説明

改良3DSホームケア剤

【課題】家庭にあっても効果的な虫歯予防を可能にする、デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム(3DS)に適用可能なホームケア剤の提供。
【解決手段】PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)によってバイオフィルムを物理的に除去した後の未殺菌の歯牙表面に、家庭で塗布して歯牙表面の口腔内細菌を除去する、ハイドロキシアパタイトを有効成分とする改良3DSホームケア除菌剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔内疾患を予防するために改良された改良3DSホームケア剤及び虫歯除菌システムに関するものである。更に詳述すると、本発明は、虫歯菌であるミュータンスを除去することにより、虫歯の発症と歯周病の防止に極めて有用な口腔内細菌除去組成物に関するものである。前記の改良3DSホームケア剤は、より有利な使用方法として、この組成物を歯牙に保持、固定させるためのドラッグリテーナと組み合わせて用いることができる。
【背景技術】
【0002】
ヒトの口腔内は、300〜400種を超える菌が存在していると言われる。それらの菌の中で、う蝕の原因菌としてミュータンス連鎖球菌の存在が明らかにされた。ミュータンス連鎖球菌とは、S.mutans(ミュータンス)やS.sburinus(ソブリヌス)などの7菌種の総称であるが、ヒトからは、ミュータンスとソブリヌスが検出される場合が多い。
【0003】
う蝕は細菌が産生した酸によって歯が酸蝕される減少であるが、ミュータンス、ソブリヌス以外の多くの菌は、口腔内で酸を産生しないかという疑問が残る。
当然のごとく、他の多くの口腔内細菌も代謝の過程で酸を産生し、ミュータンスと同様にプラーク形成を行うが、う窩が生じるようなう蝕の発生には至らない。それでは、ミュータンスがう蝕原因菌とされる最大の特徴は何かというと、ミュータンスがプラーク形成時に非水溶性のグルカンを産生することにあり、産生された非水溶性グルカンは、歯面と強固に付着し、唾液の侵入を遮断するバリアーの役目を果たす。そのためプラーク中の酸は口腔内に拡散することなく、プラーク中で酸濃度が上昇し歯質の脱灰、すなわちう蝕を惹起する。
なお、う蝕に至らない菌のプラークを非う蝕原性プラークといい、う蝕を引き起こすプラークをう蝕原性プラークという。
【0004】
また、ここで重要なのは、ミュータンスが口腔内に存在すれば、う蝕が必ずしも発生するかという疑問である。この点について言えば、ミュータンスの量とう蝕のなりやすさ(カリエスリスク)には、相関があるという考え方が一般的である。
【0005】
通常、口腔内における菌のフローラが正常な範疇であるとき、ミュータンス連鎖球菌数は、唾液1mlあたり10〜10個のオーダーであると言われており、これ以上のミュータンス量を有する場合、カリエスリスクが高い口腔環境であると考えられている。
そこで、カリエスリスクを下げるためには、口腔内のミュータンス濃度を通常の濃度から、10〜10オーダーまで少なくすれば、う蝕になり難い口腔環境になると考えられている。
すなわち、う蝕の予防の最も効果的な方法は、う蝕原因菌を口腔内から選択的に取り除き、口腔内の菌濃度を下げるか、口腔内をミュータンスフリーの環境にすることである。
【0006】
従来のう蝕予防方法は、プラークコントロールという概念に基づくブラッシング法、又はフッ素塗布、フッ素洗口等のフッ素剤による歯質強化法、マウスリンスを使用した口腔内洗浄が実施されてきたが、う蝕を確実に抑制するまでには至っていないのが現状である。
前記のブラッシングやマウスリンスでは、ミュータンスを一時的には低減できるが、虫歯を完全に予防するには至らず、残ったミュータンスが増殖するので、う蝕が発症するのを防止するには限界があった。前記したように、口腔内におけるミュータンスの生息数が、10個〜1000個/mlにあればう蝕率が激減すると言われているが、前記の方法ではここまでのレベルまで低減するのは極めて困難であった。
【0007】
このように、前記の範囲以内までミュータンスの生息数を低減できないのは、不溶な歯石を完全に除去できなかったり、小窩裂溝や歯牙表面の微細な傷等に入り込んだミュータンスの除去を成し得ず、これらのミュータンスが口腔内の食物残渣を糧として増殖するためである。
そこで、新たなう蝕予防方法として、デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム(以下、「3DS」と略す。)が開発された。このシステムは、次のように実施される。
【0008】
1.ミュータンスで形成されたプラーク(以下、「バイオフィルム」と称する。)を物理的に除去する。以下、この行程を「PMTC」(Professional Mechanical Tooth Cleaning)という。
2.ドラッグリテーナを用いて、歯面をクロルヘキシジンで殺菌し、歯面から可及的にミュータンス除去を行う。このとき、歯面から全ての細菌を除去する。
3.ドラッグリテーナを用いて、歯面をフッ素薬剤処理する。これによって、歯面が強化されるとともに、歯面に再付着しようとするミュータンスの付着活性が阻害され、殺菌作用が期待できる。
4.1〜3の処置後、歯面上にはミュータンス以外の菌が棲息するバイオフィルムが形成される。このようにして獲得されたバイオフィルムは、ミュータンス以外の菌が優勢な間は、歯面でミュータンスの繁殖が阻害され、う蝕リスクを極めて低減することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、クロルヘキシジン製剤やフッ素製剤を使用して歯面処理することには、安全性、菌交代現象などの問題がある。前記のクロルヘキジン製剤、フッ素製剤処理には、通常ジェル、クリームなどの材型で製剤が使用されるが、口腔内粘膜に対する安全性の問題があるので、使用時には専用のリテーナを使用して口腔内粘膜面への漏出を防ぐのに細心の注意を払う等、取り扱いに非常に注意を要する。
【0010】
或いは、う蝕予防の方法として他の方法としては、ミュータンスに対する抗体を用いる方法が挙げられる。この方法は、ミュータンスの菌表層にある蛋白質成分(PAcI/II)には菌表面の唾液蛋白質と結合する性質があるので、この蛋白質に対する抗体をPMTC後の歯の表面に塗布し、歯の表面にミュータンスが初期付着することを防ぐ方法である。
この処理によって、ミュータンスだけが一時的に歯の表面に付着することができず、非う蝕原生菌によるバイオフィルムの形成を促すこととなる。
【0011】
しかし、抗体を使用した方法では、使用する抗体の作成費用が高いという問題や、安全性が確保されていないという問題等がある。また、このように一度形成された、ミュータンス以外のバイオフィルムによって、歯はう蝕から守られることとなるが、このバイオフィルムは、現段階では長く維持させることはできず、ミュータンスのバイオフィルムに置き換わり易いので、従来の3DSを改良した虫歯除菌システムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
リン酸カルシウム系セラミックスは、一般的に蛋白質に対して吸着特性が高いという物理特性がある。特に、ハイドロキシアパタイトの場合は、この特性が強い。一般的に菌体の表面は蛋白質で構成されていることから、ハイドロキシアパタイトは菌体に対しても高い吸着特性を有することが期待され、従来の虫歯除菌システムを改良し得る新たな菌吸着除去剤としての可能性があると考えられた。
【0013】
そこで、本発明者等は、鋭意研究を行った結果、本発明の改良3DSホームケア剤は、従来の3DSに通常使用されるフッ化第一スズを含有するジェル剤、クロルヘキシジンを含有するジェル剤と比較して何ら遜色のないことを見出し、本発明の虫歯除菌システム(以下、「改良3DS」と略することがある。)を完成した。
本発明の虫歯除菌システムによれば、菌のフローラを破壊及び菌が変異する恐れが極めて少なく、フッ化第一スズ、クロルヘキシジン又は抗体を使用した場合のように薬剤が専用のリテーナから漏出した場合の弊害を考慮することなく極めて安全かつ安価にミュータンス菌の除去を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明につき、更に詳細に説明する。
本発明の改良3DSホームケア剤は、ハイドロキシアパタイトを必須成分としてペースト状、ゲル状の剤型として調製し、必要に応じて乳化剤、ゲル化剤、増粘剤、殺菌剤、湿潤剤等の成分を使用して調製される。また、更に好ましくは、この組成物を確実に歯牙に保持、固定させる専用のリテーナと組み合わせて用いることができる。
【0015】
ハイドロキシアパタイトは、通常、Ca10(PO(OH)なる化学量論組成で示されるが、Ca/Pモル比が1.67にならない非化学量論的な場合であっても、ハイドロキシアパタイトの性質を示し、アパタイト構造を取りうるという特徴がある。本発明においては、化学量論組成及び非化学量論組成のハイドロキシアパタイトのいずれも使用することができ、Ca/Pモル比1.4〜1.8のものを使用することができる。
ハイドロキシアパタイトのCa/Pモル比の制御は、原料の塩の調合比及び合成条件の制御にて行う。例えば、ハイドロキシアパタイトの湿式合成法において、合成時にアンモニア水等で水溶液を塩基性に調整すると、Ca/Pモル比が高くなり、水溶液を希酸で中性或いは弱酸性に調整するとCa/Pモル比を低くすることができる。
【0016】
本発明で使用する前記ハイドロキシアパタイトとしては、結晶性及び低結晶性のいずれも使用することができるが、低結晶性或いは非晶質のものが好ましい。
本発明でいう「低結晶性」とは、X線回折ピークが高結晶性の粉体に較べてブロードな結晶質粉体のことを言う。
「非晶質」とは、X線回折パターンが幅広いハローを示し、結晶の特徴を示す回折パターンが得られない微小な粒子からなる粉体をいう。以下、低結晶性のハイドロキシアパタイト、非晶質のハイドロキシアパタイトをそれぞれ、「低結晶性アパタイト」及び「非晶質アパタイト」と称する。
【0017】
本発明で使用する低結晶性アパタイト或いは非晶質アパタイトとしては、例えば、前記したごとく湿式法により合成したアパタイトを凍結乾燥もしくは100℃以下の温度で乾燥したもの、或いは300℃程度以下の温度で焼成したものを使用する。
低結晶性アパタイト或いは非晶質アパタイトは、結晶性の高いハイドロキシアパタイト(以下、「結晶質アパタイト」と称する。)と比較して、粒径の小さい粒子からなる凝集体を形成しやすく、その凝集体は容易に崩壊する。このため、歯牙表面の口腔内細菌を取り込む作用は結晶質アパタイトに比較して効果的である。
前記したように、低結晶性アパタイト或いは非晶質アパタイトの微粒子は口腔内細菌に速やかに吸着して菌体表面を覆うので、口腔内細菌を除去する効果が高い。口腔内細菌に特異的に吸着し、菌体表面が覆われる。
【0018】
本発明で使用するハイドロキシアパタイト粒子(以下、単に「アパタイト」粒子と略。)としては、平均粒径が30.0μm以下のものが好ましい。平均粒径が小さいほど比表面積が大きくなって、口腔内細菌を吸着する性質が高められるので、粒子の平均粒径の下限は特に限定されない。尚、30.0μmを超えるものについては、本発明の改良3DSホームケア剤の流動性が損なわれて、効果が十分に発揮し得ないので好ましくない。
【0019】
アパタイトの配合量は、口腔内疾患予防用リテーナに充填する組成物の量の1重量%〜100重量%の範囲内である。
アパタイトの配合量が1重量%未満であれば、菌吸着が十分になされず、本発明の目的が充分に達成できない恐れがあるからである。アパタイトの配合量の上限を100重量%としたのは、本発明がハイドロキシアパタイトの吸着性を利用するものであり、この吸着性を最大限利用するには、本来ハイドロキシアパタイト以外の成分を配合しないのが望ましいからである。
但し、前記したように、ハイドロキシアパタイトは凝集性が高く、粉体では流動性が無いので、必要に応じて他成分を配合する。また、使用時に雑菌が繁殖するのを防止するためには、殺菌剤をある程度使用する必要がある。
【0020】
ハイドロキシアパタイトの凝集性が高いのは、ハイドロキシアパタイト表面にCa2+サイトと陰イオンサイト(HPO2−,PO3−,OH)があることによる。前者のサイトはアミノ酸やポリペプチドの酸性基(−COO)を吸着する性質を有し、後者のサイトは塩基性基(−NH)を吸着する性質を有する。これらのサイトが静電気的に相互作用して、ハイドロキシアパタイト粒子が凝集する。
そこで、ハイドロキシアパタイト粒子の凝集を適度に制御し、組成物に適度な流動性及び賦形性を与え、ハイドロキシアパタイト本来の吸着性を確保することを目的として、本発明の改良3DSホームケア剤にはゲル化剤、乳化剤及び増粘剤の少なくともいずれかの成分を適宜選択し、使用するのが好ましい。但し、製品の保存安定性が損なわれるおそれがあるので、ゲル化剤及び乳化剤の両成分を共存した配合組成は避けるべきである。
本発明に使用されるゲル化剤として、粘土鉱物の水懸濁液或いはシリカゲル(SiO・xHO)を使用できる。
【0021】
本発明に用いられる粘土鉱物としては、天然或いは合成の粘土鉱物のいずれも使用することができる。粘土鉱物としては、例えば、アロフェン、イモゴライト、パイロフィライト、タルク、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、バイデライト、ノントロナイト、ベントナイト、バーミキュライト、白雲母、黒雲母、クローライト、カオリナイト、ハロイサイト、セピオライト等が挙げられる。これらの粘土鉱物の天然品又は化学的合成品、又はこれらの置換体、誘導体、あるいはこれらの混合物を本発明の口腔用細菌除去組成物のゲル化剤成分として使用することができる。
尚、前記の粘土鉱物のうち、より好ましくは膨潤性粘土鉱物が使用される。
【0022】
前記の膨潤性粘土鉱物としては、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト群、フッ素四ケイ素雲母、Naテニオライト、Liテニオライト等の膨潤性雲母等が挙げられる。これらの膨潤性粘土鉱物の天然品又は化学的合成品、又はこれらの置換体、誘導体、あるいはこれらの混合物を本発明の改良3DSホームケア剤のゲル化剤成分として使用することができる。
【0023】
前記の粘土鉱物及びシリカゲルの平均粒径は、30.0μm以下のものを使用するのが好ましい。平均粒径が小さいほど流動性が良好になるので、粒子の平均粒径の下限は特に限定されない。尚、30.0μmを超えるものについては、本発明の改良3DSホームケア剤を使用する場合の賦形性及び流動性が損なわれて、効果が十分に発揮し得ないので好ましくない。
粘土鉱物或いはシリカゲルの配合量は、特に限定されず、全体からアパタイトの配合量を除いた量を最大量として配合できる。すなわち、0重量%〜99重量%の範囲内で必要に応じた量を配合する。
粘土鉱物は、組成物に適度な流動性及び賦形性を与える機能においては最も優れるが、長期保存すると水分が分離されるので、後述する乳化剤若しくは増粘剤等の他の成分を配合することにより、本発明の改良3DSホームケア剤の保存安定性を高めることができる。
【0024】
これに対して、乳化剤若しくは増粘剤は、前記の粘土鉱物等のゲル化剤と比較して流動性に欠けるが、保存安定性において優れる。
本発明に使用される増粘剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、キサンタンガム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、タラガントガム、グアガム、ローカストビーンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ジェランガム、ゼラチン、カードラン、アラビアガム、寒天、ペクチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、プルラン、酢酸ビニル等が挙げられる。これらの増粘剤の配合量は、組成物全体の0.2〜10.0重量%の範囲とするのが好ましい。
【0025】
本発明に使用される乳化剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤及び両性イオン界面活性剤が用いられる。
アニオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチン酸硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、N−ミリストイルザルコシン酸ナトリウムなどのN−アシルザルコシン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸ナトリウムなどのN−アシルグルタミン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム、N−メチル−N−アシルアラニンナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム等が用いられる。
ノニオン界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル、ラクトース脂肪酸エステルなどの糖脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ラクチトール脂肪酸エステルなどの糖アルコール脂肪酸エステル、ポリオキエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などのポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ラウリン酸モノ又はジエタノールアミド、ミリスチン酸モノ又はジエタノールアミドなどの脂肪酸ジエタノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステル等が用いられる。
両性イオン界面活性剤としては、N−ラウリルジアミノエチルグリシン、N−ミリスチルジアミノエチルグリシンなどのN−アルキルジアミノエチルグリシン、N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウムなどが用いられる。
【0026】
本発明の改良3DSホームケア剤の保存性を高めるため或いは使用時に口腔内細菌が繁殖するのを防止するため、殺菌剤、抗菌剤を配合することが出来る。
本発明に使用できる殺菌剤、抗菌剤は、クロルヘキシジン、パラベン、トリクロサン、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム等の殺菌剤、ラクトフェリン、ナイシン、ガゼリシン、バクテリオシン等の抗菌タンパク質もしくは抗菌ペプチド類、無機系銀、無機系亜鉛、無機系チタン等の無機系抗菌剤を使用するのが好ましい。但し、前記の目的を達する一方、薬剤による刺激を防止するため適度な量を配合するものとし、0重量%〜10重量%の範囲内で必要に応じて配合する。
【0027】
また、前記のゲル化剤、乳化剤及び増粘剤以外に、本発明の改良3DSホームケア剤に適度な流動性を与えるための物質として、湿潤剤を配合することができる。
本発明に使用できる湿潤剤としては、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。湿潤剤の配合量は、特に限定されず、全体からアパタイトの配合量を除いた量を最大量として配合できる。すなわち、0重量%〜99重量%の範囲内で必要に応じた量を配合する。
【0028】
更に、本発明の改良3DSホームケア剤の使用感を向上させるために、本発明の効果を妨げない範囲で、前記の成分以外の添加剤、例えば、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ステビアエキス等の甘味料、メントール、スペアミント油等の香料、アラントイン、酢酸トコフェロール、イソプロピルフェノール、トラネキサム酸等の薬効成分、大豆蛋白質、カゼインフォスフォペプタイド(CPP)等の再石灰化促進タンパク質、デキストラナーゼ、ムタナーゼ等の歯垢分解酵素、スチレプトコッカス・サーモフィルス、ラクトバチルス・アシドフィルスやサプスピーシース・ブルガリカス等の乳酸菌、前述記載乳酸等の培養ロ液、カラメル、ベニノキ、コチノール、ベニバナ、クチナシ色素等の天然色素化合物、赤色2号、赤色3号、赤色226号、黄色4号、黄色5号、青色1号、青色2号、緑色3号、青色201号、青色204号、雲母チタン等の色素、着色剤等を薬学的に許容できる範囲で適宜使用される。
【0029】
本発明は、改良3DSにおける新たなホームケア剤に関する発明であり、極めて安全である上に使用時間が短いので、専用のリテーナを使用せずに歯牙表面に直に塗布或いは堆積させるといった極めて簡易な方法によっても効果を発揮することができる。但し、より確実にその効果を発揮させるためには、歯表面に隣接してホームケア剤を保持させるためのリテーナと組み合わせて使用するのが好ましい。
前記リテーナを製造する方法として、公知の方法が採用される。例えば、口腔内の形状を再現した石膏模型を作成し、かかる石膏模型から常用の方法を用いてリテーナを形成する。
【0030】
本発明の改良3DSにおいて使用されるリテーナは、本発明の口腔用細菌除去組成物を歯牙へ確実に保持或いは固定することができれば十分であるので、前記の方法により製造されたリテーナに限定されない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーンゴム、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂等の有機系高分子材料は水不溶性であって可塑性を有する素材であるので、このような素材からなるものであって単なる歯列形に成形したリテーナを本発明の実施に用いることができる。尚、本発明の改良3DSホームケア剤の使用時間は1日約5分間と極めて短時間で済むので、各個人の歯型に成形されたリテーナや長時間の使用に好適な形状に成形されたリテーナ、マウスピース等の形状に限定されない。例えば、前記の可塑性を有する素材からなるテープやシートを適度な大きさに切り取って使用する等、極めて簡易な方法により本発明を実施することもできる。リテーナの形状が簡易であるほど、口腔用細菌除去組成物が漏出する恐れが高くなるが、本発明の口腔用細菌除去組成物の人体に対する安全性は高いので、本発明の効果を妨げない範囲であれば問題はない。
【0031】
本発明の改良3DSホームケア剤は、その使用前に、予め歯を清浄し、使用者の歯から可及的にミュータンス除去する。すなわち、スケーラー、超音波スケーラー、PMTC用ポイント、歯科用コーン等を使用して、歯面からバイオフィルムを物理的に極力除去する。バイオフィルムはブラッシングを行っても完全に除去できないからである。尚、前記方法によれば、歯表面にミクロン単位の傷を残すが、その後に改良3DSを行うことによって、う蝕が極めて発生しにくい口腔内環境が得られると共に、ホームケア剤に含有されるハイドロキシアパタイトによって歯が再石灰化されるので、特別な処置を行わなくてもPMTCによる歯面の傷が再石灰化、再結晶化作用によって修復される。
【0032】
改良3DSによる口腔用細菌除去は、通常、使用者の自宅において1日約5分間だけ約1週間程度毎日繰り返し行うことにより行われ、改良3DSのスケジュールは各使用者のライフスタイルに合わせて計画を立てることができる。
【0033】
本発明によれば、ミュータンスで形成されたプラークを歯牙表面から除去するステップと、歯牙表面をクロルヘキシジンにて殺菌するステップと、前述したドラッグリテーナを用いて本発明の改良3DSホームケア剤を殺菌した歯牙表面に塗布するステップ、およびドラッグリテーナを除去し、歯牙表面を洗浄するステップからなる虫歯除菌システムが提供される。ここで、前記したように本発明の改良3DSホームケア剤は安全性が極めて高いことから、本発明の改良3DSホームケア剤が口腔内に漏出しても人体への悪影響は極めて低いので、前記ドラッグリテーナを使用せず、直に歯牙表面に塗布することも可能である。
従って、このシステムは、ミュータンスで形成されたプラークを歯牙表面から除去するステップと、歯牙表面をクロルヘキシジンにて殺菌するステップと、本発明の改良3DSホームケア剤を殺菌した歯牙表面に直に塗布するステップ及び歯牙表面を洗浄するステップからなる方法とすることもできる。
【0034】
さらに、本発明の虫歯除菌システムは、ミュータンスで形成されたプラークを歯牙表面から除去するステップと、本発明の改良3DSホームケア剤を歯牙表面に塗布するステップおよび歯牙表面を洗浄するステップからなる方法とすることができる。本発明の改良3DSホームケア剤は菌体に対する吸着特性も優れるので、クロルヘキシジンによる歯牙表面の殺菌の代わりに、本発明の改良3DSホームケア剤を塗布することによって、歯牙表面の口腔内細菌の除去を効果的に行うことができるからである。
【実施例】
【0035】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
[高結晶性アパタイトの製造]
イオン交換水10リットル中に水酸化カルシウム1000gを投入し、攪拌機にて混合した。一方、85重量%濃度のリン酸について、イオン交換水で3倍希釈したリン酸溶液2800gを調製し、かかるリン酸溶液を0.4ml/secの滴下速度で水酸化カルシウム懸濁液に添加して反応せしめることにより、リン酸カルシウム化合物の懸濁液を製造した。尚、反応時における懸濁液pHはpH9〜10とし、懸濁液の反応温度については特に制御を行わず、室温下の環境下で反応を行った。このようにして得られたリン酸カルシウム化合物の懸濁液から不要なイオンを除去すべくイオン交換水で十分洗浄した。次いで、乾燥温度100℃下で十分乾燥した。次いで、前記のリン酸カルシウム化合物の乾燥物を800℃で2時間焼成することにより、Ca/P比が1.62の高結晶性アパタイトを製造した。
【0036】
[低結晶性アパタイトの製造]
イオン交換水10リットル中に水酸化カルシウム960gを投入し、攪拌機にて混合した。一方、85重量%濃度のリン酸について、イオン交換水で3倍希釈したリン酸溶液2800gを調製し、かかるリン酸溶液を0.4ml/secの滴下速度で水酸化カルシウム懸濁液に添加して反応せしめることにより、リン酸カルシウム化合物の懸濁液を製造した。尚、反応時における懸濁液pHはpH9〜10とし、懸濁液の反応温度については特に制御を行わず、室温下の環境下で反応を行った。
このようにして得られたリン酸カルシウム化合物の懸濁液を室温で24時間放置して熟成した。次いで、前記の懸濁液から不要なイオンを除去すべく、イオン交換水で十分洗浄し、次いで、前記の処方により製造したリン酸カルシウム化合物をイオン交換水に懸濁してスラリーを調整し、かかるスラリーを乾燥温度200℃に調整したスプレードライヤーの懸濁液を凍結乾燥することによって、Ca/P比が1.59の低結晶性アパタイトを得た。
【0037】
[非晶質アパタイトの製造]
イオン交換水10リットル中に水酸化カルシウム960gを投入し、攪拌機にて混合した。一方、85重量%濃度のリン酸について、イオン交換水で3倍希釈したリン酸溶液2800gを調製し、かかるリン酸溶液を0.4ml/secの滴下速度で水酸化カルシウム懸濁液に添加して反応せしめることにより、リン酸カルシウム化合物の懸濁液を製造した。尚、反応時における懸濁液pHはpH9〜10とし、懸濁液の反応温度については特に制御を行わず、室温下の環境下で反応を行った。このようにして得られたリン酸カルシウム化合物の懸濁液を室温で24時間放置して熟成した。次いで、前記の懸濁液から不要なイオンを除去すべく、イオン交換水で十分洗浄し、次いで、前記の処方により製造したリン酸カルシウム化合物の懸濁液を凍結乾燥することによって、Ca/P比が1.59の非晶質アパタイトを得た。
【0038】
[虫歯菌吸着除去試験]
S.mutans菌等の虫歯菌と称される口腔レンサ球菌に対する本発明のホームケア剤の吸着除去効果を調査する目的で、次のような試験を行った。
S.mutans菌等の口腔レンサ球菌を培養し、培養後の菌体を遠心分離した。
次いで、リン酸緩衝生理食塩水で洗浄し、初期菌数を有する菌体懸濁液の吸光度の初期値を測定した。一方、15ml容量の遠心分離管に、本発明の改良3DSホームケア剤として各種ハイドロキシアパタイト或いは比較例の物質を20mg充填したものを調製した。次いで、かかる遠心分離管に前記の菌体懸濁液1.5mlを添加し、90分間振とうしつつ37℃にてインキュベーションした。その後、10分間静置し、分光光度計を使用して上清の吸光度の測定を行った。
上清の吸光度と菌体培養液の吸光度の初期値とを比較することによって、各実施例及び比較例の物質のそれぞれの菌吸着率を求めた。
【0039】
【表1】



【0040】
実施例及び比較例を比較すると、ハイドロキシアパタイトを使用した本発明の改良3DS剤の方が、比較例の物質よりも菌吸着能が格段に優れていることがわかる。また、高温で焼成して作成した高結晶性アパタイトと比較して、低温で焼成もしくは乾燥した低結晶性、非晶質アパタイトの方が高い菌吸着率を有することがわかる。このように本発明の改良3DSホームケア剤によれば、S.mutans菌等の虫歯菌の除去が有効に行えることができる。
【0041】
[製造例]
(1)本発明の改良3DSホームケア組成1
低結晶アパタイト30重量%を蒸留水に懸濁してなるアパタイトのゲル(以下、「アパタイトゲル」)、アパタイト粉、ラポナイト、ステビアの各成分を十分混合し、次いで、グリセリンを投入して十分混合した後、カルボキシメチルセルロース及びグルコン酸クロルヘキシジンを投入して十分混合し、更に次いで残りのラポナイト及び香料を投入して十分混合して本発明の改良3DSホームケア剤を得た。尚、前記構成成分の混合には、ホモジナイザーを使用した。
アパタイトゲル 20.33重量%
アパタイト粉 15.00重量%
ラポナイト 1.07重量%
ステビア 0.16重量%
グリセリン 9.52重量%
カルボキシメチルセルロース 0.29重量%
グルコン酸クロルヘキシジン 0.05重量%
香料 0.48重量%
水 残部
計 100.00重量%
【0042】
(2)本発明の改良3DSホームケア組成2
アパタイトゲル(アパタイト30%濃度)、アパタイト粉、ラポナイト、キシリトールの各成分を十分混合し、次いで、グリセリンを投入して十分混合した後、カラギーナン、ショ糖脂肪酸エステル及びパラベンを投入して十分混合し、更に次いで残りのラポナイト及び香料を投入して十分混合して本発明の改良3DSホームケア剤を得た。尚、前記構成成分の混合には、ホモジナイザーを使用した。
アパタイトゲル 50.33重量%
アパタイト粉 25.00重量%
ラポナイト 1.07重量%
キシリトール 1.00重量%
グリセリン 9.52重量%
カラギーナン 0.40重量%
ショ糖脂肪酸エステル 1.59重量%
パラベン 0.20重量%
香料 0.48重量%
水 残部
計 100.00重量%
【0043】
(3)本発明の改良3DSホームケア組成3
アパタイトゲル(アパタイト30%濃度)、ラポナイト、トレハロースの各成分を十分混合し、次いで、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールを投入して十分混合した後、カルボキシメチルセルロース、ショ糖脂肪酸エステル及び塩化セチルピリジニウムを投入して十分混合し、更に次いで香料を投入して十分混合して本発明の改良3DSホームケア剤を得た。尚、前記構成成分の混合には、ホモジナイザーを使用した。
アパタイトゲル 10.00重量%
ラポナイト 1.00重量%
トレハロース 0.16重量%
プロピレングリコール 5.00重量%
ポリエチレングリコール 5.00重量%
カルボキシメチルセルロース 2.00重量%
ショ糖脂肪酸エステル 1.60重量%
塩化セチルピリジウム 0.20重量%
香料 0.48重量%
水 残部
計 100.00重量%
【0044】
(4)本発明の改良3DSホームケア組成4
アパタイトゲル(アパタイト30%濃度)、アパタイト粉、ラポナイト、ソルビトールの各成分を十分混合し、次いで、グリセリンを投入して十分混合した後、カルボキシメチルセルロース、グルコン酸クロルヘキシジンを投入して十分混合し、更に次いで残りのラポナイト及びデキストラナーゼ、香料を投入して十分混合して本発明の改良3DSホームケア剤を得た。尚、前記構成成分の混合には、ホモジナイザーを使用した。
アパタイトゲル 20.33重量%
アパタイト粉 20.00重量%
ラポナイト 1.07重量%
ソルビトール 5.00重量%
グリセリン 8.00重量%
カルボキシメチルセルロース 0.29重量%
グルコン酸クロルヘキシジン 0.05重量%
デキストラナーゼ 1.00重量%
香料 0.48重量%
水 残部
計 100.00重量%
【0045】
(5)本発明の改良3DSホームケア組成5
アパタイトゲル(アパタイト20%濃度)、アパタイト粉、ラポナイト、シリカゲル、ステビア、キシリトール、グリセリンを投入して十分混合した後、カルボキシメチルセルロース及びグルコン酸クロルヘキシジンを投入して十分混合し、更に次いで残りのラポナイト及び香料を投入して十分混合して本発明の改良3DSホームケア剤を得た。尚、前記構成成分の混合には、ホモジナイザーを使用した。
アパタイトゲル 25.80重量%
アパタイト粉 13.00重量%
ラポナイト 0.90重量%
シリカゲル 6.50重量%
ステビア 0.20重量%
キシリトール 0.65重量%
グリセリン 17.00重量%
カルボキシメチルセルロース 0.40重量%
グルコン酸クロルヘキシジン 0.05重量%
香料 0.10重量%
水 残部
計 100.00重量%
【0046】
(6)本発明の改良3DSホームケア組成6
アパタイトゲル(アパタイト20%濃度)、アパタイト粉、ラポナイト、シリカゲル、ステビア、キシリトール、ショ糖脂肪酸エステルの各成分を十分混合し、次いで、グリセリンを投入して十分混合した後、カルボキシメチルセルロース、グルコン酸クロルヘキシジンを投入して十分混合し、更に次いで残りのラポナイト及び香料を投入して十分混合して本発明の改良3DSホームケア剤を得た。尚、前記構成成分の混合には、ホモジナイザーを使用した。
アパタイトゲル 26.00重量%
アパタイト粉 13.00重量%
ラポナイト 0.60重量%
シリカゲル 6.50重量%
ステビア 0.50重量%
キシリトール 0.65重量%
ショ糖脂肪酸エステル 0.25重量%
グリセリン 17.00重量%
カルボキシメチルセルロース 0.40重量%
グルコン酸クロルヘキシジン 0.05重量%
香料 1.00重量%
水 残部
計 100.00重量%
【0047】
(7)本発明の改良3DSホームケア組成7
アパタイトゲル(アパタイト20%濃度)、アパタイト粉、ショ糖脂肪酸エステル、シリカゲルの各成分を十分混合し、次いで、ステビア、キシリトール、ラポナイト、グリセリンを投入して十分混合した後、カルボキシメチルセルロース、及びグルコン酸クロルヘキシジンを投入して十分混合し、更に次いで残りのグリセリン及び香料を投入して十分混合して本発明の改良3DSホームケア剤を得た。尚、前記構成成分の混合には、ホモジナイザーを使用した。
アパタイトゲル 25.00重量%
アパタイト粉 15.00重量%
ラポナイト 0.80重量%
ステビア 0.50重量%
シリカゲル 8.00重量%
キシリトール 0.65重量%
ショ糖脂肪酸エステル 0.25重量%
グリセリン 20.00重量%
カルボキシメチルセルロース 0.40重量%
グルコン酸クロルヘキシジン 0.05重量%
香料 1.00重量%
水 残部
計 100.00重量%
【0048】
(8)本発明の改良3DSホームケア組成8
アパタイトゲル(アパタイト20%濃度)、ラポナイト、シリカゲル、マルチトール、ステビアの各成分を十分混合し、次いで、グリセリンを投入して十分混合した後、カルボキシメチルセルロースを投入し、十分混合し、更に次いで残りのラポナイト及び無機系銀抗菌剤、香料を投入して十分混合して本発明の改良3DSホームケア剤を得た。尚、前記構成成分の混合には、ホモジナイザーを使用した。
アパタイトゲル 50.00重量%
ラポナイト 1.00重量%
シリカゲル 5.00重量%
マルチトール 4.00重量%
ステビア 1.00重量%
グリセリン 15.00重量%
カルボキシメチルセルロース 0.50重量%
無機系銀抗菌剤 1.00重量%
香料 0.80重量%
水 残部
計 100.00重量%
【0049】
(9)本発明の改良3DSホームケア組成9
アパタイト粉、ステビアの各成分を十分混合し、次いで、ジグリセリンを投入して十分混合した後、カルボキシメチルセルロース及びグルコン酸クロルヘキシジンを投入して十分混合し、更に次いで水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、ラクトフェリン及び香料を投入して十分混合して本発明の改良3DSホームケア剤を得た。尚、前記構成成分の混合には、ホモジナイザーを使用した。
アパタイト粉 10.00重量%
水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム
1.00重量%
ショ糖脂肪酸エステル 2.00重量%
ステビア 0.80重量%
ジグリセリン 9.52重量%
カルボキシメチルセルロース 0.29重量%
グルコン酸クロルヘキシジン 0.05重量%
ラクトフェリン 0.50重量%
香料 0.48重量%
水 残部
計 100.00重量%
【0050】
(10)本発明の改良3DSホームケア組成10
アパタイト粉、キシリトールの各成分を十分混合し、次いで、グリセリンを投入して十分混合した後、カルボキシメチルセルロース、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びバクテリオシンを投入して十分混合し、更に次いでポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び香料を投入して十分混合して本発明の改良3DSホームケア剤を得た。尚、前記構成成分の混合には、ホモジナイザーを使用した。
アパタイト粉 20.00重量%
キシリトール 1.00重量%
グリセリン 15.52重量%
カルボキシメチルセルロース 0.5重量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.59重量%
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル 5.00重量%
バクテリオシン 0.55重量%
香料 0.48重量%
水 残部
計 100.00重量%
【0051】
(11)本発明の改良3DSホームケア組成11
アパタイト粉、トレハロースの各成分を十分混合し、次いで、ジグリセリンを投入して十分混合した後、カルボキシメチルセルロース、ショ糖脂肪酸エステル及びナイシンを投入して十分混合し、更に次いでN−ミリストイルザルコシン酸ナトリウム及び香料を投入して十分混合して本発明の改良3DSホームケア剤を得た。尚、前記構成成分の混合には、ホモジナイザーを使用した。
アパタイト粉 30.00重量%
N−ミリストイルザルコシン酸ナトリウム 5.00重量%
トレハロース 0.16重量%
ジグリセリン 15.00重量%
カルボキシメチルセルロース 0.29重量%
ショ糖脂肪酸エステル 1.60重量%
ナイシン 0.05重量%
香料 0.48重量%
水 残部
計 100.00重量%
【0052】
(12)本発明の改良3DSホームケア組成12
アパタイト粉、ソルビトールの各成分を十分混合し、次いで、グリセリンを投入して十分混合した後、カルボキシメチルセルロース、グルコン酸クロルヘキシジンを投入して十分混合し、更に次いでミリスチン酸ジエタノールアミド及び香料を投入して十分混合して本発明の改良3DSホームケア剤を得た。尚、前記構成成分の混合には、ホモジナイザーを使用した。
アパタイト粉 55.00重量%
ミリスチン酸ジエタノールアミド 2.00重量%
ソルビトール 5.00重量%
グリセリン 5.00重量%
カルボキシメチルセルロース 0.29重量%
グルコン酸クロルヘキシジン 0.05重量%
香料 0.48重量%
水 残部
計 100.00重量%
【0053】
(13)本発明の改良3DSホームケア組成13
アパタイトゲル(アパタイト20%濃度)、アパタイト粉、大豆蛋白質を十分混合し、ラポナイト、シリカゲル、ステビア、キシリトール、グリセリンを投入して十分混合した後、カルボキシメチルセルロース及びグルコン酸クロルヘキシジンを投入して十分混合し、更に次いで残りのラポナイト及び香料を投入して十分混合して本発明の改良3DSホームケア剤を得た。尚、前記構成成分の混合には、ホモジナイザーを使用した。
アパタイトゲル 25.80重量%
アパタイト粉 13.00重量%
大豆蛋白質 5.00重量%
ラポナイト 0.90重量%
シリカゲル 6.50重量%
ステビア 0.20重量%
キシリトール 0.65重量%
グリセリン 17.00重量%
カルボキシメチルセルロース 0.40重量%
グルコン酸クロルヘキシジン 0.05重量%
香料 0.10重量%
水 残部
計 100.00重量%
【0054】
(14)本発明の改良3DSホームケア組成14
アパタイトゲル(アパタイト20%濃度)、アパタイト粉、大豆蛋白質、ラポナイト、シリカゲル、ステビア、キシリトールの各成分を十分混合し、次いで、グリセリンを投入して十分混合した後、キサンタンガム、塩化セチルピリジニウムを投入して十分混合し、更に次いで残りのラポナイト及び香料を投入して十分混合して本発明の改良3DSホームケア剤を得た。尚、前記構成成分の混合には、ホモジナイザーを使用した。
アパタイトゲル 26.00重量%
アパタイト粉 13.00重量%
大豆蛋白質 10.00重量%
ラポナイト 0.60重量%
シリカゲル 6.50重量%
ステビア 0.50重量%
キシリトール 0.65重量%
グリセリン 17.00重量%
キサンタンガム 0.40重量%
塩化セチルピリジニウム 0.05重量%
香料 1.00重量%
水 残部
計 100.00重量%
【0055】
(15)本発明の改良3DSホームケア組成15
アパタイトゲル(アパタイト20%濃度)、アパタイト粉、ショ糖脂肪酸エステル、シリカゲルの各成分を十分混合し、次いで、CPP、ステビア、キシリトール、ラポナイト、グリセリンを投入して十分混合した後、パラベンを投入して十分混合し、更に次いで残りのグリセリン及び香料を投入して十分混合して本発明の改良3DSホームケア剤を得た。尚、前記構成成分の混合には、ホモジナイザーを使用した。
アパタイトゲル 25.00重量%
アパタイト粉 15.00重量%
ショ糖脂肪酸エステル 0.25重量%
シリカゲル 8.00重量%
CPP 2.50重量%
ステビア 1.00重量%
キシリトール 0.65重量%
ラポナイト 0.80重量%
グリセリン 20.00重量%
パラベン 0.05重量%
香料 1.00重量%
水 残部
計 100.00重量%
【0056】
(16)本発明の改良3DSホームケア組成16
アパタイト粉、キシリトールの各成分を十分混合し、次いで、グリセリンを投入して十分混合した後、カルボキシメチルセルロース、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びパラベンを投入して十分混合し、更に次いでポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、乳酸菌培養ロ液及び香料を投入して十分混合して本発明の改良3DSホームケア剤を得た。尚、前記構成成分の混合には、ホモジナイザーを使用した。
アパタイト粉 20.00重量%
キシリトール 1.00重量%
グリセリン 15.52重量%
カルボキシメチルセルロース 0.5重量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.59重量%
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル 5.00重量%
パラベン 0.55重量%
乳酸菌培養ロ液 10.00重量%
香料 0.48重量%
水 残部
計 100.00重量%
【0057】
(17)本発明の改良3DSホームケア組成17
アパタイト粉、トレハロースの各成分を十分混合し、次いで、ジグリセリンを投入して十分混合した後、カルボキシメチルセルロース、ショ糖脂肪酸エステル及びグルコン酸クロルヘキシジンを投入して十分混合し、次いでN−ミリストイルザルコシン酸ナトリウム及び香料を投入して十分混合して本発明の改良3DSホームケア剤を得た。尚、前記構成成分の混合には、ホモジナイザーを使用した。
アパタイト粉 30.00重量%
N−ミリストイルザルコシン酸ナトリウム 5.00重量%
トレハロース 0.16重量%
ジグリセリン 15.00重量%
カルボキシメチルセルロース 0.29重量%
ショ糖脂肪酸エステル 1.60重量%
グルコン酸クロルヘキシジン 0.05重量%
香料 0.48重量%
水 残部
計 100.00重量%
【0058】
(18)本発明の改良3DSホームケア組成18
アパタイト粉、グリセリン、キシリトールの各成分を十分混合し、ワセリンを投入して十分混合した後、ポリオキシエチレンミツロウを投入して十分混合し、更に次いでポリビニルアルコール、ジグリセリン、ラクトバチルス・アシドフィルス及び香料を投入して十分混合して本発明の改良3DSホームケア剤を得た。尚、前記構成成分の混合には、ホモジナイザーを使用した。
アパタイト粉 20.00重量%
グリセリン 35.00重量%
ジグリセリン 19.00重量%
ワセリン 10.00重量%
ポリオキシエチレンミツロウ 2.00重量%
キシリトール 2.00重量%
ポリビニルアルコール 5.00重量%
ラクトバチルス・アシドフィルス 5.00重量%
香料 2.00重量%
計 100.00重量%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯牙表面からバイオフィルムを物理的に除去した後に歯牙表面の口腔内細菌を除去するために用いられる、クロルヘキシジンによる殺菌の代わりに歯牙表面の口腔内細菌を除去することが可能な、ハイドロキシアパタイトを有効成分とする改良3DSホームケア除菌剤。
【請求項2】
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)によってバイオフィルムを物理的に除去した後の未殺菌の歯牙表面に、家庭で塗布して歯牙表面の口腔内細菌を除去する、ハイドロキシアパタイトを有効成分とする改良3DSホームケア除菌剤。
【請求項3】
歯牙表面からバイオフィルムを物理的に除去した後に歯牙表面の口腔内細菌を除去するために用いられる、クロルヘキシジンによる殺菌の代わりに歯牙表面の口腔内細菌を除去することが可能な、改良3DSホームケア除菌剤の製造のためのハイドロキシアパタイトの使用。
【請求項4】
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)によってバイオフィルムを物理的に除去した後の未殺菌の歯牙表面に、家庭で塗布して歯牙表面の口腔内細菌を除去する、改良3DSホームケア除菌剤の製造のためのハイドロキシアパタイトの使用。

【公開番号】特開2009−167204(P2009−167204A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−66112(P2009−66112)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【分割の表示】特願2002−190585(P2002−190585)の分割
【原出願日】平成14年6月28日(2002.6.28)
【出願人】(000130776)株式会社サンギ (17)
【出願人】(591222245)国立感染症研究所長 (48)
【Fターム(参考)】