/w〜約98% w/w、約93% w/w〜約97% w/w又は約94% w/w〜約96% w/wのような、約80% w/w〜約98% w/wの濃度で存在する、請求項35〜56のいずれか1項に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項58】
前記組成物が、1又はそれより多くの甘味料を、例えば約0.01% w/w〜約0.15% w/w、約0.02% w/w〜約0.12% w/w、約0.03% w/w〜約0.11% w/w、約0.04% w/w〜約0.1% w/w、約0.05% w/w〜約0.1% w/w、約0.06% w/w〜約0.1% w/w又は約0.07% w/w〜約0.09% w/wのような、約0.01% w/w〜約0.2% w/wの濃度で更に含んでなる、請求項35〜57のいずれか1項に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項59】
前記組成物中の1又はそれより多くの甘味料の濃度が約0.08% w/wである、請求項58に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項60】
前記組成物が、1又はそれより多くの、例えばミントフレバーのような矯味矯臭剤を更に含んでなる、請求項35〜59のいずれか1項に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項61】
前記組成物中の1又はそれより多くの矯味矯臭剤の濃度が、例えば約1% w/w〜約10% w/w、約1.5% w/w〜約8% w/w、約2% w/w〜約6% w/w又は約3% w/w〜約5% w/wのような、約1% w/w〜約15% w/wである、請求項60に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項62】
前記組成物中の1又はそれより多くの矯味矯臭剤の濃度が約4% w/wである、請求項61に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項63】
前記組成物が、1又はそれより多くの、例えば炭酸塩、炭酸水素塩又は三リン酸塩を含むリン酸塩のような緩衝化剤を更に含んでなる、請求項35〜62のいずれか1項に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項64】
前記組成物中の1又はそれより多くの緩衝化剤の濃度が、例えば約0.2% w/w〜約4% w/w、約0.3% w/w〜約4% w/w、約0.4% w/w〜約3% w/w、約0.5% w/w〜約2% w/w、約0.6% w/w〜約1% w/w又は約0.7% w/w〜約0.9% w/wのような、約0.1% w/w〜約5% w/wである、請求項63に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項65】
前記組成物中の1又はそれより多くの緩衝化剤の濃度が約0.8% w/wである、請求項64に記載の嗅ぎたばこ組成物。
【請求項66】
前記組成物が、1又はそれより多くの抗酸化剤を、例えば約0.5% w/w〜約2.2% w/w、約0.6% w/w〜約2% w/w、約0.7% w/w〜約1.8% w/w又は約0.8% w/w〜約1.6% w/wのような、約0.4% w/w〜約2.4% w/wの濃度で更に含んでなる、請求項35〜65のいずれか1項に記載の嗅ぎたばこ組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−529342(P2009−529342A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558728(P2008−558728)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【国際出願番号】PCT/EP2007/002343
【国際公開番号】WO2007/104573
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(505231420)ニコノヴァム エービー (4)
【氏名又は名称原語表記】NICONOVUM AB
【住所又は居所原語表記】Jarnvagsgatan 13,SE−252 24 Helsingborg,SWEDEN
【Fターム(参考)】