説明

故障点標定方法および故障点標定システム

【課題】簡単な構成でかつ低コストで送電線の故障点を標定できる故障点標定方法および故障点標定システムを提供する。
【解決手段】商用周波交流の送電線1aの端子(母線)2aに接続された電圧分圧器4の2次側回路と接地との間に接続されたコンデンサCに、上記送電線1aの電気事故時に発生したサージ電流が電圧分圧器4を介して流れたとき、コンデンサCに流れるサージ電流を高周波電流センサCTにより検出する。そして、上記高周波電流センサCTにより検出されたサージ電流の波形とそのサージ電流の到着時刻に基づいて、送電線の故障点を故障点標定装置10により標定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、故障点標定方法および故障点標定システムに関し、より詳しくは、商用周波交流の送電線の短絡および地絡等の電気事故時に発生する事故サージ波形を検出して故障点を標定する故障点標定方法およびそれを用いた故障点標定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、故障点標定方法としては、送電線に接続されたコンデンサの電流を専用の電流センサで観測して、故障点を標定するものがある(例えば、特開平1−161165号公報(特許文献1)参照)。また、従来の他の故障点標定方法としては、送電線路に接続された複数のコンデンサの電流波形の立ち上がりの傾きから故障点を求めるものがある(例えば、特許第3767528号(特許文献2)参照)。
【0003】
このような従来の故障点標定方法を用いたサージ型故障点標定装置では、専用のサージセンサを送電線の付近に設置し、得られた波形データを電気信号として、または電気光変換(EO変換)を行って光信号で、変電所の建屋内まで送り、建屋内に設置した専用装置において解析して、故障点を標定している。
【0004】
しかし、この方法では、送電線の近傍にサージセンサを設置しなければならず、高圧電力設備での作業は危険な上、屋外であることからサージセンサの耐環境性も必要となり、また変電所の建屋内までの配線工事も必要となるため、コストが高くつくという問題がある。また、送電線路毎にサージセンサを設置しなければならず、2回路12線路の場合は2×12×3=72個のサージセンサおよびそれらのサージセンサと建屋間の配線工事が必要となる。
【特許文献1】特開平1−161165号公報
【特許文献2】特許第3767528号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、この発明の課題は、変電所などの既存の設備である電圧分圧器または計測用変圧器を利用することで、簡単な構成でかつ低コストで送電線の故障点を標定できる故障点標定方法および故障点標定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、この発明の故障点標定方法は、
商用周波交流の送電線の端子に接続された電圧分圧器または計測用変圧器の2次側回路と接地との間に接続されたコンデンサに、上記送電線の電気事故時に発生したサージ電流が上記電圧分圧器または上記計測用変圧器を介して流れたとき、上記コンデンサに流れる上記サージ電流を電流センサにより検出して、
上記電流センサにより検出された上記サージ電流の波形と上記サージ電流の到着時刻に基づいて、上記送電線の故障点を故障点標定装置により標定することを特徴とする。
【0007】
本出願人は、商用周波交流の送電線の端子に接続された電力設備のある変電所において、送電線の電気事故時に発生したサージの伝搬について調査した結果、既存の電力設備である電圧分圧器または計測用変圧器の2次側回路からサージ電流波形成分を抽出して、抽出されたサージ電流波形成分が故障点標定に使用できることを見出した。
【0008】
このようなサージの伝搬特性を利用して、上記構成の故障点標定方法によれば、商用周波交流の送電線の端子に接続された電圧分圧器(または計測用変圧器)の2次側回路と接地との間に接続されたコンデンサに、上記送電線の電気事故時に発生したサージ電流が電圧分圧器(または計測用変圧器)を介して流れたとき、電流センサにより検出された上記コンデンサに流れるサージ電流の波形とそのサージ電流の到着時刻に基づいて、送電線の故障点を故障点標定装置により標定することによって、送電線に端子に接続された電圧分圧器または計測用変圧器の2次側回路に、上記コンデンサと電流センサと故障点標定装置を1組設置すればよく、コストを大幅に低減できる。また、配電盤室などの故障点標定装置の設置場所までは、既存の計測用変圧器ラインのケーブルがそのまま流用できる。さらに、故障点標定装置は室内設置の仕様でよく、屋外設置基準に基づいた耐環境性能を満たす必要がない。したがって、簡単な構成でかつ低コストで送電線の故障点を標定できる。
【0009】
また、一実施形態の故障点標定方法では、上記故障点標定装置は、上記電流センサにより検出された上記サージ電流の波形のうちの先頭サージ部分の波形とそれ以降の波形部分との相関関数を算出して、その相関関数の絶対値がピークとなる時間軸上の点を上記サージ電流の反射波の到達時刻とし、上記サージ電流の先頭部分の到着時刻と上記サージ電流の反射波の到達時刻に基づいて、上記送電線の故障点を標定する。
【0010】
上記実施形態によれば、上記故障点標定装置により、電流センサにより検出されたサージ電流の波形のうちの先頭サージ部分の波形とそれ以降の波形部分との相関関数を算出して、その相関関数の絶対値がピークとなる時間軸上の点を上記サージ電流の反射波の到達時刻とし、サージ電流の先頭部分の到着時刻とサージ電流の反射波の到達時刻に基づいて、送電線の故障点を標定することによって、故障点標定を高精度にかつ高速に行うことができる。
【0011】
また、一実施形態の故障点標定方法では、
上記送電線が複数接続された構成の系統であって、
上記複数の送電線のうちの上記電気事故が発生した送電線の区間を示す情報に基づいて、上記故障点標定装置により、上記電気事故が発生した送電線の区間に対して上記送電線の故障点を標定する。
【0012】
上記実施形態によれば、上記送電線が複数接続された構成の系統において、複数の送電線のうちの電気事故が発生した送電線の区間を示す情報に基づいて、故障点標定装置により電気事故が発生した送電線の区間に対して送電線の故障点を標定することによって、送電線の回線数分のセンサを用いることなく、電気事故が発生した送電線を識別して故障点標定ができる。
【0013】
また、一実施形態の故障点標定方法では、上記複数の送電線のうちの上記電気事故が発生した送電線の区間を示す情報は、上記電気事故が発生した上記送電線の保護リレーの動作信号である。
【0014】
上記実施形態によれば、上記複数の送電線のうちの電気事故が発生した送電線の区間を示す情報として、電気事故が発生した送電線の保護リレーの動作信号を用いることによって、回線数分のセンサを設置する場合に比べてコストを低減できる。
【0015】
また、この発明の故障点標定システムでは、
商用周波交流の送電線の端子に接続された電圧分圧器または計測用変圧器の2次側回路と接地との間に接続され、上記送電線の電気事故時に発生したサージ電流が上記電圧分圧器または上記計測用変圧器を介して流れるコンデンサと、
上記コンデンサに流れる上記サージ電流を検出する電流センサと、
上記電流センサにより検出された上記サージ電流の波形と上記サージ電流の到着時刻に基づいて、上記送電線の故障点を標定する故障点標定装置と
を備えたことを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、商用周波交流の送電線の端子に接続された電圧分圧器(または計測用変圧器)の2次側回路と接地との間に接続されたコンデンサに、上記送電線の電気事故時に発生したサージ電流が電圧分圧器(または計測用変圧器)を介して流れたとき、電流センサにより検出された上記コンデンサに流れるサージ電流の波形とそのサージ電流の到着時刻に基づいて、送電線の故障点を故障点標定装置により標定することによって、送電線に端子に接続された電圧分圧器または計測用変圧器の2次側回路に、上記コンデンサと電流センサと故障点標定装置を1組設置すればよく、コストを大幅に低減できる。また、配電盤室などの故障点標定装置の設置場所までは、既存の計測用変圧器ラインのケーブルがそのまま流用できる。さらに、故障点標定装置は室内設置の仕様でよく、屋外設置基準に基づいた耐環境性能を満たす必要がない。したがって、簡単な構成でかつ低コストで送電線の故障点を標定できる。
【0017】
また、一実施形態の故障点標定システムでは、
上記故障点標定装置は、
上記電流センサにより検出された上記サージ電流の波形のうちの先頭サージ部分の波形を抽出する先頭サージ抽出部と、
上記先頭サージ抽出部により抽出された上記サージ電流の波形のうちの先頭サージ部分の波形とそれ以降の波形部分との相関関数を算出する相関関数算出部と、
上記相関関数算出部により算出された相関関数の絶対値がピークとなる時間軸上の点を上記サージ電流の反射波の到達時刻とし、上記サージ電流の先頭部分の到着時刻と上記サージ電流の反射波の到達時刻に基づいて、上記送電線の故障点を標定する故障点標定部と
を有する。
【0018】
上記実施形態によれば、上記電流センサにより検出されたサージ電流の波形のうちの先頭サージ部分の波形を先頭サージ抽出部により抽出し、その抽出された先頭部分の波形とそれ以降の波形部分との相関関数を相関関数算出部により算出して、その相関関数の絶対値がピークとなる時間軸上の点を上記サージ電流の反射波の到達時刻とし、サージ電流の先頭部分の到着時刻とサージ電流の反射波の到達時刻に基づいて、故障点標定部により送電線の故障点を標定することによって、故障点標定を高精度にかつ高速に行うことができる。
【0019】
また、一実施形態の故障点標定システムでは、
上記送電線が複数接続された構成の系統であって、
上記故障点標定装置は、上記複数の送電線のうちの上記電気事故が発生した送電線の区間を示す情報に基づいて、上記電気事故が発生した送電線の区間に対して上記送電線の故障点を標定する。
【0020】
上記実施形態によれば、上記送電線が複数接続された構成の系統において、複数の送電線のうちの電気事故が発生した送電線の区間を示す情報に基づいて、故障点標定装置により電気事故が発生した送電線の区間に対して送電線の故障点を標定することによって、送電線の回線数分のセンサを用いることなく、電気事故が発生した送電線を識別して故障点標定ができる。
【0021】
また、一実施形態の故障点標定システムでは、
上記複数の送電線のうちの上記電気事故が発生した送電線の区間を示す情報は、上記電気事故が発生した上記送電線の保護リレーの動作信号であり、
上記故障点標定装置は、上記送電線の保護リレーの動作信号が入力される信号入力部を有する。
【0022】
上記実施形態によれば、上記複数の送電線のうちの電気事故が発生した送電線の区間を示す情報として、電気事故が発生した送電線の保護リレーの動作信号を用いることによって、回線数分のセンサを設置する場合に比べてコストを低減できる。
【発明の効果】
【0023】
以上より明らかなように、この発明の故障点標定方法および故障点標定システムによれば、変電所などの既存の設備である電圧分圧器または計測用変圧器を利用することで、低コストで送電線の故障点を標定できる故障点標定方法および故障点標定システムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明の故障点標定方法および故障点標定システムを図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0025】
図1Aはこの発明の実施の一形態の故障点標定方法を用いた故障点標定システムと電力系統の模式図を示しており、図1Aにおいて、1aは観測対象の平行2回線の3相送電線、1bは送電線1aと異なる電圧階級の平行2回線の3相送電線、2aは上記送電線1aの一端に接続された端子(母線)、2bは上記送電線1bの一端に接続された端子(母線)、3は送電線1aの端子(母線)2aと送電線1bの端子(母線)2bとを連系するトランス、4は端子(母線)2aの電圧を検出する電圧分圧器(Potential Divider)、5は上記電圧分圧器4の2次側回路と接地間に接続されたサージ対策用のアレスタ、Cは上記電圧分圧器4の2次側回路と接地間に接続され、サージ電流成分を分流させるためのコンデンサ、CTは上記コンデンサCに流れる高周波電流を検出する高周波電流センサ、11は上記高周波電流センサCTにより検出された高周波電流であるサージ電流とその到着時刻を記録する電流波形記録部、12は上記電流波形記録部11に記録されたサージ電流とその到着時刻に基づいて故障点を標定する電流波形解析部である。上記電流波形記録部11と電流波形解析部12に、複数の送電線のうちの電気事故が発生した送電線の区間を示す情報の一例として、電気事故が発生した送電線1a,1bの保護リレーの動作信号(リレー接点)が入力される。ここで、複数の送電線のうちの電気事故が発生した送電線の区間を示す情報は、保護リレーの動作信号に限らず、電気事故が発生した送電線の区間を示す情報を表す他の回路の信号を用いてもよい。
【0026】
上記電流波形記録部11と電流波形解析部12で故障点標定装置10を構成している。上記コンデンサCと高周波電流センサCTと故障点標定装置10で故障点標定システムを構成している。
【0027】
上記電圧分圧器4の代わりに計測用変圧器(Potential Transformer)の2次側回路に、サージ分流用のコンデンサを設置してもよい。また、サージ対策用のアレスタ5の代わりにサージ対策用のコンデンサを用いてもよい。
【0028】
上記電流波形記録部11では、商用周波数の三相交流の送電線の送電端や受電端の送電設備において通常設置されている電圧分圧器4(または計測用変圧器)の2次側回路のコンデンサCを介して流れるサージ電流波形を、10MHz程度以上のサンプリング周波数でサンプリングして、所定時間分の電流波形データをリングバッファに常に保持しておき、系統事故時に保護リレーの動作信号(リレー接点)が入力されたとき、例えば事故前60msec、事故後140msecの合計200msecの波形データを収録する。
【0029】
また、図1Bは上記電流波形解析部12のブロック図を示している。
【0030】
上記電流波形解析部12は、図1Bに示すように、電流波形記録部11からのサージ電流波形データを受けて、先頭サージ波形を抽出する先頭サージ抽出部12aと、上記先頭サージ抽出部12aにより抽出された先頭サージ波形に基づいて得られたマザーウエーブレット関数Ψ(t)を用いて相関関数を算出する相関関数算出部12bと、上記相関関数算出部12bにより算出された相関関数により反射波サージ波形を検出して、先頭サージ波形の到着時刻と絶対値および反射波サージ波形の到着時刻と絶対値に基づいて送電線の故障点を標定する故障点標定部12cと、送電線の保護リレー(図示せず)の動作接点が入力されて、その動作接点入力を表す信号を故障点標定部12cに出力する信号入力部12dとを有する。
【0031】
ここで、信号入力部12dは、送電線が複数接続された構成の系統において、送電線毎に保護リレー(図示せず)の動作接点が入力され、故障点標定部12cは、どの送電線の電気事故であるかが分かる。
【0032】
上記構成の故障点標定システムによれば、送電線1aの端子(母線)2aに接続された電圧分圧器4(または計測用変圧器)の2次側回路おいて、送電線の電気事故時に発生する事故サージ波形データ(事故開始点を含む)を電流波形記録部11によりサンプリングする。
【0033】
次に、上記電流波形解析部12において、電流波形記録部11によりサンプリングされた事故サージ波形データを、式3を用い事故先頭部分をマザーウエーブレットとし、スケールファクタを1とした専用のウエーブレット変換(事故先頭部分波形と後続波形との相関関数演算)により、変換結果の波形データを得て更にそれを絶対値化してピーク点を検出し、反射波サージ波形およびその到着時刻を得る。
【0034】
次に、保護リレーの動作接点の入力と送電線を含む系統の構成に基づいて、電気事故が発生した送電線を認識する。ここで、例えば、事故の発生した送電線が分岐のない単純な送電線路でかつ、事故点が至近端であることが判っている場合は、最初のサージが観測されてからその反射波サージが到着するまでの時間差を2で割ってサージの伝播速度(およそ280〜300m/μsec)を掛ければ事故点までのおよその距離が算出できる。
【0035】
しかるに反射波は必ずしも事故点からの反射波とは限らず、受電端からの反射波である場合もあり、また2回線送電線においては非事故回線を経由して送電端に伝播する反射波も有り得るため、上記方法では正しく標定できない場合が出てくる。そのため、電気事故が発生した送電線に沿って仮想故障点を移動させながら仮想事故波形の直接波の到着時刻と絶対値および反射波の到着時刻と絶対値をシミュレーションにより予測し、上記直接波の到着時刻と絶対値および反射波の到着時刻と絶対値に対して、最も相関関係のある予測された直接波の到着時刻と絶対値および反射波の到着時刻と絶対値に対応する仮想故障点を、送電線の故障点とする。
【0036】
なお、故障点標定はこれ以外にも他の方法を用いても良く、例えば、分岐の無い送電線の場合、送電線の両端で送電線または変電所の母線に設置された電圧分圧器または計器用変圧器の2次側にGPS等によって時刻同期したサージ電流観測装置を設置し、電圧分圧器または計器用変圧器の2次側のサージ電流を観測してサージ波形の到達時間差から標定する方法などを用いても良い。
【0037】
変電所などに設置されている電圧分圧器(Potential Divider)や計測用変圧器(Potential Transformer)は、その特性試験の結果から、外来サージがかなり減衰されるものの全く通過させないというものではないことが判っている。通常、電圧分圧器または計測用変圧器の2次側回路は、アレスタやコンデンサといったサージ対策品が設置されている場合が多いため、一般には、変電所の建屋内でサージ波形を観測することは困難であった。
【0038】
そこで、本願出願人により、電圧分圧器または計測用変圧器の2次側回路の電圧波形ではなく、2次側回路内のサージ電流波形を観測し、それを高周波電流センサCTで電圧に変換して、増幅器(図示せず)で増幅したところ、充分検出可能な振幅でサージ波形を観測することが判明した。さらに、このサージ電流波形は変電所の変圧用トランスを殆ど遅延されずに伝播することも判明した。
【0039】
図2は計測用変圧器の出力の電圧波形の一例を示し、上から相電圧Va、相電圧Vb、相電圧Vcの波形を示している。また、図3は高周波電流センサの出力の電流波形を示し、上からA相、B相、C相のサージ電流波形の一例を示している。
【0040】
図2に示す計測用変圧器の電圧波形では、サージ波形およびその反射波は判然としないが、図3に示す高周波電流センサの出力の電流波形では、先頭サージ波形とその反射波サージ波形が目視で判読できる。
【0041】
図3における先頭サージ波形と反射波サージ波形の時間差から故障点までの距離を推測可能であるが、このままでは、毎回目視によってサージ波形を確認する必要があり、効率的ではない。
【0042】
そこで、本発明では、ハイパスフィルタによって比較的ゆっくりとした振動成分を排除し、更に先頭サージ波形の部分と他の波形部分との相関関数を算出して、図4に示すグラフ上に表した。
【0043】
図4はフィルタリングされたサージ波形および相関関数による変換結果を示し、上から元波形(サージ波形)、動揺成分(ハイパスフィルタにより除去された成分)、サージ成分、サージ(ノイズカット)、変換波形(絶対値)を示している。
【0044】
相関関数によってサージ波形の到着時刻を推定する方法は従来の技術であるが、変電所の計測用変圧器の2次側回路の波形は、通常電圧・電流とも複雑な要因による振動波形となっており、計測用変圧器の1次側の送電線のサージ波形とは全く波形が異なり、かつ、2次側回路の時定数によって決まるかなりの時間に渡って減衰しつつ振動を続ける。このため、その計測用変圧器の2次側回路の波形から送電線上に発生するサージ波形の到着時刻を推定することは困難であると考えられていた。
【0045】
通常、電圧分圧器や計測用変圧器は、その周波数特性からも数MHzに及ぶサージ波形成分を観測に充分なゲインで伝播させることは不可能であり、その2次側回路からサージ波形成分を抽出することは困難であるとの考え方が一般的であった。
【0046】
そのため、サージ型の故障点標定装置は、専用のセンサを送電線の近くに配置してサージ検出する方法が一般的であるが、屋外に設置する設備は耐環境性能が要求され、非常に高価なものになり、それを線路毎に設置するのは現実的でない。
【0047】
本発明の故障点標定方法では、敢えて既存の設備である計測用変圧器の2次側回路からサージ波形成分を抽出し、それが故障点標定に使用できるか否かの検証を行った。
【0048】
その結果、故障点標定に充分使用でき得るサージ波形成分の検出が可能なことが判明した。
【0049】
図5は反射波サージの検出例を示し、上から元波形(サージ波形)、動揺成分(ハイパスフィルタにより除去された成分)、サージ成分、サージ(ノイズカット)、変換波形(絶対値)を示している。
【0050】
次に、変電所内のサージの伝播について調査した結果の一例を図6A,図6Bに示しており、この図6Aは154kV系統の送電線路における電気事故時のサージ波形の例を示し、図6Bは図6Aの領域Sの拡大図を示している。これによると、154kV系統の電気事故にも関わらず、77kV系統の方が波形の変化は急峻で、変化点が判りやすく、故障点の標定に適していることが判る。
【0051】
また、154kV系統と77kV系統の間にはトランスが設置されているが、トランスを経由してもサージの伝播には殆ど時間が掛っていないことが判る。
【0052】
このようなサージの伝搬現象を応用することにより、事故回線がどの送電線であるかの情報があれば、異なる電圧階級の送電線の電気事故時でも故障点標定が可能なことが判明した。実際、図5は154kV系統の送電線路の電気事故であるにも関わらず、77kV系統の計測用変圧器の2次側回路のサージ波形を用いて算出したものである。
【0053】
次に、従来技術と本発明との相異点(a)〜(d)について説明する。
【0054】
(a) 機器の必要個数
従来は標定対象の線路毎にセンサが必要であるのに対して、本発明では、母線の電圧分圧器または計測用変圧器の2次側回路に1台設置すれば良く、異なる電圧階級の送電線の電気事故でも標定可能となる場合がある。
【0055】
(b) 布設ケーブル
従来は送電線付近から波形収録装置まで専用のケーブルが必要であるのに対して、本発明では、配電盤室までは既存の計測用変圧器ラインのケーブルがそのまま流用できる。
【0056】
(c) 耐環境性能
従来は屋外設置部分が生じるため、その部分に屋外設置基準に基づいた耐環境性能,仕様が要求されるのに対して、本発明では、故障点標定装置は室内設置の仕様で良い。
【0057】
(d) 事故回線情報
従来は対象回線数分のセンサを設置するため、事故回線の情報は不要であるのに対して、本発明では、事故回線がどれであるかの情報を別途に入力する必要があるが、接点情報を入力するのに要するコストは回線数分のセンサを設置する場合に比べて比較的安価である。
【0058】
このように、本発明の故障点標定方法が従来のサージ検出型故障点標定方法に比べて多大なコストメリットを有するものであることが判る。
【0059】
次に、「サージ波形の先頭部分のみの波形とそれ以降の波形との相関」について説明する。
【0060】
自己相関関数G(τ)の定義式は、次の式1で表される。

【0061】
ここで、f(t)は元の関数、Tは積分区間、τは時間ファクタである。
【0062】
一方、ウエーブレット変換は次の式2のような定義になっている。

【0063】
ここで、f(t)は元の関数、Ψ(t)はマザーウエーブレット関数、τは時間ファクタ、aはスケールファクタである。
【0064】
このマザーウエーブレット関数Ψ(t)は、区間[−∞、+∞]でその積分が存在する(∞にならない)という制約のみで、自己相関関数の場合のように区間[−∞、+∞]で、時間差τとなっている同一関数同士の積の積分でなければならないというものではない。そこで、本発明で使用した計算方法は、先頭サージ部分をマザーウエーブレット関数Ψ(t)とし、スケールファクタaを1とした場合のウエーブレット変換を行って、絶対値化している。
【0065】
本発明の故障点標定方法における相関関数G(τ)を求める変換式は、次の式3で表される。

【0066】
次に、サージ到着時刻の認識方法について説明する。
【0067】
1) まず、先頭サージ波形をマザーウエーブレット関数としてウエーブレット変換を行う。
【0068】
図7は式3を適用したウエーブレット変換を説明するための図を示しており、図7に示すように、元の波形f(t)のうちの時刻T1からT1+τまでの区間を先頭サージ波形として、この先頭サージ波形をマザーウエーブレット関数Ψ(t)とする。そして、マザーウエーブレット関数Ψ(t)は、時間ファクタτの増加にしたがってΨ(t−τ)となって時間軸方向に移動する。
【0069】
そして、マザーウエーブレット関数Ψ(t−τ)と元の波形f(t)の積を積分する。
【0070】
2) ウエーブレット変換の積分結果を絶対値化する。
【0071】
図8(A)は式3の積分結果を示し、図8(B)はその積分結果を絶対値化した波形を示している。図8(B)において、ピーク点はその前の2つの山のピークと後の2つの山のピークを判定して決定する。このピーク点が反射波サージ波形の位置を表す。
【0072】
図9は本発明の故障点標定方法を適用した例を示している。図9に示すように、円で囲まれた先頭サージ波形の区間を時間軸方向に移動させつつマザーウエーブレット関数Ψ(t−τ)を計算し、マザーウエーブレット関数Ψ(t−τ)と元の波形f(t)の積を積分して絶対値化した結果が下側に示す変換分総合波形である。
【0073】
なお、相関関数を算出するにあたって「サージ波形の先頭部分の波形」は、次のようにして抽出する。
【0074】
従来の故障点標定装置では、商用電圧または電流波形に重畳したサージ波形の中からサージ成分のみを検出しなければならなかったので、その検出方法には種々の手法が考えられている(特許第3767528号他)。しかし、本発明の故障点標定方法では、変電所の計測用変圧器の2次側回路内のサージ電流成分を観測しているので、電気事故が無い場合の振幅は零に近くなっている。実際の故障点標定装置では、事故検出部分の前20msec程度から先の波形を元にその中の振幅最大となっている部分の10%程度以上の振幅を検出した時点を基準として、それより後50μsec間(サンプル数500個分)のデータを「サージ波形の先頭部分の波形」としている。
【0075】
そして、マザーウエーブレット関数Ψ(t)と元の関数f(t)の2つの関数の積の積分値は、2つの関数が相似波形になっている部分で絶対値が最大となる(ピーク点)。
【0076】
図10は変換波形の説明のための模擬サージ波形とその変換結果を示しており、図10において、横軸は時間[サンプル数]、縦軸は電流レベル[任意目盛]を表している。
【0077】
図10に示すように、太い線で示す元の波形のうちの先頭サージ波形のピーク点から250サンプルをマザーウエーブレット関数Ψ(t)として使用し、そのマザーウエーブレット関数Ψ(t)と元の波形の積を区間[−∞、+∞]で積分した結果を絶対値化した結果を細い線で示している。この変換結果では、先頭サージ波形のピーク点以外に反射波サージ波形のピーク点が2つある。
【0078】
図10におけるマザーウエーブレット関数Ψ(t)の時間幅を変動させ場合の変換結果を図11,図12,図13に示している。
【0079】
図11は太い線で示す元の波形のうちの先頭サージ波形のピーク点から100サンプルをマザーウエーブレット関数Ψ(t)として使用したときの変換波形の説明のための模擬サージ波形とその変換結果を示している。
【0080】
また、図12は太い線で示す元の波形のうちの先頭サージ波形のピーク点から50サンプルをマザーウエーブレット関数Ψ(t)として使用したときの変換波形の説明のための模擬サージ波形とその変換結果を示している。
【0081】
また、図13は太い線で示す元の波形のうちの先頭サージ波形のピーク点から25サンプルをマザーウエーブレット関数Ψ(t)として使用したときの変換波形の説明のための模擬サージ波形とその変換結果を示している。
【0082】
図11,図12,図13に示すように、マザーウエーブレット関数Ψ(t)の時間幅をかなり変動させても変換結果のピーク点の位置が変化しないことが分かる。
【0083】
上記実施形態の故障点標定方法およびそれを用いた故障点標定システムによれば、商用周波交流の送電線の端子に接続された電圧分圧器(または計測用変圧器)の2次側回路と接地との間に接続されたコンデンサに、上記送電線の電気事故時に発生したサージ電流が電圧分圧器(または計測用変圧器)を介して流れたとき、高周波電流センサにより検出された上記コンデンサに流れるサージ電流の波形とそのサージ電流の到着時刻に基づいて、送電線の故障点を故障点標定装置により標定することによって、送電線に端子に接続された電圧分圧器(または計測用変圧器)の2次側回路に、コンデンサCと高周波電流センサCTと故障点標定装置10を1組設置すればよく、コストを大幅に低減することができる。また、配電盤室などの故障点標定装置の設置場所までは、既存の計測用変圧器ラインのケーブルがそのまま流用できる。さらに、故障点標定装置は室内設置の仕様でよく、屋外設置基準に基づいた耐環境性能を満たす必要がない。したがって、簡単な構成でかつ低コストで送電線の故障点を標定できる故障点標定システムを実現することができる。
【0084】
一般に高電圧の送電線に直接波形検出手段を設置することは非常にコストが掛かり、また電力会社の変電所は通常広大な敷地の上に建設されているため、観測結果を変電所の建て屋内までで数百m伝送しなければならないため、既存の電圧分圧器(または計測用変圧器)とその2次側回路の既設のケーブルをそのまま利用することにより遥かに低コストとなる。
【0085】
通常、電圧変換器の周波数特性は数十kHzまでであり、数100kHz〜数MHzの波形は観測できないと考えられていた。ところが、電圧分圧器(または計測用変圧器)の2次側の電圧波形を観測するのではなく、電圧分圧器(または計測用変圧器)の2次側回路内のサージ電流を観測した結果、事故時のサージ電流波形を容易に検出できることが判った。本発明の故障点標定方法およびそれを用いた故障点標定システムは、このサージ電流波形を利用して故障点標定したものである。
【0086】
また、上記高周波電流センサCTにより検出されたサージ電流の波形のうちの先頭サージ部分の波形を先頭サージ抽出部12aにより抽出し、その抽出された先頭部分の波形とそれ以降の波形部分との相関関数を相関関数算出部12bにより算出して、その相関関数の絶対値がピークとなる時間軸上の点を上記サージ電流の反射波の到達時刻とし、サージ電流の先頭部分の到着時刻とサージ電流の反射波の到達時刻に基づいて、故障点標定部12cにより送電線の故障点を標定することによって、故障点標定を高精度にかつ高速に行うことができる。
【0087】
また、上記送電線が複数接続された構成の系統において、複数の送電線のうちの電気事故が発生した送電線の区間を示す情報に基づいて、故障点標定装置10により電気事故が発生した送電線の区間に対して送電線の故障点を標定することによって、送電線の回線数分のセンサを用いることなく、電気事故が発生した送電線を識別して故障点標定ができる。
【0088】
また、上記複数の送電線のうちの電気事故が発生した送電線の区間を示す情報として、電気事故が発生した送電線の保護リレーの動作信号を用いることによって、回線数分のセンサを設置する場合に比べてコストを低減することができる。
【0089】
通常の変電所では、送電を停止する時期や期間が制限され、変電所内での故障点標定装置の設置工事の時期や期間も制限される。このような状況において、本発明の故障点標定方法およびそれを用いた故障点標定システムによれば、高圧系統の事故サージを変電所内のより低い電圧階級の母線の計測用変圧器の2次側回路で観測して、例えば図6A,図6Bに示すように154kV系統の事故サージ波形を77kV系統の母線の計測用変圧器の2次側回路内のサージ電流成分として検出することができる。
【0090】
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1A】図1Aはこの発明の実施の一形態の故障点標定方法を用いた故障点標定装置と電力系統の模式図である。
【図1B】図1Bは上記故障点標定装置の電流波形解析部のブロック図である。
【図2】図2は計測用変圧器の出力の電圧波形を示す図である。
【図3】図3は高周波電流センサの出力の電流波形を示す図である。
【図4】図4はフィルタリングされたサージ波形および相関関数による変換結果を示す図である。
【図5】図5は反射波サージの検出例を示す図である。
【図6A】図6Aは154kV系統の送電線路における電気事故時のサージ波形の例を示す図である。
【図6B】図6Bは図6Aに示す領域Sの拡大図である。
【図7】図7はウエーブレット変換を説明するための図である。
【図8】図8(A)はウエーブレット変換の積分結果を示す図であり、図8(B)はその積分結果を絶対値化した波形を示す図である。
【図9】図9は本発明の故障点標定方法を適用した例を示す図である。
【図10】図10は変換波形の説明のための模擬サージ波形とその変換結果を示す図である。
【図11】図11は100サンプルの先頭サージ波形をマザーウエーブレット関数Ψ(t)として使用したときの変換波形の説明のための模擬サージ波形とその変換結果を示す図である。
【図12】図12は50サンプルの先頭サージ波形をマザーウエーブレット関数Ψ(t)として使用したときの変換波形の説明のための模擬サージ波形とその変換結果を示す図である。
【図13】図13は25サンプルの先頭サージ波形をマザーウエーブレット関数Ψ(t)として使用したときの変換波形の説明のための模擬サージ波形とその変換結果を示す図である。
【符号の説明】
【0092】
1a…平行2回線の3相送電線
1b…平行2回線の3相送電線
2a…端子(母線)
2b…端子(母線)
3…トランス
4…電圧分圧器
5…サージ対策用のアレスタ
10…故障点標定装置
11…電流波形記録部
12…電流波形解析部
12a…先頭サージ抽出部
12b…相関関数算出部
12c…故障点標定部
12d…信号入力部
C…コンデンサ
CT…高周波電流センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用周波交流の送電線の端子に接続された電圧分圧器または計測用変圧器の2次側回路と接地との間に接続されたコンデンサに、上記送電線の電気事故時に発生したサージ電流が上記電圧分圧器または上記計測用変圧器を介して流れたとき、上記コンデンサに流れる上記サージ電流を電流センサにより検出して、
上記電流センサにより検出された上記サージ電流の波形と上記サージ電流の到着時刻に基づいて、上記送電線の故障点を故障点標定装置により標定することを特徴とする故障点標定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の故障点標定方法において、
上記故障点標定装置は、上記電流センサにより検出された上記サージ電流の波形のうちの先頭サージ部分の波形とそれ以降の波形部分との相関関数を算出して、その相関関数の絶対値がピークとなる時間軸上の点を上記サージ電流の反射波の到達時刻とし、上記サージ電流の先頭部分の到着時刻と上記サージ電流の反射波の到達時刻に基づいて、上記送電線の故障点を標定することを特徴とする故障点標定方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の故障点標定方法において、
上記送電線が複数接続された構成の系統であって、
上記複数の送電線のうちの上記電気事故が発生した送電線の区間を示す情報に基づいて、上記故障点標定装置により、上記電気事故が発生した送電線の区間に対して上記送電線の故障点を標定することを特徴とする故障点標定方法。
【請求項4】
請求項3に記載の故障点標定方法において、
上記複数の送電線のうちの上記電気事故が発生した送電線の区間を示す情報は、上記電気事故が発生した上記送電線の保護リレーの動作信号であることを特徴とする故障点標定方法。
【請求項5】
商用周波交流の送電線の端子に接続された電圧分圧器または計測用変圧器の2次側回路と接地との間に接続され、上記送電線の電気事故時に発生したサージ電流が上記電圧分圧器または上記計測用変圧器を介して流れるコンデンサと、
上記コンデンサに流れる上記サージ電流を検出する電流センサと、
上記電流センサにより検出された上記サージ電流の波形と上記サージ電流の到着時刻に基づいて、上記送電線の故障点を標定する故障点標定装置と
を備えたことを特徴とする故障点標定システム。
【請求項6】
請求項5に記載の故障点標定システムにおいて、
上記故障点標定装置は、
上記電流センサにより検出された上記サージ電流の波形のうちの先頭サージ部分の波形を抽出する先頭サージ抽出部と、
上記先頭サージ抽出部により抽出された上記サージ電流の波形のうちの先頭サージ部分の波形とそれ以降の波形部分との相関関数を算出する相関関数算出部と、
上記相関関数算出部により算出された相関関数の絶対値がピークとなる時間軸上の点を上記サージ電流の反射波の到達時刻とし、上記サージ電流の先頭部分の到着時刻と上記サージ電流の反射波の到達時刻に基づいて、上記送電線の故障点を標定する故障点標定部と
を有することを特徴とする故障点標定システム。
【請求項7】
請求項5または6に記載の故障点標定システムにおいて、
上記送電線が複数接続された構成の系統であって、
上記故障点標定装置は、上記複数の送電線のうちの上記電気事故が発生した送電線の区間を示す情報に基づいて、上記電気事故が発生した送電線の区間に対して上記送電線の故障点を標定することを特徴とする故障点標定システム。
【請求項8】
請求項7に記載の故障点標定システムにおいて、
上記複数の送電線のうちの上記電気事故が発生した送電線の区間を示す情報は、上記電気事故が発生した上記送電線の保護リレーの動作信号であり、
上記故障点標定装置は、上記送電線の保護リレーの動作信号が入力される信号入力部を有することを特徴とする故障点標定システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−41976(P2009−41976A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−205244(P2007−205244)
【出願日】平成19年8月7日(2007.8.7)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【出願人】(000220882)株式会社エネゲート (42)
【出願人】(592061599)株式会社近計システム (14)
【Fターム(参考)】