説明

整髪用化粧料

【課題】低粘度でありながら整髪力、再整髪力に優れ、しかも、べたつきがなく、滑らかで、仕上がりの軽さに優れる整髪用化粧料を提供する。
【解決手段】(a)常温(25℃)で固体の、(a1)糖アルコール、(a2)糖、(a3)ポリアルキレングリコール重合体、および(a4)無機塩の中から選ばれる1種または2種以上を0.1〜20質量%と、(b)常温で液体の、糖誘導体および/または糖アルコール誘導体を0.1〜25質量%と、(c)アクリル系およびビニル系皮膜形成性高分子(ただし両性の高分子を除く)、およびウレタン系高分子の中から選ばれる1種または2種以上の皮膜形成性高分子を0.1〜12質量%と、(d)水性溶媒を含有し、系の粘度が10,000mPa・s以下(25℃、B型粘度計)である整髪用化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は整髪用化粧料に関する。さらに詳しくは、低粘度でありながら整髪力、再整髪力に優れ、しかも、べたつきがなく、滑らかで、仕上がりの軽さに優れる整髪用化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、整髪用化粧料においては、スタイリングのために毛髪固定用高分子、皮膜形成性高分子等の整髪樹脂を配合している。しかし整髪樹脂は、ごわつき、皮膜の非均一性、高湿度下におけるスタイリング保持力低下をもたらす等の不具合がある。そこでこの不具合を解消するために、種々の対応策が採られてきた。
【0003】
例えば特表2004−505902号公報(特許文献1)には、特定の水溶性ポリアルキレングリコールと皮膜形成ポリマーを特定の比率で配合し、さらに液体キャリアを配合したヘアケア組成物が、再スタイリング性、感触に優れるということが記載されている。しかし該特許文献1のヘアケア組成物は十分な整髪力(ヘアスタイルの作りやすさ)が得られないという問題がある。
【0004】
特開2007−217314号公報(特許文献2)には、毛髪固定用高分子化合物、多価アルコール、一価のアルコール、および噴射剤をそれぞれ特定量配合した霧状粉末化粧料が、再整髪性に優れ、べたつき感がなく、自然な艶感を有するということが記載されている。しかし該特許文献2の霧状粉末化粧料は十分な整髪力(ヘアスタイルの作りやすさ)が得られず、また洗髪性が不足するという問題がある。
【0005】
特開平3−261713号公報(特許文献3)には、特定のポリオキシアルキレン系化合物および/またはポリオキシアルキレンアルキルグリコシドと、毛髪固定用高分子化合物と、高分子量のポリエチレングリコール(分子量6,000〜30,000)を配合した毛髪化粧料が、整髪性、平滑性(滑らかさ)を有するということが記載されている。しかし該特許文献3の毛髪化粧料は十分な整髪力(ヘアスタイルの作りやすさ)が得られないという問題がある。
【0006】
特開2002−167317号公報(特許文献4)には、両性高分子、糖アルコール、糖アルコール誘導体(例えば糖アルコールのポリオキシアルキレン付加物など)を配合した毛髪化粧料組成物が、整髪力、セット保持力を有し、べたつき感やごわつき感がないということが記載されている。しかし該特許文献4の毛髪化粧料は十分なアレンジ力が得られず、また洗髪性が不足するという問題がある。
【0007】
粘度の低い水系の整髪用化粧料においては、整髪力(ヘアスタイルの作りやすさ)、再整髪力の両立は難しい。そのため、十分な整髪力、再整髪力を併せ持ち、しかも良好な使用感を有する水系低粘度の整髪用化粧料の開発が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2004−505902号公報
【特許文献2】特開2007−217314号公報
【特許文献3】特開平3−261713号公報
【特許文献4】特開2002−167317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記従来の事情に鑑みてなされたもので、低粘度でありながら整髪力、再整髪力に優れ、しかも、べたつきがなく、滑らかで、仕上がりの軽さに優れる整髪用化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明は、(a)常温(25℃)で固体の、(a1)糖アルコール、(a2)糖、(a3)ポリアルキレングリコール重合体、および(a4)無機塩の中から選ばれる1種または2種以上を0.1〜20質量%と、(b)常温で液体の、糖誘導体および/または糖アルコール誘導体を0.1〜25質量%と、(c)アクリル系およびビニル系皮膜形成性高分子(ただし両性の高分子を除く)、およびウレタン系高分子の中から選ばれる1種または2種以上の皮膜形成性高分子を0.1〜12質量%と、(d)水性溶媒を含有し、系の粘度が10,000mPa・s以下(25℃、B型粘度計)である整髪用化粧料を提供する。
【0011】
また本発明は、(b)成分が、常温で液体の、糖または糖アルコールのアルキレンオキシド付加重合体の中から選ばれる1種または2種以上である、上記整髪用化粧料を提供する。
【0012】
また本発明は、(a1)成分がマルチトール、ソルビトール、リビトール、マンニトール、アラビトール、ガラクチトール、キシリトール、エリトリトール、およびイノシトールの中から選ばれる1種または2種以上である、上記整髪用化粧料を提供する。
【0013】
また本発明は、(a3)成分が質量平均分子量1,000〜20,000のポリチレングリコールである、上記整髪用化粧料を提供する。
【0014】
また本発明は、(d)成分が水および/またはアルコール系溶媒である、上記整髪用化粧料を提供する。
【0015】
また本発明は、(d)成分におけるアルコール系溶媒がエタノールである、上記整髪用化粧料を提供する。
【0016】
また本発明は、(a)成分が少なくとも(a1)成分および/または(a3)成分を含む、上記整髪用化粧料を提供する。
【0017】
また本発明は、粘度が100mPa・s以下(25℃、B型粘度計)であって、使用時に霧状に噴霧して用いる、上記整髪用化粧料を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、低粘度でありながら整髪力、再整髪力に優れ、しかも、べたつきがなく、滑らかで、仕上がりの軽さに優れる整髪用化粧料が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明について詳述する。なお以下においてPOEはポリオキシエチレンを、POPはポリオキシプロピレンを、POBはポリオキシブチレンを、それぞれ示す。
【0020】
[(a)成分]
(a)成分は、常温(25℃)で固体の、(a1)糖アルコール、(a2)糖、(a3)ポリアルキレングリコール重合体、および(a4)無機塩の中から選ばれる1種または2種以上である。
【0021】
<(a1)成分>
常温で固体の糖アルコールは、糖類のカルボニル基を還元して得られる、常温で固体状の多価アルコールである。具体的には、マルチトール(「マルビット」;物産フードサイエンス(株)製)、ソルビトール(「ソルビトールC」;物産フードサイエンス(株)製)、リビトール、マンニトール、アラビトール、ガラクチトール、キシリトール、エリトリトール、イノシトール等を例示することができる。中でもべたつき、ごわつきのなさ等の点からソルビトール、マルチトールが好ましい。
【0022】
<(a2)成分>
常温で固体の糖は、一般に化粧料に配合され得るものであれば特に限定されるものでなく、単糖(例えば、アルドース、ケトース等)、トリオース(三炭糖。例えば、グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等)、テトロース(四炭糖。例えば、エリトロース、トレオース、エリトルロース等)、ペントース(五炭糖。例えば、リボース、リキソース、キシロース、アラビノース、アビオース、リブロース、キシルロース等)、ヘキソース(六炭糖。例えば、グルコース(ブドウ糖)、マンノース、ガラクトース、イドース、フルクトース(果糖)、ソブボース等)、ヘプトース(七炭糖。セドヘプツロース、コリオース等)などが挙げられる。中でもべたつきが少なく整髪力があるという点からフルクトース(果糖)が好ましい、
<(a3)成分>
常温で固体のポリアルキレングリコール重合体としては、エチレンオキシド(EO)構成単位が重合したEO重合体、プロピレンオキシド(PO)構成単位が重合したPO重合体、ブチレンオキシド(BO)構成単位が重合したBO重合体、あるいは上記の構成単位が共重合した各共重合体等が好適例として挙げられる。特にはEO重合体、EO構成単位とPO構成単位を含むEO・PO共重合体、EO構成単位とBO構成単位を含むEO・BO共重合体等が好ましい。共重合の形式は特に限定されるものでなく、ブロック共重合、グラフト共重合、ランダム共重合等、任意である。
【0023】
EO重合体としては、質量平均分子量(Mw。以下、単に「分子量」とも記す)が1,000以上のポリエチレングリコール(PEG)が好ましい。分子量の上限は特に限定されるものでないが、概ね20,000程度以下が好ましい。具体的には分子量1,000のPEG(以下、「PEG1,000」というように記す)、PEG1,540、PEG2,000、PEG4,000、PEG6,000、PEG8,000、PEG10,000、PEG11,000、PEG20,000等が例示される。中でもPEG1,000〜10,000がより好ましく、さらに好ましくはPEG1,000〜8,000、特にはPEG1,000〜6,000が、整髪力、再整髪力等の点から好ましい。
【0024】
EO・PO共重合体としては、下記式(XII)に示すEO・POブロック共重合体が好適例として挙げられる。
【0025】

【0026】
上記式(XII)中、各置換基、符号は以下の意味を示す。
【0027】
1、R2はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子を示す。炭素原子数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基である。炭素原子数5以上のアルキル基では親水性が低下し、潤い感が低下する傾向にある。
【0028】
(x+z)はEO構成単位の付加モル数を表し、yはPO構成単位の付加モル数を表す。[(x+z)/(x+z+y)]は0.2〜0.8であり、好ましくは0.4〜0.7である。(EO+PO)構成単位に対するEO構成単位の割合が0.2未満では滑らかさに劣る傾向にあり、0.8超ではべたつきを生じる傾向にある。
【0029】
また60≦x+y+z≦100である。(x+y+z)が60未満では(a3)成分が液体となるものもあり、一方、100を超えるとべたつき、溶解性が悪い。
【0030】
上記式(XII)に示すEO・POブロック共重合体の具体例として、POE(35)・POP(40)ブロック共重合体ジメチルエーテル、POE(50)・POP(40)ブロック共重合体ジメチルエーテル等が挙げられる。
【0031】
EO・BO共重合体としては、下記式(XIII)に示すEO・BOブロック共重合体が好適例として挙げられる。
【0032】

【0033】
式(XIII)中、R1、R2は上記式(XII)における定義と同じである。
【0034】
mはEO構成単位の付加モル数を表し、(k+n)はBO構成単位の付加モル数を表す。[m/(m+k+n)]は0.2〜0.9であり、好ましくは0.4〜0.9である。(EO+BO)構成単位に対するEO構成単位の割合が0.2未満では滑らかさに劣る傾向にあり、0.9超ではべたつきを生じる傾向にある。
【0035】
また60≦m+k+n≦100程度が好ましい。(m+k+n)が60未満では(a3)成分が液体となるものもあり、一方、100を超えるとべたつき、溶解性が悪い。
【0036】
上記式(XIII)に示すEO・BOブロック共重合体の具体例として、POE(52)・POB(32)ブロック共重合体ジメチルエーテル、POE(73)・POB(11)ブロック共重合体ジメチルエーテル等が挙げられる。
【0037】
<(a4)成分>
常温で固体の塩は、一般に化粧料に配合され得るものであれば特に限定されるものでないが、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が好ましく用いられる。好適具体例として塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化マンガン等を例示することができる。
【0038】
本発明整髪用化粧料において、(a)成分は、主としてセット力、アレンジ力、仕上がりの軽さ、毛髪をしんなりとさせる効果等に寄与する。(a)成分は常温で固体であり、整髪用化粧料を毛髪に塗布後、溶媒が揮散したあとに、この固体成分である(a)成分が毛髪上に広く被覆した状態で残存し、その効果の持続性にも優れる。後述するように、本発明整髪用化粧料は水性で低粘度であることから、毛髪上に配合成分を広くむらなく塗布することができる。
【0039】
(a)成分としては、(a1)成分、(a3)成分、(a2)成分、(a4)成分の順に好ましく用いられる。本発明では(a)成分中に少なくとも(a1)成分および/または(a3)成分を含有する態様が好ましい。
【0040】
(a)成分の配合量は、本発明整髪用化粧料中、0.1〜20質量%であり、好ましくは3〜8質量%である。0.1質量%未満では(a)成分による十分な効果を得ることが難しく、一方、20質量%を超えて配合しても、配合量に見合った効果の増大がみられないばかりか、粘度が高くなる傾向がみられ、油性感やべたつき、仕上がりの重さ等の点で好ましくない。
【0041】
[(b)成分]
(b)成分は、常温で液体の、糖誘導体および/または糖アルコール誘導体である。糖誘導体としてはグルコース誘導体等が例示され、糖アルコール誘導体としては5価または6価の糖アルコールの誘導体(例えば、ソルビトール誘導体、マンニトール誘導体、キシリトール誘導体等)が例示される。ただしこれら例示に限定されるものでない。本発明では特に、糖または糖アルコールのアルキレンオキシド付加重合体が好適例として挙げられる。付加重合するアルキレンオキシドとしてはEO、PO、BO等の各構成単位が好ましく用いられる。
【0042】
「常温で液体の、糖または糖アルコールのアルキレンオキシド付加重合体」としては、具体的には、POPソルビット(市販品として「ユニオールHS−1600D」(日油(株)製)など)、POE(10)メチルグルコシド(市販品として「グルカムE−10」(日本ルーブリゾール(株)製)など)、POP(20)メチルグルコシド(市販品として「グルカムP−20」(日本ルーブリゾール(株)製)など)等が挙げられる。
【0043】
(b)成分の配合量は、本発明整髪用化粧料中、0.1〜25質量%であり、好ましくは3〜15質量%である。0.1質量%未満では(b)成分による十分な効果を得ることが難しく、一方、25質量%を超えて配合しても、配合量に見合った効果の増大がみられないばかりか、粘度が高くなる傾向がみられ、べたつき、仕上がりの重さ等の点で好ましくない。
【0044】
[(c)成分]
(c)成分として、本発明では、従来よりヘアスタイリング剤等の整髪化粧料に用いられている皮膜形成性高分子のうち、特に再整髪性の点から、アクリル系およびビニル系皮膜形成性高分子(ただし両性の高分子を除く)、およびウレタン系高分子の中から選ばれる1種または2種以上を用いる。
【0045】
<アクリル系およびビニル系皮膜形成性高分子>
アニオン性、カチオン性、ノニオン性のいずれかの高分子を用いる。
【0046】
アニオン性の高分子としては例えば、アクリル酸アルキル・ジアセトンアクリルアミド共重合体〔プラスサイズL−53P、プラスサイズL−9909B、プラスサイズL−9948Bなど(いずれも互応化学工業(株)製)〕、アクリル酸アルキル・オクチルアクリルアミド共重合体〔Dermacryl 79(アクゾノーベル(株)製)〕、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール−25・ジメチコン・アクリレーツ共重合体〔ルビフレックスSILK(BASF社製)〕、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体〔ウルトラホールド8、ウルトラホールドStrong(いずれもBASF社製)〕、アクリル酸アルキル共重合体〔アニセットNF−1000、アニセットHS−3000など(いずれも大阪有機化学工業(株)製)〕などが挙げられる。
【0047】
カチオン性の高分子としては例えば、ビニルピロリドン・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体ジエチル硫酸塩〔H.C.ポリマー1S(M)、H.C.ポリマー2(以上、大阪有機化学工業(株)製)、ガフコート755N(ISP社製)〕、ビニルピロリドン・ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド・ラウリルジメチルアミノプロピルメタクリルアミド共重合体〔スタイリーゼW−20(ISP社製)〕、ビニルピロリドン・メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル・アクリル酸アルキル・ジアクリル酸トリプロピレングリコール共重合体〔コスカットGA467、コスカットGA468(いずれも大阪有機化学工業(株)製)〕、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム〔マーコート100(ナルコ社製)〕、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体〔マーコート550(ナルコ社製)〕、塩化トリメチルアミノプロピルアクリルアミド・ジメチルアクリルアミド共重合体などが挙げられる。
【0048】
ノニオン性の高分子としては例えば、ポリビニルピロリドン〔ルビスコールK17、ルビスコールK30、ルビスコールK90(以上、BASF社製)、PVP K(ISP社製)〕、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体〔PVP/VA S−630、PVP/VA E−735、PVP/VA E−335(以上、ISP社製)、ルビスコールVA73W、ルビスコール37E(以上、BASF社製)、PVA−6450(大阪有機化学工業(株)製)〕、ビニルメチルエーテル・マレイン酸アルキル共重合体〔ガントレッツA−425、ガントレッツES−225、ガントレッツES−335(いずれもISP社製)〕、ビニルピロリドン・メタクリルアミド・ビニルイミダゾール共重合体〔ルビセットクリア(BASF社製)〕などが挙げられる。
【0049】
本発明では、おもに再整髪性の観点から、アクリル系およびビニル系皮膜形成性高分子として両性の高分子を用いない。このような両性高分子としては、例えば、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピルプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体、メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド・アクリル酸共重合体等が挙げられる。
【0050】
<ウレタン系皮膜形成性高分子>
ウレタン系皮膜形成性高分子としては、例えばシリコーン/ポリエーテル系ポリウレタン樹脂〔ヨドゾールPUD;アクゾノーベル(株)製)〕、「ルビセットP.U.R.」(BASF社製)、特開2006−213706号公報に記載のシリル化ウレタン系ポリマー等が挙げられる。アクリル−ウレタン系皮膜形成性高分子としては、例えば、「DynamX」(アクゾノーベル(株)製)等が挙げられる。
【0051】
本発明整髪用化粧料において、(c)成分は主としてセット力、再整髪力、仕上がりの軽さ等に寄与する。(c)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0052】
(c)成分の配合量は、本発明整髪用化粧料中、0.1〜12質量%であり、好ましくは1〜6質量%である。0.1質量%未満では(c)成分による十分な効果を得ることが難しく、一方、12質量%を超えて配合しても、配合量増加に見合った効果の増大がみられないばかりか、粘度が高くなる傾向がみられ、ごわつきの原因にもなり好ましくない。
【0053】
本発明では上記(c)成分に加えて、さらに多糖類系皮膜形成性高分子を配合してもよい。多糖類系皮膜形成性高分子としては、例えばアラビアガム、グルカン、サクシノグリカン、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、グアガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナンガム、キサンタンガム、デンプン、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]グアガム、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ローカストビーンガム、塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムでんぷん等が挙げられる。
【0054】
多糖類系皮膜形成性高分子を配合する場合、整髪用化粧料の粘度調整や整髪性、仕上がりの軽さを考慮して適宜配合量を調整可能であるが、整髪用化粧料中に0.01〜1質量%とするのが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5質量%である。
【0055】
本発明の整髪用化粧料は、さらに、整髪性、再整髪性等の点から、所望により常温(25℃)で固体の界面活性剤を配合してもよい。
【0056】
常温(25℃)で固体の界面活性剤としてアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等が挙げられる。本発明では非イオン界面活性剤が好ましく用いられる。非イオン界面活性剤の具体例としては、下記に例示する各非イオン界面活性剤のうち常温で固体のものが好適例として例示される。
【0057】
1.下記式(I)で示されるポリオキシエチレンモノアルキルエーテル:
RO−(C24O)n−H (I)
〔式(I)中、Rは炭素原子数4〜24のアルキル基を示し;nはエチレンオキシド付加モル数で2〜100の数を示す。〕
具体的には、POEラウリルエーテル(市販品として「ノニオンK−220」など)、POEセチルエーテル(市販品として「ノニオンP−210」など)、POEオレイルエーテル(市販品として「ノニオンE−215」など)、POEステアリルエーテル(市販品として「ノニオンS−215」など)、POEトリデシルエーテル(市販品として「ノニオンT−208」など)(以上、いずれも日油(株)製)等が挙げられる。
【0058】
2.下記式(II)で示されるポリオキシプロピレンアルキルエーテル:
RO−(C36O)n−H (II)
〔式(II)中、Rは炭素原子数4〜24のアルキル基を示し;nはプロピレンオキシド付加モル数で2〜100の数を示す。〕
具体的には、POPアルキルエーテル(市販品として「ユニルーブMB−7」など)、POPステアリルエーテル(市販品として「ユニルーブMS−70K」など)(以上、いずれも日油(株)製)等が挙げられる。
【0059】
3.下記式(III)で示されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル:
RO−(C24O)m(C36O)n−H (III)
〔式(III)中、Rは炭素原子数4〜24のアルキル基を示し;mはエチレンオキシド付加モル数で2〜100の数を示し;nはプロピレンオキシド付加モル数で2〜100の数を示す。〕
具体的には、POE・POPステアリルエーテル(市販品として「ユニセーフ34S−23」(日油(株)製)など)、POE・POPフィトステロール(市販品として「ニッコールBPS−3007」(日光ケミカルズ(株)製)など)等が挙げられる。
【0060】
4.下記式(IV)で示されるポリオキシエチレンモノエステル:
RCOO−(C24O)n−H (IV)
〔式(IV)中、Rは炭素原子数4〜24のアルキル基を示し;nはエチレンオキシド付加モル数で2〜100の数を示す。〕
具体的には、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(市販品として「ノニオンO−4」(日油(株)製)など)等が挙げられる。
【0061】
5.下記式(V)で示されるポリプロピレングリコールモノエステル:
RCOO−(C36O)n−H (V)
〔式(V)中、Rは炭素原子数4〜24のアルキル基を示し;nはプロピレンオキシド付加モル数で2〜100の数を示す。〕
具体的には、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(市販品として「ブラウノンS−400A」(青木油脂工業(株)製)など)等が挙げられる。
【0062】
6.下記式(VI)で示されるポリブチレングリコールモノエステル:
RCOO−(C48O)n−H (VI)
〔式(VI)中、Rは炭素原子数4〜24のアルキル基を示し;nはブチレンオキシド付加モル数で1〜100の数を示す。〕
具体的には、ステアリン酸ブチレングリコール(市販品として「コムポールBS」(日油(株)製)など)等が挙げられる。
【0063】
7.下記式(VII)で示されるポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル:
【0064】

【0065】
〔式(VII)中、Rは炭素原子数4〜24のアルキル基を示し;a、bはエチレンオキシド付加モル数で、a+b=2〜150の数を示す。〕
具体的には、POEヤシ油脂肪酸グリセリン(市販品として「ユニグリMK−207G」(日油(株)製)など)等が挙げられる。
【0066】
8.下記式(VIII)で示されるイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル:
【0067】

【0068】
〔式(VIII)中、Rは炭素原子数4〜24のアルキル基を示し;a、b、cはエチレンオキシド付加モル数で、a+b+c=3〜100の数を示す。〕
具体的には、イソステアリン酸POEグリセリル(市販品として「ユニオックス・GM−5IS」(日油(株)製)など)等が挙げられる。
【0069】
9.下記式(IX)で示されるトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル:
【0070】

【0071】
〔式(IX)中、Rはそれぞれ独立に炭素原子数4〜24のアルキル基を示し;a、b、cはエチレンオキシド付加モル数で、a+b+c=3〜100の数を示す。〕
具体的には、トリイソステアリン酸POEグリセリル(市販品として「ユニオックスGT−20IS」(日油(株)製)など)等が挙げられる。
【0072】
10.下記式(X)で示されるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油:
【0073】

【0074】
〔式(X)中、a、b、c、x、y、zはエチレンオキシド付加モル数で、a+b+c+x+y+z=2〜150の数を示す。〕
具体的には、POE硬化ヒマシ油60(市販品として「ユニオックスHC−60」(日油(株)製)など)等が挙げられる。
【0075】
11.下記式(XI)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル:
【0076】

【0077】
〔式(XI)中、Rはそれぞれ独立に炭素原子数4〜24のアルキル基を示し;nはエチレンオキシド付加モル数で、2〜100の数を示す。〕
具体的には、POE(20)オクチルドデシルエーテル(市販品として「エマレックスOD−20」(日本エマルジョン(株)製)など)、POE(25)オクチルドデシルエーテル(市販品として「エマレックスOD−25」(日本エマルジョン(株)製)など)等が挙げられる。
【0078】
常温(25℃)で固体(固形)の界面活性剤を用いることで整髪力、セット保持力等を効果的に付与することができる。また洗髪性も向上する。
【0079】
なお上記界面活性剤が固体(固形)状態を示す基準として、本発明では硬度20以上が好ましく、特には硬度40以上が好ましい。ここで「硬度」とは、初めに融解させた試料を直径3cm、深さ3cmの円筒形のガラス瓶に流し込み(深さ1cm以上)、25℃で12時間以上馴化させる。次にカードメーター(飛鳥機器(株)製)を用い、試料温度25℃で、400gの荷重を試料に作用させ、感圧軸(直径1mm)が試料の平らな表面より内部に5mm侵入した時点での目盛りの数値をもって硬度とする。数値が大きいほど硬度が高いことを意味する。
【0080】
また常温で固体の界面活性剤は、水、アルコール溶液等の水性溶媒への溶解性や、再整髪力等の点から、全非イオン界面活性剤の加重平均したHLBが10以上のものが好ましく、特にはHLB12以上のものが好ましい。HLBは下記数1
【0081】
【数1】

【0082】
(ただし、MWは親水基部の分子量を表し、MOは親油基部の分子量を表す)
で表される川上式により算出される。
【0083】
常温で固体の界面活性剤を配合する場合、配合量は、本発明整髪用化粧料中、1.5〜12質量%とするのが好ましく、より好ましくは2〜10質量%、特に好ましくは2.5〜10質量%である。1.5質量%未満では該活性剤による十分な効果を得ることが難しく、一方、12質量%を超えて配合しても、配合量に見合った効果の増大がみられないばかりか、粘度が高くなる傾向がみられ、べたつき、仕上がりの重さ等の点で好ましくない。
【0084】
本発明の整髪用化粧料は系の粘度が10,000mPa・s(25℃、B型粘度計)以下であり、好ましくは1,000mPa・s以下である。特に本発明整髪用化粧料をヘアスプレー、ヘアミスト等のように使用時噴霧して用いるような場合は、粘度を100mPa・s以下とするのが好ましい。粘度の下限値は特に限定されるものでないが、使用性等の点から8mPa・s程度以上とするのが好ましい。
【0085】
本発明の整髪用化粧料は、(d)水性溶媒を構成成分としてなるものである。水性溶媒としては、例えば、水、エタノール等のアルコール系溶媒、あるいはこれらの混合溶媒などが挙げられる。本発明の整髪用化粧料は水系で低粘度であるが、粘度の調整は、例えば、配合する共重合体重合度を制御したり、高分子等の添加量の増減、水性溶媒の配合量を調整すること等によって行うことができる。
【0086】
従来、水系の低粘度の整髪用化粧料は、十分な整髪力および再整髪力の両者を得ることが難しかった。本発明の整髪用化粧料は、低粘度でありながら、十分な整髪力、再整髪力を併せ持つことに成功した。
【0087】
本発明の整髪用化粧料には、上記成分の他に、通常化粧品や医薬品等に用いられる他の成分を、本発明効果を損なわない範囲内で任意に添加することができる。このような成分として、例えば粉末成分、高級脂肪酸、紫外線吸収剤、多価アルコール、金属イオン封鎖剤、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料等が挙げられ、これら成分を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤型に応じて常法により本発明の整髪用化粧料を製造することができる。
【0088】
本発明の整髪用化粧料は、水系、可溶化系のいずれでもかまわない。本発明の整髪用化粧料の好ましい使用態様としては、エアゾール系ヘアスプレー、ノンエアゾール系ヘアスプレー、ヘアミスト、ヘアムース、セットローション、ヘアスタイリングジェル、ヘアリキッド等が挙げられる。
【0089】
本発明の整髪用化粧料は、水系で低粘度のため、ヘアスプレー、ヘアミスト等、使用時噴霧して用いる形態であっても、噴霧容器の噴霧ノズルが詰まるようなことがなく、安定して霧状に噴霧することができ、かつ、優れた整髪性、再整髪性を有して毛髪に広く均一に塗布することができる。なおエアゾール系タイプのものでは通常、噴射剤とともに噴霧容器に充填される。噴射剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ジメチルエーテル等の液化ガス、窒素、圧縮空気等の圧縮ガスなど、エアゾールの分野に公知の噴射剤を任意に用いることができる。これら噴射剤の配合量は整髪用化粧料(原液)100質量%に対して5〜200質量%程度が好ましい。
【実施例】
【0090】
次に実施例によりさらに本発明を詳述するが、本発明はこれによってなんら限定されるものではない。なお配合量は特記しない限り質量%(実分)で示す。
【0091】
初めに、本実施例で用いた評価方法について記す。
【0092】
[粘度]
試料(100〜200mL)をBL型粘度計(ローターNo.2、回転数60rpm、25±2℃)に入れ、ローター回転開始から1分間経過後の試料粘度を測定した。
【0093】
[整髪力]
1束の黒色バージンヘア(長さ20cm、質量4g)に試料を0.5g塗布し、指でなじませた後のヘアスタイルの作りやすさについて、専門パネラー(10名)による官能試験にて評価した。
【0094】
[再整髪力]
1束の黒色バージンヘア(長さ20cm、質量4g)に試料を0.5g塗布し、常温にて1時間乾燥させた後の毛束について、つまんでねじって動かしたときのアレンジのしやすさについて、専門パネラー(10名)による官能試験にて評価した。
【0095】
[べたつき感のなさ]
1束の黒色バージンヘア(長さ20cm、質量4g)に試料を0.5g塗布し、指でなじませた後の毛髪のべたつきのなさについて、専門パネラー(10名)による官能試験にて評価した。
【0096】
[滑らかさ]
1束の黒色バージンヘア(長さ20cm、質量4g)に試料を0.5g塗布し、指でなじませ仕上げた後の毛髪表面の滑らかさについて、専門パネラー(10名)による官能試験にて評価した。
【0097】
[仕上がりの軽さ]
1束の黒色バージンヘア(長さ20cm、質量4g)に試料を0.5g塗布し、指でなじませ仕上げた後の仕上がりの軽さについて、専門パネラー(10名)による官能試験にて評価した。
【0098】
<評価点>
5点:非常に良い
4点:良い
3点:普通(どちらともいえない)
2点:やや良くない
1点:良くない。
<評価基準>
◎:評価点合計が40点以上
○:評価点合計が30点以上40点未満
△:評価点合計が20点以上30点未満
×:評価点合計が20点未満。
【0099】
(実施例1〜15、比較例1〜6)
下記表1〜2に示す試料を用いて、上記評価方法に従い、整髪力、再整髪力、べたつき感のなさ、滑らかさ、仕上がりの軽さについて評価した。結果を表1〜2に示す。なお表1〜2中、以下の成分は下記製品を用いた。
・POPソルビット(*1):「ユニオールHS−1600D」(日油(株)製)
・POE(10)メチルグルコシド(*2):「グルカムE−10」(日本ルーブリゾール(株)製)
・アクリル酸アルキル・ジアセトンアクリルアミド共重合体(*3):「プラスサイズL−9909B」(互応化学工業(株)製)
・ビニルピロリドン・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体ジエチル硫酸塩(*4):「H.C.ポリマー2」(大阪有機化学工業(株)製)
・ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(*5):「PVP/VA S−630」(ISP社製)
・シリコーン/ポリエーテル系ポリウレタン樹脂(*6):「ヨドゾールPUD」(日本NSC(株)製)
・POE(25)セチルエーテル(*7):「エマレックス125」(日本エマルジョン(株)製)
【0100】
【表1】

【0101】
【表2】

【0102】
表1〜2の結果から明らかなように、本発明の整髪用化粧料は、低粘度でありながら、整髪力と再整髪力の両方の効果をバランスよく達成することができ、しかも、べたつき感がなく、滑らかで、仕上がりが軽いという効果を併せもつことができた。一方、本発明範囲を外れた整髪用化粧料は、本発明効果をすべて併せもつことはできなかった。
【0103】
さらに以下に示す実施例16〜19について、上記と同様にして、整髪力、再整髪力、べたつき感のなさ、滑らかさ、仕上がりの軽さについて評価した。結果を表3に示す。
【0104】
(実施例16:霧状整髪剤)
(配 合 成 分) (質量%)
(1)ソルビトール 10
(2)POE(10)メチルグルコシド 5
(グルカムE−10;日本ルーブリゾール(株)製)
(3)シリコーン/ポリエーテル系ポリウレタン樹脂 2
(ヨドゾールPUD;日本NSC(株)製)
(4)L−メントール 0.1
(5)クエン酸(食品) 0.1
(6)POE(24)・POP(13)デシルテトラデシルエーテル 0.5
(ユニルーブ50MT−2200B;日本油脂(株)製)
(7)香料 0.1
(8)エチルパラベン 0.2
(9)エタノール 50
(10)イオン交換水 to 100
製法
(10)に(1)、(2)、(5)を順に添加し水パーツとした。(9)に(4)、(6)、(7)、(8)を順に添加しアルコールパーツとした。水パーツにアルコールパーツと(3)を順に撹拌混合し、霧状整髪剤(ミスト)を得た。
【0105】
(実施例17:霧状整髪剤)
(配 合 成 分) (質量%)
(1)ポリエチレングリコール4000 5
(2)POPソルビット 5
(ユニオールHS−1600D;日油(株)製)
(3)ビニルピロリドン・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体ジエチル硫酸塩
(H.C.ポリマー2;大阪有機化学工業(株)製) 3
(4)POE(60)硬化ヒマシ油 3
(5)ジグリセリン 0.5
(6)ワインエキス 0.1
(7)香料 0.1
(8)エチルパラベン 0.2
(9)エタノール 5
(10)イオン交換水 to 100
製法
(10)に(2)、(5)、(3)、融解させた(1)を順に添加し水パーツとした。(9)に(4)、(6)、(7)、(8)を順に添加しアルコールパーツとした。水パーツとアルコールパーツを撹拌混合し、霧状整髪剤(ミスト)を得た。
【0106】
(実施例18:霧状エアゾール整髪剤)
(配 合 成 分) (質量%)
(1)マルチトール 7
(2)POE(10)メチルグルコシド 10
(グルカムE−10;日本ルーブリゾール(株)製)
(3)アクリル酸アルキル・ジアセトンアクリルアミド共重合体 3
(プラスサイズL−9948B;互応化学工業(株)製)
(4)POE(20)セチルエーテル 5
(エマレックス120;日油(株)製))
(5)アミノ酸 0.05
(6)香料 0.1
(7)フェノキシエタノール 0.5
(8)エタノール 5
(9)イオン交換水 to 100
製法
(9)に(1)、(2)、(5)を順に添加し水パーツとした。(8)に融解させた(4)、(6)、(7)を順に添加しアルコールパーツとした。水パーツとアルコールパーツ、(3)を撹拌混合し、霧状整髪剤(ミスト)を得た。
【0107】
(実施例19:霧状エアゾール整髪剤)
(配 合 成 分) (質量%)
(1)果糖 5
(2)塩化マグネシウム 5
(3)POPソルビット 2
(ユニオールHS−1600D;日油(株)製)
(4)POE(10)メチルグルコシド 2
(グルカムE−10;日本ルーブリゾール(株)製)
(5)ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体 1
(PVP/VA S−630;ISP社製)
(6)POE(20)セチルエーテル 1
(エマレックス120;日油(株)製)
(7)POE(60)硬化ヒマシ油 1
(8)1,3−ブチレングリコール 0.5
(9)加水分解コムギタンパク質 0.1
(10)噴射剤(窒素ガス) 40
(11)クエン酸(食品) 0.1
(12)香料 0.1
(13)フェノキシエタノール 0.5
(14)エタノール 30
(15)イオン交換水 to 100
製法
(15)に(1)、(2)、(4)、(5)、(8)、(11)を順に添加し水パーツとした。(14)に(3)、(6)、(7)、(12)、(13)を順に添加しアルコールパーツとした。水パーツとアルコールパーツ、(9)を撹拌混合し、(10)を充填して霧状エアゾール整髪剤(エアゾールスプレー)を得た。
【0108】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明の整髪用化粧料は、低粘度でありながら整髪力、再整髪力に優れ、しかも、べたつきがなく、滑らかで、仕上がりの軽さに優れる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)常温(25℃)で固体の、(a1)糖アルコール、(a2)糖、(a3)ポリアルキレングリコール重合体、および(a4)無機塩の中から選ばれる1種または2種以上を0.1〜20質量%と、
(b)常温で液体の、糖誘導体および/または糖アルコール誘導体を0.1〜25質量%と、
(c)アクリル系およびビニル系皮膜形成性高分子(ただし両性の高分子を除く)、およびウレタン系高分子の中から選ばれる1種または2種以上の皮膜形成性高分子を0.1〜12質量%と、
(d)水性溶媒
を含有し、系の粘度が10,000mPa・s以下(25℃、B型粘度計)である整髪用化粧料。
【請求項2】
(b)成分が、常温で液体の、糖または糖アルコールのアルキレンオキシド付加重合体の中から選ばれる1種または2種以上である、請求項1記載の整髪用化粧料。
【請求項3】
(a1)成分がマルチトール、ソルビトール、リビトール、マンニトール、アラビトール、ガラクチトール、キシリトール、エリトリトール、およびイノシトールの中から選ばれる1種または2種以上である、請求項1または2記載の整髪用化粧料。
【請求項4】
(a3)成分が質量平均分子量1,000〜20,000のポリチレングリコールである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の整髪用化粧料。
【請求項5】
(d)成分が水および/またはアルコール系溶媒である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の整髪用化粧料。
【請求項6】
(d)成分におけるアルコール系溶媒がエタノールである、請求項5記載の整髪用化粧料。
【請求項7】
(a)成分が少なくとも(a1)成分および/または(a3)成分を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の整髪用化粧料。
【請求項8】
粘度が100mPa・s以下(25℃、B型粘度計)であって、使用時に霧状に噴霧して用いる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の整髪用化粧料。

【公開番号】特開2012−25744(P2012−25744A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139940(P2011−139940)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】