説明

放送受信装置及び放送記録方法

【課題】放送電波受信不良に起因する記録不良箇所が存在しないコンテンツを記録すること。
【解決手段】放送受信部12により繰り返し放送されるコンテンツを受信し、上記コンテンツを記憶部13に記録する際、アプリ制御部17により記憶部13に記録されたコンテンツの記録不良箇所を判定し、その記録不良箇所を後続する同一のコンテンツにおける対応部分を用いて補間する。例えば、アプリ制御部17は、記録不良箇所の開始時間及び終了時間を特定して後続する同一のコンテンツの一部を記録すると共に、当該コンテンツの一部を用いてコンテンツを補間する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送受信装置及び放送記録方法に関し、特に、繰り返し放送されるコンテンツを記録可能な放送受信装置及び放送記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、録画中の放送電波受信不良で録画内容に受信不良部分の影響なく全番組内容を視聴する放送受信装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この放送受信装置においては、録画を行った番組の受信中に受信不良が発生した場合に、受信不良の発生を自動的に検出し、受信不良発生の時間や受信不良の影響を受けた番組内容を示す受信不良個所情報を作成する。そして、作成した受信不良個所情報をネットワーク経由でサーバに送信し、受信不良部分を復旧する復旧情報を取得することで、録画中の放送電波受信不良で録画内容に受信不良部分の影響なく全番組内容を視聴可能とするものである。
【特許文献1】特開2004−274561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述したような放送受信装置においては、受信不良部分を復旧する復旧情報をサーバから取得する必要があることから、このような復旧情報を送信するサーバが存在しない環境においては、録画中の放送電波受信不良で録画内容に受信不良部分の影響なく全番組内容を視聴することは困難である。
【0004】
ところで、従来、放送局から放送受信装置に対して、コンテンツを繰り返し放送することが行われている。例えば、10曲の楽曲の映像コンテンツを繰り返し放送する場合においては、1曲目の楽曲の映像コンテンツが放送され、10曲目の楽曲の映像コンテンツの放送が終わると、再び1曲目の楽曲の映像コンテンツが放送される。このようにコンテンツが繰り返し放送される場合においても、放送電波受信不良により記録内容に記録不良箇所が発生し得る。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、放送電波受信不良に起因する記録不良箇所が存在しないコンテンツを記録することができる放送受信装置及び放送記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の放送受信装置は、繰り返し放送されるコンテンツを受信する放送受信部と、前記コンテンツを記録媒体に記録する記録部と、前記記録媒体に記録された前記コンテンツにおける記録不良箇所を判定する判定部と、前記記録不良箇所を後続する同一のコンテンツにおける対応部分を用いて補間する補間部と、を具備することを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、繰り返し放送されるコンテンツを記録媒体に記録する際、記録媒体に記録されたコンテンツの記録不良箇所を判定し、記録不良箇所を後続する同一のコンテンツにおける対応部分を用いて補間することから、記録媒体に記録されたコンテンツの記録不良箇所が、当該記録不良箇所に対応するコンテンツの一部で補間されるので、放送電波受信不良に起因する記録不良箇所が存在しないコンテンツを記録することが可能となる。
【0008】
上記放送受信装置において、前記記録部は、前記コンテンツを記録する際に当該コンテンツにおける前記記録不良箇所の開始時点及び終了時点を記録する一方、後続する同一のコンテンツにおける前記開始時点及び終了時点間の対応部分を記録し、前記補間部は、前記開始時点及び終了時点間の対応部分を用いて前記記録不良箇所を補間することが好ましい。この場合には、記録不良箇所の開始時点及び終了時点を特定して後続する同一のコンテンツの一部が記録されると共に、当該コンテンツの一部を用いて補間が行われるので、記録媒体に記録されたコンテンツの記録不良箇所を確実に補間することが可能となる。
【0009】
例えば、上記放送受信装置において、前記補間部は、前記記録不良箇所の補間を所定回数だけ繰り返すことが考えられる。この場合には、コンテンツの補間の終了等を判定する特別な処理を必要とすることなく、簡単な制御で記録媒体に記録されたコンテンツの記録不良箇所を補間することが可能となる。
【0010】
なお、上記放送受信装置において、前記補間部は、前記記録不良箇所の補間が必要である回数だけ当該記録不良箇所の補間を繰り返すようにしても良い。この場合には、記録不良箇所の補間に必要な回数だけ当該記録不良箇所の補間が行われるので、コンテンツの記録処理に要する時間及び電力を低減することが可能となる。
【0011】
また、上記放送受信装置においては、予め定めた設定条件下で自動的に前記コンテンツを前記記録部により記録させる自動記録管理部を更に具備し、前記自動記録管理部は、前記補間部における前記記録不良箇所の補間が終了した場合に前記記録部の記録を停止させることが好ましい。この場合には、補間部における前記記録不良箇所の補間が終了した時点で記録部による記録を停止することができるので、記録部による記録が無制限に継続することを防止でき、放送受信装置における無用な電源の消耗を防止することが可能となる。
【0012】
さらに、上記放送受信装置は、携帯端末装置に適用することが好ましい。このように、放送電波の受信状態が使用者の位置に応じて変動する携帯端末装置に適用することにより、放送電波の受信状態が良好でない場合においても、記録媒体に記録されたコンテンツの記録不良箇所が、当該記録不良箇所に対応するコンテンツの一部で補間されるので、放送電波受信不良に起因する記録不良箇所が存在しないコンテンツを記録することが可能となる。
【0013】
本発明の放送記録方法は、繰り返し放送されるコンテンツを受信するステップと、前記コンテンツを記録媒体に記録するステップと、前記記録媒体に記録された前記コンテンツにおける記録不良箇所を判定するステップと、前記記録不良箇所を後続する同一のコンテンツにおける対応部分を用いて補間するステップと、を具備することを特徴とする。
【0014】
上記方法によれば、繰り返し放送されるコンテンツを記録媒体に記録する際、記録媒体に記録されたコンテンツの記録不良箇所を判定し、記録不良箇所を後続する同一のコンテンツにおける対応部分を用いて補間することから、記録媒体に記録されたコンテンツの記録不良箇所が、当該記録不良箇所に対応するコンテンツの一部で補間されるので、放送電波受信不良に起因する記録不良箇所が存在しないコンテンツを記録することが可能となる。
【0015】
上記放送記録方法においては、前記コンテンツを記録する際に当該コンテンツにおける前記記録不良箇所の開始時点及び終了時点を記録する一方、後続する同一のコンテンツにおける前記開始時点及び終了時点間の対応部分を記録し、前記開始時点及び終了時点間の対応部分を用いて前記記録不良箇所を補間することが好ましい。この場合には、記録不良箇所の開始時点及び終了時点を特定して後続する同一のコンテンツの一部が記録されると共に、当該コンテンツの一部を用いて補間が行われるので、記録媒体に記録されたコンテンツの記録不良箇所を確実に補間することが可能となる。
【0016】
例えば、上記放送記録方法においては、前記記録不良箇所の補間を所定回数だけ繰り返すことが考えられる。この場合には、コンテンツの補間の終了等を判定する特別な処理を必要とすることなく、簡単な制御で記録媒体に記録されたコンテンツの記録不良箇所を補間することが可能となる。
【0017】
なお、上記放送記録方法においては、前記記録不良箇所の補間が必要である回数だけ当該記録不良箇所の補間を繰り返すようにしても良い。この場合には、記録不良箇所の補間に必要な回数だけ当該記録不良箇所の補間が行われるので、コンテンツの記録処理に要する時間及び電力を低減することが可能となる。
【0018】
また、上記放送記録方法において、予め定めた設定条件下で自動的に前記コンテンツの記録を開始するステップと、補間部における前記記録不良箇所の補間が終了した場合に前記コンテンツの記録を停止するステップとを更に具備することが好ましい。この場合には、補間部における前記記録不良箇所の補間が終了した時点で記録部による記録を停止することができるので、記録部による記録が無制限に継続することを防止でき、放送受信装置における無用な電源の消耗を防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、繰り返し放送されるコンテンツを記録媒体に記録する際、記録媒体に記録されたコンテンツの記録不良箇所を判定し、記録不良箇所を後続する同一のコンテンツにおける対応部分を用いて補間することから、記録媒体に記録されたコンテンツの記録不良箇所が、当該記録不良箇所に対応するコンテンツの一部で補間されるので、放送電波受信不良に起因する記録不良箇所が存在しないコンテンツを記録することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る放送受信装置1が適用される放送システムの構成例を説明するための図である。図1に示すように、本実施の形態に係る放送受信装置1は、放送局2からの放送を受信し、それを記録すると共に再生することができるように構成されている。例えば、放送受信装置1は、通信機能を有すると共に放送受信機能を有する携帯電話装置などの端末装置で構成される。なお、放送受信装置1については、携帯電話装置に限定されるものではなく、上記機能を有する任意の端末装置で構成することが可能である。
【0021】
なお、放送局2からの放送には、例えば、図1に示すような衛星(放送衛星や通信衛星)3を利用して行われる衛星放送(BS放送、CS放送及びモバイル放送)や、図1に示すような地上に建設された電波塔4を利用して行われる地上波放送が含まれる。なお、放送局2からの放送については、これに限定されるものではなく、有線ネットワークを利用して行われる有線放送やデジタルラジオ放送なども含まれる。特に、本実施の形態に係る放送局2においては、放送受信装置1に対してコンテンツを繰り返し放送するものとする。
【0022】
ここで、コンテンツを繰り返し放送するとは、コンテンツ(コンテンツが複数存在する場合を含む)をループさせて継続的に繰り返し放送する場合が該当する。また、コンテンツを一定時間間隔(例えば、2時間間隔)で繰り返し放送する場合を含むものとする。すなわち、時間的な経過の大小を問わず、コンテンツを複数回繰り返し放送する場合をいうものとする。特に、以下においては、コンテンツをループさせて継続的に繰り返し放送する場合を用いて本実施の形態に係る放送受信装置1について説明する。
【0023】
図2は、本実施の形態に係る放送受信装置1の構成を説明するためのブロック図である。なお、図2に示す構成は、本発明を説明するために簡略化したものであり、通常の放送受信装置に搭載される構成要素は備えているものとする。放送受信装置1は、図2に示すように、装置全体を制御する制御部11と、この制御部11に接続された放送受信部12、記憶部13、操作部14、音声出力部15、表示部16及びアプリ制御部17とを含んで構成されている。
【0024】
放送受信部12は、放送局2からの放送をアンテナ18を介して受信する。記憶部13は、例えば、磁気ディスクなどの記録媒体で構成され、放送受信部12により受信した放送に含まれるコンテンツ、各コンテンツを識別するための識別情報(以下、適宜「コンテンツID」という)、並びに、コンテンツを記録した際に不良が発生した箇所(以下、「記録不良箇所」という)を特定する情報などを記憶する。なお、記憶部13において、記録不良箇所は、上記コンテンツIDを用いたテーブル管理される。この管理テーブルについては後述する。また、記憶部13に対するコンテンツ等の記録は、アプリ制御部17により実行されるコンテンツ記録アプリケーションプログラムにより処理される。このコンテンツ記録アプリケーションプログラムについては後述する。
【0025】
操作部14は、放送に含まれるコンテンツの記録指示や、記憶部13に記録されているコンテンツの再生指示、或いは、コンテンツ記録アプリケーションの起動指示や起動に必要な設定条件の入力等を受け付ける。音声出力部15は、再生したコンテンツに対応する音声データを出力する。表示部16は、再生したコンテンツに対応する映像データや、コンテンツを決定するための操作入力画面等を表示する。
【0026】
アプリ制御部17は、放送受信装置1に搭載され、或いは、不図示の通信部を介してダウンロードされた種々のアプリケーションを起動する。例えば、アプリ制御部17は、制御部11の指示に応じてアプリケーション言語(例えば、Java(登録商標)言語)で作成されたアプリケーションプログラムを実行する。特に、アプリ制御部17は、放送局2からの放送に含まれるコンテンツを記録するためのコンテンツ記録アプリケーションプログラム(以下、適宜「記録アプリ」という)を実行する。
【0027】
図3は、本実施の形態に係る放送受信装置1に対する放送局2からの放送に含まれるコンテンツの一例を示す図である。図3においては、コンテンツA〜Tをループさせて継続的に繰り返し放送する場合について示している。例えば、コンテンツA〜Tを1セットとした番組が継続的に繰り返し放送される場合が該当する。この場合には、コンテンツTが放送された後、即時に次のセットのコンテンツAが放送される。このような放送を受信した放送受信装置1においては、コンテンツA〜Tを繰り返し再生することが可能となる。
【0028】
図4は、本実施の形態に係る放送局2から放送される各コンテンツの構成について説明するための模式図である。図4(a)に示すように、放送局2から放送される各コンテンツには、当該コンテンツを識別するための識別情報(コンテンツID)が付与されている。図3に示すコンテンツA〜Tには、例えば、それぞれコンテンツIDとして「101−00001」〜「101−00020」が付与される。なお、コンテンツIDの態様については、これに限定されるものではなく任意の態様を採用することが可能である。
【0029】
また、放送局2から放送されるコンテンツとしては、楽曲に対応するものや、広告に対応するもの、或いは、連続性を有するドラマに対応するものなど任意のコンテンツが考えられる。なお、図4(b)においては、放送局2からの放送に含まれるコンテンツが、楽曲に対応するコンテンツA〜T(楽曲A〜T)で構成される場合について示している。これらのコンテンツA〜Tに、上述したコンテンツID「101−00001」〜「101−00020」がそれぞれ付与されている。
【0030】
本実施の形態に係る放送受信装置1においては、このように放送局2から繰り返し放送されるコンテンツを記憶部13に記録していくと共に、記憶部13に記録されたコンテンツにおける放送電波受信不良に起因する記録不良箇所を特定し、当該記録不良箇所を後続する同一のコンテンツにおける対応部分を用いて補間する。これにより、放送電波受信不良に起因する記録不良部分の影響を受けることなくコンテンツを記録するものである。
【0031】
図5は、本実施の形態に係る放送局2から繰り返し放送されるコンテンツの状態を説明するための模式図である。図5においては、図3及び図4に示すように、放送局2からコンテンツA〜Tが繰り返し放送されている場合について示している。また、図5においては、N回(Nは正の整数)繰り返し放送されるコンテンツA〜Tを示すと共に(3回目〜(N−1)回目は省略)、これらのコンテンツから補間された補間後のコンテンツを示している。なお、図5に示すコンテンツA〜Tにおける網掛け部分は、放送電波受信不良が発生した部分を表している。このように放送電波受信不良が発生したコンテンツを記憶部13に記録した場合、対応箇所に記録不良箇所が発生することとなる。
【0032】
図5に示すように、コンテンツAにおいては、1回目の放送受信時において後半部分に放送電波受信不良が発生し、2回目の放送受信時において中央部分に放送電波受信不良が発生し、N回目の放送受信時においては放送受信不良が発生していないことが分かる。同様に、コンテンツBにおいては、1回目及び2回目の放送受信時においていずれも放送電波受信不良が発生しておらず、N回目の放送受信時において中央部分に放送電波受信不良が発生していることが分かる。また、コンテンツCにおいては、1回目の放送受信時において中央部分に放送電波受信不良が発生し、2回目の放送受信時において前半部分に放送電波受信不良が発生し、N回目の放送受信時においては放送受信不良が発生していないことが分かる。
【0033】
本実施の形態に係る放送受信装置1においては、このように放送局2から放送された1回目のコンテンツA〜Tを記憶部13に記録すると共に、これらを記録する際に放送電波受信不良に起因して発生した記録不良箇所を記録する。そして、各コンテンツA〜Tにおける記録不良箇所を、後続する2回目以降の同一のコンテンツA〜Tにおける対応部分を用いて補間する。
【0034】
例えば、図5に示すコンテンツAにおいては、1回目の放送受信時に後半部分の放送電波受信不良に起因する記録不良箇所を、2回目の放送受信時における対応部分で補間する。なお、図5に示すコンテンツBに示すように、1回目の放送受信時に放送電波受信不良に起因する記録不良箇所が存在しない場合には、コンテンツの補間は行われない。このようなコンテンツの補間を、記録不良箇所を有する各コンテンツについて行うことにより、図5に示すような記録不良箇所を有しない補間後のコンテンツA〜Tを取得することが可能となる。
【0035】
ここで、放送受信装置1において記録したコンテンツの記録不良箇所を管理するテーブル(以下、「記録不良箇所テーブル」という)について説明する。記録不良箇所テーブルにおいては、放送受信部12で受信し、アプリ制御部17の制御の下、記憶部13に記録されたコンテンツにおける記録不良箇所が管理される。記録不良箇所の原因は主に放送電波受信不良に起因するが、これ以外の原因でも構わない。図6は、本実施の形態に係る放送受信装置1の記憶部13で管理される記録不良箇所テーブルの一例を示す図である。
【0036】
図6に示すように、記録不良箇所テーブルにおいては、記憶部13に記録したコンテンツのコンテンツID61と、記録不良箇所を特定する情報(以下、「記録不良箇所特定情報」という)62と、補間処理の要否情報(以下、「補間処理要否情報」という)63とが管理されている。また、記録不良箇所特定情報62には、記録対象とされるコンテンツの記録回数と、記録不良箇所の開始時間(以下、適宜「不良開始時間」という)と、記録不良箇所の終了時間(以下、適宜「不良終了時間」という)とが含まれている。
【0037】
なお、1回目の放送受信時における記録不良箇所特定情報62においては、各コンテンツにおける記録不良箇所が記録される。例えば、コンテンツAに対応するコンテンツID「101−00001」においては、記録不良箇所が、不良開始時間「4:45」と、不良終了時間「4:55」とにより特定されている。すなわち、コンテンツAにおいては、コンテンツAの開始時点から4分45秒から4分55秒の間に記録不良箇所が発生していることを示している。
【0038】
また、2回目以降の放送受信時における記録不良箇所特定情報62においては、各回で受信したコンテンツにより補間された後に残存している記録不良箇所が記録される。例えば、コンテンツAに対応するコンテンツID「101−00001」においては、上述のように1回目の記録不良箇所が、2回目の放送受信時のコンテンツにおける対応部分により補間され、記録不良箇所が存在しないことを示している。
【0039】
これに対し、コンテンツCに対応するコンテンツID「101−00003」においては、上述のように1回目の放送受信時における記録不良箇所(3分10秒から3分31秒)が、2回目の放送受信時のコンテンツにおける対応部分により補間された後も、記録不良箇所(3分15秒から3分18秒)が残存していることを示している。これは、2回目の放送受信時におけるコンテンツにおいても、3分15秒から3分18秒の間に記録不良箇所が発生したことに起因するものである。
【0040】
補間処理要否情報63には、記録不良箇所の残存状態に応じた補間処理の要否が記録される。例えば、コンテンツAに対応するコンテンツID「101−00001」においては、上述したように、2回目の放送受信時におけるコンテンツの補間によりその後の補間処理を行う必要がなくなっているので、2回目の記録回数に対応する欄に「不要」と記録される。一方、ンテンツCに対応するコンテンツID「101−00003」においては、上述したように、2回目の放送受信時のコンテンツにおける対応部分により補間された後も、更に補間処理を行う必要があるので、2回目の記録回数に対応する欄に「要」と記録される。
【0041】
次に、上記構成を有する放送受信装置1におけるコンテンツの記録処理について説明する。放送受信装置1におけるコンテンツの記録は、上述のように、アプリ制御部17が記録アプリを実行することにより制御される。具体的には、アプリ制御部17は、図7及び図8に示すフローに従ってコンテンツの記録処理を制御する。図7及び図8は、本実施の形態に係る放送受信装置1におけるコンテンツの記録処理について説明するためのフロー図である。
【0042】
コンテンツの記録は、例えば、操作者によるコンテンツの記録の予約や、操作部14を介した操作者からの記録指示により開始される。予約による記録開始時刻になった場合や、操作者からの記録指示を受け付けた場合、図7に示すように、アプリ制御部17は、記録アプリを起動する(ステップ(以下、「ST」という)71)。なお、ここでは、コンテンツの記録の予約により記録アプリが起動されたものとする。この場合において、アプリ制御部17は、コンテンツの記録の予約に応じて自動的に記録アプリを起動し、後述するようにコンテンツの記録後、記録アプリを停止する。すなわち、自動的にコンテンツの記録を管理する自動記録管理部として機能する。
【0043】
記録アプリを起動した後、予約による記録開始時刻になると、放送受信部12により予約に対応する放送局2からの放送が受信される(ST72)。なお、放送受信部12による当該放送局2からの放送の受信は、例えば、予約による記録が終了するまで継続される。放送受信部12により受信された放送に含まれるコンテンツは、アプリ制御部17に渡される。このコンテンツを受け取ると、アプリ制御部17は、当該コンテンツに付与されたコンテンツIDを取得する(ST73)。
【0044】
コンテンツIDを取得すると、アプリ制御部17は、記憶部13に設けられた記録不良箇所テーブルに当該コンテンツIDが記録されているかを判定する(ST74)。このように判定するのは、既に記録済みのコンテンツが重複して記録されることを防止すると共に、既に記録済みのコンテンツにおける記録不良箇所を補間するためである。
【0045】
記録不良箇所テーブルにコンテンツIDが記録されていない場合、アプリ制御部17は、当該コンテンツIDを記録不良箇所テーブルに記録すると共に、当該コンテンツIDに対応するコンテンツを記憶部13に記憶する(ST75)。この場合において、アプリ制御部17は、コンテンツを記録する記録部として機能する。一方、記録不良箇所テーブルに当該コンテンツIDが記録されている場合には、処理をST81に進め、コンテンツの補間処理を行う。なお、このコンテンツの補間処理については後述する。
【0046】
ST75において、コンテンツを記録している間、アプリ制御部17は、記録不良箇所を検出するか判定している(ST76)。このように記録不良箇所の検出を判定するのは、後述するコンテンツの補間処理において補間対象となる部分を特定するためである。ここで、記録不良箇所を検出した場合には、アプリ制御部17は、まず、不良開始時間を記録不良箇所テーブルに記録し(ST77)、続いて不良終了時間を記録不良箇所テーブルに記録する(ST78)。これにより、当該コンテンツにおける記録不良箇所が特定されることとなる。
【0047】
このように不良終了時間を記録した後、或いは、ST76において、記録不良箇所を検出しない場合、アプリ制御部17は、放送に含まれる全てのコンテンツに対してN回の記録処理が行われたかを判定する(ST79)。この判定には、どのような手法を用いても良い。例えば、記録不良箇所テーブルにおける記録内容(例えば、補間処理要否情報における要否の有無など)に基づいて行うことが考えられる。
【0048】
放送に含まれる全てのコンテンツに対してN回の記録処理が行われていないと判定した場合、アプリ制御部17は、処理をST73に戻す。そして、再び、受信しているコンテンツのコンテンツIDを取得し、記録不良箇所テーブルに記録済みであるか否かを判定し、記録済みでない場合には当該コンテンツIDに対応するコンテンツを記録すると共に、記録不良箇所を特定する情報を記録し、放送に含まれる全てのコンテンツに対するN回の処理が行われたかを判定する(ST73〜ST79)。
【0049】
このようにST73〜ST79の処理を繰り返すうち、ST79において、放送に含まれる全てのコンテンツに対してN回の記録処理が行われたと判定した場合、アプリ制御部17は、記録アプリを終了し(ST80)、コンテンツの記録処理を終了する。このようにして放送受信装置1におけるコンテンツの一連の記録処理が完了する。
【0050】
なお、ST74において、記録不良箇所テーブルにコンテンツIDが記録されている場合には、アプリ制御部17は、図8に示すように、当該コンテンツに対して補間処理を行う必要があるか判定する(ST81)。このようにコンテンツに対する補間処理の必要性を判定するのは、記録不良箇所テーブルにコンテンツIDが記録されているにも関わらず、補間処理が必要のないコンテンツ(例えば、図6に示すコンテンツBなど)を識別するためである。ここで、補間処理が必要ないと判定する場合には、アプリ制御部17は、処理をST79に戻す。
【0051】
一方、補間処理が必要であると判定した場合には、アプリ制御部17は、当該コンテンツの開始時間から、記録不良箇所テーブルの記録不良箇所登録情報62に記録された不良開始時間に到達したかを判定する(ST82)。この場合において、アプリ制御部17は、記憶部13に記録されたコンテンツの記録不良箇所を判定する判定部として機能する。そして、不良開始時間に到達した場合には、当該コンテンツの記録を開始する(ST83)。なお、不良開始時間に到達するまでは、当該判定処理を継続する。
【0052】
このようにコンテンツを記録した状態で、アプリ制御部17は、当該コンテンツの開始時間から、記録不良箇所テーブルの記録不良箇所登録情報62に記録された不良終了時間に到達したかを判定する(ST84)。そして、不良終了時間に到達した場合には、当該コンテンツの記録を終了する(ST85)。これにより、記憶部13に記録されているコンテンツにおける記録不良箇所に対応するコンテンツの一部が記憶部13に記録されることとなる。
【0053】
このようにコンテンツの一部を記録した後、アプリ制御部17は、当該コンテンツの一部を用いて、記憶部13に記録されたコンテンツにおける記録不良箇所を補間する(ST86)。この場合において、アプリ制御部17は、コンテンツにおける記録不良箇所を後続する同一のコンテンツにおける対応部分を用いて補間する補間部として機能する。これにより、ST83〜ST85の間に記録されたコンテンツの一部で、コンテンツの記録不良箇所がカバーされていない場合を除き、記録不良箇所が発生していないコンテンツが記憶部13に記録されることとなる。そして、コンテンツの補間を行った後、処理をST79に戻す。
【0054】
例えば、図6に示すコンテンツAに対する補間処理においては、2回目の放送受信時において、図8に示す補間処理に進み、ST81において、補間処理が必要であると判定される。そして、ST82〜ST85の間に当該コンテンツにおける記録不良箇所の対応部分が記録され、ST86において、補間処理が行われる。これにより、記録不良箇所が存在していないコンテンツAが記憶部13に記録されることとなる。すなわち、この場合には、2回目のコンテンツAの受信終了時点で、記録不良箇所が存在していないコンテンツAが記憶部13に記録されることとなる。
【0055】
一方、図6に示すコンテンツCに対する補間処理においては、2回目の放送受信時において、図8に示す補間処理に進み、ST81において、補間処理が必要であると判定される。そして、ST82〜ST85の間に当該コンテンツにおける記録不良箇所の対応部分が記録され、ST86において、補間処理が行われる。しかしながら、この補間処理では、記録不良箇所が残存しているため、再び、ST74から図8に示す補間処理に進み、ST81において、補間処理が必要であると判定される。上述した場合と同様に、ST82〜ST85の間に当該コンテンツにおける記録不良箇所の対応部分が記録され、ST86において、補間処理が行われる。れにより、記録不良箇所が存在していないコンテンツCが記憶部13に記録されることとなる。すなわち、この場合には、3回目のコンテンツCの受信終了時点で、記録不良箇所が存在していないコンテンツAが記憶部13に記録されることとなる。
【0056】
このように本実施の形態に係る放送受信装置1によれば、繰り返し放送されるコンテンツを記憶部13に記録する際、アプリ制御部17により、記憶部13に記録されたコンテンツの記録不良箇所を判定し、記録不良箇所を後続する同一のコンテンツにおける対応部分を用いて補間することから、記憶部13に記録されたコンテンツの記録不良箇所が、当該記録不良箇所に対応するコンテンツの一部で補間されるので、放送電波受信不良に起因する記録不良箇所が存在しないコンテンツを記録することが可能となる。
【0057】
特に、本実施の形態に係る放送受信装置1においては、記録不良箇所の開始時間(不良開始時間)及び終了時間(不良終了時間)を特定して、後続する同一のコンテンツの一部を記録すると共に、当該コンテンツの一部を用いて記憶部13に記録されたコンテンツに対する補間を行うようにしたので、記憶部13に記録されたコンテンツの記録不良箇所を確実に補間することが可能となる。
【0058】
また、本実施の形態に係る放送受信装置1においては、アプリ制御部17により、記録不良箇所の補間を所定回数(N回)だけ繰り返し行う。これにより、コンテンツの補間の終了等を判定する特別な処理を必要とすることなく、簡単な制御で記憶部13に記録されたコンテンツの記録不良箇所を補間することが可能となる。
【0059】
さらに、本実施の形態に係る放送受信装置1においては、アプリ制御部17により、記憶部13に記録されたコンテンツの補間が終了した場合に当該コンテンツの記録処理を停止している。これにより、記憶部13に記録されたコンテンツの記録不良箇所の補間が終了した時点でコンテンツの記録を停止することができるので、コンテンツの記録が無制限に継続することを防止でき、放送受信装置1における無用な電源の消耗を防止することが可能となる。
【0060】
特に、本実施の形態に係る放送受信装置1は、携帯電話装置等の携帯端末装置に適用した場合に顕著な効果を得ることができる。すなわち、本実施の形態に係る放送受信装置1を、放送電波の受信状態が使用者の位置に応じて変動する携帯端末装置に適用することにより、放送電波の受信状態が良好でない場合においても、記憶部13に記録されたコンテンツの記録不良箇所が、当該記録不良箇所に対応するコンテンツの一部で補間されるので、放送電波受信不良に起因する記録不良箇所が存在しないコンテンツを記録することが可能となる。
【0061】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態におけるメニュー人気度とページ人気度の算出方法は一例であり、これに限定されず、適宜変更して実施することが可能である。また、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、処理部や処理手順については適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することが可能である。
【0062】
例えば、上記実施の形態においては、図7に示すように、放送に含まれる全てのコンテンツに対してN回の記録処理が行われたかを判定し、その判定結果に応じてコンテンツの記録処理を終了する場合について説明している。しかしながら、コンテンツの記録処理を終了する際の判定材料については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、全てのコンテンツに対する補間処理を行う必要がなくなった時点でコンテンツの記録処理を終了するようにしても良い。
【0063】
この場合には、例えば、記録不良箇所テーブルにおける補間処理要否情報を判定することで実現することが可能である。図6に示す記録不良箇所テーブルにおける記録内容の場合には、3回目のコンテンツの受信終了時点において、コンテンツの記録処理を終了することができる。このように変更した場合には、一定回数だけ放送に含まれるコンテンツを受信する必要がなくなるので、コンテンツの記録処理に要する時間及び電力を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施の形態に係る放送受信装置が適用される放送システムの構成例を説明するための図である。
【図2】上記実施の形態に係る放送受信装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】上記実施の形態に係る放送受信装置に対する放送局からの放送に含まれるコンテンツの一例を示す図である。
【図4】上記実施の形態に係る放送局から放送される各コンテンツの構成について説明するための模式図である。
【図5】上記実施の形態に係る放送局から繰り返し放送されるコンテンツの状態を説明するための模式図である。
【図6】上記実施の形態に係る放送受信装置の記憶部で管理される記録不良箇所テーブルの一例を示す図である。
【図7】上記実施の形態に係る放送受信装置におけるコンテンツの記録処理について説明するためのフロー図である。
【図8】上記実施の形態に係る放送受信装置におけるコンテンツの記録処理について説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
【0065】
1 放送受信装置
2 放送局
3 衛星
4 電波塔
11 制御部
12 放送受信部
13 記憶部
14 操作部
15 音声出力部
16 表示部
17 アプリ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繰り返し放送されるコンテンツを受信する放送受信部と、前記コンテンツを記録媒体に記録する記録部と、前記記録媒体に記録された前記コンテンツにおける記録不良箇所を判定する判定部と、前記記録不良箇所を後続する同一のコンテンツにおける対応部分を用いて補間する補間部と、を具備することを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
前記記録部は、前記コンテンツを記録する際に当該コンテンツにおける前記記録不良箇所の開始時点及び終了時点を記録する一方、後続する同一のコンテンツにおける前記開始時点及び終了時点間の対応部分を記録し、前記補間部は、前記開始時点及び終了時点間の対応部分を用いて前記記録不良箇所を補間することを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。
【請求項3】
前記補間部は、前記記録不良箇所の補間を所定回数だけ繰り返すことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の放送受信装置。
【請求項4】
前記補間部は、前記記録不良箇所の補間が必要である回数だけ当該記録不良箇所の補間を繰り返すことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の放送受信装置。
【請求項5】
予め定めた設定条件下で自動的に前記コンテンツを前記記録部により記録させる自動記録管理部を更に具備し、前記自動記録管理部は、前記補間部における前記記録不良箇所の補間が終了した場合に前記記録部の記録を停止させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の放送受信装置。
【請求項6】
携帯端末装置であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の放送受信装置。
【請求項7】
繰り返し放送されるコンテンツを受信するステップと、前記コンテンツを記録媒体に記録するステップと、前記記録媒体に記録された前記コンテンツにおける記録不良箇所を判定するステップと、前記記録不良箇所を後続する同一のコンテンツにおける対応部分を用いて補間するステップと、を具備することを特徴とする放送記録方法。
【請求項8】
前記コンテンツを記録する際に当該コンテンツにおける前記記録不良箇所の開始時点及び終了時点を記録する一方、後続する同一のコンテンツにおける前記開始時点及び終了時点間の対応部分を記録し、前記開始時点及び終了時点間の対応部分を用いて前記記録不良箇所を補間することを特徴とする請求項7記載の放送記録方法。
【請求項9】
前記記録不良箇所の補間を所定回数だけ繰り返すことを特徴とする請求項7又は請求項8記載の放送記録方法。
【請求項10】
前記記録不良箇所の補間が必要である回数だけ当該記録不良箇所の補間を繰り返すことを特徴とする請求項7又は請求項8記載の放送記録方法。
【請求項11】
予め定めた設定条件下で自動的に前記コンテンツの記録を開始するステップと、補間部における前記記録不良箇所の補間が終了した場合に前記コンテンツの記録を停止するステップとを更に具備することを特徴とする請求項7から請求項10のいずれかに記載の放送記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−200898(P2009−200898A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−41260(P2008−41260)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】