説明

教育システム

【課題】 自分宛の意見の存在を簡単に知ることができる、効率的な意見交換が可能な教育システムを提供する。
【解決手段】 サーバ10と、サーバ10にログインすることで、参加者間での意見交換が可能な環境が設定され、意見に関する音声データおよび該意見の相手先に関する指定メンバーIDの入力が可能とされる受講者端末20とを有する。サーバ10は、参加者毎に、当該参加者を区別するためのメンバーIDとアドレス情報とが関連付けられてファイルを有し、受講者端末20から上記音声データおよび指定メンバーIDを受信すると、該受信した音声データを登録するとともに、該受信した指定メンバーIDと合致するメンバーIDを含むレコード情報を上記ファイルから読み出して、該読み出したレコード情報に含まれているアドレス情報に基づいて上記音声データの登録を通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークを用いた教育システムに関し、特に、複数の受講者が意見交換などを行いながら学習を進めるのに適した教育システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ローカルエリアネットワーク、イントラネット、インターネットなどの通信ネットワーク環境の発展に伴って、これら通信ネットワークを利用した社員教育やその他の教育(所謂「eラーニング」)が普及しつつある。例えば、特許文献1には、受講者によって操作されるクライアントコンピュータをネットワークを介してサーバコンピュータに接続し、サーバコンピュータ側に用意されている教材情報(教育コンテンツ)をネットワーク経由でクライアントコンピュータへ送信することによって、受講者が教材情報を視聴しながら学習できるようにしたシステムが開示されている。また、特許文献2には、受講者によって使用されるクライアントコンピュータ(受講者クライアント)、教育機関によって使用されるクライアントコンピュータ(教育機関クライアント)、及び各受講者に適した教材を自動的に生成して受講者クライアント及び教育機関クライアントにそれぞれ送信するサーバをネットワークによって接続したシステムが開示されている。このシステムでは、サーバが複数の受講者クライアント間及び受講者クライアントと教育機関クライアントとの間における音声データ及びイメージデータの送受信を仲介することによって、複数の受講者同士または受講者と教育機関との間のコミュニケーションをリアルタイムで実現できる。
【特許文献1】特開平10−63172号公報
【特許文献2】特開2002−333821号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の教育システムには、以下のような問題がある。
【0004】
特許文献2に記載の教育システムによれば、同時にサーバにログインしている2以上の受講者クライアントの間で音声によるコミュニケーションが可能である。しかし、ある受講者の受講者クライアントから他の受講者に対する意見などを示す音声データが送信されたが、送信先の受講者クライアントがサーバにログインしていないという状況で、音声データが如何に処理されるかについては何ら開示も示唆もされていない。仮に、音声データがサーバに記憶されるとしても、送信先の受講者は、サーバにログインして登録されている音声データを自身でチェックしない限りは、自分宛の意見が存在することを知る由がなく、サーバに記憶されている音声データが送信先の受講者クライアントに送信される時期は不確定である。また、チェック漏れによる意見交換の進行が妨げられる、ということも懸念される。このようなことから、特許文献2に記載の教育システムでは、複数の受講者が効果的に意見交換などを行いながら学習を進め得る環境を実現することは困難である。
【0005】
特許文献1に記載のシステムは、音声による意見交換を行うことはできない。よって、このシステムにおいても、上記と同様な問題を生じる。
【0006】
本発明の目的は、上記問題を解決し、自分宛の意見が存在することを簡単に知ることができる、効率的な意見交換が可能な教育システムおよび学習方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、上記学習方法を実現することのできるサーバおよびそのようなサーバにおいて用いられるプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の教育システムは、複数の参加者により編成されるバーチャルクラス毎に各参加者が参加する教育に関する情報を管理するサーバと、前記サーバに通信ネットワークを介して接続された、前記複数の参加者のそれぞれが使用する複数のクライアント端末とを有し、前記複数のクライアント端末のそれぞれは、前記サーバにログインすることで、前記教育に関する情報が提供されて、前記参加者間での意見交換が可能な環境が設定されるとともに、前記意見交換において、意見に関する音声データおよび該意見の相手先に関する指定メンバーIDの入力が可能とされており、前記サーバは、前記音声データが登録される第1のファイルと、前記参加者毎に、当該参加者を区別するためのメンバーIDと当該参加者が使用するクライアント端末に個別に設定されたアドレス情報とが関連付けられてレコード情報として予め格納された第2のファイルとを有し、前記複数のクライアント端末のいずれかの端末から、前記音声データおよび指定メンバーIDを受信すると、該受信した音声データを前記第1のファイルに登録するとともに、該受信した指定メンバーIDと合致するメンバーIDを含むレコード情報を前記第2のファイルから読み出して、該読み出したレコード情報に含まれているアドレス情報に基づいて前記音声データの登録を通知するように構成されている。
【0009】
上記の構成によれば、参加者が、クライアント端末上で、意見(音声データ)とその相手先の指定メンバーIDを入力すると、その入力された意見(音声データ)および指定メンバーIDはクライアント端末からサーバに送られる。サーバでは、受信した意見(音声データ)が第1のファイルに登録されるとともに、指定メンバーIDに基づいて第2のファイルから相手先のアドレス情報が取得される。そして、その取得したアドレス情報に基づいて、意見(音声データ)の登録が通知される。この通知により、相手先である参加者は、自分宛の意見が存在することを簡単に知ることができる。この場合、アドレス情報が例えば電子メールアドレスであれば、参加者は、サーバにログインすることなく、自分宛の意見の存在を知ることが可能である。
【0010】
上記の本発明の教育システムにおいて、前記サーバが、前記指定メンバーIDの入力のために、ログインがなされたクライアント端末に対して、当該クライアント端末を使用する参加者が参加しているクラスのメンバーIDの一覧を前記第2のファイルから取得して送信するように構成してもよい。この構成によれば、指定メンバーIDをメンバーIDの一覧から選択入力することが可能となり、操作性が向上する。
【0011】
また、上記の本発明の教育システムにおいて、前記サーバが、前記音声データを、前記バーチャルクラスを区別することが可能なクラスIDおよび前記指定メンバーIDと関連付けて前記第1のファイルに登録するとともに、前記複数のクライアント端末のそれぞれに対して、前記ログイン時に、前記クラスIDおよびメンバーIDを要求し、該要求により受信したクラスIDおよびメンバーIDに基づいて前記第1のファイルから該当する音声データを読み出してログインがなされたクライアント端末に送信するように構成してもよい。この構成によれば、参加者は、クライアント端末上で、ログイン時にクラスIDおよびメンバーIDを入力するだけで、自分宛の音声データを自動的に受け取ることが可能となる。よって、従来のように、登録された音声データの中から自分宛の意見をチェックする必要がなくなり、チェック漏れにより意見交換の進行が妨げられることもない。
【0012】
上記の場合、前記複数のクライアント端末のそれぞれは、前記意見交換において、さらに前記意見に関する画像データの入力が可能とされており、前記サーバが、前記画像データが登録される第3のファイルをさらに有し、前記複数のクライアント端末のいずれかの端末から、前記音声データおよび指定メンバーIDならびに画像データを受信すると、該受信した画像データを、該画像データを区別することが可能なデータ番号と関連付けて前記第3のファイルに格納するとともに、該受信した音声データを、該受信した指定メンバーID、前記データ番号およびクラスIDと関連付けて前記第1のファイルに登録し、前記ログイン時に受信したクラスIDおよびメンバーIDに基づいて前記第1のファイルから該当する音声データを読み出し、該読み出した音声データに関連付けて登録されている前記データ番号に基づいて前記第3のファイルから該当する画像データを読み出してそれぞれ前記ログインがなされたクライアント端末に送信するように構成してもよい。この構成によれば、参加者は、クライアント端末上で、ログイン時にクラスIDおよびメンバーIDを入力するだけで、自分宛の音声データおよびそれに関連する画像データを自動的に受け取ることが可能となる。
【0013】
本発明のサーバは、複数の参加者により編成されるバーチャルクラス毎に各参加者が参加する教育に関する情報を管理するサーバであって、通信ネットワークを介して接続された、前記複数の参加者のそれぞれが使用する複数のクライアント端末のそれぞれに対して、前記教育に関する情報を提供して前記参加者間での意見交換が可能な環境を設定するとともに、前記意見交換において、意見に関する音声データおよび該意見の相手先に関する指定メンバーIDの入力を可能とする学習システムと、前記音声データが登録される第1のファイルと、前記参加者毎に、当該参加者を区別するためのメンバーIDと当該参加者が使用するクライアント端末に個別に設定されたアドレス情報とが関連付けられてレコード情報として予め格納された第2のファイルと、前記複数のクライアント端末のいずれかの端末から、前記音声データおよび指定メンバーIDを受信すると、該受信した音声データを前記第1のファイルに登録するとともに、該受信した指定メンバーIDと合致するメンバーIDを含むレコード情報を前記第2のファイルから読み出して、該読み出したレコード情報に含まれているアドレス情報に基づいて前記音声データの登録を通知する管理システムとを有することを特徴とする。このサーバにおいても、上記の本発明の教育システムと同様な作用を奏する。
【0014】
本発明の学習方法は、複数の参加者により編成されるバーチャルクラス毎に各参加者が参加する教育に関する情報を管理するサーバにおいて行われる、通信ネットワークを利用した学習方法であって、前記通信ネットワークを介して接続された、前記複数の参加者のそれぞれが使用する複数のクライアント端末のそれぞれに対して、前記教育に関する情報を提供して前記参加者間での意見交換が可能な環境を設定するとともに、前記意見交換において、意見に関する音声データおよび該意見の相手先に関する指定メンバーIDの入力を可能とする第1のステップと、前記複数のクライアント端末のいずれかの端末から、前記音声データおよび指定メンバーIDを受信すると、該受信した音声データを第1のファイルに登録する第2のステップと、前記参加者毎に、当該参加者を区別するためのメンバーIDと当該参加者が使用するクライアント端末に個別に設定されたアドレス情報とが関連付けられてレコード情報として予め格納された第2のファイルから、前記受信した指定メンバーIDと合致するメンバーIDを含むレコード情報を読み出す第3のステップと、
前記読み出したレコード情報に含まれているアドレス情報に基づいて前記音声データの登録を通知する第4のステップとを含むことを特徴とする。この学習方法も、上記本発明の教育システムと同様な作用を奏する。
【0015】
本発明のプログラムは、複数の参加者により編成されるバーチャルクラス毎に各参加者が参加する教育に関する情報を管理するサーバコンピュータにおいて用いられるプログラムであって、通信ネットワークを介して接続された、前記複数の参加者のそれぞれが使用する複数のクライアント端末のそれぞれに対して、前記教育に関する情報を提供して前記参加者間での意見交換が可能な環境を設定するとともに、前記意見交換において、意見に関する音声データおよび該意見の相手先に関する指定メンバーIDの入力を可能とする処理と、前記複数のクライアント端末のいずれかの端末から、前記音声データおよび指定メンバーIDを受信すると、該受信した音声データを第1のファイルに登録する処理と、前記参加者毎に、当該参加者を区別するためのメンバーIDと当該参加者が使用するクライアント端末に個別に設定されたアドレス情報とが関連付けられてレコード情報として予め格納された第2のファイルから、前記受信した指定メンバーIDと合致するメンバーIDを含むレコード情報を読み出す処理と、前記読み出したレコード情報に含まれているアドレス情報に基づいて前記音声データの登録を通知する処理とを前記サーバコンピュータに実行させることを特徴とする。このプログラムにおいても、上記本発明の教育システムと同様な作用を奏する。
【発明の効果】
【0016】
上記のとおりの本発明によれば、参加者は、自分宛の意見が存在することを簡単に知ることができるので、従来に比べて、意見交換をより効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態である教育システムの概略構成を示すブロック図である。この教育システムは、「eラーニング」と呼ばれるサービスを提供するシステムであって、その構成は、サーバ10と、参加者(受講者および講師)によって使用される受講者端末20および講師端末30とからなる。これらサーバ10および各端末20、30のそれぞれは通信機能を備えたコンピュータシステムであり、プログラムなどを蓄積する記憶装置、キーボードやマウスおよびマイクロホンなどの入力装置、CRTやLCDなどの表示装置、外部との通信を行うモデムなどの通信装置、プリンタなどの出力装置および入力装置からの入力を受け付けて通信装置、出力装置、表示装置の動作を制御する制御装置から構成されている。
【0019】
サーバ10は、受講者端末20および講師端末30のそれぞれと通信ネットワーク100を介して接続されており、各端末に対して教育に必要なコンテンツおよび情報を提供する。通信ネットワーク100は、インターネットやイントラネットなどである。受講者端末40は、「eラーニング」による教育を受講する受講者によって使用される端末であって、通常、複数台ある。講師端末30は、教育の学習を支援する講師(専門家)によって使用される端末であって、その数は、1台以上である。
【0020】
「eラーニング」による教育は、少なくとも一人の講師と複数の受講者により編成されるバーチャルクラス単位に行われる。サーバ10は、バーチャルクラス毎に専用コンテンツを含む教材情報が予め用意されており、アクセスを受け付けた端末に対して、必要な教材情報を提供して、クラス専用環境での、検討会や意見交換/協調学習を可能とする。さらに、サーバ10は、検討や意見交換/協調学習に関する情報の蓄積を行うとともに、その蓄積した情報を各受講者間で共有することが可能とされている。
【0021】
図2に、サーバ10の主要部の構成を示す。図2を参照すると、サーバ10の主要部は、参加者が受講する教育に関する情報を管理する管理システム11と、予め容易された教材情報を提供して学習を行わせる学習システム12と、教材情報やそれに関連する情報が格納される記憶部17とからなる。
【0022】
管理システム11および学習システム12により提供される具体的な機能としては、オーサリングツール教育機能、コンテンツ作製管理機能、基本教育機能、オンデマンド型コンテンツ提供機能、コミュニティ型コンテンツ提供機能、学習管理機能、学習コース管理機能、キャリア開発管理機能などがある。
【0023】
オーサリングツール教育機能は、企業の教育担当者向けに、自社独自のコンテンツを作成するために必要となる各種編集ツールやソフトウェアの使用方法を「eラーニング」で提供・教育することができる。コンテンツ作製管理機能は、汎用的なコンテンツの選択・導入や、企業が目指す人材育成に向けた専用コンテンツの製作、およびコンテンツのライセンスや著作権の管理を行う機能である。基本教育機能は、多数の参加者(受講者および講師)が動画や音声と同期のとられた教育資料などを自由な時間に視聴し、疑問点について質疑事例検索を行ったり、直接の質疑応答を行ったりすることが可能な、双方向性を持つ学習機能である。
【0024】
オンデマンド型コンテンツ提供機能は、新規教育受講希望者に対する教育実施の準備を行うための機能であって、受講者単位に採番・管理されるIDの発行を行うとともに、IDおよび受講者の教育範囲などの「eラーニング」の環境の設定を行う。コミュニティ型コンテンツ提供機能は、セキュリティで保護されたバーチャルクラスの中で、講師やクラスメートなどとの意見交換や協調的な学習を実施するための機能であって、参加者が成果を共有・再利用することが可能である。
【0025】
学習管理機能は、LMS(ラーニング・マネジメント・システム)として知られている機能であって、各受講者をID番号で管理し、学習の履歴や保有スキルを把握するとともに、受講者側や管理側のそれぞれの立場で現在の教育進捗状況を確認・評価することができる。学習コース管理機能は、LCMS(ラーニング・コンテンツ・マネジメント・システム)として知られている機能であって、企業が目指す人材育成に向けたeラーニングのコンテンツ選定や、人材育成の目的別のコースなどを受講者別に設定・管理することができる。キャリア開発支援機能は、各社員(受講者)に対し自らの能力や希望に沿ったキャリア開発を支援するための機能であって、保有スキルと目標の差異を評価・ガイドし、社員が成長できる育成サイクルを作り上げることができる。
【0026】
記憶部17には、制御情報13、汎用的教育コンテンツ14、会社独自製作コンテンツ15およびバーチャルクラス共有情報16が格納される。汎用的教育コンテンツ14および会社独自製作コンテンツ15は、上記コンテンツ作製管理機能を利用して予め導入あるいは作製されたものである。これらコンテンツは、バーチャルクラス単位に用意される。制御情報13は、汎用的教育コンテンツ14、会社独自製作コンテンツ15およびバーチャルクラス共有情報16を用いたバーチャルクラス単位での教育を行う際に必要となる情報である。
【0027】
バーチャルクラス共有情報16は、汎用的教育コンテンツ14および会社独自製作コンテンツ15またはこれらコンテンツのいずれかを使用した、バーチャルクラス単位での教育における、検討や意見交換/協調学習に関する情報を格納するものであって、バーチャルクラス運営情報161、意見交換音声共有ファイル162、ホワイトボード共有ファイル163、協調作業実施ワークファイル164、検討履歴情報ファイル165および検討成果情報共有ファイル166を含む。これら情報およびファイルについて、以下に具体的に説明する。
【0028】
(1)バーチャルクラス運営情報161
バーチャルクラス運営情報161は、バーチャルクラスの開催に関する基本情報、検討に利用するツールや事前学習事項などの運営情報の他、各種情報へのアクセス権などの設定に関する情報を含む。具体的には、バーチャルクラス運営情報161は、「eラーニング」で運営するバーチャルクラス単位に作成される第1のレコード情報と、各バーチャルクラスの参加者毎に作成される第2のレコード情報とからなる。第1のレコード情報は、基本的には、バーチャルクラスに固有のクラスIDおよびバーチャルクラスを開設する対象教育を区別するための対象教育IDをキーとして作成される。第2のレコード情報は、基本的には、バーチャルクラスの参加者のそれぞれに付与されるメンバーIDをキーとして作成されるものであって、第1のレコード情報に対して複数の登録可能である。
【0029】
以下に、第1および第2のレコード情報の具体的な項目を挙げる。
【0030】
第1のレコード情報は、上述したクラスIDおよび対象教育IDの他に、クラス名、教育名、教育レベル、教育期間、管理メンバーID、クラス人数、使用機能区分、情報開示範囲、情報保持期間、更新区分、データ更新日などの項目を含む。
【0031】
クラス名および教育名は、バーチャルクラス単位で受講する教育の名称およびそのクラスの名称である。教育レベルは、受講する教育(対象教育)の教育レベルを表す。教育期間は、クラスで受講する教育の開始/終了の期間である。管理メンバーIDは、クラスの運営管理を行うメンバーIDである。クラス人数は、クラスの登録者数であって、第2のレコード情報の作成・削除時にカウントされる。
【0032】
使用機能区分は、クラスで使用する対象機能(音声・ボードなど)を区分するものである。情報開示範囲は、学習情報の開示範囲を規定するものであって、例えば同一のクラス内や同一の対象教育内といった範囲を指定することができる。情報保持期間は、クラスの教育実績情報を保持しておく期間であり、この期間を超えると情報が削除される。更新区分は、当該第1のレコード情報の状況を表すものであって、具体的には「I:新規」、「R:更新」、「D:論理削除」といった形で設定される。データ更新日は、当該第1のレコード情報の最終更新日時を示す。
【0033】
第2のレコード情報は、上述したメンバーIDの他に、メンバー氏名、メールアドレス、IPアドレス、メンバーレベル、クラスID、対象教育ID、使用機能フラグ、参加資格取得日、更新区分、データ更新日などの項目を含む。
【0034】
メンバー氏名は、バーチャルクラスの参加者の名称である。メールアドレスおよびIPアドレスは、参加者の使用する端末に予め設定された電子メールアドレスおよびIPアドレスである。メンバーレベルは、各種情報へのアクセスが可能な参加者を複数のレベルで規定したものであって、このレベルに応じてアクセス可能な範囲が制限される。クラスIDおよび対象教育IDは、参加者が登録されているバーチャルクラスのIDおよび対象教育のID(第1のレコード情報のクラスIDおよび対象教育IDに対応する)を表す。
【0035】
使用機能フラグは、参加者が使用する対象機能(音声・ボードなど)の使用状態を示すフラグである。参加資格取得日は、バーチャルクラスへの参加が認められた年月日である。更新区分は、当該第2のレコード情報の状況を表すものであって、具体的には「I:新規」、「R:更新」、「D:論理削除」といった形で設定される。データ更新日は、当該第2のレコード情報の最終更新日時を示す。
【0036】
(2)意見交換音声共有ファイル162
意見交換音声共有ファイル162は、バーチャルクラス内の講師や専門家と受講者との間または受講者間における双方向の意見交換を行った際のデータ(音声、画像、テキストなど)をレコード情報として格納するためのファイルである。以下に、意見交換音声共有ファイル162に格納されるレコード情報の具体的な項目を示す。
【0037】
意見交換音声共有ファイル162に格納されるレコード情報には、クラスID、データ番号、グループ番号、継続番号、データ区分、発言メンバーID、音声データ、指定メンバーID、関連データ番号、情報開示範囲、情報保持期間、参照人数、更新区分、データ更新日などの項目がある。
【0038】
クラスIDは、登録されたデータ(音声、画像、テキストなど)がどのバーチャルクラスのものであるかを示すIDであって、第1のレコード情報のクラスIDに対応する。データ番号は、登録されたデータを識別するためのユニークな番号である。グループ番号は、同一内容に対する意見交換に対して付与されるユニークな番号である。継続番号は、登録される音声データの一つ前に登録された音声データのデータ番号である。
【0039】
データ区分は、当該レコード情報を区別するための情報である。音声データは、登録された音声データである。発言メンバーIDは、当該レコード情報を登録した参加者のIDであり、指定メンバーIDは、登録されたデータを個別に通知する際の宛先のIDであり、いずれのIDも、バーチャルクラス運営情報161の第2のレコード情報のメンバーIDに対応する。関連データ番号は、登録された音声データと直接関連するデータ(画像データなど)のデータ区分およびデータ番号の情報である。
【0040】
情報開示範囲は、当該レコード情報の開示範囲を規定するものであって、例えば同一のクラス内や同一の対象教育内といった範囲が指定される。情報保持期間は、当該レコード情報を使用することのできる期間(実データの保存期間とは異なる)を示す。参照人数は、当該レコード情報の登録時に意見交換に参加している人数である。更新区分は、当該レコード情報の状況を表すものであって、具体的には「I:新規」、「R:更新」、「D:論理削除」といった形で設定される。データ更新日は、当該レコード情報の最終更新日時を示す。
【0041】
(3)ホワイトボード共有ファイル163
バーチャルクラス内の意見交換や協調作業において、意思の疎通をより確実に図るために、教材情報が提供された端末では、画面上に、受講者が自由に図画などを掲載できるホワイトボードが表示されるようになっている。ホワイトボード共有ファイル163は、このホワイトボードに書き込まれた掲載データがレコード情報として格納するものである。以下に、ホワイトボード共有ファイル163に格納されるレコード情報の具体的な項目を示す。
【0042】
ホワイトボード共有ファイル163に格納されるレコード情報には、クラスID、データ番号、グループ番号、継続番号、データ区分、掲載メンバーID、掲載データ、指定メンバーID、関連データ番号、情報開示範囲、情報保持期間、参照人数、更新区分、データ更新日などの項目がある。
【0043】
クラスIDは、登録された掲載データがどのバーチャルクラスのものであるかを示すIDであって、バーチャルクラス運営情報161における第1のレコード情報のクラスIDに対応する。データ番号は、登録された掲載データを識別するためのユニークな番号である。グループ番号は、同一内容に対する意見交換に対して付与されるユニークな番号である。継続番号は、登録される掲載データの一つ前に登録された掲載データのデータ番号である。
【0044】
データ区分は、当該レコード情報を区別するための情報である。掲載データは、ホワイトボードに書き込まれた画像データである。掲載メンバーIDは、掲載データを登録した参加者のIDであり、指定メンバーIDは、登録された掲載データを個別に通知する際の宛先のIDであり、いずれのIDも、バーチャルクラス運営情報161の第2のレコード情報のメンバーIDに対応する。関連データ番号は、登録された掲載データと直接関連するデータ(音声データなど)のデータ区分およびデータ番号の情報である。
【0045】
情報開示範囲は、当該レコード情報の開示範囲を規定するものであって、例えば同一のクラス内や同一の対象教育内といった範囲が指定される。情報保持期間は、当該レコード情報を使用することのできる期間(実データの保存期間とは異なる)を示す。参照人数は、当該レコード情報の登録時に意見交換に参加している人数である。更新区分は、当該レコード情報の状況を表すものであって、具体的には「I:新規」、「R:更新」、「D:論理削除」といった形で設定される。データ更新日は、当該レコード情報の最終更新日時を示す。
【0046】
(4)協調作業実施ワークファイル164
協調作業実施ワークファイル164は、意見交換や討論などの検討過程メモおよび意見の推敲状況をレコード情報として一時保管するためのファイルである。以下に、協調作業実施ワークファイル164に格納されるレコード情報の具体的な項目を示す。
【0047】
協調作業実施ワークファイル164に格納されるレコード情報には、クラスID、データ番号、グループ番号、継続番号、データ区分、最終記載メンバーID、記載データ、通知メンバーID、添付データ番号、関連データ番号、記載メンバー履歴、提出区分、提出日、情報開示範囲、情報保持期間、参照人数、更新区分、データ更新日などの項目がある。
【0048】
クラスIDは、登録された記載データがどのバーチャルクラスのものであるかを示すIDであって、バーチャルクラス運営情報161における第1のレコード情報のクラスIDに対応する。データ番号は、登録された記載データを識別するためのユニークな番号である。グループ番号は、同一内容に対する意見交換に対して付与されるユニークな番号である。継続番号は、登録される記載データの一つ前に登録された記載データのデータ番号である。
【0049】
データ区分は、当該レコード情報を区別するための情報である。記載データは、クリップされた最後の登録または記載されたデータである。最終記載メンバーIDは、記載データを最後にクリップした参加者のIDであり、通知メンバーIDは、クリップした掲載データを個別に通知する際の宛先のIDであり、いずれのIDも、バーチャルクラス運営情報161の第2のレコード情報のメンバーIDに対応する。添付データ番号は、クリップした最新の記載データと直接関連するデータ(音声データや画像データなど)のデータ区分およびデータ番号の情報である。
【0050】
記載メンバー履歴、ホワイトボードに情報を記載した参加者のIDの履歴であって、バーチャルクラス運営情報161の第2のレコード情報のメンバーIDに対応する。提出区分は、検討の進捗度合などで表される推敲状況のレベルを示す。提出日は、クラスの結論として意見がまとまったときの日付が設定される。
【0051】
情報開示範囲は、当該レコード情報の開示範囲を規定するものであって、例えば同一のクラス内や同一の対象教育内といった範囲が指定される。情報保持期間は、当該レコード情報を使用することのできる期間(実データの保存期間とは異なる)を示す。参照人数は、当該レコード情報の登録時に意見交換に参加している人数である。更新区分は、当該レコード情報の状況を表すものであって、具体的には「I:新規」、「R:更新」、「D:論理削除」といった形で設定される。データ更新日は、当該レコード情報の最終更新日時を示す。
【0052】
(5)検討履歴情報ファイル165
検討履歴情報ファイル165は、バーチャルクラス内での検討状況や意見の推敲履歴を時系列的に蓄積している。この検討履歴情報ファイル165を利用することで、必要に応じて検討過程のある時点に戻って再検討することが可能であり、その再検討に必要な情報を検討履歴情報ファイル165から取得することができる。
【0053】
(6)検討成果情報共有ファイル166
検討成果情報共有ファイル166は、バーチャルクラス内での検討過程とその結果を格納するものである。この検討成果情報共有ファイル166を利用することで、検討過程とその結果をクラス内での共有情報として教育修了後もバーチャルクラスメイトが再利用し、復習や新たな検討の足がかりとすることができる。
【0054】
バーチャルクラス運営情報161における第1のレコード情報の管理メンバーIDと第2のレコード情報のメールアドレスおよびIPアドレスと、意見交換音声共有ファイル162およびホワイトボード共有ファイル163の各ファイルにおける指定メンバーIDおよび関連データ番号と、協調作業実施ワークファイル164における通知メンバーID、添付データ番号、関連データ番号および記載メンバー履歴とは、同一レコード内に複数登録されてもよい。
【0055】
本実施形態の教育システムの特徴は、コミュニティ型コンテンツ提供機能を利用したバーチャルクラス単位での学習にある。この学習では、バーチャルクラス運営情報161、意見交換音声共有ファイル162、ホワイトボード共有ファイル163および協調作業実施ワークファイル164を利用した受講者間の強調的な学習が行われ、その結果が検討履歴情報ファイル165および検討成果情報共有ファイル166に蓄積される。そして、学習の過程において、ある参加者(受講者または講師)がログインしていない他の参加者に対する意見(音声データや画像データ)を登録すると、その登録が相手方の参加者に通知される。これにより、参加者(受講者または講師)間における意見交換が効率良く実現される。
【0056】
以下、受講者Aが、ログインしていない受講者Bに対して意見を登録した場合の処理の流れについて説明する。なお、以下の説明において、受講者へのメンバーIDの配布およびその登録、受講者のアドレス情報(電子メールアドレスやIPアドレス)の登録は予め行われているものとする。
【0057】
<意見交換音声の初期登録>
図3は、受講者Aが使用する受講者端末20aとサーバ10との間における、意見交換音声の初期登録の処理の流れを示す図である。
【0058】
まず、受講者Aが、受講者端末20a上で、サーバ10へのアクセスを行うための入力操作を行うと、受講者端末20aが、サーバ10に対してアクセス要求を行う(ステップS10)。サーバ10は、アクセス要求を受け付けると、受講者端末20aに対してログインを行うための画面情報を送信する(ステップS20)。
【0059】
受講者端末20aは、受信した画面情報に基づいてログイン画面を表示する(ステップS11)。その表示画面上で、受講者Aが、自身が参加しているバーチャルクラスのクラスIDおよび自身のメンバーIDを入力してログインのための入力操作を行うと、受講者端末20aが、サーバ10に対して、その入力されたクラスIDおよびメンバーIDを送信する(ステップS12)。
【0060】
サーバ10は、受講者端末20aから受信したクラスIDおよびメンバーIDがバーチャルクラス運営情報161に登録されているか否かを確認する(ステップS21)。この確認処理では、第1のレコード情報として登録されたクラスIDの中に、受信したクラスIDが存在するか否か、また、第2のレコード情報として登録されたメンバーIDの中に受信したメンバーIDが存在するか否かが確認される。両IDがともに登録されている場合は、サーバ10は、バーチャルクラス運営情報161から、受信したクラスIDに関する第1のレコード情報を読み出し、その第1のレコード情報に含まれている対象教育ID、教育期間および使用機能区分を確認し(ステップS22)、クラス名、教育名、教育機関、使用機能区分などの情報を受講者端末20aに送信する(ステップS23)。クラスIDおよびメンバーIDのいずれか1つでも登録されていない場合は、サーバ10は、その旨を示すメッセージを受講者端末20aに送信して表示させる。
【0061】
受講者端末20aは、サーバ10から受信したクラス名、教育名、教育機関、使用機能区分などの情報を画面上に表示する(ステップS13)。この表示画面には、次処理を選択するためのボタン、例えば意見交換音声の「新規登録」や「追加登録」といったボタンが用意されている。ここでは、意見交換音声の新規登録を行うため、受講者Aは、「新規登録」ボタンを選択入力するものと仮定する。
【0062】
「新規登録」ボタンが選択入力されると、受講者端末20aは、サーバ10に対して、新規登録に必要な情報を要求する(ステップS14)。サーバ10は、その要求に応じて、新規登録に必要な情報(画面情報)を受講者端末20aに送信する(ステップS24)。受講者端末20aは、サーバ10から受信した画面情報に基づいて音声データを入力するための画面を表示する(ステップS15)。この表示画面には、音声データの登録を通知する場合の通知先となるメンバーID(指定メンバーID)を入力する欄が設けられている。表示画面上で、受講者Aが音声データおよび指定メンバーIDを入力すると、受講者端末20aは、その入力された音声データおよび指定メンバーIDをサーバ10へ送信する(ステップS16)。この入力操作では、音声データおよび指定メンバーIDの他、発言メンバーIDおよび関連データ番号の入力も可能である。また、ホワイトボードを利用した画像データの登録も可能である。
【0063】
サーバ10は、受講者端末20aから受信した指定メンバーIDがバーチャルクラス運営情報161に登録されているか否かを確認する(ステップS25)。この確認処理では、第2のレコード情報として登録されたメンバーIDの中に、受信した指定メンバーIDと同じIDが存在するか否かが確認される。指定メンバーIDが存在されている場合は、サーバ10は、受講者端末20aから受信した指定メンバーIDおよび音声データを、意見交換音声共有ファイル162に、新規のレコード情報として登録する(ステップS26)。この新規のレコード情報の登録にあたっては、制御情報として取得した情報(データ番号、グループ番号、データ区分、更新区分、データ更新日)、バーチャルクラス運営情報161から取得した情報(クラスID、情報開示範囲、情報保持期間)および受講者端末20aからの入力情報(発言メンバーID、音声データ、指定メンバーID、関連データ番号)が一緒に格納される。なお、指定メンバーIDが登録されていない場合は、サーバ10は、その旨を示すメッセージを受講者端末20aに送信して表示させる。
【0064】
新規のレコード情報の登録後、サーバ10は、バーチャルクラス運営情報161から、受信した指定メンバーIDに関する第2のレコード情報を読み出し、その第2のレコード情報に含まれているメールアドレス(ここでは受講者Bが使用している受講者端末20bのメールアドレス)に意見の登録をメール通知する(ステップS27)。このステップS26の処理は、第2のレコード情報に含まれているIPアドレスに意見の登録をメッセージ送信する処理であってもよい。
【0065】
以上の処理により、受講者Aが、ログインしていない受講者Bに対して意見を登録した場合に、その登録の通知が、サーバ10により、受講者Bが使用する受講者端末20bに対してメール送信またはメッセージ送信される。メール通知の場合、受講者Bは、ログインしない状態でも、単に、受信メールをチェックするだけで、他の受講者からの意見の登録の有無を確認することができる。IPアドレスに基づくメッセージ送信の場合は、受講者Bは、ログインした際に、自分宛の意見がある旨のメッセージが自動的に受講者端末20bに供給される。この場合は、受講者Bは、意見などの情報が格納されたファイルをチェックすることなく、簡単に自分宛の意見の存在を知ることができる。
【0066】
<意見交換音声登録に対する意見登録処理>
図4は、受講者Bが使用する受講者端末20bとサーバ10との間における意見登録の処理の流れを示す図である。
【0067】
意見登録のメール通知を確認した受講者Bが、受講者端末20b上で、サーバ10へのアクセスを行うための入力操作を行うと、受講者端末20bが、サーバ10に対してアクセス要求を行う(ステップS30)。サーバ10は、アクセス要求を受け付けると、受講者端末20bに対してログインを行うための画面情報を送信する(ステップS40)。
【0068】
受講者端末20bは、受信した画面情報に基づいてログイン画面を表示する(ステップS31)。その表示画面上で、受講者Bが、自分が参加しているバーチャルクラスのクラスIDおよび自身のメンバーIDを入力してログインのための入力操作を行うと、受講者端末20bが、サーバ10に対して、その入力されたクラスIDおよびメンバーIDを送信する(ステップS32)。
【0069】
サーバ10は、受講者端末20aから受信したクラスIDおよびメンバーIDがバーチャルクラス運営情報161に登録されているか否かを確認する(ステップS41)。この確認処理では、第1のレコード情報として登録されたクラスIDの中に、受信したクラスIDが存在するか否か、また、第2のレコード情報として登録されたメンバーIDの中に受信したメンバーIDが存在するか否かが確認される。さらに、意見交換音声共有ファイル162の中に、指定メンバーIDが受講者BのメンバーIDと同じものがあるか否かが確認される。第1および第2のレコード情報にクラスIDおよびメンバーIDが登録されている場合は、サーバ10は、バーチャルクラス運営情報161から、受信したクラスIDに関する第1のレコード情報を読み出し、その第1のレコード情報に含まれている対象教育ID、教育期間および使用機能区分を確認し(ステップS42)、クラス名、教育名、教育機関、使用機能区分などの情報に加えて、指定されている意見交換音声登録情報を受講者端末20bに送信する(ステップS43)。クラスIDおよびメンバーIDのいずれか1つでも登録されていない場合や該当する意見交換音声登録情報が存在しない場合は、サーバ10は、その旨を示すメッセージを受講者端末20bに送信して表示させる。
【0070】
受講者端末20bは、サーバ10から受信したクラス名、教育名、教育機関、使用機能区分などの情報および意見交換音声登録情報を画面上に表示する(ステップS33)。この表示画面には、次処理を選択するためのボタンとして、意見交換音声の「新規登録」や「追加登録」といったボタンが用意されている。ここでは、意見交換音声の追加登録を行うため、受講者Bは、「追加登録」ボタンを選択入力するものと仮定する。
【0071】
「追加登録」ボタンが選択入力されると、受講者端末20bは、サーバ10に対して、追加登録に必要な情報を要求する(ステップS34)。サーバ10は、その要求に応じて、追加登録に必要な情報(画面情報)を受講者端末20bに送信する(ステップS44)。受講者端末20bは、サーバ10から受信した追加登録画面情報に基づいて画面表示を行う(ステップS35)。この表示画面には、音声データの追加登録を通知する場合の通知先となる指定メンバーID(質問をした相手である受講者AのメンバーIDに対応する)を入力する欄が設けられている。表示画面上で、受講者Bが音声データおよび指定メンバーIDを入力すると、受講者端末20bは、その入力された音声データおよび指定メンバーIDをサーバ10へ送信する(ステップS36)。この入力操作では、音声データおよび指定メンバーIDの他、発言メンバーIDおよび関連データ番号の入力も可能である。
【0072】
サーバ10は、受講者端末20bから受信した指定メンバーIDがバーチャルクラス運営情報161に登録されているか否かを確認する(ステップS45)。この確認処理では、第2のレコード情報として登録されたメンバーIDの中に、受信した指定メンバーIDと同じIDが存在するか否かが確認される。指定メンバーIDが存在されている場合は、サーバ10は、受講者端末20bから受信した指定メンバーIDおよび音声データを、意見交換音声共有ファイル162に、追加のレコード情報として登録する(ステップS46)。この追加レコード情報の登録にあたっては、制御情報として取得した情報(データ番号、グループ番号、データ区分、更新区分、データ更新日)、バーチャルクラス運営情報161から取得した情報(クラスID、情報開示範囲、情報保持期間)および受講者端末20bからの入力情報(発言メンバーID、音声データ、指定メンバーID、関連データ番号)も一緒に格納される。なお、指定メンバーIDが登録されていない場合は、サーバ10は、その旨を示すメッセージを受講者端末20bに送信して表示させる。
【0073】
追加レコード情報の登録後、サーバ10は、バーチャルクラス運営情報161から、受信した指定メンバーIDに関する第2のレコード情報を読み出し、その第2のレコード情報に含まれているメールアドレス(ここでは受講者Aが使用している受講者端末20aのメールアドレス)に意見の登録をメール通知する(ステップS47)。
【0074】
以上の処理により、受講者Bは、ログイン時に自身のメンバーIDおよびクラスIDを入力するだけで、自分宛の意見(音声データや画像データ)を自動的に入手することができる。また、その入手した意見に対する応答を登録した際には、その登録の通知が、サーバ10により、受講者Aが使用する受講者端末20aに対してメール送信またはメッセージ送信される。この通知により、受講者Aは、受講者Bからの応答の登録を単に知ることができる。
【0075】
また、サーバ10は、意見交換音声共有ファイル162およびホワイトボード共有ファイル163をクラス単位で管理しており、参加者(受講者や講師)は、自身で所持している端末からメンバーIDおよびクラスIDを入力することで、それらファイルに格納されている音声データおよび画像データを自由に閲覧することができる。これにより、意見交換や検討作業の効率が格段に向上する。
【0076】
上述した処理(図3、図4の処理)は、受講者端末間の処理であるが、教師端末と受講者端末の間においても同様な処理が行われる。よって、受講者間だけでなく、受講者と教師の間の意見交換においても、自分宛の意見の登録を簡単に把握することができる。
【0077】
また、サーバ10は、指定メンバーIDの入力のために、ログインがなされたクライアント端末(受講者端末または教師端末)に対して、当該クライアント端末を使用する参加者が参加しているクラスのメンバーIDの一覧をバーチャルクラス運営情報161から取得して送信するようにしてもよい。これにより、参加者は、自身の端末上に表示された、サーバ10からのメンバーIDの一覧から意見の相手先となる指定メンバーIDを任意に選択入力することができ、より操作性が向上する。
【0078】
さらに、サーバ10が、いずれかのクライアント端末(受講者端末および教師端末)から、音声データおよび指定メンバーIDならびに画像データを受信すると、該受信した画像データを、該画像データを区別することが可能なデータ番号と関連付けてホワイトボード共有ファイル163に格納するとともに、該受信した音声データを、該受信した指定メンバーID、データ番号およびクラスIDと関連付けて意見交換音声共有ファイル162に登録するようにしてもよい。この場合は、サーバ10は、ログイン時に受信したクラスIDおよびメンバーIDに基づいて、意見交換音声共有ファイル162から該当する音声データを読み出し、該読み出した音声データに関連付けて登録されているデータ番号に基づいてホワイトボード共有ファイル163から該当する画像データを読み出してそれぞれ、ログインがなされたクライアント端末に送信するように構成される。画像データの使用により、クラス内の参加者間での意思の疎通をより高めることが可能となる。
【0079】
以上説明した本実施形態の教育システムのサーバおよびクライアント端末(受講者端末および教師端末)における各処理は、基本的には、予め用意されているプログラムをサーバコンピュータおよびクライアントコンピュータのそれぞれが実行することで実現される。
【0080】
なお、上述した実施形態の教育システムは、本発明の一例であって、その構成および動作は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態である教育システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すサーバの主要部の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す教育システムにおいて行われる新規登録処理の動作を説明するためのフローチャート図である。
【図4】図1に示す教育システムにおいて行われる追加登録処理の動作を説明するためのフローチャート図である。
【符号の説明】
【0082】
10 サーバ
11 管理システム
12 学習システム
13 制御情報
14 汎用的教育コンテンツ
15 会社独自製作コンテンツ
16 バーチャルクラス共有情報
20 受講者端末
30 教師端末
100 通信ネットワーク
161 バーチャルクラス運営情報
162 意見交換音声共有ファイル
163 ホワイトボード共有ファイル
164 協調作業実施ワークファイル
165 検討履歴情報ファイル
166 検討成果情報共有ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の参加者により編成されるバーチャルクラス毎に各参加者が参加する教育に関する情報を管理するサーバと、
前記サーバに通信ネットワークを介して接続された、前記複数の参加者のそれぞれが使用する複数のクライアント端末とを有し、
前記複数のクライアント端末のそれぞれは、前記サーバにログインすることで、前記教育に関する情報が提供されて、前記参加者間での意見交換が可能な環境が設定されるとともに、前記意見交換において、意見に関する音声データおよび該意見の相手先に関する指定メンバーIDの入力が可能とされており、
前記サーバは、前記音声データが登録される第1のファイルと、前記参加者毎に、当該参加者を区別するためのメンバーIDと当該参加者が使用するクライアント端末に個別に設定されたアドレス情報とが関連付けられてレコード情報として予め格納された第2のファイルとを有し、前記複数のクライアント端末のいずれかの端末から、前記音声データおよび指定メンバーIDを受信すると、該受信した音声データを前記第1のファイルに登録するとともに、該受信した指定メンバーIDと合致するメンバーIDを含むレコード情報を前記第2のファイルから読み出して、該読み出したレコード情報に含まれているアドレス情報に基づいて前記音声データの登録を通知することを特徴とする教育システム。
【請求項2】
前記サーバは、前記指定メンバーIDの入力のために、ログインがなされたクライアント端末に対して、当該クライアント端末を使用する参加者が参加しているクラスのメンバーIDの一覧を前記第2のファイルから取得して送信する、請求項1に記載の教育システム。
【請求項3】
前記サーバは、前記音声データを、前記バーチャルクラスを区別することが可能なクラスIDおよび前記指定メンバーIDと関連付けて前記第1のファイルに登録するとともに、前記複数のクライアント端末のそれぞれに対して、前記ログイン時に、前記クラスIDおよびメンバーIDを要求し、該要求により受信したクラスIDおよびメンバーIDに基づいて前記第1のファイルから該当する音声データを読み出してログインがなされたクライアント端末に送信する、請求項1に記載の教育システム。
【請求項4】
前記複数のクライアント端末のそれぞれは、前記意見交換において、さらに前記意見に関する画像データの入力が可能とされており、
前記サーバは、前記画像データが登録される第3のファイルをさらに有し、前記複数のクライアント端末のいずれかの端末から、前記音声データおよび指定メンバーIDならびに画像データを受信すると、該受信した画像データを、該画像データを区別することが可能なデータ番号と関連付けて前記第3のファイルに格納するとともに、該受信した音声データを、該受信した指定メンバーID、前記データ番号およびクラスIDと関連付けて前記第1のファイルに登録し、前記ログイン時に受信したクラスIDおよびメンバーIDに基づいて前記第1のファイルから該当する音声データを読み出し、該読み出した音声データに関連付けて登録されている前記データ番号に基づいて前記第3のファイルから該当する画像データを読み出してそれぞれ前記ログインがなされたクライアント端末に送信する、請求項3に記載の教育システム。
【請求項5】
前記アドレス情報は、電子メールアドレスである、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の教育システム。
【請求項6】
複数の参加者により編成されるバーチャルクラス毎に各参加者が参加する教育に関する情報を管理するサーバであって、
通信ネットワークを介して接続された、前記複数の参加者のそれぞれが使用する複数のクライアント端末のそれぞれに対して、前記教育に関する情報を提供して前記参加者間での意見交換が可能な環境を設定するとともに、前記意見交換において、意見に関する音声データおよび該意見の相手先に関する指定メンバーIDの入力を可能とする学習システムと、
前記音声データが登録される第1のファイルと、
前記参加者毎に、当該参加者を区別するためのメンバーIDと当該参加者が使用するクライアント端末に個別に設定されたアドレス情報とが関連付けられてレコード情報として予め格納された第2のファイルと、
前記複数のクライアント端末のいずれかの端末から、前記音声データおよび指定メンバーIDを受信すると、該受信した音声データを前記第1のファイルに登録するとともに、該受信した指定メンバーIDと合致するメンバーIDを含むレコード情報を前記第2のファイルから読み出して、該読み出したレコード情報に含まれているアドレス情報に基づいて前記音声データの登録を通知する管理システムとを有するサーバ。
【請求項7】
前記学習システムは、ログインがなされたクライアント端末に対して、前記指定メンバーIDの入力のために、前記第2のファイルに登録されているメンバーIDの一覧を送信する、請求項6に記載のサーバ。
【請求項8】
前記管理システムは、前記音声データを、前記バーチャルクラスを区別することが可能なクラスIDおよび前記指定メンバーIDと関連付けて前記第1のファイルに登録するとともに、前記複数のクライアント端末のそれぞれに対して、前記ログイン時に、前記クラスIDおよびメンバーIDを要求し、該要求により受信したクラスIDおよびメンバーIDに基づいて前記第1のファイルから該当する音声データを読み出してログインがなされたクライアント端末に送信する、請求項6に記載のサーバ。
【請求項9】
前記学習システムは、前記複数のクライアント端末のそれぞれに対して、前記意見交換において、さらに前記意見に関する画像データの入力を可能とし、
前記画像データが登録される第3のファイルをさらに有し、
前記管理システムは、前記複数のクライアント端末のいずれかの端末から、前記音声データおよび指定メンバーIDならびに画像データを受信すると、該受信した画像データを、該画像データを区別することが可能なデータ番号と関連付けて前記第3のファイルに格納するとともに、該受信した音声データを、該受信した指定メンバーID、前記データ番号およびクラスIDと関連付けて前記第1のファイルに登録し、前記ログイン時に受信したクラスIDおよびメンバーIDに基づいて前記第1のファイルから該当する音声データを読み出し、該読み出した音声データに関連付けて登録されている前記データ番号に基づいて前記第3のファイルから該当する画像データを読み出してそれぞれ前記ログインがなされたクライアント端末に送信する、請求項8に記載のサーバ。
【請求項10】
前記アドレス情報は、電子メールアドレスである、請求項6乃至9のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項11】
複数の参加者により編成されるバーチャルクラス毎に各参加者が参加する教育に関する情報を管理するサーバにおいて行われる、通信ネットワークを利用した学習方法であって、
前記通信ネットワークを介して接続された、前記複数の参加者のそれぞれが使用する複数のクライアント端末のそれぞれに対して、前記教育に関する情報を提供して前記参加者間での意見交換が可能な環境を設定するとともに、前記意見交換において、意見に関する音声データおよび該意見の相手先に関する指定メンバーIDの入力を可能とする第1のステップと、
前記複数のクライアント端末のいずれかの端末から、前記音声データおよび指定メンバーIDを受信すると、該受信した音声データを第1のファイルに登録する第2のステップと、
前記参加者毎に、当該参加者を区別するためのメンバーIDと当該参加者が使用するクライアント端末に個別に設定されたアドレス情報とが関連付けられてレコード情報として予め格納された第2のファイルから、前記受信した指定メンバーIDと合致するメンバーIDを含むレコード情報を読み出す第3のステップと、
前記読み出したレコード情報に含まれているアドレス情報に基づいて前記音声データの登録を通知する第4のステップとを含む学習方法。
【請求項12】
前記第1のステップは、ログインがなされたクライアント端末に対して、前記指定メンバーIDの入力のために、前記第2のファイルに登録されているメンバーIDの一覧を送信するステップを含む、請求項11に記載の学習方法。
【請求項13】
前記第2のステップは、前記音声データを、前記バーチャルクラスを区別することが可能なクラスIDおよび前記指定メンバーIDと関連付けて前記第1のファイルに登録するステップを含み、
前記複数のクライアント端末のそれぞれに対して、前記ログイン時に、前記クラスIDおよびメンバーIDを要求し、該要求により受信したクラスIDおよびメンバーIDに基づいて前記第1のファイルから該当する音声データを読み出してログインがなされたクライアント端末に送信するステップをさらに含む、請求項11に記載の学習方法。
【請求項14】
前記第1のステップは、前記複数のクライアント端末のそれぞれに対して、前記意見交換において、さらに前記意見に関する画像データの入力を可能とするステップを含み、
前記複数のクライアント端末のいずれかの端末から、前記音声データおよび指定メンバーIDならびに画像データを受信するステップと、
前記受信した画像データを、該画像データを区別することが可能なデータ番号と関連付けて第3のファイルに格納するステップと、
前記受信した音声データを、前記受信した指定メンバーID、前記データ番号およびクラスIDと関連付けて前記第1のファイルに登録するステップと、
前記ログイン時に受信したクラスIDおよびメンバーIDに基づいて前記第1のファイルから該当する音声データを読み出すステップと、
前記読み出した音声データに関連付けて登録されている前記データ番号に基づいて前記第3のファイルから該当する画像データを読み出すステップと、
前記読み出した音声データおよび画像データを前記ログインがなされたクライアント端末に送信するステップとをさらに含む、請求項13に記載の学習方法。
【請求項15】
前記アドレス情報は、電子メールアドレスである、請求項11乃至14のいずれか1項に記載の学習方法。
【請求項16】
複数の参加者により編成されるバーチャルクラス毎に各参加者が参加する教育に関する情報を管理するサーバコンピュータにおいて用いられるプログラムであって、
通信ネットワークを介して接続された、前記複数の参加者のそれぞれが使用する複数のクライアント端末のそれぞれに対して、前記教育に関する情報を提供して前記参加者間での意見交換が可能な環境を設定するとともに、前記意見交換において、意見に関する音声データおよび該意見の相手先に関する指定メンバーIDの入力を可能とする処理と、
前記複数のクライアント端末のいずれかの端末から、前記音声データおよび指定メンバーIDを受信すると、該受信した音声データを第1のファイルに登録する処理と、
前記参加者毎に、当該参加者を区別するためのメンバーIDと当該参加者が使用するクライアント端末に個別に設定されたアドレス情報とが関連付けられてレコード情報として予め格納された第2のファイルから、前記受信した指定メンバーIDと合致するメンバーIDを含むレコード情報を読み出す処理と、
前記読み出したレコード情報に含まれているアドレス情報に基づいて前記音声データの登録を通知する処理とを前記サーバコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−31600(P2006−31600A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−212870(P2004−212870)
【出願日】平成16年7月21日(2004.7.21)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】