説明

放出調節薬学組成物

本発明は、広くは放出調節薬学組成物に向けられ、より具体的には、膣腔表面、外陰部表面または皮膚に対して生物粘着性を有する薬学組成物を有する放出調節麻酔剤および/または鎮痛剤に向けられる。本発明は、また、広くはそのような組成物を調製する方法、そのような組成物を使用する治療の方法、そのような組成物の薬剤調製への使用、および、そのような組成物を有するキットに向けられる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連特許出願に基づく優先権主張
本出願は米国仮特許出願第60/679123号(2005年5月9日出願)に基づく優先権を主張する。第60/679123号出願の全内容は参照によって本出願に組込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、広くは放出調節薬学組成物に向けられ、より具体的には、膣腔表面、外陰部表面または皮膚に対して生物粘着性を有する(bioadherent)薬学組成物を含む放出調節麻酔剤および/または鎮痛剤に向けられる。本発明は、広くはそのような組成物を調製する方法、そのような組成物を使用する治療の方法、そのような組成物の薬剤調製への使用、および、そのような組成物を含むキットにも向けられる。
【0003】
発明の背景
心因性外陰部疼痛症(vulvodynia)は、慢性的な外陰部の不快感または疼痛であり、外陰部または膣に次のような症状を引き起こす感染がない場合における、女性生殖器の焼けるような、刺すような、チクチクまたはヒリヒリする感覚で特徴付けられる。焼けるような感覚が最も一般的であるが、症状のタイプおよび重度は、個人によって大きく異なる。疼痛は、絶えず続くこともあれば間欠的なこともあり、また、局所性の場合も広範性の場合もある。心因性外陰部疼痛症は2つのサブタイプに分類されており、それらは感覚異常(dysesthetic)心因性外陰部疼痛症(一般的外陰部感覚異常とも呼ばれる)、および外陰部前庭炎症候群(前庭局在化外陰部感覚異常とも呼ばれる)である。
【0004】
感覚異常心因性外陰部疼痛症の症状は、広範性であるか、または異なる時に異なる範囲に現れる。疼痛は、たとえば、大陰唇、小陰唇および/または前庭に存在する。女性によっては、陰核、恥丘、会陰および/または内股の疼痛を経験することもある。その疼痛は、絶えず続くこともあり、間欠的なこともある。症状は、必ずしも外陰部への接触または加圧(たとえば、性交または自転車の乗車)によって起こるのではないが、これらの行動はしばしば症状を悪化させる。感覚異常心因性外陰部疼痛症は、閉経後の女性または背部損傷歴のある若い女性に、より多く見られる。
【0005】
外陰部前庭炎症候群は、外陰部における慢性の焼けるような不快感であり、複数の原因を有すると信じられている。外陰部前庭炎症候群を患う女性は、通常、前庭にのみ、かつ接触または加圧の最中または後にのみ、疼痛を有する。焼けるような感覚が、最も一般的な症状であり、たとえば、性交、タンポン挿入、婦人科診査、自転車乗車、および、ぴったりしたズボンの着用に伴って経験される。1987年にEduard Friedrichは、外陰部前庭炎症の3つの診断基準を確立した。すなわち、前庭接触または膣挿入試行の際の激痛、膣前庭内に局在化した圧痛、および、前庭紅斑に限定される様々な程度の身体所見、である。
【0006】
Galaskら(米国特許第5888523号)は、非ステロイド系抗炎症薬を含有する塗り薬を適用することによる、心因性外陰部疼痛症または外陰部前庭炎症に関連する疼痛の治療を論じている。Nyrjesyら(米国特許第6150400号)は、肥満細胞からのメディエータの放出を阻害する化合物を含有する組成物を適用することによる、外陰部前庭炎症を治療する方法を論じている。Zolnounら(産科学および婦人科学、第102巻第1号84〜87頁(2003年))は、5%リドカイン軟膏を適用することによる、外陰部前庭炎症を治療する方法を論じている。
【0007】
出願人は、感覚異常心因性外陰部疼痛症、外陰部前庭炎症、あるいは心因性外陰部疼痛症の治癒については、何も気づいていない。このように、これらの疾患の症状を軽減し、それによって部分的なまたは完全な救済を提供するかも知れない代替の組成物または治療方法が、依然として必要とされている。本発明は、そのような必要性に広く対処する組成物および治療方法を提供する。
【0008】
発明の概要
本発明は、広くは放出調節薬学組成物に向けられ、より具体的には、膣腔表面、外陰部表面または皮膚に対して生物粘着性を有する薬学組成物を含む放出調節麻酔剤および/または鎮痛剤、ならびに、そのような組成物を調製する方法、そのような組成物を使用する治療の方法、そのような組成物の薬剤調製への使用、および、そのような組成物を含むキットに向けられる。この組成物および治療方法は、ヒトに使用するのに特に好適であるが、他の動物、特に、ヒト以外の霊長類(たとえば、サル、チンパンジーなど)、ペット動物(たとえば、イヌ、ネコ、ウマなど)、家畜(たとえば、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウシなど)、実験動物(たとえば、マウス、ラットなど)、ならびに野生のおよび動物園の動物(たとえば、オオカミ、クマ、シカなど)をはじめとする哺乳動物に使用してもよい。
【0009】
したがって、簡潔に言えば、本発明は部分的に、膣腔表面、外陰部表面または皮膚に対して生物粘着性を有する放出調節薬学組成物に向けられる。この組成物は2つの相を含む(すなわち、組成物には少なくとも2つの相が存在する)。1つの相は、疎水性の外相である。もう1つの相は、外相の内部に閉じ込められおよび/または分散した、水性の内相である。少なくとも1つの相は、麻酔剤または鎮痛剤を含有する(たとえば、その相は、1以上の麻酔剤、1以上の鎮痛剤、または、1以上の麻酔剤および鎮痛剤を含有する)。
【0010】
本発明はまた、部分的に、女性の不快感、感覚異常心因性外陰部疼痛症、外陰部前庭炎症、または心因性外陰部疼痛症の治療方法に向けられる。この方法は、上記の組成物を投与することを含む。
【0011】
本発明はまた、部分的に、上記の組成物を薬剤の調製に使用することにも向けられる。この薬剤は、女性の不快感、感覚異常心因性外陰部疼痛症、外陰部前庭炎症、または心因性外陰部疼痛症の治療に使用することが可能である。
【0012】
本発明はまた、部分的に、女性の不快感、感覚異常心因性外陰部疼痛症、外陰部前庭炎症、または心因性外陰部疼痛症の治療のためのキットに向けられる。このキットは、上記の組成物を含む。
【0013】
出願人の発明のさらなる利点は、本出願を読むことによって、この技術分野における熟練者にとって明らかになるであろう。
【0014】
発明の詳細な説明
この詳細な説明は、この技術分野の他の熟練者に、出願人の発明、その原理、およびその具体的な適用を紹介し、この技術分野の他の熟練者が、特定の用途の必要性に最も適する多数の形態で、本発明を適応させ適用できるようにすることを意図したものである。本説明およびその具体的な実施例は、例示目的のみを意図したものである。したがって、本発明は、本出願に記載されている実施形態に限定されることはなく、様々に変更することが可能である。
【0015】
本発明の組成物は放出調節薬学組成物を含む。いくつかの実施形態において、これらの組成物は持続放出組成物を有する。持続放出組成物とは、一般に、少なくとも1以上の活性成分の大部分を、投与後長期間にわたって放出する組成物である。他の実施形態において、これらの組成物は遅延放出組成物を有する。遅延放出組成物とは、一般に、少なくとも活性成分の大部分を、投与直後以外の時点で放出する組成物である。
【0016】
本発明の放出調節組成物は、一般に、標的放出組成物である。具体的には、それらは、少なくとも活性成分の大部分を局所的に、特定の領域、器官または組織に、より具体的には、膣腔表面、外陰部表面および/または皮膚に送達する。本出願で使用する「皮膚」とは、身体の外皮部分である。
【0017】
本発明の放出調節組成物は、一般に生物粘着性を有し、局所投与すると、膣腔および前庭の表面粘膜に、外陰部表面および粘膜に、または皮膚に付着して、一体性を維持し、および/または長期間にわたって物理的安定性を示す。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は一般に、膣腔の表面粘膜に付着する。いくつかの実施形態においては、組成物は一般に、前庭の粘膜表面に付着する。いくつかの実施形態においては、組成物は一般に、外陰部表面および粘膜に付着する。また、いくつかの実施形態においては、組成物は一般に、皮膚に付着する。
【0018】
本発明の組成物は、疎水性外相および水性内相を含む。水性内相は、疎水性外相の内部に閉じ込められ、または分散している。これらの相の少なくとも1つは、活性成分を含有する(つまり、少なくとも1つの活性成分が、少なくとも1つの相に存在する)。本出願で使用する「活性成分」または「薬物」とは、組成物の薬理活性を担う成分のことである。以下に説明するように、本発明の組成物中の活性成分は、塩の形態で使用することが可能である。したがって、本出願で使用する「活性成分」、「薬物」および「化合物」は、それらの活性成分、薬物および化合物の塩を包含する。たとえば、「リドカイン」はリドカイン塩(たとえば塩酸リドカイン)を包含し、「ジフェンヒドラミン」はジフェンヒドラミン塩(たとえば塩酸ジフェンヒドラミン)を包含し、「麻酔剤」は、麻酔剤として使用可能な化合物と、麻酔剤として使用可能なそれらの化合物の塩とを包含する。
【0019】
本発明の組成物は、活性成分を外相、内相、または両相に含有し得る。活性成分が相に存在するか否かは、たとえば、活性成分の疎水性または親水性、活性成分の所望の薬理特性、組成物中の成分の種類などに依存する。特定の成分を相に含めることが望ましいか否かは、たとえば、その成分の機能、治療中の疾患、組成物が適用される環境(たとえば、pH)などに依存する。たとえば、本発明の組成物は、1つ以上の相に同一の活性成分(たとえばリドカイン)を含有し得る。そのような実施形態においては、活性成分が異なる相から異なる時に、および/または異なる期間にわたって放出される。たとえば、1つの相に存在する活性成分の大部分が、組成物の局所投与後速やかに放出され、他の相に存在する活性成分の大部分が、適用後長期間にわたって放出され得る。本発明の組成物は、同一または異なる相から、異なる時に異なる期間にわたって放出される2つ以上の活性成分を含有し得る。たとえば、いくつかの活性成分の大部分は、組成物の局所投与後に速やかに放出され、他の活性成分の大部分は、適用後、様々な長期間にわたって放出され得る。
【0020】
いくつかの実施形態においては、活性成分は、組成物の局所投与後、少なくとも1分以上にわたって放出される。別の実施形態においては、活性成分は、組成物の局所投与後、少なくとも10分以上にわたって放出される。さらに別の実施形態においては、活性成分は、組成物の局所投与後、少なくとも3時間以上にわたって放出される。さらにまた別の実施形態においては、活性成分は、組成物の局所投与後、少なくとも6時間以上にわたって放出される。さらにまた別の実施形態においては、活性成分は、組成物の局所投与後、少なくとも3日以上にわたって放出される。活性成分の放出は適用後ある時点で少なくなり、その時点はしばしば、組成物の局所投与後10日以前である。
【0021】
本発明の組成物は、麻酔剤または鎮痛剤を含有する。換言すれば、1以上の麻酔剤、1以上の鎮痛剤、または、1以上の麻酔剤と1以上の鎮痛剤とが、組成物の他の成分に加えて、組成物中に存在し得る。
【0022】
麻酔剤は、たとえば、局所麻酔剤または局部麻酔剤であってよい。「局所麻酔剤」は、一般に、知覚神経への局所作用によって、体の限られた部位における疼痛知覚を抑制する薬剤である。「局部麻酔剤」は、一般に、粘膜および/または皮膚への適用によって効果を示す局部麻酔剤である。好適な麻酔剤には、一般に、たとえば、ケタミン、ブタムベン、プラモキシン、ジクロニン、エチドカイン、ベンゾカイン、ジブカイン、コカイン、プロカイン、プリロカイン、クロロプロカイン、メピバカイン、ブピバカイン、テトラカイン、セタカイン、プロパラカイン、ロピバカイン、およびリドカインが含まれる。
【0023】
いくつかの実施形態において、麻酔剤は局部麻酔剤を含む。
いくつかの実施形態において、麻酔剤は、標的領域への局所投与によって、ほとんどまたは全く炎症を引き起こさない。
【0024】
いくつかの実施形態において、麻酔剤は、標的領域への局所投与で、低い毒性を有する。
【0025】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、約10重量%までの麻酔剤(つまり、組成物約100g当たり約10gまでの麻酔剤(全量))を含有する。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約0.1〜約10重量%の麻酔剤を含有する。別のそのような実施形態において、組成物は約5重量%までの麻酔剤を含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約0.5〜約5重量%の麻酔剤を含有する。さらにまた別の実施形態において、組成物は約1〜約3重量%の麻酔剤を含有する。
【0026】
いくつかの実施形態において、麻酔剤はリドカインを含む。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約10重量%までのリドカインを含有する。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約0.25〜約10重量%のリドカインを含有する。別のそのような実施形態において、組成物は約5重量%までのリドカインを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約0.5〜約5重量%のリドカインを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約1〜約3重量%のリドカインを含有する。
【0027】
いくつかの実施形態において、麻酔剤はベンゾカインである。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約10重量%までのベンゾカインを含有する。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約0.25〜約10重量%のベンゾカインを含有する。別のそのような実施形態において、組成物は約5重量%までのベンゾカインを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約0.5〜約5重量%のベンゾカインを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約1〜約3重量%のベンゾカインを含有する。
【0028】
いくつかの実施形態において、麻酔剤はテトラカインである。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約10重量%までのテトラカインを含有する。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約0.25〜約10重量%のテトラカインを含有する。別のそのような実施形態において、組成物は約5重量%までのテトラカインを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約0.5〜約5重量%のテトラカインを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約1〜約3重量%のテトラカインを含有する。
【0029】
いくつかの実施形態において、組成物は、プラモキシン、ベンゾカイン、ジブカイン、テトラカイン、セタカイン、ジクロニン、およびリドカインのうちの2以上を含有する。
【0030】
鎮痛剤は、たとえば、オピオイドまたは非オピオイド鎮痛剤であってよい。
好適なオピオイド鎮痛剤には、一般に、たとえば、コデイン、ジヒドロコデイン、フェンタニル、ブタルビタール、ペンタゾシン、ナロキソン、ヒドロコドン、レボルファノール、メペリジン、モルヒネ、メタドン、オキシコドン、ブトルファノール、オキシモルホン、プロポキシフェン、およびメペリジンが含まれる。
【0031】
好適な非オピオイド鎮痛剤には、一般に、たとえば、ジクロフェナク、カプサイシン、メプロバメート、オルフェナドリン、メトカルバモール、サルサレート、カリソプロドール、およびトラマドールが含まれる。
【0032】
いくつかの実施形態において、鎮痛剤は、標的領域への局所投与によって、ほとんどまたは全く炎症を引き起こさない。
【0033】
いくつかの実施形態において、鎮痛剤は、標的領域への局所投与で、低い毒性を有する。
【0034】
いくつかの実施形態において、鎮痛剤は、標的領域への局所投与によって効果を示す。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、約10重量%までの鎮痛剤(つまり、組成物約100g当たり約10gまでの鎮痛剤(全量))を含有する。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約0.25〜約10重量%の鎮痛剤を含有する。別の実施形態において、組成物は約5重量%までの鎮痛剤を含有する。さらに別の実施形態において、組成物は約0.5〜約5重量%の鎮痛剤を含有する。さらにまた別の実施形態において、組成物は約1〜約3重量%の鎮痛剤を含有する。
【0035】
いくつかの実施形態において、鎮痛剤はフェンタニルである。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約10重量%までのフェンタニルを含有する。別のそのような実施形態において、組成物は約0.25〜約10重量%のフェンタニルを含有する。別のそのような実施形態において、組成物は約5重量%までのフェンタニルを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約0.5〜約5重量%のフェンタニルを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約1〜約3重量%のフェンタニルを含有する。
【0036】
いくつかの実施形態において、鎮痛剤はジクロフェナクである。いくつかの実施形態において、組成物は約10重量%までのジクロフェナクを含有する。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約0.25〜約10重量%のジクロフェナクを含有する。別のそのような実施形態において、組成物は約5重量%までのジクロフェナクを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約0.5〜約5重量%のジクロフェナクを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約1〜約3重量%のジクロフェナクを含有する。
【0037】
いくつかの実施形態において、鎮痛剤はカプサイシンである。いくつかの実施形態において、組成物は約10重量%までのカプサイシンを含有する。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約0.01〜約10重量%のカプサイシンを含有する。別のそのような実施形態において、組成物は約5重量%までのカプサイシンを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約0.5〜約5重量%のカプサイシンを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約1〜約3重量%のカプサイシンを含有する。
【0038】
いくつかの実施形態において、鎮痛剤はトラマドールである。いくつかの実施形態において、組成物は約10重量%までのトラマドールを含有する。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約0.25〜約10重量%のトラマドールを含有する。別のそのような実施形態において、組成物は約5重量%までのトラマドールを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約0.5〜約5重量%のトラマドールを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約1〜約3重量%のトラマドールを含有する。
【0039】
いくつかの実施形態において、組成物中の麻酔剤と鎮痛剤との総量は、約10重量%までである。いくつかのそのような実施形態において、麻酔剤と鎮痛剤との総量は約0.01〜約10重量%である。別のそのような実施形態において、麻酔剤と鎮痛剤との総量は約0.1〜約10重量%である。別の実施形態において、麻酔剤と鎮痛剤との総量は約5重量%までである。さらに別の実施形態において、麻酔剤と鎮痛剤との総量は約0.5〜約5重量%である。さらに別の実施形態において、麻酔剤と鎮痛剤との総量は約1〜約3重量%である。
【0040】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は免疫調節剤を含有する(つまり、組成物は1以上の免疫調節薬を含有する)。免疫調節剤は、免疫系を弱め、または抑制して、炎症を低減させる薬物である。
【0041】
免疫調節剤には、たとえば、抗ヒスタミン剤が含まれる。抗ヒスタミン剤は、一般に、ヒスタミンの効果に対抗する薬物である。
【0042】
本発明の組成物に好適な抗ヒスタミン剤には、一般に、たとえば、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、ヒドロキシジン、アゼラスチン、レボカバスチン、ケトチフェン、セチリジン、レボセチリジン、ロラチジン、デスロラチジン、アクリバスチン、エバスチン、フェキソフェナジン、ミゾラスチン、シクロヘプタジン、アゼラスチン、およびプロメタジンなどの、H抗ヒスタミン剤が含まれる。
【0043】
本発明の組成物に好適な抗ヒスタミン剤には、一般に、たとえば、ブリマミド、シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、およびニザチジンなどの、H抗ヒスタミン剤が含まれる。
【0044】
本発明の組成物に好適な抗ヒスタミン剤には、一般に、たとえば、ベタヒスチン、パーセプチン、シプロキシファン、チオペラミド、およびヨードプロキシファンなどの、H抗ヒスタミン剤が含まれる。
【0045】
いくつかの実施形態において、免疫調節剤は、標的領域への局所投与によって、ほとんどまたは全く炎症を引き起こさない。
【0046】
いくつかの実施形態において、免疫調節剤は、標的領域への局所投与で、低い毒性を有する。
【0047】
いくつかの実施形態において、免疫調節剤は、標的領域への局所投与によって効果を示す。
【0048】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、約10重量%までの免疫調節剤(つまり、組成物約100g当たり約10gまでの免疫調節剤(全量))を含有する。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約0.01〜約10重量%の免疫調節剤を含有する。別の実施形態において、組成物は約5重量%までの免疫調節剤を含有する。さらに別の実施形態において、組成物は約0.25〜約5重量%の免疫調節剤を含有する。さらに別の実施形態において、組成物は約1〜約3重量%の免疫調節剤を含有する。
【0049】
いくつかの実施形態において、組成物は麻酔剤を含有し、その麻酔剤はリドカインを含み、免疫調節剤はジフェンヒドラミンを含む。いくつかの実施形態において、組成物は約10重量%までのリドカインと、約10重量%までのジフェンヒドラミンとを含有する。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約0.25〜約10重量%のリドカインと、約0.01〜約10重量%のジフェンヒドラミンとを含有する。別のそのような実施形態において、組成物は約5重量%までのリドカインと、約5重量%までのジフェンヒドラミンとを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約1〜約5重量%のリドカインと、約0.5〜約5重量%のジフェンヒドラミンとを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約1〜約3重量%のリドカインと、約1〜約3重量%のジフェンヒドラミンとを含有する。
【0050】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物はさらに、サイトカイン阻害薬を含有する(つまり、組成物は1以上のサイトカイン阻害薬を含有する)。サイトカインは、一般に、免疫反応性細胞間の反応を仲介する細胞間情報物質として作用する。サイトカイン阻害薬は、一般に、サイトカインの効果に対抗し、したがって、炎症を軽減する。サイトカイン阻害薬は、たとえば、インターロイキン-1、インターロイキン-4、インターロイキン-6、腫瘍壊死因子-αおよび/またはインターフェロン−γでよい。
【0051】
サイトカイン阻害薬には、たとえば、前述のH、HおよびH抗ヒスタミン剤などの抗ヒスタミン剤が含まれる。
【0052】
いくつかの実施形態において、サイトカイン阻害薬は、投与によって、ほとんどまたは全く炎症を引き起こさない。
【0053】
いくつかの実施形態において、サイトカイン阻害薬は、投与で低い毒性を有する。
いくつかの実施形態において、サイトカイン阻害薬は、粘膜または皮膚への局所投与によって効果を示す。
【0054】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、約10重量%までのサイトカイン阻害薬(つまり、組成物約100g当たり約10gまでのサイトカイン阻害薬(全量))を含有する。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約0.01〜約10重量%のサイトカイン阻害薬を含有する。別の実施形態において、組成物は約5重量%までのサイトカイン阻害薬を含有する。さらに別の実施形態において、組成物は約0.25〜約5重量%のサイトカイン阻害薬を含有する。さらに別の実施形態において、組成物は約1〜約3重量%のサイトカイン阻害薬を含有する。
【0055】
いくつかの実施形態において、組成物は麻酔剤を含有し、その麻酔剤はリドカインを含み、サイトカイン阻害薬はジフェンヒドラミンを含む。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約10重量%までのリドカインと、約10重量%までのジフェンヒドラミンとを含有する。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約0.25〜約10重量%のリドカインと、約0.01〜約10重量%のジフェンヒドラミンとを含有する。別の実施形態において、組成物は約5重量%までのリドカインと、約5重量%までのジフェンヒドラミンとを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約1〜約5重量%のリドカインと、約0.5〜約5重量%のジフェンヒドラミンとを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約1〜約3重量%のリドカインと、約1〜約3重量%のジフェンヒドラミンとを含有する。
【0056】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物はさらに、抗感染症薬を含有する(つまり、組成物は1以上の抗感染症薬を含有する)。抗感染症薬は、たとえば、抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗菌剤、または抗原虫薬でよい。
【0057】
好適な抗生物質には、一般に、たとえば、ペニシリン系抗生物質(たとえば、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、ナフシリン、ペニシリン、ピペラシリン、およびチカルシリン)、アミノグリコシド系抗生物質(たとえば、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、ストレプトマイシン、およびトブラマイシン)、セファロスポリン系抗生物質(たとえば、セファドロキシル、セファゾリン、セファレキシン、セファクロール、セファマンドール、セフォテタン、セフォキシチン、セフプロジル、セフロキシム、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、およびセフェピム)、マクロライド系抗生物質(たとえば、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、およびトロレアンドマイシン)、キノロン系抗生物質(たとえば、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レポフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、およびトロバフロキサシン)、スルホンアミド系抗生物質(たとえば、マフェナイド、スルファセタミド、スルファメチゾール、スルファサラジン、スルフイソキサゾール、およびトリメトプリム)、テトラサイクリン系抗生物質(デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、およびテトラサイクリン)、グリコペプチド系抗生物質(テイコプラニン、およびバンコマイシン)、ならびに、ポリペプチド系抗生物質(たとえば、バシトラシン、コリスチン、およびポリミキシン B)のほか、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、エタンブトール、ホスホマイシン、フラゾリドン、イソニアジド、リネゾリド、メトロニダゾール、ニトロフラントイン、ピラジンアミド、リファンピン、およびスペクチノマイシンが含まれる。
【0058】
好適な抗真菌薬には、一般に、たとえば、ブトコナゾール、フルコナゾール、およびクロトリマゾールが含まれる。
【0059】
好適な抗ウイルス薬には、一般に、たとえば、バラシクロビル、アシクロビル、およびファムシクロビルが含まれる。
【0060】
好適な抗菌薬には、一般に、たとえば、ニトロフラントインが含まれる。
好適な抗原虫薬には、一般に、たとえば、ペンタミジン、メトロニダゾール、クロロキン、スラミン、トリメトプリム、スルファジアジン、アルベンダゾール、メベンダゾル、フラゾリドン、ニトロフラゾン、およびスルファメトキサゾールが含まれる。
【0061】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、約10重量%までの抗感染症薬(つまり、組成物約100g当たり約10gまでの抗感染症薬(全量))を含有する。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約0.001〜約10重量%の抗感染症薬を含有する。別の実施形態において、組成物は約5重量%までの抗感染症薬を含有する。さらに別の実施形態において、組成物は約0.25〜約5重量%の抗感染症薬を含有する。さらに別の実施形態において、組成物は約1〜約3重量%の抗感染症薬を含有する。
【0062】
いくつかの実施形態において、組成物は麻酔剤を含有し、その麻酔剤はリドカインを含み、抗感染症薬は抗真菌薬を含む。いくつかのそのような実施形態において、抗真菌薬はブトコナゾールを含む。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約10重量%までのリドカインと、約10重量%までのブトコナゾールとを含有する。別のそのような実施形態において、組成物は約0.25〜約10重量%のリドカインと、約0.01〜約10重量%のブトコナゾールとを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約5重量%までのリドカインと、約5重量%までのブトコナゾールとを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約1〜約5重量%のリドカインと、約0.5〜約5重量%のブトコナゾールとを含有する。さらに別の実施形態において、組成物は約1〜約3重量%のリドカインと、約1〜約3重量%のブトコナゾールとを含有する。
【0063】
いくつかの実施形態において、組成物は麻酔剤を含有し、その麻酔剤はリドカインを含み、抗感染症薬は抗生物質を含む。いくつかのそのような実施形態において、抗生物質はクリンダマイシンを含む。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約10重量%までのリドカインと、約10重量%までのクリンダマイシンとを含有する。別のそのような実施形態において、組成物は約0.25〜約10重量%のリドカインと、約0.01〜約10重量%のクリンダマイシンとを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約5重量%までのリドカインと、約5重量%までのクリンダマイシンとを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約1〜約5重量%のリドカインと、約0.5〜約5重量%のクリンダマイシンとを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約1〜約3重量%のリドカインと、約1〜約3重量%のクリンダマイシンとを含有する。
【0064】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物はさらに、免疫調節剤と抗感染症薬とを含有する。
【0065】
いくつかの実施形態において、組成物は麻酔剤を含有し、その麻酔剤はリドカインを含み、免疫調節剤はジフェンヒドラミンを含み、抗感染症薬はブトコナゾールを含む。いくつかの実施形態において、組成物は約10重量%までのリドカインと、約10重量%までのジフェンヒドラミンと、約10重量%までのブトコナゾールとを含有する。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約0.25〜約10重量%のリドカインと、約0.01〜約10重量%のジフェンヒドラミンと、約0.01〜約10重量%のブトコナゾールとを含有する。別のそのような実施形態において、組成物は約5重量%までのリドカインと、約5重量%までのジフェンヒドラミンと、約5重量%までのブトコナゾールとを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約1〜約5重量%のリドカインと、約0.5〜約5重量%のジフェンヒドラミンと、約0.5〜約5重量%のブトコナゾールとを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約1〜約3重量%のリドカインと、約1〜約3重量%のジフェンヒドラミンと、約1〜約3重量%のブトコナゾールとを含有する。
【0066】
いくつかの実施形態において、組成物は麻酔剤を含有し、その麻酔剤はリドカインを含み、免疫調節剤はジフェンヒドラミンを含み、抗感染症薬はクリンダマイシンを含む。いくつかの実施形態において、組成物は約10重量%までのリドカインと、約10重量%までのジフェンヒドラミンと、約10重量%までのクリンダマイシンとを含有する。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約0.25〜約10重量%のリドカインと、約0.01〜約10重量%のジフェンヒドラミンと、約0.01〜約10重量%のクリンダマイシンとを含有する。別のそのような実施形態において、組成物は約5重量%までのリドカインと、約5重量%までのジフェンヒドラミンと、約5重量%までのクリンダマイシンとを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約1〜約5重量%のリドカインと、約0.5〜約5重量%のジフェンヒドラミンと、約0.5〜約5重量%のクリンダマイシンとを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約1〜約3重量%のリドカインと、約1〜約3重量%のジフェンヒドラミンと、約1〜約3重量%のクリンダマイシンとを含有する。
【0067】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物はさらに、サイトカイン阻害薬と抗感染症薬とを含有する。
【0068】
いくつかの実施形態において、組成物は麻酔剤を含有し、その麻酔剤はリドカインを含み、サイトカイン阻害薬はジフェンヒドラミンを含み、抗感染症薬はブトコナゾールを含む。いくつかの実施形態において、組成物は約10重量%までのリドカインと、約10重量%までのジフェンヒドラミンと、約10重量%までのブトコナゾールとを含有する。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約0.25〜約10重量%のリドカインと、約0.01〜約10重量%のジフェンヒドラミンと、約0.01〜約10重量%のブトコナゾールとを含有する。別のそのような実施形態において、組成物は約5重量%までのリドカインと、約5重量%までのジフェンヒドラミンと、約5重量%までのブトコナゾールとを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約1〜約5重量%のリドカインと、約0.5〜約5重量%のジフェンヒドラミンと、約0.5〜約5重量%のブトコナゾールとを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約1〜約3重量%のリドカインと、約1〜約3重量%のジフェンヒドラミンと、約1〜約3重量%のブトコナゾールとを含有する。
【0069】
いくつかの実施形態において、組成物は麻酔剤を含有し、その麻酔剤はリドカインを含み、サイトカイン阻害薬はジフェンヒドラミンを含み、抗感染症薬はクリンダマイシンを含む。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約10%までのリドカインと、約10%までのジフェンヒドラミンと、約10%までのクリンダマイシンとを含有する。別のそのような実施形態において、組成物は約0.25〜約10%のリドカインと、約0.01〜約10%のジフェンヒドラミンと、約0.01〜約10%のクリンダマイシンとを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約5%までのリドカインと、約5%までのジフェンヒドラミンと、約5%までのクリンダマイシンとを含有する。さらに別のそのような実施形態において、組成物は約1〜約5%のリドカインと、約0.5〜約5%のジフェンヒドラミンと、約0.5〜約5%のクリンダマイシンとを含有する。さらに別の実施形態において、組成物は約1〜約3%のリドカインと、約1〜約3%のジフェンヒドラミンと、約1〜約3%のクリンダマイシンとを含有する。
【0070】
本発明の組成物は、好ましくは、生物粘着性であるために充分な粘性を有する。いくつかの実施形態において、組成物は約1,200,000センチポアズまでの粘度を有する。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約80,000〜約1,200,000センチポアズの粘度を有する。別のそのような実施形態において、組成物は約600,000〜約1,200,000センチポアズの粘度を有する。
【0071】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、約2〜約9のpHを有する。いくつかのそのような実施形態において、組成物は約3.5〜約7.5のpHを有する。別のそのような実施形態において、組成物は約6〜約7のpHを有する。
【0072】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物の水相のオスモル濃度は、約200〜約600ミリオスモル/リットルである。別の実施形態において、水相のオスモル濃度は、約300〜約400ミリオスモル/リットルである。
【0073】
上述のように、本発明の組成物は、放出調節生物粘着性組成物を含む。この組成物は、一般に、膣腔から不快に漏れ出さず、および/または適用された表面から容易に除去されないような態様で、適用することができる。さらに、この組成物は一般に、少なくとも活性成分の大部分を(概して制御された態様で)長期間にわたって放出する(たとえば10日に達する)。結果として、本発明の組成物は、一般に、より少ない量の活性成分を使用し、および/または適用回数を少なくしながらも、他の利用可能な治療に匹敵する、あるいはより優れた救済を提供する。このようなより少ない活性成分の使用は、適用部位での刺激を最小にし、体循環への吸収に利用される活性成分の量を最小にして、薬物への暴露を全体的に低減する結果となる。
【0074】
本発明の組成物は、液体、半固体、または固体の剤形で調製することが可能である。
いくつかの実施形態において、組成物は乳濁剤を有する液体剤形をとる。「乳濁剤」は、一般に、1つの液体が小さな液滴の形態で他の液体の全体にわたって分散した、2相系である。別の実施形態において、組成物は懸濁剤を有する液体剤形をとる。「懸濁剤」は、一般に、固体粒子が、その粒子が溶解しない液体の全体にわたって分散した、液体製剤である。別の実施形態において、組成物はローションを有する液体剤形をとる。「ローション」は、一般に、流動性の懸濁剤または乳濁剤である。別の実施形態において、組成物は泡を有する液体剤形をとる。「泡」は、一般に、加圧された噴霧容器に収容され、噴霧弁の作動によって放出されたときに、ふわふわした半固体の性状を有する乳濁剤である。
【0075】
いくつかの実施形態において、組成物はクリームを有する半固体剤形をとる。「クリーム」は、一般に、適当な基剤中に溶解または分散した1以上の物質を含有する半固体の剤形である。他の実施形態において、組成物はゲルを有する半個体剤形をとる。「ゲル」は、一般に、小さな無機粒子の懸濁剤または液体が浸透した大きな有機分子のいずれかで構成される半固体系である。別の実施形態において、組成物は軟膏を有する半固体剤形をとる。「軟膏」は、一般に、皮膚または粘膜への外用を意図した半固体製剤である。別の実施形態において、組成物はペーストを有する半固体剤形をとる。「ペースト」は、一般に、局所適用を意図した1以上の薬物物質を含有する半固体製剤である。
【0076】
いくつかの実施形態において、組成物は、たとえば、膣座剤または膣ペッサリーを有する固体の形状をとる。
【0077】
本発明の組成物は、一般に、皮膚、膣腔表面、および外陰部に、手または他の手段、たとえばブラシ、へら、または他の塗布器によって、あるいは、噴霧およびエアロゾル化によって、適用することができる。組成物が膣腔内に適用されるとき、患者は好ましくは仰臥位をとり、組成物は好ましくは膣の奥深くに適用される。
【0078】
いくつかの実施形態において、本発明のあらゆる組成物の単位用量(すなわち、1回の投与に適した組成物の量)は、使い捨ての塗布器に予め充填されて提供される。
【0079】
いくつかの実施形態において、上述の組成物は適当な容器、たとえばチューブ、瓶、または包みに入れてバルクで提供され、患者または介護人が必要な用量に分ける。いくつかの実施形態において、組成物は、必要な用量を測りまたは組成物を適用するために使用することが可能な塗布器と共に、提供される。
【0080】
本発明の組成物は、通常、半時間に1回から10日毎に1回にわたる周期で、複数回適用することができる。標準的な実施形態では、組成物は、半時間に1回、1時間に1回、3時間に1回、5時間に1回、8時間に1回、12時間に1回、1日に1回、3日に1回、1週間に1回、または10日に1回適用される。
【0081】
好ましい投薬計画に影響を及ぼす因子には、患者のタイプ、年齢、体重、性別、食習慣および患者の状態、病理学的状態、投与経路、使用する具体的な活性成分の活性、効能、薬物動態および毒性プロファイルなどの薬理的考慮事項、薬物送達システムを使用するか否か、ならびに、活性成分が組合せ薬物の一部として投与されるか否かが含まれる。よって、実際に採用される投薬計画は大きく変動し、したがって、前述の好ましい投薬計画から逸脱し得る。
【0082】
本発明の組成物は、薬学的に許容される1以上の従来の担体、補助物質および/または賦形物(総称して「賦形剤」という)を含有してもよい。一般的な賦形剤には、たとえば、ココアバター、合成モノ-、ジ-、もしくはトリグリセライド、脂肪酸、および/または、ポリエチレングリコールが含まれる。薬物の製剤化は、たとえば、John E. HooverのRemington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing社、イーストン、ペンシルべニア州、1975年)に広く論じられている。H.A. Libermanも参照されたい。L. Lachman編のPharmaceutical Dosage Forms(Marcel Decker、ニューヨーク、ニューヨーク州、1980年)も参照されたい。液体の組成物は、たとえば、湿潤剤、乳濁化剤、懸濁化剤、香味剤(たとえば、甘味剤)および/または芳香剤を含有し得る。座剤は、たとえば、常温では固体であるが、膣温では液体となって膣内で溶解して薬物を放出する非刺激性の賦形剤を含み得る。
【0083】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、透過促進剤を含有する(つまり、組成物は1以上の透過促進剤を含有する)。透過促進剤は、一般に、局所適用されて、たとえば、皮膚の拡散抵抗を低減することによって、薬物の皮膚透過を容易にする物質である。透過促進剤は、その皮膚透過性向上の効能および経皮毒性、ならびに、活性成分および組成物中に存在する他の成分との物理化学的および生物学的適合性に基づいて、選択される。好適な透過促進剤には、たとえば、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、乳酸またはグリコール酸の脂肪酸エステル、グリセロールトリエステル、グリセロールジエステル、グリセロールモノエステル、トリアセチン、短鎖アルコール、およびジメチルスルホキシドが含まれる。追加の透過促進剤は、たとえば、OsborneらのPharmaceutical Technology、第21巻50−66ページ(1997年)に記載されている。透過促進剤の特性のアッセイ方法はこの分野で公知である。たとえば、MerrittらのJournal of Controlled Release、第1巻161−162ページ(1984年)を参照されたい。
【0084】
本発明の組成物中の活性成分は、無機酸または有機酸に由来する塩の形態で使用することが可能である。薬物によっては、その薬物の塩の方が、異なる温度および湿度での高い薬剤的安定性、水または油への所望の溶解性などの、塩の1以上の物理的特性のために、有利になることがある。
【0085】
患者に塩を投与することを意図する場合(たとえば生体外環境での使用とは対照的に)、その塩は薬学的に許容されることが好ましい。薬学的に許容される塩には、アルカリ金属塩を形成するため、および遊離酸または遊離塩基の付加塩を形成するために一般的に使用される塩が含まれる。概して、これらの塩は、一般的に、たとえば適当な酸または塩基と反応させるという常法を本発明の化合物に適用することで、調製することができる。
【0086】
本発明の組成物に使用される薬物の薬学的に許容される酸付加塩は、しばしば無機酸または有機酸から調製される。しばしば好適な無機酸の例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸、およびリン酸が含まれる。好適な有機酸には、一般に、たとえば、脂肪族の、環状脂肪族の、芳香族の、芳香脂肪族の、複素環の、カルボン酸類およびスルホン酸類である有機酸が含まれる。しばしば好適な有機酸塩の具体的な例には、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、ジグルコン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、グルクロン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ピルビン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、安息香酸塩、アントラニル酸塩、メシル酸塩、ステアリン酸塩、サリチル酸塩、p-ヒドロキシ安息香酸塩、フェニル酢酸塩、マンデル酸塩、エンボン酸塩(パモ酸塩)、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パントテン酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、スルファニル酸塩、シクロへキシルアミノスルホン酸塩、アルゲン酸塩、β-ヒドロキシ酪酸塩、ガラクタル酸塩、ガラクツロン酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、グリコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ニコチン酸塩、2-ナフタルスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルモ酸塩、ペクチン酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、および、ウンデカン酸塩がある。
【0087】
本発明の組成物に使用される薬物の薬学的に許容される塩基付加塩には、たとえば、金属塩および有機塩が含まれる。好ましい金属塩には、アルカリ金属(第Ia族)塩、アルカリ土類金属(第IIa族)塩、および他の生理学的に許容される金属塩が含まれる。これらの塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、および亜鉛から得ることができる。好ましい有機塩は、トロメタミン、ジエチルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)、およびプロカインなどの、アミンから得ることができる。塩基性含窒素基は、低級アルキル(C〜C)ハライド(たとえば、塩化、臭化、もしくはヨウ化メチル、エチル、プロピル、およびブチル)、ジアルキル硫酸(たとえば、ジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミル硫酸)、長鎖ハライド(たとえば、塩化、臭化、もしくはヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチル、およびステアリル)、アラルキルハライド(たとえば、臭化ベンジルおよびフェネチル)、などの試薬によって四級化することが可能である。
【0088】
本発明は、部分的に、上記の組成物を製造する方法にも向けられる。本発明の組成物は、たとえば、米国特許第4551148号および第5055303号に記載の薬物送達システムを利用することが可能であり、これらの特許公報は全体として参照によって本出願に組込まれる。
【0089】
本発明の乳濁組成物は、たとえば、公知のバッチまたは連続処理によって調製することができる。従来の乳濁剤の調製と同様に、ミキサ、ホモジナイザ、ミル、衝突面、超音波、振盪、または振動を利用して、せん断力を成分に加える。混合せん断は、一般に、過剰のエネルギーを加えることによって乳濁剤を破壊することを防止するために、比較的低レベルで行うべきである。
【0090】
例示として、内相と外相とを別個に調製する。一般的なバッチ処理の一部として、プラネタリまたは他の適当な形式のミキサ中で、乳濁が完結するまで混合しながら、内相を外相に加える。一般的な連続処理の一部として、外相を、撹拌室の最も低い羽根に達するまで連続ミキサに導入する。その後、羽根が回転して成分にせん断力を加えている間に、ミキサの底を通して、2つの相を同時に適切な比率で導入する。生成物は浮上してミキサの上端を通る。混合室を通る流速および撹拌速度は、形成および粘度を最適化するように調節することが可能である。
【0091】
本発明は、部分的に、疾患を治療する方法にも向けられる。本出願において、「治療」とは、治療中の疾患の危険性を改善、抑制、根絶、防止、低減すること、および/または疾患の開始を遅延させることを意味する。
【0092】
いくつかの実施形態において、疾患には心因性外陰部疼痛症が含まれる。別の実施形態において、疾患には外陰部前庭炎症が含まれる。別の実施形態において、疾患には感覚異常心因性外陰部疼痛症が含まれる。さらに別の実施形態において、疾患には女性の不快感が含まれる。女性の不快感は、たとえば、性交、月経または感染によって悪化しまたは誘発されることのある、女性生殖器の軽度または重度の炎症(たとえば、焼けるような、痒いような、刺すような感覚)によって、特徴付けられる。
【0093】
いくつかの実施形態において、本発明の方法には、治療を必要とする動物(一般的には哺乳動物)に、本発明の組成物の有効量を投与することが含まれる。いくつかの実施形態においては、その動物はヒトであり、他の実施形態においては、その動物はヒト以外の哺乳動物である。「有効量」または「治療上の有効量」とは、対象とする病状の治療という目的を達成するであろう量を意味する。
【0094】
いくつかの実施形態において、本発明の方法には、本発明の組成物を、たとえば、脂肪酸、抗感染症薬、免疫調節剤、またはサイトカイン阻害薬などの活性成分を含有する第2(または、さらに第3、第4など)の組成物と共に投与する、組合せ治療が含まれる。これらの実施形態において、本発明の組成物および第2の組成物は、実質的に同時(たとえば、相互に5分以内)の態様、順次の態様、または両方で投与することができる。このような組合せ治療には、一方の組成物を、他方の組成物の投与の合間に、複数回投与することも含まれ得ると、考慮されている。各組成物の投与の周期は、数秒(またはそれ以下)から数時間または数日にわたり、たとえば、各組成物および活性成分の特性(たとえば、有効性、溶解性、生体利用率、半減期、および動態)、ならびに患者の状態に依存する。
【0095】
第2の組成物は、意図する効果を得るために第2の組成物中に存在する活性成分に適した剤形を用いて、投与してよい。第2の組成物の投与の態様には、たとえば、経口、非経口、吸入噴霧、直腸(たとえば座剤)、および局所投与が含まれると考慮されている。
【0096】
概して、第2の組成物は、約0.05〜約95重量%の活性成分を含有する。好ましい組成は、投与方法に依存する。このような組成物は、活性成分を1以上の賦形剤に加える工程を含む周知の様々な調剤技術によって、調製することができる。組成物は、しばしば、活性成分を、液体のまたは微細に分割した固体の賦形剤と均一にかつ密接に混合し、次いで、好ましい場合には、生成物を成形することによって調製される。たとえば、タブレットは、活性成分の粉末または顆粒を、随意的に1以上の賦形剤および/または1以上の他の活性成分と共に、圧縮または成形することによって、調製することができる。圧縮タブレットは、随意的に結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤および/または表面活性/分散剤と混合した、粉末または顆粒などの流動自在な形態の治療剤を、適当な機械内で圧縮することによって調製することができる。成型タブレットは、たとえば、粉末にした化合物を適当な機械内で成型することによって、作製することができる。薬物の製剤化は、たとえば、John E. HooverのRemington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing社、イーストン、ペンシルべニア州、1975年)(参照によって本出願に組込まれる)に広く論じられている。H.A. Liberman、L. Lachman編のPharmaceutical Dosage Forms(Marcel Decker、ニューヨーク、ニューヨーク州、1980年)(参照によって本出願に組込まれる)も参照されたい。Kibbeら編のHandbook of Pharmaceutical Excipients、第3版、(American Pharmaceutical Association、ワシントンDC、1999年)(参照によって本出願に組込む)も参照されたい。
【0097】
経口投与に好適な活性成分は、たとえば固体剤形を有する、個別の単位で投与することができる。そのような固体剤形には、たとえば、硬もしくは軟カプセル、カプセル(cachet)、キャンデー、タブレット、ピル、粉末、または顆粒が含まれ、それぞれ活性成分の所定量を含有する。そのような固体剤形においては、活性成分は、通常、1以上の賦形剤と組み合わされる。経口投与する場合、活性成分は、たとえば、乳糖、ショ糖、でんぷん粉末、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、ゼラチン、アカシアゴム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、および/またはポリビニルアルコールと混合して、投与に便利なようにタブレットとし、またはカプセルに封入してもよい。口腔(舌下)投与に特に好適な薬学組成物には、たとえば、通常ショ糖およびアカシアまたはトラガカントである風味のある基剤に入れた活性成分を含むキャンデー、ならびに、ゼラチンおよびグリセリンまたはショ糖およびアカシアなどの不活性の基剤に入れた活性成分を含むトローチが含まれる。
【0098】
経口投与に好適な活性成分は、たとえば液体剤形で、個別の単位で投与することも可能である。そのような液体剤形には、たとえば、薬学的に許容される乳濁剤(水中油乳濁剤および油中水乳濁剤の両方を含む)、溶液(水溶液および非水溶液の両方を含む)、懸濁剤(水懸濁剤および非水懸濁剤の両方を含む)、シロップ、および当分野で普通に使用される不活性希釈剤(たとえば水)を含有するエリキシル剤が含まれる。このような組成物は、湿潤剤、乳濁化剤、懸濁化剤、香味剤(たとえば甘味剤)および/または芳香剤などの、賦形剤を含み得る。
【0099】
本発明における治療剤の経口送達は、活性成分の即時送達、あるいは逆に、延長送達または遅延送達を種々の機構で提供する剤形を含むことが可能である。即時送達剤形には、たとえば、経口溶液、経口懸濁剤、速溶性タブレットまたはカプセル、崩壊タブレットなどが含まれる。延長または遅延送達剤形には、たとえば、消化管のpHの変化に基づいた剤形からのpH感受性放出、タブレットもしくはカプセルのゆっくりした浸食、剤形の物理的性質に基づく胃での滞留、腸管の粘膜表面への剤形の生物的粘着、または、剤形からの活性薬物の酵素的放出が含まれる。意図する効果は、活性薬物分子が作用部位に送達される期間を、剤形の操作によって引き延ばすことである。したがって、カプセル、タブレットおよびピルの場合、クエン酸ナトリウムまたは炭酸もしくは重炭酸カルシウムもしくはマグネシウムなどの緩衝剤を含有してもよい。タブレットおよびピルは、さらに、腸溶性被覆を有するように調製してもよい。好適な腸溶性被覆には、たとえば、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ならびに、メタクリル酸およびメタクリル酸メチルエステルの陰イオン性ポリマーが含まれる。
【0100】
「非経口投与」には、皮下注射、静脈注射、筋肉注射、胸腔注射、および輸液が含まれる。注射製剤(たとえば、滅菌注射水懸濁剤または滅菌注射油懸濁剤)は、適当な分散剤、湿潤剤および/または懸濁化剤を使用する公知技術に従って調製することができる。許容される賦形剤には一般に、たとえば、水、1,3-ブタンジオール、リンガー溶液、等張塩化ナトリウム溶液、無刺激性不揮発油(たとえば、合成モノグリセリドまたはジグリセリド)、右旋性ブドウ糖、マンニトール、脂肪酸(たとえばオレイン酸)、ジメチルアセトアミド、界面活性剤(たとえば、イオン性および非イオン性洗浄剤)、および/または、ポリエチレングリコール(たとえばPEG400)が含まれる。
【0101】
非経口投与用の製剤は、たとえば、経口投与の製剤で使用するための前述の1以上の賦形剤を有する滅菌粉末または顆粒から、調製することができる。活性成分は、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、コム油(com oil)、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム、および/または種々の緩衝液に溶解させることが可能である。必要な場合は、適当な酸、塩基または緩衝剤でpHを調整してもよい。
【0102】
薬学分野で公知の他の賦形剤および投与形態を使用することも可能である。
いくつかの組合せ治療において、第2の組成物は脂肪酸を含有する。そのような脂肪酸は、たとえば、ω-3またはω-6脂肪酸などの必須脂肪酸でよい。ω-6必須脂肪酸には、たとえば、リノール酸およびアラキドン酸が含まれる。ω-3必須脂肪酸には、たとえば、α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸、およびドコサへキサエン酸が含まれる。
【0103】
必須脂肪酸は、たとえば、上記の無機酸または有機酸の塩、リン脂質エステル、エーテルおよびステロール誘導体などの、種々の誘導体の形態で使用してもよい。リノール酸は、たとえば、ホスファチジルコリンエステル、ホスファチジルエーテル、およびシポルステロール(sipolsterol)エステルとして、使用することが可能である。リノレン酸は、たとえば、ホスファチジルコリンエステル、ホスファチジルエーテル、およびシポルステロールエステルとして、使用することが可能である。
【0104】
必須脂肪酸は、一般に、たとえば、天然または合成の油、脂肪、ワックスおよびそれらの混合物などの、種々の源から得られる。それらは、たとえば、部分水素化油、非水素化油、および完全水素化油に由来してよい。必須脂肪酸の例示的な源には、種油、魚油、海産油、菜種油、植物油、ベニバナ油、ヒマワリ油、キンレンカ種油、からし油、オリーブ油、ゴマ油、大豆油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、綿実油、ぬか油、ババスナッツ油、ヤシ油、低エルカ菜種油、ヤシ核油、ルピン(lupin)油、ココナッツ油、アマニ油、月見草油、ホホバ、獣脂、牛脂、バター、鶏脂、ラード、酪農バター脂、およびシアバターが含まれる。
【0105】
いくつかの実施形態において、第2の組成物は、リノール酸、リノレン酸またはドコサヘキサエン酸を含む必須脂肪酸成分を含有する。いくつかのそのような実施形態において、たとえば、必須脂肪酸成分はリノール酸、リノレン酸およびドコサヘキサエン酸を含み、ドコサヘキサエン酸の量に対するリノール酸およびリノレン酸の量の総和の比は、約1:0.5〜約1:1.5である。
【0106】
いくつかの実施形態において、第2の組成物は、米国特許第6479545号(参照によって本出願に組込む)に記載されている必須脂肪酸成分を含有する。
【0107】
脂肪酸成分は、脂肪酸と意図する標的との接触を引き起こすあらゆる方法によって投与することができる。前述のように、必須脂肪酸は、たとえば、その化合物のまま、または、その化合物の薬学的に許容される塩として、投与することが可能である。薬学的に許容される塩は、多くの場合、化合物そのものと比べて水への溶解度が高いので、医学的適用に特に好適である。多くの場合、脂肪酸成分は好ましくは経口投与される。しかしながら、本発明は、非経口投与などの他の方法で脂肪酸を投与することも考慮している。
【0108】
多くの実施形態において、脂肪酸成分は、薬学的に許容される賦形剤または他の活性成分をも含有する薬学組成物の一部として投与される。一般的な経口剤形は、約4000mgまでの必須脂肪酸、特に約10mg〜約4000mgの必須脂肪酸を含有する。
【0109】
本発明はまた、部分的に、動物の疾患を治療するために使用される薬剤を調製するための、本発明の麻酔剤および/または鎮痛剤含有組成物の使用にも向けられる。いくつかの実施形態において、その動物は哺乳動物である。いくつかのそのような実施形態において、その哺乳動物はヒトである。いくつかの実施形態において、疾患には女性の不快感が含まれる。別の実施形態において、疾患には心因性外陰部疼痛症が含まれる。別の実施形態において、疾患には感覚異常心因性外陰部疼痛症が含まれる。別の実施形態において、疾患には外陰部前庭炎症が含まれる。
【0110】
本発明はまた、部分的に、本発明の麻酔剤および/または鎮痛剤含有組成物を含むキットにも向けられる。そのキットは、動物における疾患の治療に使用される。いくつかの実施形態において、その動物は哺乳動物である。いくつかのそのような実施形態において、その哺乳動物はヒトである。いくつかの実施形態において、疾患には女性の不快感が含まれる。別の実施形態において、疾患には心因性外陰部疼痛症が含まれる。別の実施形態において、疾患には感覚異常心因性外陰部疼痛症が含まれる。別の実施形態において、疾患には外陰部前庭炎症が含まれる。
【0111】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、使い捨ての塗布器に予め充填されたキットに含めて提供される。別の実施形態において、組成物は適当な容器、たとえばチューブ、瓶、または包みに入れたバルクのキットに含めて提供される。いくつかのそのような実施形態において、組成物は、計量しまたは組成物を適用するための手段と共に提供される。いくつかのそのような実施形態において、組成物は、必要な用量を測りまたは組成物を適用するために使用することが可能な塗布器と共に提供される。いくつかのそのような実施形態において、塗布器は使い捨てである。
【0112】
いくつかの実施形態において、キットはさらに、たとえばキットの使用についての指示を含む。
【0113】
いくつかの実施形態において、キットはさらに、たとえばブラシ、へら、または他の塗布器などの、組成物を適用するための手段を含む。いくつかのそのような実施形態において、組成物を適用するための手段(たとえば、塗布器)は、必要な用量を測るためにも使用することが可能である。
【0114】
いくつかの実施形態において、キットはさらに、たとえば、脂肪酸、抗感染症薬、免疫調節剤、またはサイトカイン阻害薬などの活性成分を含有する第2(または、さらに第3、第4など)の組成物を含む。いくつかのそのような実施形態において、第2の組成物は経口剤形である。別のそのような実施形態において、第2の組成物は非経口剤形である。
【0115】
実施例
以下の実施例は、例示に過ぎず、決して本発明を限定するものではない。
【0116】
実施例1 試作組成物の作製および特性解析
臨床試験での使用に最適な組成物を特定するために、試作組成物の作製および特性解析を行う。活性成分の放出特性を解析し、試作組成物の安定性を評価するために、生体外環境での実験を行う。放出特性および安定性が既知の組成物と、活性成分を何も含まない組成物(すなわちプラシーボ組成物)とを、対照として試験する。安定性および微生物学負荷試験も行う。
【0117】
たとえば、5,4,3,2および1%のリドカイン、2%のジフェンヒドラミン、およびリドカインとジフェンヒドラミンの様々な組合せを含有する試作製剤を作製し、それらの組成物の放出特性を評価するために時計皿法によって試験する。それらの組成物の見かけの安定性試験および微生物学負荷試験も行う。プラシーボ試作組成物も作製して、特性解析を行う。
【0118】
実施例2 ヒト生体利用率試験
活性成分の吸収についての情報を得、生体外環境での放出特性と生体利用率とに相関があるか否かを判断し、および、活性成分の可能性のある毒性についての安全性情報を提供するために、1以上のヒト生体利用率試験を行う。
【0119】
生体利用率試験は、1以上の活性成分を含有する組成物に対して行うことができる。たとえば、心因性外陰部疼痛症の治療ための組成物の開発においては、5,3および1%のリドカインを含有する試作組成物を用いて、健康な女性における単回投与、平行群試験を実施する。血液を約15〜20回採取し、また、膣蓋に組成物がどれだけ長く視覚的に存在するかの評価を行う。
【0120】
生体利用率試験は、2以上の活性成分を含有する組成物に対しても行うことができる。たとえば、心因性外陰部疼痛症の治療ための組成物の開発においては、リドカイン、ジフェンヒドラミン、およびリドカイン/ジフェンヒドラミンの組合せ成分を含む3つまたは4つの組成物を用いて、健康な女性における単回投与、平行群試験を実施する。リドカイン成分は、動物刺激試験で炎症を生じさせず、かつ、可能性のある毒性のレベルを超えての全身性吸収を招くことのない、リドカイン最高用量を含有してもよい。より低用量のリドカインを有するリドカイン/ジフェンヒドラミンの組合せ成分を、試験してもよい。血液を約15〜20回採取し、また、膣蓋に組成物がどれだけ長く視覚的に存在するかの評価を行う。
【0121】
実施例3 動物刺激試験
動物刺激試験を行って、たとえばウサギにおける活性成分の最大耐量を決定する。動物刺激試験は、活性成分の生体利用率試験の結果が利用できるようになる前に行ってもよいし、後に行ってもよい。
【0122】
たとえば、2つのリドカイン組成物(たとえば、リドカインの全身性濃度をもたらす最低用量のリドカインを含有する1つの組成物と、リドカインの全身性濃度をもたらさない最高用量のリドカインを含有する第2の組成物)、1つのジフェンヒドラミン組成物(2%のジフェンヒドラミンを含有)、2つのリドカイン/ジフェンヒドラミン組合せ組成物、プラシーボ組成物、および偽組成物の計7つの試作組成物を用いて、ウサギ刺激試験を行う。
【0123】
実施例4 具体的組成物例
上述の方法を用いて以下の組成物を調製した。
【0124】
【表1】

【0125】
【表2】

【0126】
【表3】

【0127】
【表4】

【0128】
引用した全ての参考文献は参照によって本出願に組込まれる。参考文献に関する記載は、それらの著者によってなされた主張を単に要約することを意図したものである。いずれかの参考文献(またはいずれかの参考文献の一部)が、関連する先行技術であると認めるわけではない。出願人は、引用した参考文献の正確性および適切性を疑う権利を留保する。
【0129】
「有する」、「含む」および「含有する」という語は、排他的ではなく包括的な意味に解釈すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放出調節薬学組成物であって、
膣腔表面、外陰部表面または皮膚に対して生物粘着性を有し、
疎水性外相と、疎水性外相内に閉じ込められまたは分散した水性内相とを含み、
外相および内相の少なくとも1つが、麻酔剤および鎮痛剤で構成される群から選択される薬物を含有することを特徴とする組成物。
【請求項2】
2以上の麻酔剤または鎮痛剤を含有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
リドカイン、ケタミン、ブタムベン、プラモキシン、ジクロニン、エチドカイン、ベンゾカイン、ジブカイン、コカイン、プロカイン、プリロカイン、クロロプロカイン、メピバカイン、ブピバカイン、テトラカイン、セタカイン、プロパラカイン、およびロピバカインで構成される群から選択される麻酔剤を含有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項4】
塩酸リドカインを含有することを特徴とする請求項3記載の組成物。
【請求項5】
約0.25〜約10重量%のリドカインを含有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項6】
約0.5〜約5重量%のリドカインを含有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項7】
コデイン、ジヒドロコデイン、フェンタニル、ブタルビタール、ペンタゾシン、ナロキソン、ヒドロコドン、レボルファノール、メペリジン、モルヒネ、メタドン、オキシコドン、ブトルファノール、オキシモルホン、プロポキシフェン、ジクロフェナク、カプサイシン、メプロバメート、オルフェナドリン、メトカルバモール、サルサレート、カリソプロドール、およびトラマドールで構成される群から選択される鎮痛剤を含有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項8】
さらに免疫調節薬を含有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項9】
2以上の免疫調節薬を含有することを特徴とする請求項8記載の組成物。
【請求項10】
免疫調節薬が抗ヒスタミン剤を含むことを特徴とする請求項8記載の組成物。
【請求項11】
免疫調節薬が、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、ヒドロキシジン、アゼラスチン、レボカバスチン、ケトチフェン、セチリジン、レボセチリジン、ロラチジン、デスロラチジン、アクリバスチン、エバスチン、フェキソフェナジン、ミゾラスチン、シクロヘプタジン、アゼラスチン、プロメタジン、ブリマミド、シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、ニザチジン、ベタヒスチン、パーセプチン、シプロキシファン、チオペラミド、およびヨードプロキシファンで構成される群から選択される薬物を含むことを特徴とする請求項8記載の組成物。
【請求項12】
免疫調節薬が塩酸ジフェンヒドラミンを含むことを特徴とする請求項11記載の組成物。
【請求項13】
リドカインを含有し、免疫調節薬がジフェンヒドラミンを含むことを特徴とする請求項8記載の組成物。
【請求項14】
約0.25〜約10重量%のリドカイン、および約0.01〜約10重量%のジフェンヒドラミンを含有することを特徴とする請求項8記載の組成物。
【請求項15】
約0.5〜約5重量%のリドカイン、および約1〜約3重量%のジフェンヒドラミンを含有することを特徴とする請求項8記載の組成物。
【請求項16】
さらにサイトカイン阻害薬を含有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項17】
2以上のサイトカイン阻害薬を含有することを特徴とする請求項16記載の組成物。
【請求項18】
サイトカイン阻害薬が抗ヒスタミン剤を含むことを特徴とする請求項16記載の組成物。
【請求項19】
サイトカイン阻害薬が、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、ヒドロキシジン、アゼラスチン、レボカバスチン、ケトチフェン、セチリジン、レボセチリジン、ロラチジン、デスロラチジン、アクリバスチン、エバスチン、フェキソフェナジン、ミゾラスチン、シクロヘプタジン、アゼラスチン、プロメタジン、ブリマミド、シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、ニザチジン、ベタヒスチン、パーセプチン、シプロキシファン、チオペラミド、およびヨードプロキシファンで構成される群から選択される薬物を含むことを特徴とする請求項16記載の組成物。
【請求項20】
サイトカイン阻害薬が塩酸ジフェンヒドラミンを含むことを特徴とする請求項19記載の組成物。
【請求項21】
リドカインを含有し、サイトカイン阻害薬がジフェンヒドラミンを含むことを特徴とする請求項16記載の組成物。
【請求項22】
約0.25〜約10重量%のリドカイン、および約0.01〜約10重量%のジフェンヒドラミンを含有することを特徴とする請求項16記載の組成物。
【請求項23】
約0.5〜約5重量%のリドカイン、および約1〜約3重量%のジフェンヒドラミンを含有することを特徴とする請求項16記載の組成物。
【請求項24】
さらに抗感染症薬を含有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項25】
2以上の抗感染症薬を含有することを特徴とする請求項24記載の組成物。
【請求項26】
抗感染症薬が抗真菌薬を含むことを特徴とする請求項24記載の組成物。
【請求項27】
抗感染症薬が、フルコナゾールおよびクロトリマゾールで構成される群から選択される薬物を含むことを特徴とする請求項24記載の組成物。
【請求項28】
抗感染症薬がブトコナゾールを含むことを特徴とする請求項24記載の組成物。
【請求項29】
リドカインを含有し、抗感染症薬がブトコナゾールを含むことを特徴とする請求項24記載の組成物。
【請求項30】
約0.25〜約10重量%のリドカイン、および約0.01〜約10重量%のブトコナゾールを含有することを特徴とする請求項24記載の組成物。
【請求項31】
約0.5〜約5重量%のリドカイン、および約1〜約3重量%のブトコナゾールを含有することを特徴とする請求項24記載の組成物。
【請求項32】
抗感染症薬が抗生物質を含むことを特徴とする請求項24記載の組成物。
【請求項33】
抗感染症薬が、ペニシリン系抗生物質、アミノグリコシド系抗生物質、セファロスポリン系抗生物質、マクロライド系抗生物質、キノロン系抗生物質、スルホンアミド系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質、グリコペプチド系抗生物質、およびポリペプチド系抗生物質で構成される群から選択される抗生物質を含むことを特徴とする請求項24記載の組成物。
【請求項34】
抗感染症薬が、ゲンタマイシン、セファクロール、セフォテタン、セフロキシム、セファドロキシル、およびデメクロサイクリンで構成される群から選択される抗生物質を含むことを特徴とする請求項24記載の組成物。
【請求項35】
抗感染症薬がクリンダマイシンを含むことを特徴とする請求項24記載の組成物。
【請求項36】
リドカインを含有し、抗感染症薬がクリンダマイシンを含むことを特徴とする請求項24記載の組成物。
【請求項37】
約0.25〜約10重量%のリドカイン、および約0.1〜約10重量%のクリンダマイシンを含有することを特徴とする請求項24記載の組成物。
【請求項38】
約0.5〜約5重量%のリドカイン、および約1〜約3重量%のクリンダマイシンを含有することを特徴とする請求項24記載の組成物。
【請求項39】
哺乳動物の膣腔表面、外陰部表面または皮膚に対して生物粘着性を有することを特徴とする請求項1〜38のいずれか1項記載の組成物。
【請求項40】
哺乳動物の膣腔表面、外陰部表面および皮膚に対して生物粘着性を有することを特徴とする請求項39記載の組成物。
【請求項41】
哺乳動物の膣腔表面、外陰部表面または皮膚への局所投与によって、少なくとも約3時間にわたって薬物を放出することを特徴とする請求項1〜38のいずれか1項記載の組成物。
【請求項42】
哺乳動物の膣腔表面、外陰部表面または皮膚への局所投与によって、少なくとも約1分にわたって薬物を放出することを特徴とする請求項1〜38のいずれか1項記載の組成物。
【請求項43】
約80,000〜約1,200,000センチポアズの粘度を有する液体または半固体を有することを特徴とする請求項1〜38のいずれか1項記載の組成物。
【請求項44】
約2〜約9のpHを有することを特徴とする請求項1〜38のいずれか1項記載の組成物。
【請求項45】
約3.5〜約7.5のpHを有することを特徴とする請求項44記載の組成物。
【請求項46】
約6〜約7のpHを有することを特徴とする請求項44記載の組成物。
【請求項47】
クリーム、乳濁剤、ゲル、ローション、軟膏、ペースト、懸濁剤、および座剤で構成される構成される群から選択される剤形を有することを特徴とする請求項1〜38のいずれか1項記載の組成物。
【請求項48】
さらに透過促進剤を含有することを特徴とする請求項1〜38のいずれか1項記載の組成物。
【請求項49】
治療を必要とする哺乳動物における女性の不快感、感覚異常心因性外陰部疼痛症、外陰部前庭炎症候群、および心因性外陰部疼痛症で構成される群から選択される疾患を治療する方法であって、
請求項1〜38のいずれか1項記載の組成物の有効量を哺乳動物に投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項50】
疾患が女性の不快感を含むことを特徴とする請求項49記載の方法。
【請求項51】
疾患が感覚異常心因性外陰部疼痛症を含むことを特徴とする請求項49記載の方法。
【請求項52】
疾患が心因性外陰部疼痛症を含むことを特徴とする請求項49記載の方法。
【請求項53】
疾患が外陰部前庭炎症候群を含むことを特徴とする請求項49記載の方法。
【請求項54】
さらに、脂肪酸、抗感染症薬、免疫調節薬、およびサイトカイン阻害薬で構成される群から選択される化合物を含有する第2の組成物を哺乳動物に投与することを含むことを特徴とする請求項49記載の方法。
【請求項55】
第2の組成物が脂肪酸を含有することを特徴とする請求項54記載の方法。
【請求項56】
第2の組成物が2以上の脂肪酸を含有することを特徴とする請求項55記載の方法。
【請求項57】
請求項1〜38のいずれか1項記載の組成物と第2の組成物とを、実質的に同時に投与することを特徴とする請求項54記載の方法。
【請求項58】
第2の組成物を経口投与することを特徴とする請求項54記載の方法。
【請求項59】
第2の組成物を非経口投与することを特徴とする請求項54記載の方法。
【請求項60】
薬剤を調製するための、請求項1〜38のいずれか1項記載の組成物の有効量の使用。
【請求項61】
治療を必要とする哺乳動物における女性の不快感、感覚異常心因性外陰部疼痛症、外陰部前庭炎症候群、および心因性外陰部疼痛症で構成される群から選択される疾患を治療するための薬剤を調製するための、請求項1〜38のいずれか1項記載の組成物の有効量の使用。
【請求項62】
治療を必要とする哺乳動物における女性の不快感、感覚異常心因性外陰部疼痛症、外陰部前庭炎症候群、および心因性外陰部疼痛症で構成される群から選択される疾患を治療するためのキットであって、
請求項1〜38のいずれか1項記載の組成物の有効量を含むことを特徴とするキット。
【請求項63】
さらに塗布器を含むことを特徴とする請求項62記載のキット。
【請求項64】
さらに、脂肪酸、抗感染症薬、免疫調節薬、およびサイトカイン阻害薬で構成される群から選択される化合物を含有する第2の組成物を含むことを特徴とする請求項62記載のキット。
【請求項65】
第2の組成物が経口投与剤形を有することを特徴とする請求項64記載のキット。
【請求項66】
第2の組成物が非経口投与剤形を有することを特徴とする請求項64記載のキット。

【公表番号】特表2008−540534(P2008−540534A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511216(P2008−511216)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/017635
【国際公開番号】WO2006/121979
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(507369615)ドラッグテック コーポレイション (2)
【氏名又は名称原語表記】DRUGTECH CORPORATION
【住所又は居所原語表記】300 Delaware Avenue,Suite 1270,Wilmington,Delaware,The United States of America
【Fターム(参考)】