説明

放熱フィンを備えたヒートシンク及びその製造方法。

【課題】熱伝導性に優れ、冷却効果の高いヒートシンク及びその製造方法を提供する。
【解決手段】一方の面に発熱素子が熱的に接続される熱拡散板材7と、熱拡散板材7の他の面に接続され、その頭部における放熱面積がその脚部における放熱面積よりも大きい複数の放熱フィン部1とを備える。また、製造方法にあっては、平行に並んだ所定枚の放熱板材の一端部を半田付けにより貼り合わせて放熱フィン部1の脚部を形成し、他端部を互いに重ならないようにして折り曲げ、斜め上方に開いた放熱フィン部1の頭部を形成して放熱フィン部1を製造する工程と、放熱フィン部1を熱拡散板材7に半田により固定する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱フィン用いたヒートシンク及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
年々増大する電子機器のLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)、CPU、FET(Field Effect Transistor:電界効果型トランジスタ)、MOS(Metal Oxide Semiconductor:金属酸化物半導体)、トランジスタ等の発熱素子からの発熱を放熱するためには、発熱素子上にヒートシンク等の冷却体を密着させて、発熱素子の熱をヒートシンクに移動させて放熱する方法が一般的に知られている。
【0003】
冷却体としては、熱伝性の金属材、例えば板材、ブロック等があり、発熱素子からの熱を金属ブロックで受熱し、次いで、金属ブロックに取付けられた放熱フィンによって、放熱する。このような放熱フィンを備えたヒートシンクが、広く利用されている。板材と放熱フィンが一体的に形成されたヒートシンクも広く利用されている。
【0004】
他方、電子機器は、放熱冷却だけでなく、更に電気ノイズ対策が要求されるようになり、装置内部を金属製シールド板材で囲っている。金属製シールド板材と放熱フィンを組み合わせたヒートシンクが、例えば、特許文献1に開示されている。
【0005】
また、従来のヒートシンクは、発熱素子に密着接合しやすいように銅製の平らな板状の熱拡散板材を有し、熱拡散板材における発熱素子が位置する面と反対側に位置する面には、銅製の薄板の複数枚のフィンが設けられている構造を有している。
【0006】
このような構造のヒートシンクにおいては、発熱素子から発生した熱は、発熱素子と密着して配置された熱拡散板材によって熱拡散板材の全体に拡散され、このように熱拡散板材に拡散された熱は、さらに、熱拡散板材に取り付けられた放熱フィンによって、大気中または所定の位置に放熱されることになる。
【0007】
従来使用されているヒートシンクとして、アルミニウムの一体成型品として押出成型されたヒートシンクが提供されている。しかしながら、アルミニウムの一体成型品として押出成型されたヒートシンクは、放熱フィン間のピッチを小さくすると成型が技術的に難しく、放熱フィン間の細密化に限りがあり、したがって、放熱フィンの数が所定の数に満たない状態に限定されて、十分な放熱効果が得られないという問題点がある。
【0008】
上述した問題点を解決して、より優れた放熱効果を得るために、一体成型ではなく、熱拡散板材、および、熱拡散板材の一方の面に、ロウ付けにより接合するか、または、機械接合する方法が提案されている。
【0009】
図6に示すように、発熱素子25と熱拡散板材21と比較して、発熱素子25の方がはるかに小さい。それゆえに、銅、アルミニウムなどの熱伝導性に優れた材料を熱拡散板材として用いて、小さい発熱素子からの熱を大きい熱拡散板材として用いて、小さい発熱素子からの熱を大きい熱拡散板材の全体に広げる必要がある。特に銅は、熱伝導性に優れているので、ヒートシンクの熱拡散板材の材料として広く知られている。しかしながら、銅は重量が大きく、しかも、発熱素子と直接密着させる必要があるので、銅製の熱拡散板材の荷重が、発熱素子へ与えるダメージを軽減するための耐強度構造(例えば、回路基盤への部品取り付け具を用いる等)を必要とする。
【0010】
さらに、パーソナルコンピュータ、ゲーム機、オーディオ装置等各種電子機器は、著しく軽量・小型化が進み、重量の大きい銅製熱拡散板材をしようすることができる状況が少なくなったり、使用するスペースを確保するのが難しく、銅製熱拡散板材の使用そのものが困難になってきている。
【0011】
一方で、発熱素子等の集積度は一層高まり、処理能力が高まるにつれて、発熱素子からの発熱量が多くなって、発熱素子を安定的に正常に作動させるためには、一層優れた放熱効果が要求される。
【0012】
上述したように、銅製熱拡散板材はその優れた熱伝導性にもかかわらず、重量が大きく、使用することが困難である。したがって、熱拡散板材の材料としてアルミニウムを使用する場合に、ヒートシンクの放熱効果を一層高めるための要求を満たさなければならないのが現状である。
【0013】
放熱フィン部を熱拡散板材の一方の面に機会接合することによって作製されたヒートシンクにおいては、放熱中の定常状態における熱拡散板材内温度分布は、発熱素子が取り付けられる熱拡散板材の中央部において最も温度が高く、発熱素子から離れるにしたがって温度が低くなっている。したがって、熱拡散板材の一方の面に接合され熱的に接続している複数枚の放熱フィンの温度が最も高く、熱拡散板材の中央部から離れた端部の放熱フィンほど温度は低い状態である。
【0014】
さらに、放熱フィンの高さ方向においても温度分布が存在し、熱拡散板材に熱的に接続している放熱フィンの根本部が最も温度が高く、根本部から遠ざかるにつれて、放熱フィンの温度は低くなっている。これは、放熱フィン内の熱の移動が個体熱伝導によって行われていることによる。
【0015】
しかしながら、放熱効率の観点からは、ヒートシンクの各部分において温度差が出来る限り少ないことが望ましい。昨今、上述したように、発熱素子の発熱量が増大するとともに、発熱素子のチップが小型化し、結果的に、発熱密度が急激に増大する傾向にあり、ヒートシンクの性能アップが急務となっている状況では、とりわけ、上述したヒートシンクの各部分における温度差を少なくして、放熱効率を高めることが強く要求されている。
【特許文献1】特開2001−57405号公報
【特許文献2】特開平5−160311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、特許文献2に開示されるヒートシンクは、熱拡散板材とヒートシンクとの間は接着剤で密着されており、熱伝導性に優れていない。したがって、発熱素子から発生する熱は、ヒートシンクに伝わりにくく、冷却効果を悪くする一因となっている。
【0017】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、熱伝導性に優れ、冷却効果の高いヒートシンクを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に係る放熱フィンを備えたヒートシンクの第1の態様は、一方の面に発熱素子が熱的に接続される熱拡散板材材と、熱拡散板材材の他の面に接続され、その頭部における放熱面積がその脚部における放熱面積よりも大きい複数の放熱フィン部とを備えている放熱フィンを備えたヒートシンクである。
【0019】
これにより、ヒートシンクは、頭部の放熱面積が脚部の放熱面積よりも広いため放熱効果が高くなり、効率的な冷却効果を得る。
【0020】
本発明に係る放熱フィンを備えたヒートシンクの第2の態様は、放熱フィン部の各々が、少なくとも垂直な脚部および斜め上方に開いた頭部を備えた複数枚の放熱フィンからなり、頭部が概ねY字型に形成され、脚部が対向して形成される放熱フィンを備えたヒートシンクである。
【0021】
これにより、複数の放熱フィンを使用することで、ヒートシンクの放熱効果がさらに高まる。
【0022】
本発明に係る放熱フィンを備えたヒートシンクの第3の態様は、対向する脚部の間に半田を介在させ、脚部同士を熱的に接続した放熱フィンを備えたヒートシンクである。
【0023】
これにより、対向する脚部の間に半田を介在させることによって、放熱フィンへの熱伝導率が高まる。
【0024】
本発明に係る放熱フィンを備えたヒートシンクの第4の態様は、放熱フィン部の頭部が20度以上100度以下の範囲内に開口した概ねY字型に形成される放熱フィンを備えたヒートシンクである。
【0025】
概ねY字型の形状を有する放熱フィンの頭部の角度が20度未満であると、放熱効率が薄れ、100度超であると、熱拡散板材の面に形成される放熱フィン部を蜜に設置できない。この態様により、最適な放熱効率が得られ、かつ、熱拡散板材の面に密接に放熱フィンを設置できる。
【0026】
本発明に係る放熱フィンを備えたヒートシンクの製造方法の第1の態様は、平行に並んだ所定枚の放熱板材の一端部を半田付けにより貼り合わせて放熱フィン部の脚部を形成し、他端部を互いに重ならないようにして折り曲げ、斜め上方に開いた放熱フィン部の頭部を形成して放熱フィン部を製造する工程と、放熱フィン部を熱拡散板材に半田により固定する工程とを含む放熱フィンを備えたヒートシンクの製造方法である。
【0027】
本発明に係る放熱フィンを備えたヒートシンクの製造方法の第2の態様は、放熱フィン部の頭部が20度以上100度以下の範囲内で開口し、概ねY字型であることを特徴とする放熱フィンを備えたヒートシンクの製造方法である。
【0028】
本発明に係る放熱フィンを備えたヒートシンクの製造方法の第3の態様は、放熱板材の中心部と中心部から等間隔にあたる2箇所を折り曲げて、熱拡散板材に対し垂直となる2本の脚部と、山型の頭部を備えた複数枚の放熱フィンを作る工程と、複数枚の放熱フィンの脚部を対向して並べ、対向する脚部同士を半田付けにより貼り合わせて放熱フィン部を形成する工程と、放熱フィン部を熱拡散板材に半田により固定する工程とを含む放熱フィンを備えたヒートシンクの製造方法である。
【発明の効果】
【0029】
本発明の放熱フィンを備えたヒートシンクは、放熱フィンを熱拡散板材に接続する際に半田を利用することにより、熱拡散板材から放熱フィンへの熱伝導性が高まる。そのため、発熱素子等の電子機器から発生する熱は、従来と比較して、効率的に冷却される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明のヒートシンクを備えた電子回路基板の概略構成を示す斜視図である。図1で示すように、電子回路基板5には、図示しない発熱素子と、その発熱素子の周辺に複数のメモリ3が設置されている。さらに、発熱素子の面のうち、電子回路基板5に設置されていない側の面には、熱拡散板材7が熱的に接続されている。そして、熱拡散板材7の発熱素子に設置されていない側の面には、概ねY字型をした複数の放熱フィン1の脚部が、半田で固定されている。さらに複数の放熱フィン1は、おのおのの放熱フィン1と平行となるように設置されている。
【0032】
続いて、放熱フィンの放熱の仕組みについて説明する。
【0033】
外部から電子回路基板に電流を流すと、発熱素子は作動し始める。発熱素子は作動し、時間が経過するにつれて、発熱する。その後、熱は熱拡散板材7に渡り、放熱フィン1の脚部に到達する。そして、放熱フィン1の脚部から頭部にかけて熱が浸透し、頭部の放熱面から熱が放熱される。
【0034】
さらに、放熱フィンが冷却される様子を図2を参照しながら詳細に説明する。
【0035】
図2は、図1に示すヒートシンクを備えた電子回路基板の断面図を模式的に示す図である。図2に示す2枚の電子回路基板5は、互いに平行に配置され、それぞれに複数のメモリ3が向かい合うように設置している。さらに、一方の電子回路基盤5には、発熱素子9が設置されている。また、発熱素子9の面のうち、電子回路基板5に設置されていない側の面には、熱拡散板材7が熱的に接続されている。そして、熱拡散板材7の発熱素子9に設置されていない側の面には、概ねY字型をした複数の放熱フィン1の脚部が、半田で固定されている。
【0036】
図2で示す4本矢印は、冷却風を示しており、図中では左から右に向かって流れている。また、図2で示す4本の矢印のうち上の2本の矢印は、放熱フィン1の頭部を流れる冷却風を示しており、下の2本の矢印は脚部を流れる冷却風を示している。
【0037】
発熱した発熱素子9の熱は、熱拡散板材7を通じて放熱フィン1に伝導する。放熱フィン1には熱が伝導するが、冷却風が放熱フィン1の頭部および脚部に流れるため、放熱フィン1は冷却される。したがって、発熱した発熱素子9の熱は、放熱フィン1を通じて効率的に冷却される。
【0038】
この際、放熱フィン1の形状は頭部が開口して、概ねY字型になっているため、脚部には冷却風の空気流を十分に引き抜くことができ、頭部は放熱面積を十分に確保し、冷却効率を高めている。さらに、複数の放熱フィン1は熱拡散板材7の上に平行に配置されており、放熱フィン1の頭部は、他の放熱フィンの頭部と隣接するため、隣接する放熱フィン1との間で囲まれる空間では空気の対流が起こる。これによって、効率的な冷却効果が得られる。
【0039】
次に、放熱フィンの形状について図3を参照しながら詳細に説明する。
【0040】
図3に示す放熱フィン1は上述した熱拡散板材に設置された放熱フィン1の第1の態様を示す断面図ある。なお、図3に示す放熱フィン1の製造方法は2枚の放熱板を使用し、その2枚の放熱板を平行に所定の間隔で向かい合わせる。そして、その状態を保ちつつ、放熱板の所定の間隔部分に頭部と脚部の中間に位置する任意の1箇所まで半田11を流し込む。この際、所定の間隔を狭くすると、半田11は毛細管現象により溶け込み易くなる。その後、頭部と脚部の中間に位置する任意の1箇所を支点に、垂直方向から0度超略90度未満の範囲内で折り曲げる。これによって、概ねY字型となる放熱フィン1が製造される。
【0041】
放熱フィン1の放熱板は半田11によって貼り合わされるため、熱伝導性に優れ、熱拡散板材から伝導する熱を効果的に放熱できる。また、放熱フィン1の頭部は、放熱面積の拡張を幅広く行えるため、使用される場所や、放熱する熱量によって種々の大きさに変えることができ、多種の実施形態に利用できる。
【0042】
さらに、以下では放熱フィンの種々の態様について説明する。
【0043】
図4は、放熱フィンの第2の態様を示す断面図である。なお、図3に示す第1の態様の放熱フィンの各部と同様の箇所には同一符号を付し、その説明を省略する。図4に示す放熱フィン15は、4枚の放熱板を使用して製造される。まず、4枚の放熱板を平行に所定の間隔で向かい合わせる。そして、その状態を保ちつつ、放熱板の3つの所定の間隔部分に頭部と脚部の中間に位置する任意の1箇所まで半田11を流し込む。この際、所定の間隔を狭くすると、半田11は毛細管現象により溶け込み易くなる。その後、4枚の放熱板のうちの2枚の放熱板を頭部と脚部の中間に位置する任意の1箇所を支点に、垂直方向から0度超略90度未満の範囲内で折り曲げる。同様に、頭部と脚部の中間に位置する任意の1箇所支点に、残りの2枚の放熱板を垂直方向から0度超略−(マイナス)90度未満の範囲内で折り曲げる。
【0044】
放熱フィン15の放熱板は半田11によって貼り合わされるため、第1の態様と同様に熱伝導性に優れ、熱拡散板材から伝導する熱を効果的に放熱できる。さらに、放熱板を4枚使用することにより、放熱フィン15の頭部の放熱面積が増え、第一の態様と比較して冷却効果の高い放熱フィン15を提供できる。なお、この態様において放熱板を4枚使用して放熱フィン15を記載したが、4枚に限らず複数枚の放熱板を使用し、放熱フィン15を製造してもよい。
【0045】
図5は、放熱フィンの第3の態様を示す断面図である。なお、図3に示す第1の態様の放熱フィンの各部と同様の箇所には同一符号を付し、その説明を省略する。図5に示す放熱フィン17は、3枚の放熱板を使用して製造される。まず、任意の1枚の放熱板の中心を折り曲げ、さらに、その折り曲げた箇所から等間隔にあたる2箇所を、中心部と同様に折り曲げる。すなわち、折り曲げられた放熱板によって、所定の大きさの空間ができ、折り曲げた中心部を頭部とするとき、底部が開いた概ね5角形となる放熱板が作られる。残り2枚についても同様の方法により、概ね5角形の放熱板が作られる。
【0046】
作られた概ね5角形の3枚のすべての放熱板を開口した底部を下にして、所定の間隔を置いて並べる。その後、2箇所ある所定の間隔部分に半田11を流し込み、3枚のすべての放熱板を貼り合わせる。この際、所定の間隔を狭くすると、半田11は毛細管現象により溶け込み易くなる。これによって、放熱フィン17が作成される。なお、図5に示す矢印は、空気の対流を示す矢印である。この態様において、ヒートシンクに冷却風を送ると、閉塞された空間部で空気の対流が起こり、冷却効率が高まる。
【0047】
本発明の放熱フィンを用いたヒートシンクは、例えばパーソナルコンピュータ、ゲーム機などに代表される電子機器に使用される発熱性電子部品等の放熱・冷却用のヒートシンクに限らず、放熱を必要とするあらゆる分野における放熱冷却に利用できる。
【0048】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の放熱フィンを備えたヒートシンクは、放熱フィンを熱拡散板材に接続する際に半田を利用することにより、熱拡散板材から放熱フィンへの熱伝導性が高まる。そのため、発熱素子等の電子機器から発生する熱は、従来と比較して、効率的に冷却されるため、産業上の利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明のヒートシンクを備えた電子回路基板の概略構成を示す斜視図である。
【図2】ヒートシンクを備えた電子回路基板の断面図を模式的に示す図である。
【図3】放熱フィンの1つの態様を示す断面図ある。
【図4】放熱フィンの他の態様を示す断面図ある。
【図5】放熱フィンの他の態様を示す断面図ある。
【図6】発熱素子等に接続されたヒートシンクを示す断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1,15,17,23 放熱フィン
3 メモリ
5 電子回路基盤
7,21 熱拡散板材
9,25 発熱素子
11 半田
19 ヒートシンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面に発熱素子が熱的に接続される熱拡散板材と、
前記熱拡散板材の他の面に接続され、その頭部における放熱面積がその脚部における放熱面積よりも大きい複数の放熱フィン部と、
を備えている放熱フィンを備えたヒートシンク。
【請求項2】
前記放熱フィン部の各々は、少なくとも垂直な脚部および斜め上方に開いた頭部を備えた複数枚の放熱フィンからなり、前記頭部は概ねY字型に形成され、前記脚部が対向して形成される請求項1に記載の放熱フィンを備えたヒートシンク。
【請求項3】
対向する前記脚部の間に半田を介在させ、前記脚部同士を熱的に接続した、請求項2に記載の放熱フィンを備えたヒートシンク。
【請求項4】
前記放熱フィン部の頭部が20度以上100度以下の範囲内に開口した概ねY字型に形成される、請求項2または3に記載の放熱フィンを備えたヒートシンク。
【請求項5】
平行に並んだ所定枚の放熱板材の一端部を半田付けにより貼り合わせて放熱フィン部の脚部を形成し、他端部を互いに重ならないようにして折り曲げ、斜め上方に開いた放熱フィン部の頭部を形成して放熱フィン部を製造する工程と、
前記放熱フィン部を熱拡散板材に半田により固定する工程と、
を含む、放熱フィンを備えたヒートシンクの製造方法。
【請求項6】
前記放熱フィン部の頭部が20度以上100度以下の範囲内で開口し、概ねY字型であることを特徴とする、請求項5に記載の放熱フィンを備えたヒートシンクの製造方法。
【請求項7】
放熱板材の中心部と中心部から等間隔にあたる2箇所を折り曲げて、熱拡散板材に対し垂直となる2本の脚部と、山型の頭部を備えた複数枚の放熱フィンを作る工程と、
複数枚の前記放熱フィンの脚部を対向して並べ、対向する前記脚部同士を半田付けにより貼り合わせて放熱フィン部を形成する工程と、
前記放熱フィン部を前記熱拡散板材に半田により固定する工程と、
を含む、放熱フィンを備えたヒートシンクの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−210611(P2006−210611A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−20184(P2005−20184)
【出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】