説明

放射線量監視公開装置

【課題】実際の放射線量測定結果を速やか且つ効果的に近隣住民に公開することで近隣住民の生活を安心できるものとし、且つ原子力施設で事故が発生した後でも大量生産が可能な放射線量監視公開装置を提供する。
【解決手段】放射線を検知するGM計数管22を有する放射線量計測装置20と、計測された放射線量を公衆に公開表示する開示装置40と、計測された放射線量が所定の閾値を超えた場合に警報を発する警報装置50とを備え、放射線量計測装置20は、GM計数管22を収容する筐体21と、GM計数管22を筐体21内に保持するための保持ブラケット23とを備え、保持ブラケット23は、GM計数管22の周囲を囲繞してGM計数管22を保持する合成スポンジからなる第1保持部材24と、第1保持部材24を着脱可能に保持する合成樹脂からなる第2保持部材25とを有するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線量を測定して監視するとともに、その測定結果を測定値周辺で生活する住民に対し積極的に開示することにより、近隣住民の生活を安心できるものにする射線量監視公開装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自然界から或いは原発事故などに起因して放出される放射線量は、地域や高度によって様々であり、同一地域の同一高度であっても雨風などの天候によって大きく変化する。一方、放射線は目に見えないために、放射線量が高い可能性のある地域で暮らす住民は、不安を抱えた状態で生活を送らなければならない。
【0003】
放射線量を計測する放射線計測器として携帯可能な小型のものも存在するが、原子力発電所内で働く作業員などは別として、一般住民がこのような放射線計測器を所持していることは少なく、例え所持していたとしても、日常生活を送るなかで常時携帯することは難しい。
【0004】
一方、原子力施設で事故が発生した場合に、周辺地域への影響を最小限に抑制するために、放射線計測装置からの信号により事故の形態を放射線漏洩か放射線物質漏洩かを判別する機能を有するとともに、計測した放射線レベルを表示盤と拡声器とで周辺住民にリアルタイムに公開するようにした放射線監視装置(特許文献1)や、放射線センサを複数の地点に設置し、各設置点からのデータや雨量計、風向・風速計のデータに基づいて監視装置が放射性物質の放出源の位置や放射性物質の拡散状況を予測し、監視装置の予測結果に基づいて各地に別途設置された警報装置から住民に対して警報を発するようにした発明(特許文献2)も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−242250号公報
【特許文献2】特開2002−228753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2の発明では、放射線センサの測定結果に基づく予測結果に応じて警報を発するため、警報装置が設置された地点の実際の放射線量はそれほど高くないような場合にも警報が発せられることがある。逆に、警報装置が設置された地点の放射線量は実際には高いにも拘わらず、監視装置が実際よりも低く予測し、警報が発せられないこともある。一方、特許文献1の発明は、放射線監視装置自体が収集した測定地のデータに基づいて放射線レベルを周辺住民に公開するため、実際の値と公開される値とが一致するものではあるが、いざ原子力施設で事故が発生した場合には、放射線計測装置の需要が高まることにより、特定の放射線計測装置を確保できなくなることが予想され、大量生産することができない可能性がある。
【0007】
本発明はこのような背景に鑑みなされたもので、実際の測定結果を速やか且つ効果的に近隣住民に公開することで近隣住民の生活を安心できるものとし、且つ原子力施設で事故が発生した後でも大量生産が可能な放射線量監視公開装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明に係る放射線量監視公開装置(1)は、放射線を検知するGM計数管(22)を有する放射線量計測装置(20)と、前記放射線量計測装置によって計測された放射線量を公衆に公開表示する開示装置(40)と、前記放射線量計測装置によって計測された放射線量が所定の閾値を超えた場合に警報を発する警報装置(50)とを備え、前記放射線量計測装置は、前記GM計数管を収容する筐体(21)と、前記GM計数管を前記筐体内に保持するための保持手段(23)とを備え、当該保持手段は、前記GM計数管の周囲を囲繞して前記GM計数管を保持する比較的剛性の低い第1保持部材(24)と、当該第1保持部材を着脱可能に保持する比較的剛性の高い第2保持部材(25)とを有することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、保持手段が第1保持部材と第2保持部材とを有するため、第2保持部材は第1保持部材を確実に保持し得るような剛性の高い素材・構成で形成し、第1保持部材は入手するGM計数管に合わせて容易に交換可能或いは変形可能とすることができる。そのため、外形寸法の異なる複数種或いはメーカーのGM計数管を保持手段により容易に放射線量計測装置の筐体に組み付けることができる。また、GM計数管は消耗品であり、長期間にわたって継続使用するような場合には交換が必要になるが、第2保持部材が第1保持部材を着脱可能に保持するため、第1保持部材を脱着するだけで容易にGM計数管を交換でき、外形寸法の異なるGM計数管に交換することもできる。そして、放射線量計測装置によって計測された放射線量を開示装置がリアルタイムに公開するとともに、放射線量が所定の閾値を超えた場合に警報装置が警報を発することで、放射線量が基準範囲内に抑えられているかどうかを近隣住民自らがチェックすることが可能となる。なお、開示装置は一層効果的な情報の開示を達成するべく複数設けることもできる。
【0010】
また、本発明の一側面によれば、前記第1保持部材(24)は、前記GM計数管の外径(D1)よりも小さな直径(D2)を有する貫通孔(24a)が形成された合成スポンジである構成とすることがでできる。このように構成することにより、合成スポンジが弾性変形可能な大きさの外径を有するGM計数管であれば、貫通孔に挿入するだけで合成スポンジに保持させることができ、GM計数管の組み付け・交換などが容易である。また、貫通孔とされているため、長さが異なるGM計数管であっても長さ寸法に関係なく合成スポンジに保持させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、実際の測定結果を速やか且つ効果的に近隣住民に公開し、近隣住民と原子力施設関係者や政府関係者との信頼関係の確立に寄与し得るとともに、原子力施設で事故が発生した後でも大量生産が可能な放射線量監視公開装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る放射線量監視公開装置の斜視図
【図2】図1に示す放射線量計測装置におけるGM計数管の保持構造図
【図3】図2中のIII−III断面図
【図4】図1に示す制御装置における操作パネルの概略正面図
【図5】図1に示す放射線量監視公開装置の概略構成を示す機能ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1に示すように、本発明に係る放射線量監視公開装置1は、装置架台10にそれぞれ一体に取り付けられた放射線量計測装置20、制御装置30、開示装置40及び警報装置50から構成される。以下、装置ごとに詳細に説明するが、各装置の構成はこれらのものに限られるわけではない。
【0015】
[装置架台]
装置架台10は、放射線量監視公開装置1を学校や避難所、仮設住宅地などの所定の測定地点に自立設置できる構成とされており、安定した自立設置を可能にするための矩形平板状に形成された架台ベース11と、架台ベース11に一対に立設された支柱12と、支柱12の上部に取り付けられ、制御装置30や開示装置40を収容する本体筐体部13とを有している。
【0016】
これら架台ベース11、支柱12および本体筐体部13は、屋外へ設置しても錆びが発生しないようにステンレス製とされており、且つ雨水が内部へ侵入することのないよう完全防雨構造とされている。
【0017】
本体筐体部13の背面には、図示省略するが、背面パネルが開閉可能に取り付けられており、背面パネルを開いたときに図4に示す操作パネル35が現れる状態でその内部に制御装置30を収容している。また、本体筐体部13の前面パネルには、開示装置40の画面が表示され得るように、この画面に適合する大きさの開口または透明板からなる表示部が形成されるとともに、表示部の下方に外部メモリとしてのUSBメモリカードを着脱するための開閉扉14が設けられている。
【0018】
[放射線量計測装置]
放射線量計測装置20は、放射線検知素子としてGM計数管(ガイガーミュラー計数管)22を用いたGM検出器であり、合成樹脂からなる筐体21内にGM計数管22を収容している。
【0019】
図2、図3に示すように、GM計数管22は、ヘリウム、ネオン、アルゴンなどの不活性ガスを充填した中空の円筒体22aと、円筒体22aの軸心に取り付けられた電極22bとから構成される。このGM計数管22に接続された接続端子22dを有するリード線22cを介して円筒体22aと電極22bとの間に約1000ボルトの電圧が印加されると、電離放射線が円筒体22aを通過したときに不活性ガスの分子が電離されることで、陰極(電極22b)から陽極(円筒体22a)へパルス電流が流れる。GM計数管22はこのパルス電流を検出することで放射線を検出することができる。
【0020】
GM計数管22は、円筒体22aの先端側と基端側(リード線22c側)とを保持ブラケット23に保持されることで筐体21に取り付けられる。保持ブラケット23は、GM計数管22の外径D1よりも小さな直径D2を有する貫通孔24aがその略中央に形成され、この貫通孔24aにGM計数管22の先端または基端が挿入されることによって弾性変形してGM計数管22を保持する第1保持部材24と、筐体21と同様に合成樹脂からなり、第1保持部材24を囲繞して保持する第2保持部材25とを有している。
【0021】
第2保持部材25はさらに、筐体21と一体形成された支持台部25aと、ボルト26によって支持台部25aに締結されるホルダ部25bとから構成されており、ボルト26により一体に締結された状態で矩形断面に形成される貫通内壁面25cにより第1保持部材24を所定の保持圧で保持するとともに、ボルト26を緩めてホルダ部25bを支持台部25aから離脱させることで第1保持部材24を容易に着脱できるようになっている。
【0022】
なお、GM計数管22の基端側(リード線22c側)の保持ブラケット23は、GM計数管22を挟んで左右に一対且つGM計数管22の軸方向に2列の合計4本のボルト26により支持台部25aとホルダ部25bとが一体に締結されており、GM計数管22の先端側の保持ブラケット23は、GM計数管22を挟んで左右に一対の合計2本のボルト26により支持台部25aとホルダ部25bとが一体に締結されている。
【0023】
ここでは第1保持部材24の素材として、容易に弾性変形可能な合成スポンジが用いられている。第1保持部材24が容易に弾性変形可能であり且つその略中央に貫通孔24aを有することにより、この貫通孔24aにGM計数管22を挿入するだけで様々な外径D1のGM計数管22を第1保持部材24に装着することが可能であるとともに、様々な長さ(軸方向長さ)のGM計数管22を第1保持部材24に装着することが可能になっている。
【0024】
保持ブラケット23がこのように構成されたことにより、第2保持部材25は第1保持部材24を確実に保持し得るような剛性の高い素材・構成で形成し、第1保持部材24は入手できるGM計数管22に合わせて弾性変形可能あるいは容易に交換可能となっている。そのため、外形寸法の異なる複数種或いはメーカーのGM計数管22を保持ブラケット23により容易に放射線量計測装置20に組み付けることができる。
【0025】
また、GM計数管22は消耗品であり、長期間にわたって継続使用するような場合には交換が必要になるが、第2保持部材25が第1保持部材24をボルト26によって着脱可能に保持するため、第1保持部材24を脱着するだけで容易にGM計数管22を交換でき、外形寸法の異なるGM計数管22に交換することもできる。
【0026】
[開示装置]
開示装置40は、放射線量をマイクロシーベルト/時間(μSv/h)単位で表したときに、小数点以上の数値を表すべく3桁の8の字形にLEDを配列した第1表示パネル41と、小数点以下の数値を表すべく2桁の8の字形にLEDを配列した第2表示パネル42とを有しており、制御装置30によって制御されて放射線量の測定値を点灯表示ようになっている。
【0027】
開示装置40は、近隣住民に放射線量の測定値を開示するものであるために放射線量監視公開装置1の視認し易い位置に設置される。ここでは、本体筐体部13の前面パネルにおいて、地上高さ1.5m程度の位置に設置されている。
【0028】
[警報装置]
警報装置50は、赤色回転灯51と、緑色回転灯52とからなり、放射線量が所定の閾値を超えた場合や制御装置30の異常時などに制御装置30によって回転駆動されるようになっている。警報装置50も、近隣住民に対して警報を発するものであるために放射線量監視公開装置1の視認し易い位置に設置され、本体筐体部13の上方に突出するように地上高さ1.8m程度の位置に設置されている。
【0029】
[制御装置]
制御装置30は、放射線量計測装置20、開示装置40および警報装置50を制御するものであって、図4に示すように、電源スイッチ31と、数字ボタンや矢印ボタンなどにより構成されるキーボードブロック32と、液晶パネルによる表示ブロック33と、表示ブロック33の輝度を調整するための輝度調整つまみ34とを有する操作パネル35から構成されている。操作パネル35は、ボルト等により本体筐体部13に内側から固定される。
【0030】
キーボードブロック32は、略正方形の16個のタッチキーにより構成され、後述する放射線量閾値の設定やGM計数管22の校正値の設定など各種設定を行う際の設定入力手段である。表示ブロック33は、液晶ディスプレイにより構成され、放射線量閾値の設定画面やGM計数管22の校正値の設定画面など各種設定を行う際の画面を表示する。
【0031】
制御装置30は一種のコンピュータであり、操作パネル面の裏側には演算を実行するプロセッサ(CPU)、各種データを一時記憶する記憶領域およびプロセッサによる演算の作業領域を提供するランダム・アクセス・メモリ(RAM)、プロセッサが実行するプログラムおよび演算に使用する各種のデータが予め格納されている読み出し専用メモリ(ROM)、電源装置、およびプロセッサによる演算の結果および各部から得られたデータのうち保存しておくものを格納する書き換え可能な外部メモリを備えている。
【0032】
ここでは、上記したように外部メモリはUSBメモリカードにより構成されており、開閉扉14を開いてUSBメモリカードの交換ができるようになっている。なお、放射線量計測装置20及び開示装置40への電源供給は制御装置30の電源装置が行っている。
【0033】
図5の機能ブロック図に示すように、制御装置30は、放射線量計測装置20との接続部をなすインターフェース36を有しており、このインターフェース36を介して放射線量計測装置20の検出信号がシステム制御部37に入力する。
【0034】
システム制御部37は、放射線量計測装置20からの検出信号をカウントし、カウント値に基づいて、所定時間ごとの測定データを演算するとともに、設定された校正値に基づいて演算値を校正し、設定時間当たりの放射線量をマイクロシーベルト/時間(mSv/h)単位で算出する。
【0035】
ここで、校正値は、各GM計数管22について事前に校正試験を行って求めておいたものであり、放射線量計測装置20に組み付ける際にそのGM計数管22についてキーボードブロック32から入力された値である。或いは、放射線量監視公開装置1の製造者またはGM計数管22の交換作業員が、インターフェース36を介して接続したパーソナルコンピュータ(PC)60から、組み付けるGM計数管22ごとに校正値を設定するようにしてもよい。
【0036】
また、上記設定時間は、例えば放射線量の変化を示すのに適当と考えられる10秒に固定されている。或いは、デフォルト値として上記設定時間を例えば10秒に設定しておき、制御装置30のキーボードブロック32からの入力やインターフェース36を介したパーソナルコンピュータ60からの指示により上記設定時間を適宜変更できるようにしてもよい。
【0037】
システム制御部37は、開示装置40を駆動して算出した設定時間(10秒)当たりの放射線量を次の設定時間(10秒)にわたって表示するとともに、算出した放射線量が設定された閾値を超えている場合には、赤色回転灯51を次の設定時間(10秒)にわたって駆動して視覚的に警報を発する。なお、赤色回転灯51に連動する警報ブザーや拡声器などを更に備えるように警報装置50を構成し、赤色回転灯51の駆動とともにこれら警報ブザーや拡声器などによって聴覚的にも警報やメッセージを発するようにしてもよい。
【0038】
ここで、上記閾値は、放射線量監視公開装置1が設置される測定地点のカテゴリや政府または地方自治体が設定する基準値などに応じ、キーボードブロック32からの入力やインターフェース36を介したパーソナルコンピュータ60からの指示により適宜設定される。例えば年間の被曝基準値が10ミリシーベルの場合、その時間平均値である1.14マイクロシーベルトや、瞬間変動を許容すべく時間平均値に所定の計数を乗算した値を閾値として設定すればよい。
【0039】
システム制御部37により算出された放射線量は、測定データ演算部38へ送られる。測定データ演算部38は、システム制御部37が算出した放射線量を所定のデータ演算期間について所定の演算を行う。例えば、測定データ演算部38は、データ演算期間を15分とし、各データ演算期間での最大放射線量、最小放射線量、平均放射線量および積算放射線量などを演算する。測定データ演算部38により演算されたデータは、測定データ蓄積部39によって外部メモリ(USBメモリカード)に書き込まれ、蓄積される。このような構成とすることで、蓄積データ量を小さくして1つのUSBメモリカードに蓄積可能な期間を長くし得るとともに、積算被曝量など被曝の把握に重要な測定データの全てを保存することができる。
【0040】
USBメモリカードは取り外し自在であり、取り外したUSBメモリカードをパーソナルコンピュータ60に接続することで、或いはインターフェース36を介してパーソナルコンピュータ60を制御装置30に接続してUSBメモリカード内に蓄積されたデータを取り込むことで、パーソナルコンピュータ60においてこれらデータの編集やプリントを行うことが可能である。
【0041】
一方、測定データ蓄積部39は、USBメモリカードがカードスロットに正しく挿入されていない場合や、USBメモリカードの異常を検出した場合などに緑色回転灯52を継続的に駆動して視覚的に警報を発する。なお、緑色回転灯52に連動する警報ブザーや拡声器などを更に備えるように警報装置50を構成し、緑色回転灯52の駆動とともにこれら警報ブザーや拡声器などによって聴覚的にも警報やメッセージを発するようにしてもよい。
【0042】
このように、放射線量計測装置20によって計測された放射線量を開示装置40がリアルタイムに公開するとともに、放射線量が所定の閾値を超えた場合に警報装置50(赤色回転灯51)が警報を発することで、放射線量が基準範囲内に抑えられているかどうかを近隣住民自らがチェックすることが可能となる。
【0043】
なお、放射線量監視公開装置1を構成する開示装置40は1台に限られるものではない。複数の開示装置40を制御装置30に接続し、異なる場所に設置するようにすれば、近隣住民がより容易に放射線量を監視できるようになり、また、より多くの近隣住民に測定値を開示することができるので、近隣住民に対する放射線量の周知をより一層図ることができる。
【0044】
また、放射線量監視公開装置1にインタホンの子機などの通話もしくは通信手段を取り付けてもよく、この子機を市町村役場や管理業者など放射線量監視公開装置1の管理者側の親機と接続しておけば、近隣住民や管理者が問い合わせや故障の連絡などを即座に行うことができ、近隣住民の放射線汚染による不安を一層払拭することができる。また、測定データ蓄積部39に蓄積されたデータを通信手段を介して転送できるように構成してもよい。このようにすれば、測定地点の放射線量が高く、USBメモリカードの交換やUSBメモリカードから有線でのデータのダウンロードができないような場合であっても、継続的に測定地点の放射線量を監視することができる。
【0045】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各部材の具体的形状や配置などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。さらに、上記実施形態に示した本発明に係る放射線量監視公開装置1は、必ずしも全ての要素を必須とするものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 放射線量監視公開装置
10 装置架台
20 放射線量計測装置
21 筐体
22 GM計数管
23 保持ブラケット(保持手段)
24 第1保持部材
24a 貫通孔
25 第2保持部材
30 制御装置
40 開示装置
50 警報装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を検知するGM計数管を有する放射線量計測装置と、前記放射線量計測装置によって計測された放射線量を公衆に公開表示する開示装置と、前記放射線量計測装置によって計測された放射線量が所定の閾値を超えた場合に警報を発する警報装置とを備え、
前記放射線量計測装置は、前記GM計数管を収容する筐体と、前記GM計数管を前記筐体内に保持するための保持手段とを備え、当該保持手段は、前記GM計数管の周囲を囲繞して前記GM計数管を保持する比較的剛性の低い第1保持部材24と、第1保持部材24を着脱可能に保持する比較的剛性の高い第2保持部材とを有することを特徴とする放射線量監視公開装置。
【請求項2】
前記第1保持部材は、前記GM計数管の外径よりも小さな直径を有する貫通孔が形成された合成スポンジであることを特徴とする、請求項1に記載の放射線量監視公開装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−233840(P2012−233840A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104058(P2011−104058)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(596025548)株式会社アルファ通信 (2)
【Fターム(参考)】