説明

改良された細菌外膜小胞

本発明によると、膜破壊は、界面活性剤の実質的に非存在下で実施される。重要な免疫原性成分(特に、(i)防御NspA表面抗原、(ii)タンパク質NMB2132および(iii)タンパク質NMB 1870)を保持するOMVが、生じる。代表的なプロセスは、(a)界面活性剤の実質的な非存在下で細菌細胞を処理する工程;(b)工程(a)からの組成物を遠心分離して、処理した細胞および細胞破片から外膜小胞を分離し、そして上清を収集する工程;(c)工程(b)からの上清の高速遠心分離を実施し、そしてその外膜小胞をペレット中に収集する工程;(d)工程(c)からのペレットを緩衝液中に再分散させる工程;(e)工程(c)に従って第2回目の高速遠心分離を実施し、その外膜小胞をペレット中に収集する工程;(f)工程(e)からのペレットを水性媒体中に再分散させる工程;を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中に引用される全ての文書は、その全体が参考として本明細書中に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、免疫目的のための小胞調製物の分野にある。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
N.meningitidis感染に対して免疫するための種々のアプローチのうちの1つは、外膜小胞(OMV)を使用することである。血清群Bに対する有効なOMVワクチンが、ノルウェーの国立公共衛生研究所によって生成された[例えば、参考文献1を参照のこと]が、このワクチンは、安全でありそしてMenB疾患を予防するが、その効力は、このワクチンを生成するために使用した株に限定される。
【0004】
「RIVM」ワクチンは、6つの異なるPorAサブタイプを含む小胞に基づき、フェーズII臨床試験において小児において免疫原性であることが示された[2]。
【0005】
参考文献3は、65kDaのタンパク質複合体を保持するOMVに基づく血清群B髄膜炎菌の種々の病理学的血清型に対するワクチンを開示する。参考文献4は、遺伝子操作した髄膜炎菌由来のOMVを含むワクチンを開示し、そのOMVは、少なくとも1種のクラスI外膜タンパク質(OMP)を含むが、クラス2/3 OMPは含まない。参考文献5は、その表面ループに変異を有するOMPと、髄膜炎菌リポ多糖(LPS)の誘導体を含むOMPとを含む、OMVを開示する。
【0006】
参考文献6は、トランスフェリン結合タンパク質(例えば、TbpAおよびTbpB)および/またはCu,Zb−スーパーオキシドジスムターゼを補充した、OMVを含む組成物を開示する。参考文献7は、種々のタンパク質を補充されたOMVを含む組成物を開示する。参考文献8は、改変型fur遺伝子を有するN.meningitidisから得られる膜小胞の調製物を開示する。
【0007】
血清群B N.meningitidisと同様に、他の細菌についての小胞が調製されている。参考文献9は、血清群A髄膜炎菌についてのOMVベースのワクチンを調製するためのプロセスを開示する。参考文献10および11は、N.gonorrhoeaeからの小胞を開示する。参考文献12は、N.lactamicaからの小胞調製物を開示する。小胞はまた、Moraxella catarrhalis[13、14]、Shigella flexneri[15、16]、Pseudomonas aeruginosa[15、16]、Porphyromonas gingivalis「17]、Treponema pallidum[18]、Haemophilus influenzae[19および20]、ならびにHelicobacter pylori[21]からも調製されている。
【0008】
細菌小胞調製物に関する1つの欠点は、重要な防御抗原が存在しないことである。OMV調製物中にNspAのような抗原を保持するために、参考文献20は、nspA発現が、porAおよびcpsの同時ノックアウトによってアップレギュレートされるべきであることを教示する。さらに改良された小胞調製物を、その製造プロセスとともに提供することが、本発明の目的である。特に、N.meningitidis由来の重要な細菌免疫原性成分を保持する小胞を提供することが、本発明の目的である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の開示)
髄膜炎菌性OMVを調製する先行技術の方法は、細菌膜の破壊の間に界面活性剤を使用すること[例えば、デオキシコール酸界面活性剤が使用される、参考文献22を参照のこと]を包含する。本発明は、界面活性剤の実質的に非存在下で膜を破壊すると、重要な細菌免疫原性成分(特に、(i)防御NspA表面タンパク質、(ii)「287」タンパク質、および(iii)「741」タンパク質)を保持するOMVを生じるという、驚くべき発見に基づく。
【0010】
従って、本発明は、細菌から外膜小胞調製物を製造するためのプロセスを提供し、該細菌膜は、界面活性剤の非存在下で実質的に破壊される。本発明のプロセスによって入手可能なOMV調製物もまた、提供される。
【0011】
NspA小胞を得るために、本発明のプロセスは、参考文献20に記載されるような複数の遺伝子操作を実施するよりも、かなり単純である。
【0012】
本発明のプロセスは、代表的には、以下の基本工程:
(a)界面活性剤の実質的な非存在下で細菌細胞を処理する工程;
(b)工程(a)からの組成物を遠心分離して、処理した細胞および細胞破片から外膜小胞を分離し、そして上清を収集する工程;
(c)工程(b)からの上清の高速遠心分離を実施し、そして上記外膜小胞をペレット中に収集する工程;
(d)工程(c)からのペレットを緩衝液中に再分散させる工程;
(e)工程(c)に従って第2回目の高速遠心分離を実施し、上記外膜小胞をペレット中に収集する工程;
(f)工程(e)からのペレットを水性媒体中に再分散させる工程;
を包含する。
【0013】
上記プロセスはまた、以下の工程:
(g)工程(f)からの再分散され組成物を、漸減する孔径の少なくとも2つのフィルターを通して滅菌濾過する工程;および
(h)必要に応じて、工程(g)からの組成物を、薬学的に受容可能なキャリアおよび/またはアジュバント組成物中に含める工程;
をさらに包含する。
【0014】
工程(a)は、上記細菌外膜の小胞を生じ、この小胞は、一般的には、他の外膜成分を、実質的にはその天然形態で含む。有利なことに、膜成分であるNspA、「287」および「741」は、保存される。
【0015】
工程(b)は、代表的には、約5000g〜10000gにて1時間までの遠心分離を含む。
【0016】
工程(c)および(e)は、代表的には、約35000g〜100000gにて2時間までの遠心分離を含む。
【0017】
遠心分離工程は、好ましくは、2℃と8℃との間で実施される。
【0018】
適切な任意の緩衝液(例えば、Tris緩衝液、リン酸緩衝液、ヒスチジン緩衝液など)が、工程(d)において使用され得る。工程(f)もまた、緩衝液の使用を包含し得、その緩衝液は、工程(d)において使用されるのと同じ緩衝液であってもよい。または工程(f)は、単に水(例えば、注射用水)の使用を包含し得る。
【0019】
工程(g)は、好ましくは、孔径約0.2μmのフィルターを用いて終了する。
【0020】
本発明はまた、N.meningitidis小胞組成物を提供し、この小胞は、(i)NspAタンパク質、(ii)「287」タンパク質、および(iii)「741」タンパク質を含むことを特徴とする。
【0021】
(細菌)
OMVが調製される細菌は、グラム陽性であり得るが、好ましくは、グラム陰性である。この細菌は、Moraxella属、Shigella属、Pseudomonas属、Treponema属、Porphyromonas属、またはHelicobacter属(好ましい種については、上記を参照のこと)に由来し得るが、好ましくは、Neisseria属に由来する。好ましいNeisseria種は、N.meningitidisおよびN.gonorrhoeaeである。N.meningitidisの内には、血清群A、C、W135およびYのいずれかが使用されるが、血清群Bから小胞を調製することが好ましい。血清群B内の好ましい株は、MC58、2996、H4476、および394/98である。
【0022】
発熱活性を減少するために、細菌は、低エンドトキシン(LPS)レベルを有するべきであることが、好ましい。適切な変異細菌(例えば、変異Neisseria[23]および変異Helicobacter[24]が、公知である。グラム陰性細菌からLPSを除去した外膜を調製するためのプロセスが、参考文献25に開示される。
【0023】
この細菌は、野生型細菌であってもよいし、または組換え細菌であってもよい。好ましい組換え細菌は、免疫原(例えば、NspA、287、741、TbpA、TbpB、スーパーオキシドジスムターゼ[6]など)を、(対応する野生型株と比較した)過剰発現する。この細菌は、1種より多くのPorAクラスI外膜タンパク質(例えば、2種、3種、4種、5種または6種のPorAサブタイプ(P1.7、16;P1.5、2;P1.19、15;P1.5c、10;P1.12、13;およびP1.7h、4)を発現し得る[例えば、参考文献26、27]。
【0024】
本発明のプロセスは、代表的には、細菌を培養する初期工程を包含し、必要に応じて、その後、培養した細胞を遠心分離する工程を包含する。
【0025】
(膜破壊)
小胞形成のための膜破壊は、界面活性剤の実質的に非存在下で実施される。
【0026】
特に、膜破壊は、デオキシコール酸界面活性剤の実質的に非存在下で実施され得、他の界面活性剤が、必要に応じて存在する。
【0027】
膜破壊は、イオン性界面活性剤の実質的に非存在下で実施され得、非イオン性界面活性剤は、必要に応じて存在する。あるいは、膜破壊は、非イオン性界面活性剤の実質的に非存在下で実施され得、イオン性界面活性剤が、必要に応じて存在する。いくつかの実施形態において、イオン性界面活性剤も、非イオン性界面活性剤も、存在しない。
【0028】
膜破壊および小胞形成の後の工程は、界面活性剤の使用を包含し得る。従って、膜破壊が界面活性剤の非存在下で生じるが、後に、調製された小胞に界面活性剤が添加される、プロセスが、本発明内に包含される。
【0029】
用語「実質的に非存在下」とは、問題となる界面活性剤が、膜破壊の間に、0.05%以下の濃度(例えば、≦0.025%、≦0.015%、≦0.010%、≦0.005%、≦0.002%、≦0.001%、または0%)で存在することを、意味する。従って、微量の界面活性剤が小胞調製の間に存在するプロセスは、排除されない。
【0030】
界面活性剤の非存在下での膜破壊は、物理的技術(例えば、超音波処理(sonication)、ホモジナイゼーション(homogenisation)、マイクロフルイダイゼーション(microfluidisation)、キャビテーション(cavitation)、浸透圧性ショック、粉砕(grinding)、フレンチプレス(French press)、混合(blending)など)を使用して、インタクトな細菌に対して実施され得る。
【0031】
(小胞)
本発明のプロセスは、外膜小胞(OMV)を生成する。OMVは、培養された細菌の外膜から調製される。OMVは、ブロス中または固体培地培養中で増殖した細菌から、好ましくは、その培養培地から細菌細胞を(例えば、濾過によって、または低速遠心分離して細胞をペレットにすることによって)分離すること、その細胞を(界面活性剤を用いずに)溶解すること、そして好ましくは、細胞質分子から(例えば、濾過によって、外膜および/もしくはOMVの差次的沈殿または凝集によって、外膜分子を特異的に認識するリガンドを使用するアフィニティ分離方法によって、または外膜および/もしくはOMVをペレットにする高速遠心分離によって)外膜画分を分離することによって、得られ得る。
【0032】
OMVは、微小胞(MV[28])、および細菌増殖の間に自然に形成して培養培地中に放出される天然に存在する膜小胞である「ネイティブOMV」(「NOMV」[66])とは、区別され得る。MVは、ブロス培養培地中でNeisseriaを培養すること、そのブロス培養培地から細胞全体を(例えば、濾過によって、または低速遠心分離によって細胞のみをペレットにし、より小さい破片はペレットにしないことによって)分離すること、その後、細胞を除去した培地中に存在するMVを(例えば、濾過によって、MVの差次的沈殿もしくは凝集によって、高速遠心分離によってMVをペレットにすることによって)収集することによって、入手され得る。MVの生成において使用するための株は、一般的には、培養中で生成されるMVの量に基づいて選択される。参考文献29および30は、MV生成が多いNeisseriaを記載する。
【0033】
(保持される細菌免疫原性成分)
本発明のプロセスにおいて界面活性剤が実質的に存在しないことは、細菌表面の免疫原性成分を保持する小胞調製物を生じる。この細菌表面の免疫原性成分は、界面活性剤に基づく先行技術の方法を使用すると、失われるかまたは減少される。N.meningitidisにおいて、本発明を使用して有利に保持される3つの免疫原としては、(1)NspA、(2)タンパク質「741」、および(3)タンパク質「287」が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
NspA(Neisseria表面タンパク質A)は、参考文献31〜37において開示され、そして参考文献38の配列番号4008〜4033として開示される。NspAは、髄膜炎菌疾患の予防のための候補ワクチンである。NspAは、菌株間で高度に保存される。しかし、初期の希望にも関わらず、NspAは、それ自体は十分な防御抗原ではなく、さらなる抗原とともに投与される必要があると、現在では考えられている[例えば、参考文献36、および参考文献38の実施例11]。NspAは、先行文献の界面活性剤に基づく調製方法によって除去されることが、見出されている。しかし、本発明によると、NspAは、小胞中に保持され得る。そのようなNspA小胞は、有利である。なぜなら、2種の公知の強力な免疫原の組み合わせ(すなわち、小胞+NspA)が、単一プロセスで調製され、各免疫原は、もう一方の効力を増強するからである。
【0035】
タンパク質「741」は、参考文献39において「NMB1870」として開示される(GenBank:AAF42204、GI:7227128)。これはまた、参考文献40および41においても開示される。これは、強力な殺菌抗体を惹起する。タンパク質「741」は、先行技術の界面活性剤に基づく方法によって調製される小胞においては部分的に除去されることが、見出されている。しかし、本発明によると、「741」は、小胞中に保持され得る。そのような741小胞は、有利である。なぜなら、2種の公知の強力な免疫原の組み合わせ(すなわち、小胞+741)が、単一プロセスで調製され、各免疫原は、もう一方の効力を増強するからである。
【0036】
タンパク質「287」は、参考文献39において「NMB2132」として開示される(GenBank:AAF42440、GI:7227388)。これはまた、参考文献40および42においても開示される。これは、強力な殺菌抗体を惹起する。タンパク質「287」は、先行技術の界面活性剤に基づく方法によって調製される小胞においては代表的には存在せず、この除去を克服するためには、OMV調製物に287を補充し得ることが、以前に提唱されている[43]。しかし、本発明によると、「287」は、小胞中に保持され得る。そのような287小胞は、有利である。なぜなら、2種の公知の強力な免疫原の組み合わせ(すなわち、小胞+287)が、単一プロセスで調製され、各免疫原は、もう一方の効力を増強するからである。
【0037】
好ましいNspAは、(a)アミノ酸配列GI:1518522に対して少なくともa%配列同一性を有し、かつ/または(b)アミノ酸配列GI:1518522からの少なくともxアミノ酸のフラグメントを含む。好ましい「741」は、(a)アミノ酸配列GI:7227128に対して少なくともb%配列同一性を有し、かつ/または(b)アミノ酸配列GI:7227128からの少なくともyアミノ酸のフラグメントを含む。好ましい「287」は、(a)アミノ酸配列GI:7227388に対して少なくともc%配列同一性を有し、かつ/または(b)アミノ酸配列GI:7227388からの少なくともzアミノ酸のフラグメントを含む。a、bおよびcの値は、互いに独立しており、各値は、少なくとも70(例えば、75、80、85、90、95、96、97、98、99、99.5、または100)である。x、yおよびzの値は、互いに独立しているが、各値は、少なくとも8(例えば、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250など)である。フラグメントは、好ましくは、エピトープを含む。
【0038】
好ましいNspAタンパク質、287タンパク質、および741タンパク質は、患者において殺菌抗体を惹起する野生型タンパク質(インタクトな細菌において見出されるような)の能力を実質的に保持する。
【0039】
(免疫原性薬学的組成物)
本発明のプロセスは、小胞調製物を提供する。患者に投与するために、その小胞は、好ましくは、免疫原性組成物として、より好ましくは、ヒト(例えば、小児または成人)においてワクチンとして使用するために適切な組成物として、処方される。本発明のワクチンは、予防的(すなわち、感染を予防するため)または治療的(すなわち、感染後に疾患を処置するため)のいずれかであり得るが、代表的には、予防的である。
【0040】
本発明の組成物は、好ましくは、滅菌してある。
【0041】
本発明の組成物は、好ましくは、発熱物質を含まない。
【0042】
本発明の組成物は、一般的には、6.0と7.0との間のpHを有し、より好ましくは、6.3と6.9との間(例えば、6.6±0.2)のpHを有する。この組成物は、好ましくは、このpHにて緩衝化される。
【0043】
ヒト投与のために適切な他の成分は、参考文献44において開示される。
【0044】
本発明の組成物は、一般的には、アジュバントを含む。本組成物の有効性を増強するために好ましいアジュバントとしては、(A)MF59(マイクロフルイダイザーを使用してミクロン未満の粒子へと処方された、5% Squalene、0.5% Tween 80、および0.5% Span 85[参考文献45の第10章を参照のこと;参考文献46もまた参照のこと)、(B)生分解性かつ非毒性である物質(例えば、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリカプロラクトンなど。ポリ(ラクチド−co−グリコリド)が好ましく、必要に応じて、荷電した表面である(例えば、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤(例えば、SDS(負)またはCTAB(正)を添加することによる)から形成された、微粒子(すなわち、直径約100nm〜約150μmの粒子、より好ましくは直径約200nm〜約30μmの粒子、最も好ましくは直径約500nm〜約10μmの粒子)[例えば、参考文献47および48を参照のこと];(C)リポソーム[参考文献45の第13章および第14章を参照のこと];(D)ISCOM[参考文献45の第23章を参照のこと](このISCOMは、さらなる界面活性剤を欠き得る[49]);(E)10% Squalene、0.4% Tween 80、5%プルロニックブロックポリマーL121およびthr−MDPを含む、SAF(ミクロン未満のエマルジョンにマイクロフルイダイズされているか、もしくはより大きな粒子サイズのエマルジョンを生成するようにボルテックスされているかのいずれかである)[参考文献45の第12章を参照のこと];(F)2% Squalene、0.2% Tween 80、および1以上の細菌細胞壁成分(モノホスホリルリピドA(MPL)、トレハロースジミコール酸(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)からなる群より選択され、好ましくはMPL+CWS(DetoxTM)である)を含む、RibiTMアジュバント系(RAS)、(Ribi Immunochem);(G)サポニンアジュバント(例えば、QuilAもしくはQS21[参考文献45の第22章を参照のこと](これは、StimulonTMとしても公知である);(H)キトサン[例えば、50];(I)完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA);(J)サイトカイン(例えば、インターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−12など)、インターフェロン(例えば、インターフェロンγ)、マクロファージコロニー刺激因子、腫瘍壊死因子など)[参考文献45の第27章および第28章を参照のこと];(K)サポニン(例えば、QS21)+3dMPL+IL−12(必要に応じて+ステロール)[51];(L)モノホスホリルリピドA(MPL)もしくは3−O−デアシル化MPL(3dMPL)[例えば、参考文献45の第21章];(M)3dMPLと、例えば、QS21および/もしくは水中油エマルジョンとの組み合わせ[52];(N)CpGモチーフ[53]を含む(すなわち、少なくとも1つのCGジヌクレオチドを含む)オリゴヌクレオチド(5−メチルシトシンが、必要に応じてシトシンの代わりに使用される);(O)ポリオキシエチレンエーテルもしくはポリオキシエチレンエステル[54];(P)オクトキシノールと組み合わせたポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤[55]、または少なくとも1種のさらなる非イオン性界面活性剤(例えば、オクトキシノール)と組み合わせたポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤もしくはポリオキシエチレンアルキルエステル界面活性剤[56];(Q)免疫刺激オリゴヌクレオチド(例えば、CpGオリゴヌクレオチド)+サポニン[57];(R)免疫刺激剤+金属塩粒子[58];(S)サポニン+水中油エマルジョン[59];(T)E.coli易熱性エンテロトキシン(「LT」)またはその無毒化変異体(例えば、K63変異体もしくはR72変異体)[例えば、参考文献60の第5章];(U)コレラ毒素(「CT」)またはその無毒化変異体[例えば、参考文献60の第5章];(V)二本鎖RNA;(W)アルミニウム塩(例えば、水酸化アルミニウム(アルミニウムオキシヒドロキシドを含む)、リン酸アルミニウム(ヒドロキシリン酸アルミニウムを含む)、硫酸アルミニウムなど)[参考文献61の第8章および第9章];(X)モノホスホリルリピドA模倣物(例えば、アミノアルキルグルコサミニドホスフェート誘導体(例えば、RC−529))[62];(Y)ポリホスファゼン(PCPP);あるいは(Z)生体接着物質[63](例えば、エステル化ヒアルロン酸ミクロスフェア[64])または粘膜接着物質(ポリ(アクリル酸)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、多糖およびカルボキシメチルセルロースの架橋誘導体からなる群より選択される)が挙げられるが、これらに限定されない。本組成物の有効性を増強するための免疫刺激剤として作用する他の物質[例えば、参考文献45の第7章を参照のこと]もまた、使用され得る。アルミニウム塩(特に、リン酸アンモニウムおよび/または水酸化アルミニウム)が、非経口免疫のための好ましいアジュバントである。変異毒素は、好ましい粘膜アジュバントである。
【0045】
本発明の組成物中の小胞は、「免疫学的に有効な量」」で存在する。すなわち、単回投与でかまたは一連の投与の一部としてかのいずれかで、個体にその量を投与すると、疾患の処置または予防のために有効である。この量は、処置されるべき個体の健康および身体状態、年齢、処置されるべき個体の分類学的群(例えば、非ヒト霊長類、霊長類など)、その個体の免疫系が抗体を合成する能力、望ましい保護の程度、ワクチンの処方、その医学的状態についての主治医の評価、および他の関連要因に依存して、変化する。その量は、慣用的試行を介して決定され得る比較的広い範囲内にあることが、予期される。投与処置は、単回投与スケジュールまたは他回投与スケジュール(例えば、ブースター投与を含む)であり得る。そのワクチンは、他の免疫調節剤と組み合わせて投与され得る。
【0046】
代表的には、本発明の組成物は、注射可能物質として調製される。その組成物の直接送達は、一般的には、非経口的送達である(例えば、皮下注射、腹腔内注射、静脈内注射もしくは筋肉内注射によるか、もしくは組織間隙空間へ送達される)、または粘膜送達である(例えば、経口送達または鼻内送達[65、66])。この組成物はまた、病巣に投与され得る。
【0047】
一旦処方されると、本発明の組成物は、被験体に直接投与され得る。処置されるべき被験体は、動物であり得る。特に、ヒト被験体が、処置され得る。このワクチンは、小児およびティーンエイジャーにワクチン接種するために特に有用である。
【0048】
この組成物は、N.meningitidisの1種よりも多くの血清サブタイプ[28]からの小胞を含み得る。同様に、この組成物は、1種より多くの型の小胞(MVおよびOMVの両方)を含み得る。
【0049】
小胞だけでなく、本発明の組成物は、さらなる抗原を含み得る。例えば、この組成物は、以下のさらなる抗原のうちの1種以上を含み得る:
−Helicobacter pylori由来の抗原(例えば、CagA[67〜70]、VacA[71、72]、NAP[73、74、75]、HopX[例えば、76]、HopY[例えば、76]および/またはウレアーゼ)
−N.meningitidis血清群A、C、W135および/またはY由来の糖高原(血清群Cからの参考文献77に開示されるオリゴ糖[参考文献78もまた参照のこと]、または参考文献79のオリゴ糖)
−Streptococcus pneumoniae由来の糖抗原[例えば、80、81、82]、
−A型肝炎ウイルス(例えば、不活化ウイルス)由来の抗原[例えば、83、84]
−B型肝炎ウイルス由来の抗原(例えば、表面抗原および/またはコア抗原[例えば、84、85]
−Bordetella pertussis由来の抗原(例えば、B.pertussis由来の百日咳ホロ毒素(PT)および線維状赤血球凝集素(FHA))(必要に応じて、ペルタクチン(pertactin)ならびに/またはアグルチノーゲン(agglutinogen)2および3[例えば、参考文献86および87]と組み合わせる)
−ジフテリア抗原(例えば、ジフテリアトキソイド[例えば、参考文献88の第3章](例えば、CRMl97変異体[例えば、89])
−破傷風抗原(例えば、破傷風トキソイド[例えば、参考文献108の第4章]
−Haemophilus influenzae B由来の糖抗原[例えば、78]
−C型肝炎ウイルス由来の抗原[例えば、90]
−N.gonorrhoeae由来の抗原[例えば、91、92、93、94]
−Chlamydia pneumoniae由来の抗原[例えば、95〜101]
−Chlamydia trachomatis由来の抗原[例えば、102]
−Porphyromonas gingivalis由来の抗原[例えば、103]
−ポリオ抗原[例えば、104、105](例えば、OPV、または好ましくはIPV)
−狂犬病抗原[例えば、106](例えば、凍結乾燥不活化ウイルス[例えば、107、RabAvertTM])
−麻疹抗原、流行性耳下腺炎抗原および/または風疹抗原[例えば、参考文献108の第9章、第10章および第11章]
−インフルエンザ抗原[例えば、参考文献108の第19章]、(例えば、赤血球凝集素タンパク質および/またはノイラミダーゼ表面タンパク質)
−Moraxella catarrhalis由来の抗原[例えば、109]
−Streptococcus agalactiae(B群連鎖球菌)由来のタンパク質抗原[例えば、110、111]
−Streptococcus agalactiae(B群連鎖球菌)由来の糖抗原
−Streptococcus pyogenes(A群連鎖球菌)由来の抗原[例えば、111、112、113]
−Staphylococcus aureus由来の抗原[例えば、114]、
−Bacillus anthracis由来の抗原[例えば、115、116、117]
−フラビウイルス科(フラビウイルス属)のウイルス由来(例えば、黄熱病ウイルス、日本脳炎ウイルス、デング熱ウイルスの4種の血清型、ダニ媒介性脳炎ウイルス、西ナイルウイルス)の抗原
−ペスチウイルス抗原(例えば、古典的ブタ熱ウイルス、ウシウイルス性下痢ウイルス、および/またはボーダー病ウイルス)
−パルボウイルス抗原(例えば、パルボウイルスB19由来の抗原)
−プリオンタンパク質(例えば、CJDプリオンタンパク質)
−アミロイドタンパク質(例えば、β−ペプチド)[118]
−癌抗原(例えば、参考文献119の表1にかまたは参考文献120の表3および4に列挙される癌抗原)。
【0050】
本組成物は、これらのさらなる抗原のうちの1種以上含み得る。
【0051】
毒性タンパク質抗原は、必要な場合には、無毒化され得る(例えば、化学的手段および/または遺伝的手段による、百日咳毒素の無毒化[87])。
【0052】
ジフテリア抗原が本組成物中に含まれる場合、破傷風抗原および百日咳抗原を含めることもまた、好ましい。同様に、破傷風抗原が含まれる場合、ジフテリア抗原および百日咳抗原を含めることもまた、好ましい。同様に、百日咳抗原が含まれる場合、ジフテリア抗原および破傷風抗原を含めることもまた、好ましい。従って、DTPの組み合わせが、好ましい。
【0053】
糖抗原は、好ましくは、結合体の形態である。その結合体のキャリアタンパク質としては、N.meningitidis外膜タンパク質[121]、合成ペプチド[122、123]、熱ショックタンパク質[124、125]、百日咳タンパク質[126、127]、H.influenzae由来のタンパク質D[128]、サイトカイン[129]、リンホカイン[129]、ホルモン[129]、増殖因子[129]、C.difficile由来の毒素Aまたは毒素B[130]、鉄取込みタンパク質[131]などが挙げられる。好ましいキャリアタンパク質は、CRM197ジフテリアトキソイドである[132]。
【0054】
N.meningitidis血清群B抗原もまた、OMV組成物に添加され得る。特に、タンパク質抗原(例えば、参考文献133〜139に開示される)が、添加され得る。
【0055】
本組成物中の抗原は、代表的には、各々少なくとも1μg/mlの濃度で存在する。一般的には、任意の所定の抗原の濃度は、その抗原に対して免疫応答を惹起するために十分である。
【0056】
本発明の組成物においてタンパク質抗原を使用することに対する代替法として、その抗原をコードする核酸が、使用され得る。従って、本発明の組成物のタンパク質成分は、そのタンパク質をコードする核酸(好ましくは、DNA(例えば、プラスミドの形態))によって置換され得る。
【0057】
(患者を処置する方法)
本発明は、医薬として使用するための本発明の小胞を提供する。
【0058】
本発明はまた、患者において免疫応答を惹起する方法を提供し、この方法は、本発明の組成物を患者に投与する工程を包含する。この免疫応答は、好ましくは、髄膜炎疾患に対して防御的であり、そして体液性免疫応答および/または細胞性免疫応答を包含し得る。その患者は、好ましくは、小児である。
【0059】
この方法は、N.meningitidisに対してすでに初回免疫されている患者において、ブースター応答を惹起し得る。OMVについての皮下および鼻内での初回免疫/ブーストのレジメンは、参考文献65に開示される。
【0060】
本発明はまた、患者において免疫応答を惹起するための医薬の製造における、本発明の小胞の使用を提供する。この医薬は、好ましくは、免疫原性組成物(例えば、小胞)である。この医薬は、好ましくは、Neisseria(例えば、meningitidis、septicaemia、gonorrhoeaなど)によって引き起こされる疾患の予防および/または処置のための医薬である。
【0061】
本発明の方法および使用は、N.meningitidisの1種より多い血清サブタイプからの小胞[例えば、参考文献28]の投与を包含し得る。
【0062】
(OMV処方物)
本発明は、髄膜炎菌外膜小胞と、水酸化アルミニウムアジュバントと、ヒスチジン緩衝液と、塩化ナトリウムとを含む、組成物を提供し、ここで、(a)塩化ナトリウムの濃度は、7.5mg/mlより高く、そして/または(b)OMVの濃度は、100μg/ml未満である。
【0063】
塩化ナトリウムの濃度は、好ましくは、8mg/mlよりも高く、より好ましくは、約9mg/mlである。
【0064】
OMVの濃度は、好ましくは、75mg/ml未満であり、例えば、約50mg/mlである。
【0065】
上記ヒスチジン緩衝液は、好ましくは、pH6.3とpH6.7との間(例えば、pH6.5)である。
【0066】
上記アジュバントは、約3.3mg/ml(Al3+濃度として表す)で使用され得る。
【0067】
(定義)
2つのアミノ酸配列間の配列同一性パーセントに対する言及は、整列された場合に、その割合のアミノ酸が、その2つの配列を比較した際に同じであることを意味する。この整列および相同性パーセントまたは配列同一性パーセントは、当該分野で公知のソフトウェアプログラム(例えば、参考文献140の第7.7.18節に記載されるソフトウェア)を使用して、決定され得る。好ましいアライメントは、ギャップオープンペナルティ12およびギャップエクステンションペナルティ2、BLOSUMマトリックス62とともにアフィンギャップサーチを使用して、Smith−Waterman相同性サーチアルゴリズムによって決定される。このSmith−Waterman相同性サーチアルゴリズムは、周知であり、参考文献141に開示される。
【0068】
用語「含む、包含する(comprising)」とは、「含む、含有する(including)」および「からなる(consisting)」とを意味し、例えば、X「を含む」組成物は、Xのみからなってもよいし、またはさらなる何かを含んでもよい(例えば、X+Y)。
【0069】
数値xに関する用語「約」とは、例えば、x±10%を意味する。
【0070】
用語「実質的(substantially)」とは、「完全に(completely)」を排除しない。例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、Yを完全に含まないかもしれない。必要な場合、用語「実質的」とは、本発明の定義から省かれる。
【実施例】
【0071】
(発明を実行する様式)
(OMV調製物)
OMVを、先行技術の「ノルウェー」法(H4476株および394/98株)によってか、または以下のプロセス(MC58株)によってかのいずれかで調製した:
−2〜5個のプレートからの細菌を、10mlの10mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)中に採集し、56℃にて45分間加熱死滅させた。その後、サンプルを氷上で超音波処理(チップを6/7に配置しデューティーサイクル50を10分間)して、膜を破壊した。
−細胞破片を、4℃において5000gで30分間、または10000gで10分間の遠心分離によって、除去した。
−その上清を、4℃において50000gで75分間再遠心分離した。
−ペレットを、10mM Tris−HCl(pH8.0)中の2% N−ラウロイルサルコシネート(Sarkosyl) 7ml中に室温で20分間再懸濁して、細胞質膜を可溶化した。
−そのサンプルを10000gで10分間遠心分離して、粒状物質を除去し、その上清を、4℃にて75000gで75分間遠心分離した。そのサンプルを、10mM Tris−HCl(pH8.0)中で洗浄し、75000gで75分間遠心分離した。
−ペレットを、10mM Tris−HCl(pH8.0)中または蒸留水中に再懸濁した。
【0072】
上記の細菌およびOMV調製物を、NspA、287および741の存在についてウェスタンブロットによって試験した(図1および図2)。結果を、以下の表にまとめる。
【0073】
【表1】

従って、先行文献の界面活性剤に基づく方法とは対照的に、界面活性剤が存在しないことは、OMV中に保持されるNspAをもたらし、287および741の喪失を回避する。
【0074】
(MenBのニュージーランド株から調製したOMVの処方)
OMVを、N.meningitidisの血清群B 394/98株から調製した。これらは、2つの異なる様式で処方した。成分は、以下の濃度を有した:
【0075】
【表2】

処方物「B」は、処方物「A」よりも免疫学的に優れていることが見出された。処方物「B」は、参考文献142において開示される処方物とは、半分のOMV濃度、より高いNaCl濃度、およびわずかに異なるpHを有することによって、異なる。
【0076】
本発明は、例示のためだけに記載されており、本発明の範囲および趣旨の範囲内に保持しつつ、改変がなされ得ることが、理解される。
【0077】
(参考文献)(その内容は、本明細書中に参考として援用される)
【0078】
【表3−1】

【0079】
【表3−2】

【0080】
【表3−3】

【0081】
【表3−4】

【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は、N.meningitidisのMC58株、H4476株、および394/98株から調製された、細菌(「TOT」)および外膜小胞(「OMV」)における(1)タンパク質「287」の存在/非存在を示す。矢印は、図1において「287」の位置を示す。
【図2】図2は、N.meningitidisのMC58株、H4476株、および394/98株から調製された、細菌(「TOT」)および外膜小胞(「OMV」)における(2)タンパク質[741」の存在/非存在を示す。矢印は、図2において「741」の位置を示す。
【図3】図3は、2002年8月29日当時のGenBankエントリーGI:7227128、GI:7227388およびGI:1518522のアミノ酸配列を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細菌から外膜小胞調製物を製造するためのプロセスであって、該細菌膜は、デオキシコール酸界面活性剤の非存在下で実質的に破壊される、プロセス。
【請求項2】
請求項1に記載のプロセスであって、前記細菌膜は、あらゆる界面活性剤の非存在下で実質的に破壊される、プロセス。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプロセスであって、該プロセスは、以下の基本工程:
(a)界面活性剤の実質的な非存在下で細菌細胞を処理する工程;
(b)工程(a)からの組成物を遠心分離して、処理した細胞および細胞破片から外膜小胞を分離し、そして上清を収集する工程;
(c)工程(b)からの上清の高速遠心分離を実施し、そして該外膜小胞をペレット中に収集する工程;
(d)工程(c)からのペレットを緩衝液中に再分散させる工程;
(e)工程(c)に従って第2回目の高速遠心分離を実施し、該外膜小胞をペレット中に収集する工程;
(f)工程(e)からのペレットを水性媒体中に再分散させる工程;
を包含する、プロセス。
【請求項4】
請求項3に記載のプロセスであって、該プロセスは、以下の工程:
(g)工程(f)からの再分散された組成物を、漸減する孔径の少なくとも2つのフィルターを通して滅菌濾過する工程;および
(h)必要に応じて、工程(g)からの組成物を、薬学的に受容可能なキャリアおよび/またはアジュバント組成物中に含める工程;
をさらに包含する、プロセス。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のプロセスであって、
工程(b)は、約5000g〜10000gにて1時間までの遠心分離を含み、
工程(c)および(e)は、約35000g〜100000gにて2時間までの遠心分離を含む、
プロセス。
【請求項6】
請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載のプロセスであって、膜破壊が、超音波処理、ホモジナイゼーション、マイクロフルイダイゼーション、キャビテーション、浸透圧性ショック、粉砕、フレンチプレス、混合、または他の任意の物理的技術による、プロセス。
【請求項7】
請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載のプロセスであって、工程(d)および/または工程(f)において使用される緩衝液は、Tris緩衝液、リン酸緩衝液、またはヒスチジン緩衝液である、プロセス。
【請求項8】
請求項5〜7のうちのいずれか1項に記載のプロセスであって、工程(g)は、孔径約0.2μmのフィルターを用いて終了する、プロセス。
【請求項9】
請求項1〜8のうちのいずれか1項に記載のプロセスであって、外膜小胞が調製される細菌は、Moraxella属、Shigella属、Pseudomonas属、Treponema属、Porphyromonas属、Helicobacter属またはNeisseria属に由来する、プロセス。
【請求項10】
請求項9に記載のプロセスであって、前記細菌は、N.meningitidisまたはN.gonorrhoeaeである、プロセス。
【請求項11】
請求項10に記載のプロセスであって、前記N.meningitidisは、血清群Bに由来する、プロセス。
【請求項12】
請求項1〜11のうちのいずれか1項に記載のプロセスであって、該プロセスは、
免疫学的に有効な量の前記外膜小胞を、免疫原性組成物として処方する工程
をさらに包含する、プロセス。
【請求項13】
請求項1〜12のうちのいずれか1項に記載のプロセスによって入手可能な、外膜小胞組成物。
【請求項14】
Neisseria meningitidis小胞組成物であって、該小胞は、(i)NspAタンパク質、(ii)「287」タンパク質、および(iii)「741」タンパク質を含むことを特徴とする、組成物。
【請求項15】
請求項13または請求項14に記載の組成物であって、前記組成物は、滅菌されており、かつ/または発熱物質を含まず、かつ/またはpH6.0とpH7.0との間のpHにて緩衝化されている、組成物。
【請求項16】
医薬として使用するための、請求項13〜15のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
患者において免疫応答を惹起する方法であって、該方法は、
患者に、請求項13〜15のうちのいずれか1項に記載の組成物を投与する工程
を包含する、方法。
【請求項18】
患者において免疫応答を惹起するための医薬の製造における、請求項13〜15のうちのいずれか1項に記載の外膜小胞の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−503822(P2006−503822A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−532626(P2004−532626)
【出願日】平成15年9月1日(2003.9.1)
【国際出願番号】PCT/IB2003/004293
【国際公開番号】WO2004/019977
【国際公開日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【出願人】(592243793)カイロン ソチエタ ア レスポンサビリタ リミタータ (107)
【Fターム(参考)】