改良されたステント
【課題】非拡張状態においては可撓性に富むが、適度な骨組みの強さを備え、搬送時に過度のトルクを生じないようなステントを提供する。
【解決手段】蛇行して周方向に延びる複数の帯状体を備え、各帯状体が、複数の突部と溝部を備え、近接する突部と溝部が入れ子状をなす屈曲ストラットにより連結され、近接する帯状体同士が、複数の連結部により、互いに連結されるステント。ステントは、第1の個数の連結部により連結される2個の帯状体と、第1の個数とは異なる第2の個数の連結部により連結される2個の帯状体とを備える。
【解決手段】蛇行して周方向に延びる複数の帯状体を備え、各帯状体が、複数の突部と溝部を備え、近接する突部と溝部が入れ子状をなす屈曲ストラットにより連結され、近接する帯状体同士が、複数の連結部により、互いに連結されるステント。ステントは、第1の個数の連結部により連結される2個の帯状体と、第1の個数とは異なる第2の個数の連結部により連結される2個の帯状体とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良されたステントに関する。
【背景技術】
【0002】
体内管腔においてステントを使用することは、よく知られている。ステントは、通常、体内管腔の目的位置まで非拡張状態で搬送された後に、拡張される。ステントは、バルーン等の機械的な装置を使用して拡張させてもよく、ステント自体が自己拡張してもよい。
【0003】
ステントは、蛇行した生体組織内を搬送されることが多いため、可撓性を有することが望ましい。しかしながら、ステントの可撓性を高めると、通常は、その骨組みの強さを犠牲にすることになる。さらに、可撓性を高めた設計は、突部を生じさせ、ステントが蛇行する管構造を介して搬送されるときに、突部により、体内管壁やカテーテルバルーンが損傷を受ける可能性がある。
【0004】
従来の設計のステントの多くは、蛇行して延びる複数の帯状体を備えており、この帯状体は、ステントの側壁に開口部を形成する。通常、この開口部は、ステントの長さ方向の軸線に平行である。また、ステントの長さ方向の軸線に斜状をなすような開口部を備えるステントも製造されている。しかしながら、全ての開口部が互いに平行となるステントの場合には、蛇行する体内管を介して搬送される際に過度のトルクが生じることがあり、これにより、配置上の問題が発生することがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、非拡張状態においては可撓性に富むが、適度な骨組みの強さを備え、搬送時に過度のトルクを生じないようなステントが必要とされている。
本発明の範囲を限定することなく、請求された本発明の実施例の要約を以下に記載する。要約された本発明の実施例のさらなる詳細及び/又は本発明のさらなる実施例については、後述する発明の詳細な説明に記載される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施例においては、本発明は、周方向に延びる複数の帯状体を備え、近接する帯状体同士が互いに連結されるステントに関する。ステントは、周方向に延びる第1の帯状体と、周方向に延びる第2の帯状体を備える。第1の帯状体は、屈曲ストラットにより連結される第1の突部と第1の溝部が、第1の個数だけ交互に配置されることを特徴とし、第2の帯状体は、屈曲ストラットにより連結される第2の突部と第2の溝部が、第1の個数とは異なる第2の個数だけ交互に配置されることを特徴とする。
【0007】
第1の帯状体と第2の帯状体は、各々、ステントの周面上に通路を形成する。第1の通路と第2の通路は、同一又は異なる長さを有してもよい。
望ましくは、第1及び第2の突部と第1及び第2の溝部は、ステントの長さ方向の軸線に対して0°〜70°の角度をなすように配置される。さらに望ましくは、第1及び第2の突部と第1及び第2の溝部は、ステントの長さ方向の軸線に対して少なくとも10°の角度をなすように配置され、最も望ましくは、ステントの長さ方向の軸線に対して少なくとも15°の角度をなすように配置される。
【0008】
通常、第1の帯状体の各々の長さが、第2の帯状体の各々の長さを超えることが望ましい。
状況に応じて、各屈曲ストラットは、第1の帯状体の屈曲ストラットの幅が、第2の帯状体の屈曲ストラットの幅を超えるようにしてもよい。
【0009】
望ましくは、周方向において近接する屈曲ストラット同士は、互いに平行となる。さらに望ましくは、長さ方向において第1の帯状体及び第2の帯状体に近接する屈曲ストラット同士は、互いに非平行となる。
【0010】
本発明の一実施例においては、長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、少なくとも1個の、望ましくは複数個のコネクタにより連結される。通常、コネクタは直線状をなし、ステントの長さ方向の軸線に非平行となる。望ましくは、コネクタは、帯状体の突部から近接する帯状体の溝部へ延びる。また、コネクタは、第2の帯状体の長さよりも短いことが望ましい。
【0011】
近接する第1の帯状体と第2の帯状体の間に、コネクタが複数個存在する場合には、周方向において近接するコネクタ同士は、第1の帯状体に沿った第1の通路と、第2の帯状体に沿った第2の通路とを介して、連結される。望ましくは、第1の通路は、第2の通路と同一の長さを有する。
【0012】
一実施例においては、第1の通路は、それぞれ、合計して3個の突部と溝部(即ち、2個の突部と1個の溝部、又は1個の突部と2個の溝部)を横断し、第2の通路は、それぞれ、合計して5個の突部と溝部(即ち、3個の突部と2個の溝部、又は2個の突部と3個の溝部)を横断する。
【0013】
別の実施例においては、本発明は、周方向に延びる複数の帯状体を備え、近接する帯状体同士が連結されるステントに関する。帯状体は、周方向に延びる第1の帯状体と、周方向に延びる第2の帯状体を備える。第1の帯状体は、第1の突部と第1の溝部が交互に第1の個数配置されることを特徴とし、第2の帯状体は、第2の突部と第2の溝部が交互に第2の個数配置されることを特徴とする。なお、第2の個数は、第1の個数とは異なる。第1の突部及び第1の溝部は、ステントの長さ方向の軸線に非平行であり、第2の突部及び第2の溝部も、ステントの長さ方向の軸線に非平行である。状況に応じて、第1の帯状体と第2の帯状体は、各々、ステントの周面上に通路を形成し、第1の通路と第2の通路が同一の長さを有するようにしてもよい。
【0014】
望ましくは、突部及び溝部は、ステントの長さ方向の軸線に対して、少なくとも10°の角度をなし、さらに望ましくは、ステントの長さ方向の軸線に対して、少なくとも15°の角度をなす。
【0015】
また、望ましくは、第1の帯状体と第2の帯状体は、それぞれ、第1の帯状体の長さが、第2の帯状体の長さを超えることを特徴とする。
また、周方向において近接する第1の突部と第1の溝部は、ストラットにより連結され、周方向において近接する第2の突部と第2の溝部は、ストラットにより連結される。各ストラットは、第1の帯状体のストラットの幅が、第2の帯状体のストラットの幅を超える幅であることを特徴とする。通常、周方向において近接するストラット同士は、互いに対して平行となる。
【0016】
長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、1個のコネクタ又は複数個のコネクタにより、互いに連結されてもよい。コネクタは任意の形状をとることができる。一実施例においては、直線状をなすコネクタが使用される。コネクタは、長さ方向の軸線に平行であってもよく、別の実施例においては、長さ方向の軸線に非平行であってもよい。屈曲部を有するコネクタを使用することもできる。
【0017】
コネクタは、帯状体の任意の領域から、近接する帯状体の任意の領域に延びるようにしてもよい。一実施例においては、コネクタは、帯状体の突部から近接する帯状体の溝部へ延びる。望ましい一実施例においては、長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、複数個のコネクタにより連結され、コネクタは、第2の帯状体の長さよりも短くされる。周方向において近接するコネクタ同士は、第1の帯状体に沿った第1の通路と第2の帯状体に沿った第2の通路とにより連結されてもよい。なお、第1の通路の長さは、第2の通路の長さと同一である。
【0018】
望ましくは、長さ方向において近接する第1の帯状体のストラット同士は、互いに非平行となる。さらに望ましくは、長さ方向において近接する第1の帯状体のストラット同士は、ステントの長さ方向の軸線に対して斜状をなし、反対方向に指向する。
【0019】
本発明の別の実施例においては、周方向に延びる第1の帯状体は、直線状をなすコネクタにより、周方向に延びる第2の帯状体に連結される。直線状をなすコネクタは、近接する帯状体の同じような屈曲部の間に延びる。望ましくは、コネクタは、第1の帯状体の突部と第2の帯状体の突部の間と、第2の帯状体の溝部と第1の帯状体の溝部の間に、それぞれ延びる。
【0020】
通常、コネクタの長さは、第1の帯状体の長さL1よりも短くされる。
別の実施例においては、本発明は、複数の開口部を有する側壁を備えたステントに関する。各開口部は、少なくとも第1のステント部材と第2のステント部材により画定される。第1のステント部材は、第2のステント部材よりも広い幅を有する。第1のステント部材は、ステントの長さ方向の軸線に非平行となるように延びる、複数個の第1の屈曲ストラットを備える。第2のステント部材は、ステントの長さ方向の軸線に非平行となるように延びる、複数個の第2の屈曲ストラットを備える。第1の屈曲ストラットは、ステントの長さ方向の軸線に非平行となるフィンガー状をなす第1の突部を形成する。第2の屈曲ストラットは、ステントの長さ方向の軸線に非平行となるフィンガー状をなす第2の突部を形成する。なお、第2の突部の数は、第1の突部の数よりも多くされる。
【0021】
一実施例においては、各開口部は、第2の突部に非平行となる第1の突部により形成される。
別の実施例においては、開口部は、第1の開口部と第2の開口部からなり、第1の開口部は、各々、第2の突部に平行となる第1の突部により形成される。通常、第2の開口部は、各々、第2の突部に非平行となる第1の突部により形成される。
【0022】
別の実施例においては、本発明は、複数の開口部を有する側壁を備えたステントに関する。各開口部は、少なくとも第1のステント部材と第2のステント部材により画定される。第1のステント部材は、第2のステント部材よりも広い幅を有する。第1のステント部材は、ステントの長さ方向の軸線に非平行に延びる、複数個の第1の屈曲ストラットを備える。第2のステント部材は、ステントの長さ方向の軸線に非平行に延びる、複数個の第2の屈曲ストラットを備える。第1の屈曲ストラットは、ステントの長さ方向の軸線に非平行となるフィンガー状をなす第1の突部を形成する。第2の屈曲ストラットは、ステントの長さ方向の軸線に非平行となるフィンガー状をなす第2の突部を形成する。なお、第1の突部の数は、第2の突部の数よりも多くされる。
【0023】
別の実施例においては、本発明は、周方向に延びて連結される、近接する複数の帯状体を備えるステントに関する。帯状体は、周方向に延びる第1の帯状体と、周方向に延びる第2の帯状体とを備える。第1の帯状体は、屈曲ストラットにより連結される第1の突部と第1の溝部が、交互に第1の個数配置されることを特徴とする。第2の帯状体は、屈曲ストラットにより連結される第2の突部と第2の溝部が、交互に第2の個数配置されることを特徴とする。なお、第2の個数は、第1の個数とは異なる。第2の帯状体は、それぞれ、少なくとも1個のコネクタにより、近接する第1の帯状体に連結される。このコネクタは、第1の帯状体の突部から第2の帯状体の突部に延びる。第2の帯状体は、それぞれ、少なくとも1個のコネクタにより、別の近接する第1の帯状体にも連結される。このコネクタは、第1の帯状体の溝部から第2の帯状体の溝部に延びる。
【0024】
本発明は、また、蛇行して周方向に延びる連結された複数の帯状体を備えるステントに関する。帯状体は、蛇行して周方向に延びる第1の帯状体と、蛇行して周方向に延びる第2の帯状体と、蛇行して周方向に延びる第3の帯状体とを備える。第1の帯状体は、ステントの基端部において第1の円周長さを有し、第2の帯状体は、ステントの先端部において第2の円周長さを有し、第3の帯状体は、ステントの基端部と先端部の間において第3の円周長さを有する。第1の円周長さと第2の円周長さは、互いに異なる。望ましくは、第1の円周長さと、第2の円周長さと、第3の円周長さは、互いに異なる。さらに望ましくは、第1の円周長さと第2の円周長さは、第3の円周長さよりも短い。
【0025】
本発明は、蛇行して周方向に延びる連結された複数の帯状体を備えるステントにも関する。帯状体は、それぞれ、複数の突部と溝部を備える。近接する突部と溝部は、屈曲ストラットにより連結される。帯状体は、蛇行して周方向に延びる第1の帯状体と、蛇行して周方向に延びる第2の帯状体と、蛇行して周方向に延びる第3の帯状体とを備える。第1の帯状体は、ステントの基端部において第1の円周長さを有し、第2の帯状体は、ステントの先端部において第2の円周長さを有し、第3の帯状体は、ステントの基端部と先端部の間において第3の円周長さを有する。少なくとも第1の円周長さと第2の円周長さのうち一方は、第3の円周長さと異なる。望ましくは、第1の円周長さと、第2の円周長さと、第3の円周長さは、互いに異なる。さらに望ましくは、第1の円周長さと第2の円周長さは、第3の円周長さよりも短い。
【0026】
本発明は、また、蛇行して周方向に延びる連結された複数の帯状体を備えるステントに関する。帯状体は、それぞれ、複数の突部と溝部を備え、近接する突部と溝部は、屈曲ストラットにより連結される。近接する帯状体同士は、帯状体の突部が近接する帯状体の溝部と重なり合う1以上の領域において、互いに連結される。重なり合う1以上の領域は、長さ方向に延びる。
【0027】
本発明は、また、蛇行して周方向に延びる連結された複数の帯状体を備えるステントに関する。帯状体は、それぞれ、複数の突部と溝部を備える。近接する突部と溝部は、入れ子状の屈曲ストラットにより連結される。近接する帯状体同士は、複数の連結部により連結される。ステントは、第1の個数の連結部により連結され、蛇行して周方向に延びる2個の帯状体と、第1の個数とは異なる第2の個数の連結部により連結され、蛇行して周方向に延びる2個の帯状体とを有する。
【0028】
本発明は、また、突部と溝部を交互に有し、蛇行して周方向に延びる複数の近接する帯状体を備えるステントに関する。近接する帯状体同士の間には、複数のセルが設けられる。少なくとも2個の近接する帯状体は、複数の第1セルと複数の第2セルを帯状体間に有する。なお、第2セルは、第1セルよりも大きい。
【0029】
本発明は、また、蛇行して周方向に延びる複数の帯状体を備えるステントに関する。帯状体は、蛇行して周方向に延びる第1の帯状体と、蛇行して周方向に延びる第2の帯状体とを備える。第1の帯状体は、複数の突部と溝部を備え、近接する突部と溝部は、屈曲ストラットにより連結される。第2の帯状体は、複数の突部と溝部を備え、近接する突部と溝部は、比較的直線状をなすストラットにより連結される。第1の帯状体と第2の帯状体は、互いに連結される。
【0030】
理論にとらわれることなく、屈曲ストラットは、直線状をなすストラットに比べて、壁の被覆率が高くなる。さらに、屈曲ストラットを使用する場合には、通常、材料、即ち金属、をより多く必要とし、これにより、放射線不透過性も向上される。
【0031】
本発明のさらなる詳細及び/又は実施例を、以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1a】本発明のステントを示す平面図。
【図1b】図1aの平面図に示されるステントの領域Aを示す拡大図。
【図2a】図1aに類似する本発明のステントの一実施例における平面図。
【図2b】図2aの平面図に示されるステントの領域Aを示す拡大図。
【図3a】別例における本発明のステントを示す平面図。
【図3b】図3aの平面図に示されるステントの領域Aを示す拡大図。
【図4a】一実施例における本発明のステントを示す平面図。
【図4b】図4aの平面図に示されるステントの領域Aを示す拡大図。
【図5a】一実施例における本発明のステントを示す平面図。
【図5b】図5aの平面図に示されるステントの領域Aを示す拡大図。
【図6a】一実施例における本発明のステントを示す平面図。
【図6b】図6aの平面図に示されるステントの領域Aを示す拡大図。
【図7a】一実施例における本発明のステントを示す平面図。
【図7b】図7aの平面図に示されるステントの領域Aを示す拡大図。
【図8a】一実施例における本発明のステントを示す平面図。
【図8b】図8aの平面図に示されるステントの領域Aを示す拡大図。
【図9a】本発明のステントを示す平面図。
【図9b】図9aの平面図に示されるステントの領域Aを示す拡大図。
【図10a】本発明のステントを示す平面図。
【図10b】図10aの平面図に示されるステントの領域Aを示す拡大図。
【図11】別例における本発明のステントを示す平面図。
【図12】別の実施例における、大小の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図12a】図12のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図13】別の実施例における、大小の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図13a】図13のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図14】別の実施例における、大小の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図14a】図14のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図15】別の実施例における、大小の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図15a】図15のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図16】別の実施例における、大小の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図16a】図16のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図17】別の実施例における、大小の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図17a】図17のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図18】別の実施例における、大小の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図18a】図18のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図19】別の実施例における、大小の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図19a】図19のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図20】別の実施例における、同一の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図20a】図20のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図21】別の実施例における、同一の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図21a】図21のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図22】別の実施例における、同一の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図22a】図22のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図23】別の実施例における、同一の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図23a】図23のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図24】別の実施例における、同一の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図24a】図24のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図25】別の実施例における、同一の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図25a】図25のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図26】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図26a】図26のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図27】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図27a】図27のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図28】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図28a】図28のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図29】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図29a】図29のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図30】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図30a】図30のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図31】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図31a】図31のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図32】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図32a】図32のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図33】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図33a】図33のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図34】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図34a】図34のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図35】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図35a】図35のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図36】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図36a】図36のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図37】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図37a】図37のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図38】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図38a】図38のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図39】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図39a】図39のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図40】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図40a】図40のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図41】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図41a】図41のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図42】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図42a】図42のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図43】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図43a】図43のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図44】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図44a】図44のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図45】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図45a】図45のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図46】本発明のステントにおいて使用することができる他のコネクタを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、様々な形態で実施可能であるが、本願には、本発明の特定の実施例について詳細に記載する。この記載は、本発明の原理の例示となるものであり、本発明を例示された特定の実施例に限定するものではない。
【0034】
各図面において、明示されない限り、類似する部材には類似する符号を付す。
本願において、「屈曲ストラット」とは、製造方法を意味するものではなく、屈曲部を有するストラット、角をなすストラット、曲線をなすストラットを含むものとし、ストラット又は全体としてのステントがどのように製造されるかということは問題としない。本願において記載される屈曲ストラットは、通常、屈曲部により連結される2つの短片を有する。
【0035】
最後に、本願において、「円周長さ」という表現は、帯状体がステントの周面の周りを横切って延びる長さを意味する。
一実施例においては、本発明は、複数の周方向に延びる帯状体を備える、図1aにおいて符号100にて示されるようなステントに関する。近接する帯状体同士は、互いに連結される。帯状体は、周方向に延びる第1の帯状体104と周方向に延びる第2の帯状体112とを備える。第1の帯状体104は、屈曲ストラット110により連結されて交互に第1の個数配置される、第1の突部106と第1の溝部108を有することを特徴とする。第2の帯状体112は、屈曲ストラット118により連結されて交互に第2の個数配置される、第2の突部114と第2の溝部116を有することを特徴とする。図1aに示されるように、第2の突部及び溝部の第2の個数は、通常、第1の突部及び溝部の第1の個数とは異なり、望ましくは、第2の個数は第1の個数を上回る。
【0036】
第1の帯状体と第2の帯状体は、それぞれ、ステントの周面上に通路を形成する。第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有してもよく、異なる長さを有してもよい。望ましくは、第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有する。
【0037】
また、望ましくは、第1及び第2の突部と第1及び第2の溝部は、ステントの長さ方向の軸線に対して0°〜70°の角度をなし、さらに望ましくは、ステントの長さ方向の軸線に対して少なくとも10°の角度をなし、最も望ましくは、ステントの長さ方向の軸線に対して少なくとも15°の角度をなす。
【0038】
通常は、図1bに示されるように、第1の帯状体と第2の帯状体は、L1及びL2の長さを有する。各々の第1の帯状体の長さL1は、各々の第2の帯状体の長さL2を超えることが望ましい。
【0039】
各屈曲ストラットは、一定の長さを有することを特徴としてもよい。必要に応じ、第1の帯状体の屈曲ストラットの幅W1は、第2の帯状体の屈曲ストラットの幅W2を超える。
【0040】
望ましくは、図1aに示されるように、周方向において近接する屈曲ストラット同士は、互いに平行となる。さらに望ましくは、図1aに示されるように、長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体の屈曲ストラット同士は、互いに非平行となる。
【0041】
本発明の一実施例においては、図1aに示されるように、長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、少なくとも1個のコネクタ120によって、望ましくは複数のコネクタによって、互いに連結される。通常、コネクタは直線状をなし、ステントの長さ方向の軸線101に非平行となる。本発明の別の実施例においては、他のタイプのコネクタ、例えば、1個以上の屈曲部を有するコネクタ及び/又は異なる長さを有するコネクタを使用してもよい。望ましくは、図1aに示されるように、コネクタは、帯状体の突部から近接する帯状体の溝部へ延びる。また、図1aに示されるように、コネクタの長さは、第2の帯状体の長さL2よりも短いことが望ましい。
【0042】
近接する第1の帯状体と第2の帯状体の間に複数のコネクタが設けられる場合には、周方向において近接するコネクタ同士が、第1の帯状体に沿った第1の通路と第2の帯状体に沿った第2の通路とを介して連結される。第1の通路は、望ましくは、第2の通路と同一の長さを有する。
【0043】
図1aの実施例においては、第1の通路は、それぞれ、合計3個の突部及び溝部(即ち、2個の突部と1個の溝部、又は1個の突部と2個の溝部)を横断し、第2の通路は、それぞれ、合計5個の突部及び溝部(即ち、3個の突部と2個の溝部、又は2個の突部と3個の溝部)を横断する。
【0044】
言い換えれば、周方向において近接し、第1の帯状体と第2の帯状体を連結するコネクタ間において、第1の帯状体には合計3個の突部及び溝部が設けられ、第2の帯状体には合計5個の突部及び溝部が設けられる。
【0045】
理論にとらわれることなく、交互に反対方向を指向するように配置される、近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、大きく回転してトルクが発生することによりステントの性能が低下するのを防ぐものと考えられる。
【0046】
別の実施例においては、本発明は、図1aと類似する複数の帯状体からなる、図2aにおいて符号100にて示されるようなステントに関する。図1aに示される実施例と同様に、第1の帯状体と第2の帯状体は、それぞれ、ステントの周面上に通路を形成する。第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有してもよく、異なる長さを有してもよい。望ましくは、第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有する。
【0047】
また、図1aに示される実施例と同様に、第1の帯状体104は、屈曲ストラット110により連結されて交互に第1の個数配置される、第1の突部106と第1の溝部108を有することを特徴とする。第2の帯状体112は、屈曲ストラット118により連結されて交互に第2の個数配置される、第2の突部114と第2の溝部116を有することを特徴とする。通常は、図1aに示されるように、第2の突部及び溝部の第2の個数は、第1の突部及び溝部の第1の個数とは異なり、望ましくは、第2の個数は第1の個数を上回る。
【0048】
しかしながら、図2aに示される実施例においては、図1aに示される実施例とは異なり、コネクタは最も近くの隣接する突部と溝部の間に延びてはおらず、第1の帯状体104の第1の突部は、それぞれ、近接する第2の帯状体の第3の溝部に連結される。
【0049】
図1bの場合と同様に、第1の帯状体と第2の帯状体は、図2bに示されるように、長さL1及びL2を有することを特徴としてもよい。各々の第1の帯状体の長さL1は、各々の第2の帯状体の長さL2を超えることが望ましい。
【0050】
また、図1aの場合と同様に、長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、少なくとも1個のコネクタ120により、望ましくは、複数のコネクタにより、互いに連結される。図1aの場合と同様に、図2aに示されるように、コネクタは、帯状体の突部から近接する帯状体の溝部へ延びることが望ましい。しかしながら、図2aの実施例においては、コネクタは、第2の帯状体の長さL2よりもかなり長くなっている。
【0051】
近接する第1の帯状体と第2の帯状体の間に複数のコネクタが設けられる場合には、周方向において近接するコネクタ同士が、第1の帯状体に沿った第1の通路と第2の帯状体に沿った第2の通路とを介して、連結される。望ましくは、第1の通路は、第2の通路と同一の長さを有する。
【0052】
図2aの実施例においては、第1の通路は、それぞれ、合計4個の突部及び溝部(即ち、2個の突部と2個の溝部)を横断し、第2の通路は、それぞれ、合計6個の突部及び溝部(即ち、3個の突部と3個の溝部)を横断する。
【0053】
別の実施例においては、本発明は、複数の帯状体を備える、図3aにおいて符号300にて示されるようなステントに関する。この実施例も図1a及び図2aの実施例に類似する。近接する帯状体同士は、互いに連結される。帯状体は、周方向に延びる第1の帯状体304と周方向に延びる第2の帯状体312を有する。第1の帯状体304は、屈曲ストラット310により連結されて交互に第1の個数配置される、第1の突部306と第1の溝部308を有することを特徴とする。第2の帯状体312は、屈曲ストラットにより連結されて交互に第2の個数配置される、第2の突部314と第2の溝部316を有することを特徴とする。第2の突部及び溝部の数は、第1の突部及び溝部の数とは異なっており、望ましくは、第1の個数を上回る。
【0054】
第1の帯状体と第2の帯状体は、それぞれ、ステントの周面上に通路を形成する。第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有してもよく、異なる長さを有してもよいが、望ましくは、同一の長さを有する。
【0055】
図3bに示されるように、第1及び第2の溝部は、ステントの長さ方向の軸線301に対して、少なくとも10°の角度をなす。さらに望ましくは、第1及び第2の突部と第1及び第2の溝部は、ステントの長さ方向の軸線に対して、少なくとも15°の角度をなす。図3bに示される特定の実施例においては、第1及び第2の突部と第1及び第2の溝部は、ステントの長さ方向の軸線に対して、約40°の角度をなしている。
【0056】
通常、図3bに示されるように、第1の帯状体と第2の帯状体は、長さL1及び長さL2を有することを特徴としてもよい。長さL1及び長さL2は、同一の長さであってもよく、異なる長さであってもよい。望ましくは、L1は、各々の第2の帯状体の長さL2を超える。
【0057】
各屈曲ストラットは、一定の幅を有することを特徴としてもよい。状況に応じ、第1の帯状体の屈曲ストラットの幅W1は、第2の帯状体の屈曲ストラットの幅W2を超える。
長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、少なくとも1個のコネクタ320により、好ましくは複数のコネクタにより、互いに連結される。本実施例においては、コネクタは直線状をなし、ステント300の長さ方向の軸線301に非平行である。また、図3aに示される実施例においては、コネクタの長さは、帯状体の長さL2よりもかなり短くなっている。しかしながら、状況に応じて、屈曲部をより多く有するコネクタや異なる長さを有するコネクタ等の、他のコネクタも使用することができる。
【0058】
本実施例においては、コネクタは、帯状体の突部と近接する帯状体の溝部との間に延びる。本実施例においては、コネクタの長さは、第2の帯状体の長さL2よりも短くなっている。
【0059】
第1の通路及び第2の通路は、次のように設けられてもよい。近接する第1の帯状体と第2の帯状体の間に複数のコネクタが設けられる場合には、周方向において近接するコネクタ同士は、第1の帯状体に沿った第1の通路と第2の帯状体に沿った第2の通路とを介して、連結される。第1の通路は、望ましくは、第2の通路と同一の長さを有する。
【0060】
図3aの実施例においては、第1の通路は、合計4個の突部及び溝部(即ち、2個の突部と2個の溝部)を横断し、第2の通路は、合計6個の突部及び溝部(即ち、3個の突部と3個の溝部)を横断する。
【0061】
図4aは、上述した図1a〜図3aの実施例と類似する実施例を示す。
この実施例においても、ステントの周面上に通路を形成する第1の帯状体と第2の帯状体が設けられる。第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有してもよく、異なる長さを有してもよいが、望ましくは、同一の長さを有する。
【0062】
長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、少なくとも1個のコネクタ420により、好ましくは複数のコネクタにより、互いに連結される。本実施例においては、コネクタは直線状をなし、ステント400の長さ方向の軸線401に非平行である。しかしながら、屈曲部をより多く有するコネクタや異なる長さを有するコネクタ等の、他のコネクタも使用することができる。
【0063】
本実施例においては、コネクタは、帯状体の突部と近接する帯状体の溝部の間に延びる。この実施例においては、コネクタの長さは、第2の帯状体の長さL2よりも短くなっている。
【0064】
第1の通路及び第2の通路は、次のように設けられてもよい。近接する第1の帯状体と第2の帯状体の間に複数のコネクタが設けられる場合には、周方向において近接するコネクタ同士は、第1の帯状体に沿った第1の通路と第2の帯状体に沿った第2の通路とを介して、互いに連結される。第1の通路は、望ましくは、第2の通路と同一の長さを有する。
【0065】
図4aに示される実施例においても、図3aに示される実施例と同様に、第1の通路は、合計4個の突部及び溝部(即ち、2個の突部と2個の溝部)を横断し、第2の通路は、合計6個の突部及び溝部(即ち、3個の突部と3個の溝部)を横断する。
【0066】
図4aの実施例におけるコネクタは、ステント400の長さ方向の軸線401に対して、図3aの実施例のコネクタとは異なる角度をなしており、図4aの実施例のコネクタの長さ方向の軸線に対してなす角度は、より小さくなっている。
【0067】
本発明のステントの別例を、図5aにおいて全体を符号500にて示す。この実施例においても、周方向に延びる複数の帯状体が設けられる。近接する帯状体同士は、互いに連結される。帯状体は、周方向に延びる第1の帯状体504と、周方向に延びる第2の帯状体512とを備える。第1の帯状体504は、屈曲ストラット510により連結されて交互に第1の個数配置される、第1の突部506と第1の溝部508を有することを特徴とする。第2の帯状体512は、屈曲ストラット518により連結されて交互に第2の個数配置される、第2の突部514と第2の溝部516を有することを特徴とする。本実施例においては、第2の突部及び溝部の数は、第1の突部及び溝部の数と同一となっている。
【0068】
第1の帯状体と第2の帯状体は、それぞれ、ステントの周面上に通路を形成する。第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有してもよく、異なる長さを有してもよい。図5aに示される実施例においては、第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有する。
【0069】
第1及び第2の突部と第1及び第2の溝部は、ステント500の長さ方向の軸線501に対して、少なくとも10°の角度をなし、望ましくは、長さ方向の軸線501に対して、少なくとも15°の角度をなす。
【0070】
本実施例においては、図5bに示されるように、第1の帯状体の長さL1は、第2の帯状体の長さL2にほぼ等しい。
また、図5bの実施例に示されるように、第1の帯状体の各屈曲ストラットの幅W1は、第2の帯状体の各屈曲ストラットの幅W2に等しい。必要に応じ、これらの幅を異なるようにしてもよい。例えば、第1の帯状体の幅W1は、第2の帯状体の幅W2を超えるようにしてもよい。
【0071】
図5aに示される実施例においては、長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、少なくとも1個のコネクタ520により、望ましくは複数のコネクタにより、互いに連結される。本実施例においては、通常、他のいくつかの実施例の直線状をなすコネクタとは対照的に、コネクタは屈曲している。本実施例においては、コネクタは、帯状体の溝部から近接する帯状体の溝部へ延びる。コネクタの長さは、帯状体の長さL1及びL2よりも長くなっている。
【0072】
近接する第1の帯状体と第2の帯状体の間に複数のコネクタが設けられる場合には、周方向において近接するコネクタ同士は、第1の帯状体に沿った第1の通路と第2の帯状体に沿った第2の通路とを介して、互いに連結される。望ましくは、第1の通路は、第2の通路と同一の長さを有する。第1の通路は、それぞれ、合計6個の突部及び溝部(即ち、3個の突部と3個の溝部)を横断し、第2の通路は、それぞれ、合計6個の突部及び溝部(即ち、3個の突部と3個の溝部)を横断する。
【0073】
図6aにおいて全体が符号600にて示される、本発明のステントの別の実施例においては、ステントは、周方向に延びる複数の帯状体を有し、近接する帯状体同士は、互いに連結される。帯状体は、周方向に延びる第1の帯状体604と、周方向に延びる第2の帯状体612とを有する。第1の帯状体604は、交互に第1の個数配置される、第1の突部606と第1の溝部608を有することを特徴とする。第2の帯状体612は、交互に第2の個数配置される、第2の突部614と第2の溝部616を有することを特徴とする。第2の個数は、第1の個数とは異なる。第1の突部及び溝部は、ステント600の長さ方向の軸線601に非平行である。また、第2の突部及び溝部は、ステントの長さ方向の軸線601に非平行である。望ましくは、突部及び溝部は、ステントの長さ方向の軸線に対して、少なくとも10°の角度をなし、さらに望ましくは、ステントの長さ方向の軸線に対して、少なくとも15°の角度をなす。
【0074】
第1の帯状体と第2の帯状体は、それぞれ、ステントの周面上に通路を形成する。第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有する。
ステントは、さらに、フィンガー状をなす突部に類似する形状をなす屈曲ストラットを有することを特徴とする。各屈曲ストラットは、一定の幅を有することを特徴としてもよい。必要に応じて、第1の帯状体の屈曲ストラットの幅W1は、第2の帯状体の屈曲ストラットの幅W2を超える。
【0075】
望ましくは、図6aに示されるように、周方向において近接する屈曲ストラット同士は、互いに平行となる。しかしながら、長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体の屈曲ストラット同士は、互いに平行であってもよく、非平行であってもよい。
【0076】
図6aの実施例においては、長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、少なくとも1個のコネクタ620により、望ましくは複数のコネクタにより、互いに連結される。通常、コネクタは、ほぼ直線状をなし、ステントの長さ方向の軸線601に非平行となる。本発明の別の実施例においては、他のコネクタ、例えば、1個以上の屈曲部を有するコネクタ及び/又は異なる長さを有するコネクタ等、を使用してもよい。望ましくは、図6aに示されるように、コネクタは、帯状体の突部から近接する帯状体の溝部に延びる。また、望ましくは、図6aに示されるように、コネクタの長さは、第2の帯状体の長さL2と同様の長さを有する。
【0077】
近接する第1の帯状体と第2の帯状体の間に複数のコネクタが設けられる場合には、周方向において近接するコネクタ同士は、第1の帯状体に沿った第1の通路と第2の帯状体に沿った第2の通路とを介して、互いに連結される。第1の通路は、望ましくは、第2の通路と同一の長さを有する。
【0078】
図6aの実施例においては、第1の通路は、それぞれ、合計4個の突部及び溝部(即ち、2個の突部と2個の溝部)を横断し、第2の通路は、それぞれ、合計6個の突部及び溝部(即ち、3個の突部と3個の溝部)を横断する。
【0079】
本発明のステントの別の実施例を、図7aにおいて全体を符号700にて示す。ステントは、周方向に延びる複数の帯状体を備える。近接する帯状体同士は、互いに連結される。帯状体は、周方向に延びる第1の帯状体704と周方向に延びる第2の帯状体712を備える。第1の帯状体704は、交互に第1の個数配置される、第1の突部706と第1の溝部708を有することを特徴とする。第2の帯状体712は、交互に第2の個数配置される、第2の突部714及び第1の溝部716を有することを特徴とする。第2の個数は、第1の個数とは異なる。第1の突部及び溝部は、ステント700の長さ方向の軸線701に非平行である。また、第2の突部及び溝部は、ステントの長さ方向の軸線701に非平行である。望ましくは、突部及び溝部は、ステントの長さ方向の軸線に対して、少なくとも10°の角度をなし、さらに望ましくは、ステントの長さ方向の軸線に対して、少なくとも15°の角度をなす。
【0080】
第1の帯状体と第2の帯状体は、それぞれ、ステントの周面上に通路を形成し、第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有する。
ステントは、さらに、図6aの実施例における突部と同様のフィンガー状をなす突部の形状をなす屈曲ストラットを有することを特徴とする。各屈曲ストラットは、一定の幅を有することを特徴としてもよい。必要に応じて、第1の帯状体の屈曲ストラットの幅W1は、第2の帯状体の屈曲ストラットの幅W2を超える。
【0081】
望ましくは、図7aに示されるように、周方向において近接する屈曲ストラット同士は、互いに平行となる。しかしながら、長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体の屈曲ストラット同士は、互いに平行であってもよく、非平行であってもよい。
【0082】
図7aの実施例においては、長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、少なくとも1個のコネクタ720により、望ましくは複数のコネクタにより、互いに連結される。通常、コネクタは、わずかに屈曲して、ステントの長さ方向の軸線701に非平行となる。本発明の別の実施例においては、他のコネクタ、例えば、1個以上の屈曲部を有するコネクタ及び/又は異なる長さを有するコネクタ等、を使用してもよい。望ましくは、図7aに示されるように、コネクタは、帯状体の突部から近接する帯状体の溝部に延びる。また、望ましくは、図7aに示されるように、コネクタの長さは、第2の帯状体の長さL2よりも短い。
【0083】
近接する第1の帯状体と第2の帯状体の間に複数のコネクタが設けられる場合には、周方向において近接するコネクタ同士は、第1の帯状体に沿った第1の通路と第2の帯状体に沿った第2の通路とを介して、互いに連結される。第1の通路は、望ましくは、第2の通路と同一の長さを有する。
【0084】
図7aの実施例においては、第1の通路は、それぞれ、合計4個の突部及び溝部(即ち、2個の突部と2個の溝部)を横断し、第2の通路は、それぞれ、合計6個の突部及び溝部(即ち、3個の突部と3個の溝部)を横断する。
【0085】
本発明のステントの別の実施例を、図8aに示す。本実施例において、ステントは、図7aに示されるステントとほぼ類似する。図7aに示されるコネクタがわずかに屈曲しているのに対し、図8aの実施例に示されるコネクタ820は、直線状をなす。コネクタ820の長さも、第2の帯状体の長さL2よりも短くなっている。
【0086】
本実施例においても、近接する第1の帯状体と第2の帯状体の間には、複数のコネクタが設けられる。周方向において近接するコネクタ同士は、第1の帯状体に沿った第1の通路と第2の帯状体に沿った第2の通路とを介して、互いに連結される。第1の通路は、望ましくは、第2の通路と同一の長さを有する。図8aの実施例においても、第1の通路は、それぞれ、合計4個の突部及び溝部(即ち、2個の突部と2個の溝部)を横断し、第2の通路は、それぞれ、合計6個の突部及び溝部(即ち、3個の突部と3個の溝部)を横断する。
【0087】
望ましくは、図9bに示されるように、第1の帯状体204と第2の帯状体212は、それぞれ、L1及びL2の長さを有することを特徴とする。各々の第1の帯状体の長さL1は、各々の第2の帯状体の長さL2を超える。
【0088】
別の実施例においては、本発明は、図9aにおいて全体が符号200にて示されるような、周方向に延びる複数の帯状体を備え、近接する帯状体同士が、互いに連結されるステントに関する。帯状体は、周方向に延びる第1の帯状体204と周方向に延びる第2の帯状体212を有する。第1の帯状体204は、交互に第1の個数配置される、第1の突部206と第1の溝部208を有することを特徴とする。第2の帯状体212は、交互に第2の個数配置される、第2の突部214と第2の溝部216を有することを特徴とする。第2の個数は、第1の個数とは異なる。第1の突部及び溝部は、ステントの長さ方向の軸線201に非平行である。また、第2の突部及び溝部は、ステントの長さ方向の軸線に非平行である。望ましくは、突部及び溝部は、ステントの長さ方向の軸線に対して、少なくとも10°の角度をなし、さらに望ましくは、ステントの長さ方向の軸線に対して、少なくとも15°の角度をなす。必要に応じて、第1の帯状体と第2の帯状体は、それぞれ、ステントの周面上に通路を形成する。第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有する。
【0089】
望ましくは、図9bに示されるように、第1の帯状体204と第2の帯状体212は、それぞれ、L1及びL2の長さを有することを特徴とする。各々の第1の帯状体の長さL1は、第2の帯状体の長さL2を超える。
【0090】
また、望ましくは、周方向において近接する第1の突部と第1の溝部は、ストラット218aにより、互いに連結され、周方向において近接する第2の突部と第2の溝部は、ストラット218bにより、互いに連結される。第1の帯状体のストラットは、第2の帯状体のストラットの幅W2を超える、幅W1を有することを特徴とする。
【0091】
通常、図9aに示されるように、周方向において近接するストラット同士は、互いに平行となる。
長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、1個又は複数のコネクタにより、互いに連結されてもよい。コネクタは、任意の形状をとることができる。一実施例においては、図9aに示されるように、直線状をなすコネクタ220を使用してもよい。コネクタは、図9bに示されるように、長さ方向の軸線に非平行であってもよく、別の実施例におけるように、長さ方向の軸線に平行であってもよい。
【0092】
コネクタは、帯状体の任意の領域から、近接する帯状体の任意の領域に延びるようにしてもよい。図9aの実施例においては、コネクタは、帯状体の突部から近接する帯状体の溝部に延びる。図9aの実施例においては、長さ方向において近接する第1の帯状体204と第2の帯状体212は、複数のコネクタ220により連結され、コネクタの長さは、第2の帯状体の長さL2よりも短くなっている。周方向において近接するコネクタ同士は、第1の帯状体に沿った第1の通路と第2の帯状体に沿った第2の通路とを介して連結されてもよい。第1の通路は、望ましくは、第2の通路の長さと同一の長さを有する。
【0093】
望ましくは、図9aに示されるように、長さ方向において近接する第1の帯状体、例えば第1の帯状体204a,204bのストラット218a同士は、互いに非平行となる。さらに望ましくは、図9aに示されるように、長さ方向において近接する第1の帯状体のストラット同士は、ステントの長さ方向の軸線に対して斜状をなし、反対方向に指向する。理論にとらわれることなく、近接する第1の帯状体同士が交互に反対の方向に指向することにより、大きく回転してトルクが発生し、ステントの性能が低下するのを防ぐことができると考えられる。
【0094】
本発明の別の実施例においては、第1の帯状体は、直線状をなすコネクタにより、第2の帯状体に連結される。直線状をなすコネクタは、近接する帯状体の同じような屈曲部の間に延びる。図10aの例に示されるように、コネクタ220aは、第1の帯状体204aの突部206と第2の帯状体212の突部214の間に延びる。コネクタ220bは、第2の帯状体212の溝部216と第1の帯状体204bの溝部208の間に延びる。
【0095】
図10aの実施例においては、コネクタ220a,220bの長さは、第1の帯状体204の長さL1よりも短いが、図10aの実施例のコネクタよりは長い。本発明の別の実施例においては、より長いコネクタを使用してもよい。本願に開示される他のコネクタも、異なる特性を得るために使用することができる。
【0096】
本発明は、第1の帯状体のストラットの方向が、連続する第1の帯状体の間において、長さ方向の軸線に対して、交互に逆方向に指向する実施例にも関する。図11の実施例においては、近接する第1の帯状体304a,304bのストラットは、長さ方向の軸線に対して、交互に反対方向に指向する。さらに、第2の帯状体312a,312bは、それぞれ、複数の連続するストラット307' と複数の連続するストラット307''を備えてもよい。ストラット307' は、ステントの長さ方向の軸線に対して、第1の方向に指向し、ストラット307''は、ステントの長さ方向の軸線に対して、第1の方向とは逆の第2の方向に指向する。近接する帯状体同士は、コネクタ329により連結される。望ましくは、図11の実施例においては、コネクタは長さ方向に指向する。本願に開示される他のコネクタも、異なる特性を有するステントを得るために使用することができる。
【0097】
第1の帯状体304a,304bは、ステントの外周面の周囲において、第2の帯状体312a,312bと同じ長さであってもよく、それより長くてもよい。第1の帯状体304a,304bは、望ましくは、第2の帯状体312a,312bよりも広い幅を有する。また、第1の帯状体は、第2の帯状体よりも、突部と溝部が少ないことが望ましい。
【0098】
なお、本願に開示される任意の実施例において、近接する帯状体の間に延びるコネクタの数を変更することは、本発明の範囲に包含される。例えば、ステントの基端部及び/又は先端部がより可撓性を有するように、ステントの中央において近接する帯状体同士を連結するコネクタの数は、ステントの基端部及び/又は先端部において近接する帯状体同士を連結するコネクタの数よりも多くしてもよい。また、ステントの中央部がステントの基端部及び/又は先端部よりも可撓性を有するように、ステントの中央部のコネクタの数が、ステントの基端部及び/又は先端部のコネクタの数よりも少なくなるようにしてもよい。コネクタの数は、ステント全体の剛性を高めるために、ステント全体にわたって数を多くしてもよい。
【0099】
本発明は、図1aの例に示されるような、複数の開口部122を有する側壁を備えたステントにも関する。各開口部は、少なくとも第1のステント部材と第2のステント部材とにより画定される。第1のステント部材134(斜線にて示す)は、第2のステント部材142(斜線にて示す)よりも広い幅を有する。第1のステント部材134は、ステントの長さ方向の軸線101に非平行となるように延びる、複数個の第1の屈曲ストラット110を備える。第2のステント部材142は、ステントの長さ方向の軸線に非平行となるように延びる、複数個の第2の屈曲ストラット118を備える。第1の屈曲ストラットは、ステントの長さ方向の軸線に非平行となる、フィンガー状をなす第1の突部124(斜線にて示す)を形成する。第2の屈曲ストラットは、ステントの長さ方向の軸線に非平行となる、フィンガー状をなす第2の突部126を形成する。なお、第1の突部の数は、第2の突部の数を上回る。
【0100】
望ましくは、図1aの実施例に示されるように、各開口部は、第2の突部に非平行となる第1の突部により形成される。
別の実施例においては、図9aの例に示されるように、ステントは複数の開口部を備え、同開口部は、第1の開口部222aと第2の開口部222bを有する。第1の開口部222aは、それぞれ、第2の突部226aに平行となる第1の突部224aを備える。第2の開口部222bは、それぞれ、第2の突部226bに非平行となる第1の突部224bを備える。
【0101】
図9aのステントも、第1の開口部と第2の開口部を有する。第1の開口部は、それぞれ、第2の突部に平行となる第1の突部を備える。第2の開口部は、それぞれ、第2の突部に非平行となる第1の突部を備える。
【0102】
別の実施例においては、本発明は、図12において符号100にて示されるような、周方向に延びる複数の帯状体を備えるステントに関する。近接する帯状体同士は、互いに連結される。ステントの少なくとも一部は、望ましくは、図12に示されるように、ステントの全体は、周方向に延びる第1の帯状体104と、周方向に延びる第2の帯状体112からなる。第1の帯状体104は、屈曲ストラット110により連結されて交互に第1の個数配置される、第1の突部106と第1の溝部108を有することを特徴とする。第2の帯状体112は、屈曲ストラット118により連結されて交互に第2の個数配置される、第2の突部114と第2の溝部116を有することを特徴とする。通常、図12に示されるように、第2の突部及び溝部の第2の個数は、第1の突部及び溝部の第1の個数とは異なり、望ましくは第1の個数を超える。第1の帯状体は、少なくとも1個の、望ましくは図12に示されるように、複数のコネクタ120により、近接する第2の帯状体に連結される。コネクタ120は、第1の帯状体の溝部から第2の帯状体の溝部へ延び、また、第2の帯状体の突部から第1の帯状体の突部へ延びる。コネクタ120は屈曲し、第1の帯状体のストラットにほぼ平行となる。
【0103】
図12の実施例においては、端部の帯状体のコネクタを除き、先端方向に延びる各コネクタは、ストラット110により、先端方向に延びるコネクタとは分離される。
図13の実施例においては、近接する第1の帯状体104と第2の帯状体112は、1個のコネクタにより、望ましくは複数のコネクタ120により、互いに連結される。コネクタ120は、第1の帯状体の突部106から第2の帯状体112の溝部116へ延び、また、第2の帯状体112の突部114から第1の帯状体104の溝部108へ延びる。コネクタ120は、望ましくは、第2の帯状体112のストラットよりもかなり短くされる。さらに望ましくは、コネクタ120の長さは、第1の帯状体104のストラット110の幅と同じくらいの大きさである。図13に示されるように、先端方向に延びる各コネクタは、3個のストラットにより、基端方向に延びるコネクタとは分離される。コネクタ120は、直線状をなし、長さ方向の軸に平行となる。
【0104】
図13の実施例においては、他の多くの実施例と同様に、コネクタ120は、突部及び溝部の中間部から延びるのではなく、突部及び溝部の隅部から延びる。図12の実施例においては、コネクタは、突部及び溝部の中間部から延びる。
【0105】
図13に示す本発明のステントの屈曲ストラット110の各部分110a,110bは、図12に示すステントの屈曲ストラットの個々の部分に比べて、長さ方向の軸線に対して、より緩やかな角度をとる。具体的には、図12のステントの屈曲ストラットの各部分は、長さ方向の軸線に対して、40°の角度をなして延びるが、図13のステントの屈曲ストラットの各部分は、長さ方向の軸線に対して、30°の角度をなして延びる。
【0106】
近接する帯状体の配置によっては、コネクタは、長さ方向の軸線に対して、図14に示されるような角度をなしてもよい。コネクタ120は、長さ方向の軸線に非平行であり、長さ方向の軸線に対して斜状をなして延びる。図14のステントにおいては、長さ方向の軸線に対してコネクタが指向する方向は、ステントの長さ方向に沿って反対になる。コネクタ120aは、ステントの長さ方向の軸線に対して第1の方向に延び、コネクタ120bは、ステントの長さ方向の軸線に対して、第1の方向とは逆の第2の方向に延びる。
【0107】
図15の実施例においては、屈曲ストラット110の各部分110a,110bは、ステントの長さ方向の軸線に対して、40°の角度をなして延びる。直線状をなすコネクタ120は、近接する帯状体104,112の間に設けられる。
【0108】
図16の実施例においては、近接する第1の帯状体104と第2の帯状体112は、前記実施例のいくつかと比べると、相対的により離間するように配置されている。その結果、コネクタ120は、コネクタが突部と溝部の間に延びる他の実施例に比べて、より長くなっている。また、第1の帯状体104の屈曲ストラット110は、第2の帯状体112の屈曲ストラット110にかなり近い幅となっている。
【0109】
図17では、第1の帯状体の屈曲ストラットがより狭い幅を有し、コネクタ120が、ステントの長さ方向の軸線に平行である。
図18の実施例は、図17の実施例に類似するが、図17のストラットが長さ方向の軸線に対して30°の角度をなして延びるのに対し、図18の屈曲ストラットの各部分は長さ方向の軸線に対して40°の角度をなして延びている点が異なる。
【0110】
図19のステントは、周方向に延びる第1の帯状体104と、周方向に延びる第2の帯状体112を備える。第1の帯状体104は、屈曲ストラット110を有し、第2の帯状体112は、ステントの長さ方向の軸線に非平行である、比較的直線状をなすストラットを有する。第2の帯状体のストラットが指向する方向は、ステントの長さ方向に沿って反対になる。コネクタ120は、第1の帯状体104の突部106から第2の帯状体112の突部114へ延び、また、第2の帯状体112の溝部116から第1の帯状体104の溝部108へ延びる。
【0111】
図20の実施例においては、近接する帯状体104同士は、同一の長さを有し、同一数の突部106と同一数の溝部108を有する。コネクタ120は、帯状体104の突部106から近接する帯状体104の溝部108へ延び、帯状体104の溝部106から近接する帯状体104の突部106へ延びる。コネクタ120は、ステントの長さ方向の軸線に平行となる。
【0112】
図26の実施例においては、近接する帯状体104同士は、1個以上の部材130を共有する。帯状体104の1個以上の突部106aは、残りの突部106bよりも長く、この帯状体に近接する帯状体104の1個以上の溝部108aは、残りの溝部108bよりも長い。長い方の突部106aは、長い方の溝部108aと交差し、部材130を共有して、H字状の構造132を形成する。図26の実施例におけるH字状の構造は、ステントの長さ方向の軸線に対して斜状をなし、H字状の構造の横棒部分130は周方向に延びる。本発明の別の実施例においては、H字状の部材の横棒部分130は、例えば、図30に示されるように長さ方向に指向するか、又は図31に示されるように周方向に指向する。
【0113】
図26の実施例においては、近接する帯状体104同士の間には、3個の重なり領域130が設けられる。各セル136の先端部は、2個の完全な突部106と2個の完全な溝部108により形成され、各セル136の基端部は、2個の完全な突部106と2個の完全なセル136により形成される。近接する帯状体104同士の間に設けられる重なり領域130の数がより少ない場合も、より多い場合も、本発明の範囲内に含まれるものとする。図27の実施例においては、近接する帯状体104同士の間には、4個の重なり領域130が設けられる。各セル136の先端部は、3個の完全な突部106と3個の完全な溝部108により形成され、各セル136の基端部は、3個の完全な突部106と3個の完全な溝部136により形成される。H字状の構造132は、ステントの長さ方向の軸線に対して、斜状に延びる。
【0114】
図26〜図37のステントにおいては、最基端側と最先端側の帯状体104aの円周長さは、他の帯状体104bの円周長さよりも短い。望ましくは、円周長さの差は、約5%である。本発明の別の実施例においては、最基端側と最先端側の帯状体は、円周長さが、他の帯状体と同一である。また、別の実施例においては、最基端側と最先端側の帯状体の円周長さは、他の帯状体の円周長さよりも長い。別の実施例においては、最基端側と最先端側の帯状体だけが、他の帯状体よりも円周長さが長い。また、別の実施例においては、最基端側と最先端側の帯状体だけが、他の帯状体よりも円周長さが短い。別の実施例においては、最基端側と最先端側の帯状体の一方の円周長さが、他の帯状体の円周長さよりも長く、最基端側と最先端側の帯状体の他方の円周長さが、他の帯状体の円周長さよりも短い。
【0115】
図43〜図45のステントにおいては、最基端側の帯状体104aと最先端側の帯状体104cは、他の帯状体104bとは異なる円周長さを有する。この場合、帯状体104a,104cは、他の帯状体104bよりも短い。さらに、最基端側の帯状体104aは、最先端側の帯状体104cよりも、全体の長さが短い。図43〜図45のステントにおいては、近接する帯状体104同士は、重なり領域130を有する。より一般的には、本発明は、周方向に延びる帯状体を備え、最基端側と最先端側の帯状体が、他の帯状体よりも短い円周長さを有し、最基端側と最先端側の帯状体の一方が、他方よりも短いステントに関する。帯状体同士は、互いに対して重なり合ってもよく、近接する帯状体同士の間の間隙に延びる連結部材により連結されてもよい。
【0116】
図43〜図45のステントは、ステントの長さに沿って、重なり領域130が交互に2個と3個配置される。これにより、ステントの周囲に延びる3個のセル136を有する領域とステントの周囲に延びる2個のセル136を有する領域が交互に設けられることになる。より一般的には、本発明は、ステントの長さに沿って、重なり領域の数又は近接する帯状体間に設けられる連結部材の数が交互に入れ替わるステントに関する。このため、重なり領域の数又は近接する帯状体間に設けられる連結部材の数は、交互にN個とM個になる。なお、NとMは、1以上の互いに異なる整数である。本発明は、また、ステントの長さに沿って、帯状体のセルの数が交互に入れ替わるステントにも関する。従って、ステントの周面上に配置されるセルの数は、ステントの長さに沿って、交互にN個とM個になる。なお、NとMは、1以上の互いに異なる整数である。
【0117】
図43〜図45のステントは、また、一方の端部の周面上に配置されるセルの数が、他方の端部の周面上に配置されるセルの数よりも多い。
また、本発明は、図12の例に示されるような、近接する帯状体同士が複数のコネクタにより連結される、周方向に延びる複数の帯状体を備えたステントに関する。帯状体は、周方向に延びる第1の帯状体104と周方向に延びる第2の帯状体112を有する。第1の帯状体104は、交互に第1の個数配置されて、屈曲ストラットにより連結される第1の突部106と第1の溝部108を有することを特徴とする。第2の帯状体212は、交互に第2の個数配置されて、屈曲ストラット118により連結される第2の突部114及び第2の溝部116を有することを特徴とする。第2の個数は、第1の個数とは異なる。第2の帯状体112は、それぞれ、少なくとも1個のコネクタ120により、望ましくは複数のコネクタ120により、近接する第1の帯状体104の一つに連結される。1個以上のコネクタ120は、近接する第1の帯状体104の突部106から第2の帯状体112の突部114に延びる。第2の帯状体112は、それぞれ、1個以上のコネクタ120により、近接する別の第1の帯状体104に連結される。コネクタ120は、この第1の帯状体104の溝部108から第2の帯状体112の溝部116に延びる。
【0118】
コネクタ120は直線状でないことが望ましい。さらに望ましくは、図12に示されるように、コネクタ120は、第1の帯状体104の屈曲ストラット110にほぼ平行となる。
【0119】
図12の実施例においては、各第1の帯状体104の長さは、各第2の帯状体112の長さを超えることを特徴とする。第1の帯状体と第2の帯状体の長さが同一の場合も、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0120】
また、図12の実施例においては、第1の帯状体104は、それぞれ、第1の円周長さを有し、第2の帯状体112は、それぞれ、第2の円周長さを有することを特徴とする。第1の円周長さは、第2の円周長さと等しくされるが、本発明の別の実施例においては、第1の帯状体と第2の帯状体は、円周長さが異なっていてもよい。
【0121】
また、本発明は、図43の例に示されるような、蛇行して周方向に延びる複数の帯状体104を備えるステントに関する。近接する帯状体104同士は、互いに連結される。帯状体104は、蛇行して周方向に延びる第1の帯状体104aと、蛇行して周方向に延びる第2の帯状体104bと、蛇行して周方向に延びる第3の帯状体104cとを有する。第1の帯状体104aは、ステントの基端部において、第1の円周長さを有する。第2の帯状体104bは、ステントの先端部において、第2の円周長さを有する。第3の帯状体104cは、ステントの基端部と先端部の間において、第3の円周長さを有する。第1の円周長さと第2の円周長さは、互いに異なる。望ましくは、第1の円周長さと第2の円周長さと第3の円周長さとは互いに異なり、さらに望ましくは、第1の円周長さと第2の円周長さは、第3の円周長さよりも短い。
【0122】
図43に示されるように、蛇行して周方向に延びる帯状体は、第1の長さを有する帯状体104aと、第1の長さとは異なり、望ましくは第1の長さよりも短い第2の長さを有する帯状体104bとを備える。第1の長さは、第2の長さよりも長い。
【0123】
ステントは、必要に応じて、第1の個数の突部及び溝部を有する蛇行して周方向に延びる帯状体と、第2の個数の突部及び溝部を有する蛇行して周方向に延びる帯状体とを備えてもよい。第2の個数は、図12の例に示されるように、第1の個数よりも少ない。
【0124】
望ましくは、図43に示されるように、各帯状体104a〜104cは、複数の突部106及び溝部108を備え、屈曲ストラット110が、近接する突部106と溝部108の間に延びるように設けられる。周方向において近接する屈曲ストラット110は、本願に開示される他の多くの実施例と同じく、入れ子状である。
【0125】
本発明は、また、図43の例に示されるような、蛇行して周方向に延びる、相互に連結された複数の帯状体104a〜104cを備えるステントにも関する。各帯状体は、複数の突部106及び溝部108を備える。近接する突部106と溝部108は、屈曲ストラット110により連結される。屈曲ストラット110は、入れ子状となるように配置される。帯状体104は、蛇行して周方向に延びる第1の帯状体104aと、蛇行して周方向に延びる第2の帯状体104bと、蛇行して周方向に延びる第3の帯状体104cとを有する。第1の帯状体104aは、ステントの基端部において、第1の円周長さを有する。第2の帯状体104bは、ステントの先端部において、第2の円周長さを有する。第3の帯状体104cは、ステントの基端部と先端部の間において、第3の円周長さを有する。第1の円周長さと第2の円周長さの少なくとも一方は、第3の円周長さとは異なる。
【0126】
望ましくは、図43に示されるように、第1の円周長さと第2の円周長さの両方が、第3の円周長さと異なる。さらに望ましくは、第1の円周長さと第2の円周長さの少なくとも一方は、第3の円周長さよりも短い。
【0127】
近接する帯状体同士は、突部から溝部へ延びるコネクタにより連結されてもよい。コネクタは、屈曲ストラットよりも短い。図43の実施例においては、近接する帯状体104の突部106a及び溝部108aの数個が、互いに重なり合って、連結される。重なり合った突部106aと溝部108aは、残りの突部106及び溝部108よりも長い。近接する帯状体の間の重なり領域130は、ステントの長さ方向の軸線に対して、斜状に延びる。重なり領域は、周方向に延びてもよく、長さ方向に延びてもよい。これらの方向に延びる重なり領域130の例は、図30及び図38に示す。
【0128】
本発明は、また、図30に示されるような、蛇行して周方向に延びる複数の帯状体104を備えるステントにも関する。各帯状体104は、屈曲ストラット110により連結される複数の突部106及び溝部108を備える。近接する帯状体104同士は、1個以上の重なり領域130において、互いに連結される。重なり領域130においては、帯状体の突部106aが近接する帯状体の溝部108aに重なる。1個以上の重なり領域130は、長さ方向に延びる。
【0129】
必要に応じて、帯状体104の少なくとも1個は、他の帯状体104に比べて、円周長さが長い。図30の実施例においては、最基端側と最先端側の帯状体104aは、ステントの残りの帯状体104bに比べて、円周長さが短い。
【0130】
本発明は、また、図37の例に示されるような、蛇行して周方向に延びる複数の帯状体104を備え、各帯状体104が複数の突部106及び溝部108を備えるステントに関する。近接する突部106と溝部108は、入れ子状の屈曲ストラット110により連結される。近接する帯状体104同士は、複数の連結部130により連結される。ステントは、第1の個数の連結部により連結される2個の帯状体と、第2の個数の連結部により連結される2個の帯状体とを備える。なお、第2の個数は、第1の個数とは異なる。
【0131】
連結部は、近接する帯状体104同士の突部106a及び溝部108aからなる重なり領域130の形態をとってもよく、一帯状体から別の帯状体へ延びる直線状をなす短片の形態をとってもよい。後者のコネクタの例は、図25に示す。
【0132】
通常、ステントには、第1の個数の連結部が、第2の個数の連結部の2倍設けられる。図37の実施例においては、最基端部の帯状体104aとそれに近接する帯状体104bの間には、6個の連結部が設けられ、最先端部の帯状体104cとそれに近接する帯状体104bの間にも、6個の連結部が設けられる。近接する残りの帯状体104bは、3個の連結部を有する。他の個数の連結部も本発明の範囲内に含まれる。例としては、最基端側の帯状体とそれに近接する帯状体及び/又は最先端側の帯状体とそれに近接する帯状体は、4個以上の連結部を有し、残りの帯状体は3個の連結部を有するようにしてもよい。
【0133】
ステントは、必要に応じ、最基端側の帯状体と最先端側の帯状体の少なくとも一方の円周長さが、その他の帯状体の円周長さと異なるように構成してもよい。通常は、最基端側及び/又は最先端側の帯状体の円周長さは、残りの帯状体の円周長さよりも短い。さらには、最基端側の帯状体の円周長さは、最先端側の帯状体の円周長さと異なるようにしてもよい。
【0134】
本発明は、また、図37の例に示されるような、蛇行して周方向に延び、近接する複数の帯状体104を備え、帯状体104が交互に配置される溝部108及び突部106を有するステントに関する。近接する帯状体104同士は、その間に複数のセル136を有する。少なくとも2個の近接する帯状体104は、複数の第1セル136aと複数の第2セル136bをその間に有する。第2セル136bは、第1セル136aよりも大きい。望ましくは、第1セル136aと第2セル136bは、ステントの周面上において、交互に配置される。必要に応じて、図37に示されるように、ステントの基端部において、少なくとも2個の近接する帯状体104同士は、複数の第1セル136aと複数の第2セル136bをその間に有する。第2セル136bは、第1セル136aよりも大きい。また、ステントの先端部においては、少なくとも2個の近接する帯状体104同士は、複数の第1セル136aと複数の第2セル136bをその間に有する。第2セル136bは、第1セル136aよりも大きい。望ましくは、第2セル136bは、第1セル136aの面積の少なくとも約2倍の面積となる。図37の実施例においては、第1セル136aは、一端部が突部106により画定され、他端部が溝部108により画定される。
【0135】
本発明のいくつかの実施例においては、周方向において近接するストラット同士は、互いに非平行となっている。例えば、図40及び図43の実施例においては、差込図Aに示されるように、屈曲ストラット110は、エルボ110cにより連結される第1の領域110aと第2の領域110bとを備える。第1の領域110aは、第2の領域110bよりも長い。第1の領域110aは、それぞれ、ステントの長さ方向の軸線に対して角度α(又は180−α。第1の領域がステントの先端側へ上傾するか、下傾するかにより決まる。)をなし、第2の領域110bは、それぞれ、ステントの長さ方向の軸線に対して角度β(又は180−β。第2の領域がステントの先端側へ上傾するか、下傾するかにより決まる。)をなす。エルボ110cは、180−α−βにより求められる角度γをなす。望ましくは、αとβは、エルボ110cの角度γが約5〜90度をなすように選択される。
【0136】
ステントの各突部104は、1個の屈曲ストラットからなる第1の領域110aと、第1の領域から延びる第2の屈曲ストラットからなる第2の領域110bとを有する。突部から延びる第1の領域110aと第2の領域110bは、互いに非平行となる。ステントの各溝部106は、1個の屈曲ストラットからなる第1の領域110aと、第1の領域から延びる第2の屈曲ストラットからなる第2の領域110bとを有する。溝部から延びる第1の領域110aと第2の領域110bも、互いに非平行となる。
【0137】
第1の領域と第2の領域の長さが異なり、第1の領域と第2の領域の角度が異なるため、任意の帯状体のエルボ110cの近接する屈曲点110d同士は、ステントの周面を横切るにつれて、長さ方向においてわずかに偏移する。
【0138】
これらの特徴により、ステントの捲縮性を高めることができる。
望ましくは、本発明のステントのエルボ領域の角度γは、ステントの拡張時にも一定であり、拡張された状態においても、非拡張時とほぼ同じ角度となる。この特徴は、ステントの圧縮強さに寄与する。
【0139】
本発明は、また、蛇行して周方向に延びる複数の帯状体を備えるステントに関する。帯状体は、蛇行して周方向に延びる第1の帯状体と、蛇行して周方向に延びる第2の帯状体とを備える。第1の帯状体は、複数の突部と溝部を備え、近接する突部と溝部は、屈曲ストラットにより連結される。第2の帯状体は、複数の突部と溝部を備え、近接する突部と溝部は、比較的直線状をなすストラットにより連結される。第1の帯状体と第2の帯状体は、互いに連結される。望ましくは、第1の帯状体と第2の帯状体は、複数のコネクタにより連結される。コネクタは、必要に応じ、直線状をなしてもよく、ステントの長さ方向の軸線に非平行であってもよい。通常、コネクタは、第1の帯状体の突部から第2の帯状体の突部に延びる。
【0140】
このようなステントの一例を図19において符号100にて示す。図19のステントは、複数の第1の帯状体と複数の第2の帯状体を備え、近接する帯状体同士は互いに連結される。図19のステントにおいては、第1の帯状体と第2の帯状体は、ステントの全長にわたって、交互に配置される。
【0141】
本願に開示される任意のステントにおいては、直径が均一となるようにしてもよく、ステントの全長にわたって、又は、部分的に、テーパ状をなすような構成にしてもよい。また、本発明のステントの様々な部分の幅及び/又は厚さは、ステントの任意の部分において、大きくしたり、小さくしたりすることができる。例えば、帯状体及び/又はコネクタの幅及び/又は厚さは、ステントの任意の部分において、又はステントの全長にわたって、大きくしたり、小さくしたりすることができる。連続する第1の帯状体の幅及び/厚さが小さくなる場合でも、連続して波状をなす複数の第1の帯状体の振幅と波長は一定であってもよい。同様に、連続する第2の帯状体の幅及び/厚さが小さくなる場合でも、連続して波状をなす複数の第2の帯状体の振幅と波長は一定であってよい。
【0142】
本発明のステントは、ステントの一端部又は両端部が、他の部分に比べ、より剛性を有するように、又はより可撓性を有するように変更してもよい。本願に開示される本発明のステントのいずれも、最基端側及び/又は最先端側の帯状体の円周長さが、残りの帯状体の円周長さよりも長くなるように変更することができる。また、本願に開示される本発明のステントのいずれも、最基端側及び/又は最先端側の帯状体の円周長さが、残りの帯状体の円周長さよりも短くなるように変更することができる。さらには、本願に開示される本発明のステントのいずれも、一端部の帯状体の円周長さが、他端部の帯状体の円周長さよりも短くなるようにし、他端部の帯状体の円周長さが、残りの帯状体の円周長さよりも長くなるか、短くなるように変更してもよい。
【0143】
また、一端部又は両端部の帯状体が、残りの帯状体に比べて、長さが長くなるように変更したり、長さが短くなるように変更したりしてもよい。両端部の帯状体のそれぞれが、互いに長さが異なっていてもよく、残りの帯状体と長さが異なっていてもよい。
【0144】
また、任意の本発明のステントの両端部において、2個の最基端側の帯状体及び/又は2個の最先端側の帯状体が、残りの帯状体に比べて、帯状体間により多くの連結部、又は、より少ない連結部を備えるように変更してもよい。
【0145】
さらに、最基端側の帯状体及び/又は最先端側の帯状体は、残りの帯状体よりも質量を大きくしたり、小さくしたりしてもよい。最基端側の帯状体及び/又は最先端側の帯状体は、残りの帯状体よりも厚みを持たせてもよく、薄くしてもよい。
【0146】
終端効果を有する上述した変更例は、ステントの一端部又は両端部における複数の帯状体に適用することができ、最基端側の帯状体及び最先端側の帯状体に限定するものではない。
【0147】
本願に開示されるステントは、帯状体間に設けられる連結部に、異なるタイプの連結部を用いてもよい。つまり、本願に開示される任意のコネクタ及びコネクタ構成を、本願の任意の実施例において使用してもよい。例えば、近接する帯状体同士が重なり合う実施例において、近接する帯状体同士が重なり合わず、帯状体間に延びるコネクタにより連結されるように、ステントを変更してもよい。任意のコネクタ及びコネクタ構成を使用することができる。図46において符号120a〜120iにて示されるコネクタを含む、他の形状のコネクタも使用可能である。図46に示されるように、コネクタは、1個以上の屈曲部を有してもよい。コネクタは突部から溝部及び/又は突部から突部及び/又は溝部から突部及び/又は溝部から溝部に延びてもよい。コネクタは、各帯状体より長くてもよく、各短片より短くてもよい。コネクタが各帯状体よりも長い場合には、コネクタが屈曲部を備えなければならないこともある。
【0148】
本願に開示されるステントは、近接する帯状体間に設けられる連結部の数を変更してもよい。従って、より大きなセルが必要とされる場合には、帯状体間に設ける連結部の数を少なくする。また、より小さなセルが必要とされる場合には、帯状体間に設ける連結部の数を多くする。本願の任意の実施例において、ステントのいくつかの部分を変更し、他の部分を変更しなくてもよい。従って、ステントのいくつかの部分がより多くの連結部を有するようにし、他の部分が少ない連結部を有するようにしてもよい。さらに可撓性を高めるために、近接する帯状体間の連結部の数を少なくしてもよい。
【0149】
コネクタの幅は、ステントの最も広い幅のストラットより広くてもよく、最も狭い幅のストラットより狭くてもよく、その間の範囲であってもよい。領域によって可撓性が異なるように、いくつかの領域(例えば、ステントの一端部又は両端部)において、幅の広い連結部を用い、他の領域(例えば中央部)において幅の狭い連結部を用いるようにしてもよく、逆もまた同様である。
【0150】
本発明は、また、近接する帯状体間の間隔が、ステントの部分により異なる実施例にも範囲が及ぶものとする。例えば、最基端側の帯状体及び/又は最先端側の帯状体は、それらに近接する帯状体に対して、より離間するように配置されてもよく、より近接するように配置されてもよい。これにより、構成によって、端部の帯状体間において、より長いコネクタを設ける、又は、より短いコネクタを設けることになる。一実施例においては、最基端側の帯状体と最先端側の帯状体の両方が、残りの帯状体に比べて、近接する帯状体との間隔が狭くなるように構成される。また、最基端側の帯状体とそれに近接する帯状体との間隔は、最先端側の帯状体とそれに近接する帯状体との間隔とは異なる。
【0151】
本発明は、また、本願に開示される任意のステントにおいて、コネクタが突部及び溝部以外の領域、又は突部及び溝部の隅部以外の領域から延びる場合にも及ぶものとする。例えば、コネクタは、近接する突部及び溝部の中間の部分から延びてもよく、突部及び溝部の間の1/4の位置から延びてもよく、突部及び溝部の間の3/4の位置から延びてもよく、突部及び溝部の間のいずれの部分から延びてもよい。
【0152】
様々な実施例に示されるように、帯状体間の連結部は、長さ方向に延びてもよく、連結部が斜状に延びる場合と同様に、周方向及び長さ方向においてずらして配置される第1の端部と第2の端部を備えてもよい。連結部は、ステントの長さ方向の軸線に非平行となる部分を備えてもよい。
【0153】
近接する帯状体間の「相関係」も、任意の実施例において変更することができる。例えば、図24に示されるような実施例においては、近接する円筒状をなす帯状体の突部は、互いに長さ方向に一直線状をなすように配置してもよく、また、一直線状をなさないように配置してもよい。同様に、一帯状体の突部が、近接する帯状体の溝部に対して、長さ方向において一直線状をなすように配置してもよく、また、一直線状をなさないように配置してもよい。近接する帯状体の数個は一直線状をなすようにし、その他の近接する帯状体は一直線状をなさないように配置してもよい。
【0154】
本願における屈曲ストラットとは、通常、屈曲部分により連結される2個の短片をさす。短片は、図示されるように直線状をなすが、屈曲してもよい。屈曲ストラットは、1個以上の屈曲部を有するように変更してもよい。例えば、3個以上の短片と2個以上の屈曲部を有するストラットを使用することができる。より一般的には、ほぼ弓状となるストラットを使用することができる。
【0155】
本願に開示されるステントの形態は、二股のステントに用いてもよい。二股のステントの1個以上の脚部及び/又は胴体部に、本願に開示される任意のステントの設計を用いてもよい。
【0156】
本発明のステントは、公知のステント製造技術を用いて製造することができる。本発明のステント製造に適した方法には、レーザー切断、化学的方法によるエッチング、チューブのスタンピングが含まれる。また、本発明のステントは、レーザー切断、化学的方法によるエッチング、平面状シートへのスタンピング、シートの巻き加工、必要に応じてシートの溶着、を用いても製造することができる。他の適切な製造技術としては、溶接棒を用いた放電加工や、望ましいデザインにステントを成形する方法が含まれる。ステントは、個々の部分、例えば周方向に延びる帯状体、を溶着して製造することもできる。他の適切なステント製造方法も使用することができる。
【0157】
本発明のステント製造には、任意の適切なステント材料を使用することができる。このような材料の例としては、ポリマー材料、金属、セラミックス、複合材料等がある。適切なポリマー材料には、サーモトロピック液晶ポリマー(LCP)が含まれる。ステントが金属からなる場合には、金属は、ステンレス鋼、エルジロイ等のコバルトクロム合金、タンタル、その他の可塑的に変形可能な金属であってもよい。他の適切な金属としては、一般に「ニチノール」として知られるニッケルチタン合金、プラチナ/タングステン合金、チタン合金等の形状記憶金属が含まれる。
【0158】
本発明は、また、本発明のステントに1以上の材料を用いる場合にも、範囲が及ぶものとする。例えば、波状をなす第1の帯状体と波状をなす第2の帯状体は、異なる材料により形成されてもよい。必要に応じて、コネクタは、波状をなす第1の帯状体及び/又は波状をなす第2の帯状体とは異なる材料で形成してもよい。
【0159】
本発明のステントは、機械的に拡張可能な形態であっても、自己拡張する形態であっても、それら2つのハイブリッドの形態であってもよい。本発明によれば、機械的に拡張可能なステントは、バルーン等の適切な機械装置を用いて拡張することができる。
【0160】
本発明のステントは、適切な放射線不透過性のコーティングを備えてもよい。例えば、ステントは、金やその他の貴金属でコーティングしてもよく、タンタルやその他の金属でスパッタリングしてもよい。ステントは、放射線不透過性の材料から直接形成して、放射線不透過性のコーティングを施す必要をなくしてもよく、放射線不透過性の内核を有する材料でステントを形成してもよい。使用可能な放射線不透過性の金属としては、プラチナ、プラチナ−タングステン、パラジウム、プラチナ−イリジウム、ロジウム、タンタル、これらの金属からなる合金又は複合材料が含まれる。
【0161】
本発明のステントは、様々な生体適合性を有するコーティングを施して、ステントの様々な特性を向上させてもよい。例えば、本発明のステントは、潤滑コーティングを施してもよい。また、時間の経過とともに薬物を放出するように、薬物を含有したコーティングを施してもよい。屈曲ストラットを有するステントの表面積を増加させることにより、薬物のコーティング性が高められる。また、屈曲ストラットは、捲縮手段とストラットの接触やストラットの接触が点接触となるように設けられる。捲縮手段との接触が少なくなることにより、薬物コーティングが破砕されにくくなる。
【0162】
本発明のステントにおいて、糖質、より一般的には炭水化物、及び/又はゼラチンを用いて、ステントを体内の目的位置まで搬送する際に、ステントをバルーン上に保持するようにしてもよい。ステントに使用するのに適した他の化合物には、生体分解性ポリマーや体内の流体に溶けるポリマーが含まれる。ステントの内部及び/又は外部に、その化合物でコーティグを施したり、その化合物を含浸させてもよい。機械的に保持する装置を使用して、搬送時にステントをバルーン上に保持してもよい。そのために、本発明のステントに他のコーティングを使用することも、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0163】
コーティングには、1以上の遺伝子組み換えをしていない治療薬や遺伝物質や細胞、また、それらの組み合わせも、他のポリマーによるコーティングと同様に、含むものとする。
【0164】
遺伝子組み換えをしていない治療薬には、ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼ、PPack(デキストロフェニルアラニン プロリン アルギニン クロロメチルケトン)等の抗血栓剤や、平滑筋細胞の増殖を阻害することのできるエノキサプリン(enoxaprin) 又はアンギオペプチン又はモノクローナル抗体、ヒルジン、アセチルサリチル酸等の細胞増殖抑制剤や、デキサメタゾン、プレドニソロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、サルファサラジン、メサラミン等の抗炎症剤や、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポシロン、エンドスタチン、アンジオスタチン、チミジンキナーゼ阻害剤等の抗腫瘍剤/細胞増殖抑制剤/抗縮瞳剤や、リドカイン、ブピバカイン、ロピバカイン等の麻酔剤や、D−Phe−Pro−Argクロロメチルケトン、RGDペプチドを含む化合物、ヘパリン、抗トロンビン化合物、血小板レセプタ拮抗剤、抗トロンビン抗体、抗血小板レセプタ抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板抑制剤、ダニから抽出された(tick)抗血小板ペプチド等の抗血液凝固剤や、増殖因子阻害剤、増殖因子レセプタ拮抗剤、転写活性物質、翻訳促進物質等の血管細胞増殖促進物質や、増殖因子阻害剤、増殖因子レセプタ拮抗剤、転写抑制因子、翻訳抑制因子、複製阻害剤、抑制性抗体、増殖因子に対する抗体、増殖因子と細胞毒からなる二官能性分子、抗体と細胞毒からなる二官能性分子等の血管細胞増殖阻害物質や、コレステロール低下剤や、血管拡張剤や、生体内の血管活性機構(endogenous vascoactive mechanism)を阻害する物質等がある。
【0165】
遺伝物質には、アンチセンスDNA及びRNA、DNA、アンチセンスRNA、内因性の欠陥又は欠損を有する分子を置き換えるためのtRNA又はrRNA、酸性及び塩基性繊維芽細胞増殖因子や血管内皮増殖因子や上皮増殖因子やトランスフォーミング増殖因子α及びβや血小板由来の内皮増殖因子や血小板由来増殖因子や腫瘍壊死因子αや肝細胞増殖因子やインスリン様増殖因子等の増殖因子を含む血管新生促進因子、細胞分裂阻害剤(CD inhibitor)やチミジンキナーゼ(TK)や細胞増殖を妨げる他の物質等の細胞周期阻害剤、骨形成タンパク質(BMP)ファミリー、即ちBMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6(Vgr−1)、BMP−7(OP−1)、BMP−8、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15、BMP−16、等が含まれる。望ましいBMPは、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7である。これら二量体のタンパク質は、ホモ二量体、ヘテロ二量体、又はこれらの組み合わせであってもよく、これらと他の分子の組み合わせであってもよい。あるいは、さらに、BMPのアップストリーム効果やダウンストリーム効果を誘導する分子を用いてもよい。これらの分子には、ヘッジホッグタンパク質やこれをエンコードするDNAが含まれる。
【0166】
細胞は、ヒト由来(自己由来又は同種異系)であってもよく、動物由来(異種)であってもよく、必要に応じて、移殖部位に影響を及ぼすタンパク質を搬送するために、遺伝子操作されたものであってもよい。細胞は、搬送媒体に組み込んでもよい。搬送媒体は、必要に応じ、細胞の機能と生存を維持するように構成することができる。
【0167】
適切なポリマーコーティング材料には、ポリカルボン酸、セルロースアセテートやニトロセルロース等のセルロース系ポリマー、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、架橋ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸ポリマー等のポリ無水物、ポリアミド、ポリビニルアルコール、EVA等のビニルモノマー共重合体、ポリビニルエーテル、ポリビニル芳香族化合物、ポリエチレンオキシド、グリコサミノグリカン、多糖類、ポリエチレンテレフタレートを含むポリエステル、ポリアクリルアミド、ポリエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリプロピレンやポリエチレンや高分子量ポリエチレンを含むポリアルキレン、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン化ポリアルキレン、ポリウレタン、ポリオルソエステル、タンパク質、ポリペプチド、シリコーン、シロキサンポリマー、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレートバリレート及びそのブレンドとコポリマー、ポリウレタン分散液(例えばベイドロール(BAYHDROL、登録商標)等のポリマー分散液からなるコーティング、フィブリン、コラーゲン及びコラーゲン誘導体、セルロースやデンプンやデキストランやアルギン酸塩及びその誘導体等の多糖類、ヒアルロン酸、スクアレンエマルジョン等が含まれる。米国マサチューセッツ州ナティックに所在するボストンサイエンティフィック社(Boston Scientific Corporation) によりハイドロプラス(HYDROPLUS 、登録商標)として販売され、米国特許第5,091,205号明細書に記載されるポリアクリル酸は、特に望ましい。さらに望ましいのは、ポリ乳酸及びポリカプロラクトンのコポリマーである。
【0168】
本発明のステントは、グラフトの骨組みとして使用してもよい。適切な被覆剤としては、ナイロン、コラーゲン、PTFE、ePTFE、ポリエチレンテレフタレート、ケブラー、米国特許第5,824,046号明細書及び米国特許第5,755,770号明細書に開示される任意の材料を含む。より一般的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリグリコール酸、ポリエステル、ポリアミド、これらの混合物やブレンド、コポリマー等の合成高分子を含む任意の公知のグラフト材料を使用することができる。
【0169】
本発明のステントは、冠動脈、腎動脈、腸骨動脈を含む末梢動脈、頚部の動脈、大脳動脈にも用いることができる。しかしながら、本発明のステントは、血管系における使用に限定されるものではなく、他の体内構造にも有利に使用することが可能である。他の体内構造には、動脈、静脈、胆管、尿道、卵管、気管支、気管、食道、前立腺、腸が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0170】
米国特許第6,123,712号明細書、米国特許第6,120,522号明細書、米国特許第5,957,930号明細書に開示されるような適切なステント搬送装置を、本発明のステントを体内の目的位置に搬送するのに使用することができる。搬送装置は、自己拡張型のステントを使用するか、バルーンにより拡張可能なステントを使用するかにより決まる。本発明のステントは、1個以上のステント保持スリーブとともに搬送されるようにしてもよい。ステント保持スリーブの例は、米国仮出願第60/238178号明細書に開示される。
【0171】
本発明は、また、長さ方向に延びる流路を内部に有するステントに関する。ステントは、蛇行して周方向に延びる複数の帯状体を備える。帯状体は、蛇行して周方向に延びる第1の帯状体と、蛇行する第2の帯状体とを備える。第1の帯状体は、複数の突部と溝部を備え、近接する突部と溝部は、屈曲ストラットにより連結される。第2の帯状体は、複数の突部と溝部を備え、近接する突部と溝部は、屈曲ストラットにより連結される。各屈曲ストラットは、単一の屈曲部を有する。第1の帯状体の突部の数個は、第2の帯状体の溝部の数個と重なり合い、重なり領域を形成する。このようなステントの例は図27に示す。
【0172】
各重なり領域は、長さ方向に平行となる方向に延びてもよく(図30)、長さ方向に垂直となる方向に延びてもよく(図27)、長さ方向に斜状をなす方向に延びてもよい(図32)。
【0173】
望ましくは、例えば図26に図示されるように、第1の帯状体の突部と第1の帯状体の溝部は、長さ方向に対して異なる方向に指向する。
また、望ましくは、第1の帯状体の突部は、第2の帯状体の突部とは異なる方向に指向し、第1の帯状体の溝部は、第2の帯状体の溝部とは異なる方向に指向する。
【0174】
さらに、図40の例に示されるように、各屈曲ストラットは、第1の部分と第2の部分とを有する2個の直線部を備えてもよい。屈曲ストラットの少なくとも数個は、第2の部分よりも長い第1の部分を有することを特徴とする。
【0175】
必要に応じて、図45及び図45aに示されるように、周方向において近接する屈曲ストラットの屈曲部は、長さ方向において、互いに対して偏移して配置される。
通常、ステントは、蛇行して周方向に延びる第1の帯状体と蛇行して周方向に延びる第2の帯状体を複数個備える。第1の帯状体と第2の帯状体は、ステントの長さに沿って、交互に配置される。第1の帯状体の突部の数個は、第2の帯状体の溝部の数個と重なり合う。
8 本発明は、また、複数のセルを備えるステントにも関する。セルは、先端部及び基端部を有し、第1の方向に屈曲する基端部においては、複数のフィンガー状をなす屈曲部を備え、第1の屈曲部とは逆の第2の方向に屈曲する先端部においては、複数のフィンガー状をなす部分を備える。周方向において近接するセル同士は、ショートコネクタにより、互いに連結される。
【0176】
ショートコネクタは、周方向に延びてもよく、長さ方向に延びてもよく、斜め方向に延びてもよい。
望ましくは、各セルは、基端部に3個の溝部を有し、先端部に3個の突部を有する。
【0177】
フィンガー状をなす屈曲部の数個は、他のフィンガー状をなす屈曲部に比べて、狭い幅を有してもよい。
上述された開示事項は、例示的なものであり、包括的なものではない。この記載は、当業者に対して、様々な変更例や別例を提案するものである。これらすべての別例及び変更例については、特許請求の範囲に含まれるものであり、特許請求の範囲における「〜からなる、〜を備える」という語は「〜を含む」という意味であり、「〜に限定される」という意味ではない。当業者にとっては、本願に記載された特定の実施例と均等である他の技術が、請求項に包含されるものであると理解されるであろう。
【0178】
さらに、従属請求項に記載された特定の特徴は、発明の範囲内において他の方法で互いに組み合わせることができ、本願は、従属請求項に記載された特徴のその他全ての組み合わせによる他の実施例についても、範囲が及ぶものとする。
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良されたステントに関する。
【背景技術】
【0002】
体内管腔においてステントを使用することは、よく知られている。ステントは、通常、体内管腔の目的位置まで非拡張状態で搬送された後に、拡張される。ステントは、バルーン等の機械的な装置を使用して拡張させてもよく、ステント自体が自己拡張してもよい。
【0003】
ステントは、蛇行した生体組織内を搬送されることが多いため、可撓性を有することが望ましい。しかしながら、ステントの可撓性を高めると、通常は、その骨組みの強さを犠牲にすることになる。さらに、可撓性を高めた設計は、突部を生じさせ、ステントが蛇行する管構造を介して搬送されるときに、突部により、体内管壁やカテーテルバルーンが損傷を受ける可能性がある。
【0004】
従来の設計のステントの多くは、蛇行して延びる複数の帯状体を備えており、この帯状体は、ステントの側壁に開口部を形成する。通常、この開口部は、ステントの長さ方向の軸線に平行である。また、ステントの長さ方向の軸線に斜状をなすような開口部を備えるステントも製造されている。しかしながら、全ての開口部が互いに平行となるステントの場合には、蛇行する体内管を介して搬送される際に過度のトルクが生じることがあり、これにより、配置上の問題が発生することがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、非拡張状態においては可撓性に富むが、適度な骨組みの強さを備え、搬送時に過度のトルクを生じないようなステントが必要とされている。
本発明の範囲を限定することなく、請求された本発明の実施例の要約を以下に記載する。要約された本発明の実施例のさらなる詳細及び/又は本発明のさらなる実施例については、後述する発明の詳細な説明に記載される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施例においては、本発明は、周方向に延びる複数の帯状体を備え、近接する帯状体同士が互いに連結されるステントに関する。ステントは、周方向に延びる第1の帯状体と、周方向に延びる第2の帯状体を備える。第1の帯状体は、屈曲ストラットにより連結される第1の突部と第1の溝部が、第1の個数だけ交互に配置されることを特徴とし、第2の帯状体は、屈曲ストラットにより連結される第2の突部と第2の溝部が、第1の個数とは異なる第2の個数だけ交互に配置されることを特徴とする。
【0007】
第1の帯状体と第2の帯状体は、各々、ステントの周面上に通路を形成する。第1の通路と第2の通路は、同一又は異なる長さを有してもよい。
望ましくは、第1及び第2の突部と第1及び第2の溝部は、ステントの長さ方向の軸線に対して0°〜70°の角度をなすように配置される。さらに望ましくは、第1及び第2の突部と第1及び第2の溝部は、ステントの長さ方向の軸線に対して少なくとも10°の角度をなすように配置され、最も望ましくは、ステントの長さ方向の軸線に対して少なくとも15°の角度をなすように配置される。
【0008】
通常、第1の帯状体の各々の長さが、第2の帯状体の各々の長さを超えることが望ましい。
状況に応じて、各屈曲ストラットは、第1の帯状体の屈曲ストラットの幅が、第2の帯状体の屈曲ストラットの幅を超えるようにしてもよい。
【0009】
望ましくは、周方向において近接する屈曲ストラット同士は、互いに平行となる。さらに望ましくは、長さ方向において第1の帯状体及び第2の帯状体に近接する屈曲ストラット同士は、互いに非平行となる。
【0010】
本発明の一実施例においては、長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、少なくとも1個の、望ましくは複数個のコネクタにより連結される。通常、コネクタは直線状をなし、ステントの長さ方向の軸線に非平行となる。望ましくは、コネクタは、帯状体の突部から近接する帯状体の溝部へ延びる。また、コネクタは、第2の帯状体の長さよりも短いことが望ましい。
【0011】
近接する第1の帯状体と第2の帯状体の間に、コネクタが複数個存在する場合には、周方向において近接するコネクタ同士は、第1の帯状体に沿った第1の通路と、第2の帯状体に沿った第2の通路とを介して、連結される。望ましくは、第1の通路は、第2の通路と同一の長さを有する。
【0012】
一実施例においては、第1の通路は、それぞれ、合計して3個の突部と溝部(即ち、2個の突部と1個の溝部、又は1個の突部と2個の溝部)を横断し、第2の通路は、それぞれ、合計して5個の突部と溝部(即ち、3個の突部と2個の溝部、又は2個の突部と3個の溝部)を横断する。
【0013】
別の実施例においては、本発明は、周方向に延びる複数の帯状体を備え、近接する帯状体同士が連結されるステントに関する。帯状体は、周方向に延びる第1の帯状体と、周方向に延びる第2の帯状体を備える。第1の帯状体は、第1の突部と第1の溝部が交互に第1の個数配置されることを特徴とし、第2の帯状体は、第2の突部と第2の溝部が交互に第2の個数配置されることを特徴とする。なお、第2の個数は、第1の個数とは異なる。第1の突部及び第1の溝部は、ステントの長さ方向の軸線に非平行であり、第2の突部及び第2の溝部も、ステントの長さ方向の軸線に非平行である。状況に応じて、第1の帯状体と第2の帯状体は、各々、ステントの周面上に通路を形成し、第1の通路と第2の通路が同一の長さを有するようにしてもよい。
【0014】
望ましくは、突部及び溝部は、ステントの長さ方向の軸線に対して、少なくとも10°の角度をなし、さらに望ましくは、ステントの長さ方向の軸線に対して、少なくとも15°の角度をなす。
【0015】
また、望ましくは、第1の帯状体と第2の帯状体は、それぞれ、第1の帯状体の長さが、第2の帯状体の長さを超えることを特徴とする。
また、周方向において近接する第1の突部と第1の溝部は、ストラットにより連結され、周方向において近接する第2の突部と第2の溝部は、ストラットにより連結される。各ストラットは、第1の帯状体のストラットの幅が、第2の帯状体のストラットの幅を超える幅であることを特徴とする。通常、周方向において近接するストラット同士は、互いに対して平行となる。
【0016】
長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、1個のコネクタ又は複数個のコネクタにより、互いに連結されてもよい。コネクタは任意の形状をとることができる。一実施例においては、直線状をなすコネクタが使用される。コネクタは、長さ方向の軸線に平行であってもよく、別の実施例においては、長さ方向の軸線に非平行であってもよい。屈曲部を有するコネクタを使用することもできる。
【0017】
コネクタは、帯状体の任意の領域から、近接する帯状体の任意の領域に延びるようにしてもよい。一実施例においては、コネクタは、帯状体の突部から近接する帯状体の溝部へ延びる。望ましい一実施例においては、長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、複数個のコネクタにより連結され、コネクタは、第2の帯状体の長さよりも短くされる。周方向において近接するコネクタ同士は、第1の帯状体に沿った第1の通路と第2の帯状体に沿った第2の通路とにより連結されてもよい。なお、第1の通路の長さは、第2の通路の長さと同一である。
【0018】
望ましくは、長さ方向において近接する第1の帯状体のストラット同士は、互いに非平行となる。さらに望ましくは、長さ方向において近接する第1の帯状体のストラット同士は、ステントの長さ方向の軸線に対して斜状をなし、反対方向に指向する。
【0019】
本発明の別の実施例においては、周方向に延びる第1の帯状体は、直線状をなすコネクタにより、周方向に延びる第2の帯状体に連結される。直線状をなすコネクタは、近接する帯状体の同じような屈曲部の間に延びる。望ましくは、コネクタは、第1の帯状体の突部と第2の帯状体の突部の間と、第2の帯状体の溝部と第1の帯状体の溝部の間に、それぞれ延びる。
【0020】
通常、コネクタの長さは、第1の帯状体の長さL1よりも短くされる。
別の実施例においては、本発明は、複数の開口部を有する側壁を備えたステントに関する。各開口部は、少なくとも第1のステント部材と第2のステント部材により画定される。第1のステント部材は、第2のステント部材よりも広い幅を有する。第1のステント部材は、ステントの長さ方向の軸線に非平行となるように延びる、複数個の第1の屈曲ストラットを備える。第2のステント部材は、ステントの長さ方向の軸線に非平行となるように延びる、複数個の第2の屈曲ストラットを備える。第1の屈曲ストラットは、ステントの長さ方向の軸線に非平行となるフィンガー状をなす第1の突部を形成する。第2の屈曲ストラットは、ステントの長さ方向の軸線に非平行となるフィンガー状をなす第2の突部を形成する。なお、第2の突部の数は、第1の突部の数よりも多くされる。
【0021】
一実施例においては、各開口部は、第2の突部に非平行となる第1の突部により形成される。
別の実施例においては、開口部は、第1の開口部と第2の開口部からなり、第1の開口部は、各々、第2の突部に平行となる第1の突部により形成される。通常、第2の開口部は、各々、第2の突部に非平行となる第1の突部により形成される。
【0022】
別の実施例においては、本発明は、複数の開口部を有する側壁を備えたステントに関する。各開口部は、少なくとも第1のステント部材と第2のステント部材により画定される。第1のステント部材は、第2のステント部材よりも広い幅を有する。第1のステント部材は、ステントの長さ方向の軸線に非平行に延びる、複数個の第1の屈曲ストラットを備える。第2のステント部材は、ステントの長さ方向の軸線に非平行に延びる、複数個の第2の屈曲ストラットを備える。第1の屈曲ストラットは、ステントの長さ方向の軸線に非平行となるフィンガー状をなす第1の突部を形成する。第2の屈曲ストラットは、ステントの長さ方向の軸線に非平行となるフィンガー状をなす第2の突部を形成する。なお、第1の突部の数は、第2の突部の数よりも多くされる。
【0023】
別の実施例においては、本発明は、周方向に延びて連結される、近接する複数の帯状体を備えるステントに関する。帯状体は、周方向に延びる第1の帯状体と、周方向に延びる第2の帯状体とを備える。第1の帯状体は、屈曲ストラットにより連結される第1の突部と第1の溝部が、交互に第1の個数配置されることを特徴とする。第2の帯状体は、屈曲ストラットにより連結される第2の突部と第2の溝部が、交互に第2の個数配置されることを特徴とする。なお、第2の個数は、第1の個数とは異なる。第2の帯状体は、それぞれ、少なくとも1個のコネクタにより、近接する第1の帯状体に連結される。このコネクタは、第1の帯状体の突部から第2の帯状体の突部に延びる。第2の帯状体は、それぞれ、少なくとも1個のコネクタにより、別の近接する第1の帯状体にも連結される。このコネクタは、第1の帯状体の溝部から第2の帯状体の溝部に延びる。
【0024】
本発明は、また、蛇行して周方向に延びる連結された複数の帯状体を備えるステントに関する。帯状体は、蛇行して周方向に延びる第1の帯状体と、蛇行して周方向に延びる第2の帯状体と、蛇行して周方向に延びる第3の帯状体とを備える。第1の帯状体は、ステントの基端部において第1の円周長さを有し、第2の帯状体は、ステントの先端部において第2の円周長さを有し、第3の帯状体は、ステントの基端部と先端部の間において第3の円周長さを有する。第1の円周長さと第2の円周長さは、互いに異なる。望ましくは、第1の円周長さと、第2の円周長さと、第3の円周長さは、互いに異なる。さらに望ましくは、第1の円周長さと第2の円周長さは、第3の円周長さよりも短い。
【0025】
本発明は、蛇行して周方向に延びる連結された複数の帯状体を備えるステントにも関する。帯状体は、それぞれ、複数の突部と溝部を備える。近接する突部と溝部は、屈曲ストラットにより連結される。帯状体は、蛇行して周方向に延びる第1の帯状体と、蛇行して周方向に延びる第2の帯状体と、蛇行して周方向に延びる第3の帯状体とを備える。第1の帯状体は、ステントの基端部において第1の円周長さを有し、第2の帯状体は、ステントの先端部において第2の円周長さを有し、第3の帯状体は、ステントの基端部と先端部の間において第3の円周長さを有する。少なくとも第1の円周長さと第2の円周長さのうち一方は、第3の円周長さと異なる。望ましくは、第1の円周長さと、第2の円周長さと、第3の円周長さは、互いに異なる。さらに望ましくは、第1の円周長さと第2の円周長さは、第3の円周長さよりも短い。
【0026】
本発明は、また、蛇行して周方向に延びる連結された複数の帯状体を備えるステントに関する。帯状体は、それぞれ、複数の突部と溝部を備え、近接する突部と溝部は、屈曲ストラットにより連結される。近接する帯状体同士は、帯状体の突部が近接する帯状体の溝部と重なり合う1以上の領域において、互いに連結される。重なり合う1以上の領域は、長さ方向に延びる。
【0027】
本発明は、また、蛇行して周方向に延びる連結された複数の帯状体を備えるステントに関する。帯状体は、それぞれ、複数の突部と溝部を備える。近接する突部と溝部は、入れ子状の屈曲ストラットにより連結される。近接する帯状体同士は、複数の連結部により連結される。ステントは、第1の個数の連結部により連結され、蛇行して周方向に延びる2個の帯状体と、第1の個数とは異なる第2の個数の連結部により連結され、蛇行して周方向に延びる2個の帯状体とを有する。
【0028】
本発明は、また、突部と溝部を交互に有し、蛇行して周方向に延びる複数の近接する帯状体を備えるステントに関する。近接する帯状体同士の間には、複数のセルが設けられる。少なくとも2個の近接する帯状体は、複数の第1セルと複数の第2セルを帯状体間に有する。なお、第2セルは、第1セルよりも大きい。
【0029】
本発明は、また、蛇行して周方向に延びる複数の帯状体を備えるステントに関する。帯状体は、蛇行して周方向に延びる第1の帯状体と、蛇行して周方向に延びる第2の帯状体とを備える。第1の帯状体は、複数の突部と溝部を備え、近接する突部と溝部は、屈曲ストラットにより連結される。第2の帯状体は、複数の突部と溝部を備え、近接する突部と溝部は、比較的直線状をなすストラットにより連結される。第1の帯状体と第2の帯状体は、互いに連結される。
【0030】
理論にとらわれることなく、屈曲ストラットは、直線状をなすストラットに比べて、壁の被覆率が高くなる。さらに、屈曲ストラットを使用する場合には、通常、材料、即ち金属、をより多く必要とし、これにより、放射線不透過性も向上される。
【0031】
本発明のさらなる詳細及び/又は実施例を、以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1a】本発明のステントを示す平面図。
【図1b】図1aの平面図に示されるステントの領域Aを示す拡大図。
【図2a】図1aに類似する本発明のステントの一実施例における平面図。
【図2b】図2aの平面図に示されるステントの領域Aを示す拡大図。
【図3a】別例における本発明のステントを示す平面図。
【図3b】図3aの平面図に示されるステントの領域Aを示す拡大図。
【図4a】一実施例における本発明のステントを示す平面図。
【図4b】図4aの平面図に示されるステントの領域Aを示す拡大図。
【図5a】一実施例における本発明のステントを示す平面図。
【図5b】図5aの平面図に示されるステントの領域Aを示す拡大図。
【図6a】一実施例における本発明のステントを示す平面図。
【図6b】図6aの平面図に示されるステントの領域Aを示す拡大図。
【図7a】一実施例における本発明のステントを示す平面図。
【図7b】図7aの平面図に示されるステントの領域Aを示す拡大図。
【図8a】一実施例における本発明のステントを示す平面図。
【図8b】図8aの平面図に示されるステントの領域Aを示す拡大図。
【図9a】本発明のステントを示す平面図。
【図9b】図9aの平面図に示されるステントの領域Aを示す拡大図。
【図10a】本発明のステントを示す平面図。
【図10b】図10aの平面図に示されるステントの領域Aを示す拡大図。
【図11】別例における本発明のステントを示す平面図。
【図12】別の実施例における、大小の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図12a】図12のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図13】別の実施例における、大小の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図13a】図13のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図14】別の実施例における、大小の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図14a】図14のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図15】別の実施例における、大小の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図15a】図15のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図16】別の実施例における、大小の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図16a】図16のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図17】別の実施例における、大小の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図17a】図17のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図18】別の実施例における、大小の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図18a】図18のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図19】別の実施例における、大小の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図19a】図19のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図20】別の実施例における、同一の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図20a】図20のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図21】別の実施例における、同一の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図21a】図21のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図22】別の実施例における、同一の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図22a】図22のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図23】別の実施例における、同一の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図23a】図23のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図24】別の実施例における、同一の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図24a】図24のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図25】別の実施例における、同一の振幅で周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図25a】図25のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図26】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図26a】図26のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図27】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図27a】図27のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図28】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図28a】図28のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図29】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図29a】図29のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図30】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図30a】図30のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図31】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図31a】図31のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図32】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図32a】図32のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図33】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図33a】図33のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図34】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図34a】図34のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図35】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図35a】図35のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図36】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図36a】図36のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図37】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図37a】図37のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図38】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図38a】図38のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図39】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図39a】図39のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図40】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図40a】図40のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図41】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図41a】図41のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図42】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図42a】図42のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図43】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図43a】図43のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図44】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図44a】図44のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図45】別の実施例における、重なり合って周方向に延びる帯状体を有する本発明のステントを示す平面図。
【図45a】図45のステントの選択された領域を示す拡大図。
【図46】本発明のステントにおいて使用することができる他のコネクタを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、様々な形態で実施可能であるが、本願には、本発明の特定の実施例について詳細に記載する。この記載は、本発明の原理の例示となるものであり、本発明を例示された特定の実施例に限定するものではない。
【0034】
各図面において、明示されない限り、類似する部材には類似する符号を付す。
本願において、「屈曲ストラット」とは、製造方法を意味するものではなく、屈曲部を有するストラット、角をなすストラット、曲線をなすストラットを含むものとし、ストラット又は全体としてのステントがどのように製造されるかということは問題としない。本願において記載される屈曲ストラットは、通常、屈曲部により連結される2つの短片を有する。
【0035】
最後に、本願において、「円周長さ」という表現は、帯状体がステントの周面の周りを横切って延びる長さを意味する。
一実施例においては、本発明は、複数の周方向に延びる帯状体を備える、図1aにおいて符号100にて示されるようなステントに関する。近接する帯状体同士は、互いに連結される。帯状体は、周方向に延びる第1の帯状体104と周方向に延びる第2の帯状体112とを備える。第1の帯状体104は、屈曲ストラット110により連結されて交互に第1の個数配置される、第1の突部106と第1の溝部108を有することを特徴とする。第2の帯状体112は、屈曲ストラット118により連結されて交互に第2の個数配置される、第2の突部114と第2の溝部116を有することを特徴とする。図1aに示されるように、第2の突部及び溝部の第2の個数は、通常、第1の突部及び溝部の第1の個数とは異なり、望ましくは、第2の個数は第1の個数を上回る。
【0036】
第1の帯状体と第2の帯状体は、それぞれ、ステントの周面上に通路を形成する。第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有してもよく、異なる長さを有してもよい。望ましくは、第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有する。
【0037】
また、望ましくは、第1及び第2の突部と第1及び第2の溝部は、ステントの長さ方向の軸線に対して0°〜70°の角度をなし、さらに望ましくは、ステントの長さ方向の軸線に対して少なくとも10°の角度をなし、最も望ましくは、ステントの長さ方向の軸線に対して少なくとも15°の角度をなす。
【0038】
通常は、図1bに示されるように、第1の帯状体と第2の帯状体は、L1及びL2の長さを有する。各々の第1の帯状体の長さL1は、各々の第2の帯状体の長さL2を超えることが望ましい。
【0039】
各屈曲ストラットは、一定の長さを有することを特徴としてもよい。必要に応じ、第1の帯状体の屈曲ストラットの幅W1は、第2の帯状体の屈曲ストラットの幅W2を超える。
【0040】
望ましくは、図1aに示されるように、周方向において近接する屈曲ストラット同士は、互いに平行となる。さらに望ましくは、図1aに示されるように、長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体の屈曲ストラット同士は、互いに非平行となる。
【0041】
本発明の一実施例においては、図1aに示されるように、長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、少なくとも1個のコネクタ120によって、望ましくは複数のコネクタによって、互いに連結される。通常、コネクタは直線状をなし、ステントの長さ方向の軸線101に非平行となる。本発明の別の実施例においては、他のタイプのコネクタ、例えば、1個以上の屈曲部を有するコネクタ及び/又は異なる長さを有するコネクタを使用してもよい。望ましくは、図1aに示されるように、コネクタは、帯状体の突部から近接する帯状体の溝部へ延びる。また、図1aに示されるように、コネクタの長さは、第2の帯状体の長さL2よりも短いことが望ましい。
【0042】
近接する第1の帯状体と第2の帯状体の間に複数のコネクタが設けられる場合には、周方向において近接するコネクタ同士が、第1の帯状体に沿った第1の通路と第2の帯状体に沿った第2の通路とを介して連結される。第1の通路は、望ましくは、第2の通路と同一の長さを有する。
【0043】
図1aの実施例においては、第1の通路は、それぞれ、合計3個の突部及び溝部(即ち、2個の突部と1個の溝部、又は1個の突部と2個の溝部)を横断し、第2の通路は、それぞれ、合計5個の突部及び溝部(即ち、3個の突部と2個の溝部、又は2個の突部と3個の溝部)を横断する。
【0044】
言い換えれば、周方向において近接し、第1の帯状体と第2の帯状体を連結するコネクタ間において、第1の帯状体には合計3個の突部及び溝部が設けられ、第2の帯状体には合計5個の突部及び溝部が設けられる。
【0045】
理論にとらわれることなく、交互に反対方向を指向するように配置される、近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、大きく回転してトルクが発生することによりステントの性能が低下するのを防ぐものと考えられる。
【0046】
別の実施例においては、本発明は、図1aと類似する複数の帯状体からなる、図2aにおいて符号100にて示されるようなステントに関する。図1aに示される実施例と同様に、第1の帯状体と第2の帯状体は、それぞれ、ステントの周面上に通路を形成する。第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有してもよく、異なる長さを有してもよい。望ましくは、第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有する。
【0047】
また、図1aに示される実施例と同様に、第1の帯状体104は、屈曲ストラット110により連結されて交互に第1の個数配置される、第1の突部106と第1の溝部108を有することを特徴とする。第2の帯状体112は、屈曲ストラット118により連結されて交互に第2の個数配置される、第2の突部114と第2の溝部116を有することを特徴とする。通常は、図1aに示されるように、第2の突部及び溝部の第2の個数は、第1の突部及び溝部の第1の個数とは異なり、望ましくは、第2の個数は第1の個数を上回る。
【0048】
しかしながら、図2aに示される実施例においては、図1aに示される実施例とは異なり、コネクタは最も近くの隣接する突部と溝部の間に延びてはおらず、第1の帯状体104の第1の突部は、それぞれ、近接する第2の帯状体の第3の溝部に連結される。
【0049】
図1bの場合と同様に、第1の帯状体と第2の帯状体は、図2bに示されるように、長さL1及びL2を有することを特徴としてもよい。各々の第1の帯状体の長さL1は、各々の第2の帯状体の長さL2を超えることが望ましい。
【0050】
また、図1aの場合と同様に、長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、少なくとも1個のコネクタ120により、望ましくは、複数のコネクタにより、互いに連結される。図1aの場合と同様に、図2aに示されるように、コネクタは、帯状体の突部から近接する帯状体の溝部へ延びることが望ましい。しかしながら、図2aの実施例においては、コネクタは、第2の帯状体の長さL2よりもかなり長くなっている。
【0051】
近接する第1の帯状体と第2の帯状体の間に複数のコネクタが設けられる場合には、周方向において近接するコネクタ同士が、第1の帯状体に沿った第1の通路と第2の帯状体に沿った第2の通路とを介して、連結される。望ましくは、第1の通路は、第2の通路と同一の長さを有する。
【0052】
図2aの実施例においては、第1の通路は、それぞれ、合計4個の突部及び溝部(即ち、2個の突部と2個の溝部)を横断し、第2の通路は、それぞれ、合計6個の突部及び溝部(即ち、3個の突部と3個の溝部)を横断する。
【0053】
別の実施例においては、本発明は、複数の帯状体を備える、図3aにおいて符号300にて示されるようなステントに関する。この実施例も図1a及び図2aの実施例に類似する。近接する帯状体同士は、互いに連結される。帯状体は、周方向に延びる第1の帯状体304と周方向に延びる第2の帯状体312を有する。第1の帯状体304は、屈曲ストラット310により連結されて交互に第1の個数配置される、第1の突部306と第1の溝部308を有することを特徴とする。第2の帯状体312は、屈曲ストラットにより連結されて交互に第2の個数配置される、第2の突部314と第2の溝部316を有することを特徴とする。第2の突部及び溝部の数は、第1の突部及び溝部の数とは異なっており、望ましくは、第1の個数を上回る。
【0054】
第1の帯状体と第2の帯状体は、それぞれ、ステントの周面上に通路を形成する。第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有してもよく、異なる長さを有してもよいが、望ましくは、同一の長さを有する。
【0055】
図3bに示されるように、第1及び第2の溝部は、ステントの長さ方向の軸線301に対して、少なくとも10°の角度をなす。さらに望ましくは、第1及び第2の突部と第1及び第2の溝部は、ステントの長さ方向の軸線に対して、少なくとも15°の角度をなす。図3bに示される特定の実施例においては、第1及び第2の突部と第1及び第2の溝部は、ステントの長さ方向の軸線に対して、約40°の角度をなしている。
【0056】
通常、図3bに示されるように、第1の帯状体と第2の帯状体は、長さL1及び長さL2を有することを特徴としてもよい。長さL1及び長さL2は、同一の長さであってもよく、異なる長さであってもよい。望ましくは、L1は、各々の第2の帯状体の長さL2を超える。
【0057】
各屈曲ストラットは、一定の幅を有することを特徴としてもよい。状況に応じ、第1の帯状体の屈曲ストラットの幅W1は、第2の帯状体の屈曲ストラットの幅W2を超える。
長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、少なくとも1個のコネクタ320により、好ましくは複数のコネクタにより、互いに連結される。本実施例においては、コネクタは直線状をなし、ステント300の長さ方向の軸線301に非平行である。また、図3aに示される実施例においては、コネクタの長さは、帯状体の長さL2よりもかなり短くなっている。しかしながら、状況に応じて、屈曲部をより多く有するコネクタや異なる長さを有するコネクタ等の、他のコネクタも使用することができる。
【0058】
本実施例においては、コネクタは、帯状体の突部と近接する帯状体の溝部との間に延びる。本実施例においては、コネクタの長さは、第2の帯状体の長さL2よりも短くなっている。
【0059】
第1の通路及び第2の通路は、次のように設けられてもよい。近接する第1の帯状体と第2の帯状体の間に複数のコネクタが設けられる場合には、周方向において近接するコネクタ同士は、第1の帯状体に沿った第1の通路と第2の帯状体に沿った第2の通路とを介して、連結される。第1の通路は、望ましくは、第2の通路と同一の長さを有する。
【0060】
図3aの実施例においては、第1の通路は、合計4個の突部及び溝部(即ち、2個の突部と2個の溝部)を横断し、第2の通路は、合計6個の突部及び溝部(即ち、3個の突部と3個の溝部)を横断する。
【0061】
図4aは、上述した図1a〜図3aの実施例と類似する実施例を示す。
この実施例においても、ステントの周面上に通路を形成する第1の帯状体と第2の帯状体が設けられる。第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有してもよく、異なる長さを有してもよいが、望ましくは、同一の長さを有する。
【0062】
長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、少なくとも1個のコネクタ420により、好ましくは複数のコネクタにより、互いに連結される。本実施例においては、コネクタは直線状をなし、ステント400の長さ方向の軸線401に非平行である。しかしながら、屈曲部をより多く有するコネクタや異なる長さを有するコネクタ等の、他のコネクタも使用することができる。
【0063】
本実施例においては、コネクタは、帯状体の突部と近接する帯状体の溝部の間に延びる。この実施例においては、コネクタの長さは、第2の帯状体の長さL2よりも短くなっている。
【0064】
第1の通路及び第2の通路は、次のように設けられてもよい。近接する第1の帯状体と第2の帯状体の間に複数のコネクタが設けられる場合には、周方向において近接するコネクタ同士は、第1の帯状体に沿った第1の通路と第2の帯状体に沿った第2の通路とを介して、互いに連結される。第1の通路は、望ましくは、第2の通路と同一の長さを有する。
【0065】
図4aに示される実施例においても、図3aに示される実施例と同様に、第1の通路は、合計4個の突部及び溝部(即ち、2個の突部と2個の溝部)を横断し、第2の通路は、合計6個の突部及び溝部(即ち、3個の突部と3個の溝部)を横断する。
【0066】
図4aの実施例におけるコネクタは、ステント400の長さ方向の軸線401に対して、図3aの実施例のコネクタとは異なる角度をなしており、図4aの実施例のコネクタの長さ方向の軸線に対してなす角度は、より小さくなっている。
【0067】
本発明のステントの別例を、図5aにおいて全体を符号500にて示す。この実施例においても、周方向に延びる複数の帯状体が設けられる。近接する帯状体同士は、互いに連結される。帯状体は、周方向に延びる第1の帯状体504と、周方向に延びる第2の帯状体512とを備える。第1の帯状体504は、屈曲ストラット510により連結されて交互に第1の個数配置される、第1の突部506と第1の溝部508を有することを特徴とする。第2の帯状体512は、屈曲ストラット518により連結されて交互に第2の個数配置される、第2の突部514と第2の溝部516を有することを特徴とする。本実施例においては、第2の突部及び溝部の数は、第1の突部及び溝部の数と同一となっている。
【0068】
第1の帯状体と第2の帯状体は、それぞれ、ステントの周面上に通路を形成する。第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有してもよく、異なる長さを有してもよい。図5aに示される実施例においては、第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有する。
【0069】
第1及び第2の突部と第1及び第2の溝部は、ステント500の長さ方向の軸線501に対して、少なくとも10°の角度をなし、望ましくは、長さ方向の軸線501に対して、少なくとも15°の角度をなす。
【0070】
本実施例においては、図5bに示されるように、第1の帯状体の長さL1は、第2の帯状体の長さL2にほぼ等しい。
また、図5bの実施例に示されるように、第1の帯状体の各屈曲ストラットの幅W1は、第2の帯状体の各屈曲ストラットの幅W2に等しい。必要に応じ、これらの幅を異なるようにしてもよい。例えば、第1の帯状体の幅W1は、第2の帯状体の幅W2を超えるようにしてもよい。
【0071】
図5aに示される実施例においては、長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、少なくとも1個のコネクタ520により、望ましくは複数のコネクタにより、互いに連結される。本実施例においては、通常、他のいくつかの実施例の直線状をなすコネクタとは対照的に、コネクタは屈曲している。本実施例においては、コネクタは、帯状体の溝部から近接する帯状体の溝部へ延びる。コネクタの長さは、帯状体の長さL1及びL2よりも長くなっている。
【0072】
近接する第1の帯状体と第2の帯状体の間に複数のコネクタが設けられる場合には、周方向において近接するコネクタ同士は、第1の帯状体に沿った第1の通路と第2の帯状体に沿った第2の通路とを介して、互いに連結される。望ましくは、第1の通路は、第2の通路と同一の長さを有する。第1の通路は、それぞれ、合計6個の突部及び溝部(即ち、3個の突部と3個の溝部)を横断し、第2の通路は、それぞれ、合計6個の突部及び溝部(即ち、3個の突部と3個の溝部)を横断する。
【0073】
図6aにおいて全体が符号600にて示される、本発明のステントの別の実施例においては、ステントは、周方向に延びる複数の帯状体を有し、近接する帯状体同士は、互いに連結される。帯状体は、周方向に延びる第1の帯状体604と、周方向に延びる第2の帯状体612とを有する。第1の帯状体604は、交互に第1の個数配置される、第1の突部606と第1の溝部608を有することを特徴とする。第2の帯状体612は、交互に第2の個数配置される、第2の突部614と第2の溝部616を有することを特徴とする。第2の個数は、第1の個数とは異なる。第1の突部及び溝部は、ステント600の長さ方向の軸線601に非平行である。また、第2の突部及び溝部は、ステントの長さ方向の軸線601に非平行である。望ましくは、突部及び溝部は、ステントの長さ方向の軸線に対して、少なくとも10°の角度をなし、さらに望ましくは、ステントの長さ方向の軸線に対して、少なくとも15°の角度をなす。
【0074】
第1の帯状体と第2の帯状体は、それぞれ、ステントの周面上に通路を形成する。第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有する。
ステントは、さらに、フィンガー状をなす突部に類似する形状をなす屈曲ストラットを有することを特徴とする。各屈曲ストラットは、一定の幅を有することを特徴としてもよい。必要に応じて、第1の帯状体の屈曲ストラットの幅W1は、第2の帯状体の屈曲ストラットの幅W2を超える。
【0075】
望ましくは、図6aに示されるように、周方向において近接する屈曲ストラット同士は、互いに平行となる。しかしながら、長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体の屈曲ストラット同士は、互いに平行であってもよく、非平行であってもよい。
【0076】
図6aの実施例においては、長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、少なくとも1個のコネクタ620により、望ましくは複数のコネクタにより、互いに連結される。通常、コネクタは、ほぼ直線状をなし、ステントの長さ方向の軸線601に非平行となる。本発明の別の実施例においては、他のコネクタ、例えば、1個以上の屈曲部を有するコネクタ及び/又は異なる長さを有するコネクタ等、を使用してもよい。望ましくは、図6aに示されるように、コネクタは、帯状体の突部から近接する帯状体の溝部に延びる。また、望ましくは、図6aに示されるように、コネクタの長さは、第2の帯状体の長さL2と同様の長さを有する。
【0077】
近接する第1の帯状体と第2の帯状体の間に複数のコネクタが設けられる場合には、周方向において近接するコネクタ同士は、第1の帯状体に沿った第1の通路と第2の帯状体に沿った第2の通路とを介して、互いに連結される。第1の通路は、望ましくは、第2の通路と同一の長さを有する。
【0078】
図6aの実施例においては、第1の通路は、それぞれ、合計4個の突部及び溝部(即ち、2個の突部と2個の溝部)を横断し、第2の通路は、それぞれ、合計6個の突部及び溝部(即ち、3個の突部と3個の溝部)を横断する。
【0079】
本発明のステントの別の実施例を、図7aにおいて全体を符号700にて示す。ステントは、周方向に延びる複数の帯状体を備える。近接する帯状体同士は、互いに連結される。帯状体は、周方向に延びる第1の帯状体704と周方向に延びる第2の帯状体712を備える。第1の帯状体704は、交互に第1の個数配置される、第1の突部706と第1の溝部708を有することを特徴とする。第2の帯状体712は、交互に第2の個数配置される、第2の突部714及び第1の溝部716を有することを特徴とする。第2の個数は、第1の個数とは異なる。第1の突部及び溝部は、ステント700の長さ方向の軸線701に非平行である。また、第2の突部及び溝部は、ステントの長さ方向の軸線701に非平行である。望ましくは、突部及び溝部は、ステントの長さ方向の軸線に対して、少なくとも10°の角度をなし、さらに望ましくは、ステントの長さ方向の軸線に対して、少なくとも15°の角度をなす。
【0080】
第1の帯状体と第2の帯状体は、それぞれ、ステントの周面上に通路を形成し、第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有する。
ステントは、さらに、図6aの実施例における突部と同様のフィンガー状をなす突部の形状をなす屈曲ストラットを有することを特徴とする。各屈曲ストラットは、一定の幅を有することを特徴としてもよい。必要に応じて、第1の帯状体の屈曲ストラットの幅W1は、第2の帯状体の屈曲ストラットの幅W2を超える。
【0081】
望ましくは、図7aに示されるように、周方向において近接する屈曲ストラット同士は、互いに平行となる。しかしながら、長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体の屈曲ストラット同士は、互いに平行であってもよく、非平行であってもよい。
【0082】
図7aの実施例においては、長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、少なくとも1個のコネクタ720により、望ましくは複数のコネクタにより、互いに連結される。通常、コネクタは、わずかに屈曲して、ステントの長さ方向の軸線701に非平行となる。本発明の別の実施例においては、他のコネクタ、例えば、1個以上の屈曲部を有するコネクタ及び/又は異なる長さを有するコネクタ等、を使用してもよい。望ましくは、図7aに示されるように、コネクタは、帯状体の突部から近接する帯状体の溝部に延びる。また、望ましくは、図7aに示されるように、コネクタの長さは、第2の帯状体の長さL2よりも短い。
【0083】
近接する第1の帯状体と第2の帯状体の間に複数のコネクタが設けられる場合には、周方向において近接するコネクタ同士は、第1の帯状体に沿った第1の通路と第2の帯状体に沿った第2の通路とを介して、互いに連結される。第1の通路は、望ましくは、第2の通路と同一の長さを有する。
【0084】
図7aの実施例においては、第1の通路は、それぞれ、合計4個の突部及び溝部(即ち、2個の突部と2個の溝部)を横断し、第2の通路は、それぞれ、合計6個の突部及び溝部(即ち、3個の突部と3個の溝部)を横断する。
【0085】
本発明のステントの別の実施例を、図8aに示す。本実施例において、ステントは、図7aに示されるステントとほぼ類似する。図7aに示されるコネクタがわずかに屈曲しているのに対し、図8aの実施例に示されるコネクタ820は、直線状をなす。コネクタ820の長さも、第2の帯状体の長さL2よりも短くなっている。
【0086】
本実施例においても、近接する第1の帯状体と第2の帯状体の間には、複数のコネクタが設けられる。周方向において近接するコネクタ同士は、第1の帯状体に沿った第1の通路と第2の帯状体に沿った第2の通路とを介して、互いに連結される。第1の通路は、望ましくは、第2の通路と同一の長さを有する。図8aの実施例においても、第1の通路は、それぞれ、合計4個の突部及び溝部(即ち、2個の突部と2個の溝部)を横断し、第2の通路は、それぞれ、合計6個の突部及び溝部(即ち、3個の突部と3個の溝部)を横断する。
【0087】
望ましくは、図9bに示されるように、第1の帯状体204と第2の帯状体212は、それぞれ、L1及びL2の長さを有することを特徴とする。各々の第1の帯状体の長さL1は、各々の第2の帯状体の長さL2を超える。
【0088】
別の実施例においては、本発明は、図9aにおいて全体が符号200にて示されるような、周方向に延びる複数の帯状体を備え、近接する帯状体同士が、互いに連結されるステントに関する。帯状体は、周方向に延びる第1の帯状体204と周方向に延びる第2の帯状体212を有する。第1の帯状体204は、交互に第1の個数配置される、第1の突部206と第1の溝部208を有することを特徴とする。第2の帯状体212は、交互に第2の個数配置される、第2の突部214と第2の溝部216を有することを特徴とする。第2の個数は、第1の個数とは異なる。第1の突部及び溝部は、ステントの長さ方向の軸線201に非平行である。また、第2の突部及び溝部は、ステントの長さ方向の軸線に非平行である。望ましくは、突部及び溝部は、ステントの長さ方向の軸線に対して、少なくとも10°の角度をなし、さらに望ましくは、ステントの長さ方向の軸線に対して、少なくとも15°の角度をなす。必要に応じて、第1の帯状体と第2の帯状体は、それぞれ、ステントの周面上に通路を形成する。第1の通路と第2の通路は、同一の長さを有する。
【0089】
望ましくは、図9bに示されるように、第1の帯状体204と第2の帯状体212は、それぞれ、L1及びL2の長さを有することを特徴とする。各々の第1の帯状体の長さL1は、第2の帯状体の長さL2を超える。
【0090】
また、望ましくは、周方向において近接する第1の突部と第1の溝部は、ストラット218aにより、互いに連結され、周方向において近接する第2の突部と第2の溝部は、ストラット218bにより、互いに連結される。第1の帯状体のストラットは、第2の帯状体のストラットの幅W2を超える、幅W1を有することを特徴とする。
【0091】
通常、図9aに示されるように、周方向において近接するストラット同士は、互いに平行となる。
長さ方向において近接する第1の帯状体と第2の帯状体は、1個又は複数のコネクタにより、互いに連結されてもよい。コネクタは、任意の形状をとることができる。一実施例においては、図9aに示されるように、直線状をなすコネクタ220を使用してもよい。コネクタは、図9bに示されるように、長さ方向の軸線に非平行であってもよく、別の実施例におけるように、長さ方向の軸線に平行であってもよい。
【0092】
コネクタは、帯状体の任意の領域から、近接する帯状体の任意の領域に延びるようにしてもよい。図9aの実施例においては、コネクタは、帯状体の突部から近接する帯状体の溝部に延びる。図9aの実施例においては、長さ方向において近接する第1の帯状体204と第2の帯状体212は、複数のコネクタ220により連結され、コネクタの長さは、第2の帯状体の長さL2よりも短くなっている。周方向において近接するコネクタ同士は、第1の帯状体に沿った第1の通路と第2の帯状体に沿った第2の通路とを介して連結されてもよい。第1の通路は、望ましくは、第2の通路の長さと同一の長さを有する。
【0093】
望ましくは、図9aに示されるように、長さ方向において近接する第1の帯状体、例えば第1の帯状体204a,204bのストラット218a同士は、互いに非平行となる。さらに望ましくは、図9aに示されるように、長さ方向において近接する第1の帯状体のストラット同士は、ステントの長さ方向の軸線に対して斜状をなし、反対方向に指向する。理論にとらわれることなく、近接する第1の帯状体同士が交互に反対の方向に指向することにより、大きく回転してトルクが発生し、ステントの性能が低下するのを防ぐことができると考えられる。
【0094】
本発明の別の実施例においては、第1の帯状体は、直線状をなすコネクタにより、第2の帯状体に連結される。直線状をなすコネクタは、近接する帯状体の同じような屈曲部の間に延びる。図10aの例に示されるように、コネクタ220aは、第1の帯状体204aの突部206と第2の帯状体212の突部214の間に延びる。コネクタ220bは、第2の帯状体212の溝部216と第1の帯状体204bの溝部208の間に延びる。
【0095】
図10aの実施例においては、コネクタ220a,220bの長さは、第1の帯状体204の長さL1よりも短いが、図10aの実施例のコネクタよりは長い。本発明の別の実施例においては、より長いコネクタを使用してもよい。本願に開示される他のコネクタも、異なる特性を得るために使用することができる。
【0096】
本発明は、第1の帯状体のストラットの方向が、連続する第1の帯状体の間において、長さ方向の軸線に対して、交互に逆方向に指向する実施例にも関する。図11の実施例においては、近接する第1の帯状体304a,304bのストラットは、長さ方向の軸線に対して、交互に反対方向に指向する。さらに、第2の帯状体312a,312bは、それぞれ、複数の連続するストラット307' と複数の連続するストラット307''を備えてもよい。ストラット307' は、ステントの長さ方向の軸線に対して、第1の方向に指向し、ストラット307''は、ステントの長さ方向の軸線に対して、第1の方向とは逆の第2の方向に指向する。近接する帯状体同士は、コネクタ329により連結される。望ましくは、図11の実施例においては、コネクタは長さ方向に指向する。本願に開示される他のコネクタも、異なる特性を有するステントを得るために使用することができる。
【0097】
第1の帯状体304a,304bは、ステントの外周面の周囲において、第2の帯状体312a,312bと同じ長さであってもよく、それより長くてもよい。第1の帯状体304a,304bは、望ましくは、第2の帯状体312a,312bよりも広い幅を有する。また、第1の帯状体は、第2の帯状体よりも、突部と溝部が少ないことが望ましい。
【0098】
なお、本願に開示される任意の実施例において、近接する帯状体の間に延びるコネクタの数を変更することは、本発明の範囲に包含される。例えば、ステントの基端部及び/又は先端部がより可撓性を有するように、ステントの中央において近接する帯状体同士を連結するコネクタの数は、ステントの基端部及び/又は先端部において近接する帯状体同士を連結するコネクタの数よりも多くしてもよい。また、ステントの中央部がステントの基端部及び/又は先端部よりも可撓性を有するように、ステントの中央部のコネクタの数が、ステントの基端部及び/又は先端部のコネクタの数よりも少なくなるようにしてもよい。コネクタの数は、ステント全体の剛性を高めるために、ステント全体にわたって数を多くしてもよい。
【0099】
本発明は、図1aの例に示されるような、複数の開口部122を有する側壁を備えたステントにも関する。各開口部は、少なくとも第1のステント部材と第2のステント部材とにより画定される。第1のステント部材134(斜線にて示す)は、第2のステント部材142(斜線にて示す)よりも広い幅を有する。第1のステント部材134は、ステントの長さ方向の軸線101に非平行となるように延びる、複数個の第1の屈曲ストラット110を備える。第2のステント部材142は、ステントの長さ方向の軸線に非平行となるように延びる、複数個の第2の屈曲ストラット118を備える。第1の屈曲ストラットは、ステントの長さ方向の軸線に非平行となる、フィンガー状をなす第1の突部124(斜線にて示す)を形成する。第2の屈曲ストラットは、ステントの長さ方向の軸線に非平行となる、フィンガー状をなす第2の突部126を形成する。なお、第1の突部の数は、第2の突部の数を上回る。
【0100】
望ましくは、図1aの実施例に示されるように、各開口部は、第2の突部に非平行となる第1の突部により形成される。
別の実施例においては、図9aの例に示されるように、ステントは複数の開口部を備え、同開口部は、第1の開口部222aと第2の開口部222bを有する。第1の開口部222aは、それぞれ、第2の突部226aに平行となる第1の突部224aを備える。第2の開口部222bは、それぞれ、第2の突部226bに非平行となる第1の突部224bを備える。
【0101】
図9aのステントも、第1の開口部と第2の開口部を有する。第1の開口部は、それぞれ、第2の突部に平行となる第1の突部を備える。第2の開口部は、それぞれ、第2の突部に非平行となる第1の突部を備える。
【0102】
別の実施例においては、本発明は、図12において符号100にて示されるような、周方向に延びる複数の帯状体を備えるステントに関する。近接する帯状体同士は、互いに連結される。ステントの少なくとも一部は、望ましくは、図12に示されるように、ステントの全体は、周方向に延びる第1の帯状体104と、周方向に延びる第2の帯状体112からなる。第1の帯状体104は、屈曲ストラット110により連結されて交互に第1の個数配置される、第1の突部106と第1の溝部108を有することを特徴とする。第2の帯状体112は、屈曲ストラット118により連結されて交互に第2の個数配置される、第2の突部114と第2の溝部116を有することを特徴とする。通常、図12に示されるように、第2の突部及び溝部の第2の個数は、第1の突部及び溝部の第1の個数とは異なり、望ましくは第1の個数を超える。第1の帯状体は、少なくとも1個の、望ましくは図12に示されるように、複数のコネクタ120により、近接する第2の帯状体に連結される。コネクタ120は、第1の帯状体の溝部から第2の帯状体の溝部へ延び、また、第2の帯状体の突部から第1の帯状体の突部へ延びる。コネクタ120は屈曲し、第1の帯状体のストラットにほぼ平行となる。
【0103】
図12の実施例においては、端部の帯状体のコネクタを除き、先端方向に延びる各コネクタは、ストラット110により、先端方向に延びるコネクタとは分離される。
図13の実施例においては、近接する第1の帯状体104と第2の帯状体112は、1個のコネクタにより、望ましくは複数のコネクタ120により、互いに連結される。コネクタ120は、第1の帯状体の突部106から第2の帯状体112の溝部116へ延び、また、第2の帯状体112の突部114から第1の帯状体104の溝部108へ延びる。コネクタ120は、望ましくは、第2の帯状体112のストラットよりもかなり短くされる。さらに望ましくは、コネクタ120の長さは、第1の帯状体104のストラット110の幅と同じくらいの大きさである。図13に示されるように、先端方向に延びる各コネクタは、3個のストラットにより、基端方向に延びるコネクタとは分離される。コネクタ120は、直線状をなし、長さ方向の軸に平行となる。
【0104】
図13の実施例においては、他の多くの実施例と同様に、コネクタ120は、突部及び溝部の中間部から延びるのではなく、突部及び溝部の隅部から延びる。図12の実施例においては、コネクタは、突部及び溝部の中間部から延びる。
【0105】
図13に示す本発明のステントの屈曲ストラット110の各部分110a,110bは、図12に示すステントの屈曲ストラットの個々の部分に比べて、長さ方向の軸線に対して、より緩やかな角度をとる。具体的には、図12のステントの屈曲ストラットの各部分は、長さ方向の軸線に対して、40°の角度をなして延びるが、図13のステントの屈曲ストラットの各部分は、長さ方向の軸線に対して、30°の角度をなして延びる。
【0106】
近接する帯状体の配置によっては、コネクタは、長さ方向の軸線に対して、図14に示されるような角度をなしてもよい。コネクタ120は、長さ方向の軸線に非平行であり、長さ方向の軸線に対して斜状をなして延びる。図14のステントにおいては、長さ方向の軸線に対してコネクタが指向する方向は、ステントの長さ方向に沿って反対になる。コネクタ120aは、ステントの長さ方向の軸線に対して第1の方向に延び、コネクタ120bは、ステントの長さ方向の軸線に対して、第1の方向とは逆の第2の方向に延びる。
【0107】
図15の実施例においては、屈曲ストラット110の各部分110a,110bは、ステントの長さ方向の軸線に対して、40°の角度をなして延びる。直線状をなすコネクタ120は、近接する帯状体104,112の間に設けられる。
【0108】
図16の実施例においては、近接する第1の帯状体104と第2の帯状体112は、前記実施例のいくつかと比べると、相対的により離間するように配置されている。その結果、コネクタ120は、コネクタが突部と溝部の間に延びる他の実施例に比べて、より長くなっている。また、第1の帯状体104の屈曲ストラット110は、第2の帯状体112の屈曲ストラット110にかなり近い幅となっている。
【0109】
図17では、第1の帯状体の屈曲ストラットがより狭い幅を有し、コネクタ120が、ステントの長さ方向の軸線に平行である。
図18の実施例は、図17の実施例に類似するが、図17のストラットが長さ方向の軸線に対して30°の角度をなして延びるのに対し、図18の屈曲ストラットの各部分は長さ方向の軸線に対して40°の角度をなして延びている点が異なる。
【0110】
図19のステントは、周方向に延びる第1の帯状体104と、周方向に延びる第2の帯状体112を備える。第1の帯状体104は、屈曲ストラット110を有し、第2の帯状体112は、ステントの長さ方向の軸線に非平行である、比較的直線状をなすストラットを有する。第2の帯状体のストラットが指向する方向は、ステントの長さ方向に沿って反対になる。コネクタ120は、第1の帯状体104の突部106から第2の帯状体112の突部114へ延び、また、第2の帯状体112の溝部116から第1の帯状体104の溝部108へ延びる。
【0111】
図20の実施例においては、近接する帯状体104同士は、同一の長さを有し、同一数の突部106と同一数の溝部108を有する。コネクタ120は、帯状体104の突部106から近接する帯状体104の溝部108へ延び、帯状体104の溝部106から近接する帯状体104の突部106へ延びる。コネクタ120は、ステントの長さ方向の軸線に平行となる。
【0112】
図26の実施例においては、近接する帯状体104同士は、1個以上の部材130を共有する。帯状体104の1個以上の突部106aは、残りの突部106bよりも長く、この帯状体に近接する帯状体104の1個以上の溝部108aは、残りの溝部108bよりも長い。長い方の突部106aは、長い方の溝部108aと交差し、部材130を共有して、H字状の構造132を形成する。図26の実施例におけるH字状の構造は、ステントの長さ方向の軸線に対して斜状をなし、H字状の構造の横棒部分130は周方向に延びる。本発明の別の実施例においては、H字状の部材の横棒部分130は、例えば、図30に示されるように長さ方向に指向するか、又は図31に示されるように周方向に指向する。
【0113】
図26の実施例においては、近接する帯状体104同士の間には、3個の重なり領域130が設けられる。各セル136の先端部は、2個の完全な突部106と2個の完全な溝部108により形成され、各セル136の基端部は、2個の完全な突部106と2個の完全なセル136により形成される。近接する帯状体104同士の間に設けられる重なり領域130の数がより少ない場合も、より多い場合も、本発明の範囲内に含まれるものとする。図27の実施例においては、近接する帯状体104同士の間には、4個の重なり領域130が設けられる。各セル136の先端部は、3個の完全な突部106と3個の完全な溝部108により形成され、各セル136の基端部は、3個の完全な突部106と3個の完全な溝部136により形成される。H字状の構造132は、ステントの長さ方向の軸線に対して、斜状に延びる。
【0114】
図26〜図37のステントにおいては、最基端側と最先端側の帯状体104aの円周長さは、他の帯状体104bの円周長さよりも短い。望ましくは、円周長さの差は、約5%である。本発明の別の実施例においては、最基端側と最先端側の帯状体は、円周長さが、他の帯状体と同一である。また、別の実施例においては、最基端側と最先端側の帯状体の円周長さは、他の帯状体の円周長さよりも長い。別の実施例においては、最基端側と最先端側の帯状体だけが、他の帯状体よりも円周長さが長い。また、別の実施例においては、最基端側と最先端側の帯状体だけが、他の帯状体よりも円周長さが短い。別の実施例においては、最基端側と最先端側の帯状体の一方の円周長さが、他の帯状体の円周長さよりも長く、最基端側と最先端側の帯状体の他方の円周長さが、他の帯状体の円周長さよりも短い。
【0115】
図43〜図45のステントにおいては、最基端側の帯状体104aと最先端側の帯状体104cは、他の帯状体104bとは異なる円周長さを有する。この場合、帯状体104a,104cは、他の帯状体104bよりも短い。さらに、最基端側の帯状体104aは、最先端側の帯状体104cよりも、全体の長さが短い。図43〜図45のステントにおいては、近接する帯状体104同士は、重なり領域130を有する。より一般的には、本発明は、周方向に延びる帯状体を備え、最基端側と最先端側の帯状体が、他の帯状体よりも短い円周長さを有し、最基端側と最先端側の帯状体の一方が、他方よりも短いステントに関する。帯状体同士は、互いに対して重なり合ってもよく、近接する帯状体同士の間の間隙に延びる連結部材により連結されてもよい。
【0116】
図43〜図45のステントは、ステントの長さに沿って、重なり領域130が交互に2個と3個配置される。これにより、ステントの周囲に延びる3個のセル136を有する領域とステントの周囲に延びる2個のセル136を有する領域が交互に設けられることになる。より一般的には、本発明は、ステントの長さに沿って、重なり領域の数又は近接する帯状体間に設けられる連結部材の数が交互に入れ替わるステントに関する。このため、重なり領域の数又は近接する帯状体間に設けられる連結部材の数は、交互にN個とM個になる。なお、NとMは、1以上の互いに異なる整数である。本発明は、また、ステントの長さに沿って、帯状体のセルの数が交互に入れ替わるステントにも関する。従って、ステントの周面上に配置されるセルの数は、ステントの長さに沿って、交互にN個とM個になる。なお、NとMは、1以上の互いに異なる整数である。
【0117】
図43〜図45のステントは、また、一方の端部の周面上に配置されるセルの数が、他方の端部の周面上に配置されるセルの数よりも多い。
また、本発明は、図12の例に示されるような、近接する帯状体同士が複数のコネクタにより連結される、周方向に延びる複数の帯状体を備えたステントに関する。帯状体は、周方向に延びる第1の帯状体104と周方向に延びる第2の帯状体112を有する。第1の帯状体104は、交互に第1の個数配置されて、屈曲ストラットにより連結される第1の突部106と第1の溝部108を有することを特徴とする。第2の帯状体212は、交互に第2の個数配置されて、屈曲ストラット118により連結される第2の突部114及び第2の溝部116を有することを特徴とする。第2の個数は、第1の個数とは異なる。第2の帯状体112は、それぞれ、少なくとも1個のコネクタ120により、望ましくは複数のコネクタ120により、近接する第1の帯状体104の一つに連結される。1個以上のコネクタ120は、近接する第1の帯状体104の突部106から第2の帯状体112の突部114に延びる。第2の帯状体112は、それぞれ、1個以上のコネクタ120により、近接する別の第1の帯状体104に連結される。コネクタ120は、この第1の帯状体104の溝部108から第2の帯状体112の溝部116に延びる。
【0118】
コネクタ120は直線状でないことが望ましい。さらに望ましくは、図12に示されるように、コネクタ120は、第1の帯状体104の屈曲ストラット110にほぼ平行となる。
【0119】
図12の実施例においては、各第1の帯状体104の長さは、各第2の帯状体112の長さを超えることを特徴とする。第1の帯状体と第2の帯状体の長さが同一の場合も、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0120】
また、図12の実施例においては、第1の帯状体104は、それぞれ、第1の円周長さを有し、第2の帯状体112は、それぞれ、第2の円周長さを有することを特徴とする。第1の円周長さは、第2の円周長さと等しくされるが、本発明の別の実施例においては、第1の帯状体と第2の帯状体は、円周長さが異なっていてもよい。
【0121】
また、本発明は、図43の例に示されるような、蛇行して周方向に延びる複数の帯状体104を備えるステントに関する。近接する帯状体104同士は、互いに連結される。帯状体104は、蛇行して周方向に延びる第1の帯状体104aと、蛇行して周方向に延びる第2の帯状体104bと、蛇行して周方向に延びる第3の帯状体104cとを有する。第1の帯状体104aは、ステントの基端部において、第1の円周長さを有する。第2の帯状体104bは、ステントの先端部において、第2の円周長さを有する。第3の帯状体104cは、ステントの基端部と先端部の間において、第3の円周長さを有する。第1の円周長さと第2の円周長さは、互いに異なる。望ましくは、第1の円周長さと第2の円周長さと第3の円周長さとは互いに異なり、さらに望ましくは、第1の円周長さと第2の円周長さは、第3の円周長さよりも短い。
【0122】
図43に示されるように、蛇行して周方向に延びる帯状体は、第1の長さを有する帯状体104aと、第1の長さとは異なり、望ましくは第1の長さよりも短い第2の長さを有する帯状体104bとを備える。第1の長さは、第2の長さよりも長い。
【0123】
ステントは、必要に応じて、第1の個数の突部及び溝部を有する蛇行して周方向に延びる帯状体と、第2の個数の突部及び溝部を有する蛇行して周方向に延びる帯状体とを備えてもよい。第2の個数は、図12の例に示されるように、第1の個数よりも少ない。
【0124】
望ましくは、図43に示されるように、各帯状体104a〜104cは、複数の突部106及び溝部108を備え、屈曲ストラット110が、近接する突部106と溝部108の間に延びるように設けられる。周方向において近接する屈曲ストラット110は、本願に開示される他の多くの実施例と同じく、入れ子状である。
【0125】
本発明は、また、図43の例に示されるような、蛇行して周方向に延びる、相互に連結された複数の帯状体104a〜104cを備えるステントにも関する。各帯状体は、複数の突部106及び溝部108を備える。近接する突部106と溝部108は、屈曲ストラット110により連結される。屈曲ストラット110は、入れ子状となるように配置される。帯状体104は、蛇行して周方向に延びる第1の帯状体104aと、蛇行して周方向に延びる第2の帯状体104bと、蛇行して周方向に延びる第3の帯状体104cとを有する。第1の帯状体104aは、ステントの基端部において、第1の円周長さを有する。第2の帯状体104bは、ステントの先端部において、第2の円周長さを有する。第3の帯状体104cは、ステントの基端部と先端部の間において、第3の円周長さを有する。第1の円周長さと第2の円周長さの少なくとも一方は、第3の円周長さとは異なる。
【0126】
望ましくは、図43に示されるように、第1の円周長さと第2の円周長さの両方が、第3の円周長さと異なる。さらに望ましくは、第1の円周長さと第2の円周長さの少なくとも一方は、第3の円周長さよりも短い。
【0127】
近接する帯状体同士は、突部から溝部へ延びるコネクタにより連結されてもよい。コネクタは、屈曲ストラットよりも短い。図43の実施例においては、近接する帯状体104の突部106a及び溝部108aの数個が、互いに重なり合って、連結される。重なり合った突部106aと溝部108aは、残りの突部106及び溝部108よりも長い。近接する帯状体の間の重なり領域130は、ステントの長さ方向の軸線に対して、斜状に延びる。重なり領域は、周方向に延びてもよく、長さ方向に延びてもよい。これらの方向に延びる重なり領域130の例は、図30及び図38に示す。
【0128】
本発明は、また、図30に示されるような、蛇行して周方向に延びる複数の帯状体104を備えるステントにも関する。各帯状体104は、屈曲ストラット110により連結される複数の突部106及び溝部108を備える。近接する帯状体104同士は、1個以上の重なり領域130において、互いに連結される。重なり領域130においては、帯状体の突部106aが近接する帯状体の溝部108aに重なる。1個以上の重なり領域130は、長さ方向に延びる。
【0129】
必要に応じて、帯状体104の少なくとも1個は、他の帯状体104に比べて、円周長さが長い。図30の実施例においては、最基端側と最先端側の帯状体104aは、ステントの残りの帯状体104bに比べて、円周長さが短い。
【0130】
本発明は、また、図37の例に示されるような、蛇行して周方向に延びる複数の帯状体104を備え、各帯状体104が複数の突部106及び溝部108を備えるステントに関する。近接する突部106と溝部108は、入れ子状の屈曲ストラット110により連結される。近接する帯状体104同士は、複数の連結部130により連結される。ステントは、第1の個数の連結部により連結される2個の帯状体と、第2の個数の連結部により連結される2個の帯状体とを備える。なお、第2の個数は、第1の個数とは異なる。
【0131】
連結部は、近接する帯状体104同士の突部106a及び溝部108aからなる重なり領域130の形態をとってもよく、一帯状体から別の帯状体へ延びる直線状をなす短片の形態をとってもよい。後者のコネクタの例は、図25に示す。
【0132】
通常、ステントには、第1の個数の連結部が、第2の個数の連結部の2倍設けられる。図37の実施例においては、最基端部の帯状体104aとそれに近接する帯状体104bの間には、6個の連結部が設けられ、最先端部の帯状体104cとそれに近接する帯状体104bの間にも、6個の連結部が設けられる。近接する残りの帯状体104bは、3個の連結部を有する。他の個数の連結部も本発明の範囲内に含まれる。例としては、最基端側の帯状体とそれに近接する帯状体及び/又は最先端側の帯状体とそれに近接する帯状体は、4個以上の連結部を有し、残りの帯状体は3個の連結部を有するようにしてもよい。
【0133】
ステントは、必要に応じ、最基端側の帯状体と最先端側の帯状体の少なくとも一方の円周長さが、その他の帯状体の円周長さと異なるように構成してもよい。通常は、最基端側及び/又は最先端側の帯状体の円周長さは、残りの帯状体の円周長さよりも短い。さらには、最基端側の帯状体の円周長さは、最先端側の帯状体の円周長さと異なるようにしてもよい。
【0134】
本発明は、また、図37の例に示されるような、蛇行して周方向に延び、近接する複数の帯状体104を備え、帯状体104が交互に配置される溝部108及び突部106を有するステントに関する。近接する帯状体104同士は、その間に複数のセル136を有する。少なくとも2個の近接する帯状体104は、複数の第1セル136aと複数の第2セル136bをその間に有する。第2セル136bは、第1セル136aよりも大きい。望ましくは、第1セル136aと第2セル136bは、ステントの周面上において、交互に配置される。必要に応じて、図37に示されるように、ステントの基端部において、少なくとも2個の近接する帯状体104同士は、複数の第1セル136aと複数の第2セル136bをその間に有する。第2セル136bは、第1セル136aよりも大きい。また、ステントの先端部においては、少なくとも2個の近接する帯状体104同士は、複数の第1セル136aと複数の第2セル136bをその間に有する。第2セル136bは、第1セル136aよりも大きい。望ましくは、第2セル136bは、第1セル136aの面積の少なくとも約2倍の面積となる。図37の実施例においては、第1セル136aは、一端部が突部106により画定され、他端部が溝部108により画定される。
【0135】
本発明のいくつかの実施例においては、周方向において近接するストラット同士は、互いに非平行となっている。例えば、図40及び図43の実施例においては、差込図Aに示されるように、屈曲ストラット110は、エルボ110cにより連結される第1の領域110aと第2の領域110bとを備える。第1の領域110aは、第2の領域110bよりも長い。第1の領域110aは、それぞれ、ステントの長さ方向の軸線に対して角度α(又は180−α。第1の領域がステントの先端側へ上傾するか、下傾するかにより決まる。)をなし、第2の領域110bは、それぞれ、ステントの長さ方向の軸線に対して角度β(又は180−β。第2の領域がステントの先端側へ上傾するか、下傾するかにより決まる。)をなす。エルボ110cは、180−α−βにより求められる角度γをなす。望ましくは、αとβは、エルボ110cの角度γが約5〜90度をなすように選択される。
【0136】
ステントの各突部104は、1個の屈曲ストラットからなる第1の領域110aと、第1の領域から延びる第2の屈曲ストラットからなる第2の領域110bとを有する。突部から延びる第1の領域110aと第2の領域110bは、互いに非平行となる。ステントの各溝部106は、1個の屈曲ストラットからなる第1の領域110aと、第1の領域から延びる第2の屈曲ストラットからなる第2の領域110bとを有する。溝部から延びる第1の領域110aと第2の領域110bも、互いに非平行となる。
【0137】
第1の領域と第2の領域の長さが異なり、第1の領域と第2の領域の角度が異なるため、任意の帯状体のエルボ110cの近接する屈曲点110d同士は、ステントの周面を横切るにつれて、長さ方向においてわずかに偏移する。
【0138】
これらの特徴により、ステントの捲縮性を高めることができる。
望ましくは、本発明のステントのエルボ領域の角度γは、ステントの拡張時にも一定であり、拡張された状態においても、非拡張時とほぼ同じ角度となる。この特徴は、ステントの圧縮強さに寄与する。
【0139】
本発明は、また、蛇行して周方向に延びる複数の帯状体を備えるステントに関する。帯状体は、蛇行して周方向に延びる第1の帯状体と、蛇行して周方向に延びる第2の帯状体とを備える。第1の帯状体は、複数の突部と溝部を備え、近接する突部と溝部は、屈曲ストラットにより連結される。第2の帯状体は、複数の突部と溝部を備え、近接する突部と溝部は、比較的直線状をなすストラットにより連結される。第1の帯状体と第2の帯状体は、互いに連結される。望ましくは、第1の帯状体と第2の帯状体は、複数のコネクタにより連結される。コネクタは、必要に応じ、直線状をなしてもよく、ステントの長さ方向の軸線に非平行であってもよい。通常、コネクタは、第1の帯状体の突部から第2の帯状体の突部に延びる。
【0140】
このようなステントの一例を図19において符号100にて示す。図19のステントは、複数の第1の帯状体と複数の第2の帯状体を備え、近接する帯状体同士は互いに連結される。図19のステントにおいては、第1の帯状体と第2の帯状体は、ステントの全長にわたって、交互に配置される。
【0141】
本願に開示される任意のステントにおいては、直径が均一となるようにしてもよく、ステントの全長にわたって、又は、部分的に、テーパ状をなすような構成にしてもよい。また、本発明のステントの様々な部分の幅及び/又は厚さは、ステントの任意の部分において、大きくしたり、小さくしたりすることができる。例えば、帯状体及び/又はコネクタの幅及び/又は厚さは、ステントの任意の部分において、又はステントの全長にわたって、大きくしたり、小さくしたりすることができる。連続する第1の帯状体の幅及び/厚さが小さくなる場合でも、連続して波状をなす複数の第1の帯状体の振幅と波長は一定であってもよい。同様に、連続する第2の帯状体の幅及び/厚さが小さくなる場合でも、連続して波状をなす複数の第2の帯状体の振幅と波長は一定であってよい。
【0142】
本発明のステントは、ステントの一端部又は両端部が、他の部分に比べ、より剛性を有するように、又はより可撓性を有するように変更してもよい。本願に開示される本発明のステントのいずれも、最基端側及び/又は最先端側の帯状体の円周長さが、残りの帯状体の円周長さよりも長くなるように変更することができる。また、本願に開示される本発明のステントのいずれも、最基端側及び/又は最先端側の帯状体の円周長さが、残りの帯状体の円周長さよりも短くなるように変更することができる。さらには、本願に開示される本発明のステントのいずれも、一端部の帯状体の円周長さが、他端部の帯状体の円周長さよりも短くなるようにし、他端部の帯状体の円周長さが、残りの帯状体の円周長さよりも長くなるか、短くなるように変更してもよい。
【0143】
また、一端部又は両端部の帯状体が、残りの帯状体に比べて、長さが長くなるように変更したり、長さが短くなるように変更したりしてもよい。両端部の帯状体のそれぞれが、互いに長さが異なっていてもよく、残りの帯状体と長さが異なっていてもよい。
【0144】
また、任意の本発明のステントの両端部において、2個の最基端側の帯状体及び/又は2個の最先端側の帯状体が、残りの帯状体に比べて、帯状体間により多くの連結部、又は、より少ない連結部を備えるように変更してもよい。
【0145】
さらに、最基端側の帯状体及び/又は最先端側の帯状体は、残りの帯状体よりも質量を大きくしたり、小さくしたりしてもよい。最基端側の帯状体及び/又は最先端側の帯状体は、残りの帯状体よりも厚みを持たせてもよく、薄くしてもよい。
【0146】
終端効果を有する上述した変更例は、ステントの一端部又は両端部における複数の帯状体に適用することができ、最基端側の帯状体及び最先端側の帯状体に限定するものではない。
【0147】
本願に開示されるステントは、帯状体間に設けられる連結部に、異なるタイプの連結部を用いてもよい。つまり、本願に開示される任意のコネクタ及びコネクタ構成を、本願の任意の実施例において使用してもよい。例えば、近接する帯状体同士が重なり合う実施例において、近接する帯状体同士が重なり合わず、帯状体間に延びるコネクタにより連結されるように、ステントを変更してもよい。任意のコネクタ及びコネクタ構成を使用することができる。図46において符号120a〜120iにて示されるコネクタを含む、他の形状のコネクタも使用可能である。図46に示されるように、コネクタは、1個以上の屈曲部を有してもよい。コネクタは突部から溝部及び/又は突部から突部及び/又は溝部から突部及び/又は溝部から溝部に延びてもよい。コネクタは、各帯状体より長くてもよく、各短片より短くてもよい。コネクタが各帯状体よりも長い場合には、コネクタが屈曲部を備えなければならないこともある。
【0148】
本願に開示されるステントは、近接する帯状体間に設けられる連結部の数を変更してもよい。従って、より大きなセルが必要とされる場合には、帯状体間に設ける連結部の数を少なくする。また、より小さなセルが必要とされる場合には、帯状体間に設ける連結部の数を多くする。本願の任意の実施例において、ステントのいくつかの部分を変更し、他の部分を変更しなくてもよい。従って、ステントのいくつかの部分がより多くの連結部を有するようにし、他の部分が少ない連結部を有するようにしてもよい。さらに可撓性を高めるために、近接する帯状体間の連結部の数を少なくしてもよい。
【0149】
コネクタの幅は、ステントの最も広い幅のストラットより広くてもよく、最も狭い幅のストラットより狭くてもよく、その間の範囲であってもよい。領域によって可撓性が異なるように、いくつかの領域(例えば、ステントの一端部又は両端部)において、幅の広い連結部を用い、他の領域(例えば中央部)において幅の狭い連結部を用いるようにしてもよく、逆もまた同様である。
【0150】
本発明は、また、近接する帯状体間の間隔が、ステントの部分により異なる実施例にも範囲が及ぶものとする。例えば、最基端側の帯状体及び/又は最先端側の帯状体は、それらに近接する帯状体に対して、より離間するように配置されてもよく、より近接するように配置されてもよい。これにより、構成によって、端部の帯状体間において、より長いコネクタを設ける、又は、より短いコネクタを設けることになる。一実施例においては、最基端側の帯状体と最先端側の帯状体の両方が、残りの帯状体に比べて、近接する帯状体との間隔が狭くなるように構成される。また、最基端側の帯状体とそれに近接する帯状体との間隔は、最先端側の帯状体とそれに近接する帯状体との間隔とは異なる。
【0151】
本発明は、また、本願に開示される任意のステントにおいて、コネクタが突部及び溝部以外の領域、又は突部及び溝部の隅部以外の領域から延びる場合にも及ぶものとする。例えば、コネクタは、近接する突部及び溝部の中間の部分から延びてもよく、突部及び溝部の間の1/4の位置から延びてもよく、突部及び溝部の間の3/4の位置から延びてもよく、突部及び溝部の間のいずれの部分から延びてもよい。
【0152】
様々な実施例に示されるように、帯状体間の連結部は、長さ方向に延びてもよく、連結部が斜状に延びる場合と同様に、周方向及び長さ方向においてずらして配置される第1の端部と第2の端部を備えてもよい。連結部は、ステントの長さ方向の軸線に非平行となる部分を備えてもよい。
【0153】
近接する帯状体間の「相関係」も、任意の実施例において変更することができる。例えば、図24に示されるような実施例においては、近接する円筒状をなす帯状体の突部は、互いに長さ方向に一直線状をなすように配置してもよく、また、一直線状をなさないように配置してもよい。同様に、一帯状体の突部が、近接する帯状体の溝部に対して、長さ方向において一直線状をなすように配置してもよく、また、一直線状をなさないように配置してもよい。近接する帯状体の数個は一直線状をなすようにし、その他の近接する帯状体は一直線状をなさないように配置してもよい。
【0154】
本願における屈曲ストラットとは、通常、屈曲部分により連結される2個の短片をさす。短片は、図示されるように直線状をなすが、屈曲してもよい。屈曲ストラットは、1個以上の屈曲部を有するように変更してもよい。例えば、3個以上の短片と2個以上の屈曲部を有するストラットを使用することができる。より一般的には、ほぼ弓状となるストラットを使用することができる。
【0155】
本願に開示されるステントの形態は、二股のステントに用いてもよい。二股のステントの1個以上の脚部及び/又は胴体部に、本願に開示される任意のステントの設計を用いてもよい。
【0156】
本発明のステントは、公知のステント製造技術を用いて製造することができる。本発明のステント製造に適した方法には、レーザー切断、化学的方法によるエッチング、チューブのスタンピングが含まれる。また、本発明のステントは、レーザー切断、化学的方法によるエッチング、平面状シートへのスタンピング、シートの巻き加工、必要に応じてシートの溶着、を用いても製造することができる。他の適切な製造技術としては、溶接棒を用いた放電加工や、望ましいデザインにステントを成形する方法が含まれる。ステントは、個々の部分、例えば周方向に延びる帯状体、を溶着して製造することもできる。他の適切なステント製造方法も使用することができる。
【0157】
本発明のステント製造には、任意の適切なステント材料を使用することができる。このような材料の例としては、ポリマー材料、金属、セラミックス、複合材料等がある。適切なポリマー材料には、サーモトロピック液晶ポリマー(LCP)が含まれる。ステントが金属からなる場合には、金属は、ステンレス鋼、エルジロイ等のコバルトクロム合金、タンタル、その他の可塑的に変形可能な金属であってもよい。他の適切な金属としては、一般に「ニチノール」として知られるニッケルチタン合金、プラチナ/タングステン合金、チタン合金等の形状記憶金属が含まれる。
【0158】
本発明は、また、本発明のステントに1以上の材料を用いる場合にも、範囲が及ぶものとする。例えば、波状をなす第1の帯状体と波状をなす第2の帯状体は、異なる材料により形成されてもよい。必要に応じて、コネクタは、波状をなす第1の帯状体及び/又は波状をなす第2の帯状体とは異なる材料で形成してもよい。
【0159】
本発明のステントは、機械的に拡張可能な形態であっても、自己拡張する形態であっても、それら2つのハイブリッドの形態であってもよい。本発明によれば、機械的に拡張可能なステントは、バルーン等の適切な機械装置を用いて拡張することができる。
【0160】
本発明のステントは、適切な放射線不透過性のコーティングを備えてもよい。例えば、ステントは、金やその他の貴金属でコーティングしてもよく、タンタルやその他の金属でスパッタリングしてもよい。ステントは、放射線不透過性の材料から直接形成して、放射線不透過性のコーティングを施す必要をなくしてもよく、放射線不透過性の内核を有する材料でステントを形成してもよい。使用可能な放射線不透過性の金属としては、プラチナ、プラチナ−タングステン、パラジウム、プラチナ−イリジウム、ロジウム、タンタル、これらの金属からなる合金又は複合材料が含まれる。
【0161】
本発明のステントは、様々な生体適合性を有するコーティングを施して、ステントの様々な特性を向上させてもよい。例えば、本発明のステントは、潤滑コーティングを施してもよい。また、時間の経過とともに薬物を放出するように、薬物を含有したコーティングを施してもよい。屈曲ストラットを有するステントの表面積を増加させることにより、薬物のコーティング性が高められる。また、屈曲ストラットは、捲縮手段とストラットの接触やストラットの接触が点接触となるように設けられる。捲縮手段との接触が少なくなることにより、薬物コーティングが破砕されにくくなる。
【0162】
本発明のステントにおいて、糖質、より一般的には炭水化物、及び/又はゼラチンを用いて、ステントを体内の目的位置まで搬送する際に、ステントをバルーン上に保持するようにしてもよい。ステントに使用するのに適した他の化合物には、生体分解性ポリマーや体内の流体に溶けるポリマーが含まれる。ステントの内部及び/又は外部に、その化合物でコーティグを施したり、その化合物を含浸させてもよい。機械的に保持する装置を使用して、搬送時にステントをバルーン上に保持してもよい。そのために、本発明のステントに他のコーティングを使用することも、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0163】
コーティングには、1以上の遺伝子組み換えをしていない治療薬や遺伝物質や細胞、また、それらの組み合わせも、他のポリマーによるコーティングと同様に、含むものとする。
【0164】
遺伝子組み換えをしていない治療薬には、ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼ、PPack(デキストロフェニルアラニン プロリン アルギニン クロロメチルケトン)等の抗血栓剤や、平滑筋細胞の増殖を阻害することのできるエノキサプリン(enoxaprin) 又はアンギオペプチン又はモノクローナル抗体、ヒルジン、アセチルサリチル酸等の細胞増殖抑制剤や、デキサメタゾン、プレドニソロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、サルファサラジン、メサラミン等の抗炎症剤や、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポシロン、エンドスタチン、アンジオスタチン、チミジンキナーゼ阻害剤等の抗腫瘍剤/細胞増殖抑制剤/抗縮瞳剤や、リドカイン、ブピバカイン、ロピバカイン等の麻酔剤や、D−Phe−Pro−Argクロロメチルケトン、RGDペプチドを含む化合物、ヘパリン、抗トロンビン化合物、血小板レセプタ拮抗剤、抗トロンビン抗体、抗血小板レセプタ抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板抑制剤、ダニから抽出された(tick)抗血小板ペプチド等の抗血液凝固剤や、増殖因子阻害剤、増殖因子レセプタ拮抗剤、転写活性物質、翻訳促進物質等の血管細胞増殖促進物質や、増殖因子阻害剤、増殖因子レセプタ拮抗剤、転写抑制因子、翻訳抑制因子、複製阻害剤、抑制性抗体、増殖因子に対する抗体、増殖因子と細胞毒からなる二官能性分子、抗体と細胞毒からなる二官能性分子等の血管細胞増殖阻害物質や、コレステロール低下剤や、血管拡張剤や、生体内の血管活性機構(endogenous vascoactive mechanism)を阻害する物質等がある。
【0165】
遺伝物質には、アンチセンスDNA及びRNA、DNA、アンチセンスRNA、内因性の欠陥又は欠損を有する分子を置き換えるためのtRNA又はrRNA、酸性及び塩基性繊維芽細胞増殖因子や血管内皮増殖因子や上皮増殖因子やトランスフォーミング増殖因子α及びβや血小板由来の内皮増殖因子や血小板由来増殖因子や腫瘍壊死因子αや肝細胞増殖因子やインスリン様増殖因子等の増殖因子を含む血管新生促進因子、細胞分裂阻害剤(CD inhibitor)やチミジンキナーゼ(TK)や細胞増殖を妨げる他の物質等の細胞周期阻害剤、骨形成タンパク質(BMP)ファミリー、即ちBMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6(Vgr−1)、BMP−7(OP−1)、BMP−8、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15、BMP−16、等が含まれる。望ましいBMPは、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7である。これら二量体のタンパク質は、ホモ二量体、ヘテロ二量体、又はこれらの組み合わせであってもよく、これらと他の分子の組み合わせであってもよい。あるいは、さらに、BMPのアップストリーム効果やダウンストリーム効果を誘導する分子を用いてもよい。これらの分子には、ヘッジホッグタンパク質やこれをエンコードするDNAが含まれる。
【0166】
細胞は、ヒト由来(自己由来又は同種異系)であってもよく、動物由来(異種)であってもよく、必要に応じて、移殖部位に影響を及ぼすタンパク質を搬送するために、遺伝子操作されたものであってもよい。細胞は、搬送媒体に組み込んでもよい。搬送媒体は、必要に応じ、細胞の機能と生存を維持するように構成することができる。
【0167】
適切なポリマーコーティング材料には、ポリカルボン酸、セルロースアセテートやニトロセルロース等のセルロース系ポリマー、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、架橋ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸ポリマー等のポリ無水物、ポリアミド、ポリビニルアルコール、EVA等のビニルモノマー共重合体、ポリビニルエーテル、ポリビニル芳香族化合物、ポリエチレンオキシド、グリコサミノグリカン、多糖類、ポリエチレンテレフタレートを含むポリエステル、ポリアクリルアミド、ポリエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリプロピレンやポリエチレンや高分子量ポリエチレンを含むポリアルキレン、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン化ポリアルキレン、ポリウレタン、ポリオルソエステル、タンパク質、ポリペプチド、シリコーン、シロキサンポリマー、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレートバリレート及びそのブレンドとコポリマー、ポリウレタン分散液(例えばベイドロール(BAYHDROL、登録商標)等のポリマー分散液からなるコーティング、フィブリン、コラーゲン及びコラーゲン誘導体、セルロースやデンプンやデキストランやアルギン酸塩及びその誘導体等の多糖類、ヒアルロン酸、スクアレンエマルジョン等が含まれる。米国マサチューセッツ州ナティックに所在するボストンサイエンティフィック社(Boston Scientific Corporation) によりハイドロプラス(HYDROPLUS 、登録商標)として販売され、米国特許第5,091,205号明細書に記載されるポリアクリル酸は、特に望ましい。さらに望ましいのは、ポリ乳酸及びポリカプロラクトンのコポリマーである。
【0168】
本発明のステントは、グラフトの骨組みとして使用してもよい。適切な被覆剤としては、ナイロン、コラーゲン、PTFE、ePTFE、ポリエチレンテレフタレート、ケブラー、米国特許第5,824,046号明細書及び米国特許第5,755,770号明細書に開示される任意の材料を含む。より一般的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリグリコール酸、ポリエステル、ポリアミド、これらの混合物やブレンド、コポリマー等の合成高分子を含む任意の公知のグラフト材料を使用することができる。
【0169】
本発明のステントは、冠動脈、腎動脈、腸骨動脈を含む末梢動脈、頚部の動脈、大脳動脈にも用いることができる。しかしながら、本発明のステントは、血管系における使用に限定されるものではなく、他の体内構造にも有利に使用することが可能である。他の体内構造には、動脈、静脈、胆管、尿道、卵管、気管支、気管、食道、前立腺、腸が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0170】
米国特許第6,123,712号明細書、米国特許第6,120,522号明細書、米国特許第5,957,930号明細書に開示されるような適切なステント搬送装置を、本発明のステントを体内の目的位置に搬送するのに使用することができる。搬送装置は、自己拡張型のステントを使用するか、バルーンにより拡張可能なステントを使用するかにより決まる。本発明のステントは、1個以上のステント保持スリーブとともに搬送されるようにしてもよい。ステント保持スリーブの例は、米国仮出願第60/238178号明細書に開示される。
【0171】
本発明は、また、長さ方向に延びる流路を内部に有するステントに関する。ステントは、蛇行して周方向に延びる複数の帯状体を備える。帯状体は、蛇行して周方向に延びる第1の帯状体と、蛇行する第2の帯状体とを備える。第1の帯状体は、複数の突部と溝部を備え、近接する突部と溝部は、屈曲ストラットにより連結される。第2の帯状体は、複数の突部と溝部を備え、近接する突部と溝部は、屈曲ストラットにより連結される。各屈曲ストラットは、単一の屈曲部を有する。第1の帯状体の突部の数個は、第2の帯状体の溝部の数個と重なり合い、重なり領域を形成する。このようなステントの例は図27に示す。
【0172】
各重なり領域は、長さ方向に平行となる方向に延びてもよく(図30)、長さ方向に垂直となる方向に延びてもよく(図27)、長さ方向に斜状をなす方向に延びてもよい(図32)。
【0173】
望ましくは、例えば図26に図示されるように、第1の帯状体の突部と第1の帯状体の溝部は、長さ方向に対して異なる方向に指向する。
また、望ましくは、第1の帯状体の突部は、第2の帯状体の突部とは異なる方向に指向し、第1の帯状体の溝部は、第2の帯状体の溝部とは異なる方向に指向する。
【0174】
さらに、図40の例に示されるように、各屈曲ストラットは、第1の部分と第2の部分とを有する2個の直線部を備えてもよい。屈曲ストラットの少なくとも数個は、第2の部分よりも長い第1の部分を有することを特徴とする。
【0175】
必要に応じて、図45及び図45aに示されるように、周方向において近接する屈曲ストラットの屈曲部は、長さ方向において、互いに対して偏移して配置される。
通常、ステントは、蛇行して周方向に延びる第1の帯状体と蛇行して周方向に延びる第2の帯状体を複数個備える。第1の帯状体と第2の帯状体は、ステントの長さに沿って、交互に配置される。第1の帯状体の突部の数個は、第2の帯状体の溝部の数個と重なり合う。
8 本発明は、また、複数のセルを備えるステントにも関する。セルは、先端部及び基端部を有し、第1の方向に屈曲する基端部においては、複数のフィンガー状をなす屈曲部を備え、第1の屈曲部とは逆の第2の方向に屈曲する先端部においては、複数のフィンガー状をなす部分を備える。周方向において近接するセル同士は、ショートコネクタにより、互いに連結される。
【0176】
ショートコネクタは、周方向に延びてもよく、長さ方向に延びてもよく、斜め方向に延びてもよい。
望ましくは、各セルは、基端部に3個の溝部を有し、先端部に3個の突部を有する。
【0177】
フィンガー状をなす屈曲部の数個は、他のフィンガー状をなす屈曲部に比べて、狭い幅を有してもよい。
上述された開示事項は、例示的なものであり、包括的なものではない。この記載は、当業者に対して、様々な変更例や別例を提案するものである。これらすべての別例及び変更例については、特許請求の範囲に含まれるものであり、特許請求の範囲における「〜からなる、〜を備える」という語は「〜を含む」という意味であり、「〜に限定される」という意味ではない。当業者にとっては、本願に記載された特定の実施例と均等である他の技術が、請求項に包含されるものであると理解されるであろう。
【0178】
さらに、従属請求項に記載された特定の特徴は、発明の範囲内において他の方法で互いに組み合わせることができ、本願は、従属請求項に記載された特徴のその他全ての組み合わせによる他の実施例についても、範囲が及ぶものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛇行して周方向に延びる複数の帯状体を備え、各帯状体が、複数の突部と溝部を備え、近接する突部と溝部が入れ子状をなす屈曲ストラットにより連結され、近接する帯状体同士が、複数の連結部により、互いに連結されるステントにおいて、第1の個数の連結部により連結される2個の帯状体と、第1の個数とは異なる第2の個数の連結部により連結される2個の帯状体とを備えるステント。
【請求項2】
前記連結部が、帯状体から別の帯状体に延びる、直線状をなす短片である請求項1に記載のステント。
【請求項3】
前記連結部が、近接する帯状体の突部と溝部の重なり領域である請求項1に記載のステント。
【請求項4】
前記第1の個数の連結部が、第2の個数の連結部の2倍の個数である請求項1に記載のステント。
【請求項5】
最基端側の帯状体と最先端側の帯状体の少なくとも一方が、他の帯状体とは異なる円周長さを有する請求項1に記載のステント。
【請求項1】
蛇行して周方向に延びる複数の帯状体を備え、各帯状体が、複数の突部と溝部を備え、近接する突部と溝部が入れ子状をなす屈曲ストラットにより連結され、近接する帯状体同士が、複数の連結部により、互いに連結されるステントにおいて、第1の個数の連結部により連結される2個の帯状体と、第1の個数とは異なる第2の個数の連結部により連結される2個の帯状体とを備えるステント。
【請求項2】
前記連結部が、帯状体から別の帯状体に延びる、直線状をなす短片である請求項1に記載のステント。
【請求項3】
前記連結部が、近接する帯状体の突部と溝部の重なり領域である請求項1に記載のステント。
【請求項4】
前記第1の個数の連結部が、第2の個数の連結部の2倍の個数である請求項1に記載のステント。
【請求項5】
最基端側の帯状体と最先端側の帯状体の少なくとも一方が、他の帯状体とは異なる円周長さを有する請求項1に記載のステント。
【図1a】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図11】
【図12】
【図12a】
【図13】
【図13a】
【図14】
【図14a】
【図15】
【図15a】
【図16】
【図16a】
【図17】
【図17a】
【図18】
【図18a】
【図19】
【図19a】
【図20】
【図20a】
【図21】
【図21a】
【図22】
【図22a】
【図23】
【図23a】
【図24】
【図24a】
【図25】
【図25a】
【図26】
【図26a】
【図27】
【図27a】
【図28】
【図28a】
【図29】
【図29a】
【図30】
【図30a】
【図31】
【図31a】
【図32】
【図32a】
【図33】
【図33a】
【図34】
【図34a】
【図35】
【図35a】
【図36】
【図36a】
【図37】
【図37a】
【図38】
【図38a】
【図39】
【図39a】
【図40】
【図40a】
【図41】
【図41a】
【図42】
【図42a】
【図43】
【図43a】
【図44】
【図44a】
【図45】
【図45a】
【図46】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図11】
【図12】
【図12a】
【図13】
【図13a】
【図14】
【図14a】
【図15】
【図15a】
【図16】
【図16a】
【図17】
【図17a】
【図18】
【図18a】
【図19】
【図19a】
【図20】
【図20a】
【図21】
【図21a】
【図22】
【図22a】
【図23】
【図23a】
【図24】
【図24a】
【図25】
【図25a】
【図26】
【図26a】
【図27】
【図27a】
【図28】
【図28a】
【図29】
【図29a】
【図30】
【図30a】
【図31】
【図31a】
【図32】
【図32a】
【図33】
【図33a】
【図34】
【図34a】
【図35】
【図35a】
【図36】
【図36a】
【図37】
【図37a】
【図38】
【図38a】
【図39】
【図39a】
【図40】
【図40a】
【図41】
【図41a】
【図42】
【図42a】
【図43】
【図43a】
【図44】
【図44a】
【図45】
【図45a】
【図46】
【公開番号】特開2009−66452(P2009−66452A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−1821(P2009−1821)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【分割の表示】特願2003−579700(P2003−579700)の分割
【原出願日】平成15年3月27日(2003.3.27)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【分割の表示】特願2003−579700(P2003−579700)の分割
【原出願日】平成15年3月27日(2003.3.27)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]