説明

改善された靭性を有する構造用複合材料

構造用複合材料は、その耐破壊性(破壊靭性)を増加させるためにブロックコポリマー強化剤を用いる。構造用複合材料は、(i)炭素繊維強化剤並びに(ii)(a)熱硬化性樹脂及び(b)少なくとも1種のブロックコポリマー強化剤を含む熱硬化性樹脂組成物を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は改善された靭性を有する構造用複合材料に関する。更に詳しくは、本発明は、構造用複合材料の破壊靭性を増大させるためにブロックコポリマー強化剤を用いた構造用複合材料に関する。
【背景技術】
【0002】
構造用複合材料は電気、航空宇宙、輸送及び屋外スポーツ用品用途のような多くの用途に有用であることが知られている。エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂は、構造用複合材料のポリマーマトリックスとして、よく使用されている。エポキシ樹脂は、通常は、構造用複合材料を形成するためにガラス繊維のような強化剤と共に用いられる。エポキシ樹脂と強化剤との組合せは、硬化剤(hardenr又はcuring agent)で硬化させることができる。硬化した又は熱硬化したエポキシ樹脂は、熱的性質、機械的性質及び化学的性質が良いであることが知られているが、靭性に欠け、硬化時に脆くなる傾向がある。
【0003】
更に、エポキシ樹脂及びいくつかの他の熱硬化性樹脂は、一般に、強化が非常に困難であることが知られており、脆すぎて効果的な強化を行えないものもある。このような脆い熱硬化性樹脂の破壊靭性を増大させるためのこれまでの試みは多くの場合、得られる熱硬化樹脂の弾性率及び熱的性質(例えばガラス転移温度(Tg))の変化(典型的には低下)という犠牲の上で行われており、熱硬化樹脂の適用性に許容され得ない制限をもたらしている。例えばカルボキシルを末端基とするブタジエン−アクリロニトリル(CTBN)ゴム又はコアシェルゴムのような高分子量の粘稠ゴムが、エポキシ樹脂の靭性を改善するための強化剤として用いられてきたが、靭性の改善は、通常は、より高配合量の強化剤、より高い粘度及び/又はエポキシ樹脂のガラス転移温度(Tg)の低下につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、改善された延性(即ち破壊靭性)を有しながら、他の重要な加工特性(例えば粘度)及び性能特性(例えばガラス転移温度及び弾性率)を依然として維持する構造用複合材料を製造するための熱硬化性樹脂組成物を開発するニーズが当業界にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、破壊靭性の改善を示しながら、依然として他の重要な加工特性(例えば粘度)及び性能特性(例えば弾性率及びガラス転移温度)を維持する構造用複合材料を提供する。
【0006】
本発明の一つの面は、(i)炭素繊維のような強化剤並びに(ii)(a)熱硬化性樹脂及び(b)少なくとも1種のブロックコポリマー強化剤を含む熱硬化性樹脂組成物を含んでなる構造用複合材料に関する。
【0007】
本発明の別の面は、(1)熱硬化性樹脂組成物を部分硬化させて、アドバンスト(advanced)熱硬化性樹脂を形成せしめ;(2)炭素強化剤に前記アドバンスト熱硬化性樹脂を含浸させて、プリプレグを形成せしめ;そして(3)前記プリプレグを完全硬化させて、構造用複合材料を形成せしめることを含んでなる構造用複合材料の製造方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のエポキシ樹脂の硬化プロフィールを示すグラフ図である。
【0009】
【図2】本発明のブロックコポリマー強化剤を用いなかった炭素繊維強化複合材料F1(対照)に関する動的機械分析(DMA)の結果を示すグラフ図である。炭素繊維F1サンプル(対照)に関する、図2に示したDMAの結果(走査3)は、約193℃のTg及び40℃において約55000MPaの剪断弾性率を示している。
【0010】
【図3】本発明のブロックコポリマー強化剤を用いた炭素繊維強化複合材料F2(強化)に関する動的機械分析(DMA)の結果を示すグラフ図である。炭素繊維F2サンプル(強化)に関する、図3に示したDMAの結果(走査3)は、約195℃のTg及び40℃において55000MPaの剪断弾性率を示している。
【0011】
【図4】ブロックコポリマー強化剤を用いなかった炭素繊維強化複合材料F1(対照)及び本発明のブロックコポリマー強化剤を用いた炭素繊維強化複合材料F2(強化)に関するモードI歪エネルギー解放率(GIC)の結果を示すグラフ図である。図4に示したモードI歪エネルギー解放率は、修正はり理論(modified Beam Theory)を用いてコンピュータで計算した。発明の詳細な説明
【発明を実施するための形態】
【0012】
前述のように、本発明は、(i)炭素繊維のような強化剤並びに(ii)(a)熱硬化性樹脂及び(b)少なくとも1種のブロックコポリマー強化剤を含む熱硬化性樹脂組成物を含んでなる構造用複合材料を提供する。
【0013】
本発明の構造用複合材料の形成に適当な強化剤の例は、炭素;グラファイト;ホウ素;石英;酸化アルミニウム;アラミド;ガラス(例えばEガラス、Sガラス、S−2ガラス又はCガラス);及び炭化珪素繊維又はチタン含有炭化珪素繊維のような繊維;並びにそれらの混合物の1種又はそれ以上を含むことができる。市販繊維としては、有機繊維、例えばKEVLAR(登録商標)(DuPpont製);酸化アルミニウム含有繊維、例えばNEXTEL(登録商標)繊維(3M製);炭化珪素繊維、例えばNICALON(登録商標)(Nippon Carbon製);及びチタン含有炭化珪素繊維、例えばTYRRANO(登録商標)(Ube製);又はガラス繊維と炭素繊維の組合せ(ハイブリッド);並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0014】
本発明において有用な強化剤のより好ましい例は、炭素繊維又はガラスのような他の材料と組み合わされた炭素を含む繊維であることができる。炭素繊維は、一般に、数多くの異なった形態で、例えば連続フィラメントトウ(filament tow)、短繊維(chopped fiber)及びマットとして供給される。繊維は一方向繊維又は多方向繊維であることができる。連続フィラメント炭素のトウは一般に、約1,000〜約75,000本の個別フィラメントを含み、ロービング織物に並びにガラス繊維及びアラミド繊維と共にハイブリッド織物に織るか又は編むことができる。本発明の構造用複合材料に有用な炭素繊維強化剤は、例えば織布、布、メッシュ、ウェブ若しくは繊維の形態;又は一方向に配向した平行フィラメントのクロスプライ(cross-ply)積層板の形態であることができる。
【0015】
本発明において有用な繊維の量は、一般に、繊維体積分率約10〜約90%、好ましくは約50〜約75%、より好ましくは約60〜約70%である。
【0016】
本明細書中で使用する用語「熱硬化性」は、組成物が、組成物を硬化した又は熱硬化した状態(state or condition)にする条件に暴露することができることを意味する。
【0017】
用語「熱硬化樹脂」は、L.R,Whittington[Whittington’s Dictionary of Plastics(1968),239ページ]によって以下のように定義されている:”完成品としての最終状態で実質的に不融性且つ不溶性である樹脂又はプラスチックコンパウンド。熱硬化性樹脂は多くの場合、その製造又は加工中のある段階で液体であり、熱、触媒作用又は他の何らかの化学的手段によって硬化される。完全に硬化した後、熱硬化樹脂は熱によって再軟化させることができない。通常は熱可塑性である一部のプラスチックは、他の材料による架橋によって熱硬化性にさせることができる。”
本発明の熱硬化性樹脂組成物は(a)熱硬化性樹脂及び(b)ブロックコポリマー強化剤を含む。この熱硬化性樹脂組成物は、任意的に、以下の成分:(c)硬化剤、(d)触媒及び(e)他の添加剤の1種又はそれ以上を含むこともできる。
【0018】
本発明に適当な熱硬化性樹脂の例としては、エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエンフェノールノボラック樹脂;p−アミノフェノール及びm−アミノフェノールを基材とする三官能性樹脂;メチレンジアニリン(MDA)を基材とする三官能性又は四官能性樹脂;ビニルエステル樹脂;シアネートエステル樹脂;ポリエステル;及びそれらの任意の混合物が挙げられる。
【0019】
エポキシ樹脂は、分子当たり1個より多くのビシニル(vicinyl)エポキシ基、即ち分子当たり1個より多くの1,2−エポキシ基を有する任意のポリエポキシドコンパウンドであることができる。
【0020】
本発明において有用なエポキシ樹脂の例としては、多価フェノール及び多価アルコールのグリシジルポリエーテルが挙げられる。本発明の実例として、本発明において使用できるエポキシ樹脂の例としては、レソルシノール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールAP(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン)、ビスフェノールF、ビスフェノールK、テトラブロモビスフェノールA、フェノール−ホルムアルデヒドノボラック樹脂、アルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−ヒドロキシベンズアルデヒド樹脂、クレゾール−ヒドロキシベンズアルデヒド樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン置換フェノール樹脂、テトラメチルビフェノール、テトラメチル−テトラブロモビフェノール、テトラメチルトリブロモビフェノール、テトラクロロビスフェノールAのジグリシジルエーテル及びそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0021】
エポキシ樹脂のより好ましい例としては、ビスフェノールA及びビスフェノールFのジグリシジルエーテル;脂環式エポキシ樹脂;エポキシノボラック樹脂;エポキシクレゾールノボラック樹脂、例えばイソシアネート改質エポキシ樹脂;並びに他の多官能性エポキシ樹脂が挙げられる。
【0022】
本発明において有用な熱硬化性樹脂組成物の熱硬化性樹脂の量は、一般に、樹脂体積分率約10〜約95%、好ましくは約25〜約50%;より好ましくは約30〜約40%である。
【0023】
本発明の熱硬化性樹脂の粘度は、一般に、約50〜約300000センチポアズ、好ましくは約100〜約150000センチポアズ、最も好ましくは約100〜約15000センチポアズである。
【0024】
本発明のブロックコポリマー強化剤は、ホスト熱硬化性樹脂中で二次相(second phase)ドメインに自己集合してその靭性を改善する二次相強化剤であることができる。ブロックコポリマー強化剤を含む自己集合熱硬化性樹脂は、非常に低いブロックコポリマー配合量(例えば熱硬化性樹脂の総重量に基づき、約1〜約5重量%)において破壊靭性を向上させる界面活性剤様の形態を示す。
【0025】
「二次相」は、ホスト熱硬化性樹脂の他の相とは区別され、そして異なる物理相を意味する。改質は二次相に限定されるので、所望のレベルの靭性を達成するのに、より低いレベルのブロックコポリマーしか必要としない。
【0026】
本発明における強化剤としてのブロックコポリマーの有効量は、熱硬化性樹脂の総重量に基づき、一般に約0.1〜約50重量%、好ましくは約2.5〜約30重量%、より好ましくは約5〜約10重量%の範囲であることができる。
【0027】
好ましい態様において、ブロックコポリマーは両親媒性ブロックコポリマーを含む。本発明において使用できる両親媒性ブロックコポリマーは、例えばジブロックコポリマー、線状トリブロック、線状テトラブロック、より高次のマルチブロック構造、分岐ブロック構造、又はスターブロック構造を含むことができる。好ましくは、両親媒性ブロックコポリマーはポリエーテルブロックコポリマーであることができる。ポリエーテルブロックコポリマーは、例えばポリエチレンオキシドブロック、プロピレンオキシドブロック又はポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)ブロック;及びC4又はそれ以上の炭素数の類似ブロック、例えば1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシドデカン又は1,2−エポキシヘキサデカンブロックを基材とするアルキレンオキシドブロックを含むことができる。
【0028】
本発明において有用な適当な両親媒性ブロックコポリマーのより好ましい例としては、両親媒性ポリエーテルジブロックコポリマー、例えばポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(ブチレンオキシド)(PEO−PBO)又は両親媒性ポリエーテルトリブロックコポリマー、例えばポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(ブチレンオキシド)−b−ポリ(エチレンオキシド)(PEO−PBO−PEO)が挙げられる。
【0029】
本発明のブロックコポリマー強化剤は、少なくとも1種又はそれ以上の両親媒性ブロックコポリマーを含むことができる。2種又はそれ以上の異なる両親媒性ブロックコポリマーを一緒にブレンドして、本発明のブロックコポリマー成分を調製することができる。一般には、1つのブロックが熱硬化性樹脂混和性ブロックであり、1つのブロックが熱硬化性樹脂得不混和性ブロックである。
【0030】
熱硬化樹脂混和性ブロックEの例としては、ポリエチレンオキシドブロック、プロピレンオキシドブロック、ポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)ブロック、ポリ(エチレンオキシド−ran−プロピレンオキシド)ブロック及びそれらの混合物が挙げられる。一般に、本発明において有用な熱硬化性樹脂不混和性ブロックMはC4〜C20の炭素原子を有するエポキシ化αオレフィンである。熱硬化性樹脂不混和性ブロックMの例としては、ポリブチレンオキシドブロック、1,2−エポキシヘキサンに由来するポリヘキシレンオキシドブロック、1,2−エポキシドデカンに由来するポリドデシレンオキシドブロック及びそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、本発明において有用な樹脂不混和性ブロックはポリブチレンオキシドブロックである。
【0031】
本発明において使用する両親媒性ブロックコポリマーは、熱硬化性樹脂ブロックと熱硬化性樹脂不混和性ブロックとの組合せの場合には、約1,000〜約30,000の数平均分子量(Mn)を有することができる。最も好ましくは、ポリエーテルブロックコポリマーの分子量は約3,000〜約20,000である。
【0032】
より好ましい態様において、本発明はエポキシ樹脂混和性ブロックとエポキシ樹脂非混和性ブロックを含む両親媒性ブロックコポリマーを利用する。
【0033】
ブロックコポリマーのエポキシ樹脂非混和性ブロックの例としては、ポリエチレンプロピレン(PEP)、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリジメチルシロキサンポリブチレンオキシド、ポリヘキシレンオキシド、ポリアルキルメチルメタクリレート、例えばポリエチルヘキシルメタクリレート及びそれらの混合物が挙げられる。ブロックコポリマーのエポキシ樹脂混和性ブロックの例としては、ポリエチレンオキシド、ポリメチルアクリレート及びそれらの混合物が挙げられる。
【0034】
本発明の別の態様において、ブロックコポリマーがマルチブロックコポリマー構造を有する場合には、E及びMに加えて、他のブロックがブロックコポリマー中に存在できる。ブロックコポリマーの他の混和性ブロックの例としては、ポリエチレンオキシド、ポリメチルアクリレート及びそれらの混合物が挙げられる。ブロックコポリマーの他の不混和性ブロックの例としては、ポリエチレンプロピレン(PEP)、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリジメチルシロキサン、ポリブチレンオキシド、ポリヘキシレンオキシド、ポリアルキルメチルメタクリレート、例えばポリエチルヘキシルメタクリレート、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0035】
一般に、本発明において使用するブロックコポリマーは単一の逐次合成重合法によって製造できる。この方法では、1種のモノマーを重合させて初期ブロックを製造し、続いて第2のモノマー型を単に装入し、次いで重合プロセスが完了するまで第1のブロックコポリマーの末端に重合させる。ブロックを別々に製造し、第1のブロックを用意し、次いで第2の合成工程において第1のブロックの末端に第2のブロックを重合させることも可能である。2種のブロックフラグメントの溶解度差は、ブロックコポリマーを用いて熱硬化性樹脂を改質するのに充分なものである。ブロックコポリマーの合成は、例えばWhitmarsh,R.H.,In Nonionic Surfactants Polyoxyalkylene Block Copolymers;Nace,V.M.編.;Surfactant Science Series;60巻;Marcel Dekker,N.Y.,1996年;1章(引用することによって本明細書中に組み入れる)に記載されたようにして実施できる。
【0036】
本発明において使用するブロックコポリマー強化剤は、熱硬化性樹脂の耐破壊性を増加させ、ひいては破壊靭性を改善する。例えば熱硬化性エポキシ樹脂の耐破壊性の増加は5倍超、好ましくは10倍超、より好ましくは最大50倍であることができる。
【0037】
本発明の熱硬化性組成物において有用なブロックコポリマー強化剤の量は、熱硬化性樹脂の総重量に基づき、一般に約0.1〜約50重量%、好ましくは約2.5〜約30重量%、より好ましくは約5〜約10重量%である。
【0038】
熱硬化性樹脂組成物は、任意的に、1種又はそれ以上の、次の成分:(c)硬化剤、(d)触媒及び(e)1種又はそれ以上の他の添加剤を含むこともできる。
【0039】
本発明において有用な硬化剤はエポキシ樹脂のエポキシ基と反応性の活性基を有する任意の化合物であることができる。本発明において有用な硬化剤としては、窒素含有化合物、例えばアミン及びその誘導体;酸素含有化合物、例えばカルボン酸を末端基とするポリエステル、無水物、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール、ビスフェノールA及びクレゾールノボラック、フェノールを末端基とするエポキシ樹脂;硫黄含有化合物、例えばポリスルフィド、ポリメルカプタン;並びに触媒性硬化剤、例えば第三アミン、ルイス酸、ルイス塩基;並びにこれらの硬化剤の組合せが挙げられる。好ましくは、例えばポリアミン、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルスルホン及びそれらの異性体、アミノベンゾエート類、種々の酸無水物、フェノール−ノボラック樹脂及びクレゾール−ノボラック樹脂を本発明において使用できるが、本発明はこれらの化合物の使用に限定するものではない。
【0040】
米国特許第4,925,901号(引用することによって本明細書中に組み入れる)に記載されたよく知られた触媒のいずれかを本発明において使用できる。実例として、本発明において使用できる既知の触媒の例としては、例えば適当なオニウム又はアミン化合物、例えばエチルトリフェニルホスホニウムアセテート、エチルトリフェニルホスホニウムアセテート−酢酸錯体、トリエチルアミン、メチルジエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン、並びにイミダゾール化合物、例えば2−メチルイミダゾール及びベンズイミダゾール;更にそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0041】
触媒が存在する場合には、触媒は、ある程度の架橋と共に、熱硬化性樹脂の実質的に完全な硬化を引き起こすのに充分な量で使用する。例えば触媒は約0.01〜約5部/樹脂100部(phr)、好ましくは約0.01〜約1.0phr、より好ましくは約0.02〜約0.5phrの量で使用できる。
【0042】
本発明の熱硬化性樹脂組成物に使用する成分の濃度は、特に断らない限り、成分重量部/樹脂100重量部(phr)として測定する。「phr」の「樹脂」は、熱硬化性樹脂組成物中の熱硬化性樹脂の総重量を指す。
【0043】
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、任意的に、充填剤、染料、顔料、チキソトロープ剤、界面活性剤、流動性調整剤、安定剤、加工を助ける希釈剤、接着促進剤、可撓性付与剤、強化剤、難燃剤及びそれらの混合物のような他の添加剤を含むことができる。
【0044】
熱硬化性樹脂組成物に使用する任意的な添加剤の量は、最終使用用途によって、一般に約0〜約70重量%、好ましくは約0.01〜約70重量%、より好ましくは約5〜約20重量%であることができる。
【0045】
本発明の構造用複合材料は、強化材(例えば炭素繊維)に溶融若しくは溶解された熱硬化性樹脂(例えばエポキシ樹脂)を含浸させるような方法によって、或いは真空補助樹脂トランスファー成形 (vacuum assited resin transfer molding)(VARTM)を含む樹脂トラスファー成形(RTM);ハンドレイアップ(hand layup)若しくはスプレイアップ(sprayup)のようなオープン成形;フィラメント巻;引抜成形;反応射出成形(RIM);及び他の成形、封入又はコーティング技術によって製造できる。
【0046】
本発明の好ましい態様において、本発明の構造用複合材料は、(1)熱硬化性樹脂組成物を部分硬化させて、アドバンスト(advanced)熱硬化性樹脂を形成せしめ;(2)炭素強化材に前記アドバンスト熱硬化性樹脂を含浸させて、プリプレグを形成せしめ;そして(3)前記プレプレグを完全硬化させて、構造用複合材料を形成することによって製造できる。
【0047】
前述の熱硬化性樹脂組成物は、(a)熱硬化性樹脂、(b)ブロックコポリマー強化剤、(c)硬化剤、(d)触媒及び任意的に(e)添加剤を含む。本発明の熱硬化性樹脂組成物は、例えば接着剤、コーティング剤、成形用樹脂、埋封用樹脂、封入用樹脂、シート成形コンパウンド又はバルク成形コンパウンドの形態で使用できる。
【0048】
熱硬化性樹脂組成物の硬化に使用する温度は、個々の滞留時間、使用する圧力及び使用する熱硬化性樹脂によって異なる。使用できる硬化温度は、好ましくは約50〜約300℃、より好ましくは約120〜約250℃、最も好ましくは約170〜約200℃である。滞留時間は、好ましくは約10〜約120分、より好ましくは約20〜約90分である。
【0049】
部分硬化樹脂を含浸させる強化材を本明細書中では通常「プリプレグ(prepreg)」と称する。プリプレグの1枚又はそれ以上のシートを加工して、積層板を形成することができる。完全に硬化させる前に、プリプレグをカットして積み重ねるか、又は折り重ねて積み重ねて、所望の形状及び厚さのパーツにすることができる。
【0050】
本発明は、構造用複合材料の靭性を向上させるために、ブロックコポリマー強化剤を用いる構造用複合材料を提供する。本発明の構造用複合材料は、構造用複合材料の他の重要な特性に悪影響を与えることなく、改善された破壊靭性を有する。
【0051】
本発明においては、ブロックコポリマー強化剤が従来の構造用複合材料に比較して、構造複合材料に以下の利益を与えることが明らかになった:(1)粘度を改善する(粘度がより低い);(2)ブロックコポリマー強化剤を低配合レベルで使用して、低濃度(例えばホスト熱硬化性樹脂の総重量に基づき、ブロックコポリマー強化剤約1〜約5%)で強化の成果が得られる(よって、より低いコストで現在の加工装置に対する最小限の変更で);並びに(3)弾性率及びガラス転移温度(Tg)のような他の重要な特性に悪影響を与えずに構造用複合材料の靭性を改善する。
【0052】
本発明の構造用複合材料のTgは、一般に、約70〜約300℃、好ましくは約140〜約220℃、最も好ましくは約170〜約200℃である。
【0053】
本発明の構造用複合材料の平均モードI歪エネルギー解除率(release rate)は、一般に約200〜約1500J/m2、好ましくは約250〜約1500J/m2、最も好ましくは約250〜約800J/m2である。
【0054】
実例として、本発明の構造用複合材料は、本発明のブロックコポリマー強化剤を用いない従来の構造用複合材料に比較した場合、例えば約16%の粘度低下(実施例1参照)、約617J/m2の平均歪エネルギー解除率(GIC)(約37%の増加−実施例3参照)を有し、約190〜約200℃の同様なガラス転移温度(Tg)範囲を維持する(実施例2参照)。
【0055】
本発明の組成物は、著しく改善された破壊靭性を有する。破壊靭性は、亀裂が存在する場合に材料の脆性破壊抵抗を表す定量的な方法である。破壊靭性は通常、歪エネルギー解放率GICで表し、線形弾性破壊力学を用いて計算する(実施例3参照)。下付き文字「IC」は、亀裂に垂直な垂直引張応力(normal tensile stress)下におけるモードI亀裂開口を示す。図4に示されるように、本発明のブロックコポリマー強化剤を用いた複合材料積層板に関するモードI歪エネルギー解除率(GIC)は、ブロックコポリマー強化剤を用いなかった複合材料積層板のGICよりもはるかに高い。
【0056】
本発明の構造用複合材料は、多くの用途において有用であることができる。本発明の構造用複合材料の用途としては、航空宇宙産業用の電気用積層板構造への使用;電子産業用の回路基板などとしての使用;複合材料、引き拭き成形複合材料、引抜成形ロッド、スキー板、スキーストック、釣り竿及び他の屋外スポーツ用品、フィラメント巻きパイプ及び貯蔵タンクの形成への使用が挙げられる。
【実施例】
【0057】
以下の例は、本発明を更に詳細に説明するものであって、本発明の範囲を制限するものと解してはならない。
【0058】
以下の例中で用いる種々の用語及び呼称について以下に説明する:
D.E.R.(登録商標)383は、The Dow Chemical Companyから市販されている熱硬化性エポキシ樹脂の登録商標である。
【0059】
4−4’DDSは、以下の例中で硬化剤として使用するジアミノ−ジフェニルスルホンを表す。硬化剤4−4’DDSは、約350°F(177℃)の開始活性温度(即ち硬化剤が活性になる場合の温度)を有する潜硬化剤である。従って、この硬化剤は室温(約25℃)において高い潜在性を示し、約165°F(74℃)のポリマー成膜温度においても高い潜在性を示す。
【0060】
「gsm」はg/m2を表す。
「phr」は部/樹脂100部を表す。
「cp」はセンチポアズを表す。
「wt%」は重量%を表す。
【0061】
F1は対照配合物(D.E.R.(登録商標)383及び4−4’DDS硬化剤;強化剤を用いない)を指す。
F2は本発明の配合物(本発明のブロックコポリマー強化剤を含むD.E.R.(登録商標)383及び4−4’DDS硬化剤)を指す。
【0062】
P1は対照配合物(D.E.R.(登録商標)383;強化剤を用いない)を指す。
P2は本発明の配合物(本発明のブロックコポリマー強化剤を含むD.E.R.(登録商標)383)を指す。
P3は従来の配合物(従来のコアシェルゴム強化剤を含むD.E.R.(登録商標)383)を指す。
【0063】
実施例1並びに比較例A及びB
パートA.熱硬化性樹脂配合物の調製
配合物F1は、D.E.R.(登録商標)383 100部及び4−4’DDS硬化剤31.65phrを含む。
【0064】
配合物F2は、D.E.R.(登録商標)383 100部、PEO−PBO−PEOトリブロックコポリマー強化剤5重量%及び4−4’DDS硬化剤30.15phrを含む。
【0065】
配合物F1及びF2はいずれも約2600g調製した。配合物F1及びF2の成分はいずれも、室温(約25℃)で混合し、265°F(129℃)に加熱した。低剪断混合下で、配合物F1及びF2はいずれも、265°F(129℃)で2時間、アドバンスト反応(advanced reaction)を受けて、アドバンスト樹脂A−F1及びA−F2をそれぞれ形成した。配合物F1及びF2を265°F(129℃)において加熱することによって、その後のプリプレグ化(prepregging)に許容され得る粘着レベルを有するアドバンスト樹脂A−F1及びA−F2が得られる。これらのアドバンスト樹脂A−F1及びA−F2は、その後のプリプレグ化の間に炭素繊維強化材に接着させることができる充分な粘着性(tackiness)(粘性)(stickiness)を有する。
【0066】
パートB.エポキシ樹脂の粘度に対する強化剤の効果
ブロックコポリマー強化剤をD.E.R.(登録商標)383に添加すると、D.E.R.(登録商標)383の粘度が低下し、その結果、構造用複合材料のその後の加工/製造が容易になる。
【0067】
下記表は、配合物P1(D.E.R.(登録商標)383 100部)、P2(D.E.R.(登録商標)383 95部、PEO−PBO−PEOトリブロックコポリマー強化剤5重量%)、及びP3(D.E.R.(登録商標)383 95部、コアシェルゴム強化剤5重量%)の粘度を示す。
【0068】
【表1】

【0069】
前記表中に示されるように、配合物P2の粘度は、同一条件下において強化剤を用いなかった配合物P1(対照)の粘度に比較して16%低下している。これは、コアシェルゴム強化剤のような従来の強化剤を用いた配合物P3とは異なっている。配合物P3の粘度は、強化剤を用いなかった配合物P1(対照)の粘度に比較して、32%より多く増加している。
【0070】
パートC.構造用複合材料の製造
成膜条件
前記パートAに記載したようにして製造したアドバンスト樹脂A−F1及びA−F2を共に同一条件下で成膜させた。固定ロール及び回転ロールを有する固定ロール−ニップ構造を用いた。固定ロール及び回転ロールの温度はいずれも165°F(74℃)を設定した(4−4’DDS硬化剤はこの温度において高い潜在性を有する)。アドバンスト樹脂A−F1及びA−F2を共に金属トレイ上に置き、この金属トレイを150°F(66℃)のオーブンに入れて、それぞれ、樹脂フィルムF1及び樹脂フィルムF2を形成した。
【0071】
樹脂フィルムF1及び樹脂フィルムF2の目的とする樹脂面積重量(resin areal weight)は共に107.7gsmであった。炭素繊維の重量は200gsmであったので、樹脂面積重量が約107.7gsmの樹脂フィルムは、樹脂分約35%のプリプレグを生じるであろう。航空宇宙用プリプレグの現行基準は、+/−2%の樹脂分許容差を必要とする。それは、樹脂面積重量が約107.7gsmの樹脂フィルムに、約98.51gsm〜約117.46gsmのウィンドウを与えた。
【0072】
以下の実験においては、樹脂フィルム重量のインライン監視にγゲージを用いた。アドバンスト樹脂A−F1及びA−F2はいずれも、Wausau78ポンド・カレンダー加工紙(calendared paper)上に成膜させた。Wausau78ポンド・カレンダー加工紙の重量はゼロ設定した。以下の樹脂フィルムを製造した:
(1)平均面積重量111gsmの樹脂フィルムF1 184平方フィート;及び
(2)平均面積重量113.9gsmの樹脂フィルムF2 150平方フィート。
【0073】
プリプレグ化及び積層
この例のために選択した炭素布を、Sigmatex(登録商標)Inc.(Benicia CA)によって織られたものである。この布は布面積重量200gsmのT800 6kの2×2ツイルであった。樹脂フィルムF1及び樹脂フィルムF2を150°F(66℃)において炭素布上に転写コーティングして、それぞれプリプレグF1及びプリプレグF2を形成した。プリプレグF1の平均樹脂分は35.7%であり、プリプレグF2の平均樹脂分は36.3%であった。
【0074】
プリプレグF1及びプリプレグF2から、図1に示したRS47硬化サイクルに従ってオートクレーブ圧力下でブリードなし真空バッグシステム(no-bleed vaccum bag system)を用いて、炭素繊維強化複合材料積層板F1及び炭素繊維強化複合材料積層板F2をそれぞれ製造した。RS−47硬化スケジュールは、260°F(127℃)又はそれ以上に及ぶ環境使用温度で高い強度及び剛性を必要とする主翼ボックス(wing box)、床支持梁又はバルクヘッドのような構造用途の要件を満たすように設計されている。完成積層板F1及び完成積層板F2をトリミングして適当なサイズ(24インチ(61cm)×12インチ(30.5cm))のパネルとし、次いで試験した。試験は、積層板のガラス転移温度(Tg)、弾性率及び破壊靭性(又は歪エネルギー解放率)の測定を含む。
【0075】
積層板F1及び積層板F2のTg及び弾性率は、動的機械分析(DMA)によって測定した。図2に示すように、DMAの結果は、積層板F1に関して3回の走査後に平均Tgが約193℃であり、40℃における平均弾性率が約55000MPaであることを示している。図3のDMAの結果は、積層板F2に関して3回の走査後に平均Tgが約195℃であり、40℃における平均弾性率が約55000MPaであることを示している。従って、これらの結果は、積層板F1及び積層板F2が共に極めて類似したTg及び弾性率特性を有することを示している。
【0076】
パートD.破壊靭性試験
積層板F1及び積層板F2の破壊靭性を、モードI双片持ち梁(Mode I Double Cantilever Beam)(DCB)法を用いて測定した。積層板サンプルは、公称幅1インチ(2.54cm)の長方形の形状であった。各サンプルの厚さは、積層板パネルの厚さと同じであった。長さは12インチ(30.5cm)であり、プレ−クラッキング長は約2.5インチ(6.4cm)であった。積層板サンプルに、DCBに関するASTM D5528−01の指針による荷重速度で荷重を加えた(0.1インチ/分又は0.25cm/分)。
【0077】
積層板サンプルの試験には、インストロン(Instron)電気機械試験フレームを用いた。サンプルのクラッキング端にピアノヒンジを取り付けた(3M製のエポキシDP420で接着接合した)。サンプルに荷重を加えるために、各ヒンジの自由側を試験フレームグリップ中に固定した。荷重(P)、クロスヘッド変位(δ)及びクラッキング先端位置(即ちクラッキング長a)を記録した。データを、ASTM D−5528−01に示すように修正はり理論(MBT)(式1)を用いて分析した:
【0078】
【数1】

【0079】
[式中、bはサンプルの幅である]。
【0080】
試験方法についての更なる詳細は、前記ASTM規格を参照することによって得ることができる。試験結果は図4に示す。
【0081】
図4に示すように、積層板F2に関するモードI歪エネルギー解放率(GIC)は、積層板F1に関するGICよりはるかに高い。
【0082】
図2〜4の結果は、強化積層板F2が、改善された靭性を有しながら、同様なガラス転移温度Tg及び弾性率を依然として保持することを示している。
【0083】
本発明の範囲から逸脱しなければ、前述の組成物、複合材料及び方法にある程度の変更を加えることが可能なことは、当業者には明らかであろう。従って、本明細書中に開示した全ての事柄は、一例に過ぎず、請求する保護範囲を限定しないと解するものとする。更に、本発明の組成物、複合材料及び方法は前記の具体例によって限定すべきでなく、これらの例は本発明の組成物、複合材料及び方法の実例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)炭素繊維のような強化用繊維並びに(ii)(a)熱硬化性樹脂及び(b)少なくとも1種のブロックコポリマー強化剤を含む熱硬化性樹脂組成物を含んでなる構造用複合材料。
【請求項2】
前記ブロックコポリマー強化剤が二次相強化剤である請求項1に記載の複合材料。
【請求項3】
前記ブロックコポリマー強化剤が両親媒性ブロックコポリマーを含む請求項2に記載の複合材料。
【請求項4】
前記ブロックコポリマー強化剤がポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(ブチレンオキシド)(PEO−PBO)ジブロックコポリマー又はポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(ブチレンオキシド)−b−ポリ(エチレンオキシド)(PEO−PBO−PEO)トリブロックコポリマーを含む請求項3に記載の複合材料。
【請求項5】
前記熱硬化性樹脂組成物中に存在するブロックコポリマー強化剤の量が、熱硬化性樹脂の総重量に基づき、約1〜約20重量%である請求項1に記載の複合材料。
【請求項6】
前記複合材料がサンドイッチ材料のスキンであることができる請求項1に記載の複合材料。これは典型的には軽量のコアの両面に適用される。
【請求項7】
前記熱硬化性樹脂組成物中に存在するブロックコポリマー強化剤の量が、熱硬化性樹脂の総重量に基づき、約0.1〜約50重量%である請求項5に記載の複合材料。
【請求項8】
前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、シアネートエステル樹脂又はポリエステルを含む請求項1に記載の複合材料。
【請求項9】
前記熱硬化性樹脂組成物が(c)硬化剤、(d)触媒及び、任意的に、(e)添加剤を更に含む請求項1に記載の複合材料。
【請求項10】
前記構造用複合材料のガラス転移温度(Tg)が約70〜約300℃である請求項1に記載の複合材料。
【請求項11】
前記構造用複合材料が、樹脂体積分率約10〜約95%の平均樹脂分を含む請求項1に記載の複合材料。
【請求項12】
前記構造用複合材料の平均モードI歪エネルギー解除率が約200〜約1500J/mである請求項1に記載の複合材料。
【請求項13】
請求項1に記載の前記構造用複合材料の製造方法。
【請求項14】
(1)熱硬化性樹脂組成物を部分硬化させてアドバンスト熱硬化性樹脂を形成せしめ;(2)炭素強化剤に前記アドバンスト熱硬化性樹脂を含浸させてプリプレグを形成せしめ;そして(3)前記プリプレグを完全硬化させて構造用複合材料を形成せしめることを含んでなる請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記熱硬化性樹脂を硬化させる温度が約50〜約300℃である請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−528399(P2011−528399A)
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518780(P2011−518780)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/049222
【国際公開番号】WO2010/008931
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】