放出物質を有する一体式ポリマー組成物およびそれから得られた物品
【課題】水不溶性ポリマーに放出性物質を含有させて、その放出性物質(生理活性成分、湿潤化、乾燥化物質、芳香性成分等)を水不溶性ポリマーから放出させる物品であって、放出性物質を放出通路(チャネル)を構成する親水性物質(チャネリング剤)に放出物質を保持させせることを特徴とする物品、およびその物品を製造するための組成物に関する。
【解決手段】水不溶性ポリマーと、その内部に形成された親水性物質で形成される相互連絡チャンネル(45)およびその相互連絡チャネル内に吸収保持された放出性物質から構成された物品。相互チャネルはポリマー中の制御伝達通路として作用する。固化製品は、所望の造形品、例えば密閉容器用のプラグ型挿入物(55)およびライナー(70)を成形するために用いられ得るし、あるいはそれは、フィルム、シート(75)、ビーズまたはペレットに成形され得る。
【解決手段】水不溶性ポリマーと、その内部に形成された親水性物質で形成される相互連絡チャンネル(45)およびその相互連絡チャネル内に吸収保持された放出性物質から構成された物品。相互チャネルはポリマー中の制御伝達通路として作用する。固化製品は、所望の造形品、例えば密閉容器用のプラグ型挿入物(55)およびライナー(70)を成形するために用いられ得るし、あるいはそれは、フィルム、シート(75)、ビーズまたはペレットに成形され得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、米国特許第08/424,996号(1995年4月提出)の一部継続出願である米国特許第08/661,298号(1996年3月5日提出)の一部継続出願である米国特許第08/812,315号(1997年3月5日提出)の一部継続出願である米国特許第09/087,830号(1998年5月29日提出)の一部継続出願である。
【背景技術】
【0002】
本発明は、一般的に、水不溶性ポリマー、親水性作用物質および放出物質を包含する一体式組成物に関する。一実施態様では、本発明は、1つ又はそれ以上の放出物質と配合されて放出物質共留化ポリマーを形成する改質ポリマーに関する。本発明はさらに、ポリマー構造の内部に位置する放出物質が、ポリマー本体の外部の条件に曝露される手段を含む共留化ポリマーに関する。一実施態様では本発明の共留化ポリマーは、制御環境を要する商品のための容器および包装の製造に有用である。
【0003】
好ましくは、制御され、および/または調節されねばならない環境中で、貯蔵され、輸送され、および/または利用される多数の商品がある。例えば、水分制御領域では、そこに閉じ込められた余分の水分を吸収する能力を有する容器および/または包装が望ましいと認識されている。水分吸収容器が所望される一用途は、その効能が水分により危うくされる薬物の輸送および貯蔵に関してである。密封水分無含有容器への薬物の最初の配置は、通常は制御可能である。さらに、薬物用容器は、水分に対して低透過性を有するよう選択される。したがって、薬物は普通は、それが末端ユーザーに到達するまで、水分から防護される。しかしながら、一旦薬物が顧客に受容されると、容器は反復的に開閉して、薬物を取り出さねばならない。各時点で、容器は開放され、非密封化されて、水分保有空気が容器中にほとんど導入され、閉鎖時にその中に密封されると思われる。この水分は別の方法で大気または容器の頭部空間から除去されない限り、それは有害的に薬物に吸収され得る。この理由のために、容器中に薬物と一緒に乾燥ユニットを含むことは周知の慣用手段である。
【0004】
その他の商品である電子器機構成成分は、最適性能のために水分状態の低減を要し得る。これらの構成成分は、容器中に密封され得るが、しかしその中に最初に閉じ込められた余分量の水分は、除去されねばならない。さらに、ハウジングは完全に水密性であるわけではなく、水分は容器中に浸透され得る。この水分も、作業構成成分に近づかないよう保持されねばならない。これらの理由のために、余分の水分を吸収し、保持するために、ハウジング内に乾燥剤を含入することが重要である。水分から防護されるべきである多数の構成成分の精巧性のために、使用される乾燥剤は、構成成分の性能を汚染し、危うくし得る「ダスチング」性を有するものでないことが重要である。したがって、同時に乾燥物質、例えばそれから生成され得る乾燥剤ダストとの実際の接触から作業構成成分を遮蔽しながら、このような容器の内部空間に乾燥剤を曝露することは有益であると認識されている。
【0005】
その他の場合には、水分は、容器内におかれた商品から放出され得るか、または輸送および/または貯蔵のために包装用ラップ中に密閉され得る。このような商品の第一の例は、輸送および貯蔵中に水分を放出する食料品である。密閉され、水分に対して実質的に不透性である容器の場合には、放出水分は容器内に残留する。除去されない場合には、この放出水分は、水分を放出したまさにその商品に悪影響を及ぼし得る。実質的量の水分は、製造および包装後最初の48時間以内に、ある種の食品から放出されることが判明している。この放出水分は、除去されるまで残留する。水分がその放出後すぐに除去されない場合には、それは食品を販売に適さない状態に分解させ得る。これらの場合には、製品が開封されるまで、放出水分を継続的に吸収するために乾燥剤が含入商品と一緒に含まれ得る。この方法で、貯蔵商品について、かなりの乾燥環境が保持される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の要約
本発明は、相互連絡チャンネルが組成物全体に確立される構造および方法の両方を開示する。これらの相互連絡チャンネルは、可塑性構造の外側から、放出物質が配置される内部位置に所望の特性を移動させる方法で、組成物の外部の適切な領域に共留化放出物質(entrained releasing material)を伝達する。さらに、所望の特性がそれを通って移動させられるこれらの相互連絡チャンネルは、組成物への伝達速度を制御する親水性作用物質(例えば、チャネリング剤)により占められる。親水性作用物質は、組成物の表面から内方に、組成物内に配置された放出剤への橋として作用するために用いられる。
【0007】
本発明は、水不溶性ポリマーに放出性物質を含有させて、その放出性物質(生理活性成分、湿潤化、乾燥化物質、芳香性成分等)を水不溶性ポリマーから放出させる物品であって、放出性物質を相互連絡チャネルあるいは放出通路(チャネル)を構成する親水性物質(チャネリング剤)に放出物質を保持させることを特徴とする物品、およびその物品を製造するための組成物に関する。
開示された利点および改良の間で、本発明のその他の目的および利点は、添付の図面を参照しながら、以下の説明から明らかになる。図面は本明細書の一部を構成し、本発明の例示的実施態様を含み、その種々の目的および特徴を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
必要に応じて、本発明の詳細な実施態様は本明細書中に開示されている。しかしながら、開示された実施態様は、種々の形態で具体化され得る本発明を単に説明するものである、と理解されるべきである。図面は必ずしも比例尺で描かれず、いくつかの特徴は、特定の構成成分の詳細を示すために拡大される。したがって、本明細書中に開示された特定の構造および機能の詳細は、特許請求の範囲を限定するものではなく、単にその基礎として、そして本発明を種々に用いることを当業者に教示するための代表的基礎と解釈されるべきである。
【0009】
本明細書中では親水性作用物質(例えば、チャネリング剤)と呼ばれるある種の化合物は、造形品の成形に用いられる水不溶性ポリマーと組合され得る、ということが発見された。実際上、一実施態様では、親水性作用物質が配合される水不溶性ポリマー基剤には、例えばあらゆるポリエチレンおよびポリプロピレンが含まれる。
【0010】
一実施態様では、放出物質および親水性作用物質は、その物質および親水性作用物質が配合されて、ポリマー全体に十分に混合されて、溶融相に達する前に配合物が均一に混合されることを確実にするために、ポリマーが溶融状態である時に、またはポリマーが溶融状態になる前に、水不溶性ポリマーに添加される。例えば、このような技法は、放出物質、親水性作用物質およびポリマーがすべて粉末である場合に有用である。
【0011】
別の実施態様では、親水性作用物質およびポリマーは、放出物質の添加前に混合される。親水性作用物質は、ポリマーが溶融状態になる前に、またはポリマーが溶融状態になった後に、添加される。例えば、放出物質は、シート成形の加熱工程中にポリマーに添加され得る。
【0012】
配合および処理を経た後に、冷却後、親水性作用物質は、ポリマー全体の伝達連絡通路として作用する相互連絡チャンネルを形成する。さらに、本発明の組成物は一体式(monolithic)であり、水不溶性ポリマー、親水性作用物質および放出物質が3相系を形成する。本発明の目的のためには、「相」という用語は、全体に均一で、限定境界を有し、そして原則として、他の相から物理的に分離される物理的系の一部を意味する。「相互連絡チャンネル」という用語は、水不溶性ポリマーを介して浸透し、互いに相互連絡され得るチャンネルを意味する。「水不溶性ポリマー」という用語は、大気圧で25℃で約0.1%より低い水中の溶解度を有するポリマーを意味する。「親水性作用物質」という用語は、架橋されない、そして大気圧で25℃で少なくとも約1%の水中溶解度を有する物質として同定される。適切な親水性作用物質としては、「チャネリング剤」が挙げられる。「一体式組成物(monolithic composition)」という用語は、2またはそれ以上の別個の肉眼的層で構成されない組成物を意味する。さらに、本発明の目的のためには、「融点」という用語は、DSCにより確定される物質の一次転移点と定義される。「相互可溶性でない」という用語は、互いに混和しないことを意味する。
【0013】
一実施態様では、本発明の適切な親水性作用物質としては、ポリグリコール、例えばポリ(エチレングリコール)およびポリ(プロピレングリコール)およびそれらの混合物が挙げられる。その他の適切な物質としては、親水性化合物であるために本発明の目的に適しているEVOH、グリセリン、ペンタエリトリトール、PVOH、ポリビニルピロリジン、ビニルピロリドンまたはポリ(N−メチルピロリドン)、ならびに糖ベースの化合物、例えばグルコース、フルクトースおよびそれらのアルコール、マンニトール、デキストリンおよび加水分解化デンプンが挙げられる。
【0014】
別の実施態様では、本発明の適切な親水性作用物質としては、処理中に、親水性作用物質がその溶融混合時にその融点より上に加熱され、その後の冷却時にポリマーから分離して本発明の相互連絡チャンネル化構造、ならびに水不溶性ポリマー、親水性作用物質および放出物質の3相系を形成するあらゆる親水性物質も挙げられ得る。
【0015】
本発明は、種々の放出物質とともに用いられ得る。このような物質は、固体、ゲル、液体そしていくつかの場合には気体を含めた、周囲大気に分散剤を放出する任意の適切な形態を包含し得る。これらの物質は、芳香剤、風味剤または香料源として役立ち;生物学的活性成分、例えば殺虫剤、駆虫剤、抗菌剤、毒餌、芳香性薬剤等を供給し;湿潤化または乾燥物質を提供し;空輸活性化学物質、例えば腐食防止剤、熟成作用物質および臭生成作用物質を送達することを含めた、種々の機能を実施し得る。
【0016】
本発明の殺生物剤としては、殺虫剤、除草剤、線虫駆除剤、殺真菌剤、殺鼠剤および/またはそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。殺生物剤の他に、本発明の外被は、栄養素、植物成長調節剤、フェロモン、枯葉剤および/またはそれらの混合物も放出し得る。
【0017】
第四級アンモニウム化合物の混入は、界面活性剤として機能するだけでなく、製造製品の表面に無菌特性を付与するか、またはそのいくつかが病原性である微生物の数を低減するための状態を確立する。多数のその他の抗菌剤、例えばベンズアルコニウムクロリドおよびヘキサクロロフェンのような関連した種類の化合物も用いられ得る。
【0018】
その他の放出物質としては、天然精油および合成香料を含めた芳香剤、ならびにそれらの配合物が挙げられる。活性成分の一部を、またはもしかすると全体を構成する典型的香料物質としては、天然精油、例えばレモン油、マンダリン油、丁字葉油、プチグレン油、シダー材油、パチョリ油、ラバジン(lavandin)油、ネロリ油、イラン油、絶対ローズ精油(rose absolute)または絶対ジャスミン精油(jasmin absolute);天然樹脂、例えばラブダナム樹脂または乳香樹脂;例えばアルコールとして合成的に製造されたものの天然源から単離され得る単一香料化学物質、例えば、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、リナロール、テトラヒドロゲラニオール、βフェニルエチルアルコール、メチルフェニルカルビノール、ジメチルベンジルカルビノール、メントールまたはセドロール;このようなアルコール−アルデヒドから得られるアセテートおよびその他のエステル、例えばシトラル、シトロネラル、ヒドロキシシトロネラル、ラウリンアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、シンナムアルデヒド、アミルシンナムアルデヒド、バニリンまたはヘリオトロピン;このようなアルデヒドから得られるアセタル;ケトン、例えばメチルヘキシルケトン、イオノンおよびメチルイオノン;フェノール化合物、例えばオイゲノールおよびイソオイゲノール;合成麝香、例えば麝香キシレン、麝香ケトンおよびエチレンブラシレートが挙げられる。
【0019】
相対的に微細な粒子サイズを有する放出物質に関する一実施態様では、ポリマー内に低表面積を露出する2〜3の大型相互連絡チャンネルに対照したものとして、ポリマー全体の多数の小型相互連絡チャンネルが生成される必要がある。一実施態様では、ポリプロピレン無水マレイン酸のような二量体剤、または任意の可塑剤が混合物に任意に添加されて、粘性を低減し、ポリマーと親水性作用物質の混合相溶性を増大し得る。
【0020】
さらに別の実施態様では、放出物質と親水性作用物質との間に親和性を引き起こす極性を有する放出物質が選択される。この理由のために、相互連絡チャンネルがポリマー全体に形成される分離工程中は、放出物質は、それが結合される親水性作用物質領域に向かって移動する、と考えられる。この方式では、親水性作用物質は、ポリマー構造に対して外部に位置する水分とポリマー内に位置する放出物質との間の橋として作用するのを許される、と理論化される。これは特に、通路を満たす親水性作用物質内で結合される放出物質に関して言える。さらに別の実施態様では、極性可塑剤、例えばグリセリンがさらに混合物に添加されて、これが親水性作用物質中への放出物質の分散または混合を増強する。
【0021】
混合物中の放出物質の濃度が高いほど、最終組成物が有する吸収能力は大きい、と考えられる。しかしながら、放出物質の濃度が高いほど本体は脆くなり、混合物は熱成形、押出しまたは射出成形がより難しくなる。一実施態様では、放出物質投入レベルは、ポリマーに関して、10重量%〜20重量%、20重量%〜40重量%、および40重量%〜60重量%の範囲であり得る。
【0022】
一実施態様では、本発明の水不溶性ポリマーは、任意の熱可塑性物質であり得る。適切な熱可塑性物質の例としては、ポリオレフィン、例えばポリプロピレンおよびポリエチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリシロヤン、ポリカルボネート、ポリアミド、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、エチレン−メタクリレートコポリマー、ポリ(ビニルクロリド)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ無水物、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリアクリル酸エステル、アクリル酸物質、ポリウレタンおよびポリアセタル、それらのコポリマーまたは混合物が挙げられる。
【0023】
さらに別の実施態様では、構成成分は先ず、ヘンシェルミキサー(Henschel)のようなミキサー中で乾燥混合され、次に配合機に供給される。例えばライスチリッツ(Leistritz)二軸スクリュー押出機、またはワーナープフライダー(Werner Pfleider)ミキサーを用いて、約60〜76.7℃(約140℃〜約170゜F)で良好な溶融ミックスを達成し得る。次に溶融物を押し出して、例えばフィルムを成形するか、または振動コンベア上での風乾冷却を用いて、ペレットに転換し得る。次に、例えばチャンネルを含有する成形ペレットをビーズ、篩に射出成形するか、または容器の内側層としてポリプロピレンを用いて同時射出し得る。
【0024】
さらに別の実施態様では、本発明の組成物は典型的には、放出物質を含有しないポリマーより脆いために、パッケージの内部部分が本発明の組成物であり、一方外部部分が純ポリマーまたは低放出物質投入レベル伴う本発明の組成物から構成されるように、パッケージが成形され得る。例えば、本発明の組成物から成る内部部分と純ポリマーから成る外部部分を有するパッケージは、典型的には高耐久性且つ低脆性であるだけでなく、パッケージの内部への外部からの水分の伝達を阻止するバリアとしても作用する。この方式では、放出物質の能力は、その物質が放出されるのが望ましいパッケージの内部に専らそれを曝露することにより増強される。
【0025】
本発明の組成物は、多数の用途を有する。一用途は、食料品および薬物のような相対的に小容積の製品を含入するのに適した硬質容器の構築である。多くの場合、これらの種類の製品は、制御環境(例えば低水分および/または酸素)下で輸送および貯蔵しなければならない。別の実施態様では、本発明の組成物は、容器の内部に封入するために、挿入物に成形され得る。挿入物の一形態の例は、任意の適切な形状のプラグである。プラグは容器内に単に沈着されることによりその目的をに役立つが、一方、それは、内部空間内辺りを動くように、内部位置に固定され得る。さらに別の実施態様では、円板に成形されたプラグは、ポリマー成形容器の底に合わせてプレスされるよう造形され、寸法合わせされる、と考えられる。
【0026】
別の実施態様では、容器本体の内表面に実質的に合致する外表面を有するライナーが本発明の組成物から成形される。円板と同様に、ライナーは、その意図されないそこからの離脱を防止するのに十分に心地よく保持されるポリマー本体内の位置にプレス嵌召されるよう、寸法合わせされ得る。あるいは、さらに別の実施態様では、容易に他方から離脱しないように、放出物質を含有しないポリマー本体のより大きい収縮特徴がプラグまたはライナー周辺の容器本体をしっかり焼嵌めするように、プラグまたはライナーは最初に構築され、硬化されて、次に容器本体が引き続いてその辺りに構築され得る。さらに別の実施態様では、プラグまたはライナーの形態をとる挿入物は、各々が他方と一体となって結合されるように、ポリマー容器本体と実質的に同時に共成形され得る。共成形工程の事象では、乾燥剤積載挿入物とポリマー容器本体の粘度は、一緒に成形された2相の液体または溶融物質の適正且つ所望の位置選定を促すために、典型的にはほぼ等しくあるべきである。
【0027】
さらに別の実施態様では、本発明の組成物は、別のシートと一緒に連結されるシートを成形するために用いられ得る。少なくとも1つの実施態様では、シートは、外層が、実質的には空気および水分不透過性である本発明の組成物に隣接して確立されうるように、互いに効率的に積層される。次に、積層シートを用いて、制御環境中に保存される商品を包み得る。接合工程が達成され得る一手段は、熱押出手法による。
【0028】
本明細書中に記載した本発明の実施態様の各々において、従来技術の方法および構造を上回る利点および増強は、環境に放出物質を曝露しながら、本発明の組成物から硬質本体が構築され得るように、本発明の組成物全体に相互連絡チャンネルを作製する能力の発見に由来する。さらに、ポリマー本体の外部と内部に位置する放出物質との間の伝達速度制御橋としても作用する親水性作用物質の使用の発見は、同時にその物質の能力の大部分を利用しながら、共留構造の外部に位置する所望の特性を迅速に除去する構造能力を大いに増強した。
【0029】
本発明の一実施態様は、本発明の組成物の製造方法を含む。一実施態様では、その方法は、水不溶性ポリマーおよび親水性作用物質を配合することを包含する。親水性作用物質の配合前、または親水性作用物質の配合後に、添加物がポリマー内に均一に分布され、親水性作用物質がポリマー内に分布されるように、放出物質がポリマーに配合される。その後、組成物が固化された後、その結果が、親水性作用物質が組成物中に相互連絡チャンネルを形成し、それを通って所望の特性がポリマーを介して組成物内の放出物質に伝達される。別の実施態様では、親水性作用物質および放出物質は、乾燥粉末形態ですべて十分に混合され、次に、ポリマー配合物は溶融されて、成形により所望の形状に成形される。相互連絡チャンネルが組成物中に形成され、これを通って所望の特性がポリマーを介して組成物内の放出物質に伝達される。
【0030】
本発明の代替的実施態様では、水不溶性ポリマー、親水性作用物質および放出物質を包含する一体式組成物は、先ず、水不溶性ポリマーおよび親水性作用物質を包含する2相系を生成し、次に放出物質を含有する溶液中に2相系を浸漬する。その結果、放出物質は組成物に取り上げられて、水溶性ポリマー、親水性作用物質および放出物質を包含する少なくとも3つの相から成る一体式組成物を生じる。本発明の目的のためには、浸漬は、組成物による放出物質の摂取を生じるソーキング、コーティングまたはその他の方法を含む、と理解されるべきである。
【0031】
特定の一例は、(1)水不溶性ポリマーおよび親水性作用物質を混合して均一配合物を生成し、(2)工程(1)の配合物を親水性作用物質の融点より上に加熱して、(3)工程(2)の配合物を冷却して所望の造形品を成形し、(4)工程(3)の造形品を放出物質を含有する溶液中に浸漬し、(5)その物質に有害に作用しない適切な条件下で乾燥し、そして(6)水不溶性ポリマー、親水性作用物質および放出物質を包含する一体式組成物から成る造形品を成形することから成る。
【0032】
この代替的実施態様は、感熱性で、したがって工程中に親水性作用物質を融解するのに要する温度に耐えることができない物質によく適合され得る。このような高温の一例は、押出し工程中に受ける温度である。その結果、放出物質は押出しから下流に添加され、したがってその物質に有害に作用し得る高温を蒙らない。この代替的実施態様のさらに別の例は、放出物質のための溶液の生成に関する。一実施態様では、放出物質の水性溶液が生成される。
【0033】
一実施態様では、本発明の組成物は、バリア物質から構築されたパッケージ内に封入するためのプラグを成形するために用いられる。別の実施態様では、本発明の組成物は、バリア物質から構築された容器内に封入するためのライナーを成形するために用いられる。さらに別の実施態様では、本発明の組成物は、吸収シートを成形するために用いられる。吸収シートは、任意に、包装ラップとして用いるためにバリア物質から構築されたバリアシートと組合される。別の実施態様では、本発明の組成物は、容器用の吸収挿入物を成形するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明の組成物から構築されたプラグ、挿入物またはタブレットの透視図であって、プラグの外表面の相互連絡チャンネルの開口部を、拡大スケールで示す。
【図2】図2は、一緒に配合された親水性作用物質および放出物質を有する水不溶性ポリマーから成形された固化プラグの拡大横断図である。
【図3】図3は、伝達速度バリアとして作用するポリマーから構築された容器の底に位置するプラグ挿入物に成形された本発明の組成物を有する容器の一部の拡大横断図である。
【図4】図4は、伝達速度バリアとして作用するポリマーから構築された容器の底に共成形されたプラグに成形された本発明の組成物を有する容器の一部の拡大横断図である。
【図5】図5は、伝達速度バリアとして作用するポリマーから構築された容器の内側に位置するライナー挿入物に成形された本発明の組成物を有する容器の一部の拡大横断図である。
【図6】図6は、伝達速度バリアとして作用するポリマーから構築される容器の内側に共成形されたライナーに成形された本発明の組成物を有する容器の一部の拡大横断図である。
【図7】図7は、伝達速度バリアとして作用するポリマーから構築されたバリアシートに隣接して位置するシートに成形された本発明の組成物の拡大横断図である。
【図8】図8は、製品が一体化ラミネートと一緒に一体成形され、それを包含するように、バリアシートの内部に共成形されたシートに成形された本発明の組成物の拡大横断図である。
【図9】図9は、3つのフィルム試料:フィルム#2、フィルム#3およびフィルム#4の膨潤および重量損失分析のグラフである。
【図10】図10は、100%ポリグリコールの試料のDSC曲線のグラフである。
【図11】図11は、フィルム#4の試料のDSC曲線のグラフである。
【図12】図12は、フィルム#5の試料のDSC曲線のグラフである。
【図13】図13は、フィルム#6の試料のDSC曲線のグラフである。
【図14】図14は、フィルム#7の試料のDSC曲線のグラフである。
【図15】図15は、前インキュベーション状態でのフィルム#2の試料のDSC曲線のグラフである。
【図16】図16は、後インキュベーション状態でのフィルム#2の試料のDSC曲線のグラフである。
【図17】図17は、前インキュベーション状態でのフィルム#3の試料のDSC曲線のグラフである。
【図18】図18は、後インキュベーション状態でのフィルム#3の試料のDSC曲線のグラフである。
【図19a】図19aは、フィルム#4のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図19b】図19bは、フィルム#4のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図19c】図19cは、フィルム#4のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図20a】図20aは、フィルム#5のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図20b】図20bは、フィルム#5のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図20c】図20cは、フィルム#5のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図21a】図21aは、フィルム#6のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図21b】図21bは、フィルム#6のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図21c】図21cは、フィルム#6のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図22a】図22aは、フィルム#3のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図22b】図22bは、フィルム#3のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図22c】図22cは、フィルム#3のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図22d】図22dは、フィルム#3のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図23A】図23Aは、10%Rhおよび22.2℃(72゜F)での分子篩の重量当たりの水分増加%を示すグラフである。
【図23B】図23Bは、20%Rhおよび22.2℃(72゜F)での分子篩の重量当たりの水分増加%を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の実施態様の添付の図面の図1を参照すると、本発明の組成物から構築された挿入物20が説明されている。本発明のこの開示の目的のために、「共留する」および「含有する」という語句は、ポリマー25マトリックス中の乾燥剤30の封入を指す場合、互換的に用いられた。挿入物は、容器本体60に沈着され得るプラグ55の形態であり(図5)、それにより容器61を確立する(図5)。図2を参照すると、放出物質30および親水性作用物質35と均一に配合された水不溶性ポリマー25を包含するポリマー混合物から構築されたプラグ55の横断図が示されている。図2の説明では、本発明の組成物は、相互連絡チャンネル45が組成物全体に形成されて、固化プラグ55を通る通路を確立するように、固化されている。図1および図2の両方で考察されるように、通路は、プラグ55の外表面の開口部48に終止する。
【0036】
図3は、図2のプラグ55の構築および作製と同様のプラグ55の実施態様を説明するが、この場合、相互連絡チャンネルは非常に細い。これは、親水性作用物質としてのポリグリコールの使用、または親水性作用物質を伴う二量体剤(即ち、可塑剤)の使用に起因し得る。二量体剤50は、ポリマー25と親水性作用物質35との間の相溶性を増強し得る。この相溶性増強は、均一溶液への組合せに耐える2つの構成成分25、35のより十分な配合を促進するに違いない配合物の粘度低減により促進される。そこに付加された二量体を有した本発明の組成物の固化に際して、それを通して形成される相互連絡チャンネルは、より大きい分散性およびより小さい多孔性を有し、それにより、プラグ55を通る相互連絡チャンネルのより大きい密度を確立する。一実施態様では、この同一作用は、ポリグリコールの疎水性熱可塑性物質、例えばポリオレフィンとの一般的相溶性のために、ポリグリコールが親水性作用物質として用いられる場合に、容易に起こる。相互連絡チャンネルは、固化プラグ55の外部から共留放出物質30が結合される内部位置への所望の特性の制御伝達のための経路を提供するために作製される。
【0037】
これらの相互連絡チャンネルは、それを通る透過性に耐え、したがってバリアとして作用するポリマー25の疎水性特徴のために、必要とされる、と考えられる。この理由のために、ポリマー25それ自体は、放出物質30が共留され得るバリア物質として言及される。しかしながら、ポリマー25の内部に共留された放出物質30を曝露するために、相互連絡チャンネル45が提供される。これらの相互連絡チャンネル45がない場合には、相対的に少量の放出物質が共留放出物質30により放出される、と考えられる。これらの少量は、形成された本体の外表面で曝露される限定数の放出物質粒子30、ならびに実質的に不透性のポリマー25を通過し得る非常に少量の放出物質に由来した、ということもさらに考えられる。これらの特徴のために、水不溶性ポリマー25は、それが完全に不透性でない場合でも、バリアとして言及される。
【0038】
図3は、容器本体60に沈着され、それにより放出容器61を確立するプラグ55の本発明の一実施態様を説明する。容器本体60は内表面65を有し、実質的に本発明の組成物から構築される。この方式では、伝達特性は、容器60が密閉された場合に容器60の壁を通して伝達されることを阻止される。図3に示されているように、プラグ55は、容器60の底位置にプレス嵌めされている。プラグ55はその中での緩い含入のために容器60中に単位沈着され得るだけであるよう意図されるが、しかし容器60にプラグ55を固定する方式で容器60の本体に結合されるのが好ましい。プラグ55と容器本体60の間の結合は、そこからのプラグ55の転位および相対的移動を防止するよう意図される。この結合は、プラグ55と本体60の内表面65との間のぴったり合った圧嵌めにより達成され得るか、あるいはそれは、プラグ55周辺に延びてプラグ55を適所に保持する接着剤、熊手、リップまたは稜線のような方式で機械的に連結され得る。さらに別の実施態様では、容器本体60は、容器本体60の硬化工程中に、本体60がプラグ55周辺に収縮して、それにより2つの構成成分間に確立される焼嵌めを引き起こすように、プラグ55周辺に成形され得ることが意図される。この種類の連結は、共成形法または逐次成形法で達成され、プラグ55は容器本体60を構成するポリマー25より低収縮性であるために、同一結果が達成される。
【0039】
図4は、図3で説明された形状と同様の容器60の底位置に位置するプラグ55から形成された本発明の組成物を有する放出容器61を説明するが、しかしプラグ55および容器本体60は、プラグ55と本体60構成成分との間にあまり明確でない界面を有する一体化本体61が形成されるように、共成形される。
【0040】
図5および6は、図3および4と同様の概念を説明するが、しかしながら、プラグ55の割合は、ライナー70が形成され、これが容器61の内面65の退部分を被覆するように、拡張されている。ライナー70は、容器本体60の底部分に局在されないが、しかし、上方に延び、容器61の壁の部分を被覆する壁を有する。プラグ55と同様に、ライナー70は、別々に成形され、そしてその後容器本体60と併合されるか、またはそれと共成形されて、図6に示した一体化本体になされ得る。
【0041】
図7および8は、本発明のシート75から形成される放出物質が、バリアシート80との組合せのために作製される本発明の実施態様を説明する。シートの特徴はプラグ55およびライナー70ならびに容器本体60に関して説明したものと同様である。即ち、図7は、2つのシート75、80が別々に成形され、後に併合されて、内表面に放出物質特徴を有し、外表面に耐性特徴を有する包装ラップを形成する。図8は、シート75とバリアシート80の間の界面が図7の実施態様とほとんど異ならない共成形工程を説明する。この製品は、熱成形法により製造され得る。このような方法では、ポリマー層は溶融され、部分的にシートに成形されて、放出物質30は処理直前にその層の上部に沈着されるか、または熱成形機で開口部のようなスリットを通って押し出される。図7の別個のシート75、80は、接着剤またはその他の適切な手段により一緒に接合されて、複数のシート75、80からラミネートを形成し得ることが意図される。あるいは、シート75、80は、熱押出し法により製造され、それにより両シート75、80は同時に製造されて、効率的に一緒に共成形され、図8に説明した実施態様を形成する。
【0042】
本発明のさらに別の実施態様では、バリア物質から構築された容器60内の封入のために、混合物からプラグ55が成形される。一実施態様では、プラグ55は、バリア物質から構築された容器60に沈着される。この方式で、容器61が作製される。プラグ55は、プラグ55が容器60に対して固定されるように、容器本体60の内表面に連結される。
【0043】
あるいは、バリア物質から構築される容器60は、プラグ55の少なくとも一部が容器60の内部に曝露されるように、プラグ55周辺に成形され得る。本発明により製造される乾燥プラグ55は、プラグ55の少なくとも一部が容器60の内部に曝露されるように、バリア物質から構築された容器60とともに共成形され得る。
【0044】
別の実施態様では、ライナー70は、混合物40から成形され、次に、バリア物質から構築された容器60内に封入される。ライナー70は、典型的には、しかし必然的ではなく、容器60の内表面65とのかみ合いを適合させるために形成された外表面を有する。
【0045】
ライナー70は、容器の内表面の少なくとも大部分がライナー70で被覆される容器61が作製されるように、容器60とのかみ合いに適合するようプレスされ得る。
【0046】
ライナー70は混合物40から成形されて、次に、ライナー70の少なくとも一部分が容器60の内部に曝露され、そして容器60の内表面の大部分がライナー70で被覆されるように、バリア物質から構築された容器60がライナー70周辺に成形され得る。
【0047】
あるいは、ライナー70および容器本体60は、一緒に一体化本体に共成形され得る。
【0048】
吸収シート75は、包装ラップとして用いるためにバリア物質から構築されるバリアシート80と併合される。
【0049】
シート75、80は、熱押出しにより積層され得る。
【0050】
二量体剤は、任意に混合物に添加されて、ポリマー25とチャネリング剤35の混合相溶性を増大し、それにより固化混合物内の通路の分散を増大する。
【0051】
本発明のさらに別の実施態様では、容器61の形状で成形される放出物質の製造方法が提供される。本方法は、空気および水分バリアが容器の内部と外部の間に作られるように、実質的に空気および水分不透性の物質から容器60を成形することを含む。挿入物は、本発明の組成物から成形される。挿入物は、容器60の内表面65の少なくとも一部とのかみ合いを適合させるために形造られる外表面を有する。挿入物は、挿入物の外表面の少なくとも一部が容器60の内表面65と隣接的にかみ合うように、容器60の内部に取り付けられる。噛み合いは、容器60に対して挿入物を固定し、容器60からの挿入物の離脱を阻止する。挿入物は、所望の特性を放出するために、容器60の内部に曝露される。挿入物は、容器60内に挿入物がぴったり適合し、それによりそこからの離脱を阻止し得るのに十分な力で、容器60の内部にプレスされる。挿入物は、受容位置での保持のために容器の内部の受容位置に挿入物がしっくり適合するように、寸法合わせされ、造形される。
【0052】
別の実施態様では、挿入物は、受容位置での保持のために容器60の内部の底部分の受容位置にしっくり適合するプラグ55に寸法合わせされ、造形される。
【0053】
さらに別の実施態様では、挿入物は、ライナー70外表面の大部分が容器60内表面65と隣接的にかみ合うように、容器60の内表面65に合致する外表面を有するライナー70に形造られる。容器60およびライナー70は、容器60の内表面65およびライナー70の外部が、容器60からのライナー70の離脱が阻止されるように、一緒にしっくり適合するように、同様に形造られる。
【0054】
別の例では、容器60は、実質的に不透性で、したがってその外部とその内部との間の容器60の境界を通る放出物質の伝達を阻止するプラスチックから成形され得る。さらに、ライナー70は、本発明の組成物から成形され得る。
【0055】
さらに別の実施態様では、容器61の形状に成形される放出物質の製造方法が提供される。容器は、容器60の内部と外部との間にバリアが確立されるように、実質的に空気および水分不透性の物質から成形される。実質的に固体のタブレットまたはプラグ55は、本発明の組成物20から成形され、タブレット55は、容器60の内部に適合するよう、適切に寸法合わせされる。次に、タブレット55は容器60の内部に沈着され、それにより、容器60がタブレット55周辺で閉鎖された場合の、容器60の内部殻の所望の物質の放出のための手段を確立する。
【0056】
本発明の別の実施態様では、パッケージの形状での放出物質の製造方法が提供される。外部スキン、シートまたは層80は、外皮の反対側間にバリアが造られるように、実質的に空気および水分不透性シートの物質から成形される。内部スキン、シートまたは層75は、外部スキン80の片側に、本発明の組成物20から成形される。包装は、外部不透性スキン80内に製品または商品を密封することにより製品または商品周辺に形成され、内部放出物質スキン75は製品に隣接して位置する。放出物質ラミネートは、外部スキン80および内部スキン75を一緒に吸引真空成形して、包装を形成することにより生成され得る。
【0057】
本発明の一実施態様では、閉鎖容器61の形態の放出物質が提供される。閉鎖容器は、容器60の内部と外部の間にバリアが造られるように、実質的に水分および空気不透性物質から成形される容器60を含む。ライナー70は、容器60の内表面65の少なくとも一部との噛み合いを適合させるために形造される外表面をライナー70が有するように、本発明の組成物20から成形される。ライナー70は、ライナーの外表面の少なくとも一部が容器60の内表面65と隣接的にかみ合うように、容器60の内部に挿入される。噛み合いは、容器60に対してライナー70を固定し、容器60からのライナー70の離脱を阻止する。
【0058】
本発明の別の実施態様では、閉鎖可能容器60のための挿入物の形態の放出物質は、閉鎖可能容器60中への取付のために形造される本発明の組成物から造られる挿入物を含む。挿入物25は、本発明の組成物から構築される。挿入物25は、その外表面からその内部に延びる通路を有する。
【実施例】
【0059】
以下の特定の実施例により本発明をさらに詳細に説明する。これらの実施例は説明のためのものであって、開示または特許請求の範囲を限定するものではない、と理解される。例えば以下の実施例は10%Rh(相対湿度)および20Rhで22.2℃(72゜F)で試験したが、しかし、本発明の組成物は、その他の条件に対しても適合する。さらに、これらの実施例は、本発明が相互連絡チャンネルを有すること、ならびに親水性作用物質は相互連絡チャンネル中に残留することをさらに実証するものである。実施例中の、または明細書中の別の箇所におけるパーセンテージはすべて、別記しない限り、重量によっている。
【0060】
実施例1
以下の実施例の目的は、以下の物質を膨潤および重量損失分析に付すことにより、本発明の組成物が相互連絡チャンネルを有することを実証することである。さらに、以下の実施例は、本発明の組成物がある物質(例えば、ポリ(エチレングリコール))を放出し得ることを実証することである。
【0061】
A.試料調製
フィルム#1:約93%(w/w)のポリプロピレン(Exxon Chemicals、商品名エスコレンポリプロピレン3505G)および約7%(w/w)のポリ(エチレングリコール)(Dow Chemical、商品名E-4500)を十分に混合して、均一配合物を生成した。次に、約145℃〜約165℃の範囲の16帯域の温度で、約40 lbs/時間の供給速度で、約460 rpmのスクリュー速度で、そして6 inchダイで、Leistritz二軸スクリュー押出し機により、配合物を供給した。次に、約85℃〜約92℃の範囲の温度で三本ロール熱圧プレス機により押出し組成物を供給して、約4 milのフィルムを生成した。
【0062】
フィルム#2:約68%(w/w)のポリプロピレン(Exxon Chemicals、商品名エスコレンポリプロピレン3505G)、約12%(w/w)のポリ(エチレングリコール)(Dow Chemical、商品名E-4500)および約20%(w/w)の乾燥剤の分子篩(Elf Atochem、商品名シリポライト分子篩、4オングストローム)を十分に混合して、均一配合物を生成した。次に、約145℃〜約165℃の範囲の16帯域の温度で、約40 lbs/時間の供給速度で、約460 rpmのスクリュー速度で、そして6 inchダイで、Leistritz二軸スクリュー押出し機により、配合物を供給した。次に、約85℃〜約92℃の範囲の温度で三本ロール熱圧プレス機により押出し組成物を供給して、約4 milのフィルムを生成した。
【0063】
フィルム#3:約34.88%(w/w)のポリプロピレン(Exxon Chemicals、商品名エスコレンポリプロピレン3505G)、約11.96%(w/w)のポリ(エチレングリコール)(Dow Chemical、商品名E-4500)および約52.82%(w/w)の乾燥剤の分子篩(Elf Atochem、商品名シリポライト分子篩、4オングストローム)および約0.34%(w/w)のグレー着色剤を十分に混合して、均一配合物を生成した。次に、約145℃〜約165℃の範囲の16帯域の温度で、約50 lbs/時間の供給速度で、約460 rpmのスクリュー速度で、そして6 inchダイで、Leistritz二軸スクリュー押出し機により、配合物を供給した。次に、約85℃〜約92℃の範囲の温度で三本ロール熱圧プレス機により押出し組成物を供給して、約4 milのフィルムを生成した。
【0064】
B.膨潤および重量損失分析
円板(OD 1.1 cm)を3つの試料の各々から切り出した。各使用の初期乾燥重量を記録した。次に試料を2.0 ml蒸留水中でインキュベートして、室温で振盪しながら放置した。定期的に1、2、3および34日目に、円板を取り出して、ブロットされた表面を乾燥し、試料を計量して、膨潤の程度を確定した。各時点で、蒸留水を取り換えて、シンク条件を提供した。試験終了時に、試料を凍結乾燥して水分を除去し、試料を計量して、質量損失を確定した。図9は、分析結果のグラフである。膨潤%は、ある時点(t)での湿重量を初期乾重量(ゼロ)で割って、100を掛けた値と定義される。「乾燥」とは、34日間インキュベーション後の最終凍結乾燥試料重量を示す。
【0065】
図9は、フィルム#1が34日の経過中、膨潤または重量損失を生じなかったことを示す。したがって、この結果は、ポリ(エチレングリコール)(即ち、親水性作用物質)はポリプロピレン(即ち、水不溶性ポリマー)中に完全に閉じ込められたことを示す、と考えられる。フィルム#2は、膨潤によりその初期重量の約3%を増大し、そして34日間のインキュベーション終了時にその初期重量の約5%を損失した。フィルム#3は、その初期重量の約6%を増大し、そして34日間のインキュベーション終了時にその初期重量の約8%を損失した。これらの結果は、フィルム#2および#3、ならびにフィルム#2および#3の水溶性構成成分(例えば、ポリ(エチレングリコール))の実質部分浸透した水がポリマーから抽出されたため、相互連絡チャンネルは外部から内部を通って本発明の組成物中に出ることを実証した。
【0066】
実施例2
以下の実施例の目的は、本発明の組成物が、水不溶性ポリマーおよび親水性作用物質から成る2つの別個の相を有することを実証することである。
【0067】
A.試料調製
フィルム#4:100%のポリプロピレン(Exxon Chemicals、商品名エスコレンポリプロピレン3505G)を、約145℃〜約165℃の範囲の16帯域の温度で、約40 lbs/時間の供給速度で、約460 rpmのスクリュー速度で、そして6 inchダイで、Leistritz二軸スクリュー押出し機により供給した。次に、約85℃〜約92℃の範囲の温度で三本ロール熱圧プレス機により押出し組成物を供給して、約4 milのフィルムを生成した。
【0068】
フィルム#5:約88%(w/w)のポリプロピレン(Exxon Chemicals、商品名エスコレンポリプロピレン3505G)、約12%(w/w)のポリ(エチレングリコール)(Dow Chemical、商品名E-4500)を十分に混合して、均一配合物を生成した。次に、約145℃〜約165℃の範囲の16帯域の温度で、約40 lbs/時間の供給速度で、約460 rpmのスクリュー速度で、そして6 inchダイで、Leistritz二軸スクリュー押出し機により、配合物を供給した。次に、約85℃〜約92℃の範囲の温度で三本ロール熱圧プレス機により押出し組成物を供給して、約4 milのフィルムを生成した。
【0069】
フィルム#7:約68%(w/w)のポリプロピレン(Exxon Chemicals、商品名エスコレンポリプロピレン3505G)、約12%(w/w)のポリ(エチレングリコール)(Dow Chemical、商品名E-4500)および約20%(w/w)の乾燥剤の分子篩(Elf Atochem、商品名シリポライト分子篩、4オングストローム)を十分に混合して、均一配合物を生成した。次に、約145℃〜約165℃の範囲の16帯域の温度で、約12 lbs/時間の供給速度で、約460 rpmのスクリュー速度で、そして6 inchダイで、Leistritz二軸スクリュー押出し機により、配合物を供給した。次に、約105℃の温度で三本ロール熱圧プレス機により押出し組成物を供給して、約4 milのフィルムを生成した。
【0070】
B.示差走査熱量測定(「DSC」)を用いた熱分析
TAC 7DX熱制御器を装備したPerkin Elmer DSC7を用いて、処理フィルム試料を分析した。Perkin Elmer Pyrisソフトウェア(バージョン2.01)を用いて、データを分析した。試料を10または15℃/分の割合で-50から250℃に加熱し、次に同一速度で冷却して、次に同一速度で再び250℃に加熱した。以下の表は、DSCから収集されたデータである。融点データは融点ピーク(℃)で、第一加熱ランプ(1°)および第二加熱ランプ(2°)に関してはエンタルピー(△H、joules/gm)で示されている。図10〜18に示したカラムは、表からのデータに対応するDSCから出力されたグラフである。試料は250℃に加熱しただけであるため、フィルム試料#2、#3および#7の分子篩は溶融されず、したがって融点データは記録されなかった。
【0071】
【表1】
【0072】
100%ポリ(エチレングリコール)試料は、63℃で単一融点を示し、一方フィルム#4100%ポリプロピレンは157℃の融点を有した。フィルム#5は、58℃(ポリ(エチレングリコール))と157℃(ポリプロピレン)で両ピークを示したが、これは、2つのポリマーが相分離されたことを示す。ポリマーが相分離されていないが混合されている場合には、ピークは純粋ポリマーの溶融温度では存在せず、シフトされる。フィルム#6は、160℃で異なるポリプロピレンピークを示しただけである。分子篩は、この温度では溶融しないか、または純ポリプロピレンの溶融温度に影響を及ぼす。フィルム#7も、2つの異なるピークを示した:一方は57℃でのポリ(エチレングリコール)に関するもの、そしてもう一方は157℃でのポリプロピレンに関するもので、これは、三構成成分混合物中で、すべてが相分離されていることを示す。
【0073】
フィルム試料#2および#3は、実施例1に示した膨潤および重量損失分析の一部であった。再び、2つの異なるピークが明示された:一方は59℃でのポリ(エチレングリコール)に関するもの、そしてもう一方は158℃でのポリプロピレンに関するもので、これは、三構成成分混合物中で、すべての構成成分が相分離されたことを示す。しかしながら、ポリマーフィルムを室温で34日間、水中でインキュベートし(ファイル#2:後インキュベーション)、DSCで試験した場合、ピークの位置は同一のままで、これは、構成成分が依然として相分離していることを示す。しかしながら、ポリ(エチレングリコール)ピークの領域(δH、エンタルピーで示されている)は、大いに低減された。この結果は、ポリ(エチレングリコール)が長期水インキュベーションにより抽出されたことを示す。さらに、結果は、実施例で示した体重損失データに関するさらなる確証を提供し、そしてポリ(エチレングリコール)構成成分が大量ポリプロピレンマトリックス中の相互連絡チャンネルによってほとんど抽出されたことを実証した。
【0074】
フィルム試料#3は、フィルム試料#2と同一作用を示した。ポリプロピレン△Hピークは検出されず(フィルム#3:後インキュベーション)、これは水インキュベーション中のポリ(エチレングリコール)のほぼ完全な抽出を実証する。これは、同一フィルムがその初期重量の約8%を損失した実施例1の重量損失結果を確証した。試料のポリ(エチレングリコール)組成は約12%(w/w)であった。
【0075】
さらに、本発明の試料のDSCデータからのガラス転移(Tg)分析も、水不溶性ポリマーおよび前記の物質が別個の相中に存在することを実証する。純ポリプロピレンは約-6℃のTgを示すが、一方、ポリ(エチレングリコール)は約-30℃のTgを示す。フィルム#5からのDSCデータは、それぞれのポリマーに対応する2つの異なるTg(ポリプロピレンに関しては6℃、ポリ(エチレングリコール)に関しては-30℃)を示し、したがって、さらに、2つの構成成分が相分離していることを示す。
【0076】
実施例3
以下の実施例の目的は、本発明の組成物が相互連絡チャンネルを有し、親水性作用物質内に混合された水吸収性物質を有することを実証することである。
【0077】
A.走査電子顕微鏡(「SEM」)法
刺激損害を最小にするために8 Kv加速電圧で操作するHitachi S-2700顕微鏡を用いて、フィルムの構造特性を造影した。各フィルム試料を3つの透視画:1)フィルム表面、2)破断フィルム横断面(0°)、および3)配向#2(90°)に関して90°の角度での破断フィルム横断面で可視化した。前インキュベーションフィルム試料に、Polaron Instruments Sputter Coater E5100を用いて金−パラジウムの5〜10 nm層を直接スパッタ被覆した。後インキュベーション試料を、70%エタノール(w/w)10 ml中で撹拌しながら、室温で24時間インキュベートした。エタノールを捨て、試料を一夜風乾した。次に試料を凍結し、一夜凍結乾燥して、あらゆる残留水分を除去し、次にスパッタ被覆した。
【0078】
B.フィルム試料の形態学的知見
図19A〜Cは、フィルム試料#4−100%ポリプロピレンの走査電子顕微鏡写真である。図19A〜Cは、水不溶性ポリマーが典型的には高密度均質形態で、実質的に多孔性でないことを説明する。外表面は、図19Aに示されている。図19Aは、高密度で且つ実質的に多孔性を示さない外表面を示す。横断図は、200倍の倍率で、図19Bに示されている。図19Bは、フィルムの脆性破断中に明示されたポリマーの平板様領域を示す。別の横断図は、1000倍の倍率で図19Cに示されている。図19Cは、高密度、小繊維性形態を示す。
【0079】
図20A〜Cは、フィルム試料#5−約88%ポリプロピレンおよび12%ポリ(エチレングリコール)の走査電子顕微鏡写真である。図20A〜Cは、本質的に水不溶性ポリマーおよび親水性作用物質から成る2相系が、ポリ(エチレングリコール)である層板構造を有する領域を散在させた高密度小繊維マトリックスを伴う不均質形態を有することを説明する。図20A〜Cはさらに、チャンネルであり、同一方向に配向される層板小繊維および小繊維構造間に空所を示す。外表面は図20Aに1000倍の倍率で示されている。図20Aは、高密度で且つ実質的に多孔性を示さない外表面を示す。横断図は、2,500倍の倍率で、図20Bに示されている。図20Bは、ポリ(エチレングリコール)の層板ストランドで被覆されたポリマーの小繊維領域を示す。図20Cは、垂直角度で破断されたフィルム試料#5の、倍率1,500倍での横断図である。図20Cは、固体非晶質円筒系のポリ(エチレングリコール)を散在させた小繊維性ポリプロピレンマトリックスを示す。
【0080】
図21A〜Cは、フィルム試料#6−約50%ポリプロピレンおよび50%分子篩の操作電子顕微鏡写真である。図21A〜Cは、典型的均質高密度マトリックスを示し、別個の分子篩が時折認められるだけで、分子篩は多量投入されているにもかかわらず、ポリマー中に深く包埋されている。実施例21aは、5〜30ミクロンの長さの長いチャンネルで被覆される外表面を、1,000倍の倍率で示す。分子篩(1〜10ミクロン)の外形は、ポリマー表面化に包埋されて観察され得る。横断図は、200倍の倍率で、図21Bに示されている。図21Bは、ポリマーの平板様領域と、分子篩の高投入量のための粒状の外観を示す。図21Cは、1,500倍の倍率での横断図であって、高密度形態を示し、多孔性は実質的に認められず、多数の小粒子がポリマー中に包埋されている。
【0081】
図22A〜Dは、フィルム試料#3−約52%分子篩、約34%ポリプロピレンおよび約12%ポリ(エチレングリコール)の走査電子顕微鏡写真である。図22A〜Dは、高多孔性形態を有する3相系を示す。図22Aは、5〜30ミクロンの長さの長いチャンネルで被覆され、多数の異なる分子篩粒子で充填される外表面を、500倍の倍率で示す。横断図は、350倍の倍率で、図22Bに示されている。図22Bは、破断配向に走る長いチャンネルを伴う高多孔性形態を示す。図22Cは、350倍の倍率での垂直配向の横断図であって、孔を示していると思われる。図22は、高倍率−1,500倍である。図22Dは、別個の分子篩を含有するチャンネル、ならびにポリ(エチレングリコール)中に包埋された多数の篩の集塊を示す。したがって、図22Bに基づいて、図22Bおよび22Cで観察される孔は、SEMのための破断調製中に分子篩が抜け落ちた位置である、と考えられる。
【0082】
要するに、実施例1、2および3はさらに、相互連絡チャンネルの形成に関する理論を確証する。一実施態様では、その工程は親水性作用物質が溶解形態であるが、一方水不溶性ポリマーは固体形態である温度で開始するため、第三の構成成分(例えば分子篩)が液体親水性作用物質と相互作用している、と考えられる。したがって、この時点では、親水性作用物質が容易に流動して、固体水不溶性ポリマーと分子篩構成成分との間の間隙を満たすために、相互連絡チャンネルが形成されると考えられる。本工程は継続し、温度は上昇するので、水不溶性ポリマーは溶融し、したがって組成物はより均一になる。
【0083】
実施例4
以下の実施例の目的は、本発明の組成物の水吸収特性を実証することである。約50%(w/w)の分子篩[4オングストローム]、約12%(w/w)のポリ(エチレングリコール)および約38%(w/w)のポリプロピレンを有する、フィルム#1と同様の処理条件を有するフィルムの試料を作製し、以下の試験方法を用いて、その全重量の水分吸収に関して評価した:(a)ある環境小室を、22.2℃(72゜F)、相対湿度(Rh)10%に、別の小室を22.2℃(72゜F)および20%Rhに予備調整した;(b)皿を計量し、重量を記録した;(c)次にスケールを風袋調整して、秤から皿の重量を除去した;(d)次にフィルムを計量済の皿に添加した;(e)次に物質を計量し、重量を記録した;(f)試料を入れた計量皿を環境小室に入れた;(g)所望の時間、試料を小室に放置した;(h)所望時間に達した後、試料を入れた皿を取り出して、再計量し、重量を記録した;そして(i)分子篩1 g当たりの増加水分%を、(試料の全増量)/(試料中の分子篩の重量)x100により算出した。結果を図23A[10%Rh]および23B[20%Rh]に示す。4オングストロームの分子篩の重量当たりの増加した水分の最大理論値は、約24〜25%である。図23Aおよび23Bは、本発明の高伝達速度(例えば、水分吸収速度)を実証する。
【0084】
一体式組成物およびそれらの構成化合物を、本明細書中で説明してきた。前記のように、本発明の詳細な実施態様が本明細書中に開示されている。しかしながら、開示した実施態様は、種々の形態に具体化され得る本発明の単なる例示である、と理解されるべきである。当業者に認識される多数の修正およびその他の変更は、本発明の教示、精神および意図される範囲を逸脱しない限り、下記の特許請求の範囲に記載するように本発明の意図される範囲内である、と理解される。
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、米国特許第08/424,996号(1995年4月提出)の一部継続出願である米国特許第08/661,298号(1996年3月5日提出)の一部継続出願である米国特許第08/812,315号(1997年3月5日提出)の一部継続出願である米国特許第09/087,830号(1998年5月29日提出)の一部継続出願である。
【背景技術】
【0002】
本発明は、一般的に、水不溶性ポリマー、親水性作用物質および放出物質を包含する一体式組成物に関する。一実施態様では、本発明は、1つ又はそれ以上の放出物質と配合されて放出物質共留化ポリマーを形成する改質ポリマーに関する。本発明はさらに、ポリマー構造の内部に位置する放出物質が、ポリマー本体の外部の条件に曝露される手段を含む共留化ポリマーに関する。一実施態様では本発明の共留化ポリマーは、制御環境を要する商品のための容器および包装の製造に有用である。
【0003】
好ましくは、制御され、および/または調節されねばならない環境中で、貯蔵され、輸送され、および/または利用される多数の商品がある。例えば、水分制御領域では、そこに閉じ込められた余分の水分を吸収する能力を有する容器および/または包装が望ましいと認識されている。水分吸収容器が所望される一用途は、その効能が水分により危うくされる薬物の輸送および貯蔵に関してである。密封水分無含有容器への薬物の最初の配置は、通常は制御可能である。さらに、薬物用容器は、水分に対して低透過性を有するよう選択される。したがって、薬物は普通は、それが末端ユーザーに到達するまで、水分から防護される。しかしながら、一旦薬物が顧客に受容されると、容器は反復的に開閉して、薬物を取り出さねばならない。各時点で、容器は開放され、非密封化されて、水分保有空気が容器中にほとんど導入され、閉鎖時にその中に密封されると思われる。この水分は別の方法で大気または容器の頭部空間から除去されない限り、それは有害的に薬物に吸収され得る。この理由のために、容器中に薬物と一緒に乾燥ユニットを含むことは周知の慣用手段である。
【0004】
その他の商品である電子器機構成成分は、最適性能のために水分状態の低減を要し得る。これらの構成成分は、容器中に密封され得るが、しかしその中に最初に閉じ込められた余分量の水分は、除去されねばならない。さらに、ハウジングは完全に水密性であるわけではなく、水分は容器中に浸透され得る。この水分も、作業構成成分に近づかないよう保持されねばならない。これらの理由のために、余分の水分を吸収し、保持するために、ハウジング内に乾燥剤を含入することが重要である。水分から防護されるべきである多数の構成成分の精巧性のために、使用される乾燥剤は、構成成分の性能を汚染し、危うくし得る「ダスチング」性を有するものでないことが重要である。したがって、同時に乾燥物質、例えばそれから生成され得る乾燥剤ダストとの実際の接触から作業構成成分を遮蔽しながら、このような容器の内部空間に乾燥剤を曝露することは有益であると認識されている。
【0005】
その他の場合には、水分は、容器内におかれた商品から放出され得るか、または輸送および/または貯蔵のために包装用ラップ中に密閉され得る。このような商品の第一の例は、輸送および貯蔵中に水分を放出する食料品である。密閉され、水分に対して実質的に不透性である容器の場合には、放出水分は容器内に残留する。除去されない場合には、この放出水分は、水分を放出したまさにその商品に悪影響を及ぼし得る。実質的量の水分は、製造および包装後最初の48時間以内に、ある種の食品から放出されることが判明している。この放出水分は、除去されるまで残留する。水分がその放出後すぐに除去されない場合には、それは食品を販売に適さない状態に分解させ得る。これらの場合には、製品が開封されるまで、放出水分を継続的に吸収するために乾燥剤が含入商品と一緒に含まれ得る。この方法で、貯蔵商品について、かなりの乾燥環境が保持される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の要約
本発明は、相互連絡チャンネルが組成物全体に確立される構造および方法の両方を開示する。これらの相互連絡チャンネルは、可塑性構造の外側から、放出物質が配置される内部位置に所望の特性を移動させる方法で、組成物の外部の適切な領域に共留化放出物質(entrained releasing material)を伝達する。さらに、所望の特性がそれを通って移動させられるこれらの相互連絡チャンネルは、組成物への伝達速度を制御する親水性作用物質(例えば、チャネリング剤)により占められる。親水性作用物質は、組成物の表面から内方に、組成物内に配置された放出剤への橋として作用するために用いられる。
【0007】
本発明は、水不溶性ポリマーに放出性物質を含有させて、その放出性物質(生理活性成分、湿潤化、乾燥化物質、芳香性成分等)を水不溶性ポリマーから放出させる物品であって、放出性物質を相互連絡チャネルあるいは放出通路(チャネル)を構成する親水性物質(チャネリング剤)に放出物質を保持させることを特徴とする物品、およびその物品を製造するための組成物に関する。
開示された利点および改良の間で、本発明のその他の目的および利点は、添付の図面を参照しながら、以下の説明から明らかになる。図面は本明細書の一部を構成し、本発明の例示的実施態様を含み、その種々の目的および特徴を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
必要に応じて、本発明の詳細な実施態様は本明細書中に開示されている。しかしながら、開示された実施態様は、種々の形態で具体化され得る本発明を単に説明するものである、と理解されるべきである。図面は必ずしも比例尺で描かれず、いくつかの特徴は、特定の構成成分の詳細を示すために拡大される。したがって、本明細書中に開示された特定の構造および機能の詳細は、特許請求の範囲を限定するものではなく、単にその基礎として、そして本発明を種々に用いることを当業者に教示するための代表的基礎と解釈されるべきである。
【0009】
本明細書中では親水性作用物質(例えば、チャネリング剤)と呼ばれるある種の化合物は、造形品の成形に用いられる水不溶性ポリマーと組合され得る、ということが発見された。実際上、一実施態様では、親水性作用物質が配合される水不溶性ポリマー基剤には、例えばあらゆるポリエチレンおよびポリプロピレンが含まれる。
【0010】
一実施態様では、放出物質および親水性作用物質は、その物質および親水性作用物質が配合されて、ポリマー全体に十分に混合されて、溶融相に達する前に配合物が均一に混合されることを確実にするために、ポリマーが溶融状態である時に、またはポリマーが溶融状態になる前に、水不溶性ポリマーに添加される。例えば、このような技法は、放出物質、親水性作用物質およびポリマーがすべて粉末である場合に有用である。
【0011】
別の実施態様では、親水性作用物質およびポリマーは、放出物質の添加前に混合される。親水性作用物質は、ポリマーが溶融状態になる前に、またはポリマーが溶融状態になった後に、添加される。例えば、放出物質は、シート成形の加熱工程中にポリマーに添加され得る。
【0012】
配合および処理を経た後に、冷却後、親水性作用物質は、ポリマー全体の伝達連絡通路として作用する相互連絡チャンネルを形成する。さらに、本発明の組成物は一体式(monolithic)であり、水不溶性ポリマー、親水性作用物質および放出物質が3相系を形成する。本発明の目的のためには、「相」という用語は、全体に均一で、限定境界を有し、そして原則として、他の相から物理的に分離される物理的系の一部を意味する。「相互連絡チャンネル」という用語は、水不溶性ポリマーを介して浸透し、互いに相互連絡され得るチャンネルを意味する。「水不溶性ポリマー」という用語は、大気圧で25℃で約0.1%より低い水中の溶解度を有するポリマーを意味する。「親水性作用物質」という用語は、架橋されない、そして大気圧で25℃で少なくとも約1%の水中溶解度を有する物質として同定される。適切な親水性作用物質としては、「チャネリング剤」が挙げられる。「一体式組成物(monolithic composition)」という用語は、2またはそれ以上の別個の肉眼的層で構成されない組成物を意味する。さらに、本発明の目的のためには、「融点」という用語は、DSCにより確定される物質の一次転移点と定義される。「相互可溶性でない」という用語は、互いに混和しないことを意味する。
【0013】
一実施態様では、本発明の適切な親水性作用物質としては、ポリグリコール、例えばポリ(エチレングリコール)およびポリ(プロピレングリコール)およびそれらの混合物が挙げられる。その他の適切な物質としては、親水性化合物であるために本発明の目的に適しているEVOH、グリセリン、ペンタエリトリトール、PVOH、ポリビニルピロリジン、ビニルピロリドンまたはポリ(N−メチルピロリドン)、ならびに糖ベースの化合物、例えばグルコース、フルクトースおよびそれらのアルコール、マンニトール、デキストリンおよび加水分解化デンプンが挙げられる。
【0014】
別の実施態様では、本発明の適切な親水性作用物質としては、処理中に、親水性作用物質がその溶融混合時にその融点より上に加熱され、その後の冷却時にポリマーから分離して本発明の相互連絡チャンネル化構造、ならびに水不溶性ポリマー、親水性作用物質および放出物質の3相系を形成するあらゆる親水性物質も挙げられ得る。
【0015】
本発明は、種々の放出物質とともに用いられ得る。このような物質は、固体、ゲル、液体そしていくつかの場合には気体を含めた、周囲大気に分散剤を放出する任意の適切な形態を包含し得る。これらの物質は、芳香剤、風味剤または香料源として役立ち;生物学的活性成分、例えば殺虫剤、駆虫剤、抗菌剤、毒餌、芳香性薬剤等を供給し;湿潤化または乾燥物質を提供し;空輸活性化学物質、例えば腐食防止剤、熟成作用物質および臭生成作用物質を送達することを含めた、種々の機能を実施し得る。
【0016】
本発明の殺生物剤としては、殺虫剤、除草剤、線虫駆除剤、殺真菌剤、殺鼠剤および/またはそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。殺生物剤の他に、本発明の外被は、栄養素、植物成長調節剤、フェロモン、枯葉剤および/またはそれらの混合物も放出し得る。
【0017】
第四級アンモニウム化合物の混入は、界面活性剤として機能するだけでなく、製造製品の表面に無菌特性を付与するか、またはそのいくつかが病原性である微生物の数を低減するための状態を確立する。多数のその他の抗菌剤、例えばベンズアルコニウムクロリドおよびヘキサクロロフェンのような関連した種類の化合物も用いられ得る。
【0018】
その他の放出物質としては、天然精油および合成香料を含めた芳香剤、ならびにそれらの配合物が挙げられる。活性成分の一部を、またはもしかすると全体を構成する典型的香料物質としては、天然精油、例えばレモン油、マンダリン油、丁字葉油、プチグレン油、シダー材油、パチョリ油、ラバジン(lavandin)油、ネロリ油、イラン油、絶対ローズ精油(rose absolute)または絶対ジャスミン精油(jasmin absolute);天然樹脂、例えばラブダナム樹脂または乳香樹脂;例えばアルコールとして合成的に製造されたものの天然源から単離され得る単一香料化学物質、例えば、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、リナロール、テトラヒドロゲラニオール、βフェニルエチルアルコール、メチルフェニルカルビノール、ジメチルベンジルカルビノール、メントールまたはセドロール;このようなアルコール−アルデヒドから得られるアセテートおよびその他のエステル、例えばシトラル、シトロネラル、ヒドロキシシトロネラル、ラウリンアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、シンナムアルデヒド、アミルシンナムアルデヒド、バニリンまたはヘリオトロピン;このようなアルデヒドから得られるアセタル;ケトン、例えばメチルヘキシルケトン、イオノンおよびメチルイオノン;フェノール化合物、例えばオイゲノールおよびイソオイゲノール;合成麝香、例えば麝香キシレン、麝香ケトンおよびエチレンブラシレートが挙げられる。
【0019】
相対的に微細な粒子サイズを有する放出物質に関する一実施態様では、ポリマー内に低表面積を露出する2〜3の大型相互連絡チャンネルに対照したものとして、ポリマー全体の多数の小型相互連絡チャンネルが生成される必要がある。一実施態様では、ポリプロピレン無水マレイン酸のような二量体剤、または任意の可塑剤が混合物に任意に添加されて、粘性を低減し、ポリマーと親水性作用物質の混合相溶性を増大し得る。
【0020】
さらに別の実施態様では、放出物質と親水性作用物質との間に親和性を引き起こす極性を有する放出物質が選択される。この理由のために、相互連絡チャンネルがポリマー全体に形成される分離工程中は、放出物質は、それが結合される親水性作用物質領域に向かって移動する、と考えられる。この方式では、親水性作用物質は、ポリマー構造に対して外部に位置する水分とポリマー内に位置する放出物質との間の橋として作用するのを許される、と理論化される。これは特に、通路を満たす親水性作用物質内で結合される放出物質に関して言える。さらに別の実施態様では、極性可塑剤、例えばグリセリンがさらに混合物に添加されて、これが親水性作用物質中への放出物質の分散または混合を増強する。
【0021】
混合物中の放出物質の濃度が高いほど、最終組成物が有する吸収能力は大きい、と考えられる。しかしながら、放出物質の濃度が高いほど本体は脆くなり、混合物は熱成形、押出しまたは射出成形がより難しくなる。一実施態様では、放出物質投入レベルは、ポリマーに関して、10重量%〜20重量%、20重量%〜40重量%、および40重量%〜60重量%の範囲であり得る。
【0022】
一実施態様では、本発明の水不溶性ポリマーは、任意の熱可塑性物質であり得る。適切な熱可塑性物質の例としては、ポリオレフィン、例えばポリプロピレンおよびポリエチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリシロヤン、ポリカルボネート、ポリアミド、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、エチレン−メタクリレートコポリマー、ポリ(ビニルクロリド)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ無水物、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリアクリル酸エステル、アクリル酸物質、ポリウレタンおよびポリアセタル、それらのコポリマーまたは混合物が挙げられる。
【0023】
さらに別の実施態様では、構成成分は先ず、ヘンシェルミキサー(Henschel)のようなミキサー中で乾燥混合され、次に配合機に供給される。例えばライスチリッツ(Leistritz)二軸スクリュー押出機、またはワーナープフライダー(Werner Pfleider)ミキサーを用いて、約60〜76.7℃(約140℃〜約170゜F)で良好な溶融ミックスを達成し得る。次に溶融物を押し出して、例えばフィルムを成形するか、または振動コンベア上での風乾冷却を用いて、ペレットに転換し得る。次に、例えばチャンネルを含有する成形ペレットをビーズ、篩に射出成形するか、または容器の内側層としてポリプロピレンを用いて同時射出し得る。
【0024】
さらに別の実施態様では、本発明の組成物は典型的には、放出物質を含有しないポリマーより脆いために、パッケージの内部部分が本発明の組成物であり、一方外部部分が純ポリマーまたは低放出物質投入レベル伴う本発明の組成物から構成されるように、パッケージが成形され得る。例えば、本発明の組成物から成る内部部分と純ポリマーから成る外部部分を有するパッケージは、典型的には高耐久性且つ低脆性であるだけでなく、パッケージの内部への外部からの水分の伝達を阻止するバリアとしても作用する。この方式では、放出物質の能力は、その物質が放出されるのが望ましいパッケージの内部に専らそれを曝露することにより増強される。
【0025】
本発明の組成物は、多数の用途を有する。一用途は、食料品および薬物のような相対的に小容積の製品を含入するのに適した硬質容器の構築である。多くの場合、これらの種類の製品は、制御環境(例えば低水分および/または酸素)下で輸送および貯蔵しなければならない。別の実施態様では、本発明の組成物は、容器の内部に封入するために、挿入物に成形され得る。挿入物の一形態の例は、任意の適切な形状のプラグである。プラグは容器内に単に沈着されることによりその目的をに役立つが、一方、それは、内部空間内辺りを動くように、内部位置に固定され得る。さらに別の実施態様では、円板に成形されたプラグは、ポリマー成形容器の底に合わせてプレスされるよう造形され、寸法合わせされる、と考えられる。
【0026】
別の実施態様では、容器本体の内表面に実質的に合致する外表面を有するライナーが本発明の組成物から成形される。円板と同様に、ライナーは、その意図されないそこからの離脱を防止するのに十分に心地よく保持されるポリマー本体内の位置にプレス嵌召されるよう、寸法合わせされ得る。あるいは、さらに別の実施態様では、容易に他方から離脱しないように、放出物質を含有しないポリマー本体のより大きい収縮特徴がプラグまたはライナー周辺の容器本体をしっかり焼嵌めするように、プラグまたはライナーは最初に構築され、硬化されて、次に容器本体が引き続いてその辺りに構築され得る。さらに別の実施態様では、プラグまたはライナーの形態をとる挿入物は、各々が他方と一体となって結合されるように、ポリマー容器本体と実質的に同時に共成形され得る。共成形工程の事象では、乾燥剤積載挿入物とポリマー容器本体の粘度は、一緒に成形された2相の液体または溶融物質の適正且つ所望の位置選定を促すために、典型的にはほぼ等しくあるべきである。
【0027】
さらに別の実施態様では、本発明の組成物は、別のシートと一緒に連結されるシートを成形するために用いられ得る。少なくとも1つの実施態様では、シートは、外層が、実質的には空気および水分不透過性である本発明の組成物に隣接して確立されうるように、互いに効率的に積層される。次に、積層シートを用いて、制御環境中に保存される商品を包み得る。接合工程が達成され得る一手段は、熱押出手法による。
【0028】
本明細書中に記載した本発明の実施態様の各々において、従来技術の方法および構造を上回る利点および増強は、環境に放出物質を曝露しながら、本発明の組成物から硬質本体が構築され得るように、本発明の組成物全体に相互連絡チャンネルを作製する能力の発見に由来する。さらに、ポリマー本体の外部と内部に位置する放出物質との間の伝達速度制御橋としても作用する親水性作用物質の使用の発見は、同時にその物質の能力の大部分を利用しながら、共留構造の外部に位置する所望の特性を迅速に除去する構造能力を大いに増強した。
【0029】
本発明の一実施態様は、本発明の組成物の製造方法を含む。一実施態様では、その方法は、水不溶性ポリマーおよび親水性作用物質を配合することを包含する。親水性作用物質の配合前、または親水性作用物質の配合後に、添加物がポリマー内に均一に分布され、親水性作用物質がポリマー内に分布されるように、放出物質がポリマーに配合される。その後、組成物が固化された後、その結果が、親水性作用物質が組成物中に相互連絡チャンネルを形成し、それを通って所望の特性がポリマーを介して組成物内の放出物質に伝達される。別の実施態様では、親水性作用物質および放出物質は、乾燥粉末形態ですべて十分に混合され、次に、ポリマー配合物は溶融されて、成形により所望の形状に成形される。相互連絡チャンネルが組成物中に形成され、これを通って所望の特性がポリマーを介して組成物内の放出物質に伝達される。
【0030】
本発明の代替的実施態様では、水不溶性ポリマー、親水性作用物質および放出物質を包含する一体式組成物は、先ず、水不溶性ポリマーおよび親水性作用物質を包含する2相系を生成し、次に放出物質を含有する溶液中に2相系を浸漬する。その結果、放出物質は組成物に取り上げられて、水溶性ポリマー、親水性作用物質および放出物質を包含する少なくとも3つの相から成る一体式組成物を生じる。本発明の目的のためには、浸漬は、組成物による放出物質の摂取を生じるソーキング、コーティングまたはその他の方法を含む、と理解されるべきである。
【0031】
特定の一例は、(1)水不溶性ポリマーおよび親水性作用物質を混合して均一配合物を生成し、(2)工程(1)の配合物を親水性作用物質の融点より上に加熱して、(3)工程(2)の配合物を冷却して所望の造形品を成形し、(4)工程(3)の造形品を放出物質を含有する溶液中に浸漬し、(5)その物質に有害に作用しない適切な条件下で乾燥し、そして(6)水不溶性ポリマー、親水性作用物質および放出物質を包含する一体式組成物から成る造形品を成形することから成る。
【0032】
この代替的実施態様は、感熱性で、したがって工程中に親水性作用物質を融解するのに要する温度に耐えることができない物質によく適合され得る。このような高温の一例は、押出し工程中に受ける温度である。その結果、放出物質は押出しから下流に添加され、したがってその物質に有害に作用し得る高温を蒙らない。この代替的実施態様のさらに別の例は、放出物質のための溶液の生成に関する。一実施態様では、放出物質の水性溶液が生成される。
【0033】
一実施態様では、本発明の組成物は、バリア物質から構築されたパッケージ内に封入するためのプラグを成形するために用いられる。別の実施態様では、本発明の組成物は、バリア物質から構築された容器内に封入するためのライナーを成形するために用いられる。さらに別の実施態様では、本発明の組成物は、吸収シートを成形するために用いられる。吸収シートは、任意に、包装ラップとして用いるためにバリア物質から構築されたバリアシートと組合される。別の実施態様では、本発明の組成物は、容器用の吸収挿入物を成形するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明の組成物から構築されたプラグ、挿入物またはタブレットの透視図であって、プラグの外表面の相互連絡チャンネルの開口部を、拡大スケールで示す。
【図2】図2は、一緒に配合された親水性作用物質および放出物質を有する水不溶性ポリマーから成形された固化プラグの拡大横断図である。
【図3】図3は、伝達速度バリアとして作用するポリマーから構築された容器の底に位置するプラグ挿入物に成形された本発明の組成物を有する容器の一部の拡大横断図である。
【図4】図4は、伝達速度バリアとして作用するポリマーから構築された容器の底に共成形されたプラグに成形された本発明の組成物を有する容器の一部の拡大横断図である。
【図5】図5は、伝達速度バリアとして作用するポリマーから構築された容器の内側に位置するライナー挿入物に成形された本発明の組成物を有する容器の一部の拡大横断図である。
【図6】図6は、伝達速度バリアとして作用するポリマーから構築される容器の内側に共成形されたライナーに成形された本発明の組成物を有する容器の一部の拡大横断図である。
【図7】図7は、伝達速度バリアとして作用するポリマーから構築されたバリアシートに隣接して位置するシートに成形された本発明の組成物の拡大横断図である。
【図8】図8は、製品が一体化ラミネートと一緒に一体成形され、それを包含するように、バリアシートの内部に共成形されたシートに成形された本発明の組成物の拡大横断図である。
【図9】図9は、3つのフィルム試料:フィルム#2、フィルム#3およびフィルム#4の膨潤および重量損失分析のグラフである。
【図10】図10は、100%ポリグリコールの試料のDSC曲線のグラフである。
【図11】図11は、フィルム#4の試料のDSC曲線のグラフである。
【図12】図12は、フィルム#5の試料のDSC曲線のグラフである。
【図13】図13は、フィルム#6の試料のDSC曲線のグラフである。
【図14】図14は、フィルム#7の試料のDSC曲線のグラフである。
【図15】図15は、前インキュベーション状態でのフィルム#2の試料のDSC曲線のグラフである。
【図16】図16は、後インキュベーション状態でのフィルム#2の試料のDSC曲線のグラフである。
【図17】図17は、前インキュベーション状態でのフィルム#3の試料のDSC曲線のグラフである。
【図18】図18は、後インキュベーション状態でのフィルム#3の試料のDSC曲線のグラフである。
【図19a】図19aは、フィルム#4のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図19b】図19bは、フィルム#4のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図19c】図19cは、フィルム#4のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図20a】図20aは、フィルム#5のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図20b】図20bは、フィルム#5のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図20c】図20cは、フィルム#5のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図21a】図21aは、フィルム#6のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図21b】図21bは、フィルム#6のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図21c】図21cは、フィルム#6のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図22a】図22aは、フィルム#3のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図22b】図22bは、フィルム#3のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図22c】図22cは、フィルム#3のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図22d】図22dは、フィルム#3のフィルム試料の走査電子顕微鏡写真である。
【図23A】図23Aは、10%Rhおよび22.2℃(72゜F)での分子篩の重量当たりの水分増加%を示すグラフである。
【図23B】図23Bは、20%Rhおよび22.2℃(72゜F)での分子篩の重量当たりの水分増加%を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の実施態様の添付の図面の図1を参照すると、本発明の組成物から構築された挿入物20が説明されている。本発明のこの開示の目的のために、「共留する」および「含有する」という語句は、ポリマー25マトリックス中の乾燥剤30の封入を指す場合、互換的に用いられた。挿入物は、容器本体60に沈着され得るプラグ55の形態であり(図5)、それにより容器61を確立する(図5)。図2を参照すると、放出物質30および親水性作用物質35と均一に配合された水不溶性ポリマー25を包含するポリマー混合物から構築されたプラグ55の横断図が示されている。図2の説明では、本発明の組成物は、相互連絡チャンネル45が組成物全体に形成されて、固化プラグ55を通る通路を確立するように、固化されている。図1および図2の両方で考察されるように、通路は、プラグ55の外表面の開口部48に終止する。
【0036】
図3は、図2のプラグ55の構築および作製と同様のプラグ55の実施態様を説明するが、この場合、相互連絡チャンネルは非常に細い。これは、親水性作用物質としてのポリグリコールの使用、または親水性作用物質を伴う二量体剤(即ち、可塑剤)の使用に起因し得る。二量体剤50は、ポリマー25と親水性作用物質35との間の相溶性を増強し得る。この相溶性増強は、均一溶液への組合せに耐える2つの構成成分25、35のより十分な配合を促進するに違いない配合物の粘度低減により促進される。そこに付加された二量体を有した本発明の組成物の固化に際して、それを通して形成される相互連絡チャンネルは、より大きい分散性およびより小さい多孔性を有し、それにより、プラグ55を通る相互連絡チャンネルのより大きい密度を確立する。一実施態様では、この同一作用は、ポリグリコールの疎水性熱可塑性物質、例えばポリオレフィンとの一般的相溶性のために、ポリグリコールが親水性作用物質として用いられる場合に、容易に起こる。相互連絡チャンネルは、固化プラグ55の外部から共留放出物質30が結合される内部位置への所望の特性の制御伝達のための経路を提供するために作製される。
【0037】
これらの相互連絡チャンネルは、それを通る透過性に耐え、したがってバリアとして作用するポリマー25の疎水性特徴のために、必要とされる、と考えられる。この理由のために、ポリマー25それ自体は、放出物質30が共留され得るバリア物質として言及される。しかしながら、ポリマー25の内部に共留された放出物質30を曝露するために、相互連絡チャンネル45が提供される。これらの相互連絡チャンネル45がない場合には、相対的に少量の放出物質が共留放出物質30により放出される、と考えられる。これらの少量は、形成された本体の外表面で曝露される限定数の放出物質粒子30、ならびに実質的に不透性のポリマー25を通過し得る非常に少量の放出物質に由来した、ということもさらに考えられる。これらの特徴のために、水不溶性ポリマー25は、それが完全に不透性でない場合でも、バリアとして言及される。
【0038】
図3は、容器本体60に沈着され、それにより放出容器61を確立するプラグ55の本発明の一実施態様を説明する。容器本体60は内表面65を有し、実質的に本発明の組成物から構築される。この方式では、伝達特性は、容器60が密閉された場合に容器60の壁を通して伝達されることを阻止される。図3に示されているように、プラグ55は、容器60の底位置にプレス嵌めされている。プラグ55はその中での緩い含入のために容器60中に単位沈着され得るだけであるよう意図されるが、しかし容器60にプラグ55を固定する方式で容器60の本体に結合されるのが好ましい。プラグ55と容器本体60の間の結合は、そこからのプラグ55の転位および相対的移動を防止するよう意図される。この結合は、プラグ55と本体60の内表面65との間のぴったり合った圧嵌めにより達成され得るか、あるいはそれは、プラグ55周辺に延びてプラグ55を適所に保持する接着剤、熊手、リップまたは稜線のような方式で機械的に連結され得る。さらに別の実施態様では、容器本体60は、容器本体60の硬化工程中に、本体60がプラグ55周辺に収縮して、それにより2つの構成成分間に確立される焼嵌めを引き起こすように、プラグ55周辺に成形され得ることが意図される。この種類の連結は、共成形法または逐次成形法で達成され、プラグ55は容器本体60を構成するポリマー25より低収縮性であるために、同一結果が達成される。
【0039】
図4は、図3で説明された形状と同様の容器60の底位置に位置するプラグ55から形成された本発明の組成物を有する放出容器61を説明するが、しかしプラグ55および容器本体60は、プラグ55と本体60構成成分との間にあまり明確でない界面を有する一体化本体61が形成されるように、共成形される。
【0040】
図5および6は、図3および4と同様の概念を説明するが、しかしながら、プラグ55の割合は、ライナー70が形成され、これが容器61の内面65の退部分を被覆するように、拡張されている。ライナー70は、容器本体60の底部分に局在されないが、しかし、上方に延び、容器61の壁の部分を被覆する壁を有する。プラグ55と同様に、ライナー70は、別々に成形され、そしてその後容器本体60と併合されるか、またはそれと共成形されて、図6に示した一体化本体になされ得る。
【0041】
図7および8は、本発明のシート75から形成される放出物質が、バリアシート80との組合せのために作製される本発明の実施態様を説明する。シートの特徴はプラグ55およびライナー70ならびに容器本体60に関して説明したものと同様である。即ち、図7は、2つのシート75、80が別々に成形され、後に併合されて、内表面に放出物質特徴を有し、外表面に耐性特徴を有する包装ラップを形成する。図8は、シート75とバリアシート80の間の界面が図7の実施態様とほとんど異ならない共成形工程を説明する。この製品は、熱成形法により製造され得る。このような方法では、ポリマー層は溶融され、部分的にシートに成形されて、放出物質30は処理直前にその層の上部に沈着されるか、または熱成形機で開口部のようなスリットを通って押し出される。図7の別個のシート75、80は、接着剤またはその他の適切な手段により一緒に接合されて、複数のシート75、80からラミネートを形成し得ることが意図される。あるいは、シート75、80は、熱押出し法により製造され、それにより両シート75、80は同時に製造されて、効率的に一緒に共成形され、図8に説明した実施態様を形成する。
【0042】
本発明のさらに別の実施態様では、バリア物質から構築された容器60内の封入のために、混合物からプラグ55が成形される。一実施態様では、プラグ55は、バリア物質から構築された容器60に沈着される。この方式で、容器61が作製される。プラグ55は、プラグ55が容器60に対して固定されるように、容器本体60の内表面に連結される。
【0043】
あるいは、バリア物質から構築される容器60は、プラグ55の少なくとも一部が容器60の内部に曝露されるように、プラグ55周辺に成形され得る。本発明により製造される乾燥プラグ55は、プラグ55の少なくとも一部が容器60の内部に曝露されるように、バリア物質から構築された容器60とともに共成形され得る。
【0044】
別の実施態様では、ライナー70は、混合物40から成形され、次に、バリア物質から構築された容器60内に封入される。ライナー70は、典型的には、しかし必然的ではなく、容器60の内表面65とのかみ合いを適合させるために形成された外表面を有する。
【0045】
ライナー70は、容器の内表面の少なくとも大部分がライナー70で被覆される容器61が作製されるように、容器60とのかみ合いに適合するようプレスされ得る。
【0046】
ライナー70は混合物40から成形されて、次に、ライナー70の少なくとも一部分が容器60の内部に曝露され、そして容器60の内表面の大部分がライナー70で被覆されるように、バリア物質から構築された容器60がライナー70周辺に成形され得る。
【0047】
あるいは、ライナー70および容器本体60は、一緒に一体化本体に共成形され得る。
【0048】
吸収シート75は、包装ラップとして用いるためにバリア物質から構築されるバリアシート80と併合される。
【0049】
シート75、80は、熱押出しにより積層され得る。
【0050】
二量体剤は、任意に混合物に添加されて、ポリマー25とチャネリング剤35の混合相溶性を増大し、それにより固化混合物内の通路の分散を増大する。
【0051】
本発明のさらに別の実施態様では、容器61の形状で成形される放出物質の製造方法が提供される。本方法は、空気および水分バリアが容器の内部と外部の間に作られるように、実質的に空気および水分不透性の物質から容器60を成形することを含む。挿入物は、本発明の組成物から成形される。挿入物は、容器60の内表面65の少なくとも一部とのかみ合いを適合させるために形造られる外表面を有する。挿入物は、挿入物の外表面の少なくとも一部が容器60の内表面65と隣接的にかみ合うように、容器60の内部に取り付けられる。噛み合いは、容器60に対して挿入物を固定し、容器60からの挿入物の離脱を阻止する。挿入物は、所望の特性を放出するために、容器60の内部に曝露される。挿入物は、容器60内に挿入物がぴったり適合し、それによりそこからの離脱を阻止し得るのに十分な力で、容器60の内部にプレスされる。挿入物は、受容位置での保持のために容器の内部の受容位置に挿入物がしっくり適合するように、寸法合わせされ、造形される。
【0052】
別の実施態様では、挿入物は、受容位置での保持のために容器60の内部の底部分の受容位置にしっくり適合するプラグ55に寸法合わせされ、造形される。
【0053】
さらに別の実施態様では、挿入物は、ライナー70外表面の大部分が容器60内表面65と隣接的にかみ合うように、容器60の内表面65に合致する外表面を有するライナー70に形造られる。容器60およびライナー70は、容器60の内表面65およびライナー70の外部が、容器60からのライナー70の離脱が阻止されるように、一緒にしっくり適合するように、同様に形造られる。
【0054】
別の例では、容器60は、実質的に不透性で、したがってその外部とその内部との間の容器60の境界を通る放出物質の伝達を阻止するプラスチックから成形され得る。さらに、ライナー70は、本発明の組成物から成形され得る。
【0055】
さらに別の実施態様では、容器61の形状に成形される放出物質の製造方法が提供される。容器は、容器60の内部と外部との間にバリアが確立されるように、実質的に空気および水分不透性の物質から成形される。実質的に固体のタブレットまたはプラグ55は、本発明の組成物20から成形され、タブレット55は、容器60の内部に適合するよう、適切に寸法合わせされる。次に、タブレット55は容器60の内部に沈着され、それにより、容器60がタブレット55周辺で閉鎖された場合の、容器60の内部殻の所望の物質の放出のための手段を確立する。
【0056】
本発明の別の実施態様では、パッケージの形状での放出物質の製造方法が提供される。外部スキン、シートまたは層80は、外皮の反対側間にバリアが造られるように、実質的に空気および水分不透性シートの物質から成形される。内部スキン、シートまたは層75は、外部スキン80の片側に、本発明の組成物20から成形される。包装は、外部不透性スキン80内に製品または商品を密封することにより製品または商品周辺に形成され、内部放出物質スキン75は製品に隣接して位置する。放出物質ラミネートは、外部スキン80および内部スキン75を一緒に吸引真空成形して、包装を形成することにより生成され得る。
【0057】
本発明の一実施態様では、閉鎖容器61の形態の放出物質が提供される。閉鎖容器は、容器60の内部と外部の間にバリアが造られるように、実質的に水分および空気不透性物質から成形される容器60を含む。ライナー70は、容器60の内表面65の少なくとも一部との噛み合いを適合させるために形造される外表面をライナー70が有するように、本発明の組成物20から成形される。ライナー70は、ライナーの外表面の少なくとも一部が容器60の内表面65と隣接的にかみ合うように、容器60の内部に挿入される。噛み合いは、容器60に対してライナー70を固定し、容器60からのライナー70の離脱を阻止する。
【0058】
本発明の別の実施態様では、閉鎖可能容器60のための挿入物の形態の放出物質は、閉鎖可能容器60中への取付のために形造される本発明の組成物から造られる挿入物を含む。挿入物25は、本発明の組成物から構築される。挿入物25は、その外表面からその内部に延びる通路を有する。
【実施例】
【0059】
以下の特定の実施例により本発明をさらに詳細に説明する。これらの実施例は説明のためのものであって、開示または特許請求の範囲を限定するものではない、と理解される。例えば以下の実施例は10%Rh(相対湿度)および20Rhで22.2℃(72゜F)で試験したが、しかし、本発明の組成物は、その他の条件に対しても適合する。さらに、これらの実施例は、本発明が相互連絡チャンネルを有すること、ならびに親水性作用物質は相互連絡チャンネル中に残留することをさらに実証するものである。実施例中の、または明細書中の別の箇所におけるパーセンテージはすべて、別記しない限り、重量によっている。
【0060】
実施例1
以下の実施例の目的は、以下の物質を膨潤および重量損失分析に付すことにより、本発明の組成物が相互連絡チャンネルを有することを実証することである。さらに、以下の実施例は、本発明の組成物がある物質(例えば、ポリ(エチレングリコール))を放出し得ることを実証することである。
【0061】
A.試料調製
フィルム#1:約93%(w/w)のポリプロピレン(Exxon Chemicals、商品名エスコレンポリプロピレン3505G)および約7%(w/w)のポリ(エチレングリコール)(Dow Chemical、商品名E-4500)を十分に混合して、均一配合物を生成した。次に、約145℃〜約165℃の範囲の16帯域の温度で、約40 lbs/時間の供給速度で、約460 rpmのスクリュー速度で、そして6 inchダイで、Leistritz二軸スクリュー押出し機により、配合物を供給した。次に、約85℃〜約92℃の範囲の温度で三本ロール熱圧プレス機により押出し組成物を供給して、約4 milのフィルムを生成した。
【0062】
フィルム#2:約68%(w/w)のポリプロピレン(Exxon Chemicals、商品名エスコレンポリプロピレン3505G)、約12%(w/w)のポリ(エチレングリコール)(Dow Chemical、商品名E-4500)および約20%(w/w)の乾燥剤の分子篩(Elf Atochem、商品名シリポライト分子篩、4オングストローム)を十分に混合して、均一配合物を生成した。次に、約145℃〜約165℃の範囲の16帯域の温度で、約40 lbs/時間の供給速度で、約460 rpmのスクリュー速度で、そして6 inchダイで、Leistritz二軸スクリュー押出し機により、配合物を供給した。次に、約85℃〜約92℃の範囲の温度で三本ロール熱圧プレス機により押出し組成物を供給して、約4 milのフィルムを生成した。
【0063】
フィルム#3:約34.88%(w/w)のポリプロピレン(Exxon Chemicals、商品名エスコレンポリプロピレン3505G)、約11.96%(w/w)のポリ(エチレングリコール)(Dow Chemical、商品名E-4500)および約52.82%(w/w)の乾燥剤の分子篩(Elf Atochem、商品名シリポライト分子篩、4オングストローム)および約0.34%(w/w)のグレー着色剤を十分に混合して、均一配合物を生成した。次に、約145℃〜約165℃の範囲の16帯域の温度で、約50 lbs/時間の供給速度で、約460 rpmのスクリュー速度で、そして6 inchダイで、Leistritz二軸スクリュー押出し機により、配合物を供給した。次に、約85℃〜約92℃の範囲の温度で三本ロール熱圧プレス機により押出し組成物を供給して、約4 milのフィルムを生成した。
【0064】
B.膨潤および重量損失分析
円板(OD 1.1 cm)を3つの試料の各々から切り出した。各使用の初期乾燥重量を記録した。次に試料を2.0 ml蒸留水中でインキュベートして、室温で振盪しながら放置した。定期的に1、2、3および34日目に、円板を取り出して、ブロットされた表面を乾燥し、試料を計量して、膨潤の程度を確定した。各時点で、蒸留水を取り換えて、シンク条件を提供した。試験終了時に、試料を凍結乾燥して水分を除去し、試料を計量して、質量損失を確定した。図9は、分析結果のグラフである。膨潤%は、ある時点(t)での湿重量を初期乾重量(ゼロ)で割って、100を掛けた値と定義される。「乾燥」とは、34日間インキュベーション後の最終凍結乾燥試料重量を示す。
【0065】
図9は、フィルム#1が34日の経過中、膨潤または重量損失を生じなかったことを示す。したがって、この結果は、ポリ(エチレングリコール)(即ち、親水性作用物質)はポリプロピレン(即ち、水不溶性ポリマー)中に完全に閉じ込められたことを示す、と考えられる。フィルム#2は、膨潤によりその初期重量の約3%を増大し、そして34日間のインキュベーション終了時にその初期重量の約5%を損失した。フィルム#3は、その初期重量の約6%を増大し、そして34日間のインキュベーション終了時にその初期重量の約8%を損失した。これらの結果は、フィルム#2および#3、ならびにフィルム#2および#3の水溶性構成成分(例えば、ポリ(エチレングリコール))の実質部分浸透した水がポリマーから抽出されたため、相互連絡チャンネルは外部から内部を通って本発明の組成物中に出ることを実証した。
【0066】
実施例2
以下の実施例の目的は、本発明の組成物が、水不溶性ポリマーおよび親水性作用物質から成る2つの別個の相を有することを実証することである。
【0067】
A.試料調製
フィルム#4:100%のポリプロピレン(Exxon Chemicals、商品名エスコレンポリプロピレン3505G)を、約145℃〜約165℃の範囲の16帯域の温度で、約40 lbs/時間の供給速度で、約460 rpmのスクリュー速度で、そして6 inchダイで、Leistritz二軸スクリュー押出し機により供給した。次に、約85℃〜約92℃の範囲の温度で三本ロール熱圧プレス機により押出し組成物を供給して、約4 milのフィルムを生成した。
【0068】
フィルム#5:約88%(w/w)のポリプロピレン(Exxon Chemicals、商品名エスコレンポリプロピレン3505G)、約12%(w/w)のポリ(エチレングリコール)(Dow Chemical、商品名E-4500)を十分に混合して、均一配合物を生成した。次に、約145℃〜約165℃の範囲の16帯域の温度で、約40 lbs/時間の供給速度で、約460 rpmのスクリュー速度で、そして6 inchダイで、Leistritz二軸スクリュー押出し機により、配合物を供給した。次に、約85℃〜約92℃の範囲の温度で三本ロール熱圧プレス機により押出し組成物を供給して、約4 milのフィルムを生成した。
【0069】
フィルム#7:約68%(w/w)のポリプロピレン(Exxon Chemicals、商品名エスコレンポリプロピレン3505G)、約12%(w/w)のポリ(エチレングリコール)(Dow Chemical、商品名E-4500)および約20%(w/w)の乾燥剤の分子篩(Elf Atochem、商品名シリポライト分子篩、4オングストローム)を十分に混合して、均一配合物を生成した。次に、約145℃〜約165℃の範囲の16帯域の温度で、約12 lbs/時間の供給速度で、約460 rpmのスクリュー速度で、そして6 inchダイで、Leistritz二軸スクリュー押出し機により、配合物を供給した。次に、約105℃の温度で三本ロール熱圧プレス機により押出し組成物を供給して、約4 milのフィルムを生成した。
【0070】
B.示差走査熱量測定(「DSC」)を用いた熱分析
TAC 7DX熱制御器を装備したPerkin Elmer DSC7を用いて、処理フィルム試料を分析した。Perkin Elmer Pyrisソフトウェア(バージョン2.01)を用いて、データを分析した。試料を10または15℃/分の割合で-50から250℃に加熱し、次に同一速度で冷却して、次に同一速度で再び250℃に加熱した。以下の表は、DSCから収集されたデータである。融点データは融点ピーク(℃)で、第一加熱ランプ(1°)および第二加熱ランプ(2°)に関してはエンタルピー(△H、joules/gm)で示されている。図10〜18に示したカラムは、表からのデータに対応するDSCから出力されたグラフである。試料は250℃に加熱しただけであるため、フィルム試料#2、#3および#7の分子篩は溶融されず、したがって融点データは記録されなかった。
【0071】
【表1】
【0072】
100%ポリ(エチレングリコール)試料は、63℃で単一融点を示し、一方フィルム#4100%ポリプロピレンは157℃の融点を有した。フィルム#5は、58℃(ポリ(エチレングリコール))と157℃(ポリプロピレン)で両ピークを示したが、これは、2つのポリマーが相分離されたことを示す。ポリマーが相分離されていないが混合されている場合には、ピークは純粋ポリマーの溶融温度では存在せず、シフトされる。フィルム#6は、160℃で異なるポリプロピレンピークを示しただけである。分子篩は、この温度では溶融しないか、または純ポリプロピレンの溶融温度に影響を及ぼす。フィルム#7も、2つの異なるピークを示した:一方は57℃でのポリ(エチレングリコール)に関するもの、そしてもう一方は157℃でのポリプロピレンに関するもので、これは、三構成成分混合物中で、すべてが相分離されていることを示す。
【0073】
フィルム試料#2および#3は、実施例1に示した膨潤および重量損失分析の一部であった。再び、2つの異なるピークが明示された:一方は59℃でのポリ(エチレングリコール)に関するもの、そしてもう一方は158℃でのポリプロピレンに関するもので、これは、三構成成分混合物中で、すべての構成成分が相分離されたことを示す。しかしながら、ポリマーフィルムを室温で34日間、水中でインキュベートし(ファイル#2:後インキュベーション)、DSCで試験した場合、ピークの位置は同一のままで、これは、構成成分が依然として相分離していることを示す。しかしながら、ポリ(エチレングリコール)ピークの領域(δH、エンタルピーで示されている)は、大いに低減された。この結果は、ポリ(エチレングリコール)が長期水インキュベーションにより抽出されたことを示す。さらに、結果は、実施例で示した体重損失データに関するさらなる確証を提供し、そしてポリ(エチレングリコール)構成成分が大量ポリプロピレンマトリックス中の相互連絡チャンネルによってほとんど抽出されたことを実証した。
【0074】
フィルム試料#3は、フィルム試料#2と同一作用を示した。ポリプロピレン△Hピークは検出されず(フィルム#3:後インキュベーション)、これは水インキュベーション中のポリ(エチレングリコール)のほぼ完全な抽出を実証する。これは、同一フィルムがその初期重量の約8%を損失した実施例1の重量損失結果を確証した。試料のポリ(エチレングリコール)組成は約12%(w/w)であった。
【0075】
さらに、本発明の試料のDSCデータからのガラス転移(Tg)分析も、水不溶性ポリマーおよび前記の物質が別個の相中に存在することを実証する。純ポリプロピレンは約-6℃のTgを示すが、一方、ポリ(エチレングリコール)は約-30℃のTgを示す。フィルム#5からのDSCデータは、それぞれのポリマーに対応する2つの異なるTg(ポリプロピレンに関しては6℃、ポリ(エチレングリコール)に関しては-30℃)を示し、したがって、さらに、2つの構成成分が相分離していることを示す。
【0076】
実施例3
以下の実施例の目的は、本発明の組成物が相互連絡チャンネルを有し、親水性作用物質内に混合された水吸収性物質を有することを実証することである。
【0077】
A.走査電子顕微鏡(「SEM」)法
刺激損害を最小にするために8 Kv加速電圧で操作するHitachi S-2700顕微鏡を用いて、フィルムの構造特性を造影した。各フィルム試料を3つの透視画:1)フィルム表面、2)破断フィルム横断面(0°)、および3)配向#2(90°)に関して90°の角度での破断フィルム横断面で可視化した。前インキュベーションフィルム試料に、Polaron Instruments Sputter Coater E5100を用いて金−パラジウムの5〜10 nm層を直接スパッタ被覆した。後インキュベーション試料を、70%エタノール(w/w)10 ml中で撹拌しながら、室温で24時間インキュベートした。エタノールを捨て、試料を一夜風乾した。次に試料を凍結し、一夜凍結乾燥して、あらゆる残留水分を除去し、次にスパッタ被覆した。
【0078】
B.フィルム試料の形態学的知見
図19A〜Cは、フィルム試料#4−100%ポリプロピレンの走査電子顕微鏡写真である。図19A〜Cは、水不溶性ポリマーが典型的には高密度均質形態で、実質的に多孔性でないことを説明する。外表面は、図19Aに示されている。図19Aは、高密度で且つ実質的に多孔性を示さない外表面を示す。横断図は、200倍の倍率で、図19Bに示されている。図19Bは、フィルムの脆性破断中に明示されたポリマーの平板様領域を示す。別の横断図は、1000倍の倍率で図19Cに示されている。図19Cは、高密度、小繊維性形態を示す。
【0079】
図20A〜Cは、フィルム試料#5−約88%ポリプロピレンおよび12%ポリ(エチレングリコール)の走査電子顕微鏡写真である。図20A〜Cは、本質的に水不溶性ポリマーおよび親水性作用物質から成る2相系が、ポリ(エチレングリコール)である層板構造を有する領域を散在させた高密度小繊維マトリックスを伴う不均質形態を有することを説明する。図20A〜Cはさらに、チャンネルであり、同一方向に配向される層板小繊維および小繊維構造間に空所を示す。外表面は図20Aに1000倍の倍率で示されている。図20Aは、高密度で且つ実質的に多孔性を示さない外表面を示す。横断図は、2,500倍の倍率で、図20Bに示されている。図20Bは、ポリ(エチレングリコール)の層板ストランドで被覆されたポリマーの小繊維領域を示す。図20Cは、垂直角度で破断されたフィルム試料#5の、倍率1,500倍での横断図である。図20Cは、固体非晶質円筒系のポリ(エチレングリコール)を散在させた小繊維性ポリプロピレンマトリックスを示す。
【0080】
図21A〜Cは、フィルム試料#6−約50%ポリプロピレンおよび50%分子篩の操作電子顕微鏡写真である。図21A〜Cは、典型的均質高密度マトリックスを示し、別個の分子篩が時折認められるだけで、分子篩は多量投入されているにもかかわらず、ポリマー中に深く包埋されている。実施例21aは、5〜30ミクロンの長さの長いチャンネルで被覆される外表面を、1,000倍の倍率で示す。分子篩(1〜10ミクロン)の外形は、ポリマー表面化に包埋されて観察され得る。横断図は、200倍の倍率で、図21Bに示されている。図21Bは、ポリマーの平板様領域と、分子篩の高投入量のための粒状の外観を示す。図21Cは、1,500倍の倍率での横断図であって、高密度形態を示し、多孔性は実質的に認められず、多数の小粒子がポリマー中に包埋されている。
【0081】
図22A〜Dは、フィルム試料#3−約52%分子篩、約34%ポリプロピレンおよび約12%ポリ(エチレングリコール)の走査電子顕微鏡写真である。図22A〜Dは、高多孔性形態を有する3相系を示す。図22Aは、5〜30ミクロンの長さの長いチャンネルで被覆され、多数の異なる分子篩粒子で充填される外表面を、500倍の倍率で示す。横断図は、350倍の倍率で、図22Bに示されている。図22Bは、破断配向に走る長いチャンネルを伴う高多孔性形態を示す。図22Cは、350倍の倍率での垂直配向の横断図であって、孔を示していると思われる。図22は、高倍率−1,500倍である。図22Dは、別個の分子篩を含有するチャンネル、ならびにポリ(エチレングリコール)中に包埋された多数の篩の集塊を示す。したがって、図22Bに基づいて、図22Bおよび22Cで観察される孔は、SEMのための破断調製中に分子篩が抜け落ちた位置である、と考えられる。
【0082】
要するに、実施例1、2および3はさらに、相互連絡チャンネルの形成に関する理論を確証する。一実施態様では、その工程は親水性作用物質が溶解形態であるが、一方水不溶性ポリマーは固体形態である温度で開始するため、第三の構成成分(例えば分子篩)が液体親水性作用物質と相互作用している、と考えられる。したがって、この時点では、親水性作用物質が容易に流動して、固体水不溶性ポリマーと分子篩構成成分との間の間隙を満たすために、相互連絡チャンネルが形成されると考えられる。本工程は継続し、温度は上昇するので、水不溶性ポリマーは溶融し、したがって組成物はより均一になる。
【0083】
実施例4
以下の実施例の目的は、本発明の組成物の水吸収特性を実証することである。約50%(w/w)の分子篩[4オングストローム]、約12%(w/w)のポリ(エチレングリコール)および約38%(w/w)のポリプロピレンを有する、フィルム#1と同様の処理条件を有するフィルムの試料を作製し、以下の試験方法を用いて、その全重量の水分吸収に関して評価した:(a)ある環境小室を、22.2℃(72゜F)、相対湿度(Rh)10%に、別の小室を22.2℃(72゜F)および20%Rhに予備調整した;(b)皿を計量し、重量を記録した;(c)次にスケールを風袋調整して、秤から皿の重量を除去した;(d)次にフィルムを計量済の皿に添加した;(e)次に物質を計量し、重量を記録した;(f)試料を入れた計量皿を環境小室に入れた;(g)所望の時間、試料を小室に放置した;(h)所望時間に達した後、試料を入れた皿を取り出して、再計量し、重量を記録した;そして(i)分子篩1 g当たりの増加水分%を、(試料の全増量)/(試料中の分子篩の重量)x100により算出した。結果を図23A[10%Rh]および23B[20%Rh]に示す。4オングストロームの分子篩の重量当たりの増加した水分の最大理論値は、約24〜25%である。図23Aおよび23Bは、本発明の高伝達速度(例えば、水分吸収速度)を実証する。
【0084】
一体式組成物およびそれらの構成化合物を、本明細書中で説明してきた。前記のように、本発明の詳細な実施態様が本明細書中に開示されている。しかしながら、開示した実施態様は、種々の形態に具体化され得る本発明の単なる例示である、と理解されるべきである。当業者に認識される多数の修正およびその他の変更は、本発明の教示、精神および意図される範囲を逸脱しない限り、下記の特許請求の範囲に記載するように本発明の意図される範囲内である、と理解される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の:
(a)水不溶性ポリマー;
(b)処理中に、その融点より上に加熱される親水性作用物質;
(c)放出物質
から成る構成成分を組合せることにより生成される一体式組成物。
【請求項2】
以下の:
(a)水不溶性ポリマー;
(b)処理中に、その融点より上に加熱される親水性作用物質;および
(c)放出物質
を包含する一体式組成物。
【請求項3】
以下の:
(a)水不溶性ポリマー;
(b)処理中に、その融点より上に加熱される親水性作用物質;および
(c)放出物質
から成る構成成分を組合せることにより生成される一体式組成物であって、混合後の構成成分の組合せが少なくとも3つの相から成る組成物を生成する一体式組成物。
【請求項4】
以下の:
(a)水不溶性ポリマー;
(b)処理中に、その融点より上に加熱される親水性作用物質;および
(c)放出物質
を包含する一体式組成物であって、混合後の構成成分の組合せが少なくとも3つの相から成る組成物を生成する一体式組成物。
【請求項5】
以下の:
(a)水不溶性ポリマー;
(b)有機親水性作用物質;および
(c)放出物質
から成る構成成分を組合せることにより生成される一体式組成物であって、混合後の構成成分の組合せが少なくとも3つの相から成る組成物を生成する一体式組成物。
【請求項6】
以下の:
(a)水不溶性ポリマーおよび親水性作用物質を併合し(この場合、ポリマーおよび作用物質は相互的に可溶性でない);
(b)ポリマーおよび作用物質を混合し;
(c)ポリマーおよび作用物質混合物を作用物質の融点より上に加熱し;
(d)放出物質を添加し;
(e)工程(d)の構成成分を混合し;
(f)組成物を冷却する
ことから成る工程により生成される一体式組成物。
【請求項7】
水不溶性ポリマーがポリオレフィン、ポリカルボネートおよびポリアミドから成る群から選択される請求項1の方法。
【請求項8】
水不溶性ポリマーがポリオレフィン、ポリカルボネートおよびポリアミドから成る群から選択される請求項4の方法。
【請求項9】
親水性作用物質がポリグリコール、ポリ(エチレンビニルアルコール)、グリセリンおよびポリビニルアルコールから成る群から選択される請求項1の方法。
【請求項10】
親水性作用物質がポリグリコール、ポリ(エチレンビニルアルコール)、グリセリンおよびポリビニルアルコールから成る群から選択される請求項4の方法。
【請求項11】
造形品がシート、フィルム、ペレットおよびビーズから成る群から選択される請求項1の方法。
【請求項12】
造形品がシート、フィルム、ペレットおよびビーズから成る群から選択される請求項4の方法。
【請求項1】
以下の:
(a)水不溶性ポリマー;
(b)処理中に、その融点より上に加熱される親水性作用物質;
(c)放出物質
から成る構成成分を組合せることにより生成される一体式組成物。
【請求項2】
以下の:
(a)水不溶性ポリマー;
(b)処理中に、その融点より上に加熱される親水性作用物質;および
(c)放出物質
を包含する一体式組成物。
【請求項3】
以下の:
(a)水不溶性ポリマー;
(b)処理中に、その融点より上に加熱される親水性作用物質;および
(c)放出物質
から成る構成成分を組合せることにより生成される一体式組成物であって、混合後の構成成分の組合せが少なくとも3つの相から成る組成物を生成する一体式組成物。
【請求項4】
以下の:
(a)水不溶性ポリマー;
(b)処理中に、その融点より上に加熱される親水性作用物質;および
(c)放出物質
を包含する一体式組成物であって、混合後の構成成分の組合せが少なくとも3つの相から成る組成物を生成する一体式組成物。
【請求項5】
以下の:
(a)水不溶性ポリマー;
(b)有機親水性作用物質;および
(c)放出物質
から成る構成成分を組合せることにより生成される一体式組成物であって、混合後の構成成分の組合せが少なくとも3つの相から成る組成物を生成する一体式組成物。
【請求項6】
以下の:
(a)水不溶性ポリマーおよび親水性作用物質を併合し(この場合、ポリマーおよび作用物質は相互的に可溶性でない);
(b)ポリマーおよび作用物質を混合し;
(c)ポリマーおよび作用物質混合物を作用物質の融点より上に加熱し;
(d)放出物質を添加し;
(e)工程(d)の構成成分を混合し;
(f)組成物を冷却する
ことから成る工程により生成される一体式組成物。
【請求項7】
水不溶性ポリマーがポリオレフィン、ポリカルボネートおよびポリアミドから成る群から選択される請求項1の方法。
【請求項8】
水不溶性ポリマーがポリオレフィン、ポリカルボネートおよびポリアミドから成る群から選択される請求項4の方法。
【請求項9】
親水性作用物質がポリグリコール、ポリ(エチレンビニルアルコール)、グリセリンおよびポリビニルアルコールから成る群から選択される請求項1の方法。
【請求項10】
親水性作用物質がポリグリコール、ポリ(エチレンビニルアルコール)、グリセリンおよびポリビニルアルコールから成る群から選択される請求項4の方法。
【請求項11】
造形品がシート、フィルム、ペレットおよびビーズから成る群から選択される請求項1の方法。
【請求項12】
造形品がシート、フィルム、ペレットおよびビーズから成る群から選択される請求項4の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19a】
【図19b】
【図19c】
【図20a】
【図20b】
【図20c】
【図21a】
【図21b】
【図21c】
【図22a】
【図22b】
【図22c】
【図22d】
【図23A】
【図23B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19a】
【図19b】
【図19c】
【図20a】
【図20b】
【図20c】
【図21a】
【図21b】
【図21c】
【図22a】
【図22b】
【図22c】
【図22d】
【図23A】
【図23B】
【公開番号】特開2012−36410(P2012−36410A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254110(P2011−254110)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【分割の表示】特願2006−165280(P2006−165280)の分割
【原出願日】平成11年9月17日(1999.9.17)
【出願人】(501014005)シーエスピー テクノロジーズ,インコーポレイティド (21)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【分割の表示】特願2006−165280(P2006−165280)の分割
【原出願日】平成11年9月17日(1999.9.17)
【出願人】(501014005)シーエスピー テクノロジーズ,インコーポレイティド (21)
【Fターム(参考)】
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