説明

放送システム、送信装置および送信方法、携帯受信機および受信方法、並びにプログラム

【課題】各種のサービス形態に柔軟に対応することができるようにする。
【解決手段】放送局1により携帯放送サービスが提供される。放送局1から送信されるストリームに付加されるPSIにはディジタルコピー制御記述子が含まれる。ディジタルコピー制御記述子の「copy_control_type」の値には、従来より用いられている01b,11bの他、10bもさらに用いられる。携帯受信機2においては、ディジタルコピー制御記述子が解析され、「copy_control_type」が10bであると判定された場合、「security_type」の意味に従ってコンテンツの記録、または出力が制御される。「security_type」により、内部のメモリにのみコンテンツを記録することが許可され、外部の出力は不許可とすることなどの、携帯放送サービスに応じた制限が表される。本発明は、ディジタル放送を受信可能な受信機に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送システム、送信装置および送信方法、携帯受信機および受信方法、並びにプログラムに関し、特に、各種のサービス形態に柔軟に対応することができるようにする放送システム、送信装置および送信方法、携帯受信機および受信方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在のディジタル放送におけるプログラム(コンテンツ)の著作権情報は、ディジタルコピー制御記述子(digital_copy_control_descriptor)が、トランスポートストリームに多重化されるPSI(Program Specific Information)のPMT(Program Map Table)の中に挿入されることで定義される。
【0003】
すなわち、ディジタルコピー制御記述子は、コンテンツの権利者がコンテンツのコピーに関する情報を受信機側の機器に伝えるために用いられるものである。
【0004】
図1は、ディジタルコピー制御記述子のデータ構造を示す図である。ディジタルコピー制御記述子を構成するデータのうち、図1の上から4行目の「digital_recording_control_data」と7行目の「copy_control_type」について説明する。
【0005】
「digital_recording_control_data」はコンテンツの著作権情報として、コピーの世代を制御する情報である。
【0006】
「digital_recording_control_data」の2ビットが00bである場合、それは、「制約条件なしにコピー可」であることを表し、10bである場合、「1世代のみコピー可」を表す。また、11bである場合、それは「コピー禁止」を表す。
【0007】
「copy_control_type」は保護の仕組みを表す。この2ビットの「copy_control_type」には01b,11bが定義されている。
【0008】
具体的には、「copy_control_type」が01bであり、「digital_recording_control_data」が「制約条件なしにコピー可」(00b)以外である場合、受信機からIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394を介してディジタル出力する際には、DTLA(Digital Transmission Licensing Administrator)がライセンスするDTCP(Digital Transmission Content Protection)方式の暗号出力処理が要求される。
【0009】
すなわち、第1の機器が、IEEE1394で接続された第2の機器にコンテンツをディジタル出力する場合、第1の機器は、その出力の前に、第2の機器がDTCPの保護情報に対応しているか否かの認証を行い、認証が成立したとき、認証のときに交換したキーを用いて暗号化したコンテンツを第2の機器に出力する。第2の機器においては、交換したキーにより復号処理が行われ、コンテンツが取得される。
【0010】
一方、「copy_control_type」が11bである場合、暗号化出力が定義されていないことから、「digital_recording_control_data」が「制約条件なしにコピー可」以外である場合は、IEEE1394によるディジタル出力が運用上禁止されている。
【0011】
このような情報を含むディジタルコピー制御記述子は、現在のBS/広帯域CS(Broadcasting Satellite/Communications Satellite)ディジタル放送と地上波ディジタル放送共通で使われている。BS/広帯域CS、または地上波による現在のディジタル放送のサービスは、大きく分けて、テレビジョン放送サービス、音楽(ラジオ)放送サービス、データ放送サービスの3つに区分されており、サービスによって著作権保護の運用が変わっている。
【0012】
例えば、BS/広帯域CSディジタル放送、地上波ディジタル放送の双方とも、テレビジョン放送サービスにおいては、「copy_control_type」は01bのみを採用することが運用規定上定められている。また、音楽放送サービス、及びデータ放送サービスにおいては、「copy_control_type」は01b,11bの双方を採用することが定められている。
【0013】
なお、ディジタルコピー制御記述子については、「ARIB(Association of Radio Industries and Businesses) TR-B14」、「ARIB TR-B15」にその詳細が記載されている。
【0014】
2004年4月からディジタル放送のコンテンツが、多くのテレビ放送局において「制限条件なしにコピー可」から「1世代のみコピー可」に運用可能となった(「digital_recording_control_data」が00bから10bになった)。これと同時に放送伝送路もセキュリティを保護するためのスクランブルが施されていることから、コンテンツを利用するためには、スクランブルを解くキーを生成するためのB-CAS(商標)カードが受信機に挿入されている必要がある。
【0015】
現在、地上波ディジタル放送、BSディジタル放送は、いずれも、家庭の中のテレビジョン受像機、またはSTB(Set Top Box)を受信対象としている。ユーザは、B-CASカードが挿入されているそれらの機器を用いて、画像、音声とも高品質なHD(High Definition)コンテンツを視聴することができる。
【0016】
一方、地上波ディジタル放送の大きなメリットの一つとして、「1セグメント放送」と呼ばれる携帯放送サービスが可能であることがある。これは、各家庭に設置されているような固定のアンテナを必要とせず、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistants)などの、持ち運びが可能で比較的小型のアンテナを持つ携帯受信機等を対象とする放送サービスである。
【0017】
これにより、ユーザは、外出先などでもディジタル放送を楽しめることができる。携帯放送サービスにおいても、家庭内の機器向けのサービスと同様のサービスが各種提案されており、その中には、例えば、携帯受信機の内蔵のリムーバブルメモリ媒体に記録させておいたコンテンツを外部機器のリムーバブルメモリスロットに入れ替える事により、その外部の機器を用いてコンテンツを視聴することなどがある。
【0018】
従って、このような携帯受信機によるコンテンツの記録や出力に対しても、上述した、家庭内に設置される受信機の場合と同様、コンテンツの著作権保護の観点からコピー制限技術が必要になる。
【0019】
特許文献1には、コンテンツ提供者が、ユーザによるコンテンツのムーブ、ポーズを制限することができるようにした技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−16725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、著作権保護の従来の運用では、受信機と外部機器をディジタル接続する場合にコピーの制限を行うと同時にスクランブル放送を行っている。
【0021】
著作権保護の従来の運用をそのまま携帯放送サービスに用いた場合、携帯受信機でスクランブル放送を受信し、スクランブルを解除させるためには、携帯受信機にもB-CASカードが挿入されている必要がある。
【0022】
従って、このようにB-CASカードが必須であるとすると、当然、携帯受信機にカードスロットが必要となり、本体のサイズが現在のものと較べて大きくなってしまうとともに、カードを抜き差しするための機構を設けることにより本体のデザインに大きく影響が及ぶことになる。
【0023】
すなわち、「digital_copy_control_descriptor」の従来の運用では、実質的に、コピーを制限しつつ、携帯受信機に記録させたコンテンツを外部の機器にディジタル出力するなどの、新しい形態のサービスに対応することができないという課題があり、小さなカード、或いは、スクランブル放送を行わずにコピー制限ができるCAS(Conditional Access System)方式などが望まれている。
【0024】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、各種のサービス形態に柔軟に対応することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の放送システムは、携帯受信機にコンテンツを送信し、ディジタル放送の所定のサービスを提供する送信装置と、所定のサービスを利用可能な携帯受信機とからなる。
【0026】
そのうちの送信装置は、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第1の制限情報として、所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値を設定する第1の設定手段と、第1の制限情報が所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとることが携帯受信機において判定された場合に携帯受信機により用いられる、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第2の制限情報を設定する第2の設定手段とを備えることを特徴とする。一方、携帯受信機は、第1の制限情報が、所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとるか否かを判定する判定手段と、判定手段により、第1の制限情報が所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとると判定された場合、第2の制限情報に基づいてコンテンツの記録または出力を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0027】
本発明の送信装置は、携帯受信機にコンテンツを送信し、ディジタル放送の所定のサービスを提供する送信装置であって、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第1の制限情報として、所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値を設定する第1の設定手段と、第1の制限情報が所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとることが携帯受信機において判定された場合に携帯受信機により用いられる、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第2の制限情報を設定する第2の設定手段とを備えることを特徴とする。
【0028】
本発明の送信方法は、携帯受信機にコンテンツを送信し、ディジタル放送の所定のサービスを提供する送信装置の送信方法であって、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第1の制限情報として、所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値を設定する第1の設定ステップと、第1の制限情報が所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとることが携帯受信機において判定された場合に携帯受信機により用いられる、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第2の制限情報を設定する第2の設定ステップとを含むことを特徴とする。
【0029】
本発明の第1のプログラムは、携帯受信機にコンテンツを送信し、ディジタル放送の所定のサービスを提供する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第1の制限情報として、所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値を設定する第1の設定ステップと、第1の制限情報が所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとることが携帯受信機において判定された場合に携帯受信機により用いられる、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第2の制限情報を設定する第2の設定ステップとを含むことを特徴とする。
【0030】
本発明の第1の携帯受信機は、ディジタル放送の所定のサービスを利用可能な携帯受信機であって、コンテンツとともに送信されてくる、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第1の制限情報が、所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとるか否かを判定する判定手段と、判定手段により、第1の制限情報が所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとると判定された場合、所定のサービスで規定される、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第2の制限情報に基づいてコンテンツの記録または出力を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0031】
第2の制限情報は、コンテンツのセキュア記録または出力に暗号化処理が必要であるか否かを表すようにすることができる。
【0032】
第2の制限情報は、さらに、携帯受信機に内蔵される記録部にのみコンテンツをセキュア記録することを許可し、かつ、コンテンツを外部に出力することを不許可とすることを表するようにすることができる。
【0033】
本発明の第1の受信方法は、ディジタル放送の所定のサービスを利用可能な携帯受信機の受信方法であって、コンテンツとともに送信されてくる、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第1の制限情報が、所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとるか否かを判定する判定ステップと、判定ステップの処理により、第1の制限情報が所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとると判定された場合、所定のサービスで規定される、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第2の制限情報に基づいてコンテンツの記録または出力を制御する制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0034】
本発明の第2のプログラムは、ディジタル放送の所定のサービスを利用するための受信処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、コンテンツとともに送信されてくる、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第1の制限情報が、所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとるか否かを判定する判定ステップと、判定ステップの処理により、第1の制限情報が所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとると判定された場合、所定のサービスで規定される、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第2の制限情報に基づいてコンテンツの記録または出力を制御する制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0035】
本発明の第2の携帯受信機は、ディジタル放送の所定のサービスを利用可能な携帯受信機であって、コンテンツとともに送信されてくる、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する制限情報を、所定のサービスで規定される意味の情報として読み替え、読み替えた制限情報の意味に従って、コンテンツの記録または出力を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
【0036】
本発明の第2の受信方法は、ディジタル放送の所定のサービスを利用可能な携帯受信機の受信方法であって、コンテンツとともに送信されてくる、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する制限情報を、所定のサービスで規定される意味の情報として読み替え、読み替えた制限情報の意味に従って、コンテンツの記録または出力を制御する制御ステップを含むことを特徴とする。
【0037】
本発明の第3のプログラムは、ディジタル放送の所定のサービスを利用するための受信処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、コンテンツとともに送信されてくる、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する制限情報を、所定のサービスで規定される意味の情報として読み替え、読み替えた制限情報の意味に従って、コンテンツの記録または出力を制御する制御ステップを含むことを特徴とする。
【0038】
本発明の放送システムにおいては、コンテンツの記録または出力の制限に関する第1の制限情報として、所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値が設定され、第1の制限情報が所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとることが携帯受信機において判定された場合に携帯受信機により用いられる、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第2の制限情報が設定される。
【0039】
また、第1の制限情報が、所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとるか否かが判定され、第1の制限情報が所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとると判定された場合、第2の制限情報に基づいてコンテンツの記録または出力が制御される。
【0040】
本発明の送信装置および送信方法、並びに第1のプログラムにおいては、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第1の制限情報として、所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値が設定され、第1の制限情報が所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとることが携帯受信機において判定された場合に携帯受信機により用いられる、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第2の制限情報が設定される。
【0041】
本発明の第1の携帯受信機および受信方法、並びに第2のプログラムにおいては、コンテンツとともに送信されてくる、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第1の制限情報が、所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとるか否かが判定され、第1の制限情報が所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとると判定された場合、所定のサービスで規定される、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第2の制限情報に基づいてコンテンツの記録または出力が制御される。
【0042】
本発明の第2の携帯受信機および受信方法、並びに第3のプログラムにおいては、コンテンツとともに送信されてくる、コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する制限情報が、所定のサービスで規定される意味の情報として読み替えられ、読み替えられた制限情報の意味に従って、コンテンツの記録または出力が制御される。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、各種のサービス形態に柔軟に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本明細書に記載の発明と、発明の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする実施の形態が本明細書に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、発明に対応するものとして、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が発明に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明以外の発明には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0045】
さらに、この記載は、本明細書に記載されている発明の全てを意味するものではない。換言すれば、この記載は、本明細書に記載されている発明であって、この出願では請求されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
【0046】
請求項1に記載の放送システムは、携帯受信機にコンテンツを送信し、ディジタル放送の所定のサービス(例えば、携帯放送サービス)を提供する送信装置と、前記所定のサービスを利用可能な携帯受信機とからなる放送システムであって、前記送信装置(例えば、図7の送信装置11)は、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第1の制限情報(例えば、「copy_control_type」)として、前記所定のサービス以外のサービス(例えば、地上波、BS/広帯域CSディジタル放送のサービス)で用いられているものと異なる値(例えば、10b)を設定する第1の設定手段(例えば、図8のコピー制御タイプ設定部42)と、前記第1の制限情報が前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとることが前記携帯受信機において判定された場合に前記携帯受信機により用いられる、前記コンテンツの記録または出力の制限に関する第2の制限情報(例えば、「security_type」)を設定する第2の設定手段(例えば、図8のセキュリティタイプ設定部43)とを備え、前記携帯受信機(例えば、図9の携帯受信機2)は、前記第1の制限情報が、前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとるか否かを判定する判定手段(例えば、図10のディジタルコピー制御記述子解析部72)と、前記判定手段により、前記第1の制限情報が前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとると判定された場合、前記第2の制限情報に基づいて前記コンテンツの記録または出力を制御する制御手段(例えば、図10のコピー制御部73)とを備えることを特徴とする。
【0047】
請求項2に記載の送信装置は、携帯受信機(例えば、図9の携帯受信機2)にコンテンツを送信し、ディジタル放送の所定のサービス(例えば、携帯放送サービス)を提供する送信装置(例えば、図7の送信装置11)であって、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第1の制限情報(例えば、「copy_control_type」)として、前記所定のサービス以外のサービス(例えば、地上波、BS/広帯域CSディジタル放送のサービス)で用いられているものと異なる値(例えば、10b)を設定する第1の設定手段(例えば、図8のコピー制御タイプ設定部42)と、前記第1の制限情報が前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとることが前記携帯受信機において判定された場合に前記携帯受信機により用いられる、前記コンテンツの記録または出力の制限に関する第2の制限情報(例えば、「security_type」)を設定する第2の設定手段(例えば、図8のセキュリティタイプ設定部43)とを備えることを特徴とする。
【0048】
請求項3に記載の送信方法は、携帯受信機(例えば、図9の携帯受信機2)にコンテンツを送信し、ディジタル放送の所定のサービス(例えば、携帯放送サービス)を提供する送信装置(例えば、図7の送信装置11)の送信方法であって、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第1の制限情報(例えば、「copy_control_type」)として、前記所定のサービス以外のサービス(例えば、地上波、BS/広帯域CSディジタル放送のサービス)で用いられているものと異なる値(例えば、10b)を設定する第1の設定ステップ(例えば、図11のステップS2)と、前記第1の制限情報が前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとることが前記携帯受信機において判定された場合に前記携帯受信機により用いられる、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第2の制限情報(例えば、「security_type」)を設定する第2の設定ステップ(例えば、図11のステップS3)とを含むことを特徴とする。
【0049】
請求項4に記載のプログラムにおいても、各ステップが対応する実施の形態(但し一例)は、請求項3に記載の送信方法と同様である。
【0050】
請求項5に記載の携帯受信機は、ディジタル放送の所定のサービス(例えば、携帯放送サービス)を利用可能な携帯受信機(例えば、図9の携帯受信機2)であって、コンテンツとともに送信されてくる、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第1の制限情報(例えば、「copy_control_type」)が、前記所定のサービス以外のサービス(例えば、地上波、BS/広帯域CSディジタル放送のサービス)で用いられているものと異なる値(例えば、10b)をとるか否かを判定する判定手段(例えば、図10のディジタルコピー制御記述子解析部72)と、前記判定手段により、前記第1の制限情報が前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとると判定された場合、前記所定のサービスで規定される、前記コンテンツの記録または出力の制限に関する第2の制限情報(例えば、「security_type」)に基づいて前記コンテンツの記録または出力を制御する制御手段(例えば、図10の記録/出力制御部73)とを備えることを特徴とする。
【0051】
請求項8に記載の受信方法は、ディジタル放送の所定のサービス(例えば、携帯放送サービス)を利用可能な携帯受信機(例えば、図9の携帯受信機2)の受信方法であって、コンテンツとともに送信されてくる、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第1の制限情報(例えば、「copy_control_type」)が、前記所定のサービス以外のサービス(例えば、地上波、BS/広帯域CSディジタル放送のサービス)で用いられているものと異なる値(例えば、10b)をとるか否かを判定する判定ステップ(例えば、図12のステップS16)と、前記判定ステップの処理により、前記第1の制限情報が前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとると判定された場合、前記所定のサービスで規定される、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第2の制限情報(例えば、「security_type」)に基づいて前記コンテンツの記録または出力を制御する制御ステップ(例えば、図12のステップS19)とを含むことを特徴とする。
【0052】
請求項9に記載のプログラムにおいても、各ステップが対応する実施の形態(但し一例)は、請求項8に記載の受信方法と同様である。
【0053】
請求項10に記載の携帯受信機は、ディジタル放送の所定のサービス(例えば、携帯放送サービス)を利用可能な携帯受信機(例えば、図9の携帯受信機2)であって、コンテンツとともに送信されてくる、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する制限情報(例えば、「copy_control_type」)を、前記所定のサービスで規定される意味の情報として読み替え、読み替えた前記制限情報の意味に従って、前記コンテンツの記録または出力を制御する制御手段(例えば、図10の記録/出力制御部73)を備えることを特徴とする。
【0054】
請求項11に記載の受信方法は、ディジタル放送の所定のサービス(例えば、携帯放送サービス)を利用可能な携帯受信機(例えば、図9の携帯受信機2)の受信方法であって、コンテンツとともに送信されてくる、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する制限情報(例えば、「copy_control_type」)を、前記所定のサービスで規定される意味の情報として読み替え、読み替えた前記制限情報の意味に従って、前記コンテンツの記録または出力を制御する制御ステップ(例えば、図13のステップS37)を含むことを特徴とする。
【0055】
請求項12に記載のプログラムにおいても、各ステップが対応する実施の形態(但し一例)は、請求項11に記載の受信方法と同様である。
【0056】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【0057】
図2は、本発明を適用した放送システムの構成例を示す図である。
【0058】
この放送システムは、基本的には、放送局1(放送局1に設置される送信装置11(図7))、携帯受信機2、受信機3から構成される。
【0059】
放送局1は、例えば、テレビジョン放送サービス、データ放送サービスなどの地上波ディジタル放送の各種のサービスを提供する。放送局1により提供されるサービスには、例えば、家庭に設置された受信機向けのサービスだけでなく、携帯機向けのサービスも含まれる。
【0060】
これらのサービスは、放送局1から送信されるストリームに多重化されるPSI(Program Specific Information)に記述されるサービスタイプにより識別される。
【0061】
携帯受信機2は、いわゆる「1セグメント放送」に対応した、地上波ディジタル放送のチューナ内蔵の受信機(携帯機)である。「1セグメント放送」は、従来のアナログ放送1チャネルにあたる6MHzの帯域を、13の「セグメント」に分割したうちの1セグメントを用いて行われる、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistants)などの携帯向けの放送である。
【0062】
従って、ユーザは、携帯受信機2を用いることによって、外出先から放送局1より提供される携帯機向けのサービスを利用し、テレビジョン番組を視聴したりすることができる。また、携帯受信機2のユーザは、携帯受信機2に内蔵されるメモリにテレビジョン番組などのコンテンツを記録(コピー)させておき、リアルタイムではなくタイムシフトさせた形で、コンテンツを携帯受信機2に出力させて、或いは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394を介して携帯受信機2と接続される外部の機器にディジタル出力させて視聴したりすることもできる。
【0063】
コンテンツの記録や出力は、後に詳述するように、PSIのPMT(Program Map Table)に挿入されるディジタルコピー制御記述子(digital_copy_control_descriptor)の記述に従って行われる。
【0064】
ディジタルコピー制御記述子の従来の運用では、受信機と外部機器のディジタル接続にDTCPの著作権保護技術を採用する事を前提に出力を許可しつつコピーを制限している。また、放送局1からの放送もスクランブル放送によりセキュリティを守る必要があることからB-CASカードが受信機に挿入されていなければ放送受信を実現することができない。一方、携帯受信機2においては、B-CASカードが挿入されていなくても、放送受信を実現することができるようになされている。
【0065】
受信機3は、住宅Hに設置される地上波ディジタル放送の受信機である。受信機3には、テレビジョン受像機4および固定のアンテナ5が接続されており、ユーザは、放送局1から提供されるサービスを受信機3を用いて利用することができる。受信機3にはB-CASカードが挿入されており、同時にARIB(Association of Radio Industries and Businesses)(例えば、「ARIB TR-B10」)に規定されるディジタルコピー制御記述子の記述に従って、コンテンツの記録、出力を行うことができるようになされている。
【0066】
ここで、ディジタルコピー制御記述子について説明する。
【0067】
図3は、図2の放送システムで用いられるディジタルコピー制御記述子のデータ構造の例を示す図である。
【0068】
従来のディジタルコピー制御記述子では、それに含まれる2ビットの「copy_control_type」として01b,11bが定義されているが、図3のディジタルコピー制御記述子では、10bもさらに定義されている点が従来のものと相違する。10bの「copy_control_type」は、携帯放送サービスにおけるコンテンツの記録、出力を制限するために特に用いられる。
【0069】
図3のデータ構造のうちの上から2行目に示す8ビットの「descriptor_tag」は、ディジタルコピー制御記述子であることを識別するために用いられる。3行目に示す8ビットの「descriptor_length」は、ディジタルコピー制御記述子の記述子長を表す。
【0070】
4行目に示す2ビットの「digital_recording_control_data」は、受信機、またはそれに接続された外部の機器によるコンテンツの著作権情報を表し、コンテンツのコピーを制御する情報である。「digital_recording_control_data」のそれぞれの値の意味を図4に示す。
【0071】
図4に示すように、「digital_recording_control_data」が00bである場合、それは、「制約条件なしにコピー可」を表し、10bである場合、「1世代のみコピー可」を表す。また、11bである場合、それは「コピー禁止」を表す。なお、01bは、利用者が任意に定義することができるようになされている。
【0072】
図3の説明に戻り、5行目に示す1ビットの「maximum_bit_rate_flag」は、サービスの最大伝送レートを記述するか否かを表す。「maximum_bit_rate_flag」が0である場合、それは、最大伝送レートを記述しないことを表し、1である場合、最大伝送レートを記述することを表す。
【0073】
6行目に示す1ビットの「component_control_flag」は、その値が0の場合、ディジタルコピー制御情報は番組全体について規定され、コンポーネント制御長以降のフィールドは存在しないことを表す。PMTに当該記述子が記載される場合は、このフラグは使用されない。
【0074】
7行目に示す2ビットの「copy_control_type」は保護の仕組みを表す。「copy_control_type」のそれぞれの値の意味を図5に示す。
【0075】
図5に示すように、「copy_control_type」が01bである場合、それは、「digital_recording_control_data」が「制約条件なしにコピー可」(00b)以外である場合、受信機のIEEE1394のディジタル出力にはDTLA(Digital Transmission Licensing Administrator)がライセンスするDTCP(Digital Transmission Content Protection)方式の暗号出力処理が要求されることを表す。
【0076】
また、「copy_control_type」が11bである場合、それは、「digital_recording_control_data」が「制約条件なしにコピー可」以外であるときIEEE1394ディジタル出力が不可であることを表す。
【0077】
さらに、「copy_control_type」が10bである場合(図3の8行目に示す「if(copy_control_type = 10)」を満たす場合)、それは、図3の9行目に示す2ビットの「security_type」を参照し、その設定に従ってコンテンツの記録、出力を行うことを表す。
【0078】
この、「copy_control_type」の10bを用いた点、および「security_type」を規定した点が図1のディジタルコピー制御記述子と異なる。当然、「security_type」を参照させるための「copy_control_type」の値として、10bと同様、他のサービスでは用いられていない00bが用いられるようにしてもよい。
【0079】
「security_type」のそれぞれの値の意味を図6に示す。なお、「security_type」は便宜上付した名称であり、「security_type」と同様にコンテンツの記録、出力の制限を表すことができるものであれば、その名称はどのようなものであってもよい。
【0080】
図6に示すように、「security_type」が00bの場合、それは、「ディジタル記録およびディジタル出力にセキュリティが要求されない」ことを表し、01bの場合、それは、「ディジタル記録およびディジタル出力にセキュリティが要求される」ことを表す。ここで、セキュリティとは、上述した、DTCP方式の暗号出力処理等のことをいう。
【0081】
また、「security_type」が10bの場合、それは、「内蔵セキュリティ記録のみ可能。ディジタル出力は不可」であることを表す。11bは「resesrved_future_use」であり、将来の拡張のために用いられる。
【0082】
このように「security_type」を新たに規定し、「copy_control_type」を10b、「security_type」を00bと設定することにより、従来の規定では、「digital_recording_control_data」が00b以外である場合、スクランブル出力を行わなければディジタル出力を行うことができない、またコンテンツを記録する場合、セキュリティ記録が必要となることを回避してディジタル記録およびディジタル出力を行うことが可能になる。また、放送においては、スクランブルを施すことによるセキュリティの向上が行われる。
【0083】
従って、例えば、ディジタル接続された外部の機器に携帯受信機2からコンテンツをディジタル出力することが可能となり、B-CASカードなしに放送受信を行うことが可能になる。
【0084】
なお、「security_type」の10bは、受信機内蔵の記録媒体にコンテンツを記録させておき、後からコンテンツを利用可能とする、いわゆるサーバ型放送等に用いることができる。また、「security_type」が11bである場合(未定義)、「security_type」の01bと同じ様に、将来の拡張の為のリザーブビットの扱いとすることも可能である。
【0085】
このように、内蔵記録媒体へのコンテンツの記録、外部機器へのディジタル出力のセキュリティをそれぞれ独立に制限することができるようにすることにより、受信機側でのコンテンツの扱い方の幅を広げることが可能になる。すなわち、放送局1は、多様なサービスを提供することが可能になる。
【0086】
以上においては、ディジタルの信号の扱いについて説明したが、受信機からのアナログ出力については、従来の規定と同じ運用を課すこと(図1の「APS_control_data」の値に従うこと)、また、ディジタルコンテンツの扱いと同様、別の運用を課すことも可能である。
【0087】
以上のようなディジタルコピー制御記述子を用いてコンテンツの記録または出力を制限する放送局1の送信装置11と、携帯受信機2の処理についてはフローチャートを参照して後述する。
【0088】
図7は、送信装置11の構成例を示すブロック図である。
【0089】
制御部21は、所定のプログラムに従って送信装置11の全体の動作を制御する。例えば、制御部21は、符号器22−1乃至22−nを制御してテレビジョン番組のビデオ信号、オーディオ信号の符号化処理、圧縮処理を行わせるとともに、パケットエンコーダ23−1乃至23−nを制御して、符号器22−1乃至22−nのそれぞれの出力のパケット化処理を行わせる。また、制御部21は、ディジタルコピー制御記述子を含むPMTなどのPSIを生成し、生成したPSI等の付加情報を多重化部24に出力する。
【0090】
符号器22−1乃至22−nは、図示せぬ供給部から供給されてくるビデオ信号、オーディオ信号の符号化処理、および、例えば、MPEG-AVC/H.264(Moving Picture Experts Group-Advanced Video Coding/H.264)方式による圧縮処理を行い、得られたデータをパケットエンコーダ23−1乃至23−nにそれぞれ出力する。
【0091】
パケットエンコーダ23−1乃至23−nは、それぞれ、符号器22−1乃至22−nから供給されてきたビデオデータ、オーディオデータに対してパケット化処理を施し、得られたパケットを多重化部24に出力する。
【0092】
多重化部24は、パケットエンコーダ23−1乃至23−nから供給されてきたパケットと、制御部21から供給されてきた付加情報を多重化し、得られたストリームをディジタル変調回路25に出力する。多重化部24においては、必要に応じて、コンテンツのスクランブルも行われる。なお、制御部21から供給されてくる付加情報のPSIには、PMTの他、PAT(Program Association Table)、NIT(Network Information Table)、CAT(Conditional Access Table)も含まれる。
【0093】
ディジタル変調回路25は、多重化部24から供給されてきたストリームに対してディジタル変調処理を施し、得られた放送信号をアンテナ26から送信する。
【0094】
図8は、制御部21の機能構成例を示すブロック図である。図8の構成の少なくとも一部は、制御部21により所定のプログラムが実行されることで実現される。
【0095】
制御部21は、ディジタルコピー制御情報設定部41、コピー制御タイプ設定部42、およびセキュリティタイプ設定部43から構成される。ディジタルコピー制御情報設定部41、コピー制御タイプ設定部42、およびセキュリティタイプ設定部43には、送信装置11の管理者などにより入力された制御情報が供給され、この制御情報に基づいてそれぞれの情報の設定が行われる。
【0096】
ディジタルコピー制御情報設定部41は、制御情報に基づいてディジタルコピー制御記述子の「digital_recording_control_data」(図4)を設定する。
【0097】
すなわち、ディジタルコピー制御情報設定部41には、図3に示す構造のディジタルコピー制御記述子が供給される。ディジタルコピー制御情報設定部41に供給されるディジタルコピー制御記述子は、「digital_recording_control_data」、「copy_control_type」、「security_type」の値がまだ設定されていないものである。
【0098】
ディジタルコピー制御情報設定部41により「digital_recording_control_data」が設定されたディジタルコピー制御記述子はコピー制御タイプ設定部42に出力される。
【0099】
コピー制御タイプ設定部42は、制御情報に基づいてディジタルコピー制御記述子の「copy_control_type」(図5)を設定する。コピー制御タイプ設定部42により「copy_control_type」が設定されたディジタルコピー制御記述子はセキュリティタイプ設定部43に出力される。
【0100】
セキュリティタイプ設定部43は、制御情報に基づいてディジタルコピー制御記述子の「security_type」(図6)を設定する。セキュリティタイプ設定部43により「security_type」が設定されたディジタルコピー制御記述子は他のPSIとともに多重化部24に出力される。
【0101】
図9は、図2の携帯受信機2の構成例を示すブロック図である。
【0102】
CPU(Central Processing Unit)51は、図示せぬROM(Read Only Memory)、またはメモリ53に記憶されている所定のプログラムを実行し、バス52を介して携帯受信機2の全体の動作を制御する。例えば、CPU51は、B/E(Back End)部56からバス52を介して供給されてくるPSIの解析を行い、選局しているチャネルのサービスタイプの判定、ディジタルコピー制御記述子の解析等を行う。
【0103】
フラッシュメモリなどよりなるメモリ53には、B/E部56から供給されてくるコンテンツが記録され、記録されたコンテンツは、B/E部56により必要に応じて読み出される。メモリ53に対するコンテンツの記録は、ディジタルコピー制御記述子の記述に従って行われる。
【0104】
F/E(Front/End)部55は、CPU51による制御に従って、アンテナ54で受信された放送信号の選局、変調されている信号を復調する処理、誤り訂正等の処理を行い、得られたストリームをB/E部56に出力する。
【0105】
B/E部56は、CPU51による制御に従って、F/E部55から供給されてくるストリームからパケットを分離する処理、復号処理等を行う。B/E部56により取得されたビデオデータは例えばLCD(Liquid Crystal Display)57に出力され、コンテンツの画像が表示される。これにより、ユーザは番組を視聴することができる。なお、B/E部56により取得されたオーディオデータは、アナログ信号に変換された後、図示せぬスピーカやイヤホン端子から出力される。B/E部56により取得されたデータは、必要に応じて出力部58にも出力される。
【0106】
また、B/E部56は、F/E部55から供給されてくるストリームに含まれるPSIなどの付加情報をバス52を介してCPU51に出力する。
【0107】
出力部58は、例えば、IEEE1394などのディジタル出力端子であり、IEEE1394ケーブルを介して接続される外部の機器に、B/E部56から供給されてきたコンテンツ(ビデオデータ、オーディオデータ)をディジタル出力する。出力部58から外部の機器に対するディジタル出力も、ディジタルコピー制御記述子の記述に従って行われる。
【0108】
図10は、図9の携帯受信機2の機能構成例を示すブロック図である。図10の構成の少なくとも一部は、CPU51により所定のプログラムが実行されることにより実現される。
【0109】
サービスタイプ判定部71は、B/E部56から供給されてきたPSIに含まれるNITを参照し、F/E部55により選局されているチャネルにより提供されるサービスの判定を行う。NITのサービスリストディスクリプタには、テレビジョン放送サービス、音楽放送サービス、データ放送サービスなどの、それぞれのサービスを識別するサービスタイプが記述されている。サービスタイプ判定部71による判定結果はディジタルコピー制御記述子解析部72に出力される。
【0110】
ディジタルコピー制御記述子解析部72は、B/E部56から供給されてきたPMTに含まれるディジタルコピー制御記述子を、サービスタイプ判定部71によるサービスの判定結果を参照して解析する。
【0111】
例えば、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、選局されているサービスが携帯放送サービスであることがサービスタイプ判定部71により判定された場合、「digital_recording_control_data」、「copy_control_type」の他、「security_type」の解析も行う。ディジタルコピー制御記述子解析部72によるディジタルコピー制御記述子の解析結果は記録/出力制御部73に出力される。
【0112】
記録/出力制御部73は、ディジタルコピー制御記述子解析部72による解析結果に従って、B/E部56によるコンテンツの記録、出力を制御する。
【0113】
次に、以上のような構成を有する送信装置11、携帯受信機2の動作について説明する。
【0114】
始めに、図11のフローチャートを参照して、送信装置11の送信処理について説明する。
【0115】
制御部21のディジタルコピー制御情報設定部41(図8)は、送信装置11の管理者などにより入力された制御情報に基づいて、ディジタルコピー制御記述子の「digital_recording_control_data」を設定する。
【0116】
すなわち、ディジタルコピー制御情報設定部41は、送信するコンテンツを「制約条件なしにコピー可」とする場合、「digital_recording_control_data」に00bを設定し、「1世代のみコピー可」とする場合、10bを設定する。また、ディジタルコピー制御情報設定部41は、「コピー禁止」とする場合、「digital_recording_control_data」に11bを設定する。
【0117】
ディジタルコピー制御情報設定部41により「digital_recording_control_data」が設定されたディジタルコピー制御記述子はコピー制御タイプ設定部42に出力される。
【0118】
ステップS2において、コピー制御タイプ設定部42は、制御情報に基づいて、ディジタルコピー制御記述子の「copy_control_type」を設定する。
【0119】
例えば、コピー制御タイプ設定部42は、ディジタルコピー制御情報設定部41により設定された「digital_recording_control_data」が「制約条件なしにコピー可」(00b)以外である場合において、受信機のディジタル出力に暗号出力処理を要求する場合、「copy_control_type」に01bを設定する。
【0120】
また、コピー制御タイプ設定部42は、携帯放送サービスのコンテンツを送信する場合、適宜、「copy_control_type」に10bを設定する。これにより、携帯受信機2においては、「security_type」に従ってコンテンツのディジタル記録およびディジタル出力が制限される。
【0121】
コピー制御タイプ設定部42により「copy_control_type」が設定されたディジタルコピー制御記述子はセキュリティタイプ設定部43に出力される。
【0122】
ステップS3において、セキュリティタイプ設定部43は、制御情報に基づいて、ディジタルコピー制御記述子の「security_type」を設定する。
【0123】
すなわち、セキュリティタイプ設定部43は、送信するコンテンツが、ディジタル記録、ディジタル出力の際にセキュリティを要求しないものである場合、「security_type」に00bを設定し、要求する場合、01bを設定する。また、セキュリティタイプ設定部43は、「内蔵セキュリティ記録のみ可能。ディジタル出力は不可」としてコンテンツが扱われるようにする場合、「security_type」に10bを設定する。
【0124】
セキュリティタイプ設定部43により「security_type」が設定されたディジタルコピー制御記述子は他のPSIとともに多重化部24に出力される。
【0125】
多重化部24には、制御部21からのPSIの他、符号器22−1乃至22−nにより符号化処理、圧縮処理が施され、パケットエンコーダ23−1乃至23−nによりパケット化処理が施されることにより得られたパケットも供給されている。
【0126】
多重化部24は、ステップS4において、それらのパケットと、制御部21(セキュリティタイプ設定部43)から供給されてきたPSIを多重化する。多重化部24により多重化されることで得られたストリームはディジタル変調回路25に出力される。
【0127】
ステップS5において、ディジタル変調回路25は、多重化部24から供給されてきたストリームに対してディジタル変調処理等を施し、得られた放送信号をアンテナ26から送信する。
【0128】
次に、図12のフローチャートを参照して、携帯受信機2の受信処理について説明する。
【0129】
ステップS11において、F/E部55は、例えばユーザ操作に従って選局を行い、復調、誤り訂正等の処理を行うことで得られたストリームをB/E部56に出力する。B/E部56においてはパケットの分離が行われ、PSI等の情報が、バス52を介してCPU51(サービスタイプ判定部71、ディジタルコピー制御記述子解析部72(図10))に出力される。
【0130】
ステップS12において、サービスタイプ判定部71は、B/E部56から供給されてきたPSIに含まれるNITのサービスタイプを参照し、F/E部55により選局されているチャネルで提供されるサービスが携帯放送サービスであるか否かを判定する。
【0131】
ステップS12において、提供されるサービスが携帯放送サービスではないと判定した場合、サービスタイプ判定部71は、その判定結果をディジタルコピー制御記述子解析部72に出力する。このとき、処理はステップS13に進む。
【0132】
ステップS13において、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、通常の記録/出力制御処理を行う。
【0133】
一方、ステップS12において、選局されているチャネルで提供されるサービスが携帯放送サービスであると判定した場合、サービスタイプ判定部71は、その判定結果をディジタルコピー制御記述子解析部72に出力する。
【0134】
ステップS14において、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、B/E部56から供給されてきたPSIを解析し、PMTにディジタルコピー制御記述子があるか否かを判定する。
【0135】
ディジタルコピー制御記述子解析部72は、ステップS14において、PMTにディジタルコピー制御記述子がないと判定した場合、ステップS15に進み、受信されたコンテンツがコピーフリーのコンテンツであるとして、コンテンツの記録、出力等の所定の処理を記録/出力制御部73に行わせる。すなわち、記録/出力制御部73によりB/E部56が制御され、メモリ53に対するコンテンツの記録、出力部58からのコンテンツのディジタル出力が行われる。
【0136】
ディジタルコピー制御記述子解析部72は、ステップS14において、PMTにディジタルコピー制御記述子があると判定した場合、そのディジタルコピー制御記述子の「copy_control_type」の解析を行う。
【0137】
ステップS16において、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、「copy_control_type」が01bまたは11bであると判定した場合、その判定結果を記録/出力制御部73に出力する。このとき、処理はステップS13に進む。
【0138】
ステップS13において、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、通常の記録/出力制御処理を行う。すなわち、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、「copy_control_type」が01bである場合、「digital_recording_control_data」が「制約条件なしにコピー可」(00b)以外であるときには、ディジタル出力の際に記録/出力制御部73にIEEE1394ディジタル出力に暗号出力処理を行わせる。また、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、「copy_control_type」が11bである場合、「digital_recording_control_data」が「制約条件なしにコピー可」以外であるときは記録/出力制御部73にIEEE1394ディジタル出力を禁止させる。
【0139】
一方、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、ステップS16において、「copy_control_type」が10bであると判定した場合、ステップS17に進み、「digital_recording_control_data」が00b(「制約条件なしにコピー可」)であるか否かを判定する。
【0140】
ステップS17において、「digital_recording_control_data」が00bであると判定した場合、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、ステップS15に進み、受信されたコンテンツがコピーフリーのコンテンツであるとして記録/出力制御部73に所定の処理を行わせる。
【0141】
ディジタルコピー制御記述子解析部72は、ステップS17において、「digital_recording_control_data」が00bではないと判定した場合、ステップS18に進み、「security_type」の判定を行う。
【0142】
ステップS18において、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、「security_type」が10bであると判定した場合、その判定結果を記録/出力制御部73に出力する。このとき、処理はステップS19に進む。
【0143】
記録/出力制御部73は、ステップS19において、「内蔵セキュリティ記録のみ可能。ディジタル出力は不可」として、受信されたコンテンツを扱う。これにより、例えば、B/E部56により取得されたコンテンツがメモリ53に供給され、記録される。本説明において、メモリ53に記録することを前提にしているが、機器内蔵HDD記録機器、機器内蔵のメモリスティック(商標)等のセキュリティ記録が可能なリムーバブル記録媒体にも記録可能とする。
【0144】
一方、ステップS18において、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、「security_type」が01bであると判定した場合、その判定結果を記録/出力制御部73に出力する。このとき、処理はステップS20に進む。
【0145】
記録/出力制御部73は、ステップS20において、「ディジタル記録およびディジタル出力にセキュリティが要求される」として、受信されたコンテンツを扱う。これにより、例えば、出力部58を介して接続される外部の機器にコンテンツを出力する場合、その機器との間で、暗号出力処理などが行われることになる。
【0146】
ステップS18において、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、「security_type」が00bであると判定した場合、その判定結果を記録/出力制御部73に出力する。このとき、処理はステップS21に進む。
【0147】
記録/出力制御部73は、ステップS21において、「ディジタル記録およびディジタル出力にセキュリティが要求されない」として、受信されたコンテンツを扱う。これにより、例えば、出力部58を介して接続される外部の機器にコンテンツを出力する場合、暗号出力処理などが行われることなく、コンテンツが外部の機器に出力される。
【0148】
以上のように、「copy_control_type」の10bを新たに用い、「security_type」を携帯受信機2に参照させることにより、各種の形態のサービスに対応させることを可能としつつ、かつ、適切な著作権の管理を図ることができる。
【0149】
以上においては、「copy_control_type」の10bを新たに用いることにより上述したような機能を実現し、新たなサービスに対応させる場合について説明したが、従来の「digital_copy_control_descriptor」を変更することなく、新しいサービスに対してのみ有効とされる規定を追加することによって、それを実現することも可能である。
【0150】
例えば、「copy_control_type」が01bのとき、それを解析した機器が、「security_type」の01bが意味する「ディジタル記録およびディジタル出力にセキュリティが要求される」と等価なものとしてコンテンツを扱うようにし、また、「copy_control_type」が11bのとき、「security_type」の00bが意味する「ディジタル記録およびディジタル出力にセキュリティが要求されない」と等価なものとしてコンテンツを扱うようにすることにより、従来の「digital_copy_control_descriptor」を変更することなく、新たなサービスに柔軟に対応させることができる。
【0151】
このような、従来の「digital_copy_control_descriptor」を変更することなく、機能を追加する場合の携帯受信機2の受信処理について、図13のフローチャートを参照して説明する。
【0152】
ステップS31乃至S34の処理は、図12のステップS11乃至S14の処理と同様である。すなわち、ステップS31においてF/E部55により選局が行われ、ステップS32において、受信されているチャネルで提供されるサービスが携帯放送サービスであることがサービスタイプ判定部71により判定された場合、処理はステップS34に進む。
【0153】
ステップS34において、ディジタルコピー制御記述子解析部72によりPMTにディジタルコピー制御記述子があると判定された場合、処理はステップS36に進む。
【0154】
ステップS36において、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、ディジタルコピー制御記述子の「copy_control_type」を解析し、「copy_control_type」が01bであると判定した場合、ステップS37に進み、「ディジタル記録およびディジタル出力にセキュリティが要求される」として、受信されたコンテンツを扱う。
【0155】
すなわち、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、「copy_control_type」の01bを、「security_type」の01bとして読み替えを行っている。
【0156】
また、ステップS36において、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、ディジタルコピー制御記述子の「copy_control_type」が11bであると判定した場合、ステップS38に進み、「ディジタル記録およびディジタル出力にセキュリティが要求されない」として、受信されたコンテンツを扱う。
【0157】
すなわち、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、「copy_control_type」の11bを、「security_type」の00bとして読み替えを行っている。
【0158】
このような読み替えを行うことによっても、従来の「digital_copy_control_descriptor」のまま、新たなサービスに柔軟に対応させることもできる。従来の「digital_copy_control_descriptor」を解析することが可能な受信機に対して読み替えの方法を指定するプログラムがインストールされることで、以上のような読み替えが可能とされるようにしてもよい。
【0159】
以上においては、携帯放送サービスの機能を追加する場合について説明したが、同様に、「copy_control_type」の10bと「security_type」を用いて、住宅Hに設置される受信機3の機能を追加し、新たなサービスに対応させるようにしてもよい。
【0160】
また、以上においては、「security_type」の意味を図6に示すものとしたが、当然、サービスに応じて、他の様々な意味を持たせることも可能である。
【0161】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。この場合、そのソフトウェアを実行させる装置は、例えば、図14に示されるようなパーソナルコンピュータにより構成される。
【0162】
図14において、CPU71は、ROM72に記憶されているプログラム、または、記憶部78からRAM(Random Access Memory)73にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM73にはまた、CPU71が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。
【0163】
CPU71、ROM72、およびRAM73は、バス74を介して相互に接続されている。このバス74にはまた、入出力インタフェース75も接続されている。
【0164】
入出力インタフェース75には、キーボード、マウスなどよりなる入力部76、LCDなどよりなる出力部77、ハードディスクなどより構成される記憶部78、ネットワークを介しての通信処理を行う通信部79が接続されている。
【0165】
入出力インタフェース75にはまた、必要に応じてドライブ80が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア81が適宜装着され、それから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部78にインストールされる。
【0166】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで各種の機能を実行することが可能な、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどにネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0167】
この記録媒体は、図14に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(登録商標)(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア81により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM72や、記憶部78に含まれるハードディスクなどで構成される。なお、コンピュータでディジタル放送受信機能を実現する場合は、上記に加え運用規定で定義される実装基準に準拠し、放送コンテンツ及びセキュリティ情報が容易に外に取り出せないよう、十分留意する必要がある。
【0168】
なお、本明細書において、各ステップは、記載された順序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0169】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】従来のディジタルコピー制御記述子のデータ構造を示す図である。
【図2】本発明を適用した放送システムの構成例を示す図である。
【図3】図2の放送システムで用いられるディジタルコピー制御記述子のデータ構造の例を示す図である。
【図4】digital_recording_control_dataの意味を示す図である。
【図5】copy_control_typeの意味を示す図である。
【図6】security_typeの意味を示す図である。
【図7】送信装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】図7の制御部の機能構成例を示すブロック図である。
【図9】携帯受信機の構成例を示すブロック図である。
【図10】図9の携帯受信機の機能構成例を示すブロック図である。
【図11】送信装置の送信処理について説明するフローチャートである。
【図12】携帯受信機の受信処理について説明するフローチャートである。
【図13】携帯受信機の他の受信処理について説明するフローチャートである。
【図14】パーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0171】
1 放送局, 2 携帯受信機, 3 受信機, 21 制御部, 41 ディジタルコピー制御情報設定部, 42 コピー制御タイプ設定部, 43 セキュリティタイプ設定部, 51 CPU, 53 メモリ, 55 F/E部, 56 B/E部, 58 出力部, 71 サービスタイプ判定部, 72 ディジタルコピー制御記述子解析部, 73 記録/出力制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯受信機にコンテンツを送信し、ディジタル放送の所定のサービスを提供する送信装置と、前記所定のサービスを利用可能な携帯受信機とからなる放送システムにおいて、
前記送信装置は、
前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第1の制限情報として、前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値を設定する第1の設定手段と、
前記第1の制限情報が前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとることが前記携帯受信機において判定された場合に前記携帯受信機により用いられる、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第2の制限情報を設定する第2の設定手段と
を備え、
前記携帯受信機は、
前記第1の制限情報が、前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記第1の制限情報が前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとると判定された場合、前記第2の制限情報に基づいて前記コンテンツの記録または出力を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする放送システム。
【請求項2】
携帯受信機にコンテンツを送信し、ディジタル放送の所定のサービスを提供する送信装置において、
前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第1の制限情報として、前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値を設定する第1の設定手段と、
前記第1の制限情報が前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとることが前記携帯受信機において判定された場合に前記携帯受信機により用いられる、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第2の制限情報を設定する第2の設定手段と
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項3】
携帯受信機にコンテンツを送信し、ディジタル放送の所定のサービスを提供する送信装置の送信方法において、
前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第1の制限情報として、前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値を設定する第1の設定ステップと、
前記第1の制限情報が前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとることが前記携帯受信機において判定された場合に前記携帯受信機により用いられる、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第2の制限情報を設定する第2の設定ステップと
を含むことを特徴とする送信方法。
【請求項4】
携帯受信機にコンテンツを送信し、ディジタル放送の所定のサービスを提供する処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第1の制限情報として、前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値を設定する第1の設定ステップと、
前記第1の制限情報が前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとることが前記携帯受信機において判定された場合に前記携帯受信機により用いられる、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第2の制限情報を設定する第2の設定ステップと
を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
ディジタル放送の所定のサービスを利用可能な携帯受信機において、
コンテンツとともに送信されてくる、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第1の制限情報が、前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記第1の制限情報が前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとると判定された場合、前記所定のサービスで規定される、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第2の制限情報に基づいて前記コンテンツの記録または出力を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする携帯受信機。
【請求項6】
前記第2の制限情報は、前記コンテンツのセキュア記録または出力に暗号化処理が必要であるか否かを表す
ことを特徴とする請求項5に記載の携帯受信機。
【請求項7】
前記第2の制限情報は、さらに、前記携帯受信機に内蔵される記録部にのみ前記コンテンツをセキュア記録することを許可し、かつ、前記コンテンツを外部に出力することを不許可とすることを表す
ことを特徴とする請求項5に記載の携帯受信機。
【請求項8】
ディジタル放送の所定のサービスを利用可能な携帯受信機の受信方法において、
コンテンツとともに送信されてくる、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第1の制限情報が、前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップの処理により、前記第1の制限情報が前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとると判定された場合、前記所定のサービスで規定される、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第2の制限情報に基づいて前記コンテンツの記録または出力を制御する制御ステップと
を含むことを特徴とする受信方法。
【請求項9】
ディジタル放送の所定のサービスを利用するための受信処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
コンテンツとともに送信されてくる、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第1の制限情報が、前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップの処理により、前記第1の制限情報が前記所定のサービス以外のサービスで用いられているものと異なる値をとると判定された場合、前記所定のサービスで規定される、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する第2の制限情報に基づいて前記コンテンツの記録または出力を制御する制御ステップと
を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
ディジタル放送の所定のサービスを利用可能な携帯受信機において、
コンテンツとともに送信されてくる、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する制限情報を、前記所定のサービスで規定される意味の情報として読み替え、読み替えた前記制限情報の意味に従って、前記コンテンツの記録または出力を制御する制御手段を備える
ことを特徴とする携帯受信機。
【請求項11】
ディジタル放送の所定のサービスを利用可能な携帯受信機の受信方法において、
コンテンツとともに送信されてくる、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する制限情報を、前記所定のサービスで規定される意味の情報として読み替え、読み替えた前記制限情報の意味に従って、前記コンテンツの記録または出力を制御する制御ステップを含む
ことを特徴とする受信方法。
【請求項12】
ディジタル放送の所定のサービスを利用するための受信処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
コンテンツとともに送信されてくる、前記コンテンツの著作権情報により設定された記録または出力の制限に関する制限情報を、前記所定のサービスで規定される意味の情報として読み替え、読み替えた前記制限情報の意味に従って、前記コンテンツの記録または出力を制御する制御ステップを含む
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2006−5838(P2006−5838A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−182319(P2004−182319)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】