説明

文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品

【課題】従来、豆科の種子の表皮に文字を刻印し、豆科の成長と表皮の土壌表面の露出を介してメッセージを伝達する構造のメッセージ伝達媒体として種子を活用する構成がある。この構成では、単にメッセージ伝達媒体の役割に留まり、文字の有するパワー、言霊等を、食を通じて、享受することはできない。また表皮への文字の刻設では、成長時に、現実に確認するには、困難性があり、メッセージ食品として問題が残る。
【構成】本発明は、メッセージ食品で、かつ外面が淡色の仕上がりとなった食品に、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の文字・コンピュータ画像を刻設(表現)した構造であって、メッセージ食品の面上を利用し、文字・画像を刻設する構造であり、構造においては、中心に画像を刻設し、周辺に文字を刻設する構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照射ビームを発し得るレーザー加工機と、食品との融合と、両者の特徴を遺憾なく発揮できる文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の如く、文字及び/又は画像(原則として、文字とする)は、情報(意志)伝達手段であり、人へのアピールとして有効であり、人が持つ特技である。その理由は、文字が、僅か数本の線や曲線等が組合せの構成であるのに係らず、この文字は、単に言葉を表現し、情報伝達の手段に留まらず、目に見えないパワーがあり、文字自体に命が与えられ、かつ強い力が付与されており、現実に、その効果がある。従って、人の心を揺り動かす力となり、また自己の活力の源となること等、この文字は、不思議で、かつ目には見えない魂が宿り、言霊となりえる。そこで、改めて我々の生活を考えてみると、我々人間は、命あるもの、命あったものを食して自分の命を繋げている。例えば、動物や植物等、人間の食べ物は、全て命があることを考え、食物を大切にする必要がある。ところで、人間も産声をあげて生まれ、まず食する命は、母親の母乳である。その母乳にも命が宿っており、母の我が子への思いが込もったこの命が赤ちゃんに伝達されることも事実である。
【0003】
そこで、愚問、愚答であるが、この文字に関し、出願人の思いを、少し説明をする。
【0004】
「1」 文字には、不思議な力があり、それが、勇気を与え、激励、癒し、戒め等となるものであり、例えば、自分が落ち込んだときに、元気のある文字と出会うと、この文字の秘めている内容、意味、又は看者が感ずる意味合い等より、元気の源、また心の糧(栄養)となって、人に勇気を与え、また人を奮い立たせる事実が間々ある。そして、また誰にでも特定の文字によって心を動かされたことがある。
【0005】
「2」 この文字の力により、昨今の書籍、メディアにおいて、この種の文字の有する力と、この文字の魅力を感じて、この文字の活用と、その有効利用を訴える傾向と、またこの文字の有するパワー、言霊等を、社会に還元かつ利用すべきである等の意見が見聞されており、大変、喜ばしい処である。しかし、反面、文字の有するパワーと、言霊等を軽視する言動があり、極めて嘆かわしいことである。そして、人々の文字によるコミュニケーションが図れず、喧嘩、不和、いじめ、又は痛ましい事件が発生する要因の一つと考えられる。
【0006】
「3」 さらに、この文字のパワー、言霊等は、人生の節目においても、有益である。その節目は、誕生、入学、合格、卒業、就職、結婚等の祝い行事、又は家庭的な行事、例えば、父・母の日、結婚式、銀婚式、誕生日、新居への引越し等の祝い行事、長寿のお祝等の吉の面と、また厄、病気の払拭、戒め等の厄払いと、葬儀、社葬等の凶の面となる種々の風習がある。この風習・お見舞い、又は葬儀等の際に、お付き合い、つまみ類、お茶菓子、お土産として、饅頭、最中、煎餅、菓子等の各種の食品が提供かつ食される。この場合、この食品に、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の文字が刻印されていれば、祝いの気分が高揚し、その喜びと、勇気、又は活力が倍増され、その効果が一層顕著になる。また喜びと、自分の意思、気持ちを伝える手段として有効であること、また文字によるコミュニケーションが図れ、よい結果となる。一方で、悔み、悼み、激励等の文字を刻設したメッセージ食品は、葬儀の場合、激励、戒め、厄払い、参列のお礼等の文字を崇めることで、人が落着きを取り戻し、幾分、心が晴れ、また前向きな気持ちとなる。
【0007】
「4」 現在失われつつある日本のよき伝統、文化の継承、四季折々からなる行事、祝日、節句などのしきたりを、楽しく伝えていきたい。これと同時に、「ありがとう」、「おかげさま」、「感謝」等の日本古来から伝わる良き言葉を大切にしていき、素晴らしい言葉を文字にして伝えていきたい。
【0008】
以上の如く、各種の文字が有し、かつ備わっているパワーと、言霊等を介して、社会に貢献すること、また豊かで、活気のある社会を作り上げていくことが望ましいが、この望みと、その効果を希求するには、さらに工夫と、新規な着想とが要求される。これに鑑み、本発明は、この目的を達成できる先行文献を調査した。その結果、下記の文字を刻印した先行文献と、レーザーに関する先行文献との事例があったので、その概要を説明する。
【0009】
文献(1)は、実用新案登録第3108286号の「メッセージ入り豆料の種子の栽培セット」である。この考案は、照射角度及び照射深度を調整できるレーザー光線を利用し、文字及び図案等を、豆科の種子を損傷させないように種子表面に刻印し、この文字を刻印した種子と、バーミキュライトとを、密封容器に植付け、種子の発芽及び/又は栽培を可能とした栽培セットであり、この種子の成長によって、種子に刻印した文字及び図案等によるメッセージを伝達、即ち、メッセージ伝達媒体に利用する構成であり、このメッセージ伝達のタイミングを自由に選択でき、また発芽後の成長過程で、文字及び図案等のメッセージを視認可能とする。また文献(2)は、特開2005−151980の「植栽用缶詰」である。この発明は、開封可能な上部蓋及び下部蓋を備えた缶本体に、植物の種子を含む培養材を充填した植栽用缶詰で、二種類の培養材と、一方の倍用土に、レーザー光線で文字、図形を焼き付けた種子を収容する構成であり、この種子の種が、成長した暁には、種皮又は子葉に、前記文字、図形が表徴され、簡単にメッセージを伝達できる植物缶詰(花鉢缶詰)を提供する。
【0010】
次にシーザーとコンピュータとの組合せで、マーキングする先行文献としては、文献(3)の特開2002−321072の「レーザーマーキング装置」があり、この発明は、制御手段と、駆動部並びにレーザー光源とで構成し、記憶データを基に、必要とするマーキングデータを選択するに要する時間の節約、かつ迅速化を図ることを意図する。また文献(4)の特開2005−211950の「レーザーマーキング装置及びそのレーザーマーキング方法」があり、この発明は、前記の文献(3)に準ずる。
【0011】
そして、レーザーに関する先行文献としては、文献(5)の特開2001−60394の「位相相関多重化(PCM)ホログラフィックメモリシステム」があり、この発明は、参照ビームを、ホログラムを生成するのに使用される同じ角度、波長、位相及び位置で投射するために、開口のようなフィルタにより、この複数のビームが、参照ビームのホログラムが記憶されたホログラフィック光学要素を照射する前に、複数のビームを制限帯域幅に割り当てる構成とし、記憶されたホログラムの選択性関数の幅を増大し、記憶されたホログラフィックデータを一層迅速にサーチし、検索することを意図する。また文献(6)の特開2003−329408の「レーザー測長器」があり、この発明は、レーザーヘッドから出射されたレーザービームは、ビームスプリッタにより測定ビームと参照ビームに2分割し、この参照ビームは、参照ミラーで反射してビームスプリッタに戻し、また測定ビームは、レンズで収束されて被測定物体に導かれ表面に集光するとともに、反射ビームとして、逆に進んでレンズを経て再び平行光に変換されてビームスプリッタに戻り、参照ミラーから反射された参照ビームと干渉して、干渉光として光検出器へ出射される構成とし、被測定面の微細な凹凸の影響を受けない精度の高い変位測定を行うことを意図する。さらに文献(7)は、特開2007−25055の「PDLC光学要素を備えたSLMを使用するホログラフィックデータ記憶システム」があり、この発明は、空間光変調器デバイス(SLM)は、入力光をピクセルごとに制御する制御可能な高分子分散型液晶(PDLC)要素を含み、かつこのシステムは、データ符号化物体ビームおよび参照ビームがホログラフィック媒体で干渉して、ホログラフィック媒体でホログラムを作成するように配列することを内容とする構成であり、高分子分散型液晶要素の形態の光学要素を含む空間光変調器デバイスを含むホログラフィックデータ記憶システムを提供する。
【0012】
【特許文献1】実用新案登録第3108286号
【特許文献2】特開2005−151980
【特許文献3】特開2002−321072
【特許文献4】特開2005−211950
【特許文献5】特開2001−60394
【特許文献6】特開2003−329408
【特許文献7】特開2007−25055
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前述の文献(1)は、豆科の種子の表皮に文字を刻印する構成であり、この豆科の成長と表皮の土壌表面での露出を介して、メッセージを伝達する構成であり、所謂、メッセージ伝達媒体として種子を活用する構成である。従って、単にメッセージ伝達媒体としての役割に留まり、文字の有するパワー、言霊等が、十分活用されていないこと、また文字の有するパワー、言霊等を、食を通じて、人が享受することはできないこと、等の改良点が挙げられる。またこの考案では、表皮に文字を刻設した状態では、成長時において、表皮の変化があって、現実的に確認するには、困難性があり、メッセージ伝達媒体としての役割を達成するには、少し疑問が感じられる。
【0014】
また文献(2)は、種子に文字等を刻設する構成であり、気軽に、種子の成長過程で楽しむことができ、科学的な啓蒙、また情操教育等に役立つことが考えられる。しかし、前述した文献(1)と同じ課題を抱えている。
【0015】
さらに文献(3)、(4)の発明は、コンピュータ制御及び/又は座標データを駆使し、レーザーの有効使用及び/又はレーザー作業のスピードアップを意図するものであり、マーキング時間の短縮を目的とする。従って、このレーザーと文字及び/又は画像との有効利用と、この組合せと、食品との連繋によって、人に感動と、文字が有するパワーと、言霊等を介して、社会に貢献すること、またメッセージ食品としての役割を十分に果たすこと等の目的を望むことは、困難性がある。
【0016】
そして、文献(5)〜(7)の発明は、レーザーの有効使用及び/又はレーザー機器の活用を意図するものであり、レーザーを工業的に活用する改良と、工業的な範囲の拡充と簡便性等に絞られている。従って、この文献(5)〜(7)は、前述の文献(3)、(4)に準じた、文字の活用に対する問題と、またメッセージ食品としての役割に対する困難性がある。
【0017】
上記に鑑み、本発明は、下記の「1」〜「6」を意図する。
【0018】
「1」は、文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、例えば、その中心に画像を、この画像の周辺に文字を刻設するとともに、この文字等を、レーザービームを介して刻設することで、文字の有するパワーと、言霊等を発揮し、社会に貢献すること、またメッセージ食品としての役割を十分に果たすことを可能とし、有益性を確保すること、またこの刻設の位置関係を限定すれば、通常は最初に中心の画像が脳裏に飛び込み、その後、文字が飛び込む状態となって、人へのインパクトは充分であり、また忘れえぬ事柄となし得ること、
「2」は、この刻設された文字等の視認効果と、この文字が有するパワー、言霊等の効果と、画像が訴える目に対する刺激との相乗効果が楽しめること、又はこの相乗効果は、「1」の位置関係を限定すれば、一層の特徴を発揮すること、又は食品としての形態・色保持と、耐久性の向上等にも有効となること、
「3」は、レーザービームの中で、特定の参照ビームの選択と、直線方向に走査する刻設を介して、より鮮明に刻設し、人へのアピールが図れること、
「4」は、淡色の表面を備えた食品の表面に、文字及び/又は画像を刻設し、この文字及び/又は画像を浮き立たせることで、この文字及び/又は画像の有する躍動感と、生命力、又は楽しみ等を、人に与え得ることを可能とすること、
「5」は、せんべい、最中、饅頭、カステラ、スナック菓子等の食品に刻設した文字及び/又は画像の有する情報を、看者に付与可能としつつ、かつ食品の特徴と、その生命を確保した文字を刻設した食品を提供すること、
「6」は、淡色の表面を備えた食品を、せんべい、最中、饅頭、カステラ、スナック菓子等として特定し、この食品が有する表面の平坦性を利用し、この表面に、文字及び/又は画像を刻設する構成であり、この文字及び/又は画像を浮き立たせて、この文字及び/又は画像の有する躍動感と、生命力、又は楽しみ等を、人に与え得ることを可能とすること。
【課題を解決するための手段】
【0019】
請求項1の発明は、前記「1」〜「6」を達成することを意図する。
【0020】
請求項1は、せんべい、最中、饅頭、カステラ、スナック菓子等の食品で、かつ外面が淡色の仕上がりとなった食品に、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の文字及び/又はコンピュータ画像を刻設(表現)した構造のメッセージ食品であって、
このメッセージ食品の面上を利用し、前記文字及び/又は画像を刻設する構造であり、この構造においては、中心にレーザービームを介して、画像を刻設し、その周辺にレーザービームを介して、文字を刻設し、商品としての価値観と、メッセージとしての有効性とを確保する構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品である。
【0021】
請求項2の発明は、請求項1の目的を達成するに最適な、実施機の構造であって、その照射ビームを直線方向に走査して刻設することを意図する。
【0022】
請求項2は、請求項1に記載の文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、
この文字及び/又は画像の刻設を、照射ビームを直線方向に走査して刻設する構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品である。
【0023】
請求項3の発明は、請求項1の目的を達成するに最適な、実施機の構造であって、そのコンピュータ制御によることと、照射ビームを直線方向に走査して刻設することを意図する。
【0024】
請求項3は、請求項1に記載の文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、
この文字及び/又は画像の刻設を、照射ビームの照射位置、方向等を、コンピュータ制御を介して特定するとともに、直線方向に走査して刻設する構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品である。
【0025】
請求項4の発明は、請求項1の目的を達成するに最適な、実施機の構造であって、その照射ビームを、参照ビームに特定し、目的を果たすことを意図する。
【0026】
請求項4は、請求項1に記載の文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、
この文字及び/又は画像の刻設を、照射ビームの中で参照ビームを選択し、この参照ビームを、直線方向に走査して刻設する構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品である。
【0027】
請求項5の発明は、請求項1の目的を達成するに最適な、メッセージ食品の表面の構造を提供することを意図する。
【0028】
請求項5は、請求項1に記載の文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、
この外面が淡色の仕上がりとなった食品は、略白色に近い顔面(表面)を備えた構造とし、この略白色と、刻設の文字及び/又は画像の刻設を、食品の淡色から浮出させる構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品である。
【0029】
請求項6・7の発明は、請求項1の目的を達成するに最適な、メッセージ食品と、文字及び/又は画像の位置関係の構造を提供することを意図する。
【0030】
請求項6は、請求項1に記載の文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、
この文字及び/又は画像の刻設を、前記食品の外面の中心に設け、この食品の割れ防止と、この文字及び/又は画像を、看者が確実に視認可能とする構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品である。
【0031】
請求項7は、請求項1に記載の文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、
この食品の外面に文字及び/又は画像の刻設を、この食品の内面は、この文字及び/又は画像を刻設しない構造とし、内部の容積を確保する構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品である。
【0032】
請求項8の発明は、請求項1の目的を達成するに最適な、メッセージ食品と、その照射ビームの短時間照射との関係とを備えた構造を提供することを意図する。
【0033】
請求項8は、請求項1に記載の文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、
この文字及び/又は画像の刻設に、照射ビームを短時間照射し、この食品としての味、食感、見た目等の本来の特徴を確保する構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品である。
【発明の効果】
【0034】
請求項1の発明は、せんべい、最中、饅頭、カステラ、スナック菓子等の食品で、かつ外面が淡色の仕上がりとなった食品に、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の文字及び/又はコンピュータ画像を刻設(表現)した構造のメッセージ食品であって、
メッセージ食品の面上を利用し、文字及び/又は画像を刻設する構造であり、構造においては、中心にレーザービームを介して、画像を刻設し、周辺にレーザービームを介して、文字を刻設し、商品としての価値観と、メッセージとしての有効性とを確保する構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品である。
【0035】
従って、請求項1は、下記の「1」〜「6」の特徴を有する。
【0036】
「1」は、文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、例えば、その中心に画像を、この画像の周辺に文字を刻設するとともに、この文字等を、レーザービームを介して刻設することで、文字の有するパワーと、言霊等を発揮し、社会に貢献できること、またメッセージ食品としての役割を十分に果たすことが可能となり有益であること、またこの刻設の位置関係を限定すれば、通常は最初に中心の画像が脳裏に飛び込み、その後、文字が飛び込む状態となって、人へのインパクトは充分であり、また忘れえぬ事柄となることは明らかであること、
「2」は、この刻設された文字等の視認効果と、この文字が有するパワー、言霊等の効果と、画像が訴える目に対する刺激との相乗効果が楽しめること、又はこの相乗効果は、「1」の位置関係を限定すれば、一層の特徴が発揮できること、又は食品としての形態・色保持と、耐久性の向上等にも有効であること、
「3」は、レーザービームの中で、特定の参照ビームの選択と、直線方向に走査する刻設を介して、より鮮明に刻設し、人へのアピールを図ること、
「4」は、淡色の表面を備えた食品の表面に、文字及び/又は画像を刻設し、この文字及び/又は画像を浮き立たせることで、この文字及び/又は画像の有する躍動感と、生命力、又は楽しみ等を、人に与え得ることが可能となること、
「5」は、せんべい、最中、饅頭、カステラ、スナック菓子等の食品に刻設した文字及び/又は画像の有する情報を、看者に付与可能としつつ、かつ食品の特徴と、その生命を確保した文字を刻設した食品を提供できること、
「6」は、淡色の表面を備えた食品を、せんべい、最中、饅頭、カステラ、スナック菓子等として特定し、この食品が有する表面の平坦性を利用し、この表面に、文字及び/又は画像を刻設する構成であり、この文字及び/又は画像を浮き立たせて、この文字及び/又は画像の有する躍動感と、生命力、又は楽しみ等を、人に与え得ることが可能となること。
【0037】
請求項2の発明は、請求項1に記載の文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、
文字及び/又は画像の刻設を、照射ビームを直線方向に走査して刻設する構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品である。
【0038】
従って、請求項2は、請求項1の目的を達成するに最適な、実施機の構造であって、その照射ビームを直線方向に走査して刻設できること等の特徴を有する。
【0039】
請求項3の発明は、請求項1に記載の文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、
文字及び/又は画像の刻設を、照射ビームの照射位置、方向等を、コンピュータ制御を介して特定するとともに、直線方向に走査して刻設する構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品である。
【0040】
従って、請求項3は、請求項1の目的を達成するに最適な、実施機の構造であって、そのコンピュータ制御によることと、照射ビームを直線方向に走査して刻設できること等の特徴を有する。
【0041】
請求項4の発明は、請求項1に記載の文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、
文字及び/又は画像の刻設を、照射ビームの中で参照ビームを選択し、参照ビームを、直線方向に走査して刻設する構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品である。
【0042】
従って、請求項4は、請求項1の目的を達成するに最適な、実施機の構造であって、その照射ビームを、参照ビームに特定し、その目的を達成できること等の特徴を有する。
【0043】
請求項5の発明は、請求項1に記載の文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、
外面が淡色の仕上がりとなった食品は、略白色に近い顔面(表面)を備えた構造とし、略白色と、刻設の文字及び/又は画像の刻設を、食品の淡色から浮出させる構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品である。
【0044】
従って、請求項5は、請求項1の目的を達成するに最適な、メッセージ食品の表面の構造を提供できること等の特徴を有する。
【0045】
請求項6の発明は、請求項1に記載の文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、
文字及び/又は画像の刻設を、食品の外面の中心に設け、食品の割れ防止と、文字及び/又は画像を、看者が確実に視認可能とする構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品である。
【0046】
請求項7の発明は、請求項1に記載の文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、
食品の外面に文字及び/又は画像の刻設を、食品の内面は、文字及び/又は画像を刻設しない構造とし、内部の容積を確保する構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品である。
【0047】
従って、請求項6・7は、請求項1の目的を達成するに最適な、メッセージ食品と、文字及び/又は画像の位置関係の構造を提供できること等の特徴を有する。
【0048】
請求項8は、請求項1に記載の文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、
文字及び/又は画像の刻設に、照射ビームを短時間照射し、食品としての味、食感、見た目等の本来の特徴を確保する構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品である。
【0049】
従って、請求項8は、請求項1の目的を達成するに最適な、メッセージ食品と、その照射ビームの短時間照射との関係とを備えた構造を提供できること等の特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、本発明の一実施例を説明する。
【0051】
先ず、図面の説明をすると、図1−1〜図1−3は第一実施例であり、メッセージ食品のせんべいに、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の文字(図1−1は、祝成人:おめでとう、図1−2は、出産祝:ご誕生おめでとうございます、図1−3は、祝結婚:お幸せに)と、この文字に符合する画像(図1−1は、成人、図1−2は、赤ちゃん、図1−3は、新婚のカップル)を表現した斜視図である。また図2−1〜図2−3は第二実施例であり、メッセージ食品の饅頭に、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の文字(図2−1は、祝成人:おめでとう、図2−2は、出産祝:ご誕生おめでとうございます、図2−3は、祝結婚:お幸せに)と、この文字に符合する画像(図2−1は、成人、図2−2は、赤ちゃん、図2−3は、新婚のカップル)を表現した斜視図である。さらに図3−1〜図3−3は第三実施例であり、メッセージ食品のカステラに、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の文字(図3−1は、祝成人:おめでとう、図3−2は、出産祝:ご誕生おめでとうございます、図3−3は、祝結婚:お幸せに)と、この文字に符合する画像(図3−1は、成人、図3−2は、赤ちゃん、図3−3は、新婚のカップル)を表現した斜視図である。図4はレーザー加工機と、加工台並びにメッセージ食品との関係を示し、加工中の状態を示した模式図、図5は第一実施例の他の例であり、メッセージ食品のせんべいに、感謝の言葉や、社名、氏名、電話番号等の文字と、本人の画像を表現した斜視図である。
【0052】
図面に基づいて各実施例を説明する。
【0053】
図1−1〜図1−3に示した第一実施例は、外面が淡色の仕上がりとなったせんべい1に関するものであり、このせんべい1の面上100(表面及び/又は裏面)を利用し、文字2及び/又は画像3を刻設する構造であり、これを刻設するには、図4に示したレーザー加工機10を利用する。そして、望ましくは、商品Aの中心1a(略真中)にレーザービーム10a(照射ビーム)を介して、画像3を刻設し、周辺1b(縁部)にレーザービーム10aを介して、文字2を刻設することで、商品A(メッセージ食品)としての価値と、メッセージとして有効性が向上し、或は文字2及び/又は画像3を、それぞれ浮き立たせて、この文字2及び/又は画像3の有する躍動感と、生命力、又は楽しみ等を、人に与え得ること等を意図する。そして、この一例の文字2は、図1−1は、祝成人:おめでとう、図1−2は、出産祝:ご誕生おめでとうございます、図1−3は、祝結婚:お幸せに、と示してあるが、一例であり限定されない。また画像3は、文字2に符合したものであり、図1−1は、成人、図1−2は、赤ちゃん、図1−3は、新婚のカップルを示しているが、一例であり限定されない。そして、この面上100の色と、刻設による文字2及び/又は画像3との色のコントラストを介して、商品としての価値、美感の向上と、メッセージとして有効性、視認性を確保できること等の特徴を有する(他の実施例も同じ)。
【0054】
図2−1〜図2−3に示した第二実施例は、外面が淡色の仕上がりとなった饅頭5に関するものであり、この饅頭5の面上500(表面及び/又は裏面・側面)を利用し、文字2及び/又は画像3を刻設する構造であり、これを刻設するには、図4に示したレーザー加工機10を利用する。そして、望ましくは、商品Aの中心1a(略真中:側面では自由である)にレーザービーム10aを介して、画像3を刻設し、周辺1b(縁部:側面では自由である)にレーザービーム10aを介して、文字2を刻設することで、商品Aとしての価値と、メッセージとして有効性が向上し、或は文字2及び/又は画像3を、それぞれ浮き立たせて、この文字2及び/又は画像3の有する躍動感と、生命力、又は楽しみ等を、人に与え得ること等を意図する。そして、この一例の文字2は、図2−1は、祝成人:おめでとう、図2−2は、出産祝:ご誕生おめでとうございます、図2−3は、祝結婚:お幸せに、と示してあるが、一例であり限定されない。また画像3は、文字2に符合したものであり、図2−1は、成人、図2−2は、赤ちゃん、図2−3は、新婚のカップルを示しているが、一例であり限定されない。
【0055】
図3−1〜図3−3に示した第三実施例は、外面が淡色の仕上がりとなったカステラ6に関するものであり、このカステラ6の面上600(一方側面「表面」及び/又は他方側面「裏面」)を利用し、文字2及び/又は画像3を刻設する構造であり、これを刻設するには、図4に示したレーザー加工機10を利用する。そして、望ましくは、商品Aの中心1a(略真中)にレーザービーム10aを介して、画像3を刻設し、周辺1b(縁部)にレーザービーム10aを介して、文字2を刻設することで、商品Aとしての価値と、メッセージとして有効性が向上し、或は文字2及び/又は画像3を、それぞれ浮き立たせて、この文字2及び/又は画像3の有する躍動感と、生命力、又は楽しみ等を、人に与え得ること等を意図する。そして、この一例の文字2は、図3−1は、祝成人:おめでとう、図3−2は、出産祝:ご誕生おめでとうございます、図3−3は、祝結婚:お幸せに、と示してあるが、一例であり限定されない。また画像3は、文字2に符合したものであり、図3−1は、成人、図3−2は、赤ちゃん、図3−3は、新婚のカップルを示しているが、一例であり限定されない。
【0056】
尚、図4に示したレーザー加工機10は、図示しない支持具を介して、テーブル(図示せず)上に架承し、このレーザービーム10aの直下に、加工用の載せ台1000を設置する。そして、この載せ台1000は、調整ねじ1001を介して、X、Y方向と、上下・左右方向に移動換可能とする。このレーザービーム10aは、参照ビームが望ましく、また直線方向に走査する構造とし、この商品Aの所定の位置及び/又は箇所に、簡易かつ確実に文字及び/又は画像を刻設可能とする。また商品Aの取出しと、また高スピードでの刻設を可能とする。そして、この直線方向に走査する構造とし、画像3の描写の正確性と、レーザービーム10aによる焦げ防止にも有効と考えられる。そして、このレーザー加工機10には、図示しない、コンピュータからの指令で、文字データと画像データとが送られる。そして、この各データは、カメラ画像(デジカメ、携帯電話等の画像)、文字画像等を利用することも可能であり、小量(小ロット)商品Aから大量商品Aの提供が図れる。また簡便な使用と、低コストでの商品A提供が可能となる。
【0057】
尚、前述の中心1aにレーザービーム10a(照射ビーム)を介して、画像3を刻設し、周辺1bにレーザービーム10aを介して、文字2を刻設することで、商品A価値の維持と、食感の確保、又は形態維持等に有効であり、従来品との何ら遜色がない。
【0058】
図5は、第一実施例の他の例であり、せんべい1を用いて、食べられる名刺せんべいとしたメッセージ食品Aである。これにより、この名刺せんべいを受け取った側にサプライズとなり、渡す側との親近感が増し、円滑なコミュニケーションが図れること、又は、笑顔と会話がはずむ効果があるものと、考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1−1】図1−1は第一実施例であり、メッセージ食品のせんべいに、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の中で、祝成人:おめでとう、の文字と成人の画像を示した図
【図1−2】図1−2は第一実施例であり、メッセージ食品のせんべいに、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の中で、出産祝:ご誕生おめでとうございます、の文字と赤ちゃんの画像を示した図
【図1−3】図1−3は第一実施例であり、メッセージ食品のせんべいに、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の中で、祝結婚:お幸せに、の文字と新婚のカップルの画像を示した図
【図2−1】図2−1は第二実施例であり、メッセージ食品の饅頭に、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の中で、祝成人:おめでとう、の文字と成人の画像を示した図
【図2−2】図2−2は第二実施例であり、メッセージ食品の饅頭に、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の中で、出産祝:ご誕生おめでとうございます、の文字と赤ちゃんの画像を示した図
【図2−3】図2−3は第二実施例であり、メッセージ食品の饅頭に、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の中で、祝結婚:お幸せに、の文字と新婚のカップルの画像を示した図
【図3−1】図3−1は第三実施例であり、メッセージ食品のカステラに、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の中で、祝成人:おめでとう、の文字と成人の画像を示した図
【図3−2】図3−2は第三実施例であり、メッセージ食品のカステラに、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の中で、出産祝:ご誕生おめでとうございます、の文字と赤ちゃんの画像を示した図
【図3−3】図3−3は第三実施例であり、メッセージ食品のカステラに、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の中で、祝結婚:お幸せに、の文字と新婚のカップルの画像を示した図
【図4】図4は、レーザー加工機と、加工台並びにメッセージ食品との関係を示し、加工中の状態を示した模式図
【図5】図5は、第一実施例の他の例であり、メッセージ食品のせんべいに、感謝の言葉や、社名、氏名、電話番号等の文字と、本人の画像を表現した斜視図
【符号の説明】
【0060】
A 商品
1 せんべい
1a 中心
1b 周辺
100 面上
2 文字
3 画像
5 饅頭
500 面上
6 カステラ
600 面上
10 レーザー加工機
10a レーザービーム
1000 載せ台
1001 調整ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
せんべい、最中、饅頭、カステラ、スナック菓子等の食品で、かつ外面が淡色の仕上がりとなった食品に、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の文字及び/又はコンピュータ画像を刻設(表現)した構造のメッセージ食品であって、
このメッセージ食品の面上を利用し、前記文字及び/又は画像を刻設する構造であり、この構造においては、中心にレーザービームを介して、画像を刻設し、その周辺にレーザービームを介して、文字を刻設し、商品としての価値観と、メッセージとしての有効性とを確保する構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品。
【請求項2】
請求項1に記載の文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、
この文字及び/又は画像の刻設を、照射ビームを直線方向に走査して刻設する構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品。
【請求項3】
請求項1に記載の文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、
この文字及び/又は画像の刻設を、照射ビームの照射位置、方向等を、コンピュータ制御を介して特定するとともに、直線方向に走査して刻設する構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品。
【請求項4】
請求項1に記載の文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、
この文字及び/又は画像の刻設を、照射ビームの中で参照ビームを選択し、この参照ビームを、直線方向に走査して刻設する構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品。
【請求項5】
請求項1に記載の文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、
この外面が淡色の仕上がりとなった食品は、略白色に近い顔面(表面)を備えた構造とし、この略白色と、刻設の文字及び/又は画像の刻設を、食品の淡色から浮出させる構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品。
【請求項6】
請求項1に記載の文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、
この文字及び/又は画像の刻設を、前記食品の外面の中心に設け、この食品の割れ防止と、この文字及び/又は画像を、看者が確実に視認可能とする構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品。
【請求項7】
請求項1に記載の文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、
この食品の外面に文字及び/又は画像の刻設を、この食品の内面は、この文字及び/又は画像を刻設しない構造とし、内部の容積を確保する構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品。
【請求項8】
請求項1に記載の文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品であって、
この文字及び/又は画像の刻設に、照射ビームを短時間照射し、この食品としての味、食感、見た目等の本来の特徴を確保する構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−228582(P2008−228582A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−68931(P2007−68931)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(594148667)株式会社石亀工業 (27)
【Fターム(参考)】