放熱パッケージ基板及びその製造方法
【課題】放熱効率を増大させる放熱パッケージ基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】冷媒注入用凹部104に冷媒106が注入されたヒートパイプ102に、冷媒106をカバーするように、上部に回路層114aが形成された絶縁層108が付着されたヒートパイプ基板116a、及び回路層114aに実装された電子部品120を含んでなるもので、冷媒106及びヒートパイプ102の放熱作用によって放熱効率が増大する。
【解決手段】冷媒注入用凹部104に冷媒106が注入されたヒートパイプ102に、冷媒106をカバーするように、上部に回路層114aが形成された絶縁層108が付着されたヒートパイプ基板116a、及び回路層114aに実装された電子部品120を含んでなるもので、冷媒106及びヒートパイプ102の放熱作用によって放熱効率が増大する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放熱パッケージ基板及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品の小型化、高密度化及び薄型化につれて、パッケージ基板も薄型化、高機能化に対する研究が活発に進んでいる。
【0003】
特に、液晶表示装置の需要が増加するにしたがい、バックライトユニット(Back Light Unit)の光源から放出される熱を放出することができる放熱パッケージ基板に対する研究が注目されている。
【0004】
バックライトユニットの光源としては、円筒状の発光ランプである冷陰極管(Cold Cathode Fluorescent Lamp;CCFL)が一般的に使用されてきたが、近年には携帯電話などに用いられる小型液晶パネルを中心として発光ダイオード(Light Emitting Diode;以下、LED)が主に使用されている。
【0005】
発光ダイオードは、環境に優しいながらも迅速な処理速度及び省エネルギー効果がある点で次世代光源として注目されているが、活性層でエネルギーが光の形態だけでなく熱の形態でも放出されるため、特に放熱問題を解決するための方案が求められている。
【0006】
図1は従来技術による放熱パッケージ基板の概略断面図である。
【0007】
図1に示すように、従来技術による放熱パッケージ基板10は、メタルコア12の一面に熱伝導度の高い放熱フィラー16が含まれた放熱絶縁層14及び回路層18aが形成され、この回路層18aにLED20が実装された構造を持つ。
【0008】
このような従来技術による放熱パッケージ基板10は、図1に矢印で示すように、LED20から放出される熱が放熱絶縁層14を介してメタルコア12に伝達されることにより、放熱がなされる。
【0009】
しかしながら、従来技術に使用される放熱絶縁層14は、高価であるため、パッケージ基板の値段も一緒に上昇する問題点があるだけではなく、LED20から放出される熱がメタルコア12に直接伝達されるものではなく、放熱絶縁層14を介して間接的に伝達されるから、放熱効率が落ちる問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明は前記のような問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、放熱効率を増大させることができる放熱パッケージ基板及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明の一面によれば、冷媒注入用凹部に冷媒が注入されたヒートパイプに、前記冷媒をカバーするように、上部に回路層が形成された絶縁層が付着されたヒートパイプ基板;及び前記回路層に実装された電子部品;を含む、放熱パッケージ基板が提供される。
【0012】
前記冷媒は、前記絶縁層と直接接触することが好ましい。
【0013】
前記絶縁層の両側端は、前記冷媒注入用凹部を形成する前記ヒートパイプの両側壁と接触して付着されることが好ましい。
【0014】
前記絶縁層の両側端と前記ヒートパイプの両側壁は、その間に介在される熱伝導接着剤を介して付着されることが好ましい。
【0015】
前記ヒートパイプの両側壁は、前記絶縁層の両側端に形成されたビアを介して前記回路層に連結されていることが好ましい。
【0016】
前記ヒートパイプの両側壁は、前記絶縁層の両側端に形成されたバンプを介して前記回路層に連結されていることが好ましい。
【0017】
前記電子部品は、LEDであることが好ましい。
【0018】
前記目的を達成するために、本発明の他の面によれば、(A)冷媒注入用凹部に冷媒が注入されたヒートパイプに、前記冷媒をカバーするように、上部に金属層が形成された絶縁層を付着する段階;(B)前記金属層をパターニングして回路層を形成することで、ヒートパイプ基板を製造する段階;及び(C)前記回路層に電子部品を実装する段階;を含む、放熱パッケージ基板の製造方法が提供される。
【0019】
前記冷媒は、前記絶縁層と直接接触することが好ましい。
【0020】
前記絶縁層の両側端は、前記冷媒注入用凹部を形成する前記ヒートパイプの両側壁と接触して付着されることが好ましい。
【0021】
前記絶縁層の両側端と前記ヒートパイプの両側壁は、その間に介在される熱伝導接着剤を介して付着されることが好ましい。
【0022】
前記ヒートパイプの両側壁は、前記絶縁層の両側端に形成されたビアを介して前記回路層に連結されていることが好ましい。
【0023】
前記(B)段階は、(B1)前記絶縁層に、前記ヒートパイプの両側壁を露出させるビアホールを加工する段階;(B2)前記ビアホールの内部とともに前記金属層にメッキ層を形成する段階;及び(B3)前記金属層及びメッキ層をパターニングして回路層を形成する段階;を含むことが好ましい。
【0024】
前記電子部品は、LEDであることが好ましい。
【0025】
本発明の特徴及び利点は添付図面に基づいた以降の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0026】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び請求範囲に使用された用語や単語は通常的で辞書的な意味に解釈されてはいけなく、発明者がその自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されなければならない。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る放熱パッケージ基板は、冷媒を備えたヒートパイプを含み、冷媒及びヒートパイプの放熱作用によって放熱効率が増大する効果がある。
【0028】
また、本発明に係る放熱パッケージ基板は、電子部品に連結される回路層がビアまたはバンプを介してヒートパイプに連結されて熱を直接伝達することにより、放熱効率が増大する効果がある。
【0029】
次に、本発明に係る放熱パッケージ基板は、ビアまたはバンプを介して電子部品に放出される熱を直接ヒートパイプに伝達することにより、熱伝導度の高い放熱フィラーが含まれた高価の放熱絶縁層を使用しなくても放熱効率が一層増大する効果がある。
【0030】
また、本発明に係る放熱パッケージ基板は、冷媒が絶縁層と直接接触することにより、伝熱経路が短くなって放熱効率が一層増大する効果がある。
【0031】
更に、本発明に係る放熱パッケージ基板の製造方法は、回路及び放熱部材を備えたヒートパイプ基板を一括して先に製造した状態で電子部品を実装することにより、放熱パッケージ基板の製造が一層容易になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】従来技術による放熱パッケージ基板の断面図である。
【図2】本発明の好適な第1実施例による放熱パッケージ基板の断面図である。
【図3】本発明の好適な第2実施例による放熱パッケージ基板の断面図である。
【図4】本発明の好適な第3実施例による放熱パッケージ基板の断面図である。
【図5】図2に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(1)である。
【図6】図2に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(2)である。
【図7】図2に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(3)である。
【図8】図2に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(4)である。
【図9】図3に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(1)である。
【図10】図3に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(2)である。
【図11】図3に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(3)である。
【図12】図3に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(4)である。
【図13】図4に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(1)である。
【図14】図4に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(2)である。
【図15】図4に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(3)である。
【図16】図4に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(4)である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の目的、利点及び特徴は添付図面を参照する以下の詳細な説明及び好適な実施例からもっと明らかになろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際して、同じ構成要素には、たとえ異なる図面に表示されていても、できるだけ同一符号を付けることにする。また、本発明の説明において、関連の公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにすることができると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0034】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
【0035】
(放熱パッケージ基板の構造−第1実施例)
図2は本発明の好適な第1実施例による放熱パッケージ基板の断面図である。以下、同図に基づいて、本実施例による放熱パッケージ基板100aについて説明すれば次のようである。
【0036】
図2に示すように、本実施例による放熱パッケージ基板100aは、ヒートパイプ基板116a及び電子部品120を含んでなるものである。
【0037】
ヒートパイプ基板116aは、冷媒注入用凹部104に冷媒106が注入されたヒートパイプ102に、冷媒106をカバーするように、上部に回路層114aが形成された絶縁層108が付着された構造を持つ。
【0038】
ここで、ヒートパイプ102は、放熱機能をするためのもので、高熱伝導度の金属、例えば、ステンレススチール、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、タンタル(Ta)、及びこれらの合金の中でいずれか1種で形成される。また、ヒートパイプ102は放熱機能を果たすとともにパッケージ基板の変形を最小化するために、熱膨張係数の小さい金属、例えば鉄の熱膨張係数の約1/10である鉄とニッケルの合金(Invar)で形成されることが好ましい。
【0039】
また、ヒートパイプ102は、内部に冷媒注入用凹部104が形成された構造を持つ。すなわち、ヒートパイプ102の一面は冷媒注入用凹部104によって開放し、他面は閉鎖した構造を持つ。
【0040】
冷媒106は、気化または凝縮しながら電子部品120及び回路層114aから伝達される熱を放出するためのもので、例えば蒸留水が使用される。この際、冷媒はヒートパイプ102の冷媒注入用凹部104に注入され、絶縁層108と直接接触することになる。
【0041】
絶縁層108は、上部に回路層114aが形成され、冷媒注入用凹部104が形成されたヒートパイプ102の一面に付着(積層)される。
【0042】
すなわち、絶縁層108は、両側端が冷媒注入用凹部104を形成するヒートパイプ102の側壁と接触して付着される。この際、絶縁層108の両側端とヒートパイプ102の側壁とのの間に熱伝導接着剤が介在して接着力を向上させることができる。これにより、冷媒106は絶縁層108と直接接触した状態で、ヒートパイプ102が形成する冷媒注入用凹部104に拘束され、絶縁層108と直接接触するので、伝熱経路が最小化して迅速な放熱を果たすことになる。
【0043】
また、電子部品120は、例えば液晶表示装置に使用されるLEDである。
【0044】
(放熱パッケージ基板の構造−第2実施例)
図3は本発明の好適な第2実施例による放熱パッケージ基板の断面図である。以下、同図に基づいて本実施例による放熱パッケージ基板100bについて説明する。
【0045】
図3に示すように、本実施例による放熱パッケージ基板100bは、第1実施例による放熱パッケージ基板100aにおいて、ヒートパイプ102の側壁と回路層114bがビア113を介して連結されたことを特徴とするものである。
【0046】
すなわち、第1実施例による放熱構造において、回路層114bを介して伝達される熱がビア113を介してヒートパイプ102に直接伝達されるようにすることにより、放熱効率が一層改善された構造を提供することができる。この際、回路層114bは、金属層110とメッキ層112からなるものである。
【0047】
(放熱パッケージ基板の構造−第3実施例)
図4は本発明の好適な第3実施例による放熱パッケージ基板の断面図である。以下、同図に基づいて本実施例による放熱パッケージ基板100cについて説明する。
【0048】
図4に示すように、本実施例による放熱パッケージ基板100cは、第1実施例による放熱パッケージ基板100aにおいて、ヒートパイプ102の側壁と回路層114cがバンプBを介して連結されたことを特徴とするものである。
【0049】
すなわち、第1実施例による放熱構造において、回路層114cを介して伝達される熱がバンプBを介してヒートパイプ102に直接伝達されるようにすることにより、放熱効率が一層改善された構造を提供することができる。
【0050】
(放熱パッケージ基板の製造方法−第4実施例)
図5〜図7は図2に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図である。以下、同図に基づいて本実施例による放熱パッケージ基板100aの製造方法を説明する。
【0051】
まず、図5に示すように、内部に開放冷媒注入用凹部104が形成されたヒートパイプ102の冷媒注入用凹部104に冷媒106を注入し、上部に金属層110が形成された絶縁層108を、前記冷媒106をカバーするように、前記ヒートパイプ102に付着する。
【0052】
この際、冷媒106は絶縁層108の両側端を除く中間部と接触した状態で絶縁層108によってカバーされる。
【0053】
また、絶縁層108の両側端は、冷媒注入用凹部104によって形成されるヒートパイプ102の両側壁と接触した状態で付着する。すなわち、絶縁層108の両側端を加熱して半硬化状態にした状態で、ヒートパイプ102の両側壁の上側に配置して硬化させることにより、ヒートパイプ102に絶縁層108が付着されることができる。
【0054】
一方、図示しないが、ヒートパイプ102と絶縁層108の接着力を増大させるために、絶縁層108の両側端部とヒートパイプ102の両側壁との間に熱伝導接着剤を介在して接着力を増大させることが好ましい。
【0055】
ついで、図6に示すように、金属層110をパターニングして回路層114aを形成し、ヒートパイプ基板116aを製造する。
【0056】
この際、回路層114aは一般的な回路形成方法によって形成することができる。例えば、金属層110上にドライフィルム(DF)層を積層し、露光、現像及びエッチング工程を行うサブトラックティブ工法(subtractive method)によって形成することができる。
【0057】
最後に、図7に示すように、回路層114aに電子部品120を実装して放熱パッケージ基板100aを完成する。本実施例においては、ヒートパイプ基板116aを一括して製造した状態で電子部品120を実装することにより、工程収率を増大させることができる。
【0058】
前述したような製造方法によって、図2に示す放熱パッケージ基板100aが製造される。
【0059】
(放熱パッケージ基板の製造方法−第5実施例)
図8〜図12は図3に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図である。以下、同図に基づいて本実施例による放熱パッケージ基板の製造方法を説明する。本実施例の説明において、第4実施例と同一ないし類似の構成要素に対しては同一符号を付け、その重複説明は省略する。
【0060】
まず、図8に示すように、内部に開放冷媒注入用凹部104が形成されたヒートパイプ102の冷媒注入用凹部104に冷媒106を注入し、上部に金属層110が形成された絶縁層108を、前記冷媒106をカバーするように、前記ヒートパイプ102に付着する。
【0061】
ついで、図9に示すように、絶縁層108及び金属層110にビアホールHを加工する。
【0062】
この際、ビアホールHはヒートパイプ102の両側壁を露出させる構造を持つ。これは、機械ドリルまたはレーザードリル(CO2またはYagレーザー)によって形成可能である。
【0063】
一方、ビアホールHの加工の後には、デバリングまたはデスミア(desmear)工程を行うことが好ましい。
【0064】
ついで、図10に示すように、ビアホールHの内部とともに金属層110上に銅メッキ工程を行ってメッキ層112を形成する。
【0065】
この際、メッキ層112は、無電解メッキ工程によって形成された無電解メッキ層と、この無電解メッキ層上に電解メッキ工程によって形成された電解メッキ層とからなるものである。
【0066】
ついで、図11に示すように、金属層110及びメッキ層112をパターニングして、ビア113を含む回路層114bを形成することでヒートパイプ基板116bを製造する。
【0067】
ここで、回路層114bは、メッキ層112上にドライフィルム(DF)のようなエッチングレジストを塗布してからパターニングし、これをマスクとして用いて、エッチングレジストが形成されなかった領域の金属層110及びメッキ層112を食刻した後、エッチングレジストを除去することで形成される。
【0068】
この際、ビア113はヒートパイプ102の両側壁に連結されるので、電子部品120から発生する熱をヒートパイプ102に直接伝達する役目をすることになる。
【0069】
最後に、図12に示すように、回路層114bに電子部品120を実装する。
【0070】
前述したような製造方法によって、図3に示す放熱パッケージ基板100bが製造される。
【0071】
(放熱パッケージ基板の製造方法−第6実施例)
図13〜図16は図4に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図である。以下、同図に基づいて本実施例による放熱パッケージ基板の製造方法について説明する。本実施例の説明において、第4実施例及び第5実施例同一ないし類似の構成要素には同一符号を付け、その重複説明は省略する。
【0072】
まず、図13に示すように、冷媒注入用凹部104に冷媒106が注入されたヒートパイプ102の両側壁の上部にバンプBを形成する。
【0073】
ここで、バンプBは、例えば、スクリーンプリント方式によって形成することができる。スクリーンプリントは、開口部が形成されたマスクを通して導電性ペーストを転写する過程によってバンプを印刷する方式である。
【0074】
すなわち、マスクの開口部の位置を整列し、導電性ペーストをマスクの上面に塗布する。そして、スキージー(squeegee)などを利用して導電性ペーストを掻き出せば、開口部を通じて導電性ペーストが押し込みながらヒートパイプ102上に転写され、所望の形状及び高さに形成することが可能である。
【0075】
もちろん、他の公知の方法によってバンプBを印刷することも本発明の範疇内に含まれる。
【0076】
ついで、図14に示すように、バンプBが形成されたヒートパイプ102に絶縁層108及び金属層110を積層する。
【0077】
この際、絶縁層108は、印刷されたバンプBの高さより小さな厚さを持つように形成することが好ましく、バンプBが印刷されたヒートパイプ102に絶縁層108を積層することで形成される。
【0078】
ここで、バンプBは、絶縁層108を貫くように、絶縁層108より強度が高いものが好ましく、絶縁層108は熱硬化性樹脂で形成された半硬化状態のプリプレグが好ましい。好ましくは、絶縁層108はバンプBの高さより小さな厚さを持つので、バンプBはその高さの差分だけ絶縁層108を貫くことになる。
【0079】
また、金属層110は、真空状態で絶縁層108を軟化温度以上に加熱するとともに表面が平たいステンレス板のようなプレス板で加圧することにより、絶縁層108上に積層することができる。この際、金属層110は、例えば銅箔層が使用可能である。
【0080】
一方、絶縁層108及び金属層110を一括して積層することも可能である。
【0081】
ついで、図15に示すように、金属層110をパターニングして回路層114cを形成することでヒートパイプ基板116cを製造する。
【0082】
ここで、回路層114cは通常のサブトラクティブ法によって形成される。すなわち、金属層110上にドライフィルム(DF)層を積層し、露光、現像及びエッチング工程を行うことで形成することができる。
【0083】
この際、金属層110としては一般的な銅箔層が使用可能であり、パターニングの際に使用されるエッチング液は塩化鉄(FeCl5)腐食液、5塩化銅腐食液(CuCl5)、アルカリ腐食液、及び過酸化水素/硫酸系(H2O5/H2SO4)腐食液などがある。
【0084】
最後に、図16に示すように、回路層114bに電子部品120を実装する。
【0085】
前述したような製造方法によって、図4に示す放熱パッケージ基板100cが製造される。
【0086】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのもので、本発明による放熱パッケージ基板及びその製造方法はこれに限定されなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を持った者によって多様な変形及び改良が可能であろう。本発明の単純な変形ないし変更はいずれも本発明の範疇内に属するもので、本発明の具体的な保護範囲は特許請求範囲によって明らかに決まるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、放熱効率を増大させる放熱パッケージ基板及びその製造方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0088】
102 ヒートパイプ
104 冷媒注入用凹部
106 冷媒
108 絶縁層
110 金属層
112 メッキ層
113 ビア
114a、114b、114c 回路層
116a、116b、116c ヒートパイプ基板
120 電子部品
H ビアホール
B バンプ
【技術分野】
【0001】
本発明は放熱パッケージ基板及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品の小型化、高密度化及び薄型化につれて、パッケージ基板も薄型化、高機能化に対する研究が活発に進んでいる。
【0003】
特に、液晶表示装置の需要が増加するにしたがい、バックライトユニット(Back Light Unit)の光源から放出される熱を放出することができる放熱パッケージ基板に対する研究が注目されている。
【0004】
バックライトユニットの光源としては、円筒状の発光ランプである冷陰極管(Cold Cathode Fluorescent Lamp;CCFL)が一般的に使用されてきたが、近年には携帯電話などに用いられる小型液晶パネルを中心として発光ダイオード(Light Emitting Diode;以下、LED)が主に使用されている。
【0005】
発光ダイオードは、環境に優しいながらも迅速な処理速度及び省エネルギー効果がある点で次世代光源として注目されているが、活性層でエネルギーが光の形態だけでなく熱の形態でも放出されるため、特に放熱問題を解決するための方案が求められている。
【0006】
図1は従来技術による放熱パッケージ基板の概略断面図である。
【0007】
図1に示すように、従来技術による放熱パッケージ基板10は、メタルコア12の一面に熱伝導度の高い放熱フィラー16が含まれた放熱絶縁層14及び回路層18aが形成され、この回路層18aにLED20が実装された構造を持つ。
【0008】
このような従来技術による放熱パッケージ基板10は、図1に矢印で示すように、LED20から放出される熱が放熱絶縁層14を介してメタルコア12に伝達されることにより、放熱がなされる。
【0009】
しかしながら、従来技術に使用される放熱絶縁層14は、高価であるため、パッケージ基板の値段も一緒に上昇する問題点があるだけではなく、LED20から放出される熱がメタルコア12に直接伝達されるものではなく、放熱絶縁層14を介して間接的に伝達されるから、放熱効率が落ちる問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明は前記のような問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、放熱効率を増大させることができる放熱パッケージ基板及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明の一面によれば、冷媒注入用凹部に冷媒が注入されたヒートパイプに、前記冷媒をカバーするように、上部に回路層が形成された絶縁層が付着されたヒートパイプ基板;及び前記回路層に実装された電子部品;を含む、放熱パッケージ基板が提供される。
【0012】
前記冷媒は、前記絶縁層と直接接触することが好ましい。
【0013】
前記絶縁層の両側端は、前記冷媒注入用凹部を形成する前記ヒートパイプの両側壁と接触して付着されることが好ましい。
【0014】
前記絶縁層の両側端と前記ヒートパイプの両側壁は、その間に介在される熱伝導接着剤を介して付着されることが好ましい。
【0015】
前記ヒートパイプの両側壁は、前記絶縁層の両側端に形成されたビアを介して前記回路層に連結されていることが好ましい。
【0016】
前記ヒートパイプの両側壁は、前記絶縁層の両側端に形成されたバンプを介して前記回路層に連結されていることが好ましい。
【0017】
前記電子部品は、LEDであることが好ましい。
【0018】
前記目的を達成するために、本発明の他の面によれば、(A)冷媒注入用凹部に冷媒が注入されたヒートパイプに、前記冷媒をカバーするように、上部に金属層が形成された絶縁層を付着する段階;(B)前記金属層をパターニングして回路層を形成することで、ヒートパイプ基板を製造する段階;及び(C)前記回路層に電子部品を実装する段階;を含む、放熱パッケージ基板の製造方法が提供される。
【0019】
前記冷媒は、前記絶縁層と直接接触することが好ましい。
【0020】
前記絶縁層の両側端は、前記冷媒注入用凹部を形成する前記ヒートパイプの両側壁と接触して付着されることが好ましい。
【0021】
前記絶縁層の両側端と前記ヒートパイプの両側壁は、その間に介在される熱伝導接着剤を介して付着されることが好ましい。
【0022】
前記ヒートパイプの両側壁は、前記絶縁層の両側端に形成されたビアを介して前記回路層に連結されていることが好ましい。
【0023】
前記(B)段階は、(B1)前記絶縁層に、前記ヒートパイプの両側壁を露出させるビアホールを加工する段階;(B2)前記ビアホールの内部とともに前記金属層にメッキ層を形成する段階;及び(B3)前記金属層及びメッキ層をパターニングして回路層を形成する段階;を含むことが好ましい。
【0024】
前記電子部品は、LEDであることが好ましい。
【0025】
本発明の特徴及び利点は添付図面に基づいた以降の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0026】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び請求範囲に使用された用語や単語は通常的で辞書的な意味に解釈されてはいけなく、発明者がその自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されなければならない。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る放熱パッケージ基板は、冷媒を備えたヒートパイプを含み、冷媒及びヒートパイプの放熱作用によって放熱効率が増大する効果がある。
【0028】
また、本発明に係る放熱パッケージ基板は、電子部品に連結される回路層がビアまたはバンプを介してヒートパイプに連結されて熱を直接伝達することにより、放熱効率が増大する効果がある。
【0029】
次に、本発明に係る放熱パッケージ基板は、ビアまたはバンプを介して電子部品に放出される熱を直接ヒートパイプに伝達することにより、熱伝導度の高い放熱フィラーが含まれた高価の放熱絶縁層を使用しなくても放熱効率が一層増大する効果がある。
【0030】
また、本発明に係る放熱パッケージ基板は、冷媒が絶縁層と直接接触することにより、伝熱経路が短くなって放熱効率が一層増大する効果がある。
【0031】
更に、本発明に係る放熱パッケージ基板の製造方法は、回路及び放熱部材を備えたヒートパイプ基板を一括して先に製造した状態で電子部品を実装することにより、放熱パッケージ基板の製造が一層容易になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】従来技術による放熱パッケージ基板の断面図である。
【図2】本発明の好適な第1実施例による放熱パッケージ基板の断面図である。
【図3】本発明の好適な第2実施例による放熱パッケージ基板の断面図である。
【図4】本発明の好適な第3実施例による放熱パッケージ基板の断面図である。
【図5】図2に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(1)である。
【図6】図2に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(2)である。
【図7】図2に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(3)である。
【図8】図2に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(4)である。
【図9】図3に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(1)である。
【図10】図3に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(2)である。
【図11】図3に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(3)である。
【図12】図3に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(4)である。
【図13】図4に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(1)である。
【図14】図4に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(2)である。
【図15】図4に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(3)である。
【図16】図4に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図(4)である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の目的、利点及び特徴は添付図面を参照する以下の詳細な説明及び好適な実施例からもっと明らかになろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際して、同じ構成要素には、たとえ異なる図面に表示されていても、できるだけ同一符号を付けることにする。また、本発明の説明において、関連の公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにすることができると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0034】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
【0035】
(放熱パッケージ基板の構造−第1実施例)
図2は本発明の好適な第1実施例による放熱パッケージ基板の断面図である。以下、同図に基づいて、本実施例による放熱パッケージ基板100aについて説明すれば次のようである。
【0036】
図2に示すように、本実施例による放熱パッケージ基板100aは、ヒートパイプ基板116a及び電子部品120を含んでなるものである。
【0037】
ヒートパイプ基板116aは、冷媒注入用凹部104に冷媒106が注入されたヒートパイプ102に、冷媒106をカバーするように、上部に回路層114aが形成された絶縁層108が付着された構造を持つ。
【0038】
ここで、ヒートパイプ102は、放熱機能をするためのもので、高熱伝導度の金属、例えば、ステンレススチール、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、タンタル(Ta)、及びこれらの合金の中でいずれか1種で形成される。また、ヒートパイプ102は放熱機能を果たすとともにパッケージ基板の変形を最小化するために、熱膨張係数の小さい金属、例えば鉄の熱膨張係数の約1/10である鉄とニッケルの合金(Invar)で形成されることが好ましい。
【0039】
また、ヒートパイプ102は、内部に冷媒注入用凹部104が形成された構造を持つ。すなわち、ヒートパイプ102の一面は冷媒注入用凹部104によって開放し、他面は閉鎖した構造を持つ。
【0040】
冷媒106は、気化または凝縮しながら電子部品120及び回路層114aから伝達される熱を放出するためのもので、例えば蒸留水が使用される。この際、冷媒はヒートパイプ102の冷媒注入用凹部104に注入され、絶縁層108と直接接触することになる。
【0041】
絶縁層108は、上部に回路層114aが形成され、冷媒注入用凹部104が形成されたヒートパイプ102の一面に付着(積層)される。
【0042】
すなわち、絶縁層108は、両側端が冷媒注入用凹部104を形成するヒートパイプ102の側壁と接触して付着される。この際、絶縁層108の両側端とヒートパイプ102の側壁とのの間に熱伝導接着剤が介在して接着力を向上させることができる。これにより、冷媒106は絶縁層108と直接接触した状態で、ヒートパイプ102が形成する冷媒注入用凹部104に拘束され、絶縁層108と直接接触するので、伝熱経路が最小化して迅速な放熱を果たすことになる。
【0043】
また、電子部品120は、例えば液晶表示装置に使用されるLEDである。
【0044】
(放熱パッケージ基板の構造−第2実施例)
図3は本発明の好適な第2実施例による放熱パッケージ基板の断面図である。以下、同図に基づいて本実施例による放熱パッケージ基板100bについて説明する。
【0045】
図3に示すように、本実施例による放熱パッケージ基板100bは、第1実施例による放熱パッケージ基板100aにおいて、ヒートパイプ102の側壁と回路層114bがビア113を介して連結されたことを特徴とするものである。
【0046】
すなわち、第1実施例による放熱構造において、回路層114bを介して伝達される熱がビア113を介してヒートパイプ102に直接伝達されるようにすることにより、放熱効率が一層改善された構造を提供することができる。この際、回路層114bは、金属層110とメッキ層112からなるものである。
【0047】
(放熱パッケージ基板の構造−第3実施例)
図4は本発明の好適な第3実施例による放熱パッケージ基板の断面図である。以下、同図に基づいて本実施例による放熱パッケージ基板100cについて説明する。
【0048】
図4に示すように、本実施例による放熱パッケージ基板100cは、第1実施例による放熱パッケージ基板100aにおいて、ヒートパイプ102の側壁と回路層114cがバンプBを介して連結されたことを特徴とするものである。
【0049】
すなわち、第1実施例による放熱構造において、回路層114cを介して伝達される熱がバンプBを介してヒートパイプ102に直接伝達されるようにすることにより、放熱効率が一層改善された構造を提供することができる。
【0050】
(放熱パッケージ基板の製造方法−第4実施例)
図5〜図7は図2に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図である。以下、同図に基づいて本実施例による放熱パッケージ基板100aの製造方法を説明する。
【0051】
まず、図5に示すように、内部に開放冷媒注入用凹部104が形成されたヒートパイプ102の冷媒注入用凹部104に冷媒106を注入し、上部に金属層110が形成された絶縁層108を、前記冷媒106をカバーするように、前記ヒートパイプ102に付着する。
【0052】
この際、冷媒106は絶縁層108の両側端を除く中間部と接触した状態で絶縁層108によってカバーされる。
【0053】
また、絶縁層108の両側端は、冷媒注入用凹部104によって形成されるヒートパイプ102の両側壁と接触した状態で付着する。すなわち、絶縁層108の両側端を加熱して半硬化状態にした状態で、ヒートパイプ102の両側壁の上側に配置して硬化させることにより、ヒートパイプ102に絶縁層108が付着されることができる。
【0054】
一方、図示しないが、ヒートパイプ102と絶縁層108の接着力を増大させるために、絶縁層108の両側端部とヒートパイプ102の両側壁との間に熱伝導接着剤を介在して接着力を増大させることが好ましい。
【0055】
ついで、図6に示すように、金属層110をパターニングして回路層114aを形成し、ヒートパイプ基板116aを製造する。
【0056】
この際、回路層114aは一般的な回路形成方法によって形成することができる。例えば、金属層110上にドライフィルム(DF)層を積層し、露光、現像及びエッチング工程を行うサブトラックティブ工法(subtractive method)によって形成することができる。
【0057】
最後に、図7に示すように、回路層114aに電子部品120を実装して放熱パッケージ基板100aを完成する。本実施例においては、ヒートパイプ基板116aを一括して製造した状態で電子部品120を実装することにより、工程収率を増大させることができる。
【0058】
前述したような製造方法によって、図2に示す放熱パッケージ基板100aが製造される。
【0059】
(放熱パッケージ基板の製造方法−第5実施例)
図8〜図12は図3に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図である。以下、同図に基づいて本実施例による放熱パッケージ基板の製造方法を説明する。本実施例の説明において、第4実施例と同一ないし類似の構成要素に対しては同一符号を付け、その重複説明は省略する。
【0060】
まず、図8に示すように、内部に開放冷媒注入用凹部104が形成されたヒートパイプ102の冷媒注入用凹部104に冷媒106を注入し、上部に金属層110が形成された絶縁層108を、前記冷媒106をカバーするように、前記ヒートパイプ102に付着する。
【0061】
ついで、図9に示すように、絶縁層108及び金属層110にビアホールHを加工する。
【0062】
この際、ビアホールHはヒートパイプ102の両側壁を露出させる構造を持つ。これは、機械ドリルまたはレーザードリル(CO2またはYagレーザー)によって形成可能である。
【0063】
一方、ビアホールHの加工の後には、デバリングまたはデスミア(desmear)工程を行うことが好ましい。
【0064】
ついで、図10に示すように、ビアホールHの内部とともに金属層110上に銅メッキ工程を行ってメッキ層112を形成する。
【0065】
この際、メッキ層112は、無電解メッキ工程によって形成された無電解メッキ層と、この無電解メッキ層上に電解メッキ工程によって形成された電解メッキ層とからなるものである。
【0066】
ついで、図11に示すように、金属層110及びメッキ層112をパターニングして、ビア113を含む回路層114bを形成することでヒートパイプ基板116bを製造する。
【0067】
ここで、回路層114bは、メッキ層112上にドライフィルム(DF)のようなエッチングレジストを塗布してからパターニングし、これをマスクとして用いて、エッチングレジストが形成されなかった領域の金属層110及びメッキ層112を食刻した後、エッチングレジストを除去することで形成される。
【0068】
この際、ビア113はヒートパイプ102の両側壁に連結されるので、電子部品120から発生する熱をヒートパイプ102に直接伝達する役目をすることになる。
【0069】
最後に、図12に示すように、回路層114bに電子部品120を実装する。
【0070】
前述したような製造方法によって、図3に示す放熱パッケージ基板100bが製造される。
【0071】
(放熱パッケージ基板の製造方法−第6実施例)
図13〜図16は図4に示す放熱パッケージ基板の製造方法を順に示す工程断面図である。以下、同図に基づいて本実施例による放熱パッケージ基板の製造方法について説明する。本実施例の説明において、第4実施例及び第5実施例同一ないし類似の構成要素には同一符号を付け、その重複説明は省略する。
【0072】
まず、図13に示すように、冷媒注入用凹部104に冷媒106が注入されたヒートパイプ102の両側壁の上部にバンプBを形成する。
【0073】
ここで、バンプBは、例えば、スクリーンプリント方式によって形成することができる。スクリーンプリントは、開口部が形成されたマスクを通して導電性ペーストを転写する過程によってバンプを印刷する方式である。
【0074】
すなわち、マスクの開口部の位置を整列し、導電性ペーストをマスクの上面に塗布する。そして、スキージー(squeegee)などを利用して導電性ペーストを掻き出せば、開口部を通じて導電性ペーストが押し込みながらヒートパイプ102上に転写され、所望の形状及び高さに形成することが可能である。
【0075】
もちろん、他の公知の方法によってバンプBを印刷することも本発明の範疇内に含まれる。
【0076】
ついで、図14に示すように、バンプBが形成されたヒートパイプ102に絶縁層108及び金属層110を積層する。
【0077】
この際、絶縁層108は、印刷されたバンプBの高さより小さな厚さを持つように形成することが好ましく、バンプBが印刷されたヒートパイプ102に絶縁層108を積層することで形成される。
【0078】
ここで、バンプBは、絶縁層108を貫くように、絶縁層108より強度が高いものが好ましく、絶縁層108は熱硬化性樹脂で形成された半硬化状態のプリプレグが好ましい。好ましくは、絶縁層108はバンプBの高さより小さな厚さを持つので、バンプBはその高さの差分だけ絶縁層108を貫くことになる。
【0079】
また、金属層110は、真空状態で絶縁層108を軟化温度以上に加熱するとともに表面が平たいステンレス板のようなプレス板で加圧することにより、絶縁層108上に積層することができる。この際、金属層110は、例えば銅箔層が使用可能である。
【0080】
一方、絶縁層108及び金属層110を一括して積層することも可能である。
【0081】
ついで、図15に示すように、金属層110をパターニングして回路層114cを形成することでヒートパイプ基板116cを製造する。
【0082】
ここで、回路層114cは通常のサブトラクティブ法によって形成される。すなわち、金属層110上にドライフィルム(DF)層を積層し、露光、現像及びエッチング工程を行うことで形成することができる。
【0083】
この際、金属層110としては一般的な銅箔層が使用可能であり、パターニングの際に使用されるエッチング液は塩化鉄(FeCl5)腐食液、5塩化銅腐食液(CuCl5)、アルカリ腐食液、及び過酸化水素/硫酸系(H2O5/H2SO4)腐食液などがある。
【0084】
最後に、図16に示すように、回路層114bに電子部品120を実装する。
【0085】
前述したような製造方法によって、図4に示す放熱パッケージ基板100cが製造される。
【0086】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのもので、本発明による放熱パッケージ基板及びその製造方法はこれに限定されなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を持った者によって多様な変形及び改良が可能であろう。本発明の単純な変形ないし変更はいずれも本発明の範疇内に属するもので、本発明の具体的な保護範囲は特許請求範囲によって明らかに決まるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、放熱効率を増大させる放熱パッケージ基板及びその製造方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0088】
102 ヒートパイプ
104 冷媒注入用凹部
106 冷媒
108 絶縁層
110 金属層
112 メッキ層
113 ビア
114a、114b、114c 回路層
116a、116b、116c ヒートパイプ基板
120 電子部品
H ビアホール
B バンプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒注入用凹部に冷媒が注入されたヒートパイプに、前記冷媒をカバーするように、上部に回路層が形成された絶縁層が付着されたヒートパイプ基板;及び
前記回路層に実装された電子部品;
を含むことを特徴とする、放熱パッケージ基板。
【請求項2】
前記冷媒が、前記絶縁層と直接接触することを特徴とする、請求項1に記載の放熱パッケージ基板。
【請求項3】
前記絶縁層の両側端が、前記冷媒注入用凹部を形成する前記ヒートパイプの両側壁と接触して付着されることを特徴とする、請求項1に記載の放熱パッケージ基板。
【請求項4】
前記絶縁層の両側端と前記ヒートパイプの両側壁が、その間に介在される熱伝導接着剤を介して付着されることを特徴とする、請求項3に記載の放熱パッケージ基板。
【請求項5】
前記ヒートパイプの両側壁が、前記絶縁層の両側端に形成されたビアを介して前記回路層に連結されていることを特徴とする、請求項3に記載の放熱パッケージ基板。
【請求項6】
前記ヒートパイプの両側壁が、前記絶縁層の両側端に形成されたバンプを介して前記回路層に連結されていることを特徴とする、請求項3に記載の放熱パッケージ基板。
【請求項7】
前記電子部品が、LEDであることを特徴とする、請求項1に記載の放熱パッケージ基板。
【請求項8】
(A)冷媒注入用凹部に冷媒が注入されたヒートパイプに、前記冷媒をカバーするように、上部に金属層が形成された絶縁層を付着する段階;
(B)前記金属層をパターニングして回路層を形成することで、ヒートパイプ基板を製造する段階;及び
(C)前記回路層に電子部品を実装する段階;
を含むことを特徴とする、放熱パッケージ基板の製造方法。
【請求項9】
前記冷媒が、前記絶縁層と直接接触することを特徴とする、請求項8記載の放熱パッケージ基板の製造方法。
【請求項10】
前記絶縁層の両側端が、前記冷媒注入用凹部を形成する前記ヒートパイプの両側壁と接触して付着されることを特徴とする、請求項8に記載の放熱パッケージ基板の製造方法。
【請求項11】
前記絶縁層の両側端と前記ヒートパイプの両側壁が、その間に介在される熱伝導接着剤を介して付着されることを特徴とする、請求項10に記載の放熱パッケージ基板の製造方法。
【請求項12】
前記ヒートパイプの両側壁が、前記絶縁層の両側端に形成されたビアを介して前記回路層に連結されていることを特徴とする、請求項11に記載の放熱パッケージ基板の製造方法。
【請求項13】
前記(B)段階が、
(B1)前記絶縁層に、前記ヒートパイプの両側壁を露出させるビアホールを加工する段階;
(B2)前記ビアホールの内部とともに前記金属層にメッキ層を形成する段階;及び
(B3)前記金属層及びメッキ層をパターニングして回路層を形成する段階;
を含むことを特徴とする、放熱パッケージ基板の製造方法。
【請求項14】
前記電子部品が、LEDであることを特徴とする、請求項8に記載の放熱パッケージ基板の製造方法。
【請求項1】
冷媒注入用凹部に冷媒が注入されたヒートパイプに、前記冷媒をカバーするように、上部に回路層が形成された絶縁層が付着されたヒートパイプ基板;及び
前記回路層に実装された電子部品;
を含むことを特徴とする、放熱パッケージ基板。
【請求項2】
前記冷媒が、前記絶縁層と直接接触することを特徴とする、請求項1に記載の放熱パッケージ基板。
【請求項3】
前記絶縁層の両側端が、前記冷媒注入用凹部を形成する前記ヒートパイプの両側壁と接触して付着されることを特徴とする、請求項1に記載の放熱パッケージ基板。
【請求項4】
前記絶縁層の両側端と前記ヒートパイプの両側壁が、その間に介在される熱伝導接着剤を介して付着されることを特徴とする、請求項3に記載の放熱パッケージ基板。
【請求項5】
前記ヒートパイプの両側壁が、前記絶縁層の両側端に形成されたビアを介して前記回路層に連結されていることを特徴とする、請求項3に記載の放熱パッケージ基板。
【請求項6】
前記ヒートパイプの両側壁が、前記絶縁層の両側端に形成されたバンプを介して前記回路層に連結されていることを特徴とする、請求項3に記載の放熱パッケージ基板。
【請求項7】
前記電子部品が、LEDであることを特徴とする、請求項1に記載の放熱パッケージ基板。
【請求項8】
(A)冷媒注入用凹部に冷媒が注入されたヒートパイプに、前記冷媒をカバーするように、上部に金属層が形成された絶縁層を付着する段階;
(B)前記金属層をパターニングして回路層を形成することで、ヒートパイプ基板を製造する段階;及び
(C)前記回路層に電子部品を実装する段階;
を含むことを特徴とする、放熱パッケージ基板の製造方法。
【請求項9】
前記冷媒が、前記絶縁層と直接接触することを特徴とする、請求項8記載の放熱パッケージ基板の製造方法。
【請求項10】
前記絶縁層の両側端が、前記冷媒注入用凹部を形成する前記ヒートパイプの両側壁と接触して付着されることを特徴とする、請求項8に記載の放熱パッケージ基板の製造方法。
【請求項11】
前記絶縁層の両側端と前記ヒートパイプの両側壁が、その間に介在される熱伝導接着剤を介して付着されることを特徴とする、請求項10に記載の放熱パッケージ基板の製造方法。
【請求項12】
前記ヒートパイプの両側壁が、前記絶縁層の両側端に形成されたビアを介して前記回路層に連結されていることを特徴とする、請求項11に記載の放熱パッケージ基板の製造方法。
【請求項13】
前記(B)段階が、
(B1)前記絶縁層に、前記ヒートパイプの両側壁を露出させるビアホールを加工する段階;
(B2)前記ビアホールの内部とともに前記金属層にメッキ層を形成する段階;及び
(B3)前記金属層及びメッキ層をパターニングして回路層を形成する段階;
を含むことを特徴とする、放熱パッケージ基板の製造方法。
【請求項14】
前記電子部品が、LEDであることを特徴とする、請求項8に記載の放熱パッケージ基板の製造方法。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図1】
【公開番号】特開2010−206159(P2010−206159A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191372(P2009−191372)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】
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