説明

放射線遮蔽注射器組立体とその使用

本発明は、放射性医薬品用注射器とともに使用される放射線遮蔽に関する。例えば、少なくともいくつかの点においては、本発明は、注射器の円筒部を収容するためにその中に画定される注射器収容部を有するスリーブを含む注射器放射線遮蔽体に関する。さらに、この注射器は、注射器のプランジャーを収容するためにその中に画定されるプランジャー収容部を有するカバーを含む。スリーブとカバーとは、取り外し可能に互いに連結されることにより、例えば、注射器から放射性医薬品を投与する間、注射器が注射器放射線遮蔽体の内部に収容されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、米国仮特許出願第60/831,761号(2006年7月19日出願、名称「Radiation Shielded Syringe Assembly and Uses Thereof」)の優先権を主張するものである。
【0002】
(発明の技術分野)
本発明は、概して注射器に関し、より具体的には、放射性医薬品などの放射性物質と共に使用される注射器のための放射線遮蔽に関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションは、以下に説明され、及び/又は請求の範囲に記載されている本発明の種々の態様に関するであろう技術の種々の態様を読者に紹介するためのものである。この記述は、本発明の種々の態様をより良く理解するための背景情報を読者に提供するために有用と考えられる。従って、これらの記述はこの観点において読まれるべきであり、先行技術の自認として読まれるべきでないことが理解されねばならない。
【0004】
核医学は、少量の放射性物質を患者に注射することにより、診断及び治療の目的のために放射性物質を利用するが、放射性物質は、患者の特定の器官又は生物学的領域に集中する。核医学に使用される典型的な放射性物質としては、とりわけ、テクネチウム−99m、インジウム−113m、及びストロンチウム−87mがあげられる。放射性物質の中には、特定の組織へ自然に集中するものがあり、例えば、ヨウ素は甲状腺に集中する。しかしながら、放射性物質はしばしば、患者の所望の器官又は生物学的領域のための放射性物質を目的とする標識物質又は器官追跡物質と組み合わされる。核医学の分野においては、これらの放射性物質は、単体で又は標識物質と組み合わせて、典型的に放射性医薬品と呼ばれる。比較的少量の放射性医薬品に対して、放射線画像システム(例えばガンマカメラ)は、放射性医薬品を収集する器官又は生物学的領域の画像を生成する。画像における不規則さは、しばしば、癌などの病的状態を示している。癌細胞などの病理組織に直接的に治療量の放射線を供給するために、より多くの放射性医薬品の投与が用いられることもあるだろう。
【0005】
核医学などの特定の適用例では、注射器は、放射性医薬品などの放射性物質を取り入れ、収容し、その後注射する。残念なことに、注射器内の放射性物質の充填、移送、及び投与の間に放射線被曝が発生することがある。既存の注射器は、一般に、これら充填、移送、及び投与の種々の段階、並びに、一般に放射性物質を充填した注射器の取扱いを通して、放射線遮蔽を提供していない。これらの種々の段階の各々において、少なくとも幾らかの放射線被曝が発生する。適用例によっては、複数の独立した注射器が、放射性物質、標識物質又は器官追跡物質、生体適合性洗浄物質などの種々の物質を注射する。残念なことに、これら複数の注射のタイミング、回数、及び他の周辺により、放射線被曝の可能性又は時間が増大する可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、特定の実施形態においては、注射器内に置かれている放射性医薬品からの放射能を阻止する放射線遮蔽を提供しながら、注射器の操作を可能とするような態様で、注射器の周囲に配置されることができる放射線遮蔽体に関する。本発明の放射線遮蔽体は、注射器に関連し(注射器の周囲に設置され)、注射器を用いる注射処置の間、技師を遮蔽するのに使用され、注射器から分離し、その後、更なる注射のために別の注射器とともに再使用される。換言すれば、少なくとも幾つかの実施形態による放射線遮蔽体は、注射器から独立した、又は取り外し可能であるとして説明される。結果として、放射線遮蔽体は、注射器の放射線遮蔽を提供することに関連する費用を実質的に減らすことができる、従来の使い捨て注射器とともに使用される。
【0007】
最初に、特許請求の範囲に記載された発明と範囲において同程度の実施形態を以下に説明する。これらの実施形態は、単に本発明がとり得る特定の形式の簡潔な要約を読者に提供するために提示されていること、及び、これらの実施形態は本発明の範囲を限定する意図ではないことが理解されねばならない。実際には、本発明は、以下に説明されない様々な特徴及び実施形態を包含する。
【0008】
本発明の第一の態様は、注射器とともに使用される放射線遮蔽体に関する。この放射線遮蔽体はスリーブ及びカバーを含み、それぞれの構成の中に放射線遮蔽材料を有する。スリーブ及びカバーは、放射線遮蔽体内の注射器を実質的に取り囲むために、互いに取り外し可能に結合される。ところで、ここでの「取り外し可能に結合される」というフレーズは、少なくとも第一及び第二の構造体の関係を言い、当該構造体は、後に容易に互いの構造体から分離できるような方法で組み合わされている(例えば、連結され、又は接続されている)。放射線遮蔽体のスリーブは、注射器の一部を収容するためにその中に画定された注射器収容部を有する。加えて、カバーは、その中に画定された注射器端収容部及び通路を有する。注射器端収容部は、注射器の少なくとも端部を収容するために利用され、一方、通路は、注射器のノズル又は先端を収容するために利用される。放射線遮蔽材料が注射器の周囲に位置している状態で、放射線遮蔽体のカバー内に画定された通路は、それ自体、流体が注射器のノズルの中に吸い込まれ、及び/又は流体が注射器のノズルから排出されることを可能にする。
【0009】
本発明の第二の態様は、注射器及び注射器放射線遮蔽体を含む放射性医薬品システムに関する。注射器は、第一端部と第一端部と対向する第二端部とを有する円筒部と、円筒部の内側にかつ円筒部に沿って移動可能に配置されているプランジャーとを含む。注射器放射線遮蔽体は、第一スリーブ、第二スリーブ、及び端部カバーを含み、これらは全て、注射器内の放射性物質から発せられる放射線から使用者を遮蔽する放射線遮蔽を有する。第一スリーブは円筒部の周囲に配置され、第二スリーブは第一スリーブと少なくとも部分的に同心状に配置される。第一と第二スリーブとに関連して、「少なくとも部分的に同心状」というフレーズは、第一スリーブの全長の少なくとも一部が第二スリーブの全長の少なくとも一部と同心状又は同軸状であることと定義される。第二スリーブは、プランジャーの周囲に配置され、概してプランジャーとともに移動可能である。同様に、端部カバーは、第一スリーブと取り外し可能に連結され、第一スリーブと少なくとも部分的に同心状である。やはり、端部カバーと第一スリーブとに関連して、「少なくとも部分的に同心状」というフレーズは、カバーの全長の少なくとも一部が第一スリーブの全長の少なくとも一部と同心状又は同軸状であることと定義される。
【0010】
さらに、本発明の第三の態様は、第一端部と、第一端部と対向する第二端部とを有する円筒部を含む注射器に関する。注射器のプランジャーが、第一端部に対して移動可能に円筒部内に配置されており、バルブコアが円筒部の第二端部から外側へ延びている。バルブコアは、例えば、周辺構造の位置の変化に応じて1つ以上の通路を開閉することにより、一般に流体の流れを制御するために利用される。例えば、バルブコアは、側部通路へ通じる中央通路を含み、周辺構造はキャップを含む。キャップはバルブコアの周辺に配置され、バルブコアについての開放位置と密閉位置との間で移動可能である。換言すれば、キャップは、バルブコア内の側部通路を覆うか又は露出させるように位置する。従って、注射器それ自体が(例えば、バルブコアを介して)、円筒部の第二端部を通る流体の流れを制御することができる。
【0011】
さらに、本発明の第四の態様は、放射線遮蔽注射器組立体を使用する方法に関する。この方法においては、組立体の注射器における流体の流れが、組立体の第二放射線遮蔽部材に対して組立体の第一放射線遮蔽部材を移動させることにより、少なくとも部分的に制御される。第一放射線遮蔽部材の少なくとも一部は、注射器の周辺に配置される。例えば、第一放射線遮蔽部材の移動が、注射器組立体のプランジャーの移動を引き起こす。このような実施形態においては、第一及び第二放射線遮蔽部材は、第一及び第二同心状スリーブを含み、第一スリーブが第二スリーブに沿って長手方向に移動することにより、プランジャーの移動が可能となる。別の例によれば、第一放射線部材はバルブの移動を引き起こす。このような実施形態においては、第一及び第二放射線遮蔽部材はキャップ及びスリーブを含み、キャップがスリーブに対して移動し、注射器内の通路を開閉する。
【0012】
本発明の種々の態様に関連して、上記の特徴には種々の改良点が存在する。また、これらの種々の態様に更なる特徴を盛り込んでもよい。これらの改良点及び追加の特徴は単独であってもよいし、又は何れかの組合せであってもよい。例えば、1つ以上の例示される実施形態に関連して以下に説明される種々の特徴は、単独で又は何れかの組合せで、本発明の上記態様のいずれかに盛り込まれてもよい。やはり、上述した簡潔な要約は、特許請求の範囲に記載された内容を限定することなく、本発明の特定の態様及び文脈を読者に理解させることのみを意図されたものである。
【0013】
本発明のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、添付の図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読むことにより、より良く理解されるであろう。これらの図面を通して、同様の符号は同様の部材を表す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、放射線遮蔽注射器組立体の分解断面図である。
【図2】図2は、図1の放射線遮蔽注射器組立体の断面図である。
【図3】図3は、図2の放射線遮蔽注射器組立体の部分断面図であり、流れのない構成における取り外し可能先端遮蔽システムを示す。
【図4】図4は、図3の放射線遮蔽注射器組立体の部分断面図であり、流れのある構成における取り外し可能先端遮蔽システムを示す。
【図5】図5は、別の放射線遮蔽注射器組立体の分解断面図である。
【図6】図6は、図5の放射線遮蔽注射器の断面図である。
【図7】図7は、図5及び6の放射線遮蔽注射器の部分断面図である。
【図8】図8は、図7の放射線遮蔽注射器組立体の部分断面図である。
【図9】図9は、さらに別の放射線遮蔽注射器組立体の分解断面図である。
【図10】図10は、図9の放射線遮蔽注射器組立体の断面図である。
【図11】図11は、さらに別の放射線遮蔽注射器組立体の分解断面図である。
【図12】図12は、図11の放射線遮蔽注射器組立体の断面図である。
【図13】図13は、核医学処置のフローチャートである。
【図14】図14は、放射線医薬品システムのブロック図である。
【図15】図15は、核画像システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の1つ以上の特定の実施形態を説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するため、明細書には必ずしも実際の実施の全ての特徴が説明されないかも知れない。そのような実際の実施の開発においては、技術又は設計プロジェクトにおけるのと同様に、実施に応じて異なるシステム関連及びビジネス関連の制約に従うことなど、開発者の特定の目標を達成するために、数多くの実施に特有な決定がなされなければならないことが理解されるべきである。さらに、そのような開発努力は複雑で時間を要するものかも知れないが、にもかかわらず、本明細書の開示の利益を受ける当業者にとって、設計、製作、及び製造の日常的な作業であろうことが理解されるべきである。
【0016】
図1は、注射器14に関して分解された、放射線遮蔽体12を含む放射線遮蔽注射器組立体10の典型的な実施形態を示す。以下にさらに詳細に説明されるように、放射線遮蔽体12は注射器14を含む種々の異なる注射器とともに使用することができ、注射器14内に入れられている放射性物質(例えば、放射性医薬品)からの放射線被曝の可能性及び/又は程度を実質的に遮断又は減少させる。本発明の種々の放射線遮蔽体は、使い捨てプラスチック注射器などの種々の従来の注射器とともに使用されるように設計/構成される。注射器14は、電子、電気、或いは電動部品を有さない手動式注射器として示されており、このため、手操作を容易にすべく、注射器14は比較的小型、軽量、かつ持ち運び可能となっている。放射線遮蔽体12は重量及び大きさを増加させるかも知れないが、注射器組立体10全体は、モーター、電子部品などを有する既存の電動注射器と比べると、なお十分に、より小型、軽量、かつ持ち運び容易であろう。幾つかの実施形態では、注射器組立体10は自動注射システムに装着され、この自動注射システムは、制御ユニットからその場で或いは遠隔から注射器組立体10を操作するための電子、制御、ステッピング・モーター、液圧、空気、及び/又は他の特徴を含む。
【0017】
放射線遮蔽体12は、注射、充填、搬送、及び/又は、一般の取り扱いの間、実質的に注射器14を取り囲む(例えば、収容する)ために使用される。注射処置が完了した後、注射器14は適切な手順によって処理(例えば、廃棄)され、一方、放射線遮蔽体12は別の注射器とともに使用される。そのため、放射線遮蔽体12は、注射器14内に入れられている放射性物質からの放射線被曝の可能性及び/又は程度を、通常、減少させつつ、注射器の放射線遮蔽を提供するのに関連する費用を減少させることができる。以下にさらに詳細に説明するように、注射器組立体10は、図1に示す放射線遮蔽体12のような、種々の異なる取り外し可能な放射線遮蔽体を含む。
【0018】
放射線遮蔽体12は、放射線遮蔽プランジャー挿入部16、放射線遮蔽スリーブ18、放射線遮蔽カバー20、及び、放射線遮蔽先端嵌合部22(例えばルアープラグ)を含むように示されている。通常、放射線遮蔽体12のこれらの部品16、18、20及び22は、鉛、劣化ウラン、タングステン、タングステン浸透プラスチック、及び/又は他の物質などの種々の放射線遮蔽物質を含む。製造技術に関して言えば、これらの部品16、18、20及び22は、鋳造、押出成型、機械加工、及びこれらの様々な組合せなどの適切な技術によって形成される。しかしながら、これらの部品16、18、20及び22の製造技術及び材料は、これらの特定の例に限定されない。放射線遮蔽体12に加えて、組立体10の図示されている注射器14は、種々の単一の流体注射又は複数の流体注射手段を含む。例えば、図示された注射器14は、プランジャー24と、その一端に流れ制御先端部28として特徴付けられるものを有する細長い注射器円筒部26とを含む。注射器円筒部26のこの流れ制御先端部28は、放射線遮蔽体12の一部と協働して、注射器14の流体流れを調整するように構成されている。別の実施形態の流れ制御先端部は、注射器14からの流体流れを調整する他の方法を示す。
【0019】
注射器14のプランジャー24は、プッシュロッド32に連結されるプランジャーヘッド30を含む。プランジャーヘッド30は、平坦面36と反対側の先細(例えば円錐形)面38とを有する概して円筒形の本体34を含む。複数の密閉部(例えば、Oリング40、42)が、プランジャーヘッド30の本体34の周囲に配置されている。特定の実施形態では、Oリング40及び42はゴム又は他の弾力性又は柔軟性のある材料で形成され、一方、本体34はプラスチック又は他の通常剛性のある材料で形成される。プランジャーヘッド30はまた、例えば、プランジャーヘッド30とプッシュロッド32とを連結するための、プランジャーヘッド30と関係する締結機構44を有するように示されている。図示されている実施形態では、締結機構44は、プランジャーヘッド30の平坦面36の中央位置において、プランジャーヘッド30の本体34の中へ延びている雌ネジを指す。しかしながら、別の実施形態では、他の適切な締結機構を含んでもよい。
【0020】
注射器14のプッシュロッド32は、プラスチック又は他の適切な材料で形成される。図示されているプッシュロッド32は、長手方向リブ46を含む。より具体的には、プッシュロッド32は、組立体10の長手方向の中心軸47(図2)の周りに対称的に配置されている4つのリブを含む。プッシュロッド32は、1つ以上のリブ46の長手方向に沿って連続的に並置して配置されている測定用マーク48を含む。プッシュロッド32は、その一端に端部材50(例えば、親指タブ)を、対向面54に締結機構52を有するとして示されている。この締結機構52は、プランジャーヘッド30の締結機構44と共に協働して締結がなされるように設計される。例えば、図示されている実施形態では、締結機構52は外側にネジ山を有する部材(例えば、雄ネジ)として示されており、この部材は、一緒に設計されたプランジャーヘッド30の雌ねじの中に締め付けられるように構成されている。別の実施形態では、他の適切な締結機構52の構造が示されてもよい。
【0021】
放射線遮蔽体12の挿入部16は、プランジャーヘッド30とプッシュロッド32との間に取り外し可能に配置され、プランジャーヘッド30及びプッシュロッド32の(それぞれの)締結機構44、52を用いて、これらに締結される。例えば、挿入部16は、これに関連する締結機構56、58を有するとして示されている。特に、締結機構56、58は、外側にネジ山を有する部材と内側にネジ山を有する部材として示されている。締結機構56、58は、(それぞれ)プランジャーヘッド30及びプッシュロッド32の対応する締結機構44、52と噛み合うように構成されるのが一般に好ましい。プランジャーヘッド30と同様に、挿入部16は、対向面62、64を有する本体60を含む。
【0022】
挿入部16の本体60は、挿入部16の面64が最終的にはプランジャーヘッド30の面36と接続する(例えば、概して同一平面となるように)ように、締結機構56の雄ネジをプランジャーヘッド30の締結機構44の雌ネジの中へ回転駆動することによって、プランジャーヘッド30に取り外し可能に連結される。同様に、プッシュロッド32は、プッシュロッド32の面54が最終的には本体60の面62と接続する(例えば、実質的に同一平面となるように)ように、締結機構52の雄ネジを本体60の締結機構58の対応する雌ネジの中へ回転駆動することによって、挿入部16の本体60に取り外し可能に連結される。挿入部16は、プランジャーヘッド30とプッシュロッド32との両方を、締結機構56、58から螺合を解くことにより取り外される。そのようにして、挿入部16は、プランジャー24に設置されて放射性医薬品の処置において使用され、そしてプランジャー24から取り外されて、別の将来の放射性医薬品の手順において再使用される。ところで、挿入部16の一つの実施形態が示されているが、他の実施形態では、プランジャーヘッドとプッシュロッドとの間の締結機構を有する種々の注射器とともに使用されることに注意すべきである。例えば、幾つかの実施形態による挿入部16は、圧入機構、ラッチ、スナップ・フィット機構、ルアー取付具(luer fitting)、及びその他の機構などの締結機構を有する注射器、及び/又は、これらの締結機構を含む注射器とともに使用される。
【0023】
注射器14の注射器円筒部26は、概して円筒状の外面66と、対応する円筒状の内面68とを有するとして示されており、内面68は、注射器円筒部26の第一端70と第二端72との間において、中心軸47に沿って長手方向に延びる概して円筒状の通路を画定している。第一端70はその中に画定される開口74を有し、開口74を通って、プランジャー24及びその構成部品が、注射器円筒部26の内外へ、独立して又は集合して通過することが可能である。例えば、プランジャーヘッド30は挿入部16と連結されて、プッシュロッド32とは独立して開口74を通って注射器円筒部26の中へ挿入され、プッシュロッド32はその後(例えば、注射器円筒部26の周囲にスリーブ18及びカバー20を組み立てた後に)取り付けられる。
【0024】
Oリング40、42及び挿入部16の本体60は、注射器円筒部26の内面68と概して同一面である。そのようなものとして、Oリング40、42は注射器円筒部26内に実質的に流体を密閉し、一方、挿入部16は、開口74を出て中心軸47に沿う方向において、流体76からの放射線を実質的に阻止し、又は放射線被曝の可能性及び/又は程度を減少させる。これらの組み合わせによって、挿入部16及び他の放射線遮蔽部品18、20及び22は、注射器円筒部26の中の領域から全方向への、流体76からの放射線を実質的に又は完全に封じ込め、又は放射線被曝の可能性を減少させる。換言すれば、放射線遮蔽部品16、18、20及び22は、注射器14の全ての面又は部分からの放射線を実質的に包囲し、かつ、遮断する。流体76は、テクネチウム−99mなどの放射性医薬品又は放射性同位元素を含み、及び/又はこれを指す。
【0025】
注射器円筒部26の第二端72にある流れ制御先端部28は、注射器14内に入れられる流体76の流れの調整をし易くするため、様々な外面及び内面形状を含む。例えば、流れ制御先端部28は、ノズル80の中に配置されている通路78を含む。この通路78は中央通路82を含み、中央通路82は、注射器円筒部26の内面68から、その下流側にある、流れ制御先端部28の概して先細の端部86(例えば、円錐状の先端部)に配置されている1つ以上の側部通路84の組へと通じている。この側部通路84及び先細端部86は、カバー20の部分と移動可能に接続又は協働して、側部通路84を選択的に密閉し、及び/又は密閉を解き、これにより、流れ制御先端部28を通る流体76の流れを選択的に許容し、又は、禁止する。
【0026】
再び放射線遮蔽体12を見ると、残りの放射線遮蔽部品18、20及び22は、取り外し可能に注射器円筒部26の周りに組み立てられ、又は、組み込まれて、挿入部16と組み合わせてさらなる放射線遮蔽を提供する。図1に示すように、スリーブ18は、略円筒状の外面88と、対応する円筒状の内面90とを含み、内面90は、第一端92と反対側の第二端94との間において、スリーブ18の大部分に沿って長手方向に配置されている。加えて、放射線遮蔽スリーブ18は、第一端92において第一開口98(例えば、プランジャーの通路)を有するフランジ96(例えば、注射器当接端)を含む。同様に、第二端94は第二開口100を含む。スリーブ18は、外面ネジ102のような、第二端94に、又は、第二端94の近傍に設けられた取り外し可能な締結機構を含む。カバー20は、内面ネジ104のような、概して円筒状の内面106に沿って設けられた取り外し可能な締結機構を含む。従って、内面ネジ104を外面ネジ102の周りに回転駆動することにより、カバー20が、スリーブ18に着脱自在に連結される。しかしながら、スナップ・フィット、ラッチ、圧入、及び種々の工具不要の締結具(すなわち、工具を使用することなく締結する)などの他の様々な締結機構が、スリーブ18とカバー20とを結合するのに使用されてよい。
【0027】
図示されているカバー20は、注射器当接端又は実質的に閉じた前部108を含み、前部108は、内面106から最終流体出口114へ外部流体カップリング112(例えば、端部取付具)を通って長手方向に延びる中央通路110を有する。特定の実施形態では、端部取付具112は、ルアー取付具又は他の医療用カップリング機構を含む。例えば、図示されている端部取付具112は、雄部116(例えば、雄ルアー)及び補足的な固定部118(例えば、ルアー環)を含む。例えば、ルアー環118は、これらの部品116及び118が1つ以上の取り外し可能な締結機構を有する収容部又は空間120を規定するように、雄ルアー116の周りに同心状に配置される。さらなる例によれば、雄ルアー116は圧縮取付具、又は、先細若しくは外側面122を含み、一方、ルアー環118は内面ネジ124を含む。特定の実施形態では、端部取付具112は、注射器14に対して流体の流れを開閉する流れ制御機構を含む。例えば、流れ制御機構は、スリーブ18に対してカバー20を内側及び外側へ移動させる(例えば、ネジを進ませ、又は、退かせる)ことにより、又は、注射器14の流れ制御先端部28を覆ったり若しくは概して密閉したりすることにより、又は、流れ制御先端部28をつまむことにより、又は、(例えば、雄ルアー116及び/又はルアープラグ22によって)流れ制御先端部28を塞ぐことにより、又は、これらの組合せにより、機能する。さらなる例によれば、バルブアクチュエータ又は端部取付具112の流れ制御機構は、スリーブ18とカバー20との間に、通路110の流体出口114及び可動締結機構(例えば、ネジ102及び104)を含む。以下に説明するように、注射器14の流れ制御先端部28は、通常、端部取付具112の流れ制御機構と協働して、流体出口114を通る流体の流れを開閉する。
【0028】
最後に、ルアープラグ22は、反対側のルアー爪又は外面ルアーネジなどの隣接する締結部材132とともに、閉端部128及び開端部130を有するカップ状の本体126を含む。したがって、ルアープラグ22は、雄ルアー116の周りの内面ネジ124内へ外面ルアーネジ132を取り外し可能に動かすことにより、カバー20の端部取付具112に取り外し可能に連結される。そのようにして、ルアープラグ22は、実質的に又は完全に流体開口114を覆い、それにより、注射器14の流れ制御先端部28における放射線被曝の可能性を実質的に又は完全に減少させる。さらに、図3及び4を参照して以下でさらに詳細に説明するように、放射線遮蔽部品18、20及び22は、相互に協働して流れ制御先端部28の側部通路84を選択的に開閉する。
【0029】
図2は、図1の実施形態の注射器組立体10の断面図であり、注射器14に対して概して組み付けられ、又は組み込まれる放射線遮蔽体12をさらに示すものである。ここで図1及び2を参照して、注射器組立体10は以下のように組み立てられる。上記で説明したように、プランジャーヘッド30は、プッシュロッド32とは独立して、挿入部16に取り外し可能に連結される。その後、プランジャーヘッド30とアダプタ16との組立体は、開口74を通って注射器円筒部26内へ長手方向に挿入される。このとき、注射器円筒部26の第一端70をスリーブ18の第二端94内へ挿入することにより、スリーブ18が注射器円筒部26の周りに配置される。より具体的には、注射器円筒部26の第一端70がスリーブ18の第一端92に達するまで、注射器円筒部26の外面66が、スリーブ18の内面90に沿って摺動される。その後、上記で詳細に説明したように、カバー20が、スリーブ18に取り外し可能に連結される。例えば、閉じられた前部108が概して第二端94に達するまで、内面ネジ104を外面ネジ102の周りに回転駆動することにより、カバー20が、スリーブ18の第二端94の上に螺合される。
【0030】
この時点で、プッシュロッド32は、先に組み立てられた注射器円筒部26内のプランジャーヘッド30及び挿入部16と組み立てられる。具体的には、雄ネジ52が挿入部16の雌ネジ58に達するまで、プッシュロッド32が、スリーブ18の第一開口98を通って挿入される。それから、プッシュロッド32を回転して、挿入部16の雌ネジ58の中に、プッシュロッド32の雄ネジ52をねじ込む。特定の実施形態では、プランジャーヘッド30が注射器円筒部26の第二端72に当接するまで、プッシュロッド32が内側へ押され、この当接によりプランジャーヘッド30が保持される一方、プッシュロッド32が回転されて挿入部16と螺合する。しかしながら、幾つかの実施形態では、プランジャーヘッド30及び挿入部16は、注射器円筒部26の内面68に沿って延びる長手方向リブと係合する隙間又は溝を含み、この溝とリブとの係合により、プッシュロッド32と螺合する間、プランジャーヘッド30と挿入部16とを回転しつつ固定する。最後に、上述したように、ルアープラグ22が端部取付具112に結合される。
【0031】
完全に組み立てられ又は組み付けられた注射器組立体10を図2に示す。繰り返しになるが、放射線遮蔽体12の種々の構成部品16、18、20及び22が、実質的に又は完全に注射器14内の流体76から生じる放射線を阻止し、或いは封じ込めることができる。したがって、注射器組立体10は、放射線被曝の可能性をより低くしつつ、安全に搬送され、取り扱われ、一般に使用される。特定の実施形態では、放射線遮蔽体12は、プッシュロッド32の全長の周囲に配置される放射線遮蔽スリーブをさらに含み、プッシュロッド32が注射器円筒部26に沿って内外へ摺動する際に、追加の放射線遮蔽スリーブが第一開口98において連続的に放射線を遮蔽する。或いは、プッシュロッド32は、放射線遮蔽プッシュロッド、例えば、中空円筒状又は中空でない円筒状シャフトと取り替えてもよい。
【0032】
図3は、図2の注射器組立体10の部分断面図であり、流れの無い構成における取り外し可能先端部遮蔽システム134をさらに示す。具体的には、取り外し可能先端部遮蔽システム134は、注射器円筒部26の流れ制御先端部28、スリーブ18、カバー20、及びルアープラグ22を含む。図2及び3に示すように、カバー20はスリーブ18に螺合連結され、注射器円筒部26が、カバー20の閉じた前部108とスリーブ18のフランジ96との間に、概して固定され、又は圧縮して保持される。
【0033】
特定の実施形態では、注射器円筒部26の第一端70又は第二端72は、スリーブ18の第一端92又は第二端94に固定され、又は一般に連結される。例えば、注射器円筒部26の第一端70又は第二端72は、外面ネジ、スナップ・フィット機構、ラッチ機構、又は他の工具不要の締結機構を含み、一方、スリーブ18の第一端92又は第二端94は、嵌め合い締結具又は結合具を有する。図2及び3に示される実施形態では、注射器円筒部26の外面66は、スリーブ18の内面90内に一般に圧縮嵌合される。そのようにして、圧縮嵌合は、スリーブ18内で、注射器円筒部26を長手方向に固定し、又は一般に保持する。以下で詳細に説明するように、スリーブ18内に注射器円筒部26を保持することによって、取り外し可能な先端部遮蔽システム134の動作が容易になる。
【0034】
図3の取り外し可能な先端部遮蔽システム134の流れの無い構成においては、カバー20はスリーブ18の上に完全に螺合しており、注射器円筒部26の第二端72が、カバー20の閉じた前部108に当接し、流れ制御先端部28が、端部取付具112の中央通路110の中に完全に延びている。そのようなものとして、流れ制御先端部28は、雄ルアー116の中央通路110の中に概して密閉されている。具体的には、ノズル80の先細端部86は、雄ルアー116の流体出口114に少なくとも接して、又は流体出口114の中に、又は流体出口114を通って延びている。結果的に、先細端部86は、少なくとも実質的に又は完全に流体出口114を閉鎖しており、一方、側部通路84は、流体空洞136の中において流体出口114の上流側にとどまる。図3に示すように、流体空洞136は、雄ルアー116と流れ制御先端部28のノズル80との間の接触面により概して閉鎖され、又は密閉されている。よって、通路78の中に配置された流体は、流体空洞136の中に実質的に密閉され、又は制限されており、流体が注射器組立体10からこぼれたり、漏れたり、又は一般に抜け出たりしないようになっている。したがって、システム134は、注射器14内に入れられた放射性医薬品などの放射性流体76の流体漏れによる放射線被曝の可能性を減少させる。
【0035】
加えて、ルアープラグ22が、雄ルアー116と流れ制御先端部128との密閉面を補足する。図3に示すように、ルアープラグ22は、ネジ124と132との係合により、端部取付具112に取り外し可能に連結され、これにより、流れ制御先端部28及び流体出口114に対してカップ状本体126を取り外し可能に固定する。そのようにして、流れ制御先端部28及び雄ルアー116から放射性流体76が抜け出した場合に、ルアープラグ22は、さらなる放射線遮蔽を提供して、放射線被曝の可能性を減少させる。
【0036】
図4は、図2及び3の実施形態の放射線遮蔽注射器の部分断面図を示し、流れのある構成に配置されている取り外し可能先端部遮蔽システム134をさらに示している。具体的には、図4に示すように、ルアープラグ22は、端部取付具112から回して取り外される。加えて、カバー20は、スリーブ18から部分的つまり不完全に回してゆるめられ、これにより、注射器円筒部26の第二端72とカバー20の閉じた前部108との間に、空間、隙間、又は一般的なずれ138を形成する。結果的に、ずれ138により、流れ制御先端部28と雄ルアー116の流体出口114との間に大きさの同じ隙間又はずれが生じることになる。換言すれば、ずれ138によって、流れ制御先端部28の通路78の近傍で、流体空洞136が拡大して開く。
【0037】
この開いた又は流れのある構成においては、注射器組立体10は、注射器14の内面68に関して、流体76のような1つ以上の物質を出したり、入れたり、又は一般に交換するように機能する。例えば、プランジャー24は、長手方向/図1及び2の中心軸47に沿って内側へ押し下げられ、流体76が流れ制御先端部28内へ、そして流れ制御先端部28を通って流れる。図4に示すように、システム134の流れの構成により、流体76が、中央通路82に沿って長手方向に、側部通路84を通って外側へ、流体空洞136の中へ、そして、矢印140で示すように流体出口114から外側へ通過することが可能となる。同様に、プランジャー24が、図1及び2の中心軸47に沿って長手方向に、システム134から外側へ引っ張られ、又は移動させられ、それにより、流れ制御先端部28を通って内面68へ1つ以上の流体を引き込み、吸引し、又は一般に吸入する。より具体的には、流体が、流体出口114を通って入り、流体空洞136を通過し、通路78に入り、そして、注射器14の第二端72とプランジャーヘッド30との間の内面68を満たす。特定の適用例では、放射性医薬品などの流体76を充填するか、又は排出するのに前述の手順が用いられる間、放射線遮蔽体12は、放射線被曝の可能性を減少させ、又は排除する。端部取付具112は、種々の流体供給システム、流体充填システム、又は一般の流体交換システムに接続される。例えば、端部取付具112は、医療用チューブ、流体供給容器、流体出力容器、患者注射システム、又はこれらの種々の組合せに接続される。
【0038】
図5〜8は、放射線遮蔽体152及び注射器154(例えば、複数のチャンバー又は複数の注射式注射器)を含む放射線遮蔽注射器組立体150の別の実施形態を示す。図5は、一実施形態の組立体150の分解断面図であり、概して相互に分解された放射線遮蔽体152及び注射器154の種々の特徴を示す。図5に示すように、放射線遮蔽体152は、図1〜4を参照して上記のように図示され説明されたスリーブ18、カバー20、及びルアープラグ22を含む。加えて、放射線遮蔽体152は、図1〜4を参照して上記のように図示され説明され、挿入部16を補完し、又は挿入部16に取って代わる1つ以上の二次放射線遮蔽浮動バルブプランジャー156(例えば、中間流れ制御プランジャー)を含む。
【0039】
図1〜4の放射線遮蔽体12と同様に、放射線遮蔽体152は、実質的に又は完全に、注射器154内に置かれている1つ以上の放射性物質の周りに延びており、それにより、放射線被曝の可能性を減少させる。やはり、放射線遮蔽構成部品18、20、22及び156は、一般に、注射器154のような種々の異なる注射器に組み立てられ、又は組み込まれる。さらに、放射線遮蔽構成部品18、20、22及び156の大部分又は全部が、放射性物質を伴う複数の手順のために取り外され、再使用される一方、例えば注射器154のような注射器は使い捨てされる。結果的に、注射器154は、プラスチック又は他の適切な材料で作られた比較的コストの低い製品となる。とりわけ、このような理由のために、放射線遮蔽体152は、コストと、種々の手順において注射器とともに使用される放射状医薬品などの放射性物質に係わる放射線被曝の可能性とを実質的に減少させる。
【0040】
図5に示す実施形態では、注射器154は、主プランジャー158と、流れ制御先端部162を有する細長い流体容器160(例えば、注射器円筒部)とを含む。加えて、1つ以上の浮動プランジャー156が、注射器154の他の非遮蔽浮動プランジャーに取って代わり、又はこれを補完する。図1〜4の実施形態と同様に、主プランジャー158は、プッシュロッド166に連結された主プランジャーヘッド164を含む。例えば、主プランジャーヘッド164は、ネジ、スナップ・フィット機構、圧入機構、又は種々の工具不要の締結具などの様々な締結機構によって、プッシュロッド166に取り外し可能に連結される。図示されている実施形態において、主プランジャーヘッド164は、平坦端170と、反対側の曲面或いは円錐状面又は端172とを有する本体部168を含む。加えて、主プランジャーヘッド164は、本体部168の周囲に配置されている複数の連続Oリング174及び176のような1つ以上の外部密閉部を含む。主プランジャーヘッド164は、平坦端170から内側へ延びる内側ネジ部材178(例えば、雌ネジ)のような取り外し可能な締結機構を含む。同様に、プッシュロッド166は、平坦端182から外側へ延びる外側ネジ部材180(例えば、雄ネジ)のような取り外し可能な締結機構を含む。よって、平坦端170及び182が互いに概して同一平面となるまで、雄ネジ180を雌ネジ178内へ回転駆動することにより、主プランジャーヘッド164を、プッシュロッド166に取り外し可能に連結する。加えて、プッシュロッド166は、雄ネジ180とは反対側の端部に配置されている端部材184(例えば、親指タブ)を含む。図1〜4の実施形態と同様に、プッシュロッド166は、主プランジャー158の長手方向/中心軸188の周りに対称的に配置されている4つのリブのような長手方向リブ186を含む。測定用マーク190が、プッシュロッド又はシャフト166の全長に沿って、概して連続的にずれて配置されている。
【0041】
上記のように、図5の注射器154は、例えば浮動プランジャー156のような1つ以上の浮動プランジャーを含む。特定の実施形態では、浮動プランジャー156は、一般に中心にあり、内部にあり、又は流れを通すチェックバルブを含む。換言すれば、浮動プランジャー156は、浮動プランジャー156の対向面の間の圧力差に応じて、浮動プランジャー156の周囲ではなく浮動プランジャー156を通って流体が直接通過することができるように構成されている。図示されている実施形態では、浮動プランジャー156は、放射線遮蔽アダプタ192(例えば、流体通路挿入部)及び柔軟性プランジャースリーブ194(例えば、チェックバルブ)を含む。例えば、流体通路挿入部192及びチェックバルブ194は、互いに対して同心状に配置される概して円状又は環状の形状を有する。
【0042】
図示されている流体通路挿入部192は、第一開端198と、反対側の第二穿孔端200(例えば、スロート部)とを有する本体部196を含む。加えて、本体部196は、第一開端198の近傍に配置されている環状溝202及び突出する環状鍔部204(例えば、フランジ部)を含む。スロート部200は、1つ以上の流体通路を含む、概して先細で、内側に向かって角度のついた、又は円錐状の形状を有する。例えば、スロート部200は、通常はチェックバルブ194によって閉鎖/密閉される、軸方向にずれた通路206及び208を含む。特定の実施形態では、スロート部200は、1、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上など、より少ない又はより多い数の通路を含んでもよい。例えば通路206及び208などのこれらの通路により、注射器円筒部160との密閉接触面における浮動プランジャー156の外周の周りではなく、流体が浮動プランジャー156の内部を直接通って流れることが可能となる。図示されているように、軸方向にずれた通路206及び208は、チェックバルブ194の柔軟性穿孔面210(例えば、口部)により実質的に覆われ、かつ、密閉されている。換言すると、口部210は、中央軸方向開口212を除いて、流体通路挿入部192のスロート部200の全域にわたって、実質的に又はほとんど閉じられている。図示されているように、開口212は軸188に沿って配置されており、これに対して、軸方向にずれた通路206及び208は、軸188からかなりの距離離れて又ははずれて配置されている。
【0043】
チェックバルブ194は、環状外部密閉部216及び218(例えば、Oリング部)及び概して環状のリブ220(例えば、ラッチ部)を有する本体部214を含む。図示されている実施形態では、チェックバルブ194の本体部214が、流体通路挿入部192の本体部196の周りに同心状に配置されており、ラッチ部220が環状溝202の中へ取り外し可能に延びている。そのようなものとして、浮動プランジャー156が、必要であれば、分解され、清掃され、そして再使用できるように、流体通路挿入部192が、チェックバルブ194と取り外し可能に結合され、又はスナップ・フィットで留められている。特定の実施形態では、流体通路挿入部192は、鉛、劣化ウラン、タングステン浸透プラスチックなどの種々の放射線遮蔽物質を用いて、鋳造、機械加工、又は一般に製造される。チェックバルブ194は、ゴムなどの種々の柔軟性又は弾力性のある材料から、鋳造され、又は一般に製造される。以下でさらに詳細に説明するように、流体通路挿入部192はチェックバルブ194と協働して、実質的に又は完全に放射線を阻止し、流体の流れを調整し、かつ、浮動プランジャー156の両側にある流体を概して分離する。繰り返しになるが、浮動プランジャー156の対向面の間で一定の圧力差に達するか又は超えると、チェックバルブ194は、浮動プランジャー156の外周の周囲ではなく、流体通路挿入部192の内部を流体の流れが直接通過することを許容する。
【0044】
図5にさらに示すように、注射器円筒部160は、概して円筒形の内面222(例えば、通路)及び概して円筒形の外面224を含み、この両者は、第一端226(例えば、入口)と第二端228(例えば、出口)との間において、注射器円筒部160に沿って長手方向に延びている。特定の適用例においては、1つ以上の浮動プランジャー156及び主プランジャー158が、第一端226にあるプランジャー開口230を通って、内面222に沿って長手方向に配置される。プランジャー156及び158は、2以上の物質又は流体を収容するため、互いにかつ第二端228からずれて配置されている。例えば、浮動プランジャー156と注射器円筒部160の第二端228との間に、第一物質232(例えば、医療用流体)が入れられる。加えて、主プランジャーヘッド164と浮動プランジャー156との間に、第二物質234(例えば、医療用流体)が入れられる。特定の実施形態においては、第一物質232は、放射性医薬品、造影剤、薬物、又はこれらの組合せを含む。別の例によれば、第二物質234は、ヘパリン溶液、殺菌水、ブドウ糖溶液、塩水、又は他の適切な物質などの生体適合性の洗浄又は清掃物質を含む。1つ以上の浮動プランジャー156、主プランジャーヘッド164、及び注射器円筒部160の第二端228の間の空間は、第一物質232、第二物質234などの体積、量、又は投与量に依存する。
【0045】
注射器円筒部160は、第二端228と内面222との間で外側へ延びるオフセット・プランジャー止め236(例えば、環状の流れ制御アクチュエータ)を含む。以下にさらに詳細に説明するように、プランジャー止め236は浮動プランジャー156の外周と係合し、これによって、口部210がスロート部200から離れるように前へ動かされ、第二物質234の注射又は一般的な流れが可能となる。換言すれば、第一チャンバー238に置かれている第一物質232は、浮動プランジャー156の前方への移動に応じて、流れ制御先端部162を通って外側に出される。浮動プランジャー156のチェックバルブ194は、プランジャー止め236に到達すると前方へ開放し、主プランジャー158の軸方向の移動に応じて、第二チャンバー240に置かれている第二物質234が浮動プランジャー156の内側を直接通過して流れることが可能になる。
【0046】
図1〜4の実施形態と同様に、図5の流れ制御先端部162は、突出構造244(例えば、概して一様なシャフト)内に配置されている交差通路242(例えば、T字状通路)を含む。交差通路242は、注射器円筒部160の内面222から1つ以上の側部通路248へ延びる中央通路246を含む。図示されているように、側部通路248は、突出構造244の概して先細の端部250(例えば、円錐状先端部)に配置されている。流れ制御先端部162は、流れ制御先端部28を参照して上記で説明したのと同様の方法で作用するように構成されている。
【0047】
図5及び6を広く参照すると、注射器154は、図1及び2を参照して上記で説明したのと同様の方法で、放射線遮蔽体152を組み付け、又は一般に放射線遮蔽体152と組み立てることができる。例えば、浮動プランジャー156と主プランジャーヘッド164とは、注射器円筒部160の内面222内に順次配置される。しかしながら、プッシュロッド166は、組立体150において、後の段階で主プランジャーヘッド164に連結される。この時点で、スリーブ18は、注射器円筒部160の周りに同心状に配置される。例えば、第一端226がフランジ96に達するまで、注射器円筒部160の第一端226がスリーブ18の第二開口100内へ挿入される。その後、ネジ102と104との係合により、カバー20がスリーブ18の上に螺合される。図1〜4の実施形態と同様に、注射器154は、カバー20とスリーブ18との間に圧縮されて固定される。
【0048】
その後、第一物質232が、流れ制御先端部28を通って、第一チャンバー238内へ供給され又は流し込まれる。或いは、プッシュロッド166が、スリーブ18内の第一開口98を通って、そして注射器円筒部160内へ挿入され、プッシュロッド166が主プランジャーヘッド164と連結される。それから、主プランジャー158が注射器円筒部160から外側へ引き出されて、第一物質232を第一チャンバー238内へ引き寄せるように吸引する。よって、充填工程の少なくとも大部分又は全ての間、第一物質232は、放射線遮蔽体152によって、実質的に又は完全に遮蔽される。しかしながら、充填工程の間、完全に放射線を遮蔽するため、何らかの外部の遮蔽装置、チューブ類などを使用してもよい。一方、例えば非放射性物質などの第二物質234は、主プランジャーヘッド164を注射器円筒部160内へ挿入する初期の組立て工程の間、第二チャンバー240内に入れられている。最後に、ルアープラグ22が、カバー20の端部取付具112に固定される。
【0049】
図6は、注射器154に完全に組み立てられ又は組み付けられた放射線遮蔽体152を有する注射器組立体150の実施形態の断面図である。図6に示すように、注射器組立体150は、図3を参照して上記で詳細に説明された実施形態と同様の流れのない構成に配置されている。換言すれば、流れ制御先端部162は、カバー20に配置されている端部取付具112の流体出口114の中に密閉されている。加えて、ルアープラグ22が、封鎖構成において、流体出口114を覆うように配置されている。注射器組立体150は、ルアープラグ22を取り外し、スリーブ18からカバー20を部分的にゆるめることにより、流れのある構成へ再構成される。
【0050】
図7は、図5及び6の注射器組立体150の断面図であり、ルアープラグ22が端部取付具112に接続されていない状態で、スリーブ18から部分的にゆるめられているカバー20をさらに示す。換言すれば、図示されている注射器組立体150は、流れ制御先端部162及びそれを取り囲む端部取付具112の雄ルアー116を通って、第一物質232(例えば、放射性医薬品)に続いて第二物質234(例えば、生体適合性の水)の通過を許容することができる。図示されている実施形態では、第一物質232を排出した後、浮動プランジャー156がプランジャー止め236に当接する。軸188に沿って主プランジャー158を長手方向に押すことにより、第一物質232が、浮動プランジャー156と注射器円筒部160の第二端228との間の第一チャンバー238から排出される。主プランジャー158が注射器円筒部160に沿って長手方向に移動するとき、第一チャンバー238と第二チャンバー240との間の圧力差により、チェックバルブ194は、流体通路挿入部192に対して密閉されたままである。浮動プランジャー156は、プランジャー止め236に達すると、静止状態となってチェックバルブ194を作動させる。
【0051】
換言すると、第一チャンバー238と第二チャンバー240との間の圧力差に応じて浮動プランジャー156が移動可能である限り、チェックバルブ194は、流体通路挿入部192に対して閉鎖又は密閉されたままである。そのように、浮動プランジャー156の移動により、第一チャンバー238と第二チャンバー240との間の流体圧力バランスが維持され、これにより、チェックバルブ194によって密閉が維持される。プランジャー止め236において移動がもはやできなくなると、第二チャンバー240に置かれている第二物質234の力又は圧力がチェックバルブ194に打ち勝って、第二物質234の排出を可能にする。この段階では、主プランジャー158が注射器円筒部160に沿って長手方向に移動する一方、浮動プランジャー156は静止したままである。
【0052】
図8は、図5〜7の注射器組立体150の部分断面図であり、プランジャー止め236における浮動プランジャー156の作動をさらに示す。図示されているように、チェックバルブ194の口部210は、流体通路挿入部192のスロート部200からずれて離間して配置されている。換言すると、口部210とスロート部200との間に、概して円錐状又は先細環状の隙間252のような相当の隙間が存在する。この一般に規制されていない構成においては、矢印254、256、258、260、262、及び264でそれぞれ示すように、主プランジャーヘッド164と浮動プランジャー156との間に置かれている第二物質234が、通路206及び208、隙間252、中央通路246、側部通路248、流体空洞136を通り、そして流体出口114を通って強制的に出される。
【0053】
特定の実施形態においては、上記で説明したように、第二物質234は、ヘパリン溶液、殺菌水、ブドウ糖溶液、塩水、又は他の適切な物質などの生体適合性の洗浄液体を含む。従って、第二の流体注射又は排出は、注射器組立体150の様々な通路及び内部を実質的に洗い流し、又は清掃する。その後、カバー20をスリーブ18上に元通り完全に螺合させ、ルアープラグ22を端部取付具112に再び取り付けることにより、注射器組立体150が再密閉され保護される。よって、放射線被曝の可能性を実質的に減少させつつ、注射器組立体150を安全に返却し、又は処理することができる。最後に、放射線遮蔽体152の全部又は大部分が注射器154から取外されて、その後、放射線医薬品などの放射線物質を収容する1つ以上の追加の注射器とともに使用される。
【0054】
図9及び10は、放射線遮蔽体272及び注射器274を有する放射線遮蔽注射器組立体270の別の実施形態の断面図である。図9及び10の実施形態は、放射線遮蔽体272が挿入部16を含まず、かつ、放射線遮蔽外部スリーブ276(例えば、可動注射器ケース)を含む点を除いては、図1〜4と同様である。加えて、注射器274は、挿入部16がない点を除いて、図1〜4の注射器14と同一である。しかしながら、特定の実施形態においては、注射器組立体270は、外部スリーブ276に加えて、挿入部16を含む。さらに、特定の実施形態においては、図示されている注射器274は、1つ以上の図5〜8の浮動プランジャー156を含む。従って、注射器274は、図5〜8のプランジャー止め236を含むように変更される。
【0055】
図9は、注射器組立体270の分解断面図であり、注射器274から分解された放射線遮蔽体272を示す。上記で説明したように、放射線遮蔽体272は、図1〜4を参照して上述したスリーブ18、カバー20、及びルアープラグ22の他に、外部スリーブ276を含む。図示されている注射器274は、中間に挿入部16を有し、又は、これを有さず、プッシュロッド32に連結されたプランジャーヘッド30を有するプランジャー24を含む。加えて、注射器274は、流れ制御先端部28を有する注射器円筒部26を含む。
【0056】
注射器組立体270は、他の構成部品を組み付けた後に外部スリーブ276がプランジャー24及びスリーブ18の周りに配置される点を除いて、図1及び2を参照して上記で説明したのと同様の方法で組み立てられる。例えば、プランジャーヘッド30は、プッシュロッド32が無い状態で、注射器円筒部26内に配置される。その後、スリーブ18が注射器円筒部26の周りに配置され、これに続いてカバー20をスリーブ18上に螺合させる。この時点で、プッシュロッド32をスリーブ18の第一開口98を通して注射器円筒部26の開口74内へ挿入することにより、プッシュロッド32がプランジャーヘッド30に連結される。一旦注射器円筒部26の内部に入ると、プッシュロッド32を回転して、プランジャーヘッド30と螺合結合する。
【0057】
その後、外部スリーブ276が、プランジャー24及びスリーブ18の周囲に配置される。例えば、プランジャー24の端部材50とスリーブ18の第一端92とが、開端280を通って、外部スリーブ276の概して円筒状の内面278内へ挿入される。閉端282が第一端92に当接するまで、外部スリーブ276は、スリーブ18の周りを長手方向に移動させられる。内面278は、スリーブ18の外面88と近い寸法とされ、或いは、スリーブ18の外面88の周囲に嵌合し、これにより、放射線被曝の可能性を減少させ、また、外部スリーブ276をスリーブ18に沿って概して滑らかに係合させる。
【0058】
その後、流体76の補給品を端部取付具112に接続することにより、注射器組立体270に、例えば放射性医薬品のような流体76を満たし、又は一般に充填する。注射器組立体270の充填後、放射線被曝の可能性を減少させるため、放射線遮蔽体272を完全に密閉し、閉鎖する。例えば、流れ制御先端部28が、雄ルアー116の流体出口114内で閉鎖され、或いは一般に密閉されるように、カバー20を、スリーブ18上に完全に螺合させる。加えて、ルアープラグ22が、端部取付具112に取り外し可能に連結される。図10は、図9の実施形態の注射器組立体270の断面図であり、さらに、注射器274と完全に組み立てられて、閉鎖かつ放射線遮蔽された構成となっている別の放射線遮蔽体272を示す。やはり、放射線遮蔽体272は、注射器274の全方向において全面を、実質的に又は完全に、閉じ込め、包み込み、収容し、又は一般に囲む。加えて、注射器274は、カバー20とスリーブ18との間に、圧縮して固定される。
【0059】
図11は、別の実施形態による、注射器294を分解した、放射線遮蔽体292を有する放射線遮蔽注射器290の分解断面図である。図示されている実施形態では、放射線遮蔽体292は、放射線遮蔽スリーブ296(例えば、静止注射器ケース)、放射線遮蔽カバー298、放射線遮蔽先端取付具300(例えば、ルアープラグ)、及び、放射線遮蔽外部スリーブ302(例えば、可動注射器ケース)を含む。以下でさらに詳細に説明するように、システム292の放射線遮蔽構成部品296、298、300、及び302は、実質的に又は完全に注射器294の周囲に延びて、作業の全段階の間、放射線を遮蔽するように構成されている。
【0060】
図示されている注射器294は、プランジャー304と、流れ制御先端部308を有する注射器円筒部306とを含む。例えば、プランジャー304は、プッシュロッド312に連結されたプランジャーヘッド310を含む。プランジャーヘッド310は、1つ以上の密閉部316及び318(例えば、Oリング)を有する円筒状本体部314を含む。プッシュロッド312は、長手方向リブ320、測定用マーク322、及び、端部材324を含む。さらに、幾つかの実施形態による注射器294は、図5及び6に示される例えば浮動プランジャー156のような1つ以上の浮動プランジャーを含む。プランジャーヘッド310の密閉部316及び318が内面326(例えば、概して円筒状の通路)に対して移動可能に密閉されるように、プランジャー304が注射器円筒部306内に配置されている。よって、プランジャー304が注射器円筒部306の内外へ移動して、放射性物質又は放射性医薬品などの物質/流体328を、流れ制御先端部308を通して取り込み、排出し、又は一般に交換する。
【0061】
特定の実施形態では、流れ制御先端部308は、突出構造332内に配置されている交差通路330(例えば、T字状通路)を含む。例えば、交差通路330は、中央通路334及び1つ以上の側部通路336を含む。側部通路336は、突出構造332の概して先細の端部338(例えば、円錐状先端部)に配置されている。以下でさらに詳細に説明するように、流れ制御先端部308は、カバー298の一部と協働して、流体漏れ及び放射線被曝の可能性を減少させる。
【0062】
注射器294は、放射線遮蔽体292の放射線遮蔽構成部品296及び298と結合するように構成されている1つ以上の特徴を含む。例えば、注射器円筒部306は、注射器円筒部306の第一端342(例えば、入口)に、或いは、第一端342の近傍に配置されている、互いに反対側のスナップ・フィット部材340(例えば、ラッチ)のような1つ以上の工具不要の締結機構を含む。加えて、注射器円筒部306は、注射器円筒部306の第一端342と第二端346(例えば、出口)との間に配置されている、互いに反対側の突出部344(例えば、回転ロック)のような1つ以上のガイド又は固定部材を含む。例えば、回転ロック344は、注射器円筒部306の概して円筒状の外面350に沿って外面ネジ348の近傍に配置されている。注射器円筒部306の外面350上のこれらの手段340、344、及び348は、スリーブ296及びカバー298内の対応する特徴と結合するように構成されている。
【0063】
例えば、スリーブ296は、本体ケース部352及び拡大ケース部354(例えば、雌取り付け部)を含み、ここで、本体ケース部352は、第一端356と第二端358との間において、スリーブ296の全長の大部分に沿って延びている。本体ケース部352は、内面360(例えば、注射器受容部)と、概して円筒状の外面362とを含む。加えて、内面360は、第一端356のフランジ366に、或いは、フランジ366の近傍に配置されている環状ラッチ溝364のような1つ以上のスナップ・フィット/ラッチ受容部を含む。内面360は、本体ケース部352と拡大ケース部354との間の接続面370(例えば、段差部)にある回転ロック受容部368(例えば、対向する溝)のような1つ以上の案内固定受容部を含む。スリーブ296は、フランジ366内に第一開口372(例えば、プランジャー通路)を含む。第二端358において、拡大ケース部354は、概して円筒状の内面376を有する第二開口374を含み、内面376は、カバー298の概して円筒状の外面378の周囲に延びるように構成されている。以下でさらに詳細に説明するように、注射器円筒部306がカバー298と螺合したり離脱したりするとき、スリーブ296とカバー298とは、互いに対して長手方向に移動することができる。例えば、カバー298は、内面382(例えば、円筒状受容部)に沿って配置されている内面ネジ380を含み、内面382は、注射器円筒部306の外面ネジ348及び対応する外面350を受容する。
【0064】
カバー298は、雄部386(例えば、雄ルアー)と補足固定部388(例えば、ルアー環)とを有する外部流体カップリング384(例えば、端部取付具)を含む。図示されている雄ルアー386は、中央通路390、圧縮取付具392(例えば、先細面)、及び流体出口394を含む。加えて、ルアー環388は、雄ルアー386の圧縮取付具392に対向する内面ネジ396を含む。特定の実施形態では、カバー298が注射器円筒部306の外面ネジ348に螺合したり離脱したりするとき、注射器294の流れ制御先端部308が、流体出口394を密閉したり密閉を解いたりする。加えて、ルアープラグ300が、端部取付具384に接続される。特定の実施形態では、ルアープラグ300は、互いに反対側にある爪部400(例えば、外面ルアーネジ)を有するカップ状本体398を含み、爪部400は、ルアー環388の内面ネジ396と結合される。
【0065】
図11に示すように、注射器294は、下記のように、放射線遮蔽体292と組み立てられ、又は組み付けられる。例えば、プランジャーヘッド310は、プッシュロッド312とは別に、注射器円筒部306内に配置される。注射器円筒部306は、スリーブ296内へ長手方向に挿入される。例えば、注射器円筒部306の第一端342が、スリーブ296の第二開口374内へ挿入され、その後、回転ロック344が接続面370に達するまで、第一端342は、内面360に沿って長手方向に移動させられる。それから、注射器円筒部306を回転して、回転ロック344を、本体ケース部352内の対応するロック受容部368と位置合わせする。いったん位置合わせがされると、回転ロック344が、本体ケース部352内のロック受容部368内へ長手方向に移動させられる。この移動の間、注射器円筒部306の第一端342に配置されているラッチ340が、本体ケース部352のフランジ366に、又はフランジ366の近傍に配置されているラッチ溝364と係合するように移動させられる。結局、ラッチ340が所定位置のラッチ溝364に着脱可能にはめ込まれ、スリーブ296の内面360内における注射器円筒部306の長手方向位置を保持する。加えて、回転ロック344とこれに対応するロック受容部368との係合により、スリーブ296に対する注射器円筒部306の回転位置が維持される。
【0066】
その後、内面ネジ380が外面ネジ348に係合するように、カバー298を、流れ制御先端部308及び注射器円筒部306の第二端346の周囲に配置する。この移動の間、カバー298の外面378は、スリーブ296の拡大ケース部354の第二開口374内へ、長手方向に延びている。外面ネジ348と内面ネジ380とが係合した後、スリーブ296のフランジ366とカバー298の閉端402との間において注射器円筒部306が概して圧縮されるまで、カバー298が注射器円筒部306上へ回転しながら螺合される。この時点で、流れ制御先端部308の先細端338が、雄ルアー386の流体出口394内において、実質的に又は完全に閉鎖/密閉される。
【0067】
加えて、ルアープラグ300が、端部取付具384のルアー環396に結合される。その後、プッシュロッド312が、スリーブ296の第一開口372を通って、さらに注射器円筒部306の第一端342を通って延びる。その後、上記で詳細に説明したように、例えば、プランジャーヘッド310に対してプッシュロッド312を回転螺合させることにより、プッシュロッド312がプランジャーヘッド310と連結する。最後に、外部スリーブ302が、プランジャー304及びこれを囲むスリーブ296の周りに配置される。例えば、プランジャー304の端部材324が外部スリーブ302の閉端406に当接するまで、プランジャー304の外周部とスリーブ296の第一端356とが、外部スリーブ302の開端404内に長手方向に挿入される。加えて、スリーブ296の外面362が、外部スリーブ302の概して円筒状の内面408内に一般に摺動される。
【0068】
図12は、放射線遮蔽体292と組み立てられ、又は組み付けられた注射器294を有する放射線遮蔽注射器290の一実施形態の断面図である。図示されている構成においては、放射線遮蔽構成部品296、298、300、及び302が、実質的に又は完全に注射器294の全面の周囲に延びているので、注射器294内に入れられた物質又は流体328から生じる放射線から、使用者は実質的に又は完全に遮蔽される。さらに、流れ制御先端部308は、端部取付具384の雄ルアー386内に、実質的に又は完全に密閉されている。具体的には、側部通路336が中央通路390内で概して閉鎖或いは密閉されるように、突出構造332の先細端338が、少なくとも、流体出口394に対して、流体出口394内に、又は部分的に又は完全に流体出口394を通過して配置されている。加えて、注射器294が、カバー298とスリーブ296との間で、圧縮して固定される。
【0069】
注射器294を操作するには、ルアープラグ300を取り外し、流れ制御先端部308の密閉を解き、適切な流体供給又は伝達システムに端部取付具384を接続し、そして、内部に配置されているプランジャー304とともに外部スリーブ302を移動させる。そのようにして、物質/流体328が、注射器294に入れられ、出され、又は一般に交換される。やはり、図1〜4の実施形態と同様に、注射器円筒部306からカバー298の螺合を部分的にゆるめることにより、流れ制御先端部308の密閉が解かれ、これにより、流体出口394から先細端338を開放する。使用者が、スリーブ296の外面362に沿って長手方向に外部スリーブ302を動かすとき、閉端406がプランジャー304の端部材324を所望の方向に付勢して、注射器円筒部306内に入れられた物質/流体328を移動させる。外部スリーブ302の閉端406は、プランジャー304の端部材324を取り外し可能に取り付けるための締結具を含む。特定の実施形態では、端部材324と閉端406の内面との間に、粘着テープ、パッド、接着剤、又は他の材料が設けられる。別の実施形態では、端部材324と閉端406の内面との間に、スナップ・フィット機構又は係合ネジが設けられてもよい。
【0070】
放射線遮蔽注射器290の操作の間、放射線遮蔽体292が、注射器294の周囲の概して全方向及び全面に、カバー298の流体出口394まで、少なくとも実質的に又は完全に放射線を遮蔽する。加えて、放射線遮蔽コネクタ、チューブ類、及び他の装置を端部取り付け部384に接続して、放射線遮蔽注射器290の下流に追加の遮蔽体を設けてもよい。上記で説明したように、放射線遮蔽注射器290の特定の使用後、種々の放射線遮蔽構成部品296、298、300、及び302を取り外し、清掃し、かつ、一般に1つ以上の追加の注射器に再使用される。
【0071】
特定の実施形態では、図1〜12を参照して上記で図示し説明した注射器は、造影剤、放射性医薬品、標識物質、生体適合性洗浄物質、又は、これらの組合せなどの1つ以上の医療用流体を充填又は予備充填することができる。例えば、開示されている例えば10、150、270、及び290などの放射線遮蔽注射器は、第一チャンバー内に第一医療用流体を、かつ、第二チャンバー内に第二医療用流体を充填又は予備充填する。第一医療用流体は、ポジトロン断層法(PET)又は単一光子放射断層撮影(SPECT)など、放射線による治療又は医用画像のための放射性同位元素又は放射性医薬品を含む。加えて、第二医療用流体は、ヘパリン溶液、殺菌水、ブドウ糖溶液、塩水、又は他の適切な物質などの生体適合性洗浄物質を含む。図示されている放射線遮蔽注射器は、患者又は受診者に、第一及び第二医療用流体を順次注射するのに使用される。或いは、図示されている放射線遮蔽注射器は、放射性医薬品などの単一の医療用流体を充填又は予備充填される。特定の実施形態では、患者が、上記で挙げたような適切な医療用診断及び/又は画像システムによってスキャンされ、或いは、一般に撮像される。例えば、放射性医薬品が血流に入り、対象となる特定の器官又は部位に焦点を合わせた後、診断及び/又は画像システムは、画像データを取得し、そのデータを処理し、そして、1つ以上の画像を出力するように機能する。よって、診断及び/又は画像システムは、検出/取得ハードウェア及びソフトウェア、データ/画像処理ハードウェア及びソフトウェア、データ/画像保存ハードウェア及びソフトウェア、ディスプレイ、プリンタ、キーボード、マウス、コンピュータ・ワークステーション、ネットワーク、及び他の関連する装置を含む。
【0072】
図13は、図1〜12を参照して説明された、例えば10、150、270、及び290などの放射線遮蔽注射器を利用する例示的な核医学方法を示すフローチャートである。図に示されているように、ブロック412で、核医学用の放射性同位元素を準備することにより、方法410が開始する。以下でさらに詳細に説明するように、例えば、ブロック412は、放射性同位元素生成器からテクネチウム−99mを抽出することを含む。方法410はブロック414に進み、例えば患者の器官のような特定の部位に放射性同位元素を向けるように適合した標識物質(例えば、エピトープ又は他の適切な生物配向性部分)を準備する。その後、方法410はブロック416に進み、放射性同位元素を標識物質と組み合わせて、核医学用の放射性医薬品を提供する。特定の実施形態では、放射性同位元素は、特定の器官又は組織へ向かって集中する自然的傾向を有し、したがって、放射性同位元素は、補足の標識物質を加えることなく、放射性医薬品としての特徴を有する。その後、方法410のブロック418では、注射器を、上記で詳細に説明した例えば12、152、272、又は292のような取り外し可能な放射線遮蔽組立体と組み立て、又は組み付ける。その後、方法410はブロック420に進み、核医学施設又は病院の患者に放射性医薬品を投与するのに適する、例えば10、150、270、又は290のような放射線遮蔽注射器内に、一投与量以上の放射性医薬品を抽出する。方法410はブロック422に進み、患者内へ一投与量の放射性医薬品を注射し、又は一般に投与する。事前に選択された時間の後、方法410は進行し、患者の器官又は組織に対して標識を付けられた放射性医薬品を検出/撮像する(ブロック424)。例えば、ブロック424では、ガンマカメラ又は他のX線撮影画像装置を用いて、脳、心臓、肝臓、腫瘍の組織、癌組織、又は種々の他の器官又は病的組織の上に又はこれらの内部にある、或いは、これらに向かう放射性医薬品を検出する。
【0073】
図14は、例えば、10、150、270、及び290のような放射線遮蔽注射器を提供するための例示的なシステム426のブロック図であり、これらの注射器は、核医学の適用例に使用される1つ以上の医療用流体(例えば、放射性医薬品及び生体適合性洗浄物質)を有する。図示されているように、システム426は、放射性同位元素生成器430、溶離液供給容器432、及び、溶離液出力容器又は投与容器434を有する放射性同位元素溶出システム428を含む。特定の実施形態では、溶離液出力容器434は真空になっており、このため、溶離液供給容器432と溶離液出力容器434との間の圧力差によって、放射性同位元素生成器430を通過して、溶離液導管を通って、溶離液出力容器434内へ入る溶離液(例えば、塩水)の循環が促進される。例えば、塩水のような溶離液が放射性同位元素生成器430を通って循環する際、循環する溶離液が、例えばテクネチウム−99mのような放射性同位元素を一般に洗い落とし、又は溶離する。例えば、一実施形態の放射性同位元素生成器430は、アルミナビーズ又は樹脂交換カラムの表面に吸収されるモリブデン−99のような放射性親を囲む放射線遮蔽外側ケース(例えば、鉛の殻)を含む。放射性同位元素生成器430の内部では、親モリブデン−99が、約67時間の半減期で、準安定性のテクネチウム−99mに変わる。放射性同位元素生成器430の内部では、例えばテクネチウム−99mのような娘放射性同位元素は、例えばモリブデン−99のような親放射性同位元素ほど、一般に堅く保持されない。したがって、例えばテクネチウム−99mのような娘放射性同位元素は、酸化剤なしの生理食塩水のような適切な溶離液により抽出され、又は洗い落とすことができる。放射性同位元素生成器430から溶離液出力容器434内へ出される溶離液は、一般に、溶離液と、放射性同位元素生成器430内から洗い落とされた又は溶離された放射性同位元素とを含む。溶離液出力容器434内に所望量の溶離液を受けると、溶離液の循環及び溶離液の出力を止めるためにバルブが閉じられる。以下でさらに詳細に説明するように、抽出された娘放射性同位元素は、その後、必要であれば、標識物質と結合されて、(核医学施設において)患者の診断又は治療を容易にすることが可能である。
【0074】
図14にさらに示すように、システム426は、放射性同位元素438(例えば、放射性同位元素溶離システム428の使用によって得られたテクネチウム−99m溶液)を標識物質440と結合させるように機能する放射性医薬品生産システム436を含む。幾つかの実施形態では、この放射性医薬品生産システム436は、当該技術分野で「キット」(例えば、診断用放射性医薬品の準備のためのTechnescan(登録商標)キット)として知られているものを言い、又は、これを含む。繰り返しになるが、標識物質は、患者の特定の部位(例えば、器官、組織、腫瘍、癌など)に付けられ、又は、これを目標とする種々の物質を含む。結果的に、放射性医薬品生産システム436は、ブロック442で示すように、放射性同位元素438及び標識物質440を含む放射性医薬品を生産し、又は、生産するのに利用することができる。図示されているシステム426は、バイアル又は注射器446内への放射性医薬品の抽出を促進させる放射性医薬品調剤システム444を含む。図示されている実施形態においては、注射器は、図1〜12を参照して上記で説明した放射線遮蔽注射器である。よって、システム426は、生体適合性洗浄物質などの追加の物質又は医療用流体を、注射器に充填する。例えば、図5〜8の注射器組立体150は、浮動プランジャー156によって分けられている一連のチャンバー内に、放射性医薬品及び生体適合性洗浄物質が充填される。特定の実施形態では、システム426の種々の構成部品及び機能は、放射性医薬品を取り扱う調剤部(radiopharmacy)内に配置されており、この調剤部が、核医学の用途に使用される放射性医薬品の注射器446を準備する。例えば、注射器446は、患者の診断又は治療に使用されるため、医療施設へ準備されて配達される。
【0075】
図15は、図14のシステム426を用いて提供された放射性医薬品の放射線遮蔽注射器446を利用する、例示的な核医学画像システム448のブロック図である。図示されているように、核医学画像システム448は、シンチレータ452及び光検出器454を有する放射線検出器450を含む。患者458内の標識器官から発せられた放射線456に応じて、シンチレータ452が光を発し、この光が光検出器454によって感知されて電気信号に変換される。図示はされていないが、画像システム448は、放射線456を平行にして放射線検出器450へ向かわせるコリメーターを含むことができる。図示されている画像システム448は、検出器取得回路460及び画像処理回路462を含む。検出器取得回路460は、一般に、放射線検出器450からの電気信号の取得を制御する。画像処理回路462は、電気信号を処理したり、検査手順を実行したり、その他のことに用いられる。図示されている画像システム448は、画像処理回路462と画像システム448の他の構成部分との使用者の相互作用を容易にするユーザー・インターフェース464を含む。結果的に、画像システム448は、患者458内の標識器官の画像466を生成する。やはり、前述の手順及び結果として生じる画像466は、図1〜12を参照して説明された放射線遮蔽注射器により投与された1つ以上の医療用流体(例えば、放射性医薬品)から直接的に恩恵を受ける。
【0076】
本発明の種々の実施形態の構成要素を導入する際、冠詞である「一つの(a、an)」及び「前記(the、aid)」は、一又はそれ以上の構成要素があることを意味するという意図である。「含む(comprising、including)」及び「有する(having)」という用語は包含的であり、例示されている構成要素以外にも追加の構成要素があり得るという意味を意図している。さらに、「上部(top)」、「底部(bottom)」、「上に(above)」、「下に(below)」及びこれらの用語の変形例は便宜上使用しているのであり、構成部品がある特定の向きになっていることを要するものではない。
【0077】
本発明は種々の変形例及び代替形式を許容するものであるが、特定の実施形態を一例として図面に示し、本明細書において詳細に説明した。しかしながら、開示されている特定の形式に本発明を限定するものではない点は理解されなければならない。そうではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の趣旨及び範囲に含まれる全ての変形例、均等物、及び代替物を含むものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に画定される注射器収容部を有するスリーブと、
内部に画定され、通路まで延びる注射器端収容部を有するカバーと
を含む注射器放射線遮蔽体であって、
該スリーブと該カバーとは、取り外し可能に互いに結合し、かつ、該スリーブと該カバーとは、放射線遮蔽を含む、注射器放射線遮蔽体。
【請求項2】
前記カバーと取り外し可能に結合する取付具をさらに含み、該取付具は放射線遮蔽を含む、請求項1に記載の注射器放射線遮蔽体。
【請求項3】
前記取付具は、前記カバーと結合した位置にあるとき、前記通路に渡って延びている、請求項2に記載の注射器放射線遮蔽体。
【請求項4】
前記スリーブの中に移動可能に位置するプランジャーをさらに含み、該プランジャーは放射線遮蔽を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の注射器放射線遮蔽体。
【請求項5】
前記プランジャーは、プランジャーヘッド締結具、又はプランジャーシャフト締結具、又はそれらの組合せを含む、請求項4に記載の注射器放射線遮蔽体。
【請求項6】
ルアー取付具をさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の注射器放射線遮蔽体。
【請求項7】
流れ制御機構をさらに含む、請求項1〜6のいずれかに記載の注射器放射線遮蔽体。
【請求項8】
前記流れ制御機構は、前記通路の流体出口を含み、前記スリーブと前記カバーとの間に移動可能な締結機構を含む、請求項7に記載の注射器放射線遮蔽体。
【請求項9】
前記通路に移動可能に配置されている流れ制御先端部を有する注射器をさらに含む、請求項8に記載の注射器放射線遮蔽体。
【請求項10】
前記流れ制御先端部は、前記移動可能な締結機構を介して前記流体出口によって移動可能に密閉および開放される、請求項9に記載の注射器放射線遮蔽体。
【請求項11】
前記移動可能な締結機構は、前記スリーブと前記カバーとの間に係合ネジを含む、請求項8に記載の注射器放射線遮蔽体。
【請求項12】
前記スリーブと前記カバーとは、概して互いに同心状である、請求項1〜11のいずれかに記載の注射器放射線遮蔽体。
【請求項13】
前記スリーブは第一ネジを含み、前記カバーは、前記第一ネジと係合する第二ネジを含む、請求項1〜12のいずれかに記載の注射器放射線遮蔽体。
【請求項14】
前記スリーブは第一注射器当接端を含み、前記カバーは第二注射器当接端を含み、該第一及び第二注射器当接端は前記注射器収容部の対向する端に配置される、請求項1〜13のいずれかに記載の注射器放射線遮蔽体。
【請求項15】
前記スリーブと移動可能に結合する別のスリーブをさらに含み、両方のスリーブが放射線遮蔽を含む、前記請求項の何れかに記載の注射器放射線遮蔽体。
【請求項16】
前記注射器収容部に配置される注射器をさらに含む、請求項1〜15のいずれかに記載の注射器放射線遮蔽体。
【請求項17】
前記注射器の中に配置される放射性医薬品をさらに含む、請求項16に記載の注射器放射線遮蔽体。
【請求項18】
前記注射器は、該注射器の先端部と円筒部の中に移動可能に配置されるプランジャーとの間において内部に画定される流体チャンバーを有する該円筒部を含み、前記注射器放射線遮蔽体は、該プランジャーと共に移動可能に位置する部材を含み、該チャンバーは、前記カバー及び該部材と対向する構造の間において前記スリーブの内側に配置されており、該部材は放射線遮蔽を含む、請求項16又は17に記載の注射器放射線遮蔽体。
【請求項19】
注射器であって、
第一端と該第一端と対向する第二端とを有する円筒部と、
該円筒部の中に移動可能に配置されるプランジャーと
を含む、注射器と、
該円筒部の周囲に配置される第一スリーブと、
該第一スリーブと少なくとも部分的に同心状に配置される第二スリーブであって、該第二のスリーブは、該注射器の該プランジャーの周囲に配置され、該注射器の該プランジャーと共に概して移動可能である、第二スリーブと、
該第一スリーブと少なくとも部分的に同心状に配置される端部カバーと
を含み、該第一スリーブと該第二スリーブと該端部カバーとは放射線遮蔽を含む、放射性医薬品システム。
【請求項20】
前記第二スリーブと前記端部カバーとは、少なくとも実質的に又は完全に、前記円筒部の前記第一端と前記第二端とにわたってそれぞれ配置される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第一スリーブと前記第二スリーブと前記端部カバーとは、前記注射器から取り外し可能である、請求項19又は20に記載のシステム。
【請求項22】
前記第一スリーブと前記第二スリーブと前記端部カバーとは、前記放射線遮蔽によって前記注射器の前記円筒部と前記プランジャーとの概して全面を囲む、請求項19〜21のいずれかに記載のシステム。
【請求項23】
前記端部カバーは、前記注射器の前記円筒部から突出する先端部を概して囲む、請求項19〜22のいずれかに記載のシステム。
【請求項24】
前記先端部に隣接する前記端部カバーの流体出口を横切って前記端部カバーに結合する取付具をさらに含み、該取付具は放射線遮蔽を含む、請求項19〜23のいずれかに記載のシステム。
【請求項25】
前記注射器の中に配置される放射性医薬品を含む、請求項19〜24のいずれかに記載のシステム。
【請求項26】
医療用流体を投与することに使用される注射器であって、
第一端と該第一端に対向する第二端とを有する円筒部と、
該円筒部の中に配置され、該円筒部の該第一端に対して移動可能であるプランジャーと、
該円筒部の該第二端から外側へ延び、側部通路につながる中央通路を含むバルブコアとを含む、注射器。
【請求項27】
前記バルブコアは先細の端部を含む、請求項26に記載の注射器。
【請求項28】
前記バルブコアの周囲に配置され、該バルブコアについての開放位置と密閉位置との間で移動可能なキャップをさらに含む、請求項26又は27に記載の注射器。
【請求項29】
前記キャップは、前記バルブコアの周囲に配置されるルアー取付具を含む、請求項28に記載の注射器。
【請求項30】
前記キャップは放射線遮蔽材料を含む、請求項28又は29に記載の注射器。
【請求項31】
前記円筒部の周囲に配置される少なくとも一つのスリーブをさらに含み、該少なくとも一つのスリーブは放射線遮蔽を含む、請求項26〜30のいずれかに記載の注射器。
【請求項32】
前記円筒部の中の前記プランジャーに連結される部材をさらに含み、該部材は放射線遮蔽を含む、請求項26〜31のいずれかに記載の注射器。
【請求項33】
前記プランジャーと前記第二端との間に配置され、放射線遮蔽を含む中間プランジャーをさらに含む、請求項26〜32のいずれかに記載の注射器。
【請求項34】
前記注射器の中に配置される放射性医薬品を含む、請求項26〜33のいずれかに記載の注射器。
【請求項35】
注射器と第一及び第二放射線遮蔽部材とを含む放射線遮蔽注射器組立体を使用する方法であって、
該注射器の流体の流れを制御することであって、該制御することは、該第二放射線遮蔽部材に対して該第一放射線遮蔽部材を移動させることを含み、該第一及び第二放射線遮蔽部材のうちの少なくとも一つが、該注射器の少なくとも一部の周囲に配置される、方法。
【請求項36】
前記制御することは、前記移動させることによって前記組立体の流体バルブを開放すること及び閉鎖することのうちの少なくとも1つを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記開放すること及び閉鎖することのうちの少なくとも1つは、前記注射器の流れ制御先端部に係合すること及び離脱することのうちの少なくとも1つを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記移動させることは、前記注射器の円筒部に沿って該注射器のプランジャーを付勢することを含む、請求項35〜37の何れかに記載の方法。
【請求項39】
前記移動させることは、前記第二放射線遮蔽部材に対して、入れ子式に前記第一放射線遮蔽部材を移動させることを含む、請求項35〜38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
前記注射器から患者の中に流体を投与することと、
該患者の中の該流体を検出すること、
該患者の中の該流体に関するデータを処理すること、及び
少なくとも部分的に該処理することに基づいて該患者の画像を生成すること
のうちの少なくとも一つと
をさらに含む、請求項35〜39のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2009−543661(P2009−543661A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−520773(P2009−520773)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/015948
【国際公開番号】WO2008/076150
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(503102685)マリンクロット インコーポレイテッド (33)
【Fターム(参考)】