放送受信機及びプログラム
【課題】利用者選択による削除の煩わしさをなくし、自動削除を行う判断を従来のレコメンド機能を利用するのみでなく、蓄積型放送サービスの特徴である補完機能等を利用した場合であっても、利用者の嗜好に最適な自動削除を行うことが可能な放送受信機等を提供すること。
【解決手段】リアルタイム型放送送信システムと、蓄積型放送送信システムとからコンテンツを取得可能な放送受信機において、記憶されたコンテンツから削除予定となるコンテンツを抽出し、抽出されたコンテンツを削除するときに、削除予定となるコンテンツに蓄積型放送送信システムから取得したコンテンツが含まれている場合には、当該コンテンツを削除する優先度を低くする。
【解決手段】リアルタイム型放送送信システムと、蓄積型放送送信システムとからコンテンツを取得可能な放送受信機において、記憶されたコンテンツから削除予定となるコンテンツを抽出し、抽出されたコンテンツを削除するときに、削除予定となるコンテンツに蓄積型放送送信システムから取得したコンテンツが含まれている場合には、当該コンテンツを削除する優先度を低くする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアルタイム型放送送信システムと、蓄積型放送送信システムとからコンテンツを取得可能な放送受信機等に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、携帯端末、モバイル機器向けに、ワンセグと同じようなサービスとしてマルチメディア放送が規格化され、今後サービスが開始されようとしている。このような多くの放送に対して利用されるものとして、いわゆるレコメンド機能と呼ばれるものがある。これは、利用者の視聴履歴、録画履歴、検索履歴より、その利用者のニーズがどういったものか判断し、利用者の嗜好に合わせた情報提供を行ったり、自動的にコンテンツを録画したりする機能である(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この場合、自動的にコンテンツが録画されてしまうことから、記憶媒体に多くのコンテンツが記憶されてしまい、記憶容量が足りなくなるといった問題が生じてしまう。従って、新たなコンテンツを記憶するために、利用者の再生履歴等に基づいて、自動的に録画されたコンテンツを削除する機能が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−124407号公報
【特許文献2】特開2009−261038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、デジタル放送の多様化に伴い、従来のワンセグ放送サービスに代表されるリアルタイム型放送サービスの他に、今後サービスが開始されようとしているマルチメディア放送サービスの特徴ともなる蓄積型放送サービスが提供される。蓄積型放送サービスは、リアルタイムに放送されたコンテンツを補完するために用いられる機能のみでなく、リアルタイムに放送されたコンテンツ以外のコンテンツも提供し、ユーザーが好きな時間にコンテンツ視聴できる目的で利用される。
【0006】
この蓄積型放送サービスを利用するには、利用者が手続きをする必要があり、更に通信費を別に負担したり、コンテンツ料金を別に負担したりする必要がある。すなわち、蓄積型放送サービスで提供される補完機能を利用したコンテンツは、利用者にとって重要度が高いコンテンツであることが多い。
【0007】
ここで、従来の自動的に録画されたコンテンツを削除する機能を利用した場合、上述した補完機能を用いたコンテンツであっても、履歴等から意図せずに削除されてしまうといった問題が生じてしまう。
【0008】
上述した課題に鑑み、本発明の目的は、利用者選択による削除の煩わしさをなくし、蓄積型放送サービスの特徴である補完機能等を利用した場合であっても、利用者の嗜好に最適な自動削除を行うことが可能な放送受信機等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題に鑑み、本発明の放送受信機は、
リアルタイム型放送送信システムと、蓄積型放送送信システムとからコンテンツを取得可能な放送受信機において、
コンテンツと、コンテンツに関するコンテンツ情報を記憶する記憶手段と、
前記コンテンツから削除予定となるコンテンツを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出されたコンテンツを削除するコンテンツ削除手段と、
を備え、
前記抽出手段は、前記コンテンツに蓄積型放送送信システムから取得したコンテンツが含まれている場合には、当該コンテンツの優先度を低くすることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の放送受信機において、前記抽出手段は、前記コンテンツに蓄積型放送送信システムから取得したコンテンツを含まないコンテンツを削除予定として抽出することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の放送受信機は、
新しいコンテンツを記憶するために、録画予約をする録画予約手段を更に有し、
前記削除手段は、新しいコンテンツの記憶容量と、前記記憶手段に記憶されているコンテンツの記憶容量とが、前記記憶手段に記憶可能な記憶容量以下となるまで、前記抽出手段により抽出された削除予定のコンテンツを削除することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の放送受信機において、
前記コンテンツ情報にはコンテンツのジャンルが含まれており、
前記抽出手段は、コンテンツの削除回数が多いジャンルのコンテンツから、削除予定となるコンテンツを優先的に抽出することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の放送受信機において、
前記コンテンツ情報にはコンテンツ毎の再生回数が含まれており、
前記抽出手段は、前記コンテンツの再生回数が少ないものから優先的に削除予定のコンテンツとして抽出することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の放送受信機において、
前記コンテンツ情報には、コンテンツの視聴を促すメッセージを表示したか否かの情報が含まれており、
前記抽出手段は、前記コンテンツの再生回数が0回で、かつ、前記コンテンツの視聴を促すメッセージを表示した情報が含まれているコンテンツについて、優先的に削除予定のコンテンツとして抽出することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の放送受信機において、
前記コンテンツ情報には、コンテンツの記憶日時が含まれており、
前記削除手段は、前記抽出手段により抽出された削除予定のコンテンツの中から、記憶日時が古いものから削除を行うことを特徴とする。
【0016】
本発明の放送受信機は、リアルタイム型放送送信システムと、蓄積型放送送信システムとからコンテンツを取得可能な放送受信機において、
コンテンツと、コンテンツに関するコンテンツ情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されているコンテンツのうち、優先度の低いコンテンツから削除するコンテンツ削除手段と、
を備え、
前記削除手段は、前記コンテンツに蓄積型放送送信システムから取得したコンテンツが含まれている場合には、当該コンテンツの優先度を高くすることを特徴とする。
【0017】
本発明のプログラムは、
リアルタイム型放送送信システムと、蓄積型放送送信システムとからコンテンツを取得可能なコンピュータに、
コンテンツと、コンテンツに関するコンテンツ情報を記憶する記憶機能と、
前記コンテンツから削除予定となるコンテンツを抽出する抽出機能と、
前記抽出機能により抽出されたコンテンツを削除するコンテンツ削除機能と、
を実現するプログラムであって、
前記抽出機能は、前記コンテンツに蓄積型放送送信システムから取得したコンテンツが含まれている場合には、当該コンテンツの優先度を低くすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、リアルタイム型放送送信システムと、蓄積型放送送信システムとからコンテンツを取得可能な放送受信機において、記憶されたコンテンツから削除予定となるコンテンツを抽出し、抽出されたコンテンツを削除するときに、削除予定となるコンテンツに蓄積型放送送信システムから取得したコンテンツが含まれている場合には、当該コンテンツを削除する優先度を低くすることとなる。従って、蓄積型放送送信システムを利用したコンテンツに関しては、優先的に保存されることとなり、利用者の意図に反して削除されるといったことを防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態における放送通信システムの全体を説明するための図である。
【図2】第1実施形態における携帯端末の外観を示す図である。
【図3】第1実施形態における携帯端末の機能構成を説明するための図である。
【図4】第1実施形態における携帯端末の記憶部の機能構成を説明するための図である。
【図5】第1実施形態におけるコンテンツ情報記憶領域に記憶されるコンテンツ情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図6】第1実施形態におけるジャンル別履歴情報のデータ構成の一例をしめす図である。
【図7】第1実施形態における録画予約データのデータ構成の一例をしめす図である。
【図8】第1実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図9】第1実施形態における画面表示例を説明するための図である。
【図10】第1実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図11】第1実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図12】第1実施形態における画面表示例を説明するための図である。
【図13】第1実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図14】第1実施形態における画面表示例を説明するための図である。
【図15】第2実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図16】第3実施形態における放送通信システムの全体を説明するための図である。
【図17】第3実施形態における放送受信装置の外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、以下の実施形態では、第1実施形態、第2実施形態として放送受信機の一例として、携帯電話や、モバイル端末といった携帯端末に適用した場合について、第3実施形態として据え置き型の放送受信機について説明する。
【0021】
[1.第1実施形態]
[1.放送システムの構成]
まず、第1実施形態におけるマルチメディア放送システム1の構成について、図1を用いて説明する。図1は従来のリアルタイム型放送サービスと同時に、蓄積型放送サービスを提供するマルチメディア放送を提供するマルチメディア放送システム1の概要を示している。
【0022】
まず、システム10は、従来の放送サービスを提供するリアルタイム型放送送信システム12と、蓄積型放送サービスを提供する蓄積型放送送信システム14とを含んでおり、コンテンツが提供される。提供されたコンテンツは、多重化装置16にて多重化され、放送局30により、放送波として送出される。
【0023】
一方、放送波で送出されたコンテンツを見るためのランセンスキーは、CAS/DRMサーバ22(Conditional Access Systems/Digital Rights Management)より、通信網(例えば、携帯電話網等)を経由し、通信基地局40を介し、携帯端末50との通信接続により送信(提供)される。
【0024】
携帯端末50では、コンテンツの視聴を行う場合、入手したライセンスキーを使用する。リアルタイム型放送コンテンツの場合は、通常の放送と同じように、その都度受信して視聴する。
【0025】
蓄積型放送コンテンツの場合は、再生可能なコンテンツの蓄積が完了した時点で、入手したライセンスキーを使用して再生を行うことができ、時間の制約を受けることなく視聴が可能となる。また、蓄積型放送サービスでは、放送波によるコンテンツの取得に失敗した場合、通信にて欠損データの補完を行うことができる。欠損データの補完は、蓄積コンテンツサーバ24にて行われる。
【0026】
[1.2 携帯端末の機能構成]
続いて、本発明の放送受信機を含む携帯端末50の機能構成について、図を用いて説明する。本実施形態における携帯端末50は、蓄積型放送サービスの自動蓄積を利用者の嗜好にあった最適な方法で行うことが可能なマルチメディア放送受信用の携帯端末である。
【0027】
図2は携帯端末50の外観図であり、図3は携帯端末50の機能構成図である。図2に示すように携帯端末50は、表示装置114と、操作部206とを有しており、外部から放送波や通信を受信するアンテナANTを有している。なお、アンテナANTは、図2では外部アンテナとなっているが、携帯端末50の筐体に内蔵されることとしても良い。
【0028】
図3は、携帯端末50の機能構成を説明するための図である。携帯端末50では、ISDB−Tmm(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial for mobile multimedia)チューナ100にてマルチメディア放送を受信し、受信されたデータは復調部102にて復調され、リアルタイム型放送コンテンツデータ及び蓄積型放送コンテンツデータとしてデコーダ部104に渡される。
【0029】
制御部202では、利用者により操作部206から指示された選局やコンテンツの視聴・再生などを受け、チューナ部(ISDM−Tmmチューナ100)、復調部102、デコーダ部104の制御を行う。
【0030】
デコーダ部104では制御部202からの制御により、必要に応じて、デコード用RAM106のメモリを使用し、映像データ、音声データをデコードし、映像処理部110、音声処理部108にデータを出力する。
【0031】
映像処理部110では、入力されたコンテンツデータと、それ以外の表示データ(例えばタッチボタングラフィックや、番組名やチャネル番号といったデータ)とを規定レイアウトに沿って、配置・重ね合わせを行い、表示装置114(例えば、LCD等)に表示させる。
【0032】
音声処理部108では、入力されたコンテンツデータのうち、音声データをアナログ信号に変換し、音声として音声出力装置112(例えば、スピーカ等)より出力させる。また、デコーダ部104のデコード処理の前に、通信部200より通信接続を行い入手したライセンスキーが暗号解除鍵として使用され、制御部202により復号処理される。
【0033】
記憶部204は、制御部202の処理にて使用されるメモリであり、携帯端末50の動作に必要な各種プログラムや、各種データ(例えば、利用者の設定や、視聴、録画、削除履歴等)が記憶されている機能部である。記憶部204は、例えば、半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
【0034】
外部メモリI/F208は、外部記憶装置210(例えば、SDカード、miniSDカード、microSDカード、CD−R、コンパクトフラッシュ(登録商標)等)と接続を行うインターフェース部である。
【0035】
記憶部204について、図4を用いて更に説明する。図4に示すように、記憶部204は、コンテンツが記憶されるコンテンツ記憶領域2042及びコンテンツ記憶情報が記憶されるコンテンツ情報記憶領域2044の領域が確保されており、ジャンル別履歴情報2046と、録画予約データ2048とが記憶されている。更に、メインプログラム2050と、自動コンテンツ削除プログラム2052と、削除コンテンツ決定プログラム2054とが記憶されている。
【0036】
例えば、制御部202は、削除コンテンツ決定プログラム2054を読み出して実行することにより、削除コンテンツ決定処理が実行される。
【0037】
コンテンツ記憶領域2042は、コンテンツ(データ)を記憶するための記憶領域である。ここで記憶されるコンテンツとしては、本実施形態については番組等の放送データ、配信データであるが、他の動画像データであったり、他の音声データであったりしてもよい。
【0038】
図5は、コンテンツ情報記憶領域2044に記憶されるコンテンツ情報の一例を示した図である。コンテンツ情報としては、コンテンツの名前(例えば「株式市場」)と、当該コンテンツのジャンル(例えば、「ドキュメント」)と、録画日時(例えば、「2010/01/10 21:00−21:54」)と、再生回数(例えば「2」)と、補完機能のフラグ(例えば「ON」)と、視聴促進のフラグ(例えば、「表示済」)とが含まれている。
【0039】
ここで、コンテンツとは、コンテンツを識別するための情報であり、本実施形態にはコンテンツ名(番組名)が記憶されている。コンテンツを識別する情報としては、コンテンツ名の他にも、ファイル名、管理番号等のコンテンツ(データ)を識別するための情報が記憶される。更に、例えば記憶時の画質、ビットレート等の録画モード、音質、データ放送等を含めていても良い。
【0040】
ジャンルとは、コンテンツに対応づけられたものであり、例えば映画、ドラマ、音楽、スポーツ、ドキュメント、バラエティ等といった内容が記憶されている。更に、利用者が設定したフラグであったり、出演者等の情報等他の情報であったりしても良い。
【0041】
録画日時は、コンテンツが録画された日時(時間)が記憶されている。当該録画された時間に基づいて、コンテンツの容量(記憶容量)が判定される。この記憶容量については、録画時間であったり、コンテンツのファイル記憶サイズであったりしても良い。また、録画モードと録画時間を組み合わせたものであっても良い。本実施形態では、説明を簡易にするために録画時間を基準として説明する。
【0042】
再生回数は、当該コンテンツが再生された回数を記憶している。再生回数としては、例えば再生機能が実行された回数でも良いし、所定時間以上再生した場合の回数であっても良い。
【0043】
補完機能のフラグは、当該コンテンツを蓄積型放送送信システム14から受信したが、データに欠損があり、通信にて蓄積コンテンツサーバ14に接続し、欠損データの補完がされた否かを記憶している情報である。例えば、「ON」であれば、当該コンテンツは通信システム20を利用して蓄積コンテンツサーバに接続し、欠損データの補完を行ったこととなる。
【0044】
視聴促進のフラグとは、視聴を促すメッセージを表示したか否かを記憶するフラグである。例えば、未視聴のコンテンツがあった場合に、制御部202は、利用者に対して「○○については未視聴です。視聴しますか?」といった視聴を促すメッセージを表示する。
【0045】
当該メッセージが表示されたコンテンツの場合、視聴促進のフラグは「ON」となる。視聴促進メッセージが表示されたに関わらず、利用者が視聴していないコンテンツは、重要度が低いコンテンツであることが推測される。
【0046】
図6は、ジャンル別履歴情報2046のデータ構造の一例を示す図である。ジャンル別履歴情報2046は、コンテンツジャンル毎に(例えば、「映画」)、再生回数(例えば「12」)と、削除回数(例えば「5」)とが記憶されている。
【0047】
本実施形態においては、コンテンツの再生時、削除時に、ジャンル別履歴情報2046が更新される事となる。すなわち、コンテンツの再生や削除が行われると、当該コンテンツのジャンルについて、再生回数、削除回数が1回増加される。
【0048】
なお、本実施形態においては、再生回数、削除回数を記憶しているが、例えばコンテンツ情報から任意のタイミングで求める事としても良い。また、削除回数についても、コンテンツを削除した履歴を記憶しておき、当該削除の履歴から削除回数を求めても良い。この場合、例えば「直近に削除したコンテンツ100件について削除回数を求める」といったことを行うことも可能である。
【0049】
図7は、録画予約データ2048のデータの構造の一例を示す図である。録画予約データ2048は、放送を録画する予約の情報について記憶しているものであり、コンテンツ(例えば、「世界遺産ランキング」)と、ジャンル(例えば「ドキュメント」)と、予約日時(例えば、「2011/04/01 12:00−12:50」)を記憶している。
【0050】
ここで、コンテンツとは、図5で説明したコンテンツ情報記憶領域に記憶されているコンテンツと同じ意味であり、本実施形態では一例としてコンテンツ名を記憶している。当該コンテンツ名には、番組情報(例えば放送チャンネルや、蓄積サーバのアドレス、録画モード)といったいわゆる録画機能に必要な情報についても含まれてよい。放送(例えば地上波デジタル放送)を録画するといった機能については、公知であるためその動作や詳細については説明を省略する。
【0051】
また、予約日時についても、本実施形態においては録画開始時及び時間について記憶している。この予約日時に基づいて、録画するのに必要な容量(時間)を算出する事ができる。この録画予約に必要な容量については、ファイルサイズや、録画モードに応じた記憶容量といった種々のものが考えられるが、本実施形態においては、説明の都合、録画時間として説明する。
【0052】
[1.3 処理の流れ]
続いて、携帯端末50の処理の流れについて、図を用いて説明する。本実施形態は、利用者の嗜好にあった最適な方法で自動削除を行う処理の流れについて説明する。マルチメディア放送サービスを、携帯端末50で受けているときに、利用者の嗜好にあったコンテンツを効率よく自動録画するためには、利用者の嗜好にあわせて、不必要と思われるコンテンツをどれだけ効率よく、削除できるかが重要となる。この点について、以下、具体的に説明する。
【0053】
[1.3.1 メイン処理]
まずメイン処理について、図8のフローチャートを用いて説明する。メイン処理は、図4に示すメインプログラム2050を、制御部202が読み出して実行することにより実現される処理である。
【0054】
まず、利用者は録画予約画面から録画予約を行う。その結果は、記憶部204に録画予約データ2048として記憶される。このときに表示装置114に表示される表示画面W100の一例を示す。表示画面W100には、番組表が表示されている。そして、枠R100により、利用者が録画予約を行う番組が選択され、選択されている番組が録画予約データ2048に記憶される。
【0055】
なお、録画予約をする方法としては、本実施形態では番組表から選択する例について説明しているが、当然他の方法(例えば、番組情報に含まれるキーワードから検索したり、録画日時や放送局を直接入力したりする方法)であっても良いことは勿論である。
【0056】
そして制御部202は、利用者により入力された録画予約データを確認する(ステップS10)。具体的には、記憶部204に記憶されている録画予約データ2048に基づいて、録画予約されるコンテンツが録画される時間(記憶容量)を計算する。
【0057】
ここで、現在記憶部204の残りの記憶容量と、録画予約データ2048に記憶されている録画する予定のコンテンツの記憶容量とを比較し、記憶部204の残りの記憶容量を超えている場合には(ステップS12;Yes)、自動コンテンツ削除処理が実行される(ステップS14)。
【0058】
[1.3.2 自動コンテンツ削除処理]
続いて、図8のステップS14において実行される自動コンテンツ削除処理について、図10を用いて説明する。自動コンテンツ削除処理は、図4に示す自動コンテンツ削除プログラム2052を、制御部202が読み出して実行することにより実現される処理である。
【0059】
まず、コンテンツ情報記憶領域2044に記憶されているコンテンツ情報に基づいて、コンテンツをそれぞれのジャンルに分類する(ステップS100)。ここで、コンテンツを分類するジャンルとして種々のものが考えられるが、本実施形態は削除回数を例にとって説明する。
【0060】
削除回数は、ジャンル別履歴情報2046に記憶されており、次にこのジャンル別履歴情報2046に記憶されている削除回数に基づいて順位付けを行う(ステップS102)。ここでは種々の方法が考えられるが、本実施形態としては、ジャンル別履歴情報2046に記憶されている削除回数の中から最大の削除回数をmとして記憶する(ステップS104)。
【0061】
次に、削除回数がm回の分類であるコンテンツを削除候補リストとして抽出する(ステップS106)。そして、削除候補リストの中から削除するコンテンツを決定する削除コンテンツ決定処理を実行する(ステップS108)。
【0062】
そして、削除コンテンツ決定処理が実行された後、録画する予定のコンテンツの容量と、記憶部204の残りの記憶容量を比較する(ステップS110)。ここで、残りの記憶容量をまだ超えている場合には(ステップS110;Yes)、mから1を減算して再度ステップS106から処理が繰り返し実行される。他方、ステップS110において記憶容量を下回れば(ステップS110;No)、本処理を終了する。
【0063】
[1.3.3 削除コンテンツ決定処理]
続いて、図10のステップS108において実行される削除コンテンツ決定処理について、図11を用いて説明する。削除コンテンツ決定処理は、図4に示す削除コンテンツ決定プログラム2054を、制御部202が読み出して実行することにより実現される処理である。
【0064】
まず、変数nに「0」を代入する(ステップS200)。続いて、再生回数がn回のコンテンツを削除候補リストから抽出する(ステップS202)。続いて、ステップS202において抽出された削除候補リストから、更に補完機能を利用していないコンテンツを抽出する(ステップS204)。具体的には、コンテンツ情報を参照し、補完機能が「OFF」のコンテンツのみ抽出する。これにより、ステップS204において補完機能を利用したコンテンツについては削除されないこととなる。これは、利用者がわざわざ補完機能を利用したコンテンツというのは、重要度が高いと推測されるからである。
【0065】
つづいて、変数nが「0」の場合には(ステップS206;Yes)、利用者に視聴を促すメッセージを出したコンテンツのみを抽出する(ステップS208)。具体的には、コンテンツ情報を参照し、「視聴促進」が「表示済」のコンテンツのみを抽出する。これは、利用者に対して視聴を促すメッセージを表示したにもかかわらず、利用者によりコンテンツが再生されていない場合には、利用者にとって優先度の低いコンテンツであると推測されるからである。
【0066】
つづいて、抽出された削除候補リストのコンテンツ情報を録画日時でソートする(ステップS210)。本実施形態では、昇順にソートし、過去に録画されたものが削除対象となる順位が上位になる用にする。
【0067】
そして、削除候補リストの上位から(一番録画日時の古いもの)から、コンテンツを削除する(ステップS212)。ここで、録画予約データ2048において算出される録画に必要な記憶容量が、記憶部204の残りの記憶容量以下である場合(記憶容量を確保出来た場合)には、本処理を終了する(ステップS214;Yes)。
【0068】
他方、録画に必要な記憶容量が、記憶部204の残りの記憶容量を超えている場合(記憶容量を確保出来ていない場合)には、削除候補リストの総てのコンテンツを削除したか否かを判定する(ステップS216)。ここで、削除候補リストに抽出されたコンテンツがまだ存在する場合には、次のコンテンツ(次に録画日時の古いもの)を削除する(ステップS216;No→ステップS212)。
【0069】
また、nがコンテンツ内の最大再生回数を超えた場合には、本処理を終了する(ステップS218;Yes)。他方、nがコンテンツ内の最大再生回数を超えていない場合には、nの回数を1増加させ、新たに削除候補リストを抽出する(ステップS218;No→ステップS202)。
【0070】
このように上述した実施形態によれば、蓄積型放送サービスでは、蓄積時に不完全なところがあった場合、通信を利用して、不完全なデータを補完することができる。ただし、補完を行うには通信網を利用するため、パケット料等の通信費用が伴ったり、コンテンツ料金が生じたりしてしまう。したがって、本実施形態では、通信費用等を払ってまで蓄積したコンテンツであるということも考慮し、利用者が不利益とならず、利用者嗜好にあった自動削除を実現することで、効率よく、マルチメディア放送サービスを受けられるようになる。
【0071】
なお、上述の実施形態において、総てのコンテンツジャンルについて実施しても、記憶容量の確保ができない場合、削除履歴が一番多い、最初に削除対応となったジャンルから、蓄積された日時が一番古い、補完機能を使用したコンテンツを不要な蓄積コンテンツとして選択し、利用者に削除してよいか否かの許可を得るポップアップ等の通知する事が可能である。そして、通知に従って、利用者が削除を許可した場合に、当該コンテンツを削除する。
【0072】
例えば、このとき表示装置114に表示される表示画面W200の一例を図12に示す。領域R200には、上述した処理が実行されても記憶容量が確保できなかったことを報知する内容と、更に削除候補となっている番組の情報が表示されている。利用者は、当該報知によって、選択されている番組を削除するか否かを選択する。さらに、異なる番組を選択したり、削除する処理を中止したりすることが可能である。
【0073】
そして、当該コンテンツの削除について、利用者が許可しなかった場合、次の再生回数が少ない、補完機能を使用した蓄積コンテンツを選択し、前述同様に利用者に許可を得て、メモリ確保できるまで、削除処理を実施する。
【0074】
なお、上述の処理は、当該コンテンツについて自動で削除する場合について説明したが、コンテンツを抽出するごとに削除の可否を利用者に問うようにしても良い。具体的には、図11のステップS210〜ステップS216の処理を、図13の処理で置き換えれば良い。
【0075】
図13について具体的に説明すると、録画日時でソートした後に、まず削除候補となるコンテンツを選択する(ステップS2102)。次に、利用者に対して選択された番組を削除して良いか否かを確認する(ステップS2104)。
【0076】
ステップS2104における表示装置114に表示される表示画面W300の一例を図14に示す。領域R300には、現在削除する候補として抽出されている番組が表示されている。利用者は、当該表示画面に基づいて、当該番組を削除するか否かを選択する。
【0077】
続いて、削除すると指示が成された場合には(ステップS2106;Yes)、選択されたコンテンツ(番組)を削除する(ステップS2108)。ここで、記憶容量が確保出来ていない場合には(ステップS2110;No)、ステップS216に処理を移行する。
【0078】
[2.第2実施形態]
続いて、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、図10のステップS106において、削除候補リストを抽出した後に、ステップS108において削除コンテンツ決定処理を実行することとして説明したが、補完機能を利用していないコンテンツの優先度を下げることにより、高速に動作させる実施形態について説明する。
【0079】
なお、第2実施形態については、携帯端末50の機能構成等は第1実施形態と同一であり、処理についても第1実施形態と同様の処理を行う箇所については説明を省略し、異なっている処理についてのみ説明する。
【0080】
すなわち、第1実施形態の図10の代わりに図15の処理を実行する。ここでは、削除回数がm回のコンテンツについて(ステップS106)、補完機能を利用しているコンテンツか否かについて判定する(ステップS300)。ここで、補完機能を利用している場合には(ステップS300;Yes)、当該コンテンツの優先度を上げる(ステップS302)。
【0081】
そして、コンテンツのうち、優先度の低いコンテンツを削除する(ステップS304)。ここで優先度の低いコンテンツとしては、種々考えられるが、例えば、録画日時が古いコンテンツについて優先度を低くしたり、再生回数の少ないコンテンツについて優先度を低くしたり、利用者に視聴を促すメッセージを出したコンテンツについて優先度を低くしたりすることにより、当該優先度の低いコンテンツから削除されることとする。
【0082】
この場合、ステップS302において優先度が上げられた補完機能を利用しているコンテンツについては、削除されないこととなる。しかし、補完機能を利用しているコンテンツしか残っていない状態で、記憶容量が確保出来ない場合には、補完機能を利用しているコンテンツの中から優先度の低いコンテンツが削除されることとなる。
【0083】
また、優先度は当該処理が実行されるタイミングにおいて、コンテンツに基づいて生成されるものであっても良いし、コンテンツ記憶領域2042に、コンテンツに対応づけて記憶されておくこととしても良い。
【0084】
[3.第3実施形態]
続いて、第3実施形態として、本発明の放送受信機を、据え置き型の放送受信装置55に適用した場合について説明する。
【0085】
図16は、第3実施形態におけるマルチメディア放送システム2の構成を示した図である。第1実施形態のマルチメディア放送システム1の携帯端末50の代わりに、放送受信装置55がネットワークに接続されている。
【0086】
図17は、放送受信装置55の外観図を示している。放送受信装置55は、受信したコンテンツを録画・再生したり、外部からメディア57(例えば、DVDやBlurayの光ディスク等)に録画・再生可能な装置である。
【0087】
また、放送受信装置55は、液晶ディスプレイ等の映像出力装置59が接続されており、放送受信装置55から出力された映像信号及び音声信号(コンテンツ)にもとづいて、映像が表示されたり、音声が出力される。
【0088】
なお、放送受信装置55の構成は、図3に示した携帯端末55の構成と略同一である。また、放送受信装置55においても、上述の実施形態において説明した処理と同様の処理を実行することにより、同様の効果を実現することが出来る。
【0089】
すなわち、本発明の放送受信機は、携帯型端末や、据え置き型の端末に限られることなく、放送を受信可能な端末であれば、同様に適用可能である。
【0090】
[4.変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【0091】
上述の実施形態では、放送受信機を携帯端末や据え置き型の放送受信装置に適用することとして説明したが、他の放送受信機、例えばコンテンツを受信可能なコンピュータや、カーナビゲーション、放送受信機能を備えた電子辞書等といった装置にも適用可能なことは勿論である。
【0092】
また、上述の実施形態では、削除するコンテンツを削除回数に応じて動的に決定しているが、例えば利用者が任意のコンテンツを設定する事としても良い。例えば、「スポーツ」を優先的に設定することにより、まず「スポーツ」のジャンルについて削除処理を実行するといったことも可能である。
【0093】
また、上述の実施形態では、ステップS204において補完機能を利用していないコンテンツを抽出した場合について説明した。換言すれば、補完機能を利用しているコンテンツについては削除されない場合として説明したが、必ずしも削除されないという場合だけなく、優先度を変えるという処理であっても良い。
【0094】
例えば、優先度の高い「保護コンテンツ」(削除禁止コンテンツ)が設定されている場合に、「保護コンテンツ」の次の優先度としておく。これにより、例えば他のコンテンツが削除されても記憶容量が確保出来ない場合に、保護コンテンツを削除しないために、補完機能を利用したコンテンツが削除されるような場合があっても良い。
【符号の説明】
【0095】
1 マルチメディア放送システム
12 リアルタイム型放送送信システム
14 蓄積型放送送信システム
16 多重化装置
22 CAS/DRMサーバ
24 蓄積コンテンツサーバ
30 放送局
40 通信基地局
50 携帯端末
100 ISDB−Tmmチューナ
102 復調部
104 デコーダ部
106 デコード用RAM
108 音声処理部
110 映像処理部
112 音声出力装置
114 表示装置
200 通信部
202 制御部
204 記憶部
206 操作部
208 外部I/F
210 外部記憶装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアルタイム型放送送信システムと、蓄積型放送送信システムとからコンテンツを取得可能な放送受信機等に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、携帯端末、モバイル機器向けに、ワンセグと同じようなサービスとしてマルチメディア放送が規格化され、今後サービスが開始されようとしている。このような多くの放送に対して利用されるものとして、いわゆるレコメンド機能と呼ばれるものがある。これは、利用者の視聴履歴、録画履歴、検索履歴より、その利用者のニーズがどういったものか判断し、利用者の嗜好に合わせた情報提供を行ったり、自動的にコンテンツを録画したりする機能である(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この場合、自動的にコンテンツが録画されてしまうことから、記憶媒体に多くのコンテンツが記憶されてしまい、記憶容量が足りなくなるといった問題が生じてしまう。従って、新たなコンテンツを記憶するために、利用者の再生履歴等に基づいて、自動的に録画されたコンテンツを削除する機能が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−124407号公報
【特許文献2】特開2009−261038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、デジタル放送の多様化に伴い、従来のワンセグ放送サービスに代表されるリアルタイム型放送サービスの他に、今後サービスが開始されようとしているマルチメディア放送サービスの特徴ともなる蓄積型放送サービスが提供される。蓄積型放送サービスは、リアルタイムに放送されたコンテンツを補完するために用いられる機能のみでなく、リアルタイムに放送されたコンテンツ以外のコンテンツも提供し、ユーザーが好きな時間にコンテンツ視聴できる目的で利用される。
【0006】
この蓄積型放送サービスを利用するには、利用者が手続きをする必要があり、更に通信費を別に負担したり、コンテンツ料金を別に負担したりする必要がある。すなわち、蓄積型放送サービスで提供される補完機能を利用したコンテンツは、利用者にとって重要度が高いコンテンツであることが多い。
【0007】
ここで、従来の自動的に録画されたコンテンツを削除する機能を利用した場合、上述した補完機能を用いたコンテンツであっても、履歴等から意図せずに削除されてしまうといった問題が生じてしまう。
【0008】
上述した課題に鑑み、本発明の目的は、利用者選択による削除の煩わしさをなくし、蓄積型放送サービスの特徴である補完機能等を利用した場合であっても、利用者の嗜好に最適な自動削除を行うことが可能な放送受信機等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題に鑑み、本発明の放送受信機は、
リアルタイム型放送送信システムと、蓄積型放送送信システムとからコンテンツを取得可能な放送受信機において、
コンテンツと、コンテンツに関するコンテンツ情報を記憶する記憶手段と、
前記コンテンツから削除予定となるコンテンツを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出されたコンテンツを削除するコンテンツ削除手段と、
を備え、
前記抽出手段は、前記コンテンツに蓄積型放送送信システムから取得したコンテンツが含まれている場合には、当該コンテンツの優先度を低くすることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の放送受信機において、前記抽出手段は、前記コンテンツに蓄積型放送送信システムから取得したコンテンツを含まないコンテンツを削除予定として抽出することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の放送受信機は、
新しいコンテンツを記憶するために、録画予約をする録画予約手段を更に有し、
前記削除手段は、新しいコンテンツの記憶容量と、前記記憶手段に記憶されているコンテンツの記憶容量とが、前記記憶手段に記憶可能な記憶容量以下となるまで、前記抽出手段により抽出された削除予定のコンテンツを削除することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の放送受信機において、
前記コンテンツ情報にはコンテンツのジャンルが含まれており、
前記抽出手段は、コンテンツの削除回数が多いジャンルのコンテンツから、削除予定となるコンテンツを優先的に抽出することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の放送受信機において、
前記コンテンツ情報にはコンテンツ毎の再生回数が含まれており、
前記抽出手段は、前記コンテンツの再生回数が少ないものから優先的に削除予定のコンテンツとして抽出することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の放送受信機において、
前記コンテンツ情報には、コンテンツの視聴を促すメッセージを表示したか否かの情報が含まれており、
前記抽出手段は、前記コンテンツの再生回数が0回で、かつ、前記コンテンツの視聴を促すメッセージを表示した情報が含まれているコンテンツについて、優先的に削除予定のコンテンツとして抽出することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の放送受信機において、
前記コンテンツ情報には、コンテンツの記憶日時が含まれており、
前記削除手段は、前記抽出手段により抽出された削除予定のコンテンツの中から、記憶日時が古いものから削除を行うことを特徴とする。
【0016】
本発明の放送受信機は、リアルタイム型放送送信システムと、蓄積型放送送信システムとからコンテンツを取得可能な放送受信機において、
コンテンツと、コンテンツに関するコンテンツ情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されているコンテンツのうち、優先度の低いコンテンツから削除するコンテンツ削除手段と、
を備え、
前記削除手段は、前記コンテンツに蓄積型放送送信システムから取得したコンテンツが含まれている場合には、当該コンテンツの優先度を高くすることを特徴とする。
【0017】
本発明のプログラムは、
リアルタイム型放送送信システムと、蓄積型放送送信システムとからコンテンツを取得可能なコンピュータに、
コンテンツと、コンテンツに関するコンテンツ情報を記憶する記憶機能と、
前記コンテンツから削除予定となるコンテンツを抽出する抽出機能と、
前記抽出機能により抽出されたコンテンツを削除するコンテンツ削除機能と、
を実現するプログラムであって、
前記抽出機能は、前記コンテンツに蓄積型放送送信システムから取得したコンテンツが含まれている場合には、当該コンテンツの優先度を低くすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、リアルタイム型放送送信システムと、蓄積型放送送信システムとからコンテンツを取得可能な放送受信機において、記憶されたコンテンツから削除予定となるコンテンツを抽出し、抽出されたコンテンツを削除するときに、削除予定となるコンテンツに蓄積型放送送信システムから取得したコンテンツが含まれている場合には、当該コンテンツを削除する優先度を低くすることとなる。従って、蓄積型放送送信システムを利用したコンテンツに関しては、優先的に保存されることとなり、利用者の意図に反して削除されるといったことを防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態における放送通信システムの全体を説明するための図である。
【図2】第1実施形態における携帯端末の外観を示す図である。
【図3】第1実施形態における携帯端末の機能構成を説明するための図である。
【図4】第1実施形態における携帯端末の記憶部の機能構成を説明するための図である。
【図5】第1実施形態におけるコンテンツ情報記憶領域に記憶されるコンテンツ情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図6】第1実施形態におけるジャンル別履歴情報のデータ構成の一例をしめす図である。
【図7】第1実施形態における録画予約データのデータ構成の一例をしめす図である。
【図8】第1実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図9】第1実施形態における画面表示例を説明するための図である。
【図10】第1実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図11】第1実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図12】第1実施形態における画面表示例を説明するための図である。
【図13】第1実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図14】第1実施形態における画面表示例を説明するための図である。
【図15】第2実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図16】第3実施形態における放送通信システムの全体を説明するための図である。
【図17】第3実施形態における放送受信装置の外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、以下の実施形態では、第1実施形態、第2実施形態として放送受信機の一例として、携帯電話や、モバイル端末といった携帯端末に適用した場合について、第3実施形態として据え置き型の放送受信機について説明する。
【0021】
[1.第1実施形態]
[1.放送システムの構成]
まず、第1実施形態におけるマルチメディア放送システム1の構成について、図1を用いて説明する。図1は従来のリアルタイム型放送サービスと同時に、蓄積型放送サービスを提供するマルチメディア放送を提供するマルチメディア放送システム1の概要を示している。
【0022】
まず、システム10は、従来の放送サービスを提供するリアルタイム型放送送信システム12と、蓄積型放送サービスを提供する蓄積型放送送信システム14とを含んでおり、コンテンツが提供される。提供されたコンテンツは、多重化装置16にて多重化され、放送局30により、放送波として送出される。
【0023】
一方、放送波で送出されたコンテンツを見るためのランセンスキーは、CAS/DRMサーバ22(Conditional Access Systems/Digital Rights Management)より、通信網(例えば、携帯電話網等)を経由し、通信基地局40を介し、携帯端末50との通信接続により送信(提供)される。
【0024】
携帯端末50では、コンテンツの視聴を行う場合、入手したライセンスキーを使用する。リアルタイム型放送コンテンツの場合は、通常の放送と同じように、その都度受信して視聴する。
【0025】
蓄積型放送コンテンツの場合は、再生可能なコンテンツの蓄積が完了した時点で、入手したライセンスキーを使用して再生を行うことができ、時間の制約を受けることなく視聴が可能となる。また、蓄積型放送サービスでは、放送波によるコンテンツの取得に失敗した場合、通信にて欠損データの補完を行うことができる。欠損データの補完は、蓄積コンテンツサーバ24にて行われる。
【0026】
[1.2 携帯端末の機能構成]
続いて、本発明の放送受信機を含む携帯端末50の機能構成について、図を用いて説明する。本実施形態における携帯端末50は、蓄積型放送サービスの自動蓄積を利用者の嗜好にあった最適な方法で行うことが可能なマルチメディア放送受信用の携帯端末である。
【0027】
図2は携帯端末50の外観図であり、図3は携帯端末50の機能構成図である。図2に示すように携帯端末50は、表示装置114と、操作部206とを有しており、外部から放送波や通信を受信するアンテナANTを有している。なお、アンテナANTは、図2では外部アンテナとなっているが、携帯端末50の筐体に内蔵されることとしても良い。
【0028】
図3は、携帯端末50の機能構成を説明するための図である。携帯端末50では、ISDB−Tmm(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial for mobile multimedia)チューナ100にてマルチメディア放送を受信し、受信されたデータは復調部102にて復調され、リアルタイム型放送コンテンツデータ及び蓄積型放送コンテンツデータとしてデコーダ部104に渡される。
【0029】
制御部202では、利用者により操作部206から指示された選局やコンテンツの視聴・再生などを受け、チューナ部(ISDM−Tmmチューナ100)、復調部102、デコーダ部104の制御を行う。
【0030】
デコーダ部104では制御部202からの制御により、必要に応じて、デコード用RAM106のメモリを使用し、映像データ、音声データをデコードし、映像処理部110、音声処理部108にデータを出力する。
【0031】
映像処理部110では、入力されたコンテンツデータと、それ以外の表示データ(例えばタッチボタングラフィックや、番組名やチャネル番号といったデータ)とを規定レイアウトに沿って、配置・重ね合わせを行い、表示装置114(例えば、LCD等)に表示させる。
【0032】
音声処理部108では、入力されたコンテンツデータのうち、音声データをアナログ信号に変換し、音声として音声出力装置112(例えば、スピーカ等)より出力させる。また、デコーダ部104のデコード処理の前に、通信部200より通信接続を行い入手したライセンスキーが暗号解除鍵として使用され、制御部202により復号処理される。
【0033】
記憶部204は、制御部202の処理にて使用されるメモリであり、携帯端末50の動作に必要な各種プログラムや、各種データ(例えば、利用者の設定や、視聴、録画、削除履歴等)が記憶されている機能部である。記憶部204は、例えば、半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
【0034】
外部メモリI/F208は、外部記憶装置210(例えば、SDカード、miniSDカード、microSDカード、CD−R、コンパクトフラッシュ(登録商標)等)と接続を行うインターフェース部である。
【0035】
記憶部204について、図4を用いて更に説明する。図4に示すように、記憶部204は、コンテンツが記憶されるコンテンツ記憶領域2042及びコンテンツ記憶情報が記憶されるコンテンツ情報記憶領域2044の領域が確保されており、ジャンル別履歴情報2046と、録画予約データ2048とが記憶されている。更に、メインプログラム2050と、自動コンテンツ削除プログラム2052と、削除コンテンツ決定プログラム2054とが記憶されている。
【0036】
例えば、制御部202は、削除コンテンツ決定プログラム2054を読み出して実行することにより、削除コンテンツ決定処理が実行される。
【0037】
コンテンツ記憶領域2042は、コンテンツ(データ)を記憶するための記憶領域である。ここで記憶されるコンテンツとしては、本実施形態については番組等の放送データ、配信データであるが、他の動画像データであったり、他の音声データであったりしてもよい。
【0038】
図5は、コンテンツ情報記憶領域2044に記憶されるコンテンツ情報の一例を示した図である。コンテンツ情報としては、コンテンツの名前(例えば「株式市場」)と、当該コンテンツのジャンル(例えば、「ドキュメント」)と、録画日時(例えば、「2010/01/10 21:00−21:54」)と、再生回数(例えば「2」)と、補完機能のフラグ(例えば「ON」)と、視聴促進のフラグ(例えば、「表示済」)とが含まれている。
【0039】
ここで、コンテンツとは、コンテンツを識別するための情報であり、本実施形態にはコンテンツ名(番組名)が記憶されている。コンテンツを識別する情報としては、コンテンツ名の他にも、ファイル名、管理番号等のコンテンツ(データ)を識別するための情報が記憶される。更に、例えば記憶時の画質、ビットレート等の録画モード、音質、データ放送等を含めていても良い。
【0040】
ジャンルとは、コンテンツに対応づけられたものであり、例えば映画、ドラマ、音楽、スポーツ、ドキュメント、バラエティ等といった内容が記憶されている。更に、利用者が設定したフラグであったり、出演者等の情報等他の情報であったりしても良い。
【0041】
録画日時は、コンテンツが録画された日時(時間)が記憶されている。当該録画された時間に基づいて、コンテンツの容量(記憶容量)が判定される。この記憶容量については、録画時間であったり、コンテンツのファイル記憶サイズであったりしても良い。また、録画モードと録画時間を組み合わせたものであっても良い。本実施形態では、説明を簡易にするために録画時間を基準として説明する。
【0042】
再生回数は、当該コンテンツが再生された回数を記憶している。再生回数としては、例えば再生機能が実行された回数でも良いし、所定時間以上再生した場合の回数であっても良い。
【0043】
補完機能のフラグは、当該コンテンツを蓄積型放送送信システム14から受信したが、データに欠損があり、通信にて蓄積コンテンツサーバ14に接続し、欠損データの補完がされた否かを記憶している情報である。例えば、「ON」であれば、当該コンテンツは通信システム20を利用して蓄積コンテンツサーバに接続し、欠損データの補完を行ったこととなる。
【0044】
視聴促進のフラグとは、視聴を促すメッセージを表示したか否かを記憶するフラグである。例えば、未視聴のコンテンツがあった場合に、制御部202は、利用者に対して「○○については未視聴です。視聴しますか?」といった視聴を促すメッセージを表示する。
【0045】
当該メッセージが表示されたコンテンツの場合、視聴促進のフラグは「ON」となる。視聴促進メッセージが表示されたに関わらず、利用者が視聴していないコンテンツは、重要度が低いコンテンツであることが推測される。
【0046】
図6は、ジャンル別履歴情報2046のデータ構造の一例を示す図である。ジャンル別履歴情報2046は、コンテンツジャンル毎に(例えば、「映画」)、再生回数(例えば「12」)と、削除回数(例えば「5」)とが記憶されている。
【0047】
本実施形態においては、コンテンツの再生時、削除時に、ジャンル別履歴情報2046が更新される事となる。すなわち、コンテンツの再生や削除が行われると、当該コンテンツのジャンルについて、再生回数、削除回数が1回増加される。
【0048】
なお、本実施形態においては、再生回数、削除回数を記憶しているが、例えばコンテンツ情報から任意のタイミングで求める事としても良い。また、削除回数についても、コンテンツを削除した履歴を記憶しておき、当該削除の履歴から削除回数を求めても良い。この場合、例えば「直近に削除したコンテンツ100件について削除回数を求める」といったことを行うことも可能である。
【0049】
図7は、録画予約データ2048のデータの構造の一例を示す図である。録画予約データ2048は、放送を録画する予約の情報について記憶しているものであり、コンテンツ(例えば、「世界遺産ランキング」)と、ジャンル(例えば「ドキュメント」)と、予約日時(例えば、「2011/04/01 12:00−12:50」)を記憶している。
【0050】
ここで、コンテンツとは、図5で説明したコンテンツ情報記憶領域に記憶されているコンテンツと同じ意味であり、本実施形態では一例としてコンテンツ名を記憶している。当該コンテンツ名には、番組情報(例えば放送チャンネルや、蓄積サーバのアドレス、録画モード)といったいわゆる録画機能に必要な情報についても含まれてよい。放送(例えば地上波デジタル放送)を録画するといった機能については、公知であるためその動作や詳細については説明を省略する。
【0051】
また、予約日時についても、本実施形態においては録画開始時及び時間について記憶している。この予約日時に基づいて、録画するのに必要な容量(時間)を算出する事ができる。この録画予約に必要な容量については、ファイルサイズや、録画モードに応じた記憶容量といった種々のものが考えられるが、本実施形態においては、説明の都合、録画時間として説明する。
【0052】
[1.3 処理の流れ]
続いて、携帯端末50の処理の流れについて、図を用いて説明する。本実施形態は、利用者の嗜好にあった最適な方法で自動削除を行う処理の流れについて説明する。マルチメディア放送サービスを、携帯端末50で受けているときに、利用者の嗜好にあったコンテンツを効率よく自動録画するためには、利用者の嗜好にあわせて、不必要と思われるコンテンツをどれだけ効率よく、削除できるかが重要となる。この点について、以下、具体的に説明する。
【0053】
[1.3.1 メイン処理]
まずメイン処理について、図8のフローチャートを用いて説明する。メイン処理は、図4に示すメインプログラム2050を、制御部202が読み出して実行することにより実現される処理である。
【0054】
まず、利用者は録画予約画面から録画予約を行う。その結果は、記憶部204に録画予約データ2048として記憶される。このときに表示装置114に表示される表示画面W100の一例を示す。表示画面W100には、番組表が表示されている。そして、枠R100により、利用者が録画予約を行う番組が選択され、選択されている番組が録画予約データ2048に記憶される。
【0055】
なお、録画予約をする方法としては、本実施形態では番組表から選択する例について説明しているが、当然他の方法(例えば、番組情報に含まれるキーワードから検索したり、録画日時や放送局を直接入力したりする方法)であっても良いことは勿論である。
【0056】
そして制御部202は、利用者により入力された録画予約データを確認する(ステップS10)。具体的には、記憶部204に記憶されている録画予約データ2048に基づいて、録画予約されるコンテンツが録画される時間(記憶容量)を計算する。
【0057】
ここで、現在記憶部204の残りの記憶容量と、録画予約データ2048に記憶されている録画する予定のコンテンツの記憶容量とを比較し、記憶部204の残りの記憶容量を超えている場合には(ステップS12;Yes)、自動コンテンツ削除処理が実行される(ステップS14)。
【0058】
[1.3.2 自動コンテンツ削除処理]
続いて、図8のステップS14において実行される自動コンテンツ削除処理について、図10を用いて説明する。自動コンテンツ削除処理は、図4に示す自動コンテンツ削除プログラム2052を、制御部202が読み出して実行することにより実現される処理である。
【0059】
まず、コンテンツ情報記憶領域2044に記憶されているコンテンツ情報に基づいて、コンテンツをそれぞれのジャンルに分類する(ステップS100)。ここで、コンテンツを分類するジャンルとして種々のものが考えられるが、本実施形態は削除回数を例にとって説明する。
【0060】
削除回数は、ジャンル別履歴情報2046に記憶されており、次にこのジャンル別履歴情報2046に記憶されている削除回数に基づいて順位付けを行う(ステップS102)。ここでは種々の方法が考えられるが、本実施形態としては、ジャンル別履歴情報2046に記憶されている削除回数の中から最大の削除回数をmとして記憶する(ステップS104)。
【0061】
次に、削除回数がm回の分類であるコンテンツを削除候補リストとして抽出する(ステップS106)。そして、削除候補リストの中から削除するコンテンツを決定する削除コンテンツ決定処理を実行する(ステップS108)。
【0062】
そして、削除コンテンツ決定処理が実行された後、録画する予定のコンテンツの容量と、記憶部204の残りの記憶容量を比較する(ステップS110)。ここで、残りの記憶容量をまだ超えている場合には(ステップS110;Yes)、mから1を減算して再度ステップS106から処理が繰り返し実行される。他方、ステップS110において記憶容量を下回れば(ステップS110;No)、本処理を終了する。
【0063】
[1.3.3 削除コンテンツ決定処理]
続いて、図10のステップS108において実行される削除コンテンツ決定処理について、図11を用いて説明する。削除コンテンツ決定処理は、図4に示す削除コンテンツ決定プログラム2054を、制御部202が読み出して実行することにより実現される処理である。
【0064】
まず、変数nに「0」を代入する(ステップS200)。続いて、再生回数がn回のコンテンツを削除候補リストから抽出する(ステップS202)。続いて、ステップS202において抽出された削除候補リストから、更に補完機能を利用していないコンテンツを抽出する(ステップS204)。具体的には、コンテンツ情報を参照し、補完機能が「OFF」のコンテンツのみ抽出する。これにより、ステップS204において補完機能を利用したコンテンツについては削除されないこととなる。これは、利用者がわざわざ補完機能を利用したコンテンツというのは、重要度が高いと推測されるからである。
【0065】
つづいて、変数nが「0」の場合には(ステップS206;Yes)、利用者に視聴を促すメッセージを出したコンテンツのみを抽出する(ステップS208)。具体的には、コンテンツ情報を参照し、「視聴促進」が「表示済」のコンテンツのみを抽出する。これは、利用者に対して視聴を促すメッセージを表示したにもかかわらず、利用者によりコンテンツが再生されていない場合には、利用者にとって優先度の低いコンテンツであると推測されるからである。
【0066】
つづいて、抽出された削除候補リストのコンテンツ情報を録画日時でソートする(ステップS210)。本実施形態では、昇順にソートし、過去に録画されたものが削除対象となる順位が上位になる用にする。
【0067】
そして、削除候補リストの上位から(一番録画日時の古いもの)から、コンテンツを削除する(ステップS212)。ここで、録画予約データ2048において算出される録画に必要な記憶容量が、記憶部204の残りの記憶容量以下である場合(記憶容量を確保出来た場合)には、本処理を終了する(ステップS214;Yes)。
【0068】
他方、録画に必要な記憶容量が、記憶部204の残りの記憶容量を超えている場合(記憶容量を確保出来ていない場合)には、削除候補リストの総てのコンテンツを削除したか否かを判定する(ステップS216)。ここで、削除候補リストに抽出されたコンテンツがまだ存在する場合には、次のコンテンツ(次に録画日時の古いもの)を削除する(ステップS216;No→ステップS212)。
【0069】
また、nがコンテンツ内の最大再生回数を超えた場合には、本処理を終了する(ステップS218;Yes)。他方、nがコンテンツ内の最大再生回数を超えていない場合には、nの回数を1増加させ、新たに削除候補リストを抽出する(ステップS218;No→ステップS202)。
【0070】
このように上述した実施形態によれば、蓄積型放送サービスでは、蓄積時に不完全なところがあった場合、通信を利用して、不完全なデータを補完することができる。ただし、補完を行うには通信網を利用するため、パケット料等の通信費用が伴ったり、コンテンツ料金が生じたりしてしまう。したがって、本実施形態では、通信費用等を払ってまで蓄積したコンテンツであるということも考慮し、利用者が不利益とならず、利用者嗜好にあった自動削除を実現することで、効率よく、マルチメディア放送サービスを受けられるようになる。
【0071】
なお、上述の実施形態において、総てのコンテンツジャンルについて実施しても、記憶容量の確保ができない場合、削除履歴が一番多い、最初に削除対応となったジャンルから、蓄積された日時が一番古い、補完機能を使用したコンテンツを不要な蓄積コンテンツとして選択し、利用者に削除してよいか否かの許可を得るポップアップ等の通知する事が可能である。そして、通知に従って、利用者が削除を許可した場合に、当該コンテンツを削除する。
【0072】
例えば、このとき表示装置114に表示される表示画面W200の一例を図12に示す。領域R200には、上述した処理が実行されても記憶容量が確保できなかったことを報知する内容と、更に削除候補となっている番組の情報が表示されている。利用者は、当該報知によって、選択されている番組を削除するか否かを選択する。さらに、異なる番組を選択したり、削除する処理を中止したりすることが可能である。
【0073】
そして、当該コンテンツの削除について、利用者が許可しなかった場合、次の再生回数が少ない、補完機能を使用した蓄積コンテンツを選択し、前述同様に利用者に許可を得て、メモリ確保できるまで、削除処理を実施する。
【0074】
なお、上述の処理は、当該コンテンツについて自動で削除する場合について説明したが、コンテンツを抽出するごとに削除の可否を利用者に問うようにしても良い。具体的には、図11のステップS210〜ステップS216の処理を、図13の処理で置き換えれば良い。
【0075】
図13について具体的に説明すると、録画日時でソートした後に、まず削除候補となるコンテンツを選択する(ステップS2102)。次に、利用者に対して選択された番組を削除して良いか否かを確認する(ステップS2104)。
【0076】
ステップS2104における表示装置114に表示される表示画面W300の一例を図14に示す。領域R300には、現在削除する候補として抽出されている番組が表示されている。利用者は、当該表示画面に基づいて、当該番組を削除するか否かを選択する。
【0077】
続いて、削除すると指示が成された場合には(ステップS2106;Yes)、選択されたコンテンツ(番組)を削除する(ステップS2108)。ここで、記憶容量が確保出来ていない場合には(ステップS2110;No)、ステップS216に処理を移行する。
【0078】
[2.第2実施形態]
続いて、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、図10のステップS106において、削除候補リストを抽出した後に、ステップS108において削除コンテンツ決定処理を実行することとして説明したが、補完機能を利用していないコンテンツの優先度を下げることにより、高速に動作させる実施形態について説明する。
【0079】
なお、第2実施形態については、携帯端末50の機能構成等は第1実施形態と同一であり、処理についても第1実施形態と同様の処理を行う箇所については説明を省略し、異なっている処理についてのみ説明する。
【0080】
すなわち、第1実施形態の図10の代わりに図15の処理を実行する。ここでは、削除回数がm回のコンテンツについて(ステップS106)、補完機能を利用しているコンテンツか否かについて判定する(ステップS300)。ここで、補完機能を利用している場合には(ステップS300;Yes)、当該コンテンツの優先度を上げる(ステップS302)。
【0081】
そして、コンテンツのうち、優先度の低いコンテンツを削除する(ステップS304)。ここで優先度の低いコンテンツとしては、種々考えられるが、例えば、録画日時が古いコンテンツについて優先度を低くしたり、再生回数の少ないコンテンツについて優先度を低くしたり、利用者に視聴を促すメッセージを出したコンテンツについて優先度を低くしたりすることにより、当該優先度の低いコンテンツから削除されることとする。
【0082】
この場合、ステップS302において優先度が上げられた補完機能を利用しているコンテンツについては、削除されないこととなる。しかし、補完機能を利用しているコンテンツしか残っていない状態で、記憶容量が確保出来ない場合には、補完機能を利用しているコンテンツの中から優先度の低いコンテンツが削除されることとなる。
【0083】
また、優先度は当該処理が実行されるタイミングにおいて、コンテンツに基づいて生成されるものであっても良いし、コンテンツ記憶領域2042に、コンテンツに対応づけて記憶されておくこととしても良い。
【0084】
[3.第3実施形態]
続いて、第3実施形態として、本発明の放送受信機を、据え置き型の放送受信装置55に適用した場合について説明する。
【0085】
図16は、第3実施形態におけるマルチメディア放送システム2の構成を示した図である。第1実施形態のマルチメディア放送システム1の携帯端末50の代わりに、放送受信装置55がネットワークに接続されている。
【0086】
図17は、放送受信装置55の外観図を示している。放送受信装置55は、受信したコンテンツを録画・再生したり、外部からメディア57(例えば、DVDやBlurayの光ディスク等)に録画・再生可能な装置である。
【0087】
また、放送受信装置55は、液晶ディスプレイ等の映像出力装置59が接続されており、放送受信装置55から出力された映像信号及び音声信号(コンテンツ)にもとづいて、映像が表示されたり、音声が出力される。
【0088】
なお、放送受信装置55の構成は、図3に示した携帯端末55の構成と略同一である。また、放送受信装置55においても、上述の実施形態において説明した処理と同様の処理を実行することにより、同様の効果を実現することが出来る。
【0089】
すなわち、本発明の放送受信機は、携帯型端末や、据え置き型の端末に限られることなく、放送を受信可能な端末であれば、同様に適用可能である。
【0090】
[4.変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【0091】
上述の実施形態では、放送受信機を携帯端末や据え置き型の放送受信装置に適用することとして説明したが、他の放送受信機、例えばコンテンツを受信可能なコンピュータや、カーナビゲーション、放送受信機能を備えた電子辞書等といった装置にも適用可能なことは勿論である。
【0092】
また、上述の実施形態では、削除するコンテンツを削除回数に応じて動的に決定しているが、例えば利用者が任意のコンテンツを設定する事としても良い。例えば、「スポーツ」を優先的に設定することにより、まず「スポーツ」のジャンルについて削除処理を実行するといったことも可能である。
【0093】
また、上述の実施形態では、ステップS204において補完機能を利用していないコンテンツを抽出した場合について説明した。換言すれば、補完機能を利用しているコンテンツについては削除されない場合として説明したが、必ずしも削除されないという場合だけなく、優先度を変えるという処理であっても良い。
【0094】
例えば、優先度の高い「保護コンテンツ」(削除禁止コンテンツ)が設定されている場合に、「保護コンテンツ」の次の優先度としておく。これにより、例えば他のコンテンツが削除されても記憶容量が確保出来ない場合に、保護コンテンツを削除しないために、補完機能を利用したコンテンツが削除されるような場合があっても良い。
【符号の説明】
【0095】
1 マルチメディア放送システム
12 リアルタイム型放送送信システム
14 蓄積型放送送信システム
16 多重化装置
22 CAS/DRMサーバ
24 蓄積コンテンツサーバ
30 放送局
40 通信基地局
50 携帯端末
100 ISDB−Tmmチューナ
102 復調部
104 デコーダ部
106 デコード用RAM
108 音声処理部
110 映像処理部
112 音声出力装置
114 表示装置
200 通信部
202 制御部
204 記憶部
206 操作部
208 外部I/F
210 外部記憶装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアルタイム型放送送信システムと、蓄積型放送送信システムとからコンテンツを取得可能な放送受信機において、
コンテンツと、コンテンツに関するコンテンツ情報を記憶する記憶手段と、
前記コンテンツから削除予定となるコンテンツを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出されたコンテンツを削除するコンテンツ削除手段と、
を備え、
前記抽出手段は、前記コンテンツに蓄積型放送送信システムから取得したコンテンツが含まれている場合には、当該コンテンツの優先度を低くすることを特徴とする放送受信機。
【請求項2】
前記抽出手段は、前記コンテンツに蓄積型放送送信システムから取得したコンテンツを含まないコンテンツを削除予定として抽出することを特徴とする請求項1に記載の放送受信機。
【請求項3】
新しいコンテンツを記憶するために、録画予約をする録画予約手段を更に有し、
前記削除手段は、新しいコンテンツの記憶容量と、前記記憶手段に記憶されているコンテンツの記憶容量とが、前記記憶手段に記憶可能な記憶容量以下となるまで、前記抽出手段により抽出された削除予定のコンテンツを削除することを特徴とする請求項1又は2に記載の放送受信機。
【請求項4】
前記コンテンツ情報にはコンテンツのジャンルが含まれており、
前記抽出手段は、コンテンツの削除回数が多いジャンルのコンテンツから、削除予定となるコンテンツを優先的に抽出することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の放送受信機。
【請求項5】
前記コンテンツ情報にはコンテンツ毎の再生回数が含まれており、
前記抽出手段は、前記コンテンツの再生回数が少ないものから優先的に削除予定のコンテンツとして抽出することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の放送受信機。
【請求項6】
前記コンテンツ情報には、コンテンツの視聴を促すメッセージを表示したか否かの情報が含まれており、
前記抽出手段は、前記コンテンツの再生回数が0回で、かつ、前記コンテンツの視聴を促すメッセージを表示した情報が含まれているコンテンツについて、優先的に削除予定のコンテンツとして抽出することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の放送受信機。
【請求項7】
前記コンテンツ情報には、コンテンツの記憶日時が含まれており、
前記削除手段は、前記抽出手段により抽出された削除予定のコンテンツの中から、記憶日時が古いものから削除を行うことを特徴とする請求項1から6に記載の放送受信機。
【請求項8】
リアルタイム型放送送信システムと、蓄積型放送送信システムとからコンテンツを取得可能な放送受信機において、
コンテンツと、コンテンツに関するコンテンツ情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されているコンテンツから、優先度の低いコンテンツを削除するコンテンツ削除手段と、
を備え、
前記削除手段は、前記コンテンツに蓄積型放送送信システムから取得したコンテンツが含まれている場合には、当該コンテンツの優先度を高くすることを特徴とする放送受信機。
【請求項9】
リアルタイム型放送送信システムと、蓄積型放送送信システムとからコンテンツを取得可能なコンピュータに、
コンテンツと、コンテンツに関するコンテンツ情報を記憶する記憶機能と、
前記コンテンツから削除予定となるコンテンツを抽出する抽出機能と、
前記抽出機能により抽出されたコンテンツを削除するコンテンツ削除機能と、
を実現するプログラムであって、
前記抽出機能は、前記コンテンツに蓄積型放送送信システムから取得したコンテンツが含まれている場合には、当該コンテンツの優先度を低くすることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
リアルタイム型放送送信システムと、蓄積型放送送信システムとからコンテンツを取得可能な放送受信機において、
コンテンツと、コンテンツに関するコンテンツ情報を記憶する記憶手段と、
前記コンテンツから削除予定となるコンテンツを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出されたコンテンツを削除するコンテンツ削除手段と、
を備え、
前記抽出手段は、前記コンテンツに蓄積型放送送信システムから取得したコンテンツが含まれている場合には、当該コンテンツの優先度を低くすることを特徴とする放送受信機。
【請求項2】
前記抽出手段は、前記コンテンツに蓄積型放送送信システムから取得したコンテンツを含まないコンテンツを削除予定として抽出することを特徴とする請求項1に記載の放送受信機。
【請求項3】
新しいコンテンツを記憶するために、録画予約をする録画予約手段を更に有し、
前記削除手段は、新しいコンテンツの記憶容量と、前記記憶手段に記憶されているコンテンツの記憶容量とが、前記記憶手段に記憶可能な記憶容量以下となるまで、前記抽出手段により抽出された削除予定のコンテンツを削除することを特徴とする請求項1又は2に記載の放送受信機。
【請求項4】
前記コンテンツ情報にはコンテンツのジャンルが含まれており、
前記抽出手段は、コンテンツの削除回数が多いジャンルのコンテンツから、削除予定となるコンテンツを優先的に抽出することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の放送受信機。
【請求項5】
前記コンテンツ情報にはコンテンツ毎の再生回数が含まれており、
前記抽出手段は、前記コンテンツの再生回数が少ないものから優先的に削除予定のコンテンツとして抽出することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の放送受信機。
【請求項6】
前記コンテンツ情報には、コンテンツの視聴を促すメッセージを表示したか否かの情報が含まれており、
前記抽出手段は、前記コンテンツの再生回数が0回で、かつ、前記コンテンツの視聴を促すメッセージを表示した情報が含まれているコンテンツについて、優先的に削除予定のコンテンツとして抽出することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の放送受信機。
【請求項7】
前記コンテンツ情報には、コンテンツの記憶日時が含まれており、
前記削除手段は、前記抽出手段により抽出された削除予定のコンテンツの中から、記憶日時が古いものから削除を行うことを特徴とする請求項1から6に記載の放送受信機。
【請求項8】
リアルタイム型放送送信システムと、蓄積型放送送信システムとからコンテンツを取得可能な放送受信機において、
コンテンツと、コンテンツに関するコンテンツ情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されているコンテンツから、優先度の低いコンテンツを削除するコンテンツ削除手段と、
を備え、
前記削除手段は、前記コンテンツに蓄積型放送送信システムから取得したコンテンツが含まれている場合には、当該コンテンツの優先度を高くすることを特徴とする放送受信機。
【請求項9】
リアルタイム型放送送信システムと、蓄積型放送送信システムとからコンテンツを取得可能なコンピュータに、
コンテンツと、コンテンツに関するコンテンツ情報を記憶する記憶機能と、
前記コンテンツから削除予定となるコンテンツを抽出する抽出機能と、
前記抽出機能により抽出されたコンテンツを削除するコンテンツ削除機能と、
を実現するプログラムであって、
前記抽出機能は、前記コンテンツに蓄積型放送送信システムから取得したコンテンツが含まれている場合には、当該コンテンツの優先度を低くすることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−26649(P2013−26649A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156335(P2011−156335)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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