説明

放送受信装置、放送受信方法、放送受信プログラム及びプログラム記録媒体

【課題】コンテンツに含まれる字幕データを利用して注目すべきシーンを確実に視聴可能とする。
【解決手段】注目シーン判定部105にて、字幕データデコーダ部103でデコードされた字幕データを分析して得られた語彙(単語や句)のうち、注目キーワード入力部104から入力された注目キーワードと一致する語彙を含む字幕データを有するショットの前後の一連のショット群を、注目シーンとして特定して、該注目シーンの字幕データ、音響情報、映像情報のいずれか1乃至複数を、使用者が注目シーンであることを認識し易い出力形式に調整して、音響出力部107や映像出力部108から出力する。注目シーンは、注目キーワードに一致する語彙を含む字幕データを有するショットを中心に、前後に連続する各ショットにおける字幕データの語彙同士、映像的特徴、音響的特徴などの類似度を評価して得られる話題の転換点毎にセグメンテーションしたシーンとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送受信装置、放送受信方法、放送受信プログラム及びプログラム記録媒体に関し、特に、コンテンツ(テレビ番組)に含まれる字幕データ(クローズドキャプションデータ)を受信して、該字幕データを利用して注目すべきシーンを選択して、使用者が注目シーンであることを認識し易い出力形式を用いて出力する放送受信装置、放送受信方法、放送受信プログラム及びプログラム記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでに、字幕データを利用して、使用者に対して各種サービスを提供する方法がいくつか提案されている。
例えば、特許文献1に示す特開平9−231726号公報「多種言語記録媒体とその再生装置」では、通常の字幕の他に、これと同一言語で、更に見易い大文字や、子供向けの読み易い文字、更には、解説文字等を任意に選択表示することができる技術が提案されている。
【0003】
また、特許文献2に示す特開2002−142159号公報「デジタル放送受信機及び個人情報蓄積媒体」では、使用者毎に、所望する画面構成、画質、音質、字幕表示、周辺機器接続などの初期設定項目や各使用者のプロファイルや視聴履歴などの個人情報が蓄積された個人情報蓄積カードを用意し、該個人情報蓄積カードを放送受信機に差し込むことにより、該放送受信機が個人情報蓄積カードにより特定された個人向けの番組を選択して使用者に提示する技術が提案されている。
【0004】
また、特許文献3に示す特開平11−331701号公報「テロップ自動挿入方法及び装置及びこの方法を記録した記録媒体」では、字幕情報から映像の話題を表す語を抽出して、テロップとして映像に挿入する技術が記載されている。ここで、字幕情報は、難聴者や語学学習のために用いられるものであり、通常の使用者には不要の情報としている。このため、通常の使用者に対してもテロップとして表示する「話題を表す語」は、通常の使用者が番組内容を把握し易いようにするために用いるものとして、例えば、字幕情報から「〜とは」、「〜は」といった助詞が付加されている名詞句を「話題を表す語」として抽出している。
【0005】
また、特許文献4に示す特開平10−285528号公報「テレビジョン番組の記録再生装置」では、字幕情報を基に、或るキーワードを含むテレビ番組やシーンを録画・再生する技術が述べられている。
【0006】
更には、特許文献5に示す特開2002−325215号公報「データ放送受信端末、表示方法、及びそのプログラム」では、字幕を文字認識し、或るキーワードにマッチする文字の表示を変化させて使用者に選択可能な状態にし、使用者により選択されると、該キーワードに対応する詳細情報を閲覧可能とする技術が述べられている。
【特許文献1】特開平9−231726号公報
【特許文献2】特開2002−142159号公報
【特許文献3】特開平11−331701号公報
【特許文献4】特開平10−285528号公報
【特許文献5】特開2002−325215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献1及び特許文献2は、各使用者の個人の好みに応じて、字幕の大きさ、表示位置等を変更する方法であるが、これら変更処理は、受信したコンテンツ(テレビ番組)の全てのシーンに対してなされるものであり、使用者の関心あるシーンを選択抽出して該使用者に事前に知らしめ、該シーンを見逃さないようにするものではない。
また、前記特許文献3において抽出される話題は万人向けのものであり、或る使用者の興味や関心に合わせた話題が抽出されるわけではない。
【0008】
また、前記特許文献4は、キーワードに一致する字幕情報を含むコンテンツ(テレビ番組)やシーンを録画・再生するものであり、使用者がコンテンツの視聴中に、該使用者の関心あるシーンを選択抽出して該使用者に事前に知らしめ、該シーンを見逃さないようにするものではない。
また、前記特許文献5では、キーワードに一致する字幕の表示を変化させ、使用者がそのキーワードを選択して、該キーワードに対応する詳細情報を取得できるようにするものであるが、コンテンツ視聴中に、使用者の関心あるシーンを該使用者に事前に知らしめ、該シーンを見逃さないようにするものではない。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、コンテンツ(テレビ番組)に含まれる字幕データ(クローズドキャプションデータ)を受信して、該字幕データを利用して本来視聴すべきショットやシーンを含む前後の一連のショット群を、注目シーンとして選択して、使用者が注目シーンであることを認識し易い出力形式を用いて出力したり、更には、ネットワークを介して、遠隔地にある他の放送受信装置の使用者と前記注目シーンを共有できるようにする放送受信装置、放送受信方法、放送受信プログラム及びプログラム記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の技術手段は、放送信号を受信して再生する放送受信装置において、放送信号に多重化されている字幕データ(クローズドキャプションデータ)をデコードする字幕データデコード手段と、該字幕データデコード手段によりデコードされた該字幕データを利用して、使用者が注目すべきコンテンツに関する注目シーンを判定する注目シーン判定手段とを備えた放送受信装置であって、前記注目シーン判定手段が、使用者の注目キーワードとして予め設定されている語彙に一致する語彙が、デコードされた前記字幕データの中に含まれている場合、該字幕データを有するショットの前後の一連のショット群を注目シーンとして特定して、特定された該注目シーンを、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整して出力することを特徴とする。
【0011】
第2の技術手段は、前記第1の技術手段に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンを、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整する際に、前記注目シーンの字幕データ、音響情報、映像情報のいずれか1乃至複数の出力形式を調整することを特徴とする。
【0012】
第3の技術手段は、前記第2の技術手段に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンの字幕データを、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整する場合、該字幕データの画面上の表示位置、文字の種類、文字のサイズ、文字の線の太さ、文字の色合い、文字の影の有無と該影の色、文字の背景色、文字のコントラスト、文字のブライトネス、文字のシャープネスのいずれか1乃至複数を調整することを特徴とする。
【0013】
第4の技術手段は、前記第2の技術手段に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンの音響情報を、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整する場合、該音響情報の音量及び/又は音質を調整することを特徴とする。
【0014】
第5の技術手段は、前記第2の技術手段に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンの映像情報を、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整する場合、該映像情報の表示位置、表示画面形式、表示サイズ、色合い、解像度、輝度、予め定めた特定マークの付与、のいずれか1乃至複数を調整することを特徴とする。
【0015】
第6の技術手段は、前記第1乃至第5の技術手段のいずれかに記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンについて、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整して出力する際に、使用者に対して認識し易い形式になっているか否かを問い合わせて、使用者の応答に応じて出力形式を調整することを特徴とする。
【0016】
第7の技術手段は、前記第1乃至第6の技術手段のいずれかに記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が前記キーワードと一致する字幕データを有するショットの前後の一連のショット群を前記注目シーンとして特定するシーンの範囲が、前記注目キーワードに一致する語彙を含む前記字幕データを有するショットを含むシーンであり、かつ、話題の転換点毎にセグメンテーションされた一連のショット群からなるシーンであることを特徴とする。
【0017】
第8の技術手段は、前記第7の技術手段に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンとして話題の転換点毎にセグメンテーションする際に、セグメンテーション方法として、連続する各ショットに出現する字幕データの語彙同士の意味的な又は形態的な類似度を求めて、予め定めた或る閾値以上の類似度を有する語彙を含むショットを同じシーンの範囲とみなすことを特徴とする。
【0018】
第9の技術手段は、前記第7の技術手段に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンとして話題の転換点毎にセグメンテーションする際に、セグメンテーション方法として、連続する各ショットの映像的特徴を用いて、予め定めた或る閾値以上に類似する映像的特徴を有するショットを同じシーンの範囲とみなすことを特徴とする。
【0019】
第10の技術手段は、前記第7の技術手段に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンとして話題の転換点毎にセグメンテーションする際に、セグメンテーション方法として、連続する各ショットの音響的特徴を用いて、予め定めた或る閾値以上に類似する音響的特徴を有するショットを同じシーンの範囲とみなすことを特徴とする。
【0020】
第11の技術手段は、前記第7の技術手段に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンとして話題の転換点毎にセグメンテーションする際に、セグメンテーション方法として、コンテンツの各ショットを構成するコンテンツ構造が同一の構造に属するショットを同じシーンの範囲とみなすことを特徴とする。
【0021】
第12の技術手段は、前記第7乃至第11の技術手段のいずれかに記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンとして話題の転換点毎にセグメンテーションする際に、セグメンテーション方法として、前記第8乃至第11の技術手段に記載の放送受信装置の各セグメンテーション方法のうち、1乃至複数のセグメンテーション方法の組み合わせを用いて、同じシーンの範囲を特定することを特徴とする。
【0022】
第13の技術手段は、前記第1乃至第12の技術手段のいずれかに記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目キーワードとして予め設定されている語彙に一致する語彙が前記字幕データに含まれているか否かを判定する際に、前記キーワードと完全に一致する語彙が前記字幕データに含まれているか否かを判定することを特徴とする。
【0023】
第14の技術手段は、前記第1乃至第12の技術手段のいずれかに記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目キーワードとして予め設定されている語彙に一致する語彙が前記字幕データに含まれているか否かを判定する際に、前記キーワードとの意味的な又は形態的な類似度を求めて、予め定めた或る閾値以上の類似度を有する語彙が前記字幕データに含まれているか否かを判定することを特徴とする。
【0024】
第15の技術手段は、前記第1乃至第14の技術手段のいずれかに記載の放送受信装置において、ネットワークを介して他の放送受信装置と接続して通信することができる通信管理手段を備え、前記注目シーン判定手段が、注目シーンと判定したシーンの出力形式を、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式として、放送受信装置毎に予め取り決められた出力形式に調整すると共に、前記通信管理手段を用いて、前記他の放送受信装置との間で、互いに同期を取って、調整された前記注目シーンの出力形式を通知することを特徴とする。
【0025】
第16の技術手段は、前記第15の技術手段に記載の放送受信装置において、シーンを出力する際に、前記注目シーン判定手段が、当該放送受信装置において注目シーンとして判定されたシーンの出力形式を調整して出力すると共に、前記通信管理手段を用いて、前記他の放送受信装置から注目シーンとして調整された出力形式を受け取っている場合、受け取っている該他の放送受信装置の注目シーンの出力形式に、シーンの出力形式を更に調整して出力することを特徴とする。
【0026】
第17の技術手段は、前記第15又は第16の技術手段に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記通信管理手段を用いて、前記他の放送受信装置から注目シーンとして調整された出力形式を受け取っている場合、当該放送受信装置の注目シーンの出力形式も含めて、いずれの放送受信装置の注目シーンの出力形式を用いて調整するかについて、前記通信管理手段を用いた各使用者間のネゴシエーション結果により決定された使用者の放送受信装置での注目シーン判定結果に合わせて、当該放送受信装置におけるシーンの出力形式を調整することを特徴とする。
【0027】
第18の技術手段は、前記第15又は第16の技術手段に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記通信管理手段を用いて、前記他の放送受信装置から注目シーンとして調整された出力形式を受け取っている場合、当該放送受信装置の注目シーンの出力形式も含めて、いずれの放送受信装置の注目シーンの出力形式を用いて調整するかについて、各使用者の放送受信装置間で予め定められた順序に従った順番で決定される使用者の放送受信装置の注目シーン判定結果に合わせて、当該放送受信装置におけるシーンの出力形式を調整することを特徴とする。
【0028】
第19の技術手段は、前記第15又は第16の技術手段に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記通信管理手段を用いて、前記他の放送受信装置から注目シーンとして調整された出力形式を受け取っている場合、当該放送受信装置の注目シーンの出力形式も含めて、いずれの放送受信装置の注目シーンの出力形式を用いて調整するかについて、任意に指定した使用者の放送受信装置での注目シーン判定結果に合わせて、当該放送受信装置におけるシーンの出力形式を調整することを特徴とする。
【0029】
第20の技術手段は、前記第1乃至第19の技術手段のいずれかに記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンとして特定するために用いる使用者の前記注目キーワードとして予め設定されている語彙が、該使用者が入力手段を介して入力した又は選択した任意の単語、あるいは、任意の単語の組み合わせからなる句から構成されていることを特徴とする。
【0030】
第21の技術手段は、前記第1乃至第20の技術手段のいずれかに記載の放送受信装置において、過去に視聴したコンテンツに関する字幕データを蓄積する視聴字幕データベースと、該視聴字幕データベースに蓄積されている字幕データを分析することにより、該字幕データに含まれている任意の単語、あるいは、任意の単語の組み合わせからなる句を、今後のコンテンツの視聴傾向を特定するための注目キーワードとして推定する注目キーワード推定手段とを備え、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンを特定するために用いる使用者の前記注目キーワードとして、前記注目キーワード推定手段により推定された注目キーワードを用いることを特徴とする。
【0031】
第22の技術手段は、前記第21の技術手段に記載の放送受信装置において、前記注目キーワード推定手段が、今後のコンテンツの視聴傾向を特定するための注目キーワードを推定する際に、前記視聴字幕データベースに蓄積されている前記字幕データに含まれる各語彙のうち、予め定めた或る閾値以上の出現頻度を有する語彙を注目キーワードとして推定することを特徴とする。
【0032】
第23の技術手段は、前記第21の技術手段に記載の放送受信装置において、使用者の興味あるジャンルや出演者名に代表される嗜好情報を入力する嗜好情報入力手段を更に備え、前記注目キーワード推定手段が、今後のコンテンツの視聴傾向を特定するための注目キーワードを推定する際に、前記視聴字幕データベースに蓄積されている前記字幕データに含まれる各語彙のうち、前記嗜好情報入力手段から入力された前記嗜好情報との意味的類似度が予め定めた類似度以上であるコンテンツに含まれている語彙であって、かつ、予め定めた或る閾値以上の出現頻度を有する語彙を注目キーワードとして推定することを特徴とする。
【0033】
第24の技術手段は、前記第21の技術手段に記載の放送受信装置において、前記注目キーワード推定手段が、前記視聴字幕データベースに蓄積されている前記字幕データに含まれる各語彙について、使用者が過去に視聴した視聴時間帯、視聴曜日、視聴月、視聴季節のいずれか1乃至複数を含む視聴時間別に分類して、予め定めた或る閾値以上の出現頻度を有する語彙を、前記視聴時間別の注目キーワードとして推定し、前記注目キーワード判定手段が、推定された該視聴時間別の注目キーワードを用いて、現在時刻における注目シーンを特定することを特徴とする。
【0034】
第25の技術手段は、前記第21の技術手段に記載の放送受信装置において、前記注目キーワード推定手段が、今後のコンテンツの視聴傾向を特定するための注目キーワードを抽出する際に、前記視聴字幕データベースに蓄積されている前記字幕データに含まれる各語彙について、コンテンツの経過時間に応じた重み付けをして出現頻度を算出し、重み付けして算出された各語彙の出現頻度が、予め定めた或る閾値以上の出現頻度である語彙を、注目キーワードとして推定することを特徴とする。
【0035】
第26の技術手段は、前記第1乃至第25の技術手段のいずれかに記載の放送受信装置において、コンテンツ視聴に関する世相や流行を示す情報をネットワークに接続されている情報サイトから取得するネットワーク管理手段と、該ネットワーク管理手段により取得された世相や流行を示す情報に含まれている任意の単語、あるいは、任意の単語の組み合わせからなる句を、コンテンツ視聴に関する世相や流行を示す流行キーワードとして推定する流行キーワード推定手段とを備え、前記注目キーワード判定手段が、前記注目シーンを特定するために用いる使用者の前記注目キーワードとして、前記流行キーワード推定手段により推定された前記流行キーワードを用いることを特徴とする。
【0036】
第27の技術手段は、前記第26の技術手段に記載の放送受信装置において、前記流行キーワード推定手段が、前記ネットワーク管理手段により前記情報サイトから取得されたコンテンツ視聴に関する世相や流行を示す情報のうち、アクセス頻度が予め定めた或る閾値以上に高い前記情報サイトの情報に含まれている任意の単語、あるいは、任意の単語の組み合わせからなる句を、コンテンツ視聴に関する世相や流行を示す流行キーワードとして推定することを特徴とする。
【0037】
第28の技術手段は、前記第26の技術手段に記載の放送受信装置において、前記流行キーワード推定手段が、前記ネットワーク管理手段により前記情報サイトから取得されたコンテンツ視聴に関する世相や流行を示す情報のうち、過去に最高視聴率を記録したコンテンツの情報を抽出して、該コンテンツの字幕データに含まれている任意の単語、あるいは、任意の単語の組み合わせからなる句を、コンテンツ視聴に関する世相や流行を示す流行キーワードとして推定することを特徴とする。
【0038】
第29の技術手段は、前記第26の技術手段に記載の放送受信装置において、前記流行キーワード推定手段が、前記ネットワーク管理手段により前記情報サイトから取得されたコンテンツ視聴に関する世相や流行を示す情報のうち、コンテンツが記録された記録メディアの売上げランキング情報を抽出して、該売上げランキングが予め定めた或る閾値以上に高い出演者名やタイトル名を示す語彙を、流行キーワードとして推定することを特徴とする。
【0039】
第30の技術手段は、放送信号を受信して再生する放送受信装置の放送受信方法において、放送信号に多重化されている字幕データ(クローズドキャプションデータ)をデコードする字幕データデコードステップと、該字幕データデコードステップによりデコードされた該字幕データを利用して、使用者が注目すべきコンテンツに関する注目シーンを判定する注目シーン判定ステップとを備えた放送受信方法であって、前記注目シーン判定ステップが、使用者の注目キーワードとして予め設定されている語彙に一致する語彙が、デコードされた前記字幕データの中に含まれている場合、該字幕データを有するショットの前後の一連のショット群を注目シーンとして特定して、特定された該注目シーンを、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整して出力することを特徴とする。
【0040】
第31の技術手段は、前記第30の技術手段に記載の放送受信方法において、前記注目シーン判定ステップが、前記注目シーンを、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整する際に、前記注目シーンの字幕データ、音響情報、映像情報のいずれか1乃至複数の出力形式を調整することを特徴とする。
【0041】
第32の技術手段は、前記第30又は第31の技術手段に記載の放送受信方法において、前記注目シーン判定ステップが、前記注目シーンについて、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整して出力する際に、使用者に対して認識し易い形式になっているか否かを問い合わせて、使用者の応答に応じて出力形式を調整することを特徴とする。
【0042】
第33の技術手段は、前記第30乃至第32の技術手段のいずれかに記載の放送受信方法において、前記注目シーン判定ステップが前記キーワードと一致する字幕データを有するショットの前後の一連のショット群を前記注目シーンとして特定するシーンの範囲が、前記注目キーワードに一致する語彙を含む前記字幕データを有するショットを含むシーンであり、かつ、話題の転換点毎にセグメンテーションされた一連のショット群からなるシーンであることを特徴とする。
【0043】
第34の技術手段は、前記第30乃至第33の技術手段のいずれかに記載の放送受信方法において、ネットワークを介して他の放送受信装置と接続して通信することができる通信管理ステップを備え、前記注目シーン判定ステップが、注目シーンと判定したシーンの出力形式を、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式として、放送受信装置毎に予め取り決められた出力形式に調整すると共に、前記通信管理ステップを用いて、前記他の放送受信装置との間で、互いに同期を取って、調整された前記注目シーンの出力形式を通知することを特徴とする。
【0044】
第35の技術手段は、前記第30乃至第34の技術手段のいずれかに記載の放送受信方法において、前記注目シーン判定ステップが、前記注目シーンとして特定するために用いる使用者の前記注目キーワードとして予め設定されている語彙が、該使用者が入力した又は選択した任意の単語、あるいは、任意の単語の組み合わせからなる句から構成されていることを特徴とする。
【0045】
第36の技術手段は、前記第30乃至第35の技術手段のいずれかに記載の放送受信方法において、過去に視聴したコンテンツに関する字幕データを蓄積する視聴字幕データベースと、該視聴字幕データベースに蓄積されている字幕データを分析することにより、該字幕データに含まれている任意の単語、あるいは、任意の単語の組み合わせからなる句を、今後のコンテンツの視聴傾向を特定するための注目キーワードとして推定する注目キーワード推定ステップとを備え、前記注目シーン判定ステップが、前記注目シーンを特定するために用いる使用者の前記注目キーワードとして、前記注目キーワード推定ステップにより推定された注目キーワードを用いることを特徴とする。
【0046】
第37の技術手段は、前記第30乃至第36の技術手段のいずれかに記載の放送受信方法において、コンテンツ視聴に関する世相や流行を示す情報をネットワークに接続されている情報サイトから取得するネットワーク管理ステップと、該ネットワーク管理ステップにより取得された世相や流行を示す情報に含まれている任意の単語、あるいは、任意の単語の組み合わせからなる句を、コンテンツ視聴に関する世相や流行を示す流行キーワードとして推定する流行キーワード推定ステップとを備え、前記注目キーワード判定ステップが、前記注目シーンを特定するために用いる使用者の前記注目キーワードとして、前記流行キーワード推定ステップにより推定された前記流行キーワードを用いることを特徴とする。
【0047】
第38の技術手段は、前記第30乃至第37の技術手段のいずれかに記載の放送受信方法を、コンピュータにより実行可能なプログラムと実現している放送受信プログラムとすることを特徴とする。
【0048】
第39の技術手段は、前記第38の技術手段に記載の放送受信プログラムを、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録しているプログラム記録媒体とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0049】
以上のごとき各技術手段のいずれかからなる本発明によれば、次のような効果が得られる。
各使用者の嗜好や興味に応じて、該使用者が入力又は選択した注目キーワードの語彙(単語や句など)に一致する語彙を含む字幕データを有するショットを中心に、その前後の一連のショット群(シーン)を注目シーンとして判別して、該注目シーンについて、該使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い出力形式で出力されることにより、該使用者が本来注目すべきショットに先行したショットから、以降に注目すべきショットが登場することを、該使用者に対して事前に通知する(教示する)ことができるので、大事なショットやシーンを見逃さないようにすることができる。
【0050】
また、過去に視聴したコンテンツの字幕データから抽出される語彙を注目キーワードとして推定して用いることにより、使用者が注目キーワードを入力しなくても、推定された注目キーワードに基づいて、該使用者の嗜好・興味に合致するコンテンツの注目シーンを、より精度高く推定することができる。
更に、コンテンツ視聴に関する現在の世相や流行を示す語彙を流行キーワードとして抽出して用いることにより、使用者が気付かなかった世相や流行等についても、現在、流行している情報を含むコンテンツのシーンを注目シーンとして判別することが可能であり、該使用者が世相や流行に乗り遅れることを防止することができる。
【0051】
また、或る放送受信装置における注目シーンの出力形式について、ネットワークを介して、他の放送受信装置と同期を取って、互いの放送受信装置に調整して出力することが可能であり、遠隔地にある他の放送受信装置と同じ注目シーンについて出力形式を調整して出力することができるので、遠隔地の他の使用者があたかも一緒の場所でテレビを視聴している場合と同様の、一種の臨場感を実現することができ、他の使用者とのコミュニケーションの向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下に、本発明に係る放送受信装置、放送受信方法、放送受信プログラム及びプログラム記録媒体の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明は、使用者が注目したいコンテンツ(テレビ番組)を見逃すことなく確実に視聴することができる放送受信装置、該放送受信装置に適用する放送受信方法、該放送受信装置上で動作する放送受信プログラム、及び、該放送受信プログラムを格納するプログラム記録媒体に係るものであるが、以下の実施形態の説明においては、主に、放送受信装置について説明することとする。但し、以下の詳細な説明により、本発明に係る放送受信方法、放送受信プログラム及びプログラム記録媒体についても容易に理解することができることは明らかである。
【0053】
(第1の実施例)
本発明に係る放送受信装置の第1の実施例について説明する。
(装置の基本構成)
図1は、本発明に係る放送受信装置の基本構成の一例を示すブロック構成図であり、前述した課題を解決する第1の実施例を説明するためのものである。なお、図1には、本発明に係る放送受信装置を説明するために必要な基本的な回路ブロックのみについて、その構成例を示している。
【0054】
本実施例においては、使用者の嗜好・興味に応じて、該使用者が注目するシーンを示唆する語彙(単語や句)を注目キーワードとして入力し、入力されてくるコンテンツ(テレビ番組)の中から該注目キーワードに対応する語彙(単語や句)を含む字幕データが出現するショットを検索し、該ショットを中心にして前後の一連のショット群(シーン)を注目シーンと判別し、該注目シーンの出力形式(例えば、該注目シーンの字幕データの表示形式)を、使用者が注目シーンであることを認識し易い形式に変化させることにより、使用者に対して、注目すべきショット又はシーンを事前に教示する場合について説明している。
【0055】
図1のブロック構成図において、放送受信装置10は、音響信号処理部101、映像信号処理部102、字幕データデコーダ部103、注目キーワード入力部104、注目シーン判定部105、表示処理部106、音響出力部107、及び、映像出力部108を備えている。入力された音響信号は、音響信号処理部101で音響出力レベルや音質などが制御されて、音響出力部107からスピーカなどに出力される。一方、入力された映像信号は、映像信号処理部102で映像処理され、テレビ画面表示用の信号として生成されて、表示処理部106を介して映像出力部108から液晶表示装置(LCD)などに出力される。
【0056】
また、字幕データデコーダ部103は、入力された放送信号に多重化されている字幕データ(クローズドキャプションデータ)を取り出してデコードする。注目キーワード入力部104は、使用者が注目したいショットなどに関連する語彙(単語や句)を注目キーワードとして入力する手段であり、リモコンやマイク、カメラ、センサ等の入力装置からなっている。使用者は、例えば、リモコンのキーを操作して注目キーワードを入力したり選択できる他、マイクを介した音声により注目キーワードを入力したり、カメラやセンサにより、新聞や雑誌に印刷されている単語・句やバーコード等を注目キーワードとして読み取って入力したりすることも可能である。
【0057】
また、注目シーン判定部105は、注目キーワード入力部104から入力された注目キーワードに対応する語彙を含む字幕データ(クローズドキャプションデータ)を、字幕データデコーダ部103でデコードされた各字幕データの中から検索し、該当する字幕データを有するショットを中心にして、前後の一連のショット群(シーン)の範囲を判定すると共に、使用者に対して、注目すべきショットが含まれているシーンであることを教示するために、該シーンの出力形式(例えば、該シーンに含まれる字幕データの表示形式)を調整して、表示処理部106や音響信号処理部101や映像信号処理部102に対して出力するものである。表示処理部106は、注目シーン判定部105で調整された字幕データを映像信号処理部102からの映像信号に重畳させて、映像出力部108に対して出力するものである。
【0058】
(放送受信装置のハードウェア構成の具体例)
図2は、図1に示した本発明に係る放送受信装置10の具体的なシステム構成の一例を示すブロック構成図であり、図1の各回路ブロックをそれぞれのハードウェア論理として構成する代わりに、放送受信プログラムを用いたソフトウェア論理により構成する場合を例示している。
【0059】
図2に示す放送受信装置10において、CPU1は、内蔵のシステムプログラムに従って放送受信装置10のシステム全体の制御を行なう他、図1に示す注目シーン判定部105に相当する注目シーン判定処理プログラムなどの各種放送受信プログラムを実行して、受信部9で受信したコンテンツを処理して、ワークメモリ2上に処理結果を作成する。入力部3は、図1に示す注目キーワード入力部104に対応しており、入力部3から入力した注目キーワード情報は、CPU1において処理されて、データベース4に注目キーワードとして格納される。
【0060】
表示部5は、図1に示す映像出力部108に対応しており、使用者からのリモコン操作などの指示やデータベース4に格納された注目キーワードなどに基づいて、処理対象の放送信号の中からテレビ画面表示用の映像信号を抽出して表示すると共に、データベース4に格納された各種情報やCPU1の演算処理結果を表示する。音響出力部6は、図1に示す音響出力部107に対応しており、使用者からのリモコン操作などの指示やデータベース4に格納された注目キーワードなどに基づいて、処理対象の放送信号の中から音響信号を抽出して出力する。外部記憶ドライブ7は、CPU1で実行される注目シーン判定処理プログラムを含む各種の放送受信プログラムを記録した外部記憶媒体(記録媒体)8の読み取り装置である。
【0061】
受信部9は、図1に示す音声信号処理部101や映像信号処理部102や字幕データデコーダ103に対応しており、入力された音響声信号は、出力方法を調整して音響出力部6へ出力され、また、入力された映像信号は、テレビ画面表示用の映像情報と字幕データとに分離されて、テレビ画面表示用の信号は、表示方法を調整して、表示部5の表示処理部を介して映像出力部へ出力され、一方、字幕データは、CPU1にて実行される注目シーン判定処理プログラムなどの放送受信プログラムの動作に従って処理されて、表示部5の表示処理部で映像信号と重畳して映像出力部へ出力される。
【0062】
以下に、図2に示す放送受信装置10の各回路ブロックについて更に説明する。
CPU1は、前述のように、放送受信装置10全体の制御を行なう制御部であり、内蔵のシステムプログラムの動作に従い、演算に使用するデータを記憶したワークメモリ2を使用して各種の演算処理を行なうと共に、注目シーン判定処理プログラムを始めとする各種の放送受信プログラムを実行して、受信部9で受信したコンテンツ情報を処理して、ワークメモリ2上に処理結果を作成する。
【0063】
ワーキングメモリ2は、字幕表示に関するデータや演算に使用するデータ及び演算結果等を一時的に記憶するいわゆる作業用のメモリであり、CPU1により実行される放送受信プログラムや、該放送受信プログラムにおいて利用されるデータやプログラム処理結果等を格納する。なお、該放送受信プログラムのうち、変更の可能性が低い一部のプログラムは、システムプログラムと同様に、図示していないROMに格納するようにしても良い。
【0064】
また、ワーキングメモリ2として用いられるRAMの一部の記憶領域は、電源バックアップされているか、あるいは、EEPROM (Electrically Erasable Programmable ROM)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリにより構成されていて、電源オフの状態にあっても、記憶内容をそのまま保持することが可能である。この不揮発性の記憶領域には、電源オフであっても、記憶内容を保持する必要がある注目キーワードを含む各種設定データや処理データやプログラム等が格納される。
【0065】
入力部3は、使用者が注目キーワードを入力するための装置であり、リモコンやカメラやマイク、センサなどの入力装置を介して入力を受け付ける。
表示部5は、例えばドットマトリックス構成の液晶表示装置(LCD)等に対して出力するものであり、受信部9で受信処理されたテレビ画面表示用の映像情報、データベース4に格納されている各種情報、CPU1における演算処理結果等を画面表示する。
音響出力部6は、例えばスピーカやイアホーン等に対して出力するものであり、受信部9で受信処理された音響信号、CPU1における演算処理結果等を出力する。
【0066】
外部記憶ドライブ7は、注目シーン判定処理プログラムを含む各種の放送受信プログラムや各種の情報を記憶している外部記憶媒体(記録媒体)8の読み取り部であり、外部記憶媒体(記録媒体)8は、例えば、各種のメモリカード、FD(Flexible Disk)、CD−ROM(Compact Disk−ROM)等の記録媒体からなっている。ここで、外部記憶媒体(記録媒体)8には、後述するような各種の注目シーンの抽出処理機能を実現するための注目シーン判定処理プログラム等を含む放送受信プログラムや、各種の情報が記憶されており、外部記憶ドライブ7に装着することにより外部記憶媒体(記録媒体)8に格納されている各種の情報が読み取られて、ワークメモリ2などに格納される。
【0067】
(放送受信装置10の動作)
次に、図1の基本構成を参照しながら、本発明に係る放送受信装置10の動作に関する第1の実施例について説明する。
本発明は、前述したように、放送信号に含まれて送信されてくる字幕データを利用して、放送信号として受信したコンテンツ(テレビ番組)の注目シーン(使用者が視聴を所望するショットを含むシーン)を、使用者に対して通知する(教示する)ことを目的としている。以下、使用者がリモコンのキーなどを用いて、注目キーワードとして入力した語彙(単語や句)に基づいて、注目シーンを使用者に教示する場合を例にして説明することにする。
なお、以下の説明において、「ショット」とは、画像的に連続したフレーム(静止画)の集まりを意味し、「シーン」とは、話題など、互いに関連する一連のショット群の集まりを意味するものとして使い分けて用いている。
【0068】
(放送受信装置10の基本動作)
まず、図1に示す放送受信装置10の各回路ブロックの基本動作について述べる。
(音響信号処理部101)
音響信号処理部101は、入力されてくる音響信号について、例えば、図示していないリモコン等の入力手段を用いて使用者から入力された音響出力レベルや音質などの設定値に応じて、該設定値に合うように音響出力レベルや音質などを処理して、テレビスピーカ提示用の信号として音響出力部108から出力する。なお、該設定値を、リモコンのキー等で使用者が指定する場合のみに限らず、注目シーン判定部105において判定された注目シーンに応じて、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式に自動的に設定するようにしても良い。
【0069】
(映像信号処理部102)
映像信号処理部102は、入力されてくる映像信号即ちテレビ画面表示用の映像情報について、例えば、図示していないリモコン等の入力手段を用いて使用者から入力された映像信号の表示形式に関する設定値に応じて、該設定値に合うような表示形式に処理して、テレビ画面表示用の信号として表示処理部107を介して映像出力部109から出力する。なお、該設定値を、リモコン等で使用者が指定する場合のみに限らず、注目シーン判定部105において判定された注目シーンに応じて、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式に自動的に設定するようにしても良い。
【0070】
(字幕データデコーダ部103)
字幕データデコーダ部103は、入力されてくる映像信号に多重化されている字幕データ(クローズドキャプションデータ)について、例えば、図示していないリモコン等の入力手段を用いて視聴者から入力された字幕データの抽出指示とデコード形式とに関する設定値に応じて、映像信号の所定の走査線に多重化されている字幕データ(クローズドキャプションデータ)を抽出して、該設定値に合うようにデコード処理をし、注目シーン判定部105に対して出力する。なお、該設定値を、リモコン等で使用者が指定する場合のみに限らず、注目シーン判定部105において判定された注目シーンに応じて、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式に自動的に設定するようにしても良い。
【0071】
(注目キーワード入力部104)
注目キーワード入力部104は、前述のように、使用者が注目するシーンを指定するための語彙(単語や句)を注目キーワードとして入力する手段であり、リモコンやマイク、カメラ、センサ等からなっている。ここで、入力するキーワードは、名詞や動詞などの単語単位でも良いし、また、使用者が見逃したくないシーンに特有の台詞や擬音(例:「この紋所が目に入らぬか」や「シュワッチ」)など、単語より大きな語彙からなるフレーズ(句)単位や擬音であっても良いし、更には、見逃したくないシーンを特定するための特有の符牒であっても良い。
なお、カメラやセンサの場合は、当該放送受信装置10に固定的に装着されていても良いし、あるいは、当該放送受信装置10が設置されている部屋の壁や机などに取り付けるようにしても良い。また、カメラやセンサを使用者が操作するリモコンに取り付けるようにしても良い。
【0072】
(注目シーン判定部105)
注目シーン判定部105は、注目キーワード入力部104から入力された注目キーワードと、字幕データデコーダ部103でデコードされた字幕データに含まれている語彙とを照合して、注目キーワードに一致する語彙を含む字幕データを抽出して、該字幕データを有するショットを中心にして、その前後の一連のショット群を、注目キーワードに関連する注目シーンの範囲として決定し、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易いように、該注目シーンに含まれる字幕データの表示形式を強調表示するように調整して、表示処理部106に対して出力する。この結果、使用者が本来注目すべきショット又はシーンに先行した関連するショットから、字幕データの表示形式を認識し易い形式に変更して画面表示する処理を開始することになり、使用者が本来視聴したいとしているショットやシーンが以降に登場してくることを、使用者に対して事前に通知する(教示する)ことができる。また、注目シーンであることを使用者に通知する手段として、後述するように、映像情報や音響情報を利用するようにしても良く、このような場合には、注目シーン判定部105の判定結果を、映像信号処理部102や音響信号処理部101に対して出力する。なお、注目シーン判定部105は、本実施例の中核をなす部分であり、詳細は後述のフローチャートを用いて更に説明する。
【0073】
(表示処理部106)
表示処理部106は、注目シーン判定部105にて注目シーンとして強調表示すべき字幕データのみを強調表示形式に調整した字幕データを、映像信号処理部102から入力される映像データ即ちテレビ画面表示用の信号との間で同期を取って重畳し、OSD表示として合成し、映像出力部108に対して出力する。
(音響出力部107)
音響出力部107は、音響信号処理部101にて音響出力レベルや音質を制御された音響信号をスピーカなどの出力装置に対して出力する。
【0074】
(映像出力部108)
映像出力部108は、表示処理部107において、注目シーン判定部105からの字幕データと映像信号処理部102からの映像データ即ちテレビ画面表示用の信号との間で、同期を取って、OSD合成された結果の映像を、液晶表示装置(LCD)などの出力装置に対して出力する。
【0075】
(放送受信装置10の動作フローチャート)
次に、図1に示す放送受信装置10における字幕データの表示動作の一例について、図3のフローチャートを用いて更に説明する。
ここで、図3は、本発明に係る放送受信装置の動作の一例を説明するためのフローチャートであり、図1に示す放送受信装置10の注目シーン判定部105における動作の一例を示している。即ち、注目キーワード入力部104から入力された注目キーワードと一致する語彙を含む字幕データから注目シーンを判定してその字幕表示形式を調整して画面表示する場合の動作の一例を示している。
【0076】
まず、放送受信装置10が起動されると、入力されてくる音響信号と映像信号とを、それぞれ音響信号処理部101と映像信号処理部102とにより処理して、処理された音響情報と映像情報とを、それぞれ、音声出力部108と、表示処理部107を介して映像出力部109とに出力し、視聴者に対して提示する。更に、映像信号に含まれている字幕データ(クローズドキャプションデータ)を字幕データデコーダ部103に対して出力する。字幕データデコーダ部103では、入力された字幕データをテキスト形式にデコードして、注目シーン判定部105に対して出力する。
【0077】
ここで、まず、図3のフローチャートの流れについて概説し、しかる後に、各処理ステップの詳細な処理の実施例について説明する。
字幕データデコーダ部103にてテキスト形式にデコードされた字幕データを、注目シーン判定部105が受け取ると(ステップS101)、形態素解析などの手法を用いて字幕データを分析して、字幕データを名詞や動詞などの単語に分割する(ステップS102)。
【0078】
一方、注目キーワード入力部104からは、使用者が注目したいシーンを指定するために入力した語彙(注目キーワード:単語や句)が注目シーン判定部105に対して出力されてきている。注目シーン判定部105では、注目キーワード入力部104から入力された注目キーワードと、字幕データを分析して抽出した名詞や動詞などの単語や、あるいは、その組み合わせからなるテキスト(句)と、を照合して、注目キーワードに一致する単語やテキストが含まれている字幕データであるか否かを判別する(ステップS103)。
【0079】
注目キーワードに一致する単語やテキストが含まれている字幕データであると判別した場合は(ステップS103のYES)、当該字幕データを含むショットとそのショットの前後の一連のショット群(即ちシーン)を注目シーンとして抽出するために、該ショット群(即ち注目シーン)の範囲を判定して決定する(ステップS104)。
【0080】
更に、該注目シーンに含まれる字幕データの表示形式を使用者が認識し易い形式に調整して(ステップS105)、表示形式を調整した字幕データを時間情報と共に、表示処理部106に対して出力する(ステップS106)。表示処理部106では、注目シーン判定部105から出力された時間情報を用いて、注目シーン判定部105からの字幕データを映像信号処理部102からの映像信号と同期合わせをして、映像信号上に重畳して、映像出力部108から出力する。
【0081】
一方、ステップS103において、注目キーワードに一致する単語やテキストが含まれている字幕データではないと判別した場合は(ステップS103のNO)、注目シーン判定部105では、字幕データの表示形式を調整することなく、そのまま、表示処理部106に対して時間情報と共に出力する(ステップS106)。表示処理部106では、注目シーン判定部105から出力された時間情報を用いて、注目シーン判定部105からの字幕データを映像信号処理部102からの映像信号と同期合わせをして、映像信号上に重畳して、映像出力部108から出力する。
【0082】
しかる後、ステップS101に戻り、放送受信装置10の電源がオフになるまで、前述の処理が繰り返される。
以上のように、使用者が注目したいシーンを指定するために入力した注目キーワードに基づいて、該注目キーワードの語彙を含むショット前後の一連のショット群(シーン)を、注目シーンとして抽出して、一連のショット群単位(シーン単位)について、字幕データの表示形式に対する強調処理(ハイライト処理)を施すことにより、使用者の注意を喚起することができ、使用者は本来注目すべきショット又はシーンを見逃すことなく視聴することが可能になる。
【0083】
ステップS102における字幕データの分析処理は、前述のように、例えば、形態素解析を行なうことにより、テキスト形式の字幕データを単語に分割して、単語毎にその出現位置を示すインデックスを作成し、注目キーワード入力部104から入力されるキーワードとの照合が行なうことを可能とするものである。
【0084】
なお、形態素解析とは、文(テキスト)を単語毎に区切って、分かち書きし、それぞれの単語の品詞と活用形とを求める処理をいう。更に、単語毎に分割することにより、それぞれの単語の出現位置を示すインデックスを生成することができる。
あるいは、ステップS102における分析処理は、形態素解析のみに限るものではなく、場合によっては、処理の簡易化を図るために、前述した「分かち書き」のみを行なうこととしても良い。
【0085】
あるいは、ステップS102における分析処理として、Nグラムのような文字成分抽出方式を用いても良い。ここで、Nグラムとは、テキスト形式の長い文字列から部分文字列を取り出す方法の一つであり、長い文字列を連続するN文字(N=1,2,3,…,N)単位で分割する際に、長い文字列の先頭から、1字ずつ、ずらしながらN文字ずつ取り出していく方法である。例えば、「視聴装置」という文字列について、N=2の場合、「視聴」、「聴装」、「装置」の3つが取り出される。従って、「視聴装置」というキーワードを用いて検索した場合は、「視聴」と「装置」とのAND検索で文字列が検索される。
【0086】
ステップS103における字幕データの各語彙と注目キーワードとの照合処理は、所謂テキスト検索処理であり、インターネット上でのホームページ検索等で行なわれている検索手法を利用することが可能である。
即ち、注目キーワードと完全に一致する字幕データの語彙(単語や句など)を検出することにしても良いし、あるいは、意味的な(又は、形態的な)類似度を求めて、予め定めた或る閾値以上の類似度を有する語彙を検出することとしても良い。
【0087】
ステップS104における注目シーン範囲の判定処理は、注目キーワードに対応する語彙を有する字幕データが出現するショットを中心にして、その前後の関連あるショットを一つの纏まりがある一連のショット群即ちシーンとすることにより、注目シーンの範囲を特定するための処理である。注目シーンの範囲を特定する実現手段としては、話題の転換点毎の話題分割(セグメンテーション)技術を利用することが可能であり、例えば、以下のようなセグメンテーション方法が適用可能である。
【0088】
(1)連続する各ショットに出現する語彙同士の意味的な(又は形態的な)類似度を求めて、予め定めた或る閾値以上の類似度を有する語彙を含むショットは同じシーンの範囲と看做す。
(2)連続する各ショットの映像的特徴(例えば、ドミナントカラーや色の配置、動き情報など)を用いて、予め定めた或る閾値以上に類似する映像的特徴を有するショットは同じシーンの範囲と看做す。
(3)連続する各ショットの音響的特徴(例えば、音量や背景音楽、背景音の種類など)を用いて、予め定めた或る閾値以上に類似する音響的特徴を有するショットは同じシーンの範囲と看做す。
(4)コンテンツ(テレビ番組)のジャンル毎に、コンテンツ構造(例えば、ジャンルがニュース番組の場合、アナウンサのしゃべりのシーン、インタビューシーン、現場からの報告シーンなどの番組構造から構成される)を分析して、同じコンテンツ構造に属するショットは同じシーンの範囲と看做す。
(5)前記(1)乃至(4)の各セグメンテーション方法のうち、1乃至複数の組み合わせを用いて、同じシーンの範囲を特定する。
【0089】
ステップS105において、調整される字幕データの表示形式としては、例えば、字幕データの画面上の表示位置(画面上側や下側など)、文字の種類(ゴシックや特太ゴシックなどのフォント)、文字のサイズ、文字の線の太さ(太字や細字など)、文字の色合い(黒色のみならず、赤色や青色など)、文字の影の有無や影の色、文字の背景色、文字のコントラスト・ブライトネス・シャープネスなどについて、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い表示形式に調整するものである。
【0090】
更には、これら複数の表示形式のうち、任意の組み合わせによって調整するようにしても良いし、使用者にとって読み易い表示が得られる字幕データの表示形式であれば如何なる調整方法を用いても良い。
【0091】
なお、字幕データの表示形式を調整して変化させる目的は、使用者に注目シーンであることを教示(通知)して認識させることにあるので、字幕データの表示形式を調整する手段のみに限る必要はない。
【0092】
例えば、該注目シーンの映像情報を表示する画面上に予め定めた特定マークを付与して表示したり、及び/又は、予め定めた特定の表示画面形式(楕円形や菱形などの画面形状や画面枠の有無や枠の模様など)で表示したり、及び/又は、該映像情報の表示位置、表示サイズ、色合い、解像度、輝度のいずれか1乃至複数を調整して、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い表示形式に従って映像情報を画面表示するようにしても良い。
【0093】
あるいは、該注目シーンにおける音響情報の音量を上げたり、及び/又は、音質を変化させたりするなど、使用者の注意を喚起することができる別の手法を用いても良い。
更には、字幕データ、音響情報、映像情報などを用いた各調整手法のいずれか1乃至複数を組み合わせて用いて調整するようにしても良い。
【0094】
また、自動的に調整してしまう場合のみならず、使用者に対して、字幕が読み易い表示になっているか否か、又は、音響情報が認識し易い出力形式になっているか否か、あるいは、映像情報が認識し易い表示形式になっているか否かを問い合わせて、使用者の応答に応じて出力形式を調整設定するようにしても良い。
【0095】
(第2の実施例)
次に、本発明に係る放送受信装置の第2の実施例について説明する。本実施例においては、第1の実施例として示した図1の放送受信装置10に、更に、ネットワークを介して他の放送受信装置と接続して通信することができる通信管理手段を追加して備えることにより、該通信管理手段を用いて、ネットワークを介して接続された複数の放送受信装置間で、字幕データ及び/又は音響情報及び/又は映像情報の出力形式を、互いに同期を取って、各使用者それぞれの注目シーンを認識することができる形式に調整し、調整された出力形式に基づいて字幕データ及び/又は音響情報及び/又は映像情報を、複数の放送受信装置それぞれで出力することを可能とするものである。
【0096】
これにより、例えば遠隔地にある他の放送受信装置の使用者の注目シーンを知ることが可能になり、(更には、場合によっては、該他の放送受信装置と同じ出力形式に調整して字幕データ及び/又は音響情報及び/又は映像情報を出力するようにしても良く)、あたかも一緒の場所でテレビを視聴している場合と同様の一種の臨場感を実現することができ、他の使用者とのコミュニケーションの向上を促進することができる。
【0097】
なお、以下の説明においては、各使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式に調整する対象として字幕データを用いる場合を例に取って説明する。
【0098】
(装置の基本構成)
本第2の実施例に適用される放送受信装置は、図4に示すように、図1に示した放送受信装置10の構成に、更に追加して、ネットワークを介して他の放送受信装置との間で通信を行なうことができる通信管理部を備えて構成されている。ここに、図4は、本発明に係る放送受信装置の基本構成の他の例を示すブロック構成図であり、前述した課題を解決する第2の実施例を説明するためのものである。なお、図4には、図1と同様、本発明に係る放送受信装置を説明するために必要な基本的な回路ブロックのみについて、その構成例を示している。
【0099】
図4に示す放送受信装置20,20′においては、複数の放送受信装置20,20′それぞれに、通信管理部201を備えて、ネットワーク50を介して、相互に通信を行なうことができるように構成されており、例えば、放送受信装置20は、注目シーン判定部105で調整された字幕データの表示形式の情報を含め各種の情報を、通信管理部201,ネットワーク50を介して、遠隔地にある他の放送受信装置20′との間で送受信することができる。複数の放送受信装置20,20′それぞれが、それぞれの注目シーン判定部105で判定された結果に合わせて、注目シーンの字幕データの表示形式を、それぞれの放送受信装置20,20′毎に予め取り決められている出力形式に調整し、調整された出力形式の字幕データについて、通信管理部201を介して通知し合うことにより、それぞれの使用者が注目するシーンを、他の使用者に対して通知(教示)することができる。
【0100】
(放送受信装置の基本動作)
前述の図4のように構成された放送受信装置20の基本動作について、図1の放送受信装置10と異なる通信管理部201を対象にして次に説明する。
【0101】
(通信管理部201)
放送受信装置20の通信管理部201は、前述のごとく、注目シーン判定部105で調整された字幕データの表示形式に関する情報を、ネットワーク50を介して、他の放送受信装置20′の通信管理部201と送受信することができる。なお、ネットワーク50は、有線ネットワークや無線ネットワーク、衛星通信ネットワークのいずれで構成されていても良いし、送受信する情報の信号形式として、放送信号を用いても良いし、インターネット通信用の信号や電話通信用の信号など、如何なる信号を用いても良い。
【0102】
通信管理部201により、調整された字幕データの表示形式に関する情報を、ネットワーク50を介して送受信することにより、複数の放送受信装置20,20′の間で、同期を取って、各使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整するための同期調整方法としては、例えば、以下のような具体的な実現方法が考えられる。
【0103】
(1)ネットワークに接続された放送受信装置全ての出力形式即ち字幕表示形式をそれぞれの放送受信装置の映像出力部の画面上に同時に表示する。
この方法では、例えば、使用者毎に、注目シーン判定部105により調整される調整用の出力形式即ち字幕データの調整用の文字色を予め取り決めておき、ネットワークに接続された各放送受信装置において、シーンを出力する際に、他の放送受信装置から注目シーンとして調整された出力形式を受け取っている場合、自己の放送受信装置における注目シーンの出力形式に調整して出力するのみならず、受け取っている他の放送受信装置の注目シーンの出力形式に、更に調整して出力するものである。即ち、各放送受信装置毎の該文字色を用いて、各放送受信装置における注目シーンを示す出力形式(字幕表示形式)に、調整して出力することにより、自分の注目シーンのみならず、ネットワークに接続されている他の放送受信装置の使用者の注目シーンについても知ることが可能である。あるいは、使用者の名前等を予め登録しておき、各使用者の注目シーンが表示される際に当該使用者の名前等を出力するようにしても良い。
【0104】
即ち、使用者それぞれは、各放送受信装置20,20′の映像出力部108の画面上で、各使用者の放送受信装置20,20′全てについて、それぞれの放送受信装置で判定された注目シーンを、それぞれの調整用の文字色に字幕表示形式が調整されていることにより確認することができる。ここで、例えば、遠隔地にいる友人との間で、同一シーンが注目シーンとして判定された場合、使用者それぞれに予め定めた調整用とは更に別の文字色を用いて表示するようにして、友人との間に一種の協調感が生まれるように演出しても良い。
【0105】
また、複数の放送受信装置20,20′の間で、同時に注目シーンの判定がなされていたことが認識された場合に、同期を取って、どの使用者の放送受信装置の注目シーンを視聴するように、放送受信装置20,20′それぞれの注目シーンの出力形式を合わせるかを、調整する同期調整方法としては、次のような具体的な実現方法が考えられる。
(2)通信管理部201を介した使用者間の交渉(ネゴシエーション)により、どの使用者の放送受信装置の注目シーン判定結果に合わせるかを決定する。
ここで、使用者間の交渉などにより、どの使用者の放送受信装置の注目シーンに合わせるかを交渉する方法としては、例えば、ネットワーク50を介して互いの音声が聞こえる状態にして交渉する方法や、テレビ電話などにより互いの音声や映像が視聴できる状態にして交渉する方法や、あるいは、インターネットを介した電子メールや掲示板などのメッセージ交換により交渉する方法などを用いることができる。
【0106】
あるいは、図4に示す映像出力部108の画面上に、字幕表示形式の調整設定が可能な放送受信装置の使用者一覧を表示して、この中から選択するようにしても良い。この画面表示を各使用者が参照しながら、使用者一覧の中からいずれかの使用者(本人でも他人でも良い)の放送受信装置を選択することを互いの交渉によって決めても良いし、予め定めた順番で決めることにしても良い。
【0107】
(3)各使用者の放送受信装置が、注目シーン判定結果を合わせるべき使用者の放送受信装置を任意に指定する。
この方法では、各使用者それぞれが、注目シーン判定結果を合わせるべき所望の使用者の放送受信装置を指定することができる。例えば、複数の使用者の放送受信装置が、同じコンテンツ(テレビ番組)を、それぞれの放送受信装置の注目シーン判定結果に応じて視聴をしている状況において、各使用者それぞれが指定した任意の使用者の放送受信装置の注目シーン判定結果に合わせて調整された字幕表示形式に切り替えて、該コンテンツ(テレビ番組)を視聴することができる。
【0108】
この場合、プライバシー保護の観点から、同じコンテンツ(テレビ番組)を視聴する使用者をグループ登録することを必須とするなどの条件を設けて、登録されたグループ内の使用者であれば、どの使用者の放送受信装置であっても選ぶことができるようにしても良い。例えば、各使用者のお好みキーワードを記憶しておき、該お好みキーワードを映像出力部108に画面表示し、所望の使用者の放送受信装置を選択することができるようにしても良い。
【0109】
(放送受信装置20の動作フローチャート)
次に、図4に示す放送受信装置20における字幕データの表示動作の一例について、図5のフローチャートを用いて更に説明する。
ここで、図5は、本発明に係る放送受信装置の動作の他の例を説明するためのフローチャートであり、図4に示す放送受信装置20,20′のように、ネットワーク50を介して2台の放送受信装置20,20′を接続して、互いの字幕表示形式の同期を取って画面表示する場合の動作の一例を示している。
【0110】
まず、放送受信装置20,20′がそれぞれ起動されると、それぞれの放送受信装置20,20′において、入力されてくる音響信号と映像信号とを、それぞれ音響信号処理部101と映像信号処理部102とにより処理して、処理された音響情報と映像情報とを、それぞれ、音声出力部108と、表示処理部107を介して映像出力部109とに出力し、視聴者に対して提示する。更に、映像信号に含まれている字幕データ(クローズドキャプションデータ)を字幕データデコーダ部103に対して出力する。字幕データデコーダ部103では、入力された字幕データをテキスト形式にデコードして、注目シーン判定部105に対して出力する。
【0111】
以下に、図5のフローチャートの流れに沿って説明する。
それぞれの放送受信装置20,20′において、字幕データデコーダ部103にてテキスト形式にデコードされた字幕データを、注目シーン判定部105が受け取ると(ステップS201)、図3のフローチャートの場合と同様に、形態素解析などの手法を用いて字幕データを分析して、字幕データを名詞や動詞などの単語に分割する(ステップS202)。
【0112】
一方、注目キーワード入力部104からは、使用者が注目したいシーンを指定するために入力した注目キーワードが注目シーン判定部105に対して出力されてきている。注目シーン判定部105では、注目キーワード入力部104から入力された注目キーワードと、字幕データを分析して抽出した名詞や動詞などの単語や、あるいは、その組み合わせからなるテキスト(文字列:句)と、を照合して、注目キーワードに一致する単語やテキストが含まれている字幕データであるか否かを判別する(ステップS203)。
【0113】
注目キーワードに一致する単語やテキストが含まれている字幕データであると判別した場合は(ステップS203のYES)、図3のフローチャートの場合と同様に、当該字幕データを含むショットとそのショットの前後の一連のショット群(即ちシーン)を注目シーンとして抽出するために、該ショット群(即ち注目シーン)の範囲を判定して決定する(ステップS204)。
【0114】
更に、それぞれの放送受信装置20,20′において、決定された注目シーンの範囲情報(フレーム番号など)は、通信管理部201を介してネットワーク50に接続されている他の放送受信装置20′,20に対してそれぞれ送信される(ステップS205)。しかる後、ステップS204で決定した注目シーンの範囲情報に基づいて、該注目シーンに含まれる字幕データの表示形式を使用者が注目シーンであることを認識し易い形式に調整する(ステップS206)。
【0115】
次に、放送受信装置20,20′において、他の放送受信装置20′,20から通信管理部201にて他の放送受信装置20′,20の注目シーンの範囲情報を受信しているか否かをチェックし、受信していなければ(ステップS207のNO)、ステッS206において表示形式を調整した字幕データを時間情報と共に、表示処理部106に対して出力する(ステップS209)。
【0116】
一方、ステップS207において、他の放送受信装置20′,20から通信管理部201にて他の放送受信装置20′,20の注目シーンの範囲情報を受信していた場合は(ステップS207のYES)、当該放送受信装置20,20′にてステップS204で決定した注目シーンの範囲情報と、更に他の放送受信装置20′,20から通信管理部201にて受信した他の放送受信装置20′,20の注目シーンの範囲情報とに基づいて、該注目シーンに含まれる字幕データの表示形式を、他の放送受信装置における注目すべきシーンであることを使用者が認識し易い形式に調整する(ステップS208)。表示形式を調整した字幕データを時間情報と共に、表示処理部106に対して出力する(ステップS209)。
【0117】
表示処理部106では、注目シーン判定部105から出力された時間情報を用いて、注目シーン判定部105からの字幕データを映像信号処理部102からの映像信号と同期合わせをして、映像信号上に重畳して、映像出力部108から出力する。
【0118】
一方、ステップS203において、キーワードに一致する単語やテキストが含まれている字幕データではないと判別した場合は(ステップS203のNO)、放送受信装置20,20′において、他の放送受信装置20′,20から通信管理部201にて他の放送受信装置20′,20の注目シーンの範囲情報を受信していなければ(ステップS207のNO)、注目シーン判定部105では、字幕データの表示形式を調整することなく、そのまま、表示処理部106に対して時間情報と共に出力する(ステップS209)。
【0119】
また、他の放送受信装置20′,20から通信管理部201にて他の放送受信装置20′,20の注目シーンの範囲情報を受信していた場合は(ステップS207のYES)、他の放送受信装置20′,20から通信管理部201にて受信した他の放送受信装置20′,20の注目シーンの範囲情報に基づいて、該注目シーンに含まれる字幕データの表示形式を、使用者が他の放送受信装置における注目シーンであることを認識し易い形式に調整して(ステップS208)、表示形式を調整した字幕データを時間情報と共に、表示処理部106に対して出力する(ステップS209)。
【0120】
表示処理部106では、前述の場合と同様に、注目シーン判定部105から出力された時間情報を用いて、注目シーン判定部105からの字幕データを映像信号処理部102からの映像信号と同期合わせをして、映像信号上に重畳して、映像出力部108から出力する。
【0121】
しかる後、ステップS201に戻り、それぞれの放送受信装置20,20′の電源がオフになるまで、前述の処理が繰り返される。
【0122】
なお、ステップS208において、複数の放送受信装置20,20′が共に、同じシーンを注目シーンとして視聴しようとしていることが判明した場合には、前述したように、同じシーンに注目していることが分かるように、使用者それぞれに予め定めた調整用表示形式とは更に別の表示形式を用いて表示するようにすることも可能である。
【0123】
更には、放送受信装置20において、他の放送受信装置20′が前述したような使用者間のネゴシエーションによって決定されている放送受信装置であって、他の放送受信装置20′から、通信管理部201にて他の放送受信装置20′の注目シーンの範囲情報を受信した場合には、自己の放送受信装置20のステップS204において決定した注目シーンの範囲情報が同じシーンであるか否かによらず、他の放送受信装置20′の注目シーンの範囲情報に基づいて、該注目シーンに含まれる字幕データの表示形式を、他の放送受信装置における注目シーンであることを使用者が認識し易い形式に調整して画面表示されることになる。
【0124】
逆に、放送受信装置20において、他の放送受信装置20′から通信管理部201にて他の放送受信装置20′の注目シーンの範囲情報を受信した場合であっても、他の放送受信装置20′が前述したような使用者間のネゴシエーションによって決定されている放送受信装置ではなかった場合には、他の放送受信装置20′からの注目シーンの範囲情報は採用することなく、自己の放送受信装置20における注目シーンの範囲情報に基づいて注目シーンであることを使用者が認識し易い形式に調整して画面表示されることになる。
【0125】
また、ステップS208において、他の放送受信装置20′,20の注目シーンの範囲情報に基づいて、自動的に、他の放送受信装置における注目シーンであることを認識し易い形式に調整するのではなく、当該放送受信装置20,20′の使用者に問い合わせて、その応答に基づいて、他の放送受信装置20′,20における注目シーンであることを認識し易い形式に調整するようにしても良い。
【0126】
以上のように、本実施例においては、遠隔地の放送受信装置であっても、ネットワーク50に接続されている複数の放送受信装置20,20′それぞれが、それぞれの注目シーン判定部105で判定された結果に合わせて、注目シーンの出力形式を、それぞれの放送受信装置20,20′毎に予め取り決められている出力形式に調整し、調整された注目シーンの出力形式について、通信管理部201を介して通知し合うことにより、それぞれの使用者が注目するシーンを、他の使用者に対して通知(教示)することができ、もって、例えば、それぞれの使用者の注目シーンを互いに視聴するように、各使用者の注意を喚起することが可能であり、それぞれで同じ注目シーンを見逃すことなく視聴することが可能になる。
【0127】
なお、前述した第2の実施例においては、各使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整する対象が、字幕データである場合について説明したが、第1の実施例の場合と同様、字幕データのみに限るものではなく、使用者が認識し易い形式であれば如何なる方法を用いても良く、コンテンツの注目シーンに関する音響情報や映像情報や字幕データのいずれか1乃至複数の組み合わせを調整するようにしても勿論構わない。
【0128】
(第3の実施例)
次に、本発明に係る放送受信装置の第3の実施例について説明する。本実施例においては、第1の実施例として示した図1の放送受信装置10について、注目キーワード入力部104の代わりに、過去に視聴したコンテンツ(テレビ番組)に含まれていた字幕データを蓄積するデータベース(DB)と、該データベースに蓄積された字幕データを分析することにより、使用者の興味・嗜好を解析して、該使用者が視聴したシーンに関する字幕データに含まれている任意の語彙(任意の単語や、あるいは、任意の単語の組み合わせからなる句)を、今後のコンテンツの視聴傾向を特定するための注目キーワードとして自動的に推定する注目キーワード推定手段とを備えることにより、注目シーンを特定するために用いる該使用者の注目キーワードとして、注目キーワード推定手段により推定された注目キーワードを用いて、該使用者が注目すべきシーンを自動的に判定して、注目シーンの出力形式を調整し、出力することを可能としている。
【0129】
これにより、使用者は、注目シーン(一連のショット群)を特定するために、わざわざ注目キーワードを入力する手間を掛けることなく、自動的に推定された注目キーワードを用いて判定された注目シーンを視聴することを促すために、調整した出力形式により、本来の注目すべきショットやシーンに先行して自動的に出力されてくるので、該使用者が関心あるシーンを見逃すことなく視聴することができ、視聴しようとして注目していたコンテンツ(テレビ番組)をより確実に視聴することが可能になる。
【0130】
即ち、本第3の実施例に適用される放送受信装置は、図6に示すように、図1に示した放送受信装置10の注目キーワード入力部104の代わりに、過去に視聴したコンテンツ(テレビ番組)に関する字幕データを蓄積する視聴字幕DB(データベース)301と、該視聴字幕DB301に蓄積されている字幕データに含まれている語彙を、使用者の今後のコンテンツの視聴傾向を特定するための注目キーワードとして推定する注目キーワード推定部302とを備えて構成されている。ここに、図6は、本発明に係る放送受信装置の基本構成の更に異なる例を示すブロック構成図であり、前述した課題を解決する第3の実施例を説明するためのものである。なお、図6には、図1と同様、本発明に係る放送受信装置を説明するために必要な基本的な回路ブロックのみについて、その構成例を示している。
【0131】
図6に示す放送受信装置30においては、視聴字幕DB301と注目キーワード推定部302とを備えて、注目キーワード推定部302により推定された注目キーワードを用いて、受信コンテンツに含まれている字幕データを検索することにより、使用者が今後視聴しようとしているコンテンツを自動的に推定することを可能としている。
【0132】
(放送受信装置の基本動作)
前述の図6のように構成された放送受信装置30の基本動作について、図1の放送受信装置10と異なる視聴字幕DB301と注目キーワード推定部302とを対象にして次に説明する。
【0133】
(視聴字幕DB301)
放送受信装置30の視聴字幕DB301は、前述のごとく、使用者が過去に視聴したコンテンツ(テレビ番組)に含まれる字幕データを蓄積するものである。ここで、視聴字幕DB301には、字幕データそのものではなく、該字幕データから形態素解析など任意の方法を用いて抽出した語彙(任意の単語や、任意の単語の組み合わせからなる句など)を蓄積するようにしても良い。
【0134】
(注目キーワード推定部302)
放送受信装置30の注目キーワード推定部302は、前述のごとく、視聴字幕DB301に蓄積された字幕データに含まれている語彙を基にして、使用者のコンテンツの視聴傾向を示す語彙を注目キーワードとして推定するものである。注目キーワードとして推定した語彙は、注目シーン判定部105に入力されて、使用者が今後視聴しようとするシーンを判定するための注目キーワードとして用いられる。
【0135】
注目キーワード推定部302において、視聴字幕DB301に蓄積された字幕データに含まれている語彙を基にして、使用者の視聴傾向を示す注目キーワードを推定する推定方法としては、例えば、以下のような具体的な実現方法が考えられる。
【0136】
(1)出現頻度が多い語彙(単語や句など)を注目キーワードと推定する。
視聴字幕DB301に蓄積された字幕データに含まれている語彙(単語や句など)に基づいて、使用者が過去に視聴したコンテンツ(テレビ番組)に含まれていた語彙毎の出現頻度を算出することができる。ここで、語彙毎の出現頻度は、使用者の関心度に略比例するものと考えられることから、語彙毎の出現頻度に関して予め定めた或る閾値を設け、視聴字幕DB301に蓄積された字幕データに含まれている語彙のうち、或る閾値以上の出現頻度を有する語彙を注目キーワードとして推定することが可能である。
【0137】
(2)更に、使用者の嗜好情報を追加して用いる。
使用者の興味あるジャンルや出演者名などの嗜好情報を入力する嗜好情報入力手段を更に設け、視聴字幕DB301に蓄積された字幕データに含まれている語彙のうち、前記嗜好情報入力手段から入力された該嗜好情報との意味的類似度が予め定めた類似度以上であるコンテンツであって、かつ、(1)に前述したように、視聴字幕DB301に蓄積された字幕データに含まれている語彙の出現頻度が予め定めた閾値以上である語彙を、注目キーワードとして推定することにより、注目キーワードの推定精度を高めることを可能としている。
【0138】
(3)更に、使用者の視聴時間傾向を追加して用いる。
使用者が過去に視聴した視聴時間帯(朝、昼、夜)や視聴曜日(平日、休日)、視聴月、視聴季節などに関する視聴時間情報を、字幕データと共に視聴字幕DB301に蓄積するようにすることにより、時間帯、曜日、月、季節のいずれか1乃至複数を含む視聴時間別に分類して、過去に視聴したコンテンツ(テレビ番組)に含まれている字幕データの語彙毎の出現頻度を算出し、予め定めた或る閾値以上の出現頻度を有する語彙を、視聴時間別の注目キーワードとして推定することを可能とするものである。これにより、推定された視聴時間別の注目キーワードを用いて、現在時刻における注目シーンを特定するようにするものであり、現在時刻における使用者の視聴時間傾向を加味した視聴傾向を推定することにより、より精度良く注目キーワードを推定することが可能である。なお、この場合、更に、(2)に前述した使用者の嗜好情報を加味するようにしても良い。
【0139】
(4)更に、コンテンツの放送開始時刻からの経過を加味する。
コンテンツの放送開始時刻からの経過を示す経過時間を、前述した(1)の実現方法に更に加味することにより、更に精度良く、注目キーワードを推定することを可能とするものである。具体的には、例えば、或る一定期間において、字幕データに登場する或る語彙の出現頻度が予め定めた或る閾値を越えていたとしても、その後の時間の経過と共に、該語彙の出現頻度が低下してきて、前記閾値以下に低下してしまうような語彙については、注目キーワードの対象から除外するようにしても良いし、あるいは、経過時間に応じた重み付けをして各語彙の出現頻度を評価するようにしても良い。即ち、コンテンツの全放送時間帯に亙って、予め定めた或る閾値以上の出現頻度を有する語彙を優先して、注目キーワードとして推定するようにしても良い。なお、前述した(2)及び/又は(3)の各実現方法を更に加味するようにしても良い。
【0140】
(放送受信装置30の動作フローチャート)
次に、図6に示す放送受信装置30における字幕データの表示動作の一例について、図7のフローチャートを用いて更に説明する。
ここで、図7は、本発明に係る放送受信装置の動作の更に異なる例を説明するためのフローチャートであり、図6に示す放送受信装置30において、視聴字幕DB301に蓄積された字幕データに基づいて、使用者の注目キーワードを自動的に推定し、推定した注目キーワードと一致する語彙を含む字幕データから注目シーンを判定してその字幕データの字幕表示形式を調整して画面表示する場合の動作の一例を示している。
なお、図7の説明においては、各使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式に調整する対象として字幕データを用いる場合を例に取って説明している。
【0141】
まず、放送受信装置30が起動されると、入力されてくる音響信号と映像信号とを、それぞれ音響信号処理部101と映像信号処理部102とにより処理して、処理された音響情報と映像情報とを、それぞれ、音声出力部108と、表示処理部107を介して映像出力部109とに出力し、視聴者に対して提示する。更に、映像信号に含まれている字幕データ(クローズドキャプションデータ)を字幕データデコーダ部103に対して出力する。字幕データデコーダ部103では、入力された字幕データをテキスト形式にデコードして、注目シーン判定部105に対して出力する。
【0142】
以下に、図7のフローチャートの流れに沿って説明する。
字幕データデコーダ部103にてテキスト形式にデコードされた字幕データを、注目シーン判定部105が受け取ると(ステップS301)、図3のフローチャートの場合と同様に、形態素解析などの手法を用いて字幕データを分析して、字幕データを名詞や動詞などの単語に分割する(ステップS302)。
【0143】
一方、視聴字幕DB301に蓄積されている字幕データに基づいて、注目キーワード推定部302において、該字幕データを分割して抽出した名詞や動詞などの単語や、あるいは、その組み合わせからなるテキスト(文字列:句)の出現頻度を算出するなどの手法を用いて、使用者の視聴傾向を示す注目キーワードとして推定し、注目シーン判定部105に出力する(ステップS303)。なお、注目キーワード推定部302における注目キーワードの推定方法としては、前述したような各種の実現手段を用いることができる。
【0144】
次に、注目シーン判定部105において、コンテンツ(テレビ番組)の字幕データ分析して抽出された名詞や動詞などの単語や、あるいは、その組み合わせからなるテキスト(文字列:句)と、注目キーワード推定部302から入力された注目キーワードと、を照合して、注目キーワードに一致する単語やテキストが含まれている字幕データであるか否かを判別する(ステップS304)。
【0145】
注目キーワードに一致する単語やテキストが含まれている字幕データであると判別した場合は(ステップS304のYES)、図3のフローチャートの場合と同様に、当該字幕データを含むショットとそのショットの前後の一連のショット群(即ちシーン)を注目シーンとして抽出するために、該ショット群(即ち注目シーン)の範囲を判定して決定する(ステップS305)。
【0146】
更に、該注目シーンに含まれる字幕データの表示形式を使用者が認識し易い形式に調整して(ステップS306)、表示形式を調整した字幕データを時間情報と共に、表示処理部106に対して出力する(ステップS307)。表示処理部106では、注目シーン判定部105から出力された時間情報を用いて、注目シーン判定部105からの字幕データを映像信号処理部102からの映像信号と同期合わせをして、映像信号上に重畳して、映像出力部108から出力する。
【0147】
一方、ステップS304において、注目キーワードに一致する単語やテキストが含まれている字幕データではないと判別した場合は(ステップS304のNO)、注目シーン判定部105では、字幕データの表示形式を調整することなく、そのまま、表示処理部106に対して時間情報と共に出力する(ステップS307)。表示処理部106では、注目シーン判定部105から出力された時間情報を用いて、注目シーン判定部105からの字幕データを映像信号処理部102からの映像信号と同期合わせをして、映像信号上に重畳して、映像出力部108から出力する。
【0148】
しかる後、ステップS301に戻り、放送受信装置10の電源がオフになるまで、前述の処理が繰り返される。
なお、図7のフローチャートには説明していないが、使用者が或るコンテンツ(テレビ番組)を視聴した場合には、該コンテンツに含まれている字幕データは、前述したように、該使用者の視聴傾向を示す情報として、視聴字幕DB301に逐次蓄積されていくように構成されている。
【0149】
ここで、前述したステップS303において、視聴字幕DB301に蓄積されている字幕データを分析して、注目キーワードを推定して抽出する場合について説明した。しかし、かかる場合のみに限るものではなく、前述したように、過去に視聴したコンテンツ(テレビ番組)の字幕データから使用者の視聴傾向を示す注目キーワードが推定されて視聴履歴DB301に既に蓄積されていて、ステップS303においては、推定された注目キーワードを視聴字幕DB301から直接取り出すように構成しても良い。この場合、使用者が視聴したコンテンツ(テレビ番組)の字幕データを視聴字幕DB301に蓄積する際に、該字幕データを分析して、該字幕データに出現する単語や句などの語彙の出現頻度を算出して、前述したようないずれかの手段を用いて使用者の視聴傾向を示すキーワードを抽出し、字幕データと共に(又は、字幕データの代わりに)、視聴字幕DB301に蓄積していくように構成することになる。
【0150】
以上のように、本実施例においては、使用者が注目したいシーンを特定する注目キーワードを何ら入力する必要はなく、使用者が注目したいシーンを特定するための注目キーワードを自動的に推定することができる。しかる後、自動的に推定した注目キーワードに基づいて、該注目キーワードの語彙を含む字幕データを有するショットの前後の一連のショット群(シーン)を、注目シーンとして抽出し、一連のショット群単位(シーン単位)からなる注目シーンについて、字幕データの表示形式に対する調整を施すことにより、使用者が本来注目すべきショット又はシーンに先行して、使用者の注意を喚起することができ、使用者は注目すべきショットやシーンを見逃すことなく視聴することが可能になる。
【0151】
なお、前述の説明においては、図1に示す注目キーワード入力部104の代わりに、視聴字幕DB301と注目キーワード推定部302とを備えている例について示したが、図1に示した注目キーワード入力部104を更に追加して備え、注目キーワード推定部302により注目キーワードを推定する場合のみならず、場合によっては、注目キーワード入力部104から入力した注目キーワードをも用いて、注目シーンを判定しても良く、注目キーワード推定部302と注目キーワード入力部104とを併用することも勿論可能である。
更には、図4に示したように、ネットワーク50と接続可能な通信管理部201を備えているように構成することもできる。
【0152】
また、前述した第3の実施例においては、各使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整する対象が、字幕データである場合について説明したが、第1の実施例の場合と同様、字幕データのみに限るものではなく、使用者が認識し易い形式であれば如何なる方法を用いても良く、コンテンツの注目シーンに関する音響情報や映像情報や字幕データのいずれか1乃至複数の組み合わせを調整するようにしても勿論構わない。
【0153】
(第4の実施例)
次に、本発明に係る放送受信装置の第4の実施例について説明する。本実施例においては、第1の実施例として示した図1の放送受信装置10について、注目キーワード入力部104の代わりに、ネットワークに接続してコンテンツ(テレビ番組)視聴に関する世相や流行を示す情報を取得するネットワーク管理手段と、取得した世相や流行を示す情報に基づいて、現在の世相や流行を反映する語彙(任意の単語や、任意の単語の組み合わせからなる句)を、コンテンツ視聴に関する世相や流行を示す流行キーワードとして推定する流行キーワード推定手段とを備えることにより、該流行キーワードを用いて、現在流行しているコンテンツに関するシーンを注目シーンとして自動的に特定して、該注目シーンの出力形式を、使用者が注目すべきシーンとして認識し易い形式に調整することを可能としている。
【0154】
これにより、使用者は、わざわざ現在の世相や流行を調査して、流行のコンテンツ(テレビ番組)を視聴しようとする手間を掛けることなく、ネットワーク内に存在する情報サイトからコンテンツ視聴に関する流行や世相を示す情報を自動的に取り込んで、現在流行しているコンテンツに関する注目シーン(一連のショット群)を視聴することを促すために、調整した出力形式に自動的に変更することができるので、該使用者は流行中のコンテンツに関するシーンを見逃すことなく視聴することができ、流行から阻害されることなく、流行中のコンテンツ(テレビ番組)をより確実に視聴することができる。この結果、現在の世相や流行を反映している情報として、使用者が気付かなかった情報であっても、ネットワークの情報サイトから取得した情報に基づいて、自動的に推定した流行キーワードを用いることにより、流行中のコンテンツを確実に視聴することができ、該コンテンツを通じて、現在の世相を反映する情報をより確実に把握することができる。
【0155】
即ち、本第4の実施例に適用される放送受信装置は、図8に示すように、図1に示した放送受信装置10の注目キーワード入力部104の代わりに、ネットワーク50の情報サイトから、コンテンツ視聴に関する世相や流行を示す情報を始め各種情報を取得することができるネットワーク管理部401と、該ネットワーク管理部401により取得した各種情報のうち、コンテンツ視聴に関する現在の世相や流行を示す情報を取り出して、該情報に含まれている任意の単語、あるいは、任意の単語の組み合わせからなる句を、現在のコンテンツ視聴に関する世相や流行を示す流行キーワードとして推定する流行キーワード推定部402とを備えて構成されている。ここに、図8は、本発明に係る放送受信装置の基本構成の更に異なる例を示すブロック構成図であり、前述した課題を解決する第4の実施例を説明するためのものである。なお、図8には、図1と同様、本発明に係る放送受信装置を説明するために必要な基本的な回路ブロックのみについて、その構成例を示している。
【0156】
(放送受信装置の基本動作)
前述の図8のように構成された放送受信装置40の基本動作について、図1の放送受信装置10と異なるネットワーク管理部401と流行キーワード推定部402とを対象にして次に説明する。
【0157】
(ネットワーク管理部401)
放送受信装置40のネットワーク管理部401は、前述のごとく、ネットワーク50上にある情報サイトが所有している各種情報をネットワーク50を介して取得することができる手段を提供するものであり、特に、現在放送されている各種コンテンツ(テレビ番組)視聴に関する流行や世相を示す情報をネットワーク50を介して取得するものである。例えば、ネットワーク50がインターネットからなっている場合、ネットワーク管理部401としてWebブラウザを備えるように構成して、インターネットに存在している任意のWebサイト(情報サイト)からコンテンツ視聴に関する世相や流行を示す情報が掲載されているWebページを直接読み出したり、更には、検索エンジンを駆使して流行や世相を示す情報を公開しているWebサイトを検索して、該Webサイトから現在流行・人気のコンテンツに関するWebページを読み出すように構成しても良い。
【0158】
(流行キーワード推定部402)
放送受信装置40の流行キーワード推定部402は、前述のごとく、ネットワーク管理部401によりネットワーク50の情報サイトから取得した各種情報のうち、コンテンツ(テレビ番組)視聴に関する流行や世相を示す情報に基づいて、現在流行しているコンテンツを特定することができる語彙(単語や句)を、流行キーワードとして推定するものである。流行キーワードとして推定した語彙は、注目シーン判定部105に入力されて、使用者が今後視聴しようとするシーンを判定するためのキーワードとして用いられる。
【0159】
また、流行キーワード推定部402において、現在放送されているコンテンツのうち、現在流行しているコンテンツを特定することができるキーワードを流行キーワードとして推定する推定方法としては、例えば、以下のような具体的な実現方法が考えられる。
【0160】
(1)放送されているコンテンツに関する情報を有する情報サイトのうち、アクセス頻度が高い情報サイトの情報に含まれている語彙(単語や句)を流行キーワードとして抽出する。
例えばニュース番組や情報番組の場合、ニュース番組や情報番組に関する記事等が掲載されている情報サイトの情報(WebサイトのWebページ)へのアクセス頻度を示すアクセスランキングに関する情報を利用して、アクセス頻度が高い情報サイトの情報(WebサイトのWebページ)の中から出現頻度が予め定めた或る閾値以上に高い語彙を抽出して、ニュース番組や情報番組に関する現在の世相や流行を表す流行キーワードとして推定する。
【0161】
(2)過去に最高視聴率を記録したコンテンツのシーンで出現した字幕データを、情報サイトの情報(WebサイトのWebページ)から取得して、該字幕データの中から、例えば出現頻度が高い語彙を流行キーワードとして推定して抽出する。
例えば連続ドラマなどにおいて、それまでに最高視聴率を記録したシーンに出現する字幕データの中から出現頻度が高い語彙を抽出し、連続ドラマに関する世相や流行を表すキーワードとして推定する。あるいは、出現頻度が高い語彙のみに限らず、情報サイトの情報(WebサイトのWebページ)において注目している旨の記載がなされている特定の語彙を、流行キーワードとして推定して抽出する。
【0162】
(3)CDやDVDなどコンテンツを記録した記録メディアの売上げランキング情報を、情報サイトの情報(WebサイトのWebページ)から取得して、該売上げランキング情報から、ランキングが高い出演者やタイトルを示す語彙(単語や句)を流行キーワードとして抽出する。
例えば音楽番組などにおいて、音楽を記録しているCDやDVD(記録メディア)などの売上げランキング情報に基づいて、ランキングが予め定めた閾値以上に高い楽曲のタイトルやアーティスト名を示す語彙を、流行キーワードとして抽出する。
【0163】
なお、図8に示す放送受信装置40における字幕データの表示動作の詳細については、第1の実施例として示した図3のフローチャートと、次の場合を除いて略同じ動作である。即ち、図3のフローチャートのステップ103において、第1の実施例の場合、注目キーワード入力部104から入力されたキーワードを用いて、注目シーン判定部105で注目シーンを判定しているが、図8に示す放送受信装置40の場合には、ネットワーク50、ネットワーク管理部401を介して取得した情報に基づいて、流行キーワード推定部402で推定された流行キーワードを用いて、注目シーン判定部105で注目シーンを判定するようにする。
【0164】
ここで、図8に示す放送受信装置40の場合、前述した図3のステップS103において、ネットワーク50、ネットワーク管理部401を介して、流行キーワード推定部402にて、流行キーワードを推定する動作が始めて実行するように構成しても良いし、あるいは、流行キーワード推定部402を定期的に起動して、ネットワーク管理部401を経由して、ネットワーク50の情報サイトから、コンテンツに関する流行や世相を反映した情報を定期的に取得して、流行を示す流行キーワードを予め取得して保存しておくように構成しても良い。この場合、前述した図3のステップS103においては、字幕データから抽出した名詞や動詞などの単語や、あるいは、その組み合わせからなるテキスト(文字列:句)と、流行キーワードとを照合する際に、予め保存されている流行キーワードを取り出して、直ちに照合動作を行なうことが可能である。
【0165】
以上のように、本実施例においては、現在流行しているコンテンツに関するシーンを特定するための流行キーワードを何ら入力する必要はなく、ネットワーク50から現在流行しているコンテンツに関する注目すべきシーンを特定可能な情報を自動的に取得して、流行キーワード推定部402にて自動的に流行キーワードを推定することができる。しかる後、推定された流行キーワードに基づいて、該流行キーワードの語彙を含む字幕データを有するショットの前後の一連のショット群(シーン)を、注目シーンとして抽出し、一連のショット群単位(シーン単位)からなる注目シーンについて、字幕データの表示形式を調整することにより、使用者が本来注目すべきショットやシーンに先行して使用者の注意を喚起することができ、使用者は流行中のコンテンツに関連するショットやシーンを見逃すことなく視聴することが可能になる。
【0166】
なお、前述の説明においては、図1に示す注目キーワード入力部104の代わりに、ネットワーク管理部401と流行キーワード推定部402とを備えている例について示したが、図1に示した注目キーワード入力部104を、該使用者の注目キーワードの入力用や選択用として、又は、流行キーワードの入力用として更に追加して備え、流行キーワード推定部402により流行キーワードを推定する場合のみならず、場合によっては、注目キーワード入力部104から入力した注目キーワードや流行キーワードを用いて、注目シーンや流行シーンを判定しても良く、流行キーワード推定部402と注目キーワード入力部104とを併用することも勿論可能である。
更に、図6に示すような視聴字幕DB301や注目キーワード推定部302を合わせ備えるように構成しても良いし、更に、図4に示したように、ネットワーク50と接続可能な通信管理部201をも備えているように構成することもできる。
【0167】
また、前述した第4の実施例においては、各使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整する対象が、字幕データである場合について説明したが、第1の実施例の場合と同様、字幕データのみに限るものではなく、使用者が認識し易い形式であれば如何なる方法を用いても良く、コンテンツの注目シーンに関する音響情報や映像情報や字幕データのいずれか1乃至複数の組み合わせを調整するようにしても勿論構わない。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】本発明に係る放送受信装置の基本構成の一例を示すブロック構成図である。
【図2】本発明に係る放送受信装置の具体的なシステム構成の一例を示すブロック構成図である。
【図3】本発明に係る放送受信装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明に係る放送受信装置の基本構成の他の例を示すブロック構成図である。
【図5】本発明に係る放送受信装置の動作の他の例を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明に係る放送受信装置の基本構成の更に異なる例を示すブロック構成図である。
【図7】本発明に係る放送受信装置の動作の更に異なる例を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明に係る放送受信装置の基本構成の更に異なる例を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
【0169】
1…CPU、2…ワークメモリ、3…入力部、4…データベース、5…表示部、6…音響出力部、7…外部記憶ドライブ、8…外部記憶媒体(記録媒体)、9…受信部、10,20,20′,30,40…放送受信装置、50…ネットワーク、101…音響信号処理部、102…映像信号処理部、103…字幕データデコーダ部、104…注目キーワード入力部、105…注目シーン判定部、106…表示処理部、107…音響出力部、108…映像出力部、201…通信管理部、301…視聴字幕DB、302…注目キーワード推定部、401…ネットワーク管理部、402…流行キーワード推定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送信号を受信して再生する放送受信装置において、放送信号に多重化されている字幕データ(クローズドキャプションデータ)をデコードする字幕データデコード手段と、該字幕データデコード手段によりデコードされた該字幕データを利用して、使用者が注目すべきコンテンツに関する注目シーンを判定する注目シーン判定手段とを備えた放送受信装置であって、前記注目シーン判定手段が、使用者の注目キーワードとして予め設定されている語彙に一致する語彙が、デコードされた前記字幕データの中に含まれている場合、該字幕データを有するショットの前後の一連のショット群を注目シーンとして特定して、特定された該注目シーンを、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整して出力することを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンを、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整する際に、前記注目シーンの字幕データ、音響情報、映像情報のいずれか1乃至複数の出力形式を調整することを特徴とする放送受信装置。
【請求項3】
請求項2に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンの字幕データを、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整する場合、該字幕データの画面上の表示位置、文字の種類、文字のサイズ、文字の線の太さ、文字の色合い、文字の影の有無と該影の色、文字の背景色、文字のコントラスト、文字のブライトネス、文字のシャープネスのいずれか1乃至複数を調整することを特徴とする放送受信装置。
【請求項4】
請求項2に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンの音響情報を、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整する場合、該音響情報の音量及び/又は音質を調整することを特徴とする放送受信装置。
【請求項5】
請求項2に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンの映像情報を、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整する場合、該映像情報の表示位置、表示画面形式、表示サイズ、色合い、解像度、輝度、予め定めた特定マークの付与、のいずれか1乃至複数を調整することを特徴とする放送受信装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンについて、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整して出力する際に、使用者に対して認識し易い形式になっているか否かを問い合わせて、使用者の応答に応じて出力形式を調整することを特徴とする放送受信装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が前記キーワードと一致する字幕データを有するショットの前後の一連のショット群を前記注目シーンとして特定するシーンの範囲が、前記注目キーワードに一致する語彙を含む前記字幕データを有するショットを含むシーンであり、かつ、話題の転換点毎にセグメンテーションされた一連のショット群からなるシーンであることを特徴とする放送受信装置。
【請求項8】
請求項7に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンとして話題の転換点毎にセグメンテーションする際に、セグメンテーション方法として、連続する各ショットに出現する字幕データの語彙同士の意味的な又は形態的な類似度を求めて、予め定めた或る閾値以上の類似度を有する語彙を含むショットを同じシーンの範囲とみなすことを特徴とする放送受信装置。
【請求項9】
請求項7に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンとして話題の転換点毎にセグメンテーションする際に、セグメンテーション方法として、連続する各ショットの映像的特徴を用いて、予め定めた或る閾値以上に類似する映像的特徴を有するショットを同じシーンの範囲とみなすことを特徴とする放送受信装置。
【請求項10】
請求項7に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンとして話題の転換点毎にセグメンテーションする際に、セグメンテーション方法として、連続する各ショットの音響的特徴を用いて、予め定めた或る閾値以上に類似する音響的特徴を有するショットを同じシーンの範囲とみなすことを特徴とする放送受信装置。
【請求項11】
請求項7に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンとして話題の転換点毎にセグメンテーションする際に、セグメンテーション方法として、コンテンツの各ショットを構成するコンテンツ構造が同一の構造に属するショットを同じシーンの範囲とみなすことを特徴とする放送受信装置。
【請求項12】
請求項7乃至11のいずれかに記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンとして話題の転換点毎にセグメンテーションする際に、セグメンテーション方法として、請求項8乃至11に記載の放送受信装置の各セグメンテーション方法のうち、1乃至複数のセグメンテーション方法の組み合わせを用いて、同じシーンの範囲を特定することを特徴とする放送受信装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれかに記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目キーワードとして予め設定されている語彙に一致する語彙が前記字幕データに含まれているか否かを判定する際に、前記キーワードと完全に一致する語彙が前記字幕データに含まれているか否かを判定することを特徴とする放送受信装置。
【請求項14】
請求項1乃至12のいずれかに記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目キーワードとして予め設定されている語彙に一致する語彙が前記字幕データに含まれているか否かを判定する際に、前記キーワードとの意味的な又は形態的な類似度を求めて、予め定めた或る閾値以上の類似度を有する語彙が前記字幕データに含まれているか否かを判定することを特徴とする放送受信装置。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれかに記載の放送受信装置において、ネットワークを介して他の放送受信装置と接続して通信することができる通信管理手段を備え、前記注目シーン判定手段が、注目シーンと判定したシーンの出力形式を、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式として、放送受信装置毎に予め取り決められた出力形式に調整すると共に、前記通信管理手段を用いて、前記他の放送受信装置との間で、互いに同期を取って、調整された前記注目シーンの出力形式を通知することを特徴とする放送受信装置。
【請求項16】
請求項15に記載の放送受信装置において、シーンを出力する際に、前記注目シーン判定手段が、当該放送受信装置において注目シーンとして判定されたシーンの出力形式を調整して出力すると共に、前記通信管理手段を用いて、前記他の放送受信装置から注目シーンとして調整された出力形式を受け取っている場合、受け取っている該他の放送受信装置の注目シーンの出力形式に、シーンの出力形式を更に調整して出力することを特徴とする放送受信装置。
【請求項17】
請求項15又は16に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記通信管理手段を用いて、前記他の放送受信装置から注目シーンとして調整された出力形式を受け取っている場合、当該放送受信装置の注目シーンの出力形式も含めて、いずれの放送受信装置の注目シーンの出力形式を用いて調整するかについて、前記通信管理手段を用いた各使用者間のネゴシエーションにより決定された使用者の放送受信装置での注目シーン判定結果に合わせて、当該放送受信装置におけるシーンの出力形式を調整することを特徴とする放送受信装置。
【請求項18】
請求項15又は16に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記通信管理手段を用いて、前記他の放送受信装置から注目シーンとして調整された出力形式を受け取っている場合、当該放送受信装置の注目シーンの出力形式も含めて、いずれの放送受信装置の注目シーンの出力形式を用いて調整するかについて、各使用者の放送受信装置間で予め定められた順序に従った順番で決定される使用者の放送受信装置の注目シーン判定結果に合わせて、当該放送受信装置におけるシーンの出力形式を調整することを特徴とする放送受信装置。
【請求項19】
請求項15又は16に記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記通信管理手段を用いて、前記他の放送受信装置から注目シーンとして調整された出力形式を受け取っている場合、当該放送受信装置の注目シーンの出力形式も含めて、いずれの放送受信装置の注目シーンの出力形式を用いて調整するかについて、任意に指定した使用者の放送受信装置での注目シーン判定結果に合わせて、当該放送受信装置におけるシーンの出力形式を調整することを特徴とする放送受信装置。
【請求項20】
請求項1乃至19のいずれかに記載の放送受信装置において、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンとして特定するために用いる使用者の前記注目キーワードとして予め設定されている語彙が、該使用者が入力手段を介して入力した又は選択した任意の単語、あるいは、任意の単語の組み合わせからなる句から構成されていることを特徴とする放送受信装置。
【請求項21】
請求項1乃至20のいずれかに記載の放送受信装置において、過去に視聴したコンテンツに関する字幕データを蓄積する視聴字幕データベースと、該視聴字幕データベースに蓄積されている字幕データを分析することにより、該字幕データに含まれている任意の単語、あるいは、任意の単語の組み合わせからなる句を、今後のコンテンツの視聴傾向を特定するための注目キーワードとして推定する注目キーワード推定手段とを備え、前記注目シーン判定手段が、前記注目シーンを特定するために用いる使用者の前記注目キーワードとして、前記注目キーワード推定手段により推定された注目キーワードを用いることを特徴とする放送受信装置。
【請求項22】
請求項21に記載の放送受信装置において、前記注目キーワード推定手段が、今後のコンテンツの視聴傾向を特定するための注目キーワードを推定する際に、前記視聴字幕データベースに蓄積されている前記字幕データに含まれる各語彙のうち、予め定めた或る閾値以上の出現頻度を有する語彙を注目キーワードとして推定することを特徴とする放送受信装置。
【請求項23】
請求項21に記載の放送受信装置において、使用者の興味あるジャンルや出演者名に代表される嗜好情報を入力する嗜好情報入力手段を更に備え、前記注目キーワード推定手段が、今後のコンテンツの視聴傾向を特定するための注目キーワードを推定する際に、前記視聴字幕データベースに蓄積されている前記字幕データに含まれる各語彙のうち、前記嗜好情報入力手段から入力された前記嗜好情報との意味的類似度が予め定めた類似度以上であるコンテンツに含まれている語彙であって、かつ、予め定めた或る閾値以上の出現頻度を有する語彙を注目キーワードとして推定することを特徴とする放送受信装置。
【請求項24】
請求項21に記載の放送受信装置において、前記注目キーワード推定手段が、前記視聴字幕データベースに蓄積されている前記字幕データに含まれる各語彙について、使用者が過去に視聴した視聴時間帯、視聴曜日、視聴月、視聴季節のいずれか1乃至複数を含む視聴時間別に分類して、予め定めた或る閾値以上の出現頻度を有する語彙を、前記視聴時間別の注目キーワードとして推定し、前記注目キーワード判定手段が、推定された該視聴時間別の注目キーワードを用いて、現在時刻における注目シーンを特定することを特徴とする放送受信装置。
【請求項25】
請求項21に記載の放送受信装置において、前記注目キーワード推定手段が、今後のコンテンツの視聴傾向を特定するための注目キーワードを抽出する際に、前記視聴字幕データベースに蓄積されている前記字幕データに含まれる各語彙について、コンテンツの経過時間に応じた重み付けをして出現頻度を算出し、重み付けして算出された各語彙の出現頻度が、予め定めた或る閾値以上の出現頻度である語彙を、注目キーワードとして推定することを特徴とする放送受信装置。
【請求項26】
請求項1乃至25のいずれかに記載の放送受信装置において、コンテンツ視聴に関する世相や流行を示す情報をネットワークに接続されている情報サイトから取得するネットワーク管理手段と、該ネットワーク管理手段により取得された世相や流行を示す情報に含まれている任意の単語、あるいは、任意の単語の組み合わせからなる句を、コンテンツ視聴に関する世相や流行を示す流行キーワードとして推定する流行キーワード推定手段とを備え、前記注目キーワード判定手段が、前記注目シーンを特定するために用いる使用者の前記注目キーワードとして、前記流行キーワード推定手段により推定された前記流行キーワードを用いることを特徴とする放送受信装置。
【請求項27】
請求項26に記載の放送受信装置において、前記流行キーワード推定手段が、前記ネットワーク管理手段により前記情報サイトから取得されたコンテンツ視聴に関する世相や流行を示す情報のうち、アクセス頻度が予め定めた或る閾値以上に高い前記情報サイトの情報に含まれている任意の単語、あるいは、任意の単語の組み合わせからなる句を、コンテンツ視聴に関する世相や流行を示す流行キーワードとして推定することを特徴とする放送受信装置。
【請求項28】
請求項26に記載の放送受信装置において、前記流行キーワード推定手段が、前記ネットワーク管理手段により前記情報サイトから取得されたコンテンツ視聴に関する世相や流行を示す情報のうち、過去に最高視聴率を記録したコンテンツの情報を抽出して、該コンテンツの字幕データに含まれている任意の単語、あるいは、任意の単語の組み合わせからなる句を、コンテンツ視聴に関する世相や流行を示す流行キーワードとして推定することを特徴とする放送受信装置。
【請求項29】
請求項26に記載の放送受信装置において、前記流行キーワード推定手段が、前記ネットワーク管理手段により前記情報サイトから取得されたコンテンツ視聴に関する世相や流行を示す情報のうち、コンテンツが記録された記録メディアの売上げランキング情報を抽出して、該売上げランキングが予め定めた或る閾値以上に高い出演者名やタイトル名を示す語彙を、流行キーワードとして推定することを特徴とする放送受信装置。
【請求項30】
放送信号を受信して再生する放送受信装置の放送受信方法において、放送信号に多重化されている字幕データ(クローズドキャプションデータ)をデコードする字幕データデコードステップと、該字幕データデコードステップによりデコードされた該字幕データを利用して、使用者が注目すべきコンテンツに関する注目シーンを判定する注目シーン判定ステップとを備えた放送受信方法であって、前記注目シーン判定ステップが、使用者の注目キーワードとして予め設定されている語彙に一致する語彙が、デコードされた前記字幕データの中に含まれている場合、該字幕データを有するショットの前後の一連のショット群を注目シーンとして特定して、特定された該注目シーンを、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整して出力することを特徴とする放送受信方法。
【請求項31】
請求項30に記載の放送受信方法において、前記注目シーン判定ステップが、前記注目シーンを、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整する際に、前記注目シーンの字幕データ、音響情報、映像情報のいずれか1乃至複数の出力形式を調整することを特徴とする放送受信方法。
【請求項32】
請求項30又は31に記載の放送受信方法において、前記注目シーン判定ステップが、前記注目シーンについて、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式に調整して出力する際に、使用者に対して認識し易い形式になっているか否かを問い合わせて、使用者の応答に応じて出力形式を調整することを特徴とする放送受信方法。
【請求項33】
請求項30乃至32のいずれかに記載の放送受信方法において、前記注目シーン判定ステップが前記キーワードと一致する字幕データを有するショットの前後の一連のショット群を前記注目シーンとして特定するシーンの範囲が、前記注目キーワードに一致する語彙を含む前記字幕データを有するショットを含むシーンであり、かつ、話題の転換点毎にセグメンテーションされた一連のショット群からなるシーンであることを特徴とする放送受信方法。
【請求項34】
請求項30乃至33のいずれかに記載の放送受信方法において、ネットワークを介して他の放送受信装置と接続して通信することができる通信管理ステップを備え、前記注目シーン判定ステップが、注目シーンと判定したシーンの出力形式を、使用者が注目すべきシーンであることを認識し易い形式の出力形式として、放送受信装置毎に予め取り決められた出力形式に調整すると共に、前記通信管理ステップを用いて、前記他の放送受信装置との間で、互いに同期を取って、調整された前記注目シーンの出力形式を通知することを特徴とする放送受信方法。
【請求項35】
請求項30乃至34のいずれかに記載の放送受信方法において、前記注目シーン判定ステップが、前記注目シーンとして特定するために用いる使用者の前記注目キーワードとして予め設定されている語彙が、該使用者が入力した又は選択した任意の単語、あるいは、任意の単語の組み合わせからなる句から構成されていることを特徴とする放送受信方法。
【請求項36】
請求項30乃至35のいずれかに記載の放送受信方法において、過去に視聴したコンテンツに関する字幕データを蓄積する視聴字幕データベースと、該視聴字幕データベースに蓄積されている字幕データを分析することにより、該字幕データに含まれている任意の単語、あるいは、任意の単語の組み合わせからなる句を、今後のコンテンツの視聴傾向を特定するための注目キーワードとして推定する注目キーワード推定ステップとを備え、前記注目シーン判定ステップが、前記注目シーンを特定するために用いる使用者の前記注目キーワードとして、前記注目キーワード推定ステップにより推定された注目キーワードを用いることを特徴とする放送受信方法。
【請求項37】
請求項30乃至36のいずれかに記載の放送受信方法において、コンテンツ視聴に関する世相や流行を示す情報をネットワークに接続されている情報サイトから取得するネットワーク管理ステップと、該ネットワーク管理ステップにより取得された世相や流行を示す情報に含まれている任意の単語、あるいは、任意の単語の組み合わせからなる句を、コンテンツ視聴に関する世相や流行を示す流行キーワードとして推定する流行キーワード推定ステップとを備え、前記注目キーワード判定ステップが、前記注目シーンを特定するために用いる使用者の前記注目キーワードとして、前記流行キーワード推定ステップにより推定された前記流行キーワードを用いることを特徴とする放送受信方法。
【請求項38】
請求項30乃至37のいずれかに記載の放送受信方法を、コンピュータにより実行可能なプログラムと実現していることを特徴とする放送受信プログラム。
【請求項39】
請求項38に記載の放送受信プログラムを、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録していることを特徴とするプログラム記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−129122(P2006−129122A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−315365(P2004−315365)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】