説明

散布機

【課題】車速に連動して、しかも左右の散布ブームから均等に粒状物が実際に噴出される肥料等の粉粒物散布装置を備えた散布機を提供することである。
【解決手段】回転することで肥料などを繰り出す左右一対の繰出ロール20をそれぞれに駆動モータ25で、それぞれ独立して駆動させて肥料などを機体左右方向に伸びた噴管14から圃場に散布し、左右の噴管14の先端に設けた肥料検出センサ27と車速センサ37の各検出信号に基づき、左右それぞれの噴管14の送風量を自動制御装置15で適正に制御する散布機である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、タンクに収容された粒状肥料や除草剤等の粉粒物を繰出装置で繰り出しながら、噴管によって圃場に散布する肥料等の散布装置を備えた散布機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行機体上に設けた左右一対のタンクから繰出装置を経由してそれぞれ所定量の散布用の粉粒物を送風により左右の散布ブームから圃場に散布する肥料等散布装置を備えた散布機が知られている。
【0003】
特許文献1記載の発明は、走行機体の走行車速に応じて送風装置による送風により、左右の一対の通気筒に向けて均等に粒状物を供給し、それぞれの通気筒から左右の散布ブームに向けて粒状物を供給する構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−212086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1記載の発明では、車速に連動して繰出ロールの回転数を制御しているので、車速に応じて左右の散布ブームから均等に粒状物が圃場に噴出される構成である。しかし、通気筒内における粒状物の状態などによっては、左右の散布ブームから均等に粒状物が実際に噴出されているかどうかは分からなく、左右均等でないこともあった。
【0006】
そこで本発明の課題は、車速に連動して、しかも左右の散布ブームから均等に粒状物が実際に噴出される肥料等の粉粒物散布装置を備えた散布機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記本発明の課題を解決するために次のような解決手段を採用する。
すなわち、請求項1記載の発明は、粉粒体タンク(10)と、該粉粒体タンク(10)内の粉粒物を回転することで繰り出す繰出ロール(20)と該繰出ロール(20)を駆動する駆動モータ(25)と繰出ロール(20)から繰り出された粉粒物に搬送風を送る送風装置(12)と、該送風装置(12)からの搬送用の空気を流す通気筒(30)と該通気筒(30)から機体左右方向に伸びた粉粒物噴管(14)をそれぞれ機体の前進方向に向かって左右一対ずつ設けた粉粒物散布装置(1)と、機体の走行速度を検出する車速センサ(37)とを備えた散布機において、左右の粉粒物噴管(14)の送風量を変更する送風量変更手段(23,26,38)を左右の通気筒(30)にそれぞれ設け、また、左右の粉粒物噴管(14)の先端に粉粒物検出センサ(27)をそれぞれ設け、左右一対の繰出ロール(20)は左右一対の駆動モータ(25)によりそれぞれ独立して駆動し、各繰出ロール(20)の回転数を、設定粉粒物散布量、車速から算出して、それぞれ対応する駆動モータ(25)の回転制御をし、少なくとも粉粒物検出センサ(27)と車速センサ(37)の各検出信号に基づき、左右それぞれの粉粒物噴管(14)の送風量を送風量変更手段(23,26,38)により適正に制御する自動制御装置(15)を設けたことを特徴とする散布機である。
【0008】
請求項2記載の発明は、自動制御装置(15)は、旋回時に旋回内側の粉粒物噴管(14)の送風量を車速センサ(37)により検出される車速に応じて送風量変更手段(23,26,38)により所定値に制御することを特徴とする請求項1記載の散布機である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、左右一対の繰出ロール20の回転数を、設定粉粒物散布量、車速から算出して、それぞれ対応する駆動モータ25の回転をそれぞれ独立して制御し、少なくとも粉粒物検出センサ27と車速センサ37の各検出信号に基づき、左右それぞれの粉粒物噴管14の送風量を送風量変更手段23,26,38により適正に自動制御装置15で制御する。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、散布機1が旋回する時には旋回内側の粉粒物噴管14の送風量を車速センサ37により検出される車速に応じて送風量変更手段23,26,38により所定値に制御することで、旋回時も散布状態を良好にできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による肥料等散布装置を搭載した散布機の平面図である。
【図2】図1の肥料等散布装置を搭載した散布機の側面図である。
【図3】図1の肥料等散布装置の左右一対のタンクの背面図(図3(イ))と平面図(一部繰出部断面視図)(図3(ロ))と斜視図(図3(ハ))である。
【図4】図1の肥料等散布装置を搭載した散布機の背面図である。
【図5】本発明の肥料散布装置を搭載した散布機の制御ブロック図である。
【図6】図6(a)は図1の肥料等散布装置の送風機構部の側面図、図6(b)は送風機構部の平面図を示し、図6(c)は通風筒30L,30Rの断面方向を見た図である。
【図7】図1の散布機の肥料等散布装置の肥料検出センサによる肥料の噴出量の検出出力とその検出時間経過の関係を示す図である。
【図8】図1の散布機の肥料等散布装置の第2噴管の先端における肥料の飛散距離とシャッタの開度の関係を示す図である。
【図9】図1の散布機の肥料等散布装置の通気筒の内部における円盤状のシャッタの開度θを示す図である。
【図10】図1の散布機の肥料等散布装置の左右の第2噴管の送風量をシャッタ駆動モータの駆動量を調節して行う左右の風量バランスの自動調整のフローチャートである。
【図11】図1の散布機の旋回時の制御のフローチャートである。
【図12】図1の散布機の肥料等散布装置の左右の第2噴管の送風量を個別にシャッタ駆動モータの駆動量を調節して行う自動調整のフローチャートである。
【図13】図1の散布機の肥料等散布装置の風量調節用レバーのレバーガイド(図13(a))と風量調節用レバーをセットする複数の溝を有する操作盤の平面図(図13(b))である。
【図14】図1の散布機の肥料等散布装置の送風装置による送風量の送風量調節ダイヤルの平面図(図14(a))と風量がオペレータの設定と予め設定している値が大きく異なるときは警報出力を行うフローチャート(図14(b))と風量を電気信号で変更可能とするとき設定領域を区別して表示する送風量調節ダイヤルの平面図(図14(c))である。
【図15】図1の肥料等散布装置を搭載した散布機のGPS受信機と本機コントローラの制御ブロック図である。
【図16】図1の肥料等散布装置の肥料散布制御のフローチャートである。
【図17】図1の肥料等散布装置を搭載した散布機の肥料散布制御のフローチャートである。
【図18】図1の肥料等散布装置を搭載した散布機の肥料散布制御のフローチャートである。
【図19】図1の肥料等散布装置を搭載した散布機の肥料散布制御のフローチャートである。
【図20】図1の肥料等散布装置を搭載した散布機の肥料散布制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づいてこの発明の実施態様について説明する。
まず、図1の平面図と図2の側面図に示すように、粒状物散布装置1(以下、粒状物として肥料を例に説明するので肥料等散布装置ということがある)を搭載した散布機2の前部にエンジン3を搭載し、エンジン回転を適宜に変速して前後車輪4,5を伝動する散布機2の機体の後部には、左右一対の肥料タンク10,10を装着する。上記粒状物散布装置1は、該肥料タンク10、繰出装置11、送風装置12、第1噴管13、第2噴管(ブーム)14、制御部15(図5)等からなる。但し図2には第2噴管14の図示を省略している。
【0013】
図3に左右一対の肥料タンク10,10の背面図(図3(イ))と平面図(一部繰出部断面視図)(図3(ロ))と斜視図(図3(ハ))を示す。また、図4には粒状施肥装置を装着した散布機2の肥料タンク10と送風装置12を省略した背面図を示す。前記一対の肥料タンク10,10のそれぞれに該肥料タンク10から所定量の散布粒剤を繰出す繰出装置11が設けられる。繰出装置11は複数形態のロール20をロール駆動軸21に構成する公知の構成であり、繰出凹部を同じ容量として周方向に複数形成している。第1ロール20a及び第2ロール20bは軸長が長く、第3ロール20c及び第4ロール20dは軸長が短い構成としている。
【0014】
そして、ロール駆動軸21が正転駆動するときは、ワンウェイクラッチ22,22の連動作用をもって第1,第4ロール20a,20dが駆動されるため、第1〜第4ロール20a〜20dの全部が駆動される構成である。逆にロール駆動軸21が逆転駆動するときは、第1,第4ロール20a,20dは停止し、第2ロール20b,又は第3ロール20cが駆動される。
【0015】
一方、前記肥料タンク10内は平面視コ型の仕切壁10aを備え、繰出装置11の第1ロール20a及び第2ロール20bに対応する区画A(図3(ハ))と第3ロール20c及び第4ロール20dに対応する区画B(図3(ハ))とに前記仕切壁10aで区分される構成となっている。区画Aは一般的な施肥粒剤用として、区画Bは少量散布が要求される除草剤用として使用されるよう設けられている。従って、ロール駆動軸21が正転するときは、第1ロール20a及び第2ロール20bが回転連動し区画Aの粒剤が多量繰出状態とされ、逆転するときは区画Aの第2ロール20bのみの繰出し状態となる。なお、区画Bに除草剤を投入するときは、この正逆で繰出量が異なり特に逆転連動によって第3ロール20cのみの少量散布がなされる。
左右一対のロール駆動軸21,21はそれぞれに設けられたロール駆動モータ25L,25Rにて独立して駆動回転される構成であり、これらモータ25L,25Rは正・逆転切り替え連動する構成である。
【0016】
前記一対の繰出装置11,11の下方には機体進行方向に対して後側が互いに斜め内向きに延長された通気筒30,30をのぞませ、該通気筒30,30の連設部は送風装置12を備えた送風筒31(図2)に連通されている。そして各通気筒30,30の下流側他端、即ち機体前方側は第1噴管13に連通接続される構成である。
【0017】
上記送風装置12は、散布機2のPTO軸32に電磁クラッチ12bを介して連動する送風ファン12aによって構成され、その噴風は前記送風筒31を経由して通気筒30に入り繰出肥料を気流に乗せて移送し第1噴管13,13に至る構成である。
【0018】
前記左右各第1噴管13は、前記肥料タンク10と散布機2機体の上部に設ける搭乗者用シート33との間の空間部に、筒状の軸芯が平面視において機体進行方向に対し外向きに傾斜するよう前記通気筒30に接続されており、左右それぞれの第1噴管13には蛇腹管40を介して屈曲自在に第2噴管14を接続する。
【0019】
即ち、蛇腹管40の先端に筒体42を設け、該筒体42はアーム体43を介して縦支軸44周りに回動自在に構成され、該アーム体43と機枠側から横に張り出して設ける支持ブラケット34との間に電動式の伸縮シリンダ45を介在し、電動モータ46の正転による短縮によって第2噴管14を作業姿勢となるよう横向きに拡げ、逆転による伸び出しによって第2噴管14を機体に沿う状態に収納する構成である。電動式伸縮シリンダ45による縦支軸44回りの回動支点を支持するブラケット35が機体に設けられている。
【0020】
電動モータ46の逆転に伴い、第2噴管(ブーム)14を機体に沿う状態に収納したとき、縦支軸44回りの回動支点が機体側に接近する位置に配置することによって、収納状態の第2噴管14を機体側に接近させることができるので、平面視において、機体側に設ける昇降ステップ36の内側に収納することができ、収納時の機体への昇降が容易である。
【0021】
なお、電動式伸縮シリンダ45や電動モータ46は後輪5と肥料タンク10との間に配設されている。走行中泥土が跳ね上げられるが、後輪5の内側に位置するため跳ね上げ箇所から回避でき電動式伸縮シリンダ45や電動モータ46への泥土付着による弊害を生じ難い。
【0022】
上記筒体42には横支軸47を設け、第2噴管(ブーム)14はこの横支軸47を介して連結されていて、上記収納姿勢への動きのほか、該横支軸47周りに回動させることによって上下に回動し得る構成である。即ち、左右それぞれの第1噴管13,13に立設するマスト部18,18(図4)と第2噴管14L,14Rとの間に、電動式伸縮シリンダ48L,48Rを設け、該伸縮シリンダ48の伸縮に基づき第2噴管14が本機に対して該横支軸47の回りに上下回動できローリング作動しうる構成である。
【0023】
また、手元の図外の操作レバーの操作に基づき左側又は右側の第2噴管14L,14Rを垂直姿勢(非作業姿勢)又は水平姿勢(作業姿勢)に切り替えることができる。前記第2噴管14には所定間隔毎に所定口径の噴口50,50…を形成している。
【0024】
次に上記構成の肥料散布装置1の施肥用制御部15について説明する。
図5の制御ブロック図に示すように、施肥用制御部15(本機コントローラ19に接続されている。)は、ロール駆動モータ25L,25Rのそれぞれに散布スイッチ51(機能は後述する。)の操作情報、ファンスイッチ52による送風ファン12aの駆動情報、前記肥料タンク10に設ける残量センサ54の検出信号等を入力する一方、ロール駆動モータ25L,25Rのそれぞれへモータ回転出力パルス信号、モータ回転方向切替信号等を出力する。
【0025】
なお、散布スイッチ51がONすると、車速の有無に関係なく、左右のモータ25L,25Rの回転出力パルスを予め設定した最低回転数で駆動し、しばらく経って正規に車速が入力されるようになるとモータ回転は車速に連動するよう回転制御される。従って、作業開始時に停止状態であっても少量の散布が行えて無散布区間をなくすことができる。上記施肥用制御部15は散布機2の本機コントローラ19(図15)に接続され、後述のGPS速度データや車速センサ37からの速度データを受信できる構成としている。
【0026】
また、施肥用制御部15は、操作パネル9に配設するスイッチ類の情報を入力する。図5の制御ブロックで示すが、操作パネル9における液晶表示部56の近傍には、可変スイッチ57、施肥設定スイッチ58、増・減スイッチ59U,59D、累計リセットスイッチ60を配設し、これらの操作スイッチ信号は施肥用制御部15に入力される構成である。なお、液晶表示部56の表示内容は、施肥剤(又は除草剤)の散布に関する施肥量設定値、比重値、メモリー値、累計値をそれぞれ表示でき、表示切換スイッチ61のオン操作で順次切換表示すべく出力される。
【0027】
施肥用制御部15への入力により自動(制御)モードが作動する。即ち、キースイッチ62(図5)をオンすると共に前記散布スイッチ51をオンすると自動モードに入る。この自動モードは、単位面積当たりの施肥量が一定になるよう、施肥量設定値および車速に対応して繰出装置11のロール20を駆動する前記ロール駆動モータ25L,25Rそれぞれにモータ回転出力パルス(ロール駆動モータ25の回転信号)を出力する構成である。
【0028】
作業開始前に施肥設定スイッチ58をオンして現在設定の施肥量(反当り施肥量(kg))を表示させ、これからの作業に見合う施肥量であるか否か確認し、相違するときは増スイッチ59U又は減スイッチ59Dによって1kg単位で変更し、再度施肥設定スイッチ58を所定時間以上(例えば2秒以上)オンするとその値A(kg)が記憶される。
【0029】
次いで比重設定を行なう。表示切換スイッチ61をオンして「比重」を選択すると、現在の設定値が表示される。これからの作業に見合う比重値であるか否か確認し、相違するときは増スイッチ59U又は減スイッチ59Dによって0.01単位で変更し、再度施肥設定スイッチ58を所定時間以上(例えば2秒以上)オンするとその値D(g/cm3)が記憶される。
その後施肥用制御部15は、車速データを取り込みながら設定施肥量を散布するに必要な繰出装置11の繰出量制御を行う構成である。繰出量の増減制御は肥料散布量算出手段17により繰出ロール20の回転数を制御して行う。
【0030】
左ブーム散布レバー53Lと右ブーム散布レバー53Rにより、それぞれ左右の第2噴管14L,14Rが肥料又は除草剤の散布を行うために各第2噴管14L,14Rを肥料(又は除草剤)の散布すべき位置に移動させる。
【0031】
前記図3の繰出装置11は、第1、第2の大ロール20a,20b、及び第3、第4の小ロール20c,20dからなり、通気筒30内における粉粒状物の繰出性の向上を図った改良構成を示すものである。すなわち、大ロール20a,20bと小ロール20c,20dによる散布を同時に行うことが可能であるが、このとき、肥料タンク10内の仕切壁10a内(図3(ハ)の区画B)に少量散布の除草剤を充填し、肥料タンク10(図3(ハ)の区画A)には大量散布の肥料を充填する。除草剤は比重が大で重く、大量散布の肥料は比較的比重の軽い成分からなっているため、通気筒30内における送風搬送の先側に除草剤を繰出させ、後側に肥料を繰出すように構成している。このように構成することにより詰りを少なくすることができる。
【0032】
以下本実施例の左右の第2噴管14L,14Rに送る風量の調節について説明する。
図6(a)には送風機構部の側面図、図6(b)には送風機構部の平面図を示し、図6(c)に通風筒30L,30Rの断面方向を見た図を示す。
本実施例の送風ファン12による送風は通気筒30L,30Rを通り、第1噴管13L,13Rを経由して第2噴管14L,14Rに送られる。通気筒30L,30R内にはシャッタ23L,23Rが設けられており、該シャッタ23L,23Rはシャッタ駆動モータ26L,26Rでそれぞれ通気筒30L,30Rの送風路の開度を変更出来る。なお、シャッタ23L,23Rの傾斜角度(通気筒30L,30Rの送風路の開度)はシャッタ駆動モータ26L,26Rの回動軸にそれぞれ設けたポテンショメータからなる開度検出センサ38L,38Rで検出出来る。なお、送風ファン12の動力は散布機2のPTO駆動軸32から取る。
【0033】
また第2噴管14L,14Rの先端部には肥料を圃場に向けて拡散しながら散布するための拡散板28L,28Rが配置されている。拡散板28L,28Rの内側の第2噴管14L,14Rから噴出する肥料(肥料に限らず、薬剤などの散布剤でもよい)が当たる面には肥料検出センサ27L,27Rが設けられており、肥料が衝突する衝撃力の大小を単位時間毎に検出することにより、肥料検出センサ27L,27Rにより肥料の散布状態(例えば、肥料噴出量)を検出することができる。
【0034】
本実施例の車速に連動して繰出ロール20の回転数を制御する車速連動散布装置において、適切な繰出ロール20の回転数を施肥設定スイッチ58による設定施肥量と車速センサ37による車速、比重設定スイッチ29で設定した肥料の比重及び散布幅設定スイッチ39で設定した散布幅設定値(例えば10m、15mなど)から算出して求め、左右の繰出ロール20を個別にロール駆動モータ25L,25Rで駆動して回転数制御を行う。
【0035】
なお、繰出ロール20の回転数を施肥設定スイッチ58による設定施肥量と車速センサ37による車速の他に散布幅設定スイッチ39で設定できる散布幅設定値(例えば「10m」、「15m」など)などに基づいて算出しても良い。ここで、「10m」は左右散布幅が凡そ10mである噴管長さの仕様であることを意味し、「15m」は左右散布幅が凡そ15mである噴管長さの仕様であることを意味する。
【0036】
前記繰出ロール20の回転数Rb(min-1)は次のようにして算出する。
なお、このときはロール回転数Rbの制御は設定施肥量Aと車速Sだけでなく、比重値D、散布幅W、繰出ロール容積Cも算入した場合の計算式を示す。
まず、設定施肥量A(kg/10a)と比重値D(g/cm)の設定の後、車速信号を入力して、
A=1000×{2×(C×D/1000)×Rb}/(60×W×S)
=(2×C×D×Rb)/(60×W×S)
を算出する。ここで、Wは散布幅(m)、Sは作業速度(車速)(m/sec)、Cはロール容積(cm3/rev)を示す。
【0037】
従って、ロール回転数Rbは、
Rb=(A×60×W×S)/(2×C×D)
=(A×W×S×30)/(C×D)
によって算出される。
【0038】
このとき、ロール駆動モータ25L,25Rの回転数に応じて左右の第2噴管14L,14Rの送風量をそれぞれ通気筒30L,30Rに設けたシャッタ駆動モータ26L,26Rの駆動量によりシャッタ23L,23Rの開度調節で制御する。さらに第2噴管14L,14Rの先端に設けた肥料検出センサ27L,27Rへの衝撃により肥料の単位時間当たりの噴出量を検出し、その検出信号に基づき、シャッタ駆動モータ26L,26Rの駆動量によりそれぞれ通気筒30L,30Rの送風路の開度を変更して、左右それぞれの第2噴管14L,14Rにおける風量を適正に自動制御する。このように、肥料検出センサ27L,27Rの検出に基づいてシャッタ23L,23Rを微調整して左右の第2噴管14L,14R出口の送風量のバランスを適正な値に自動調整できる。
なおシャッタ23L,23Rの開度は開度検出センサ(ポテンショメータ)38L,38Rで行う。
【0039】
図7は肥料検出センサ27L,27Rによる肥料の噴出量の検出出力とその検出時間経過の関係を示す図であり、シャッタ駆動モータ26L,26Rの駆動量を調節すると肥料検出センサ27による肥料の単位時間当たりの噴出量の検出出力が基準値(X)近くで安定化する。
【0040】
また、図8には第2噴管14L,14Rの先端における肥料の飛散距離とシャッタ23L,23Rの開度θ(θの値がゼロのときは通気筒30L,30R内部の送風方向に並行な場合)の関係を示し、図9には通気筒30L,30Rの内部における円盤状の送風調節弁(シャッタ)23L,23Rの開度θを示す。なお、図8における肥料の飛散範囲は第2噴管14L,14Rの先端からの距離(ΔL)と送風装置12の中央部からの距離(L1)との和(ΔL+L1)であり、これを肥料散布幅ということがある。
【0041】
図10には左右の第2噴管14L,14Rへの送風量をシャッタ駆動モータ26L,26Rの駆動量を調節して行う左右の風量バランスの自動調整のフローチャートを示す。
なお、ロール駆動モータ25L,25Rは左右の通風筒30L,30Rにそれぞれ別個に設けている。
【0042】
散布機2が旋回する時にはハンドル7の操舵角センサ55により検出される操舵角に応じて旋回内側の第2噴管14L又は14Rに送る風量を所定値に制御する。この場合は旋回内側の繰出ロール20L又は20Rの回転数も旋回外側の繰出ロールに比べて所定値に下げる。この場合の制御を図11のフローチャートで示す。こうして旋回時も散布状態を良好にできる。なお、左旋回時には左ロールの回転数は散布機の直進時に対応する右ロールの回転数に比べて所定比率(K)だけ小さくする。
【0043】
左右の第2噴管14L,14Rごとに風量を調節する機構として、左右の繰出ロール毎に個別にロール駆動モータ25L,25Rの回転数制御を行い、同時に左右の第2噴管14L,14Rごとのシャッタ(風量調節シャッタ)23L,23Rの開度θを調節することで左右のロール回転数に合わせた適切な風量で肥料を散布できる。この場合の制御を図12のフローチャートで示す。
【0044】
図13(a)に示す数の溝のある風量調節用レバー69のレバーガイド70に設け、散布幅により風量調節用レバー69を操作盤の複数の溝の中の適切な溝に手動でセットして図13(b)の概念図に示すように操作盤とシャッタ23L,23Rをワイヤで接続してシャッタ23L,23Rの開度を変えることで風量調節を行うことができる。
【0045】
ブロア12からの風量は変わらない。従って設定施肥量や比重によって第2噴管14L,14Rの先端からの肥料飛散距離が変わり、所定の散布幅を得られなかったり、あるいは所定以上に飛散して肥料の無駄を生じる。
このため、通気筒30L,30R内に円盤状の送風量調節シャッタ23L,23Rを通気筒30L,30Rを横断する方向の縦軸周りに回動調節自在に設け、手動風量調節用レバー69をシャッタ23L,23Rの縦軸に連結し、手動風量調節用レバー69の操作によりシャッタ23L,23Rを連動して通気筒30L,30R内を通過する送風量を調節する。これによって設定施肥量、比重が異なっても飛散距離を安定して噴出できる。
【0046】
図13(a)に示すように風量調節用レバー69を案内するレバ−ガイド70には、複数の位置決め溝を備えている。散布量と比重の組み合わせで適正なレバー位置を予め設定しておく。
【0047】
このように構成すると、送風過剰や送風不足を来すことなく適正な送風状態を得ることができる。さらに、レバー69のレバーガイド70の左右に複数段階の位置決め溝群を備える。そして、前記散布幅「10m」仕様と同「15m」仕様とで左右の位置決め溝をレバー操作方向にずらせて配置している。このようにレバー69のセット位置を「10m」仕様と「15m」仕様とで異ならせて配置することにより、一目して風量の強弱を判別できるようにした。また送風量調節ダイヤル24(図5)を設けているので、肥料散布設定幅に応じて、送風量調節ダイヤル24の設定領域を区別できる。
【0048】
また、図14(a)に示すように送風装置12による送風量を電気信号で変換可能とするために、送風量調節ダイヤル24を設けて手動で無段階に風量を変更可能としてもよい。
【0049】
これは設定施肥量、比重、肥料種類等により肥料(散布剤)の散布距離および分布状態を適正にする風量が異なり、段階的な切換では性能向上が難しいので、送風量を電気信号で変換可能にして無段階に風量を変更しようとするものであり、肥料(散布剤)に応じて適切な風量とすることができ、散布性能が従来より向上する。
【0050】
肥料を搬送する送風ファン12aの動力は散布機のPTO駆動軸32からとり、施肥量設定値に基づき、散布機2の車速に応じて繰出し用モータ25の回転速度(回転数)を変更すると共に、送風量調節ダイヤル24の設定値により風量調節シャッタ23の開度検出センサ38(ポテンショメータ)の値を決めて、その値になるようにシャッタ駆動モータ26の出力をオンにする。
【0051】
また、風量を電気信号で変更可能とする場合に、風量がオペレータの設定と予め設定している値が大きく異なるときは警報出力を行うようにすることができる。そのフローチャートを図14(b)に示す。
【0052】
また、図14(c)に示すように風量を電気信号で変更可能とするとき、送風量調節ダイヤル24の設定領域を区別して表示することもできる。肥料(散布剤)の散布幅によってダイヤル24の設定領域を区別して表示する構成とすることで、肥料(散布剤)の設定施肥量、比重、肥料種類等により散布距離および分布状態の適正風量が異なっても、送風量調節ダイヤル24の設定領域を区別して表示するため適正風量の調節が行いやすくなるとともに、誤設定が少なくなり散布性能が従来より向上する。
【0053】
また、図15に示すように、散布機2の前記本機コントローラ19にはGPS受信機67が接続される。該GPS受信機67は、複数のGPS衛星からの信号を受信し、散布機2の現在位置データとして記憶すると共に、時計回路で計測する所定時間毎に現在位置データを更新しながら移動距離を算出し、該時計回路による所定時間おきに速度、即ち車速を本機コントローラ19にある車速算出手段16により算出する構成とすることができる。
【0054】
散布機2に搭載して車速に連動して肥料を散布する肥料散布装置1において、設定施肥量と車速、散布剤の比重、散布幅設定、繰り出し用のロール20の単位吐出量等によりロール20の回転数を計算し、該ロール20a〜20dを左右に2セット設け、それぞれのロール20a〜20dを個別にモータ25L,Rで駆動して回転数制御を行うとき、散布機2には、GPS受信機67と車速センサ37を搭載し、施肥装置の施肥制御部15と前記本機コントローラ19とを接続することによって、GPS受信機67から得られる速度情報を車速算出手段16により車速としてロール回転数の計算に使用し、走行開始時にGPSからの速度情報が得られるまでは車速センサ37からの信号により車速を計算して使用する構成とする。
【0055】
なお、前記GPS受信機67はGPSからの車両速度情報と位置情報を得ることができる。このとき、第2噴管(ブーム)14を左右に広げて肥料などの散布を行うが、肥料などを搬送する送風ファン12aの動力は散布機2のPTO軸32からとり、施肥量設定値に基づき、散布機2の車速に応じて肥料繰り出し用のモータ25の回転速度(回転数)を変更する。
【0056】
前記肥料散布中にGPS受信機67からの車速データが得られないときは、車体のミッションケース内の走行伝動軸に組み込むギヤの歯数カウントにより車速パルスを出力する車速センサ37の該パルス出力を読み込んで車速計算を行い、その車速をロール回転数計算に使用する。
【0057】
また、GPS位置情報から速度計算ができるようになると、車速センサ37で得られる車速を補正し、該補正値(VS’)を次式から求め、前記GPSからの速度情報で得られた車速として用いる。
VS’=N×K×(1−VS/VG)
ここで、N:車輪の回転数、K:係数、VS:車速センサ37での車速測定値(平均値)、VG:GPSで得られる車速である。
なお、ここで(1−VS/VG)は車輪が回っているが肥料散布装置1が前に進まないスリップ状態を表し、(1−VS/VG)×100をスリップ率とする。
【0058】
図16に以上の場合の車速制御時の肥料の繰り出しモータ25の回転出力制御のためのフローチャートを示す。また、図16等のフローチャートで「ロール判定」とあるのは設定した施肥量に応じて肥料の繰出量を変化させるために、図3のロール20a〜20dのうちのどれを使用するかを予め決めているので、それを識別するステップである。
【0059】
こうして、肥料などの散布途中でGPSからの車速データが得られなくなっても、GPS受信機67が捉えてGPS位置情報から速度計算ができるまでの間は、肥料散布スイッチ51がオンとなると、すぐに車速センサ37の測定値に基づき肥料の散布作業を行うことができる。
また、前記GPS受信機67からの車速データから得られる平均値と車速センサ37から得られる車速データの平均値を比較して補正係数(スリップ率)を求めて、その補正係数に基づいて補正車速を計算し、その車速でロール回転数を精度高く制御できる。
【0060】
なお、一定時間が経過してもGPSから車速情報が得られない時はブザー63で異常警報を出力する構成とする。
また、肥料の散布中にGPSからの車速情報が得られなくなった場合は、制御装置15のメモリに記憶している前回までの車速データを読み出し、該車速データに基づき繰り出しロール20の回転数を計算することで、肥料散布途中にGPSからの速度情報が得られなくなった場合でも作業を継続することが可能になる。
なお、前記前回までの車速データとは、肥料散布中にGPS受信機67からの速度情報から車速を計算したときの車速をメモリ内に保存しておいた車速データである。
【0061】
また、GPSからの車速情報を前記メモリに記憶しておき、GPSからの速度情報が得られないときの車速センサ37からの計算車速を補正する構成としても良い。この場合も、肥料散布途中にGPSからの速度情報が得られなくなっても肥料の散布作業を継続することが可能になり、かつ記憶しているGPS速度情報で車速パルスからの計算速度を補正することで速度の精度が向上する。
【0062】
なお、GPSからの速度情報が得られるようになると、当然、このGPSからの車速データを加味して補正した車速を求める。図17にこの場合の車速制御時の肥料の繰り出しモータ25の回転出力制御のためのフローチャートを示す。
【0063】
前記のように、(1−VS/VG)×100で得られるスリップ率を基に車速計算を行い、車速センサ37による車速計算時に、そのスリップ率を使用して車速計算を行う構成とすると、高精度の車速を算出できる。
【0064】
なお、スリップ率は、一定時間毎にGPSからの速度情報の平均値(VGA)と車速パルスからの車速測定値(VS)から算出し、その値で車速センサ37からの計算速度を補正することでより精度の高い車速が得られる。図18にスリップ率を求めた後に肥料繰り出し用のロール20のモータ回転出力を算出するフローチャートを示す。
【0065】
このように、GPS速度情報からの速度をそのまま使用しないため、廉価なGPS受信機67で構成可能になり、またGPS速度情報が検出できないときや誤差変動の影響を少なくすることができる。
【0066】
また、前記スリップ率が一定値(例えば20%)以上になった時は、該一定値に置き換えて車速計算を行う。これは、スリップ率が大きく、速度変化(車速遅くなる)してしまうので、車速に比例する肥料の散布量が適正でなくなる。そのため、スリップ率に制限をかけることにより、大きな速度変化を抑えて、ロール回転数の大きな変動を抑えることができる。
【0067】
また、前記スリップ率を考慮して肥料散布をしている途中でGPSからの車速情報が得られなくなったときはブザー63で警報を発して予め決めているスリップ率で車速を求め、該車速に基づき施肥量を決める。図19に、この場合の車速制御時の肥料繰出用のモータ25の回転出力制御のためのフローチャートを示す。
【0068】
また、肥料散布をしている途中でもGPSからの車速情報は得られるが、一定時間以上車速センサ37からの信号が得られなくなったときは車速センサ37が異常である旨の警報を発してオペレータにブザー63で異常を知らせ、該GPSから得られた車速に基づき施肥量を決める。図20にこの場合の車速制御時の肥料の繰り出しモータ25の回転出力制御のためのフローチャートを示す。図20のフローに示すように、車速センサ37に故障があると、それ以後はスリップ率を計算しないで車速を求める。
【0069】
前記図19,図20に示すフローではブザー63で警報を発することで、オペレータは異常を知ることができるので、それ以降の肥料散布作業状態を知り、その対策を講ずることができる。
【0070】
従来からこの種の散布機2では、車速に連動して繰出ロール20の回転数を制御している。例えば下限回転10rpm(モータ回転数200rpm)〜上限回転80rpm(モータ回転数1600rpm)の範囲で繰出ロール20の回転数を設定しているが、算出した繰出ロール回転数が、この下限回転数以下(例えば8rpm)であったり、上限回転数以上(例えば85rpm)になると、前記下限回転数または前記上限回転数で作業を行うことで繰出ロール20の回転が不安定にならないようにしている。また同時にインジケータには警報出力とともに車速を上げ、又は下げを促す表示をしている。
【0071】
そこで、本実施例では繰出ロール20を駆動するロール駆動モータ25の制御可能な設定回転数の上限値を超えた場合には自動的に車速を減速し、該ロール駆動モータ25の制御可能な回転数の範囲内に入るように車速を減速制御する構成として適正な肥料などの散布を継続して行うことができるようにする。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、粒状物散布装置を備えた肥料などを散布する散布機に限らず、他の肥料などを散布する作業車にも利用可能性がある。
【符号の説明】
【0073】
1 粒状物散布装置 2 散布機
3 エンジン 4 前輪
5 後輪 6L,6R フレーム
7 ハンドル 8 ハンドルポスト
9 操作パネル 10 肥料タンク
10a 仕切壁 11 繰出装置
12 送風装置 12a 送風ファン
12b 電磁クラッチ 13 第1噴管
14 第2噴管(ブーム) 15 施肥用制御部
16 車速算出手段
17 肥料散布量算出手段 18 マスト部
19 本機コントローラ 20 ロール
21 ロール駆動軸 22 ワンウェイクラッチ
23 風量調節シャッタ 24 送風量調節ダイヤル
25 ロール駆動モータ 26 シャッタ駆動モータ
27 肥料検出センサ 28 拡散板
29 比重設定スイッチ 30 通気筒
31 送風筒 32 PTO軸
33 搭乗者用シート 34 支持ブラケット
35 ブラケット 36 昇降ステップ
37 車速センサ 38 開度検出センサ
39 散布幅設定スイッチ 40 蛇腹管
42 筒体 43 アーム体
44 縦支軸 45 伸縮シリンダ
46 電動モータ 47 横支軸
48 電動式伸縮シリンダ 49 傾斜センサ
50 噴口 51 散布スイッチ
52 ファンスイッチ 53 ブーム散布レバー
54 タンク残量センサ 55 操舵角センサ
56 液晶表示部 57 可変スイッチ
58 施肥設定スイッチ
59U,59D 増・減スイッチ
60 累計リセットスイッチ
61 表示切換スイッチ 62 キースイッチ
63 ブザー 67 GPS受信機
69 風量調節用レバー 70 レバーガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体タンク(10)と、該粉粒体タンク(10)内の粉粒物を回転することで繰り出す繰出ロール(20)と該繰出ロール(20)を駆動する駆動モータ(25)と繰出ロール(20)から繰り出された粉粒物に搬送風を送る送風装置(12)と、該送風装置(12)からの搬送用の空気を流す通気筒(30)と該通気筒(30)から機体左右方向に伸びた粉粒物噴管(14)をそれぞれ機体の前進方向に向かって左右一対ずつ設けた粉粒物散布装置(1)と、機体の走行速度を検出する車速センサ(37)とを備えた散布機において、
左右の粉粒物噴管(14)の送風量を変更する送風量変更手段(23,26,38)を左右の通気筒(30)にそれぞれ設け、
また、左右の粉粒物噴管(14)の先端に粉粒物検出センサ(27)をそれぞれ設け、
左右一対の繰出ロール(20)は左右一対の駆動モータ(25)によりそれぞれ独立して駆動し、各繰出ロール(20)の回転数を、設定粉粒物散布量、車速から算出して、それぞれ対応する駆動モータ(25)の回転制御をし、少なくとも粉粒物検出センサ(27)と車速センサ(37)の各検出信号に基づき、左右それぞれの粉粒物噴管(14)の送風量を送風量変更手段(23,26,38)により適正に制御する自動制御装置(15)
を設けたことを特徴とする散布機。
【請求項2】
自動制御装置(15)は、旋回時に旋回内側の粉粒物噴管(14)の送風量を車速センサ(37)により検出される車速に応じて送風量変更手段(23,26,38)により所定値に制御することを特徴とする請求項1記載の散布機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−45248(P2011−45248A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−193910(P2009−193910)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】