説明

整形物品を表面コーティングするためのワニス

本発明は、IMCプロセスにおいて使用するための、特に自動車産業のための、整形物品の表面コーティングに関し、前記表面コーティングが、少なくとも40重量%の、必要とされる製品性質を得るための1種又は複数の樹脂成分、60重量%までの1種又は複数の反応性希釈剤、及び0.3〜1.5重量%の間のUV重合開始剤を含み、加工温度におけるその表面コーティングの粘度が500〜2500mPa・sの間であり、さらに本発明は、UV照射下、IMC機中の木材の整形物品をコーティングするための、表面コーティングの使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整形物品を表面コーティングするためのワニスに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば木材、木材ベースの物質、プラスチック、繊維複合材料(MDF、HDF、WPC)などを含むコーティングされた整形物品が、自動車車両の内装品に使用されることが多い。特に、無垢材であっても合板であってもよいが、整形された木材物品がそこでは使用される。
【0003】
一般的には、透明なワニス又は樹脂の層を整形された木材物品の目に見える側に塗布して、耐摩耗性で耐引掻き傷性があり、多くの場合光沢性の表面を作る。
【0004】
それらの樹脂/ワニス層の性質に関しての自動車産業の要求は高い。
【0005】
硬化されたワニス膜のVOC放出は、OEM(相手先商標製品)の場合、自動車産業の対応する規格を満たしていなければならず、たとえばダイムラークライスラーについては、100ppm未満のVOC(90℃)、80ppm未満のFOG(120℃)、であるが、その試験方法は、たとえば、VDA278(熱脱離分析)。又は、たとえばBMW又はVWの対応する規格を満たさねばならない。
【0006】
DIN EN ISO 14577(荷重増加:0.1−1000mN、t=60s)に基づいて測定される表面硬度(微小硬度、マルテンス硬度)が80〜140N/mm2でなければならないが、その理由は、この範囲の中であれば、研削、研磨、ミリングがまったく問題なしに可能であるからである。
【0007】
さらに、そのコーティングは耐引掻き傷性を有していなければならない、すなわち引掻き抵抗性に関する、相当する自動車標準(クロックメーター試験又は表面損傷抵抗性試験)を満たすものでなければならない。ダイムラークライスラーの場合、その表面損傷抵抗性が9ニュートンを超え、またクロックメーター試験において100往復工程を超えていなければならない。
【0008】
硬化されたワニスに関するさらなる要件は、黄変度とUV安定性である。硬化されたワニス膜の黄変度は、ISO 105−A02に従ったグレースケールを基準にして、自動車産業によって規定されている対応する試験、たとえば加熱サイクル、高温保管、調整条件下での保管などの試験で評価され、そのグレースケールが少なくともレベル4に相当していることが必要である。
【0009】
UV安定性に関しては、ワニス物質及びコーティングされた基材を、光線に適切に暴露させた後に、自動車メーカーによって要求される規格を用いて色の変化についての試験を行い、ISO 105−A02に従ったグレースケールを基準にして評価されるが、そのグレースケールが少なくともレベル4に相当していることが必要である。
【0010】
インモールドコーティングの手段によってワニスを塗布する場合には、そのコーティングされ、硬化された材料を、好ましくはさらなる離型剤を必要とすることなく、その型の表面から良好に脱型させることがさらに必要とされる。
【0011】
さらなる重要な基準は、ワニス膜、すなわち硬化されたワニス膜の透明性であって、硬化させた後又は相当なストレス(熱、光暴露、耐候性)の後に、いかなるヘーズ(くもり)も有してはならず、また、そのストレスを加えなかった参照部品(納品時状態)と比較して眼に見えるような変化を示してはならない。
【0012】
さらに、鋳物物質は、可能な限り収縮を小さくして、部品の反りがまったく起きないようにしなければならない。言うまでもないことであるが、自動車車両の衝突の場合には、さらに、ワニス粒子が外れたり剥がれたりしてはならない、すなわち、飛散粒子が生じてはならない。
【0013】
一般的には、ワニスは、コーティングされる表面にスプレーされるか、塗布される。射出成形の手段によってコーティング物質を塗布することが可能であることもまた公知である。
【0014】
US2004/0152779には、射出成形されたポリカーボネート又はその他の熱可塑性プラスチックに印刷したり、コーティングしたりするのに役立つ、柔軟な放射線硬化性調合物が開示されている。樹脂成分と反応性希釈剤とを含むその調合物を、多層印刷、すなわち連続的な複数の薄層とすることによって、プラスチック材料に塗布する。薄層で熱可塑性プラスチックを印刷するために用いられるそれらのUV硬化性調合物はすべて、少なくとも4重量%の比率のUV重合開始剤を有している。一般的に、そのような層の厚みは約5〜25μmである。コーティングされる物質としては、熱可塑性プラスチックは木材とはまったく異なったものである。その理由は簡単で、表面エネルギー及び接着性の違い、吸水性、収縮と膨張の挙動、耐溶媒性における大きな差があるからである。
【0015】
さらに、整形された木材物品をインモールドコーティング(IMC)の手段によってコーティングできることは知られている。この目的のために、整形された木材物品を型部分のキャビティの中に入れ、コーティングされる整形された木材物品表面と型部分の壁との間にギャップを形成させ、そのギャップの中に液状の表面コーティング物質を導入する。型に充填することによって、空気又は場合によってはその他のガス又はガス混合物の大部分をそのギャップから追い出す。キャビティの中に存在するコーティング物質は、型の中で、対応する大気との接触から実質的に密閉される。次いでその表面コーティング物質をそのギャップの中で硬化させるが、そのためには、DE4320893C1及びDE19961992A1に記載されているように、UV照射を使用することができる。この目的のためには、その整形物品は、好ましくは少なくともそのコーティングされる表面の領域はUV照射に対して透明であるように形成する。得られるワニス層の厚みに相当するそのギャップの高さは、一般的には、約300μm〜1000μmである。
【0016】
インモールドコーティングにおいては、層全体を1回の操作で塗布する。
【0017】
UV硬化性コーティング物質には、樹脂成分とUV重合開始剤が含まれる。UV照射の手段によって、UV重合開始剤がフリーラジカルを発生し、それが連鎖反応を開始させ、次いでその反応が、もはや照射が存在しなくなっても維持される。UV照射の手段によって活性化された表面コーティング物質は次いで、数分以内、たとえば3分以下で、型の中で、少なくとも、その表面層を与えられた内装部品を型部分から取り出して、扱うことが可能な程度にまで硬化させることができる。
【0018】
完全硬化は型中で行わせてもよいし、型の外で、場合によってはUV又は電子線照射を用いて行わせてもよい。
【0019】
従来技術では、300mPa・sより低い粘度を有するUV硬化性スプレー又はキャスティングワニスが開示されている。それらのUV硬化性ワニス用いて達成されるなんらかの架橋を可能とするためには、使用されるUVワニスは、それらが塗布される層の厚みに依存するが、少なくとも2重量%のUV重合開始剤含量を有している。
【0020】
しかしながら、本出願人の社内における内部的な検討において、IMCプロセスの型内で、整形された木材物品をコーティングするためにそれらの調合物を使用している間に、UV照射の後で、かなりの量のVOCの放出が観察され、いくつかの場合においては、ワニスが黄変の傾向を示したり、ワニス層全体で硬化が不十分であったりした。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、IMCプロセスの手段によって整形された木材物品をコーティングするための、特にギャップ幅が約300〜1000μm、好ましくは700〜900μmの場合に、IMCの型の中でUV照射に暴露させると全体が十分に硬化し、そのVOC放出が可能な限り低いUV硬化性ワニスを提供することであ。言うまでもないことであるが、このワニスは、自動車産業のその他の要件にも適合するべきものでもあって、特に透明で、割れ抵抗性があるべきであり、また表面引掻き抵抗性を有し、黄変の傾向を極めてわずかしか示さないものであるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
驚くべきことには、IMC型全体の中でのこのUV硬化性樹脂の十分な硬化が、その調合物の中のUV重合開始剤の比率を1.5重量%未満になるように低下させることによって可能となることが見出された。したがって、本発明によるUV硬化性ワニスには、必要とされる製品性質を得るための少なくとも40重量%の1種又は複数の樹脂成分、60重量%までの1種又は複数の反応性希釈剤、及び0.3〜1.5重量%のUV重合開始剤が含まれる。
【0023】
樹脂成分は、不飽和ポリエステル樹脂、アクリレート又はメタクリレートのプレポリマー又はオリゴマー、ポリウレタン−ポリエステルプレポリマー、及びそれらの混合物からなる群より選択することができる。
【0024】
不飽和ポリエステル樹脂は、好ましくは、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、o−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、コハク酸、及び/又はセバシン酸、又はそれらの無水物をベースとするものである。
【0025】
アクリレート若しくはメタクリレートのプレポリマー又はオリゴマーは、好ましくは、UV反応性及び/又は電子ビーム硬化性のエポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリオールアクリレート、ポリエーテルアクリレート、又はそれらのタイプの化合物の混合プレポリマーからなる群より選択される。
【0026】
使用される1種又は複数の樹脂タイプは、その硬化されたワニスが適合しなければならない要件に従って選択される。
【0027】
ワニス中の1種又は複数の樹脂成分の比率は、好ましくは45〜90重量%、そして、それぞれの樹脂成分及び反応性希釈剤にも依存するが、特に好ましくは50〜70重量%である。
【0028】
反応性希釈剤は、以下のものからなる群より選択するのが好ましい:ビニル系モノマーたとえば、スチレン又はビニルトルエン、及びモノ−、ビ−、多官能アクリレートとメタクリレートであって、たとえば、ヘキサンジオールジアクリレート、ヒドロキシメチルエチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、2−(ヒドロキシ−メチル)メタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、及びイソボルニルメタクリレートなどの化合物が挙げられる。
【0029】
それぞれの反応性希釈剤の選択は、それぞれの樹脂成分(1種又は複数)、及び必要とされる製品性質に依存する。
【0030】
本発明によるワニスには、UV重合開始剤がさらに含まれるが、それは好ましくは、α−ヒドロキシケトン、ベンゾフェノン、フェニルグリオキシレート、ベンジルジメチルケタール、α−アミノケトン、モノアシルホスフィン(MAPO)、ビスアシルホスフィン(BAPO)、及びホスフィンオキシド、さらにそれらの混合物からなる群より選択される。特に有用であることが証明されたUV重合開始剤の混合物は、ヒドロキシケトン及び/又はMAPO及び/又はBAPOを含むものである。
【0031】
樹脂中のUV重合開始剤の比率は、1.2重量%未満であるが、特に0.5〜1.0重量%であれば好ましい。
【0032】
本発明によるワニスにはさらに、慣用されるワニス添加剤、たとえばUV吸収剤、HALS(ヒンダードアミン光安定剤)、ナノ粒子をベースとする添加剤、防炎剤、表面活性物質ならびに内部潤滑剤を、好ましくは0〜3重量%の比率で含んでいてもよいが、ナノ粒子及び防炎剤の場合には、30重量%までの比率とすることも可能である。
【0033】
IMCプロセスの手段による加工を可能とするためには、20℃における本発明によるワニスの粘度(DIN 53019に従って測定)は、500〜2500mPa・sである。IMCプロセスを高温のワニスで実施する場合には、言うまでもないことであるが、その温度がそのワニス系に適用されるが、その加工温度における粘度を500〜2500mPa・sとするべきである。20℃におけるか又はIMCユニット中の加工温度におけるワニスの粘度は、700〜1000mPa・sであるのが好ましい。
【0034】
本発明の範囲内に入るが、必要とされる製品性質を達成するための少なくとも40重量%の1種又は複数の樹脂成分と60重量%までの1種又は複数の反応性希釈剤とを含むワニスで、そのワニスの加工温度における粘度が500〜2500mPa・sであるものを、その硬化を電子線照射の手段によって実施するIMCプロセスにおいて使用することも可能であることが見出された。この場合、UV重合開始剤は必要でない。電子ビーム硬化されたワニスの場合もまた、先に説明したような自動車産業の規格は満足され、それらのワニスは、少なくとも80N/mm2の表面硬度、及びメーカーの限度未満であるVOC放出を有している。その表面損傷抵抗性は9Nを超え、クロックメーター試験では100往復工程超が達成された。黄変度やUV安定性に関しても、少なくともレベル4のグレースケールが達成された。
【0035】
本発明について、以下において実施例調合物及び比較実験を参照しながら、さらに詳しく説明する。
【0036】
第一の実施例調合物
98.9%の重合性物質。その重合性物質は、69.0重量%の高弾性かつ粘塑性不飽和ポリエステル樹脂体混合物及び反応性希釈剤としての31重量%のスチレンからなる。
1.1%のMAPOタイプのUV重合開始剤。
【0037】
第二の実施例調合物
高弾性かつ粘塑性不飽和ポリエステル樹脂体混合物(69%)及び31%の反応性希釈剤(スチレン)からなる99.11%の重合性物質。
0.17重量%のMAPOタイプのUV重合開始剤。
0.72重量%のBAPOタイプのUV重合開始剤。
【0038】
第三の実施例調合物
99.4%の重合性物質。この重合性物質は、49.4%のエポキシアクリレートと反応性希釈剤混合物からなる。後者は、50.6%の、HDDA(ヘキサンジオールジアクリレート)、HEMA(ヒドロキシエチレンメタクリレート)、イソボルニルアクリレート、及びトリプロピレンジアクリレートを含む。
0.4重量%のMAPOタイプのUV重合開始剤。
0.2重量%のフェニルグリオキシレートタイプのUV重合開始剤。
【0039】
たとえばチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)製のイルガキュア(Irgacure)TPOがMAPOタイプのUV重合開始剤として適しており、たとえばチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製のイルガキュア819がBAPOタイプのUV重合開始剤として適しており、たとえばチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製のダロキュア(Darocur)MBFがフェニルグリオキシレートタイプのUV重合開始剤として適している。
【0040】
表1に、さらなる実施例調合物と、IMCユニットの中でワニスをコーティングし、UV硬化させて得られたものの測定結果とを示す。
【0041】
すべての比較実験A〜Rは、同一のUV樹脂混合物を用いて実施し、表面硬度、放出値、及びコーティング結果を重合開始剤の量とタイプの関数として評価することを目的としている。
【0042】
タイプ1のUV重合開始剤はMAPOタイプ、タイプ2のそれはBAPOタイプ、タイプ3のそれはホスフィンオキシドタイプであった。
【0043】
コーティング結果の評価は、引掻き抵抗性、外観、黄変度、脱型性、及び気泡形成可能性を考慮に入れて、定性的に実施した。
【0044】
実験の結果から、IMCユニットの中で、単一回コーティングプロセスで約800μmの厚い膜でワニス層を塗布した場合には、従来技術から公知の2.5重量%の高いUV重合開始剤含量で、さらには0.3重量%の極めて低いUV重合開始剤含量でも、高い放出量となったこと、及び、0.3〜1.5重量%、特に0.5〜1重量%の重合開始剤含量では、良好ないしは極めて良好なコーティング結果及び低いVOC放出及び良好な表面硬度が得られることが判る。
【0045】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
IMCプロセスにおいて使用するための、特に自動車産業のための、整形物品を表面コーティングするためのワニスであって、前記ワニスが、少なくとも40重量%の、必要とされる製品性質を得るための1種又は複数の樹脂成分、60重量%までの1種又は複数の反応性希釈剤、及び0.3〜1.5重量%のUV重合開始剤を含み、加工温度における前記ワニスの粘度が500〜2500mPa・sである、ワニス。
【請求項2】
樹脂成分が、不飽和ポリエステル樹脂、アクリレート又はメタクリレートのプレポリマー又はオリゴマー、ポリウレタン−ポリエステルプレポリマー、及びそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載のワニス。
【請求項3】
前記不飽和ポリエステル樹脂が、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、o−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、コハク酸、及び/又はセバシン酸、又はそれらの無水物をベースとするものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のワニス。
【請求項4】
前記アクリレート又はメタクリレートのプレポリマー又はオリゴマーが、UV反応性及び/又は電子ビーム硬化性のエポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリオールアクリレート、ポリエーテルアクリレート、又はそれらのタイプの化合物の所望のプレポリマーからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のワニス。
【請求項5】
反応性希釈剤が、ビニル系モノマー並びにモノ−、ビ−及び多官能アクリレート及びメタクリレートからなる群から選択され、特に、スチレン、ビニルトルエン、ヘキサンジオールジアクリレート、ヒドロキシメチルエチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチレンメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、2−(ヒドロキシメチル)メタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、及び/又はイソボルニルメタクリレートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のワニス。
【請求項6】
前記UV重合開始剤が、α−ヒドロキシケトン、ベンゾフェノン、フェニルグリオキシレート、ベンジルジメチルケタール、α−アミノケトン、モノアシルホスフィン(MAPO)、ビスアシルホスフィン(BAPO)、及びホスフィンオキシド、並びにそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のワニス。
【請求項7】
UV重合開始剤の比率が、1.2重量%未満、特に0.5〜1.0重量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のワニス。
【請求項8】
型中の整形物品に塗布されたワニス層をUV照射して硬化させた後で、その表面硬度が少なくとも80N/mm2(荷重増加:0.1−1000mN、t=60s)であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のワニス。
【請求項9】
型中の整形物品に塗布されたワニス層をUV照射して硬化させた後で、その表面損傷抵抗性が9Nを超えるか及び/又はクロックメーター試験において100を超える往復工程が得られることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のワニス。
【請求項10】
前記硬化されたワニス膜のVOC放出が、(90℃で)100ppmVOCより低いか、及び/又は(120℃で)80ppmFOGよりも低いことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のワニス。
【請求項11】
UV照射を用いたIMCユニットの中で整形された木材物品をコーティングするための請求項1〜10のいずれかに記載のワニスの使用。
【請求項12】
300〜1000μmの層の厚みを有するコーティングを、単一回の操作で製造するための請求項11に記載のワニスの使用。
【請求項13】
IMCプロセスにおいて使用するための、特に自動車産業のための、整形物品を表面コーティングするためのワニスであって、前記ワニスの硬化を電子線照射の手段で実施し、前記ワニスが、少なくとも40重量%の、必要とされる製品性質を得るための1種又は複数の樹脂成分、及び60重量%までの1種又は複数の反応性希釈剤を含み、加工温度における前記ワニスの粘度が500〜2500mPa・sである、ワニス。

【公表番号】特表2009−529595(P2009−529595A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558712(P2008−558712)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【国際出願番号】PCT/EP2007/002249
【国際公開番号】WO2007/104548
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(508278365)フォテラー・ラックファブリック・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニ・カーゲー (1)
【Fターム(参考)】